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1968-08-10 第59回国会 参議院 逓信委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年八月十日(土曜日)    午前十時二十一分開会     —————————————    委員異動  八月七日     辞任         補欠選任      大谷藤之助君     迫水 久常君  八月十日     辞任         補欠選任      白木義一郎君     沢田  実君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         久保  等君     理 事                 新谷寅三郎君                 寺尾  豊君                 西村 尚治君                 森  勝治君     委 員                 植竹 春彦君                 長田 裕二君                 古池 信三君                 白井  勇君                 松平 勇雄君                 鈴木  強君                 永岡 光治君                 松本 賢一君                 沢田  実君                 北條  浩君                 村尾 重雄君                 青島 幸男君    国務大臣        文 部 大 臣  灘尾 弘吉君        郵 政 大 臣  小林 武治君    事務局側        常任委員会専門        員        倉沢 岩雄君    説明員        文部省社会教育        局長       木田  宏君        郵政省郵務局長  曾山 克巳君        郵政省電波監理        局長       石川 忠夫君    参考人        日本放送協会会        長        前田 義徳君        日本放送協会副        会長       小野 吉郎君        日本放送協会専        務理事      竹中 重敏君        日本放送協会専        務理事      川上 行蔵君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に  関する調査  (電波に関する件)  (放送に関する件)  (郵政事業運営に関する件) ○埼玉県加須市東栄町に特定郵便局早期設置に関  する請願(第一九号) ○継続調査要求に関する件 ○委員派遣承認要求に関する件     —————————————
  2. 久保等

    委員長久保等君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  初めに理事会の協議の結果について御報告いたします。  本日の委員会においては、参考人出席要求を御決定願った後、調査を行ない、引き続き請願の審査、継続調査要求及び閉会中の委員派遣承認要求を行なうことになりましたので御了承願います。     —————————————
  3. 久保等

    委員長久保等君) まず、委員異動について御報告いたします。  去る七日付をもって大谷藤之助君が委員辞任され、その補欠として迫水久常君が選任されました。     —————————————
  4. 久保等

    委員長久保等君) 次に、郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に関する調査を議題といたします。  この際、参考人出席要求に関する件についておはかりいたします。  本件調査のうち、放送に関する件の調査のため、日本放送協会役職員参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 久保等

    委員長久保等君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、その人選等については委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 久保等

    委員長久保等君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  7. 久保等

    委員長久保等君) これより質疑を行ないます。御質疑のある方は順次、御発言を願います。
  8. 鈴木強

    鈴木強君 きょう私は、電波放送関係について若干の質問をいたしたいと思います。  最初に、大臣にお尋ねいたしますが、次の通常国会に向けての問題にもなりますが、予算編成期もきておりますので、ちょっとお尋ねしたいんですが、大体この次の通常国会に提案を予定しておる郵政関係法律改正ですね、これはどんなものがありますか。ちょっと伺いたいのです。
  9. 小林武治

    国務大臣小林武治君) これはいま政府の方針として次の通常国会にはぜひ提出いたしたいと、かように考えておりますその内容は、もう前回国会提出されたものに若干の追加等をする、こういうつもりで現在与党の自由民主党と相談をしておると、こういう段階でありますから、具体的にどういうことが追加をされるかというようなことはまだわれわれとして内定を見ていないと、こういう状況でございます。
  10. 鈴木強

    鈴木強君 それでは、まだこの点もはっきりしておるかどうかわかりませんが、特に電波関係ですね、電波関係予算、大体四十四年度の重点的な施策として郵政省はどんなことをやろうとするのか、そういったこともまだきまってないんですか。
  11. 石川忠夫

    説明員石川忠夫君) まだ本ぎまりになっておりませんが、大体私どもが心組みしておりますことは、人工衛星開発研究だとか、あるいは監視体制の整備、その他電波監理事務機械化等ということを中心に検討してまいりたい。こういうふうに考えております。
  12. 鈴木強

    鈴木強君 これはまだ確定したことではないと思いますのでちょっと要望しておきたいんですけれども、特に宇宙関係の問題で、対アフリカ、それから豪州ですね、南米方面衛星を通じての通信というものがやや他の地域に比べておくれておると思います。ですから、今度インド洋に打ち上げられる衛星も予想されておりますけれども、そういうものとの関連でひとつ政府のほうとしても、もう少し国際会議舞台においても、そういった関係地域の各国に対して、地球局設置等、もう少し積極的に働きかけをしていただいて、せっかく打ち上げた衛星を使っての国際通信というものが全世界のすみずみまでいけるように、そういった御配慮をしていただきたいと思いますけれども、そういう意味で、その方面に対する重点施策というものも考えておられると思いますけれども、ぜひひとつ積極的に施策をやってもらいたいと思います。この点どうでしょうか。大臣
  13. 小林武治

    国務大臣小林武治君) いまの世界通信衛星機構は、昭和四十五年に本協定ができるという、こういう段階で四十四年中にそれらの準備を完了する。こういうふうなプログラムになっておりますが、現在の段階においては、いまのその下の機構KDDがその責任者になって当たっておる。最近KDDでもこの会議に対する意見書を大体まとめたのでございますが、要は、いろいろ考えはありますが、日本としてはやはりいまのインテルサット世界的な機構の中に入るという、こういう考え方は従前のとおりでありまして、その中で、一体アジア関係あるいは将来沖繩問題等考えて、日本において通信衛星の問題はどうなるか、こういうふうな関係がありますが、長距離全一体としてはもうインテルサット機構の中でやる。ただ将来沖繩とかあるいは近くの東南アジア等については、日本衛星がその役に立つようにしたいと、こういうふうな考え方を持っておりますが、しかし、全体の中の部分として、その機構の中でひとつそういう役割りも果たすべきではないかと、こんなふうな考え方でおるのであります。実はもう御承知のように、いま通信衛星のグローバル、世界中の問題についても、ヨーロッパ連合みたいな問題もありますが、大体の傾向としては、やはりいまのインテルサット中心となって、世界全体の通信衛星機構でやるという、こういうふうな方向にあるのではないかと思います。いまの状態は、政府意見を述べる、こういう状態にまだなっていない。KDD郵政省と話し合いの上で意見を出すと、こういうふうな状態に相なっております。何といたしましても、全体の機構としては、やはりインテルサット世界のまとまった機構である。それに参加して、その中の部分としていまのような中近東、東南アジア等の問題が入ってくる。これらについても、日本としても権限と申しますか、将来のそういうことのできることを保留しておかねばならぬというふうなことを大体いま考えております。
  14. 鈴木強

    鈴木強君 まあ直接に運用の衝に当たるのはKDDでしょう。しかし、国際通信政策というものはやはり政府がちゃんと持っていると思います。そういう意味において、私は特にアフリカ豪州それと南アメリカ、この地域衛星を使っての通信については立ちおくれておるものですから、その点のレベルアップをしていただかないと、せっかくインテルサットという世界的な組織がありますから、その中に加盟していただくことはもちろんでありましょうし、いまの六十カ国をもっとふやしていくということは一つの問題でありましょうが、そういったことをしないと損ですね、世界的に。ですから、せっかく上げた衛星がフルに活用できるような体制をしくことがやっぱり大事なことだと思うのですよ。もう一つは、対共産圏との関係で、インテルサットに対してソ連は違う方法をとっているわけです。こういったものを、やはり文化通信という立場に立って世界的な統一体というものを生み出したほうがいいと思うので、そこらの点を含めて、政府当局というものがもう少し積極的に、これは国際会議舞台もあるわけですから、そういうところでなお一そう積極的に私は努力してもらいたいという、そういう希望を強く持っているもんですからいまのような意見を申し上げたのですから一そういう点はひとつ含んでおいて大臣も善処していただきたいと思います。いかがですか、それは。
  15. 小林武治

    国務大臣小林武治君) いまのように、このインテルサット機構のほかにソ連機構というものが別にあることは御承知のとおりでありまして、そこと日本との通信をどうするかという問題も、これはもうわれわれとしても検討しなければならぬ問題だと思いますが、いまの状態においては、これからもひとつそういうことも頭に置いて考えなければならぬ、こういうことで、具体的に何かが進んでいるかということはいまのところないと、こういうことです。
  16. 鈴木強

    鈴木強君 それから電波法放送法は、おそらく、大臣先ほどのお話の裏には、既定方針どおり提案するということだと思いますが、そこでどうも、一番基本になる電波法放送法というものが中途はんぱになって凍結されているもんですから、非常にわれわれが電波行政を論ずる場合に困るわけです。すでにUHFの第一次チャンネルプラン、さらに第二次のチャンネルプランというものが明らかになっておりますが、これらの経過についても私はいろいろ伺いたいのですけれども、そういう中で、また一方においては、FM東海や、あるいは12チャンネルのような混乱状態が起きている。どうも最近の日本電波行政考えてみるのに、少しその中心がぼけてしまっているような気がするわけです。しかも、電波行政というよりもむしろ行政自体が、もう政治的に非常に支配されるような傾向すら考えられるので、私はもう何としても、臨時放送関係法制調査会の答申を一日も早くこれを国会で審議をして、基本的なやっぱりものさしというものをつくった上で日本電波行政というものをやってもらわないと、いろいろな混乱が出てくるということを考えたもんですから、いままでずいぶん両法案改正については大臣お願いもし、大臣も努力してくれたと思いますが、残念ながら結果的にはいまその法案すら国会には出ていないという状態の中で、日本電波行政が行なわれているわけです。  まあ、これから逐次お尋ねしますが、まず第一番に、きのうの夕刊を拝見しますと、FM東海免許更新を不許可にされたことをめぐって、東海大学郵政大臣を相手どってこの処分執行停止を求めた申し立てを東京地裁に出した、その判決が出ておりますが、それを見ますと、郵政省が六月二十九日付で行なった免許取り消し通告処分効力を停止するという、そういう決定がなされておるようです。これはおおむねFM東海申請を全面的に認めたように思います。まだ、私はこの判決文内容を全部見ておりませんから、ここでにわかに内容について申し上げることは差し控えますが、いずれにしても重大な問題だと思います。また一方には、12チャンネル郵政省敗訴というような、免許をめぐって、そういう事態が起こっております。これもまた長年の懸案であった問題でございますが、これはまあ次の問題として、とりあえず、この免許取り消しに対して待ったをかけられた郵政省としては、この東京地方裁判所判決に対してどういうふうな措置をとられるか、これはもう率直に大臣のお考えを聞かせてほしい。
  17. 小林武治

    国務大臣小林武治君) 私は、もうこの決定が全然理解できないでおります。今回の問題、まあいろいろなことが出ておりますが、これはいま起きた問題じゃありません。過去の電波行政ゆがみをある程度この際ひとつルールに乗せたいと、こういうようなところから出ておる問題でありまして、このままほっておけば問題にもならなかったが、そのことを、私は電波行政のひずみを少しでも直すのが郵政当局の私は責任である、こういう関係から、あの問題に取り組んでおるのでありますが、この決定自体を、私は主文を読むと、取り消しが無効だとか——何も取り消しちゃいません。この点が私は全然理解できない。六月三十日にこれはもう期限が来たから、免許というものは期限が来ればもう自然消滅、何らの行政処分の必要がない、初めからそういう条件でやっておるから。したがって、六月二十九日にわれわれが免許取り消しなんでした覚えもない。ただ、再免許があるかと言われれば、それはないということを電話で言うたそうでありますが、これは何も、免許取り消しではありません。したがって私どもは、今度の決定について、行政当局としてはこれは全然理解がいかない。免許取り消しなんぞありません。期限が来たものが自然消滅しただけであります。行政処分は全然その問に何もしておりません。こういうことでありまして、何か誤解されているのじゃないかというふうに私は考えておりますので、そういうふうな向きの抗告をいたすつもりでおります。
  18. 鈴木強

    鈴木強君 そうしますと、ちょっと私も理解がいかないのですけれども郵政省最初東京地検告発をした趣旨というのは、一体どういう趣旨だったんでしょうか。
  19. 小林武治

    国務大臣小林武治君) これは、政府免許のない電波が出れば、その電波はすべて不法電波に違いありません。それは法律にそういうふうにきめてあるのですから。したがって、六月三十日に免許期限が終了すれば、当然もう電波を出すことができない。しかるに続いて電波が出ているということは、これは法律上の不法電波である。法律規定によれば——私は立法論としていまの法律が適当な法律だとは思いませんが、ただ不法電波として告発することしかできないのです。普通なら不法電波というのは——ことにああいうものがやかましいのは、対外に対する不法電波とか、外から入ってくる不法電波とか、こういうものが一番大きな問題として規定があるのです。要するに電波ルールと申しますか、電波というものは一定の規律のもとに運営すべきである。だからその規律を逸脱したものは、これは不法電波だと、こういう意味からいたしまして、六月三十日に免許期限が切れれば当然電波は取りやめなければなりません。取りやめないでおいて電波を引き続いて出しておることは、これは不法電波と言わざるを得ない。不法電波が出ておると認めたときは、郵政省当局告発をしろと、こういうことが法律に書いてあるからそのとおりにやっておると、こういうことであります。立法論としましては、私は実は、不法電波は、そんな告発よりか、まずもってその電波をとめることが私は本旨でなければならぬと思う。ことに対外電波とかそういうものがあれば、まずもってこれはとめるのがしかるべき措置であると思うが、いまの法律ではとめる措置がなくて、ただ告発をしなさいなんというのんきなことが書いてある。そういうことであるから、私は立法論としても、いまのようなことについては、次の改正においてはぜひ考えなければならぬというふうに思っておりますが、事情としては、いま私が申し上げておるように、期限が過ぎてもなお電波を出せば、その電波はどなたが見ても不法電波免許のない不法電波が出ることだ、そういうことで告発をしておるのであります。
  20. 鈴木強

    鈴木強君 この問題は、たしか三月ごろだったと思いますが、一度同じような紛争があったと記憶しております。したがって、私はこの委員会で一度大臣善処方お願いをしたことを思い出すのでありますが、残念ながら事態はまた深刻化して、御承知のようなかっこうになっておるものですから、大臣のおっしゃるように、長い日本電波行政の中でいろいろなひずみとかゆがみもあったと思います。そういったいろいろな問題に対して大臣が決断をもってやろうというそういう私は考え方はいいと思うのです。いいと思うのですけれども、問題は生きておるものですから、それをどうするかということになると、なかなか理屈どおりにはいかないと思う。そこで、ある程度の妥協も必要でしょうし、放送法そのものが、あなたのおっしゃるようにきちっとなっておらぬ段階ですから。放送法の欠陥をいま指摘して、そのことによってこれは問題を論じても始まらぬことですから、現行放送法の中でやっぱり処理していくことになると、皆さんがおやりになったような措置を当然とることになると思うのです。ですから、私はそういう形式的なことではなくて、もっと日本電波をどうするかということについて、これはもう国民電波と、こういうわけです。一部の経営者のための電波ではないわけです。ところが、そのことがやはり免許する場合でも、とかく口には国民電波と言われながら、それが利益追求になってみたりする傾向というのがあると思うのです。これは絶対的なものではないと思いますけれども、そういう傾向のあるときですから、私はできるならば国民理解と納得の中に現状の問題を解決していくという努力をこれはお互いにその立場々々にこだわらずにやるしかないと思うのです。ですから、なるほど不法電波が流されている。これはけしからぬという、それは大臣立場からすればわかりますが、しかしその前にはいろいろないきさつがあるわけです。電波監理局事務当局としてもFM東海に対して何らかのサゼスチョンをお与えになったでしょうから、ですからそういう経過の中に出てきていることですから、まあこの判決文を私は本文をよく見ておりませんからわかりませんけれども、新聞の報道する限りにおいても、「一般免許許可処分期限がつけられている場合、その期限が来たことによって免許許可効力を失うとするのは妥当ではない。期限が来るまえに適法な免許更新申請がなされている限り、失効しない。試験局免許についても例外ではない。」「FM東海聴取者が四百万人以上と推定され、放送通信教育の「望星高校」の生徒数も千四百二十三人に上っている。勉学の機会に恵まれない人達が教育を受けており、社会から高く評価されている。さらに東海大学電波法違反だとして郵政省から告発を受けているので、聴取者スポンサーも不安を感じている」、こういうことが大体判決文内容のように思います。そこで大臣の言う純法律論なり純行政論からものを考えると、一つ理屈は成り立つと思いますが、この裁判の中にあるようなやはり客観的な一つの情勢というものを、現状というものをやはりある程度考えないと、ただ純理論、法律論だけではいかないということだと私は思うのです。ですから、ここらをやはり現実に考えていただいて、まあ即時抗告するかどうかということは、これは大臣のお考えによってなされることですから、私は何とも言えませんが、ただ争いの道を歩むことではなくしで、もう少しお互い理解を深めるような方法をとれないものでしょうか。いずれ本訴は残っているわけですね。そういう点についてもうちょっと大臣考え方をお聞きしたいと思います。
  21. 小林武治

    国務大臣小林武治君) これは根本的に言えば、このFM実用に供すべきだ、この原則論から出ているわけです。実用化試験とか実験という必要は十年たってもう十分済んでいる。なぜもっと早く実用局にして本免許を与えなかったのかというのが私の考え方でございます。もうこれはおそ過ぎる。これを実用局として免許すべき時期がすでにおそ過ぎた。こういうことが、根本なんでありまして、NHKどもすでに十年も実験実用もやっておる、早く本免許にしてもらいたい、こういうのは当然の要求であります。これは何も事業者ばかりでなく世間もいつまで実験をやっているのだとふしぎに思っている。こういうようなことを長くしているから、FM東海放送局であるような錯覚を世間に与えている。本免許にするのがおそかったから、こんなことになったのだ。だから、これを実用局にして本免許にしたい。本免許にする場合には、やはり常識からいって、NHK免許するのが普通だと思う。一体大学などという狭い基盤の上に立つ企業体許可することが常識に合うのかどうか。そういうことが一般世間からいって納得できることか、そういうきわめて常識的な考え方から出ている。まずもってこれは本免許を早くすべきである。本免許をするにはどうするのがよいか、こういうことから出ているのでありまして、試験局とか実験局とかは、こういう本免許とは違うのでありまして、試験のためにお願いしてあったのでございます。それが試験が済めば終了するので、すぐ本免許になりかわることはこれは考えられないことであります。これはNHKは当然そういう趣旨において、当時においてもNHKだけに実験お願いしたってよいじゃないか、別にやる必要はない、こういう議論もあったでありましょう、議論があったやに聞いております。こういうわけでありまして、要するにFMというのは本免許にすべきだ、本免許にするには実験試験も終了すべきだ。たまたま一カ年の免許期間が本年の三月三十一日に済んだ。毎年更新されておりましたのが済んだ。まだ実験局は十二月二十五日までかありますが、これでFM実験なり試験は済んだから、この波を使って本免許をしたいということです。この時期をいつにするのが一番適当かということになっている。したがって、たとえば普通の地方テレビ局の場合、本免許をその途中で取り消すとか、更新しないということであると大問題であるが、本免許実験局とは根本的に違うと、こういう認識をわれわれは持っておる、こういうことであります。
  22. 鈴木強

    鈴木強君 それは大臣考え方だと思いますけれども、それではなぜいままで十年近くも実験局から実用化に年月をかけなければならなかったか。もう実験についてはあなたの言われるように、NHKがすでに試験局としてスタートしたのですね。私はNHKFMのときFM東海と二つつくらなくてもいいじゃないかということも当時の郵政大臣にただしたことがある。しかし、どうしても二つなければならぬということでスタートした。そして、その間においてももうFMについて大体結果が出ておるから本実施に移したらどうかと言ったら、あのとき電波監理局長は、六年くらい前の桜の花の咲くころやりますと、ここで言い切った。それがずるずると延びてここにきておるわけです。しかもその間において、実験局スポンサーをつけてやるようなことにまで発展した。これだって郵政省が認可しなければできないわけです。少し過去の電波行政における責任というものを時代が変わっても反省してもらわなければならない。ただ一方的に相手をきめつけるのは片手落ちです。ですから、そういう長い紛争が積もり積もっていま決着をつける段階になってきておる。それには裁判が民主国家における民主的な公正な判断を下した。いろいろ感情的な問題もあったでしょう。行政上、法律上の不備もあったでしょう。一生懸命やったが、しかしそれがまずかったということもある。それをあいつが悪いこいつが悪い、と言ってもしょうがないので、裁判で公正な判決が下された以上は、これに対して従っていくのが筋です。ただ、法律的に、この判決に不満があれば、これに対して抗告することは許されておることですから、これをやるかやらないかということは、郵政省の判断できめることですから、私はそれについては言いませんが、しかし、この電波行政に携わるわれわれとして心配になるのは、どうも放送法電波法というものの改正がいろいろおくれる中でこういう問題が出てきておる。世間でこういうことが裁判ざたになることはあまりいいかっこうでない。深い納得、理解の中に電波を有効に使おうという、そういうお互いの話し合いというか、認識がなければこれは解決できない。法律で勝った、おれのほうが強かった、そういう論議をしても始まらないのですから、そういうことよりも基本の問題をもう少しやるべきじゃないかという気持ちを持っておるものですから、あえて意見をきょうは申し上げたわけです。裁判の結果が出ておることですから、あとはその成り行きをわれわれは待つよりほかないのですけれども、願わくは、抗告という手段は残っておるけれども、それに踏み切るには、それだけの配慮も必要だと思いますので、そういった意味において、きょうは自分の意見を申し上げたのですが、この点を十分考えた上で善処してもらいたい、こう思います。
  23. 小林武治

    国務大臣小林武治君) これは決定もまだ第一審でありますし、第二審もある。われわれはいまの決定には納得できない。したがって、すぐ抗告してまた判断を求める。したがって今度のにはわれわれは従えない。今度はそういう判断が出たが、さらにその判断について上級審の判断を仰ぐ、こういう立場にしておりますから、それをしたい。それからこの問題は一つの大きなテストケースです、いずれにしても。そういうふうになってくるのは、私は、やっぱりそういうふうないまの成り行きであった、こういうふうに思うのです。簡単に話し合いで片がつくような問題ではない、だからしてやっぱり、われわれはいまの決定には従うことはできない、したがって抗告をすぐいたします。その上でまたわれわれも考えていく、こういうことでございます。
  24. 鈴木強

    鈴木強君 それはやむを得ないでしょう。私ども意見もあまり聞いてくれそうもないんですから、大臣の御判断で進めていただいてけっこうだと思います。  それからUの第一次チャンネルプランについては、おおよそ来年の放送開始については差しつかえないような段階にいっているでしょうか。  それから第二次チャンネルプランについては、単数局を複数局にしようということで、おおむね全国的に単数局に割り当てをするように聞いておりますが、その内容について。  それから特に広域圏の県域放送というもの、これはむしろ早くから出ておった問題ですよ。ですから、これについては一体どういうふうになるのかということ。  あとで私は基本的な問題でお伺いしたいのですが、教育放送のUチャンネルプランの留保という問題。こういった問題とあわせて、いま五十くらいしかないチャンネル一体どういうふうに使っていこうとするのか。やっぱり青写真をちゃんと出して国民に示すことが必要だということを私は何回も言ってきているのですが、そういうプラン全体についてのお考えをぜひ伺いたいと思うのですが、特に第一次のチャンネルプランのあと始末と、第二次の割り当て地域、そこではかなりの競願もあるようですが、そういった競願に対して第一次チャンネルプランと同じように、ある程度の調整工作をやっているようですが、これに対して大臣はどのような考え方で、たとえば、山梨県の場合ですと十二くらい出ておりますね、これが競願をしてやっておりますが、それをどういうふうなルールで調整工作をしていこうとしていらっしゃるのでしょうか、これは具体的な問題ですが。
  25. 小林武治

    国務大臣小林武治君) いまの第二次チャンネルプランは、御承知のように、十四地区を予定をして、十二日に公聴会を開く、こういう予定になっております。その場所等は新聞に出ておるというふうに思います。要するに、番組の格差是正のためにまずもって全国を複数局にするということは、これは大かた世間でも納得していただいていることで、こういうことで、それまではたとえば放送法を変えても、その点は別に差しつかえない、こういう限度においてきめた、こういうことでございます。それで、今度のいろいろの、たとえば言論機関の独占がいけないとかなんとか、これの免許の内規あるいは指導方針と申しますか、そういうものは前回と変わらないものを使いたい。  調整の方法というものはこれはどこでも一律にまいりません。私どもは、いろいろな出願者がおりますから、そのうちに、電波一つしかない以上はある程度まとまっていただくこと以外にない。そのまとまり方がそれぞれの場合によって画一的でない。ある県はこういう方法がある、ある県はこういう方法、いろいろありますが、要はその都市において、地区において円満にまとまることを期待する。そうしてどうしてもまとまらないような場合には、たとえば私どもも相談に乗ることもあると思いますが、しかし、とにかくその地方の自主的な調整を待っておる。前には知事さんにお願いしたのもありますし、その他の方法をとることもありましたが、そういうことを画一的には考えない。その地方に適当な方法があればそれでひとつまとめてほしい。こういう考え方をいたしております。  なお、割り当てその他について詳しいことが必要であれば局長からお答えいたさせます。
  26. 鈴木強

    鈴木強君 第二次のチャンネルプランについては自主的な判断にまかされておるということですけれども、ほんとうにそうでしょうか。私は実は山梨県なんです。十二の競願のある県でして、そうですね、一週間くらい前の新聞を見ましたら、これはえらい写真入りで、某代議士が郵政大臣の要請を受けて調整工作に乗り出したという見出しで、きょうは私新聞を持ってくるのを忘れましたが、第一面にトップ記事ででかく載っているわけです。しかもその代議士はある放送を設立するための準備委員になっておる方なんです。これはちょっと私もショックを受けたのですけれども。まさか郵政大臣が同じ自民党だからといって、そういうことをやるとは私は常識では考えなかったのですけれども、新聞に書いていることですから間違いないと思うのです。そういう記事が二つの新聞に、ローカル新聞ですけれども、載っておりました。これはもちろん知事を介する場合もあるでしょうし、また、第一次の先ほどのように、いろいろとある段階において調整をお願いすることもあるとしても、どうも初めから某代議士にそういう調整工作をしてもらったなどという記事が出ることについてはまことに遺憾だと思っているのですけれども、これらはどういうふうないきさつですか。
  27. 小林武治

    国務大臣小林武治君) まあ内部的にいろいろと話がありますが、調整を依頼するとかそういうことは、一つも別に有権的な問題でもありませんし、依頼されたからといってそれに全部郵政省が従わなければならぬ、こういう問題でもありませんし、一つの便宜手段としてそういう話し合いをまとめるという努力をされている方もありましょう。しかしこれは何も公式の問題でない。また郵政大臣あるいは郵政省が権限をおまかせしたという問題でもありません。すべて内輪の便宜的な問題である。こういうものにすぎないと私は思っております。
  28. 鈴木強

    鈴木強君 まあ新聞の書き方がえらく大きく出ておりましたし、しかも写真入りだったから、大臣の命を受けてまさに調整をやっているような内容なんです。だから、ちょっと驚いたのですけれども、まあ真意のほどはわかりました。しかし、やっぱりこれはある程度御注意いただかないと悪影響を及ぼすと思う。それがわれわれみたいなどこにも関係のない人間ならばいいけれども、ある特定の会社の設立を直接準備しているような方が出てくるということになると、私のひがみかどうかは知りませんけれども、公平にものを考えませんよ。政治的に何か調整工作が行なわれているのじゃないかという悪い印象しか与えません。これは厳重にひとつ注意していただきたいと思うのです。大臣の真意はわかりましたから、そういう程度のことであれば、これはお互いに以心伝心でやるでしょう。しかしやるほうはそう考えていないから——私、新聞をまたあとからお届けいたします。  それからさっき申し上げた広域圏の県域放送。これはたとえば東京とか大阪、和歌山、それからたしか奈良ですか、残っている県があると思うのです。そういうところはどういうようにするのですか。
  29. 小林武治

    国務大臣小林武治君) これからの問題として広域圏内における県内放送、こういうことが問題になってくるわけでありますが、その問題も名古屋管内では岐阜と三重に認めた、こういうことで解消しておりますし、近畿では神戸と京都を認めた、こういうことでありまして、それからあとの地方、私は多少と思っておりますが、多少問題になり得るのが滋賀と和歌山ではないかと思っておりますが、これらについてはいまのところ私ども計画を持っておりません。一番残る問題としては東京管内、関東地域で、いま前橋、水戸、宇都宮、こういうものをどうするかという問題が残って、これらはいま検討いたしておりますが、将来どうしても選挙にテレビを活用する、こういうふうな問題になってくれば、広域圏でもいまの東京だけに置くわけにはいかない、こういう事態が必ずくると思うのでありますから、したがって、私はいわゆる県域放送というものも近く全国的にもういま関東地方がおもな問題でありますが、これらも課題として解決しなければいけない、こういうふうに思っております。
  30. 鈴木強

    鈴木強君 そうすると、第二次に入れなかったというのはどういうことなんですか。これは前からの懸案だったのでしょう。広域圏における県域放送というのは、かなり強い要望が出ておったと思うのです。それを第二次から抜かしたというのはどういうわけですか。むしろ入れて考えたほうがよかったのじゃないか。
  31. 小林武治

    国務大臣小林武治君) いろいろ考えておりますが、要するに郵政省意見がまだまとまらない、こういうことでいまの第二次には入れなかった、こういうことでございます。
  32. 鈴木強

    鈴木強君 そうすると、近畿の場合には、滋賀と和歌山は考えておるけれども、奈良はもう考えておらぬというふうに理解していいですか。
  33. 小林武治

    国務大臣小林武治君) 要するにテレビの問題は、ただ郵政省が割り当てるということでなくて、やはりそれをぜひやりたいという県民の要望あるいは事業者、こういうふうなことも考えなけりゃならん、こういうふうに思いますが、まだ奈良方面等についてはこれらの声が相当大きなものがあるというふうにわれわれのほうは感じておりません。したがってわれわれとしてはテレビの波は、それは波自体はみんな考えておいてもいいが、現実にそういう波が免許になるかどうかということは、かなり受け身の立場にある、こういうことでございます。したがっていまの奈良等については、私どもは、まあさような声をあまり聞いておらない、こういう状況であります。
  34. 鈴木強

    鈴木強君 広域圏の圏内の県域放送については、大臣として、奈良の場合わかりましたけれども、その他のいま考えている構想の中には、そこもある段階がきたらやろう、周波数、まあチャンネルはとっておいてもいいというふうに理解していいですか。
  35. 小林武治

    国務大臣小林武治君) 大体そういうことだと思います。
  36. 鈴木強

    鈴木強君 そうしますと、これは監理局長でもけっこうですが、五十のチャンネルの中で、第一次、第二次、それから広域圏内に県域放送ですね、これを全部やるとして、あと残るのは幾つになるのですか。
  37. 石川忠夫

    説明員石川忠夫君) 先ほどもお話がございましたが、五十チャンネルをどういうふうに——あと残っておるのは二十チャンネルでございますが、この二十チャンネルを入れて、五十のUHFのチャンネルをどういうふうに振り分けるかということを目下検討中でございます。したがいまして、これは県域も、もちろん、そういった中で考慮に入るわけでございますが、いま県域に要するのは何波だという計算は十分できておりません。
  38. 鈴木強

    鈴木強君 それからもう一つ難視聴地域がありますね。これを一〇〇%カバーしてもらわなければならん。NHKのほうで、小微電力のほうもありますが、かなりUも使っておりますが、そういう難視聴地域を救済するための電波、それはどういうふうに考えておりますか。
  39. 石川忠夫

    説明員石川忠夫君) 一〇〇%というのはとにかく、九九・何%まですでにいっておるところでございますけれども、まあ今後ほんとうに十世帯が見えなくても放送局をつくるかという、だんだんだんだん難視聴といっても非常に処理しにくい場所だけが残ってくるわけでございます。したがいまして、これを共同聴視でやるのか、あるいは放送局にするのかというような基準の立て方によりまして、やはり波が何波要るかということが変わってくるわけでございまして、そういったこととあわせて検討してまいるつもりでございます。
  40. 鈴木強

    鈴木強君 それはNHKのほうでは、いまのところ大体長期計画の中で幾つぐらい残っていると見ておりますか。難視聴地域、いまの場合Uですが、Uの割り当てを受けなければならんというのはどのくらいありますか。
  41. 小野吉郎

    参考人(小野吉郎君) 将来計画をいわゆるカバレージの達成率を申し上げますと、現在のところが九五・五%でございます。これを将来五カ年間に九八%まで持っていこうというのが長期ビジョンでございますが、これに要する置局の数はおおよそ総合、教育それぞれ約千局ぐらいの規模になろうかと思います。この中でUがどのくらい含まれるかということにつきましては、いま正確な資料を持っておりませんが、Vの波は非常に極限の状況にありますので、その大半はUに依存せざるを得ないというように考えております。現状を申し上げますと、現在の総合のいわゆる放送の拠点が、六百七十四カ所でございますが、この中でもうすでに二百局近いものはUHFになっておりますし、将来の千局の中には、大体Uがその主勢を占める、こういうような状況に推定をいたしております。
  42. 鈴木強

    鈴木強君 石川さん、あなた九九・何%カバレージができていると言いましたね。速記を見ればわかる。NHKは九五%と言ったが、その差があるのですが、どっちが正しいのか。
  43. 石川忠夫

    ○説明興(石川忠夫君) 九九・何%と申し上げましたのはことば足らずで、そういうところまでいくと、あと残りが非常に世帯数の少ないところが残ると、こういった問題についてまでどういうふうに処理するかということが問題であるということで申し上げたので、ただいま九九・何%というのは間違いでございます。
  44. 鈴木強

    鈴木強君 だから、やっぱりNHK放送法に基づいて全国民が全部見えるようにするのが義務ですから、そういう配慮をして、むしろ電波監理局のほうでは、残された二十のチャンネルをどう使うか、それについては難視聴地域を救済するためにどの程度確保しなければならないかをきめなければ、青写真ができないのじゃないか。あなたのところの仕事でしょう。だからもう少し的確な将来のUの利用ということについて必要な資料をどんどん集めて、そうしてなおかつ、懸案の問題全部を整理して、教育放送なんというでかいものが出てきているわけですから、一体そういうものをどういうふうにカバーしていくかということを考えていかぬと、何か教育放送だけ先に出ちゃって、これについては波を確保して協議会をつくってぼんぼんやっていくという、そういうかっこうになってきている。何か電波というものは、ほんとうに郵政大臣に失礼ですけれども大臣に振り回されているような最近気がしてならないのですけれども教育放送なんかも主客転倒のようなところが、まさに事業免許でもやるようなかっこうで、われわれ新聞で見ると書き出されているのです。ところが、おかしいように思うのだが、そういう配慮をしていただいているかどうか私はきょう一番聞きたかった。教育放送をどうしていくのかということを聞きます。それで、聞いて賛成できるものは賛成しますし、意見もぜひ聞いてもらいたい点もあるのですけれども、全部の青写真を大臣の言うようにちゃんとつくって、そうしてUというものは、こういくのだとはっきりしてもらいたいということを何回もあなたにお願いしている。ところが、そういうことがどうもそのつど出てくるものについて、そのつどやっているというのが日本電波行政でして、そういうところに過去のあなたが苦しんでいるような問題が出てきていると思うのです。もう少し国民電波であればあるらしく、その開放についてももっと公明正大というか、公明正大にやっていくとしても、みんながわかる、認識する中でやっていくというような方法をとったら私はいいと思うのですがね。何かあいまいもことして、一つの目的の方向にUの開発が進んでいくというふうなかっこうじゃないですか。だから、私はその青写真を示してもらいたいと思うのですが、どうですか。
  45. 石川忠夫

    説明員石川忠夫君) 先ほど申し上げましたとおり、残っている二十波を含めまして五十波をいかように使うかということを目下検討中でございますので、そういったことについてできるだけ早い機会に結論を出したい、こういうふうに考えます。
  46. 鈴木強

    鈴木強君 非常にやり方がスローモーションで、いまあなた、われわれこの委員会を開いて一体どうなっているかと聞いても、いま検討中だなんというそういう話なんです。それは検討中ならやむを得ません。そういう検討するという段階だから。だからその後、難視聴地域の解消についても十分な配意をしているかどうかというウエートの問題なんだから、そこらも頭に入れてください。それから各広域圏の教育放送についても懸案の問題があるわけですから、そういうものも入れて、なおかつNHKからも私はUに対して第三教育的な放送をやりたいという意見を聞いておりますよ、この委員会で。だからあとから出てくる問題についてどうなるかそれはわかりませんけれども、そういうことも全部考えた上でこの周波数の割り当てをしてもらいたい。こういう点はいかがでしょう、それを確認しておいてください。
  47. 石川忠夫

    説明員石川忠夫君) いろいろな問題がございまして、お話のような難視聴地域の解消、これは最も根本的な問題でございますので、もちろん第一番目に考えるべきことで大きく入っているわけでございます。そのほか県域放送の問題だとか、その他の問題をもちろん含めて考慮に入れてどういうふうに五十波を割り当てるかということを検討しているわけでございます。
  48. 鈴木強

    鈴木強君 それで教育放送に移る前にひとつ区切りですから、FM放送について大臣は、まあこの秋ごろには本免許に切りかえていきたいというお話なんですけれども一体第一段階としてどういうふうな構想でいこうとしているのか。たとえば東京に一つ音楽局をつくるという構想を発表されました。NHKも最近FMの一波を申請したようですね。それからたとえば東京、大阪、名古屋、福岡とかいろいろあると思うんですけれども、大体大臣としてFMの本放送の移行はいつごろを考えて、どういう内容でスタートさせようとしているのか、これをひとつ伺っておたきい。
  49. 小林武治

    国務大臣小林武治君) この電波の全体のいまの青写真と、こういうものはつくらなければならぬ。また大体のそういう目安はつけておりますが、要するに、私がいまやっておるのは、たとえどういうふうになっても将来に累を残さないようなものをやろうと、こういうことを考えていきたいと思いまして、全国を複数局にするなんというのもその一つであるし、それからFMの問題につきましても、実はまだ全国にこれは将来混信の防止とかいろいろ有用な用途がありますが、これらについてもまだ全体的のそのしっかりした配置図ができ上がっておらぬ。しかし少なくともこのFMの波を早く実用化したいというのはこれは世間の要望であろう。しかし全体ができないうちに、ぼつぽつやるということはどうかというような、たとえばいまの東京、大阪等の大都市にこのFMの特性を生かした音楽等を主としたものをつくるということは、私は将来に累を残さない全体の計画がきまってもこのことはじゃまにならない、そういうふうな見通しのもとに、また一方からはできるだけ早くFM実用化を実現したい。こういう要望に合うためにはまずそういう方法をとる。これを早くやるにはそれしか方法がない。ことにこれはよく御存じのとおり東京にFMの波が何波でもたくさんあれば私は全体計画がすぐできると思うですが、東京には遺憾ながらそれができないということになれば、やむを得ず将来に累を残さないが、しかし暫定的に早くするためにはいまのような考え方でいくことが一つの案として考えられる。こういうことでお話のように東京とか大阪とかあるいは名古屋、福岡とかいうふうな地域において将来ともそういう局の存在が容認できる、どういう割り当てになっても、そのものは将来ともじゃまにならない、こういうふうな考えのもとにさような地域に対しては、ひとつぜひ秋ぐらいまでにはそういうふうな本免許をしたいというふうに考えておるわけでございまして、東京においてもなぜ、よそにはもっと波があるじゃないか、大阪にも福岡にももっと波があるじゃないかといえばあると思いますが、何といっても一番の中心の東京に一つしかないとするならば、それとの権衡をとってやっぱりその方面においても免許一つにすべきだ、こういうふうな考え方でありまして、いま申したような地域にあるいはまた京都あたりでもそういうことを盛んに希望されている向きもあります。そういうふうな大都市においてFM実用化の第一歩を踏み出したい。それでそのことはひとつ年内そういうふうなことを実現せしめたい、こういうふうに考え方でおります。
  50. 鈴木強

    鈴木強君 七月の十二日の記者会見で小林郵政大臣の述べられたことがいまのような内容になって新聞記事に出ておりましたが、その際東京はNHKのほかに民放一局という御発言があったようですが、これはどうなんですか。
  51. 小林武治

    国務大臣小林武治君) そういうことでございます。
  52. 鈴木強

    鈴木強君 そうしますと、二段がまえになるわけですが、FM免許については。
  53. 小林武治

    国務大臣小林武治君) 二段がまえ、あるいは三段がまえになるかもしれませんが、非常にむずかしい問題であるが、何としても東京にFMの波をもっとほしい、それがどういう方法によって、いつ片づくかという非常にめんどうな問題があるわけですからいまのようなことになってくる、こういうふうにおもいます。
  54. 鈴木強

    鈴木強君 これも今後の問題ですけれども、二段がまえにやるということであれば、これはやむを得ないと思いますけれども、これはやはりなかなか問題が出てきますよ。あとで各ローカルの県単位あたりからも相当の問題が出てくると思うので、大臣の任期中におやりになるとするならば、重点的なところをおやりになるということだと思いますが、もう一段の配意をして、何とかして一斉にやるということは、そういうことは考えられないか。それは事務当局としても、そういうことは実際上無理なんでしょうか。できれば、これは長い懸案ですから一ぺんにやったらいいと思いますが、そこの見通しなんですが、どうですか。
  55. 小林武治

    国務大臣小林武治君) これはわれわれ事務当局としても一斉にやりたいというのはやまやまでございますが、いまのような制約があってやむを得ないということであります。
  56. 鈴木強

    鈴木強君 事務当局はどうですか、大臣の言われたことは。
  57. 石川忠夫

    説明員石川忠夫君) 事務的に見ましても、いろいろな問題が非常に多いわけでございまして、それだからこそ、いままで長年にわたってこれが実行できなかった面もございまして、したがいまして、いま大臣のお答えになったようなことになるだろう、こういうふうに考えております。
  58. 鈴木強

    鈴木強君 事務的とおっしゃるけれども、事務的にはそんなにぼくはたいしたことはないと思うが、どうですか。むしろ本実施に移す前の試験段階の測定効果というか、そういうものをめぐっていままでやっていた、むしろそういう期間があるならば、事前にそういった競願になっているところはどうするかということはあらかじめ話し合いをするとかなんとかということもできるのじゃないですか。そういうことがむしろ事務的に困難だということはわからぬですね。
  59. 石川忠夫

    説明員石川忠夫君) 先ほど大臣がお答えになりましたとおり、競願をどうするというようなことだけではございませんで、どういうふうな使い方をするかということが一番大きな問題になりまして、結局中波との関連というようなこともどうしても出てまいります。そういった面を考えますと、短時日に直ちに結着をつけるということもむずかしかろう。したがって、やはり二段がまえ、そういうかっこうにならざるを得ないのじゃないか、こういうわけであります。
  60. 鈴木強

    鈴木強君 それはますますおかしくなってくる。だからそういうものは、むしろそのことだったら、事前にできるのじゃないか、中波との関係で短波をどうやるかということは。そういうことはもっと前から研究していないのですか。いまごろ、本実施に移る、そういうことがきまってからやるというのですか、それは少し消極的過ぎますよ。もっと電波行政をどんどん推進させますためには、あらかじめそのくらいのことは研究しておいたらどうか。中波との関係をいまごろ言われてもわかりません。それもあなた局長になってわずかですから、あなたを責めるのは酷かもしれませんが、何を一体歴代監理局長はやっているのですか、そういうことは理由にはならない。いよいよ開放されて免許ができるというときになって中波との関係でまだ研究しなければならないということは、そういうことは通じません。
  61. 石川忠夫

    説明員石川忠夫君) いずれにいたしましても、できるだけ早い時期に、いろいろな問題がございますが、解決をいたしますように努力し、準備を進めているところでございます。
  62. 鈴木強

    鈴木強君 それから、もう一つ大臣に聞いておきたいんですけど、マスコミの独占排除という、そういう考え方はいまも変わっていないでしょうね。
  63. 小林武治

    国務大臣小林武治君) 考え方としては、変わっていないと思います。
  64. 鈴木強

    鈴木強君 これはひとつぜひ堅持してもらいたいと思います。
  65. 永岡光治

    ○永岡光治君 関連。  ただいま鈴木委員のほうから、新しく追加されてUHF等を認可される局等が出てくるわけですが、いずれ近いうちに電波審議会等で審議をされて、結論が出ると思いますが、いずれそういう申請者に対する認可の方針は、やはりこれは郵政大臣がお持ちになっていると思うんですが、従来のいきさつを見ますと、県知事が中心になってみたり、いろいろまあ様子があるようでありますが、これから認可される申請者と申しますか、それはどういう方針で大臣は認可をしようと考えておいでになるのか、この際ひとつお聞かせいただきたいと思っております。
  66. 小林武治

    国務大臣小林武治君) まあその認可する場合の基準なんていうものは、前にも例がありますからそれによる。それからあとは調整と申しますか、統合の方法でありますが、私どもは要するに一つの波に対してたくさんの申請者があれば、その方々が自主的にひとつまとまってきてほしいと、こういうことを言わざるを得ない。いま出ているうちのどれか一つを相手にして免許しますなんてわけにはいきませんから、できるだけ大同団結をして、その地方において円満にひとつ放送事業の遂行できるような体制を整えてもらいたいということを、まずもって免許申請者には申し上げる以外にございません。その中で、あるいは私がお世話してみましょうとか、いろいろな問題があります。知事さんにしても、ひとつ私に一度めんどう見さしてくれませんかなんていう方もあるが、これはいずれにしましても事実問題でありまして、何も法律問題じゃありません。要するにわれわれとしては、統合された健全な受け入れ体制ができることを期待している。したがって、さっきも申しましたが、もう画一的にどこがどういう、こういうことでなくて、その地域ごとにひとつ適当な方法でおまとめいただくことをいまは期待をしておると、こういうことでございます。それでおまとめがかなわぬ場合は免許も当然おくれる。われわれとしましても、その地方のためにこれが最善の受け入れ体制であると、こういうふうに思わなければ免許はできない、こういうことになりますから、早くできるものもあるし、またおそくなってしまう電波の割り当てはあったが予備免許のおりないところも出てくる、こういうことでありまして、別にこれを無理をしたり急いだりということはいま考えておりません。
  67. 鈴木強

    鈴木強君 教育放送のことでちょっと伺いますが、UとFMの一部を利用して教育放送をやろうという構想が昨年来文部省のほうにもおありになったようですけれど、そういう文部省が中心になって日本教育放送という新しい構想で放送をやろうじゃないかというお考え方があると思うんですが、特にいまの経過の中でお聞きのように、第二次のチャンネルプランが出てまいりまして、それとの関連で、郵政大臣としても何とかチャンネルを確保してやりたい、こういう気持ちがあるようでして、その動きが強く出ておると思うんです。そこで、私はこの際、日本教育放送というもののあり方に対して、きょうは文部大臣に御出席をいただいたんですが、予算委員会関係で来られませんので、社会教育局長さんにおいでいただきましてありがとうございましたが、ぜひこれは、非常に大事なことですから、伺っておきたいと思います。それで、昨年の八月、文部省から文書でもって何かそういう申し入れをしたそうなんですが、一体この構想というのはどういうところから出てきたものか、具体的にどういうふうな方法でやろうとしていらっしゃるのか、そういう点をまず経過的に報告をしてくれませんか。
  68. 木田宏

    説明員(木田宏君) 放送につきましては、私からここで申し上げるまでもございませんが、日本のラジオ放送の発足以来、放送というものを使いまして国民教育、教養水準を高めるということに非常な努力が払われてまいりました。戦後テレビが発足をいたしましたときにも、またあらためてテレビの教育的な効果という観点から、これを国民教育に役立てるというようなことでの御検討を郵政の御当局でもあるいは放送を実施される側においても、非常に積極的にお取り上げ下さってまいったのでございます。最近私ども主としてアメリカあるいはヨーロッパの先進国の学校教育をひとつ考えるわけでありますけれども、これらの学校教育の進め方を考えてまいります際に、どうしてもあらゆる分野で使われております電波媒体によります教育訓練の方法というものを学校教育の場でも、もっともっと積極的に取り入れていかなければならないのではないかというふうに感じておるわけでございます。それは一面では、学校教育の指導法の改善になりますとともに、一面ではアメリカの大学、その他で見ておりますように、大学の教育内容をできるだけ社会のために与え、学校のかきねを取っ払って、これを広く世人のために押し及ぼしていく、こういう方向で仕事が進められておるわけでありまして、私ども社会教育という名前を持っておりますけれども、文部省の中におきまして、学校教育社会教育国民教育の全般にわたりましてのこれからを考えてまいります者としては、今後の教育の方向として、テレビ、ラジオの映像の利用体制を、どう五年、十年先に展開していくかということに非常な関心を持っておるわけでございます。で、従来からそういう点で、郵政御当局はいろいろな放送電波割り当てその他をしてくださいました際に、教育ということについて格別の御考慮を払ってくだすっておったわけでありますが、残念ながら率直に申し上げることができると思いますけれども、私ども教育関係の場にありますものが、自分のこととしてこれをどのように将来見通して使っていったらいいかということについて、必ずしも十分でなかったと思うわけでございます。そこで、いままで残されてまいりました音声放送としては、残っております唯一のFM放送の波、あるいは今後広がってまいりますUのテレビの波がより多く国民の利用に供されます際に、ぜひ教育の分野でこの波を使った将来の教育方向の改善ということを打ち出していきたい、このように考えて、社会教育審議会に映像放送及びFM放送による教育専門放送のあり方についてということを、昨年の十一月でございます、諮問をいたした次第でございます。
  69. 鈴木強

    鈴木強君 灘尾文部大臣、どうも御苦労さまでした。どうもお忙しいところ、済みませんでした。  いま局長に、UHFとFM放送を使って教育放送をしようとする文部省側の考え方を伺ったのですが、これは前の剱木文部大臣のときに、周波数の割り当てについて郵政大臣のほうに申し入れをしてある件ですね。  そこで、いま日本の場合ですと、NHK教育放送を第三チャンネルでやっております。そのほか十チャンネル、十二チャンネルというのがこれは純科学放送教育放送、こういう名前になっておるのですが、実際には内容が非常に貧弱である。したがってFMはこれから新しく出ることですから、東海大学がいま実験局段階における実用化の局としてやられておりますけれどもFMはとにかく本放送として新しく出ることですから、これは一つ考え方がある一思いますけれども、問題はテレビを使っての教育放送ということになりますと、いま日本では小学校、中学校あるいは高等学校等でこれを教材に使っております。で、それとの関連でどういうところが現状における映像あるいは音声による教育放送を文部省が取り入れた場合に足りないのか、不備なのか、どうして新しく第三の教育放送といわれるUとFMによる教育放送をしなければならないかという、そのところがよくわからぬもんですから、そこんところはっきりしていただかないと、われわれも周波数の割り当てについて話が進まないもんですから、ぜひお話を承っておきたいと思ってきょうはおいでいただいたわけですが、大臣からひとつもう一回その点をお尋ねしたいと思うのです。
  70. 灘尾弘吉

    国務大臣灘尾弘吉君) テレビを教育面に、学校教育あるいは社会教育、そのような教育面に活用することによって教育の効果をあげていくということはだれしも考えるところでございます。文部省といたしましても、その意味におきまして検討を重ねてきておるわけでございます。従来教育放送その他の名前でいろいろ行なわれております。これはこれとして、やはり一そう内容の充実等をやっていただきたいと思っておりますが、これを教育に活用する場合にどのような仕組みでどのようなものをやっていったらよろしいかということについて、なお十分専門家の方々の御意見もいただきたいと存じまして、たぶん御説明申し上げたと存じますが、社会教育局のほう下、審議会にかけて御審議をわずらわしておるところであります。私ども考え方といたしましても、その各方面の御意見というものを十分承っていかなければならないことでございますが、ごく大ざっぱに申し上げますれば、現在のような教育放送のあり方だけで十分であるかどうかということを考えましたときに、もっと、何と申しますか、きめのこまかいやり方というものを考える必要があるんではないか、全国放送もけっこうでありますけれども、一面におきましては、やはり地域の特性を生かした放送というふうなこともあわせて考えていかなければならぬ、あるいはまたどこが教育放送の番組をつくっていくか、内容をつくっていくか、こういうような問題につきましてもさらに検討を必要とする、こういう考え方のもとに、一口にいえば、国民生活の実情にも即し、きめのこまかい形において放送が行なわれるようにやっていったらどうであろうか、こういう考え方のもとに各方面の御検討をわずらわしておるところでございます。そのように御了承いただきたいと思います。
  71. 鈴木強

    鈴木強君 そうすると、社会教育審議会というものに諮問をしておるわけですが、ただ抽象的にいま大臣のおっしゃっったようなことで社会教育審議会のひとつ御審議をわずらわしたいというふうになっておるのか、あるいはもう少し具体的に、たとえば経営の主体をどうするか、番組の編成についてはどうするとか、こういうようなところまで文部省の意見を出してそれを諮問しているのでしょうか。その辺はどうでしょう。
  72. 木田宏

    説明員(木田宏君) 諮問をいたしております中身はかなり大きいところから多少具体的なところまでわたっておるわけでございまして、たとえばすでにこれまでも言われてまいっておったわけでございますが、通信教育による大学教育をテレビとかラジオとかみ合わして行なうというような具体的なやり方はどう受け入れられるのか、あるいは初等、中等教育教育の場で先ほど鈴木委員の御指摘もございましたが、NHKではすでにたくさんの番組を出してくださっておりますけれども、特定の学級あるいは特定の時間について見ますならば、常にNHKの全国チャンネルを通じて全国一本、一つしか出ていない。これは録音という制度を通じていろんな学級等に使う方法もございますけれども、もっと初等、中等教育の各時間に同時に各学年でテレビ、ラジオを使っていくというようなことを通して教育の中に組み込んだ使い方として考えますならば考えていきたいところである。将来の電波技術との関係もございますけれども、やはり教育の指導法としてアメリカの事例等を見ておりまして、私どもやはりその辺のところまで考えてみたいものだというふうに思っておるのが一つでございます。  もう一つは、学校教育とは別に、国民教育という観点から、広く社会教育的にものを考えるわけでございますけれども、現在一日の生活時間の中で日本中の国民が約三時間近くテレビを見ておる。どこから一番たくさん知識を得ておるかといいますと、やはりテレビを通じて得ておる知識が一番多いわけでございます。この知識の種類がもっと多彩になることが必要ではないか、テレビ媒体というものが国民の知識教養の向上に役立つためには、どうしてもそこのところをくふうして、それぞれの地域に即した、あるいは専門に即した知識が、情報がテレビを通じて流れてくるというふうにやはり将来期待していいことではないか、そのように考えまして、どういう領域で、学校教育国民教育の領域に放送を使うかということと、そういう放送を送り出す側の体制というものはどういうふうにあるべきであるか、そうして第三にそうした放送体制を進めていくために、助成していくために、これから短期間にはできないことかもしれませんが、どういう手だてをしていったらいいか、こういうことをかなり長期を考えながらいま検討をいただいておるわけでございます。
  73. 鈴木強

    鈴木強君 きょうは時間に非常に制限されておりまして、私は十二時十分ごろには質疑をやめなければならぬことになっておりますから、きょうでは全部が尽くせないように思いますので、たいへん恐縮ですけれども、この諮問をされた内容を差しつかえなかったらひとつ資料として出していただきたいと思います。  それからもう一つ社会教育審議会の委員の皆さんの経歴、氏名ですね、こういったものもぜひひとつ参考のためにいただきたいと思いますけれども、この点いかがでしょうか。
  74. 木田宏

    説明員(木田宏君) 承知いたしました。
  75. 鈴木強

    鈴木強君 それからもう一つ、それじゃ時間がありませんから、この経営の主体についてちょっと伺っておきたいのですけれども、これは郵政大臣と文部大臣の間にいまお話のように、一方では社会教育審議会でこの問題に対する審議が進んでおるようですね。FMについては、もうすでに結論が出ておるとも聞いておりますが、もしそうであれば、簡単に局長からでもあとで答えてもらいたいと思いますが、この暮れくらいの間に答申を出してもらいたいというところにいっておるようです。そういう作業と併行していまやっているのは、郵政大臣と文部大臣とが何か合意に達して放送教育連絡協議会か、放送教育準備協議会ですか、こういう仮称のものをつくって、文部省と郵政両省が中心になって準備を進めようというのですけれども一体この放送教育準備協議会というのは何をしようとなさっておるのですか。小林郵政大臣の記者会見なんかの記事を見ますと、公共機関というものを主体にしてやったほうがいいというような意見も出ておりますね。これは教育委員会とか、それからまた朝日の八月七日の新聞を見ますと、資金の問題などにも触れておられますが、一部国が出してもいいような意見もあるようですし、それからいまのNHK教育放送との関連で一体どこにこの経営の主体を置いてやらしたらいいかということについて、いろいろ新聞に出ておりますけれども、こういうことまで、この放送教育準備協議会でおやりになるのだと思いませんけれども、少し新聞の記事だけ見ると、何か郵政省のほうがイニシアをとっておるような印象すら受けるのでありますけれども、どういう話が、この文部大臣郵政大臣との間に合意に達して、そうしてこの協議会をつくったのでございますか、この協議会は一体何をしようとしていらっしゃるのですか。
  76. 小林武治

    国務大臣小林武治君) これは、まだ具体的な問題が何も提起されているわけではありません。教育のための放送をしよう、こういうことはもう世間の要望でもあるし、そういう方向で進めたい。したがって、できるだけそのために電波も留保しよう、こういうことでありますが、これを実施する場合にいろいろな問題が出てくるのでありまして、実施主体をどこに置くか、あるいは地方機構をどうするか、あるいは実施のための費用はどこから出るか、これは当然商業放送では成り立ちません。スポンサーもあまりつかない。したがって、その費用がどこから出るかというようなことも大きな問題であります。また放送の実施機構として中央機構をどうしたらいいか、こういうような万般の問題をこれからひとつ検討しなければならぬ、こう考えておるのでありまして、ものごとを進めるについても何かがなければこれは進まない、こういうことでありますから、どうせこれは教育放送内容それ自体は社会教育審議会その他から出てくるものが内容になる、放送内容はそういうところから出てくる。しかし、放送の実施形態あるいは実施の能力あるいは実施の費用、こういうふうな問題は皆これから検討しなければならぬ、これらの問題を白紙の状態においてひとつ相談をしたらどうか、こういうことで何かそういう形がなければなかなかものが進まないから、さようなものをひとつ一緒に協議会みたいなものをつくって自由にひとつ検討してもらいたい、こういうことでありまして、こういう方向というふうなものがあってのことではなくて、これをいまわれわれとしては、これをここでひとつどういうふうにすることかを全体の問題を相談してみたらどうか、こういうふうな程度のことであります。
  77. 鈴木強

    鈴木強君 きょうはNHKの会長も見えておられるわけですが、このNHKからも聞きたいのですけれども、まずその前に、文部省としては、放送法に基づく現行日本放送協会というものがあることは百も承知だと思います。したがって、お話しのようにそこではすでに教育放送と銘打って第三チャンネルで全国的にいまVHFでできるだけくめんし、そして足らないところはUHFでカバーして全県下にこの放送を拡充しているわけですけれども、そういう、一方では、法人格を持った放送法に基づくひとつのりっぱなNHKという放送事業が行なわれているわけですね。それとの関連をどうするかということを最低限度考慮に入れなかったのですか。もし入れたとすれば、どういうようなコネクションを事前にNHKとやったか、これをひとつ承りたいと思います。
  78. 木田宏

    説明員(木田宏君) いま鈴木委員御指摘のように、いわゆる一般放送の中における教育教養放送につきましては、NHKが開局以来非常な実績を築いてきておられるところでございます。それを率直に申しまして教育関係の側は、特に学校放送について申し上げますと、すぐれた教材として受け取っておるわけでございます。すぐれた教材の一つとして与えられたものとして受け取るという傾きになっておるわけでございます。ところで、そういう方向、NHKはやはり一般放送主体でございますから、そこから出てまいります番組を教材として教育機関の側が受け取るということになってこざるを得ないことは当然だと思います。しかし冒頭にも申し上げましたように、これからの教育方法放送というものをどうかみ合わせて使っていくかということがここからだけでは出てこないものがある。特にアメリカその他が大学や普通の小、中学校の実際の行政指導あるいは教育指導に、その教育機関の責任において電波媒体というものを拡大して使っていこうとしておりますことを考えるときに、どうしても新しい領域というものをやはりこの際考えておく必要があるということから一つは出発をしておるわけでございます。しかし、同時にまた一方それはすぐれたものが全国的な教育番組としてNHKから出ておりますものをどのように位置づけていくかということも考えなければなりません。ですから、その辺のところを、NHK関係者にも入っていただき、郵政の御当局にもこの審議会に入っていただき、それぞれの立場からいままでの御経験を持ち寄っていただきまして、これからの電波の利用というものを教育の場でどの程度まで伸ばしていくことが可能であるか、またそうすることが教育世界として望ましいか、こういうことをいま御相談申し上げておる段階でございます。
  79. 鈴木強

    鈴木強君 こういう諮問をする前に、そういう関係の方と相談したかということを聞いておるのです。だからそこだけ答えてください。
  80. 木田宏

    説明員(木田宏君) これは公式の機関として特に両者が、たとえば郵政との間で協議会を設けるとか、NHKとの間で定例会を持っておるとかいうことはございませんけれども、事実上の御連絡としてはかなり私どもNHKにもあるいは郵政にも緊密な御連絡を申し上げておると考えております。
  81. 鈴木強

    鈴木強君 そういうところにぼくはやはり問題があると思うのですよ。少なくとも何年かの長い年月の中でやってこられている具体的な教育放送の機関があるとすれば、あなた方が考えようとする構想については、これはやはり理解をしてもらう必要があるでしょう。お役人さんだから、おれがきめたから従えと、そういう考え方は間違いです、——そういう考え方があるとは思いませんけれども。  そこで会長、あなたの方では、いまの第三チャンネルのみならず、さらにFMを含めて第三のいわゆるNHK教育放送的なものをやりたいというような、そういうお考え方はいまも変わっていないのですか。
  82. 前田義徳

    参考人(前田義徳君) 私ども考え方としては、従来の経験とそれから集積された効果の実情から見て、それからまた現在の波では不十分である、この三点を考慮しまして、従来から、できれば第三の波がほしい、そうしてそれは一〇〇%教育のためのものである、こう申し上げているわけで、その考え方は今日依然として変わっておりません。
  83. 鈴木強

    鈴木強君 そこで文部大臣どうですか。いまNHKというものがこういう一面にございます。新しく皆さんがやろうとするのだが、まだ私が即断するのは早いと思うからお伺いしているわけですが、この経営の主体を、いまおやりになろうとするものを、NHK構想の中にぶち込んでやるという行き方が一つあると思います。それからまた新しい観点に立って、何かしらの経営主体というものをつくってやるというのがあると思うのですが、それをどうするかということの結論はいままだ出ておらないのでしょうか。そこら辺の考え方はどうなんですか。
  84. 灘尾弘吉

    国務大臣灘尾弘吉君) 文部省におきましては、その問題につきましてまだ結論を持っておりません。いろいろこれから検討する問題だと考えております。  なお、先ほど郵政との関係につきましてお尋ねございましたが、郵政大臣のお答えになりましたとおりでありまして、まだ内容的にこの問題をこうしようああしようというふうな話になっておるわけではございませんけれども、今後一そう両者の間の関係を緊密にいたしまして、常に相互がよく相談し合うというふうな場をつくろうじゃないかということで、この話が持ち上がっておるわけでございまして、すべてはこれからの検討、相談によってきめたいと思っております。
  85. 鈴木強

    鈴木強君 そうしますと、郵政大臣にはっきり伺っておきたいのですけれども、あなたが記者会見で言っておられるように、NHKにやらせるか、あるいは他の経営主体にやらせるか、そういうことについてはいま検討中だと言っているのですが、文部大臣もきまっていないということなんですけれども郵政大臣としてはどういうふうに考えておるのですか。ちょっと立ち入ったようなお話で、むしろ文部大臣のほうでお考えになることかもしれませんけれども、現実にはNHKというものがあなたの監督下の中にあるわけですが、そういう関係で伺っておきたいのです。
  86. 小林武治

    国務大臣小林武治君) この経営主体の問題は、いま申したようにこれからひとつよく御相談する、したがってNHKの希望についてのピリオドが打たれているわけではない。そういうことも含めて皆これから御相談いたそう、こういうことでありまして、経営主体の問題につきましては、教育内容放送内容についてはこれはおそらくテレビによる大学教育というものが大きく出てくるというふうに思いますが、そういうものについては文部省の意見が主となる。また経営主体等については郵政省も相当大きな比重でもってこれは相談に乗らなければならぬというふうに考えておりまして、これらの問題をひとつそういう趣旨で相談しよう、こういうことです。
  87. 鈴木強

    鈴木強君 社会教育局長、諮問をする場合に、ただ純然たる教育内容をどうするかという諮問なのか、あるいはその経営形態はどうで、資金はどうするとか、そういうことについては全然教育審議会の意見は聞かないで、大臣段階できめようという、いまのお話だととれますが、そういう諮問の仕方をしていますか。
  88. 木田宏

    説明員(木田宏君) 諮問の本文は、「映像放送及びFM放送による教育専門放送のあり方について」という諮問にいたしておりまして、理由にその趣旨をあげて、あとでこれは資料として御提出申し上げます。いま放送のやり方につきましては、教育専門放送の実施方法等についてという検討事項を加えております。それをやはりかみ合わしたものでございませんと、中身をだれがどうやって出してくるかということはわからないわけであります。
  89. 鈴木強

    鈴木強君 ですから、それは大臣のおっしゃるのもそれとの関連で言っていると思うけれども、何か聞いてみると、そういう点はもう二人で相談すればいいというふうにとれても困るわけですから、それは諮問が出た場合に考えることでしょうけれども、まあ郵政大臣の記者会見の中で、たとえば都道府県の教育委員会など公共的な機関が主体になって教育放送運営をすることが望ましいというような意見一つ出ています。それからスポンサーはつけられないから資金は一体どこから出してくるかというような経営資金の問題についても触れられていますが、ここが実は問題なんです。私はへたをすると、われわれが心配しているような、この放送というものを通じて政府の中央の考え方というものをずっと下に浸透さしていくというふうにもこれはとれる。だからこれは運営を間違ったらたいへんなことになる。そういう心配をお互いに持つわけです。言論、報道の自由ということは、また教育の問題とは違った意味において、これは放送法において認められているところですから、そういうものとの関連で、これは運営のやり方についてはたいへん問題をかもすことですから、むしろ私はここに今度の私の質問の重点があるわけです。したがって大臣のおっしゃるような、教育委員会などでやるということになったらこれはたいへんな問題が起こると思う。これは文部大臣も御了承いただけると思いますが、各県の教育委員会のあり方、しかもこれが任命制になっているというようなことから、強く各方面からの反対が出てくると思うので、この点については、幸いというか諮問もされているようですから、そういう先生方の御意見も十分に勘案しつつ、むしろ抜本的に様相を変えるなら変えてやってもらったほうが賢明だと思います。あなた方が自分たちの力でやろうとしてもなかなかそうはいかない。へたに批判を受けるばかりである。私は別にNHKの肩を持とうとは思わないけれども、どこにやらせるといっても学校にやらせるわけにはいきません。中央に一つのものをつくるのか、地方にどうするのかわかりませんけれども、いずれ資金の調達から始まって国が金を出せば官僚統制、国家統制といわれます。そういうことになります。国から金をもらって編集することになればそうはいかぬ。そんなばかげたことならやめたほうがいい。むしろ現行のNHKを主体とする放送を、十二チャンネルだってあんなへんな放送をしています。十チャンネルだってなかなか問題があるから、スポンサーをつけて放送をやったら内容はおかしくなっちゃう。そこに教育放送における特殊な条件をつけておりますから、そうすると、これはなかなか文部省がこれをやるというわけにはいかないでしょう。教育委員会がやることもむろんむずかしいし、そういうことになれば主体というものはいまのNHKのほうがいいのじゃないかというのが、個人的な私の希望ですが持っているわけです。だからここでにわかに結論を出すこともないようですけれども、私は国民の一人としていまの文部省が進めつつあるこの教育放送については、非常に、考え方というものはわかります。わかりますが、その手段、方法についてよほど慎重に考えていただかないと、むしろ逆の効果がかえって出てきて世論の反撃を食うだろうということをおそれますから、この辺については十分なひとつ配慮をしていただきたい。  それからなおこの機会に、NHKは直接連絡準備協議会に入る、入らないということは別ですが、これはどういう構成になるか両大臣で御相談になると思いますけれども郵政省の事務次官レベルあるいは文部省の事務次官レベルがキャップになると思うのですけれども、その場合にどうでしょうか、これは民放の人だっていいですね、民放の方も大いに入ってもらうとか、あるいはNHKも入れるとか、そういうふうなやはり幅の広い中で経験者というものを入れてひとつその方向を考えてもらいたいと、こうぼくは思うわけです。そこらはひとつぜひ私の希望としてこの準備協議会の中で練ってもらいいいものをつくる、そういうふうにしてぜひせっかくやろうとする意図が誤りのないような、日本教育制度にマイナスにならないような方向でひとつ進めたほうがよかろうと、こう思いますから、その点、私は強く希望をしておきたい。できたら両大臣から、いまの点についても所信を伺えればけっこうなんです。
  90. 灘尾弘吉

    国務大臣灘尾弘吉君) 鈴木君のお話の御趣旨はよくわかりました。私どももこの問題の取り扱いについてはいろいろな角度から検討しなければならぬものがあろうかと思います。十分ひとつ慎重に検討しまして結論を得たいと思っております。また、いまの郵政省と私のほうとの準備協議会というふうなものは、そうむずかしい実は考えでやっておるわけじゃございませんので、両方の関係でしょっちゅう連絡しながらものごとを進めていくということが必要だろうということで協議会というふうなものをつくったらどうか、こういうことでやっているわけであります。あまりかた苦しいもののようにお考えにならぬようにお願いしたいと思います。また相談の過程において、いろいろ他の方面の御意見お願いすることもあろうと思いますし、そういう点については十分弾力的に運営していけばよろしいのではなかろうか、こういうふうな現在考え方をしております。
  91. 小林武治

    国務大臣小林武治君) 文部大臣のお答えと同様でございます。
  92. 鈴木強

    鈴木強君 それじゃ時間がありませんので、このことについては終わりたいと思います。どうもお忙しいところを済みません。  最後にこれはひとつNHKにも大臣にも聞いてほしいのですが、今月の五日にNHKの京都放送局で「私の発言」という日本法制史の放送の中で、日本史学研究会林屋辰三郎立命館大学文学部教授がその担当に当たったようでありますが、この「私の発言」というものがたしか三回でしたか四回放送されたものが、そのあとの段階でこれは中止になっているという問題が起きておる、これは非常に重大な問題でございまして、当事者である日本史学研究会のほうからも抗議が協会のほうに出ていると思いますが、一体そのどこが気に食わなくて、どういう根拠でこれをだれが放送を中止したのか、まずこれを私は伺いたいのです。
  93. 川上行蔵

    参考人(川上行蔵君) いまお話の放送番組は京都放送局のラジオのローカル番組でございます。毎週火曜日の朝十分間ずつ放送をいたしております。その番組を京都の同志社大学の教授、法制史を研究しておられる井ケ田教授に四回にわたってお願いをいたしております。そのお願いが明治百年を中心としておる。井ケ田教授が法制史を研究していらっしゃるのでそういう観点からお話を願いたい、そういう形で交渉いたしまして、承諾を得まして五月七日から四回にわたって放送をしております。  第一回は「期待される人間像」という題。第二回目は「明治百年の式典と憲法問題」という題。第三回目は「明治百年の式典と国防意識、愛国心」というような題。それから第四回目が「靖国神社国営法案について」ということになっております。  それでいま申し上げました第一回、第二回、第三回の問題につきましては、すでにことしの十月二十三日に明治百年の式典も行なわれることになっておりますし、またそれが行なわれますまでの間にもう多くの論議が尽くされておりまして、十分各方面が論議いたしております。そういう観点におきまして、この京都のローカル局、特に京都がああいう土地でございますから、それは史的観点から明治百年ということでローカルで取り上げようということも意味があろうかと思います。そういう意味から、三回にわたって放送お願いいたしました。ところが、いま申し上げましたように、第四回目になりまして、靖国神社国家管理法案という形におきまして内容が出てまいったわけでございます。で、これは一部そういう法案が準備されているというふうなことはございましたけれども、まだこれにはNHKの全国放送の番組におきましても取り上げておりませんし、ただニュースの中において、そういう動きがあるということを放送したことはございますが、その内容につきましては、全く触れておりません。これはまだその当時におきましてはわれわれがその内容を入手するに至らなかったということもあろうかと思います。そういう時点におきまして、新しい政治的な事件に入ると予想されますこの問題を井ケ田教授が、これは将来の軍国主義につながるものである、内容もそういう形で構成されているという形の御説明があったわけでございますが、そういうようなことをそのまま放送いたしますと、われわれといたしましては、放送法規定されております四十四条三項四号の、対立する意見については各方面から論点を明らかにして、いろんな角度からこの問題を取り上げるということ。それからその放送法を受けまして、われわれが国内放送番組基準というものをつくっておりますが、それにも対立する意見については十分な論議を尽くすということ、さらに政治問題については公正に扱うということ、それぞれの規定NHK放送の大前提になっておるわけであります。そういう意味におきまして、この放送をそのまま出すことは誤解を招くので、一応五月二十八日、予定しておりました前日になりまして、局長がこの問題を一応取りやめていただきたいということで、ただしわれわれは先生に対して意見を変えていただきたいとか、あるいはこの放送をやめてしまいますというあれではなくして、いま申し上げましたような放送法規定、あるいは国内番組の基準、そういう精神にのっとりまして、この問題をわかるようにして、その中に先生の御意見も入れて放送いたします。で、その際には先生に出ていただくようにいたしますという角度で御提案をいたしたのであります。ところが先生のほうは、いや自分は放送を頼まれて、内容を録音してしまったのだから、それをそのまま放送するのが言論の自由じゃないかというお考えでありまして、われわれのほうといたしましては、放送お願いいたしておりますが、もちろんその間において多少の事務的な連絡が悪いとか時間的に録音をお願いして、録音が済んだその場ですぐに意見を申し述べておけばもっとスムーズにいったかと思いますが、四、五日たちまして放送の前日に申し上げましたために、何か疑惑を持たれて、あるいは外からの圧力でやめたのじゃないかという疑惑もあったかと思います。要するにNHKは時間をすでに与えて録音したんだから、それをそのままやれということの御意見が今日までNHKとの間の見解の対立の中心になってまいっておるわけであります。
  94. 鈴木強

    鈴木強君 先ほど私もちょっと最初放送者の先生の名前について間違って足りなかったわけですが、いま言われたよう これは日本史学研究会の会員で井ケ田良治同志社大学法学部の教授です。この方が「私の発言」という中でやられたわけですが、どうなんでしょうか。私は録音の内容を全部まだ聞いておりませんから、ここでにわかな発言を私は慎みたいと思っておりますが、その録音はとってありますか、いま保存してありますか。
  95. 川上行蔵

    参考人(川上行蔵君) 京都の局にございます。
  96. 鈴木強

    鈴木強君 それを聞かしてもらうというとまた何かおかしくなりますから、速記か何かでとれないでしょうか、その内容が原文そのまま。
  97. 川上行蔵

    参考人(川上行蔵君) とれると思います。
  98. 鈴木強

    鈴木強君 私は、その内容をもう少し確かめてから、次の機会に自分の意見を申し上げますが、しかしどうも、五月二十八日の分の靖国神社国営は軍国主義復活につながるというそのことが気にくわなかったようですね。その発言が、「私はこう思う」というこのことが放送法のどこに該当するのですか。
  99. 川上行蔵

    参考人(川上行蔵君) 先ほど申しましたように、内容については私たちは触れておりません。それはそれぞれの方の御意見があるわけでございます。ただ、それを放送する場合において、先ほど申し上げましたように、編集者の立場として対立する意見については両方の見解を明らかにして一方的な切り捨てにならないようにということを常に配慮いたしております。そういう観点から、京都局長が、そういう形でのお申し出をしたわけでございます。
  100. 鈴木強

    鈴木強君 それは、ほかにもいろいろな意見を述べる場合があると思うのです。必ずしも私はこうだ、私はこうだというのが同時に並んで対談の関係で出るという場合と、そうでなくて一人の人が私はこう思うという意見をもって放送しているじゃないですか。たまたま靖国神社の関係で神経を使ったと思うのですけれども、その中止に対する権限というのはそれは放送法、またその基準に照らしてNHKがやったということですけれども、やっぱり私はその辺が少し割り切れないのです。それは、これだけのもし意見だとすれば、私は軍国主義復活につながるものだと思うということでしょう。それでは、一々あなたはどういうことを言うのですか、そういう意見を言うのは中止しますよということになるわけでして、そんなおかしなことはないと思うのだが、もう少し私はこの中止に至るまでの経過については詳しく聞きたいと思いますけれども、まあいかんせん原文を見ておりませんし、時間もきておりますから、公明党の皆さんにも御迷惑をかけますから、私はやめますけれども、私はどうも納得できないのです、この中止したということについては。まだほかに、そういう意見がもしあるとすれば、そういう意見の人たちだっておるでしょうから、その辺もやっぱり「私の発言」なら発言という中でやったらいいじゃないですか。やる方法はあったと思うのです。せっかく三回だけやって、四回目になってどうも自分の放送というものが内容的には何も言わないで放送中止したということになると、失敬じゃないですか、大体。言論、報道の面においてもやっぱり私は問題が残ると思いますけれども、もう少し研究しておいてください。この次に私はこの問題については質問したいと思いますから、きょうはこれだけにしておきます。
  101. 森勝治

    ○森勝治君 関連。いまの問題で関連した質問をしたいのですが、「私の発言」という命題でしょう、そうですね。そうなれば、その中でその発言する人の持てる思想、あるいはまたその中には雑言もあるでしょう、あるいは今度はその人の発言の見方が皮相な見解、たとえば相反する考え方を、私が視聴者として聞いて、何だあんなことを言っていると思う場合があり得るでしょう、しかしいやしくもNHKが「私の発言」ということで、それぞれの方の発言ですから当然その思想がその根底をなすものだと思うのです。それが平面的な表現を用いられようと理論的な用語を用いられようと、それはいずれを問わず当然そこには何かの考え方がある。それをいまいったように極論するか迂回した発言になるかの話です。当然そうなればこれは「私の発言」では、NHKのほうで発言をお願いするときにもうその辺のことは大かた、この人はどういう考え方を持たれている方かなんということはわれわれ、特に文化人、学者等なれば社会常識で推測ができるはずであります。そうなれば、もしその人がそういう発言をされた。いま言ったような相対峙する発言であれば、相対的な関係で相反する立場の人の発言を充ててしかるべきだと私は思うのです。それを三回させて、四回目に切ったということになるとNHKがかねてからその綱領に高く掲げておる不偏不党——委員会でも前田会長がしばしばこのことについてはお約束され、発言をされておる問題について、これは羊頭を掲げて狗肉を売ったのではないかという視聴者の一部の声が——一部というか、多くというか、その辺は私はつまびらかにいたしませんけれども、疑問を持つわけであります。ならば、不偏不党という看板はおろしてもらいたい、こう言わざるを得ないのであります。少なくとも三回放送されたんですから、四回で完結だそうですね。そうなれば、私は四回をさせて、賛否こもごも是非の議論が成り立つならば、それはそれであらためて対立論を開陳さすべきであって、かりそめにも中途でやめるなんということは、これはNHKとしてとるべき態度ではなかったと思うのであります。そういうことは、かねてから常識的にもう推測できるはずであります。たとえば、変な話をして恐縮でありますが、これはこれに当たるかどうかわかりませんが、社会党の党員を呼んで、あるいは自民党の方を呼んで、それぞれの立場世界観を論じさせた、あるいはまたベトナムの戦争について論争させた場合には、それなら、本人の持つ個性もそうでありますけれども、その人の考え方が当然これは相対立する場合があります。そうかといって、同一の場所において両方が論争を求めさせる、触れ合いさせる、こういう場合の時間なら、またいずれといたしまして、そこで明らかに双方の思想的な隔たりが明らかになりますけれども、いま言ったように、これはもう大学の学者一人でしゃべるわけですから、それは直ちにそこでその人の御意見としては当然これは堂々と開陳さすべきであります。そこで、いや、あんたの話はそうじゃない。対話じゃございませんから、そこで時間的空間が、たとえば反論の立場でこの問題で論争をこれに巻き起こそうとしても、これは時間的空間があるわけですから、当然これは四回なら四回終了させて、しかる後に、そういう社会的な問題がもし惹起されたとするならば、NHKは、じゃ、それほど論争をかもし出す問題であるならば、それなら対論者を呼ぼう、考え方の違った方に、また立場の違った方に意見を求める、お願いする、これが正しいあり方じゃないですか。三回で途中でやめたなんということは、これはもうそもそもNHKが、いま申し上げた、まことに恐縮だが、不偏不党という看板があせてくる。それでなくとも、ほかの問題でもしばしばNHKについては、政府があたかも干渉しているかのごとき印象をぬぐい切れないし、私も先般の当委員会でこのことについての疑点を晴らした際に若干詰問をしたような記憶を持つのでありますが、いずれといたしましても、そういうことはNHKのとるべき措置でなくて、これはひとつ今後、このことばかりでなくて、いずこいずれの場合でも起こるだろうと思うのであります。したがって、いまの皆さんの話を聞いていまして、ぼくは質疑を中途からですが、聞いておりまして、それならNHKにマイクの前に立つ者は、もう「私の発言」などという看板をおろして、当たりさわりのないこと、世間のざわめきのみを電波にのせる、それ以外なかろうと思うのであります。それであったらば、また国民の思想を啓発するという立場社会主義を貫くという立場、これがことばを変えて不偏不党という文字によって表現されるNHKの綱領というものが、使命というものがその全きを期すことができないようなおそれを私は多分に持ちますので、まあ鈴木さんの御意見にありましたように、今後このことについては資料を取り寄せて御検討願えるわけでありますから、私も勉強してみたいと思うのでありますが、ただそういう問題で、私の発言とか、自由に発言させたら、おまえの発言はちょっとけしからぬからやめろなどということでやめさせたということであるならば、これはNHKの名誉についても非常に重大なことでありますので、私は、一言皆さん方の御意見をいただきたくて発言をしたわけであります。
  102. 川上行蔵

    参考人(川上行蔵君) 先ほど申し上げましたように、一週間四回、御自由に御発言くださいといってお願いしたわけじゃなくて、明治百年についてお話しいただきたいというふうにお願いしておるわけです。それで、その四回目に靖国神社法が出てまいりましたので、京都の局長は、それはやはり企画外じゃないかということで、それではそれをやめるとかなんとかというのじゃなくて、一応はやめますけれども、いま先生がおっしゃったように、別な形で出ていただきます。それで対立意見を十分に聞けるような態勢をとって直ちに準備いたしますから、それで御了承いただきたいということを申し上げておるわけでございまして、NHKの意思どおりの内容をつくっていただきたいとか、あるいは当たりさわりのない内容をつくっていただきたいという、そういう形で番組をやめたわけじゃございませんので、どうかその点を御理解いただきたいと思います。
  103. 鈴木強

    鈴木強君 一つだけ最後に。NHKの京都放送局長限りでこの放送を中止したものか、それともあなたのほうに伺いがあって、中央でいろいろ相談した結果やめさせたのか、その辺のいきさつだけはちょっと明らかにしていただきたい。
  104. 川上行蔵

    参考人(川上行蔵君) ローカルの番組はローカルの局で処理いたしております。その一つ一つの番組につきましては、その局の局長責任ということになります。番組の一年間のいろいろの企画、事業方針というものは私どものほうの責任でやる。それからもう一つは、番組内容をどういう角度で検討していくかというと、考査室規程というのがございまして、放送法とか番組基準にのっとってやるように、それも私の直接のあれじゃございませんけれども、担当という形で、考査室規程というものの運用によってやるように指導いたしております。
  105. 鈴木強

    鈴木強君 相談は全然受けなかったわけですね、それについて、川上さんは。
  106. 川上行蔵

    参考人(川上行蔵君) 決定したあと報告を聞いております。     —————————————
  107. 久保等

    委員長久保等君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日付をもって白木義一郎君が委員辞任され、その補欠として沢田実君が選任されました。     —————————————
  108. 北條浩

    ○北條浩君 時間もだいぶ経過しておりますので、簡単に一点だけお伺いします。  最近実施された郵便番号制度についてですけれども、これはいわゆる合理化、機械化等の構想があって始められたことはわかります。なにしろ国民大衆が、新しい制度についてはよく理解をしなければ所期の目的は達成できない。そういった点から、この郵便番号制度に関係する当局の機械化の具体的なプランについてお伺いしておきたいと思うわけです。
  109. 曾山克巳

    説明員(曾山克巳君) 機械化の具体的な計画につきましては、四十二年度予算におきまして、五十口自動読取区分装置を一台、百口一台、合計二台を調整いたしました。四十三年度におきましては予算上三台計上してございます。ただし、御指摘のように国民の方々の御協力を得まして、非常に記載率が高うございますので、私どもといたしましては、この三台にとどまらず、年度内におきましてもさらに予算を差し繰りいたす、あるいは借り入れ等の手段をもちまして増配をしたいというぐあいに考えております。
  110. 北條浩

    ○北條浩君 この最終的なプランでは、それにはとどまらないと思うのですけれども、全部で何台ほど配置をすればよろしいのか、そこまでお聞かせ願いたいと思う。
  111. 曾山克巳

    説明員(曾山克巳君) 四十四年度以降におきましては、まず四十四年度の現在概計要求をする直前にあるわけでございますが、ただいま三十五台ないし四十台要求いたしたいと思っております。さらにその次の年度におきましても、それと同数要求したいと思っております。合計いたしまして、この十年以内に百六十三台ほど準備したいと考えている次第でございます。
  112. 北條浩

    ○北條浩君 そうしますと、十年構想ということに理解してよろしいでしょうか。それが全部完ぺきに配置ができたときに、この郵便番号制度というものが具体的な軌道に乗る、このように理解をしてよろしいでしょうか。
  113. 曾山克巳

    説明員(曾山克巳君) ただし記載率が非常にようございますので、この十年の計画は若干縮めなければならんというぐあいに私ども考えます。ただ、先ほど御指摘ございますように、機械の面につきましても、非常に番号記載が役に立ちますが、あわせて手区分にも非常に役に立つわけであります。私どもといたしましては、手区分の能率向上ということにつきましての宣伝をいささか怠っておったのじゃないかという感じがいたしますので、さような点を周知いたしまして、両々相まちまして、国民の方々の御理解をいただきたいと考えております。具体的に結論を申し上げますと、十年計画というものをさらに縮めまして、せめて七年ぐらいで機械は完成する。その前に手区分によりましても、手区分の作業を番号区分による作業に全面的に変えていきたいというぐあいに考えまして、近々完成する予定でございます。できればこの九月からでも実施してまいりたいというぐあいに考えておるわけでございます。
  114. 北條浩

    ○北條浩君 それで、現在一般家庭に配られている郵便番号簿ですけれども、それには全国のは載ってないわけですね。地方版といいますか、東京で配られたのを見ますと、東京、関東、それから大阪、名古屋が入ってましたか、そのほかの地域は入ってない。そうしますと、実際に国民の側としては協力を求められているけれども、九州の友だちに手紙を出すときにはわからない。そういうやり方をしながら、国民には要求をしながら、実際に準備する側としては非常に片手落じゃないかと、こういう点考えるわけです。そういう点はいかがですか。
  115. 曾山克巳

    説明員(曾山克巳君) 御指摘のとおりだと思います。私どもといたしましては、かかる負担を国民の方々になっていただきます以上は、当然全配達局の番号を記載いたしました番号簿をお配りすべきでございまして、ただ、その段階におきまして、御承知のようにどうしても官製のものは予算が伴いますので、四十二年度あるいは四十三年度の予算の中におきまして総額、全世帯に番号簿を配りますと約二十億円かかります。その二十億円の調達が不可能でございましたので、実は先ほど御指摘のございましたように、各世帯つまり小口の方には家庭版をお配りして、最も関係の深い、カバレッジといたしましては約九〇%のあて名をカバーするような、そういう番号簿をつくりまして、非常に差し出しの多い方には全国に区分いたしました全国版をお送りしたわけでございます。ただ、御指摘いただきました点は、お出しになる国民にとって御不満だと思いますので、いろいろと省内で現在検討いたしておりまして、できれば広告等をとりまして、無料で将来できるだけ早い機会に国民の方々にお配りできるような方法を現在検討中でございます。
  116. 北條浩

    ○北條浩君 それで、番号簿を見ますと、たとえば私は東京都新宿区ですけれども、新宿区の中で私のところの町は一六〇番になっておるわけですが、新宿区の中に一六〇、一六一、一六二、この三つぐらいございましたですね。ところが、実際にあれが実施されてから私のところに来る手紙で一六一と書いたのもあれば一六二もある。それでもちゃんと来ているものは来ているわけです。あそこまでなぜこまかく分けなきゃならないか。当然当局としてはわかるんですけれども、私は国民の側に立ってものを考えてもらいたいと。ですから、たとえば東京新宿区なら一六〇の一本、こうすれば番号簿等もきわめて簡潔にいくんじゃないか。いまでさえ間違った番号で書いておるし、それから第一、国民とすれば、ああいう番号簿を見ても非常に繁雑です。町名がこまかく書いてあって、はたして該当するのはどこかということを探すのは非常に骨が折れる。しかもふりがなもふっていない。大多数の国民というものは非常にそういった活字に対しては抵抗力が多いわけですね。事務的な能力というのは一般にないわけです。もっとわかりやすく簡潔にものごとを処理するという大前提に立ってやるべきじゃないか。そうすれば、かりに新宿で例をとって一六〇で済むならば、もっと簡単に全国的な番号簿というものもできるんじゃないか。そうすればものごとを実施するときに、国民全体に周知徹底せしめて、それを軌道に乗らせると、こういう当局の長期構想と、国民大衆がそれについていけるように最初からプランをすべきじゃないか、こういうふうに考えるわけです。いまのお話を伺ってますと、機械化というものがこれから十年の日子を要すると、しかも国民にはそれをしいておきながら、実際にその効果がなかなかあがらないという、こういう矛盾があるわけです。で、たとえば数年前に局名を書けというたしか指導をされたですね。あれもうやむやになってしまった、こう考えますと、とにかくお役所仕事ということを非常に私たちは考えるわけですけれども、これで国民大衆に、特にサービス官庁としてはやはり大衆が納得しやすいような方法でまず考える、その上で実施するということが一番大事じゃないか。こういう点で現在番号簿にはいろいろ矛盾もありますし、具体的に、そういう点についてなぜあんなこまかな区分をしなければならないかということですね。
  117. 曾山克巳

    説明員(曾山克巳君) ただいま御指摘になりました新宿区の例が、まさしく私どもが郵便番号制度を創始いたしまして皆さま方に御協力をお願いするゆえんでございます。  詳しく申し上げますと時間がかかりますので、簡単に新宿の例で申し上げますと、新宿区に現在配達局が複数あるわけでございます。これを従来は地方の郵便局で仕分けいたしますときに、どこの町はどこの配達局に属するかということを一々覚えることは不可能でございますし、また東京中央郵便局に参りまして、中央郵便局の職員ですらこれを完全に暗記するということには一年の日子を要するというような状態でございました。そこで私どもはそういう、一々どこの町名がどこの配達局に属するというようなことを覚えなくても、番号を見さえすれば小学生でも——小学生は極端でございますけれども、どんなアルバイトでも簡単に区分できる。そうして郵便配達というものを単純化することを理想としまして考えたわけでございます。手区分の場合にも、まさしく単純作業化することによって能率が上がることはたぶんそんたくしていただけると思います。機械におきましても、何々局区内とかあるいは町名を読むということは、日本文字の複雑性から見て不可能でございますので、手書きの番号でも書いていただけば、番号を読み取るという機械ができましたので、機械を導入することによって郵便作業を能率化し、かつスピードアップしていこうということで考えたわけでございます。新宿区の場合に現在三局の番号を付しておりますが、もしこれをただいま御指摘のように、一本の番号だけにいたしますならば、その一本の番号を持ちます局に行きましてそれを再び区分しなければいけない、区分いたしますには人手がかかるということで、どうしても非能率でございますので、最初から番号によって区分し、あるいは機械にかけて区分するという仕組みにいたしておるわけでございます。さような点を私ども委員の方々にもちゃんと報告をし、同時にまた国民の方々にもちゃんと報告をし、同時にまたそういう技術的な面をよくPRすべきでございましょうが、あるいは御指摘のようにさような点が足らぬかと思いますが、今後さような点に注意いたしまして、よく周知いたしまして、国民の方々の理解をいただきたいと思います。  なお、従来、配達局区内という制度を実施して、それがしり切れトンボになっているではないかという御指摘でございましたが、確かにさようでございます。現在でも非常に効率の高い新聞社、放送会社におきましては、配達局制度をなお使っているのでございますが、確かに私どもといたしまして、番号簿をつくっても周知いたしませんでしたし、あわせて積極的でございませんでした。今後はさような点のないように、少なくともこの番号制度につきましてはありとあらゆる努力を傾けて国民の方々の御協力を得ながら、郵便作業の能率化と近代化につとめてまいりたいと考えております。
  118. 北條浩

    ○北條浩君 いま具体的な郵便番号制度のもとで感じることを申し上げたわけでありますが、大臣に申し上げたいのですけれども、とにかく郵政省、電電公社等国民大衆に対するサービス機関としましては、やはり何といっても国民の側に立ってものを考えていただきませんと、非常に国民としては迷惑をする。大臣は公社の構想をお持ちということを新聞等で伺っておりますけれども、願わくは、いま申しましたような大衆にサービスを徹底するための公社としての構想を実現されるように強く希望しまして、時間がありませんから、この辺で私の質問を終わりますが、その点を要望しておきます。
  119. 久保等

    委員長久保等君) 他に御発言もなければ、本件に対する質疑は本日はこの程度とします。     —————————————
  120. 久保等

    委員長久保等君) 請願を議題といたします。  本委員会に付託されました請願はお手元のとおり一件でございます。まず専門員から請願趣旨について説明を聴取いたします。
  121. 倉沢岩雄

    ○専門員(倉沢岩雄君) 埼玉県加須市東栄町に特定郵便局を早期に設置されたいという請願でございまして、去る五十七国会にも同様の請願がございましたが、これは採択になっておるものでございます。
  122. 久保等

    委員長久保等君) 御質疑のある方は、順次、御発言を願います。
  123. 森勝治

    ○森勝治君 これは、いまの説明にもありましたように、昨年の十二月二十一日ですか、この案件付託されているのです。もう請願陳情というのは国民の権利だから何回出してもよろしいと私は思うけれども、採択されたとたんにまたこれを出すということは、私は若干どうかと思うので、こういう問題については、これは紹介議員と十分事務局で御連絡をしていただかないと、採択したとたんに、また次の議会に請願を出されて、また採択するなんていうことは、お互いに国政多端の折から何とか善後策を私は講じたいと思うのです。私も実は名案がないのですが、何かそういうふうに重複をできるだけ避けたいと思うので、これは請願内容そのものが違ってくるなら別ですけれども、全く同一内容でありますから、これはお互いに今後の課題として研究したいんです。私はそういう面で一言発言いたしておきます。
  124. 久保等

    委員長久保等君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  125. 久保等

    委員長久保等君) 速記を起こして。  他に御発言もなければ、請願第一九号、埼玉県加須市東栄町に特定郵便局早期設置に関する請願は、議院の会議に付するを要するものにして内閣に送付することを要するものと決定することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  126. 久保等

    委員長久保等君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  127. 久保等

    委員長久保等君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  128. 久保等

    委員長久保等君) 次に、継続調査要求についておはかりいたします。  郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本院規則第五十三条により、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  129. 久保等

    委員長久保等君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  130. 久保等

    委員長久保等君)御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  131. 久保等

    委員長久保等君) 次に、委員派遣承認要求に関する件についておはかりいたします。  今期国会閉会中、郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に関する調査のため、委員派遣を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  132. 久保等

    委員長久保等君) 御異議ないと認めます。  つきましては、派遣委員の人選、派遣地、派遣期間等はこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  133. 久保等

    委員長久保等君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、本院規則第百八十条の二により、議長に提出する委員派遣承認要求書の作成等も便宜委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  134. 久保等

    委員長久保等君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十四分散会      —————・—————