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亀田得治君 それでは、私、
人権擁護に関することで簡単に
調査の要請をいたしておきたいと思います。御
調査願った上で、必要があれば、また適当な機会に
質疑をいたしたいと思います。本日は突然ですから、ひとつそういう順序で、本日のところは簡単に述べることにいたしておきます。
それは、六月十二日のことですが、
大阪法務局の
人権相談室へ
川上卓男という人が持ち込んだ問題です。問題の
内容というのは、
上野初枝、これは女性、それから中
吉克己、これは男性ですが、この二人の間の男女の
関係のもつれといいますか、そういうことに関する問題なんです。
川上さんは
上野初枝の
立場で
事件を持ち込んだ。持ち込んだ中身は、長年中吉にもてあそばれて、そうして捨てられたかっこうになっておるが、何とかその
慰謝の
方法を講じてもらえないもんだろうか。中
吉本人には財産も何もない。これは素行も非常に悪い。だから、その妹である人にそういう請求ができないもんだろうか、こういう趣旨なんですね。これは
川上さんだけじゃなしに、その二人の
関係のことを知っておる
隣近所の人はみな同情しておるわけですね。代表して
川上さんがそういう問題を起こし、奔走しておるわけです。これは
法律的に判断しますとね、道義的には何とかしてやりたいということになりましても、
法律的には若干無理な点もこれはあろうと思うのです。ところが、その
相談を受けた
法務局の役人の方が、てんで相手にせぬような
扱いをしたというのですね。たとえば、
川上さんがいろいろ
説明すると、それからどうした、その次はどうだ、それから……、といったような調子で、
川上さん自身は、非常に気の毒な境遇にある方々のために、
自分では費用も使い、時間もつぶして一生懸命働いておるつもりなんですね。その人に対して、そういうまるで何か
自分が悪いことでもしておるような言い方をされる。あるいはまた、その男と女の間で、
いや家をつくってやるとか、いや土地がくにのほうにあるから、これいずれは分けてやるとか、そういうふうなでたらめな
書類をやはり取りかわしておるようです。女は信じておる。実際調べてみたらそんな土地ありゃせぬ、これは
あとからわかっておるわけですが。そういうものを持っていった。ところが、そんなものはもう何の値打ちもないというふうな言われ方をしたというわけなんですね。まあそのほかにいろいろ詳しいこと、ここの
書類に書いてあるのですがね。私はこういうことはよほど注意してもらわなければいかぬと思うのです。
法務省の方、これは
法律が詳しいからね。何といいますか、
しろうとが道徳的な
立場から何とかしてやれぬものかと思う。そういう
立場で苦しんでおる人に対しては、もう少し親切に応対してもらわなきゃいかぬと思うんですね。で、普通ならば、もう
役所というところはああいうところだと、これは幾ら言うてもしかたがないわ、引き下がるわけですね、もともとこれは
他人のことだと。ところが、この
川上さんという方は、そういう点じゃ引き下がらぬわけですね。私はこのほうがりっぱだと思うんですよ、りっぱだと。そしてまあ
法務局長あてに
弾効上申書というのを出したわけですね。そうすると、その担当の
課長の方が、電話があって、そうして会ってくださって
——田村さんという
課長ですね。で、
課長が会うと、なるほどだいぶん前の人とは応対のしかたも違うし、親切に
説明も受けたと、こう言っているんです。そこまではまあ喜んでるんだが、それじゃ、最初にそういう乱暴なことを言うた人、それはそのままでいいのかどうかということで、気分がおさまらぬわけです。それで、まあ、
局長にも直接会って、そして
事情を話し、聞いてほしいと言うておるんだが、なかなか
課長が取り次いでくれないというようなことで、えらい悩んでおりましてね。まあ
役所というところはなかなかかた苦しいところだということは聞いておったけれども、しかし、こんなことじゃもう迷惑する人がたくさんおるんじゃないかというので、わざわざけさ上京してきたんですよ。で、どうしてもこれは、まあ
他人のことだから、
自分もよく
考えてみれば、そこまでやっきにならぬでもいいように思うけれども、もう寝とってもとにかくこのことは思い出すとしゃくにさわってしょうがないというわけです。それで、わざわざ一件
書類を持って出てこられたんですよ。で、私は、これは小さいことのようだけれども、
役所の姿勢としては非常に大事なことじゃないかと。
しろうとと
専門家の間ではよくありがちなことなんです、こういうことは。で、ぜひこれはだから私はお調べ願いたいと思うんです。
局長のほうで、実際にそういうふうな状況であれは、まあ
部内の者はどうもかばいたがる癖がありますが、そんな者はかばいますと、それは結局、現在
川上さんは一人だけ恨んでるわけです、ところが、あれだけ言われて、それでも何もないというなら、それはあなた、
局長も上の人も実際知らぬところじゃ同じようなことをやっておるんじゃないかと、逆に邪推しますよ。私
たちはそんなことは
考えておりません。
本人にも、そんなことはないんだと、それはたくさんの人にはいろいろ間違いがある、あればそれはやっぱり明らかにしてもらうということで、私からも要請するからと、こういうまあいきさつになっているわけです。はなはだ突然なことですが、わざわざそのことのためだけに。まあそういう
関係ですから、そんな……。自腹切って来ているんですよ。
署名者がたくさんいるんですよ、
川上さんだけがそういうことを言うてるんじゃなしに。そういう
案件でございますので、ひとつ
局長のほうでお調べ願いたいと思います。