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1968-08-08 第59回国会 参議院 災害対策特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年八月八日(木曜日)    午後一時十分開会     —————————————    委員異動  八月八日     辞任         補欠選任      八田 一朗君     平島 敏夫君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         足鹿  覺君     理 事                 小林  章君                 佐藤  隆君                 武内 五郎君                 塩出 啓典君     委 員                 上田  稔君                 小林 国司君                 田口長治郎君                 中津井 真君                 平島 敏夫君                 増田  盛君                 森 八三一君                 沢田 政治君                 前川  旦君                 松本 英一君                 宮崎 正義君                 村尾 重雄君                 河田 賢治君    国務大臣        国 務 大 臣  田中 龍夫君    事務局側        常任委員会専門        員        中島  博君    説明員        内閣総理大臣官        房参事官     川上 幸郎君        経済企画庁総合        開発局長     宮崎  仁君        文部省管理局指        導課長      栗山 幸三君        農林大臣官房参        事官       荒勝  巖君        建設省道路局企        画課長      難波 隼象君        建設省住宅局住        宅総務課長    白川 英留君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○災害対策樹立に関する調査  (えびの地震十勝沖地震及び日向灘地震によ  る災害対策に関する件)  (梅雨前線及び台風四号による災害対策に関す  る件)  (降雪対策に関する件) ○激甚災害指定基準緩和に関する請願(第八  号) ○継続調査要求に関する件 ○委員派遣承認要求に関する件     —————————————
  2. 足鹿覺

    委員長足鹿覺君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  本日、八田一朗君が委員を辞任され、その補欠として平島敏夫君が選任されました。     —————————————
  3. 足鹿覺

    委員長足鹿覺君) 本日の理事会の結果について御報告いたします。  本日の議事につきましては、えびの地震十勝沖地震梅雨前線による大雨台風四号及び日向灘地震災害対策に関する件について政府から説明を聴取し、質疑を行ない、引き続き請願審査継続調査要求及び委員派遣承認要求を行なうことになりましたので、御了承をお願いいたします。     —————————————
  4. 足鹿覺

    委員長足鹿覺君) それでは、災害対策樹立に関する調査を議題といたします。  えびの地震十勝沖地震梅雨前線による大雨台風四号及び日向灘地震災害対策について政府から説明を聴取いたします。田中総務長官
  5. 田中龍夫

    国務大臣田中龍夫君) えびの吉松地区地震及び十勝沖地震に対しまする政府措置並びに六月末から七月にかけましての大雨及び台風第四号等、最近の災害状況につきまして御報告を申し上げます。  えびの吉松地区地震及び十勝沖地震被害状況並びに政府応急対策につきましては、先般の当委員会で御報告をいたしましたので、その後の政府措置につきまして簡単に御説明を申し上げます。  えびの吉松地区地震につきましては、地震災害特異性及び長期にわたって続発いたしました状況にかんがみまして、上水道の地下埋設施設補助率引き上げ中小企業に対しまする政府関係金融機関利子率引き下げ破損家屋に対しまする国有林によりまする補強材補助消防施設に対しまする補助率引き下げ集団移転のための宅地造成事業に対しまする起債の許可等特別措置を講ずることといたしたのでございます。  なお、中小企業金融機関利子率引き下げにあわせまして、環境衛生金融公庫及び医療金融公庫からの災害融資につきましても利子率引き下げることの措置を講じますことといたしているのでございます。  次に、十勝沖地震につきましては、激甚災害法適用することといたしまして、六月三日及び六日の二回にわけまして政令を公布したのでございますが、指定条項は、法第五条(農地等災害復旧事業等にかかる補助特別措置)、法第六条(農林水産業共同利用施設災害復旧事業費補助特例)、法第七条(開拓者等施設災害復旧事業に対する補助)、法第十一条(共同利用小型漁船建造費補助)、法第十二条(中小企業信用保険法による災害関係保証特例)、法第十三条(中小企業近代化資金等助成法による貸付金等償還期間等特例)、法第十五条(中小企業者に対する資金の融通に関する特例)及び法第二十四条第二項から第四項まで(農地及び農業用施設等災害にかかる地方債元利補給等)でございます。また、これら諸般の対策のほかに、水道の地下埋設施設等環境衛生施設に対する補助率引き上げ等措置を講ずる予定でございます。  次に、梅雨前線によります降雨災害につきまして御報告を申し上げます。  六月下旬から梅雨前線が活発化いたし、九州地方はじめ中国近畿地方等、主として西日本各地に、断続的にかなり強い降雨がございました。  これら降雨によります被害一般被害では、死者・行方不明十四名、負傷十九名、家屋の全・半壊三十一棟、床上浸水千百七十三棟、床下浸水二万一千三百八十五棟等でございます。施設関係等被害額は、県報告によりますると、公共土木施設等約百十二億円、農地等約三十四億円、農作物等約八億円、その他十四億円合計百六十八億円でございます。  次に、台風第四号の被害状況につきまして御報告を申し上げます。  七月二十一日九時ごろ、マリアナ群島付近で発生いたしました台風第四号は、二十八日十九時三十分ごろ高知県須崎市付近上陸をいたしました。上陸時の勢力は、中心気圧九七五ミリバール、最大風速三十メートルとかなり衰えておりました。その後速度を増しまして、四国中国地方を横断いたし、二十九日午前一時ころ島根県浜田市付近から日本海に抜け弱い熱帯低気圧となったのであります。  この台風第四号によるおもな各地の総雨量は、二十六日九時から三十日九時までの期間でございますが、奈良県日出岳一、五六四ミリ、徳島県剣山六七五ミリ、静岡県天城山六五四ミリなどでございます。  一般被害は、死者・行方不明三人、家屋全壊・流失四棟、半壊三棟、罹災世帯数二百二十六世帯等と相なっております。また、施設等被害は、県報告によりますると公共土木施設三十六億七千万円、農業関係施設十九億八千万円、農水産物関係十八億一千万円、その他二千九百万円、合計七十五億円と相なっております。  最後に、八月六日午前一時十七分ごろ、九州四国中国地方一帯に起こりました地震につきまして御報告を申し上げます。  この地震は、去る四月一日の日向灘地震の余震と考えられ、震源地は豊後水道の宇和島湾で震源の深さは約二十キロと推定され、規模はマグニチュード六・六程度でございます。  おもな各地震度は、宇和島・大分で震度五、福岡、熊本、延岡、宮崎、鹿児島、阿蘇山、宿毛、足摺、松山、呉、岡山、山口、油津、人吉が震度四でございます。なお、津波の発生はありませんでした。  この地震によりまする一般被害は、負傷者二十二名、全壊一棟、罹災世帯数一世帯等でございます。施設等被害は現在までに判明いたしておりますものは、県報告によりますれば公共土木施設農地等二億一千万円程度でございます。なお、漁港等につきましては調査中でございますが被害額はほとんど増加しない見込みでございます。  以上、最近の災害につきまして御報告をいたしましたが、これらの被害に対しましては、各省庁におきましてそれぞれ所定の対策を講じ、災害対策の万全を期しておる次第でございます。
  6. 足鹿覺

    委員長足鹿覺君) ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止
  7. 足鹿覺

    委員長足鹿覺君) 速記を始めてください。  以上で説明聴取を終わりました。  それではただいまの説明に対する質疑並びに降雪対策に対する質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
  8. 平島敏夫

    平島敏夫君 えびの地震の問題につきましては、今日まで数回災害対策委員会に出まして、いろいろと御無理を申し上げたのでございまするが、激甚法適用はできないと、これは法律上きまっておることでございますので、いたし方ないと存じますが、しかしこれに準じてということで、今日まで総務長官のほうでも非常にこの問題につきましては、えびの対策については御配慮をいただきまして、ほとんど大部分の問題が解決してまいったのでありまするが、ただ一つだけ農業倉庫被害が非常に大きいのでありまするが、また負担力の弱い地元としましては、これは大きな問題になっております。これがどうしても一般法律による二割の補助しかできないということでは、地元として非常に困っているのです。そこで、何とかしてやはり激甚法適用に準ずるような方法を講じていただきたい、これが地元の切実なる希望でありまして、またわれわれとしても、法律改正するということは簡単にできませんけれども適用によって何とかこれに近い解決をしていただきたい。これに対しまして御当局長官及び農林当局の御答弁、御意見を伺わしていただきたいと思います。
  9. 田中龍夫

    国務大臣田中龍夫君) えびのの問題につきましては皆さま方地元の方々並びに当委員会の各位におかれましても、非常に御心配に相なっておられ、私どもといたしましても、でき得る限りのことはいたしてまいったのでございますが、ただいま平島先生からの御指摘農業倉庫地元負担の問題でございます。本件につきましても、御希望に沿いたいことは重々考えておる次第でございますが、本件は非常に技術的な面も多分にございます。農林省からの担当官も見えておられますので、そちらのほうの御答弁に譲りたいと思います。
  10. 荒勝巖

    説明員荒勝巖君) 私から補足の説明をさしていただきます。  ただいま長官からお答えがありましたように、われわれといたしましても、このたびのえびの地区等の局地的な地震につきまして、いろいろ検討いたしましたが、激甚法適用がなかなかむずかしい。激甚地区にかりになれば九〇%、一般には五〇%ぐらいの補助があるわけでございますが、この今回の地区につきましては二〇%しか補助ができない。これにつきましては、ただいま総理府を中心に今後のいわゆる指定基準緩和については目下いろいろ検討しておりますが、現在の段階では、直ちに二〇%の補助率引き上げてさらに高額の補助率にするということは非常にむずかしいのではなかろうか、こういうふうに思っております。なお、補助残融資につきましては農林漁業金融公庫のほうで、一般の場合七分五厘でございますが、こういう災害のときの補助残融資につきましては六分五厘ということの融資で、多少安い金利で自力再建に充てたい、こういうふうに思っておる次第でございます。
  11. 平島敏夫

    平島敏夫君 なおこの問題につきましては、できるだけの方法を御研究願いたい、これを御要望申し上げまして私の質問を終わります。
  12. 宮崎正義

    宮崎正義君 長官にお伺いいたしたいのですが、災害があるということは、まことに遺憾のきわみでございますが、これはやはりわれわれの予期せざるところで起きてくるもので、いつもこれで問題になるのは、人身に影響が与えられた場合、その人身補償に対する災害補償というものをどういうふうにお考えになっておるか、基本的なお考えを伺いたいと思います。時間がございませんので、こまかいことをお伺いできかねるのでありますが、いずれにしても、個人災害における補償制度、そういうふうなことの考え方、従来は災害が起きますと見舞い金がまいります。その見舞い金補償のような形で一部充てられているような姿でありますが、災害共済制度のそういうような制度をつくる意思がおありかどうか。人身補償についてどんなふうにお考えになっておるか、基本的なことを伺っておきたいと思います。
  13. 田中龍夫

    国務大臣田中龍夫君) 実は、承りたいのでございますが、御質問の「ジンシン災害の「ジンシン」というのはからだのことですか。
  14. 宮崎正義

    宮崎正義君 そうです。身体、死んだり負傷したり。
  15. 田中龍夫

    国務大臣田中龍夫君) これ、天災地変等災害によりましてなくなられました方につきまして、われわれは心から哀悼の意を表しておる次第でございますが、その予後の補償ということに相なりますると、これはなくなられた方に対してお見舞いをいたす程度でございまして、別に国がどうこうということにはいたしておらないと存じます。それからまた身体障害等に相なりました場合におきましても、これは一般の身障に対します法制によりまして救済をいたしておるのでございます。  そのほか、いまの御質問の中には個人災を含めて御質問でございますか。
  16. 宮崎正義

    宮崎正義君 そうです。
  17. 田中龍夫

    国務大臣田中龍夫君) いまの個人財産権補償ということは、災害にあたりましていたさないことを原則にいたしておりますが、たとえば中小企業その他につきましての場合、特別の金融処置をごあっせん申し上げるとか、あるいは激甚災等に指定いたすことによりまして、特段のそれに対しまする手厚い処置考えますということはいたしておりますが、個人財産権補償を国がいたすということはいたさないたてまえにいたしております。  なお、国のそういうふうな補償というふうな問題も、いわゆる罹災いたしました地方公共団体等に対しまする法律にきめられました一定の高額補助をいたすにとどまっているのでございまして、ただいま御質問がございましたような個人補償ということは、いたしておりません。
  18. 宮崎正義

    宮崎正義君 たとえばいま地方自治団体交通災害共済制度というものを盛んにやっているわけです。こういったような天災によるところの災害共済制度、こういうものも当然考えられていいのじゃないか、こう思うわけなんですがね。この点についての考え方ですね、それを伺っておきたいと思います。
  19. 田中龍夫

    国務大臣田中龍夫君) たとえば交通災害等に関しましてのいまお話の出ました共済関係でございますが、こういうふうな災害に関しましても、いわゆる共済制度というものは、農業関係その他等にはできておるわけでございますが、そういうふうな共済制度をつくりますということ、それはあくまでもやはり共済でございまして、御指摘のような国の補償ではないわけであります。国では補償しておらない。しかしながら、いわゆる共済ということにつきましては、いろいろな制度が逐次考えられておると存じます。
  20. 佐藤隆

    佐藤隆君 田中長官お帰りになるようでございますから、一言だけお礼を申し上げておきたいと思います。五月二十三日に私がここで御提案申し上げました、全国の急傾斜地の総点検のことにつきまして、さっそくお取り上げいただきまして、中央防災会議事務局長の名において、それらを含めての指導通達を出された。まことにありがとうございました。一言お礼を申し上げておきます。  引き続いて、夏のまっ盛りでございますが、雪の話で少し質問させていただきたいと思います。  この前の災害対策委員会でも実はお願いをしておりました、これは文部省関係でございますが、公共施設に対する除雪費用負担の問題。りっぱな法律をつくっておきながら政令で縛っておる。平年の二倍も降らなければ適用にならない、それはおかしいじゃないかということで質問を申し上げ、政令改正、第二条の削除、そういうようなことについてお願いを申し上げておりましたが、すでに成案をされたようでございますので、そのことについてここで御報告を願います。
  21. 栗山幸三

    説明員栗山幸三君) ただいま佐藤先生から御指摘がありましたけれども昭和四十二年十二月から四十三年の三月にかけて、特に新潟県を中心とする豪雪に際しまして、さきの国会でもたびたび状況を御指摘いただきました。これに対しまして大蔵省中心にいたしまして関係各省と協議を進めてまいりました。また私どもとしましても、各市町村の除雪事業の実態とか、各地区降雪量積雪量、そういったようなものを過去三十年間にわたりましていろいろと検討を重ねてまいりました。その結果、まさに御指摘のあったとおりでございますけれども昭和三十八年の豪雪に準ずるということが明らかになりました。そこで、大蔵省中心各省と協議しまして、七月の四日付で昭和四十二年十二月から昭和四十三年三月の降雪豪雪とするという政令が制定されました。それとともに、すでにある政令の一部改正でございますが、それは第二条の第一項の補助の対象となる地方公共団体補助金である豪雪期間中の除雪費が平年除雪費の二倍をこえるというのを一・五倍に引き下げました。それからそのこえる額が当該豪雪の発生した年度の標準税収入額の百分の四とあるのを百分の一に引き下げるというふうな政令改正が行なわれました。これに基づきまして七月の十日から十二日まで大蔵省の財務局が現地査定を行ない、引き続き七月の三十日の閣議でこれに伴う予備費支出が認められております。ただいま交付金交付事務手続を進めておりますが、もうしばらくで完了する予定でございます。
  22. 佐藤隆

    佐藤隆君 企画庁にお尋ねをいたします。  最初に、四十三年度の国土総合開発事業調整費のうち、豪雪地帯対策としてどの程度使うことになったのか、それをお聞きしておきたいと思います。
  23. 宮崎仁

    説明員宮崎仁君) 四十三年度の調整費の予算は六十二億円ということになっております。このうち、調査関係に大体四億円くらい必要であろうということで考えておりまして、残り五十八億円は事業調整費ということで一応予定をいたしております。この内容につきましては、いま関係各省からいろいろ調整費の御要望がございまして、私のほうでただいま調整中でございます。まだ豪雪地帯に幾ら、何件、どれだけの金額を配賦するかということは、まだ確定をいたしておりません。ただこれは御承知のとおり、いろいろ経緯もあって採択基準等引き下げておるわけでございますから、そういったことを十分配慮して配賦いたしたいと考えております。
  24. 佐藤隆

    佐藤隆君 去年が五億八千五百万のうち一億六千五百万ですか、ことしは六億二千万ですね。
  25. 宮崎仁

    説明員宮崎仁君) 四十二年度の調整費配分におきましては、豪雪地域について十六億五千万円の配分を行なっております。総額五十五億余円でありますが、本年の数字は先ほど申しましたあれでございます。
  26. 佐藤隆

    佐藤隆君 ちょっと一けた間違えて申しわけございませんでした。去年が私が聞いているところでも十六億五千万、ことしは六十二億のうち調査に四億を引いて五十八億円残る、そのうちでどの程度豪雪対策に使うことができるのか、それは検討中ということでございますから、ひとつこの調整費については豪雪地帯では非常に期待をしておりますので、ひとつ慎重にお考えいただいて、昨年の豪雪対策に使った比率を上回る金額をひとつぜひ何していただきたい、これはお願いをしておきます。  そこで、実は三月の十五日に私が質問をいたしましたことに関連いたしまして、宮崎局長から新しい全国総合開発計画というものをことしの秋をめどとしてつくる、その中で豪雪対策というものも十分織り込んでひとつ考えたいというお話を承ったわけですが、もう秋も近くなってまいりますが、どのよう状況であるか、その内容についてここで話をしていただける範囲内において御説明をいただきたい。と申しますのは、こういうことを申し上げておかないと、この新全国総合開発計画の中にまた雪の問題が忘れられてしまって、忘れられないまでにしても、どうも取り残されるというか、だんだん薄らいでいくというような感じもしてまいりますし、私が申し上げたいのは、表中心公共投資——新潟県出身だからと言うわけじゃございませんけれども、表と裏の違いというものは、やはり雪であるわけです。ですから、その雪についてこれを忘れられてしまっては困るということを常に考えているので、特に申し上げておきたいわけですが、そのことについて、この新しい開発計画内容、その中に盛られる豪雪対策について、それをひとつ承りたいと思います。  で、あわせて同じく三月十五日に、豪雪地帯調査した結果に基づいて、これはぜひとも雪の窓口というものをひとつつくってもらいたい。もう企画庁では特別地域開発課というのがあって、その中で一人の主査が雪の係だと、あとだれも、雪の専門家もだれもおらぬということであります。この文明の世の中に、自然に降ってくるこの雪を相手にしてほんとうに真剣に取り組むお役所、その窓口というものがどうも主査一名の窓口では心もとない、新しい開発計画に織り込む際に、雪の窓口という問題についてひとつお考えいただきたいということを申し上げたわけですが、そのことについての経過もあわせてここでお話を願いたい、こう思うわけであります。
  27. 宮崎仁

    説明員宮崎仁君) 第一の御指摘でございます新しい全国総合開発計画につきましては、去る四月三十日に国土総合開発審議会を開いていただきまして、ここで新しい計画をつくるための基本的な考え方につきまして御審議をいただきました。同時にまた、国土総合開発審議会におきまして部会を設置していただきまして、現在この部会中心に何回か検討をしていただいております。私ども作業といたしましては、内容的に申しますと、第一部として全国に対する基本的な計画、第二部にブロック別構想、第三部に計画実現のための手段、というような形でつくりたいと思っております。現在のところ第一部の内容になるべき部分事務的作業が大体終わりました。それぞれ部分的にでき上がり次第、部会において御審議を願っておるというような状況でございます。第二部、第三部はただいま作業中でございまして、まだ若干の時間を要するということでございます。一応目標として今年秋に決定したい、ということは書いておりませんけれども作業は若干おくれぎみという状況でございます。  そこで、この考え方はどうかということでございますが、なかなか内容が多いものでございますので、一口に申し上げにくいのでありますけれども、基本的な開発構想といたしましては、現在わが国国土利用状況というのを見ますと、いわゆる太平洋岸ベルト地帯地域に人口も産業も、また社会資本も集中をいたしておるという実情でございます。一方、今後のわが国経済社会発展の見通しを考えてまいりますと、依然として相当の高度成長を続けるようであるということになってまいりますので、そうなってまいりますと、現在でも過密問題というようなことで、大都市で非常に大きな困難を生じておりますし、また過疎問題ということも深刻になってきておるわけでありますが、こういった状況が現在のような趨勢をもしそのままにしておくとすれば、非常に激化をして、とうてい今後の経済社会発展は期し得られないのではないか、こういうような基本的な観念に立ちまして、この際全国土を有効に活用するというような観点から、新しい計画をつくりたいということで考えておるわけでございます。そのための手段といたしまして、新しい技術による高速道路あるいは鉄道新幹線でありますとか、航空、港湾、新しい通信体系というような——どもはこれを交通通信のネットワークと称しておりますが、こういうものを全国に張りめぐらすことによりまして、地域の開発的な基礎条件を均衡化していく、こういうような形でいま問題を提起して、いろいろ御議論を願っておるというところでございます。一方、工業、農業あるいはその他の産業の開発につきましては、こういったネットワークとの関連においてその配置を考えていきたいということで、これにつきましても、いろいろ議論をいたしております。こういうことでございまするので、いままで豪雪地帯というような地域は、非常に低利用にとどまっておったわけでございますが、今度の計画においてはこういう地域がむしろこれから先のわが国の産業の中心になる地域になるだろう、こういうような考えでございまして、大都市からの工業の分散の受け入れの問題、新しい工業基地の建設の問題、あるいは農業政策につきましても、地域的な特性を考えて農業政策の展開をしていくべきだ、こういうようなことでいろいろ作業をいたしております。ただ先ほど申しましたように、まだ実は作業としては中途の段階でございますので、全体としてこうなっておるということを私が申し上げるのもいかがかと思いますが、大体そういう考え方でいま進めておるということを申し上げておきます。  で、この中で豪雪地帯に対する対策はどう考えるかということでございますが、当然そういうことでいままでと土地の利用の考え方が違ってまいりますから、こういった新しい構想に即したように都市の開発あるいは工業基地の建設あるいは交通通信体系の整備というようなことをはかっていくということになるわけでございますが、そうなってまいると、いままでの条件とはかなり大きく違ってくると思います。特に交通通信体系につきましては、ただいま申しましたような基幹的な新しい技術によるものは、これは雪の障害によって機能が低下するというようなものではいかぬわけでありまして、これは当然そういうことのないようにやっていくという考え方でございますし、またこれ以外のいわゆるサブ・ネットワークと申しますか、地方の生活圏内での交通体系、こういったものについても、たとえば融雪道路の整備でありますとか、あるいは集中暖房方式の導入であるとかいうような新しい考え方を出してみてはどうかということで、これもいろいろ作業をいたしております。全体として私どもはこのいわゆる豪雪地帯について、今度の計画でそういった広い意味での振興対策として、ひとつ取り上げていきたいと考えておる次第であります。  なお、第二に、雪の問題につきましての政府としての統一した窓口がない、というお話がございましたが、ただいま申しましたようなことで実際に豪雪地帯といいますのは全国の半分以上を占めるわけでございまして、私どもの局そのものも、言ってみればそういう地域に対していろいろと計画し、あるいは施策をするという責任を持っておるわけでございます。一つの課をつくるというようなことで済む問題ではないと考えておりますが、しかし、ともかくそういった連絡等があちらこちらになって非常に不便であるという御意見もございますので、この点については、この前も御質問のときにも申しましたように、この計画ができたあとでいろいろ制度的な問題、機構的な問題等も考えますので、その際に、できるものかどうか、ひとつ検討してみたいと思っております。大体ただいままでのところは、そういった状況であります。
  28. 佐藤隆

    佐藤隆君 いまのお話だと、まあ前段については、これはまあ非常に抽象論でございます。これを議論することは差し控えたいと思いますが、具体的なこととして、いまの窓口の問題、これは新計画ができ上がったあとでひとつ検討したいというお話ですが、私どもの気持ちとしては、ひとつ四十四年度の予算要求をするぐらいのつもりで計画を立てたらどうか。たまたま新しい総合開発計画というものが秋をめどとして進められているんですから、その過程において、企画庁としてどうしても一つの課が必要なんだというようなことは並行して進めていかれてしかるべきである、こう私は思うのです。その程度の積極的な考え方は持っていただきたいと思うんですが、これは局長にお聞きしてもそれ以上のことはどうかと思いますけれども長官に一つその旨をぜひ、ここでそういう強い要望があったというようなことをお伝えおきいただきたい思います。もちろん議事録に残ることですから、ひとつぜひお伝えおきいただきたい。そして並行して進めていただきたい、こう思います。前段にお話がありました豪雪地帯に対する無雪道路問題とか、いろいろ遠大な構想があるようですが、そのことについては、またときをあらためてひとつお話を承りたい、こう思います。  そこで、具体的なことで二点。企画庁に一点、それから総理府に一点お聞きしたいんですが、簡単なことですから総理府に先にお聞きいたしますが、豪雪地帯対策特別措置法、これに基づいて豪雪地帯指定の告示がなされております。その中で北海道をはじめ十県が三十八年の十一月に告示をされておるのですが、これはまあ十県だけが全県指定になっておるわけです。この全県指定というのは、どうもばく然として、きめのこまかい豪雪対策は行なわれにくいんじゃないか、こう私は判断するわけです。したがって、でき得るものであれば、普通交付税のランクなんというものは一級から四級まで、そういうランク別に指定をされているわけです。全県指定ではなくて、ランク別の指定、そうしたことをなされてはどうかということで、実は具体的な例として、新潟県においては去年十二月に、その類型区分について試案を一応提供しているわけです。そういうことについて、総理府はどうお考えになっておられるか。いまここで答えることができなければ、ひとつあとでもけっこうですが、とにかくおそらくそういう試案を、新潟県の試案なんて見たことありませんということだろうと思います。しかし、その試案をよく勉強されて、ひとつそういうことをお考えいただきたい。全県指定よりも、むしろランク別の指定のほうがいいのじゃないか、こう思いますので、そのことについていまお答えしていただきますか。
  29. 川上幸郎

    説明員(川上幸郎君) お答えいたします。  ただいまの件につきましては、立法の過程その他におきましていろいろ問題があったようでございますので、経済企画庁のほうから説明さしていただきたいと思います。
  30. 宮崎仁

    説明員宮崎仁君) 御指摘の問題は、この法律制定後非常に議論になっているところでございまして、私どものほうでもいろいろ調査をいたしているところでございます。確かに豪雪地帯と申しましても、先ほど申しましたように、非常に広いわけでございまして、その中での程度によってある程度施策の段階を分けたほうが実情に合うのではないかという議論は、われわれの部内でもございます。ただ、これは何と申しましても、この法律が非常に基本的な法律でもございます関係もありまして、そういう段階別を実際に取り入れていった場合に、具体的施策としてそれではどういうようなことにどの程度差異をつけるかということになりますと、非常にむずかしい問題がございまして、ただいまのところ検討段階というようなところでございます。ただ、私ども考え方を率直に申し上げますれば、むしろいまの豪雪地帯の指定というものは広過ぎるのじゃないか、全国の半分以上が豪雪地帯というようなことで、ここへ重点的に何か施策をしろといっても、事実問題として非常にむずかしゅうございます。そういう点から、先ほど申しました全国計画との関係で、いろいろ制度的な勉強をあと続いてやることになりますが、そういった際に、少しこういう問題を検討してみたいというふうに考えております。この新しい計画をつくります一つの目的も、従来の地域開発関係のいろいろの法律について体系づけをしたいということもございますので、そういった際の検討課題というふうに考えております。
  31. 佐藤隆

    佐藤隆君 いまのお話だと、新総合計画に引き続いて検討するということでございますが、これはやはり当然あわせてやるべきだと思います、そうでなければ意味ありませんから。そういう積み重ねによってでき上がった総合計画でなければこれは意味がないと思いますので、ひとつあわせてやっていただきたい。ただ、いまこの時点での了解点として、少なくとも三十八年十一月に総理府告示第四十三号をもってなされたその指定というものは、地域、地帯指定というものは再検討の余地がある。また、再検討をせねばならぬというふうに理解してよろしいかどうか。
  32. 宮崎仁

    説明員宮崎仁君) 先ほど申しましたように、地域指定後の実際の施策の実情に照らしまして、検討すべきではないかと考えております。
  33. 佐藤隆

    佐藤隆君 だんだんこまかいことで恐縮でございますが、あと一点、雪上車の問題については、まあ四十一年度から非常に企画庁のお骨折りをいただいて、豪雪地帯では非常に便利をしているわけでございます。この雪上車は、いろいろその使用目的が多目的であるということから、これを企画庁が予算をとって、そうして雪上車を何しているということなんですが、実は雪上車の効率的な運用というか、活用というか、そういうことを考えると、雪上車と小型ブルドーザーとのセットの考え方、これを豪雪地帯において打ち出していただければ、非常に豪雪地帯はみんな感謝をするわけですが、そういう考え方は、これはおそらくいままでその話は出てないと思います。新しい提案として私がこの際御提案申し上げておきますから、ひとつ四十四年度の、もう予算要求ということになると、ヒヤリングは終わって、省内とりまとめの時期にあるわけですから、ひとつそこにぜひ加えていただいて、豪雪地帯対策特別事業の中に雪上車というものがありますから、雪上車と小型ブルドーザーのセットのもの、これをひとつ御検討いただきたい。ここに提案をいたしておきます。なお、この小型ブルドーザーという問題になりますと、従来とも建設省で建設機械課においてやはり除雪用としてあるわけですけれども、これがなかなか進まぬわけです。しかし、政府側からの理屈を言わせれば、建設省でやっているから、これは企画庁はノータッチだという理屈も出てこようかと思います。その辺は私もある程度理解しているのです。しかし、ごく小型なものでいいと思いますし、その辺のことをひとつセットでの雪上車の効率的な運用、活用ということを考えて、ひとつ小型ブルと雪上車のセットということをぜひお考えいただきたい。四十四年度予算要求のあれについて、省内とりまとめの時期にあたって、ひとつおくればせながら御提案申し上げておきたい、こういうわけでございます。しかし、いま私が提案したことについて、ここですぐそれではやってみましょうということが言えるならばお答えいただいてもいいですが、いかがですか。
  34. 宮崎仁

    説明員宮崎仁君) 雪上車の問題につきましては、若干長期に考えて、どういうふうに今後この制度を運用していくかということは、だいぶ昨年の予算時期に議論になりまして、本年に入りまして関係各県、市町村等からいろいろな御要望をとって調査をいたしております。全体としての必要台数あるいはその機械の性能等につきまして、どういうものがいいだろうかというふうなことで調査をいたしております。その結果が取りまとまってくると思いますが、そういった際に、ただいまの御提案のことも一ぺん検討してみたいと思います。ただ御指摘のように、道路の除雪関係は、御承知の特別法によりまして建設省のほうの五カ年計画でやることになっております。その辺の振り分けをどうするかというのは、ちょっと行政的にはむずかしい問題があろうかと思いますが、何か聞きますと雪上車といっても、そういうような機能も合わせ持ったような機種もあるようでございますから、その辺のことはどういうふうになっておりますか、いろいろ専門家のほうに検討してもらいまして、できるだけ御要望に近いようなことでやってまいりたいと思います。
  35. 佐藤隆

    佐藤隆君 建設省からは道路の関係の方は来ておられないわけですね、河川局の次長が来ておられるのですか、それじゃ道路の関係ですから、お答えいただかなくても、ここで承るだけ承ってください、そしてひとつその筋にお伝えいただきたいと思います。  国道の除雪の問題については、豪雪時に建設省からもいろいろ積極的にやっていただいているわけですが、新潟県においても二千二百六十キロ、そのうち三百六十三キロくらいは県でもって除雪をしておる、そういう状況であります。それから県道の除雪の場合は国で三分の二、それから県が三分の一でやっているようでございますが、問題なのは市町村道の除雪の問題でございます。これは例年もう豪雪時には強く陳情が各方面からなされ、そのつど建設省にもお願いをしておる、検討を願っておるところでございますが、四十四年度の予算案いま取りまとめ中だと思いますから、ひとつ都市機能の麻痺をどうするか、あるいは先ほど企画庁からお話のありましたように、無雪道路の問題ということになると、融雪溝あるいは消雪パイプ、そうしたことも含めていろいろ恒久対策もあろうかと思いますが、実際捨て金ということでもったいないわけですが、現実そういう恒久対策ができ上がるまでの間、市町村道というものを一体どうするかということについて、相当深刻に考えた結果が説明できるようにひとつ御検討をいただきたい。四十四年度予算案においては私どもは一るの望みを抱いております。その時点において、またあらためてお聞きをいたしたいと思いますが、ひとつせっかくいまそういう時期でございますので、省内取りまとめの時期だと私は思いますので、そのことをぜひお伝えおきいただきたい。特に国道、県道、市町村道という考え方とは別に、一つの地域としての除雪、国道の除雪、県道の除雪あるいは市町村道の除雪という考え方でなくて、地域としての除雪という考え方でひとつやっていただきたい、こう私は思うのですが、道路局の企画課長来ておられますか。
  36. 難波隼象

    説明員(難波隼象君) 御指摘の市町村道の除雪の費用でございますが、本年度までは市町村の除雪に要する機械に対して補助をいたしております。全般の除雪と申しますか、積雪寒冷地における冬期交通の確保に要する費用は、本年度も一般道路の事業費の伸びが四%でございましたが、そういう要望が非常に強いものでございますので、九%の伸びをとりまして、約百億をこえております。来年度につきましても、同様の観点で努力していきたいと思っております。  また除雪の作業が道路管理者ごとに違っているのは不効率ではないかというお話でございますが、お話のとおりでございますが、実態は先生も御承知のとおり、共同作業を行なってやっております。逐次改善していきたいと思っております。
  37. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 十勝沖地震の件について、これは文部省管理局教育施設部長にお伺いしたいと思います。  今回の地震災害につきまして、公共の学校等の耐震建物が非常に災害が多かった、そういうようなことを聞いておるわけでございますが、そういう点、数字的にそのことが事実であるかどうか、その点の御報告を願いたいと思います。
  38. 栗山幸三

    説明員栗山幸三君) ただいま先生からお話がありましたが、確かに学校とか市役所とか公共の建築物の被害が多かった、この具体的なパーセントについては、私、建設省でないものですから存じていないんですけれども、公共の学校については比較的木造がそれほどの被害でないのに対して、鉄筋コンクリートの建物がかなりの被害を受けておるということは事実でございます。
  39. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 その原因について、たとえばコンクリートの化学変化等が、何か四月ごろ予算を組んで、そうして冬の寒いときに工事をするために、コンクリートがよく固まらないんじゃないか、そういうようなことがいわれておるようでありますが、そういう点に対するその原因の調査、そういうのはどこでやっておるのか。またそういう結果はまだ出ておらないのか、その点をお聞きしたいと思います。
  40. 栗山幸三

    説明員栗山幸三君) 私ども文部省としましては、災害の起きた五月十七日から直ちに技術的な調査団の編成にかかりまして、五月二十二日から約一週間被害を出した主として鉄筋コンクリートのものでございますが、そういう関係調査団を編成して調査を行ないました。特に文部省だけでも問題があるので、東京大学の建築工学科の先生にもお願いをして参加をしていただきまして調査を行ないました。それから六月の五日に省内に災害対策研究会議というのを設置しまして、これにはむろん東大の先ほどの建築学科の先生あるいは東大の地震研の先生、都立大学のやはり建築学科の先生、そういう方々に御参加をいただきまして、すでに約七、八回の会合を重ねておりまして、原因の究明といったことについて検討をいただいております。先生方のお話によりますと、原因というのは簡単になかなか出ないということでぜひいろいろな角度から検討したいということで、先生方が言っておられるのは、地震動が特別な何か継続時間が長いとかそういったような関係があるのではなかろうか。それが建物にどういうふうな共振的作用をしているかというようなことが一つ、それからあの地域が特有な周期といいますか、地盤の持つ特別な周期といいますか、卓越といっておりますけれども、そういったようなものがどういうふうな関係にあるものであろうか、あるいは構造設計の問題でございますけれども被害を受けた校舎は大部分が大きな柱と柱の間隔がわれわれスパンといっておりますけれども、それが非常に大きいもの、たとえば九メートルだとか、そういったようなスパンの大きいもの、それに対して壁の量、そで壁とかそういったような壁の量が比較的少ないといったような場合に被害を受けておる、これは一体どうしたものだろうかというようなこと、あるいは先ほど先生がおっしゃられたセメントの化学変化とか、そういったようなものも関係あるのではなかろうかとか、そういうようなことで、どれがどういう原因であるか、やはりどうしても具体的に電算機にかけての計算を行ない、あるいはそのモデル的なものをつくって実験を行なう、あるいは被害を受けた建物を最終的にこわしてみるまでの実験をしなければ簡単に原因を明らかにするということは困難だというようなことがその会議の先生方の御意見なんです。私どもといたしましては、そういうような方向ですでに本年度におきまして経費を捻出いたしまして、そういったような実験、研究をやっていただくように先生方にお願いしております。来年度も、これは大蔵省との予算要求の関係がございますが、国立の八戸高専において被害を受けております。その建物について実際に地震を起こす機械、起震機といいますか、あるいは水平力をかける機械を備えて、そうしてそういった実際の実験をやってみて、そうして原因を明らかにしたいとともに、今後の地震の耐震構造設計といいますか、そういったものを確実にしてまいりたいというふうに考えております。
  41. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 じゃまだ結論は出ていないということでございますね。——それからそういう研究はおたくのほうでやっているだけで、建設省のほうは別にやっておりませんか。
  42. 栗山幸三

    説明員栗山幸三君) いま建設省の方がおらないようですが、建設省のほうでも建築研究所を中心にしまして、かなり活発にいろいろな検討をなさっておると聞いております。
  43. 白川英留

    説明員(白川英留君) 建設省におきましては、今回の十勝沖地震において特異な地震動があるというふうに考えられましたので、建築研究所という建設省の付属機関がございますが、ここで調査団を結成いたしまして、現地にこれを派遣いたしております。このほか建築学会その他の関係団体の協力を得まして、原因について詳細な調査を行なったわけでございますが、結果につきましてはまだ検討結果が出ておりません。近くその概況について結果が把握できる見込みでございます。そういった状況でございます。   〔委員長退席、理事武内五郎君着席〕
  44. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 現在そういう建物を建てる場合に、そういう耐震の建物ですね、そういう一つの基準というものがあるのじゃないかと思うんですが、そういうものはできておるわけですか。
  45. 白川英留

    説明員(白川英留君) 御承知かと思いますが、建築物の基準につきましては、建築基準法という法律がございまして、耐震性その他の構造について詳細な規定があるわけでございます。
  46. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 地震がこないのが一番いいわけでありますが、地震はくるなといってもくるわけであります。そういうわけで地震が起きた後の災害対策も大事であるとともに、そういう災害がきても倒れない、そういう建物をつくる、そういうこともそれ以上に大事ではないかと思うわけであります。そういう点で、今回の地震の原因をすみやかに究明をし、そうして今後の、個人の建物までは及ばないにしても、少なくとも公共の建物に対しては、そういう完全な耐震的な建物をつくっていかなければいけない。また今回の例を見ましても、そういう基準というものが十分でなかった、そういうことが言えるんじゃないかと思うわけであります。そういう点でさらにすみやかにひとつ研究をしていただきたい。そのことをお願いいたしまして、私の質問を終わることにいたします。
  47. 白川英留

    説明員(白川英留君) 私どもの感じといたしましては、現行基準法どおり建てておれば耐震性は十分ある、こういうふうに考えておりますので、今後の対策としては、法律どおり建てていく、こういったことをやってまいりたい、こういうふうに考えております。
  48. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 今回の函館大学とか、そういうのは基準にはずれた点が多分にあった、そういうことになるわけですか。
  49. 白川英留

    説明員(白川英留君) その点については、まだ調査結果が出ておりませんのではっきりいたしませんが、少なくとも現行基準法どおり建てておれば地震に対しては十分である、一応そういうふうに考えております。
  50. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 終わります。
  51. 武内五郎

    ○理事(武内五郎君) ほかに御発言もなければ、本件に対する質疑は本日はこの程度にとどめます。
  52. 武内五郎

    ○理事(武内五郎君) 次に、第八号、激甚災害指定基準緩和に関する請願を議題といたします。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  53. 武内五郎

    ○理事(武内五郎君) 速記を起こして。  本請願は、議院の会議に付するを要するものにして、内閣に送付を要するものと決定することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 武内五郎

    ○理事(武内五郎君) 御異議ないものと認めます。よってさよう決定いたしました。  なお、報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願います。御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  55. 武内五郎

    ○理事(武内五郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  56. 武内五郎

    ○理事(武内五郎君) 次に、継続調査要求についておはかりいたします。  災害対策樹立に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本院規則第五十三条により本件継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じまするが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  57. 武内五郎

    ○理事(武内五郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成及び提出の時期等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  58. 武内五郎

    ○理事(武内五郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  59. 武内五郎

    ○理事(武内五郎君) 次に、委員派遣承認要求に関する件についておはかりいたします。  閉会中、委員派遣を行なう必要が生じた場合は、その取り扱い等を委員長に御一任願いたいと存じます。御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  60. 武内五郎

    ○理事(武内五郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。本日はこれにて散会いたします。   午後二時十九分散会