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1968-08-09 第59回国会 衆議院 逓信委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    国会召集日昭和四十三年八月一日)(木曜 日)(午前零時現在)における本委員は、次の通 りである。    委員長 古川 丈吉君    理事 齋藤 憲三君 理事 志賀健次郎君    理事 田澤 吉郎君 理事 坪川 信三君  理事 早稻田柳右エ門君 理事 金丸 徳重君    理事 山花 秀雄君 理事 小沢 貞孝君       小渕 恵三君    加藤 六月君       金丸  信君    佐藤 孝行君       内藤  隆君    根本龍太郎君       羽田武嗣郎君    福永 健司君       古内 広雄君    水野  清君       森山 欽司君    安宅 常彦君       石橋 政嗣君    大柴 滋夫君       栗林 三郎君    中井徳次郎君       松前 重義君    八百板 正君       中野  明君    田代 文久君 ───────────────────── 昭和四十三年八月九日(金曜日)     午前十時二十分開議  出席委員    委員長 古川 丈吉君    理事 志賀健次郎君 理事 田澤 吉郎君  理事 坪川 信三君 理事 早稻田柳右エ門君    理事 金丸 徳重君 理事 山花 秀雄君    理事 小沢 貞孝君       小渕 恵三君    加藤 六月君       上林榮吉君    金丸  信君       内藤  隆君    福永 健司君       古内 広雄君    水野  清君       内藤 良平君    森本  靖君       米田 東吾君    中野  明君       田代 文久君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 小林 武治君  委員外出席者         防衛施設庁施設         部長      鶴崎  敏君         運輸省航空局長 手塚 良成君         郵政大臣官房長 溝呂木 繁君         郵政大臣官房電         気通信監理官  柏木 輝彦君         郵政省郵務局長 曾山 克巳君         郵政省電波監理         局長      石川 忠夫君         郵政省人事局長 山本  博君         日本電信電話公         社総裁     米澤  滋君         日本電信電話公         社総務理事   大泉 周蔵君         日本電信電話公         社理事         (施設局長)  北原 安定君         日本電信電話公         社理事         (計画局長)  井上 俊雄君         日本電信電話公         社理事         (経理局長)  中山 公平君         日本電信電話公         社営業局長   武田 輝雄君         専  門  員 水田  誠君     ───────────── 八月九日  委員佐藤孝行君、石橋政嗣君松前重義君及び  八百板正辞任につき、その補欠として上林山  榮吉君、森本靖君、米田東吾君及び内藤良平君  が議長指名委員に選任された。 同日  委員上林榮吉君、内藤良平君及び米田東吾君  辞任につき、その補欠として佐藤孝行君、八百  板正君及び松前重義君が議長指名委員に選  任された。     ───────────── 八月一日  郵便局舎等整備促進法案森本靖君外四名提 出、第五十八回国会衆法第二九号)  簡易郵便局法の一部を改正する法律案内閣提  出、第五十八回国会閣法第一九号)  日本放送協会昭和四十一年度財産目録、貸借対  照表及び損益計算書 同月六日  簡易郵便局法の一部改正に関する請願大橋武  夫君紹介)(第一〇〇号)  簡易郵便局受託範囲拡大等に関する請願外一  件(大橋武夫紹介)(第一〇一号) 同月七日  福岡地方貯金局存置に関する陳情書  (第一五一号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 八月六日  簡易郵便局法廃止に関する陳情書  (第四六号)  郵便物の日曜配達廃止に関する陳情書外二件  (第四七  号) 同月七日  福岡地方貯金局存置に関する陳情書  (第一五一号) は本委員会に参考送付された。     ───────────── 本日の会議に付した案件  国政調査承認要求に関する件  閉会中審査に関する件  逓信行政に関する件      ────◇─────
  2. 古川丈吉

    古川委員長 これより会議を開きます。  国政調査承認要求に関する件についておはかりいたします。  すなわち、  逓信行政に関する事項  郵政事業に関する事項  郵政監察に関する事項  電気通信に関する事項  電波監理及び放送に関する事項  以上の各事項について、議長に対し国政調査承認方申請いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 古川丈吉

    古川委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。  なお、議長に提出すべき国政調査承認要求書の作成並びに手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 古川丈吉

    古川委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。      ────◇─────
  5. 古川丈吉

    古川委員長 逓信行政に関する件について調査を行ないます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。加藤六月君。
  6. 加藤六月

    加藤(六)委員 最近、郵政省を中心に非常に多くの問題が提起せられ、かつてない大きな変革を遂げようとされております。したがいまして、国民も多くのことを知りたがっておるわけでございます。私も、本日はそういう点について、ごく簡単に、平面的になると思いますが、そういった問題を一応質問しておきたい、こう思う次第であります。  まず、最近新聞をにぎわしております郵政現業公社化の問題につきまして簡単にお聞きしたい、こう思います。  大臣は、五月二十八日の記者会見において郵政現業公社化することについて具体的に検討したい、こう述べられ、また、首相もこれを了承せられた。それに先立つ二十七日には、全逓、全郵政の幹部とも会見せられ、大筋において、同意とまではいかぬが、協力的な姿勢がうかがわれた、こういうような談話を発表されております。さらには、七月十九日に広島での記者会見の席でも、八月早々に郵政審議会諮問したい、こういうような意向を述べられておるわけでございます。  現在の国会は、戦前の憲法下におけるのと違いまして、国会というのが最高議決機関であり、唯一の立法機関である。また、完全な意味における政党内閣制というものがしかれ、特にわが自由民主党政府というものは唇歯輔車の関係にあるわけであります。したがって、こういった問題から、端的に申し上げまして、国会全体とし、また自由民主党として、いろいろこの問題について疑念や、あるいは考え方の相違というものが出てきておるわけであります。それについては、いずれ具体的になったときにまた申し上げなければならない、こう思うわけでございますが、大臣がこの一連の発表において考えておられます郵政事業公社化のねらいというのは一体何であるかということをまず一番にお聞きしたい、こう思う次第でございます。
  7. 小林武治

    小林国務大臣 いわゆる企業的な仕事政府直轄でやっておるのは郵政事業しかないということは御案内のとおりでありまして、郵政事業そのものは、世界的にも従来は直営一本でやっておったのでありますが、その後電話の発達その他によって、いわゆる信書の秘密とかいうふうな考え方が多少変わってきた、こういうこともありまするし、また、企業であるということは一応一つの常識になっおりますが、企業であるならば、官の直営よりか企業経営に適する形態に持っていくほうがその事業振興のために適当だろう、ことに、世界的に言うて、郵政事事というのはややもすれば沈滞を来たしておる、この辺である程度企業に魂を入れるのがこれを振興するためのやはり一つの方法であろう、こういうふうなことで、参議院の逓信委員会等におきましては、従前においても公社化についての政府当局考えをただされたこともあるのでありますが、世界的にもいまのような風潮が出まして、ことにイギリスなどは、ことしの十一月にはこれを実施するための法律案国会に提出するというふうな確かな情報もあり、アメリカ、カナダ等においても、いわゆる諮問委員会は、公社化に踏み切るべきである、こういうふうな答申も出た、こういうことでありまして、日本におきましても、いま私が申したように、事業として直轄であるものはもう郵政事業しかない、しかも、こういう郵政事業のごときは、ある程度安定した長期展望、こういうものに立って企画あるいは経営をすべきであるが、日本内閣制度では郵政大臣というものも他の大臣と同じように更迭する、したがって最高首脳部の安定も比較的乏しい、こういうことであると、郵政事業全般として、最高首脳者一緒事業検討し、その振興をはかる、こういうことについては欠くるところがある、こういうふうな世界的な風潮もあり、また、日本特殊事情もあり、また、企業としての性格からいうても、この辺でひとつ大きな経営形態の変更、こういうことについて具体的に真剣に考究すべきときが来たんじゃないか、こういうふうな考え方を持っておるのであります。  したがって、これは実は行政改革としては非常に大きな問題でありますので、軽々に、そう簡単に、また短期間で解決すべき問題ではない。したがって、相当な世間意向あるいは世論の動向、むろん国会のこともございますが、こういうことのためには、やはり多少先走ると申しますか、そういうことで反響等も聞く必要がありはせぬか、こういうことで私は新聞に言うた、かような経過でございます。
  8. 加藤六月

    加藤(六)委員 大臣意向の、郵政事業企業的な性格あるいは安定した長期展望に立った経営、これは最高首脳部も含めていろいろな問題がある、しかし非常に大切な問題であって、軽々に、簡単に解決すべきではない、こうおっしゃった。これはまことにもっともなことで、われわれが考えただけでも、これはどうなるのだろうか、これはどうなるのだろうかなどと二十数項目が、一つの問題、公社化の問題だけを考えても出てくるわけでございます。さらには郵政省そのものはどうなるのだろうか、小人数になるというが、一体どの程度規模になるのか、中央省庁の格からいうと、行政管理庁科学技術庁くらいの人的構成規模になるのだろうか、あるいは資金運用部に対する問題はどうなるのだろうか、あるいは簡易郵便局とか、こういう問題の任免とか処置あるいは人数、いろいろな問題が出てくるわけでございますが、こういったことはまだ当局がはっきり示されていないのでいまいろいろ議論してもしようがないわけでありますが、最後に大臣は、軽々に、簡単に解決すべきじゃないとおっしゃいましたが、ちょうど電信電話事業公社化するときには、私もちょっと調べたのですが、昭和二十四年七月十二日の閣議決定に基づいて、内閣総理大臣諮問に応じ、電信電話復興及び改善に関する重要事項を慎重審議するため、内閣電信電話復興審議会というものを設置しておられる。当時のあらゆる各層を網羅し、さらに衆参両院から七名の議員をオブザーバーとして参画させて、この電信電話事業公社化には相当に慎重を期しておやりになった。ところが、大臣はこれを郵政審議会諮問という形をとりたいというような——これも観測気球かどうか私はわかりませんが、この郵政公社化の問題については、内容は変わるにしましても、内閣にそういった臨時の審議会をひとつ設置していただいて、いま大臣がおっしゃった国民動向等、あらゆる方面から審議していただくというかっこうのほうがふさわしいのではないか、こう思っておるわけでございますが、大臣の現在の心境としては、郵政審議会でそのままやったほうがいいというお考えでしょうか、それとも、電電公社をつくるときのああいった内閣諮問機関をつくったと同じような形態がいい、このようにお考えでしょうか。
  9. 小林武治

    小林国務大臣 郵政審議会は、御案内のように郵政大臣諮問機関、こういうことでございますから、この問題の第一次のいろいろの相談としては、まず郵政審議会でひとついろいろの御意見をお聞きしまして、これは郵政大臣がある程度方向づけについての決意と申すか、考え方をまとめる一つ参考資料にしたい。したがって、これはまだ内閣の問題でありませんから、その上で内閣でどういう扱いをするかということについては、あらためてひとつお考えを伺わなければならぬ、こういうふうに思います。その際において、事態の慎重を期するためにそういうものもつくる必要があろう、こういうふうな議論があるいは出てくるかもしれませんが、いまの段階においては、まずもって第一段階として広く意見を聞いたり、世間からもいろいろな批判を受ける、こういうふうなつもりでやっておるのでありまして、次の段階におけることについては今後また御相談を願ってきめたい、かように考えております。
  10. 加藤六月

    加藤(六)委員 わかりました。  そうしますと、大臣、まず第一段階として、諮問というか意向、いろいろなものを大臣諮問機関である郵政審議会にいろいろ尋ねてみたい。その場合の諮問内容ですね。たとえば公社化をするかしないか、公社化を承認してもらうかといったような意味内容諮問のしかたといいますか、当局がいろいろな資料を全部出されてされるという場合と、それから日本郵政公社化法案というようなものを、要綱のようなものでもいいですが、そういうものを出して審議会諮問する、大ざっぱに言うと二通りのことが考えられるわけですが、最初はどういう形で諮問されるわけですか。
  11. 小林武治

    小林国務大臣 公社化の是非あるいは得失というものは十分検討する必要がありますから、それについていろいろ御意見があろうと思いますから、そういうふうないろいろの問題を提供して、どういうふうにこれをするか、こういうようなこともいろいろ審議をしていただかねばならぬ、こう思いますが、まず外国立法例意見等、あるいはまた郵政省が事務的に、これはこういうふうになるだろうと思うようなことはある程度お出しをして、そうして、それについて帰納的に、それなら公社化にやったらよかろう、こういうふうな問題も出てくるから、最初公社化にすることがよろしいということでやらないで、ある程度いろいろの事態をまとめた結果をひとつ出していただく、したがって、法案等の形において出す意向はいま持っておりません。いろいろな設問をまずして、そして御相談願う、こういうことになろうかと思います。
  12. 加藤六月

    加藤(六)委員 いま大臣が答弁されたような内容諮問されるなら、私、各界の学識経験者その他を非常にそろえておられる郵政審議会ですから、いろいろいい意見あるいはいい考え方というものを大臣に答申されると思うわけですが、われわれが考えてみても非常に多くの問題を含んでおる公社化でございますので、慎重の上にも慎重に、しかもまた、あるときには果敢断行ということも必要になってくると思います。  一体、公社化目標時期ということも大臣ちょっとおっしゃっておるようですが、大体どの年次ぐらいを目標にして諮問をやり、こういった作業を進めたい、こうお考えでしょうか。
  13. 小林武治

    小林国務大臣 これはもういろいろのこともありますから、早くても、国会等にもしお願いをするとするならば、四十五年を目途とするというようなことになろうかと思っております。
  14. 加藤六月

    加藤(六)委員 それでは、それと若干関連しますが、大臣、かねて地方機構整理統合、もちろん本省もありましたが、こういう問題について発言されたり、また省内でいろいろ作業を進められておるようですが、この地方機構整理統合郵政公社化と、どちらを先に行なうとか、あるいはまた、同時に行なうとか——談話によりますと、地方機構のほうを先に統合をやって、それから公社化をやりたいというような意向を漏らされたりなんかしておるわけですが、これは地方機構整理統合という問題と公社化とは関連があるのかないのか、また、時期的に同時にやられるのか、別々に、先におやりになるのか、あとにおやりになるのか、この問題の大体の意向を承っておきたい、こう思います。
  15. 小林武治

    小林国務大臣 いまの公社化の問題は、要するに最高管理者の安定度というふうなことも考えると同時に、また企業としての利益を発揮させよう、こういうことでありますから、私どもとしては、地方機構は大体もう現状維持、したがって、たとえば郵便局等は大体あまり形が変わらないで運営できるのでないか。したがって、郵便局についてはただ身分が紙の上で変わっていくというふうなことではないかと思うのです。  それから、郵政局中間管理機構の問題でありますが、これは郵政省であってもいまの状態では私は不十分だ、すなわち私は、郵政省というところは、機械化が非常に問題になっておるが、機械化にはもう限度があって、ほとんど大部分の仕事は人手によってやらざるを得ない宿命を持った事業である、こういうことでありますから、人事管理と申しますか、人にやる気を持ってもらう、人に働いてもらう、こういうことで、人の問題が最大の問題だと私は郵政省仕事は思っております。  人の問題が最大とするならば、いまの中間管理機構は不適当だ、いまのように十くらいではとても十分な事の把握とかそういう問題ができないから、私は、この中間管理機構国鉄等のようにもっと細分化して、そうして、大体全国で三県くらいを一単位として郵政管理局というようなものをつくってまいりたい、そして人事管理の万全を期したい、こういうことでありますから、公社になってもその点はじゃまにはならない。したがって、郵政省であってもそういうふうにすることが必要だ、こういうことでありますから、公社化一緒にやれという説もありますが、これが先に出発しても、現に郵政省としても、その必要があるから先にひとつやりたい、こういうふうな考え方をしておるのであります。むろん、それだけのものをやるなら一緒にやったらいいじゃないかということがあるが、私は一年でも早く地方機構整理はしたらよかろう、こういうことで、地方機構のいまの郵政管理局という考え方を早くにひとつ実現させたい、こういうことだから、一緒でなくて、これを先行せしめたい、こういうふうに考えております。  そういうふうなわけでありまして、私は、先ほどお話がありましたが、それじゃ郵政省はどうなるか、郵政事業について国会政府に対する責任というものはやはりその所在を明確にしなければなりませんから、郵政大臣というものはやはり残して、また存続すべきだ。ただその場合には、もう郵政省というものは郵政管理局あるいは電気通信監理局電波監理局、こういうふうなごく簡素な管理をする局だけになってしまうから、先ほどお話しのような科学技術庁でありますか行政管理庁でありますか、さような規模の小さい、要するに国会内閣に対して代表する機構中央機構としてはあればそれで十分だ、こういうふうな考え方をいたしております。
  16. 加藤六月

    加藤(六)委員 大体わかりました。  そうすると、この中間管理機構の構想としましては、現在電波監理局を除きまして監察局地方郵政局が二十ある。これを三県に一つということになりますと、たとえばの例ですが、九州全部については熊本郵政局熊本郵政監察局、二つありますね。これを一本にして何々郵政局ということにして熊本にはいままでどおり置いて、熊本で宮崎県と鹿児島県と、まあ長崎県なら長崎県くらいをひとつやらしたい、それから福岡なら福岡にもう一つ郵政局を置いて、福岡県と大分県と佐賀県くらいをするような中間管理機構を置きたい、こういうように判断してよろしいわけですか。
  17. 小林武治

    小林国務大臣 例をとれば、いまお話しのようなことを考えております。
  18. 加藤六月

    加藤(六)委員 わかりました。  あとからほかの委員からもこの問題については御質問があると思いますのでこの程度で終わらせていただきまして、次は電波放送関係の問題について若干質問いたしたいと思います。  七月十六日に大臣が、やはりこれは閣議後の記者会見において大臣談話として伝えられておるところによりますと、電波放送法改正案というのは、次の通常国会にぜひ提出したい、そして成立をはかりたい、こういうことを述べておられました。これについて総理からも強い支持があったというようなことが記事に載っておりましたが、これは事実でしょうか。
  19. 小林武治

    小林国務大臣 これはもう長い懸案でありますから、適当なときに解決するということは必要であろう、その適当なときが次の通常国会ではないか、こういうふうなことで総理にもお話はしてございます。さような考え方郵政省は進めてみるように、こういうお話でございます。
  20. 加藤六月

    加藤(六)委員 私は、本年の通常国会冒頭大臣にこの問題について、こういう問題、こういう問題は改正されますかどうですかという御質問を、ごく簡単ですがあのとき申し上げておきました。そのとき大臣からもいろいろお話があったわけですが、私が質問を申し上げましたあとと申しますか、あの前後から今日まで、さらにその問題として起こった問題としましては、一つFM東海の問題がいわゆる放送法電波法関連としていろいろ起こってきました。これが第一点、それから第二点としましては、われわれはかねてからUVを内蔵したテレビ受像機考える場合は、オールチャンネル法という単独法によるのではないか、こういう考え方を持っておったわけですが、これまた伝えられるところによりますと、この放送法電波法改正の際に、このUVを内蔵した受像機といいますか、オールチャンネル法的なものをもこの法案の中に入れて出したいという二つの問題が、私がことしの通常国会冒頭質問させていただいた以降に起こったわけです。これらは新たな改正を要する問題として検討されておるわけでしょうか。
  21. 小林武治

    小林国務大臣 これは加藤委員も御存じのように、大体の改正要綱というものは自由民主党にひとつぜひ検討をしていただきたいということでお話を申し上げております。そのほかに、いまお話しのように追加するものがあるか、こういうことでございますが、実はオールチャンネル法関係のことは、ここにひとつぜひ入れてほしいというようなことはいま考えておりません。  ただ、FM東海関連しまして、不法電波が、不法電波と認定してもなお電波が出ておるということは、おそらく不法電波というものは、大体の一つ目標は、外国に対する、あるいは外国からの不法電波、こういうことが非常に大きな目標としてああいう規定が入っておると思うのでありますが、不法電波はやはり電波としてただ認定しただけでは実効をおさめられない。したがって、これがもし外国あて不法電波等であれば、差しとめることがまず第一に必要じゃないか、そういう差しとめるというような方途をぜひ今度の改正においては検討すべきではないか、こういうふうなことで、こういうことはひとつ追加して御検討を願いたい、かように思っております。
  22. 加藤六月

    加藤(六)委員 この問題はまたあとからお伺いするとしまして、引き続き七月十六日にUHFテレビの第二次割り当てを発表され、現在新割り当て地域免許申請調整とかあるいは予備免許に向かってたいへん御苦労されておる。このことについてとやかくは申し上げませんが、今回の調整あるいは予備免許を与えるについては、昨年の第一次割り当ての際と同じような調整基準基本方針というものに従って作業されておるわけでしょうか。たとえば、どういうことかと申し上げますと、昨年の基準になりました中央地方を通じてマスコミの集中を排除するとか、いろいろ問題がありましたですね。あの問題は今回の第二次割り当て申請調整にもあるいは予備免許を与える条件となっておるかどうかということをお聞きしておきたい、こう思うわけです。
  23. 小林武治

    小林国務大臣 いまの免許の指導方針と申しますか内規と申しますか、そういうものは前回とは変える意向はございません。前回のとおりでまいりたいと思っております。
  24. 加藤六月

    加藤(六)委員 私、今回の割り当てについて一つだけお聞きしておきたいのですが、今回の第二次割り当てで大体広域放送地域を除いて、民放に関する限りほとんど複数で聴視が可能になるようになっておるのじゃないかと思うのですが、ただ鳥取地域はどうしておるのか、今後どうするのかということについてお聞きしておきたい、こう思うわけでございます。
  25. 小林武治

    小林国務大臣 これはまだこれからの問題でございますが、御案内のように、本社としては鳥取県には米子と鳥取と二つある、そこへもう一局はいろいろな経営上の問題もあるし、例外としてあすこに新局を設けることを希望しないということも鳥取側の意見でございまして、われわれとしてはそういうことも一つの理由である、希望しないものはけっこうであります、こういうことで、今回は御案内のように、従来形の上では一局もなかった松江に一つ設けるというふうな方針にいたしたのでありまして、いまの希望としては、鳥取と島根は一つの共通のエリアにしてもらいたいというふうな御希望が県の方面から強く出ておりますが、しかし、これらは非常な例外でございますので、これからひとつ検討したいということで、いまいずれともまだ内定をいたしておらない、こういう状況でございます。
  26. 加藤六月

    加藤(六)委員 わかりました。  それで、その次に問題になりますのは、先般の参議院選挙で、いろいろテレビの報道というのは、佐藤総理が言われた非常に投票率がよかったとか、関心が深まったという問題で好評であるし、私も先般の逓信委員会の派遣で、そういうNHK、民放を通じての参議院選挙報道についての調査もさせてもらったわけですが、問題として残るのは、広域地域における県域放送というものは、NHK、民放両方を通じてどうなるか。この問題にからんでは、森本委員が昨年の予算委員会質問されておるのを私傍聴しておったわけでございますが、この広域放送地帯に対する今後のNHK、民放の県域放送、もちろんチャンネル割り当てその他、いろいろ多くの問題が出てくると思うわけでございますが、これについてはどのようなお考えを持っておられるか、この際お聞きしておきたい、こう思うわけです。
  27. 小林武治

    小林国務大臣 これは御承知のように、いわゆる県域放送は関西も大体解決がついておりますし、残る大きな問題は関東地域、こういうことでありまして、もし選挙にテレビを活用するというふうな事態になれば、傾向としては県域放送は認めなければなるまいというふうに私は思っております。  これはまだ私個人の考えでありまして、郵政省考えとしては、いまさしむき問題になるのは前橋、宇都宮、水戸、あるいはごく近くを入れて千葉も入るかもしれませんが、一応問題になるのは、いまの前橋、宇都宮、水戸、こういうことでございますが、これらについては、NHKの県域放送も含めてまだその最終的な結論が出ない、郵政省としてはこれを検討しておる、こういうことであります。しかし、私個人としては、いまの関西もあるいは九州の一部もいわゆる県域放送を認めた、こういう実態もありますから、関東だけこれを続いて除外するということもどうかと思っておりますし、しかし、まだ郵政省としての考えはまとまっておらない、こういう状態でございます。
  28. 加藤六月

    加藤(六)委員 先ほどからUの問題について若干疑問点をお伺いしたわけですが、これは大臣に御答弁願うのはどうかと思うのですが、受信装置の普及あるいは見通し、あるいは普及の対策といったものがどのようになっておるか、お伺いしておきたい、こう思います。
  29. 小林武治

    小林国務大臣 私は抽象的に申しますが、非常に普及状態はよろしい、ことに地方におけるコンバーターの売れ行きなども相当顕著である、こういうことを聞いております。  数字等についてまたあったら、事務当局からお答えいたします。
  30. 加藤六月

    加藤(六)委員 われわれも数字はつかんでおりますので、売れ行きそれから普及状態——ただ、これはなぜこういうことを尋ねるかと申しますと、私がお尋ねしたいという次の問題に関連するわけです。  それは最近はいわゆる周波数事情の逼迫、あるいはUの開発によるところのさらにV周波数帯に対する要望、いろいろな問題が出てきておるわけでございます。そういったときにおいてテレビがUV両周波数帯を広く使うということはおかしいのではないか、さらにそれを進めていきますと、テレビはすべてU周波数帯にまとめるべきじゃないかというふうな意見がいろいろな方面から流れているやに聞いておるわけであります。そこで、テレビのU移行についてどう考えておるのか、またUに移行させたいというならば、何か具体的にはっきり見通しというものを発表すべきではないか、こういう意見を持っておるわけです。  まず、当局としては、郵政省としてはテレビというものはUに全部移行してしまいたいのだ、あるいはしまうのだという考え方をお持ちかどうか、一番に伺いたい、こう思うのです。
  31. 小林武治

    小林国務大臣 私ども郵政省意見を率直に申し上げれば、将来においてはVに全部切りかえたい、そういうふうな考え方を持っております。中には、もう十年くらいに切ったらどうか、こういうふうな説もございますが、まだそこまで期限を切るほどの結論を持っておりませんが、見通しを申し上げれば将来はUに直してしまいたい、そういうふうな方向でまたひとつこれからもいろいろやっていかなければならないと考えております。ただ、いま申し上げるように、それじゃそれは何年以内にやるのだということまではまだいま申し上げる段階ではありませんが、方向としてはそういう方向にまいりたい、こういうふうに考えております。
  32. 加藤六月

    加藤(六)委員 大臣、そこなんですよ。方向としてはUに切りかえたいと思っておるという意見と、十年ないし十一年——聴視者の立場はかり考えた場合ですよ。きょう新しい受像機を買う、大体耐用年数その他から見て五年間だ、二回切りかえたときにおいては完全にUに切りかえるようにすればいいのじゃないかというような立場から、十年ないし十一年あとには完全にUに切りかえたいというような意向と、いま大臣の言われるように、できたらUに切りかえるべきだというので時期を明示されないのと、二通りあるわけですね。私は、もしそういうふうにしたいという意向があるならば、時期をはっきり作業してから明示すべきではないか。というのは、単に聴視者だけの立場ではございません。これはまた、Vを使って放送しておるNHKとかあるいは民放、これらの今後における投資状態とか、あるいは減価償却から関連するところの内部留保の問題、切りかえの問題についていまばく大な投資をしておるわけです。それが一朝一夕に簡単にVからUに切りかえろ、はい、さようでございますか、というわけにはいかないわけです。それぞれがやはり内部事情によっていろいろな経営方針というものを打ち出していかなければならない。そのためには、時期というものは相当明確にしておいたほうがいいのじゃないかという考えを私は持っているのですが、もう一度その点について……。
  33. 小林武治

    小林国務大臣 これは御意見のとおりでございまして、私は、郵政省としてもそう遠からず、そういう何年以内というふうな時期も明示し得られるのじゃないか、かように考えております。
  34. 加藤六月

    加藤(六)委員 私は一番最初申し上げたように、きょうはいろいろな面について広く浅くお尋ねしたい、こう言っておいたわけですが、その次にFM放送の問題についてちょっとお伺いしたいと思います。  先般来、FM放送の本実施に備えて、放送局の開設の根本的基準あるいは無線設備規則の各一部改正、それから超短波放送に関する送信の標準方式の制度を確定せられた。また七月一日に電波法施行規則の一部改正、その次には超短波放送に関する送信の標準方式の制度が確定される、また電波法施行規則あるいは無線局免許手続規則、こういったものの改正を施行せられた。大体これでFM放送の本実施に伴う法的な手続は完了せられた、こう私は判断するわけでございますが、この判断は間違いございませんでしょうか。
  35. 石川忠夫

    ○石川説明員 おっしゃるとおりでございます。これであとチャンネルプランをつくれば実施できる、こういうことでございます。
  36. 加藤六月

    加藤(六)委員 それで、いま局長が言いましたFM放送についても全国的なチャンネルプランというものはやはり策定されるわけですか。
  37. 石川忠夫

    ○石川説明員 チャンネルプランをつくる準備を着々と進めているわけでございます。
  38. 加藤六月

    加藤(六)委員 そうすると、将来はFM放送の本実施についてどういうスケジュールを持っておられるわけですか。
  39. 小林武治

    小林国務大臣 これは前から申し上げておりますように、いまお話しのVのチャンネルと密接な関連がありますから、一番難点は、御承知のように東京にFMの波がない、こういうことから出ておるのでありますから、できるだけ早くテレビのVのチャンネルが回収できるかどうかということが当然関係してまいるのでありまして、したがって、いまここでもって全国的に実施する時期を明示するというふうなことにはまいらないということであります。
  40. 加藤六月

    加藤(六)委員 このFM放送についてはわれわれしろうとで詳しくわからのですが、モノホニックとステレオでは電界強度が異なる、こう思うわけですが、今回本実施に移そうとしておるのはステレオ放送をたてまえとして計画を立てておられるわけですか、それともモノホニックですか。
  41. 石川忠夫

    ○石川説明員 ステレオ放送を主体に考えております。
  42. 加藤六月

    加藤(六)委員 送信の標準方式の中には第二副搬送信については全然触れておられないのですが、これのチャンネル使用というものはお考えになっていませんか。
  43. 石川忠夫

    ○石川説明員 現在のところ多重放送のうち、いろいろいまおっしゃるようなことがございますが、ステレオとして使うだけ、こういう考え方でございます。
  44. 加藤六月

    加藤(六)委員 そのことについては、森本委員からもこの委員会でいろいろ御意見、お尋ねが出ておったわけで、またいずれ出ると思いますから触れませんが、次に、大臣は、FMの場合は音楽中心の局をやらせたいとたびたび言明されておったわけであります。——言明というわけじゃないでしょうが、これは大臣の言われる観測気球であったかどうか私はわからぬのですが、開設の根本的基準という中に音楽専門局についての規定というものが全然ないように思うのですが、これは大臣どうお考えですか。
  45. 小林武治

    小林国務大臣 これは御承知のようにFMの特性が音楽の放送に非常に適する、こういうことでございまして、たといFMが本格的に実施されるようになっても音楽関係の専門局がある程度必ず存在すべきだ、こういうふうな考え方からいたしまして、まず波の少ない現在においてはそれをやっても将来全体の計画に支障を来たさない、こういう意味からして、とりあえずひとつ使用できる波は音楽を主としたものに活用したい、こういうふうなことでございます。
  46. 加藤六月

    加藤(六)委員 このFM問題についてもう一点。まあ多くの問題があるわけで、ラジオの民放の問題で中波をFMに切りかえてやるとか、またV局をU局に切りかえる問題等があります。現実に、先般逓信委員会で視察したときもそういった陳情も受けておりますが、これらは後日に譲るといたしまして、ひとつここで聞いておきたいのは、FM東海の問題というのが起こっております。そうしますと、東京地方のFM民放局の免許というものは、この問題が起こったので早くなると判断してよろしいですか、おそくなると判断してよろしいですか。
  47. 小林武治

    小林国務大臣 その早くおそくの問題は別としまして、いまの、音楽を主としたようなものはできるだく早く、すなわち年内にも実現させたい、こういうふうに考えております。
  48. 加藤六月

    加藤(六)委員 ほかにいろいろあるわけですが、実はもう少し時間をもらえるつもりであったのですが、ちょうど運輸省の航空局長に来ていただいておるので、そちらの件で一点だけ質問さしていただきまして、私の質問を終わりたいと思います。  われわれは、かねがね国際空港周辺における騒音、並びに当逓信委員会が管轄するものといたしまして、テレビの聴視者対策というものを党から関係各省にたびたび要求もいたしましたし、また、わが党としても強い申し入れをいたしておったわけでございますが、それにつきまして、いろいろ郵政省、運輸省で対策を講じていただいておったようでございます。  聞くところによりますと、今回テレビの受信障害について、運輸省は先般航空公害防止協会というものの設立を許可された、こう聞いておりますが、この航空公害防止協会の設立の趣旨と、どのような団体によって構成されておるかということを承りたいと思います。
  49. 手塚良成

    ○手塚説明員 仰せのごとく、最近、特に東京及び大阪両国際空港の周辺におきましてジェット機の運航の回数が非常に増加してまいりまして、これによってテレビの受信障害という航空公害の問題が地元住民を主にいたしまして非常に激しくなってまいり、社会問題化しつつあるような傾向でもあるわけでございます。  これにより、この騒音の問題というのがまたこれと並行いたしましていろいろな問題をまいておりまして、この騒音の障害に対する防止対策といたしましては、先般国会の御審議を得まして、公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律というのをつくりまして、それに基づいて騒音防止対策を現在進めておるわけでございますが、このテレビの受信障害の問題につきましては、この法律のワク外の問題になっております。これを何とか処理をいたしたいということで寄り寄り郵政省と御協議申し上げております。  御承知のとおり、先例といたしまして、軍用飛行場周辺については聴視料の二分の一軽減の措置がとられておりますので、民間飛行場周辺におきましても同様な措置をという線でお願いを申しております。しかしながら、飛行場の質、航空機の主体、航行の方法その他におきまして軍用飛行場との差異があるという基本の観念で同様の措置をとりにくいということになりまして、次の方法といたしまして、今回防止協会というものを設立いたしまして、これにNHK、航空会社並びに船舶振興会というところから資金を得まして、住民の聴視料につきまして、軍用飛行場周辺とほぼ同額、一カ月当たり百五十円を防止対策費として交付する、こういう措置をとることにいたしました。なお、この協会におきましては、テレビの受信障害のこういう対策のほかに、先ほど申し上げました騒音防止法によります措置以外に、やはり公害の問題として残された問題がございますので、そういった問題もあわせて行ない得るようにしたいということが設立の趣旨でございます。
  50. 加藤六月

    加藤(六)委員 一歩、いままでわれわれがお願いしておったことが前進した、こう思うわけでございますが、この助成金総額は一体どの程度になって、それからこれの分担割合はどのようになっておりますか。
  51. 手塚良成

    ○手塚説明員 ただいま申し上げましたようなことで、一世帯につきまして一カ月当たり百五十円を交付するわけでございますが、交付世帯の全体を、ただいま推定でございますけれども、対象空港と考えております大阪と東京の周辺で計算いたしますと、これは原則として飛行場の着陸帯の端から縦二キロ、横一キロの範囲と考えておりますが、それで計算いたしますと、大阪、東京総計三万五千世帯と一応概算しております。この概算によりまして、一年間の受信障害防止費は六千三百万円という計算になるかと思います。この六千三百万円のうちの半額三千百五十万円をNHKより助成金として交付を受け、残りの金額につきまして、これは航空会社から主として拠出をさせたい。航空会社からはジェット機の離発着一回につきまして千円を取りたい、これは外国航空機も含めまして、全部のジェット機についてそういうふうに考えております。それでやりますと、東京、大阪を含めまして、一日大体百五十回の離発着が考えられますので、航空会社の拠出金といたしましては五千四百万円程度が受けられると思います。したがいまして、この両者を合わせますと、六千三百万円をこえ、八千六百万円程度になります。ほかに船舶振興会等から五千万円程度の交付金を受けますので、これらをもちましてこのテレビの聴視料以外の、そして騒音防止以外の航空公害の対策に充てたい、こういうふうに考えております。
  52. 加藤六月

    加藤(六)委員 わかりました。  ただここで一言、時間も過ぎましたのでもう少しお伺いしてやめますが、注意しておきたいと思いますのは、大阪、東京の国際空港周辺だけ助成するという問題、これがその他の民間空航、あるいは同じような受信障害を起こしておる新幹線の一部の沿線とか、あるいはさらに言うと、工場の近くとか、あるいはさらには自動車による受信障害という問題等もあります。こういう問題がどんどん出てきますと、いまのお話を承りますと、大体NHKに半分くらい負担させておる。私は、本来こういう障害、公害に類するものはまず国家がやるべきだ。昨年来、公害基本法から始まりまして、いろいろな法案をわれわれ勉強さしてもらいましたが、少なくとも国家が何割か、あるいは四割とか五割、六割、いろいろな問題がありますが、まず国家がやる、その次には地方公共団体がこれに関連してやる、そして受益者がやる、こういう大きな原則があると思うのです。  安易に、NHKが金を出したから——あるいは出したのかどうか知りませんが、まあ説得して頼んでやった、この範囲をどんどん広めていきますと、NHKという形態——NHKは国民から受信料をもらっておるわけです。こういうことから見て、受信料制度、あるいはまたいろいろ考えられますNHKの料金値上げ問題等が今後いつか起こってくる可能性がある。その場合にこの問題をどう考えるのかという観点が出てきます。そうしますと、私は、こういった問題については郵政省並びに運輸省が安易な解決をせずに、抜本的に取り組んでもらいたい。今回は、そうは言うものの、大阪、東京国際空港周辺の聴視者にとってはこれは非常に福音であろうと思うわけでございますが、そういった観点から、これがあまりにも広がっていった場合に、いまのままのそういった協会がやっていけるのかどうかという問題等も考えなくてはならないと思いますので、一言私の意見だけを申させていただきまして、質問を終わらせていただきます。
  53. 上林山榮吉

    上林委員 議事進行について一言発言いたしたいのですが、簡易郵便局法の一部改正案は、私どもは本委員会で継続審議にしてもらいたいという考え方を持っていたところ、理事会において、次の通常国会にこれを提案して、そのときには本会議での趣旨説明も省略し、あるいは委員会等においても物理的抵抗は行なわないというきわめて紳士的な申し合わせができたと聞いておりますが、そういう事実があったのかどうか、承っておきたいと思います。
  54. 古川丈吉

    古川委員長 この法案の取り扱いについては意見があったわけでありますが、自民党側の扱い方につきまして、各党の理事が了承されましたので、御了承願いたいと思います。
  55. 上林山榮吉

    上林委員 けっこうです。
  56. 古川丈吉

  57. 内藤良平

    内藤(良)委員 私のほうで質問したいのは、秋田の市内にあります仁井田という郵便局の移転改築に関する問題であります。  小さい問題のようだとも思いますけれども、いろいろ含んでおる問題が、郵政事業から見ると重要な内容を含んでおると思いますので、大臣に一言お聞きしたいと思いますのは、先ほどの御答弁の中にもございましたが、郵政事業は人間の問題ということを言っておりましたね。私たちの印象でも、郵便の配達をする方あるいは保険を勧誘する方、郵政の職員の皆さんは地域住民の皆さんに親しまれ、愛されて、いわゆる郵政事業を円滑に進めておる、かように私は思っております。  大臣に私は一言お聞きしたいのは、こういうぐあいにして明治何十年以来の歴史を持っておる郵政事業が、地元の利用者の皆さんあるいは地元の住民の皆さんと対立する姿がいいのか。たとえば仁井田の郵便局長なら仁井田の郵便局長が地元の利用者の住民と対立するかっこうがいいのか、それとも、佐藤総理のことばではないけれども、調和をするかっこうがいいのか、相一致するというかっこうがいいのか、郵政事業を進める上にはどっちが最も望ましいことであるか、その点をひとつお聞きしたいと思います。
  58. 小林武治

    小林国務大臣 これも抽象的のお答えを申し上げれば、地元と協調してやっていくことが最善のことである、こういうふうに考えます。
  59. 内藤良平

    内藤(良)委員 それで、私のいまの問題に取り上げております秋田市の仁井田の郵便局の現状というのは、いわば現地における皆さん郵政当局の代弁者であります局長佐々木添治さんという方と仁井田の地域住民、これは旧村でありますけれども、この村の振興会あるいは町内会あるいは勤労者協議会、こういう地元の利用者とまっこうから対立するかっこうになっておる。完全に対立しております。このまままいりますと、郵政事業に対する非協力あるいは局長の不信任という状態になる、私はこういうことを現地の事情を通じて見ておるわけであります。  こういうことはささいな、秋田市の小さな局の問題でありますけれども、そういう事態のあった場合には大臣としてどういうぐあいにしたらよろしいか、どういう方法があるか。抽象的でございますけれども、指示をする場合、大ざっぱに、こうやれああやれということがあると思います。
  60. 小林武治

    小林国務大臣 私はまだその問題を聞いておりません。したがって、実情は私にはわかりませんが、抽象的に指示しろといえば、みなと仲よくやりなさい、こう言わざるを得ない。
  61. 内藤良平

    内藤(良)委員 大臣は知らないとおっしゃる。これは管轄でいいますと、仙台の郵政局の管轄でございましょう。権限でいいますと、仙台の郵政局長の権限かもしれません。しかし、私の知っております範囲では、すでに本省にも通じておるはずであります。私の同僚の国会議員の方たちも、郵政の幹部、そこにおられる曾山郵務局長等とは国会内においてもお話し合いをされておるのでありますから、大臣は知らなくても本省の郵務関係最高幹部の皆さんとは話し合いが通じておる問題でございます。  そこで私は、大臣にずっと経過を申し上げるという意味で、一通りひるがえって申し上げてみたいと思うのであります。  秋田市の仁井田局、これは特定局であります。そこが狭い、また古いということで、これを移転改築しようということになったわけであります。地元の住民の皆さんとの話し合いを十分にされて、地元の皆さんが希望するような場所にこれが建てられる、こういうことで、大臣のおっしゃる地元の利用者の皆さんと円滑、円満に話を進める、最初からその基本方針のもとに局長も進めるならばこれはよかったのでありますけれども、その局長は、私費でやるんだという考え方のせいか、地元の皆さんとは御意見も十分に相通じないままに一方的にこれを進めるという状態になってまいりました。  この問題の大体最初の発端は、農業委員会の農地部会で、農地を転用する、いわゆる局舎を建てるためにたんぼをつぶして宅地にしよう、この申請が農業委員会で問題になりました。第一にここからトラブルが出たわけでありますが、宅地への転用が問題になって、問題が地元の皆さんの全部に知られたわけであります。そこで、その場所を地元の皆さんが見ると、どうも適当な場所じゃない。第一、局長が自分でやるんだということで一方的に農業委員会にそれを出して、農業委員会で手続その他の問題でトラブルがあった。そこから問題が地元の皆さんにも知れわたって、その場所はどうも適当じゃない、こういうぐあいになったわけであります。そこで農業委員会の中の農地部会ですでに問題になったわけでありますが、その場でいわゆる地元住民と局長の間に対立の第一歩が出たわけであります。ところが、なかなか話し合いがつかない。話し合いがつかないままに、農業委員会の中の農地部会等におきましてはいろいろ話を進めることがむずかしくなったわけであります。  そこで、だんだん対立が強くなってまいりましたために、市長が乗り出して、秋田市長に話が出てきたわけであります。(「市長は社会党だ」と呼ぶ者あり)どこでもいい。市長は市長だ。社会党でも自民党でもない。そこで、市長さんから、住民の皆さんの御意見もありますので、元小学校のあき地がある、そのあき地を提供しようじゃないか、それなら住民の皆さんが考える便利な場所になるんじゃないか、こういう提案があったわけです。ところがその話にも郵政当局といいますか、本人、局長並びに仙台の郵政当局がなかなか乗ってこないわけであります。そういう中で、強引に農業委員会のほうは手続を適正にしたといいますか、話を進めてまいりまして、砂をもって水田を埋め立ててしまいました。そういうことになったものですから、この問題についてはなおさら地元の皆さんは硬化といいますか、だんだんかたくなってきたわけであります。そういうところで話がますますこじれてきておる。  そこで今度、仁井田の振興会というのがございますが、この振興会の会長が市議会にこれを陳情されました。その陳情の趣旨は、移転新築なんであるけれども、佐々木局長の予定している場所はどうも不便でしょうがない、だから、仁井田の中心地、農協があり市の出張所があり、また交番があり、商店その他がたくさん密集しておるいわば中心地ですね、その場所にやってもらいたい。この場所は、市長さんのあっせんされた小学校のあと地にもなるわけでございます。そういう場所にしてもらいたい。それから、私費で建てるということで、佐々木局長が地元住民の皆さんの御意見も取り上げないで、かってにどんどん進めておる、こういうこともどうも納得できない。公の、国の郵便局を私費で建てるということで、どんどんかってに局長がやっておること自体もおかしいじゃないか。これは懇談会の中でも出たわけでありますが、何か利権がからまっておるんじゃないか——これは書いてございませんでしたが、こういう意向もありまして、結局、地元住民の皆さんが希望する仁井田の中心地に建ててもらいたい、それから、私費なんということじゃなくて、公の金で建てて、明朗に明快にやってもらいたい、こういうことの陳情が出されました。これが六月の市議会におきまして満場一致で採択されているわけであります。そうして、この旨は市議会のほうから仙台の郵政当局にも通知がされているわけであります。私にも、地元の出身国会議員ということで、その市議会における満場一致の採択の内容を通知をいただいておるわけであります。  そうしてまいりました中で、ここでますます対立を深める決定的なことができた。ということは、七月十一日に秋田市の市当局と秋田市の市議会に、佐々木局長の私費をもって建てるということに対して許可を与えるからひとつ御了承願いたい、こういう電話が入ったというわけであります。市長は外国に出張しておりまして実は不在でございました。第一、第二助役も不在のために総務部長に電話をした。それから市議会のほうは、市議会議長も不在でしたので事務局長に対して電話をした。いろいろ何だかんだ連絡がございましたけれども、結局佐々木局長に許可をしたいから御了承願いたい、こういう電話があったわけであります。そうして翌日の七月十二日には仙台の郵政局から係員が出張いたしてまいりまして、許可証を佐々木局長に手交した、こういうことであります。  ここまでは全くもって一方的な措置になるわけでありますが、地元の皆さんは七月十六日に、この許可に対して、まことにけしからぬ——今日までの経緯、地元の皆さんの意見局長とのいわば対立的な状態、それから市長があっせんに出て代替地を提供したその経過、あるいは市議会がこれを取り上げて満場一致決議した、こういう経過を無視して、七月十一、十二日に一方的に仙台の郵政局が許可した、こういうことに対する非常な反感が十六日に三百人の大衆が集まっての集会になったわけであります。そうして、その代表六十名が市当局に押しかけまして、こういう措置をしたのは、市長がおらぬけれども、市当局のやり方が非常にまずかったからじゃないか、こういうことの追及があったわけであります。  そうしてまた七月十六日にこういうひどいことがございました。この集まりました地元の三百人の皆さんの代表の中に市議会議員がおりまして、その市議会議員の方が、その庁舎に参りまして佐々木局長に、局長と会って話をしたいと面会を求めました。ところがこれが拒否されました。その拒否した人物は、仙台郵政局の人事部管理課の課長補佐の田農馨氏でございましたが、その理由は、局長は精神錯乱状態であなた方に会えない、こういう理由でございます。しかるに、局長は庁舎内におられないかといいますと、局長は確かに庁舎内におられるけれども、今日局長は精神錯乱状態であるから市議会議員のあなたに会わせることはできない、こういう非常にひどい拒否でございました。こういうことなんか、精神錯乱状態の局長になぜ許可をしたか、ここまで言いたいわけでございますけれども、冷静に経過だけ話したい、こういうことになるわけでありますが、こういう経過でございました。そうしてまた七月十七日には、市議会の議長が本省、おたくの郵政省に参りました。——議長はちょっと不快のため事務局長がかわって参りました。私も一緒に参りましたが、郵務局長がおらないために郵務局次長の石井さんに会いまして、それらの経過を話をして、ひとつこの問題を白紙撤回してもらいたいということを要請してまいりました。こういう経過でございます。  また七月の二十七日に私も呼ばれまして、現地の幼児学園という建物の中で地元の集会がございました。そこへ参りましていろいろ話を聞いてまいりましたが、皆さんの意見をまとめてみますと、仙台の郵政局には、いままでもしばしばこの問題でいわゆる話し合いをして進めてもらいたいと呼びかけておるけれども、その際は、現地の声を十分聞きたい、取り上げてまいりたいということを言っておりますけれども、今日まで、七月十二日に一方的に決定許可をしたというその時点まででは、利用者の声をどこで取り上げておるのか、まことにけしからぬ、こういう不平がございました。それから佐々木局長には、移転の際には地元の声を聞くべきだということを十二分に話をしておるけれども、局長は、これは私費でやるから待ってくれ待ってくれということだけで、話し合いは何らしておらないということですね。  それから、ここでまた出たことは、国の建物を私費で建てさせるというのはおかしいじゃないか、これは権利にからむいわば利権取引じゃないか、やみ取引じゃないか、こういう住民の声がございました。  それから、佐々木局長はふだんから仁井田の地元の皆さんの会合には全然出ておらない、まことに非協力的である、先々代の堀川局長、先代の益谷局長は、これから見ると、地元の住民の皆さんとはふだんから円滑に、融和を進めてきておった、佐々木局長に至っては全然それが見えない、こういう不満が出されておりました。こういう中から佐々木局長の不信任というような申し合わせをされたわけでございます。そうして、白紙撤回のためには地元の住民の皆さんが結束して戦う、こういう申し合わせでございました。そうしてこの結論のもとに、七月二十九日に地元の仁井田の振興会長、仁井田の町内会長、仁井田の勤労者協議会長の三者と市会議員の加藤さんという方が仙台の郵政局にこの結論を持って陳情に参っているわけであります。ところが、仙台の郵政局では、一方的に決定をしてしまって、もうこれでひとつ何とか御了解願いたいという、そういう答えだけであったということでございます。  こういうことで、今日の段階に参りまして、七月十二日の一方的な許可によりまして、地元の皆さん、利用者の皆さんと、地元の局長を先頭にしましたといいますか、頂点にしました現地のこの関係の完全な対立なのですね。そうしてこの問題は、七月十二日に一方的に許可をしたということにつきまして、これを白紙にしなければ、撤回しなければわれわれは不信任をしてしまう、郵政仕事には協力しない、こういう地元の皆さんの強い団結なんですね。  こういう対立をこのままにしておいていいものかどうか、この点についてどうでしょうか、ひとつ大臣から……。内容お話がわからないというお話でしたが、私は具体的にお話し申し上げました。郵務局長もこの点はわかっておると思います。  だけれども、いまここで私の言いたいのは、こういうぐあいに対立した場合におきましては、これを円滑に円満にやっていきたい、大臣はこういうことを言っておられるわけですね。ところが現地の状態を見ますと、全くもって極端も極端、完全に対立しておる。しかも、対立状態が今日までくる間の経過では、私の判断でも、これは郵政当局のやり方が、地元住民の皆さんの声を取り上げないで一方的にこれをやってきておる、そこに欠陥があるんじゃないか。だから、これをどういうぐあいに解決していくか、大臣としての方策があるならば、まずこれをひとつお聞きしたいと思います。
  62. 小林武治

    小林国務大臣 公算はありませんが、ただ私、はっきりお断わりいたしておきますが、特定郵便局というのは、慣行として私費で郵便局を提供する、そういう慣行になっておりますから、これを外からいまいろいろ言われてもこれは困る、こういうことでございまして、私どもとしては、本人が自分の力でもって局舎の提供ができるならば、そのことを優先するということが長い間の慣行で、そのままそれが行なわれておる、こういうことでありまして、場所が不適当とかいうようなことは、これは住民の方がお考えもいろいろありましょうが、局長が自分でつくるのはけしからぬなんということは別問題なのでございまして、いい場所につくることは、だれの費用でつくろうが、いい場所に、できるだけ住民とも協調できる場所につくるのが普通のやり方であろう。ただ、おそらくこの問題についてはいろいろの行きがかりがあって、お互いにえこじになっておるところもありはせぬかと思いますが、これは先ほど申したように、そんなことのないことを一番われわれとしては要望しておるわけであります。私もいま申すように、いま御説明で初めてわかった、こういう事情でありますから、私も、われわれの中の郵政部内にもまたいろいろな考えがあってやったことに違いありませんから、そのこともひとつ聞いてみなければならぬと思います。  いずれにいたしましても、それは理想を言えば、地元と仲よくやることが一番よいわけであります。しかし、ここまで対立するについてはいろいろの行きがかりがあったろうと思います。また、局長の側にも郵政局の側にもいろいろ言い分があろうと思う。そのほうもひとつ聞きまして判断をしたい、かように考えております。
  63. 内藤良平

    内藤(良)委員 それで大臣、ここまで対立してしまって、これを現地の、たとえば佐々木局長、地元の皆さん、これに期待するといっても私はなかなかできないんじゃないかと思っているわけです。だから、これをどう進めるかといいますと、やはり許可を与えた仙台、その仙台を統括している本省ですね。ここまできますと、本省のひとつの意向がなければ、この対立を解いて、いわば地元とその局が円満にやっていける、こういう最も好ましい状態に戻すことができぬのじゃないか。先々代なり先代までは円満にやっていたわけであります。ただ、佐々木さんなる人物は、同じ秋田市内だけれども、太平というところからちょっと離れたところの仁井田の局長になりまして、そしてその局長がいまのようなトラブルを起こしているわけであります。だから、これはなかなか地元になじんでおらぬということで、先ほど申したとおり、先代、先々代の方は地元のいろいろな会合にも出て、ふだんから郵政の業務をPRしてうまくいくようにやっておる。佐々木なる人物はそういうことは何もなかった。何もなかった中で今度こういうトラブルが起きたわけですね。しかし、佐々木対地元ではなかなか解決できない。佐々木の言い分を取り上げてそれを一方的にやっております、市議会、市長のあっせんという状態を無視してきめた仙台も、いわば一方の決定をしたのでございますから、これもなかなか話の進まぬ段階にある。  私は、残る問題は本省でないかと思います。本省で、関係局長大臣がここでこれを最も好ましい状態に戻して、そうして地元の皆さんの言い分を取り上げて、あるいは郵政の皆さんの期待する方向に持っていく、これは道は残されているような感じがするわけであります。それをひとつ大臣からほどいていただきたい、対立を融和していただきたい、私はこういうぐあいになると思うわけでありますけれど、その点いかがでございましょうか。
  64. 小林武治

    小林国務大臣 私もまあ両方の言い分をよく聞いて、そして公正にひとつ私も考えてみましょう。
  65. 内藤良平

    内藤(良)委員 それは具体的にといいますと、たとえば現地の地元の皆さんあるいは議会の皆さん、市長とか、こういう方と、それから佐々木局長を一方に置いて、この状態を大臣がじかにでもお話を聞いて、そうして善処するというわけですか。
  66. 小林武治

    小林国務大臣 これはまあ私ども郵政部内の問題なんで、まずもって部内の話をよく聞いて、その上でまたいろいろ考えなければならぬと思いますが、いま私が仲裁とかなんとかいうことではなくて、私も事情をよく聞けば大体判断がつくと思います。だから、一応そういうことで御了承願います。
  67. 内藤良平

    内藤(良)委員 事情をよく聞いてとおっしゃるが、事情は私の話で大体わかるでしょう、対立しておるということは。一方的にあなたのほうでやった。それで地元ではますます硬化しておる。だから、こういう現実はもうおわかりだと思います。私は地元の代議士として比較的客観的に話をしたつもりであります。ただ、それを一方的におたくの管轄の仙台のほうで地元の声なり市長なり議会のこの経過を無視して十一日、十二日にきめてしまったわけだ。幾ら秋田でも十二月にならなければ雪は降らぬですから、建築するために時間的な余裕がないということは通らぬです。いま八月でしょう。八、九、十、十一と四カ月あります。木造の建物なら十分に間に合う。なぜ急いでこういうぐあいに一方的にやったか、そこら辺をちょっと考えるだけでも明敏な大臣はわかるでしょう。どういうわけで仙台は急いでやったか、そこら辺に間違いがある。これを善処しなければならぬ、何かこれを解決しなければならぬ、こういうことは、私の話でもう大臣としておわかりになりませんか。事情を局長に聞かなければわかりませんか。  局長、どうですか。私の言っていることは大体間違いないでしょう。あなたとは前にもお話ししたことがありますけれども……。
  68. 曾山克巳

    ○曾山説明員 お述べになりました事情については、先般もお聞きしましたので、その限りにおいては承知しております。  ただ、先ほど大臣も申しましたように、私どものほうにはいろいろ私どもの事情があるわけでございまして、いまここで申し述べてもよろしゅうございますが、時間の関係で省略させていただきます。ただ、大臣もおっしゃいましたように、一応大臣に詳しく御説明申し上げまして、最後の御判断を仰ぐということにいたしたいと思います。
  69. 内藤良平

    内藤(良)委員 それでは一つだけ、私、これはだめ押しのようなことですけれども、市議会で取り上げましたのは、私費ですね、郵政内の長年の慣行と言いましたね、このことだけを取り上げたのではないのです。やはり住民、利用者の皆さんが希望する場所があるのだ、しかも市長があっせんした場所があるのだ、いい場所があるんじゃないか、それをやめて不便な場所にやるのはけしからぬじゃないか、地元の声を聞いてもらいたい。だから、第一にはこの郵便局を建てる場所の問題がやはり市議会における地元の振興会の皆さんの陳情書が取り上げられました第一義になっているわけです。地元の住民、利用者の皆さんの希望する場所にひとつ建ててやりたい。それをもっともだということで市議会で取り上げたわけです。私費問題は、これは第二義的に市議会では取り上げておるのであります。この点をひとつ大臣からもよく御判断願いたいと思います。往々にしてこの私費問題ということがぐっと前面に出まして、何かそのためにどうにもならぬというぐあいになるような印象もいままでの経緯の中で私はうかがうわけであります。それでは地元の住民の皆さんもせっかくのあれが困るのではないか、誤解されるようになると思うのです。その点を十分ひとつお考え願うことにしまして、大臣から、これに対して善処する、こういう答弁を聞いて私は終わりたいと思うのですけれども、ひとつ大臣いかがですか。
  70. 小林武治

    小林国務大臣 善処にもいろいろの解釈がありまして、私が善処すると言うと、御都合のいいように考えられるかもしれない。これは私は公正に判断してやりたい、こういうふうに思っております。大体、どこに無理があるかということは、聞けばわかりますよ。われわれもいろいろな事態にぶつかっていますから、仙台もそこまでなぜしなければならなかった、こういうことも私ども聞かなければなりませんし、やはりいろいろな事情があったろうと思います。しかし、やはり郵便局というものは利用者のためにあるのですから、郵便局の場所なんかは利用者の便利だと思うところにつくるのが一番いいことに違いありません。そういうようなことも前提といたしまして、なぜそこまでもつれたかということは、やはり当事者からよく聞かなければ、一方的の話だけではわからない、こういうことでございますから、私もひとつできるだけ公正な判断をしてみたい、こういうふうに思います。
  71. 内藤良平

    内藤(良)委員 これで終わります。
  72. 古川丈吉

  73. 米田東吾

    米田委員 私も、時間がわずかでありますけれども、ただいま内藤委員質問いたしました秋田の仁井田の局を中心にいたしまして若干御質問したいと思います。  この問題は決して軽視すべき問題でありませんし、次元は低いかもしれませんけれども、郵政事業としてはその根幹に触れてくる重要な問題でありますから、特に与党の皆さんからはあまりやじを出さないで、私の質問に耳を傾けていただきたい。  私は大臣にまず御質問したいのでありますけれども、ただいまも内藤委員が御指摘になりましたが、全国一万五千近くある郵便局の中の秋田の仁井田というある一つ郵便局の問題を取り上げておりますから、問題としてはきわめて小さいようでありますけれども、しかし、大臣も御承知のように、本委員会においてもしばしばこういうケースの問題は取り上げられておりますし、全国的にはこの種の問題がありまして、郵政省対従業員、郵政省対地元住民、こういう関係で好ましからざる状態が出ているのは大臣も御承知のとおりだと思うのであります。  問題は、大臣内藤委員の御質問で答弁されましたように、郵政省としては、慣行として特定郵便局長が局舎を提供するとすればそれに応じておる、その慣行があるから、そのことについてあまり外部からとやかく言ってもらっても困るんだ、こういう趣旨の御答弁があったようであります。私はやはり問題はそこらあたりが一番中心点ではないか。大体今日郵政事業もどんどん近代化しておる、職場の労働条件あるいは管理、あらゆる面で近代化しておるわけでありますけれども、法律行為によらない慣行としての特定局長の局舎の提供義務といいますか、提供の慣行、これだけが依然として今日——近代的にいま立ち直ろうとしておる、やがて公社化の方向に移行してさらに近代化を進めていこうとする段階においてこういう時代逆行的なものを依然として大臣以下郵政官僚が踏襲して、そうして、ここにまた特定局長会がみずからの既得権としてここによりどころを求めて局長任用の世襲制を今後も推し進めていこうとする、そこがそもそもの問題なのであります。この際、大臣郵政公社化という、創立以来画期的な方向に切りかえようという意欲を持っておられるわけなんですから、こういう特定局長の局舎の提供の慣行にメスを加えて、一万五千もある特定郵便局を含めて、名実ともに近代化という方向に進むべきではないかと私は思うのでありますけれども、この点について大臣の決意はいかがでございましょう。
  74. 小林武治

    小林国務大臣 これはやっぱり極端にいえば国としての能力の問題にも関係してくる。いまのように一万五千も一万七千もできてきたのは、やはりいまのような慣行があったからそこまできたので、これを一々国でおつくりなさいということであればここまでこなかったというふうに私は思っております。将来の問題としても、事業の合理化とかあるいは経済化等を考えて、一体いまお話しのようなことに転換できるような能力がいまの郵政事業にあるか、あるいは、いまの政府としてそういうことが容認されるか、こういう問題にも必ずぶつかってくるのでありまして、いまの問題は、この際ここにおいてこれはこういうふうに改めますというふうなことをまだお答えできる時期ではないというふうに私は思っております。
  75. 米田東吾

    米田委員 大臣の答弁、ごもっともだと思いますが、純粋に経済的な能力という問題だけなら私は解決の方法は幾らでもあると思う。それから、何も一朝にしてこの問題を解決する必要はない。漸次、長期計画のもとに、一貫した方針のもとに解決する方法は、私は技術的にも可能だと思う。現に、社会党は前国会に局舎整備法案を出しまして、これは継続審議になっておりますけれども、私どもだって、実はこの点については建設的に協力をしたいと思っているわけなんです。問題は、そういう国家の経済的な能力ということだけじゃなしに、国以前の段階として、全国一万五千の特定局長が、これはもう既得権だ、ここに一切の生活権を求めてあなたのところに群がっているのは御存じでしょう。それをいかにしてさばくか、それをいかにして押えるか、こういうことが最も問題ではなかったか。最近は自民党のほうでも、党をあげてむしろ近代化に逆行する特定局長の権利意識をあおっているのじゃないかと思われるような考え方をしている面もあるわけであります。(「冗談じゃないよ」と呼ぶ者あり)なければたいへん幸いであります。そこらが私は一番問題点ではないかと思うのでありますけれども、この点、大臣いかがでしょうか。
  76. 小林武治

    小林国務大臣 そういう面については、社会党と自民党とのお考えが非常に隔たっているものが従来ある。要するに、これは郵政事業の特徴と申しますか、あるいは郵政事業をいかに運営したら安い行政費でできるか、こういう問題がからんでくることでありまして、いまのような、たとえば任命制度にしてもあるいは局舎制度にしても、ほかに例はない。いまから百年も前にうまいことを考えられた、こういうふうに私どもはいまでも思っておりますが、これだけ地方に窓口ができたことによって郵政事業に非常に大きな貢献をしてきたということは、どなたもお認めになると思うのであります。そういう趣旨からいいましても、こういう貢献もあり、またこれからも窓口普及のためにはどうやったらたくさんの窓口ができるかという問題もあるわけでありまして、そういう面においても、これをほんとうの官庁制度と申しますか、公務員の制度と申しますか、これを全然変えてしまうということの得失というものは十分考えるべきことであると考えております。
  77. 米田東吾

    米田委員 きょう論争しても時間が足りませんから、これはまた他日に譲ることにいたします。  もう一つ大臣に、いまも御答弁の中にありましたこの問題は、特定局長の任用制度の問題と非常に関係がある。これは大臣がしばしば委員会でおっしゃっておられるのでありますけれども、創設期においては、私は自由任用というのは確かに大きな貢献をしたと思うし、それがまた今日の郵政事業のいしずえを築いた、その点においては評価をすることはやぶさかではありません。しかし、いまから約百年前のこの自由任用という制度が、今日の社会において民主化が進み、近代化が進んでおり、どんどんものの考えが変わっておる現状に、なおかつこれは正しいし、これでいいんだということにならぬのじゃないか。これをあなたのほうがかたくなにそういうふうに思って現行制度をもって推し進めておるところにむしろこの種の問題が——おそらくあなたも非常に煩瑣でありましょう、人事局長も郵務局長も煩瑣だと私は思いますが、とにかくこの種の問題が労使以前の問題として起きている。任用の問題、局舎の問題、これは真剣に考えてみなければならない時期に来ているのではないか。現に大臣は、自由任用なんというものはよその官庁もまねしたほうがいいのだ、こんなりっぱな制度はないのだということをおっしゃったことがあります。私の質問に対してこの委員会で。私も一面そういう側面を持っていると思いますけれども、しかし、たとえば地方自治法なんかを見ましても、住民の権利として、地方公共団体の理事者あるいは議会議員、そういうものに対する直接請求という制度を与えながら、いまの地方自治体の住民の権利というものを守りながら運用されておるわけであります。私は、そういう法のたてまえというものを含めて考えてみますと、この自由任用というのは、地方公共団体の長や議員と違います。一行政の一般職の官吏であります。その限りにおいては違いますけれども、現実的には、日本の政治の中で特定局長というものは、特に山間僻地においては相当な権力を持っています。しかも二十年間、三十年間異動がない。定着して、そこの従業員とそこの地域の人たちとの関係を持続させている。私はイデオロギーの問題で言っているのではない。そうなりますと、水が流れなければ腐っていくように、どんなにりっぱな人でも、二十年も三十年も一カ所におってあぐらをかいて、そして行政にも発言権を持って、従業員の関係でもやがては——いま雇用関係は全然変わっておりますけれども、やはり局長の使用人というこの封建性は残っている。そういうふうになってまいりまして、いろいろな問題というものが出てきておる。問題が出てくると、これはややもすると、中央までくる段階には労使の問題になってくる。労使の問題になってくると、あなたはかたくなに、全逓の組合があおっているから、全逓の運動方針なんだということで耳を傾けようとしません。依然としてこの不合理な問題は残っている。私は、郵政事業の今後のために、これはほんとうにメスを加えてみなければならない問題じゃないかと思いますが、そういうふうに考えていきますと、自由任用というのがあながち、りっぱなんだ、これが一番いいんだ、こういうことであなたはあぐらをかいておるわけにはいかぬじゃないか。この自由任用のあり方等につきましても、本来民主的な方法としてこの制度がいいなら、私は他の役所だって人事院だって取り入れるかもしらぬ。しかし、それは郵政の特定局長だけにいま許されている問題でありまして、よそのほうには取り入れられておりません。そしてなお問題なのは、特定局長に対する安全弁の措置がない。あなたのほうが任命してしまうと、これは生涯、しかも、世襲がまだ許されておりますから、その子供、孫にまで引き継いでおる。こういうことが、はたして近代的な役所の郵便局管理のあり方としていいのかどうかということを、私は真剣に考えてみなければならない問題だと思うのであります。  そういう問題を提起したいので、ひとつ大臣、お考えを聞かしていただきたいと思います。これは基本的な人事の問題でありますので、人事局長からもひとつお考えがありましたら、この機会に聞かしていただきたいと思います。
  78. 小林武治

    小林国務大臣 特定局長というものは、ほかの役人の性質が非常に違っておる、これは米田委員もよく御存じだと思います。駅長さんや税務署長と違う。たとえば、さっき仁井田の局長の話が出ましたが、これはきっとよそから行った人じゃないかと私は思いますが、要するに、特定局というものは、私はできるだけ地域に密着してもらいたい、こういうことを考えておる。無集配局は、郵便局といっても郵便局じゃありません。実体は貯金保険局だ、こういうことになると、貯金、保険の募集などということは、単なる遠くから転勤して行ってやれるということで、やはり地域に密着した人が非常に適当じゃないかということを考えております。また、住民自身も始終そういうことを言ってくる人がある。この人をやってもらいたい、あるいはこの局に長くいた人をやってもらいたいということは特色があるのです。どこでも、駅長さんはこの人にしてもらいたいという陳情はほとんどないと思う。税務署長をこの人にしてもらいたいということはない。郵便局長については始終そういう問題が出てきておる。これは地域との密着性、住民とほんとうにしっくりいくようにということがあると思う。私は、やはり特定局長はほかの役人とある程度違った面があるというふうなことも考えておる。それがいまの自由任用みたいな形で出ておると私は考えておる。しかしこれは相当大きな問題であるから、何もわれわれどうしてもこれが永久不変な制度だとも考えておりませんが、いまの段階においてはこれを変えようとする気持ちはわれわれ持っておらぬ、こういうことでございます。
  79. 山本博

    ○山本説明員 ただいま特定局長の任用の問題につきまして大臣が御説明いたしましたが、厳密に申し上げますと、特定局長の自由任用というのは、これはわれわれが俗語で使っておるだけでありまして、公務員法に基づいた制度でございます。  公務員法の中には、公務員の選定の方法といたしまして、試験を用いる方法、選考を用いる方法、この二つの仕組みがございます。特定局長につきましては、自由任用といいますと非常に幅の広い受け取り方ができますが、厳密にいいまして選考任用でございます。試験任用と選考任用と二つございますが、方法としまして、片一方の試験任用の場合には、人事院という試験を担当する機関がありまして、ここで公平さというものを保障しようということでございます。選考の場合は、現在特定局長につきましてはいろいろな規定がございまして、現在では郵政大臣にまかされておる、要するに選考の方法がまかされておる。したがいまして、特定局長の任用のやり方がいいか悪いかということは、選考の方法論の問題だと思います。制度そのものがいけないというふうに、そういう方法の運用のしかたにもしいろいろ御批判があるとすれば、私たちもその点にあるのじゃないかと思います。現在では特定局長の任用につきましても、審査機関の審査、調査、あるいは郵政局それぞれの方法によりまして、試験と同じような方法を実施いたしまして、その試験に合格しない者は採用しないというようなこともいたしております。  したがいまして、現在私たちが見ておりますところでは、従来いわれておりますような弊害というものは相当なくなってきておる。たとえば部外者からいたずらに任用しておるのじゃないかというようなことをよく批判をいただきますけれども、実際には部外者の任用というものは逐年減ってきておる、また家族従業員の数も逐年減ってきております。したがいまして、たとえば、先ほど言及されました世襲制というような御指摘がございましたが、私たちが特定局長を任用しますときには、決して親子であるとか、夫婦であるとかいうようなことについて大きな比重をかけておりません。現に、ここで申し上げるのはいかがと思いますけれども、非常に強い圧力がありまして、むすこをせよというような話がありましても、むすこが必ずしも適任でない場合には現実にお断わりしておるというのが実際の運用でございます。
  80. 米田東吾

    米田委員 時間の関係もありますけれども、局長からもう一つ答えていただきたいのですが、大臣は、単純にこの自由任用制というのは非常にいいんだ、できればよその役所もまねさせたいんだとおっしゃっておるのです。この点については、人事の専門家として、あるいは人事管理官の最高責任者である人事局長としてはいかがでございましょう。
  81. 山本博

    ○山本説明員 どんな制度でも完全無欠だという制度はございませんと私思います。それはいろいろな背景もございます。条件もございます。したがって、どういう制度でも、われわれが努力して、それを運用の面で直していかなければならない点は幾つもございますけれども、現在の制度そのものを現在直さなければならないということの必要性は感じておりません。
  82. 米田東吾

    米田委員 次に、私郵務局長にちょっと御質問したいのでありますが、局長はたしか六月の二十二日であったと思いますけれども、秋田県の仁井田へ行っておられるように聞いておるわけでありますが、いかがでございますか。
  83. 曾山克巳

    ○曾山説明員 当時、命を受けまして仙台管内に出張いたしました。そのときに秋田市におもむきましたので、途中国道十三号線を通りまして仁井田を通過いたしまして、御指摘になりましたように仁井田を見ました。
  84. 米田東吾

    米田委員 たいへんお忙しい日程のようでありましたが、この問題は局長も御存じのように、私がすでに五十七国会、昨年の十二月にこのことについて御質問を申し上げておりますし、その後局長とは、この問題の善処方についてお話ししたこともあるわけでありますが、また、秋田の市長や議会、そういうような代表の方々が本省、仙台郵政局——私の調べでは五、六回陳情に行っておられますし、本省にも二回あるいは三回くらい来ておるわけであります。そういうことでありますから、局長もこの問題については、経過は御存じのはずだ。したがって、そういうことから、秋田に、仙台管内に出張されるときにこの仁井田の周辺を通ったんじゃないか、現地を見られたんじゃないか、こういうふうに私は思うのでありますけれども、そうでしょう。
  85. 曾山克巳

    ○曾山説明員 秋田局に行くのが目的でございましたので、仁井田そのものを見る目的で参ったのではございません。
  86. 米田東吾

    米田委員 私は非常に残念だと思うのですが、もしそういう機会があったら、この問題の解決のために——長いこと申し上げませんけれども、いままでの経過からかんがみますと、郵務局長の、少なくともこの問題を管掌されている最高のところで、地域の情勢あるいはこの問題の経過等を勘案して最も合理的に決断を下される、そういうことになっておったように思いますので、私は、こういうときには、秋田の市長なりあるいは地元の振興会の代表なり、あるいは組合の従業員の代表なり、そういう方々に会って直接あなたは事情を聴取される、当然そういうことがあってもよかったんじゃないかと思いますが、いかがでございましょう。
  87. 曾山克巳

    ○曾山説明員 私ども、全く業務の管理の立場にあるものでございますから、たとえば大臣、政務次官のように地域住民の方と政治的な話をするというようなことはあまりすべきじゃないと判断いたしまして、もっぱら郵政局、土地の関係管理者等を通じましていろいろ話を聴取した次第でございます。
  88. 米田東吾

    米田委員 そういうことがむしろ逆になっておるのですよ。たとえば、私が聞いておるところでは、六月二十二日にあなたが行かれて、そうして周辺の特定局長さんを集めておられる。そのときに仁井田の問題等について相当話をされているというふうに聞いておる。それから、翌二十三日には大臣が選挙応援にやはりこの地に行っておられる。選挙の応援だからけっこうでありますけれども、大臣が行かれて、そうしてこの問題についてはひとつ早く解決せいというような下知を与えておられるように聞いておる。これは、これから答弁していただくと、あなたはそうでないとおっしゃるかもしれませんけれども、あなたがやはり避けて通っておられるだけに、そういうことを現地の人たちは察知をして、けしからぬというふうに思っておると思うのでありますが、そういう経過があったのですか、なかったのですか。
  89. 曾山克巳

    ○曾山説明員 別に政治的にさようなことをした覚えもございませんし、また、最初からそのつもりではございませんでした。したがって、大臣が仁井田の問題につきまして、一々そういう問題につきまして地元の局長と話をされたということも承知しておりません。
  90. 米田東吾

    米田委員 あなたは特定局長とはお会いになりましたね。特定局長会、これはいかがですか。
  91. 曾山克巳

    ○曾山説明員 地元の普通局長、特定局長関係管理者とは会いました。
  92. 米田東吾

    米田委員 私は時間も守らなければならぬと思いますけれども、この問題は、さっき同僚の内藤委員からも御質問がございましたけれども、考えてもらわなければならぬのは、この問題については地元をどういうふうに納得させるか、私はそこに尽きると思います。もう労使の関係、あるいはいままでの約束違いがあるとかないとか言っても、ここまで進んでいる段階においては、これはもう話にならぬ。問題は、内藤委員がおっしゃったように、地元では局長不信任だ、非協力だというふうに発展をしておる。しかも、秋田の議会は満場一致、さっきの説明のように、仁井田田の問題については、一番便利な町の中心地に設置してくれという請願を採択されておる。この意思も無視されておるということで、秋田市長や秋田議会では郵政事業に対して相当反発をしておるわけです。まして、地元の振興会というのは、これはことばは振興会でありますけれども、私が現地に行って調べたところでは、これは商工会である。商人の方々、地元の有力者、この仁井田部落のほとんどの方々がこれに入っておられる。この振興会、すなわち読みかえると商工会でありますが、保守も革新もおります。こういう商工会がとにかく県民大会を開いて、非協力だ、貯金や郵便ももう協力できない、あるいは仁井田局長に対してはもう協力できない、こういうことになっておりますと、あなたのほうでこれを強行されても、泣くのは現地の局長、現地の従業員ではないか。相手にされない。これでは郵政事業というものは正しい姿だというふうには言い切れないと思う。むしろ逆行であり、避けなければならない問題ではないかと思う。  こういう点から考えまして、地元の方とよく話をされるということが、今日でも私はおそらくはないと思いますけれども、そういう措置をされるべきじゃないかと思います。この点について、私は郵務局長から御答弁いただきたいと思います。大臣は先ほど内藤委員の御質問で答えておられますので、郵務局長から、やはり担当の局長としてどのようにお考えであるかということで御答弁いただきたいと思います。
  93. 曾山克巳

    ○曾山説明員 この問題は、米田委員も御承知のように、全国的に組合のほうからいわゆる私費建設の要求とからみまして、たくさんあちこちにある問題の一環でございます。このほかの問題につきましては、大宗が問題が落着いたしまして、たまたま仙台管内におきまして秋田県の仁井田局という局が浮かび上がっておるわけでございます。私どもといたしましては、全国的な問題の中でこういう問題を処理していきたいということで基本的に対処しておるわけでございます。  御承知のように、特定郵便局制度調査会の答申におきましても、私費建設借り入れ方式並びに国費建設、両方式併用が認められております。しかも、同時にこの調査会の意を受けまして私どもがつくっております内部規程によりましても、小局、つまり一定定員以下の局につきましては、私費建設を原則としておることは御承知のとおりでございます。この仁井田の局も定員十四名の局でございまして、局長がそれを希望しますならば、当然私費建設に該当している局でございます。こういった答申のもとにおきまして、私どもはこの局の私費建設について何ら問題はないというふうに考えておるわけでございますが、たまたま先ほど来内藤委員からもお話がございましたし、また、ただいまお話がございましたように、市議会等におきましていろいろな決議をし、当局へ陳情しておることも承知いたしております。私どもといたしましては、私費建設につきましては、大臣も先ほど申しましたように、別に問題はないわけでございますが、ただ、場所についてどうかという点について若干の問題が残っておることは事実でございます。  その点につきましても、先ほど小学校あとの敷地を市のほうで提供するが、というようなお話がありましたときに、これはあくまで私費建設では困る、国費建設か互助会でなければ困るというような附帯決議がついておりまして、私どもとしてはそれはのめないわけでございます。もし、私費建設で、希望者でありますところの局長にその土地を譲ってくれるということでありますならばその場所でもよかろうということで、市長とも十分話を現地の郵政局ではしたようでございます。しかし、それは認めがたいということでけられまして、そういうようなことで、やむを得ず現敷地をも確保できません。また、市のほうで示したところにもいけませんということになってまいりまして、現局長のほうでは別なところに求めておる。しかも、その求めようとしております場所は、私も見てまいりましたが、国道十三号線に沿いまして、やがて発展してくる場所で、集配局としてもかっこうの場所だ。また、窓口機関としても、いま局のあるところの住民の方は若干御不便かもしれませんが、将来にとっては必ずしもそうではなかろうという判断をしておるわけでございます。  それでは、最後にどうするかというお話でございますが、現在、市長が外国出張から帰ってきたばかりでございますし、郵政局のほうでも市長に十分話しまして、隔意のない懇談をし、納得してもらおうということをしておりましても、市長のほうでお会いになっていないということでございます。さらに市長のほうともお会いをしまして、十分話を進めていきたいと思います。
  94. 米田東吾

    米田委員 郵務局長の答弁、私は一部間違いがあると思うのです。市長と話を詰められたようなお話がありますけれども、市長がソビエトを訪問したのは選挙前であります。したがって、あなたと私との関係では、選挙中はこの問題は一応触れないことにしようじゃないかということになっておりました。そういうことからいきますと、選挙中に、いまあなたが答弁されたように、決議はこうなっておるし、附帯決議はこうついておるけれども、秋田市が提供するというところをひとつ借りるかという詰めた話は、できる条件もなかったし、相手がいなかったからやっておられないと思う。それから、いま、帰ってこられてから会われないとおっしゃいますけれども、これは避けているためではない、私はそういうふうに思います。ただ、あなたのほうがきめてしまってから、納得せい、のめと言ったって、秋田の市長としては、はい、さようでございますか、ということはなかなか言わないだろう、こういうふうに思います。そういう関係がありますから、あなたの答弁が、話をするということについて誠意があるとするならば、私はこれはやってもらわなければならぬと思う。  それから、あなたの御答弁で、これは全逓の局舎問題の闘争の一環だという冒頭の答弁、これがけしからぬと私は思う。確かに全逓がそういう運動をしておるのは知っております。また、局舎の国有化がなければ郵政事業の民主化が進まないということについて長い間取り組んでおることについて知ってはおります。私もそのつもりでおりますけれども、しかし、いまのこの問題はその問題を離れて、ただいま内藤委員が指摘しておるように、地元の住民対郵政省関係になっておる。もう全逓の問題ではないのですよ。ですから、そういうふうにかたくなに、これは全逓の作戦なんだ、全逓の方針なんだということにしないでいただきたい。そんなことになったら、泣くのは地元住民、迷惑するのは地元住民であります。郵便局は住民のためにあるのですから、そういうことならば、さっき内藤さんが話をされるように、地元住民を対象にして、全部満足できなくとも、とにかく半分でも満足できるというところで解決のめどをつける、そういうふうに努力をしていくべきではないか。全逓の問題なんだからこれは問答無用だということでは、この種の問題は話にならぬと私は思う。私もそういうことで申し上げておるのではありません。とにかく郵便局は金かけてつくったって、住民が相手にしない、貯金もみな下げてしまう、端的にいってそういう状態で郵便局をつくったってしょうがないでしょう。ですから、そういう問題を重視していただきまして、局長として努力してもらいたい。再度答弁をひとつお願いします。
  95. 小林武治

    小林国務大臣 私もはっきり申し上げておきますが、いまそれが事実かどうか知りませんが、市会の決議等で、国で建てるか、互助会の金でなければ譲れぬ、そういう条件をつけられては困る。これは私ども納得できない。そういうことでもつれたとするならば、そういうふうな決定をされたことは、郵政省としては非常に迷惑であるということを私は申し上げておきたい。
  96. 米田東吾

    米田委員 それでは採択した請願書を読みましょうか。そんなものは何もついていない。それはおそらく秋田の市長が仙台郵政局に陳情に行ったときや、あるいは本省に陳情に行ったときに、まだ初期の段階でありますから、それはやはり公営あるいは国営というものを強く望むときの段階ではそういうことをおっしゃったと思いますけれども、文書に残る決議の方法で、そんな附帯決議あるいはそれらのものがついておるということはない。大体議会だって、自民党もいれば、みな各党がいるのですから、そんな良識にもとるような決議をするはずがないのです。ですから、その点ひとつ誤解のないように大臣御理解いただいて、率直に見ていただきたい。
  97. 曾山克巳

    ○曾山説明員 先ほど大臣が申し上げましたように、大臣は、両方の、つまり事務当局意見もよく聞いて公正に判断するとおっしゃっておられますので、私らもさらに大臣に事情報告をいたしたいと思います。
  98. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 私は、ただいままでの三先生の質疑に関連いたしまして、この機会に政府のほうに要請申し上げておきたいと思います。  先ほどの加藤委員のお尋ねに対しまして、大臣は、公社案をできれば四十五年実施を目途として準備したいというお答えでありました。時代が進みまして、郵政事業に対しましても新しい構想の中で進められるときが参ったと思いまするので、そういう意味におきましては郵政公社案というような機構の根本問題に取り組まれて、今後において善処する道を求められる、私はこれはたいへん大事なことだと思います。と同時に、中間管理機構におきましても、それとは別個に、それをも考えながらというお答えのようでありまするが、できるものならこれをも早くやりたいということでございました。それも、いまの中間機構が必ずしも万全のものでないように思われますし、世間から見ますれば、あるいはもう少し簡素化したほうがいいのではないかという面もあるようであります。それらをも含めて管理機構についてもメスをふるわれる、あるいは新しい構想をもって進められるということは賛成できます。ただ、その後における内藤委員その他の御質問の中にあらわれてまいりましたように、残念ながら、機構と人事に関連いたしまして、本委員会やその他の委員会におきましてもたびたび問題がもつれてまいる。機構と人事は、郵政事業などにつきましては根本の問題でありますから、その根本の問題について何らか基本的な行き違いがあるような状態のままにおいて公社案とかあるいは中間機構をいじくってみても始まらないのではないかというような気がしてならないのであります。  そこでお願いいたしたいのは、そうした大きな機構の問題に手をつける、また末端の機構などにつきましても構想を進められておるようでありまするが、事、機構、事、人事に関連するようなことにつきましてはきわめて慎重にお取り扱いを願って、事前に委員会その他においても十分審議を進められる、それからまた、構想が固まって出される場合におきましても、十分審議の時間をちょうだいいたしたいと思います。事が大事でありますから、そういうような心がまえを持ってお出しを願う、御提示を願う、われわれはまたそれに対して十分審議を尽くして、今後において誤りなきを期してまいりたいと思いますので、これを要請申し上げておきます。
  99. 米田東吾

    米田委員 もう終わります。私は何も妨害するつもりはありませんので終わりますが、一つ要請だけ申し上げておきたいと思います。     〔委員長退席、田澤委員長代理着席〕  私の調査によりますと、七月十七日、仁井田地区の振興会の代表それから勤労協の代表が行政管理庁の秋田の監察局に対して、行政上の苦情として苦情申請をしております。これは行政管理庁設置法のたてまえからいきましても、行政管理庁がもし勧告の必要があるとすれば、郵政省に対して勧告をするでありましょう。また、苦情申請をした者に対しては何らかの経過を伝えるということになると思いますが、そういう経過もありますので、ひとつこの辺の配慮もお願いをしておきたい。  それから、時間がありませんのでやめますが、この種のケースは、私がきょう資料として持っている中で、新潟県の上杉、同じく新潟県の越後川内、同じく新潟県の乙、同じく新潟県の小田、この四つの局が同じような任用、局舎の関係でもつれておりまして、そして地元出身の私に対して、何らか郵政省に善処をしてもらうように行政を指導といいますか、するようにという陳情が来ておるわけであります。きょうは時間がありませんのでやめますが、こういう点から考えましても、ひとつこの特定局舎の問題につきましては、大臣、各局長から慎重な御配慮をいただきたいことを申し上げて、終わりたいと思います。
  100. 田澤吉郎

  101. 中野明

    中野(明)委員 時間があまりないようですから、一点にしぼってお尋ねしたいと思います。  電信電話料金を含めまして公衆電気通信法の改正が伝えられております。この点について、料金の値上げ問題について最初公社考え方を聞かしていただきたいと思います。
  102. 米澤滋

    ○米澤説明員 お答えいたします。  公社といたしましては、現在窓口にたまっております電話の積滞が約二百四十万個に達しております。昨年の八月の時点におきまして、第四次五カ年計画の大綱というものを経営委員会できめました。これは、第一が経済の効率化、第二が地域開発と格差の是正、第三が国民生活の向上と近代化——大体四十七年度末までに三世帯に一つ電話がつくことを予定いたしております。第四が同一市町村内の市内通話区域の統合拡大をはかるということ、この四つを柱にして進めておりまして、第一年度目につきましては、すでに国会で予算も議決していただきまして、現在建設を進めておる次第であります。  ところで、電報につきましては、大体収入が一に対しまして支出が約五倍に達しておるということ、それから電話につきましては、電話が普及してまいりますと、住宅電話の比重が相対的に非常に高まってまいります。またその収入も、現在一電話機当たり公社といたしまして月約五千円で事業が成り立っておるわけでありますが、それが月千五百円とかあるいは二千円くらいの収入しかない、そういうことで、いわゆる収入の構造変化というものが予定されることになっております。  それで、第四次五カ年計画の中におきましては九百三十万個の加入電話をつけることを予定しておりますが、その中には住宅電話も、後年度に参りますと、いまよりもなお収入の少ない加入電話をつけなければならないのじゃないかと思っております。  公社といたしましては、これらの要望を考えますと、もうかるところだけ電話をつけるというわけにいかないのでありまして、やはり全体的に国民の皆さまの要望に対しまして電話を架設しなければならない義務があるわけでありまして、それに対しまして、新技術の採用であるとか、あるいは経営の合理化等によりましてこれまでもいろいろ建設の単金節減等に努めてまいりましたけれども、今後なおそういう点については努力いたしたいと思います。現在公社直轄局におきましては、現在建設中の数局を含めますと、全部自動にするというところまで参りました。しかし一方、先ほど申し上げました電報の赤字の問題、それからまた電話が住宅あるいは農山村方面に架設が進むことによって、一加入電話当たりの単金が減ってくるという構造の変化を考えますと、やはりこの際料金の修正が必要になってくるわけであります。ところで、同時にまた、現在の料金体系というものを考えました場合には、これはいままでは手動式あるいは共電式時代の料金体系をそのまま直していきたいというような、いわゆる倍率で直していきたいということできたのでありますが、政府がつくられた経済社会発展計画の中におきましても料金体系の合理化ということをいわれて、答申の中にも出ております。公社といたしましては、先ほど申し上げました理由と、料金体系の近代化、合理化をはかるということで、料金修正を四十四年にはお願いしたいと思いまして、現在いろいろ案を検討しておるという段階でございます。
  103. 中野明

    中野(明)委員 以前に答申が出ました時代とはだいぶ情勢も変わってきておりますが、現在検討中とおっしゃっておりますが、大体どの程度の値上げ幅を検討されておりますか、その点ひとつ……。
  104. 米澤滋

    ○米澤説明員 まだ値上げ幅のパーセンテージにつきましては、公社として最終的なところまでいっておりません。しかし、いまの大体の見通しといたしましては、佐藤喜一郎氏を会長といたします電信電話調査会では設備料の一万円を三万円にするということと、それから二二%の料金の値上げをするということを答申されておりますが、この設備料につきましては、先般国会できめていただきまして、現在進んでおる次第であります。それから二二%については、これは若干減るのではないかと思っておりますが、まだ数字につきましては、公社としての案はまとまっておりません。
  105. 中野明

    中野(明)委員 郵政省では、聞くところによりますと、一〇ないし一五%の値上げ案があるというようなことを聞いておりますが、その点大臣、事実でしょうか、どうでしょうか。
  106. 小林武治

    小林国務大臣 まださような具体的な数字を持っておりません。
  107. 中野明

    中野(明)委員 それで、いま総裁からお話があったわけですが、電話料金の公共性につきましては、私どもも何とかして時期的に値上げを延ばす方法はないだろうかということについて真剣に考えておるわけでございますが、この際にもう一度お尋ねしておきたいのですが、四十二年度の公社の収支の結論が大体わかっておるのではないかと思うのですが、どの程度になっておりましょうか。
  108. 中山公平

    ○中山説明員 四十二年度の決算につきましては、ただいま監事の監査を受けておりまして、郵政大臣の御承認もまでいただいておりません。したがいまして、公表し得る時期になっておらないのでございますが、おおよその見込みを申し上げますと、昭和四十一年度の利益金が二百三十九億円でございましたが、これを若干下回ることに相なろうかと存じます。
  109. 中野明

    中野(明)委員 四十二年の当初の黒字の見込み額は幾らになっておりましたか。
  110. 中山公平

    ○中山説明員 四十二年度予算におきましては七十一億円の利益を計上いたしております。
  111. 中野明

    中野(明)委員 いまの局長お話では、四十一年度二百三十九億円よりも若干少ないということのようですから、大体それに近いものだろうと想像するわけでありますが、当初の見込みが七十一億円、それで二百三十数億円に黒字が変わってきた、この見込み違いというか、その理由はどういう辺にございましょうか。
  112. 中山公平

    ○中山説明員 四十二年度におきましては、予算で予定いたしました収入よりも、景気の状況等もございまして約二百七十億円増収がございました。一方、予算で予定しない支出の増といたしましては、四十二年度の職員の給与に関する公労委の仲裁裁定の実施というようなことがございました。それらを総合いたしまして、利益の状況が見込みとしてただいま申し上げたようなことに相なったのでございます。
  113. 中野明

    中野(明)委員 結局、電話の加入者がたくさん使った、電話の使用がふえたと、そういうことでございますか。
  114. 中山公平

    ○中山説明員 この約二百七十億円の増収を分析してみますと、いろいろ原因があるのでございますけれども、一つには積滞が多い今日でございますので、お客さんの立場に立ちましても、やはり架設を早くして差し上げるということ、同時に、これがまた予算で予定いたしましたよりも新規架設の電話の稼働が高くなってくる、こういう原因で増収になった部分と、御指摘のごとく、四十二年というのは非常に経済界も好況でございましたので、それによる部分と、両方あるのでございます。
  115. 中野明

    中野(明)委員 もう一つお尋ねしますけれども、いま四十三年度に入っておりますが、四十三年度も当初の黒字見込み、これが出ておりますが、おそらくこのままでいきますと四十三年度も相当大幅な黒字が見込まれるんではないか、このように私ども想像するわけであります。四十二年度と四十三年度のおよその見通しがおわかりになれば、この際教えてもらいたいのです。
  116. 中山公平

    ○中山説明員 ただいま六月分までの、これは速報でございまして決定数字ではございませんけれども、収入の状況がわかっておりますが、それによりますと、四十二年度は予算で予定いたしました額の月割り額の合計を約十四億円上回っております。
  117. 中野明

    中野(明)委員 そうしますと、結論としては、四十二年度よりもなお黒字が多くなる、こういうふうな、社会的な状況も、そうしてまた電話の使用の度合いも非常にふえてきているきょうこのごろでありますので黒字が見込まれるんではないかと私どもも想像するわけであります。そういう状態、一応収支が黒字で、そうしてまた、かなりの電話の架設も計画どおりに進められておるという段階で値上げをしよう、極端に申し上げればそういうふうな受け取り方になるわけですが、今年、設備料も先ほどお話がありましたように上がりましたし、その他本年になりましてからも一般的な物価の値上がり、その他公共料金の値上がりというように、メジロ押しになっております。それに、いま問題になっております生産者米価に関連して、すぐ消費者米価も上がる、そういうふうな状態で、一連のすべてが値上げのムードになっておりますときに、なおかつ公社の収支が黒字であるにかかわらず値上げをしてもらいたい——そういうような段階において、すっとそれをすなおに受け取れない、そういう国民感情が非情に強く出てきておるのじゃないかと思いますが、この点、まだまだ値上げをするものがあるのに、いまここですぐにしなくてもいけるのじゃないかと、私どもはそのような考えを持っております。この点、総裁のほうから、来年あたりも四十三年度の収支の状況から見てもかなり黒字が見込まれる、大体四十二年度並みあるいはそれ以上の黒字が見込まれる、こういう時期に料金改正というのは適切じゃないのじゃないかと私は思うわけですが、もう一度そこのところを……。
  118. 米澤滋

    ○米澤説明員 先ほど経理局長が四、五、六の数字を申し上げたのでありますけれども、今後どのくらいの増収になるかあるいは減収になるか、これはまだはっきりした数字が出ていないわけであります。一方また、支出のほうにつきましては、先般仲裁裁定が出まして、その資金に二百二十億支出しなければならない。したがって、もしも料金の増加がないとしますと、収支差額が六十一億でありまして、支出のほうは二百二十億でありますから、結局、差し引きいたしますと百六十億の赤字が出るという——これはそう簡単にはいかないわけでありますが、およそそういう数字になる。したがって、仲裁裁定のことを考えただけでも、ある程度の増収というものははからなければならないような形になります。  それからまた、全般的な料金修正というのは、単年度だけを考えているわけではありません。先ほども申しましたように、第四次五カ年計画というものを前提にいたしまして料金修正を考えておるのでありまして、私たちといたしましては、現在いろいろ体系の近代化、料金体系の近代化も含めまして、四十四年度にどういうふうな案を政府にお願いするか、いま検討している段階でございます。
  119. 中野明

    中野(明)委員 いま総裁からお話がありましたけれども、公社事業の性質から考えましても、極力値上げを押えて、そして延ばす、こういうたてまえで進んでいかれるのが、これが当然の考えであると私も思うわけでありますが、この資金の問題につきましても、外部資金の面をちょっと見てみましても、四十二年と四十三年では大幅に減ってきております。こういうことなんかも考えまして、そして、もちろんこれは郵政大臣にも申し上げたいと思っておりますが、外部資金をもっともっとつけてやっていくならば、いましばらく料金改正をしなくても公社事業は成り立っていくのではないか、このような判断に私たち立つわけであります。  その辺、来年の外部資金に対するお考え、見通し、これは四十二年と四十三年のあれを見てみますと大幅に減っておりますが、はたしてそのような状態で四十四年度もいかれるのか、四十四年度にあたっては外部資金をどこまで獲得しようとなさっておるのか、そういう点を総裁からお聞きしておきたいと思います。
  120. 米澤滋

    ○米澤説明員 四十三年度につきましては、政府が景気の抑制という線を出されまして、従来大体建設投資額が二〇%近くここ二年ばかり伸びておりましたけれども、四十三年度予算では六・五%の伸びにとどまっておるわけであります。したがって、外部資金もわりあいに少なくて済んだという状態であります。  ところで、公社といたしまして、先ほど申し上げましたように、第三次五カ年計画が始まりましたときの積滞が大体百万くらいでございまして、それが第四次になって二百四十万、積滞がどんどんふえるということは、逆にいえば早く電話をつけてほしいという国民の皆さまの要望に対して、それがどんどんふえているということは、公社としてそれに応じていないということになるわけでありまして、先ほど申し上げました第四次五カ年計画で九百三十万個の加入電話はぜひつけたいと考えております。したがって、その際に料金がどうなるかという点につきましては、現在借金がどのくらいあるかといいますと、本年度の末で約一兆五千億円の借金になってまいります。したがって、先般利子のつかない、いわゆる受益者負担の思想もありまして、設備料というものの法案を通していただいたのも、利子のない金で建設したいという考え方からきておるわけであります。したがって、その考え方というものはやはり継続されていくんだと思いますが、ただ、どのくらい外部資金が出るかということは、私どもの事務当局でいま計算中でございまして、まだここでちょっと数字を申し上げる段階には至っておりません。
  121. 中野明

    中野(明)委員 いずれにしましても、料金を値上げして、そうしてそれをそのまま建設資金の推進にしていくという一番安易な考え方をとる以前に、その他いろいろ検討はなさっていると思いますけれども、先ほどから私が申し上げておりますように、時期としても来年すぐにこの値上げが検討されるということは、私ども時期尚早ではないかという感じを持っておるわけでいま質問を申し上げたわけでございますが、そういう点につきまして、郵政大臣のお考えはどうでしょうか。ぜひとも来年あたりからどうしても電話料金、そして電報料金を含めて、電信電話料金を値上げしなければならない、このような御判断になっているのでしょうか、どうでしょうか。
  122. 小林武治

    小林国務大臣 いまの電信電話料金の問題は、実は数年来の問題で、昨年、一昨年も私はいろいろな関係から強く値上げを抑制した、こういう事情もあるのでございますが、電話の架設数を相当増加しなければならぬということは国民の要望であろうと思います。したがって、その架設の費用をどういうふうにして調達するか、こういうことで、調達の方法は、前にもここで申し上げましたが、いわゆる外部資金としての財政投融資と電話債券、こういうものと、それから電電公社でどれだけ縁故債が募集できるかということと同時に、料金でどれだけ負担するか、こういうふうに、これらの三者が公平に負担するような方法をひとつ私は考えなければならぬと思うのであります。いまのように黒字であるのに値上げをするなんということは世間で納得できない、これは常識的な御意見であろうと思います。しかし、いま公社が言うように、仲裁裁定というものがいつもあとで出て、そのためにことしもまた二百何十億要るということになると、初めから相当の増収がなければやっていけないというふうな妙ないまの予算の組み方になっておるわけで、私は結論的にはやはりことしは赤字になりはせぬか、要するに仲裁裁定を実施するためには赤字になってくる心配がある。こういうことは、いまのただ増収だけで見てはあやまちがあるというふうに思うのであります。  要するに、料金にどういうふうに負担してもらうかということを、公社全体の財政、また国の財政投融資、こういうものも考えてあんばいをしなければならぬというふうに思っております。昨年、一昨年は私は強く電信電話料金は値上げするようなことはありませんということを早くに言明をしてきたのでありますが、ことしはまだそういう言明を実はいたしておりません。前々から私は、値上げなどということの目的でなくて、どうしてもこの料金体系を——これは昭和二十八年ごろできておる体系で、いま総裁が言われるように、共電式あるいは手動式のときの料金体系である、これをどうしても直したい。私は料金の合理化あるいは体系化ということを強く考えておるので、先般来ここで問題になったように、基本料なんかなっておらぬじゃないか。なっておらぬということは、いまごろ基本料を、一年に百七十万も電話をつける場合に、わずかな刻みでもって十四段階などということはきわめて時代おくれじゃないか、今度これなんかは、どんなに多くても五段階以下に直したいというふうなことも考えておりますし、それから市外料金がいま実際に合いません。昔のようにケーブルをかけた時分と、いまのようにマイクロでもって何千回線もとれる時代にそのときの市外料金がいままできておる。したがって長距離なんか相当に軽減すべきだ。長距離がむだな負担をしておるということはよくわかるのです。こういうものも直したいということで、私どもが考えるのは、値上げが目的ではないが、結果的には多少増収になるかもしれないが合理化をしたい、こういうような考え方でいまおるのであります。それがどういう勘定になるか、これからやってみなければわかりませんが、私どもがほんとうにねらっておるのは、いまのような不合理を直したいというところにあって、電話料金の合理化ということはぜひやらなければならぬと思っております。  すなわち、変な言い方だとおっしゃるかもしれませんが、値上げが目的でなくて、そういうふうな不合理をひとつぜひ直さなくちゃならぬ時期がいま来ている。結果的にそれなら増収が出るかどうか、こういう問題になってくるのでありまして、結果的でも増収はなるべくたくさんないほうがよかろう。すなわち、端的に申せば、値上げのような結果にならぬほうがよかろうということは常識的に考えておるのであります。お話しのような向きも十分ひとつしんしゃくしましてこれから考えていきたいと思っております。  しかし、いま検討検討といったって、実際問題としてもう八月一ぱいに出さなければなりませんから、あまりあいまいなことも言っておられません。いま急いでおるわけで、何とかあまり結果的に値上げのようなことにならないようにしてひとつ合理化を進めたい、こういうふうな考え方をしております。したがって、去年のように、一切いじりません、こういうふうな答えではなくて、いま私が申したような方向で考えたい、こういうことでございます。
  123. 中野明

    中野(明)委員 時間がないようですから、最後に一言だけ申し上げておきますが、いまお話しのように、なるほど合理化に進まなければならぬところはたくさんあると思います。大臣お話しの中にもありましたように、結果として値が上がらないような方向で合理化を考えてもらいたい、そういうことを私どもも強く要望するわけであります。  なお、私がこういうことを申し上げるのは、この前設備料の値上げのときにも、三年も四年も前から積滞をされて待っておった人も最近申し込んだ人も同じに三万円の設備料で電話をつけられる、そういうふうな不合理も事実不満もあるわけであります。そういう点、非常に結果としては不親切なような結果になっておりますので、そういうこともあわせまして、時期的にぜひともここらで解決をして、そして相当細部にわたって検討していただいて、あとから、この間の設備料のように、三年も前から申し込んだ人がきのう申し込んだ人と同じように、つくときには三万円に値上がりになっておる、そういうことで相当苦情を聞きましたので、そういうこともあわせて、先ほど申し上げましたように、国民生活が物価の値上がりで非常に圧迫されているときであります。電話料金というのは、最近特に利用者がふえまして、公衆電話の利用もたいへんふえております。そしてまた、積滞がふえているということは、電話を使用したいという人がふえているということ、結局いままでと違いまして、これからは電話をつけたらそれだけ利用してくれる可能性のある人がふえてくる、こういうことも言えるわけであります。そういう点も考慮に入れていただいて、答申があったときとは情勢が非常に変わっております。そうしてまた、電話の使用者も使用度合いもふえておる、そういうことなんかも慎重にお考えになって、先ほどからお話がありましたように、極力合理化の線に進まれるけれども、結果として値上がりにならないように、そのように努力していただきたい、そのことを最後に要望して、総裁と大臣から一言ずつおっしゃっていただいて終わりたいと思います。     〔田澤委員長代理退席、委員長着席〕
  124. 小林武治

    小林国務大臣 御要望のことはごもっともだと存じます。
  125. 米澤滋

    ○米澤説明員 公社といたしましては、できるだけ経営の合理化に今後ともつとめたいと思いますが、結果的にやはり修正ということは、私は必要ではないかというふうに考えております。
  126. 古川丈吉

  127. 田代文久

    田代委員 私は、米軍の電波障害制限地域の問題について、まず郵政大臣にお伺いしたいのですが、過ぐる三日の第五十九回国会佐藤首相の施政方針演説で、基地や施設の問題について特に発言がありました。「政府は、国土並びに国民生活の実情にかんがみ、基地周辺の住民に生活上の不安や危惧を与えることのないよう、最善の努力を尽くしてまいります。」このように、政府の基地やあるいは施設の問題について特に発言をされております。ところが、実際上の問題としては、たとえばこれは以前のこの委員会でも問題になりましたが、米軍の上瀬谷通信基地その他、非常に付近の住民とトラブルがずっと起こって、そしてそれはずっと現在も続いておりますね。そうして、申し上げるまでもなく、そういう関係者住民、また大きくは国民全体なんですけれども、そういう米軍の電波障害制限地域を設置し、それを拡大するというような方針に対しては自分たちは反対だ、やめてもらわなければ困るという運動がずっと起こって、この世論というのはますます大きくなりつつあるわけですね。これを受けて首相は発言されていると思うのですが、ぜひともその方向を打ち出してもらいたいと思うのです。したがって、現在政府は、首相がそういうふうに発言していることをそのまま具体的に、現実においてとにかくそういう世論にこたえて、そうして基本的に私たちが要求すれば、地域の関係住民が言われる前にそういう地域設定に対しては拒否する、反対するという線を政府は当然出すべきだと私は思うのです。それは当然であると思うのですが、大体そういう住民の受けておる不安とか危惧とか、あるいは生活上の不便とか、こういう問題に対して政府はどういう姿勢で具体的に対処されようとしておるのか、それをまず郵政大臣に御答弁願いたいと思うのです。
  128. 小林武治

    小林国務大臣 この問題は防衛庁の関係のことでございますから、そちらからお答えいたします。
  129. 鶴崎敏

    ○鶴崎説明員 ただいま米軍基地と周辺の住民の方々の生活との関連についてお話がございました。その一例として、米軍から要求の出ております米軍通信施設の周辺に対する電波障害の緩衝地帯設定の要求のことについて話が及んだわけでございますが、一般的にいいまして、最近、この米軍基地の周辺におきましても非常に人家がふえてきたというようなことから、昔はあまり家がなかったものが最近ではある程度市街地が形成されつつある、こういうことで、米軍の通信施設そのものにいろいろ電波の障害を受けるという事態が発生しているわけでございます。  それで、こういった提供している通信施設がその機能を阻害されるという問題につきましては、日米間の地位協定によりまして、そういった障害を日本政府において除去するための必要な措置をとることに約束がなっておるわけです。しかしながら、また他面におきまして、こういった電波障害の緩衝地帯を設定することによりまして、地域の発展が阻害される、あるいは住民の生活がいろいろな面で制約を受けるというような問題も出てくるわけでございます。そこで、現在全国で十二カ所の米軍の通信施設につきましてそういった要求が出ておりますけれども、この要求そのものは地位協定に根拠がありますので、日本政府として十分検討しなければならないという立場にあります。  しかしながら、他面、この要求をそのままやるということについては、非常に周辺に影響が多いということもございますので、まずこの障害の実態を調査しまして、しかる後にこの電波障害の緩衝をいかにするかという技術的な、あるいはさらに周辺の生活との調整といった幅広い面から検討をしていきたい、このように考えておるわけでございます。
  130. 田代文久

    田代委員 そうすると、政府なり防衛施設庁なりの方針としましては、そういう国民の世論に沿うように、そういう障害から受ける被害ですね、そういうものは、とにかく拡大する方向ではなくて、あくまでもそれは縮小させるという方向で最善を尽くすという方針だと理解していいわけですか。
  131. 鶴崎敏

    ○鶴崎説明員 ただいま先生から御発言のありましたように、われわれとしては、この要求をそのまま実行に移すということでなく、なるべく米軍の要求内容を圧縮して、周辺に対する影響の度合いが少なくなるように努力していきたい、このように考えております。
  132. 田代文久

    田代委員 そうすると、いまの御答弁の中で、それをやるためには実態調査をどのように——とにかくそういう被害なりあれが出ているか、実態調査をやっていくとかおっしゃいましたが、事実それは調査されておるわけですか。
  133. 鶴崎敏

    ○鶴崎説明員 調査の問題につきましては、本年度約五百万の予算がございます。これによって、技術的な調査を主体として調査を進める計画になっております。しかしながら、この調査は非常に高度の専門的な知識を必要とする関係上、関係各省にこの調査団の編成について現在御相談をしておるわけでございますが、まだ成案を得ておりません。この調査団の編成につきましても相当慎重に考えなければ、せっかく調査をやってもあまり効果があがらないというようなおそれもございますので、現在各省と相談中という状況でございます。
  134. 田代文久

    田代委員 そうすると、まだ実際上におけるそういう調査はやられておらない、計画として本年度そういうことを持っておる、こういうことなんですね。  そうしますと、これは先のことですけれども、これは直接われわれ国民関係することですから、その調査ができたら国会に提出いただきたいというふうにまずお願いしたいのですが、これは異議ないですね。
  135. 鶴崎敏

    ○鶴崎説明員 調査の結果に基づいて、政府としてそれではここの施設についてはこういう緩衝地帯を設定しようとかいう具体的な内容がきまればともかく、この調査した途中の段階でその内容を一々発表することはできないんじゃなかろうか、このように考えております。
  136. 田代文久

    田代委員 とにかく、途中あるいは完了いかんに関せず、基本的にはわれわれ国民の立場に立ってその内容を知らなければなりませんから、当然これは国会に出していただきたいということを申しておきたいのです。  現在アメリカ側は十二カ所の要求を出しておるということですね。これは明らかになっておりますが、この十二カ所というのは、今後なおふえる方向をとるのかあるいは縮小する方向をとるのか、また新しい要求がいまきているかどうか、またこようとしているか、そういう点を明らかにしていただきたい。
  137. 鶴崎敏

    ○鶴崎説明員 新しい要求が出る可能性があるかどうかという問題でございますが、私ども、少なくも現時点においてはこれに追加されるような要求が出てくる可能性はない、このように考えております。
  138. 田代文久

    田代委員 そうすると、アメリカ側は全国十二カ所という広地域にわたって要求しているということですが、どういう理由、どういう根拠でそれほどの多数の個所を要求してきているか、それから政府としてはどういう受け取り方をされておるのか、御説明願いたいと思います。
  139. 鶴崎敏

    ○鶴崎説明員 それは先ほども申し上げましたように、基地の周辺にだんだん人家がふえてきた。したがって、人が住めば当然いろいろ電気器具も使うし、あるいは工場等の場合には相当馬力の大きなモーターも使うというようなことから、通信施設に対して障害を与えるであろうということは推測はできます。しかしながら、一体どの程度具体的に障害を与えておるかということにつきましては、この施設の中に立ち入って専門家が技術的に調査しなければ明確にすることができないわけですが、その点について、現在各省と調査団の編成等について相談中ということでございます。
  140. 田代文久

    田代委員 そうしますと、この調査というのは、アメリカ側と日本側と合同でやるのですか、日本だけでやるのですか、その点どうです。
  141. 鶴崎敏

    ○鶴崎説明員 当然これは米側も立ち会って共同でやることになります。
  142. 田代文久

    田代委員 そうしますと、その調査の方法なり、こうこうこういう項目について調査しなければならないというようなことがすでにあるはずですが、それはどういう内容ですか。
  143. 鶴崎敏

    ○鶴崎説明員 一体具体的にどういう項目について調査するかということにつきましても、大体その調査団の顔ぶれがきまりまして、その調査団が編成された後においてその内部において検討するということでございまして、まだ具体的なこまかい項目についてはきまっておらない状況でございます。
  144. 田代文久

    田代委員 ところが、この十二のうちで七カ所の調査を始めるとか始めておられるというふうに聞いておりますが、大体そういうふうになっておるのじゃないですか。
  145. 鶴崎敏

    ○鶴崎説明員 十二の通信施設のうち七カ所、本年度調査をすることになっております。しかし、どうして十二のうち七カ所を選定したかということにつきましては、別に特別な調査をした結果この七つを選び出したということでなくて、通信施設の規模とかあるいは周辺の状況、こういったことが一応概括的にわかるわけですが、そういった点から、まず手始めにこの七カ所をやるのが適当であるということで取り上げておるわけです。  それじゃ、残りはどうなのかということになりますと、これも、七カ所が終わりましたら、来年度でも引き続き調査することになると思います。
  146. 田代文久

    田代委員 そうすると、この七カ所の名前をひとつあげてください。
  147. 鶴崎敏

    ○鶴崎説明員 北のほうから申しますと、北海道にありますキャンプ千歳、それから関東地方にいきまして、千葉県の柏通信所、それから埼玉県の大和田通信所、神奈川県のキャンプ渕野辺、同じく神奈川県の厚木海軍施設、それから山口県の岩国飛行場、福岡県の雁ノ巣空軍施設、この七カ所になっております。
  148. 田代文久

    田代委員 七カ所といまおっしゃいましたね。柏、千歳、いろいろ出ておりましたけれども、たとえば雁ノ巣なら雁ノ巣といえばその範囲は狭い。しかし非常に広範囲にわたっている場合、たとえば横須賀なら横須賀というふうになっていますと、横須賀の中のどこかという点が明らかになる必要があります。この七カ所は、千歳あるいは大和田など、その範囲は非常に限定された地域になっているわけですか。
  149. 鶴崎敏

    ○鶴崎説明員 その要求の範囲の問題でございますが、これについては、各通信所ごとにそれぞれ多少態様が異なっております。しかしながら、個々の施設について見ますれば、要求の範囲というものはもちろん米側からはっきり提示されておりますが、これを今後いかに取り扱うかということにつきまして、先ほども申し上げましたように、なるべくその要求の幅は縮める方向で私どもとしては検討していきたい、このように考えておるわけでございます。
  150. 田代文久

    田代委員 結局、調査にしましても、向こうの要求というのは、われわれ国民の立場から申しますと非常に不当なものであるし、そのために居住権とか生活権が奪われる、あるいは制限されるということは、国民としてはがまんできないんですね。だから、政府としては当然そういう国民の意思を代表してやっていただかなければならない。アメリカ側から電波障害があるからと言ってきたら、すぐ日本政府は言いなりになって、はい、そうですか、というようなことをやってもらっては困るわけですね。その点では、ひとつ責任を持ってやっていただきたいということを最後に申し上げまして、質問を終わります。      ────◇─────
  151. 古川丈吉

    古川委員長 この際、閉会中審査に関する件についておはかりいたします。  すなわち、  逓信行政に関する件  郵政事業に関する件  郵政監察に関する件  電気通信に関する件  電波監理及び放送に関する件  以上の各件について、議長に対し閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  152. 古川丈吉

    古川委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。  なお、閉会中審査案件が付託された場合、その調査のため、委員派遣を行なう必要が生じました際の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  153. 古川丈吉

    古川委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。  本日はこれにて散会いたします。     午後一時十分散会