○杉原
一雄君 先ほどわが党の
足鹿委員から二時間二十分にわたる長い
質疑応答のやりとりがあったわけですが、その中で問題は、第一点として
根幹の問題に触れ、第二点として総合農政の問題に触れたと思うのであります。その
質疑応答の中で、大体言って、
足鹿委員のほうからいわれる
食管の
根幹の問題についてはっきりとしたビジョンと意欲が示されたと思うのでありますが、逆に
政府当局の側が、私自身の今日まで歩いてきた人生航路からそういうことが言えるかもしれませんけれ
ども、常に私は被害者の立場に立って今日まで地域社会の活動をしてきたわけですから、皆さんのおっしゃることを常に被害者の立場に立って警戒的に受け取らざるを得なかったわけです。いずれの
答弁にいたしましても、私何かこう直面する矛盾をカバーするための逃避の姿勢がちらほら見えて残念でたまりません。きょうは八月八日です。私のいま住まいする地域では、きょうはたしか空中防除をやっているはずであります。みずからの命の危険をおかしながら汗水を流して、困難な中で防除をしているわけです。その
農民たちは一日も早く
米価の決定することを期待していることは間違いございません。とりわけ農村ではお盆というのは年中行事で非常に大事なんでございまして、間もなくお盆がまいります。そのお盆の中で
生産者米価がどうきまるか。そのきまった結果についてある程度ふところ勘定をしながらやはりお盆の楽しい一ときを送ることが可能であろうと思うのでありますが、今日の
段階ではなかなかその
米価決定が逡巡ちゅうちょしておいでになるようで、
農民の期待に沿うようにはかばかしく進まないようですが、国会の中のいろいろな機会で農相の
言明があったと思いますが、重ねて御迷惑でしょうけれ
ども、
米価決定は十日になるのか、十一日になるのか、十二日になるのか、ここではっきりひとつお聞きしておきたいということが第一点であります。
同時に私は、早場米地帯の富山出身でございますので、やはり時期別格差の問題で、早場米地帯、北陸、富山等においては重大な関心があることは農相の手元には多くの陳情がまいっておりますから十分お聞き取りのことだと思います。そこでこの問題につきましても、現在時点でどの程度に作業が進み、どう決定の方向に進んでいるか、おそ出しの奨励金の問題はよく宣伝されておりますので十分理解しておりますが、いままで
農民の既得権として、しかも
農民はことしの作付をきめるにあたって、早場米の奨励金を計画の中に入れながら作付をしたことは、これは間違いないわけでありますので、この時点で従来の
政策が大きく変わるということは、
農民としてはたえられない問題であります。狭い範囲のことを申して失礼でありますが、わが県では少なくとも昨年
段階では十億円ぐらいの
農民の手取りになるわけですから、これがどういう方向にきまるかによって
農民の生活には大きな影響を与えますので、この機会を通じて明確な
言明をしていただきたいと思うのであります。
その次に等級間間差の問題でありますが、もうそろそろ、私いろいろ
食糧事務所等、現場を回るわけでありますが、しきりに皆さんが米を見て、昨年の米でありますが、検査の品定め訓練をやっているわけですが、
行政指導等を通じて、あるいは品質基準の厳正という表現のもとで、きびしい等級の格上げの問題が
行政指導として進められているのではないだろうか。その辺のところが非常に心配であります。一面は見せかけの米の値を上げたんだ、実は米審からこれだけの答申があったのだけれ
ども、実はこれほど
政府の政治努力によって上げたんだといったような見せかけのことを、高
米価の——高
米価ではないでしょうけれ
ども、そういうことで
農民にごまかしをしながら、実質的にはこの米の検査の中で等級を引き上げていくという結果、これは
農民にとっては明らかに手取りが少なくなるということは明瞭でございますので、そうした
行政指導等が行なわれているのではないだろうかと、私は先ほど申し上げましたように被害者意識の立場から感ぜざるを得ない、直感せざるを得ない。そうしたことがないかあるか、こうした問題もはっきりお聞きをしておきたいと思うのであります。
一緒くたに全部——一問一答すればいいわけでありますが、時間がなくて、しかも
農林大臣も非常にお疲れのようでありますから次から次へと申していきますから、
あとでそれぞれの関係から明確な
答弁をいただければ幸いだと思うわけであります。
で、総合農政の問題が、二百六十五万何がしかの米が余ったからというので、あわててそういうことを使って、つまり今日までの高度成長
政策なり農業
政策の諸矛盾をそういう形で逃げようとしたり、あるいは米の問題をそういう形の中で、つまり忍術を使おうとするような気配が感じられるわけでありますが、先ほど
足鹿委員の
発言にあったとおり、総合農政とは一体何だ、その方向はどうなんだということに対して農相の
答弁があったわけですが、どうも私にはわからない。わからないのみか、ここへ企画庁のほうからも御出席いただいておると思いますから——企画庁の
経済白書が先般出されたわけです。この中に新しい農業の方向について「新しい農業への道」という別項を起こして、あるいは
食糧の輸入の問題について、あるいは国内
生産の問題について、あるいは佐賀平野の問題等をあげながら農業技術なり農業経営の方向づけなりについてかなりの筆を振っているわけであります。こうしたことについて、先ほど
大臣は総合農政についてはこれからだと言わんばかりの
発言であったと私は思います。
農業基本法を踏まえるとか
食糧管理制度を踏まえるということはこれはわかり切ったことなんで、私たちはそんなことを聞こうとは思わない。少なくとも
農民に、今日の米の問題を中心として総合農政の問題に立ち向かおうとするならば、明確なるこういう柱を
国民に示すのが、
農民に示すのが
政府当局の責任だと思うのでありますが、そういう点がきわめてあいまいだったわけですが、幸か不幸か、
経済白書にそれがちらほら出てまいっております。私は白書というものがどういう形でつくられて農政当局がそうしたことにどう参画しているか、その機構については知りません、正直に言って。だから、企画課長もおいでになっておるようでありますけれ
ども、もし参画をしながらこうした白書に承認を与えておいでになるとすれば、すでに総合農政の方向が出てきているわけじゃないか。しかもこれは、私は是とする
意味じゃありません、そうした関係を明確にしていただいた後、しかるべき機会においてこの白書を中心として農政当局の皆さんと十分対話を深めていきたいと思いますので、そうした問題の取り組みのしかた、進め方、そうしたことについて明確な農政当局の
答弁でよろしいと思いますけれ
ども、
経済企画庁長官の出席を要請しておきましたが、出てきておりませんのでやむを得ないのですが、当局の
答弁を求めたいと思うのであります。
再
質問をできるだけ避けたいと思いますので、何もかも一緒にやってしまいたいと思いますが、私は一昨年まで九アールの百姓をしておりましたから、いわゆる供出田の
農民として自給と同時にまたある程度供出をすることができたわけです。そういう農業をした立場から
食管法第三条は身にしみるほど大切だと感じております。昨年から新産業都市の犠牲になって、いま都市生活をしているのでありますが、完全なる
配給を受けて生活しております。そうしますと、これまた、第
四条の恩恵は身にしみて感じているところであります。そういう立場から今度とも農政当局の皆さんと十分話をしながら、いわゆる
生産者の立場、
消費者の立場に立って、米の問題について今次の解決はもちろんのこと、今後の問題につきましてもお互いに日本民族の発展をこいねがいながら努力をしたい、こういうふうに思っておりますので、先ほど申し上げたようなことで、
質問に当たる点についてのお答えをいただければ幸いだと思います。これで終わります。