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説明員(
宮崎仁君) 第一の御
指摘でございます新しい
全国総合開発計画につきましては、去る四月三十日に
国土総合開発審議会を開いていただきまして、ここで新しい
計画をつくるための基本的な
考え方につきまして御
審議をいただきました。同時にまた、
国土総合開発審議会におきまして
部会を設置していただきまして、現在この
部会を
中心に何回か
検討をしていただいております。私
どもの
作業といたしましては、
内容的に申しますと、第一部として
全国に対する基本的な
計画、第二部に
ブロック別の
構想、第三部に
計画実現のための
手段、というような形でつくりたいと思っております。現在のところ第一部の
内容になるべき
部分の
事務的作業が大体終わりました。それぞれ
部分的にでき上がり次第、
部会において御
審議を願っておるというような
状況でございます。第二部、第三部はただいま
作業中でございまして、まだ若干の時間を要するということでございます。一応目標として今年秋に決定したい、ということは書いておりませんけれ
ども、
作業は若干おくれぎみという
状況でございます。
そこで、この
考え方はどうかということでございますが、なかなか
内容が多いものでございますので、一口に申し上げにくいのでありますけれ
ども、基本的な
開発構想といたしましては、現在
わが国の
国土の
利用状況というのを見ますと、いわゆる
太平洋岸ベルト地帯の
地域に人口も産業も、また
社会資本も集中をいたしておるという実情でございます。一方、今後の
わが国経済社会の
発展の見通しを
考えてまいりますと、依然として相当の
高度成長を続けるようであるということになってまいりますので、そうなってまいりますと、現在でも過密問題というようなことで、大都市で非常に大きな困難を生じておりますし、また過疎問題ということも深刻になってきておるわけでありますが、こういった
状況が現在のような趨勢をもしそのままにしておくとすれば、非常に激化をして、とうてい今後の
経済社会の
発展は期し得られないのではないか、こういうような基本的な観念に立ちまして、この際
全国土を有効に活用するというような観点から、新しい
計画をつくりたいということで
考えておるわけでございます。そのための
手段といたしまして、新しい技術による
高速道路あるいは
鉄道新幹線でありますとか、航空、港湾、新しい
通信体系というような
——私
どもはこれを
交通通信のネットワークと称しておりますが、こういうものを
全国に張りめぐらすことによりまして、
地域の開発的な
基礎条件を均衡化していく、こういうような形でいま問題を提起して、いろいろ御議論を願っておるというところでございます。一方、工業、農業あるいはその他の産業の開発につきましては、こういったネットワークとの関連においてその配置を
考えていきたいということで、これにつきましても、いろいろ議論をいたしております。こういうことでございまするので、いままで
豪雪地帯というような
地域は、非常に低利用にとどまっておったわけでございますが、今度の
計画においてはこういう
地域がむしろこれから先の
わが国の産業の
中心になる
地域になるだろう、こういうような
考えでございまして、大都市からの工業の分散の受け入れの問題、新しい工業基地の建設の問題、あるいは農業政策につきましても、
地域的な特性を
考えて農業政策の展開をしていくべきだ、こういうようなことでいろいろ
作業をいたしております。ただ先ほど申しましたように、まだ実は
作業としては中途の段階でございますので、全体としてこうなっておるということを私が申し上げるのもいかがかと思いますが、大体そういう
考え方でいま進めておるということを申し上げておきます。
で、この中で
豪雪地帯に対する
対策はどう
考えるかということでございますが、当然そういうことでいままでと土地の利用の
考え方が違ってまいりますから、こういった新しい
構想に即したように都市の開発あるいは工業基地の建設あるいは
交通通信体系の整備というようなことをはかっていくということになるわけでございますが、そうなってまいると、いままでの条件とはかなり大きく違ってくると思います。特に
交通通信体系につきましては、ただいま申しましたような基幹的な新しい技術によるものは、これは雪の障害によって機能が低下するというようなものではいかぬわけでありまして、これは当然そういうことのないようにやっていくという
考え方でございますし、またこれ以外のいわゆるサブ・ネットワークと申しますか、地方の生活圏内での交通体系、こういったものについても、たとえば融雪道路の整備でありますとか、あるいは集中暖房方式の導入であるとかいうような新しい
考え方を出してみてはどうかということで、これもいろいろ
作業をいたしております。全体として私
どもはこのいわゆる
豪雪地帯について、今度の
計画でそういった広い意味での振興
対策として、ひとつ取り上げていきたいと
考えておる次第であります。
なお、第二に、雪の問題につきましての
政府としての統一した
窓口がない、という
お話がございましたが、ただいま申しましたようなことで実際に
豪雪地帯といいますのは
全国の半分以上を占めるわけでございまして、私
どもの局そのものも、言ってみればそういう
地域に対していろいろと
計画し、あるいは施策をするという責任を持っておるわけでございます。一つの課をつくるというようなことで済む問題ではないと
考えておりますが、しかし、ともかくそういった連絡等があちらこちらになって非常に不便であるという御意見もございますので、この点については、この前も御
質問のときにも申しましたように、この
計画ができたあとでいろいろ
制度的な問題、機構的な問題等も
考えますので、その際に、できるものかどうか、ひとつ
検討してみたいと思っております。大体ただいままでのところは、そういった
状況であります。