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内藤(良)
委員 大臣は知らないとおっしゃる。これは管轄でいいますと、仙台の
郵政局の管轄でございましょう。権限でいいますと、仙台の
郵政局長の権限かもしれません。しかし、私の知っております範囲では、すでに本省にも通じておるはずであります。私の同僚の
国会議員の方たちも、
郵政の幹部、そこにおられる曾山郵務
局長等とは
国会内においても
お話し合いをされておるのでありますから、
大臣は知らなくても本省の郵務
関係の
最高幹部の皆さんとは話し合いが通じておる問題でございます。
そこで私は、
大臣にずっと経過を申し上げるという
意味で、一通りひるがえって申し上げてみたいと思うのであります。
秋田市の仁井田局、これは特定局であります。そこが狭い、また古いということで、これを移転改築しようということになったわけであります。地元の住民の皆さんとの話し合いを十分にされて、地元の皆さんが希望するような場所にこれが建てられる、こういうことで、
大臣のおっしゃる地元の利用者の皆さんと円滑、円満に話を進める、
最初からその
基本方針のもとに
局長も進めるならばこれはよかったのでありますけれども、その
局長は、私費でやるんだという
考え方のせいか、地元の皆さんとは御
意見も十分に相通じないままに一方的にこれを進めるという状態になってまいりました。
この問題の大体
最初の発端は、農業
委員会の農地部会で、農地を転用する、いわゆる局舎を建てるためにたんぼをつぶして宅地にしよう、この
申請が農業
委員会で問題になりました。第一にここからトラブルが出たわけでありますが、宅地への転用が問題になって、問題が地元の皆さんの全部に知られたわけであります。そこで、その場所を地元の皆さんが見ると、どうも適当な場所じゃない。第一、
局長が自分でやるんだということで一方的に農業
委員会にそれを出して、農業
委員会で手続その他の問題でトラブルがあった。そこから問題が地元の皆さんにも知れわたって、その場所はどうも適当じゃない、こういうぐあいになったわけであります。そこで農業
委員会の中の農地部会ですでに問題になったわけでありますが、その場でいわゆる地元住民と
局長の間に対立の第一歩が出たわけであります。ところが、なかなか話し合いがつかない。話し合いがつかないままに、農業
委員会の中の農地部会等におきましてはいろいろ話を進めることがむずかしくなったわけであります。
そこで、だんだん対立が強くなってまいりましたために、市長が乗り出して、秋田市長に話が出てきたわけであります。(「市長は社会党だ」と呼ぶ者あり)どこでもいい。市長は市長だ。社会党でも自民党でもない。そこで、市長さんから、住民の皆さんの御
意見もありますので、元小学校のあき地がある、そのあき地を提供しようじゃないか、それなら住民の皆さんが
考える便利な場所になるんじゃないか、こういう提案があったわけです。ところがその話にも
郵政当局といいますか、本人、
局長並びに仙台の
郵政当局がなかなか乗ってこないわけであります。そういう中で、強引に農業
委員会のほうは手続を適正にしたといいますか、話を進めてまいりまして、砂をもって水田を埋め立ててしまいました。そういうことになったものですから、この問題についてはなおさら地元の皆さんは硬化といいますか、だんだんかたくなってきたわけであります。そういうところで話がますますこじれてきておる。
そこで今度、仁井田の
振興会というのがございますが、この
振興会の会長が市議会にこれを陳情されました。その陳情の趣旨は、移転新築なんであるけれども、佐々木
局長の予定している場所はどうも不便でしょうがない、だから、仁井田の中心地、農協があり市の出張所があり、また交番があり、商店その他がたくさん密集しておるいわば中心地ですね、その場所にやってもらいたい。この場所は、市長さんのあっせんされた小学校の
あと地にもなるわけでございます。そういう場所にしてもらいたい。それから、私費で建てるということで、佐々木
局長が地元住民の皆さんの御
意見も取り上げないで、かってにどんどん進めておる、こういうこともどうも納得できない。公の、国の
郵便局を私費で建てるということで、どんどんかってに
局長がやっておること自体もおかしいじゃないか。これは懇談会の中でも出たわけでありますが、何か利権がからまっておるんじゃないか
——これは書いてございませんでしたが、こういう
意向もありまして、結局、地元住民の皆さんが希望する仁井田の中心地に建ててもらいたい、それから、私費なんということじゃなくて、公の金で建てて、明朗に明快にやってもらいたい、こういうことの陳情が出されました。これが六月の市議会におきまして満場一致で採択されているわけであります。そうして、この旨は市議会のほうから仙台の
郵政当局にも通知がされているわけであります。私にも、地元の出身
国会議員ということで、その市議会における満場一致の採択の
内容を通知をいただいておるわけであります。
そうしてまいりました中で、ここでますます対立を深める決定的なことができた。ということは、七月十一日に秋田市の市
当局と秋田市の市議会に、佐々木
局長の私費をもって建てるということに対して許可を与えるからひとつ御了承願いたい、こういう
電話が入ったというわけであります。市長は
外国に出張しておりまして実は不在でございました。第一、第二助役も不在のために総務部長に
電話をした。それから市議会のほうは、市議会
議長も不在でしたので事務
局長に対して
電話をした。いろいろ何だかんだ連絡がございましたけれども、結局佐々木
局長に許可をしたいから御了承願いたい、こういう
電話があったわけであります。そうして翌日の七月十二日には仙台の
郵政局から係員が出張いたしてまいりまして、許可証を佐々木
局長に手交した、こういうことであります。
ここまでは全くもって一方的な措置になるわけでありますが、地元の皆さんは七月十六日に、この許可に対して、まことにけしからぬ
——今日までの経緯、地元の皆さんの
意見と
局長とのいわば対立的な状態、それから市長があっせんに出て代替地を提供したその経過、あるいは市議会がこれを取り上げて満場一致決議した、こういう経過を無視して、七月十一、十二日に一方的に仙台の
郵政局が許可した、こういうことに対する非常な反感が十六日に三百人の大衆が集まっての集会になったわけであります。そうして、その代表六十名が市
当局に押しかけまして、こういう措置をしたのは、市長がおらぬけれども、市
当局のやり方が非常にまずかったからじゃないか、こういうことの追及があったわけであります。
そうしてまた七月十六日にこういうひどいことがございました。この集まりました地元の三百人の皆さんの代表の中に市議
会議員がおりまして、その市議
会議員の方が、その庁舎に参りまして佐々木
局長に、
局長と会って話をしたいと面会を求めました。ところがこれが拒否されました。その拒否した人物は、仙台
郵政局の人事部
管理課の課長補佐の田農馨氏でございましたが、その理由は、
局長は精神錯乱状態であなた方に会えない、こういう理由でございます。しかるに、
局長は庁舎内におられないかといいますと、
局長は確かに庁舎内におられるけれども、今日
局長は精神錯乱状態であるから市議
会議員のあなたに会わせることはできない、こういう非常にひどい拒否でございました。こういうことなんか、精神錯乱状態の
局長になぜ許可をしたか、ここまで言いたいわけでございますけれども、冷静に経過だけ話したい、こういうことになるわけでありますが、こういう経過でございました。そうしてまた七月十七日には、市議会の
議長が本省、おたくの
郵政省に参りました。
——議長はちょっと不快のため事務
局長がかわって参りました。私も
一緒に参りましたが、郵務
局長がおらないために郵務局次長の石井さんに会いまして、それらの経過を話をして、ひとつこの問題を白紙撤回してもらいたいということを要請してまいりました。こういう経過でございます。
また七月の二十七日に私も呼ばれまして、現地の幼児学園という建物の中で地元の集会がございました。そこへ参りましていろいろ話を聞いてまいりましたが、皆さんの
意見をまとめてみますと、仙台の
郵政局には、いままでもしばしばこの問題でいわゆる話し合いをして進めてもらいたいと呼びかけておるけれども、その際は、現地の声を十分聞きたい、取り上げてまいりたいということを言っておりますけれども、今日まで、七月十二日に一方的に決定許可をしたというその時点まででは、利用者の声をどこで取り上げておるのか、まことにけしからぬ、こういう不平がございました。それから佐々木
局長には、移転の際には地元の声を聞くべきだということを十二分に話をしておるけれども、
局長は、これは私費でやるから待ってくれ待ってくれということだけで、話し合いは何らしておらないということですね。
それから、ここでまた出たことは、国の建物を私費で建てさせるというのはおかしいじゃないか、これは権利にからむいわば利権取引じゃないか、やみ取引じゃないか、こういう住民の声がございました。
それから、佐々木
局長はふだんから仁井田の地元の皆さんの会合には全然出ておらない、まことに非協力的である、先々代の堀川
局長、先代の益谷
局長は、これから見ると、地元の住民の皆さんとはふだんから円滑に、融和を進めてきておった、佐々木
局長に至っては全然それが見えない、こういう不満が出されておりました。こういう中から佐々木
局長の不信任というような申し合わせをされたわけでございます。そうして、白紙撤回のためには地元の住民の皆さんが結束して戦う、こういう申し合わせでございました。そうしてこの結論のもとに、七月二十九日に地元の仁井田の
振興会長、仁井田の町内会長、仁井田の勤労者協議会長の三者と市
会議員の
加藤さんという方が仙台の
郵政局にこの結論を持って陳情に参っているわけであります。ところが、仙台の
郵政局では、一方的に決定をしてしまって、もうこれでひとつ何とか御了解願いたいという、そういう答えだけであったということでございます。
こういうことで、今日の
段階に参りまして、七月十二日の一方的な許可によりまして、地元の皆さん、利用者の皆さんと、地元の
局長を先頭にしましたといいますか、頂点にしました現地のこの
関係の完全な対立なのですね。そうしてこの問題は、七月十二日に一方的に許可をしたということにつきまして、これを白紙にしなければ、撤回しなければわれわれは不信任をしてしまう、
郵政の
仕事には協力しない、こういう地元の皆さんの強い団結なんですね。
こういう対立をこのままにしておいていいものかどうか、この点についてどうでしょうか、ひとつ
大臣から……。
内容の
お話がわからないという
お話でしたが、私は具体的に
お話し申し上げました。郵務
局長もこの点はわかっておると思います。
だけれども、いまここで私の言いたいのは、こういうぐあいに対立した場合におきましては、これを円滑に円満にやっていきたい、
大臣はこういうことを言っておられるわけですね。ところが現地の状態を見ますと、全くもって極端も極端、完全に対立しておる。しかも、対立状態が今日までくる間の経過では、私の判断でも、これは
郵政当局のやり方が、地元住民の皆さんの声を取り上げないで一方的にこれをやってきておる、そこに欠陥があるんじゃないか。だから、これをどういうぐあいに解決していくか、
大臣としての方策があるならば、まずこれをひとつお聞きしたいと思います。