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1968-10-02 第59回国会 参議院 決算委員会 閉会後第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年十月二日(水曜日)    午前十時四十四分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         木村禧八郎君     理 事                 黒木 利克君                 温水 三郎君                 松井  誠君                 高山 恒雄君     委 員                 岡村文四郎君                 長田 裕二君                 亀井 善彰君                 楠  正俊君                 小枝 一雄君                 佐藤  隆君                 菅野 儀作君                 若林 正武君                 渡辺一太郎君                 大橋 和孝君                 大森 創造君                 小柳  勇君                 矢山 有作君                 上林繁次郎君                 峯山 昭範君                 渡辺  武君    国務大臣        国 務 大 臣  増田甲子七君    事務局側        常任委員会専門        員        佐藤 忠雄君    説明員        防衛庁参事官   江藤 淳雄君        防衛庁防衛局長  宍戸 基男君        防衛施設庁長官  山上 信重君        経済企画庁長官        官房長      岩尾  一君        外務政務次官   藏内 修治君        外務省経済協力        局長       上田 常光君        大蔵政務次官   二木 謙吾君        大蔵省主計局次        長        相沢 英之君        大蔵省主計局次        長        船後 正道君        大蔵省主計局次        長        海堀 洋平君        大蔵省理財局次        長        谷川 寛三君        大蔵省銀行局長  澄田  智君        通商産業省貿易        振興局長     原田  明君        運輸省港湾局参        事官       見坊 力男君        建設省河川局長  坂野 重信君        日本国有鉄道理        事        長浜 正雄君    参考人        電源開発株式会        社副総裁     大堀  弘君        電源開発株式会        社理事      檜垣 順造君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○国家財政経理及び国有財産管理に関する調  査  (国家財政経理及び国有財産管理に関する  件)     —————————————
  2. 木村禧八郎

    委員長木村禧八郎君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  国家財政経理及び国有財産管理に関する調査を議題といたします。  御質疑のある方は、順次御発言願います。   〔委員長退席理事松井誠君着席〕
  3. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 私は、九月三十日の決算委員会委員各位の御承認を得ました昭和四十二年度決算審議方針に基づきまして、決算の側面から政府財政経済政策検証をし、批判を行ないまして、決算審議を現在進行中の政府の四十四年度予算編成に反映せしめたいと思うわけであります。  私は、決算審査あり方といたしまして、決算委員会のこの審査を重からしめ、権威あらしめ、それを予算に反映せしめるには、決算そのもの批判不正不当支出批判とともに政策批判、ことにこの財政政策批判が必要であると思うわけであります。その理由は、予算審議は水かけ論に終わりますけれども、決算審査は動かすことのできない実績を踏まえての議論でありますから、実りある議論期待できると思うのであります。政府は、この財政というものは、予算に始まりまして決算に終わるのでございますから、決算審査財政の締めくくりをつけなければならない。私は、このように予算決算とを相互に対応したものとして首尾一貫したものにするというたてまえで、決算審査あり方を考えますと、どうしてもこの財政政策批判をこれまで以上に強化する必要があると考えているわけであります。したがいまして、私の希望といたしましては、決算審査各省別審査に入る前に、予算委員会におきまする総括質疑に相当する総括的な審査を行なうことにいたしまして、この中で財政政策批判を行なうことができればいいと考えております。これを具体的に申しますと、結局予算審議の際の議論実績に基づいて検証するということになるわけであります。予算審議のときは水かけ論に終わりましたり、あるいはそんなことを言ってもいまに事実が証明するであろうというようなことで終わっている例が非常にたくさんあるわけであります。そういう問題を実績に即して再検討する、それを見まして財政政策がはたして正しかったかどうかを批判して、それを予算編成に反映せしめる必要がある、こう考えているわけであります。それには予算委員決算委員との交流が必要であると思うわけでありますが、これは国会運営の問題でございますから、この点には触れないといたします。しかし、これは今後の研究問題ではないかと思うのであります。  以上述べました趣旨から、私は理事会での承認を得まして四十二年度決算資料大蔵省に要求したのであります。これまでの例ですと、この決算資料は、決算説明というものによりまして翌年度の一月ごろ提出されるわけなんです。本年度は、決算審議を現在編成が進行している予算に反映せしめる、そういう必要から非常に無理をしまして、例年でしたら翌年の一月に出てくる資料を、大蔵省協力を得まして、この決算説明のうち、全部じゃございませんけれども、主要なるものについて御協力を得て、提出してもらったわけです。この資料皆さん方のお手元に届いておりますこの決算資料なんでございまして、この決算資料は、私としましては、初めてこのように非常に早く、全部ではございませんが、決算資料というものが皆さんのお手元に届けられたと思うのであります。これは予算編成期にあるにかかわらず、大蔵省としては非常にお忙しいわけです。よく協力していただいたと思うのであります。しかし、これはあと質問しますように、非常に不十分でございまして、これによってはたして予算に反映せしめるような決算審議ができるとは思えないのですけれども、その努力は私は認めたい。  そこで、これから質問によって、もっと今後こういう資料を出される場合に、決算審議予算に反映できるような、そういう資料として今後これをもっと改善されて出されるように要望をしたいのであります。そしてこういう資料が出てきましたのを機会に、ぜひともこの決算委員会財政政策批判が活発に各位から行なわれることを私は熱望する次第でございます。こういう重要な財政批判に関する決算審議を今後行なうにあたりまして、私は、総理大臣出席され、あるいはまた企画庁長官大蔵大臣等出席されて、われわれの意図あるところをよく理解していただいて、今後資料の作成なり、あるいは提出の時期なり、十分に決算重要性を認識されて御出席されて、御理解ある御答弁をいただきたかったのであります。理事会にこのことを話しましたら、理事会では皆さん非常に御理解がありまして、各党の理事さんもそれはよかろうということで、ことに自民党温水理事は、自民党の国対と話し合って、そのことについて御協力してくださったんですけれども、総理大臣が休会中決算委員会に出たことはない、また、衆議院にもそういう出た例がない、そういうことをもって出席を拒否されたのです。しかし、前の亀田委員長の際に、総理は、なるべく決算委員会にひんぱんにできる限り出席するようにいたしたい。それから決算提出の時期もなるべく早目にするように前向きに考えるというようなことを、総理大蔵大臣も述べているわけなんです。ところが、総理は出ません。大蔵大臣は、これは御病気でやむを得ないにしましても、企画庁長官も出られない、こういうような状況なんでございます。これが私は、口では決算が大切である、決算を重要視する、決算委員会審議予算に反映せしめると口では言っており、この前の亀田委員長当時、そういうことを御答弁されても、事実においてそれを裏切るような状況になっているわけです、政府は。決して決算を重要視してないのです。私は非常に遺憾でございます。したがいまして、非常に御足労をわずらわして恐縮でしたが、温水理事をわずらわして、もう一度、今後決算委員会を開くときには、総理なりあるいは官房長官なり、ぜひとも出席される、またそういう習慣をつける、いままでそういう慣例でないからしかたがないというのじゃなくて、悪い慣例は打破していかなければなりません。いい慣例はつけなければならないのであります。新しくいい慣例をつくり上げていかなければならないのが、われわれの義務であると思うのであります。この点は非常に遺憾でございましたことを皆さんに御報告しなきゃならぬと思うのであります。  そこで、以上のような立場から、私は質疑をいたしてまいりたいと思うのです。  まず、大蔵省が非常に御協力をくださいまして出された四十二年度決算資料について私は質問をいたすとともに、今後のこういう資料の作成、提出について注文をいたしたい、希望いたしたいと思うのです。  その第一に、これを見まして、全般的にその計画実績が対比できるようにつくられていないのであります。そのために各費目予算効果判定が非常に困難であります。  第二には、当初計画が入っていないものが非常に多いのです。予算組み方の問題があると思うのです。これは予算についても、各目明細について非常にこれまた不十分な点があるのでありますが、単価と員数につきましても、あるものは詳しく載っていたり、あるものは詳しく載っていない。しかしまだ、決算資料がこのような形で出てきて、これをもとにしてほんとうに財政効果なり行政効果検証するに値するような資料にならないのは、一つは、予算のやはり組み方がそうなっているという点もあると思うのです。ですから、これは予算編成についても、組み方についても、私は考えてもらわなければならぬと思うのです。その点もあるのです。したがって、これは予算のほうで計画的な予算編成になっていないという証拠でありますが、しかしそれにしましても、出された資料のうち、厚生省の分です。この資料の三三ページから五七ページ、これは非常にいいのです、こういう形。労働省の失対保険、これは五八ページ、これもいい。それから交通安全対策関係費ですね、これもまあ、この資料の一七七ページ以下に実績量が出ていますが、これもよろしい。この三つはよろしい。ところが、長期計画を持っておる公共事業関係は、長期計画と各年度予算のつながりがはっきりしていないわけなんです。長期計画の総投資額に対する各年度予算額ですね、さらに各年度ごと実績、それから進捗率、これを明らかにすることが、決算審査参考資料としては非常に重要なんであります。これがなければ、それは実際、実効ある決算審査はできないのであります。そういう決算審査ができないような資料出しておるのであります。いままで決算説明にあったような資料早目に出すことは一つの前進であります。進歩でありますけれども、遺憾ながら、いま私が申し上げましたような点において、実質的に決算予算に反映せしめるような形において審査するには、非常に不十分な資料であります。それから金額中心資料です。大体実績数量的把握がなされていない。しかしこの中で、さっき申しましたが、交通安全対策関係計画実績量調べ、これはまあ一つのモデルになり得ると思うのです。しかし、公共事業実績は、確かにkmとかhaとか、km2ですか、こういう実績計量を一応使っておりますけれども、当初計画に対応した計画数量が出ていないのです。だから実績評価も非常に困難です。この資料では各年度予算を使った結果がこれこれの数字になったというのにすぎないのでありまして、長期計画に照らしてどうである、あるいはまた、予算計画に照らしてどうであるかという評価手がかりがないのですよ。これでは手がかりがない。さらに、問題の全貌が示されてなくて、各年度予算実績を示しておるものがない。たとえば文教施設に関しまして、小中学校不足建物の整備、危険建物等の改築、僻地振興学校統合と、これもこの資料の七五ページにありますが、これらは全体としましてどのくらいの数の不足か、危険校舎がどのくらいあるのか明らかにならなくては、評価のしようがないのですよ。こういうような決算出し方では、これをわれわれ検証する——これがはたして正しいのか正しくないのか、判定する基準がないですよ、大体。それでこれまでずっと、こういう決算審議をやってきたんです。これでは決算を通じて財政政策批判ができませんし、それをもって予算に反映せしめるということは、事実問題できない。  それから物価対策予算につきましては、この物価対策関係資料は、決算説明に出ているよりは、確かにやや進んでおります。努力されたあとがあるのであります。しかし、この施設でどんな効果をあげ得るのか、また、どんな物価安定のねらいを持つのか、これも非常に不明確なんです。普通一般政策遂行の目的で計上されました予算金額を、全額物価対策予算だというようなことで、真の物価対策財政面からできるのかどうか、これは私は非常に疑問だと思うんです。時間がございませんから、その詳細について私は質問できないのでございますが、われわれが要求した資料の一九九ページですね、ここに物価対策関連経費予算及び決算、この資料を要求して、農林省総理府その他関係各省資料が載っているわけです。これはこの一々について、今後の決算委員会質問してまいりたいと思いますけれども、たとえば、これは農林省関係ですか、流通対策費というのがあるのです。この流通対策費については、従来の決算説明では、ここにある金額が、予算に計上した金額がこれだけ、それから実際に決算でこれだけ使われたというだけなんです。今度この資料では、その予算に基づいて、たとえばどこに公営市場がどのくらい設けられたのか、そういう実態面についての説明が多少出てきておりますから、決算説明よりは、これは前よりはよくなっております。しかし、それがどの程度物価の安定に役立ったか、それをやらなければこの程度上がったのをこの程度上げないで済んだとか、それをやったことによってある程度物価引き下げに役立ったのか、この検証がなければ物価対策関係予算をわれわれが決算審議した場合、はたして物価対策費として計上していいのかどうか、その実効がはっきり実態面においてとらえられなければわれわれ判定できないですよ。その判定ができれば、今度はこんなむだな物価対策費なんか組むべきでない。中山伊知郎博士なんかは、物価対策費なんというものは、これはむしろ逆に物価を上げる予算にすぎないとまで極論しておる痛烈な批判もあるのです。どうしてそうなるかは、われわれが決算に基づいて政府実態面の結果を出さして、また政府もそれを今後はっきりそういう検証をしなければいかぬと思うのですよ。PPBSを今後政府が実行に移そうとしておる際でありますから、それには実績評価というものが十分なされなければならない。ところが、なされていないのです。そういう点において非常に不十分な点があるわけです。  そこで、総括的に私は御質問するのですが、いまの資料と同時に、これはこれから大蔵省は四十二年度決算説明、これをお出しになるわけです。いま作業しておると思うのです。これを今度は出す際に、これまでのようなこういう資料では困ると思うのです。いま私が申し上げたのは、私が要求して初めて今度早く出された。この決算資料は、大体決算説明、これを早目出し程度だ、それに少し前進しておるのです、内容を見ると。それはまあけっこうです。しかし、それだけではまだ不十分である。だから今度四十二年度決算説明をお出しになるときに——これはもうすぐの問題ですよ——ときに、われわれは要望があるわけです。その点につきまして一応、じゃ大蔵省のほう、いま私が述べたようなことについての決算資料、これは決算説明の重要な部分を出したことなのでありますが、それについてどう考えておるか、まずこの点を伺ってからさらに質問をしたいと思うのです。
  4. 二木謙吾

    説明員二木謙吾君) 木村先生から、いろいろ決算審議について非常な御熱心な御意見がありました。私もよく拝聴したのでありますが、決算批判をし、そうしてそれと予算とを照らし合わし、さらに財政政策批判もして、そうして次の予算編成に役立たせよう、こういうお考えについては、私どもも全面的に賛成をいたすものでございます。  それから、ただいま差し上げました決算資料について、いろいろ不備を御指摘になったのでありますが、これでは政策批判にもならぬ、たとえば物価対策費についても、これではどういう実績があがったかということの批判もできない、いけないというような御指摘もあるし、また、公共事業についての長期計画年度内の総合計画というものがはっきりしておらぬ、それじゃ次の予算に反映しようがないじゃないかというような御意見がありました。なかなかごもっともな御意見であると、かように考えております。大蔵省といたしましても、皆さま方の御意見をよくお聞きいたしまして、そうしてできるだけ御期待に沿うようにやりたい、かように考えておる次第でございまして、いま先生がお示しになりましたその資料も、大蔵省としては忙しいときでございましたけれども、作業をさせまして出しましたような関係でございますが、できるだけひとつ御期待に沿うようにいたしたい、こういうふうに考えておる次第でございますが、なかなかいまの予算につきましても、たとえば公共事業費について申しましても、道路経費につきましても、金額だけきめておいて何キロやったということ、こういうことはいま予算にもあげにくいところでございますが、しかし、まあそういう面もおいおい検討いたしまして、御要求のあった点については前向きに検討をいたしたい、かように考えております。
  5. 船後正道

    説明員(船後正道君) 四十二年度決算説明でございますが、これにつきましては、ただいま各省のほうで作業を進めておる段階でございます。今年度は、先般御提出いたしました決算関係資料、こういったものも取り入れまして、できる限り決算実績というものも、予算と対比させながら検討していくという方向に資料をつくり上げたい、かように考えておるのでございますが、何せ初めてのことでもございまして、四十二年度決算説明からすべての問題が、先生の御指摘なさいましたとおりに実現できるかどうか、各省側の多大な協力も必要と存じます。私ども、できるだけ努力いたしたいのでございますけれども、やはり詳細な点につきましては、補足的にそのつど御指摘の点を資料として作成していく、こういうことでもって逐次改善してまいりたいと思う次第でございます。
  6. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 ここでおざなりの答弁してもらってもしようがないです。前向きな形で考えるということは、総理大臣も前に言っているのですからね。大臣が責任ある答弁してもらいたい。これは、四十二年度決算、これから出されるんですよ。大体いままで慣例ですと、これは来年の一月ごろこうして出るんです。しかし、これは決算書写しですよ、ほとんど。決算書写しでしょう。ですから極論すれば、私は、一体これは相当の努力を払って印刷したり、整理したりしているんでしょうけれども、これは、私はむだづかいじゃないかと思うんです、極論すれば。はなはだ失礼かもしれませんけれどもね。これでは決算書を出せばいいと思うんですよ。二重にこんなものを——こんなものと言っては失礼ですけれども、国会決算審議にこれが資料として使われたことありますか。使うと言ったってできないじゃありませんか、できないんですよ、これだけでは。  さっきお話ししましたように、いわゆるこの長期計画があるものについては、長期計画との関連がありません。進捗率がどうかわからないんです、その実態評価がないと。問題は、この決算説明書実績欄というところがあるんですよ。そこで私伺いたいが、これまでのこの決算説明について、これはどういう点に改善の余地があると思うか。私はいままで述べましたが、そのとおりであるかと。それから特に一番問題点は、これは改善しなきゃならぬとすれば、その一番の焦点は実績欄ですよ。この実績欄改善の方法としては、単に金額で示すだけでなくて、行政効果をできる限り数量的に、計量的に示す必要がある。それがなければ判定のしようがないじゃないですか。このごろはもう非常に進んで、たとえばPPBS、これはマクナマラ方式と言われているんですが、あれは、その前提としてアメリカで予算効率的使用について、軍事面についての作業をやったんですが、その前にベトナム戦争をやって二百四、五十億ドルもむだづかいしていてPPBSもないものだと、私思うんです。その前提のプロセスが間違っていると思うんです。しかし、その実績評価という面については、あのPPBS複数予算を組むときに複数計画をつくって、それについて比較検討して予算を組むでしょう。そういうときには実績が必要なんですよ。これは、たとえば大森さんがあとで御質問されるかもしれませんが、FX防衛庁予算を組むそのとき、われわれ予算委員会で、はたしてこれが正しいのか正しくないのか、その性能において、単価において、あるいは世界的な技術水準において正しいかどうか判定できますか。その場合に複数の、たとえば三つか四つぐらいの何社のFXがあるとか、そのくらいの参考資料をみんなに出して、そうして政府B案を採用した、そういう予算編成のしかたをすれば、われわれ判定できるんですよ。また、それが決算に出てくるでしょう。決算に出てくると、これははっきり、これらが間違っているとか間違っていないとか言えるんです。いまのそういうような予算編成にも問題ありますけれどもね、それはもうできないですよ、こんな決算説明書では。だから、そういう点について、もう最近これから出してくるのですから、私が申しますように、この実績欄改善をしろと、数量的、計量的に示して出してこいと、それに特に長期計画に基づく公共事業費などは、全体の計画と各年度計画を示す——よく聞いておいてくださいよ、もしそういうふうに出てこなければ、私はこれはまた問題にしなければなりませんから。もう実際問題として私要求しているんですから。長期計画に基づく公共事業計画全体と、各年度計画を示すこと、予算の成立したときの計画と施行後の決算時の実績を対比して、計画実績の間の問題点を、計画自体問題点というようなものを実績数字もとに明らかにすることが必要だと思うのですが、そういうようなことができるような決算説明における実績内容にしてもらいたい。そうでなければ、われわれいかにこういうものを出してもらっても、これはこれで正しい決算審議できないですよ、むだづかいだ、予算の。ところが、それをやったら膨大になりますよ、こんなになると思う。そこで、いまの決算写しみたいなところは省いていいんですよ、決算書見ればいいんですから。そういうものを省いて、だれがこの決算書を見ても、なるほど道路なり港湾なり、みんな計画があるのです。何カ年計画、あるいは防衛計画とあります。全体の計画のどの程度進捗率であり、そうして四十二年度決算実績はこうなった、そういう点が明らかになるように国民に明らかにしなければならないですよ。こういう決算説明なんか国民にわかりっこないですよ、こんなこと。大体決算数字が並んでおるだけでしょう。どうして国民にわかりやすいように決算書をつくるか、今度は決算説明なんですからそういう資料にして出す。これは確約できますか、出す必要があるんです。そうでなければ予算のむだづかいで、この予算削りなさいよ、四十四年度予算
  7. 船後正道

    説明員(船後正道君) 決算説明は、国会における決算審議の参考に供するための資料でございまして、決算そのものとは違うわけでございます。ただ決算は、これは予算科目に従いました金銭的な表現でございますので、やはり決算説明、それをもとといたしまして、それを補足してあとは物量的な表現、これをできる限り計画実績とを対比するということでもってつくっておるわけでございますが、ただこれは各省ごとにいろいろな予算の執行のしかた、編成のしかたに違う点などもございまして、先生も御指摘のように、厚生省とか文部省とか建設省とか、各省ごとにそれぞれ内容が若干違うわけでございます。私ども、今後できる限り計画実績が物量的に対比できるというような資料をつくってまいりたいとは考えておりますけれども、予算内容によりましては、必ずしも御要望の点に沿いがたいところも出てくるのではないかと思うわけでございます。
  8. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 これはひとつ約束してもらいたいのですよ。実績欄をほんとうに実績評価ができるような、実態面についての金額だけでなく、またその予算が結果において、金額的にこうなったというのじゃなくて、全体の計画と、長期計画のあるものについては、それがどの程度進捗率になっていて、特に港湾関係なんか、これは四十一年度決算説明なんですが、たとえば港湾の実績について、「直轄港湾改修事業としては、内地において横浜港ほか四十四港の継続事業と千葉港及び宇野港の新規事業を実施し、」云々と書いてあるのですよ。こういう場合に、単に横浜港ほか四十四港というのじゃなくて、実際具体的に何県のどことどこの港湾というふうにはっきり出すべきですよ。そうなると膨大になるから、私はその救済策として、決算写しみたいなものはこれから省いていいというのですよ。省いていいから、そこで、だれが見ても計画実績との評価ができるような資料をこの実績欄において出す。いままでたとえば道路なり港湾が計画変更するでしょう。最初道路が三兆幾らというのが今度は六兆になった、途中で計画変更やりますよ。そういうときに、それが正しいかどうか判定するのは実績評価が出なければ、これは判定できないわけですよ。ですから、これまで実際、特に公共事業費予算のほうのワクの拡大あるいは後年度予算獲得の手段のために長期計画をいろいろ改定したことが多かった。そのときに必ずといっていいほど、財政当局とたとえば建設省とか、非常なトラブルが起こるのですよ。そういう場合、なぜトラブルが起こるか、その一番弊害のもとになっているのは、毎年度決算説明の欄で動かすことのできない実績が計量的に把握されてないからですよ。これがはっきり把握されていれば、そういうトラブルが起こらずに済むという面もあると思う。非常にそこに弊害がある。ですから、今度の決算説明をお出しになるにあたっては、いま私が申し上げた趣旨は大体おわかりでしょう。ですから、おざなりの答弁でなく、ここで答弁できなければ大臣と相談してください。これは非常な予算も食いますよ、非常な今度は人員も要りますよ。そんな片手間ではできませんよ、これは決算説明書の根本的な改善になりますから。それで四十四年度予算要求しなさい、あるいは四十四年度は間に合わないかもしらぬ。四十三年は予備費でも何でも使ってやる。それから次の年度からちゃんと予算に計上し、それだけの人員も整備し——これはたいへんな大がかりな作業です。そうでなければ、そう言ってはあれですが、こういうふうな決算説明書出して、そして決算審議予算に反映するとかなんとかいっても財政政策なんか批判できませんよ。批判できないような資料しか出していないんですよ。ですから今度お出しになるときに、ここで私は約束してもらいたい。できなければよく大臣と相談してください。これは総理大臣とも相談しなきゃできませんよ。これは内閣で閣議にかけてもらいたい、決定してもらいたい。私は委員長としても、この点は強力に要請したい。おそらくこれは私だけでなく、ほかの決算委員皆さん方も御回惑いただけるのじゃないかと思うのでありますが、この点どうしても私は要求しておく。これから出てくる、やがてすぐ出てくる四十二年度決算説明ですから。それでなければそういう説明書をわれわれ拒否しますよ。いままでどおりのこんなずさんな決算説明では承知できません。
  9. 二木謙吾

    説明員二木謙吾君) たいへん貴重な御意見拝聴しましたのですが、これを実施するにつきましては、いまお話もあったとおりにたいへん人手もかかります。また経費も私は要ると考えております。本年はすでにいま決算書の作成にかかっておりますから本年やるということは無理であろうと思いますが、しかし、いまお説のとおりに実現するということになれば、これは各省とも相談し、また大臣ともよく相談をしなければならない、かように私も考えておる次第でございまして、いま事務当局とも相談しましたが、本年はこれは実施するということは無理であろう、こういうように、事務的なことからそういうふうに判断をいたしておる次第でございますが、しかし、いまさきに私が申したとおりに、ひとつ十分この点については検討をして、そうして御期待に沿うようにいかしたい。かように考えておる次第でございます。
  10. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 まあ四十二年度各省決算は、財政法二十条により七月三十一日までに大蔵大臣に出すということになってもう出したと思うのです。しかし、これは説明ですから、この決算説明で、国会の参考に資するというのでしょう。そんならいまからやったってできないことありませんよ。各省解説を加えておる、実績欄に。問題は実績欄ですよ。この実績欄のこういう扱い方が、これでは決算審議する参考の資料にならないですよ。なると思っておりますか。だから私がさっき申し上げましたような理由で、これは具体的に述べているのですから、私が具体的に述べたことに基づいてこれを作業して出しなさいと言うのです。予算がないことないでしょう。予備費だって千二百億あるんですから、その中で公務員給与があったって、自然増収で二千億以上あるんですから、予算がないなんてそんなこと言えませんよ。
  11. 相沢英之

    説明員(相沢英之君) 公共事業等、特に御指摘ございました事業について、実際の結果を把握するということにつきましては、私ども予算編成にタッチしておるものにとってもきわめて重要なことで、従来そういった点についてどちらかというと等閑視されておるというふうな面があったことも否定できない。おっしゃるとおり、そういう実績の把握は私どもとしても積極的にやらねばならないというふうに感じております。ただ、公共事業長期計画あるいは年度計画実績との対照という点になりますと、これは先生御案内のとおり、各公共事業長期計画はそれぞれの特別法に基づきまして定められることになっておりまして、御指摘の港湾につきましても、五カ年計画がございますが、各年度計画というのは、これは法律上も定めることになっておりません。また実際問題としましても、それは公共事業費を毎年度予算でどの程度計上し得るか、また、これはフィスカル・ポリシーの問題とも関連をいたしてまいりますものですから、あらかじめ各年度ごとにきっちり事業計画金額でもって定める、あるいは事業量で定めるということは、これはなかなか困難ですし、これはやっておりません。したがいまして、お手元にお配りしました資料にも、長期計画と各年度の実施というものは記してございますけれども、長期計画の中における各年度計画実績というものは、そういう関係でこれはなかなかつくりにくい——つくりにくいといいますか、各年度計画がないものでございますから、なかなか対照しにくいということになっております。  それから各年度のそれではその予算を組みました際に、予算において予定しているところの事業量と決算との対比でございますけれども、これはものによりましては予算を組みます際に相当程度、個所別にも金額をきめているものがございます。たとえば農林の土地改良関係の事業になりますと、これは特定土地改良工事特別会計の予算書をごらんいただきましてもおわかりのとおり、各個所別に金額がはっきり示してございます。こういうものはその予算額に対してどの程度実績があったかということは、おそらくはある程度は事業量としても示すことができると思いますけれども、しかしながら、たとえば道路費あたりになりますと、大体金額をきめまして、それを年度の開始に先立ちまして各省と支出負担行為実施計画の決定というものを通じて事業計画を定める、あるいは事業個所を定めるという手続をとっておりますために、予算をきめる際には、その事業量自体が具体的にきまらないことが多いのであります。そういった場合には、なかなか予算において予定した事業量と決算において実績として示された事業量との関係を明瞭にすることができないという悩みがあるわけでございます。私どもとしましても、できればやはり予算においてできるだけ具体的な事業量まできめて、そしてそれを実際にどういうふうに各省が執行したかということを見たいわけでございます。しかしながら、なかなか実際問題としてそこまでいかないという事情もひとつおくみ取りいただきたいと、かように存じております。  それから御要望のございましたその漁港等に関して、これではきわめて不親切ではないかという御意見がございます。こういった点はただ手間の問題でございますから、四十二年度予算説明は、実は既定どおりの方針で一応各省から原稿も集めて印刷に回す段階にあるものですから、大幅な改定はかえって時間がかかるからという点もありまして、むずかしいと思いますけれども、御要望のございましたようなそういう個所の問題はできるだけ入れるように、今後なお検討したいと、かように考えております。
  12. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 さっき私は、この予算説明の中で厚生省の部とか、それから今度提出された決算資料の中で悪い面ばかりを指摘したわけじゃないんですよ。労働省の失対保険、交通安全対策、特にこの中の交通安全対策の関係一つのモデルになるんじゃないかと言っているんですよ。ですからこういうものも部分的にはあるんです。特に公共事業については、いまのお話のどんぶり勘定的でしょう。そこに問題があるのでありまして、私は前、建設委員長をやっているときに聞いたんですが、大臣が何億ぐらい予算を持っているとか、次官が何億持っているとか言われるのですよ。それである県から、その派の自民党の代議士がおれの県に幾らよこせと言うと、じゃ、おまえには、おれの派だから、一千万円つけてやろうと、そういう予算を持っていると言うんですよ。これはふしぎなんです。それはどんぶり勘定的だからそういうことになるんです。だからそういう点までもこれはさかのぼっていくと、予算のきめ方自体が問題になってくる。そこで決算のほうからさかのぼって攻めていかなければならぬのですよ。それを攻めていって予算編成にこれを反映させる、そこに決算委員会の価値があるのですよ。だから予算のいまの問題ということがはっきりわかってきたでしょう。公共事業でもどんぶり勘定で予算を組んでいる。だからある程度計画的に一応つくって今後このPPBSでやっていくのでしょう。それをやるときに実績掌握がなければできませんよ。ですから、その点は私は承知することはできませんが、いま既定方針に基づいて作業をやっていると言いますが、こういう意見を私がはっきり具体的に申し上げているのですから、とにかく最低限の交通安全対策関係費計画実績調べですね。これを一つのモデルとして、そうして全般にわたって実績についてのそういう説明を、補完にしても、別冊でもいい、そういう形で出すべきですよ。それから、それは応急的でありますが、じゃ、今度は四十三年度決算説明につきましては、私が言ったことを本格的に取り入れて、もう人員から予算までも十分に確保してやる意思があるのかどうか。これはいま事務当局だけではあれでしょうけれども、これはもう閣議でくらいきめなければならぬかもしれませんが、これはさっそく——主計局長もきょう来ていないのでしょう。大蔵大臣、御病気だからやむを得ないとしましても、これはさっそくまず省議にかける。そして、どうしても本年度無理なら、本年度については応急的にこれは別冊でもいいから、決算説明書を、ほんとうの国会決算審議に役立つために出しているのですから、役立たないなら、こういうようなのはやめて、この予算は節減しなさいよ。そのほうがずっと私はいいと思う、決算書を見ればいいのですから。それは極論かもしれないけれども、そのくらい言っておかないとわからないと思う、実際やらないから。そうすると、じゃ、決算委員会で木村のやつから極端な議論が出たからということで省議で問題になる。これは問題にしなければだめですよ。大臣に言ってください。これは閣議の問題として本気でやらなければ困るのですよ。私は抽象論を言っているのじゃないのですから、具体的に内容指摘して言っているのですから、こうこうこうせよ、それ、ひとつ頼みます。
  13. 船後正道

    説明員(船後正道君) 決算説明内容につきましては、ただいま木村先生から少しはおほめにあずかりましたような部分もあるわけであります。各省とも十分連絡いたしまして、でき得る限りこういった方向に今後は改善していくということに努力してまいりたい、かように考えております。ただまあ四十二年度の問題は、先ほど申し上げましたように、実は作業もほぼ完成という段階でございますから、個々の問題は、補足資料というような点もございますし、各省と相談してやらしていただきたいと存じます。
  14. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 大蔵省事務当局とあまりけんかしてしまうと、協力してもらえないから……。しかし私は、ある点では御協力評価しているわけです。この中で前より進歩している点も認めているわけですよ。その努力あとも私は否定してはおらないのですから、ひとつ考え方は賛成してもらっていると思うのですよ。さっき政府委員から御説明があったように、自分もそういうことを望んでいるというお話だったのですからね。ちょうどいい機会だから、決算委員会でこういう意見が出たと、これ、私の発言を材料にして、ひとつほんとうにお互いにもっと前進させる意味で、財政内容決算内容、そういう意味で言っているのですから、その意味でひとつ十分了承されて、前向きで努力していただきたいと思う、いま努力されると言いましたけれども。それから四十三年度決算説明を出すときには、これは今度は本格的に取り組んでいただきたい。予算なり、人員確保もこれと関係して、これは経済企画庁のほうが中心でやっているのですか。新聞で見るとだいぶ各省PPBSづいちゃって、予算を要求しているということも新聞に出ております。どの程度作業していて、どの程度取り入れようとしているのか。四十四年度予算で取り入れようとしているのか。その場合には決算のこういうものが基礎にならなければできないですよ。そういう点で、企画庁のほうからひとつ。
  15. 岩尾一

    説明員(岩尾一君) PPBSの検討段階の話でございますが、ただいま先生のおっしゃいましたように、アメリカで国防省でPPBS方式をいまとっている。これはわれわれ——私は前に主計局におりましたから、そのころから非常に研究しておったのでございますけれども、先ほど来の議論がございましたように、従来予算は支出権を国会で与えてもらうということだけに重点がございまして、その政策の効果はどうであったかということに対する議論はあまりなかったのでございます。したがって、決算等におきましても、先ほど来御説明がありましたように、決算数字というものを出すということで済むというような感じだったわけですが、だんだんそういったことがよくないので、やはり費用効果というものをしっかり見て、適切な政策を立てなければならぬだろう、そういう意味からいいますと、非常に数理経済も発達してまいりましたので、アメリカのやっているような計量経済学的に見た予算編成というものを考えてみたらどうかということで取り組むべきであるという気持ちになったわけでございます。かたわら、非常にコンピューターの発達によりまして、流通革命あるいは情報革命というようなことが言われておりまして、MIS的な議論——視察して報告もございましたし、それとからんでぜひ予算PPBSを導入していこうということを考えて、しかし、これはわれわれもいろいろと勉強したのでございますが、先ほど主計局のほうで御説明がございましたように、実際上の問題になりますと、PPBSだけで全部片づくということではないのでございまして、たとえば、先生指摘のように、物価のこういう資料は非常にけしからぬと、こうおっしゃいますけれども、ほんとうは物価に対してはむしろ予算の規模がどうであるかということのほうが、ほんとうの物価対策になるわけでございまして、小さな個々の経費がどうであるかということより、一般会計の予算規模はどうであるか、それよりももっと大事なことは、特別会計、地方財政まで入れた政府財貨サービスがどうであるかということのほうが、物価に対しては大きな問題になると思います。私らは今後そういう意味で、御指摘もございましたが、実際上の国の経費の支出面におきましては伝票に番号を付しておりません。したがって、経済企画庁で政府財貨サービスの計算をいたしますときにも、これが政府の資本形成になるのか、財貨サービスになるのかということがわからないわけでございます。そういう点も非常に不備な点であろうと思いますが、そういう点も含めて、PPBSで全部が解決できるのだと、こういうふうには思っておりませんので、その点は、解決できる面とできない面と十分区分しながら進んでいきたい。  そこで、まず第一の難点は、予算書が御指摘のように非常に理解しにくい、分析しにくい予算書になっておりますし、決算も同様でございますが、これをまず分析できるような体系に直さなくちゃいかぬのだ。非常に主計局は御熱心にいまその御勉強をしておられまして、各項目について必要な分析をやって背番号をつけていくという作業を実施中であると聞いております。私らもそれとタイアップいたしまして、私のほうは、その予算書を計量的に把握できるような体系に直してもらうのと並行して、今度は一つ一つの費用効果が分析できるような数量的な分析をやっていこうということで、今年度になりましてシステム分析調査室というのを室長以下十二名ということで発足いたしまして、大学の先生方六名に顧問になっていただきまして、そうして個々の問題について、非常に簡単な例を申し上げますと、たとえば四国と中国との間の架橋をやった場合に、鳴門を通ったほうがいいのか、あるいは広島から行ったほうがいいのか、あるいは宇野から行ったほうがいいのか、いろいろ御要望がございますが、そのうちどれが一番効果がよくて費用が安くていいのかというようなそういう問題でございますと、これはもうまさにPPBSの対象になり得る話でございます。そういう個々の問題についての勉強をかたわらやっていく。そうして政府のほうでの予算書全体についての作業と相まって、両方でしっかりしたPPBS方式を推し進めるということをやっていこうというので、私のほうでそういう意味の研究をいま個々の体系についてやっている、こういう段階でございます。
  16. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 私も、PPBSについては、これは採用する場合にいろいろそのメリットとデメリットと両方あることも承知しておりますよ。たとえば計量的に把握できないものについては、非常に軽視されるという欠陥もあるでしょうし、まずその前提として、予算なら予算の性格自体が問題であって、防衛費を何%——防衛費をよけい組むか社会保障費をよけい組むかという問題は、PPBSでは出てこないのですよ。その前に政策の選択の問題がある。この問題を忘れて、PPBSばかりで問題を解決することは間違いである。そのデメリットも私はよく知っておりますよ。しかし、それじゃPPBS以外に行政効果を測定する方法論がないのですよ、いままで。われわれ予算委員決算委員として、何をもっていまの行政効果があるのかないのか判定するのかと、極端にいえば大福帳みたいなものを見ているようにしか思えない。われわれのいまの立場では判定できないのですから、実際にその場合には一つの参考になると、そういう意味でこれに取り入れるのは重要だし、これはソ連でも非常にそういう計量的なあれの研究は進んでいるそうですね、行政効果判定の方法論。アメリカでも進んでいるそうですが、その方法論について、われわれ、いままでなかったわけですよ。しかしそれは、ですから、今後そういう面で、ソ連なりアメリカで非常に進んだ、コンピューターなんか使っていろいろやってるんですが、その一つとしてやはり効果があると思う。それにはやはり実績評価というものが重要です。それから単に計画立てるときに、単数じゃなく複数計画を立てる——それはけっこうですよ。それについてどの程度——これはもう概算要求出てますか。そのいまのPPBSに関することは、限定的にその効果は私は評価しながら、その必要性を認めているのですけれどもね。
  17. 相沢英之

    説明員(相沢英之君) PPBSの手法を予算に取り入れる点につきましては、ただいま企画庁の官房長から説明がございましたとおり、一両年前から、主計局において検討をしております。アメリカのこのPPBSについての何といいますか、権威あるランド・コーポレーションにも人をやりまして勉強もさせておりますが、現在の段階では、なお研究中というところでございます。  ただしかし、できるだけ早急にこの手法を取り入れたいということで、ことし十省を選びまして、それぞれ各省が最もPPBSをさしあたり適用するのに適当と思われるというテーマを選びまして、研究をしてもらっております。来年度予算には、そのテーマに関連いたしまして、若干の予算要求がございます。ちょっと金額、私、手元に持っておりませんのであれでございますけれども、いずれにしましても、そういうごく限られたテーマについて、来年度からこれを実際に適用する試みをしようという段階になっております。  御承知のとおり、そのPPBSを適用する範囲というものは、ある程度限界がございましょうし、またしかし、これを具体的に適用するについては、きわめて膨大なデータの蓄積が必要であろうと、これにはコンピューターの活用ももちろん必須条件になってくるというふうに思っておりますので、そういうデータの蓄積、コンピューターの活用ということとあわせて、このPPBSの手法を取り入れることについては、積極的に主計局としても取り組んでいきたいというかまえでおります。
  18. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 決算説明についてはこの程度にしておきます。  次に、時間がありませんから、公務員給与改善に関する質問をいたしたいと思うのです。  四十三年度予算国会審議の際に、予備費に人事院勧告実施の費用を計上すべきでない、そういう立場でわれわれは予算審議をしたわけです。勧告が出た後の取り扱い方針がどうなっているのか、明らかにしてもらいたい。
  19. 相沢英之

    説明員(相沢英之君) 公務員給与の改定につきましては、ただいまのところ予備費の使用で処理するという考えでございます。
  20. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 人事院勧告実施にあたりまして、一般職の職員の給与に関する法律と、各特別職の給与に関する法律の改正案を国会提出すると思うのですが、これは臨時国会を召集してやるのでしょう、どうなんですか。
  21. 相沢英之

    説明員(相沢英之君) 臨時国会が開かれるかどうか、これは私どもまだ予測の範囲外だと存じますが、いずれにいたしましても、次期国会にこの給与法の改正案を提出する予定でございます。
  22. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 その給与法の改正案の国会審議の際に、補正予算を出すのですか。
  23. 相沢英之

    説明員(相沢英之君) ただいま申し上げましたとおり、現在のところ、給与改定に伴う所要額は予備費の使用でまかなう、こういうつもりでおります。
  24. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 私はいまここで、補正予算の意味は——これは賛成しているわけじゃないんですけれども、最低限四十三年度の総合予算の制約を破らない範囲のもので言っているのです。私は総合予算主義反対ですよ。反対ですけれども、少なくとも給与を改正する場合、予備費だけで——改正になる法律案が出てくるのに、その補正予算を出さないで、給与改定の関係予算の修正予算を出さないで、予備費だけでまかなうことは適当ですか。私はそれは間違いじゃないかと思う。予備費の約五百億円を各省庁の給与費に計上するのでしょう。そうしたらその修正予算が必要じゃありませんか。
  25. 相沢英之

    説明員(相沢英之君) これはさきの通常国会でも、このことが予算委員会等で論議されたかと存じますが、その際にも、政府側から、公務員の給与の改定があった場合には、予備費の使用によってこれをまかなうということを答弁申し上げております。その考え方は現在でも変わっておりませんので、公務員給与改定の内容につきましては、一般職の職員給与法の改正案等によりまして十分国会の御審議を受けるわけでございますので、その可決されました給与法に基づくところの支出は、これは義務的な支出になるわけでございますので、それを予備費の使用によって行なうことはこれは何ら差しつかえないのじゃないか。それから各省予算との関連でございますが、それは予備費はそれぞれの必要とするところの項の金額を増額するという形で実施できますのですから、何ら補正予算を組まなくても、形式的には支障はないわけであるというふうに存じております。
  26. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 予備費は予算ですか。
  27. 相沢英之

    説明員(相沢英之君) 予備費は予算ではないというのが従来の通説でございます。
  28. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 予備費に計上しておいて、給与法が通ったら、その法律に基づく支出義務が生じたとき予備費支出の形で実質の給与諸費を支払うのは、これは脱法行為じゃないですか。
  29. 相沢英之

    説明員(相沢英之君) 改定されますところの給与法に基づく給与の支出は、これは言うまでもなく適法な支出でございまして、その支出する財源が不足いたしますので、その財源を補てんすべく予備費使用をするということで、予備費の使用はこれは憲法にも財政法にも規定がございますとおり、予測しがたい予算不足に充てるということになっておりますので、給与法の改定に伴いまして不足する予算にこれを充当するということは、予備費の性格からいたしましても差しつかえないと、かように考えております。
  30. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 これはあなた、前のこれは出中角榮氏が大蔵大臣のときですか、昭和三十九年十二月十六日ですよ。田中大蔵大臣は、給与費を一般会計の予備費でまかなうことは、これは財政法上相当な疑義があるということを言っているのですよ。はっきり言っていますよ。こういうことを言っています。それは十二月十六日です、参議院の内閣委員会。これは鶴園哲夫氏の質問に対しまして、「一般会計の予備費は厳密にやっておるわけでございます。この予備費の中に、昇給原資といえば四、五百億にはなるでございましょう、こういうものを一体組んで来年度予算に八百億の予備費を、これは現実的に財政上も無理でございます。財政多端のおりからでございますから、それは現実的、数字的にも無理でございますが、いまの予算制度の中で、予備費の中でかかるものを想定して、不確定要素のままにこれを予備費に組み入れるということは、これは財政法上の相当な疑義がございまして、いまのところではなかなかむずかしい。」、こういうことを言っているのです。どうですか。労働基本権が憲法によって保障されているのに、公務員という特殊な労働関係に従事しているということで剥奪されて、その代償機関としての人事院が置かれている。その勧告は、内閣と国会に対して行なわれるのです。両方に対して行なわれるのです。内閣だけじゃありませんよ、国会に対して行なわれる。国会に対して勧告権があるのは人事院だけです。これが憲法の規定に裏打ちされたものと解釈すべきである。これを財政面から考えますならば、財政処理の権限が国会にある、憲法八十三条と深い関係があるわけなんです。財政処理の権限は国会にある。勧告の実施について、法律案の面と財政の面と両面から国会が行政府と別個に独立の立場で判断するためにこそ勧告が国会に出されるわけなんです。ところが、修正予算すら提出しない。これは国会財政面からの判断がこれでは行なえないですよ。予算じゃないのでしょう。予備費は予算じゃないのです。国会財政面から判断できないじゃありませんか、修正予算を出さなければ。だから行政府は、人事院勧告実施の補正を出すか出さないかの自由裁量権はないと解釈する。ですから、補正予算提出して審議を受ける義務があるのです。憲法上からそう言っているのです。そうでしょう。だから、補正予算提出しない人事院勧告の実施は、人事院制度を無価値なものにするばかりじゃなく、その行為自体が憲法、財政法の規定にもとるものですよ。予備費は予算じゃないと言ったじゃないですか。予備費に計上しておいて、給与法が通ったら法律に基づく支出義務が生じたと称して予備費支出の形で実質の給与費を支払うのは、脱法行為ですよ。許されませんよ、これは。ですから、この点については、特に予備費については、これは決算委員会で厳重に監視しなきゃならぬですよ。特に決算委員会の任務としまして、予備費については、決算委員会の取り扱う重要な一つの役目になっている。で、これは私は問題があると思う。予備費で支出してしまって、予備費支出の承諾を国会に求める、こういうやり方は問題があります。これは決算委員会関連してくることです。この予備費支出の承諾が国会にかけられますのは、最近の慣例では、年度後半の分は翌年の通常国会ですね。四十三年十月から四十四年三月までの予備費使用分は、四十四年十二月に召集される通常国会提出されるわけです。もしこういう方式でやれば、四十三年度、四十四年度二回の人事院勧告を実施し終わってから四十三年度分が国会審議されることになりますけれども、これは不当じゃありませんか。その不当性を救済する対策は目下ないわけです。ですから、予備費によるこの人事院勧告の実施は、このように具体的に見てまいりますと、憲法八十三条の財政処理権はもちろん、財政民主主義の現行憲法に違反する疑いすら持たれる財政処理方式と言わざるを得ません。で、私は決算委員長という立場からも、こうした財政法を空洞化し憲法を無視する結果になる財政措置を見のがすわけにはいかないのですよ。これは私は、ですから厳重に警告を発したいと思います。その警告にもかかわらず、政府があえてその違反の疑いが濃い人事院勧告の予備費実施を行ないますならば、私は、決算委員長としては、予備費使用についての承諾を求める案件について、重大な決意をしなきゃなりません。ですから、私は再度警告いたします。佐藤総理大蔵大臣が、決算尊重とか決算委員会尊重、こういうことを何回も言っていますけれども、もし私は、この警告を無視して、そうして修正予算出してこない、それで予備費使用についての承諾を求める案件で処理しようとするならば、私はこれはもうほんとうに、総理大蔵大臣も口先だけで決算委員会尊重と言っていると解せざるを得ません。私は厳重なもう警告を発したいと思うんですが、この点についてはいかがですか。これはもう脱法行為ですよ。憲法違反、財政法違反です。
  31. 岩尾一

    説明員(岩尾一君) 人事院勧告の問題でございますが、先ほど先生のお読みいただきました田中大臣の違法の疑いがあるという意味は、これは給与費というものを、たとえば四百億というふうに限定をいたしまして予備費に載っけるということは、先ほど相沢次長からも話がありましたように、予備費は予算ではございませんで、予見すべからざる事態に対処するために計上するものでございますから、したがって、その中にこれは給与に充てるんだということではっきり金額をきめたものを載っけるということは、これは違法でございます。したがって、そういう意味で非常に違法の疑いがあるんじゃないかということを田中大蔵大臣がおっしゃったと私は記憶いたしております。全体といたしましては、したがいまして、現在の人事院勧告の状況からいたしますと、四月に調査をされまして、それも民間格差というものをごらんになって、それで八月に勧告をなされるわけでございます。その場合に、たとえば八月から実施しろとか、あるいは九月から実施しろとかいろ財政制度と調和したような勧告が出されておりますならば、これはまた実行上の問題もあるかと思いますけれども、さかのぼって五月から実施しろというような勧告が従来出ておるわけでございます。したがいまして、財政の立場からいたしますと、これは全く十二月の段階では予見できない。どうなるであろうか、あるいは何%になるであろうかということは全くわからないわけでございます。そこで先生も御存じのように、従来、特に昨年は非常に景気の状況は過熱の状況でございましたので、三千億の繰り延べを九月にいたしました。公共事業の繰り延べをいたしました。しかし、十二月には三千億の補正予算をつくっていったという、何と申しますか、需要面からいたしますと非常におかしなことになりましたので、私どもは長期の物価の安定ということをはかるためには、やはり年度の途中において巨額の補正予算を組み入れるということはおかしいのではないか。これはなるべくやめて、なるべく年度の全体の予算というものは先生方に通常国会で見ていただいて、それで実施をしていくという形をとりたい。そこで、閣議の際に、ことしの予算編成といたしましては、人事院勧告については予備費の増額をもってこれをまかない、食管の米価の値上げ等については、新たに補正財源を計上しない方式を確立する。これが一般に総合予算と、こう言われているわけでございますけれども、そういう意味で、人事院勧告の場合には、予備費をただ千二百億にしたということでございまして、五百億増額をしたということは言っていないわけでございます。全体として千二百億でございますから、まあ人事院はどういう状況になりますか、四月の官民格差をごらんいただいて、そして八月に何らかの勧告をなさる。それをできるだけ政府は財源のある限り尊重をしていきたい、こういう立場で臨んできたわけでございます。したがって今度は実施面になりますと、そういう意味で予備費は全く予見しがたいものを計上しておったわけでございますから、その中でまあ今度は八月実施ならばいまの予備費でやれるという決心で、政府としては予備費でやりたいという決心をしたわけでございます。
  32. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それは、そういうことは失礼ですけれども、わかっていますよ。そういうことを質問しているのじゃないのですよ。予備費は支出する段になって、予算ではないのですから、これを使用するのでしょう。その場合に、給与費として修正予算——この総合予算主義というのは、財政硬直化打開のために財政膨張を防ぎたいという、それでしょう。私は、千二百億の予備費のうち五百億と大体予定されているのです。これはもう少し多くなるわけですよ。いままではそう大体言われているのです。これは少し食い込むかもしれません。これから災害復旧費とか、その他のこういうものに食い込むと思うのですけれども、しかし、それがきまったら修正予算をなぜ出さないかというのです。予備費は予算ではないのではないですか。だからその場合には、国会はどうするのですか。決算のときしかこれは審議の対象にならぬじゃありませんか。ところが、その前にすでに今度は、何月ですかわかりませんが、きまる。そうしたら給与費を改定するのでしょう。そうしたらその修正予算をなぜ出さないのかというのですよ。私はそれはおかしい。国会審議からいって、もし出さなければ決算委員会決算の段階ではずっとおくれてしまうのですよ。国会審議の対象にならぬじゃありませんか。だからこれは不当である。私はいまの総合予算主義云々を言っているのではなくて、これは反対なんですけれども、総合予算主義は。経済がこんなに激動するときに、一たん予算を組んじゃって固定化されることにはいろいろ議論がありますけれども、一応予備費として計上してあるわけです。それについても疑義があるのですよ。この緊急であるか、財政法上これは政府がつけている理屈なんでございますから、われわれは承服できませんよ、緊急であるかどうかは。財政法の解釈にも疑義がありますけれども、予備費として支出するときにはっきりするのじゃないですか。そうでしょう。人事院勧告を政府が実施する、そうしたら給与法の改正が出るでしょう。この法律案を出さなければなりませんよ。それに基づいてはっきりと給与というものの配分がきまってくるのですから、修正予算を出さぬということは私はおかしいというのですよ。そのことを言っている。
  33. 岩尾一

    説明員(岩尾一君) お説よくわかりますが、先ほど説明いたしましたように、予備費は、予算編成の際に予見すべからざる経費についてこれを支出するということになっておりますから、したがって、今回給与法改定をいたしましたときに、その給与法に基づきましていまの予算を組みかえるわけではないのでございます。いまの給与法で実際の人件費を支払ってまいりますと、われわれの見ておりました、大体四千七、八百億であろうと思いますが、人件費全体につきましても、そのとおり実行できるかどうかわかりません。したがって、給与法の改正によって、あるいはある程度その給与法の改正増加分を現在の人件費の中でまかなっていけるかもわかりません。そうしてどうしても足らなくなったら、その分は予備費から出して、支出をしていってまかなっていこう、こういう体制でございます。これは、従来、たとえば退官退職手当というものにつきましては、予算で幾らかかるかということは、なかなか見込みにくいものですから、先生方よく御存じのように、予備費の承認の際には、退官退職手当に充てるものについての御承認を願うことが一番多い。今回はそういう意味で退官退職ではございませんが、人件費についてそういう事態になったということ、支出面につきましては、私は別に違法ではない、そういったぎりぎり使ってみて足らなくなったら予備費のほうから出す、こういう形になると思います。
  34. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 私は、この予備費がだんだん乱用される危険があると思うのですよ。インドネシア問題だってそうですよ。そこで伺いますが、それではもう全然修正予算というものは出さないのですか、とにかく増額が伴わない修正予算というものはあり得るんですから。修正予算はいかなる形でも出さないんですか。それを聞いておきたいんです。そうじゃなかったら重大問題が起こりますよ。どうなんですか。この修正予算をいかなる形でも出さないのか。
  35. 相沢英之

    説明員(相沢英之君) 木村先生のおっしゃいますことは、私は正確に理解しているかどうかちょっと疑問なんですけれども、予備費の使用でもまかなえないことはないだろうが、また、その予算の総額を変更するということではないにしても、少なくとも給与法の改正とあわせて、たとえば予備費を減額して給与法改定に伴う給与費をふやすというような、そういう修正予算を出すのは適当ではないか、こういう御意見じゃないかと思うんですが……。
  36. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それ以外でも、あらゆる面において修正予算を出さないのかということですよ。
  37. 相沢英之

    説明員(相沢英之君) それは、あらゆる面において修正予算を出さないのかというようなことは、私は考えておりません。したがって、どういう場合に総合予算主義のたてまえのもとで修正予算が考えられるかと申しますと、これは予備費がある限りは、これは予備費は、私申し上げるまでもなく、国会の議決に基づいて設けられ、内閣の責任で支出することができることになっておりますから、その予備費のある限り、追加支出を必要とする経費に振り向ければいいんだと思います。これは、適正な支出である限り、予備費をもって、なおかつ、まかなえない場合もあろうかと存じます。たとえば、災害が起こってこれに相当な金が要る、ほかの経費を節約してもそれに対処しなければならないといって。というのは、ほかに歳入の増加、その他の財源が考えられない場合もございますけれども、そういう場合には、当然予算のワク内においても組みかえ作業というものが要るわけですから、そういう場合には、これは修正予算という形をとるかと思います。  それから先ほどの給与法の改正に伴い、なぜ予算の修正をしないで予備費でやるかという点につきましては、これはいま官房長からも答弁がございましたが、私どもといたしましては、この給与の改定については、この幅なり時期なりというものは、給与法の改正の形で十分国会の御審議を願うわけでございますし、公務員の給与は、給与法に基づく以外には支出されないわけでございますので、当然、それに基づくところの支出は、これは義務支出になり、それ以上の支出はまた考えられないわけでございます。したがいまして、そういう義務的な支出を予備費からの支出によってまかなうということは、これは何ら問題がないのじゃないか。予備費の使用によって、その給与法に規定する以外の、あるいは以上の給与というものが払われるというような懸念がございますれば、おっしゃいますように、法案のほうにさらに財源手当てについても、国会の議決を求めるべきじゃないかという御意見になろうかと思いますけれども、そういう御懸念は必要ないのじゃないかというふうに考えております。
  38. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それは官僚的答弁ですよ。見本ですよ、それはね。そういうあなたのほうの立場からすれば、そういう説明をするでしょうが、しかし、われわれ国会側としてはどうですか。この予算面から給与費についての審議の対象がないじゃありませんか。予備費は予算じゃないというのです。これは決算のときに出てくるのですよ。そうでしょう、決算のときに。ですから、予備費として組み込んであっても、これが確定してはっきりとしたときには、これは法律と同時に修正予算出して、それで修正予算としてこれを審議の対象とすべきなんですよ。われわれ国会における国会審議権をこれは無視するものですよ。そうじゃなければ、給与改定について財政面から審議する対象がないじゃありませんか。しかも、さっき申しましたように、私は、これは憲法八十三条との関係ではっきりしているのですよ。これはあなたの官僚的立場からいえば、それはそれでいいでしょう。決算のときに予備費に対する承諾の件で処すれば一番簡単です。予備費がだんだん乱用されてくるんです。国会審議をだんだんだんだん最後にずらしてしまうというような、インドネシアのあれなんかも最もいい例です。  それからもう一つ、ついでに伺っておきますが、消費者米価が上がった場合、生活扶助費も上がるでしょう。きょう新聞に出ていましたが、そういう予算はどうするのですか。修正予算は全然出さぬで、そういう予算はどこから出すのですか。
  39. 船後正道

    説明員(船後正道君) 生活保護費は、それは全体としての生活扶助基準ということを問題としておるわけでございますが、その中で特に主食の米価が大きなウエートを占めるわけでございますので、従来の慣例によりますと、消費者米価が改定されました際に、それに見合いまして生活扶助費の中の米価部分の改定を行なっております。今回もその例に従いまして、扶助費の改定をする予定でございます。生活扶助の経費は、これは先ほど給与費で説明がございましたが、同様に法律上の義務経費でございまして、全体としてどの程度になるか、そういう問題も含めまして、もし、全体の予算不足いたしました場合には、予備費支出でもってまかないたい、あるいは他の流用でもって、予算でまかない——既定予算の範囲内でまかなえるならばそれでまかないたい、これは従来ともそういう方法をとった例もございます。
  40. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 これまで、何の予備費、予備費といえば、従来は補正を出してきますよ。補正を出してきたんですよ。なぜ今回は出さないのですか。そうしてその他の予算といっても、そんな修正予算を出さないで流用できませんよ。他の予算で、どこで出すのですか。他の予算で流用しても、それはどういう項目によって流用するかしれませんが、何だか予備費というものが、これはもうみんな何か今度は総合予算主義の大きな一つの矛盾ですよ。当然いままで消費者米価を上げたときに生活扶助費の引き上げをやったときは補正予算、それから給与の補正予算と同時に出てきたものなんですよ。今回は補正はいかなる意味でも出さぬというわけじゃないと言いましたが、こういうはっきりしたものについては、どうして修正予算を出さないのか。国会審議を無視するものじゃありませんか。予備費、予備費なんて言って、決算のときにしかないのですよ、この予備費に計上して出すのは。審議対象は……。
  41. 岩尾一

    説明員(岩尾一君) 先生よく御存じのとおり、生活保護費につきましては、地方公共団体において実際の生活扶助費は支給をいたすわけでございます。国はこれに対しまして八割の補助金を出しております。そこで、実際上予算を執行いたしますと、毎年予算当初にこれぐらいの方が対象となり、これぐらいの基準でいけばこれぐらいの金額になって、そのうち八割分を国が負担するならばこのぐらいの補助金になろうということで計算いたすわけでございますが、実行いたしますと多額になることも多いわけでございます。そういう場合には、翌翌年度までにこれを国のほうから、実際に支出するのは市町村あるいは府県で出すわけでございますが、その分に対して補助金を清算していくという形をとるわけでございます。したがって今回の場合にも、米価の値上がりにつきまして、その分について生活保護の方が御不自由にならないように基準は上げて、そういう意味での金額はすぐに支給するようにいたしますが、その結果、四十三年度が過ぎて国が公共団体に対します補助金が結果的に不足をしたという事態になりますと、それを清算していくという形になっております。したがって、先ほど次長が申しましたように、もし公共団体の資金繰りが苦しくて、八割ですから非常に高額の補助金でございますから、苦しい場合には、予備費のほうから当年分についても出していくということもあり得る、こういうことでございます。
  42. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それはこれまでやっておるのであって、消費者米価が上がって、そうして一日から標準世帯で四百十円の増額をきめ、近く厚生省は告示するというのでしょう。ですから、これに基づいて修正予算または補正を出さないと、八割補助といっても、そのために、今後生活扶助に対してケースワーカー等が、なるべく生活扶助の対象にならないようにならないように努力するのですよ。それでないと勤務評定が上がらぬと、予算の面から。ですからいまお話しのようなことがあるにしても、一応はっきりするのですから、ベースアップ、それでこれまでどおり増額修正予算出しておいて、この分についてその範囲内でやらないと、いままでそれをやってきているのですから、非常に実施面において、なるべく生活扶助の対象を積極的にむしろ減らそうと、そういう努力につながってくるのですよ。あるいは積極的にふやさない、そういう面とつながってくるので、これは重大問題ですよ、これは地方の財政とも関連しまして。ですから、いままで消費者米価を上げたときには生活扶助費の補正を組んでいるのですから、今度に限ってなぜ出さないかというのですよ。そうでしょう。それを総合予算主義云々と、こういうのですよ。ところが、それは政府のかってなんであって、これは憲法上問題があるのですよ。新憲法では、国会は増額修正できるのですよ。そうでしょう。旧憲法では増額修正できない。ですから増額修正を許さないという政府の行政措置でがんばることは、これは国会の増額修正権を制約するものですよ、これは。そうでしょう。重大問題ですよ。総合予算主義、総合予算主義とかってに政府が言っている。多数だから押し切っているのでしょうけれども。憲法上から言えば、われわれが増額修正権を新憲法においては持っておるのですから、それについて総合予算主義だというその政府の政治的な政策の面から、財政硬直化というそういう立場からそれに対して制約を加えるというようなことは、これはもう重大な私は憲法違反につながると、そういうように思うのです。だから何でもかんでも修正予算を出さないという態度を改めなければいかぬと思うのですよ。そんな無理する必要はないのじゃないのですか。出したっていいじゃありませんか。何でも予備費に追い込むなら、われわれ迷惑ですよ、この決算委員会では。あとになって審議がきて、もうとっくに済んでしまったことについてそうして審議の対象にするなんということは、これは決算審議を私は軽視するものだと思う。これは考え直すべきで私は修正予算を出すべきだと思う。いまこれは一存ではいかぬと思うのですけれども、大臣に言ってください。相談してくださいよ。出して何が悪いのですか。出すべきですよ。予備費、予備費といってみんなこれを隠れみのにしてね……。
  43. 相沢英之

    説明員(相沢英之君) 四十三年度予算につきましては、これはしばしば政府側から答弁してございますとおり、総合予算主義のたてまえで原則として補正予算を予定しないということで編成をしておりまして、そういう予算国会で御議決をいただいたものと思っております。したがいまして、特に補正予算を組む必要が生じない限りは、私どもといたしましては、給与の改定に伴う財源も、また消費者米価の引き上げに伴う経費の増加も、これは当然予備費の支出によってまかなうものだというふうに承知しておるわけでございますが、御意見の点につきましては、よくまた大臣に伝えたいと思います。
  44. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 時間がだいぶ過ぎてまいりましたが、私まだほかに質問用意してきましたが、これは次の決算委員会のときに質疑さしていただくとして、最後に一つだけ経済企画庁に伺いますが、いわゆる財政硬直化打開の一つの政策として、いわゆる受益者負担の原則というものを非常に持ち出してきているのですね。私はこれについては非常に疑義があるのですが、一体受益者負担の原則というのは、具体的にどういうことを意味するのか、その概念についてはっきりさしてもらいたい。政府は少し乱用し過ぎているのじゃないか。それで国はむやみに受益者負担を振り回して消費者米価を上げたり、公共料金を上げることはできない。その法律的根拠はないと思うのですが、もしあるとすれば、その法律的根拠はどこにあるのか、あるいは財政法上あるいは行政法上どこにあるか、これを明らかにしてもらいたいと思います。
  45. 岩尾一

    説明員(岩尾一君) 公共料金等についての受益者負担の原則でございますが、公共料金というのは、公共料金が何であるかということでまた一つ議論があるかと思いますけれども、一般に政府で関与しておる価格ということで御理解いただきたいと思いますが、そういうものにつきまして実際の料金をどういうふうにきめていくか。これは普通の企業でありましたならば、コスト主義ということになるかと思うのでございます。しかし、このコスト主義に対して、コストだけではなくて受益者、それによって利益を受ける人に負担をしてもらうというのが受益者負担の原則でございますが、この受益者の中にも、非常に公共的な料金でございますから、国全体がそれによって便益を受けておるわけでございますので、広い意味で受益者といいますと、これは国民全体ということになりますし、狭い意味で、たとえば国鉄の場合に受益者といいますと、東京の通勤客の料金で地方の赤字線の利便をはかるということになるかと思うのです。そういう意味で受益者負担の原則というもの、これは確かに公共企業体については、あるいは公共料金については、コスト主義だけではいけないということは考えられる。しかしその場合に、それじゃそれにかわるものとして受益者負担の原則をもっていったときに、受益者はどの範囲までを受益者と考えるかということで非常に狭義に大蔵省あたりはお考えのようでございますけれども、私らは、その辺は非常に問題の存するところで、ある場合には国民全体といいますか、つまり税金である程度見ていく社会保障的な面を入れていかなくてはならないところもあるのじゃないか、あるいはほんとうにそれによって便益を受けている直接の人に負担をしていただくということでいくところもあるんじゃないかと、そういう例はもう少しよく議論した上できめていきたい、かように考えております。
  46. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 この受益者負担ということが乱用されているように私は思うんです。最近の論調でもそういう論調ありますよ。一体財政学上一般に認められております解釈としては、受益者負担というのは、これは公共の便益のために設置される公共財ですね、公の財物のその財源、またはすでに設置された公共財改良のために必要な財源の一部に充てるために、それによって特に利益を受ける人々から、その受ける利益の程度を配慮して強制的に課せられるものを受益者負担という、ソシアル・アッセッスメントですか、こういうふうにいわれておるのですよ。ですからこの場合問題なのは、公共財の設置または改良について特別な利益を受ける、この点が重要だと思うんですよ。一般的な受益に対して、あるいは租税負担があることは言うまでもないのですが、租税負担の中にも、目的税のような受益者負担にきわめて近いものもあるわけです。しかしこの場合でも、たとえば都市計画税の場合のように、納税義務者の範囲が、地域的に限定されているんです。したがいまして、一般的受益に対して、目的税はもちろん受益者負担金を賦課することはできないですよ、そうでしょう。だから受益者負担という考え方も、一般的な受益に関しては、これはあり得ないと解釈するのが常識なんです。その意味では、受益者負担は利益を受ける者が特定している、しかも、その利益が具体的に測定可能な特定の利益であることが必要です。受益者負担金に関する規定を設けたいろんな法律がありますが、受益者に関しては、当該事件によって特に利益を受ける者、ないしは著しい利益を受ける者と、そういう規定をしているわけです。まあ法律的には、御承知のように、たとえば都市計画負担金とか、あるいは道路負担金、河川負担金、海岸負担金とか森林負担金とか、ダム負担金等々あります。こういうものを受益者負担金と言っているんであって、最近のように公共料金にまで受益者負担の原則を、これを適用するのは乱用ですよ。いままでの財政法上、あるいは行政学上、これはそういう厳密な意味で使っていいかもしれませんが、乱用して、何か非常に合理化させるようにしていますが、しかし、受益者負担の原則というものを今後使わないようにしてもらいたい。公共料金とか消費者米価の値上げ、あるいはその他公共料金の値上げについて、財政硬直化打開の一つ政府の方針について、受益者負担の原則を持ち出して、そして料金値上げを合理化しようとしていますけれども、これは財政法上あるいは行政学上もそうですが、これはいまお話ししたように非常に限定されているんですよ。それを一般の受益者に対してこれを拡大していると、これは私は乱用だと思います。ですから今後、そういう受益者負担の原則なんていうのは、公共料金引き上げ、その他に使わないでもらいたい、やめるべきだと思うんですよ、その点いかがですか。
  47. 岩尾一

    説明員(岩尾一君) 最初に申し上げましたように、公共料金というのは何かということがまた一つの問題でございますし、それから先生のおっしゃいましたように、非常に厳密な意味での公共財の使用といいますか、利便を受ける者に対して受益者負担ということで負担金を取るということ、これが受益者負担だ、これもひとつの受益者負担の考え方だと思うんですが、それはまあ乱用とおっしゃいましたが、ある程度楽に使われて、一般のそういうものに該当しない公共料金まで受益者負担ということで言いあらわしているようでございますけれども、私らはそういうことばを使ったことはございませんので、やはり公共料金の原則はコスト主義ということでございますから、したがって、かかるコストについてはちゃんと料金によってまかなっていかなくちゃならない。しかし、そのコスト自体を料金でまかなうことはなかなかむずかしいときにどういう意味でその料金をふやしていくか、この場合に、一般的にはそういった利用によって便益を受ける人に全部かぶせていくのか、特にそれによって利得、利便を受ける人に対して重く取っていくのかというような意味を、まあ非常に誤解を招くので恐縮ですが、受益者負担ということで言っておるのだと思います。企画庁としては、公共料金についてはもう受益者負担の原則でいくのだということはいままで言ったことはございません。
  48. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 これで終わりますけれども、これは受益者負担というのは、歴史的にも、たとえば資料によりますと、イギリスのベネフィット・チャージということが起源になっている、十三世紀ごろからその例があるわけです。しかし、それをそういう意味でのベネフィット・チャージ、受益者負担というものは、さっきお話ししましたように、その地域を限定されている、その利益を受けている人も限定されているのであって、そういうことを厳密な意味では——あなたのほうは使っていない、使っていないと言いますけれども、大蔵省の出版物をごらんください、みんな受益者負担の原則で、何かそういうことで公共料金の値上げを合理化するような、そういうことで非常に乱用されていますよ。ですから、それはもうはっきりしているのですから、財政法上あるいは行政学上もはっきりしているのですよ、ぼくはいろいろ調べてもらった。ですから、特に大蔵省ですよ。経済企画庁だって何か出版物にありますよ。受益者負担の原則なんというのを、これは乱用して、いかにも公共料金その他、引き上げを合理化する手段で言うことは、私は、これは慎むべきである、これは岩尾官房長もその点については同感でしょう。これは乱用すべきじゃありませんよ。そうやってむやみに何か公共料金引き上げは当然のごとく受益者負担の原則を打ち出しておる。それは違うのですから、はっきりしているのですよ、財政法上、行政学上も。特に大蔵省のほうはどうですか。乱用しないようにきちんと——今後受益者負担の原則をあんまり乱用しないように、これは慎むべきであると思います。大蔵省がひどいのですよ。
  49. 相沢英之

    説明員(相沢英之君) 私どもは、どっちかといいますと、まだ受益者負担の考え方があまりいろいろな——本来そういう受益者に負担さすべきものについて不十分じゃないかという印象を持っております。
  50. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 不十分じゃないかとはどういうことですか。
  51. 相沢英之

    説明員(相沢英之君) まだ受益者負担の考え方からいえば、さらに受益者が本来負担していいものが公共の負担あるいは財政の負担になっているものに多いのじゃないかという印象を私個人は持っておりますけれども、なお、よく検討さしていただきたいと思います。
  52. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そうするとますます受益者負担でこれは——その点は私もはっきりしていると思いますよ。たとえば司計課長なんかが、銀行協会が出している「金融」という雑誌があるのですが、それを見ますと、財政硬直化の論文を書いている。その中ではっきり受益者負担の原則というのを打ち出しまして、それで今後社会保険料の引き上げとか、あるいは公共料金の引き上げとか、一般会計から特別会計に出したものはなるべく出さないようにする、みんな料金引き上げによってまかなうのが当然だと、諸外国に比べて、ことに医療保険なんかについては、日本が負担が少な過ぎると、こういう考えを持っていることは、私は知っているのですよ。だからこそ、乱用ということを戒めているのですけれども、何を根拠にして言うか。財政法上、行政法上も受益者負担というものは、その範囲及び地域的にも、それから受益者というものもはっきりしているのですよ。それをいいかげんにして、ただあなたのようにばく然と、たとえばイギリスみたいに、社会保障をどんどんやると財政困難で国がつぶれる、だからもっと税金をたくさん取って、そして社会保障をやれと、こういうような考え方なんですよ、大体。それはそれとして、あなたの考えに反対ですけれども、それを合理化するために受益者負担の原則というものをむやみに——はっきりしているのですから、一般国民は知りませんよ、そういうことを。ところが、法律上そういうことは限定されているのですから、それを官僚がこういうことを乱用して、ある一定の目的、方向に持っていくために、そういうものを乱用しちゃいかぬですよ。それは警告を発しておきますよ。これはもっと慎重に受益者負担ということばを使わなければいけませんよ。それに対してひとつお考えをお聞かせください。
  53. 二木謙吾

    説明員二木謙吾君) いま公共料金その他の問題につきまして、受益者負担ということをむやみに乱用するなと、こういうような御注意でございますが、よく拝聴しておきたいと、かように考えております。大蔵省が受益者負担を振り回すわけでもございません。
  54. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 大蔵省が一番乱用してます。警告しておきます。
  55. 二木謙吾

    説明員二木謙吾君) はい、よくわかりました。
  56. 松井誠

    理事松井誠君) それではこの程度にし、午後一時二十分再開いたします。  それでは暫時休憩いたします。    午後零時四十二分休憩      —————・—————    午後一時三十五分開会
  57. 木村禧八郎

    委員長木村禧八郎君) 委員会を再開いたします。
  58. 渡辺武

    渡辺武君 議事進行について。  私、昨日委員の方々に配付されました議案書にも出ておりますように、日通汚職事件の一環としての井本検事総長の問題について、当委員会で発言を求めたわけですけれども、この委員会の始まる前の、けさの理事会におきまして、結論的に申しますと、国会法四十八条「委員長は、委員会の議事を整理し、秩序を保持する。」という条項に基づいて、当委員会における井本検事総長の問題についての私の発言を禁止すると、委員長の権限によって禁止するということを委員長から言われたわけであります。で、私は、この委員長の決定は、国会法及び参議院の規則に基づく民主的な委員の権利を全く踏みにじる不当な決定だというふうに考えざるを得ません。そこで、委員長に伺いたいことは、一体この委員長のこの決定は、井本問題についての私の発言ですね、これだけを禁止されるのか、それともまた、きょうの委員会における、もし私が他の議題を持っておった場合には、その問題についても禁止されるのか、その点を伺いたいと思います。
  59. 木村禧八郎

    委員長木村禧八郎君) お答えいたします。  ただいま共産党の渡辺君の御質問につきましては、結論から申しますと、委員の発言の通告ですね、これはむやみに押えるべきではない、原則としては、これは認めなければならない、こういう原則に立っているわけであります、結論からいえば。今回の井本検事総長の質疑につきましては、特殊の事情があるのでございまして、その事情によって、今回に限りこれは禁止するというより、たびたび渡辺委員にお話をいたしまして、取りやめを協議したわけです。しかし、どうしても聞かれないということで、それでは、まあ議事進行上、この問題についてのみ、長く協議をしておりますと、これは三日間の委員会の開会でございましたので、そこで、まあお取りやめをしていただく。非常に遺憾であります。したがって、結論は、今回に限りでありまして、理事会の申し合わせは、委員が質疑の通告をされたとき、原則としてこれは押えるべきではない、こういう立場にはっきり立っているわけであります。ただし、今回の件については、事情があって、はっきり申し上げますれば、この問題は、参議院の法務委員会におきまして取り上げようとしたところ、自民党の方々が欠席しまして、定数に足りないので、開かれるに至らなかった。そこで、いろいろ協議の結果、法務委員会で十五日にこの問題を取り上げるという、そういう努力をされたわけです。十五日に取り上げるということになっているわけです。また衆議院におきましても、去る二十一日に共産党の方も入って、いろいろ協議された結果、十四日に衆議院の法務委員会でこの問題を取り上げるということになっているわけであります。そこで、こういう事情もあり、理事会におきましては、本委員会において、この問題を取り扱うのは適当でないという御議論もあり、法務委員会でこういうものは取り上げるべきだという御意見がありました。しかし、それは委員が御質疑される場合、それに内容を制約するとこもいかがかと思いますし、また、この井本問題は、そもそも日通事件に関しては決算委員会から問題が始まったのであるから、決算委員会で取り上げてもおかしくないではないか、本来決算委員会の問題ではないか、こういう渡辺委員の御発言もございました、それもごもっともでございます。しかし、先ほどせっかく法務委員会において、衆議院においても参議院においても十四日、五日に取り上げるということにきまっておるのに、先にこちらで取り上げるということにつきましては、原則として委員の御発言は自由で、押えるべきではないのですけれども、そういう事情もあって、これは質疑をやらないのじゃないのでありますから、また渡辺委員も十五日の法務委員会におきまして関連——委員外発言の要求をされたという御事情もあるわけであります。しかし法務委員会では質疑の時間が少ないというので、十分に決算委員会で時間をとってやりたいという御意見であったのであります。最初、法務委員会の経過を、私はそういう問題があったことを知らないで、渡辺委員から申し出があったときには、個人的にはこれは積極的に取り上げるべきであって、そうして私も十分に御協力するということを渡辺委員に個人としてはお約束したのであります。しかし、それも法務委員会の事情を私が知らなかったので、わかりましてから、これは渡辺さんとお話し合いの上、法務委員会がもめて、ようやく十五日にせっかく取り上げるということを取りつけたのに、今度はこちらでこの問題を取り上げるというのもどうかと思うと、他の委員会との関係もありますので、そういうわけで、この事情をよくお話しませんと誤解を受けますから、ことにこれは非常に日通事件に関連しますので、本委員会において特に私は委員長として最後に判断を下したわけでありますから、不当に禁止をしたというようなきついおことばがございましたが、それは強圧的に禁止したのじゃなくて、いろいろお話し合いしたが渡辺委員とまとまらない、それじゃ委員会におきましてはこれは御遠慮してもらうように、ひとつお話し合いをしたらどうかという、そういう理事会の申し合わせなんです。ですから、私一存の意見ではないのです。理事会のそういう意見でありますから、それで私は決断を下さざるを得ない。それで私は四十八条の規定によりましてそういう処理をしたのでありまして、これは今回に限っただけの問題なんであります。今後むやみに委員の発言を抑圧する、そういう問題とは全く違うのであります。その点はひとつ御協力願いたい、御理解を願いたいと思います。  ちょっと渡辺君に申し上げます。防衛庁長官がお見えになっていて、時間があまりないようなんですが、したがって、御意見がありましたら、あとでごゆっくりひとつ承らせていただきまして、議事を進行させていただきたいと思います。御協力を願いたいと思います。
  60. 渡辺武

    渡辺武君 じゃ何ですか、当委員会のきょうじゅうにいつか時間をいただけますか、私の議事進行についての発言について。
  61. 木村禧八郎

    委員長木村禧八郎君) これを終わりましてから、議事進行についてそれは御発言を認めます。
  62. 渡辺武

    渡辺武君 わかりました。     —————————————
  63. 木村禧八郎

    委員長木村禧八郎君) 午前に引き続き国家財政経理及び国有財産管理に関する調査を議題とし、質疑を続行いたします。  質疑のある方は順次御発言願います。
  64. 大森創造

    大森創造君 ことしの春ごろ二回にわたってFXの問題について質問いたしました。そこで、だんだん機種選定の時期が迫ってくると思いますが、長官、機種選定の時期はいつになりますか、ひとつ率直にお答えいただきたいと思います。
  65. 増田甲子七

    ○国務大臣増田甲子七君) できるだけ急ぎたいと思います。相なるべくは今月のうちに決定いたしたいと、こう考えております。
  66. 大森創造

    大森創造君 できるだけ早く、今月中ということでございますので、さよう心得ますけれども、それでは、いままでにもこの機種選定について防衛庁の中でのいろいろな経緯があったと思いますけれども、これからの手続を簡単に御説明いただきたいと思います。
  67. 増田甲子七

    ○国務大臣増田甲子七君) いままでのことを概略申し上げますが、主としてカタログ等につきまして検討した段階がございます。そのために欧米各国に第一次の調査団を派遣いたしまして、そうして三機種にしぼったのでございます。三機種にしぼったという理由は、現在装備してございますF104よりも迎撃能力において、要撃能力において劣るものはこれを省く、こういうわけで、六機種はF104よりも、現在装備しておる自衛隊の航空機よりも劣りましたから、これを落としました。あとの三機につきまして去る七月、八月調査団を派遣いたしまして、実地について、あるいは実地になるべく近いものについて試乗をいたしまして、そうして調査書を厳正なる心がまえでつくりなさい、こういうことを私が申し渡しまして、調査団長以下人選を私は公正なる見地からりっぱな人を選んだつもりでございます。八名の者が参りまして、帰ってきたのは九月五日でございますが、去る二十七日に航空幕僚長の大室君のもとまで復命書を出しております。その復命書を、私は航空幕僚長の意見書とともに見るということで、まだいまは見ないと、こういう立場をとっておるわけでございます。
  68. 大森創造

    大森創造君 そうすると、調査団の報告書というものをまとめて、そうして私のほうの聞いた話では、すでに九月十八日に庁内の空将会議でもって発表をされたということを聞いております。これは事実でしょうか。
  69. 宍戸基男

    説明員(宍戸基男君) 調査団が帰りまして、空幕長に報告をいたす準備の途中でございますけれども、空将会議というのはございました。当時空幕長から空将会議にFXのことについても相談をいたした事実はございます。
  70. 大森創造

    大森創造君 そこで、いま長官のお話のように、九月二十七日に空幕長のところにその報告書が提出されたということ、そこで増田長官の手元にはまだいっていないのだけれども、長官のところにこの報告書が出た場合に、国会のほうにもそれと同様のものをお出し願う、そういうことを希望しますけれども、いかがでしょう。
  71. 増田甲子七

    ○国務大臣増田甲子七君) 私のところへ空幕長から意見書が出た場合に、国会提出するかどうかという御質問でございますが、これはやはり行政上の、防衛上の関係の機密でございまして、お約束はいたしかねる次第でございます。
  72. 大森創造

    大森創造君 そこで、いつの時期かお出し願えますかな。これは長官のところに報告書がいったその時点においては無理かもしれないが、いつかお出しを願えないかな。
  73. 増田甲子七

    ○国務大臣増田甲子七君) 私が総理その他国防会議の委員の諸君と懇談をいたしまして決定をいたします。その決定をした経緯等は、その際に発表をいたすつもりでございますから、したがって国会議員にもお知らせする、こういうことになると思いまするが、事は行政処分的なことでございまして、行政処分のことをあらかじめ国会に報告するということは、前例その他から見て、また性質からかんがみましていかがかと思う次第でございます。しかし、行政処分的に決定をした暁におきましては、こういうわけでこういうふうな決定をしたのだということは天下に発表して差しつかえないことである。したがって、国会議員各位にも御承知願える、こう考えておる次第でございます。
  74. 大森創造

    大森創造君 いまの長官のおことばですけれども、わかるような気がしますが、どうも私は納得いたしません。私は、早い機会に出してほしいと思うのです。というのは、古い話で恐縮ですが、ロッキード、グラマンのときにずいぶん騒がれたいろいろないきさつがございましたが、あれから数年たった現在、私は、当時の議事録だとかいろいろなものを考えてみますというと、どうしても納得しかねますので、今度もいま長官のおっしゃいましたような、長官自身が意図されているような選考基準というものによって厳正に、しかも国民が納得できるような線でこの機種が決定されることを望みますけれども、その意味からも、私は、機密はないんだから、長官の言われることもわかりますが、ある期間が過ぎたならばひとつ国会のほうにお出し願いたいと思うのです。そして国民のだれもが聞いても納得できるような方向でひとつ処理していただきたいと思うのです。まあそれは希望ですけれども……。  それでは別なことをお尋ねしますが、この前、私は九機種ということを言うて、その九機種が結局CL1010−2というものとF4Eファントムの二つになるのではないかということで、ことしの七月ころ断言いたしました。今度はミラージュが一つ入っておりますけれども、私の予想のとおり、それから防衛庁のほうも、大体九機種選んだけれども、初めからCL1010−2というものとF4Eファントムの二機種にしぼられる運命になると。対米関係を考えたり安保条約を考えたり諸般の事情を考えたりするというと、九機種でなくて、初めから二機種であった。今度はミラージュが入っておりますけれども、二機種であるというふうに私は断言した。防衛庁の内局の人も制服の人も、よくその事情を知っているにもかかわらず、私はいろいろいままでやってきたと思うけれども、結果的に三機種になった。ミラージュは一番性能は優秀だけれども、フランスのマルセル・ダッソー社がこれはメーカーですから、ドル防衛の観点から見ても、それから安保条約の関係を見ても、それから極東米軍との関連から見ても、私はいかほど性能がよくてもフランスのミラージュというものは、これは選からはずれるというふうに予想いたします。そこで、CL1010−2とF4Eファントムという二つの横綱の争いということになるのと違いますか。率直にひとつお考えを聞かせていただきたい。
  75. 増田甲子七

    ○国務大臣増田甲子七君) いま経過の説明をもう少し申し上げなくちゃいかぬと思っておりますが、九月二十七日に緒方空将を団長とする調査団が復命書を大室空幕長まで提出いたしました。その内容等を私はしいて聞かないのでございますが、というのは、その復命書だけではまだいけないのでございまして、ここにいらっしゃる決算委員長の木村さんの御指摘PPBSというような見地からも検討を加えておる次第でございます。つまり、企画、計画から見て効率を上げるかどうかというようなことの、予算制度というような見地からも検討を加えなくてはなりません。したがいまして、大蔵省ともそのことの打ち合わせ、ないし交渉をいたします。わが庁自身でも検討いたしております。でございまするから、私はしいてこの三つのことの内容は聞きません。でございますから、まだあらゆる見地から、あるいは今度は防衛用の見地からオペレーション・リサーチというようなことをいたします。普通ORと言っておりますが、このORをいたしますし、PPBS関係の検討もいたします。予算関係の当局とよく連絡をとらなくちゃなりませんし、そういう関係で、いまCL1010とF4Eファントムとの争いであるというふうに自分は思うということを大森さんおっしゃいましたけれども、御想像はかってでございますけれども、まだそこまでには各種のリサーチの段階、調査の段階、検討の段階があるということを私は申し上げるだけでございます。
  76. 大森創造

    大森創造君 時間がほとんどございませんので、はしょってぱっぱっと御質問していきます。長官もお忙がしいようでございますから。  そこで端的にお尋ねいたします。長官以外の方で知っている方はお答えいただきたいのですけれども、CL1010というものへ、調査団は行って乗られましたか、この飛行機に試乗されましたか。
  77. 宍戸基男

    説明員(宍戸基男君) わが国で提案されておりますのはCL1010−2という機種でございますが、御承知と思いますけれども、そのCL1010−2という機種は、まだ実機がございません。それで類似機に乗っております。F104というイタリーが採用いたした機種でございますが、それに乗ってテストをいたしております。
  78. 大森創造

    大森創造君 そうするとCL1010というのは、まだできていないんですね。
  79. 宍戸基男

    説明員(宍戸基男君) CL1010−2というのはできておりません。
  80. 大森創造

    大森創造君 CL1010−2というのはいつできるのですか。
  81. 宍戸基男

    説明員(宍戸基男君) 日本で提案いたしておりますので、かりにこの三機種のうちの一つとして、日本が採用するということがきまりました場合に生産が開始されるということで、きょう現在、いつできるという予定があるわけではございません。
  82. 大森創造

    大森創造君 そうしますと、ドイツのほうではロッキードのほうのやつは断わったということをはっきり聞いているのですけれども、日本で注文しますというと、はじめて作業を始めて飛行機をつくり始めるということなんですね。
  83. 宍戸基男

    説明員(宍戸基男君) 大筋はそういうことでございまして、たとえば御承知と思いますけれども、現在日本の持っておりますF104の発達型でございますので、それを改装いたしましてつくるというようなことで、現在設計図を持っているという段階でございます。
  84. 大森創造

    大森創造君 これはそのCL1010というのはできていない、日本で発注するというと、つくり始めるということなんだが、そうすると、調査団はCL1010には乗っていないのだな。それでF104Sというのは、このCL1010とどういう類似性があるのですか、別の飛行機でしょうこれは。CL1010とは違う飛行機でしょう。
  85. 宍戸基男

    説明員(宍戸基男君) 同一機種ではございませんが、非常に類似した機種でございます。CL1010−2にいく前の段階の飛行機でございます。
  86. 大森創造

    大森創造君 私のつたない調査でもCL1010そのものではないのですね、これはお認めになりますね。CL1010そのものではない、CL1010と同じものならF104Sを買ってもいいのだから、予約してもいいのだから。ところが違うのですね、エンジンも違うし翼も違うということ、あなた御承知のとおり。そこで、私はふしぎに思うのですが、たとえば町の主婦が一つの冷蔵庫を買うとする、五万円か六万円の冷蔵庫を。その冷蔵庫に霜取り機がありますね、これは霜取り機はいまのところぐあいが悪いけれども、あと一年ぐらい研究してみて、この霜取り機を改造するといった場合に、改造するということを予想して予約するということは、そういうことは町の主婦も手控えると思うのですよ、これは常識ですよ。将来改良されるであろうCL1010という飛行機がこういうものになるだろう、F104Sというものを改良してこういう飛行機になるものを、日本に買ってもらうという場合に、現実にそれと違う、いま申し上げましたように翼も違うエンジンも違うこのF104Sという改良型を若干改良することによって、この飛行機をCL1010という飛行機でそれを買ってもらおうという場合に、これができ上がってから注文するのが普通の常識だと思う。どういうものかわからない、しかも非常に高度な性能がある場合には、いまの冷蔵庫の例を申し上げましだけれども、はっきりでき上がってから契約するのが至当だと思うのですが、いかがでしょう。少し軽率ではありませんかね。それほど急ぐ必要がございますか、CL1010について。
  87. 宍戸基男

    説明員(宍戸基男君) 機種選定そのものはわれわれは急ぐ必要があると思っております。機種選定そのものは急ぐ必要はあるわけでございます。三次防で、御承知と思いますけれども、現在持っておりますF104なりあるいはF86Fが次第に機数が減ってまいりますので、どうしても来年度予算では次の機種をきめて調達にかかりたいと思っておりますが、そこで昨年から今年にかけまして世界のいろいろな現有あるいは近く生産される見込みのものを選びまして現在調査をやっているわけでございますが、御指摘のCL系列のものにつきましては、たくさん飛行機がございます。104系列、CL系列のものがたくさんございますが、日本で提案いたしておりますCL1010−2というその発達型のものがまだできていない、実機はない。ただ設計図はございます。先ほど申し上げましたCL1010−2の前のCL1010型というのがありますが、これが現在イタリーで採用しましたF104Sとほとんど同一のものでございます。それに乗ってテストしますと、日本で提案されておりますCL1010−2の性能はほとんど間違いなくわかるという見込みでテストを実施した、こういういきさつでございます。
  88. 大森創造

    大森創造君 私は防衛庁並びに国の方針が、大体長官のお話のように今月一ぱいにきめるのだという既定方針のレールを走っておりますから、この際、国民の角度から見たら納得できないですよ。CL1010でない飛行機に試乗してそしてCL1010というものを予約してもよろしいという態度は、私は納得できないのです。飛行機については私はしろうとですから、何ともその辺が……。違う飛行機に乗ってそして納得して、事と次第によっては千数百億という膨大な買いものをするというそういう態度が納得できないわけです。しろうとの私が調べても明らかに違う。エンジンが違う、別のものです。その別のものにテスト・フライトして、それで今度CL1010というものを予約するという態度は納得できません。これは時間がありませんから、その次に移りますけれども、F4Eファントムのほうは、これは実際に乗ってみたのですか、何時間乗りましたか。
  89. 宍戸基男

    説明員(宍戸基男君) F4Eは実機になっておりますので、それには乗っております。回数は三十回でございます。日にちは八月八日から十六日にかけて三十回乗っておりますが、乗った時間はちょっと手元資料がございません。
  90. 大森創造

    大森創造君 そこで、F4Eファントムというものは調査団が試験飛行する場合に、メーカーのマクダネルのテスト・パイロットが後部座席に乗っていてずっと飛んでいたということは事実ですか。
  91. 宍戸基男

    説明員(宍戸基男君) 三十回のうち、わがほうだけで乗ったときもございます。向こうのパイロットが同乗した場合もございます。
  92. 大森創造

    大森創造君 私はそれだからさっき長官にお願いしましたように、一つ調査の報告というものを出してほしいと思うのです。出さなければわからぬ、FXの問題は非常に専門的なことだから。予算の面についてにらんでいるだけであって、ロッキードとグラマンのごとく不明朗なしかたによってきめられるということは、われわれ国民を代表する国会議員の立場として許されませんから、われわれはわれわれなりで調べますから、ぜひ出してほしいと思う。そこで、私の調査によるというと、メーカーのマクダネルのテスト・パイロットが後部座席に常に乗っていた、調査団の日本人だけの試験飛行というものはついになかったというふうに聞いている、私の聞いた限りでは。それから肝心の実戦を想定しての空中操作とか、高速急旋回、これは実戦に必要なこと、こんなことも危険だからということで取りやめ、許されなかったということを聞いている。それから、もう一つはM61機関砲というものを装備する。これが首のほうにきて、機体が振動してエンジンが停止する。エンジンが停止するということになったら、これはえらいことですからね。飛行機は落ちてしまいます。そういう問題も生ずる。その機関砲の使用というものが非常に制限されたということを聞いている。調査報告でそういう内容はなかったかどうか。もしそのことが事実であるとすると大問題だと思うのです。とにかく一千数百億の買いものですからね、どうでしょう。
  93. 宍戸基男

    説明員(宍戸基男君) 今度の調査団によりますとファントムのテストでございますが、先ほど申し上げましたように三十回乗っておりますが、いまお示しの空戦のテストはやっております。編隊飛行をやりまして、空戦のテストをやっております。また機関砲、バルカン砲につきましても試射を実施いたしております。
  94. 大森創造

    大森創造君 やっているやってないといっても、これは水かけ論だと思うのですよ。そこで、私はそういう報告を出してほしいという主張を先ほど来しているわけです。  そこで、別な角度からお尋ねしますけれども、皆さん方の判断はいざ知らず、やはりCL1010とF4Eファントムの競争は相当激しくなっているように聞いております。そこで、この前の委員会で申し上げましたけれども、ロッキードの販売会社のライという人、ロッキード・エアクラフト・インタナショナルのクラッターという社長と、エリオットという販売部長が相当な商戦を展開しているということを聞いておりますか。
  95. 宍戸基男

    説明員(宍戸基男君) そういうことにつきましては、私直接耳にいたしておりません。
  96. 大森創造

    大森創造君 それはそうでしょうけれども、それからことしの八月五日ごろ、ロッキードの社長のコーチェンさんという人が来日されたことを知っておりますか、どなたか。
  97. 宍戸基男

    説明員(宍戸基男君) 存じておりません。
  98. 大森創造

    大森創造君 長官御存じですか。
  99. 増田甲子七

    ○国務大臣増田甲子七君) 存じません。
  100. 大森創造

    大森創造君 そこで、私の調査によるというと、八月五日から九日までロッキードのコーチェン社長が来て、来日の目的は、表面的には日航にエアバスを売り込みするという名目で来ておりますけれども、某有力政治家と会談しているということです。これはお知りにならなくてけっこうです、防衛庁とは直接関係ございませんから。  そこで、こういう事実は御存じですか。この間帰ってきました調査団の方が、バームデール基地、ロッキードの基地ですね、そこでテストフライトしたんでしょう、バームデール基地で。
  101. 宍戸基男

    説明員(宍戸基男君) バームデール空軍基地でテストはいたしております。
  102. 大森創造

    大森創造君 そこで、国防関係の有力議員、非常に飛行機の機種選定については影響力のある有力議員が調査団と相前後して同じバームデール基地でCL1010−2の代用機といいますか、F104Sというものに試乗をしているという事実はお聞き及びですか。
  103. 宍戸基男

    説明員(宍戸基男君) 聞いておりません。
  104. 大森創造

    大森創造君 どなたか聞いておりませんか。これは事実のようですよ。どうでしょうか長官。井本検事総長の話がございましたが、李下に冠を正すということがある。これは、こういう際にパームテール基地において特定の飛行機——ほかの飛行機に乗らないのですからね、この飛行機に乗るという事実は、少し軽率じゃありませんか。疑惑の種をまくじゃありませんか。そう思われませんか、それが事実であるとすれば。あの調査団の人はお見えですか、きょうは。
  105. 宍戸基男

    説明員(宍戸基男君) 調査団は来ておりません。
  106. 大森創造

    大森創造君 それでは調査団の人に聞いて、私に報告をしてくれませんか。いかがでしょう長官。
  107. 増田甲子七

    ○国務大臣増田甲子七君) 私は自民党の国防の有力なる議員がバームデールというのですか、そこへ行ったという事実を知っておりません。  それから、李下に冠を正すと言われましたが、正さずじゃないかと思います。正さずということでは全然あなたと同感でございます。こんなことはほんとうにきびしい上にもきびしさを徹底しなくてはいけない。公正の上にも公正を徹底しなくてはいけない。そうしてこの機種の選び方は防衛的、事務的、技術的良心のもとに神のごとき心持ちで選定して調査してこいということを厳命いたしました。そこで調査団長は、ただいま浜松の術科学校の校長でございまして、帰っております。副団長等もそれぞれ所属の事務に復帰いたしております。元来、国会にはユニフォームは出ないということが、これがシビルコントロールの原則でございまして、でございますから、私は国防の自民党の有力な責任者が、そういうところへ行ったということには考えていないのでございます。また、そういう方と調査団とがゆくりなくも邂逅した、現地において邂逅したということは絶対にないと考えております。
  108. 大森創造

    大森創造君 まあ長官がそういうお答えになることは当然だと思うのです。どうもしかし、私のほうの調査では、そういうことになっているわけです。ですから非常に自重自戒しなければならないときに、そのことがどうだこうだということではありませんけれども、私は非常に疑惑の種をもたらすものだというふうに考えております。長官のほうは厳正公正にやるとおっしゃられても、そういうものがありますと、私のところにはずいぶん投書がまいってきております。きょうは問題にしておりませんけれども、そういう投書を信用するわけではありませんよ。だけれども私はどうも火のないところに煙の立たない気もするのですよ、そう思って聞くというと、どうも真実らしいのです。だからこうして御質問するわけです。  それから今度の調査団は、増田長官おっしゃられるとおりに、非常に身辺をきれいに慎重にやってこられましたね。これはそのあかしとして申し上げるわけでありませんが、ロッキードのほうも非常に商売熱心ですよ。当然だと思いますけれども、商売熱心のあまりに、九月一日にロスアンゼルスの大和、やまとという料亭に招待をされたわけです。これは御存じかどうか。初め会費として払ったわけですが、非常にりっぱですよ、調査団の方は。一ドル五十セントの会費、ところがそれ以上の料理が出ましたので、これはいかぬということで、四ドル五十セントの会費を持ったという、私はそれほどかたくされることなら行かなければよかったと思うのですよ、むしろ。それからもう一つこういうこともある。日本に帰ってくる前夜に、ロッキードのほうから、ホテルのベッドの上に十万円相当の万年筆が団長に二本、副団長に二本、その他の団員に一本ずつ配られた。驚いてそれを返した、ホテルのボーイ長に返したという一札を取ったという話も私のほうでは聞いておる。非常にこれは好ましい、信用できる態度だと思うのです。しかし反面においてみると、それはロッキードのほうは売り込みに懸命である。よほど警戒しなければいかぬ。  その他いろいろございますが、私はここで申し上げたいことは、増田長官に今度は順序をお伺いします。機種選定の決定に至るまでの順序をどういうふうにするのですか。これから報告書を受けて……。その前に経費効率というのはどういう意味ですか、どなたか教えてくれませんか。経費効率、F4ファントムというのは八十点、ミラージュ六十五点、CL1010五十点、経費効率という点からいうと、CL1010は落第という気がするのですが、それに日本のいろいろな特殊な防衛上の立場、政治上の配慮も加わってCL1010というものも浮かび上がるかもしれない。しかし一応経費効率の立場から言いますというと、いま言いましたような数字が私の調査では出ている。この経費効率というものはどういうものか。それからその機種選定にあたって、その経費効率というものが今後どういうふうにものを言ってくるのか。  それから長官には、長官が調査団の報告を受けてから、あと機種決定になるまでの順序、これをひとつお答えいただきたいと思います。
  109. 増田甲子七

    ○国務大臣増田甲子七君) 行政庁のやり方の内容等もできるだけ機密にわたらぬ範囲は申し上げたほうがよろしいと思っております。でございますから、順序でございまして、内容そのものではございませんから申し上げさせていただきます。  まず第一に、いま経費効率等を航空幕僚幹部と防衛局との間で検討しているわけでございまして、点数等が出ておるはずはないと私は考えます。というのは、防衛的見地からして、主として迎撃能力が一番どれがよろしいかというようなことを調べてくるのが緒方調査団長以下調査団員の使命でございまして、PPBSまで考えるということは使命を逸脱しておる。PPBSというのを一番よく御存じなのは木村禧八郎さんですから、そちらのほうからお聞きになればけっこうだと思いますが、私もあの進歩的な提言を取り入れまして、そうしてわれわれ自身で検討する専門委員を参事官に一人つくりまして、先般来、半年前からPPBSのことも検討しております。それで、これを適用して、われわれ自身が防衛庁として検討しまして、さらにある程度大蔵省にも打診をいたしまして、とにかくPPBSのことでございますから、大蔵省にも打診をいたしまして、それから三次防に占める予算というものがございます。八十八億円でございます。あとの六百九十二億円というものは、これは国債その他で七百八十億になるわけでございまして、そう七百八十億に対してどういうようなものが一番経済的方面、効率的方面からよろしいかということも、単にいわゆる国防的見地ばかりでなしに検討するわれわれは職責があると思うわけでございまして、でございますから、われわれが内定というのもどうかと思いまするが、一応私の心がまえを今月の半ばころまでにはきめたい。しかし、われわれ自身が決定ということはちょっと僭越ではないかと思います、PPBSのこともございますから。そこで総理等の了解も得まして、大蔵省とも下打ち合わせはいずれいたしますが、今度は木打ち合わせ等もいたしまして、そうして月末ころまでには決定という運びにいたしたい。総理の内諾を得、各国防会議の議員にもお話をいたしまして、これは議員懇談会でやりたいと思っております。その懇談会の形式が一つの会議形式になるか、持ち回りになるか、まだ私の頭の中で検討中でございますが、私がある程度心がまえができたときに話をいたしまして、そうして月末までには決定という運びに持ってまいりたい、こう考えておる次第でございます。
  110. 大森創造

    大森創造君 時間が全くございませんので、残念ながら二、三長官にお伺いしてみます。  かつてF104Jを採用するときに、米軍のほうからそれまで使っていたF100ですか、これをひとつ日本にやろう、買ってもらいたいという話があったことは事実でしょう。
  111. 宍戸基男

    説明員(宍戸基男君) 御指摘のF100というのは、約十年前の機種選定のときに候補機種の一つになったことはあるようでございますが、米軍が推奨したかどうかという事実は、現在つまびらかでございません。
  112. 大森創造

    大森創造君 長官ね、私はF4ファントムにしても、CL1010にしても、十月などということでなしに、総裁選挙でも終わって、さらにそのCL1010などが完全に完成品ができてから——それほど極東情勢は私は逼迫しているとは思わないんです。それほどその緊急性があると思わないですよ、私は。ベトナム戦争は、私は終息の方向に向かっていると思いますが、どういう認識でございますか。
  113. 増田甲子七

    ○国務大臣増田甲子七君) ベトナムのことはよく私もわかりません。ただ、和平会談が成功裏に早く終結すればよろしい、また休戦という事実も実現すればよろしい、こう考えております。しかしながら、見通し、見立て等は私にはわかりません。いま別に急いでおるわけではないのでございまして、もうFXという問題は二年以前からずっと問題になっておるのでございまして、ある程度でケリをつけないというと、またうどんを注文して日がたってしまって食えなくなるというようなことになりまして……。やっぱりものにはしゅんというものも、時というものもあるのではないか。こう考えておる次第でございまして、私も常識ではございまするが、二カ年ばかり防衛庁長官をやらしていただいておりまして、ある程度の腰だめとか、常識というものは、新しい方よりは多少あるわけでございまして、そういうときにきびしい公正なる態度で、一般に、私はこの問題に限らず、国防産業というものは一銭一厘不正があっても日本はだめになってしまうと、こういう私は信念で防衛庁長官をいたしておるわけでございますので、FXのことは、これはあまりいろいろ書かれるということは——きょうあたり書かれるでしょうけれども——ほんとうは、あまりおもしろくないと、こういうことはほんとうにもうものさし、はかり、ますできまるようにきまるものであると、こういうふうにお互いがあっていただきたいと、あとは政治的な酌量の余地がないのである。結局事務的、技術的、防衛的な良心を働かせれば、当然結論が出てくるのである。こういう信念までいま到達しているわけでございまして、もうその辺は御信任を願いたいと、こう考える次第でございます。
  114. 大森創造

    大森創造君 その長官のおっしゃる意味は私は善意をもってよくわかります。わかりますけれども、何しろ金額が大きいですからね、これは。それで国内の民生安定の方向に幾らでも予算が要る時に、一機に幾らですかね、F4ファントムは、たいへんな金額でしょう。それがまあ前のグラマン、ロッキードというもの、これは国会審議の場所では一応納得したかもしれないけれども、これは特別調査団をいまからつくって、ずっとやってみたら不審の点が数々出てくるということははっきりしている、これは。国会の段階やあるいは閣僚段階あたりでは確かに合理的な説明がなされているでしょう。だけどはたしてそこでいままでロッキード、グラマンの空中戦が国会周辺で行なわれたなどということを盛んに雑誌や新聞が書きましたけれども、これは全く空虚なお話かというと、そうではないのですよ。賢明な長官おわかりのように。  そこで、今度機種決定については増田長官の態度は終始一貫私はわかります。だけど、これが国会議論されなかったならば、どんなことが発生するかわかりませんよ。そういう政治状態です、いまは。だから長官が私に言われることはわかりまするけれども、用心のために決算委員会に私が発言することも必要だし、こうだ、ああだと言うことも必要だと思います。これ以上繰り返しません。  そこで、私は一体こんな高度の性能を持った高い飛行機というものを千八百億、二千億という大きな買いものをするんですから、慎重の上に慎重を期していただきたい。と同時に、これはどうなんですか、このF4ファントムなんというものは、現在の平和憲法に明らかに違反しやしませんかな。これはCL1010にしても足が長くて、運用いかんによっては、これは内容は時間がありませんから言いませんけれども、確実に憲法九条違反だと思うのですが、いかがでしょう、これは学術的に見て。こんなものを、現憲法第九条のある日本において、持ってもいいんだというその確信が持てますか。
  115. 増田甲子七

    ○国務大臣増田甲子七君) まだ三機種のうち決定しておりませんから、こういうことを前提にしてお答えをいたします。  私、F104Jよりも性能の高いものと、そういうものが憲法違反になるかならぬか、いま迎撃能力において、現在装備しておるF104の性能より高いものをわれわれは要求しております。どれくらい高ければそうなるかということは、私は、結局迎撃能力を主として検討すればよろしい。こう考えておるのでございまして、かつて私が、足が長いのは憲法違反になるおそれがあるということを言ったのは、爆撃機のことなんです。専門の爆撃機のことなんでして、戦闘機というものは、これは要撃機でございますから、その使命は。でございますから、爆撃機は憲法違反になると思いますと、その理由はと言うから、それは足が長くて、敵地を進んで攻撃できるからでございます。そこで、侵略する可能性のある勢力はどこかわかりませんよ。その前提としてお聞き願いたいと思います。そういうところから、日本の領土、領空、領海等に侵犯せんとする、そういう航空機を迎撃する力、これは、私は、現在の104よりもあるほうがよろしいというわけで、FXというものがいまお互いに探求されておるわけなんですから、F104というような、こういうものを幾ら備えても、もう相対的にこれはやはり国防というものは、力をつけていかなければ、防衛力の漸増にはならないと思います。防衛力の漸増というものは、これは日米相互間にお互いに約束しておることでございます。相手の国といってもどこの国かは特定はいたしませんけれども、そこの国々がそれぞれ武器は発達しておりまするから、それに対応するだけの武器に発達するようにというようなことでございまして、足が長いということは、専門爆撃機について言ったことでございます。  それから、だんだん国会審議もたび重なりまして、最後のところはこういうふうになっております。爆撃装置を施す——たとえば非常に早いもの、まあマッハ三というようなものがある。それでまた航続力も三千キロもあるというようなものがあった場合にはどうするか。それは、日本を攻撃ぜんとするものに対して、そういうものを備えることも必要でございましょう。ただ、しかしながら、敵地——といっても、これはどこということは具体的に言うわけでございません、敵地を爆撃するようなことは避けるべきである、憲法に照らして。そこで、爆撃装置を施すつもりはございませんということを、私も総理大臣もしばしば言明しております。これが憲法九条と要撃戦闘機の能力の限度に関する責任を持った答弁の最後でございます。最後にそういうことを言って締めくくっておるわけでございます。そのあなたの質問に対する最後の答えというわけじゃないのですよ。それが、いままで速記録等に残っておりまする、よく足が早いとか、足が長いとかいうことは、一時私も無学の段階において言ったことがございますけれども、いまはそういうのわかりまして、事爆撃はいけませんと、ICBMがいけないと同じでございますというふうに言ってあるわけでございます。  そこで、戦闘機は爆撃機じゃないかというふうにだんだん詰めてこられて、まあ一種のこれは論理の争いで、私がちょっと負けかかたときに、まあうまくやられて負けかかったときに、そういうようなこともありましたが、だんだん研究しまして、最後に爆撃装置は施しません、要撃能力は優秀であればあるほどよろしいと、ただし、爆撃装置は施しませんというのが最後の落ちでございまして、総理大臣も私も繰り返し繰り返し衆参両院においてお答えをいたしております。
  116. 大森創造

    大森創造君 そうしますというと、この三機種のうちで、どれが決定になるかわからないが、私の観点からするというと、本来は要撃機ということもあるけれども、運用いかんによっては、これは爆撃機に——戦略爆撃機になり得るということについては、長官、私と同意見ですね。運用いかんによっては戦略爆撃機、戦術爆撃機になり得るような、それだけの性能を持っている飛行機であることはお認めになりませんか。
  117. 増田甲子七

    ○国務大臣増田甲子七君) その爆撃装置を施さないというところでひとつ御理解を願って……。それで、戦略爆撃機なんということは、これは、いま、日本を一周した——七月二十一日に一周した某国の爆撃機が、あれが戦略爆撃機でありまして、そんなものをわれわれは持とうと思っておりませんし、戦略爆撃機になり得るということに対しては肯定しがたいわけでございます。
  118. 大森創造

    大森創造君 それでは、これは戦術爆撃機、いわゆるそういうものになり得る性能、可能性を持った飛行機であるということはお認めになりますね。
  119. 増田甲子七

    ○国務大臣増田甲子七君) いま、この三機のうちどれをとってみましても、爆弾をかりに積んだ場合に、行動半径は四百キロ以上を出ません。というのは、結局、行って帰って一千キロばかりでございまして、よく広告等には——広告といいましても、各社から出しておるパンフレット等には三千数百キロということは書いてございますけれども、これは装備をしないときのことでございまして、装備をした場合には行動半径四百キロ以上というものはこの三機の候補機のうちにはないようでございます。
  120. 大森創造

    大森創造君 最後に、ひとつお伺いしますけれども、長官、私は、どうもわかりませんのでお尋ねしますけれども、この高性能の飛行機を現実に使う場面は、一つの例をお示しください、どういう場面でしょうか。どういうときに使うんですか、この飛行機を。素朴な質問で恐縮ですけれども、どういう場合に使うんですか。どうも私はあっちこっちに行って聞いてみるというと、日本で飛行機を買う、こういう高性能の飛行機を買う、一機十数億で。どういう場合に、どういうシチュエーションの場合にこの飛行機を使うのかと聞かれますと、どうも私は首をかしげざるを得ないんです。専門家である防衛庁長官も御勉強でしょうから、どういう場合に使うのかという、一つの、どういうのか、場面を説明してくださいませんか。
  121. 増田甲子七

    ○国務大臣増田甲子七君) さっきのことばはちょっと修正さしていただきますが、行動半径四百キロというのは四百ノーチカルマイルということでございまして、つまり四百海里の間違いでございます。しかしながら、これだとすると、日本の周囲を見回してみましても、どこの領土をも爆撃するというような能力は、この三機種にはいずれもないということを、この際明瞭にしておきます。  それから、われわれは三次防の基本方針をきめるときにも、また、三次防の主要項目をきめるときにも、迎撃能力の向上を期待する新しき戦闘機についてはということを書いてあるだけでございまして、そこで、迎撃能力といえばもちろん日本に向かって攻撃してくる飛行機に対しまして迎撃をする、こういうわけでございまして、日本に対して何かするであろうIRBMとかICBMには、もちろんこれは力としてはありませんし、日本に対して向かってくるであろうどこの勢力かはわかりませんけれどもその勢力に対して、備えあれば憂いなし、この備えくらいはする必要があるのじゃないかと私は考えております。
  122. 大森創造

    大森創造君 最後に、この問題についてひとつ大蔵省にお伺いしますけれども、まあ二十七億、一機二十七億くらいならば出していいじゃないかというお話を大蔵省のほうでは防衛庁のほうに言われたことがございますか。
  123. 相沢英之

    説明員(相沢英之君) 次期戦闘機を三次防の期間に整備に着手するということを、三次防の計画内容としてうたっておりますが、それ以外に、いまのところ、防衛庁のほうからどういうふうにするとか、あるいは幾ら予算を要求するとかという話は全然出ておりませんので、私のほうからそういうことを申し上げたような事実はございません。
  124. 大森創造

    大森創造君 もう一つあとで報告書をどうしても出していただきたいと思うのですが、それで、これは一つの提案なんですが、どうでしょう。このCL1010とF4Eファントムという飛行機、日本は買い手なんですから、こっちに持ってきて適当な場所で、みんながいるところで飛ばして、そうして専門家の第三者機関みたいなもので決定するような方法は、これはできないものでしょうか。これはこっちが買い手なんだから、向こうでどんな飛行機になるかわからないようなものを、マグダネル社の人が飛行機の後座にいて監視しているような、こういうテストはやらなかったとか、どうとかこうとか、めんどうくさいことを言わないで、極東情勢もそれほどまだ切迫しておりませんから、逆に向こうから飛行機を持ってきて、ちゃんとつくってもらって、それで日本には防衛庁以外にも飛行機の専門家たくさんいますから、そこで飛行機を飛ばして決定するなどということはどういうものでしょうか。それなら国民は納得しますよ。暗中模索でわからない。数字金額だけわかっても、得心いかないですよ。どうです、私のその提案については。賛成する人も相当いるのですよ。こんなことはできないものでしょうか。アメリカの米軍基地でもよろしいし、日本の航空基地でもよろしいから、そこでちゃんとテストしてみるということ、素朴な疑問ですよ、私は。調査団はやらないで、そろそろ二つのうちどっちかということになれば、こっちに持ってきてやればいいじゃないですか。日本が買い手だもの。もうかるとなれば向こうもやるだろう。
  125. 増田甲子七

    ○国務大臣増田甲子七君) 私が一昨年の十二月にこの任についたときに、総理大臣が再びグラマン、ロッキードのようなああいう問題を起こしたくない、こういうことを明瞭に申されました。そこで君に託するのは、公正なる武器産業発注処理であるということも言われております。総理自身がそういう厳正なる考えを持っております。そこで、大森さんのおっしゃったグラマン、ロッキードのときに、ある程度騒ぎがあったということは私も肯定したことになりますが、今度は騒ぎがないわけでございますから、騒ぎをぜひとも起こさないように、そうして行政上の処理のことを第三者機関を入れて、ことに防衛上の機密にも属することを、私自身もしろうとですし、私よりもくろうとが幾らでもおるでしょうけれども、まず性能がこれが一番よろしい、あるいはPPBS関係、あるいはORの関係から見て、これが一番よろしい、こういうふうになったときにさらに再検討する人事院みたいなものをつくるということは、行政上の行為を非常に遅滞せしむる。ことに防衛関係のことは機密が多いわけでございますから、決定した場合には私は発表するということを申し上げました。それはただし書がついているわけでございまして、防衛上の機密のことだけは申し上げかねる。ことにアメリカあるいはフランスから買う場合にもライセンスつきのものでございますから、そのライセンスの内容についてはアメリカ関係のものは特別の保護法もございます。そういうわけでございまして、その点は防衛上の機密ということを尊重していただきたいけれども、でき得る限り決定に至った経過等は、国会議員のコンセンサスを得ることが大切でございますから、申し上げたいと、こう考えておる次第でございます。
  126. 大森創造

    大森創造君 この問題についてはこれで終わりますけれども、私は、長官、どうしてもここで、ずいぶんいろいろな私の調査したうちの半分ぐらい申し上げなければならないと思って言っているのですよ、限られた時間の中で。  そこで、今度のやつは厳正公平にやるということは信頼しておりますけれども、いままで、私はきょうを入れて三回かな、この議論をしたのは。このことは、ころばぬ先の杖みたいになりはせぬかと思うのですよ。どうもそういう感じがする。その意味で私は意義があると思うのです。そこで、長官以下皆さん方を信用いたしますから、ひとつ、どこまでも今度は疑惑のないように、しっかりとお願いしたいということでこの問題を打ち切ります。その次に浜原ダムの問題について五、六分やりますから……。  私は、前二回浜原ダムの問題について、建設省その他にお伺いいたしました。そこで最後の質問でございますので、お答えいただきたいと思うのでありますが、これは裁判にもなりました。猪俣浩三代議士、それから戒能通孝弁護士など現地に行きまして裁判やっている。問題は、この浜原ダムのいわゆる浮戸事件について、これは天災か人災かということです。私が指摘したのは明らかに人災である。ダムが流れた、ダムをあけていたときに、その上に保留しておいた浮戸という物体が流れて下の六つの橋梁を破壊してしまった。これはダムの操作のミスであるし、同時に、浮戸という鋼鉄製の物体を係留していたその係留の仕方に非常にずさんきわまりない手落ちがあった。これは裁判の過程においても、中国電力側は認めております。そこで、建設省だと思いますが、これはいかがですか、天災ですか人災ですか、どう判断されますか。
  127. 坂野重信

    説明員(坂野重信君) 再々大森先生に御答弁申し上げているようなわけであります。私どもの見解では、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法という法律が、先生御承知のとおりございますが、それに基づきまして、江川に架橋した橋梁が被災したわけでございますが、再々申し上げておりますように災害の直後、数カ月にわたりまして慎重に検討しました結果、国庫負担の対象といたしまして、異常な天然現象に起因するものだというぐあいに判断いたしまして、災害復旧として採択したわけでございます。現在の方針としては変わっておりません。
  128. 大森創造

    大森創造君 国鉄の方来ておりますか……。昨年の十二月十四日ですが、私が決算委員会でこの問題について質問したとき、国鉄当局は昭和四十二年の九月八日、三江北線粕渕第一鉄橋が流失したということで、国鉄の損害請求を中国電力側にするということで、一千三百万円の損害賠償の申し入れをしたというふうに説明されましたけれども、その後の経過はどういうふうになっておりますか。
  129. 長浜正雄

    説明員(長浜正雄君) この問題に関しましては、いま先生おっしゃいましたように、現実に国鉄の鉄橋に浮戸が当たりまして損害を与えておりますので、国鉄といたしましてはこの損害に該当する金をいただくということで、中国電力と交渉いたしまして、おかげさまで先だって中国電力側から国鉄にこの金額を支払う、国鉄の要求どおり支払うということで解決いたしました。なお金額につきまして、いま先生おっしゃいました金額でなく、千八百万になるように聞いております。
  130. 大森創造

    大森創造君 国鉄の千三百万円の要求に対して中国電力のほうは千八百万円払ったということ。これはあとから国鉄のほうで調査資料ですね、それから中国電力側に出された請求書並びに国鉄の調査資料というものをお出しいただけますか。
  131. 長浜正雄

    説明員(長浜正雄君) 国鉄のほうは千八百万を要求いたしまして、そのとおり認めさしたものでございます。
  132. 大森創造

    大森創造君 その資料はいかがですか、出していただけますか、私のほうへ。
  133. 長浜正雄

    説明員(長浜正雄君) ただいま手持ちございませんから、御要求がございましたら提出いたします。
  134. 大森創造

    大森創造君 そうしますと、建設省ね、これは橋が流れて一方は国鉄ですよ。三江北線の粕渕第一鉄橋が流出したわけですよ、それに対してこの前の委員会でもって中国電力のミスだから、人工災害だから中国電力に請求したらどうだといったら、満度に、こちらの要求したとおり千八百万円くれたのです。これは資料を見るまでもなく中国電力側は自分たちのミスであるということを認めた、それ以外の状況は考えられない。それからさらに建設省御存じだと思いますけれども、ずさんきわまりない浮戸の係留だということ。それからまたダムのゲート操作などがでたらめであるということは、これはことしの春ごろ、私は去年の九月ごろ申し上げました、しきりに現地に私行ってまいりましたから、そのために。浮戸流出は当然起こるべくして起きた。国鉄を含めて六つの橋梁を流して沿岸住民にものすごい被害を与えたということ、そこで裁判になったわけです。そこで中国電力側が、被災住民の突き上げがあったとはいいながら、その災害直後に九百万円、異例な見舞い金を出しているわけですよ。その見舞い金がまたあとから続くわけです。その後さらに流域全体の開発という名目で一億四千五百万円、さらに今度は同様な名目で一億一千万円、合計二億六千万円を出しているわけです。これが、建設省がおっしゃられるように、異常なる天然現象によるところの自然災害的なふうに解釈するならば、中国電力はこんな気前のいいことをしませんよ。三回にわたって見舞い金を出しているわけですよ。そうして先日私の質問を契機にして、おそらくそのことが導火線になって地元のほうでは、さあ中国電力のほうに全部持ってもらうというのでは困るであろう、私も実際にそう思っておりますよ、これは。しかしこの委員会は決算委員会ですから、筋道は明らかにせにゃいかぬと思う。人工災害か、それから自然災害かということは、正しい認定をせにゃいかぬと思う。これは建設省の立場もございましょうけれども、一応私はこれは人工災害である、中電側のミスであるということに裁断をして、それからあと事後の処理をすべきであろうと思う。繰り返しますけれども、国鉄の、この中国電力に対する損害要求の経緯一つを見ても、中国電力側はそんな気前よく千八百万円それでは出しましょうという態度に出るはずがない、みずからの責任でなければ。人工災害であるということを明らかに認めているから、腹の中で認めているから、そういう求めに応じたし、それから地元のほうにも九百万円、一億四千五百万円、それから一億一千万円、こういう金を出しているわけですよ。これが中国電力側にミスがなければおそらく出しませんわ。こういう金は半分も、十分の一も出しませんよ。だから私は建設省側に言いたいことは、せっかく地元のほうは知事を中心にして中国電力側と地元国会議員などが相談をして数字が出たのですから、これをくつがえそうとは思いませんけれども、人工災害であるということに決算委員会としては、建設省としては私は裁断をすべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
  135. 坂野重信

    説明員(坂野重信君) 国鉄と中国電力とのそういった関係は私どもよく存じませんけれども、いま先生のほうから、むしろいろいろお話を承った程度でございまして、私どもの立場としては、先刻来申し上げておりますように、確かにダムがあってそこに浮戸があった、浮戸がなければ確かに下流のほうに対する橋梁の被害というものは相当大幅には軽減されたであろうというふうに考えます。まあ洪水があって洪水によって浮戸というものが流れてきて、それがもちろん大きなウエートを占めて橋梁が被災した、その点は認めるわけでございますけれども、先般申し上げているように、私どもの見たところでは、中国電力のダムの管理操作というものはあの程度の状態においてはまああの程度のことでやむを得なかったのではないか、したがって、大きな過失は認められない、それから係留の問題にしましても、いろいろ先生と見解が違うわけでございますが、再々申し上げておりますように、私どもは、浮戸の係留についても大きな瑕疵はなかった、そういう立場で、したがって、それによって流れてきたために、橋があって大災害を受けた。したがって、異状な天然現象というか、異常な水理現象によって浮戸が流れてきた。したがって、浮戸そのものは人災につながるものじゃないのだという立場から慎重検討をいたしまして、そして災害の国庫負担法の対象として採択したわけでございます。いろいろそれは解釈ございましょうし、先生もいろいろおっしゃり、いろいろ御勉強になって御指摘願っておるわけでございますけれども、どうも私たちはその後もいろいろ検討してみましたけれども、建設省としては——国鉄はどういう解釈をされたかしりませんが、国庫負担法にやはり該当するのだという立場を実は現在もとっているわけでございます。まあ、その辺ひとつ了承願いたいと思います。
  136. 大森創造

    大森創造君 時間がありませんから建設省にも……。あれはわからないですよ。同じ橋で、国鉄が請求したらそのまま満度に要求金額どおり中国電力側が応じたということ、三回にわたって合計二億六千余万円の金を中国電力を中心として県も出しておりますけれども、こういう金を出すはずがないので——裁判の進行もありますよ。議事録など見てみますと、会社側でさえ人工災害と認めている事実があるわけです。これは私が現地に行って、そして帰ってきて去年の九月ごろ、十二月ごろ質問したからこれを繰り返すことはいたしません。私はこのことについては押し問答いたしません、時間がございませんから。  そこで、建設省のほうは、いま反省してみて、この浮戸事件について、私はどうしても地上工作物の管理だとか河川法上の法律だとか規則だとか、河川管理者としての立場から何か反省を要する点がないか、そのことをひとつお尋ねをして終わります。
  137. 坂野重信

    説明員(坂野重信君) お答えします。  先ほどお答えしましたように、私どもは、法的な解釈は、確かに災害の国庫負担法に該当するものとして、異常天然現象に基づくものとして採択したわけでございますけれども、やはりああいった浮戸がなければああいう災害が起きていないわけでございますので、したがいまして私どもとしては、浮戸のあるような地点については、できるだけ浮戸の補強を十分にするなり、あるいは浮戸は一切やめて、全部陸上で格納する、そういう立場からあれと同じようなケースのダムにつきましては、今後ああいった不幸な事故が起きないように、十分万全を期して、それ相応の対策をすでにとっておるわけでございます。また今後、こういったいろいろな利水の専用のダムが洪水時に下流に対して悪影響を及ぼさないように、いろいろな操作規程等におきましても、四十一年以降、実は建設省と通産省と話し合いまして、利水ダムの操作規程というものを、各ダムについていろいろ改定を加えております。そういうことで今後はひとつこういうことがないように、ダムの操作規程をさらに改定するものがあれば改定をし、そういう検討をいたします。また、こういった浮戸というものは、全部陸上で格納するようにということで、すでにそういった立場で対策をとっておるわけでございます。その点ひとつ御了承願いたいと思います。
  138. 木村禧八郎

    委員長木村禧八郎君) ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕
  139. 木村禧八郎

    委員長木村禧八郎君) 速記をつけてください。
  140. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 私も、きょうは少しこの国家財政経理及び国有財産管理に関しまして、いろいろ調査をしたい、こういうふうに考えておったわけであります。特にこの旧陸海軍の使用しておりました土地だとか施設管理とか転用、こういうような状況とか基地の問題、あるいはまた軍港の問題、あるいはまた米軍基地その他のいろいろ防衛庁施設、こういう問題について、詳しくきょうはお伺いしたい、こう思っておりましたところが、もうだいぶ時間も迫ってまいりますので、私はその中からほんの一部分をきょうは質問させていただいて、この次の決算委員会できょうお聞きしたいと思った部分の大部分を質問することにして、この一部分だけを質問さしていただきたい。これも議事にひとつ協力さしていただく意味で、そういうふうにお願いしたいと思っているわけです。  まず、第一番目に私が伺いたいのは、この旧軍港市転換法が施行されまして以後、いろいろ行なわれてきているようでありますが、その成果もあがっているようでありますけれども、その後におけるいわゆる舞鶴の地区ですね、ことに普通の財産の転用の状況についてひとつ伺ってみたいと、こう思います。  御案内のとおりに、舞鶴は軍港として海軍が利用しておったものでございますが、これらの施設を戦後どのように転用されてきたのか、公共の施設や、民間の産業の発展あるいは民生の安定のために、非常に留意をされて活用はされておると思いますけれども、その現況はどんなふうになっておるか、ひとつ聞いておきたいと、こういうふうに思います。
  141. 谷川寛三

    説明員(谷川寛三君) ただいま大橋先生から御質問の、旧軍港市転換法施行以来の舞鶴市周辺におきますところの国有財産の活用の状況でございますが、御案内のとおり、旧軍港市転換法は、昭和二十五年の六月に公布施行になっておりますが、施行以来、大蔵省といたしましては、舞鶴市周辺にございます大蔵省所管の普通財産につきましては、転換法に書かれております立法の趣旨に従いまして、舞鶴市が平和産業市といたしまして転換いたしまするにつきまして、できるだけの御協力を申し上げてまいっておるところでございます。  御質問の活用の状況でございますが、私どもといたしましては、ただいまお話がありましたように、民需産業の施設、それから民生の安定に資するということで、いろいろなことをやっておりますが、まず、もとの工廠関係の訓練施設とかといったようなものを舞鶴市の中学校とか、それから図書館、公会堂、それから市民病院、それから上水道、公園、こういった公共施設といたしまして舞鶴市に譲与いたしております。それから、もとの工廠とか、海軍の火薬廠、それから海兵団の施設等でございますが、そういったものを舞鶴市におきますところの基幹産業の施設といたしまして、たとえば舞鶴重工業、それから日本板ガラス、それからゼネラル物産、出光興産、こういった大きな企業の施設の用に——これはもちろん舞鶴市の転換計画にのっとってやっておるわけでございますが——売り払いをいたしております。それからまた、農耕地として使えます施設につきましては、農林省に所管がえをいたしました上、農耕地等といたしまして払い下げをいたしておりますし、その他、もとの工廠関係の宿舎などにつきましては、一般市民の方々の住宅といたしまして、貸し付けをいたしておる、こういった状況でございます。
  142. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 このような国有財産となっておって、いまお聞きしましたように、ずいぶん利用されておりますし、この法律のたてまえからも十分踏まえて、結果としてかなりよく利用されているとは思うわけでありますが、なおもって、まだ国有財産であって未利用の土地が舞鶴地区にもあるのではないかと思うんでありますが、これは一体どれくらいのものであるか、また、地元の舞鶴市の産業発展に結びついたところの土地利用でなくてはいかぬと思うわけでありますが、こういうような点は、かなり効果があらわれているとは思うんですが、そういう観点から考えて、実際土地利用というものが地元の舞鶴市の産業発展につながるというというところから考えて、どのようになっているのか、そういう点つまびらかにひとつお聞かせを願いたい。
  143. 谷川寛三

    説明員(谷川寛三君) 御質問の残地でございますが、ただいまのところ土地がおもなものでございますが、四百五十四万平米くらい残っております。建物はもうあまり残っておりませんが、土地は相当残っておりますが、残っております土地につきましては、もとの要塞等でございますが、沖合の島の上にあったり、山の頂にあったりいたしまして、必ずしも立地条件のいいものが全部であるとは限りませんので、ただいまこれをどういうふうに舞鶴市のお役に立てていくか、検討しておりますが、たとえば、伺いますと、京都府のほうでは、ここに相当広大な府立の自然公園をつくりたいという御計画もあるように伺っております。それからまた市のほうでは、合板の関連企業団地をつくりたいとか、中小企業団地をつくりたいとかいうような御計画もあるようであります。まだ具体的な細部はきまっていないようでございますが、これが具体化いたしましたところでよく地元とも御相談を申し上げまして、この法律によりまして、本省に置かれております旧軍港市国有財産処理審議会におはかりをいたしまして、地元の発展に資しますような方向で検討してまいりたいと思っております。  それから先ほど言い落としましたが、ただいまも御質問がありましたように、どういうふうに地元の特殊性と結びついているかということでございますが、舞鶴のもとの軍港は、裏日本におきまする商業港としてどういうふうに利用できるかという点でございますが、これは直接的には運輸省の港湾関係の仕事であろうかと思うのでございますが、私どもといたしまして、こういうふうな御利用方をお願い申し上げている次第でございます。昨年の七月でございましたか、この臨港地帯の適地を合板関係の企業団地として売り払いをしたのでございます。その後この関係の原木の輸送船が相当出入をしているように伺っております。そういうことで相当商業港としての利用がなされているんじゃないかと思っておりますが、そのほか臨港地帯にありますところのもとの軍関係の荷揚げの施設がございましたので、そこを京都府、舞鶴市の公共の荷揚げ場としてお貸し申し上げておりますほか、舞鶴市内の運送業者とか、それから倉庫業者の方々に臨港倉庫などといたしまして貸し付けをいたしておりまして、そういう意味の相当旧軍港市転換法の趣旨に沿った転換というものははかられているのじゃないかというふうに承知しておりますが、今後とも、先ほど申し上げましたように、地元の転用計画が具体化いたしましたところで、本省の審議会に十分慎重な御審議をお願いいたしまして転活用を今後はかってまいりたいと、さように考えている次第でございます。
  144. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 次には、鶴舞は、これは西港と東港と、こう二つに分かれているわけでありまして、御存じのように、西のほうは比較的民間の商港として使用されているわけでありますが、東の港のほうは、またいまの板ガラス、先ほどおっしゃいました飯野造船なんかがこうありまして、そのほかに海上自衛隊がこれを使用しているわけであります。これを見てみますと、どうも海上自衛隊あたりの使っておるのが比較的飛び飛びになって使っておるようであるし、またもう港湾の中で非常にこの小さい、何というのかわかりませんが、自衛隊の船が係留してあるばかりであるというふうな形で、もう東港の利用というのはばらばらになっておるために、非常にいままであれほど軍港として水深も非常に深いいい港であるというのが、港としてのその活用が西のほうでも非常に不十分である。そうしてことに東港にいたっては、その飛び飛びのような状態になっておるために商港としての機能というものは著しく阻害されておるという状態だと思うんです。ことにまだ海上自衛隊がもし一カ所に集められるとか、あるいはまたもう少し海上自衛隊としても使うためにはもっとその合理的な方法があるんではないかと思われるのに、まあ非常によいどころ取りというか、その非常にまちまちな使い方がされておる。そのために民間がスムーズに使用できないばかりでなくて、もうなかなか進みようがないという点に私は膠着しているような状態に放置されているように感ずるわけです。こういう点からいいまして、一体防衛施設庁とか運輸省なんかは、まあ率直にこれをこの辺のところを一体どうされるのか、この両方の御意見をひとつ一ぺん聞いておきたいと思うわけであります。
  145. 江藤淳雄

    説明員(江藤淳雄君) 海上自衛隊としましても、現在御指摘のように施設が非常に点在いたしております。したがって、これをできるだけ集約整備することは、これは非常にわがほうとしましても望ましいのでございます。しかしながら、御承知のように海上自衛隊は昭和二十七年に発足しましたので、昭和二十年以来七年間の間にいろいろとこの払い下げをしたり、あるいはいろんな利用計画で使われております。勢い二十七年ごろ発足しました海上自衛隊としましては、その後にまあわがほうの主張する土地並びに地元との調整がついた土地が選ばれて、現在のような施設になっております。現在の状況になっているのもある程度やむを得ないのではないかと思いますので、今後ともできれば集約整備の方向に向かって検討してまいりたいと思っております。
  146. 見坊力男

    説明員(見坊力男君) 東港と西港とございまして、東港の物揚げ場、これが海上自衛隊の施設の中にあるという状況況でございますが、これはまあ私どもといたしましても、その港の沿革等からある程度やむを得ない。ただ、東港の物揚げ場につきましては改良を加えまして、この改良は三十六年から四十年ごろまでかかりましたが、これは終わっております。で、舞鶴港の将来のためには、むしろ商港として西港のほうを整備すべきであるということで、西港につきまして今度の五カ年計画の中にいろいろ埠頭であるとか貯木場とか計画を練っております。それから東港のほうでも平地区の貯木場、これは将来整備する予定でございます。
  147. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 私はちょっと舞鶴のこの軍港都市としての問題について聞きたいと思うその根本の点は、まあいま太平洋のベルト地帯と言われて、過密状態になっていろいろ公害や何かで問題が起こっておる。それに対して裏日本側に対してはひとつもそういう適当な手が打たれていない。特にそれをずっと見てみるならば、かなりこの港としてはよく使えるというものがあるはずなんですね。私は国の全体の立場からこれを考えると、こうしたいい港があるのに対して、まあ舞鶴市というのはわりあい小さい都市で経済力が少ない。ですからして、港湾整備のいままでの問題で重要港湾として指定していくならば、もっと国からいろいろ金を出してやれる、そういうようなことであるけれども、それがまあ指定のしかたによっては、五割配付を地元で持たなきゃならぬとか、あるいはまた二割五分、七割五分までは国から持ってきて補助するとか、いろいろまあ法律のたてまえがあるわけでありますが、そういう点をもっと乗り越えて、国の施策としてもっとこういうような重要ということですか、有用な、いままで使っておってもかなり吃水の深いいい港であれば、これを利用して、むしろここらの労働力を過疎のところでもう少し吸収をするような施策をするということは、国の見地からも今後の過密の公害というか、弊害というものが非常に大きくクローズアップされているときには、これは考えなければならぬのじゃないか。特にこの港湾都市というものに対しての特別な法律もできているわけでありますし、そういう観点から言えば、私はいまお話を聞いても木材の貯蔵を何とかするとか、あるいはまたそのような設備にするとかいう、考え方が非常にもう小さいわけですね。で、将来もこれはどうなるかわかりませんけれども、対岸貿易とか、対ソ貿易とかいうこともいわれております。あるいはまたシベリア開発もいわれている時期でありますからして、私はそれは別問題としても、少し航路は伸びたにしても、私は裏日本のほうへ別に回せば、まだまだ発展の余地は非常にあるのではないか、こういう観点から申しますと、この舞鶴あたりにいままでとられてきたところの施策というか、まあいろんな問題を考えてみると、非常に私は消極的であるように思うわけです。最近、初めて開西電力が宮津のところに火力発電所をつくる。いろいろ地元から反対はあります。われわれ社会労働委員会からもこれを調査に行きまして、まあ地元の住民に対して公害を及ぼすようなことがあっては、住民に対して非常な圧迫を加えることになるから、これはいけないんだ。完全に公害は与えないということであれば、やっぱり過密、過疎の問題からいえば、そういうことはいいのじゃないかという結論を出して実は帰ったわけであります。それはだいぶ前の話でありますが、しかし、そういうことに対して非常に資本家側——関電に対しても積極性がない。ことに公害を防止するために、一方では東京のほうでは何十億という金をかけて、四十億だったか、六十億だったか知りませんが、金をかけて、そして亜硫酸ガスの防止の施策もしてやっているという報告も聞いているわけでありますが、そういう点で私は企業がもっと進んでこれと徹底的に取り組んで、住民に対しては一切迷惑を及ぼさないという立場から、もっとこの裏日本の開発というものを考えるべきではないか。そういうことからいって、私はこのりっぱな港湾があるのに対して、いろいろいままでから聞けば、これこれといって数を聞いてみればやられている。私がいろいろ調査報告をもらって見てみましても、ほとんどそれは利用されているということになります。けれども、これは実にその場限りのやり方であって、転々と変わっていくわけです。私は地図をもらって見ましてもそういう感じがするわけです。一つもそれが国家的に、あるいは中央のほうである意図のもとにこれを発展させようという気持ちでやられているかどうかを見ても、私は疑わざるを得ないわけです。ですからして、今度はまた確かに合板の設備もして団地もつくられようとして、またそこらは未利用の土地があるからそういうものを利用されようとする考えがあることは、非常にけっこうだと思うのでありますが、まず東港をとってみても、あのような適当なところでばらばらにやられている。それでまたそれが合理性がないために、あのままにおいたらどうしたって発展しないと思うんですよ。ぼくはあたりまえだと思うのです、やり方が悪いから。ぼくはそういうことから見ても、運輸省も、大蔵省も、あるいはまた防衛庁のほうもそこらのところをもう少ししっかりと煮詰めてもらって、そうしてこの利用をどういうふうにしていくかということを考えてもらいたい。特に私は舞鶴の軍港あたりをもう一ぺん軍港にするために、なるべく民間利用を押さえておいて、そうして軍港復活のための一つのあれにしようというふうな考えがあるかどうかということまで私は考えざるを得ない。それはうわさで聞いております。また、いろいろそこに基地的なものも考えられている。これはきょう私はそれに対しては触れようと思いません。触れようと思いませんけれども、まあこの次の機会には、私は一ぺんそういうことがあれば、もっと根本的にこの問題に対しては掘り下げて質問してみたいと思いますけれども、私はいまここの今日の段階では、どうかひとつこういうようなりっぱな港があるのだから、西港のほうではそれの倉庫をつくっています、あるいはまた材木を置く貯蔵場をつくってます、こんな消極的なことでどうして港というものを開発することができるのか。私はもっと運輸省あたりではこういうりっぱな、いままでは五万トン級の船が、どんどんと軍艦が入っておったのです、あそこには。ですからして、いま大型の船を入れようと思えば、少しの手を入れさえすれば十分大型船が入り得るじゃありませんか。だからして、あそこに入ってくるのは木材だけだという形にしないで、すべてのもっと、裏玄関としての、大きなことは、横浜港や、神戸港にせよとは私は申しませんけれども、少なくとも四日市港の程度までには、裏日本の玄関としてこれをつくるならば、私はいまの過密過疎の問題から、国全体の経済の問題から、あるいはまた物資の輸出入の問題から考えまして、私は裏にそうしたものをつくるべきじゃないか、こういうふうに考えておるわけです。そういう観点から、いままでの旧軍港の利用というあの法律のたてまえから考えても、これはここらのところで一ぺん十分な配慮をしてもらって、ひとつ考え直してもらいたい。これは一省あるいはまた一局でやられることじゃないと思いますが、これは最後には一ぺん総理大臣に対してもそういう考え方をただしてみたいと思いますけれども、きょうのところでは、こういう問題をひとつしっかりと踏んまえて、どういうふうにしようと思うのか、一ぺんそこらの考え方を、運輸省にしても、防衛庁にしてもひとつ考えてもらいたい。ことに防衛庁のいままでの考え方自身は、もうよいところどりで、あそこらのやり方を見ていると、実に無責任だと思うのです。少なくともいままの軍港のあとに海上自衛隊が何かをしようとするならば、もっと効率よくあるいはまとめてそれを使うなら使うことにして、あとの未利用のものは、この法律のたてまえに沿うようにして、地元の産業なりあるいはまた民間の利用のために窓口を広げるべきだと思います。特にそういう点について、一体舞鶴旧軍港のあと防衛庁としてはどう考えておるのか、これからどういう計画を持っておるのかという展望についても聞かしてもらいたいし、運輸省としてはどうするのだ、また未利用の土地について大蔵省としては積極的にどうするのだというようなことの何かを、一ぺんいまの考え方を聞かしていただくと同時に、今後ひとつ一ぺんどういうふうな形でこれをまとめて、私の言うような過密過疎の問題から、あそこを少なくとも一つの商業都市として、少なくとも裏玄関としてりっぱに発展をさすように力を入れるのか、入れないのか。こういうことをしなければ、私はいつまでたっても北側の過疎状態は解消はできない。たくさんの労働力はあるけれども、このごろは万博もありまして、みな太平洋ベルト地帯に追い出されておる。ひどいところになれば、家が分かれて、主人は長いこと出かせぎに行って、行ったままで、行くえ不明になって、残っておる子供と母親とが非常に路頭に迷っておる例がたくさんある。こういう無責任な状態が港湾付近にあるということは、いまの法律を実にうまく利用されておると、この法律がうまく実施されておると私は考えられないわけです。いま報告を受けておると、上ではえらいいいように見えますけれども、根本がはずれてしまっておるのじゃないかと、こういうふうに思いますので、一ぺん三省の考え方をひとつ伺っておきたい。
  148. 山上信重

    説明員(山上信重君) 舞鶴にあります海上自衛隊の施設につきましては、これは北の地域にございまする防衛庁の重要な施設といたしまして、私ども特に重視いたさなければならぬと思っておる次第でございます。しかしながら、これの今後のあり方等につきましては、もちろん転換法その他既存の法律の趣旨も十分わきまえておるつもりでございますので、今後港湾当局あるいは地元当局と十分調整して円滑にいくようにやってまいりたい、かように考えておる次第でございます。
  149. 見坊力男

    説明員(見坊力男君) お答えいたします。  裏日本の発展をはかられるべきは当然でございますが、さしあたり最近非常に木材がふえておりますので、木材港整備のために施設を進めておるわけでございます。将来の当方面の発展のために先行的に投資をし、計画的に進めるべきであるということは当然であろうと思います。
  150. 二木謙吾

    説明員二木謙吾君) ただいま太平洋方面に比べて日本海方面の開発が非常におくれておる、こういうお話がありましたが、私も同感であります。それでいま問題になっておる過疎対策、人口の減る県があり、また東京みたいにあるいはまた大阪、名古屋みたいに、その周辺に人口がどんどん集まっていく地帯もある。農村地帯のほうは人口が減る、こういう現象が起こっておる。これを転換をすべき時期に私は現在遭遇しておるのじゃないか。それであるから、今後はひとつ山村とかあるいは日本海の沿岸地方の開発に国が主力を注ぐ、こうあるべきである。そこにおいて初めて均衡のとれた国の発展があり、開発があると私は考えておるのであります。ことに舞鶴は、戦前は軍港として栄えておった町でございますし、また港も非常にりっぱなものがあるのでございまして、いま私のほうの次長も申しましたように、あるいは土地を貸与したりあるいは譲渡したりして、それぞれ開発をやっておるのでありますが、まだ余った未利用の土地も相当あるのでございまして、宅地に使っておったものが約六十五万平方メートルあるいは山林等が約三百八十九万平方メートル等もあるのであります。これはいまもお話がございましたが、まちまちにやるというようなことじゃ、私はやはり舞鶴市の発展にはならない。総合的にこの良好な港をどういうふうに開発していくか、どういうふうに利用していくかということをひとつ考えねば、将来はまたどうしても大陸貿易というものを私どもも考えておかなければならぬ。そうすれば、こういう港を最も利用するということが何よりである、かように考えるものございまして、総合的な開発計画を立ててこれからやっていかねばならぬ。それにはやはり舞鶴市というものがひとつ本気になってもらわなければならぬ。それでいままだ国有地もありますから、舞鶴市と私どもよく話し合いまして、あるいは産業の立地条件としてよいところはそこに工場を誘致する、あるいは港として利用のできるところは整備をして、港湾として利用する、こういうふうにひとつ総合的な対策を立て、開発をするということでなければならぬと、かように私は考えておるのでございまして、将来やはり裏日本の舞鶴は玄関として私は発展すべきものであり、また発展さすべきものであろうと、かように考えて、将来地元の市とも十分ひとつ連絡をとり、あなたもまた地元に関係があるのですから、地元の市長のしりを打ってもらって、ひとつ地元も計画を立て、ひとつ相談してもらうようにやってもらいたい、かように考えておる次第でございます。
  151. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 今度は逆にこちらがハッパをかけられたような形ですが、私はそういうことをいま議論したいとは思わないのです。これは舞鶴ばかりではありません、この日本全体でやっぱり国有財産が、国家が管理しているところの未利用の土地なんかについて、非常にたくさんあるわけでありますが、こういう問題はいままでこの委員会の中でもいろいろこれが問題になり、あるいはまたこれで取りざたされておったこともたくさんあります。国民の側から考えてみるならば、これはやはり国民が実際自分の手の届かないところでやられておるという感覚を私は持っていると思うんです。ことにまたこの軍港あたりのことなんかも、地元の住民そのものは、一体どうされていくのかということも知らないわけです。そういうままで置かれておって、そしてなかなかうまくいかぬ。ところが私は、いま質問して失望しているのは、防衛庁のほうから考えても、ああそれは法律にそうなっているからそれに力を入れてやりますという通り一ぺんの話じゃなくて、私は一ぺん防衛庁としては舞鶴のあの地区に対しては、将来の計画をどういうふうに持っているのだ——これはすぐここで聞こうと思っても無理でしょうから、一ぺんいままでの討議の中で防衛施設庁の中で考えられている舞鶴地区に対する将来の展望ということはどうかということを、私は資料として報告してもらいたい。どの程度までにどういうことが討議され、あるいはまた将来はどういうふうに考えておられるのか。海上自衛隊の基地としては何に利用されようとしているか、秘密に属さないものは一ぺん明らかにしておいてもらいたい。それから、あそこで使われておるところの部分は、一体計画としてはどういうふうにしていくんだ、ということを具体的に検討されているのか、されていないのか。されているとすればどうしていくんだ。あるいはまた将来の展望はこうするのだという、少なくとも住んでいる者があの港を見て、あるいは海上自衛隊がやっているところを見て、海上自衛隊はこれからこうされるのだなと思って考えられることのほうが、民生安定の上においても私は必要なことじゃないかと思うんです。率直に言って、舞鶴の住民のところへ行って聞くと、中には昔のように軍港があったときの景気のことを素朴に考えたりしている人があるわけなんです。私はそれは考え違いであって、平和利用して、平和利用の立場でもってこれをやっていくべきだと考えますけれども、平和利用でいくという展望が出ていないために、そういうようなところに逆コースをたどろうとする傾向さえあるというわけで、私はこれは国民に対する政府としての態度としては、非常に遺憾な点が多いと思うわけですね。少なくとも防衛庁あたりも、もっとここらあたりの問題に対してはどう考えているのだということを、ひとつ私のところだけでも一ぺん報告しておいてもらいたいと思います。  それからまた運輸省の話を聞きましても、木材をやっているんだ、あるいはまた大蔵省の次官のほうからでも、舞鶴の市長がしっかりしなければいかぬのだというお話なんですが、もう御存じのとおりに、なんぼしっかりしてさかさまになってみても、あの十万にも満たない市でもってどうすることもできないわけですよ。それよりももっと国がどうするのだという観点から、運輸省としてはあの港湾をどうするのだ、こうするのだという、もっと積極的なものを考えないで、市長が考えてくれなければ話が進まぬじゃないかと言っておったら、いつまでも進まない、それはやらないということにつながるわけなんです。ですから、いろいろこういうりっぱな性能を持つ港であれば、国として考えるべきだ。少なくともいま木材に使われておりますと言うが、木材を置くだけだったらあんな港は、実際もったいないと思うんですね。だから、ぼくはさっきことばが過ぎたかもしれないけれども、自衛隊は何にしようという目的もないために殺しておるのだというようなことに言及しているわけなんです。運輸省としては、もっと前向きの姿勢で国として施策を打ち出していくべきだ。あるいは法律で、重要港湾にすれば国が全部でも金を出せるわけなんですね。あの西港にしろ東港にしろ、もっともっと大きく港湾を利用した産業誘致ということができるようなものを与えていかなければならぬ。それから地元のほうではなるべく金の要らぬようなことも考えなければならぬし、非常にそこのところに隘路があるわけですから、むしろ国のほうが指導してやってもらいたい、こういうことをほんとうに心から思っておるわけなんです。ですから、私がここで特に最後にお願いをしておきますから、各省が連絡をとって、少なくとも閣議にまで持ち込んでもらうくらいにしてこの裏日本の、先ほど大蔵省の政務次官のほうからおっしゃいましたように、前向きにそれができるような施策をひとつ大きく打ち出してもらいたい、これを私は要望してきょうの質問はこれで終わっておきます。あと、港湾の旧軍港市の問題あるいはまたそのほかのアメリカ軍の各基地、あるいはまた自衛隊の基地という問題について、私はまだいろいろ資料をまとめてたくさん持ってきて、きょうはゆっくり質問するつもりでしたけれども、時間がありませんから、次の機会に、ひとつ委員長にもお願いしておいて時間を十分いただいて、私のいろいろお聞きしたいことを十分にひとつ明らかにしていただきたい、こういうふうに思って、きょうはこれで質問を終わります。
  152. 二木謙吾

    説明員二木謙吾君) いま私が申したのは、地元とやはり十分連絡をとってやらなければいけないと、こういうことなんでございます。
  153. 木村禧八郎

    委員長木村禧八郎君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  154. 木村禧八郎

    委員長木村禧八郎君) 速記を始めて。
  155. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 きょうは銀行局長忙しいそうですから、急いで短い時間でやりたいと思います。  私は大蔵省の銀行行政の姿勢について、特に最近、京阪神事件等が出ておりますので、国民も深い関心を払っておりますので、この際若干質問したいと思います。  まず、私は信用金庫の金融について質問をしたいと思います。特に「国民大衆のために金融の円滑を図り、」とその目的の中にもうたわれておりますように、信用金庫は大衆のために、あるいは中小企業のための金融機関であります。その金融の正常な運営というものが、日本国内の企業のほとんどを占めるいわゆる中小企業などに多大の影響を与えておることは、これは皆さんも御存じのとおりであります。きょうはここで二、三具体的に事例をあげまして、信用金庫の金融というものについてお伺いしたいと思います。  初めに、目黒信用金庫、御存じだと思いますが、目黒信用金庫が中橋工業及びそこの代表であります中川キクに対して行なった貸し付けについて、この会社は三十九年の九月に倒産したと聞いておりますが、その貸し付けの経過について説明をお願いしたいとともに、最終貸し付け金額は幾らになっておるか、これをお伺いしたいと思います。
  156. 澄田智

    説明員(澄田智君) ただいまお尋ねの目黒信用金庫から中橋工業並びにその代表者の中川キクに対する貸し出しでございますが、これは昭和三十九年八月当時に中橋工業に対しまして不動産の根抵当によって残高四千七百八十万ばかりの貸し出しをいたしておりましたが、そのころそれと別に当座の貸し越し、これは中橋工業からの受け取り手形を見合いにして当座の貸し越しをしたわけでありますが、それが発生しましてその額が急にふえてまいりまして四千五百万に達したので、その債権確保のためにその当座貸し越しというような形でなくて、これを貸し付け金に振りかえるという措置を九月にいたしたわけであります。そのために中橋工業並びに中川キクに対する貸し出しの合計額というものは、当時としては九千二百万程度になりましたが、現在におきましては七千三百万というようなことになっております。
  157. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 いまのあれですが、中橋工業と中川キク両方で幾らですか。
  158. 澄田智

    説明員(澄田智君) 三十九年九月当時におきましては九千二百八十万となるわけでありますが、現在は、それが表面的には七千五百六十八万ということになっております。それから、しかしこれには預金がございますので純債——純粋の債権としてとりますと、七千三百万、こういうような金額になっております。
  159. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 もう一回お伺いしますけれどもね、中橋工業と中川キク両方に分けて詳細にお願いいたします。
  160. 澄田智

    説明員(澄田智君) それは先ほど申しましたように、三十九年八月当時の根抵当による貸し付け四千七百八十二万というものが、これが中橋工業に対する貸し付けであります。それに対しまして、当座貸し越し分をその貸し付け金に振りかえたものが、これは三十九年九月でございますが、これが四千五百万、これは中川キクに対するものでございます。
  161. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 いまの四千五百万の貸し付けた日にちはいつですか。
  162. 澄田智

    説明員(澄田智君) 貸し付け金に振りかえました日にちは、三十九年九月四日でございます。
  163. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 それではお伺いしますけれども、信用金庫の金融限度額につきましてはもうすでに御承知のことと思いますが、業務方法書によりますと、金庫の出資金及び準備金の合計額の百分の二十をこえてはならない。それからまた、信用金庫業務方法書例によりますと、「一会員に対して行なう貸付、当座貸越及び手形の割引の合計金額の最高限度は、金庫の出資金及び準備金の合計額の百分の二十に相当する金額とする。」とこういうぐあいにありますが、目黒信用金庫の限度額について、年度別にこの事件当時の三十七、三十八、三十九、四十年、——四十年は倒産してありませんから、そこまで年度別にお願います。
  164. 澄田智

    説明員(澄田智君) 三十八年度末におきますその目黒信用金庫のただいまお話のありました資本金及び準備金、すなわち自己資本の二〇%相当額の限度額は、三十八年度末においては三千三百九十八万ということになります。それから、三十九年度末におきましては四千四百五十四万ということになります。四十年度末、これが五千八百三十一万……。
  165. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 はい、それでけっこうです。そうすると、この貸し付けは、その限度をこえた不正貸し付けということになりますけれども、それでよろしいですか。
  166. 澄田智

    説明員(澄田智君) 本件の貸し出しは中橋工業と中川キクというふうに二つに分けた形をとっておりますが、しかし、貸し出し自体は、実質的に同一人に対する貸し出しと当然見られる性質のものでありますので、これはその金庫の大口貸し出し制限の限度を超過するものと、そういうふうに考えられます。
  167. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 しからばこの目黒信用金庫に対する大蔵省の検査ですね、これはいつ行なわれたのですか。それでこの事件の、いわゆる昭和三十九年ですが、この前後の行なわれた検査の年月を明らかにしてもらいたいと思います。
  168. 澄田智

    説明員(澄田智君) 検査の時点でございますが、その目黒信金に対する検査は三十八年十一月にいたしております。それからその次の検査は四十一年の五月にいたしておるわけでございます。その間にその金庫からの月例の報告をとっておりまして、その報告におきまして本件の貸し出しを大口貸し出しとして認めまして、並びにその融資が倒産寸前の会社の融資というような不良融資ということで、きびしく監督上この目黒信金に対しまして、その点を厳重に監督し注意を与えております。
  169. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 そうすると三十八年十一月並びに四十一年五月の中間に不正貸し出しに気がついた、こういうわけですね。そうすると本件の不正貸し出し、いわゆるこの事実に気がついたのはどういうぐあいにして気がついたのか、そうして何年の何月に気がついたのか、これをお願いします。
  170. 澄田智

    説明員(澄田智君) 信用金庫は財務局で監督をいたしておりますが、この場合は関東財務局でございますが、関東財務局が毎月金庫から定例の報告書を提出さしております。そうしてそれによりまして預金やあるいは貸し出し金の動きに注意をしておるわけでありますが、本件貸し出しが、三十九年の九月にいまの中川キク名義の貸し出しというものが出てまいりました。そこでそれに対しまして報告書を見まして内容審査をいたしました。そうして金庫に説明を求め、その結果、これは同一人に対する貸し出しと認めらるべきものであるということが判明いたしまして、九月の報告でありますので、そういうふうなことに気がつきましたのは十月ごろだろうと思います。
  171. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 通常の業務報告で要するに不正に気がついたということですね。私はこの点は非常に一生懸命業務に精励されていると、このように思います。  そこでもう一つ突っ込んで聞きたいんですが、中川キクに対してこの信用金庫が最終四千五百万貸し出したのは、もう一回聞きますけれども何年何月何日ですか。
  172. 澄田智

    説明員(澄田智君) 先ほどから申し上げましたように、この当座貸し越しが実はありまして、これは当座の出はいりでございますが、当座の出はいりが貸し越しになったわけであります。そうしてこれは中橋工業ないし中川キクの受け取り手形というものを見合いとして当座で貸し越しをした、こういう形の貸し越しが行なわれました。その貸し越しの金額が四千五百万というふうにふくれ上がりましたので、これはそういった形の貸し越しというままに放置することは、債権確保の見地から問題でありますので、三十九年の九月四日にこれを貸し付け金に振りかえた。したがって貸し付け金としてはこの三十九年九月四日に貸し付けが起こされた、こういうふうな形になるわけでございます。
  173. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 そうするともう一回聞きますけれども、この中橋工業の倒産したのはいつですか。
  174. 澄田智

    説明員(澄田智君) ちょっとその日にちのほうはわかりませんが、同じ三十九年の九月でございます。——九月二十二日ということになっております。
  175. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 私は実際はいまの当座の四千五百万についても九月の二十五日ごろということを聞いていたわけです。倒産が二十二日、もう倒産してから実際のところ当座振替とか、いろんな業務が行なわれている、そういうふうな問題もありますし、また目黒信用金庫自身が、要するに貸し付け限度を超過した変な膨大な、乱脈な、むちゃくちゃな貸し出しをやっている。実際また中川氏に対するこういうふうな乱脈以外にも天下り人事、こういうような弊害というものが、実際に目黒信用金庫にも見られるのじゃないか、私はこういうぐあいに思うのです。現在こういうふうな、この間の京阪神土地の問題も同じでありますけれども、大蔵省と、いわゆるそういうふうな銀行とが癒着してしまって、まるきしほんとうの問題が表面に出されてこない。現実に目黒信用金庫にもそういうふうな金融関係の人が天下りして行っているという事実があるんじゃないですか。
  176. 澄田智

    説明員(澄田智君) 目黒信用金庫には、三十七年に大蔵省の銀行局の金融検査官をしておりましたものが、これがそちらに支配人という形で参りまして、三十九年に理事ということになっております。
  177. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 要するに、これ考えてみましても、ほんとうに現場の検査官がこういうぐあいに信用金庫に行っている。現実にべったりの中身もどうなっているかわかりませんけれども、こういうふうなことが現実に行なわれているということは、私はほんとうに遺憾だと思うのです。  これにちなんでもう一つ聞きたいのでありますが、すでにもういままでから何回も取り上げられましたので、私は簡単に聞きますけれども、ちょっと問題は変わりますけれども、京阪神土地に関連いたしまして、三井銀行から京阪神土地に対して融資が行なわれていますが、その概況について簡潔にお願いしたいと思います。
  178. 澄田智

    説明員(澄田智君) 三井銀行は京阪神土地に対しまして、当時の兵庫支店、現在の湊川支店から初めは預金取引をしたわけでありますが、その後貸し出しをいたしまして、時点によって貸し出し金は非常に変わっておりますが、三井銀行からの貸し出しは、四十一年九月当時で二十二億一千八百万、このころが一番多かった時期であります。その当時預金のほうは関連預金、山田が紹介をいたしました預金等を含めまして四十億ほどございます。これは四十一年の検査のときにすでに注意をいたしました。その後この内容が、預金がいわゆる導入的な預金というものであるということが逐次わかってまいりまして、四十二年に入ってからそういった点についても十分きびしく行政上これを注意をいたしまして、三井銀行のほうも整理をいたしてまいりました。現在貸し出し金が八億京阪神土地に対して残っている、こういう形になっております。
  179. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 いまの問題で、すでに二十二億一千八百万というような金額が貸し出されている。しかも四十一年の検査でいろいろこういうふうな問題についてわかった、それで注意をしたわけですね。その大蔵省からの注意した内容、示達書というものを出したそうでありますけれども、並びにそれに関する内容について説明をお願いしたいと思います。
  180. 澄田智

    説明員(澄田智君) 四十一年の十月に検査をいたしておりますが、その検査の当時におきましては、山田関係の貸し出しは土地の購入、宅地造成資金、こういうことであったわけですが、その京阪神土地が資本金が小さく、財務状況も不明であるので、この貸し出しが預金につられて、そうして十分な内容の調査なしに安易に貸し出されている。こういうふうな貸し出しであるというふうに見まして、そうして融資の態度として適正を欠くものであるということで、これを特に指摘をいたしまして注意をいたしました。ただ、その当時は預金の内容のほうについてはよくわかっておりません。山田の紹介預金ということであったわけでありまして、そういう大きな紹介預金が非常にあるので貸し出しのほうがルーズに行なわれておるということにつきまして、検査の際にその点を指摘いたしました。示達書においてもそれをはっきり指摘をいたしまして、その貸し出し管理等について厳重に行なうようにという、きびしい注意を与えたわけでございます。
  181. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 結局あれでしょう。当時二十三億円近くの融資が行なわれた。これに対して非常に示達書等で注意をしたけれども、現実には導入預金ということはそのときにはわからなかったと言っておりますけれども、先ほどから、たとえば信用金庫の問題は、ほんの小さな問題でも日常のいわゆる報告でこれはおかしいということがすぐわかった。ところが、この大きな銀行はひとつもわかりやしない。そんなばかな話はないと私は思うのです。実際上大きな銀行で四十億を借りている。一千万です、資本金は。そんなばかな話は私はないと思う。銀行法の第二十三条にはどう書いてあるか知っていますか、あなた。二十三条には法令違反、公益侵害等に対する処分、これについてちゃんとあなた方は権限を与えられているのです。こういうことについては、いいかげんにやっているというのは、私はほんとうにおかしいと思う。こういうような問題が出ましてからそれ以後どういうふうな処置をし、かつ銀行に対してどういうふうな注意をあなたは与えたんですか。
  182. 澄田智

    説明員(澄田智君) ただいまの御指摘でございますが、預金につきましては、当時の山田の紹介預金もいろいろな形をとっておりまして、名義もいろいろございました。したがって、どれが山田の件であるということが、検査だけではなかなかわからないわけでございます。そういうようなこともございますし、それから導入預金というのは、金銭上の利益を得る目的をもって預金を担保とするのでなしに、貸し出しの約束を第三者にしてそうしてその預金を預ける。こういう形でありまして、しかもこの場合の導入預金は、金融機関は、全然そこを通らないで特利が裏で払われた、こういう形態をとっておりまして、したがって、検査ではそこまではわかっておらなかったわけでございますが、翌年になりまして預金を預けたほうの農業協同組合等の検査、これは大阪府でやりました検査等で、そちらのほうの預金を入れたほうの検査で特利預金があるということがわかってまいりまして、そうしてその件を調べておりましたら、これは山田のものと同じものである、こういうことになってまいったわけでございます。それからさきの検査、福徳相互銀行とか近畿相互銀行とかあるいは協和銀行であるとかいったような検査の際には、厳重に預金並びに貸し出し両方について分類をいたしまして、管理について厳重な注意を与えて、その後の処理状況の報告をさせるということで、常時注意をしてまいってきておるわけであります。その後京阪神土地問題が表に出てまいりまして、問題が刑事事件というような形で発展をしてまいったわけでございます。こういった預金の受け入れ並びに貸し出しに対する金融機関側の責任、管理態勢というようなものにつきましては、最終的には刑事問題ではっきりいたしましたときにおきまして、銀行側の責任について明白にこれをはっきりさせるべきものであると、かような状態で、その間においては厳重に注意をしつつ、その貸し金、預金の処理というものを監督をしていると、こういう状況でございます。
  183. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 時間がありませんから次にいきますけどね、実際は私は当局自体がほんとうに大銀行にべったりだということを言いたい。たとえば、具体的に言いますけどね、八月の二十七日に文教委員会が開かれました。その文教委員会の席上であなたはどう言ったんですか。局長さんね、あなたはわが公明党の黒柳委員の質問に対して、鈴木財団、いわゆる沢本一派の融資の問題について公明党の黒柳委員が質問しました。あのときに大林組が六億四千四百六十六万円という融資をしている、その実際の担保が実際には三億か四億ぐらいしかない。まあ三井信託銀行の評価ですと、何ぼか六億ぐらいらしいですけどね、そのときの態度自体考えてみても、ほんとうに私はおかしいと思う。あのときの問題をもう一回、いわゆるどこの土地で何坪で、現在評価が幾らか、もう一回お願いします。
  184. 澄田智

    説明員(澄田智君) 鈴木学術財団に対する三井銀行の貸し付け、これが現在残高は七千四百六十万ということになっておりますが、これに対します担保といたしましては、伊豆の熱川の土地四万七千七百六十一坪という土地を担保にとっております。これに対する評価につきましては、三井信託、これは非常に固めに評価をさせておりますが、この評価で六億一千六百万ということになっております。そのほかに東急不動産にも評価させておりますが、これは七億一千二百万というような評価になっております。そのほかになお追加をして担保を同じ熱川と熱海にその後とりまして、これの評価等も合わせまして、一応現在の評価額では担保物件として六億八千七百万、これが三井信託の評価でございます。それから東急不動産の評価によりますと七億六千五百万と、こういうような評価になっております。一億足らず評価額が違います。三井信託の評価は固めのものであるというなことにっておりますが、これに対して先順位の担保として大林組等に六億三千七百万というようなものがございます。したがいまして担保余力としては五千万ないし一億という程度の担保余力があるわけでございます。したがいまして七千八百万の貸し付けに対して担保余力が五千万ないし一億というところでありますので、全額が完全に担保によって確保されているかどうかということについては、必ずしもそういうふうには言い切れないものがございますが、したがってこの貸し付けに対しましても検査上もこれは分類資産として分類をいたしまして、厳重に債権管理並びに回収につとめるように三井銀行に対しては指導監督をいたしております。
  185. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 いまの問題ですけどね、要するに評価額の何割がいわゆる適当と考えているんですか局長は。
  186. 澄田智

    説明員(澄田智君) これは金融機関が、それぞれその貸し出しに対しまして、担保につきまして評価額一ぱいをとる場合あるいはそれに対してあるかけ目をかける場合、いろいろあるわけで、これについてはどれが適当というようなことは、なかなかきめられない問題でございます。それぞれの担保の処分の可能性とかそのいつ流動化されるかというような問題もございますし、その点については幾らであるというようなことは、私どものほうから申してはおりません。
  187. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 あなたね、この間の文教委員会では六割か七割ということを言ったでしょう。その七割という点から考えてみても、実際上はこれは全然担保になりやしないのです。熱海の土地がある……この間ちょっとごまかしましたけれども、熱海の土地の評価額は二千万でしょう。合計したって六億ちょっとしかならない。大林組はほかにあるとかなんとか言っていますけれども、ほんとうはそんなものではないと思う。なぜ銀行局長が三井銀行を擁護するような発言をしなくちゃいけないか。そこら辺の姿勢がまるっきしおかしいと私は思う。ほんとに本気になって、要するに銀行行政を正していくためには、小さい銀行であろうと大きい銀行であろうと、きちっと正していくのが当然であろうと私は思う。ところがそういう点がほんとうに私はずっと一連の答弁を見てみましても、ほんとうに三井銀行なりそういうところに対しては一生懸命になって擁護しておる。ほんとうは注意をし、きちっとやるべきそういう点がほんとうに遺憾だと思う。きょうは時間がありませんから、この程度で終わりますけれども、いずれにしましても、京阪神土地の問題にいたしましても、先般から私は現実に現場にも行き、またいろいろな人にも会ってまいりましたけれども、まるっきし今回の問題は解決していない。一部の代議士がつかまったけれども、あれは一つも解決したうちに入りはしない。ことに二十三億というお金を、山田という一人の人間に貸し出した。ほんとうに神戸ではまるっきし信用のない男なんです。そういう点から考えてもまるっきしおかしい。私はそれ以外にもまたほんとうにこういうような代議士とまた銀行局の役人と、実際にいろいろなところで会食をしたとかいろいろなうわさも現実にはあるわけです。現場の人はどんどん言っているわけです。そういうようなところから考えても、私はほんとうに遺憾だと思う。これで終わりますけれども、銀行局長の最後のあれと、それからきょうは政務次官、お見えになっておりますから、なお最後に考えをお願いしたいと思います。以上で終わります。
  188. 澄田智

    説明員(澄田智君) ただいまの点でございますが、私ども決していたずらに金融機関を擁護するというような態度で銀行行政に臨んだり、あるいは国会で御質問にお答えしたりは決していたしておりません。その点は私ども金融行政をあずかる者といたしまして、公正な態度で、ことに金融機関の態度につきましては、その金融機関というものの使命にもかんがみまして、厳重に私どもも注意をするとともに、金融機関が公共的な使命に徹するようにことに触れ指導をいたしておるつもりであります。そういうような世上いろいろなことが伝えられたりすることがありますが、それから金融機関の態度にも、ときとしていろいろ問題があることは御指摘のとおりでございます。そういう点につきましては、検査及び行政のあらゆる機会を通じて、私どもは金融機関の姿勢を正すということに最も努力をいたしておるつもりでございます。以上、お答え申し上げます。
  189. 二木謙吾

    説明員二木謙吾君) 銀行は、御承知のとおり非常な公共性の強いものでございますので、大蔵省としては厳重に監督をしなければならない、かように考えて、ことに銀行の大小によって手心を加えるなんということは絶対にあり得ないことであり、あってはならぬことであると私は考えております。御趣旨のことをよく十分そんたくをして、監督については十分今後も気をつける所存でございます。
  190. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 終わります。
  191. 木村禧八郎

    委員長木村禧八郎君) 速記をとめてください。    〔速記中止〕
  192. 木村禧八郎

    委員長木村禧八郎君) 速記をつけて。
  193. 矢山有作

    ○矢山有作君 きょう私のほうは通産大臣なり外務大臣出席をお願いしておったわけですが、これから私が聞こうとする問題は、当時の外務大臣が椎名さんであり、通産大臣がたしか三木さんだったので、二人の方に来ていただけば一番よくわかると思うのですが、おいでになりませんので、残念ながらおられないままでひとつ質問させていただきたいと思います。  私がまずお尋ねしたいと思いますのは、わが国の海外経済協力が先般——昨年の十二月の予算委員会で私が聞いたところによりますと、政府の発表の数字で三十八年度に二億六千万、三十九年度が二億九千万、四十年度が四億八千万、四十一年度が五億三千万、こういうふうに急速に増大しておるわけです。したがって、海外経済協力というものがわが国の政治の上で占める比重というものが大きくなってきておるということはこれで明らかですが、この傾向というのは、国連貿易開発会議の勧告目標実現のために、国民所得の一%水準まで援助を増大するという公約との関係もありまして、今後急テンポで拡大されていくと思います。したがって、ますますこれが政治の上では重要性が出てくると思うわけで、したがって、この経済協力というものが公正にしかも効率的に行なわれるということが要請されることはもちろんであると思います。そこで、そのためには、私は過去の経済協力実績の反省の上に立って将来の方向づけがなされなければならぬと、こういうふうに思います。そうした立場で、先ほど申しましたように、昨年十二月の予算委員会でわが国の過去の経済協力実績とその効果、また経済協力の進め方、これが妥当であったかどうかということについて、具体的な例として台湾における曾文ダムの問題あるいはインドネシアに対する賠償の問題を取り上げて政府の見解をただしました。しかし、時間の制約がありまして十分明らかにするに至っておりませんので、本日この問題で引き続いてお尋ねしたいと思います。  そこで、まず最初にお伺いしたいのは、私どもしろうとでございますから、借款供与が決定されるに至るまでの一般的な基準、これをひとつわかりやすくお教えを願いたいと思います。
  194. 上田常光

    説明員(上田常光君) 借款供与がきまりますまでには、個々の国の例によって紆余曲析いろいろございます。しかし、現在までのところはほとんどと申しましてよろしいのでございますが、先方の政府から要請がまずございます。先方の政府の要請を受けまして——これは窓口はもちろん外務省でございます、外務省が要請を受けまして、外交的見地その他から判断もちろん加えますが、同時に国内的に大蔵その他関係各省と相談をいたします。そういたしまして大体の方針をきめるわけでございます。それで普通は交換公文が行なわれるのでございますが、この交換公文はいわば政府の意図を表明するものでございまして、具体的な借款協定そのものと申しますと、あるいは基金と相手国の政府もしくは輸銀と相手国の政府との間で協定が結ばれて、その協定に基づいて具体的な権利義務が発生するという形をとっております。
  195. 矢山有作

    ○矢山有作君 四十年の四月の二十六日に台湾に対して曽文ダムの四千四百万ドルを含めた一億五千万ドルの円借款を供与する調印が台北で行なわれております。その間の経緯をできるだけ詳細に御説明願いたいと思います。
  196. 上田常光

    説明員(上田常光君) 中華民国政府は、一九六五年すなわち昭和四十年から開始されました第四次四カ年計画を実施いたしますために、同年の二月末に張継正経済部次長及び陶聲洋国際経済合作発展委員会の祕書長及び韋永寧同委員会第一処処長が日本に参りまして、日本政府に対してその四カ年計画内容説明いたしますとともに、右の主要開発計画について、総額一億五千万ドルの借款要請を行なったのでございます。  これを受けましてわがほうの政府部内で検討いたしました結果、その年の四月二十六日に次の長期計画に対して輸出入銀行及び経済協力基金から合計一億五千万ドルの借款を五年にわたって供与するということで、双方の間に合意を見たのでございます。  その費目はよろしゅうございますか。
  197. 矢山有作

    ○矢山有作君 費目はよろしい。  いまの経緯の説明、私のほうでいただいておりますので大体のことはわかります。台湾政府の経済部次長の張継正と国際経済合作委員会の秘書長の陶聲洋その他の方が四十年の二月二十三日に来られて、そうして二十四日に初めて借款交渉に入り、数日で交渉が終わり、そうして日本側は三月に外務省の担当官——私はこれは岡田経済協力課長だと聞いておりますが、この方が台湾に出かけていって交渉を重ねております。そうして四月の二十六日には交渉が妥結し、調印をやっております。  その間の事情を見ると、すこぶるスムーズに迅速にうまく運ばれたわけですが、私ども考えますのは、金額はいままでに例のない一億五千万ドルという巨額であります。しかも対象プロジェクトの数は、台湾側提出の十八件というものはそのまま全部認められております。この事務の進行ぐあいというものは、さっき言ったようにきわめて迅速にいっているわけですが、私はそこでどうもいままでの外部省の事務進行の度合いから考えると、これは何か事前にそうしたことについての大ワクの折衝が進んでおり、もう大体話はできてしまっておったのじゃないかと、こういう印象を受けているのですが、その点はどうでしょう。
  198. 上田常光

    説明員(上田常光君) 矢山先生にまことに申しわけないのでございますが、私当時まだ局長をしておりませんでしたし、本日直接その御質問を受けたので、過去のそこまでの経緯のことは、いまここですぐお答えするだけ承知しておりませんが、一般的に申しますと、こういう協定ができます場合には、これは前からいろいろ内々の話があって、それから向こうから代表が来て話をつける。したがって、その滞日期間その他正式の交渉が開始されてからできるまでの期間をとりますと短いということもございますし、あるいはそれほど前もって打ち合わせがなくて話が始まるということもございますので、この場合にはたして事前にどの程度の内々の打診が行なわれていたかどうかということを、いまここでまことに恐縮でございますけれども、お答えするだけ存じておりませんのでございます。
  199. 矢山有作

    ○矢山有作君 よくわからない人を相手に質問するのですから、質問もすこぶるやりにくいんですが、この一億五千万ドル借款が行なわれた前後の日台間の状況というものを私は考えてみたいと思います。御承知のように三十八年に長崎で国旗事件が起こっております。それから続いて三十八年の末には周鴻慶の事件が起こっております。これで国府の対日態度はきわめて硬化した、このことは御承知のとおりです。わが国との外交関係が緊迫した。そこで、その情勢打開のためにということだろうと思うのですが、三十九年の二月二十三日に吉田茂元総理が台湾訪問をしております。それに引き続いて三月には外務政務次官の毛利松平氏の台湾訪問がありました。五月三十日に例の悪名高い吉田書簡が出ております。この一億五千万ドルの借款は、吉田茂さんの台湾訪問あるいは吉田書簡と関連があるのではないかと私は思っているわけです。先ほども、内々の話が事前に行なわれておる場合には借款交渉もスムーズにいって調印がわりあい早くいくのだ、というふうな意味のお話があったと思うのですが、私は、これだけ膨大な円借款がきわめて急速に、何らの、何というのですかごたごたもなしにすっと済んでしまったというこのかぎを解く唯一の問題はそこら辺にあるのじゃないかと、こう思っておるのですが、吉田茂氏の台湾訪問あるいは吉田書簡との関連は、これはどうでしょう。
  200. 藏内修治

    説明員(藏内修治君) 何となくそういうぐあいにその当時の状況を羅列なさいまして御説明がございますと、そういうような雰囲気も感ぜられないではございませんけれども、直接の関連はないと私どもは信じております。
  201. 矢山有作

    ○矢山有作君 雰囲気として感ぜられるとおっしゃったのですから、私はその辺の関連の疑惑というものはきわめて濃厚になったと思いますが、四十年の二月十三日の国内の新聞を見ますというと、すでにその時点で一億五千万ドルの借款の交渉ということが、もう内々できまったという記事が出ております。この新聞記事は私はここに持っております。さらに三十九年の八月に張群氏が来日をしております。そのときに吉田茂氏を通じて、この一億五千万ドルの借款の打診を政府にしたという記事もここに出ております。そうして三十九年の十二月に、日華協力委員会の共同コミュニケの中にもそのことが盛られておる、こういうふうに新聞は報道しておるわけです。そうすると私は、この一億五千万ドルという膨大な借款は、吉田さんの訪台あるいは吉田書簡と密接不可分の関係においてこれが実現したのではないか、ですからきわめてこのばく大な借款というものがスムーズに急速に調印にまでいったのではないかと、こう思うのですが、重ねて御見解を伺います。
  202. 藏内修治

    説明員(藏内修治君) いろいろとその時点には、日台間の人間の交流があったとは存じます。しかし、いずれにいたしましても、それらの目的といたしますところは、日台関係をより友好親善の関係に保つという意図から発しておるものだと私どもは思っております。
  203. 矢山有作

    ○矢山有作君 この吉田さんの訪問なり吉田書簡とこの借款とが密接なる関係があるというのは、私はただ単に新聞の報道だけで申し上げておるのではありません。私が直接関係者から聞き取りをしたところでもそういうことがいわれております。そこで、私どもはこの際お願いしたいのは、いろいろと問題になっておる吉田書簡というものの内容を、もうこの辺で明らかにしてもらえないかということです。吉田書簡の中に中国に対する輸出に輸銀を使わぬということだけが記入されておったのか、あるいはまたこの一億五千万ドルの借款のことも記入されておったのか、一体何が約束されておったのかということをこの辺で明らかにする必要があるのではないかと、こう思うのですが、吉田書簡の内容を公表されるというお気持ちはありませんか。
  204. 藏内修治

    説明員(藏内修治君) 吉田書簡につきましては、総理、通産大臣、外務大臣、それぞれ何回か国会を通じまして御答弁を申し上げておると思いますが、いずれにしても私信の形をとっておるものでございまして、外務省においてその内容をただいま承知いたしておりません。
  205. 矢山有作

    ○矢山有作君 その私信である吉田書簡が、日本の外交に対してきわめて重大なる影響を持っておるわけでしょう。この吉田書簡というものが、日本の外交に対して何らの影響を及ぼしておらないなら私どもは問題にしないわけです。ところが、この吉田書簡が現実に日本の、日台あるいは日中の友好に非常に大きな影響を及ぼしておるのです。したがってわれわれは、もうこの吉田書簡の内容というものを、私信であるから発表ができないということでは片づけられない。私信ではあるかもしれないけれども、公的に日本の外交を拘束しておる書簡である、したがって私は発表してもらいたい、こう言うのですが、その点はどうですか。
  206. 藏内修治

    説明員(藏内修治君) この吉田書簡の問題につきましては、いまの政府部内におきましても、皆さん御承知のとおり運輸大臣の発言等によりまして、この吉田書簡は吉田さんがなくなりましたときと同時にもうこれもお墓に入れてしまったほうがいいのではないか、要するに廃棄してしまったほうがいいのではないかという意見が閣議で出されたことは御承知のとおりであります。そういう問題でございまして、これは政府として最高レベルで検討すべき問題でございまして、この閣議の決定ができましたならば、もちろん私どもは異存なくその方針に従うつもりでおります。
  207. 矢山有作

    ○矢山有作君 おっしゃるとおり、私は、吉田さんが死んだのですから、もうこのような吉田書簡というような私信は墓の中に早く入れてもらいたいのです、こんなものは。こんなものが残っておるから、われわれの目から見るならば、台湾が不当であると思われるような内政干渉的なことまで日本の外交に対してやってきておる。そんなことをわれわれは許すことができない。ましてあなた方は、わが国は独立国だとして声を大にして叫ぶのですから、その独立国の体面上からも、死んだ人の一私人の書簡が道具になって台湾から日本の外交に関して干渉されるということのないよう、ぜひとも私は御努力願いたいと思います。  次に質問を移しますが、四十一年の十二月の二十四日に台湾における報道の中で、曾文ダム設計請負をめぐる醜い争奪戦と題した新聞記事が、長文のものが出ております。これを私は翻訳をしてもらいました。その要旨を大体かいつまんで申し上げていきたいと思うのです。というのは、それを申し上げることが、まず曾文ダムをめぐる事件の全貌というものを大体示すことになりますから、そしてそのあとでこの記事が決してでたらめな記事でないということを、私の手で収集をいたしました台湾政府の監察院なり、あるいは立法院の議事録あるいは関係者のことば等によって、私はできるだけ明らかに証明をしてまいりたいと思います。  その報道には、こういうことをいっておるわけです。四十年の四月に、曾文水庫四千四百万ドルを含む一億五千万ドルの対日借款が決定した。それは円借款という性格上、曾文水庫の設計も日本側に依存しなければならず、日本の外務省はそのコンサルタントとして電発と日本工営の二社を推薦した。台湾側はそれを一社にしぼることを強く要請したが、日本側はその国内事情から一社にしぼれず、その選択権をわが国に押しつけてきた。かくて電発と工営の間でこの設計請負をめぐっての醜い争奪戦が繰り広げらる。電発は、日華協力委員会の日本側代表であり、日本商工会議所会頭足立正の推薦状を某高官に届ける。しかし、時すでにおそく、フィリピンのマルコス大統領の就任式典に日本側特使として出席していた岸信介は、同じくマニラにあったわが国の特使張群に工営と彼との特殊関係説明し、請負契約の余剰利益は自民党に政治献金されることを暗にほのめかし、設計は工営に決定するよう配慮を求めた。岸信介は佐藤総理の令兄であり、また自民党の実力者である。また、わが国の上層部ともきわめて深い関係にあり、勝負はおのずから明らかであった。かくて、四十一年二月に工営が設計業者として正式に内定した。ところが、その後、電発の設計の概算見積もりは二百五十万ドル、工営は現地通貨払いも加えると五百七十五万ドルと、あまりにも懸隔があることが判明し、が然七月に入ると、監察院、立法院の両院で大問題となった。ここで行政院院長嚴家淦は、工営への決定を取り消し、九月、電発を招請して工営、電発双方の意見を再度聞くことに決定した。岸信介はこの間の消息をいち早く察知し、外務、通産両省に圧力をかけ、電発の請負参加を辞退させるに至った。また、その一方、ちょうど蒋介石総統の八十歳誕生祝典が台北で開かれ、それに出席した岸信介は、近く行なわれる総選挙の資金も工営に負うところ大なるゆえんを説き、中国の利益のためにも工営を再度決定することを慫慂した。というのは、ちょうどそのころ国連では、イタリア等六カ国から二つの中国案が提出され、台湾としては国家の命運をかけた大問題であった。かくて十二月四日、設計請負は工営に再度内定した。しかし、その価格は電発並みに押えられた。おおむね以上のような内容である。  もちろん岸信介さんの名前はなまのままで随所に書かれております。私は、自民党に政治献金云々の点は知りません。その他の事実は、私の先ほど言いました立法院や監察院の議事録、あるいはその他関係者の聞き取りから符合するところがあまりにも多いわけです。私は一例としてこの記事を読んだんですが、こうしたことをその当時、私は外務省において全然お知りにならなかったことはないと思うわけですが、一体これを、この記事をいま御存じなかったとするならば、私が申し上げたのをお聞きになって、一体どう思われますか。
  208. 藏内修治

    説明員(藏内修治君) いま矢山委員がお読みになりましたのは、これは中国の新聞であろうかと存じますが……。
  209. 矢山有作

    ○矢山有作君 台湾です。
  210. 藏内修治

    説明員(藏内修治君) ええ、台湾。この新聞は外務省のほうでは入手しておらないそうでございます。しかしながらこの電発並びに日本工営の二社がそれぞれ台湾政府側に対しまして設計請負を要請いたしまして、台湾政府を困惑させた、以下、そして台湾政府が一社にしぼってくれという要請があり、さらに日本政府としては二社を推薦するからそのいずれをとっていただいても日本政府としては異存はないという旨の回答をした。その経緯は私どもの外務省といたしましては承知をいたしておるところでございます。
  211. 矢山有作

    ○矢山有作君 私は、この新聞記事を御存じないとおっしゃるのですが、台湾には日本の現地公館があるはずです。台湾自体でこれだけ膨大な借款が問題になっておるのに、一体現地公館は何をしておったのかということです。私はこれをただ単なる新聞報道だということで、もし現地公館が葬ってしまって、外務省当局に連絡しておらなかったとするならば、私はきわめて怠慢だと思います。なぜかというなら、台湾の状況というのをお考えください。一九四九年以来戒厳令がしかれているのです。日本の国会に当たる立法院、監察院、国民大会、この三つの議会は四八年以来一回も改選されておりません。徹底した翼賛議会。またがってのわが国の治安維持法以上のきびしい法律が施行されております。そして政治を批判する者や思想犯は遠慮会釈なく軍事法廷にかけられる。その実態は御存じだと思います。また先ほど強制送還で問題になった陳、あるいは柳の経緯というものも外務省当局は御存じだろうと思います。また台湾で有名な事件があります。それは雷震事件と言われているのですが、これは数年前まで政府にいろいろと直言することで名を売っておった「自由中国」という雑誌がある。その「自由中国」の社主の雷震がとっつかまって軍事法廷にかけられて、いま十年の刑に服している。このようなきびしい統制のもとにある台湾で、こうした記事が堂々と報道されるのです。そうするならば、そういう状況の中から現地公館としてはそうした問題が出たならば直ちに私はこれに注目をして、その実情調査をし、そして外務省に連絡をすべきではないかと思うのですが、その点どうでしょう。
  212. 藏内修治

    説明員(藏内修治君) 御指摘のとおり台湾にありまする日本の大使館からもいろいろな新聞は送付をいたしてきております。この曾文渓関係につきましては、聯合報の記事についてはこれは外務省にも送付をいたしておりまして承知をいたしておりましたが、いま矢山委員の御指摘になりました新聞は、どういう関係か、入ってきておりません。この点は手落ちといえば手落ちであることを認めざるを得ないと思います。
  213. 矢山有作

    ○矢山有作君 それでは、聯合報等が入っておれば、聯合報等にもこの問題は私がいま言ったほど詳しくは報道されておりませんが、取り上げられておったはずですが、そうするならば、私は当然立法院や監察院の論議の模様というものを現地の公館の人は十分に調査して、それをこちらに連絡するのが当然だと思うのです。それは当然なされていると思うから、昨年十二月に御質問申し上げたときに、それらの資料を元にして、どういった状態であったということを調べて御報告を願いたい。こういうことを申し上げておったのですが、調べておられますか。
  214. 藏内修治

    説明員(藏内修治君) ただいまの監察院の議事録を外務省におきましてもこれを日本側に頒布していただけるように台湾の大使館を通じまして請求をいたしましたが、これは向こうから拒否されて、いまだに入手ができていない。こういうのが実情でございます。
  215. 矢山有作

    ○矢山有作君 持っておられなければしかたがないから私が一部持っていて、それを翻訳しておりますから、それに基づいてあとからお尋ねをいたします。私は、政府の首班である総理国会で約束をしたのですから、したがって議事録それ自体が入手できたかできなかったかということは別として、その当時の現地公館というのはやはり傍聴などをして、その実態をある程度知っておったはずだと思うんです。その当時の公使は中田さんのはずです。中田さんは、その監察院の傍聴には行っておったということは確実です。その中田さんから何らかの報告があったでしょう。もしなかったとするならば、これは怠慢のそしりを免れない。それがあったのに握りつぶしてしまって、それが外務省内で全然問題になっておらなかったとするならば、これまた怠慢のそしりを免れないと思うんですがね。
  216. 藏内修治

    説明員(藏内修治君) 御承知のとおり、各大使館からの木国政府の外務省に対する報告は、すべて大使の名をもってこちらに連絡をしてまいります。したがいまして、中田公使の名前をもって連絡はいたしてきておりません。すべてこちらに入れましたむこうからの電報は、大使の名前でございます。そういうことでございまして、一応経過そのものは大使館においても把握をいたしまして、刻々に本国に連絡をしてきておりますが、中田公使が監察院の議事を傍聴をして、それをどう報告してきたかという点は、現在までのところ、外務省においてはこの記録はございません。
  217. 矢山有作

    ○矢山有作君 正式の報告は、大使からなされると思うのです。しかし、その報告をするのには、大使のもとで仕事をするいろいろな人が情報を収集して、それをまとめたものを報告されるはずでしょう。私が聞いておるのは、その当時西山経済協力局長ですか、その人のほうに報告をしておるやに聞いておるのです。外務省当局に報告したか云々ということは別にして、いま政務次官のほうからその当時のことは報告がされてきておるということですから、その報告というのは一体どういう報告があったんでしょうか。
  218. 藏内修治

    説明員(藏内修治君) 当時の時点をひとつ御指摘を願いまして、当時入りました台湾の大使館からの報告を、後刻全部そろえまして御報告を申し上げたいと思います。現在直ちにいまはたしてどのようなものがありましたか、全部これを集計、ここに収集いたしておりませんので、のちほど報告をさせていただきます。
  219. 矢山有作

    ○矢山有作君 台湾の監察院なり、立法院で、この問題が表面化したのが、四十一年の六、七月ごろからですから、何回もそれ以来立法院や監察院で論議をされております。だからその当時の状況が、もし現地公館から入っておるならば、のちほどそれを資料として、どういう報告が入ったということを、外交上の問題ですからどうしても発表できない点も、あるいはあるかとも思いますが、しかし、事こうした借款に関連する問題ですから、国会で発表して悪いほどの極秘の情報というものは、私はないと判断をしますので、できるだけ詳細にこれを提出を願いたいと思いますが、提出願えますか。
  220. 藏内修治

    説明員(藏内修治君) さようにいたします。
  221. 矢山有作

    ○矢山有作君 それでは、次の質問に移らしていただきます。  曾文溪ダムの設計コンサルタントとして工営と電発の二社を台湾に推薦したということは、いま答弁でおっしゃったのですが、その三社を推薦したいきさつというのは、どういうところから二社を選んで御推薦になったわけですか。
  222. 上田常光

    説明員(上田常光君) これは台湾側のほうから電発と工営と両方のうちどちらか日本で選んでくれと、先方から言ってまいりました。
  223. 矢山有作

    ○矢山有作君 そこが私の調査とちょっと違うのですが、私のほうが調査しておるところでは、四十年の二月に借款交渉が始まった、その前後だと思います。おそらくその直後だと思うのですが、この二社をどちらにしたらというようなことを外務省のほうから私は言っておると思うのですが、それはこまかい点ですから、それはどちらでもよござんす。  次にお伺いしたいのは、曾文溪ダムの規模というのは御存じだと思うのですが、高さがたしか百三十九メートル、巨大なこれはダムです。しかも、最新工法のロックフィルダム、これをやるのには私は、よほどの経験を積んだコンサルタントを選ばぬとぐあいが悪いと思うのですが、そこで参考のためにお伺いしたいのですが、工営、電発のこの四十年当時のロックフィルダムをやった実績、それは高さが百メートルをこすものがあれば、それを名称ともあわせ知らしていただきたいのですが、これは事務局でわかるでしょう。
  224. 藏内修治

    説明員(藏内修治君) 外務省におきましては、このような大ダムを建設する能力、機能を持っております建設会社が、あるいは設計会社がどういうものがあるか、これは把握いたしにくいかと思いますので、ちょっとお答えを申しかねるところでございます。
  225. 矢山有作

    ○矢山有作君 それは政務次官、おかしいですな。こういう大きな借款をやるときに、こちらからすすめたにしても、先方から要請をされたにしても、コンサルタントを推薦する以上、私は外務省単独ではわからぬと思います。しかしやはり、それは政府としては一体ですから、一体どれを推薦したのがいいのだろうかということで、それぞれ御協議があったと思うのです。外務省はわからぬからほったらかしておる——現実に外務省から推薦をされておるのですから、だから推薦するのにはそれぞれ工営なり電発というものがいままでどういう実績を持っておるか、それを知っている建設省なりがそれをちゃんと調べてやっておられるはずなんですから。そうでしょう、何もわからずに推薦したわけではないですね。
  226. 藏内修治

    説明員(藏内修治君) この問題につきましては、先ほど局長から御答弁を申し上げましたとおり、私どもの立場、外務省の立場からいたしますると、日本工営と電発との二つについていずれかを推薦してくれといってこられた。その受け身の立場に外務省はあったと私は承知しております。したがいまして、私どものほうから工営がいい、電発がいいという推薦のしかたをいたしたことは、曾文溪に関する交渉の経過を通じまして、一度もございません。これは二つのうち政府が一方を台湾政府において決定していただければ、外務省としてはどちらでもけっこうだということでございます。その後の経過といたしましては、いわゆるフィジビリティリポートを提出いたします段に、私どもは関係各省が日本政府において協議をいたしまして、そういう段階ではもちろん、そういう話も出ておろうかと存じますけれども、外務省の推薦といたしましては、その能力をそれぞれ調査をいたして一社を推薦する、あるいは三社を推薦するという経過をとったことはございません。
  227. 矢山有作

    ○矢山有作君 私は、推薦したときに、これとこれとがよろしゅうござんしょうといって、ただ単に名前をあげて推薦するということは、まずあり得ないと思います、常識として。やはり向こうが要請されれば、工営はこういう実績があります、電発はこういう実績がありますと、その調査した資料をつけて、どちらでもお選びくださいといって推薦するのが私は常識だろうと思う。  そこで、工営と電発の状況を調べてみますと、この工営は百メートルをこえるロックフィルダムをやったという経験は皆無でございます。私が取り寄せた資料では、建設省から取り寄せたところでは皆無です。これは全然ありません。それから工営で完工した実績を持つダムが外国に二つほどある。ダニムダム、ナムグムダム、これは曾文の規模に比べると十分の一しかありません。したがって工営の実績というのは、ロックフィルダムにしたところできわめて小さいものしかやった経験がないし、まして国内では全然やっていない。いま何か設計中か何かのものが一つぐらいあるそうですが、この四十年当時は何もないわけですね。ですからここから見るならば明らかに電発のほうが技術的には充実して優秀であったということが言えるわけです。これがまあ一つ前提として聞いておいていただきたいと思います。  ところで、この台湾側の速記録を見ますと、この借款が成立した後も、台湾側が日本の設計技術を信頼してないのですね。そしてアメリカからコンサルタントを招聘するということを非常に強く熱望しておる。ところが円借款ですから、そんなことをやられたのでは日本の威信にかかわる、そんなことは絶対に許しませんということで、まあとにもかくにも日本の業者をコンサルタントとして選ぶということを説得したようです。そこの間のいきさつを、私がかってなことをしゃべって捏造しておるのではないかと言われたらいけませんから、ちょっと速記録のその関係のところを読んでみたいと思います。前のほうは略しまして、これは監察院の経済合作委員会の陶聲洋という秘書長のことばです。「借款決定後台湾省政府は、米国A・I・Dより技術顧問を招請し、対日借款よりの支払いを考えましたが、日本側は頑として同意しませんでした。次いで吾々は対日借款を使用せず、吾々の側で金を払って米国の技術顧問を雇う事を考えましたが日本側の同意は得られませんでした。日本政府は日本の技術水準は世界的にも一流で、建設技術にも十分な自信を持っていい、日本の技術を使用しないのは、中国にとっても多大の損失である許りでなく、日本の面子もまるつぶれになると強調していました。又日本の国内の政治的要素も加っていました。つまり社会党左派は四四〇〇万ドルの円借款供与の内閣の決議にも反対しているので、もし吾国が米国より建設技師を招請すれば、日本でも政治的に困った問題となり又国際的にも立場がなくなる状況でした。かくて日本の技術顧問を受入れる事が強制され、吾々は再三の研究の末、受入れを受諾しました。」と、こういうふうになっておるわけです。そこで、こういうような背景で、きわめて技術的にすぐれておる電発が途中で落とされてしまって、工営にきまったその間のいきさつというのは、台湾の新聞にもまた日本の新聞にもたびたび報ぜられております。その当時の日本の新聞では、もうこぞって電発に大体内定するだろうという記事がずっと出ています。また現実に電発に内定をしかけたこともあります。ところが、それが、名前を的確に申し上げることははばかりますが、先ほど私が新聞記事を読み上げたので御推察いただければいいのですが、Kという元総理大臣の強力な圧力によってつぶされて、そして急遽工営に内定をしたと、こういういきさつになっておる。そのことがいわゆる監察院なり立法院で問題化されて論議されて、そしてそれぞれの調査委員を任命して調査をさせる、その報告書が立法院や監察院に出てくる。そういう段階を経て、これはたいへんだということで、その当時の行政委員長の嚴家淦氏が工営の内定を一応保留した、こういう経過をたどっておるわけです。そういう点全然御存じありませんか。
  228. 藏内修治

    説明員(藏内修治君) 工営の内定が保留されたという最終的な結末は私どもも聞いております。ただ、その間、いま矢山委員がお読みになりましたようないろいろな経過があったことは外務省のほうには公式に報告が、先ほど申しましたとおりいままでのところそういう報告には接しておらない。したがって私どもとしてはそういう内容、経過については承知をいたしていないというのが事実でございます。
  229. 矢山有作

    ○矢山有作君 私は、先ほど来申し上げましたような日本の国内におけるその当時の新聞の報道あるいは現地の新聞の報道あるいは立法院やまた監察院の中における論議の模様から見て、工営に決定をされたということはきわめて不明朗な政治的な動きがあったということを私はうかがえると思うのです。重大な借款にこのような政治家の暗躍がつきまとうということは、私はこれは将来厳に戒めにゃならぬと思う。私はこの問題が事実があったかなかったかということは、外務省が調査をする気になれば私は調査できる問題だと思うのです。私はこの際、借款にまつわるいろいろなその他の問題がたくさんわれわれの耳に入っておりますが、その姿勢を正すためにもこのばく大ないわゆる借款にからんだそうした不明朗な問題を徹底的に調査をされるというお気持ちはありませんか。このことは、かつての予算委員会佐藤総理は、そういうことはゆるがせにできぬから徹底的に調査をするという約束をされたまま、そのままお流れになっております。
  230. 藏内修治

    政府委員(藏内修治君) この曾文溪ダムにつきましては、先ほどから申し上げておりますとおり、今日まで若干資料不足のそしりを免れないと思います。今後の対外協力につきましては、いま委員御指摘のような事実が今後も発生するようなことがございますると、これはもう日本の対外信用にももちろん関しまするし、相手国にも大きな損害を与えることでございますから、厳重に今後は調査、監督をいたしたいと思っております。
  231. 矢山有作

    ○矢山有作君 念のために申し添えておきますが、立法院や監察院の議論では、工営なりあるいは電発の技術水準等についても十分な調査をした上で報告書が出されておるはずです。そしてそれをめぐっての論議も行なわれておるはずです。それからまたその当時、その監察院から調査のために派遣をされた陳慶華という人が日本に来まして調査に当たっておるはずです。そのときに愛知揆一官房長官に面会を申し込んでおりますが、どういう理由か愛知さんはこれは会っておりません。さらにその当時、国府の大使館の江何がしという人間も、これも調査に当たっております。この人が特に調査の中心にした点は何かといいますと、日本の国内においてこの曾文溪ダムの問題についていろいろなうわさがどういう形で流れておるかという問題が一点と、それからもう一つは、この監察院で問題にされました政治献金の問題が事実であったかどうかということの調査に当たっております。これは政治献金の問題ですが、これはこういうことなんです。工営はこのコンサルタント料というのですか、それを五百万ドルの見積もりを出したと聞いております。電発は二百五十万ドルの見積もりを出したと聞いております。そういう論議が立法院、監察院で行なわれております。しかも技術水準は、先ほど言いましたように電発のほうがはるかにすぐれておるのだという議論が行なわれておるし、その議論は調査資料に基づいてなされております。そういう状況であるのに、技術水準がすぐれ、しかも工営の半額のコンサルタント料で仕事をしてやろうという電発をやめてなぜ日本工営に移したのかということが問題になり、その間にいわゆるK元総理、新聞の報ずるところによれば岸信介さんが強力な圧力をかけたためにそうなったのだということが言われております。そうしてその際、劉という委員によって工営にきまるに至った内輪として、日本工営が約百万ドルのいわゆる政治資金を派しておるといううわさがある、こういう点を指摘しております。これらの点について、いわゆる国府の大使館の江なにがしが直接調査に当たり、さらに監察院からの陳慶華が調査に来た、こういう経過になっておりますので、これらの点を踏まえられて私は厳格な調査を、総理のお約束ですから、やっていただいて、この問題に対する疑惑を解いていただきたい、このことをお約束願えますか。
  232. 藏内修治

    説明員(藏内修治君) ただいま御指摘のとおりの事実を、事実と申しますか、いま御指摘のありました事実がはたしてあるかどうかということにつきましては、外務省の能力の許します限りで今後も調査をいたすことをお約束を申し上げたいと存じます。  それから先ほど矢山委員がお触れになりました陳慶華監察院長、これが日本に来日をいたしました際に、官房長官に面会を申し出たけれども、結局果たし得なかったということにつきましてはこの陳慶華監察院長は……。
  233. 矢山有作

    ○矢山有作君 監察委員です。
  234. 藏内修治

    説明員(藏内修治君) 失礼しました。監察委員、これは日本政府に公式に接触を求めてきておりません。この陳慶華さんが来日いたしましたことを、中国の日本におきまする大使館も承知をいたしておらなかったようでございます。したがいまして、官房長官に面会を申し入れられて初めてこちらにおいでになっておるという事実がわかったようなことでございまして、そういう双方の公式の立場にない接触になりましたために、結局官房長官との会見も実現しなかった、こういういきさつであったと外務省は承知しております。
  235. 矢山有作

    ○矢山有作君 次にお伺いいたしますが、参考人で、まことにお忙しいところを申しわけないのですが、きょう大堀電発の副総裁にお越しを願っておりますのですが、おいでいただいているでしょうか。
  236. 木村禧八郎

    委員長木村禧八郎君) ええ。
  237. 矢山有作

    ○矢山有作君 それじゃ、大堀さんにお伺いいたします。  たいへんお忙しいところを御苦労さまです。大堀さん、あなたは岸事務所の山地寿さん、それから経団連堀越禎三さん、これはもちろん御面識おありですね。
  238. 大堀弘

    参考人(大堀弘君) 面識ございます。お二人とも面識ございます。
  239. 矢山有作

    ○矢山有作君 四十一年の、これは正直にお答え願いたいんですが、四十一年の九月、十月ごろに山地さんや堀越さんにお目にかかっておられると思うんですが、特に山地さんは電発に対して再三あなたを尋ねておいでになるはずです。その際どのような話が出たのかということをお伺いしたいんですが、お差しつかえなかったらぜひ話していただきたいと思います。
  240. 大堀弘

    参考人(大堀弘君) 堀越さんとはいろんなことでよくお目にかかりますけれども、この件でわざわざおいでになった記憶はございません。あるいは、だいぶ古いことでございますから、記憶が確かでございませんけれども、お目にかかってお話した記憶はございません。山地さん、あるいは一度か二度お見えになったような気もいたします。ちょっとどういう話だったか私も詳しくは覚えておりませんが、そう別にかどの立ったむずかしい話であったようには覚えておりません。
  241. 矢山有作

    ○矢山有作君 まあ私がちょっと内部から聞いたところでは、電発はダンピングで民間企業を圧迫しておるじゃないか、これはもうけしからぬぞと、曾文から手を引いたらどうかと、こういうような話があったというふうに私は聞いておるんですけれども、どうなんですか。
  242. 大堀弘

    参考人(大堀弘君) 私ども、ちょっと御質問ございましたので関連事項としてちょっと申し上げさしていただきたいと思いますが、先ほどお話がございましたように、曾文溪ダムのコンサルタントに関しましては、本件が決定しますまでは私ども相当やはり仕事を得るためにできるだけ努力をしておりますから、かなり競合して競争したと思います。ただ、決定しましてからは私どもこういった政府機関でございますから、あまり無理押しして、日本のコンサルタントがとった仕事をわれわれが無理をしてわれわれの仕事とするということは、私は方針としてやっておりません。タイとかペルーとかで、その他でいろいろやっております、国際競争で相当大きなものをやっておりますから、これは外国相手のときには遠慮なくやりますけれども、日本の業者が相手のときにあまり無理をしてうちが出ていくという立場じゃないと考えておりますので、きまりましたあとは引けということで私どもはそういう方針で引き下がったつもりでございます。  見積もりの点につきましては先ほどお話がございましたが、正式の見積もりを出せという段階に至らなかったわけでございます。おまえのほうが、指名をして、競争の値段を出してくれという話になっておりませんから、私どもは見積もりは出しておりません。政府その他で一体これにはどのくらいかかるのだろうというお尋ねに対して、われわれとしての概略の計算くらいはいたしたことはございますけれども、これはまあコンサルタント経費というものはいろいろ会社によって違いますものですから、一律に電発の見積もり計算が正しいと言い切れない面もあるといいますか、会社の事情によってあるいは技術のいろいろやり方によって違いますから、そういった面でまあ私どもが言った数字と日本工営さんの値段にかなりの大きな開きがあるということはほかのケースの場合もございます。外国と競争する場合もございますが、やはり内容を見ませんとどういうふうな計算をしておりますかわかりませんので、一律に私どものほうが安いとは言い切れないと思います。そういうことでお答え申し上げておきたいと思います。
  243. 矢山有作

    ○矢山有作君 これは、私のほうは正式に見積もりをされたかどうかということは別として、一応やっぱり二百五十万ドル程度の見積もりといえば見積もりといえるようなものを台湾のほうに出しておられるように聞いております。それが立法院における千錫来の質問の根拠になっておりますから。しかし、このことであなたに押し問答いたしましてもあなたのいまのいろいろな政治情勢の中で、はい、私のほうで出しましたということもなかなか言いにくいでしょうからそれはけっこうです。  ところで、四十一年の九月に、一応八月ですか、行政院、立法院、監察院で問題になりまして、そして行政院長の厳院長のまあ命令で、工営の内定が留保。それからその厳院長のほうから電発の意見を聞きたいのでひとつ訪台してくれぬかという話が出ているはずなんですが、これはあなたのほうに入らなかったですか。
  244. 大堀弘

    参考人(大堀弘君) ちょっと記憶ははっきりしませんが、どなたかお見えになって、一度私お目にかかった記憶がございます。それは、私どもは実はこの仕事の結論がもうきまっておると思っておる段階でございますから、いまお話の四十一年の相当あとの段階だと思いますが、もう一度おまえのほうが参加せぬかというような御趣旨であったように思います。これは記憶違いがあるかもしれませんが、私どもはまあいろいろと話の出ておりますことで、何も圧力を受けたからどうだということじゃありませんけれども、台湾の中のいろいろ事情もあるようでございますし、私どもはこういう仕事にあらためてまた出ていくというべきじゃないと、私どもとしてはこの段階では辞退をいたしますということをはっきり申し上げました。
  245. 矢山有作

    ○矢山有作君 いまの状況としてはそういう御答弁しか出ないだろうと思いますが、私どもはそれぞれの会社から聞いておるところではやはりあなたのほうには相当の圧力がかかってまあおりざるを得なくなって、せっかく意見を聞くから来いというのにようお行きになれなかった、こういうふうに聞いております。これは私はよほど確実な筋から聞いている話ですからまず間違いないと思います。しかし、それでこういう究明をしてどうこうというのじゃありませんから、その話はそれだけにしたいと思います。  檜垣さんお見えですか。
  246. 木村禧八郎

    委員長木村禧八郎君) ええ、お見えになっております。
  247. 矢山有作

    ○矢山有作君 檜垣さんにお伺いしたいのですが、当時の日本の新聞では、工営側の請負額は十五億ないし十八億円、まあドルに換算すると大体五百万ドルくらいだということが盛んに新聞記事に出ております。また、檜垣さんと担当の吉越部長ですね、これが四十一年の八月七日に、台湾の日刊紙に聯合報という新聞があります。その司馬記者に対して談話を出しておられる。その要旨は、工営の五百万ドルはあまりにも高過ぎると、こういうことを言っておられるわけです。したがって、私は、先ほど言いましたように、あなたのほうでは、工営は大体五百万ドル程度の見積もりを出した、それに対して、電発さんのほうは大体二百五十万ドルぐらいのを出したと、こういうことが一応裏づけられるんじゃないかと思うんです。聯合報の翻訳をしたものがここにあるんですけれども。
  248. 檜垣順造

    参考人(檜垣順造君) 私の記憶では、その記者に会いましたのは六月だったと思います。そして八月に出た新聞というのを台湾から送られてきて見ましたが、時日がたつと、こうも話の内容が違うものかと思いました。それは台湾の、名前は忘れましたが、記者が参りまして、いま盛んに台湾政府でうるさくなっている、電発でおやりになると幾らぐらいかかるかという話がございました。それで私どもは、現在、相手業者が話し合っている最中に、こちらで金額を言うことは適当でないので、その問いには答えかねると、こういうふうに申しました。いや向こうは四百八十万ドルで話を出してるんだと、こういう数字まで私に話しました。そして四百八十万ドルだと約五百万ドルだが、五百万ドルだと十八億という金額になると、十八億というとかなり多額の金額になるようだと、実は私ともには、その前年——三十九年ですかに、これは成功しませんでしたが、イラクで千四百万立方米ぐらいのエスキモスルダムを応札しまして、向こうからわざわざ計画大臣が参りまして、わが社でつくりました御母衣の八百万立方米のダムを見まして、これならば技術能力があるからぜひ応札してくれということで、喜び勇んで応札しましたが、そのときの金額が大体二百五十万ドルから六十万ドルぐらいのものだったわけです。しかも三番札でフィンランドに落ちました。われわれは、大体台湾よりも地理的に遠いところで二百五十万ドル程度金額で落ちたので、その五百万ドルというのは話半分ぐらいのことじゃないかというような軽いことを言いましたが、わが社が幾らで出しているというような金額には、その場合触れませんでした。それが二カ月後に私どもの談話として出ましたので、それは、取って帰った記事を何かそのときに向こうの情勢によって出しましたので、そういうような行き違いがあると思います。
  249. 矢山有作

    ○矢山有作君 檜垣さん、先ほどもちょっと触れましたが、四十一年の七月十九日に立法院で干錫来という委員が質問に立ったのです。それでその質問に立ったときは、要するに、工営は五百万ドルというような、こんな大きな見積もりをやっているが、電発は、ここに電報がある、この電報で見ると二百五十万ドルの概算見積もりをやっておる、それを高いほうの工営にきめたというのはおかしいじゃないかと、こういう意味の質問をしておるんです。ですから、私は電発のほうから、そうした電報がいっておったというふうに聞いておるんです。その立法院のそのときの会議には中田公使も傍聴しております。中田公使はその電文を見せられたと言っております。私は、だからここら辺は間違いがないんじゃないか。ただこういういきさつはあったようです。その二百五十万ドルの数字だけは削除して電報打ったほうがいいんじゃないかという話はあったんだけれども、その二百五十万ドルという数字を削除しないでそのまま打ったと、こういうふうなことは言われておるようですけれども。
  250. 大堀弘

    参考人(大堀弘君) ただいまの点は、実は私も電報局へ行って電文まで取り寄せて調べました。これは先方から照会がございまして、私どもはそういう数字はお答えできないという返事を出したわけでございます。電報局のほうがそれを間違いまして出した電文に入っておった。それを電報局が訂正しなければならぬものを、間違ったままのものを先方のほうで御利用になったと言っては失礼ですけれども、私はこれに言明を出しまして、こういう数字は会社として言うべきことじゃないということで、それは正直申しますと、私の目の前で電文に入った数字を消しました。正式の電文としてはそういうものは出ておりません。その点が多少電報局の行き違いもあったでしょうけれども、私のほうに事務的な手違いがあったかもしれません。会社のほうとしては数字出しておりません。
  251. 矢山有作

    ○矢山有作君 大体いままでお尋ねしたことで、このことだけは大体間違いないのではないかというところまではわかっております。電発と日本工営の技術を比較するならば、電発の技術のほうがよほどすぐれている。しかも巨大なロックフィルダムの建設の経験においては、電発は工営の比ではない、このことが一つ明らかになったと思う。  それからもう一つは、的確に見積もりにそのとおりの数字が出たかどうかということは、これは論外といたしまして、大体日本工営は五百万ドル、あるいはそれに近い見積もりを一応やったことがある。電発は二百五十万ドル程度の見積もりをやったことはある、こういう事実は私は一応明らかになったと思うのです。  それで次にさらにお伺いしたいのは、檜垣さんはまあ曾文ダムを獲得するために、台湾工作のあなたは総指揮をとっておられたはずです。相当私はこの曾文のダムのコンサルタントになることには、執着を持って運動されておったと思います。そういうことを聞いております。それが四十一年の九月には、台湾側の事情で工営がやめさせられて、電発にきまるという非常に有利な状況が展開してきた。それなのに非常な執着を持って曾文ダムのコンサルタントを請け合おうとした電発が、いともあっさりと引き下がれたというのは、私は疑問なんです。そこで私としては立法院で議論をされておるように、あるいは台湾側の新聞に報ぜられたように、莫大な政治資金というものが流されて、それによって有力政治家の圧力で電発が無理に下げられ、工営に決定をされた、こういうことになるのではないか、私はおそらく間違いのない推察であろうと思うのですが、そのとおりじゃありませんか。
  252. 檜垣順造

    参考人(檜垣順造君) 私の関係しているところだけお答えいたしますが、私が海外を担当をいたしております関係上、曾文の問題も私が一応責任者として相当わが社ではがんばりまして、これには大体三つの理由があったと思います。  第一は、先ほど矢山先生が御指摘されたように東洋の地点において大きなロックフィルダムをつくりましたのは、わが社が初めてであります。御母衣が百五十メートルの高さ、四百メートルの幅、八百万立米のロックフィルダム これは建設中に三回もアスワン・ハイダムから人が見え、あるいは先ほど言いましたイラクから来るというように、かなり私どもも自信を持ってつくりました。その自信をもとにしまして、それから第二御母衣、柳瀬ダム、また最近は九頭龍ダム、これはみなロックフィルダムをつくっております。こういうような経験で、このダムがロックフィルダムということを聞きましたときに、これはわれわれは経験があるから、ぜひやりたいという気持ちが非常に強く出たことは事実でございます。これが第一の理由でございます。  第二番はロックフィルダムは、普通のダムを建設するのと違いまして、大きな機械を使います、パワー・ショベルとかあるいはダンプ。それは必ずしも一つのダムをつくるとき耐用年数が切れているものではございません。そういう関係がございますので、陶声洋氏がお見えになりましたときも、これは私、台湾にたびたび行ったように言われているけれども、実際は一回だけ行って、あとの一回はタイでロックフィルダムをつくり上げたその帰りに表彰状をもらいましたので、わが社はこんなりっぱなものができるという表彰状を見せに寄った、その二回だけでございます。とにかく、わが社の持っています機械をお使いになれば、円借でやる場合に、外国から機械をお買いにならなくても、かなり安くできるんじゃないか、一応金額の検討までして、参考意見を陶声洋氏に申し上げたことがございます。  第三は、わが社の技術者にかなり台湾から引き掲げてきた優秀な技術者がおります。祖国に帰るといったら語弊がございますが、向こうでやるなら土地の事情をよく知っているので、ぜひ仕事をやりたい、大体三つの要素が一緒になりまして、そうして私が責任者という形で日本へ陶声洋氏がお見えになりましたときは、まっ先になって、また私どもを応援してくださいましたなくなられました小澤久太郎先生なんかもわざわざ御母袋を見ていただいて御説明いただきまして、当社の技術という点に関して、われわれは技術という点でいろいろ向こうにわが社のあれを述べたわけです。しかし、四十一年ですか、二月にきまりまして、役員会でいままでの運動を私ども打ち切るということを申しましてから、積極的に運動はしたことはございません。ただ、私どものそうやって御後援くださる方が内地にもおります。向こうにもわが社の技術者が教えた教え子なんかおりまして、そういう者との交流があったりしてイナーシアは多少通じていたと思います。しかし、その後は私が表面に立って運動したということもございませんし、だから運動に対しておりろというような圧力を感じたこともございません。私どもは契約がきまったときに、役員会でこれは一応運動をやめるということをはっきり方針として会社で打ち出しまして、その方針に従っている次第でありますから、先ほどの電報の件は、向こうから御照会がございまして、そうしてはっきり向こうの国会議員という名前が書いてございますので、これはお答えしないわけにはいかないだろうということでお答えしたわけでございます。
  253. 矢山有作

    ○矢山有作君 それで電報の件は明らかになりました。檜垣さん、あなたは李という自立晩報の社長を、四十年十月までやっておった人物を知っておりますか。
  254. 檜垣順造

    参考人(檜垣順造君) 私はこの問題に関するばかりでなく、台湾電力と非常に関係がございまして、立霧の問題でたびたび台湾の人が来たりなんかしております。それから現在も立霧という渓谷に関しまして調査団を送ったりいたしまして、台湾の方がたびたび来たりなんかしております。そういう方といろいろ意見を交換して、その中にそういう方がおられたかも存じませんが、特別な個人的な知己としてはございません。
  255. 矢山有作

    ○矢山有作君 その李という人が書いた文書があります。その書いた文書も私は翻釈してもらったのです。その李さんがある新聞に発表した記事です。これによると、立法院や監察院でいろいろ問題になって行政院長が一応工営の決定を保留して、そうして調査を始めるということになって電発にも台湾に来て少し意見を聞かせるようにという話のあった、その当時の前後の模様についてこういうふうに言っております。これはいわゆる裏で政治的な動きで無理やりに電発がおろされて、工営に決定をするという動きなんですが、「岸信介はその間の消息をいち早く入手し、直に外務、通産両省に圧力をかけ、電発がわが国の招請により来台することを止めさせた。その結果日本外務省より正式回答として、電発は曾文の設計請負に参加しない旨の通知があった。」それからさらにもう一つの同じような記事があります。これは千錫来議員が立法院で工営にきまったことの不当性を突いた質問であります。それに対して行政院秘書長の謝耿民という人が答弁に詰まってしまって、こういうことを言っております。「本件の決定は、」つまり工営に決定したことは、「行政府として、何ら関知しない事で、実のところは蒋介石総統自らの決裁した案件です。吾国としては、岸信介から幾多の援助を受けているので、蒋総統としては、人情としても、岸信介の請托を拒絶し得なかったのではないでしょうか。」こう答えております。この記事は、同じ台湾の徴信報という四十一年七月十九日の記事にも立法院における千錫来の緊急質問に対する答弁としてこれが出ております。ただ徴信報のほうには岸信介という名前をそのまま使っておりません。有力な政治家という表現をしております。これらの事実から見て先ほど言いましたように技術的にもはるかに劣り、そうしてまたコンサルタントの見積りの金額においても電発よりはるかに高い工営に電発を押えてきめられた裏の政治的な動きというものが、いま申し上げましたようなことで私は推察ができる、こう思います。したがいまして、ただ単なるこれは風評であるといって私は片づけるわけにはいきませんし、それだけに先ほど政務次官にお願いを申し上げましたように、この真相というものを徹底的に究明願いたい、こう思うわけであります。  次の質問に移りますが、先ほど申し上げましたように最初この借款供与をきめるときには、円借款でアメリカの技術顧問を雇うことはもちろん反対であるが、台湾独自が技術顧問を雇ってやるということについても絶対に日本側は承服しなかった、こういうことがあるのです。ところがその後の状況を見ると、台湾側が曾文ダムの建設についてアメリカの開拓局の技師五名、新たに雇っております。で、このことのために多額の経費を必要とするということで、これまた台湾における監察院でこれが非常な問題になっているのですが、このことは借款の最初の話からして、私は問題があると思うのですが、どういうふうにお考えになりますか。
  256. 上田常光

    説明員(上田常光君) いまの先生の御指摘になりました問題の中の一部のお答えにしかならないかもしれませんが、円借はすべていまそうでございますけれども、何でもかんでも円借というものは使えるものではございませんで、従来の円借についてはすべてみな条件をつけております。いわゆるその費用で日本の生産物及び日本人の役務を払うとなっております。したがって、円借を使う以上は、日本人のコンサルタントの費用は払いますけれども、たとえばアメリカ人のコンサルタントの費用を円借からおとすということはできないのでございます。
  257. 矢山有作

    ○矢山有作君 私の質問の趣旨がちょっとよく徹底していなかったかと思いますが、それは私も知っております。ところが、借款を決定するとき、それはもちろんそのとおりです。ところがその台湾側が、自分のほうのお金で米人顧問を雇うと、こういう話が出たときにも、それは日本の技術に対する、いわゆる侮辱であるということで、これは拒否されておるわけです。そのことは交換公文の中でもうかがえるし、それからまた立法院で陶秘書長が説明の中にも、拒否されたということ、私が先ほど読み上げたようにはっきりしてるわけです。ところが、現実には台湾側が自分のほうの負担においてアメリカ人の技術顧問を雇っているわけです。このことは、私は、最初借款交渉に入るときの状態からして問題があるということが一つと、そのことは日本の技術に対する不信感であるということになります。で、なぜそのような不信感を助長したかといえば、工営に決定する間の、いわゆるどろ仕合い的な、きたないかけ引きが行なわれて、技術的には劣った工営にコンサルタントを、契約をやったという。そういう背景があるから、こういう問題が出てきたんじゃないかと、こう思うのですが、どうなんでしょう。
  258. 上田常光

    説明員(上田常光君) いまの交渉の段階で、アメリカ人の技師を雇うことを拒否したという意味は、これは先ほど私が申し上げましたように、円借でそのアメリカ人の技師を雇うことを拒否したんだと私は想像いたします。しかし、今度台湾のほうが台湾の費用で米人を雇うこと、これは台湾の内部のいろいろ事情があることだと存じますので、それは私、存じません。
  259. 矢山有作

    ○矢山有作君 それは、私が会議録を読んだでしょう。われわれは対日借款を使用せず、われわれの側で金を払って米国の技術顧問を雇うことを考えましたが、日本側の同意は得られませんでした。これほどきびしく円借款を供与するときにはやっているわけです。これは陶秘書長の監察院における説明ですから。いいですか、そういう経過があった。ところが現実には、アメリカの技術顧問を円借款で雇っているのではないから、その点については問題になりません。問題になりませんが、それほど最初の借款交渉のほうにきびしい態度をとっておりながら、現実には台湾側で技術顧問を雇わざるを得なかったということは、その背後を探るならば、日本の技術に対する不信感、それを助長したのは、工営に決定したきたない政治的なかけ引きがそれを助長したと、こういうふうに解釈できるから、この点から見ても、やはり借款の問題については、政治的な、きたないかけ引きはやめなきゃいかん、こういう意味で申し上げたのです。わかりましたか。
  260. 藏内修治

    説明員(藏内修治君) 確かに矢山委員の御指摘のように、いろいろ請負の決定に際していきさつがございますると、そういう不信感を招くこともあり得るかと存じます。将来の問題といたしまして、厳重にこの点は監督いたしたいと思っております。
  261. 矢山有作

    ○矢山有作君 時間の関係でとばして御質問申し上げたいと思うのですが、円借款ですから、もちろん日本産品と、日本の役務提供ということは、当然のことです。これは交換公文にも出ております。その場合に、具体的にひとつお聞きしたいのでありますが、もともと外国産品であっても、一度わが国で使用された中古品、これも供与できますか、どうか。それから、もう一つ外国産品の新品、あるいは中古品の円借款による貸与は可能であるか、これは通産省であろうと思うのですが、どうですか。
  262. 原田明

    説明員(原田明君) 外国産品を日本に買いまして、それを日本で使用いたしました分で、すでにその買いました価値を非常に使ってしまっておるというようなものを、また再び生かしますために外国に円借款で使うというようなことは通常許されております。それがくぐりますためといいますか、ほとんど日本では使わないのにいかにも使ったようなかっこうでやるというようなことでございますと、これは問題かと思いますが、十分に日本で使いました外国産品というようなものは許されております。
  263. 矢山有作

    ○矢山有作君 私が事前に通産省からお伺いして、それに対する文書回答をいただいております。それには外国産品の新品及び中古品の貸し付けは円借款の対象となるが、これに対しての御回答が、従来かかるケースはなかったので検討したことはない、こういうふうに出ておるのです。これはやっぱり今度の答弁で訂正されるわけですか。
  264. 原田明

    説明員(原田明君) いままでに外国製を新品で入れまして使ったということは例がないそうでございます。しかし、それはこれからはそういうものが起こってきた場合にどうするかという御質問に対しましては、その外国産品が十分本来日本で使用されるために入ってまいりましたもので、使ったものであってまだ使えるというようなものを使うということはあり得るのではないかと思います。
  265. 矢山有作

    ○矢山有作君 そういうことは今後の問題としてあり得るということですね。その場合に、やはりあなた自身もお触れになったように、いわゆる脱法ということばが適当かどうかわかりませんが、脱法的なやり方がこれは横行するおそれがあるということを今後ひとつ御注意願いたいと思うのです。  それから次は、曾文のフィジビリティレポートには必要機械がリストアップされていますね、その総額が千六百万ドル余あります。このリストは外務省から私がいただいたのです。この千六百万ドルは曾文の借款四千四百万ドルの中に含まれておるわけです。この借款交渉にあたってこのレポートというのはおそらく私は十分審査をされたものであると思うのですが、これは十分審査をなさいましたね。
  266. 上田常光

    説明員(上田常光君) 通常の円借款の場合と同様にこの場合ももちろん関係各省の間で十分検討いたしたものでございます。
  267. 矢山有作

    ○矢山有作君 私は技術的にはしろうとですから、したがって実は一流技師の人を頼んで鑑定といってはおかしいが意見を聞いたのです。それで、一点ごとにレポートに載っておるその品物について、これで一体わが国でできるもの、それからできないもの、これをずっと全部チェックしてもらったのです。そうしたら大体千六百万ドルの中で厳密に言うと八百万ドル強のものはこれは米国に依存しなければだめだというのです。ところが、国内で無理につくらせたとしても、六百万ドル前後はやはり米国から購入せねばならぬだろう、こういうことが言われておるのですが、その点はどうなんでしょう。それは厳重に審査をされておるとするならば、その内容というものは明確になっているはずだと思うのですよ。
  268. 原田明

    説明員(原田明君) 先生のおっしゃいます数字がそのとおりかどうかということはいま直ちに申し上げられませんが、先ほど申し上げました特に機械などにつきまして円借の目的を十分遂行するためには、その工事が十分に実行されなければならないわけでございます。したがいまして、円借はもちろん日本の生産物、役務の提供を内容とするわけでございますけれども、こまかい部品といったようなもので日本でも通常使っておるとか、そうでなくてもどうしても必要というような場合もございます。そういう場合におきましては、従来でもケース・バイ・ケースで検討がなされております。ある程度そういう外国製品の部品といったようなものが円借款の運用として認められている例がございます。
  269. 矢山有作

    ○矢山有作君 参考人の方、お忙しいところ、ありがとうございました。  部品などのお話じゃないんです。私は、このレポートに出ておる、「必要とされる機械」というのを全部こう持っておるわけです。これを一つ一つチェックしてもらって、アメリカのカタログによって大体幾らするのかというのを全部やってもらったわけです。そうしましたところが、いま申し上げたようなことになったわけです。そうすると、借款供与の決定の場合には、私はレポート審査がきわめてずさんであったのではないかと思うのですが。
  270. 上田常光

    説明員(上田常光君) お答えいたします。  一つ一つの中の機械の品目につきましては、まだこれはもちろん最終的に日本政府として許可といいますか、合意したわけではございません。したがって、まだ今後変わる可能性はもちろんあるわけでございます。
  271. 矢山有作

    ○矢山有作君 まあ最終的に許可されたかどうか知りませんが、すでに、あとで触れますけれども、米国から機械の輸入が始まっているのです。そうなると、私は、きわめて問題が円借款との関係で出てくるから、この問題を提起したのです。したがいましてこれはきょう言うたのでは専門家の方おられんのでしょうからわかりませんから、だからレポートの中で、調達の予定になっている機械というものは、あなたのほうでお持ちでしょう、私が持っているくらいですから。だからこれは私自身が専門家にあたって、日本でできないものをアメリカから輸入するなら何ぼかというのを、全部ドルで計算させておりますから、あなたのほうもそれを調べてみて知らしてください、その上で論議をさしていただきたい。
  272. 上田常光

    説明員(上田常光君) かしこまりました。
  273. 矢山有作

    ○矢山有作君 その問題でもう一つお伺いしたいのですが、曾文の受注合戦のさなかに、電発は台湾側に、先ほども言っておられましたが、御母衣で使用済みの三十トンダンプや超大型のパワー・ショベルの貸与を申し出ております。監察院では、円借款で不可能なこれらの大型機械の提供というものを、有利な条件のある電発となぜ契約しなかったかということもあわせて問題になったわけです。これに対して経済合作委員会の陶声洋秘書長が次のように答えております。ここが重大なところです。「その点は御懸念には及びません。日本側の会社に依頼して円借款の中から米国製の機械を購入するように、すでに了解がとれております。」こう言っております。ここに速記録があります。こういう約束は一体だれがやったのかということなんです。円借款のたてまえ上交換公文の内容から見てもこういうことはできるわけがないはずです。こんなことをやっていいんですか。
  274. 上田常光

    説明員(上田常光君) そういう約束をした覚えございません。
  275. 矢山有作

    ○矢山有作君 さらにこういうこともあります。四十二年十月施行管理と機械納入代行業者として鹿島建設が内定をいたしました。この八月には正式契約をやっております。ところが鹿島内定の前に、すなわち四十二年九月に台湾の施工機関の榮民は鹿島、熊谷、西松、大成、飛鳥など日本の建設業者を招き提携条件の一つとして三十トンダンプを含む米国製重機械の購入代行を求め、鹿島以外の各社は外為法違反をおそれ入札を辞退し、そして榮民の提携先は鹿島に決定したといわれております。そこで鹿島自身はこの約束をいかに果たそうかということで苦慮しておられるということを聞いております。これは私が直接それぞれに当たって調べておるところでございますから、間違いありません。このことをどうお考えになりますか。
  276. 上田常光

    説明員(上田常光君) 私どもが承知しておりますのは、確かに先生が御指摘になりましたように、昨年の四十二年九月に栄民からわがほうの建設大臣に対しまして、今度の計画を成功裏に完成させるために本邦の建設業者の協力を得たいので、本邦の建設業者の企業内容とかあるいはダムの施工経験等について資料をくれないかという依頼がございました。  そこで、これに対しましてわが建設省のほうから昨年の十月に本邦の大手の建設業者のリストをこれ十五社をあげたのでございますが、資本金や年間の施工高あるいは技術者の数等勘案いたしまして、大手上位の十五社のリスト並びにわが国における高さ百メートル以上のダムのリストを送りました。そこで、これに基づいて台湾政府のほうで鹿島建設を選択いたしたと承知しております。
  277. 矢山有作

    ○矢山有作君 それじゃ、いわゆる機械を現実に先ほど私が触れましたアメリカから購入しておるという問題、これと円借款との関係どうなんですか。このことは聯合報の四十三年九月二十二日の報道で、二十一日に千錫来が立法院で問題を持ち出しております。そうして、そのことは政府も肯定をしております。そうなると、私はこの円借款との関連できわめて重大な問題が発生すると思うのです。そうしてその購入した機械の合計金額は約百三十万ドル、こういわれております。したがって、これを御存じないとするならば、私は借款のたてまえ上非常に問題があるので、これはぜひお調べを願いたい。お調べになった結果、もしそれが事実であるならば、どういう処置をされるかということをお聞きしておきたい。
  278. 上田常光

    説明員(上田常光君) 先ほどお答え申し上げましたように、少なくともいままでわれわれとしてそういう話し合いをしたといいますか、合意をしたという、約束をしたことはございません。したがって、先生のいまのお話、さっそく取り調べてみます。いままでのところ、決してそういう円借を使ってアメリカの品物を買うのだというそういう約束、差しつかえないというような同意を与えたということはございません。
  279. 矢山有作

    ○矢山有作君 これで終わりますが、私は当然そういうような約束をされる筋はないと思うのです。されておらぬとするならば、百三十万ドルからの米国政府の重機械がすでに輸入されておるということはこれは円借款上重大な問題ですから、これはもうはっきり聯合報にも出ておりますし、それからここに干錫来さんの質問の原稿を私も持っておりますが、その質問の中でも触れられておることですから、これはぜひお取り調べの上で適切な御処置を願いたい。
  280. 上田常光

    説明員(上田常光君) さっそく取り調べます。
  281. 矢山有作

    ○矢山有作君 これでまだこの問題については質問が残っておるわけで、すべてが解明できたわけじゃないのです。特に当時の最高責任者であった椎名さんなり、あるいは三木さんがおられるところでないと、私はこういうようなきわめて政治的な問題の真相解明というものは不可能だろうと思いますから、いま申し上げましたような点で、私がお願いした点は、あなたの事務当局のほうで調べていただいて、私のほうなりあるいは委員会のほうへそれを出していただく。そこであらためて通産大臣なりあるいは外務大臣へ御質問申し上げたい。さらに引き続いてインドネシアの問題について一つだけお願いをしておきたいと思います。  この間毎日の新聞によりますと、インドネシア賠償について、岸さんが団長で、外務省から調査に行っておられる。その報告書がもう出ておるはずです。ところが私は事務当局にこの報告書を提出してもらいたいということを要求いたしましたところが、提出を拒否されました。少なくとも外務省が国費を使って、そして今後の賠償の適確を期するためにいままでの実績調査をやったのであるならば、それを国政審議の場に出してくるというのは私は当然だろうと思う。それにもかかわらず、事務当局は、外部に発表しておらないから出せぬ、国会より先に発表せなきゃならぬところがどこにあるかということです。したがってこの津幸一団長のいわゆるインドネシア賠償の調査報告書というものを原文のまま私はお出し願いたいと思いますがどうでしょう。
  282. 藏内修治

    説明員(藏内修治君) ただいま後段に御要求のございましたインドネシアの調査報告書、これはインドネシア側に関する事項も含んだ非常に膨大な資料でございます。したがいまして、これは原文のまま、そのまま提供してほしいという御要望でございますが、向こう側の内情にわたる点は、これは公表をやはり差し控えるべき点があろうかと思います。この辺の選択はひとつ外務省におまかせを願いたいと思います。できるだけ国会での御審議の御便宜になるような資料提出をさしていただきたいと思っております。  それから、台湾のこの問題に関しまする今後の調査に対しましては、御承知のとおり日本の向こうの大使館を通じて調査をすることが重点になろうかと思います。しかもいわゆる警察あるいは検察的能力を大使館は持っておりませんので、おのずから限界もあろうかと思います。しかもその双方の間を往復する日数もかかることでございますので、若干の時間は必要でございますので、この点は御了承いただきたいと思います。
  283. 木村禧八郎

    委員長木村禧八郎君) 先ほど渡辺君から、議事進行についての御発言がございましたが、この際お許しいたしますので、どうぞ発言なさってください。
  284. 渡辺武

    渡辺武君 午後の委員会の再開傍頭に、議事進行について発言を求めまして、部分的には発言さしていただきましたけれども、その後数回の要望にもかかわらず、現在に至ったわけであります。御承知のように、議事進行についての発言と申しますのは、やはり当該委員会で進行しつつある議事について意見がある場合に、その通告をするのが普通なわけでございまして、したがって、その委員会の議事が進行しているその中で発言を許していただくことが最も効果のあることだと私は考えます。ところが、すでにもう予定された議事が終わってしまって、その最終で議事進行について発言を許されるということでは、私が考えておりました意見、ほとんどこれはもう実現の道がないというふうに私は考えざるを得ないのです。特に、あとから申し上げますけれども、私は、きょう木村委員長がとられた措置——私の発言通告についての措置についてこの撤回を求めたい。そうして、本日の委員会で井本検事総長の問題について私の発言をさしていただきたいというつもりで、この議事進行についての意見出したわけですけれども、それが事実上、これから先理事会がどういう決定になるかしりませんけれども、しかし、現在の事態に至ってはどんなふうに決定がなされようとも、事実上これはできないというような事態で発言を許されるということでございます。したがって私は、やはりこの問題についての委員長のとられた措置も、これまたまことに遺憾だということを最初に申し上げざるを得ないと思います。  さて、まず第一に申し上げたいことは、先ほど委員長のとられた措置についての御説明の中で、この問題については特別な事情があるんだということを申されました。そして、まあ特別な事情というのは、法務委員会が十五日に開かれる、そこで検事総長の問題が扱われるので、当委員会としては、法務委員会の従来のいきさつなども考えてこの問題の審議は譲りたいと、だから渡辺の発言は許可するわけにいかぬというふうな趣旨を述べておりますが、そのように理解してよろしゅうございますか。
  285. 木村禧八郎

    委員長木村禧八郎君) そのとおりです。
  286. 渡辺武

    渡辺武君 そういう、この事情という点について、私はやっぱり事の本質をはずれて委員長言っておられるというふうに思います。大体この問題が起きました最初のころ、委員長が私に対して発言を取り下げてくれないかということを申し入れたときの一番大きな理由は、これは社会党の亀田委員ですね、法務委員会の亀田委員がこの前の法務委員会で検事総長の問題を取り上げて発言する予定であったけれども、しかし自民党委員のあの欠席によって委員会が開かれなかった、その後努力して十五日にやっと開かれるようになった、ところが、今度の決算委員会渡辺がこの問題について発言すると、十五日に発言するこの亀田委員の発言が、いわば二番せんじになってしまうと、これでは困るので、そこでまあ取り下げてくれないかということだったと思うのです。このことは、この委員会の一番最初の日の理事会でも、木村委員長自身が、これは社会党の内部問題でございますが、ということを断わりながら言われた点でもはっきりするわけでして、当日御出席理事の方々皆さま御記憶のとおりだろうと思うのです。ですから、法務委員会の事情というよりも、むしろ亀田委員の、社会党委員の発言が二番せんじになるか、それともトップバッターでやれるかどうかということが最大の関心事じゃないだろうかというふうに私ども考えられます。しかも、けさの理事会では、木村委員長は、法務委員会から当委員会に申し入れがあって、そうして、そのことも考慮しなきゃならないので、渡辺の発言をぜひ取り下げてほしいという御意見だった。ところが……。
  287. 木村禧八郎

    委員長木村禧八郎君) その点は違いますよ。
  288. 渡辺武

    渡辺武君 いや、そう言われました。
  289. 木村禧八郎

    委員長木村禧八郎君) 違います。
  290. 渡辺武

    渡辺武君 ところが、ある理事の方が、それは、法務委員会から、ほんとうにこれは申し入れがあったのですかと言ったところが、いや、そうじゃないんだ、亀田委員を通じて法務委員会から申し入れがあったと、こう言われる。それで、私が、なお質問いたしましたところが、法務委員会からの申し入れではなくして、亀田委員及び社会党の事務局でそういう要望があって、申し入れをしたのだ、こういうことに最後にはなってしまった。ところが亀田委員が、いま外国に出張されていらっしゃるということですから、事実上これは社会党の事務局できめたことがあたかも法務委員会からの申し入れであるかのごとくに装われて、そうして、当委員会に報告されると、こういうことだと思うのです。これは木村委員長、これは全くもう私は事実を曲げた木村委員長の措置だというふうに考えざるを得ません。それで、先ほど木村委員長は、自分がこういう措置をとったのは、理事各位意見に基づいてやったんだというような発言をされておられますけれども、しかし、私の関知するところでは、理事の中にも自民党、社会党の理事及び委員長を除いては、ほかの党の理事の方は、委員の発言は委員会で十分尊重しなければならない。そのことはもう論議の余地はないんだ。ただ問題は、法務委員会から当委員会に申し入れがあったという事実をどういうふうにするのかということなんだということを言っておられた。ところが、その法務委員会の申し入れなるものの実体は、社会党事務局の申し入れだというふうになるわけでして、委員長自身が、理事がものごとを判断する、それを避けている、正しく判断をするのを。そういうような事態のもとで、しかも二つの党から代表されて来られている理事がそういう態度をとっておられるということを知りながら、しかも、理事各位意見を代表したかのごとくに言われるということ、これまた委員長の越権行為ですよ。全く事実に基づかないことだと思います。  いずれにいたしましても、私は、この問題につきましては、社会党だけが取り上げること——ほかの党は取り上げちゃいかぬとか、あるいは共産党だけが取り上げてほかの党が取り上げてはいかぬとかというようなことはいささかも考えておりません。この問題は、まことに重大な問題でありますので、各党ともに野党が取り上げて徹底的に事実を究明すべきだ。で、社会党さんがこの問題について取り上げようという積極的な身がまえを示しておられるし、ことに、まあ亀田委員がその点、熱心に取り上げておられるということは非常にけっこうなことだと思う。だからして、大いにこれはやっていただきたいと思う。ただし、その問題と、そうして、その社会党の委員がやるから、だから共産党の委員の発言は、それより前の発言は、これは差し控えてくれというようなこととは全然別のことですよ。こんなことが、こんな理屈が通るならば、自分のところの事務局でもってある委員会のある党の委員の発言、これは押えなければならぬときめたら、委員長が自分の職権でこいつを押えてしまう。これは全く議会制民主主義のイロハさえもわきまえない、全くこれは横暴きわまりないやり方だと私は考えざるを得ない。実際、いま、きょう木村委員長がとったこのやり方というものは、まさしくそのとおり。こんなことを木村さん、あなた方が許して、やっておられたらどうなりますか。私はまことに遺憾だと言うと同時に、これは社会党のためにもまことに惜しむべきだと思います。社会党の委員長のあなたがですよ、こんな理不尽なことを大きな顔してやられる。これはいずれあした同じような、いま私が受けている目と同じような目にあうのはあなた方だ、こう言ったって私は差しつかえないと思う。今度のあなたのとられた措置で喜んでいるのはだれですか。もうすでに客観的にはきょう私がこの井本問題で発言できない。一番最初にこの次やられるのはどこか。衆議院の法務委員会、十四日です。もう二週間先に延びちゃっている。客観的にそういう事態が出ているのです。だれが一体喜んでいるのです、この事態を。私は、木村委員長及び社会党がこんな不当なです、横暴きわまりない態度、これは一日も早く直されて、そうしてほんとうに民主主義の立場に立って、ほんとうに戦うべき敵と、共に手を携えて戦っていただきたいというように思います。そういう立場から、今回の木村委員長の措置は、よろしくこれはもう撤回していただきたい、これが私の第一のこの発言の内容です。  それから第二に……。
  291. 木村禧八郎

    委員長木村禧八郎君) なるたけ議事進行に関連してひとつ御発言願います。
  292. 渡辺武

    渡辺武君 はい。  第二に、この委員長の措置を撤回していただきたいということの第二の理由ですけれども、委員長は、まあこの井木検事総長の問題は法務委員会で取り上げることが正しい筋だというような立場からいろいろものを考えていらっしゃる、あるいは発言なさっていらっしゃると思います。ところで、この問題はそもそも、御承知のように日通の汚職事件から起こったものでありまして、日通汚職事件の一環として普通見られている問題であります。この問題は、もちろんいまは検事総長のああいう非行が問題になっているわけですが、当然法務委員会でも取り上げるべき問題でありますけれども、同時に、これは決算委員会でも当然取り上げるべき問題だというふうに私は思います。大体、この決算委員会というのは、伝統的に汚職問題についていろいろ追及されてきている。ですからして、その立場からしてもこれは少しも先例のないことじゃないし、むしろこの決算委員会で取り上げるということこそが正しい姿だと私は考える。ところで、まあそういう点で私がこの委員会で発言するということは、少しもこれはむちゃなことじゃなくて、当然のことだと思う。委員会の性格から当然のことだというふうに私は考えます。ところが、法務委員会でやるから、だからこの決算委員会でのおまえの発言は取り下げろというようなことになりますと、これはもう各委員会の独自性ということが事実上これは奪われてしまうということになるじゃないでしょうか。それぞれの委員会があって、それぞれの独自性を持っていて、それぞれの独自な立場から国政の審議を進める、これこそ議会制民主主義の根本の柱の一つじゃないでしょうか。私はそう思います。もし他の委員会で取り上げるから、おまえの委員会でもってやる発言はやめろというようなことが公然と押し通るというふうなことであっては、この議会制民主主義の根本の原則ということは私は踏みにじられると思います。そんなことがあっちゃいけないと思います。特に私は、御承知のように、この問題については早くから発言通告をし、委員長にも個人的ではあるけれども直接お目にかかって、その了解を得ている。そうして着々準備をして、そのどたんばへきて社会党の委員がほかの委員会でもってやるからおまえは取り下げろ、こんなことを、私、受け入れることできますか。一つの政党の立場としてそんなことが受けることのできないことは明らかじゃないですか。大体私どもの党は、御承知のとおり、新聞としては一番最初この井本問題を取り上げました。このことでもわかりますように、この問題については非常に重視しているのです。終始一貫一生懸命戦ってきているのです。その立場からして、発言するそのどたんばでもって自分から取り下げた、そんなことが一体政党のたてまえとしてできますか。私はできないと思う。もし社会党さんの議員さんが、これをなるべく早く発言されたいとお思いになるなら、私はこの前の法務委員会が開かれたときに、委員外発言を要求いたしまして、そうして発言しようと思った。私は別にその場合、おれが決算委員会でもってやるからそれよりも先にやる法務委員会での社会党の議員の発言をやめてくれ、こんなことを要求しません。国会法と議院の運営規則に基づいて正しくふるまおうとするなら、当然のことながら委員外発言ということでもってやっていくということが私は至当だと思うのです。もし社会党の委員さんが早く発言したいと思うなら、なぜこの決算委員会で委員外発言でも要求されておやりにならないのか。このことが私は議会制民主主義に基づく正しいふるまいだと思う。そのこともなさらないで、自分の党が早く発言したい、その前に共産党にやられちゃったんじゃ、二番せんじになるから、おまえやめてくれ、これは党利党略に基づいて、議会制民主主義も何もない、全く踏みにじる立場だといわなければならない。私はそういう立場から、木村委員長の今回の措置はよろしく撤回すべきだというふうに考えます。  それから第三に、もう一つの理由は、理事会及び委員長、これはやはり議会制民主主義に基づいて、その委員会の委員の発言、民主的な権利が正しく守られていくように働くことが、私は一番大きな任務じゃなかろうかというふうに考えます。委員の発言というのは、先ほども申しましたように、これはもう奪うべからざる固有の権利である、民主的な権利です。憲法にも基づいている、国会法や参議院規則にもちゃんと基づいている、保障されているのです。それを支障なく発揮させるというところにこそ、委員長の任務もあれば、私は理事会の任務もあるのじゃないかと思う。ところが、先ほど申しましたように、おれの党がほかの委員会でやるから、だから委員長の権限でもって、この奪うべからざる委員の権限を事実上踏みにじってしまった。これは一体どういう態度ですか。委員長として正しい態度じゃないことは明らかじゃないでしょうか。私はそう思います。
  293. 木村禧八郎

    委員長木村禧八郎君) 渡辺委員に申し上げますが、時間もたちますから、御発言は自由ですけれども、良識に基づいて、私を非難するのならけっこうですけれども、議事進行ですから……。あなた一方的に言われておりますけれども、私のほうにもやはりそれについては理由があるのでございますから、そこで、あなた時間もたちますから、ただ際限なくここで御発言されても困るわけですから、そこで、議事進行の御発言ですから、適当のところで一応お述べになって、そして委員長の見解も聞いてもらいたいんです。
  294. 渡辺武

    渡辺武君 適当なところで打ち切ります。
  295. 矢山有作

    ○矢山有作君 よく話してもらって、委員長の見解も聞いてもらわないと——私ども夜が明けるまでつき合いますけれども。
  296. 渡辺武

    渡辺武君 そう長くかかりません。できるだけかいつまんで言っているんですから。先ほどの、国会法の四十八条に基づいて木村委員長が措置をされたわけですけれども、私は、この国会法の四十八条に基づいて木村委員長がきょうなさった措置については、重大な疑義があるわけです。これは念のためにちょっと御質問しますけれども、委員長がきょう忌避されたのは、井本検事総長の問題についての私の発言だけですか。もしかりに、私がほかに議題を持っていて、そのほかの議題でやりたいというときには発言は許したわけでしょうね、どうですか。
  297. 木村禧八郎

    委員長木村禧八郎君) 全部おっしゃってからあとで答えますから。
  298. 渡辺武

    渡辺武君 いや、その点、ちょっと答えていただきたい。
  299. 木村禧八郎

    委員長木村禧八郎君) 問題は、法務委員会の関連で問題が起こったのでありまして、渡辺さんと個人的にお話ししたときには、法務委員会の問題をあなたも知らなかった、私も知らなかった。私は非常に好意的に、渡辺さんにこの問題はぜひ取り上げるべき問題である、だから十分に私委員長としても御協力申し上げると、お話ししたわけです。私は渡辺さんが、ばかに、横暴でこれを抑えたと言いますけれども、私は非常に好意的に考えておったのです。ところが、法務委員会の問題も起こり、亀田さんは法務委員会の理事でございますが、ただ、社会党の亀田のあれだからと、そういうことのみをあなた強調しておりますけれども、経過をごらんになれば、渡辺さんも法務委員会で委員外発言を求められたとして、それが困難になって、そうして今度は法務委員会の人たちが努力をされて、十五日にようやく呼んで質疑をさせるまで戦ったわけですよ。そういう経過があるでしょう。そういう状態のもとで、ここでそれをやるということについては、やはり法務委員会がそうやってせっかくの——あのとおりもめて、十五日にやるといって、やる人は、対象は亀田さんですが、理事でもあるんです。そういう経過があるので、結果からいって、何か法務委員会がもめて延びている間にこちらでやってしまうということは、何か道義的にいってどうも割り切れない点もある。私は率直にそういう考えから渡辺さんに、これは取りやめていただけないか、だから私としては、最初から積極的に渡辺さんに協力と言いながら、法務委員会の問題が起こったものですから、それとの関連で、私は、それも自民党の妨害によってできなくなったのを法務委員会の人たちが努力して戦って、十五日にやるということになっているのに、そこのところで、こっちで——決算委員会だからやれるわけですけれども、やることについては、法務委員会の人の努力に対して、私はどうもいかがかと思う。それが主であって、それで質問する人は社会党の亀田君であるということから、これは社会党が自分の党のことを優先して、それで議員の審議権を阻止する、こういうふうにそこを強調されましたから、私も、事実ここで決算委員会で先にやれば二番せんじ的になるということを申し上げたのですよ。だから、それは通念として、内容はどうあれ、渡辺さんは御謙遜して、自分はしろうとだから、法務委員会では専門的な人がおやりになるんだから、自分は決算委員会でやっても足らぬところがたくさんある、だから法務委員会があとで専門的におやりになればいいじゃないか、こういうお話だったんですよ。しかし、常識からいって、とにかく井木氏をここに呼んで、そこで質問するということは、あの法務委員会でもめた経過からいきまして、それは二番せんじということばは悪いですが、いわゆる後塵を拝するということになるので、これは道義的な問題です。私はそう考える。そこで、できるならば渡辺さんに、この点については、まあ法務委員会で関連質問もおありだと、だから法務委員会で関連して質問していただくようにしていただけないか。しかし、渡辺さんは、法務委員会で質問してもわずかな時間である。二、三十分ぐらいしか許されない。決算委員会だったら十分時間もあるであろうということで、決算委員会質疑されるということになった。で、私も法務委員会の経過知りませぬから、渡辺さんのことは前から知っておりますので、それはもう渡辺さんの非常にまじめな御性格もよく存じておりますから、私も積極的に御協力するつもりでおったわけなんです。それを渡辺さんも法務委員会のことを知らなかった、私も知らなかったのですよ、正直なところ。そういうような経過から御遠慮していただくということになった。それから理事会も開いたんですけれども、理事会では、さっきもお話ありましたように、自民党さん以外の理事の方は、委員の発言について拘束することは、原則としては反対だ。しかし、法務委員会から申し入れがなかった、あったからだということだけじゃなくて、やはり今回の場合は、法務委員会のこともあるから、原則としては制限すべきじゃないけれども、今回については、法務委員会でやっていただいたほうがいいじゃないかというのが、正確な委員会での、他の公明党さんなり、それから民社党さんなりの御発言です。私はそう理解しております。ですから、私としても非常に遺憾で、実に自分でも心苦しいわけです。決していいとは思っておりません。さっき御発言がありましたが、この問題は井本問題でそういうことになったんでございまして、渡辺さんは、井本問題の御質問と、それから公共事業について御質問を出されているわけです。ところが公共事業のほうは、それはまあお取りやめになって、井本問題だけでおやりになるということで、そこでこれだけが焦点になったわけです。私としても、渡辺さんから御指摘のように、委員の発言をむしろわれわれは制限すべきでないということを強く主張しなければならぬ立場にあるが、それがこういう結果になった。いきさつはそういうことであります。ですから、この点は私が最後に取りきめたわけでありまして、全責任は私が持たなければならぬと思います。だから御批判もおありでしょうし、これにつきまして至らぬところがたくさんございますが、その点については非常に御不満もあり御批判もございましょうが、これは甘んじて私は御批判を受けるよりしかたがない、こう考えているのであります。だから井本問題に限定しているのでございまして、他の質問御要求があった場合に、これについてはむしろ、私はざっくばらんにお話し申し上げたように、共産党の方は各委員会でずっと委員がおられないのでございますから、やはり委員会に席を持たれない共産党の人にはなるべく発言の機会を与えたい。私も一時少数党で発言の機会がなくて苦しんだことがありますから、私もなるべく発言の機会を与えたいということをざっくばらんに申し上げたのです。私の真意はそういうことであります。しかし、渡辺さんが御用意なすって、私は最初法務委員会の問題を知らぬものですから、積極的に渡辺さんを御支持いたしたいということから、おそらく渡辺さんは、この三日間のうちで質問できると思ってせっかく用意されてきたと思います。それがそごをして非常に御迷惑をかけたと思います。この点は私の不徳のいたすところで申しわけがございません。法務委員会のことを知らなかったのですが、法務委員会のほうを知ってみますと、やはり私のほうにも多少の理由はあるのではないか、私はそう考えて、非常に遺憾でしたが、まあああいう結果になった。もちろんその間に自民党の方々は、これは法務委員会でやるべきだということを主張されましたが、しかしほかの方々は、自民党の方の主張と違いまして、原則として認めるべきだけれども、この問題については、いままでの経過があり、法務委員会でひとつやっていただくようにしたらどうだ、こういうことに落ちつきまして、私も国会法等を知らなかった。いろいろ知りませんから、じゃ渡辺さんが、理事会でそうきめてもどうしてもおやりになる、そういうふうに言われた場合、私はそれじゃどうしたらいいのか、私も率直なところわからなかった。許可しなければならぬものかと思っておったのです。しかしやはりそういう場合には、国会法四十八条ですか、それによって処理するということになっておる。これは非常に抽象的で、これでむやみに処理すれば非常に危険がまた生じます。十分私もこの点は気をつけなければならぬと思うのです。これを乱用して発言を封ずることになったらたいへんだと思うのです。ですから、今回のことは、そういう特殊の事情があったものですから、私の考え方にも全然理由がないということでもないと思うのですが、法務委員会との関連もあって、その点はひとつ御了解していただきたいと思うのです。私は、さっき非常にひどくお責めになって、また、社会党が何か党利党略的に渡辺さんの御発言を封じたというような、そういうような御発言がありまして、そういう意図は毛頭ないのであって、法務委員会とのあの経過を私見まして、せっかく法務委員会が自民党が拒否したのを戦いとって、十五日にやるということにせっかくしたのに、ほかの委員会でやるということになると、常識からしてちょっと——それは渡辺さんの御意見もありますよ。そういう理由も立つと思うのです。しかし、これは一種の道義的なことになるのではないかと、こう思うのです。ぼくはそっちのほうに重点をおいたものですから、こういうまあ委員長をあまり扱いなれないので、はなはだ不手ぎわな結果におちいりましたが、その点はひとつ御容赦を願いたいと思う。お小吉がありましたら、また御批判もありましたら十分伺います。甘んじて私も御批判は受けるつもりでおります。
  300. 渡辺武

    渡辺武君 最後に一言だけ。いま、委員長、道義的にと言われましたですけれども、きのう、私、ですからこういうふうなことになって、私も非常に不本意だと、しかし、まあ委員の発言の権利というのはあるし、先ほど申し上げたような事情で、私としてはぜひ発言さしていただきたいと、何とかこれまるくおさまらないだろうかということをお願いして、そしてもしできたら委員長からほかの理事の方々にも私の意向をよく伝えていただいて、そうしてまあいろいろお話ししていただけないかと申し上げたところ、木村さんがおっしゃるのには、いや、これはもう社会党のほうで渡辺の発言は取り下げてもらうということになっているので、私としてはそういうことはできぬのだというふうにおっしゃられた。ですから、これは委員長、それは道義的とおっしゃるけれども、やはりその点、私、先ほど申し上げたような事情がやはりからまっておるし、かなり大きな比重を占めておると私としては考えざるを得ないのです。  それからもう一つ、道義的な問題という点で私が言いましたように、いろいろ何とかまるくおさめていけないものだろうかということで考えましたけれども、道義的な問題という点は十分に考慮しなきゃならぬが、同時にまた、委員としての正当な発言権もこれまた確保しなきゃならぬと思います。そしてむしろ後者のほうがやはり議会制民主主義を守っていくという点からすればより重要だと思うのです。私、別に道義的なことが何の必要もないとか、重要性がないということを言おうとしているのじゃない。そちらも重要だけれども、同時に、やはり議会制民主主義という原則は守っていくということが非常に大切なことだし、ですから、私がもし、その道義的な立場と木村さんがおっしゃる法務委員会の事情ということについて了承して、じゃ引きましょうということだったら、これは事情は簡単ですけれども、もし私、もしくはその他の委員が、いや、どうしても発言したいという場合に、一体、委員としての正当な権利を、これを委員長権限で踏みつぶすまでの比重が、道義的なものというところにそれほどに置かれなければならぬのか、私はそう思いません。やはり守るべきものは議会制民主主義、これを守っていくために努力することが、これが非常に重要だというふうに私は考えます。  それから最後にもう一点だけ申し上げさしていただきますけれども、国会法四十八条に基づいてきょう委員長が禁じられた。その禁示されたのは井本総長の問題だけであって、もし私が別の議題で発言を要求したら、それはできたと思いますが、ということですね。つまりこれは別のことばで言えば、委員の発言の内容について委員長が制限した、もしくは禁止したということになるかと思います。そういう前例がございますか。
  301. 木村禧八郎

    委員長木村禧八郎君) 内容じゃございませんよ。内容について干渉することはこれは越権ですよ。内容じゃなくて、さっきのいきさつからいって、この問題を取り上げること自体について、やはり法務委員会であれだけ努力されて、せっかく十五日にやるときまっているものをこっちでやる——だから、社会党はこっちで全部やらなかったところは、やはり法務委員会でやるということになっていたからだと思うのですが、それは御批判は自由ですけれども、内容について干渉するなんという、私もそういうことがあったら断じて許せないと思うんですよ。しかし、これは取り扱いの問題なんであって、内容についてどうこう言うことは私はないと思うんです。その点は大体常識から考えて……。
  302. 渡辺武

    渡辺武君 しかし、ほかの通告内容と選択的に区別して……。
  303. 木村禧八郎

    委員長木村禧八郎君) 渡辺さんだっておわかりになっていると思うんです、ルールについて。
  304. 渡辺武

    渡辺武君 しかし、国会の運営上の民主主義的なルールを守っていくかどうかということは大事な問題だと思います。だからこそ、皆さん御迷惑だと思うけれども、しかし同時に、これは私だけの問題でなく、各委員共通の問題でもある。ですから私はあえてこうして発言さしていただいておるのです。四十八条に基づく今回の措置というものは、やはり私は扱いを間違えておるというふうに思います。
  305. 木村禧八郎

    委員長木村禧八郎君) 御批判は自由です。
  306. 渡辺武

    渡辺武君 そういうこともありまして、委員長、あれですか、きょうおとりになった措置を撤回なさる意思はないですか。
  307. 木村禧八郎

    委員長木村禧八郎君) 撤回というより、理事会で大体話し合いを済まして、そうして私も前の理事会でもう一度渡辺さんに、法務委員会の経過もあり、そうして自民党さん以外の議員さんは、原則として発言を制限する意思はない、しかし、この問題については、法務委員会の経過もあり、発言を御遠慮してもらえないか、こういう御意見なんですよ。公明党さんの黒柳さんも、高山さんもそうです。自民党さんのほうは、これは法務委員会で扱うべきだ、こういう御意見なんです。ですから、じゃ、その場合私がどう裁断するか。ところが私はそこですぐにきめなかったわけです。きめないでもう一度渡辺さんにお話しして、こういうことであるからこれはお取りやめのお考えもないか、あったら——さっきもお述べになったような理由によって、これは不当である、そういうことで、いや私だけではなかなか判断困難であるし、渡辺さんの御意見も十分に伝わらぬといかぬから、渡辺さんみずからきょうの理事会にお出になって、そこで御意見を述べてくださいというので述べていただいたのです。述べていただいてそれで委員の御意見を伺ったわけです。そうしたら、それは前のこの理事会と同じ結果になったのです。それじゃどうするかというのです。どうするかというと、結局最後は、委員長がそれをきめざるを得ないのですよ。そのままにしておくわけにいかないのですね。そうすると、じゃ、委員長の判断としては、自民党さんは法務委員会でやるべきだ、他の会派の方々は、原則としては決して委員の発言を制限すべきではない、しかし、今回のこの問題については、法務委員会の経過もあるから、そうして渡辺さんに御遠慮していただくのがいいのじゃないか、こういう結論ですから、私はそこで渡辺さんに御遠慮していただけないか、ところが、だめだ、こういうことで、委員長としてはこれをお認めすることができなかった。こういう結果になったその責任については、幾らお責めいただいても甘んじて受けます、私はこういう決定したんですから。しかし、ただ思いつきでやったんじゃなくて、いろいろそういう経過があって、こうなっているんですから——私は、これをいまさら、思いつきでやったんじゃなくて、そういういろいろの理由があるんですから、これは撤回することはできないわけです。しかし、もう委員会で、そういうふうに——また委員会開いたって同じことになると思う。いずれにしても、私はこれは結着つけなくちゃならぬ問題だと思うのです。あとはもう批判はこれはやむを得ないのです。
  308. 渡辺武

    渡辺武君 若干委員長の言われておる点、事実と相違をしておるところがございます。それは先ほど言った法務委員会からの申し入れということを言われて、たとえばある委員などは委員会の発言は制限すべきではない、しかし、法務委員会から申し入れがきているというそのことについては検討すべきだという御発言だったんです。だから事実と違います。違いますけれども、いまここで言い合っていても、いま委員長のお立場はわかりましたので、私はこれは非常に遺憾だと、こういう不当なこの委員長の態度には、これはもう服すわけにいかぬ、こういうふうに思います。
  309. 木村禧八郎

    委員長木村禧八郎君) 本日はこれにて散会いたします。    午後六時三十五分散会