○
岡田(利)
委員 私は
最終案といわれる
石炭対策は、
企業にはきびしく、労働力
確保のためには必要な
措置をとる、こういうものごとの
考え方でなければいかぬのではないか。ここに、
石炭はこれからの長期安定のためにどういう
体制がいいのかという問題が私はついて回ると思うわけです。どすから、別に何から何まで見るというのではなくして、
石炭を
再建する必要な柱をきちっときめたならば、それに対しては
企業を乗り越えても、
企業にきびしくしてもその面はきちっと押える、
ポイントを押えるということでなければ、
石炭対策はなかなか成り立たないのではないか。たとえば
植村構想であれば、当初管理会社がある、こういうものが受けざらになる。それならば、これらの問題はその部面を切り離して解決できるかもしれない。しかし
企業サイドだけで今後の安定策を立てようとすれば、これらの問題はどうもまるがかえ式になってしまって、これは一般産業と比較して云々、こういう議論が出てくるところに、結局
石炭鉱業のあり方、
石炭鉱業の再編成の
方向という問題がやはりここらにどうしても
関連してくるのではないか。私はどのように組み立ててみて、どのように
検討してみても、
結論的にそうならざるを得ないのではないかという気がするわけです。ですから私
どもが言うのは、何もすべて国が見るというのではなくして、そういう
企業に対してはきびしくあっても、そういう労働力の
確保の安定策の重大な柱である面についてはやはりぴちっと装置をする。こういうことが私は必要ではないか。いままでたくさんの借金ができた。これに対して
肩がわりをすることもけっこうでしょう。それも
一つの方法でしょうけれ
ども、これからの炭鉱が安定をするためには、何といっても労働力を安定的に
確保する、これが最大の
ポイントなんだ。たとえば三百億、五百億の金をつぎ込んだって、労働力を
確保できなければ崩壊しますよ。そういう可能性は非常に強く持っているわけですから、ここが集中一社化案とか、あるいは
植村構想とか、あるいは公社案とか、あるいは何々案とか、いわば
石炭再編成をめぐっていろいろな
意見が出てくる根源ではなかろうか、こういうふうに私は理解をいたしておるわけです。なるほど、おそらくいまの事務ペースの考えているような
方向では、この解決はおそらく無理でしょう。これは非常に困難だと思うのです。だから私はそういう
意味において、たとえばそういうものを生かそうという場合であっても、最低限度何らか受けざらといいますか、
植村会長が言う
一つの系統的にささえる柱、こういう組み立て方というものが絶対不可欠ではないのか。しかもそれは既存の
合理化事業団の発展的な改組や、あるいは自主的な
一つの統一的な組織、こういうものがきちっと組み立てられないところに、これらの問題の解決できないところがあるんだということを、私は特に
指摘をいたしたいわけです。
いかんせん、まだ
答申の
方向というものが世上伝えられておるように、最も重要な
ポイントが解決されてないわけですから、これ以上議論をしても無理でしょうけれ
ども、私の
考え方というものはそこにあるんだという点を、この際申し上げておきたいと思うのです。
いずれにしても、私はいまの進められておる
石炭政策で見ると、結局はこれは将来にわたって非常に大幅に縮小する計画になるでしょうし、またいま考えておる構想を進めるにあたっても、先ほど質問しました
経過基準あるいは
担保解除の問題、あるいはまた新旧勘定を分離をして
資産の
評価がえをするという問題、いずれにしても
一つ一つきわめて重要な問題でありますので、いわばほんとうにそういう
ポイントを組み立て、連立方程式に解決でき得る
体制というものは一体何なのか、そういう組織というものは、たとえば地域を生かすなら生かす、そういう立場に立つなら立つとしても、最低限度は何なのか、これを押えないで私は
石炭政策というものは絶対成り立たない、こう考えておるわけです。この点特に一点を総括的に述べておきたいと思います。
最後に、ここまで来ると、日本の
石炭の事情というものは明らかになってまいったわけですから、安定的に生産を
確保するためには、労使の安定的な
協力体制というものが非常に必要になってまいりますし、これは大きく
期待されるところだと思うのです。しかし私は単にそれを
期待するというだけでいいんだろうか、そういう
体制をやはりほんとうにつくり上げるための装置はまた必要でないだろうか、たとえばこの際思い切って労働者を経営に参画をさせる、あるいはまた、ある重要事項については当然
政府自身の計画を示すわけですから、これは共同決定させるとか、こういう装置というものは考えなくていいんだろうか、こう私は非常にまたこの面においても
心配をするわけです。ましてどういう
予測を立てても、
わが国の経済の発展
段階というものは、いままでの
予測を大きくくつがえしているわけですから、その場合には必ずいろいろな労働条件にもトラブルが生まれてくる可能性、こういう基盤というものが存在するわけですから、そういう装置についても思い切ったことを考えないではたしていいんだろうか、こういう実は私は非常に大きな
心配を持っておるわけです。この点最後に所見を承って、私の質問を終わりたいと思います。