○
麻生説明員 自衛隊の
隊員の
充足状況は、
海上自衛隊と
航空自衛隊におきましては、毎年九十数%の
充足率を見ているわけでございまして、
先生の御
質問は主として
陸上自衛隊に
関連してではないかと思うのですが、この
欠員を生じてまいりました
一つの
原因は、
昭和三十五年以来経済の
高度成長が伸展いたすに従いまして、
若年労働力に対する
需要というものが多くなったわけでございます。したがいまして、
一般産業と
自衛隊とで
若年労働力に対する
需要の競合という事象が生じてまいりました。また大学に対する
進学率というものも、これまたふえてきたことは御
承知のとおりだろうと思います。また各企業におきまするところの
若年労働者に対する
待遇というものが、
自衛隊の
待遇よりもよかったということもあろうかと思います。そうしました客観的な情勢に対応いたしまして、これらの欠点を直すのには、まず
国防思想を普及宣伝する。それとともに
自衛隊における生活というものを、魅力あるものにするという必要があるわけでありまして、われわれといたしましては、この
魅力化対策というものに鋭意
努力をしてきたわけでございます。その方策といたしまして、第一には
待遇、処遇の
改善といたしまして、官舎の建てかえ、あるいは
宿舎の
増設、特に曹の
宿舎の
増設、あるいは曹士の
昇任ワクを拡大する、あるいは
営外居住ワクを拡大する、あるいは
北海道在勤者の
帰郷制度を拡充するというような点。あるいは先ほど御
質問になりました
食事の
改善を行なうというような、これらの処遇
改善の施策を一方に行ないまするとともに、やはり
自衛官の生活をやったのがよかったという印象、そういう実際的効果を達成いたすことが必要でございまして、
自衛隊におけるところの生活が、人生においてマイナスになるといこうとでなくて、少しでもプラスになるという施策をやる必要があるわけでありまます。したがってそういう点から、任期がきまして
自衛隊を退職する場合において、円滑に就職ができるような
措置、就職援護の
措置というものにつきまして、いろいろな施策をやってまいったわけであります。それとともに、募集の広報宣伝というようなものにつきまして、近代的な手法を取り入れまして、これらにつきましても格段の
努力をしてきたつもりであります。それとともに、募集機構というものによる
組織的な募集というものを推進をしていくことが、何と申しましても肝要なわけでありまして、これらの
組織募集の推進というようなことにつきましても、極力
都道府県あるいは
市町村の御協力を得まして、推進してまいったわけであります。
したがいまして、先ほど
先生から御
質問がありましたけれども、実は
充足率は漸次
改善を見ておるわけであります。
昭和四十年におきましては平均
充足率は八六・八%でありましたのが、四十一
年度においては八八・七%、四十二年においては八九・八%と、四十二年におきましては千五百名の増員がありまして、前年に比べまして平均
充足率の上昇を見ておるわけであります。また募集という点から見ますると、募集
計画に対します募集
人員の達成率というものは、四十年において一〇〇%として、四十一年においては一〇四%、四十二年においては一〇二・九%というような達成率を示しております。しかし平均
充足率がやはり九〇%を割っておるということは、何としましても
一つの客観的な事実であるわけであります。これを少しでも高めたいと、われわれは先ほど申し上げました処遇
改善、生活環境の
整備あるいは就職の援護
措置の拡充強化あるいは
組織募集の推進、あるいは応報宣伝の効果的な実施というようなことに極力意を注ぎまして、今後とも
充足率の向上につとめていきたいというふうに考えておるわけでございます。先ほど申しましたように、募集
人員は多くとりまして、
計画に対しまして募集の達成率はややよくはなっておるわけではありますが、しかし企業界における
一般の好況というような点から、任期がきまして、それに基づいてやめる人が
計画より少し上回っておるわけであります。したがまして除隊率というものが
計画より少し上回っておるという点から、実は平均
充足率が九〇%以上にならないというのが脱状であるわけであります。
なお先ほど
予算定員と法律
定員との問題について言及されまして、
予算定員があるために
充足率が上がっておらないのではないかというような御
質問がございましたが、
予算上の
充足率ということのために
充足率が下がっておるということは、現在においてはないというふうに私どもは考えております。
先ほど
応募者の
人員の点に御
質問がありましたが、約二人に一人というのが現在における
応募者と採用者の比率であろうか、こう思います。