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1968-08-03 第59回国会 衆議院 本会議 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年八月三日(土曜日)     —————————————     開 会 式 午前十時五十八分 参議院議長衆議院参議院の副議長常任委員長議員内閣総理大臣その他の国務大臣及び最高裁判所長官は、式場である参議院議場に入り、所定の位置に着いた。 午前十一時 天皇陛下は、衆議院議長の前行で式場に入られ、お席に着かれた。 衆議院議長は、左の式辞を述べた。     …………………………………   天皇陛下の御臨席をいただき、第五十九回国会開会式をあげるにあたり、衆議院及び参議院を代表して、式辞を申し述べます。   去る七月七日参議院議員通常選挙が行なわれ、八月一日をもつて臨時国会が召集されたのでありますが、われわれは、新たなる構成のもとに、現下内外情勢に対処して、当面する諸問題の審議につとめなければなりません。   ここに、開会式を行なうにあたり、われわれに負荷された使命達成のために最善をつくし、もつて国民の委託にこたえようとするものであります。     ………………………………… 次いで、天皇陛下から左のおことばを賜わった。     …………………………………   本日、第五十九回国会開会式に臨み、参議院議員通常選挙による新議員を迎え、全国民を代表する諸君と親しく一堂に会することは、わたくしの深く喜びとするところであります。   国会が、国権の最高機関として、当面する内外の諸情勢に対処して、わが国国際的地位向上を期し、経済発展と民生の安定とを図るため、新たな決意をもつて、その使命を遺憾なく果たし、国民付託にこたえることを切に望みます。     ………………………………… 衆議院議長は、おことば書をお受けした。 午前十一時六分 天皇陛下は、参議院議長の前行で式場を出られた。次いで、一同は式場を出た。    午前十一時七分式を終わる      ————◇————— 昭和四十三年八月三日(土曜日)     —————————————  議事日程 第三号   昭和四十三年八月三日    午後一時開議  一 国務大臣演説     ————————————— ○本日の会議に付した案件  佐藤内閣総理大臣所信についての演説    午後一時四分開議
  2. 石井光次郎

    議長石井光次郎君) これより会議を開きます。      ————◇—————  国務大臣演説
  3. 石井光次郎

    議長石井光次郎君) 内閣総理大臣から所信について発言を求められております。これを許します。内閣総理大臣佐藤榮作君。   〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕
  4. 佐藤榮作

    内閣総理大臣佐藤榮作君) 第五十九回臨時国会が開かれるにあたり、所信の一端を申し述べたいと思います。  このたびの参議院議員通常選挙において、高い投票率が示されたことは、国民政治に対する関心の高まりと、議会制民主主義に対する信頼のあらわれであり、政治に携わる者は、ひとしくこのような国民の期待にこたえるよう、一そうの努力を傾けなければならないと存じます。  私は、この選挙を通じて、政府並びに自由民主党の政策国民大多数の支持と理解を得たものと確信し、その責務の重大さを思い、心を新たにして政局を担当する決意であります。(拍手)  私は、この選挙期間中、数多くの人々に直接わが党の政策政治的信条を呼びかけました。また物価、減税、住宅、公害、交通など、国民生活に大きな影響のある問題の解決努力することを約束いたしました。今後、これら諸問題の解決を通じて、国民生活の安定と向上全力をあげてまいります。  また、国民各位の率直な声を直接聞くことができましたが、国民は、何よりも安定と繁栄を希望し、平和と安全が確保されることを念願しております。(拍手日米安全保障体制を基調とし、自衛力を整備してわが国の安全を確保し、経済発展によって国力を増進していくという政府政策は、きわめて現実に適したものであり、日本民族の将来の発展につながるものであることがよく理解されているとの確信を深めました。(拍手)今後ともこの基本政策のもとに、自由を守り、平和に徹し、わが国の安全と繁栄を確保してまいる決意であります。(拍手)  およそ、相応の国民的負担なくして国の安全を確保することはできません。日米安全保障条約によって米国日本を防衛する責務を負っており、これに対しわが国基地及び施設を提供する義務を負っております。われわれは、国の安全を確保するという見地から、この条約上の相互の関係を明確に認識する必要があります。(拍手)しかしながら、政府は、国土並びに国民生活の実情にかんがみ、基地周辺の住民に生活上の不安や危惧を与えることのないよう、最善努力を尽くしてまいります。(拍手)  去る六月二十六日には、われわれが多年念願してきた小笠原諸島の祖国復帰が実現いたしました。まことに喜びにたえません。(拍手)今後は、国民的願望を背景に、沖繩早期返還全力を傾ける決意であります。(拍手日米共同声明に基づく沖繩返還に関する継続協議は、すでにその第一回会合を行ないました。日米関係の友好と信頼の基礎に立ってこそ、沖繩早期返還が実現するという私の信念には、いささかの変わりもありません。(拍手)また、沖繩百万の同胞が現実祖国へ復帰するまでの間は、本土との一体化を各分野において着実に推進いたします。  北方領土の返還は、全国民の切なる願いにもかかわらず、いまだに解決の手がかりをつかんでいないことはまことに残念であります。(拍手)しかしながら、われわれは、今後とも忍耐強く北方領土問題の解決をはかってまいらなければなりません。(拍手)  アジアの安定と平和を念願する日本国民は、ベトナム紛争がようやくにしてパリにおける会談にこぎつけたことを、ひとしく歓迎しております。私は、すべての当事者に受け入れられる永続的な平和が一日も早く実現することを心から希望しており、和平実現の暁には、この地域の復興と繁栄に寄与することはもとより、和平に至る過程においてもわが国役割りを十分に果たす考えであります。(拍手)これはまた日本国民の総意でもあります。  経済の動きは、輸出の顕著な増加などにささえられ、国内経済活動はかなりの水準を保っております。国際収支も、貿易収支の好転を中心に最近著しく改善されてまいりました。しかしながら、米国景気動向国際金融情勢推移など、国際経済前途には、なお注意を要する多くの問題があります。政府は、今後における事態の推移を慎重に見守りつつ、財政、金融政策の適切な運用をはかり、わが国経済の均衡のとれた持続的成長をはかってまいりたいと考えます。  昭和四十三年産米政府買い入れ価格は、米の収穫期を控え、すみやかに決定いたします。なお、米穀管理の問題については、その取り扱いに慎重を要することは申すまでもありませんが、制度の根幹は維持しつつ、需給動向に対応した総合農政推進の一環として、国民経済的な広い視野に立って所要の改善を行なうよう検討に着手すべき時期に来たものと考えます。(拍手)  最近、一部の学生が、学問を捨てて直接行動に訴え、秩序と治安を乱し、国民の不安を高め、非難を招いていることは、まことに憂慮にたえません。法秩序を守ることは、民主主義社会建設の基盤であります。戦後われわれがかちえた自由を守り抜くためにも、このような集団暴力によって民主主義を否定する反社会的な行為を許すことはできません。(拍手)大学は、自治の原則のもと、広範な自由を享受しており、学問研究人材育成という重要な使命を果たすべきものであります。学園における自治人間形成について、教育者の絶えざる努力を強く要望するとともに、自由に伴う責任について、学生諸君の自覚を心から期待するものであります。(拍手)  明治改元百年を迎え、明治の先人の近代国家建設への努力を想起しつつ、世界の中における日本の将来に思いをはせるとき、政治使命がいよいよ重大であることを痛感いたします。前途に横たわる幾多の困難を克服してこそ、新たなる発展と飛躍を望むことができるのであります。わが日本民族のすぐれたエネルギーは、これを建設的に、そして有効に活用するならば、新しい世紀において比類のない繁栄発展を期待することができます。そのためには、まず政治正道を歩み、正しい指針を示すことが必要であります。私は、ますます清潔な政治に徹し、綱紀を粛正し、行政を能率化して、国民付託にこたえる決意であります。  国民諸君の御理解と御協力を切望してやみません。(拍手)      ————◇—————
  5. 山村新治郎

    山村治郎君 国務大臣演説に対する質疑は延期し、来たる五日午後一時より本会議を開きこれを行なうこととし、本日はこれにて散会せられんことを望みます。
  6. 石井光次郎

    議長石井光次郎君) 山村治郎君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 石井光次郎

    議長石井光次郎君) 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決しました。  本日は、これにて散会いたします。   午後一時十六分散会      ————◇—————  出席国務大臣         内閣総理大臣  佐藤 榮作君         法 務 大 臣 赤間 文三君         大 蔵 大 臣 水田三喜男君         文 部 大 臣 灘尾 弘吉君         厚 生 大 臣 園田  直君         農 林 大 臣 西村 直己君         通商産業大臣  椎名悦三郎君         運 輸 大 臣 中曽根康弘君         郵 政 大 臣 小林 武治君         労 働 大 臣 小川 平二君         建 設 大 臣 保利  茂君         自 治 大 臣 赤澤 正道君         国 務 大 臣 木村 武雄君         国 務 大 臣 木村 俊夫君         国 務 大 臣 田中 龍夫君         国 務 大 臣 鍋島 直紹君         国 務 大 臣 増田甲子七君         国 務 大 臣 宮澤 喜一君      ————◇—————