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1968-08-08 第59回国会 衆議院 内閣委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    国会召集日昭和四十三年八月一日)(木曜 日)(午前零時現在)における本委員は、次の 通りである。    委員長 三池  信君    理事 井原 岸高君 理事 浦野 幸男君    理事 塚田  徹君 理事 藤尾 正行君    理事 松澤 雄藏君 理事 大出  俊君    理事 木原  実君 理事 受田 新吉君       赤城 宗徳君    荒舩清十郎君       上村千一郎君    内海 英男君       江崎 真澄君    桂木 鉄夫君       菊池 義郎君    佐藤 文生君       塩谷 一夫君    野呂 恭一君       藤波 孝生君    淡谷 悠藏君       稻村 隆一君    武部  文君       華山 親義君    浜田 光人君       安井 吉典君   米内山義一郎君       永末 英一君    伊藤惣助丸君       鈴切 康雄君 ───────────────────── 昭和四十三年八月八日(木曜日)    午前十時四十六分開議  出席委員    委員長 三池  信君    理事 井原 岸高君 理事 浦野 幸男君    理事 塚田  徹君 理事 藤尾 正行君    理事 松澤 雄藏君 理事 大出  俊君    理事 木原  実君 理事 受田 新吉君       上村千一郎君    内海 英男君       桂木 鉄夫君    菊池 義郎君       塩谷 一夫君    淡谷 悠藏君       武部  文君    華山 親義君       浜田 光人君    安井 吉典君      米内山義一郎君    永末 英一君       伊藤惣助丸君    鈴切 康雄君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (総理府総務長         官)      田中 龍夫君         国 務 大 臣         (行政管理庁長         官)      木村 武雄君  出席政府委員         人事院総裁   佐藤 達夫君         行政管理政務次         官       田村 賢作君  委員外出席者         人事院総務局給         与局長     尾崎 朝夷君         総理府人事局長 栗山 廉平君         行政管理庁行政         管理局長    河合 三良君         大蔵省主計局次         長       海堀 洋平君         大蔵省主税局税         制第一課長   安井  誠君         専  門  員 茨木 純一君     ───────────── 八月五日  委員華山親義辞任につき、その補欠として堂  森芳夫君が議長指名委員に選任された。 同日  委員堂森芳夫辞任につき、その補欠として華  山親義君が議長指名委員に選任された。 同月七日  委員華山親義君及び伊藤惣助丸君辞任につき、  その補欠として野口忠夫君及び渡部一郎君が議  長の指名委員に選任された。 同日  委員野口忠夫辞任につき、その補欠として華  山親義君が議長指名委員に選任された。 同月八日  委員華山親義君及び渡部一郎辞任につき、そ  の補欠として井岡大治君及び伊藤惣助丸君が議  長の指名委員に選任された。 同日  委員井岡大治辞任につき、その補欠として華  山親義君が議長指名委員に選任された。     ───────────── 八月六日  靖国神社国家護持立法化反対に関する請願  (井上普方紹介)(第一号)  同(小川三男紹介)(第二号)  同(岡田利春紹介)(第三号)  同外一件(河上民雄紹介)(第四号)  同(西風勲紹介)(第五号)  同外三件(枝村要作紹介)(第八号)  同(井上普方紹介)(第五三号)  同外四件(猪俣浩三紹介)(第五四号)  同(石野久男紹介)(第五五号)  同(石橋政嗣君紹介)(第五六号)  同(江田三郎紹介)(第五七号)  同外二件(大出俊紹介)(第五八号)  同外四件(岡田春夫紹介)(第五九号)  同(勝間田清一紹介)(第六〇号)  同(河上民雄紹介)(第六一号)  同(唐橋東紹介)(第六二号)  同(黒田寿男紹介)(第六三号)  同外二件(佐野進紹介)(第六四号)  同(柴田健治紹介)(第六五号)  同外一件(田原春次紹介)(第六六号)  同(多賀谷真稔紹介)(第六七号)  同外二件(武部文紹介)(第六八号)  同外五件(戸叶里子紹介)(第六九号)  同外三件(中嶋英夫紹介)(第七〇号)  同(西風勲紹介)(第七一号)  同外二件(華山親義紹介)(第七二号)  同外四件(浜田光人紹介)(第七三号)  同(平岡忠次郎紹介)(第七四号)  同外二件(平林剛紹介)(第七五号)  同外五件(広瀬秀吉紹介)(第七六号)  同(福岡義登紹介)(第七七号)  同外二件(帆足計紹介)(第七八号)  同(矢野絢也君紹介)(第七九号)  同外四件(安井吉典紹介)(第八〇号)  同外二件(山口鶴男紹介)(第八一号)  同(柳田秀一紹介)(第八二号)  同(山本幸一紹介)(第八三号)  旧軍人恩給改善に関する請願外一件(小川平  二君紹介)(第九号)  同(小澤太郎紹介)(第一〇号)  同(大坪保雄紹介)(第一一号)  同(小坂善太郎紹介)(第一二号)  同外二十一件(羽田武嗣郎紹介)(第一三  号)  同(細田吉藏紹介)(第一四号)  同(池田清志紹介)(第四三号)  同外二件(大橋武夫紹介)(第四四号)  同外一件(森田重次郎紹介)(第四五号)  一世一元制法制化に関する請願外四件(小澤  太郎紹介)(第一五号)  同外三件(仮谷忠男紹介)(第一六号)  同外四件(始関伊平紹介)(第一七号)  同外四件(砂田重民紹介)(第一八号)  同外三件(武藤嘉文紹介)(第一九号)  同外二件(小川半次紹介)(第四六号)  同外二件(保利茂紹介)(第四七号)  同(武藤嘉文紹介)(第四八号)  善意の日制定に関する請願上村千一郎君紹  介)  (第二〇号)  公務員賃金引上げに関する請願武藤山治君  紹介)(第二一号)  同(石野久男紹介)(第五〇号)  同(原茂紹介)(第五一号)  同(平等文成紹介)(第五二号)  板付基地撤去等に関する請願田代文久君紹  介)  (第二二号)  同(岡田春夫紹介)(第二三号)  元満鉄職員であつた公務員等恩給等通算に関  する請願足立篤郎紹介)(第四一号)  同外二件(広瀬秀吉紹介)(第四二号)  板付基地に近接する福岡東部農業協同組合事  務所移転助成措置に関する請願進藤一馬君  紹介)(第四九号) 同月七日  靖国神社国家護持立法化反対に関する請願  (麻生良方紹介)(第一〇三号)  同(池田禎治紹介)(第一〇四号)  同(石川次夫紹介)(第一〇五号)  同(加藤勘十君紹介)(第一〇六号)  同外三件(勝澤芳雄紹介)(第一〇七号)  同(佐々木更三君紹介)(第一〇八号)  同(楯兼次郎君紹介)(第一〇九号)  同(只松祐治紹介)(第一一〇号)  同(楢崎弥之助紹介)(第一一一号)  同(野口忠夫君介)(第一一二号)  同(長谷川正三紹介)(第一一三号)  同(原茂紹介)(第一一四号)  同外二件(安宅常彦紹介)(第一四四号)  同(淡谷悠藏紹介)(第一四五号)  同(小川三男紹介)(第一四六号)  同(春日一幸紹介)(第一四七号)  同外四件(木原実紹介)(第一四八号)  同(柴田健治紹介)(第一四九号)  同(田原春次紹介)(第一五〇号)  同(中谷鉄也紹介)(第一五一号)  同(西宮弘紹介)(第一五二号)  同(畑和紹介)(第一五三号)  同(林百郎君紹介)(第一五四号)  同(三木喜夫紹介)(第一五五号)  同(武藤山治紹介)(第一五六号)  同(村山喜一紹介)(第一五七号)  同(八木一男紹介)(第一五八号)  同外一件(山口鶴男紹介)(第一五九号)  同外一件(米田東吾紹介)(第一六〇号)  同(米内山義一郎紹介)(第一六一号)  同(有島重武君紹介)(第二〇六号)  一世一元制法制化に関する請願外二件(天野  光晴君紹介)(第一一五号)  同外三件(船田中紹介)(第一一六号)  旧軍人恩給改善に関する請願外五件(青木正  久君紹介)(第一一七号)  同外一件(佐々木秀世紹介)(第一一八号)  同(福永健司紹介)(第一一九号)  同外四件(床次徳二紹介)(第一六九号)  同外二件(西岡武夫紹介)(第一七〇号)  元満鉄職員であつた公務員等恩給等通算に関  する請願山下元利紹介)(第一二〇号)  同外二件(松澤雄藏紹介)(第一七二号)  同外三件(毛利松平紹介)(第一七三号)  同外七件(内海英男紹介)(第二〇七号)  公務員賃金引上げに関する請願吉田賢一君  紹介)(第一二一号)  同(川上貫一紹介)(第一六四号)  同(田代文久紹介)(第一六五号)  同(永江一夫紹介)(第一六六号)  同(林百郎君紹介)(第一六七号)  同(松本善明紹介)(第一六八号)  同外二件(大野潔紹介)(第二〇八号)  同(下平正一紹介)(第二〇九号)  引揚者等に対する特別交付金をえびの吉松地震  被災引揚者一括現金支給に関する請願(相川  勝六君外三名紹介)(第一六二号)  新島に米軍爆場設置反対に関する請願加藤  勘十君紹介)(第一六三号)  同(宇都宮徳馬君外一名紹介)(第二二二号)  ハンセン氏病に対する傷病恩給裁定基準確立  に関する請願福田篤泰紹介)(第一七一  号)  交通事故防止行政一本化のため交通省創設に  関する請願原健三郎君外十五名紹介)(第一  七四号)  恩給共済年金等改善に関する請願池田清  志君紹介)(第二〇二号) は本委員会に付託された。     ───────────── 八月六日  靖国神社国家護持立法化反対に関する陳情書  外十四件  (第一号)  旧軍人恩給改善に関する陳情書外一件  (第二号)  一世一元制法制化に関する陳情書  (第三  号)  同和対策特別措置法早期制定に関する陳情書  外三件  (第四号)  広島県下地域米軍弾薬集散基地化反対に関す  る陳情書(第五  号)  米海軍厚木航空基地即時返還等に関する陳情  書  (第六号)  米軍板付基地新田原移転反対に関する陳情書  外三件(第  七号)  同  (第五六号)  米軍板付基地即時撤去に関する陳情書外三件  (第八号)  米軍板付基地鹿屋移転反対に関する陳情書  (第九号)  米軍板付基地築城移転反対に関する陳情書外  一件  (第一〇号)  長沼町等にミサイル基地設置反対に関する陳情  書(第一一号)  恩給等受給者処遇改善に関する陳情書  (第五七号) 同月七日  米軍板付基地新田原移転反対に関する陳情書  外二件  (第一〇三号)  同和対策特別措置法早期制定に関する陳情書  外一件(第一二八  号)  多摩弾薬庫敷地内に米軍病院設置反対に関する  陳情書(第一二九  号) は本委員会に参考送付された。     ───────────── 本日の会議に付した案件  国政調査承認要求に関する件  公務員制度及び給与に関する件  行政機構並びにその運営に関する件      ────◇─────
  2. 三池信

    三池委員長 これより会議を開きます。  国政調査承認要求に関する件についておはかりいたします。  今会期中、国の行政改善をはかり、公務員制度及び給与の適正を期する等のため、  一、行政機構並びにその運営に関する事項  二、恩給及び法制一般に関する事項  三、国の防衛に関する事項  四、公務員制度及び給与に関する事項  五、栄典に関する事項 以上の各事項について小委員会設置関係各方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により国政調査を行なうこととし、議長にその承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。
  3. 三池信

    三池委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  なお、その手続等につきましては、委員長に御  一任願いたいと思いますので御了承願います。      ────◇─────
  4. 三池信

    三池委員長 公務員制度及び給与に関する件、行政機構並びにその運営に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大出俊君。
  5. 大出俊

    大出委員 総務長官にちょっと冒頭に承りたい点があるのです。公務員制度審議会が中断をされて久しくなるわけでありますが、私がこの委員会で再三質問を重ねているところでありますけれども、どうやら最近何とか形がつきそうに見えるわけですが、まずもって総務長官立場として、公務員制度審議会の再開のめど並びに経緯、考え方等について御説明いただきたいわけであります。
  6. 田中龍夫

    田中国務大臣 お答えをいたします。  御案内のとおりに、公務員制度審議会委員の一人でございます前田委員につきまして、皆さま方も非常に御推進御協力をいただきまして、ようやっと御就任の御了解をいただきましたことはまことに御同慶にたえない次第でございます。  なおまた、これらの委員会を一日もすみやかに開催いたしたいというために、任期が皆さま方切れておりますので、これらの方々に対しまして——公益使用者側労働者側者構成でございますので、その委員各位の充実を一日も早く完了いたしたいと目下努力中でございます。  なお、御審議をいただきます内容でございますが、御案内のとおりに、第一次の審議会におきましては、総理から公務員等労働関係基本に関する事項と並びに未施行規定取り扱い規定についての諮問がございまして、いろいろと御審議をいただいたのでございます。未施行規定取り扱いに関する事項につきましては答申をいただきまして、それに基づいて関係法令施行いたしたのでございます。したがいまして、第二次の審議会におきましては、労働関係基本に関する事項中心に御審議をいただきたいと考えておりますが、それらの事項のうちで何を取り上げて御審議をいただくか、これは審議会自主性、自主的な運営をしていただくわけでございますので、審議会が開かれましてから、話し合いの上でおきめをいただく、こういうことに考えております。
  7. 大出俊

    大出委員 これはドライヤー委員会、つまり実情調査調停委員会日本に参りまして、佐藤総理に、政府のイニシアチブで労使間の信頼回復ということを重点的にものを言っていたわけですが、それらの趣旨からいたしますと、その後のレポートを含めまして、この審議会で何を審議するのかという点はよほど諮問をする側が明確にしておいていただきませんと、委員会の中で労、使、公益おのおのございますからなかなかもめごとが続くということに相なる。そういう意味ではいま総務長官のお話しの中に、基本に関する問題、こういうことがございましたが、ことしの場合は特に、御存じだとは思いますけれども、ILOの六月総会中身等をながめて見ますと、八十七号条約なり九十八号条約なりを批准した段階、あるいは専門家委員会で指摘した段階と違いまして、少し問題点が先に進んでいるという感じがするのでありますが、人事局長からでもけっこうでありますが、そこら事情をどうおとりになっておるかという点を御回答いただきたいのであります。
  8. 栗山廉平

    栗山説明員 ただいま大出先生のおっしゃいましたILO関係でございますが、目下事情でございますけれども、ほかのことでがたがたしておりまして、詳しい事情労働省の側、並びに出席なさった方々からお聞きしておる最中でございまして、いまおっしゃいましたようなことはちょっと私も耳にはさんでおりますけれども、詳しいことはまだそこまでいっておりません。あしからず御了承願います。
  9. 大出俊

    大出委員 私のほうから申し上げましょう。長い質問をこの点についてする気はありませんので簡単に申し上げておきますが、旧来のILOのあり方といたしまして、一口で言えば、八十七号条約がまずできまして九十八号条約に及んだわけであります。団結権擁護しようとするねらいが八十七号条約。それから九十八号条約ができるにあたっては、その間のILO議事録などを読んでみましても、団体交渉権というものを擁護しようというねらいで九十八号ができた。してみると、そのあとに当然ストライキ権擁護ということに関する条約ができなければならぬILO経過なんですね。論争の過程もそうなんです。ところが当時の国際的な世情が、労使おのおのILOに入っております関係で、特に欧州中心になるとすれば、欧州の一部あるいはアメリカに見られるような、公務員ストライキ権が制限をされているということが特殊な例ですから、使用者が入っているILO機関の中でストライキ権擁護まであの時点で出すことは、ILOがまとまっていく意味ではまずいのじゃないかということで差し控えたいという経過が明確にあるわけです。ところがその後日本の百七十九号事件等中心にいたしまして、各般論議が各国の代表の間で行なわれまして、ぼつぼつここまでくると、ILO趣旨からいたしまして、いよいよストライキ権に関してこれをどう擁護するかというところまで入らなければいけないのではないかという機運が生まれてきまして、先般六月開かれました五十二回ILO総会で八十七号条約の保護の対象にストライキ権が含まれることを明らかにするということで、ようやくILOもそこまで踏み切ったわけであります。そうなるとILO実情調査調停委員会という形で来られたドライヤー委員会、ここに端を発して公務員制度審議会が今回第二次、こうなるわけでありますから、かつての状況とだいぶ事情が違う。したがって労働問題の基本に触れる問題を討議してもらいたいという諮問内容ですけれども、国際機関がいま申し上げたところまで進んでいるという現状認識ですね。この上に立って諮問をするという立場に立っていただきませんと、日本も再加盟をしているわけですからぐあいが悪い。こう実は考えているわけであります。したがって、そこのところをいままだ詳しく御検討いただいていないというお答えでありますから、そのことを追及はいたしません。いたしませんが、実情がそうであるという点を御指摘申し上げたい。そういったところまでを含めた諮問をおやりになるのが当然であろう、私、実はこういう見解なのです。その件につきましてひとつ再答弁をいただきたいのです。
  10. 栗山廉平

    栗山説明員 お答え申し上げます。  ただいまのILOのお話でございますが、先ほど申し上げましたように、詳しいところまだILOまで私勉強いたしておりませんので、はっきり申し上げられませんですけれども、労働省のほうで正式のレポートを手に入れられたようでございます。それをいま詳しく検討なさっておられるので、そのレポートを見ないと何ともわかりませんが、おっしゃるような議論は出たようでございますけれども、レポートにはたして正式にそれが入っているかどうか、この点いま詳しく検討いたしてもらっております。  それから諮問の点でございますが、諮問につきましては大出先生よく御承知のように、第一次の審議会におきまして基本権諮問が発せられております。したがいまして、その基本権につきましてさらに継続審議と申しますか、第一次審議会におきましては、先ほど総務長官が申し上げましたように、たな上げ部分だけの答申が出たわけでございますので、基本権につきましてはさらに第二次審議会で本格的な審議を始めていくということになっております。したがいまして、その間にいかなる取り上げ方をしていかなる審議を進めていくかという点につきましては、総務長官が申し上げましたように、各般事情考えまして審議会が自主的におきめになる。もちろんわれわれのほうとしましては、これに必要なデータをそろえまして、十分な御提示を申し上げたいというふうに考えておる次第でございます。
  11. 大出俊

    大出委員 その点は了解いたします。  もう一つだけ申し上げておきますが、この第一次の審議会がたな上げ部分に関してのみ答申を出した。ところが、このたな上げ部分の中で、審議会論議をしていない部分が幾つかある。この点は前田会長にこの席に参考人で御出席をいただいて私が質問をいたしましたが、会長御本人が認めておられる。さらにもう一つ、いま申し上げましたように労働問題審議会審議をしていない部分と、それから、審議をして答申は出したのだけれども、しかしながら出したからそれでいいというものではなくて、政令で、たなからおろしまして施行をしたというあとであっても、問題の提起さえ審議会であれば、一ぺん答申を出した中身についてもさらに検討をしてまとまったものを出していただきたい。またそのことにやぶさかではない。こういう答え方になっているわけであります。したがってそこらの点も、これは非常に大きな問題でありますから、日本労使関係、特に公務員労使関係正常化信頼回復をはかるという大前提があるわけですから、そういう意味で幅広く意見は取り上げていただいて論議をいただくという進め方を、諮問にあたってお考えおきをいただきたい、こう思っているわけですが、ここらのところもひとつ念のためにお考えを聞いておきたいのです。
  12. 栗山廉平

    栗山説明員 お答え申し上げます。  第一次審議会のときのたな上げ部分答申につきましては、ただいま大出先生おっしゃいましたように、なお議論の尽くされていない点もある。したがいまして、次には基本権と合わせてこの点も必要な限り審議をしていきたいということが答申に載ってございます。ただいま申されたとおりでございます。したがいまして、基本権と合わせまして、あるいは並行しまして、この点にどの範囲でどの程度おやりになるかは、これは審議会のお取り上げの自主性の問題でございますけれども、当然基本権のみならず、その点も言及して審議をされることとわれわれは推察いたしておる次第でございます。
  13. 大出俊

    大出委員 あなたの前任者増子さんの時代ですから、増子人事局長が当時諮問中身説明をしておりますから、念のために御注意を喚起申し上げておく、こういうわけですが、さて、大体いつごろ開くというめどでございますか。長官これひとつ……。
  14. 田中龍夫

    田中国務大臣 できるだけ早く開きたいという希望でございまして、私どもも公益委員その他の方々や、またその他人事関係を早く整理いたしたい。
  15. 大出俊

    大出委員 一説に九月の初めだというようなことがございますが、その辺めどにお考えでございますか。
  16. 田中龍夫

    田中国務大臣 できるだけ早く開きます。
  17. 大出俊

    大出委員 審議会関係の問題は以上で終わりたいと存じます。  人事院佐藤総裁に承りたいのですが、だいぶ作業は進んだだろうと思いますが、先月二十四日の日には、私があと考えてみたら、四時間の質問になっておりました。おそらくあれは、きょうは、社会労働委員会だとか地方行政委員会だとか各委員会で、地方公務員皆さんなり公営企業皆さんのことでいろいろ質疑を進められるようでありますし、また、参議院の内閣委員会でもおやりになるようですが、私の四時間にわたる質問が基礎にっておって、それを土台にしたそこから先の質問というようなことになっているようでありますから、あまり長く質問してもいたし方ないという気がいたします。したがって、できるだけ簡単に、要点を追って、先般の質問につないでひとつ御質問申し上げたいわけですけれども、勧告が出るのは大体十六日ごろですか。
  18. 佐藤達夫

    佐藤政府委員 着々と作業は進捗いたしておりますので、ちょっとおくれぎみかもしれませんけれども、大体従来どおりのペースでやっておりますから、そうおそくなるものとも思っておりません。
  19. 大出俊

    大出委員 いま総裁の顔色を見ておりましたが、大体その辺のところのようでございまして、昨年が十五日でございますから、ちょっとおくれるというと、十六日がちょっとおくれたところで——見当だけつけておきたいと思ってずばり御質問したわけですが、大体いいところじゃないかと思います。  さてそこで、内閣委員会を開く都合もありますので、これは所管の委員会ですから、出た時点というものを考えながら、委員会は設定したけれども勧告は先へ行っちゃったというのでは困るのですから、それでいま御質問したわけですが、大体その辺の見当という感じでありますので、その辺でひとつ準備をいたします。  ときに、寒冷地手当の関係は別に勧告しますか。
  20. 佐藤達夫

    佐藤政府委員 これは事柄の性質から考えると、必ずしも一緒でなくてもいいと思いますけれども、作業は並行してやっております。両方ともできれば一緒にしたほうが形はきれいじゃないかというような程度の気持ちを持っております。
  21. 大出俊

    大出委員 勧告の基礎になる調査諸票の集計等がだいぶおくれているというので、私がちょっと人事院のある人に電話を入れたのですが、だいぶおそいじゃないかと言ったら、寒冷地手当のほうがございましてというお話なんです。そうなるとこれは、一緒ぐらいに出すんだろうというふうに推測をしておりましたが、一緒にするか別にするかは別として、寒冷地手当のほうも大体同じ時期くらいに出せる、こういうふうに考えてよろしゅうございますか。
  22. 佐藤達夫

    佐藤政府委員 どっちがいいか、大出委員が御意見をお漏らししてくださるとたいへん参考になるのですが、私どもは、先ほどのようなすなおな気持ちでやります。
  23. 大出俊

    大出委員 これは長年の懸案でございまして、これは少しやらなきゃいかぬと思ったときに、総裁の改選期にぶつかりまして、佐藤総裁が再選されるのやらされないのやらということがありましたから、御遠慮申し上げたいきさつがございます。早いほうがいいということでございますから、勧告のときに間に合えばそれが一番いい。当初八月の初めごろに出るんじゃないかというような流れ方もありましたが、これまたなかなかむずかしい問題があるからおくれたと思うのでありますが、待っておりますから……。かといって、中身が諸般の陳情書に盛られておる中身とあまりかけ離れても、落胆を早める結果になりますので困るのですけれども、ひとついいものをできるだけ早くお出しをいただきたいと考えますので、せっかく御努力願いたいと思います。  ところで、大体六千七百の事業所、四十五万人、九十一職種をお調べになってサンプリングなさっているわけですが、大体まとまって、どうやらかっこうはついておりますか。
  24. 佐藤達夫

    佐藤政府委員 その点はお答えしてもあまり役にも立たないと思いますからなんですけれども、大体例年の例からいいますと、もうそろそろ出るころだということは御承知のとおりでございます。
  25. 大出俊

    大出委員 この間全部質問しておりますから、あまり重複してもしようがないのでかけ足をいたしますが、この間私があげましたように、労働省が調べている毎月勤労統計なり、あるいは総理府の生計費支出調査なり、あるいは春闘の積み残しといわれる本年の春闘で一三・五%上がっておりますが、そういうような問題であるとか、あるいは昨年の三%の物価に比べて五・一ないし二という数字が出ているとか、いろいろ私は例にあげまして、さて実態調査をおやりになる面に、それが別な角度からどうあらわれてくるかということをずっと詰めていったわけであります。そこで一つずつ承りたいのでありますけれども、五月、四月の勧告実施時期の問題は、その後の検討の結果はいかがでございますか。
  26. 佐藤達夫

    佐藤政府委員 なお検討を続けております。
  27. 大出俊

    大出委員 新聞によると五月なんていうようなことを書いておりますが、まさか総裁、そうお話しになったわけではないでしょうね。
  28. 佐藤達夫

    佐藤政府委員 そのようなことを申し上げるはずがないことは御信頼いただけると思います。
  29. 大出俊

    大出委員 そうすると、四月、五月のいずれにするかは勧告が出る時期まで検討を続けるということですか。
  30. 佐藤達夫

    佐藤政府委員 ずっと検討を続けております。
  31. 大出俊

    大出委員 印刷の時間を除きましてその直前まで検討を続けるということでありますが、そうなると、これは新聞が書いている例年どおりの五月ということになりかねないという感じがいたします。再度強調しておきますが、五月でなければならぬ特別の理由、あるいは四月にしてはまずいという理由はいずれもない。これは再確認したいのですが、よろしゅうございますか。
  32. 佐藤達夫

    佐藤政府委員 その点はたびたび申しますように、ごく最近にもここで申し上げたと思いますが、その点について別段の進歩はしておらない。勉強はしておりますけれども、別段かつて申し上げた以上に進歩はしておりません。
  33. 大出俊

    大出委員 進歩していないということは五月実施勧告になりそうでありますが、それを聞きっぱなすわけにまいりません。政府皆さん、特に大蔵省の方々、次長がお見えになっておりますが、七百億の旧来の予備費に五百億を追加して千二百億、災害等の関係でかきねはないと言っておられますが、依然として追加したのは五百億であるという現実が残っている。そうすると、この五百億のワク内ということを言いかねない予算当局だという感じがする。そうなると、総務長官は、この間私に、災害がないことを祈っているというお話がありましたが、災害がなければそのほうの予算が給与に回るという意味だと思いますが、いまそういう微妙なところにあるということなんで、かりに長官が祈られているように、災害がこれから少なかったというので災害関係の予算が千二百億のワク内で多少なりとも例年よりは少なくて済んだということになったとしても、やはり総合予算主義のたてまえをおとりになるのだとすると、これは積算の基礎からいきまして八月実施という言い方を昨年に引き続いて固執される予算当局だろうと思う。総裁は、先般来どうしても五月実施でやってもらいたいと言っておられますが、相変わらずまだ本年も食い違いがあるわけであります。そういうことになりますと、これは一カ月でも二カ月でもあるいは三カ月でも——三カ月で満ぱいですから、とにかく前に推し進めなければならぬことになるとすれば、さてしからば人事院に何ができるかということになる。何ができるかということになると、やれる方法は、旧来五月実施勧告を出してきた人事院がこの際踏み切って四月実施という勧告を出す、このことが前に進める非常に大きなファクターだというように私は思うわけであります。このことは何べんも申し上げておりますから、総裁もよく御存じだし、やればできることで、人事院の権限だ。だとすれば、なぜ一体それが四月に踏み切れないのかという疑問がどうしても残る。くどいようでありますけれども、そこのところをもう一ぺん答えてください。
  34. 佐藤達夫

    佐藤政府委員 よくわかりませんけれども、五月を四月にすれば従来よりも一月は繰り上がるだろうということであるとすれば、気持ちとしては、目下完全実施していただきたいという要望を申し上げなければならぬという気持ちでおります。
  35. 大出俊

    大出委員 五月を四月にすれば一カ月繰り上がるだろうというのではなくて、八月という積算根拠を大蔵省は持っておられる。これはかつて津吉さんが、いま給与課長はおかわりになりましたが、押え込みか上のせかというようなことを言われたときに、私が質問している途中で八月という積算の基礎を持っておられる。なぜならば、昨年の人事院勧告をめぐって一体最終的に補正計上額幾らなんだと言ったら、五百四十七億八千万円ですか九千万円ですか、こういう答弁をされて、三十億節約財源が入っておる。さてそこで、もし七・九%という本年の勧告が来年もそうだということになった場合にどのくらいかかりますかと言ったら、五百七十九億ですか、そういう答弁をされておる。積算の基礎を八月にしておられるから、すらすらとこれは出てくる。そういうことになると、そういう雰囲気のままで総裁がまた本年完全実施を叫ばれても、なかなかこれは世の中の雰囲気が政治的に前に進みそうもない。だから十一月というはんぱな勧告をしなくても、四月実施ということを前にやったこともあるわけですから、そういうたてまえをことしおとりになったほうが、全体的に政治的な一つの雰囲気として前に進めるということになる。これは人事院がやればできる。人事院の総裁の権限ですから。だからなぜそれをやる気にならぬのかと、こういうふうに私は詰めているわけでありまして、何も四月にしたから一カ月上がるだろう、そういう意味ではない。あなたが完全実施をおっしゃるならば当然そういうふうな配慮が必要ではないか、こう言っているわけです。でないと、またあなたは私に、五月勧告を出したから五月実施してもらいたいというのでかけ回っているのですが、どうも政府の要路の方々がなかなかめんどうで、こういう繰り返しになってしまうという心配をするので、したがってこの点を、どうも少しくどいという感じが私自身しますけれども、くどく申し上げているのです。
  36. 佐藤達夫

    佐藤政府委員 四月実施の問題と完全実施の問題とどういうからまりになっておるのか、ちょっとよくわかりませんけれども、私どもはともあれ完全実施をお願いしなければならぬ、そういう一本やりで今後は努力するつもりでおります。
  37. 大出俊

    大出委員 どうやらこのやりとりで総裁の腹の中は五月実施で旧来どおりの勧告をするということになりそうですが、しかし、先ほど最後まで検討するという前提がついておりますから。私が言っていることは、いまあなたわからぬとおっしゃっているけれども、この間だって——いまになってわからぬと言ったら困る。わかっているはずだから、ひとつ残るところ御検討いただきたいと思います。  それから、この間のお話で、初任給というところで、ことしの場合には昨年と違って、昨年は民間の大手があまり新規採用をしていない、したがって初任給が極端な上がり方を見せなかった。ところが本年は民間の大手が新規採用をどんどんやっておられるということから、中小企業の側等もどうしてもよけい出さなければ人が来ないというような形で初任給が非常に高くなってきている、こういう傾向があるというところまで、あなた方と私の論議はいったわけですね。そこで初任給ということになると、全体的な傾向から見てまだまだ公務員の初任給というのは、私どもが見る限りは非常に低いという感じがするのであります。ここのところ官民比較の面で民間の初任給の著しい動きが見えると思うのですが、どういうふうにおとりになっておりますか、たとえば新高卒なら新高卒という例をとって。これは尾崎給与局長お見えになっておりますから尾崎さんからでも答えていただきたい。
  38. 尾崎朝夷

    ○尾崎説明員 本年の民間における初任給の状況につきましては、東京商工会議所等の調査が若干発表されております。そういう関係を私どもいろいろ承知しているのでございますけれども、そういう資料から見ますと、去年からかなり上がっているような感じがいたします。しかし、私どもとしましては民間の給与調査をやりまして、その関係を私どもデータとしてしっかりとらえるということで、現在その集計結果をいろいろ検討しているところでございまして、民間の状況はこれによって十分反映されるというふうに考えているわけでございます。
  39. 大出俊

    大出委員 念のために承りますが、現行大学卒、新高卒、中卒に分けまして初任給は幾らでございますか。
  40. 尾崎朝夷

    ○尾崎説明員 昨年の改正によりまして現在の公務員の初任給は、東京といなかとでは手当が違いますので東京を例にとって申し上げますと、大学卒の上級甲、いわば理工系と申しますか初任給調整手当を二千五百円支給されております者につきましては二万九千二百十二円という額になっております。なお、理工系でなくて文科系、法文系の場合には千円初級調整手当がついておりまして二万七千七百十二円ということになっております。また高校卒の初任給採用につきましては一万九千五百四円という数字になっております。
  41. 大出俊

    大出委員 そうすると、今度は新高卒の例をとれば二万円くらいになるということだろうと思うのですが、大体そんな見当ではないですか。
  42. 尾崎朝夷

    ○尾崎説明員 現在民間の結果によりましていろいろ検討しているところでございまして、その結果はまだはっきりしておりません。
  43. 大出俊

    大出委員 勧告が出てからということでしょうがね。去年の例からいきますと、給与に関する報告、勧告の概要を人事院が出しておりますね。この中で初任給の問題に触れて一般の事務、技術系統の職員の初任給が民間の支給額との均衡を考慮して考えた場合に、高校卒で千百円、あるいは大学卒で千八百円引き上げをやる、こういうふうに概要には出しておるわけですね。ところが現在ながめてみて、ことしの民間の春闘時における初任給の動き等をながめておりまして、いろいろとり方がありますが、よほど人事院がこの勧告で考えていただかないと人が採れない、こういうことになるのではないかと思っているのです。  たとえば公労協の例をあげますと、公労協というのは非常に初任給は高いですね。特に私の出身の郵政省なんというのは、新高卒で二万三千円からの初任給です。尾崎さん、専門家ですからおわかりだろうと思います。そうでなければ人が採れない。現在いる人がスカウトされてほかに持っていかれることになってしまう、現にそういう例がたくさんある。だとすると、ここで総裁、この間答えておられるように、公務員の試験を受けに来る人たちがどんどん減る傾向がある。それじゃ困るわけですね。だからいま私が聞いて人事院がここで答えてしまえば、勧告の中身をここで明らかにすることになるからおっしゃらないことはわかるけれども、だから私のほうから二万円見当ではないかとこういうふうに申し上げている。数字を詳細におっしゃらなくてもいいけれども、大体去年の傾向からいって想像がつく。だとすると、それでは低い。だからそこのところをもう少し上げなければ採れないのではないかという心配をするのですが、そこらはどういうふうにお考えになっておりますか。
  44. 尾崎朝夷

    ○尾崎説明員 申し上げるまでもございませんけれども、初任給は民間といわば競争をいたしまして優秀な職員を採用するということのポイントとなるところでございますので、これにつきましては従来から人事院といたしましては十分考慮して民間の状況に注意いたしまして、そして、かついい職員を採用できるようなつもりでいろいろ改善をはかってきているわけでございます。したがいまして、ことしの場合にも同じような気持ちにおきまして、民間における初任給の状態がどうか、それから御指摘の三公社五現業におけることしの決定の結果——まだ決定してないところもございますけれども、そういう結果も十分いろいろデータを集めまして、現在検討中でございます。
  45. 大出俊

    大出委員 高校卒の二万三千円という初任給を郵政省の場合にきめてみましても、湘南地域の郵便局なんかの例をあげますと、若い新高卒の方が一つの職場に四人入ってきた。しばらくおったと思ったところが、この四人が全部一せいに休んでしまって出てこない。どういうことなんだということで庶務課長さんが心配をして、寮に行ったりしてみたところが、四人とも抜け出して、いない。近くにいすゞの自動車工場ができまして、そちらのほうが高いのです。そちらのほうから声がかかった。郵便局の入り口の斜めはす向かいのところに紙が張ってある。その紙につられて行ってみたら、これはそろばんはじいてみると、とてもじゃないが郵便局なんかにつとめているのはばかくさくてしようがないというので、いすゞのほうにくらがえしているんですね。私が行ったら、局長さん嘆くこと嘆くこと、せっかく公労協は団体交渉ができるからというので初任給を、一生懸命組合がやって上げてくれた。郵便の外勤なんて、かっこいい仕事じゃないけれども、それでもこれだけになったから何とか来てくれるということでやっているんだけれども、隣にいすゞができたら、そっちのほうが高いのでぱっと持っていかれる——これは一つの例で、そこだけじゃない。ほうぼうそういう状況なんです。人を採れないのです。だから郵政省なんというものは、私どもに何とか郵便を配達する外勤の諸君、新高卒の方をめっけてくれといってしきりに頼む。課長さんなんかが自分の出身のいなかへ行って一生懸命探してくる。中小企業以下ですよ、そうなってくると。天下の官庁がそういうことではこれはおさまりがつかぬと私は思うのです。私は先ほど陳情をいただきました。国立療養所の方がお見えになって、先ほど資料をいただいて、読んで見ているんですけれども、これは総裁のところには何べんかお伺いしたというのですから、よく御存じだとは思うのですけれども、お医者さんなんかでも、一つ間違えば、八年つとめた、十年つとめたなんという人がスカウトされていなくなってしまうということになる。そういうことでは困ると思うのですね。何としてもこれは上げるものは上げなければいかぬ、こう思うのです。そこのところをどういうふうに受け取っておられるのかということがどうもあいまいなんですね。私が二万円だろうとこう言ったら、数字をうっかり反論的にいやそうじゃありません、二万百円ですよ、と言ってしまえば、実は初任給勧告の中身に書くやつを明らかにすることになるから言えないのはわかるけれども、お互いにしろうとではないんだ、長年やり合っているんだから、見当はつくんです。見当がついた上で少ないと言っているんですから、自信があるのかないのか、それで一体公務員が採れるのかどうか、特に現業、お医者さんでいえば臨床医、このあたりの——研究職や教育職のことを言っているんじゃない。そこらあたりをどうするんだということを、私はもう少し考えていただいていいんじゃないか、こう考えているんですけれども、いかがですか。
  46. 尾崎朝夷

    ○尾崎説明員 御指摘のとおり、初任給はそういう意味合いにおきまして非常に大事なポイントだと思っております。したがいまして、私どもとしましても、民間における初任給の状態というものの調査をいろいろ慎重にやりまして、その状況をできるだけ承知したいということで資料を収集をしておるわけでございます。たとえば、お医者さんの場合につきましては、特にその関係は、都会よりはいなかのほうで初任給がはなはだしく高い、つまり、いなかのほうに持っていくことが非常に困難だということが、ほかの職種と非常に違っているところでございます。昨年はそれに手当てをするという意味合いにおきまして、いなかのほうに対する初任給調整手当を一万円に増額するということをも措置したわけでございますが、ことしはさらにそういう関係をいろいろデータをとっておりますので、民間における初任給につきましては、十分反映するようなつもりでいろいろ検討しているところでございます。
  47. 大出俊

    大出委員 いまの点は私はこの間総裁に御質問いたしましたが、一万円と五千円のランクをつくった。だけれども、それでも足らない。足りないから今回の勧告でもう一つ考えてくれなければ困るということをこの間申し上げた。総裁も同感だというお話だった。中身がどうなるかは別として、そういう傾向にあることはこの間お認めになっておられた。だからそれを繰り返す気はない。おわかりいただいたのだからいいのだけれども、実は私はそこにある陳情書をいただいて——これは与党の皆さんもけさ内閣委員会理事会で承ったのですから。そうしたらこのごろはベトコンばやりでございまして、こんなばかな話はないじゃないか、上げちまえ——上げちまえと言ったって、それは与党の皆さんが、正規軍の方々のほうが賛成してくだされば上がっちゃうと思うのです。どうも正規軍の方々が、三池委員長を含めて、黙して語らずでは上がらない。だからそうなると、どうも人事院に頂門の一針を、国会ないし正規軍の方々を含めて与えていただかないと、実は最近はベトコンのほうが旗色がいいのだけれども、それにしても何かそこに与えていただかないと、総務長官給与担当大臣いかがですかと言っても、正規軍に属するからものが言えない。そうなると、米価でやられたベトコン流のことを、何とかひとつわがほうに入ってきていただいて、一緒になってやっていただかなければ上がらない。だから総裁、どうしてもそこのところはあなたのほうで、勧告の時点で考えていただく以外に手がない。そこで私がこの間あなたに申し上げたのは、これは給与局長にもぜひ聞いておいていただきたいのだが、この間の繰り返しになって恐縮なんだが、皆さんがサンプリングをおやりになる。九十一職種、六千七百の民間事業所について、四十五万人を対象としてお調べになる。その際に調べるのは、あくまでも個別賃金比較をやるわけです。対応等級の形で比較していく。そうすると、その個別賃金の調査の面では、たとえて言えば、国立療養所なら療養所に働いておられるお医者さんの場合に、民間の医療機関におられる方々と比べて相当な差がある。ところが、あるいは研究職でもそうでしょう、教育職でもそうかもしれない、その差が現実にあるのだけれども、さてそれを集計して、昨年の勧告で言えば、四月時点で春闘の積み残しというものを除外すれば五・七%という官民格差が出てきた。ところが五・七%の官民格差になったときには、それよりもはるかに格差のある医療職というふうな場合に、五・七%にならされてしまうわけです。ならされてしまって、言うならば平均賃金、ベース賃金に還元されてしまう。そのワクの中で今度は俸給表をおつくりになろうとするから、医療関係の方を高くしようとすれば、ほかにしわが寄る。だから、がまんしてもらってということで押えてしまう。そうなると格差は、てにをははつけませんけれども、基本的な立場から見て縮まってこない、こういうことになる。だから私は、そういう場合は、そういう特殊な、非常に格差の広くなっているところは、全体の五・七なら五・七のワクの中にはめるのではなくて、高いところは高いところで認めてあげるような——予算当局が後にいますけれども、そういうものの考え方を持たなければ、旧来の人事院システムのままでは解決しないのではないかという点を、この間私は強調している。これはお医者さんの場合なんか、いい例です。総裁、ここのところをもう一ぺん伺いたいのですけれども、どういうふうにお考えですか。解決しませんよ、いまのシステムでは。
  48. 佐藤達夫

    佐藤政府委員 前回申し上げたような気持ちでおるわけであります。要するに、従来非常に気にしながら前進は続けてまいったつもりでありますけれども、さらにことしもできるだけのことをやりたいという気持ちで臨んでおるわけでございます。
  49. 大出俊

    大出委員 ここにあるのを見ますと、これは医療職の俵給表の(一)でございますが、四十年間つとめておられる方もいるのです。四十年、これはたいへんなんですね。そうかと思いますと二十四年、十二年、こうなっておりますが、この十二年の方の例をとりますと六万七十四円ですよ。大学を出てお医者さんになっておつとめになって十二年間、これは国立療養所につとめておられる。十二年おつとめになって俸給月額が六万七十四円、これがAですね、それに調整額Bの四千八百五円がついておる。そうするとA+Bで六万四千八百七十九円、これはどうも確かに民間に引き抜かれる、スカウトされる要素を多分に含んでいるわけであります。それから八年の方がここに一人おりますけれども、八年の方を見ますと、四等級の八だと思いますが、これで見るというと俸給月額では四万九千六百六円、調整額が三千九百六十八円、だからA+Bで五万三千五百七十四円。調整手当というのがありますけれども、実はこういう状態ですね、どうもこうなると、民間で四十年も十二年もつとめていればこんなことはない。それから二十四年間つとめておられる方が俸給月額九万九千九百三十六円、四十年つとめて十三万七千五百円、これはお医者さんですからね、これを見ますと、どうもこれはいまのままでおいておけないという気が私はするのです、結核療養所等で非常に苦労してつとめておられる方々ですから。そうすると、そこらのところをやはり今回の勧告あたりで、一ぺんにできなければとりあえずの目標を勧告の中に掲げていただきたいのです。これこれの格差があって、こうしなければお医者さんがスカウトされて逃げる、あるいはとれない、こういう実情にあることを認めるということについて、しかし全体的なワクその他の関係でことしはこれしかできなかった、しかしこれは何年計画とこう書く。これを書く、書かぬは別でいいですけれども、総裁のほうの立場もありましょうから書き方は皆さんがお考えになればいいということですけれども、先行きここまで詰めたいというものの考え方を勧告の表に出していただきませんと、やめようかという人が出てきては一大事ですから、そういう意味で私は皆さん方にこのあたりのことはもう少し——また出ておりませんからわかりませんよ、わかりませんが、勧告の中に書くのだ、こう書きますとおっしゃられれば論議になりますけれども、これは言えないはずですから私は推測でものを言うのだけれども、満足しかねる、あるいはつとめておられる方々がある意味で希望を失ってどこか民間をさがすというような気になられては困る、そういう意味で、そういう歯どめを含めてあなた方が考えている現状の考え方にプラスしていただいて先々こうする、こういうふうに考えているというところあたりが出せないものかどうか承っておきたいのです。
  50. 佐藤達夫

    佐藤政府委員 たいへん思いやりを込めたおことばでありがたいことだと思いますけれども、先ほど申しましたようなことで実情はもちろん十分われわれはつかんでおりますし、だからほってはおけないという意識に燃えて今日までこの問題と取り組んできたわけであります。しかし何ぶん御満足のいくところまでにはいっていないということはわかります。したがって、できるだけその従来のわれわれの態度を前進させてまいりたい、こういう意気込みでこれから取り組もうというわけであります。
  51. 大出俊

    大出委員 それから手当でありますけれども、県立の療養所等の例からいきますと、研究手当あるいは研究費というような形で平均いたしまして五万から六万くらい、各県立ごとによって多少違いがありますが、低く見ましても四万から五万くらい、この陳情書にもありますが、そのくちい出ているわけであります。そうすると、この研究費なり研究手当等の面からいきましても、どうもたいへんに国立療養所の関係は低い、こういうふうに見えるわけでありますが、ここらは給与局長お調べになっておりますか。
  52. 尾崎朝夷

    ○尾崎説明員 研究費の関係は私どもの所管外でございますので、十分調べておりません。
  53. 大出俊

    大出委員 所管はどこになりますか。
  54. 尾崎朝夷

    ○尾崎説明員 厚生省の医務局かと存じます。
  55. 大出俊

    大出委員 これは考え方としては非常にむずかしいのですが、たとえばこの間私が申し上げたように、先生なんかの場合に、例の特例法云々という教育三法のときに問題になったように、超過勤務手当というふうにしているところ、あるいはこれを特別手当にした場合、おのおの扱いが違ってくるわけですね。だからこういうものをどういうふうに扱うかということが非常にむずかしい。所管が違うとはおっしゃるけれども、研究費も大きな意味でいえば給与の一部、収入の一部です。そうしますとそこらあたりは、人事院の側が、民間の医療機関におる人あるいは県公立の方々と並べてみたときに、われわれの側で何とかできることはこうこうこういうことにする、しかしそちらさんの所管のほうのこうこうこういう分野についてはどうなんですかくらいのことは、あなた方のほうで気を回していただかなければ困る。これは私は厚生大臣を相手にここで保助看婦法の問題なりお医者さんの問題についてはずいぶんやりましたから、やるつもりではおりますけれども、やはりあなた方のものの見方というものも聞かしておいていただかぬと、所管違いですからわかりませんということでは済まぬと思うのです。そこらのところはどうですか。
  56. 尾崎朝夷

    ○尾崎説明員 申すまでもございませんけれども、職員を採用しそれを維持していくという場合には、給与は非常に大事な労働条件でございますけれども、それにさらに採用とか職場のいろいろな付帯的な関係が大事である。お医者さんの場合にはその関係がきわめて重要な問題になっているかと思うのでございます。と申しますのは、普通の職員の場合はいわばいなかのほうに比べて都会の給与は非常に高いというのが普通です。つまり初任給調整手当その他都市手当等が支給されるわけでございますけれども、お医者さんに限りましていなかのほうの給与は非常に高い状況でございます。これはほかの職種とは全然違う関係でございます。つまりいなかのほうにお医者さんを連れていくためには相当な給与をもってしなければならない、あるいは相当な待遇をもってしなければならないということだと思います。これはやはり一つにはお医者さんに対する需要と申しますか、そういう関係に対しまして、お医者さんの卒業者と申しますか、それが相対的に少ないということが根本的な原因じゃなかろうかというように思っているわけでございますけれども、お医者さんの場合には職務の内容も非常にむずかしい仕事でございまして、絶えず学術その他最も新しい医療技術等を勉強して研さんをしなければならないということで、大学病院なり都会のそばにいるということを非常に考えるだろうと思います。したがいまして、給与の問題も大事でございますけれども、それこそ研究費の問題あるいは施設の問題あるいは大学で勉強する機会の問題、そういういろいろな関係につきまして総合的にその環境を整備する必要があると考えておりまして、その関係は所管と申しますか、当然厚生省のほうで配慮さるべき性質のものでございますし、私どもとしても事務的にはそういうことはいろいろ申し上げてきているところでございます。
  57. 大出俊

    大出委員 よく御存じだということですからそれでいいわけでありますが、わが田に水を引くようで恐縮なんですけれども、私の兄も自衛隊病院の放射線の院長をやっておるわけですが、これも病院づとめに違いない。何でおまえさんそんなところにいるんだと言って聞くと、金が使えるからという。予算がある。研究費が使える。けちなところへ行くと使えないというのですね。研究費というものは医者の生命なんですね、ある意味ではそれが。だから地方に行きたがらないということになる。だから大学を選ぶにしたって、歴史と伝統があって施設がいい、研究資料がある、そういうところを選びたがるということになるわけでありますから、そうなると、非常に、給与もさることながら、これらのものは欠かせないポイントなんですね。だとするとこれらは、これは所管違い云々だだけではなくて、やはり全体として関係のある皆さん方が一緒になって、たいへん大切な療養施設等におられるお医者さんがほかのほうに消えていってしまわないような措置を皆さんでひとつ気を配って考えていただかなければ、やはりほんとうに真剣にそういう職場で一生をかけて働こうという気にならぬと私は思うのです。金もうけを考えるなら何とかほかに考えたほうがいいのですから。そういう意味で、貴重な存在である方々を、基本となる国民医療、医療対策という面でどうとらえていくかということが私は必要なんじゃないかという気がする。総裁もしきりに前向きで御答弁いただいておりますから、ぜひひとつそこらの点は——お医者さん関係はこの間も実は申し上げたことでございますけれども、まだ申し上げたい点がありますが、時間の関係でこれ以上申し上げませんが、せっかくの前向きの総裁あるいは給与局長のお考え方を勧告の中にぜひ生かしていただきたい。勧告が出ました結果として、またあらためてひとつ質疑をさせていただきたいと思います。  それから、時間を急ぎますけれども、この間の点でほとんど全部に触れておりますけれども、住宅手当であるとか、あるいは法定外手当の中の特別手当、昨年は期末〇・一か何かつけたわけでありますが、そういうふうなものはやはりあがってこない、勧告の面に出てこない、こういうことでございますか。
  58. 尾崎朝夷

    ○尾崎説明員 民間におきまするいわゆるボーナス等の期末、勤勉手当につきまして、もちろん毎年調査をいたしております。この関係はただ集計が非常にめんどうでございまして、現在非常にこまかく調査をしているところでございまして、その結果を待って判断をいたしたい、こういうふうに考えております。
  59. 大出俊

    大出委員 出てきそうもないのは、その結果を待って、こういう答弁になるようでございますから……。ほんとうを言うと、民間の一時金なんかは、電機産業なんか特に著しい例でありますが、どんどんふえている。だから、昨年つけたから本年はまあまあということでは、ほんとうは相すまぬことになる、こう私は思っておりますので、前から何べんかこの点に触れているのでありますが、非常に集計がめんどうだからなお検討する、こういうのでありますから、申し上げている趣旨はおわかりだと思いますので、十分ひとつ御検討いた、だきたいと思います。  そうすると確実に出てまいりますのは通勤費、これはいいわけですな。勧告の面に出てきますな。
  60. 尾崎朝夷

    ○尾崎説明員 通勤手当の支給状況につきましては、民間における状況をことしは特に調査をしておるわけでございますが、したがいまして、その結果を待ちまして判断をいたしたいということで検討しております。
  61. 大出俊

    大出委員 出てくるのは先ほどのこないものと答弁が違う、こうなりますが、ところで大蔵省の皆さんに承りたいんですが、この税金の関係なんですがね。これはもうさんざっぱら論争をここでしてきておりますので多くを申し上げる気はないのでありますけれども、私がこの際特に申し上げたいのは、たとえば千六百円を二千四百円に上げるといったような場合に、これは過去に八百円上げたわけでありますが、その場合に、勧告それ自体は通勤手当を入れてこれは官民比較に入るわけでありますから、勧告が行なわれる。さてこれが今度は総務長官田中さんが中心でおやりになるわけですが、給与の六人委員会等でいろいろ相談をされる、その間に何カ月かたってしまうのですね。そうすると八月十六日なら八月十六日に勧告が出ても——十六日ときまったわけではないけれども、そんな見当だと思いますけれども、これはずっと二、三カ月ずれてしまう。さて給与法の改正が国会に出されるのがこれまた年末ぎりぎりになってくる、こういうことになりますと、その間上げた分、千六百円から二千四百円の八百円、これについては、昨年の例をあげれば八月実施にきまったわけでありますが、八月、九月、十月、十一月、十二月というのは黙って税金を取られてしまう。ところがかつて通達でやっておって、法律改正に持ち込むいきさつ等からして、本来ならばこれは勧告が出されて、それが八月実施ということになるとすれば、その時点で当然自動的に発足をして課税はしない、こうならなければならぬ筋合いであります。民間との関係その他いろいろあります。ありますが、そこらのところをとらえて考えると、もうこの辺でこの矛盾というのをなくしていただきたい。つまり勧告の中で通勤手当はこれこれにしようということが出ているのですから、おおむね尊重するたてまえでいけば、これは通るにきまっている。だとすれば、その間のズレのためにほとんどの公務員全部が税金を取られる、これはどうも感心しない。それだけ大蔵省側にとっては増収になりましょうけれども、そうはいかない。そこのところをこの間海堀さんに私は申し上げたつもりでありますが、後ほど電話で御連絡をいただきましたが、やはりこれは委員会という場所で大蔵省側のものの考え方を私は聞いておきたい。したがってその点についてどういうふうにお考えになっておりますか、承りたいわけであります。
  62. 安井誠

    安井説明員 通勤手当の問題につきましては、先般来大出委員のほうからお話もございまして検討いたしたわけでございます。御承知のように昭和四十年度に所得税法の全文改正がありまして、翌四十一年度の改正に際しまして、従来国税庁の通達で取り上げておりましたものを法律に入れまして、一般の通勤者について通常必要と認められる部分についてはこれは所得税法上非課税とするという規定を入れたわけでございます。この規定を受けまして、具体的な金額につきましてはこれを政令で定めるという形をとりまして、所得税法の施行令にその規定を置いたわけでございます。これは御承知のとおりでございますが、いままでの経緯から申しますと、人事院の勧告が出まして、通勤手当の増額ということが出た場合には、一般の公務員を含めまして、一般の給与所得者に対します通勤手当の非課税の限度額につきましては、その後の政府側がこの通勤手当をいつから実施をするかということをきめ、それをしかも国会の御意思として、いつから引き上げるかということをきめたときからこの取り扱いの問題として実施してまいったわけでございます。その趣旨につきましてはたびたび御答弁申し上げているようでございますけれども、通勤手当の非課税限度をかりにさかのぼって実施するにいたしましても、すでに通勤という事実が終わっているから、それまで非課税にするのはいかがかというような議論もございましたけれども、最大の理由は、大出先生もかつて御指摘いただきましたように、いつから引き上げるかという実施の時期でございますが、これが十二月になりますと、民間企業の場合の年末調整の時期が終わっているという問題があるわけでございます。これは申し上げるまでもないことでございますけれども、民間企業の場合には、公務員と異なりまして通勤費を全額支給いたしております企業もございますので、したがいましてその間の、もしかりに通勤手当の非課税限度をさかのぼって実施をいたすということにいたしますと、過去に支給いたしました通勤手当をさかのぼって計算をし直さなければならぬ、こういう非常に技術的な問題が出てくるわけでございます。したがいまして国会で御決定いただきましたあとでこの非課税限度を引き上げるということにいたしますと、年末調整の済んだあとではどう考えても無理であるということから、その後に実施をしてまいったというのが実情でございます。しかし先生の御指摘もございますように、通勤手当の非課税限度も法律あるいは政令の段階にあがってもおりますし、私どもといたしましても、公務員の通勤手当の問題にバランスをとって非課税限度を引き上げる、その非課税限度の引き上げを公務員の通勤手当の実施の時期と合わせるというような形で運営いたします限りにおきましては、技術的な問題がいろいろございます。たとえばさかのぼるといたしますと、すでにその間にやめてしまった職員に対してはどのような措置をとるかとか、いろいろ問題があるわけでございますが、実施の時期、その他の問題もございますけれども、十分検討いたしまして、今後どのような勧告内容になるか、その勧告内容を受け入れて政府側はどのような実施をするかというようなことを十分検討いたしました上で前向きに検討さしていただきたい、かように考えております。
  63. 大出俊

    大出委員 これは懸案の一つとして、私がこの五年ばかり年じゅうものを言っておるのですが、前の議事録を読んでいただければわかりますがね。本来これは皆さんのほうでは税法改正をどうしてもおやりにならぬと言ってきた。私はやはり所得税法に手をつけなければいけないと言ってきた。一片の通達でもって非課税限度額をきめるということは不見識きわまると言ってきたわけです。かつて四十一年といういまお話がありましたが、そのときもたいへん論争した。国税庁の皆さんの側はどうしても税法改正をしないと言い切った。しかしそのやりとりの結果として皆さんは法律改正に手をおつけになった。そうでしょう。その過程で看護婦さんの夜勤手当などとからんで、国会で何かひとつ人事院勧告をめぐって政府決定にプラスアルファか色をつけなければ政治的におさまらぬという時期があった。橋本官房長官時代に、さかのぼって十月から非課税にする、こういうことを言ってこられたことがある。しかし私は、民間が年末調整が終わっちゃっているという時点でありますから、税の公平の原則からいって返せないだろう、だからそういうことを私とこの席で約束をしても、これは官房長官の責任問題になる。だからおやめになったほうがいいんじゃないかと言って、私はこれは逆に取り消してもらった。官房長官長官室に国税庁長官以下をお集めになって相談をされて、私の言うとおりだったということで、これは取り消さしてくれということでおやめになった。そのときに私は六人委員会が本来ならすぐきめるべきものをきめないで、どんどんどんどんずらして、さて勧告の実施を、かつてなら十月、九月あるいは八月とさかのぼらしてきめてきた。勧告の中に入っているのですからね、通勤手当というものは。それをさかのぼらしてきめた限りは、事公務員に関する限りは八月なら八月から非課税でなければ筋が通らないのじゃないか、勧告の完全実施である限りは。その点は当時の政府皆さんは認めておられる。だとすると、技術的な問題が残る。民間の年末調整が終わってしまっているということで返せないという問題が残るのでありますから、六人委員会のほうもそこらのところは少し考えていただいて、これはつとめ人と名のつく人にほとんどみんな関係があるのだから、それは税金そのものにすれば、個々人にすればそうたいしたことはなくても、相当な額ですよ。しかもそれが明らかに勧告の取り扱いをめぐって矛盾なんですから、したがって、どうしてもここのところは技術的に徴税機関皆さんのほうでお考えをいただいて、いま税制二課長さんがお話しになっておるように、もうこれはきめておいていただかなければ困る時期になってきている。しかし何べんも言ってきたんだけれども、そこの点まで検討していただけぬので、せめてこの際は特に人事院が通勤手当を調査して、四月の引き上げもあったのだから、ある程度大幅のものを考えようという姿勢を見せておるのですから、こういう機会に税法も改正されたしするので、もう私の言い分を聞いてくれてもいい時期じゃないか、こう思うのです。いまの御答弁では前向きに検討する、こういうことでありますし、しかも人事院の勧告が出た時点でどういう勧告かということをながめて前向きに検討する、こういうお話ですから、またこれは海堀さんからこの間税制一課長さんのほうに御連絡いただいたのだそうでありますけれども、ぜひひとつここのところはそういうふうにお進めをいただきたい、念を押しておきたいと思うのです。  それで、時間がありませんのでこれで終わりにしたいと思いますけれども、この間相沢次長さんと海堀さんの予備費の計算上の大蔵委員会内閣委員会の答弁の数字が違うので申し上げましたが、非常に的確な数字をいただきましてありがとうございました。よくわかったわけでありますが、災害予算なりあるいはその他昨年の百三億なりあるいは五百億追加して千二百億になっておりますから、そうなるとその中身はどうなるかという点が表をお届けいただきまして、間違いない数字というふうに確認ができるのでありがたいわけでありますが、ここでひとつ総務長官と大蔵予算当局の皆さんに最後に申し上げておきたいことがあるのであります。  田中総務長官の二十四日の私の質問の冒頭にお答えになったのは、本年は例年と違って人事院の勧告を受け入れるにあたっての予算措置を十分にいたしておりますから、こういう御発言がありました。十分にというのであれば、高い勧告が出た場合に、私とこの席のやりとりは、私はしきりに八%以上を強調してまいりました。回り回って二時間以上総裁と論議しましたからこの論議経過は申し上げません。申し上げませんが、ともかくそういった場合に十分対処しておられるわけでありますから、よもや予算の側で、予算の組み方の立場から勧告を制約するなどということがあり得る筋合いのものではない、こう実は考えておる。この点、つまり予算の側から勧告を制約するなどということは毛頭考えていないというお答えを最終的にいただいておきたいのですが、長官いかがですか。
  64. 田中龍夫

    田中国務大臣 常々大出委員にも申し上げておりますように、勧告を政府側といたしましてもあくまで十分に尊重いたしまして善処いたしたいと思います。
  65. 大出俊

    大出委員 勧告を十分に尊重いたしまして善処いたします、こういうお答えなんですが、それを聞いておるのじゃない。旧来の七百億の予備費、これは途中で組みかえまして、昨年は多少変わっておりますが、これに五百億追加して千二百億予備費が組まれておる。ところがこの予備費の中身は、先般主計局の次長さんに御確認いただいたのでありますが、米は入っていない。この点は総則の面からいって食管会計のものは入っていない。この点は御確認をいただきました。したがって重ねて申し上げません。そうすると、あと中身というのは公務員給与と災害とその他、昨年その他は百三億でございました。こういう数字になる。そういう組み方をしておる。つまり総合予算主義のたてまえ、補正を組まないたてまえだという政府立場、このことが、これしか予算はないのですからということで、もっと極端に言えば、人事院勧告はこの程度というのだとすれば、これは勧告権の侵害、この点はこの間大蔵省の皆さんに確認を求めましたが、勧告権に対して予算当局の側から云々する気はない、実情こうだというようなことは言うにしても、それが限度だ、こういうことになった。そうすると、そのことを踏まえて最終的に伺っておきたいのは、政府当局が予算を組んだ、五百億ふやして予備費千二百億にしてある、十分だと思っておる、こう総務長官言っておられる、十分用意をいたしましたと言うのだから。しかしそれを上回るということもあり得る。あっては困るからというので、政府皆さんのほうが予算のワクにはまるような勧告を出してくれなんということになるとこれは重大な問題、だから、そういう気はございませんということを言っておいていただきたい。
  66. 田中龍夫

    田中国務大臣 大出委員が御心配になったような人事院のあれを制約するとかなんとかいうことは毛頭考えておりません。
  67. 大出俊

    大出委員 大蔵省の皆さんの側もその点は総務長官がおっしゃっておるのと同様なお考えでございますか。
  68. 海堀洋平

    海堀説明員 予算は政府が編成しまして国会へ提出しておりますので、それを理由に、人事院の勧告にこうしてほしいということを申し上げるのは法律的にも現在の制度上も趣旨が違うだろうと思います。ただ、給与決定の原川にも書いてありますとおりに、人事院が判断をなさる場合に生計費だとか民間における賃金とかその他人事院給与決定の諸条件として考えられる事項を十分に参酌して人事院が決定される、その人事院の決定される考慮の中には、人事院はそういう予算が組まれているという事実は御存じであろうというふうに考えております。
  69. 大出俊

    大出委員 海堀さん、ずいぶん持って回った言い方をされるじゃないですか。総合予算主義のたてまえで七百億プラス五百億の予備費を組んだ、この千二百億の中に給与財源というものは含まれている、そういう事実は人事院は十分御存じであろうと言うのですが、御存じであるもないも、それは政府が天下に公表してやっているのですから、知らぬ人はないでしょう。それをあえてそこでつけ加えることがひっかかるわけでございまして、これしかございませんよとあなたはそのあとで言っているわけです。そうでしょう。これしかございませんよ、これ以上の勧告が出ればどういうことになるか、人事院はおわかりでしょうという言い方は——そこまで言いませんか。その手前でやめておきますか。手前でやめないというなら、そこのところはっきり言ってください。いいですか、海堀さん、手前でやめますな。
  70. 海堀洋平

    海堀説明員 持って回ったという意味がよくわかりませんのですが、予算がこれだけしかないから人事院にこうしてくださいとかこうしなければならないとかいうことは、現在の制度上は全く趣旨が違うのだろう。人事院人事院としてその判断によって勧告が行なわれます。ただその判断の材料に、法律にもいろいろなことが書いてございまして、そういう決定の諸要素というものは単に民間賃金との比較だけではないということが法律に書いてございますということを申し上げただけでございます。
  71. 大出俊

    大出委員 そこが問題なんで、これはこの間もあなたに質問して、あなたがおやめになったから、そこまでだと言うから、途中でやめた。つまり勧告権を云々する気持ちはあなたのほうにはないというわけですね。ここまではいいです。ところが問題はここにある。もしも人事院が、財政当局があらかじめ用意した予算のワクがあるからそのワクの中でというふうに考えるとすれば、出てくる結果というものは人事院が数字をつくったことになる。つまり、官民比較の面ではこれこれ上げなければならぬ、しかし片一方横目でにらんでみたら、海堀さんのほうはおれのところは金はこれだけだぞ、こう言っている。しようがないから、人事院はこれだけしかないというところに合わせようということになったのでは、正当な官民比較にはならない。これは間違いない。もしそうだとすれば、人事院の六千七百の事業所、四十五万人のサンプリング調査の中に、毎々私が言っているようにうそがあるということになる。だから人事院はそういうことはおやりにならない、前々からこう言っておられる。そこのところの関係を、大蔵省がこれしかございませんよということは事実だからいい、いいけれども、それが勧告権に触れるとなると事重大、これはたいへんなことですから、そういう気持ちではないのだということを総務長官に私はいま回答を求めた。勧告権云々なんということは毛頭考えていない。同じ考えかとあなたに念を押したら、あなたは同じ考えだということをすなおにおっしゃらぬ。そこのところをすなおに言えないなら言えないでいいですから、言えるだけ言ってください。
  72. 海堀洋平

    海堀説明員 私の申し上げていることは、これは必ずしも、人事院がお取り上げになるかどうかはもちろん人事院の判断でございますけれども、いま人事院が官民比較の形で対応号俸を出しまして、それをそのままさらりと勧告されているということが唯一絶対の方法とは法律に書いてございませんということを申し上げただけでございます。したがいまして、それがいい方法かどうかという判断は人事院の問題でございますが、法律にには官民比較だけで勧告をしろと書いてございませんで、人事院が妥当と考えられる給与から役人の給与が五%以上離れたら勧告しなければならない、しかもその妥当と考えられる給与準則は生計費、民間における賃金その他人事院給与決定上考えなければならぬ諸条件、そういうものを勘案して考えなさい、こういうふうに法律には書いてございますということを申し上げたわけでございます。
  73. 大出俊

    大出委員 それなら、ちょっと法律を読んでください。
  74. 海堀洋平

    海堀説明員 「人事院は、毎年、少なくとも一回、俸給表が適当であるかどうかについて国会及び内閣に同時に報告しなければならない。給与を決定する諸条件の変化により、俸給表に定める給与を百分の五以上増減する必要が生じたと認められるときは、人事院は、その報告にあわせて、国会及び内閣に適当な勧告をしなければならない。」それから、これは関連かと思うのですが、「俸給表は、生計費、民間における賃金その他人事院の決定する適当な事情を考慮して定められ、且つ、」云々ということに法律には書いてあると思います。
  75. 大出俊

    大出委員 それだけしかないでしょう。公務員の「生計費、」そこに点が打ってあるでしょう。いまの条文には点がある。だから私は、これは何べんも、人事院ができるときから官公労の事務局長をやっていますから勧告に毎年おつき合いしているが、点が打ってある。人事院のいまやっている方式というものは、人事院が唯一絶対の方式だと思ってやってきているのがいまの方式。物価はどうしたのだ、これは官民比較に含まれる、じゃ、公務員の生計費というものを調べているかというと、一切調べていない。こういう方式なんです。初めからいままで変わっていない。そうすると、その人事院調査する方式がたった一つの方式、日本流の、日本的な、国際的にもないたった一つの方式です。この方式をよりどころにしてのみ、人事院は五%以上の変動に合わせてどうするかということをきめている。これしかない。それだけじゃないですか。あなた、何かはかのこともありそうだけれども、何もないでしょう。いま言うとおりじゃないですか。最初お読みになったのは、五%以上の変動があったら人事院は勧告しなさいよとおっしゃる。あなたがあとのほうで読んだのは、公務員の生計費、民間の給与その他——その他は人事院はない、民間企業だけです。給与比較だけです。だから、たとえば労働省の毎月勤労統計がどうこう言っても、春闘で幾ら上げても、生計費支出調査がどうなっても、これは官民比較をやって調査諸票の集計をしなければわかりませんというわけです。財政当局が何かものを言ったらそれに従わなければならぬとそこに書いてありますか。
  76. 海堀洋平

    海堀説明員 もう一度読みますと、「俸給表は、生計費、民間における賃金その他人事院の決定する適当な事情を考慮して」定めなければならないと書いてあります。
  77. 大出俊

    大出委員 大蔵省に関係ないでしょう。
  78. 海堀洋平

    海堀説明員 もちろん関係あると書いてあるとは申し上げていないつもでございます。
  79. 大出俊

    大出委員 これはストライキ権の代償機関という国際的な定義があって、人事院ができている。いまの法律条文で決定権は何もかもすべて人事院でしょう。大蔵省は何にも権限がないでしょう。あなたの言い分からすると、何か予備費を千二百億組んであって、その中に五百億あることを人事院は十分承知しておるはずだ。承知して勧告する、そんなことはない。これは大臣を呼んであなたの責任を追及しなければならぬ。そんなでたらめはない。
  80. 海堀洋平

    海堀説明員 承知して勧告するはずだとは申し上げなかったつもりでございますが、人事院はそういうことを承知しているという事実は、先ほど申し上げましたように、政府がこういう措置しかとれなかったという事実は御存じであろうと申し上げたわけであります。
  81. 大出俊

    大出委員 そんなことはあなた、新聞だって何だってみんな書いてある。だれだって知っていますよ。ここにいる人で知らぬ人はない。だからあなたのほうでは幾ら組もうと、財政当局だからかってに組んだらいいのだけれども、人事院の勧告権というものは厳存するでしょう。法律的にほかに何かあるかと聞いたら、何もない。すべて人事院じゃないですか。それ以上ございませんな。
  82. 海堀洋平

    海堀説明員 それはありません。
  83. 大出俊

    大出委員 それじゃ、あなたのほうは勧告には関係ない、そういうことでしょう。違いますか。
  84. 海堀洋平

    海堀説明員 先ほども申し上げましたように、勧告は制度人事院が独自に決定されることでございます、ということはもう初めに申し上げたつもりでございます。
  85. 大出俊

    大出委員 それだけでいいでしょう。私のほうでこれこれ予備費を組んで給与はこのくらいにしているのですよということは、勧告とは関係ないでしょう。どうなんですか、しきりにそこから先をあなたおっしゃるから。それはあなたもわかっているからね。私があなたに質問するのはきのうやぎょうじゃないのですから、そこから先のことは、あなたの性癖に類するだろうと思っているんだ。しかしこの勧告が出る前の委員会はこれしかないから、ほかならぬ海堀さん、あなただから何か言いそうだから、そこのところをはっきりさせなければ困るので詰めておるわけです。だから、勧告は一切法律的にも何もかも、方式も人事院がかってにきめてやる。それでいい、それだけでしょう。あなたのほうは手当ということで、七百億にプラス五百億を組んで用意している、ここまでじゃないですか。違いますか。言いたいことがあったらこの際言っておいてくださいよ。
  86. 海堀洋平

    海堀説明員 法律的にはいま大出委員がおっしゃいましたように、人事院人事院立場で独立に勧告を出されます。ただ、その勧告をするのは人事院でございますけれども、法律的にやはりその規定がありますと、こう言ったわけです。
  87. 大出俊

    大出委員 だから、その規定とは何だと聞いている。いまの規定でいけばすべて人事院が決定するんでしよう。ただ、法律的に規定があると言ったって、人事院勧告権の一部でしょう。人事院がいろいろその他の事情を考慮してきめるというのが勧告権でしょう。そうでしょう。
  88. 海堀洋平

    海堀説明員 その人事院が決定するということについては何ら異論がございませんということです。私が言いたいのは、人事院がやっていらっしゃる方法は、人事院は一番いい方法ということでやっていらっしゃるのは当然だと思います。ただ、法律的にはそれをそういう方法によれというふうには書いてなくて、生計費云々——云々というふうに書いてございます。しかし、それもあくまで人事院が決定することでございます。ただ、決定するんですが、その法律にはやはり規定がございます、こういうことを申し上げておるだけなんです。
  89. 大出俊

    大出委員 なるほど老婆心ながらということですか。そうなると、この間私はあなたに質問したところが——これは繰り返しませんが、大蔵省が給与を当たっていて、こうなっていますよというような実情を言っているわけだ。実情を言うだけならいいと私は言っている、実際にそうなっているという実情を言っているんだから。しかしこれは勧告権には関係ないですよ。ないということになっている。いまもあなたも認めている。ただ、それが唯一絶対のものではないということをあなたは言っているんだが、ただしかし、それだけが唯一絶対のものでないかどうかということは人事院がきめるわけでしょう。唯一の決定機関の、今日の代償機関趣旨はそこにあるわけでしょう。私も実はあなたとは別な角度だけれども、十年一日というか——二十三年の十二月に人事院はできたんだからもっとになりましたが、ずいぶん長くなったけれども、人事院のこの給与決定の方式というのはいつまでもこのままでいいんですかということを私は何べんも総裁に言っている。点を打っているんだから、公務員の生活の実態、それを独自に調べるという方法もある。「その他」もくっついているんだから、その他の方法でもいい。しかし、日本的と言っているいまの方式が一番いいというふうに断言している。これはいたしかたないですな。大蔵省といえどもしかたがない。予算当局何か言いたいがしかたがない、やむを得ない、法律できめてあるから。総裁もこう考えているでしょう。人事院の権限だとお思いでしょう。佐藤総裁一言そう言つてくださいよ、他人事みたいに聞いていないで。
  90. 佐藤達夫

    佐藤政府委員 私を抜きにしてたいへんアカデミックな御議論があって慎んで拝聴しておったわけです。私どもは、何はともあれ、たびたび国会の両院で今度の予算の成立のときから言っておるように、今回も従来のやり方を堅持してまいります。ついてはそれについて完全な実施をお願いしたい、きわめて簡単明瞭な立場でお願いしておるわけです。
  91. 大出俊

    大出委員 どうもそれが気に食わぬとみえて、海堀さんしきりに何か文句を言おうとしているんだけれども、法律的にはそれはしかたがない。不可能なんだから、それはあきらめておきなさい。  総務長官、あなたは災害が来ないことをしきりにこいねがってばかりいないで、どうやら高い勧告が出そうだから、出てから驚いて——節約財源、総合予算主義をとって補正は組まないことになっているけれども、財源の規定からいえば三十億くらいあるんだから、足りぬときはしようがないから何とかしなければならぬということで、総務長官、さいころ振ってみなきやわからぬと言ったけれども、いまから考えておかなきゃならぬですよ。  最後に寒冷地手当ですが、どんなことになりそうですか。言えない人にどうなっているかと聞いたってしようがないですが、どんなことになるか言ってくださいよ。
  92. 尾崎朝夷

    ○尾崎説明員 寒冷地手当につきましては先般の当委員会の御審議におきまして申し述べたとおりでありまして、現在寒冷地手当の制度的なあり方につきまして検討をいたしております。  それから、なお若干の地域の是正についても検討しておるわけでございますが、できるだけ結論を早く得たいということで現在検討しておるところでございます。
  93. 大出俊

    大出委員 寒冷地手当の定率額について、現行の百分の八十五、これをもうちょっと上げてもらえないかという意見が方々にあります。それは百分の百にしたらどうか、ここらあたりはどういうふうにお考えになりますか。
  94. 尾崎朝夷

    ○尾崎説明員 寒冷地手当のそもそもの性格でございますけれども、寒冷地手当というものはいわば寒冷積雪等の気象条件の環境の場合に生計費がそれだけ増高するということに対しまするいわば補てん的な手当だというふうに考えておるわけであります。したがいましてそういう寒冷増高費に対応して手当というものは考えなければならないのではないかというふうに考えておるわけでございますが、現在の寒冷地手当の制度は御承知のとおりでございますけれども、たとえば北海道の場合にはいわゆる石炭手当分と申しますか、いまは定額分ということになっておりますが、そういう定額分に対しましていわば恒久比例的な御指摘のような現在八五%を最高とする定率額を充てておるわけでございます。その両者の推移を見てみますと、制度がつくられましたのがたしか昭和二十四年かと存じますけれども、その当時は定率額のほうがたとえば北海道の割合といたしましては三分の一くらいでありまして、むしろ石炭手当のウエート——定額的なウエートが非常に大きくて三分の二くらいであったわけでございます。ところがその関係が累次の給与改定によりまして恒久比例部分が現在非常に増大してまいりまして、現在はむしろウエートとしては逆転しておるという状況でございます。したがってそのあり方が、現在はいわば寒冷増高費に対応するというあり方からだんだん遠のいてきておるというふうに見ておりまして、むしろ恒久比例的に寒冷地手当が出ておるのではなかろうかという感じを持っておるわけでございます。そういう意味合いから言いまして、やはり現在の制度のあり方に問題があるということで、その本来の性格に即した形にするにはどうしたらいいかということにつきまして検討しておるところでございます。
  95. 大出俊

    大出委員 これも定率のウエートが高くなるという傾向を持っておるという点お認めのようでありますから、この席でこれを論議しますと、先般申し上げましたが長くなりますから避けたいと思いますが、一応考え方だけは承っておきたいので申し上げておきます。  そういう意味で簡単でけっこうでありますから御答弁いただきたいのですが、寒冷地手当の加算額、言うならば先ほどお話しになりました石炭手当分、この現行の加算額、中塊炭熱量二千七百カロリー、一トン当たり九千四百四十九円、運搬費が八百九円入っておるのですが、この単価で換算した額、ここまで上げてくれというわけですね。言うならばこういう意見が出ておるわけであります。  さらに離島、僻地勤務の方、特別運搬費、これは実費でいいのだと思いますけれども、ここらあたりのところは御検討になっておりますか。
  96. 尾崎朝夷

    ○尾崎説明員 現在の定額分と申しますか、北海道におきましてはいわゆる石炭手当分でございますけれども、これは従前のいきさつがございまして、道東、道南、それぞれの地域ごとに標準的な消費石炭量というものと、それに値段というものを両方勘案しまして決定されておるわけでございます。したがいまして、私どもとしましては、毎年価格の状況につきまして調査をいたしておりまして、本年の場合も、最近、北海道における調査を終えまして、現在集計をしているところでございます。そういう関係を十分見まして、この関係に関する判断をいたしたいというふうに思っておるのでございます。  なお、最近は、御指摘のように、値段の問題というよりは運搬賃、そういったような関係が問題になってまいりまして、先般、昭和三十九年の勧告のときには、価格の中に標準的な運搬費というものも含めて勧告をしておるわけでございますけれども、離島等につきましては、これはやはりそのために離島について値段がどうかといったような問題というよりは、たとえば利尻、奥尻等の離島につきましては、それぞれ隔遠地手当がついておりまして、それによって措置されるべき性質のものじゃなかろうかというふうに考えております。
  97. 大出俊

    大出委員 これは異論がありますけれども、これまた、どうも時間の関係で、やっているひまがないので、皆さんのほうも、該当地域の方々の意見を十分聞いておられると思うのですね。したがいまして、実情が旧来と違う、たとえばいま二十四年というお話がありましたが、これは尾崎さん、研究課長さんをおやりになっておられたと思いますが、私も官公労の事務局長でしたから、一緒になってやってきた時代でありますからよく知っております。北海道と名がついておっても、函館、札幌、旭川では内容が違うので、一方の側に偏してものを言えば騒ぎが起こるということですから、なかなか簡単にはものを言えませんけれども、しかし、だいぶ状況は変わってきておるということで、現状に即してものをお考えいただくという趣旨からいいますと、私は北海道の方々の言うことも一理あると思うのです。それも検討の上で、いまお答えになっているんだと思います。思いますけれども、なおひとつ、ひまがあるわけでありますから、実情をよく聞いていただきたい、こう思うわけであります。  調整措置として、九月一日以降の新規採用者の方々の寒冷地手当をどうするか。勧告の時期との関係もあります。それから、九月一日以降において世帯主となった者に対して、何とか寒冷地手当の加算額の増加支給をできないかということ。それから、九月一日以降の勤務地の移動をした人たちに対する追給措置。三月末なら三月末まで延長して救うとか、何か調整措置を考えてもらいたいということ。それから、寒冷地手当の加算額の世帯主の区分、扶養手当の支給の有無にかかわらず、事実上の扶養という民法上の扶養親族、こういうようなものを持っている世帯主には何とかしてくれ、これは旧来からあったことではありますけれども、最近もなお引き続きこういう意見が出ておりますから、ここらのところ、十分検討しているならしていると、それから、何かはかにお考えがあればあるで、ものを言っておいていただきたい、こう思うわけであります。
  98. 尾崎朝夷

    ○尾崎説明員 寒冷地外から寒冷地に移動した職員につきましては、調査をしましたところ、かなりの人数がおります。そういうことで、前回の勧告も、たしか昭和三十九年のときに、移動職員につきましては追給をするということを措置したわけでございます。問題は残りの問題だと思っておりますが、つまり支給基準日、八月末日以降の新規採用者の問題、あるいは扶養親族の範囲の問題といったような問題になると思っておりますけれども、現在、そういう関係は調べておりますけれども、国家公務員につきまして、新規採用者、つまり石炭手当的なものが出たあとで新規採用するケースというものはあんまりない、絶無とは思いませんけれども、あんまりないようでございまして、各省からの要望もほとんどございません。したがって、そういう関係をさらに調査をいたしまして措置したいというふうに考えております。
  99. 大出俊

    大出委員 この間も申しましたように、繰り返しこの陳情においでになっている方もたくさんあるわけでありますから、あまり一方づいてものを言わないように気をつけてこの間から発言をしておるのですけれども、時期的な判断、先ほど総裁がお話しになっておりましたように、いいものをなるべく早く出すようにしていただきたい。  最後に二つだけ。要望という意味もあるわけでありますけれども、旧来言われている俸給表の中だるみと称されるところ、五等級、六等級なんかのところですね。ここらのところをどうするかというような問題。今回の勧告で何かお考えがあるのかどうかという点、これも理屈を言いますと長くなりますから申しません。何とかもう少しこれに手を加えなければならぬ実情にある。初任給が上がるということになれば、なおかつそういう傾向が強まるわけであります。民間の場合も、人事院の資料によりますと、個別比較の形の中で、民間も確かにそういう傾向があるわけでありますから、それが出てくる面があることは認めるわけですけれども、しかし、どうも納得できないほどたるんでいるということ。旧来何回か手がけた勧告もありましたが、この際このあたりで、もう一ペんここに——下厚上薄の勧告になるということばがいいか悪いかわかりませんが、そういう趣旨を踏まえてお考えを願えぬかという点が一つ。もう一つは、行二の問題です。私は行二という俸給体系があること自体に異論があるのですけれども、実際にやっている方々、たとえば自動車の運転だとかいろいろやっている方々でも、職種によりましては、実際には道路管理というような仕事もやっておって、単なる運転だけじゃない。実際には行二でない方よりもよけい仕事をやっておるけれども、俸給表のたてまえ上何ともならない。だから、何べんか改善措置をおとりになっておるけれども、何とか根本的に考えなければならぬという気がするわけであります。  その二つの点、今回の勧告で何かお考えになっておる点があるのかどうか、最後にお知らせをいただきたいと思います。
  100. 佐藤達夫

    佐藤政府委員 御指摘の点は従来もそうでありましたけれども、今回も十分留意してその点に臨んでまいりたいと思います。
  101. 大出俊

    大出委員 勧告が出る直前ですから、もっと総裁口をあけといったって言わないものは言わないだろうと思いますが、とにかくことしはそれこそ異常な決意をしていただいて、出た勧告は完全実施をさせなければいかぬ、こういうふうに思いますから、旧来から取り上げられている点あるいはこの委員会を通じて出ました幾つかの問題、これらを慎重に御配慮いただいて、いい勧告を——公務員皆さんがけしからぬという騒ぎになって、人事院をとりやめろというようなことにならぬように、財政当局の海堀さんも、勧告権が人事院にあるということについてどうやら割り切ったようですし、総務長官のほうも、災害がないことを祈っておられたり、十分予算が用意してあったりいたしますので、私はどのくらい出るかというやつは、やりとりをしましたから、前回の議事録どおりでいくということにいたしておりますので、そういうふうにひとつお進めいただきたい、これだけ申し上げまして終わります。
  102. 三池信

  103. 受田新吉

    受田委員 うだるような暑さの中ですから、冷房がきいておっても御苦労が多いと思いますので、早く質問を打ち切ることにいたします。  人事院総裁、私はあなたのまじめなお人柄もよく知っておりまするし、頭脳の明晰な有能な方であることもよく存じ上げております。これは別におせじでなくて、しんから御尊敬申し上げております。特に、国家公務員法には人事官の任用規定の中にも、人格が高潔であるという条件がついておる、そうして、その次に掲げられてある諸般の条件を含めて、最高裁判所の面前において宣誓をするという規定もある。きわめて厳粛な条件のもとに総裁は人事官として任命をせられました。しかも、三十五歳以上の条件のもとに行政能力を持った方を国会の承認で内閣が任命をされ、天皇が認証される。これは国務大臣の任用規定には、人格が高潔であるということは書いてない。そうすると、きわめてまれなきびしい条件の中で人事官は任命されておる。しかも、その人事院は、これまた、国家公務員法の規定に基づいて、国家行政組織法の適用を受けないということになっておる。内閣の所轄には属するが、国家行政組織法のワク外に置かれてある、いわば独立の政府機関である。こういう立場で、その持つ権能を実施されるにあたって、内閣総理大臣から指揮命令を受けるようなことはないわけです。したがって、いま各省設置法を運用する上の国家行政組織法のワク外でありますから、大蔵省から御指示をいただいたり、ワクをはめられたりする必要もない。全く独自の権能が発揮できるすばらしい機関人事院である。いまさらのごとくその使命の崇高さと、その地位の偉大さを人事官は自覚され、われわれもまたこれに高らかなる賛辞を贈りたい。先ほどから議論を承っておると、どうも一部に、人事院に対する五百億の予算が予備費に給与費としてはめられておるような印象を受け、人事院も、十分承知をしているというような趣にこれを承ったのである。そこで、私は、人事院が独自の御調査とその見解に基づいて勧告されたものを実施されるのにあたって、政府は、その置かれている独特の行政組織上の地位に対して敬意を払って、これをすなおに受け入れるというまじめさがなければならぬと思うのです。人事院が各省の国務大臣その他の官僚に支配されるような点がみじんもあってはならない。  そこで、具体的な質問に入ります。  人事院の勧告権は、団体協約締結権も罷業権もない公務員の代弁をする立場でありますが、その公務員は、国民全体の奉仕者であるのですけれども、そうすると、厳密な意味で言ったら、使用者は国民であるということができるかどうかです。お答え願いたいのです。
  104. 佐藤達夫

    佐藤政府委員 いろいろな考え方もありましょうけれども、単純にお答えをすれば、公務員使用者は国民だと思っています。
  105. 受田新吉

    受田委員 そこで、国民であるというお答えを願ったのですが、田中国務大臣、御答弁を願いたいことがあるわけです。その国民が使用者である公務員に対して、給与の支払いをする際には、政府が支払いの担当者でありますけれども、政府そのものは、民間給与の比較等によって、職務の対価として得られる給与、それに対して、国民そのものが持つ担税能力というものをどういうふうに考えていったらいいか、お答え願いたいです。
  106. 田中龍夫

    田中国務大臣 これまた、私どもが国民に対します奉仕者といたしまして、彼此勘案いたしまして処理いたしております。
  107. 受田新吉

    受田委員 給与支払いの理論的根拠として、国民の担税能力と、そして、その提供した勤労に対する対価、その対価は、民間給与等の比較の上で定められるという、この形の比重はどういう形に置かれたらよいか、大蔵省の御答弁を願いたいのです。
  108. 海堀洋平

    海堀説明員 私、先ほど何か誤解を受けるようなことを申し上げたようでございますが、一般的に申し上げますと、いま先生のおっしゃられましたように、公務員のために人事院という機関があり、それは制度として公務員給与——重要なのは給与ですが、その他身分関係についての特別の機関として存在するわけでございます。別途に国民負担という関係では、予算は国会の議決を経まして、しかも、議決も単に総額ではなくて各項という形で議決を経てでなければ一銭の金も使えないという制度もまた国民の負担との関係であるわけでございます。さらに、税といって、国民から強制的に取るものは法律によらなければいかぬ、これまた国会の議決によらなければいかぬという規定があるわけでございます。したがいまして、それぞれの制度が、これは時期的な問題もあれば実質的な問題もあろうかと思いますが、要するに、調和して運用されることが最も望ましい姿だろうと思うのでございます。ただ、たまたま現在のところ、民間の給与の引き上げというものが、大体は四月、民間給与の波が四月に行なわれておる。ところが、日本の財政制度は、御存じのように、四月に始まって三月に終わるという制度をとっている。そういう関係で現在、人事院の勧告が出た場合に、その処理につきまして、政府としては、法律のたてまえ上尊重しなければならぬという基本的なたてまえはもちろんそうでございますが、他方、財政法のたてまえから見まして、ともかく年度間の予算を国会の議決を経て執行しなければならないというたてまえもまたくずせないわけでございます。それの調和をどこに求めるかという点は今後具体的に解決をしていかなければならないと考えております。だから、国民負担と公務員給与のどちらを重視するかということでございますが、これは法律上どちらも制度上国会の最終的には議決にかかわる問題でございまして、あくまでそこに調和がなければならない、どちらを重視するという問題ではないのではなかろうかと思います。
  109. 受田新吉

    受田委員 えらいはっきりした答弁がないわけですけれども、国民の担税能力を根拠にして、総合予算主義から、予備費として千二百億円のうちの五百億円程度を公務員給与の引き上げ費に充てておる、こういう印象を与えておるわけです。ところが、国民の担税能力は、やり方によって、総合予算主義の上に幾らでもその配分の適正を別途考える余地がある。さらに、補正予算、その一方における勤労の対価としての引き上げをやむを得ないとするときには、補正予算でこれを補う道もなければならない。ここははっきりしておかなければいかぬと思うのです。現に公務員は、上級職試験を受けて官庁に就職する人が非常に減っておる。採用希望の受験希望者、こういう者が漸減しておる。人材を吸収することができない。教職員の場合でも、ごたぶんに漏れず、教職員希望者が漸減しておる。特に中小学校の地方公務員の場合には歴然たる現実になってあらわれておる。そうすると、勤労に対する対価が適正でない。民間給与のほうがいいからそこへ行くということになると、担税能力でワクをはめてしまったのでは、この人材を公務員の世界に吸収することが不可能になる危険があると思うのです。これは大事な問題なんです。現実はなかなかきびしくなって、先ほど大出委員が指摘されたような、国立療養所の職員、関東地区だけでも五十何人退職しておられる。やめてよそへ行く。この現実は隠すことのできないきびしいものである。それをひとつお考えを願うときに、初めから五百億程度の給与改善費があることを人事院は承知してくださいよというような、あまりにもすげない御態度であると、人事院も心理的な影響を受ける。人格が高潔な方だけに心理的な影響を受ける。私は、そういうものを人事官が念頭に置くような形の、また念頭に置かなくても、予算はこれだけしかとってありませんよというワクをあまりにも押しつけるような印象をお与えにならないような形で、人事院独自の権能を発揮せしめるようにしていただきたいものです。勧告は勧告、扱いは政府がやる。人事官たる人事院総裁、一例を上級職の公務員の試験の受験希望者及び採用希望者の数の、累年の傾向をお示し願いたいのです。
  110. 佐藤達夫

    佐藤政府委員 試験の応募者のお話で申し上げますが、一時ピークになった年もありますが、近年また下がりぎみになりまして、それはことしの場合で申しますと、大体六%、それから高校卒の人も大体六%くらい滅っておるというのが事実です。
  111. 受田新吉

    受田委員 これはもうきびしい現実です、公務員の世界の希望者が減ってくるということは。この高度の文化国家、近代国家として躍進しつつあるという日本公務員の希望者が減るというこの現実は、実に残酷な思いがします。何とかひとつ公務員の希望者がどんどんふえて、その中から人材を簡抜できるような道を開くように、これはほんとうに、われわれとして深く考えなきゃならぬのですが、国民の担税能力ということに重点が置かれ過ぎて、その担税能力による予算の配分方式に、どこかに適正を欠いている点があるのではないか。公務員給与改善を思い切ってやってあげて、ほかのほうで予算の節約をする道があるのではないか。そういうことで、公務員に勤労の対価を、民間給与との比較において、また一般社会情勢——さっき指摘されたようなお医者さんの場合など、国立療養所の先生たちはせめて、五万とは言わぬ、三万程度の特別手当を出してほしい、こういうすなおな希望を出しておられる。これは自衛官たる軍医においてまたしかり。自衛官たる医官というのは、なかなかこれを獲得できないという現実である。社会情勢は、まさにこれらの方々に対する思い切った措置をする情勢にあると言えるわけで、さっき問題になったところの国家公務員法の二十八条、情勢適応の原則の中にある。第一項「この法律に基いて定められる給与、勤務時間その他勤務条件に関する基礎事項は、国会により社会一般の情勢に適応するように、」と書いてある。これは社会一般の情勢は、たとえばお医者さんの場合がそれ、看護婦さんの場合がそれ、あるいは技術屋がそれ、また郵便配達業務をする担当者がそれに当たる、教職員がそれに当たる、こういうふうないろいろな、社会情勢には変化がある。その変化に応じたように、「随時これを変更することができる。その変更に関しては、人事院においてこれを勧告することを怠ってはならない。」と、人事院に重大な使命が与えられておるのです。社会情勢に適応するように勧告せよといれておる。いまの公務員たるお医者さんの充足状況、あるいは看護婦、教職員、技術担当者、こういう皆さんの現実は、何とか改善の道を講じなければならないという、これが社会一般の情勢ではないでしょうか、総裁。
  112. 佐藤達夫

    佐藤政府委員 大体御趣旨はわかりますが、われわれといたしまして、たとえばお医者さんの給与その他について四苦八苦しておるというようなこともそういう点につながりを持つ問題であろうというふうに認識をしておるわけです。
  113. 受田新吉

    受田委員 長官、すなおなお答えを願いたいのですが、お医者さんがこれだけ不足しておる、特に無医村などの解消は困難だという現実は、医師の不足を来たしておるのじゃないかという面も一面考えていただかなければならぬ。お医者さんをより多く——これは時間がかかります。いまから大学の増員計画を立てても六年間、インターンというのがなくなりましたけれども、研修期間が大体二年間、八年ぐらいしなければ本物のお医者さんにはなれないという現実はあるけれども、こういう給与の問題とあわせて国務大臣たる田中先生の御任務になると思うのですが、医師の充足を十分ならしめる方向としては、別途給与改善を当面やりながら医師の数をふやして、この問題の解決をはかるという国務大臣としての高い観点からの御認識はないかどうか。
  114. 田中龍夫

    田中国務大臣 御指摘の問題も非常に重大な問題でございますが、これらの問題に相なりますと、行政庁内のそれを所管いたしまする、たとえば医師の場合のごときは厚生省とか、おのおの部署部署があるわけであります。われわれのほうといたしましては、原則的には、御趣旨には十分に共鳴をいたしますと同時に、部内の連絡調整をはかって、これを実現いたしたい、かように考えます。
  115. 受田新吉

    受田委員 そうした閣議における各省間の連絡調整の任に当たる総務長官として、この問題は、もう一つ根本の問題に触れて御検討を願いたい。  十五分間という割り当てを受けておりますので、大急ぎで残りをやります。  さらに総裁、公務員の資格を得るための試験制度、この試験制度で、従来の上級甲乙、中級、初級というものにある程度の変革を企図しておられるやに漏れ承っておるのですが、これは間違いであるかどうかということを伺っておきたい。
  116. 佐藤達夫

    佐藤政府委員 企図しておる点は——私の念頭に浮かんでおりますのは、上級の甲と乙との関係については、最近改正を加えまして、いままでは受験者に甲がまずければ乙という選択を許しておったのですが、これは志願の際にはっきりしてくれ、甲は甲、乙は乙というふうにやってもらいたいという意味の改正は加えております。
  117. 受田新吉

    受田委員 今度の勧告の中にどういうものが出るであろうかという危惧がありますから、これに関連してお尋ねします。一例を行政職俸給表の一に例をとらしていただきましょう。五等級と四等級と三等級の初号はカットしてある。これはすでに二回勧告された、過去の二回の勧告にカットされておる。今度もこれをカットされるのかどうか。
  118. 尾崎朝夷

    ○尾崎説明員 現在の俸給表には御指摘のとおり行政一俸給表の場合は、三等級、四等級、五等級の初号はカットされまして、その号俸はないという形、二号から始まるという形になっております。これは昭和四十一年の勧告でそういう措置をとったわけでございますが、なぜそういう措置をとったかと申しますと、昭和三十七年の勧告のときにいわゆる号俸の間引きというものをやりまして、きわめて技術的な話で恐縮でございますけれども、四年かかって昇給するところを、つまり四号俸を三号俸をもって、三年かかって昇給させるという形で一号俸をカットしたことがございます。そのカットの場所が三カ所ほどございまして、そのために、つまり昇給し昇格していく場合の速度が高まったわけでございます。したがいまして、昇給しかつ六等級から五等級に昇格し、あるいは五等級から四等級に昇格していくという場合に、その年数が短くなりまして、つまり最初の上のほうの昇格していった場合の初号というものが制度的に要らなくなったということがございまして、五等級と四等級と三等級につきまして制度的に要らなくなった等級の初号につきましてカットしたわけでございます。実際それらの初号は制度的に使わなくなったということでカットしたものでございまして、したがって、四十一年以後におきまして、そういうものは制度的に使わないということでカットされているわけでございます。したがいまして、この関係は技術的な話でございますけれども、要らないわけでございますが、ただカットした場合に、その号俸をそのまま置いておくかどうか、つまり取ってしまいまして二号から一号を始めるということにするかどうかという技術的な問題があったわけでございますが、二号から一号を新しく始めるということになりますと、いわば背番号が全部変わるということになりまして、そういう事務的な混乱を起こす必要はなかろうということで初号はカットしたままになっているわけでございます。
  119. 受田新吉

    受田委員 長官、もう済みますから、もう一言おことばを承りたいのです。これ、すぐ終わります。  局長さん、そうしますと、上級職甲の合格者は七等級の二から始まりますね。そして六等級を三年やって、そして五等級になるのですか、六等級を四年やって五等級になるのですか。
  120. 尾崎朝夷

    ○尾崎説明員 端的にお答えしますと、六等級を四年やりまして五の二になるというケースが考えられます。また特に成績優秀の場合には若干短縮して上のほうに昇格するというケースも例外としてはあり得ると思います。
  121. 受田新吉

    受田委員 そうしますと、七等級を一年やって六等級を四年やって、そして六の五になったときに五の二になる、こういうことですか。
  122. 尾崎朝夷

    ○尾崎説明員 六の五になるときに五の二になるということだと思います。
  123. 受田新吉

    受田委員 わかりました。六の五になるとき五の二になる、それが普通である。それでは、四号になるときに二号になる、該当者が成績が優秀であるので、それは三年で二になる、こういう比率はどの程度あるわけですか。大体調査されておると思います。
  124. 尾崎朝夷

    ○尾崎説明員 通常の場合には、規則におきまして、四年たったところで五等級に昇格するという形になっておるわけでございますが、特に成績がよろしい場合には所要年数の八割で昇格できるということが規則に書いてございます。その運用の話でございますが、各省においてその規則の最大限、つまり八割、つまり三年三カ月で上がっているかどうかという点につきましては、十分の調査を必ずしもしておらないのでございますが、おおむねの把握といたしましては、上級甲採用者の三分の一程度が上がっているのではなかろうかというように考えております。
  125. 受田新吉

    受田委員 級別定数があるはずでございますから、三分の一程度昇格せしめるということになるならば、この級別定数の上に非常な制約があるわけですね。それが今度五が四になる場合も四が三になる場合も、そういう八割の制度をそのつど採用を受ける者がどのくらいあるのか、これも人事院が把握しておらなければならない、級別定数の関係があるからわかっているはずだと思いますが、そのカットされた初号をぽんぽんぽんと飛んで上がっていくのがどのくらいおるのか。
  126. 尾崎朝夷

    ○尾崎説明員 その関係は、つまり五等級の場合にはいわばポストの話でございまして、五等級の標準的なポストとしましては本省における主任級、それから係長級、それから四等級の場合には課長補佐というそれぞれのポストがございます。したがいまして、その関係のポストにおけるいわば新陳代謝という関係におきまして、昇格の速度が各省のそれぞれの事情によって相当異なっているということでございまして、私どもとして一応精密に把握するというわけにはなかなかまいらないということでございます。
  127. 受田新吉

    受田委員 昇格する場合の基礎年数が七等級も六等級も三年という規定が人事院規則でつくられておる、その三年とつくられておるのが実際は四年ということになっておる理由はどこにあるのですか、どこに書いてあるのですか、最短限三年と書いてある、三年たったら上がるようになっている。
  128. 尾崎朝夷

    ○尾崎説明員 これは人事院における細則と申しますか、いわゆる初任級、昇格、昇給等の実施細則におきまして定めているわけでございまして、いまの御指摘の場合には、上級甲の場合には四年で上がるというふうに書いてございます。
  129. 受田新吉

    受田委員 上級甲でない人は三年で上がることができる、そういうことですね。
  130. 尾崎朝夷

    ○尾崎説明員 どの学歴におきましても四年が通常の原則ということになっております。
  131. 受田新吉

    受田委員 上級甲と乙との統一をやろうという動きがあるとも聞いておるのですが、この点ちょっとこれに関連してお答え願いたいのです。私は、そういう必要はないか、乙を廃止する、上級から中級の制度考えるというような、つまり最近大学を出たのが中級をばかに多く受験する傾向が起こっておる、これに関連して人事院は実態をどう把握をして試験制度を改変されようとしておるのか、試験制度の改変は考えておらないのか、これをはっきりしてください。
  132. 佐藤達夫

    佐藤政府委員 試験制度は申すまでもなく、非常に重要な制度でありますから、私どもとしては常にそれの改善について検討を進めていることは申すまでもないわけでございます。最近、いま御指摘のような、新聞記事などが出ておることも知っております。ただ、それに即してどうしようというところまでは案は固まっておりません。
  133. 受田新吉

    受田委員 長官の一時という時間が来ましたし、この夏のうだるような暑さの中での質問はこれでやめますが、人事院が勧告をしたその勧告案が、社会一般の情勢を人事院が他とのバランスを考えながらやるために、たとえば医師の待遇改善などのほうが非常に低い水準のままで出されたという場合に、これに対して政府が独自の対策をこれに加えて出し得ることが法律的には可能だと思う。いかがでしょう。
  134. 田中龍夫

    田中国務大臣 ただいまのお話はちょっと私解せないのでございますが、と申しますることは、行政部内の諸般の問題と違いまして、この人事院の勧告に対しましては、私どもはもうあくまでもこれを尊重してまいるというたてまえを貫いております。私どもに勧告をいただくまでの過程において、人事院とされましては十二分に検討をし尽くされてお出しをいただくものである、かようにかたく信じておりますので、人事院の勧告はあくまでもこれを尊重するという態度を貫いてまいりたい、かように考えております。
  135. 受田新吉

    受田委員 人事局長から御答弁をいただきたいのですが、それはたとえばある手当増額措置のようなもの、あるいは手当制度の創設あるいはその増額、こういうようなものを政府が独自の案として人事院勧告案に入れた形で政府提案ができないという判断ですか、いまの長官の御答弁では。
  136. 栗山廉平

    栗山説明員 法律的には不可能ではないと存じます。ただ、長官がおっしゃいましたように、政府の態度としては、人事院趣旨をあくまでも基本的に尊重いたしまして、ただその運用といいますか、そういうバリエーションの際に多少の実行上の問題点としていたしておるというのが、従来の現実と申しますか、事実であるということをつけ加えたいと思います。
  137. 受田新吉

    受田委員 人事院の勧告を実施期をずらしたりして削るほうには政府は熱心に努力をする。しかし一方政治的な配慮、社会情勢、つまり公務員採用の一般情勢に適応するような措置が、人事院が他の公務員とのバランスにとかくとらわれ過ぎて、一般政治的情勢、社会情勢というものに人事院として尽くし得ない分野が起こったときに、政治的配慮の給与改善という、そういうものが政府から出されてしかるべき場合が私はあると思うのです。政府人事院の勧告を削ることには非常に懸命になる。しかし人事院の勧告のなし足らないところ、たとえば住宅対策の経費をどういうかっこうで建物をつくるか、手当を出すか、そういうようなものについては政府自身が何らかの形で新案をこれに加えて出してもいい、法律的にはそれは許されるものだ。いま人事局長のいわれた法律的に許されるならば、社会情勢の変化に即応した政治的配慮の給与、かつて国会では地域給その他の俸給の調整額のようなものをやっておる。そういう現実があるわけですが、こういう点についても削ることにきゅうきゅうとするのではなくて、それをりっぱに実施する、実施すると多少おまけをつけるぐらいの腹を持っていかぬと、国民全体の奉仕者たる公務員が希望者が減ってき、人材が吸収できなくなるという悲劇が現に起こっておるのですから、そのくらいの完全実施、同時に何らかの配慮をするというところまで踏み切るのが私はしかるべきではないか。そうして総合予算主義の中に補正予算を組むことがやむを得ないと判断したときには、もうこのあたりですかっとその補正予算を組むという態度にも変わっていくべきである。この間総理は、補正予算を組むこともあり得ると答弁があったようですが、長官もそういう御意思がありますか、それで私質問終わります。
  138. 田中龍夫

    田中国務大臣 私は、従来からたびたびこの問題につきましては、お答えをいたしておるとおりでございます。なおまた、ただいま受田先生からの御高見に対しましては、心からこれを拝聴いたしておきます。      ────◇─────
  139. 井原岸高

    井原委員長代理 この際、行政管理庁田村政務次官より発言を求められておりますので、これを許します。
  140. 田村賢作

    ○田村政府委員 ただいま御紹介のございました、今度行政管理政務次官に就任をいたしました田村でございます。知識も経験も乏しいものでございますが、誠心誠意努力をいたしたいと存じますのでよろしく御鞭撻をお願いいたします。 (拍手)      ────◇─────
  141. 浦野幸男

    浦野委員長代理 大出俊君。
  142. 大出俊

    大出委員 どうもこれは木村行政管理庁長官つまり国務大臣木村長官には質問をしたくないんですね、実は。おいでになったから、しばらくですから何か言わぬわけにはいかぬけれども、実は私の在任中はそういうことはいたしませんなどということを、私が傍聴している参議院の内閣委員会山崎昇君の質問お答えになっておったわけです。私この席に木村官房長官においでいただいたりして、いろいろ国家行政組織法十九条二項問題を取り上げてやったことがあるのですが、しかも与野党間におけるいろいろな話し合いも実はあったわけですが、したがって、次期臨時国会に組織法の改正案を出すものと理解をしていたのでありますけれども、幾つかの省で十九条二項をお使いになって政令をお出しになって処置をされる、こういうことなんですが、これは長官が責任をとっておやめにならぬ限りは、いかなる法案が出ても私の党としては審議に応じない、こういう実は考え方なんであります。そういう考え方の方に質問をするわけにまいらぬという気がするのですが、しかし本委員会行政管理庁の担当委員会ですから、そういう意味でともかく質問はしなければいかぬように思うわけでして、十九条二項に基づくあと始末のほうはいずれ法案が出てくる時点でものを言わなければならぬと思っておりますから、そのときの態度をいまから申し上げておくわけです。  そこで幾つの省をどのくらいの人たちが十九条二項によって措置をされたのか、行政管理庁のほうで御存じだろうと思うのであります。お答えをいただきたいと思います。無連絡でやったはずはないと思います。該当の省の官房長等から御了解をいただきたいとまではおっしゃっておりませんが、それに類する話がありましたが、私どもそれは筋が違うというふうに申し上げております。したがって、どのくらいの方々、たとえば文部省の大学関係の先生方とかあると思いますので、それをまずもってお知らせいただきたいと思います。
  143. 木村武雄

    ○木村(武)国務大臣 大出委員からたいへん御丁重なおしかりを受けまして恐縮に存じております。十九条によってどれだけの人をどうしたかというようなことは、事務当局から答弁させます。
  144. 河合三良

    ○河合説明員 お答えいたします。  文部省に関しましては二千百五十二名、自治省に関しましては十四名、運輸省に関しましては二十三名でございます。
  145. 大出俊

    大出委員 十九条関係は、こう措置をしたという事実だけ承っておいて、あとはまた次に譲ります。  次に申し上げたい。これも皆さんのほうはどういうようにお考えになっておるのかわかりませんが、新聞にやたら各省の削減基準がどうであるとか、各省回答がどうであるとかという記事がたくさん載ります。したがって、その時点で私のほうから行政管理庁の皆さんのほうに電話を入れて、各省回答が新聞にいろいろ載るようなことになっておるのだけれどもわれわれの側にはお知らせをいただけないのかという質問をいたしますと、いや、実は三行ぐらいのものですと言うが、三行であろうと二行であろうと、わがほうは所管の委員会なんだから、審議に必要なんだからくれと言っているのだと言うと、検討いたしまして措置をいたしますということでありました。杳として行くえ知れずでございまして、何を検討されてどういうふうになったのかもお知らせいただけない、まことにどうも不親切きわまる感じがいたします。出せないなら出せないという答弁をしていただいてけっこうでございますが、いまだに実はいただいてない。また返答もいただいていない。いささかどうもふに落ちないのでありますが、どういう事情でそういうふうになっておるのか承りたいと思います。  それからもう一つ、次官の部屋に管理局長がおいでになるというので、これまたお電話を入れまして各省の削減率が新聞に出ておるがと言ったら、それは行政管理庁が出したものではない、おそらく新聞記者が各省からとったのでしょう、これだけでした。私も記者の方々と面識がありますので直接聞いておりますが、行政管理庁から、あなたの省はこういうことになりますよということだから、それじゃ困るということで各省から出てくるという形のやりとりになっている。だから記者の方々が各省を調べて、行管はわが省にはこれこれこうしろと言ってきている、こういうところから新聞は書いているわけです。根も葉もないことではないという話を私はいたしまして、基準となるべきものが行政管理庁自体としてつくられていなければ削減率についての各省折衝はできぬじゃないかと言ったら、それはそのとおりだというお話でありました。しからばその基準となるべきもの、行管がお考えになっておる基準となるべきものをひとつ出していただきたい、これもこういうふうにお願いをしておきましたが、これまた出せるとも出せないとも連絡をいただいていないのでありますけれども、せっかく私のほうがいろいろ所管の委員会だけに気を使って御連絡を申し上げておるつもりなんですが、どうもナシのつぶてで何の御連絡もない。こうなると私も行管についてものの考え方を変えなければいかぬという気がするのですが、そこいらのところはどういうことになっておりますか。
  146. 木村武雄

    ○木村(武)国務大臣 私は、どれでも同じでありまするけれども、とにかく行政は親切でなければならない、特に国会議員に対しては特別待遇をしなければならないぐらいな気持ちは持っておるのでありますが、いま大出委員のお話をお聞きいたしまして、私初耳なのであります。こういうことでありまするから、できないものはできない、できるものはできると、そういう点ははっきりするようにこれから申し伝えておきます。不親切な点がありましたならば、下にも言っておきまするし、私からおわびを申し上げておきます。
  147. 大出俊

    大出委員 たとえば、各省ともに労働組合が存在いたしますから、行政管理庁の関係のやりくり等が新聞に載りますと、労働組合も黙っていないわけでありまして、交渉権があるところは団体交渉が行なわれる。そうなると、これは明らかに交渉事項でありますから、中身を述べざるを得ない。したがって、各省回答というものは、ほとんど各省の労働組合の情報に全部載っちゃっているわけです。私の出身は郵政省でありますが、これも全逓速報なるものの情報に、交渉した結果行管にこう答えたという中身を一切とってありまして、質問に対する回答なんという形のものを集めまして、全部そのまま載っているわけです。私も、手に入れようと思えば、各省組合を歩いて集めればいいということになるわけでありますが、しかしそういうとんでもないめんどうなことを私のほうがしなくたって、所管の行政管理庁があって、行政管理庁が質問を出して回答をとっているわけですから、そのくらいのものは見せるなり写しを提出していただくなり、これは当然しかるべきものと私は思っているわけでありますが、まるっきりどうも何を言ってもナシのつぶてということになると、これは行政管理庁に関しては、何が出てきても、まさに審議する必要がないのではないかと私は思っているので、野党の皆さんに御相談申し上げておりませんから、私の独断で処置はできませんけれども、私は、そういうことであるとすれば、これは次から国会対策委員長段階にひとつ上げていただいて、行政管理庁から出てきたものは一切審議をしないということに私のほうから提起をしようといま思っているわけなんであります。どうも行政管理庁という役所は、少しおかしなことに最近なっているのではないかという気がするのでありますが、あんまり仕事をする気がないのなら、まず行政管理庁から大なたをふるわなければならぬということになると思うのであります。いまの長官の御答弁ではわからないのですけれども、一体どういうわけで御回答をいただけないわけですか。
  148. 木村武雄

    ○木村(武)国務大臣 これから、そういうことのないように注意いたします。
  149. 河合三良

    ○河合説明員 ただいまの大出委員のお話、私がふなれのために、いろいろと行き届きませんことが多かったと思いますので、そういうことがございましたならばおわびいたしますが、私は現在五%削減基準につきまして目下各省庁を検討中でございまして、そのために、まだお見せするほどの資料がないというふうに思っておりましたので、お見せいたしませんでした。その点私の行き届かないところがございましたら、おわび申し上げたいと思います。
  150. 大出俊

    大出委員 実はそういうお返事もいただいていないので、何ともどうも言いようがないわけです。それから、先ほど申し上げました各省の回答なんかも、新聞にはやたら取り上げられるのですけれども、担当の、衝に当たる、所管の委員会に席のある人間に、出せないとも、あるいはこうであるとも、御返事がないということになると、ずいぶんこれ、ふざけた話だという気がするわけであります。まあおかわりになった方々もおいでになるようでありますから、別に皆さんをこれ以上責めてみたってしかたがないと思うわけでありますけれども、私のほうも、立場が違ったり考え方が違ったりいたしますけれども、やはり審議の責任は尽くさなければならぬという立場でおりますから、そういう点はひとつぜひお改めいただいて、だめならだめでいいわけでありますから、それならそのように私どもも考えなければなりませんので、そこらのところはひとつそういうふうにしていただきたいと思います。何かどうも、いまのようなやりとりになりますと、あまり質問する気もなくなるのでありますが、かといって、せっかくおいでいただいたのですから、何点かにわたりましてお聞きするだけお聞きしたい、こう思います。  各省の削減率あるいは削減基準、農林五千、建設三千なんというぐあいに新聞が書いておりますが、これは一〇の新聞が書いているわけじゃない、方々で書いております。これは話し合いをしているのだというお話なんでありますけれども、先般の国会で木村長官が私の質問に答えておられることからすれば、六月というところをめどにして三年間五%削減の削減率を含む中身、各省回答を含む中身をまとめるのだ、こういうお話で、まとまり次第ひとつ明らかにしていきたい、こういうことになっているのです。  ところで、各省にやりとりをするとなりますと、行政管理庁に案も何もなくて白紙で、おまえの省は幾らか減らないかという話をするわけにいかない筋合いだと思うんですね。そうすると、これこれぐらいのところは減らせという行政管理庁が一つの基準を持たなければ、各省に回答を求めるにせよ、あるいは削減率をきめる相談をするにせよ、これはできない相談になるのですね。だとすれば、そこらあたりは、われわれのほうは三年間五%というものをひとつ軸にして行政改革をやっていこう、こういう長官説明が前国会で続いているのですから、そうするとこれは、これぐらいのめどでこういうふうに考えたいという方針になるわけです。ところが各省の話はそこから始まっている。これくらい減らせと言ったら、それはできない、それは無理だと言う。あるいはこの報告を見ても、公社方式では云々という説を回答で出している。各省もいろいろ出しております。この中で、削減率がきまったら本格的なことをやりたいなんということもいっている。そうすると、削減率の話し合いの中で、どのくらい減らせということを皆さんのほうで言っていないはずはない。しかるに、そこらのところがまるっきり委員会が開かれておっても表に出ないで、片や新聞のほうにはこういうふうにいろいろ載る。これを取り上げれば、これは記者の諸君がかってに書いたんだということでいいものかどうか。長官のかつての言によれば、できるだけひとつ皆さんの意見を聞かせてくれ、案があったらつくってくれとまで言われた。そういうことで担当の内閣委員会のメンバー等々とも話し合って、できるだけひとつ国民を納得させるに足る行政改革の方針を立てたい、こう言っておられた。そうすると、全く私どもをつんぼさじきに置きっぱなしにしておいて、そして何か知らぬけれども新聞にはいろいろ出てくるということでいいのかどうかという点ですね、私に言わせると。そこらは一体皆さん方はどう考えているのですかね。
  151. 木村武雄

    ○木村(武)国務大臣 私の行政改革に臨む基本的な態度は、いまもあの当時も少しも変わっておりません。したがって、できるだけ具体化した問題がありましたならば皆さまにお目にかけて御相談をしながら行政改革を進めていきたい、こういう考えになっております。  いま三年五%減の問題でありまするが、私はまだその問題について下のほうから相談にはあずかっていないのであります。いま私の取り組んでおりますのは、ともあれ、各省庁から出てまいりましたたとえば許認可事項をどうするか、それから報告をどうするか、補助金のほうはどうするんだという問題と機構の問題と私はいま取り組んでおりまして、この問題とは取り組んでおりませんものですから、そういう点でこの委員会に臨むにあたりまして内容を聞いてみたんであります。ところがいまだ行政改革本部と相談中でありまして、各省庁との交渉はこれからだというような話を実は聞いておったのでありまするが、いま大出委員のお話をお聞きいたしますると、各省庁との交渉をやっておる、こういう話なのであります。そうでありまするから、この問題はもう少しかすに時間を与えてくださいまして、そして私もはっきりしたものを持ってからとくと御相談をしてみたいと存じております。決してものごとを秘密で運ばなければならないなどという気持ちは私には毛頭ありません。やりたいことは十分、特に国会議員の皆さまなんかには納得してもらって、そうしてやりたいという気持ちを持っておりまするから、そんなものは秘密で事を運ぶなんという気持ちは毛頭持っておりません。かりに下のほうでいろいろな問題についてそういうようなこともあり得るといたしました場合には、そういう点の御了解を得ながら私は進めてみたい、こう考えております。この問題はもっと確かめてみたいと思いますから、かすに時間を与えてくださったならば非常に幸いであります。
  152. 大出俊

    大出委員 郵政省が出した行政改革計画案を行革本部に報告していますね。報告の中身というのは、許認可等の整理については、「郵政省における許認可事務は少ないが二〇八件中二一件の一〇・一%を整理することとする。」なんという形ですね。それから報告の整理について、事務の委任・移譲等について、事務の機械化について、電子計算機等を導入している業務に関する合理化計画、行政機構の簡素化とこういうふうに続いているわけですね、皆さんに出しているのは。こういうのが各省から皆さんのところへ出ているわけです。ところが長官はさっぱり知らぬという。しかもいままであなたのほうでやっているのは、総定員法を出してきても、五%削減をやるの、だということを言うだけで、中身はまだこれからなんで何もないと言う。ないのだけれども各省設置法をとっぱずしてしまって総定員法をまとめてくれ、こういう提案。こんなばかげた不親切な提案があるか。行革計画というものはかくかくしかじかの中身のものであって、三年で五%であるというなら、それは先々こうなる、それを各省定員をじゃどう法律というものに照らして片づけていくかということになった場合に総定員法なら定員法というものを考えたのだということにならなければならぬ筋合いのものが、全く逆じゃないかということを私はここで申し上げたことがある。まとまり次第、その過程においても、ひとつ皆さん方にこういうことになっているということをできるだけお知らせをして意見等をいろいろいただきたい、こういう長官の話があって今日に至っているわけですね。ところが過程においてこれだけの問題が一ぱい方々わいわい出ているのに、私のほうからわざわざ電話をかけてものを言っても返答もしないという、その心理状態がさっぱりわからぬのですがね。さっきの一片の答弁じゃ、とにかく委員会を開いたのですから、私も黙って引き下がるわけにいかないのです。そこらはどうお考えなのですか。
  153. 木村武雄

    ○木村(武)国務大臣 私の申し上げたのは、いまお読みになったものは一応各省から出てきたのです。たとえば許認可はこのように整理してみたい、それから報告事務はこのように整理してみたいという報告書が出てきたのですよ。出てまいりましたけれども、私といたしましてはどうも満ち足りない。満ち足りないものですから、もっと整理事項は出すように交渉をしてくれ、そういう話はしておりましたから、その交渉は当然にあったと思います。ただ、定員に関する問題について、もちろん各省庁からはこうするのだという方針は出してはきておりませんし、それだけでなく、こちらのほうでも三年間に五%は減ずるのだという既定方針は持っておりますけれども、それをどういうようにするのだという具体案は行政改革本部と相談いたしましてきめて、それから各省庁と正式の交渉に入るのだ、こういうことになっておるのでありまして、まだ行政改革本部と相談がまとまっていない。二度開きましたけれども、まだまとまっていないものですから、正式の各省庁との問題とその定員減の問題についての交渉はまだだ、こういうことを申し上げたいのでありまして、それ以外の、前にお読みになったことは各省庁から出た問題でありまして、それは私は不十分だと思ったものですから、もっと出しなさい、こういう交渉をやらしておるのであります。
  154. 大出俊

    大出委員 二、三聞きたいのですが、行革本部というのはどういうメンバーで、どういう構成になっているのですか。
  155. 木村武雄

    ○木村(武)国務大臣 私が本部長なんです。そして副本部長は官房副長官。それから——あと政府委員のほうから……。
  156. 河合三良

    ○河合説明員 お答えいたします。  本部長は行管長官、それから副本部長は官房副長官、それから部員といたしまして総理府総務副長官、大蔵事務次官、自治事務次官、行管事務次官、それから法制局次長、以上の構成でございます。
  157. 大出俊

    大出委員 そうすると行革本部長は行管長官、副本部長は官房副長官、それからあとは事務次官が一人ずつ入っている。そうすると中心行政管理庁なんですね、いまのお話だと。あとは大蔵省その他が入っている。そうすると、いまの長官の答弁だと、行革本部に報告してと言うのですが、あなた本部長なんでしょう、そうでしょう。報告するも何も、あなたが行革の本部長、行管の長官であって、他人みたいなことを言っては困るじゃないですか、全く。あなたは第三者であって、行革本部長があって行管長官が別にあるようなことを言っている。本部長というのはあなたなんでしょう。だから言っているのです。
  158. 木村武雄

    ○木村(武)国務大臣 私が本部長なんです。その行革本部の下に幹事会があるのです。その幹事会でいろいろなものをまとめて行革本部に出す、こういうことになっているのです。その幹事会の意見がまだまとまっていないものですから、行革本部にはこの問題がいまだ出ていないのでありまして、その職事会で一生懸命になっていままとめている最中なんであります。そこから出てまいりますと、それは私はわかります。
  159. 大出俊

    大出委員 そうするとどういうことになるのですか。各省から回答が出てきたでしょうとりあえず、そうでしょう、報告が出てきた。あなたはこれは不十分だからというので、もっと出せと言ったが、どこがどう不十分でもっと何を出せと言ったのですか。ここにあるのだから具体的に言ってくださいよ。ただ、ながめてみてこれは不十分だからといったって、人の数の問題になるでしょう。そこはどうなんですか。
  160. 木村武雄

    ○木村(武)国務大臣 報告事務ももっと出してもらいたい、こう言っておきました。それから許認可の問題ももう少し出してきてもらいたい、こういうことを言っておきました。それから補助金の問題ももう少し出しなさい、こういうことを言っておきました。
  161. 大出俊

    大出委員 具体的に言いましょう。この郵政の例をあげれば、許認可については二百八件のうち二十一件、一〇・一%、これは何%出せと言ったのですか。それから報告については七百二十八件中百四十七件、。パーセンテージにすると二〇・二%、こういう報告になっているのですが、これはあなたはどのくらいふやせと言ったか、それから事務の委任、移譲なんかについても八項目を郵便局に委任する云々、こうあるのですが、ここいらのことはどういうふうにあなたのほうは言っておられるのですか。
  162. 木村武雄

    ○木村(武)国務大臣 許認可事項が一万一千件ある、こう言うんですよ。そのうちこちらのほうとしては一〇%を整理せいと言ったところが、まあ一五%くらい持ってきたんです。そして千七百件整理すると、こう言ってきたんですよ。しかし私こう大観して、なるほど一〇%と言ったけれども、そしてまあ役人の報告によりますると、一五%以上の整理だといって鼻高々言っておいでになりますけれども、私はどうももの足りないような気がする。そうでありますから、件数はもっとふやせ、こういうことを言ったんであります。幾らということは言いません。それから、たとえば郵政省に対してこうだとか建設省に対してこうだとか厚生省に対してこうだという具体的な指示はいたしておりません。ただ、もっとふやしなさい、こういうことを言ったんであります。  それから報告書のほうは七千六百件あるそうです。その中で千七百件、二割以上削れといったのを二割五分くらい削ってきた、こういうことなんでありますから、私これも大観いたしまして、もっとふやしたほうがよい、ふやせるものであると思う、だからこれをもっと交渉してみなさい、こういうことを言ったんであります。  補助金に関しては二百三十四件整理するんだ、こう言ってまいりましたけれども、これももの足りないものですからもっとふやせ、こういうことを言っておりまして、行管でもこれを取り上げて行管の立場でも削る方針をいまとっております。  それから法令は二百八十四件整理改廃するんだと言ってまいりましたけれども、これももっと強化せよ、こういう指示をしたのであります。ただ、先ほども申し上げましたとおり、郵政省は何ぼ多くせいとか厚生省は何ぼ多くしなさいという個々の内容については指示はいたしておりません。ですから、郵政省はどうだとおっしゃいますと、私はそれはわかりません。
  163. 大出俊

    大出委員 何も私は郵政省を例にあげただけで、あなたのほうは出さないんだから、私がさっき申し上げたように電話をかけたって何をしたって出さないんだから、わからぬ。だからいまわかっている郵政省のやつをここに参考までに持ってきた。ますますわからないん、だけれども、あなたは一〇%整理せいといって一〇%をこえるものが出てきた、何だか不満足だからあなたはもう一ぺん交渉しろと言ったというんだけれども、自分で一〇%を整理しろと言っておいて一〇%こえて出てきてなぜいけないんですか。
  164. 木村武雄

    ○木村(武)国務大臣 私の考えておったのは、〇%全部やめるならやめる、こうなら非常に満足するんですよ。やめるというものでないものがあるのです。たとえば、整理統合するとかそういうものもありまするし、それからこれだけの膨大な日本の機構なんですね、その機構の中で件数が、たとえば許認可の件数だとか報告の件数というものがはたしてそれだけであるかどうかというようなことも私自身としてはつかめないものですから、大局に立ってそういうふうに不満足の考えで指示したのでありまして、それは私は行政を改革するためには間違っていないような気がしております。
  165. 大出俊

    大出委員 さっぱりわけがわからない。いまのお話を聞いていると大風に灰をまいたようで、どこへふっ飛んで行っちゃうかわからぬ。これは指示でも何でもない、出てきたものの中身は、何となく気分的にこれは減るだろうなんて、もう少し減らせなんて、そういういいかげんなことじゃ全くこれは話にならぬじゃないか。それで今度、各省の中身はさっぱりわからぬ。それじゃ行革本部長、行管長官でしょう木村さん、困った人を行革本部長にしたもんだという気がするんです。各省のやつを集計したのが出てくるでしょう。そうすると、各省までいかないで、何か知らぬけれどもこれはだめだ、何とかもっと何かやってこいというたんでは具体的に事は進まないでしょう。そこはどうなっているんですか。皆さんのほうは、本部長知らないんだから、どこかへたな上げしておけ、事務当局のほうで適当にやるからというようなことで、具体的に各省に、たとえば例をあげただけだけれども、郵政が一〇・一%を減らしますと許認可についていってきた。それをおまえさんのところは、だめだから一五%にしろとか二〇%にしろとか、何と何という項目を減らせるはずだ、そういう指示はしてないですか、どうなんですか。
  166. 木村武雄

    ○木村(武)国務大臣 大出委員のお話、ごもっともなんでありますが、勘でそういうことを言うのは間違っておるかもしれませんけれども、何となく間違っていないような気もするのです。そうして一々の内容がわからなくとも、廃止する傾向にあるもの、それから存置しなければならないもの、そこはいままでの体験の中でちょっと判断できるような気がするのですよ。それは一々のことを微に入り細にわたって知っていることにこしたことはありませんが、知らないからできないというものでもないだろう、こう思いまして、そういう成案といえば大げさでありますけれども、出してみたのであります。私のようなものの大ざっぱなそういう指令を受け取りますと、お役人が頭がいいものですから、消化する能力があるんですよ。ほんとうにじょうずに消化していくのであります。ただ、私から足らざる点を申し上げますと、大出さんからいろいろなお話があったにもかかわらず、ナシのつぶてであった、それは悪いことだと思っております。それだけはこれから改めさせなければならないと思っております。特に大出委員のごとき人は、行管本部の中に入って一緒に仕事をしたほうが手っとり早いんじゃないかという気がしますから、そういうようなことは私は間違っておると思う。これは改めさせます。それから、そんなけちくさいことではいけないじゃないか、そういう点は間違っておるんじゃないかなんというような御忠告であったならば、私はありがたくちょうだいいたします。そうでありますから、不親切であったという点は重々おわびを申し上げまするが、それ以外にあまり落ち度がないような気がするのですが。
  167. 大出俊

    大出委員 あなたみたいなわけのわからない人と仕事をする気はありませんけれども、ばかばかしくて話にならぬですよ。ともかく落ち度があるもないも、中身は何もないのでしょう。何もないのに落ち度も何もないですよ。とにかくわけがわからないけれども、出てきたんだからもっとやれといっただけなんです、そうでしょう。これはどうなんですか。管理局長、あなたのほうでじょうずに消化してくれるというんだけれども、どういうふうにじょうずに消化してくれるか言ってくださいよ。
  168. 河合三良

    ○河合説明員 長官の先ほどの説明を補足して説明申し上げます。  長官からお話ありましたように、許認可につきましては、総件数一万一千二百十九件、そのうちで整理したもの千七百二十五件、比率が一五・三五%というふうになっております。これは各省別には、私どもの考えておりました目標の一割に満たないものもございます。それをオーバーしているものもございます。ただ、その内容を一見ますと、総件数の中で、廃止したもの、統合したもの、移譲したもの、規制の緩和をしたもの、その四つに一応分類してございます。そういたしますと、整理件数千七百二十五件のうち、廃止したものは五百九十一件、それから規制の緩和をいたしたもの、両端を申し上げますが、六百五十件。そこで、規制の緩和と申します内容は、必ずしも実質的に許認可の整理に当たりますかどうなりますか、これは問題になると思います。それからこういうふうに出てまいりましたものの中で、従来臨時行政調査会におきまして整理すべきだという勧告が出ておりましたもので、まだし残しが、ちょっと数ははっきりいたしておりませんが七十何件かあったと思いますが、その件数のうち、本来でありますれば臨調の勧告に従いまして、今回の措置の際に整理されるのが当然だと思ったのでございますが、そのし残しの中でここに出てきておりますものがあまり多くない。そのまだ残っておるものにつきましても、今後検討していかなくちゃいけないというふうに思っております。  それから報告整理の問題につきましては、七千六百八十五件が総件数でございまして、そのうち整理件数が千七百五十四件でございますが、これも中身を廃止と統合と簡素化と三本に分けて調べてございます。そういたしますと整理件数千七百五十四件のうち八百九件、約半分足らずが簡素化となっております。これは現実に見てまいりますと、たとえば五枚の報告書を四枚にするということも簡素化に入りますので、この報告整理という目的にはたして合いますかどうか、この辺も十分に事務当局で検討していかなくちゃならないというふうに思っております。
  169. 大出俊

    大出委員 そうすると、これは各省別にあなたのほうでは当たってやっているわけですね。あなたのところはこれはいけない、これは何%にしろというようなことを具体的にやっているわけですね。
  170. 河合三良

    ○河合説明員 各省別に当たっているところもございます。たとえば臨調の答申関係のございました整理につきましては、これはもっとやるべきだということはもちろんあると思います。
  171. 大出俊

    大出委員 わかりました。いまのは許認可それと報告ですね。そうすると事務の委任・移譲というものもあるわけですね。それは言わぬでけっこうですよ。それから事務の機械化だとかあるいは機構の簡素化だとかいろいろとあるわけですね。たとえば機構の簡素化なら機構の簡素化という点は、いまの筆法でやはり各省とやっているわけですか。
  172. 河合三良

    ○河合説明員 実はここに各省庁から出てまいりましたもの、そのままを一応省庁別に整理いたしまして刷ったものがございますが、これは実は私どもといたしましてはまだまだ不満足なものでございまして、これからいろいろと折衝をしてやらなくちゃいかぬと思っております。そういう意味では非常に未定稿と申しますか、そういうことでございましたので、実はこの間のお電話の際、私は非常にふなれで申しわけないことをいたしましたが、お手元までお届けいたさなかったわけでございますが、未定稿と申しますか、現在各省から集まっておりまして、まだ不満足なままの状態で、これは後ほどお届けいたすことができると思います。その中にいろいろと機構、それから共管競合、事務移譲、機械化、一応各省から出たものが載っております。その各省から出てまいりましたものが、たとえば共管競合にいたしますと、相当のものがやはり各省庁自分の仕事の中に共管競合事務は整理するというような趣旨のものも多うございますし、それから機構、定員の問題につきましては、これはかなり思い切ったものももちろんございますけれども、しかし非常に概念的、抽象的な表現のものが多うございます。そういう概念的、抽象的なものにつきましても、これは現在事務当局で、いろいろとその具体的な内容、何を考えているかということを詰めている段階でございます。またかなり思い切ったものでございましても、それを検討するというような表現になっておりまして、それがいつごろどうなるかということにつきましても、現在各省庁と折衝中の問題でございます。
  173. 大出俊

    大出委員 そういうふうに答えてもらわぬと、議論がかみ合いませんから困るのです。  そこで承りたいのですが、いま言われる事務の委任・移譲あるいは共管の問題、機械化、簡素化の問題等も含めまして、これと人のほうの削減率というのは関係があるでしょう。関係ありませんか。そこのところはどうなっていますか。
  174. 河合三良

    ○河合説明員 削減率のほうは、四十二年度末の国家公務員のうちの、もちろん全員でございません、現業を除いてでございます。その他若干の条件をつけまして、それの五%という総定数はきまっております。ただ各省別の削減率はまだ全く出しておりません。もちろん理想的に申しますれば、この改革計画と見合った人間ということかと思いますが、しかしそのほかにこの改革計画には見合わない面でも、事務の合理化その他いろいろと省庁内で配転その他の措置がございます。それで一応は機構三カ年計画とそれから五%というものは直接見合った形にはなっておりません。ただ五%のほうは五%として、一応現在各省庁と全部話し合いをしておるところでございますし、三カ年計画はまた三カ年計画として、各庁省と話し合いをいたしております。
  175. 大出俊

    大出委員 となりますと、機構はそのままにしておいて手をつけないということで人だけ減らすということになれば、人がいないところができたり、少なくとも人が減って機構が存置されれば、ある意味ではオーバー労働が出てきたりということになるわけですね。そうすると、やはりたてまえとしては人を減らす限りは機構にも手をつけざるを得ない。おっしゃるとおり現在の機構のままで仕事と見合った人の配置ということになった場合、減るところも出てくるでしょう。それがいまおっしゃった合理化かも知れません。そういうものがかみ合わさってはいきますけれども、機構というものをどうするか。たとえば共管なら共管をやめて——公害問題一つつかまえましても、厚生だのあるいは通産だのいろいろあるわけですから、そうすると、共管というたてまえを廃止するとか、片方は要らないということになると、そこは人が減ってくる。当然でしょう。そういうからみ合いというものはないはずはない。ただ皆さんのほうで目標としているものは違う。目標として三年間で五%という目標を立てている。片方で臨調の答申もあるもんだから、機構というものを簡素化する、合理化する、こう考えている。これはぴたっと見合えば、それを表に出せば、なるほどこういうところを減らして人は減っていくんだ、これは一番理想的だ。しかし現在の複雑な行政機構のたてまえからすると、必ずしもそれがかみ合わない。かみ合わない部分には単に合理化という名のもとに機構はそのままだが人が減ってくるという場面が入ってくる、そこのところはこういう相関関係だと思いますね。だから、まるっきり機構と無関係に五%を考えるとすれば、そこに無理がある、こういうことだと思うのです。そこに各省の意見も出てくると思うのです。だからそういう関係を持つんじゃないかと私は思うのですけれども、機構のほうとは全く関係なしに五%はあくまでも五%ということで減らすわけですか。そこのところを答えてください。
  176. 河合三良

    ○河合説明員 実はいまのお話と全く逆の意見も各省から出ておるのでございまして、五%をきめてもらわないと機構のほうが考えられないという意見も実は出ております。そういうことにもなりますので、確かにおっしゃる五%という問題と機構の問題は関連がございます。しかし同時に、いまお話しのように非常に複雑化した行政機構でございますので、それが完全にかみ合った二つのものを、完全に歯車がかみ合ったものをつくるということは非常にむずかしいと思います。それで、現在のところは五%の減は五%の減、これは四十四年度当初の人員を三カ年計画の第一年度でやるわけでございますが、その際に、行政需要のふえております面につきまして、もちろん従来と同様に増は増として別途考慮していく。そこでそのかみ合いができなかったところを若干是正される面もあるかと思います。また、許認可、報告類につきましては、これははっきりと統合整理ができますれば、ある程度人は要らなくなり、その部分本年度五%整理とかみ合うというふうに考えております。
  177. 大出俊

    大出委員 そこに問題がある。この新聞で、これは記者の方々が苦労されて各省を当たってとられて逆に集計したものだと思いますがね。これをながめますと、一番削減率の低いところは三・一%、どこだというと大蔵省ですね。これは一番低い。ところが一番高いところは八・九%なんというところがある。同じ八・九%で行政管理庁、それから建設省が八・九%、こうなっておるわけですね。八・一%、これは農林省、こうなっておる。行管は隗より始めよで、自分のところで言ったので一番高いところでなければぐあいが悪いということを考えたのではないかと思いますね。つまりここで各省の回答の中身は、削減率をきめてくれたら具体的に検討いたしますという中身の回答がたくさんある。削減率のはっきりした段階でこうこういうことをやりたいと思っておるけれども、削減率がはっきりしたら具体的にそこでさらに検討いたしますという調子の回答ですね、各省の回答というのは。これはあたりまえですよ。ある意味ではどこの省だってなわ張り根性がありますから減らしたくない。それも大蔵省なんか、うっかり減らすなら行管の予算を削ってしまうぞと言いかねない。そうなると行管も頭の痛いところが出てくると思いますけれども、そこであなたのほうの基準、ものの考え方を聞きたい。三年間で五%、こういうのだけれども、各省一律じゃないんでしょう。各省別に新聞記者の方々が集計したように、三・一%から八・九%くらいの間の中身について違いがあるでしょう。そうすると、まず各省別に一律五%というならこれは問答無用だから話は別。ただ各省別に差が出てくるとすれば、差が出てくるに足るだけの理論的根拠が必要でしょう。なぜならば、おまえさんのところは仕事が少ない、人が余っているのじゃないか、余らないまでももう少し人が節約できるのじゃないか、こういう理屈が必要でしょう。そうでなければ各省はごねますよ。あたりまえです。大蔵省を三・一%にしておいて、おれのところは八・九%にするとは何だ、こうなる。そうなれば皆さん方のほうでそれに足るだけの資料がなければならぬことになる。また資料なしに、おまえさんのところは八・一%にしろと農林省に言っても、ほかのところは三・一%でおれのところが八・一%とはどうなんだ、こうなる。それはこういう理由なんだという理由がなければ説得できない。だから相当のものがあるはずだ。なければ話ができないじゃないですか。  そこで聞きたいのですが、各省一律に五%じゃないのでしょう。
  178. 河合三良

    ○河合説明員 御説明申し上げます。  ただいまの点は各省は全体として五%でありまして、各省一律五%ではありません。非常に削減のしにくい職種、あるいはしやすいと申しますと非常に語弊がありますが、比較的にそれがまだまだ可能なところがございまして、たとえば従来定員を凍結しておりましたが、凍結の際の補充の特例を設けております職種がございます。そういうものにつきましてはやはり削減がより困難である、そういうことが考えられております。大体現在の基準といたしましては、その削減のより困難なものと考えられる九割補充という職種がありますが、その職種については特別に考えてやる、そのために各省庁に差があるということになっております。その九割補充の職種の中でも特に法令に設置基準のありますものについてはこれはむずかしいというふうな考え方をしております。そういう職種をどの職種をどうきめるか、実はその職種にたくさん特例を置きますと結局特例を設けなかったのと同じことになります。そういう意味から申しまして、なるべくそういう特殊な職種に入れることは避けたい、従来の九割補充になっておりますものでも、できるものはそれから除きたいという気持ちがございますので、そういうことで各省庁と職種の問題につきまして現在いろいろと御相談をしておる、こういうことであります。
  179. 大出俊

    大出委員 そうだろうと私も思っておるのですが、どうも長官が雲をつかむようなことをおっしゃるから話が軌道に乗らないわけです。  そこで閣議決定に基づく補充率、これはどういうふうに分かれておりますか。
  180. 河合三良

    ○河合説明員 お答えいたします。  研究職とか医療職とか海事、教育職、そういうものについては特別の例をとっております。
  181. 大出俊

    大出委員 これは何%ですか。
  182. 河合三良

    ○河合説明員 凍結の際は九割補充であります。
  183. 大出俊

    大出委員 そのほかにもありましたね、二分の一補充とか閣議決定できめたものが。ちょっとついでに補充率を説明してください。普通の場合はこうだというのがありましたね。
  184. 河合三良

    ○河合説明員 ただいまのお話は、現在の五%削減の率のことでございますか。私のお答えいたしましたのは、従来の凍結の際の欠員補充の率でございますか。
  185. 大出俊

    大出委員 だから、凍結の際の欠員補充率が、これとこれとこれの場合は百分の八十補充するとか前に閣議できめてますよ。私、きょうは資料を持っていないのだけれども、つまり凍結の際のことを閣議できめている。あるいは行管でもいいんですが、きめておるが、その補充率というのは一つじゃないでしょう。欠員不補充の場合には、こういうものとこういうものとこういうものはこれこれ補充するというのがあるのでしょう。
  186. 河合三良

    ○河合説明員 行政職俸給表の(一)、(二)に属するものについては五割補充です。ですから、九割補充と申しましたのは、それ以外のものです。
  187. 大出俊

    大出委員 だから、一般行政職のうちの俸給表(一)、(二)というのは、通常の場合は二分の一補充でしょう。そうでしょう。それからそうでないいまおっしゃった研究職、医療職、海事職というようなものについては、たしか九割でしたね。そうすると、旧来あった凍結に関する基準は二つだけでしょうか。
  188. 河合三良

    ○河合説明員 二つだけでございます。
  189. 大出俊

    大出委員 そうしますと、いま局長は旧来の凍結定員の補充率ではなくて、五%削減の補充率というような意味のことをおっしゃいましたが、それは別にそういう基準を皆さんがおつくりになっているというわけですね。その基準をおっしゃってく、ださい。
  190. 河合三良

    ○河合説明員 ただいま申しましたのは、凍結の際の補充率でございまして、現在五%の際は、その凍結の九割補充に該当するものを特殊なウェートで見たいというふうに思っております。
  191. 大出俊

    大出委員 そうすると、この九割補充という旧来の凍結に際しての基準、これを今度は皆さんは五%削減を考えているたてまえで旧来の九割補充というものを特例、こういうふうに見なすというわけですね。そうすると、あとは全部一山幾らという言いぐさではないが、全部一緒ですか。先ほどおっしゃったように、特例を設ける、特例をたくさん設ければ、設けないのと同じになってしまうというむずかしいところがあるという御説明ですね。ところがいまのお話は、特例というのは、旧来の欠員凍結に関する補充率九割というところのものが五%削減にあたっての特例である。そうなると、それ以外は特例はない、こう理解していいのですか。
  192. 河合三良

    ○河合説明員 その点について、現在各省庁といろいろ御相談申し上げておるわけでございまして、私どもといたしましては、できるだけ従来の九割補充の線に限りたいというふうに思っております。
  193. 大出俊

    大出委員 そうすると、各省はそれでは困る、もっと特例を設けろというのですか。
  194. 河合三良

    ○河合説明員 そういう意見がございます。
  195. 大出俊

    大出委員 そういう意見があるのですか、それともそういう意見が多いのですか。
  196. 河合三良

    ○河合説明員 それは各省庁でも自分の省庁の職員が特殊なものに入りまして、ほかの省庁の職員が入らなければ、これはその省庁として有利なわけでございます。しかし、ほかの省庁も一斉に類似の職種がなだれ込みますと、これは必ずしもお入りになったからといっても得だとはいえない。その辺が必ずしも各省庁としてもう大部分が特殊なものに入りたいということばかりをおっしゃる結果にはならないわけでございます。ただそういう御注文はかなり多くなっております。
  197. 大出俊

    大出委員 そこの問題なんですが、行政管理庁だとか経済企画庁だとかいうところは、そこの長官にそうたいした権限がないのですよ。木村さんが前におられるわけですけれども、つまり所管の大臣がほかにいるからですよ。農林省に手をつけようとすれば農林大臣がいる。建設省に手をつけようとすれば建設大臣がいるというように、所管の大臣がほかにいる。だから、いまの日本の機構の中で、行政管理庁というものは一体何だ。木村行政管理庁長官は主任の大臣ではない。これは法律のたてまえからいけば、やはり主任の大臣じゃない。つまり行政管理庁としての主任大臣はだれかといえば、佐藤総理大臣ですよ、総理府の行政管理庁ですから。学問的にはそうなんです。ただ、便宜的に行政管理庁というところの仕事の中身その他を考えて、そこに担当大臣を置いたというだけなんです。そうすると、最終権限はどこにあるかというと総理大臣にある。総理大臣の権限をふるわなければ行政管理庁の考えたことは動いていかない、こういういまの行政組織になっているんですよ。だから、木村行管長官は困ってしまうと、閣議に出かけていって各大臣のいるところで総理に泣きつく。各省大臣がぎゃあぎゃあ言う。三年間で五%削減率をきめたいと言ってもどうにもならぬ。各大臣が協力してくれなければ困る。総理いかがなものですかと言うと、総理は各大臣協力しなさいと言う。そこで協力すると言って各省に帰ってくると、今度は各省の官僚の皆さんはみな優秀だから、いろいろと各省横に連携をとって、合従連衡の策じゃないが、横に連携をとってものを言うから、あなた方がものをやろうといっても、なかなか前に進まない。そこで問題は、あなた方のほうが三年間で五%削減をやる、補充率に関する九割、これだけは特例なんだ、あとは全部一緒なんだということで、各省にさてこの九割に該当するところの方々がたくさんいるところ、いないところ、こういうふうに攻めてまいりますね。基準がこれだけだとするとそうでしょう。だから、いまのあなたのおっしゃることが正しければ、この特例の補充率九割のところ、ここだけが比率が違うことになる、各省別に見れば。ほかに特例は認めない、あとは一緒だ、五%のワク内で考えたときにこういう特例があるところがある、ここだけ比率が変わってくる、こうなるはずです。だから、皆さんのほうで考えているものの考え方でも、つまりいま私が申し上げたように、念のために聞くのですが、九割補充ということになっていたところについては特例を認める、その他は認めない、これが基本線ですか。
  198. 河合三良

    ○河合説明員 そういうふうに現在各省庁と折衝中でございます。
  199. 大出俊

    大出委員 そうしますと、三年間で五%という一つの大前提を置いてお考えになっている。そこでいまの特例というものをそこに付加した場合に、その場合の各省の削減率というのはどうなるのですか。
  200. 河合三良

    ○河合説明員 そういう特例を付加した場合の削減率については、先ほども申し上げましたように、まだ計算ができておりません。現在どこの職種にウェートを置いてどうだということを検討しております。
  201. 大出俊

    大出委員 私が申し上げているのは、先ほど河合管理局長が御答弁くださっておるように、特例をよけい設けてしまえば全部が一緒になってしまうわけです。だから、特例はあくまでも特例で限りたい、こういう気持ちがある。そこで特例は何ぞやと言ったら、欠員凍結にあたっての補充率九割という特例がある、これを三年で五%削減の特例として認めていきたい、これが皆さん方の基本線だとおっしゃるから、そうであれば、その特例以外は全部二分の一なんだから、これはみな一緒だ、つまり凍結のときの補充率は。そうだとすると、これは一緒である。そうすると特例であるものが一般的に一緒なんですね。その中に各省庁に特例を認めざるを得ない職種があるわけです。しかもその職種に何名いるということは明らかです。     〔浦野委員長代理退席、委員長着席〕 そうすると、その職種の計算というものは、いま皆さんがおやりになれば基準ができる。私がやってもできる。だとすれば、それでいくと各省別にどういうふうな基準ができ上がってどういう率になるのですか、こう聞いている。たとえばあなたのほうは、そういう一つの腹づもり、特例はそれしか認めませんよという腹づもりで各省と削減率の話し合いをしているわけです。そうでしょう。私が電話で話したのもそこなんです。あなたのほうにそういう腹づもりがなければ各省と話をして、折衝をして説得もできぬじゃないですか、そういうものがあるでしょうと言ったら、あなたはあるとおっしゃったでしょう。だから、それでいくと、皆さんの腹づもりは一体どういうことになるんだ、各省別にながめたときに。これを聞いているわけですよ。
  202. 河合三良

    ○河合説明員 ただいま基準と申しましたのは、先ほど来申しております九割補充率の職種ということでございまして、これを、どの職種をどう見るかということが現在の折衝段階でございます。基準というのはそういう意味であります。
  203. 大出俊

    大出委員 だんだんわかってきましたが、なるべくよくそこで話してもらわぬと話が食い違うのですけれども、つまり、そうすると、旧来の九割という特例があった職種は一体幾つくらいあったのですか。行政管理庁でおわかりにならなければ困るじゃないですか。専門じゃないですか。
  204. 河合三良

    ○河合説明員 職種といたしましては、税務職、公安職、海事職、教育職、研究職、医療職、検察官、公労法適用者、以上でございまして、その総計を申しますと、四十三年度の数字でございますが、税務職が四万六千二百九十名、公安職が三万七千五百六名、それから海事職が二千二百六十九名、教育職が四万七千百四十三名、研究職が七千七百五十八名、医療職が三万七千九百十八名、それから検察官が千九百一名、以上でございます。
  205. 大出俊

    大出委員 そうすると、旧来の特例に類するものはこれだけだというふうに考えていいわけですか、職種別に見ると。
  206. 河合三良

    ○河合説明員 この職種のほかに、行一、行二の俸給表の中で、特許とか、そういうものは従来の九割補充に入っております。
  207. 大出俊

    大出委員 これはどのくらいありますか。特許とあとは何と何ですか。
  208. 河合三良

    ○河合説明員 これはかなりこまかなものがございますが、大きなものだけ拾ってみますと、登記職員が七千八百九十三名、看護助手八百名、ただいまのは文部省の数字でございますから、必ずしも——足してみないといけませんので、厚生省関係の看護助手が三千百四十一名、特許が千五十二名、航空保安、気象観測、海上保安、海難審判関係が合計して五千五百三名、大体約三万名が合計になります。
  209. 大出俊

    大出委員 そうしますと、もう一ぺん確認していただきたいのですが、補充率九割のところが、先ほどおっしゃった職種プラス行政一、二表の中でおおむね三万名、こういうふうになりますね。これ以外に、さっきお話しになったのは、この九割といわれる特例のほうに入れてくれという職種がほかにあるというのですか、各省の言い分は。
  210. 河合三良

    ○河合説明員 各省からの御注文はございます。それを現在折衝中でございます。
  211. 大出俊

    大出委員 さてそこで、九割というところは、五%の削減率の中でどのくらいに見ようというのですか。
  212. 河合三良

    ○河合説明員 それにつきまして、九割補充の中でも、特に法令によりまして設置の数の基準がきまっておりますものにつきましては、特にむずかしいということで、九割補充についての特例を二段階に分けて考えております。
  213. 大出俊

    大出委員 二段階というと、それは削減率にしてどういう削減率になるのですか。一律に五%を考えているわけでしょう。三年間で五%というのが目標でしょう。その中で特例ばかり認めれば五%にならぬわけですからね。そうでしょう。一般的には五%だけれども、特例というのは一体どのくらいになるのですか。どのくらい減らすつもりなんですか。
  214. 河合三良

    ○河合説明員 その点につきまして、現在いろいろ折衝中でございますが、結局特例を見ますれば、その分は、それ以外のところのパーセントが上がるということになるわけでございます。
  215. 大出俊

    大出委員 この九割というのは、すなおに九割といえば、こういう特例を設けたところが一割ぐらい減らそうということになる筋合いだと思うのですが、つまり、特例のところはまるっきり手をつけない、こういうふうにお考えなのか、たとえば検察であるとか、あるいは医療であるとか、海事職であるとか、教育職であるとか、研究職であるとか、税務職であるとか、公安職であるとかというようなところは現状のままでいこうというのか、それとも、そこでも減らそうというのか。減らそうというのはどのような基準なんですか。
  216. 河合三良

    ○河合説明員 その基準につきましては——基準と申しますか、職種につきましては、現在折衝中でございますが、法令に設置基準がきめられております一番削減のしにくい職種につきましても、ある程度の削減はやむを得ないということでございます。でございますから、現在の折衝段階では、九割補充に属しないものにつきましては、できるだけ全部そのままの数を勘定する。それからあと段階に分けまして、非常にきついもの、若干ゆるいもの、それを若干ウェートをつけまして、そのウェートをかけました合計数に対しまして五%の——全体に対して五%ということになりますが、それは結果、ウェートをつけます前の数に五%かけました数に割り振るということになります。
  217. 大出俊

    大出委員 そうすると、もう一ぺん私のほうで言い直しますが、二つ言われているから、どっちがほんとうかわからないけれども、現在の公務員の数はきまっている。そこでまず欠員があるわけですね。凍結されている欠員がこれはどのくらいあるわけですか。
  218. 河合三良

    ○河合説明員 これはすでに四十三年度予算において落としておりまして、七千七百名でございます。
  219. 大出俊

    大出委員 そうすると、四十三年度で七千七百名落としたということですから、これは定員法のほうは直っていないのがありますね、設置法の関係で。定員法がつぶれましたから、本来ならば減るところだって、設置法を改正しなければ予算と合わない。理屈はそうでしょう。これを取り上げるとややこしくなるから、ぼくはがまんしてやめたんだけれども、国家行政組織法上法律できめるということになっているから、予算に合わない定員を置いておくことはおかしい。だから、各省設置法を出し直して、定員法がつぶれたから、一名減るところでも、法律のたてまえでいけば、直さなければなりませんよ。そうでなければおかしい。間違いです。だがしかし、いま言っている七千七百名というのは、そういう意味でいうならば、予算上は落としている。設置法では完全な処理がされてない、旧来の四十二年度の設置法のままなんですから。あとそのほかに、皆さんのほうで省令でおやりになった分だけふえているのでしょう。そうすると、いま言っている七千七百というのは、予算上七千七百だけ落としている。だから、予算上から見れば減らしてしまっている、こういうわけですね。そういう意味では整理がついている。いま現員現給だとか定員定額だとかややこしいことを言うつもりはないけれども、ともかく予算上それだけ落ちている。そこで、与えられた予算上の国家公務員の定員というのは、七千七百を落とした結果としてこれだけある。この数が前提になるわけですね。それでよろしゅうございますか。
  220. 河合三良

    ○河合説明員 ただいまの数に当たりますのは、四十二年度末の定員になっております、七千七百名を落とす前のものであります。
  221. 大出俊

    大出委員 というのは、どういう意味ですか。あなた方は四十二年度の定員を基準にして計算するのですか。
  222. 河合三良

    ○河合説明員 四十二年度末でございます。
  223. 大出俊

    大出委員 そうすると、先ほどあなたはそうおっしゃったけれども、四十二年度末に七千七百というのは関係ないじゃないですか。
  224. 河合三良

    ○河合説明員 凍結欠損の数を申し上げましたので、四十二年度末にはその定員が入っておりまして、四十二年度末の定員とは関係ございません。
  225. 大出俊

    大出委員 だから、四十二年度末を基準にするとすれば、七千七百は入った。つまり、目の子でいえば、四十二年度末に凍結が七千七百あった。そうすると、その上に立って、いま言われた数字というのは、九割補充というところの職種、それからあと一般の五割補充のところ、こう分かれているわけですが、今度は皆さんは九割補充のところに二つのランクをつくっているわけですね。九割のところが二つに分かれて、あと五割と三つになる。  そこで、ここから先を聞きたいのですけれども、技術的なやり方として、行一、行二の特殊なものを除いたもの、つまり、一般的に五割の方々がいる。ここにあげられたのが九割、こうある。この率をかけるというのですね。さっきのお話でいくと、九割のほうを二つのランクに分けて率をかける。そうしてあと五割のほうはそのまま数を押える。そのままの数を押えるというのは、七千七百を引いた数を押えるのですか。七千七百の中にも、五割に該当するところと九割に該当するところがあるでしょうけれども……。つまり、それらを抜いて現状ある数に五割かける、あるものをそのままの状態で五割かける、それだけ減らすという数字になるのですね。片方の九割のほうはどういう率をかけるのですか。
  226. 河合三良

    ○河合説明員 ただいま率につきましても各省庁からいろいろ御意見を承っておりますが、当初私どもは〇・五、〇・二の率をかけることを考えておりました。まだ私どもも考えておりますが、現在各省庁と折衝中でございます。七千七百につきましては、これを含んだ数で計算しております。
  227. 大出俊

    大出委員 〇・二、〇・五をかけるというのですけれども、そうすると、片方の五割のほうはどういう数をかけるのですか。
  228. 河合三良

    ○河合説明員 これは一をかけます。
  229. 大出俊

    大出委員 そうすると、こういうことですね。全体をながめてみて、まず三つに分かれる。補充率九割のところ、ここに二つのランクができて、それから補充率五割のところと、こう分かれる。そうして補充率九割のところには、一番てっぺんの法定されている定員であるとかいろいろある。そういうふうなものが〇・五あるいは〇・二、それから幾らか楽なところが〇・五という数字がかかる、そうして残りの補充率が五割のところは一律に一をかける。その全体を集計すると、三年間で幾らになりますか。
  230. 河合三良

    ○河合説明員 ただいまその職種をどう入れるかについて折衝中でございますので、その数はまだ出ておりません。
  231. 大出俊

    大出委員 ただしかし、皆さんの目標からすると、三年間で五%になるようにしなきゃならぬわけですね。その大前提に基づいておやりになるわけでしょう。そう理解していいですか。
  232. 河合三良

    ○河合説明員 総数の意味でございますか。
  233. 大出俊

    大出委員 それじゃあらためて聞きましょう。三年間五%というのは、四十二年度末の定員を基準にして三年間で五%減らすという意味でしょう。違いますか。
  234. 河合三良

    ○河合説明員 四十二年度末の定数に〇・五をかけましたものが二万六千二百六十一名であります。それで、先ほど申しました七千人余りの職員はその中に含めますので、合計で約一万八千人であります。
  235. 大出俊

    大出委員 つまり、二万六千二百六十一名から七千七百を引くというわけでしょう。それは幾らですか。
  236. 河合三良

    ○河合説明員 一万八千七百九十三名であります。
  237. 大出俊

    大出委員 そうすると、三年間五%で減る数は、七千七百はいないのですから、これはあらかじめ抜いてしまうわけですから、三年間実数で一万八千七百九十三名減るというのが皆さん方の三年間五%という目標だ、こういうことですね。その目標に向かっていま皆さんがおやりになろうとしているのは、九割補充、五割補充の両方をとらえて、九割のむずかしいところと比較的むずかしくないところを二つに分けて、〇・二、〇・五という比率をかけた。それから五割のところは一という数字をかけて、これが最終的に一万八千七百九十三名になるように各省配分しようというのが、皆さんが持っておられる基本になるべき基準で、あとは各省からいろいろな意見が出てくるのを〇・二、〇・五、一と、このワクの中にどういうふうに挿入していくのか、一のところに、おれのところは一割おるから〇・二にしてくれ、〇・五にしてくれとかいうのがあって、そういうのは多少広がっていくかもしれない。しかし、結果的にそうなるのかどうか、やってみなければわかりませんが、一万八千七百九十三名になるような、つまり、ある省がこの部分はこっちに入れてくれといった場合に、それじゃ五割のところに一割が一・〇三になりますよ、一・〇四になりますよという言い方を、あなた方は大ワクを守るためにはしたいわけだ、そういうことでいま折衝をやっているのだ、こう理解していいですか。
  238. 河合三良

    ○河合説明員 ただいまのお話しのように、この職種をどの段階に入れるかということを折衝中でございます。
  239. 大出俊

    大出委員 そうすると、いま私が申し上げた基準が、大体皆さん方が考えている基準だ。多少の違いはあるかもしれませんが、しかし、その大筋の基準に従って皆さんのほうは各省折衝をやっておる。こっちに入れてくれ云々ということで取り合いをしている。それをおおむね全部納得していいということにお互いがなれば、最終的に一つの削減率としてこういうことになるという筋書きですか。
  240. 河合三良

    ○河合説明員 おっしゃるとおりでございます。
  241. 大出俊

    大出委員 そこで、各省別にながめてみて、だいぶ難点山積ということになるが、まとまりそうですが。
  242. 河合三良

    ○河合説明員 何とかまとめるように努力いたしております。
  243. 大出俊

    大出委員 時期的にはいつごろになりますか。
  244. 河合三良

    ○河合説明員 なかなか難点山積でございますので、はっきり時期を申すわけにはいきませんが、なるべく早くというふうに思っております。
  245. 大出俊

    大出委員 記者の皆さんが苦労してお調べになっておりますから、おそらく正しいと思いますけれども、苦労のほどを確かめるわけではありませんけれども、いま言ったような形にしていくと、どうもこういう九割だ、つまり〇・二だ、〇・五だというふうなところにいかないで、一をかけるところがたくさんある省は、削減率が高くなってあらわれる。行政管理庁の八・九%というのは、ほんとうならば行政管理庁もこの中に入っていないのですから、そうすると、おおむね一のところが多いということになる。そういう一をかけるところが非常に多い省は削減率は上がる。それから、なかなかそうはいかない〇・二、〇・五というのがたくさんあるところは削減率は下がる。それがつまり新聞記者の方々がお調べになった各省別の削減率の開きになってあらわれる。これが正しいかどうかは別として、そういうあらわれ方をするというふうに理解したいのですけれども、そういうことになりますか。
  246. 河合三良

    ○河合説明員 考え方はそういう考え方でございます。その数字は、私どもは責任は持てません。
  247. 大出俊

    大出委員 何も私が新聞を持っているからといって、予防線を張って——その数字はといってどの新聞かわかりもしないくせに。そうでしょう。そんなこと、あなた、記者の方が苦心して調べたんですから……。だから、さっき私が幾つか口頭であげた例を申し上げれば、建設省は八・九%になっているのですよ、新聞辞令によれば。行管と一緒なんだ。一番高い八・九%。  まず聞きたいのですが、行管はどうなりますか。削減率は何%になりますか、いまの筆法、いまの計算でいったら。皆さんの省庁なんだから、皆さんがあげてください。
  248. 河合三良

    ○河合説明員 これははっきりまだ計算いたしていません。
  249. 大出俊

    大出委員 そういうばかなことはないでしょう、あなたのところがやろうとして取りかかっている仕事なんだから。私は新聞を見まして、さすがに隗より始めよで、木村長官がおられるから、天下の野人——さっぱり野人かどうかわからぬけれども、おられるから、自分のところだけは高くしておいた、一に入れたと考えたのですよ。それもあなた、まだ〇・二に入れたいの、〇・五に入れたいのとおっしゃるなら、行管が自分のところでそんなことを言ってるなら、おれのところだけ一をくっつけるのは何だというのはあたりまえだ。あなた、管理局長で、何をしているんです。言い直してください。だめですよ、そんなことは。
  250. 河合三良

    ○河合説明員 管理局長は管理局を考えておりまして、行管機構全体につきましては官房及び大臣が所管しております。
  251. 大出俊

    大出委員 だから大臣を呼んだんだ。大臣、あなたは、途中経過は省略だけれども、あなたが最初からそういうふうに言ってくれれば、私は四の五の言わなくても済む。また、あなたもあなただ。私が電話して、わざわざこういうことになっているのではないかと言っているのに、さっぱりうんだともつぶれたとも言うてこぬから、こんなばかな時間を使って、ここまでものを言わなければはっきりしないのじゃ困るよ。大臣、あなたのところの優秀な各局長さんあるいは官僚の方々は、たいへんりっぱにお考えになったということですよね。あなたの言うとおりかもしれない。  そこで、かつて閣議できめておられる欠員凍結にあたっての補充率がある。この補充率というのは二つに分かれている。つまり、一つは九割補充といわれるものであって、一つは五割補充といわれるものである。五割補充というのは、主として行政職の(一)、(二)表である。例外はこの中にあるけれども、こういう分かれ方をしておる。だから、今回の三年間五%削減にあたっては、行政管理庁のものの考え方、基準として、まず九割補充とかつてからいわれていたもの、中身というのは、税務職員であるとか、公安職員、検察関係、それから公労法関係者、それから研究職、医療職、海事職、教育職というふうなところ、これはかつて九割補充、欠員ができた場合に、その九割までは補充を認めるという基準。ここのところを一番高く見た。そのほかは一般行政職(一)、(二)表ですから、これは旧来半分しか補充を認めなかった。こういうふうに今度も三年間五%削減の中で基準をとった。ところが、九割補充のほうも、法律で定数をきめているようなものもあって、一律にいかないから、かつての九割補充のいま申し上げたところを二つに分けた。だから三つの段階になった。かつての九割補充のところを分けて二つ、それから五割のところが一つ、三つになった。それで九割補充のほうは、非常に困難なところは〇・二をかける。それから少し困難度が低いところは、二つに分けた片方ですけれども、〇・五をかける。そうしてあとは一般行政職は主として一をかける。ただし、行政職(一)、(二)表のうちで、特許庁関係、登記だとか、看護助手というふうな方々、合計三万名、これだけは九割のほうに入れるということで、この〇・二、〇・五、一をかけて、その総数が、四十二年末の定数を基準に出しますから、四十二年末の定数の三年間五%というと二万六千二百六十一になる。この四十二年末の欠員が、予算をすでに切っちゃっている欠員が七千七百ある。これを差し引いた。そうしたら、実在数の中で三年間五%で減るのは一万八千七百九十三名になる。だから、〇・二、〇・五、一をかけた総数が一万八千七百九十三、つまり、これが三年間で五%削減だという基準を立てておられるわけです。そうでしょう。そこまでははっきりとお認めになった。いいですね、それは。人に汗をかかさぬように、そのくらいのことをやってくださいよ。こんなに時間がかかる。  そこで、いまもめているのは何かというと、こういう率なんだが、各省の皆さんは、おれのところはどうも一ばかり食らったのではかなわぬから、特例を認めなさい、九割補充のランクのどっちかに入れなさいというのが出てくる。それを入れるとすれば、お前さんのところの一の比率が一・ ○三か一・〇五にふえるぞというやりとりで、このワクの中に入れて押えて決着をつけようとしている。それで全部でしょう。そうでしょう。あなたはさっき大風に灰をまいたようなことを言ったけれども、こういう基準を持っておられると思うのです。そうならそうということで、あなたは閣議で総理をかつぎ出すなら、あなたは総理のところに行って、総理に、こうやってうちの優良な官僚諸君がやっているのだ、ところが、各省はああだこうだ、すったもんだ言っているから、何とかしなければいけないのじゃないかということを——そういうところに長官がいるんです。あなたという人はそうでなければ困っちゃう。本部長だといって天井向いて、優秀な官僚がみんなやってくれるというのじゃ、長官は要らぬ、本部長は要らぬ、こういうことになっているんです、いまの話は。  さて、長官、幾ら何でもあなたは本部長なんだ。かつ兼任行管長官なんだから、自信がありますか。いま事務当局がはじいている一万八千七百九十三名を以上のランクで話をまとめて、削減率をきめて、片や行政機構の改革の回答をとったやつをまた押し返して、両方合わせて、かくて行政機構の簡素化プラス三年間五%の定員削減、まとまりそうに思いますか。各省抵抗が強いですか。
  252. 木村武雄

    ○木村(武)国務大臣 いま大出さんの話を聞いておりまして、私、十年間お役人をしておってもわからないのじゃないかと思ったんですよ。いまのお話なんですけれども、あとからこれはまた忘れるのじゃないかと思います。しかし、ともあれ、まとまったものは実行してみよう、これだけのことでありまして、私の上下が非常に頭がいいのです。私の上の内閣総理大臣、頭がいい。それから下の人が非常に頭がいい。その間にはさまってかすんでおるかもしれませんけれども、とにかくきめたことはやってみよう、こういうことなんですが、ただ私、大出さんにちょっとお願いしたいことがあるのですが、いまのお話の中で、悪いところはありますか。
  253. 大出俊

    大出委員 ありますよ。たくさんあります。
  254. 木村武雄

    ○木村(武)国務大臣 ちょっと教えてくださいよ、そういうことを。悪いことだけはさしちゃならないと思っております。ここはこういうようにしたらどうだ、あそこはああいうふうにしたらどうだ、そういうことだけどうか教えてくださるようにお願いを申し上げます。
  255. 大出俊

    大出委員 長官、知っていて私の質問に答えなかったのか、知らないでいたのかわかりませんが、さっきの答弁から見ると、あんまり事務当局の皆さんから詳しいことを聞いてないような気がするのだけれども、まあ事務当局もおかわりになったばかりの管理局長さんですが、だいぶいまうしろのほうの助力を得て、ようやくここまではっきりしたわけですから、私はまずこれだけ長官にお認めいただきたい。事務当局の皆さんがお認めになったのですが、つまり、いま申し上げましたように、四十二年末の定員で、この中には七千七百名欠員が入っておる。この定員で、これを〇・二、〇・五、一の比率で各省説得をして、結果的に一万八千七百九十三名の人を削減したい、こう事務当局の皆さん考えておられる。そういう前提でいま各省折衝をやてっいる。ここまで、大臣、あなたはお認めになりますか。管理局長はそうだと言うのだが……。
  256. 木村武雄

    ○木村(武)国務大臣 国会で管理局長が答弁したことでありまするから、まあ認めざるを得なくなるかもしれませんけれども、まだ自分がのみ込んでおりませんから、これを少しのみ込むまで、確たる返事はちょっと待ってください。
  257. 大出俊

    大出委員 そうじゃないんですよ、長官。そこでちょっと話してくださいよ。あなたを困らせようと思っているのじゃないんだから、だいじょうぶだから……。
  258. 木村武雄

    ○木村(武)国務大臣 いいそうです。
  259. 大出俊

    大出委員 ようやくこれは、大臣、事務当局から許可が出たようなものですな。  では、これは管理局長に申し上げておきますが、それは、私が質問をしてあなたがお答えになって、ずいぶんこまかい質問をして恐縮なんだけれども、時間もかかりましたが、どうせやる気になれば出てくるものなんですから、どうも私のほうで心配して電話をかけたりする場合だってあり得るので、タニシが口をつぐんでいるように、何も言わなければそれにこしたことはないというのでなくて、やっぱりそれは差しつかえない範囲で私どもに知らせるという必要がありそうに思うのですがね。どうですか、管理局長、どうせわかることなんだ。
  260. 河合三良

    ○河合説明員 私がたいへんふなれでございまして、何となく非常に臆病になっておりましたこともございまして、ただ、私は電話で御返事いたしましたときに、基準を二つつけるというふうなこともお話し申し上げたように記憶しておりますので、ある程度はそれでおわかりいただけたかなというふうにも思っておりました。その辺ちょっと私も誤解がございました。今後十分気をつけるようにいたします。
  261. 大出俊

    大出委員 そこで、いま長官が言われたあとの問題ですが、いま皆さんがやっておられることはそれでわかりました。三年間五%削減、これをどういうふうに具体化して各省との間の折衝を続けてまとめようとしているか。その過程で新聞関係皆さんが苦労してお集めになって出しているのがここにいろいろある。先ほどの管理局長さんのお話では、わが行政管理庁はと言われれば、私は管理局の局長でございまして管理局だけしかわかりませんという意味なんですね。そうでしょう。私は、行政管理庁の管理局長というのは、ある意味で定員管理をやっているのだと思ったのですけどね。だから、行政管理庁はどの程度の削減率かというのは、つまり、いまの基準を適用した場合に、行政管理庁の中に抵抗はないでしょうな、いまの率に対して。気がついたからそれから先に聞きましよう。いま行政管理庁の中に、管理局長そんなことを言ったってここを〇・二にしてくれとか〇・五にしてくれとかいうことがありますか。
  262. 河合三良

    ○河合説明員 この問題は、各省庁のバランスの問題でございまして、ほかの省庁におきましてある種の職種が入りますれば、行管においてもある職種を考えるということは当然出てくると思います。その点につきましては未定でございまして、そういうほかのところでかなり入ってくれば、当然行管もそれと並べてほしいという注文が出てしかるべきだと思います。
  263. 大出俊

    大出委員 そうすると、先ほど来の基準に基いて各省折衝をやっている今日の段階では、管理庁の手元でおまとめになっている基準については、行管の中は現段階ではこれは当然意思統一をされている、こういうふうに考えていいのですね。あと各省が変わってきた場合に、似たようなケースが行管の中にもある、だから、片一方各省の比率を変えたら、それと見合いで行管の中も変わってくる場合があり得る。しかし、現在は皆さん一つの基準を堅持して特例をなるべくたくさんつくりたくない、たくさんつくってしまえばつくらぬも一緒だからという答弁だから、それで進んでおられる。その時点で、行管は、いまはあなたの省の中には問題がない、将来ほかの省に特例が認められて、それが行管の側にはね返ることがあるかもしれない。しかし、現在はいまの基準でやっている。とすると、その基準で皆さん行政管理庁という庁の場合に削減率はどのくらいになりますか。
  264. 木村武雄

    ○木村(武)国務大臣 ほかのほうからはね返りがあって変更することはあり得るかもしれない、こういういまの局長の話なんですが、 (大出委員「それは当然でしょう」と呼ぶ)当然かもしれませんが、少なくなることであったならば賛成ですけれども、多くなることはやらないつもりですよ、はね返りがあっても。たとえ行政管理庁の中でいろいろつき上げがありましても、そういうことはやらない。そういうことになると、あまり知らないけれども、やっぱり強いかもしれませんよ、そういうところは。
  265. 大出俊

    大出委員 何か質問に答えないでかってなことを言ってすわっちゃっては困る。先ほど管理局長長官に聞いてくれと言う。私は管理局の局長なんだから、行政管理庁全体の責任は長官なんだから——だから、八・九%という削減率は、あなたのところはそうなるのでしょうと、こう聞いているのですけれども、それでいいのでしょう。
  266. 木村武雄

    ○木村(武)国務大臣 いいのです。
  267. 大出俊

    大出委員 八・九%でいいのだということになると、この新聞はあまり変わっていないことになる。この新聞には行政管理庁は八・九%と書いてある。やっぱり新聞記者の能力というものはりっぱだ。あなたはいまいいのですと言う。違ったら取り消して幾つだと言っておいてください。
  268. 木村武雄

    ○木村(武)国務大臣 あなたの誘導尋問にひっかかっているようなものだが、そのパーセンテージはまだきまっていないそうですよ。
  269. 大出俊

    大出委員 きまっていないとは言いながらも、行政管理庁の中には職種はこれこれがございますというのは明確ですね。管理局長いかがですか。
  270. 河合三良

    ○河合説明員 職種の分析はもちろんいたしております。ただ、これは行管の数を出しますためには、ほかの省庁の数がきまりませんときまらないわけであります。そういう意味でまだきまっておりません。
  271. 大出俊

    大出委員 ですから、いまの削減率、皆さんがおきめになっている基準でいけば、いまの現状で行管は何ぼぐらいになりますということは言えるでしょう。各省の率がきまってくるというのは、さっきこっちへ入れろ、あっちに入れろという話がある。そのランクが変われば、行管のほうにも響いてランクが変わる場面が出てくる。長官の言い分によれば、それでも変えない。少なくなるならば変えていい、ふえるならば変えない。長官はちょいちょい答弁を変えるから、これはたな上げしておいて、職種がきまっているとするならば、いまあなたがおっしゃった基本線でいけば、行管というものはどのくらいの削減率になるという見当はつくでしょう。多少違ったってかまいませんが、どのくらいの見当になりますか。もちろん確定でなくていいですよ。どのくらいの見当になりますか。
  272. 河合三良

    ○河合説明員 見当と申しますか、これは行管の持っております職種から申しまして、相当高くなることは間違いないと思います。
  273. 大出俊

    大出委員 つまり、特例というところに入っていく職種が少ないから、したがって、一般行政職という考え方が基本になるから、当然削減率が高くなる。それでいくと、全部が一般行政職ならば一になるわけですからね。皆さんの先ほどの数字でいえばそうしでょう。九割のほうの二つのランクに入っているのがそれの中から抜けていくわけですから。となると、幾ら上げたって八・九%と新聞はいっているのだから、それくらいだろうと思って聞いたら、あなたはそうですという答えで、あわててきまってないんです、こう言い直すのですけれども、大体そんな見当でしょう。
  274. 河合三良

    ○河合説明員 見当とおっしゃいますと、ちょっと数字は現在私持っておりませんが、相当高くなるということは、現在の行管の職種から考えまして当然予想されます。
  275. 大出俊

    大出委員 大体いいでしょう。長官にあまり何べんも変わった答弁をさせてもしようがないですからね。相当高くなる。八・九%というのは相当高いですよ。それはそれでいい、ただの見当だから。ほかの省との見合いも出てくるでしょう。そこで相当高くなる。行管としてはどうですか、将来に向かっていまの人員でやっていけますか。方々行政監察をおやりになったが、人が足らないという話を年じゅう私は皆さんから聞くのだが……。
  276. 木村武雄

    ○木村(武)国務大臣 やっていけます。
  277. 大出俊

    大出委員 やっていけますと言ったって、それはあなたがやるわけじゃない、みながやるのです。あなたは、各省がランクが変わってはね返りがあるといったって、それが減るならいいけれども、よけいふえるのは絶対認めないと言うけれども、現実に仕事をやっているのですから、そこが間違いだと言う。あなたは間違いがあればと言うが、それを言っているのです。実際にどうしても仕事をやらなければならないところを減ら世と言ったって無理だ。あなたの行政ではない、国民の行政なんだから、必要なところをふやさざるを得ないのです。そうでしょう。でなければ仕事ができないのだから。あなた、そんなことを幾ら言ったって、現にやっている方々立場になってごらんなさい。陸運事務所を調査するのに一生懸命やっている人の立場になれば、聞いてみれば四苦八苦ですよ、行管の方々は。だから、そういうところをどういうふうに考えるか。いま管理局長が言っている率のもう一つ下を、現実に仕事の中身はどうなっているかということまで入らなければ、単に一般行政職だと言ってみたって、その中には非常に忙しいところもあれば、比較的繁忙の度合いがそれに比べれば低いところもある。そういう現実に即してものを考えないと、単にこういう率をきめても、実際問題として消化はできない、各省も黙っていない、こういうことになる。あなたはてっぺんでのほほんとしておらないで、そこまでほんとうにきめこまかに入らなければ、こういうものはこわれるのですよ。行管がそう言うからしようがないといって各省黙っていない。各省が横に手でも握られた日には、幾ら佐藤さんがうるさいからといって、佐藤総理もじきにかわるだんべえということになってしまえば、そう簡単にいかない、これは三年計画ですから。そうでしょう。だから、そこらのところまで入らなければ、あなたの言うようなことは、間違いないはずなんですと言ったって、中身もわからないで間違いないはずですと言っても、間違っているかどうかがわからないのだから。そうでしょう。だから、そこのところをあなたのほうももう少しきめこまかく当ってみてくれなければ、また出てきた案が、そろばんはじいたらこうなりましたという案だけでは、これまた簡単にいきません。大臣、あなたはそういう意味でほんとうに責任を負えますか。
  278. 木村武雄

    ○木村(武)国務大臣 私がやっていけますと申し上げましたのは、行政管理庁の行政事務の範囲内のことなんです。各省庁にまたがる問題は、あなたのおっしゃったとおりに、もっといろんな点で私自身もいろいろ考えなければならないところがたくさんあると思いますから、考えますが、私はいまの行政管理行政を見ておりまして、やっていけるという自信は持っております。でありまするから、人ごとであるとおしかりになるかもしれませんが、簡単なことばで、やっていけますと、こう申し上げたのでありまして、どういう形でこれからやっていくかということは、ちょっと時間をかけておってくださればなるほどと思われるかもしれませんけれども、とにかくやっていくつもりであります。やっていけると思います。各省庁に関することは、あなたのおっしゃったとおり、そういうようにそろばんをはじくようなことでなくて、いろんな意見を聞きながら納得してもらうようなやり方をしていきたい、こう考えております。
  279. 大出俊

    大出委員 まあきょうは法案があるわけじゃありませんが、世の中、なかなか混乱をして、いろいろ新聞にも出ますから、公務員の諸君、職場で、一体おれのところはどうなるんだろう、そういう心配もたくさんあります。だから、いま現状を、行政管理庁なるところはどういうふうにものごとを進めているのかということくらいは、せめて明らかにしておいてあげなければという気持ちがあったから、こういうこまかい質問をさせていただいたわけでございますけれども、さて、それから先はどうなるかという問題は、もう一つ大きな問題としてある。そこで長官は、いつごろまでに、いま局長さん以下が苦労して各省折衝をしてやっておられるものをまとめ上げて、さて、そこから先、いつごろまでにどういう法案を準備をして、そしてそれを国会に審議を求めるということになるのか、ここから先行きのところをお話しをいただきたい。
  280. 木村武雄

    ○木村(武)国務大臣 この前の国会でもお話し申し上げましたとおり、各省庁の答案は六月一ぱいに出してこい、こういう話をいたしまして、各省庁とも六月一ぱいに出してきたのでありますが、それを八月一ぱいまでの間にまとめることをお約束をいたしました。何とかして八月一ぱいの間にまとめて、そして三カ年計画案は、その素案になるかもしれませんけれども、とにかくまとめまして、それをほんとうに皆さんに提示をしてみたいと思って、いま一生懸命になって努力中なんであります。したがって、関係大臣との個別折衝も三回やりましたし、来週に入りましても引き続いて各省大臣との個別折衝をやりまして、何とかして今月一ぱいの間にまとめてみたい、こういう考えで一生懸命で努力中なんであります。先ほども申し上げましたとおりに、許認可だとか、それから報告事項などは比較的簡単にまとまりやすい。機構の問題になりますると、やはりなわ張り根性があるものですから、なかなかまとまりづらい。そして、それを前もって発表いたしますとますますやりづらくなるものですから、大臣間では、発表するときにはほんとうに同時に発表する。その間は秘密にしなければならない。そのためにこわれるようなことがあるものですから、非常に注意を払いながらいまやっておる状態なんであります。しかし、それとは別に、こういうことはどうなっておるのだ、それからこういうような材料を出せとおっしゃいましたことは、いままでは不親切でしたけれども、そういうことのないように注意して、そういうものは差し上げていきたい、こう考えておりますが、公表できるものは今月一ぱいの間にまとめてみたい、こういう考えで努力しております。
  281. 大出俊

    大出委員 許認可、報告事項行政機構の簡素化、つまり機械化その他も含めて、それと削減率、全部今月一ぱいにおまとめになる、こういうことですか。
  282. 木村武雄

    ○木村(武)国務大臣 定員五%減の問題なんですが、この前の国会でそれも八月一ぱいの間にまとめるということを言ったかどうか、私疑問に思っておるので、言わないような気がしておるのでありますけれども、言ったとしたならば早計だったと思います。これはこれからの問題なんでありますが、事人の異動に関する問題でありますから、もっと私自身もいろいろな角度から、ただ単に行政管理庁だとか、それから行政改革本部の機構の面からだけでなく、私自身としてもっとお聞きしながら進めたほうがいい。そうでないと、せっかくの改革をやりましても、人を動かさなければ何にもなりません。それでありますから、そういう点では、私はもっと慎重に、もっと努力してこの問題と取り組んでみたい、いまこういう気持ちを持っております。
  283. 大出俊

    大出委員 そうすると、法案ということでまとめて審議云々ということになるのが次の通常国会という想定でございますか。
  284. 木村武雄

    ○木村(武)国務大臣 そうです。大体そうだと思います。
  285. 大出俊

    大出委員 そうすると、総定員法といわれたようなものをもう一ぺん次の通常国会ではあわせてお出しになる、こういう考え方ですか。
  286. 木村武雄

    ○木村(武)国務大臣 次の国会で出したい、こう考えております。
  287. 大出俊

    大出委員 それじゃ、きょうは考え方を聞いているわけでありますので、おおむねいまの長官考え方——長官のというよりは、行政管理庁全体の考え方が見当がつくと思います。私、冒頭に申し上げましたように、どうも長官は、私が長官をやっている限り十九条二項などというものは使わないということを、あなたは参議院の内閣委員会等ではっきり明言されておるにもかかわらず、あなたはお認めになってやっておられるので、今度法案をあなたのほうで出してきたら、野党の皆さんにお願いして、行政管理庁の法案は木村長官のおやめになるまでは一切審議しない、こういうようにしようと思っているのですが、そのときにあわせて、どういう長官になるかわかりませんけれども、論議をさせていただこう、こう思っております。このくらいのことは申し上げておきませんと、あなたのほうは再三再四、十九条二項は使わないということを言っておられたわけですから、以上だけ申し上げまして、質問を終わります。
  288. 三池信

    三池委員長 次回は、明九日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後二時五十八分散会