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1968-11-06 第59回国会 衆議院 決算委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年十一月六日(水曜日)     午前十時三十八分開議  出席委員    委員長 大石 武一君    理事 鍛冶 良作君 理事 四宮 久吉君    理事 白浜 仁吉君 理事 田川 誠一君    理事 田中 武夫君 理事 華山 親義君    理事 吉田 賢一君       西岡 武夫君    原田  憲君       村上信二郎君    吉田 重延君       赤路 友藏君    鈴切 康雄君  委員外出席者         大蔵政務次官  倉成  正君         大蔵大臣官房会         計課長     阪上 行雄君         大蔵省主計局次         長       船後 正道君         大蔵省主計局法         規課長     小幡 琢也君         大蔵省主計局給         与課長     相原 三郎君         大蔵省主計局主         計官      千葉 洋三君         大蔵省理財局次         長       青鹿 明司君         大蔵省理財局次         長       谷川 寛三君         大蔵省銀行局長 澄田  智君         会計検査院事務         総局第一局長  斎藤  実君         参  考  人         (日本銀行理         事)      沢田  悌君         専  門  員 池田 孝道君     ───────────── 十一月六日  委員篠田弘作君、長谷川峻君、早川崇君、水野  清君及び柳田秀一辞任につき、その補欠とし  て西岡武夫君、村上信二郎君、吉田重延君、原  田憲君及び赤路友藏君が議長指名委員に選  任された。 同日  委員西岡武夫君、原田憲君、村上信二郎君、吉  田重延君及び赤路友藏辞任につき、その補欠  として篠田弘作君、水野清君、長谷川峻君、早  川崇君及び柳田秀一君が議長指名委員に選  任された。     ───────────── 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  昭和四十一年度一般会計歳入歳出決算  昭和四十一年度特別会計歳入歳出決算  昭和四十一年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和四十一年度政府関係機関決算書  昭和四十一年度国有財産増減及び現在額総計算  書  昭和四十一年度国有財産無償貸付状況計算書  (大蔵省所管)      ────◇─────
  2. 大石武一

    大石委員長 これより会議を開きます。  昭和四十一年度決算外二件を一括して議題といたします。  本日は、大蔵省所管日本専売公社国民金融公庫日本開発銀行及び日本輸出入銀行について審査を行ないます。  なお、大蔵省所管につきましてはその概要説明並び会計検査院当局の検査の概要説明及び日本専売公社国民金融公庫日本開発銀行日本輸出入銀行当局資金計画事業計画等説明は去る五十八回国会におきまして聴取を済ましております。  この際、おはかりいたします。  大蔵省所管等審査のため、本日参考人として日本銀行より沢田悌君に御出席を願い、その意見聴取いたすことにしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 大石武一

    大石委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  なお、参考人からの意見聴取委員質疑により行ないたいと存じますので、そのように御了承願います。  これより質疑に入ります。通告がありますので、順次これを許します。華山親義君。
  4. 華山親義

    華山委員 お忙しいところ日銀からお見えになっておりますので、日銀に関する部分からお尋ねしたいと思います。  国債発行でございますけれども国債発行の過去の状態を見ますと、一年を経過したいわゆる適格公債が全部と言っていいほどこれが日銀還流をしておる。四十二年中におきまして国債発行が五千二百億、それについて日銀還流したところの、あるいは担保もありますけれども、それと符節を合わせるように五千二百億、結果において見ますというと、政府発行したところの国債は、一年を経過するとともに日銀還流いたしておる。これは財政法第五条の趣旨から見ましてもおかしなことではないか。また、このことがインフレの要因になっているのではないかというふうなことにつきまして大蔵当局に御質問をするのでございますけれども大蔵当局のほうは、それは日銀金融関係でやっているのであって、そういうことなのだということで要領を得ない、そういうことでございますので、日銀においでを願ったのでございますけれども、四十三年になりましてからの買いオペによる日銀国債還流はどんなふうになっておりますか。これは日銀からでも、あるいは場合によっては大蔵省からでもいいのですけれども、まずお伺いいたしたい。
  5. 沢田悌

    沢田参考人 お答え申します。  四十三年九月末におきまして、国債が近年発行されまして以来の日本銀行の買いオペレーションの数字がどうなっておるかを申し上げたいと思います。六歩半利の国庫債券の新発債でございますが、民間引き受けが一兆六千六百五十億円になっておる次第でございます。そのうち、この九月末までに一年を経過したものがどの程度ございますかと申し上げますと、一兆一千二百五十億円になっております。それでオペレーション金額は八千百八十八億円にのぼっておるわけでございます。このほかに担保の差し入れが若干ございますが、民間引き受け総額に対しまして、このオペレーション金額が何%になっておるかと申しますと、四九・二%、約五〇%になっております。  それからただいま御質問の、一年経過後の適格債に対する買い入れ額比率を申し上げますと、七二・八%。でございますから、この約三年間の実績でございます九月末まで七割以上が日本銀行買い入れになっておるということでございまして、御指摘の点は、こういう状況では国債日銀直接引き受けと同じではないかという御趣旨かと拝察するわけでございますけれども、戦争中に日銀が直接引き受けまして、そのかわり金政府が直ちに使用する。そして市中に金が出ましてから日本銀行がこの国債市中に売却するという日銀引き受け方式と比較いたしまして、実は戦後の国債発行につきましては、私どももそういう形を避けることが妥当である。少なくとも、とにかく一たん市中が引き受けをいたしまして、そして市中金融の繁閑に応じて日本銀行がその国債買い入れる。この場合に日本銀行資金供給手段といたしましては、国債買い入れるか、あるいは戦後債を買う、あるいは貸し出しをいたすというふうなやり方がございますが、現在は債券買オペレーション資金供給するという手段に重点を置いております。しかも、最も信用のある国債をまず優先的に買う、こういうたてまえをとっております結果、こういう高い比率国債の買いオペレーションの結果になっておる次第でございます。これはしかし資金供給手段といたしましてこういう方式を選んでおりますので、日銀が直接引き受けます方式とは、たてまえにおきましても、その影響におきましても、決して同じではないというふうに考えておる次第でございます。
  6. 華山親義

    華山委員 参考人でございますから、私、追及する意味はございませんけれども資金供給の面からということを言われますが、資金需要の面から申しますけれども資金需要国債があるからそれだけ資金需要が増すのじゃないか。そうして結果を見ますと、政府のほうは、それだけの国債消化できるのかどうか、そういうことにおかまいなしに発行する、そうして資金需要が増す。そうしますと、適格国債は国のほうが買い上げる。ですから結果を見ますと、その年の国債消化というものは日銀が手入れをしなければできない。日銀適格公債を買うことによって大蔵省発行するところの国債市中消化される、こういう循環を繰り返すのじゃございませんでしょうか。
  7. 沢田悌

    沢田参考人 ただいまの御質問でございますが、金融調節立場から申し上げますと、国債を買います場合、あるいは貸し出しをいたします場合、いずれを問いませんが、日本銀行資金供給が、たとえば経済の正常な発展に必要であります通貨必要量を越えております、そういう形で供給される場合にはいろいろの問題が起ころうかと思います。絶えずそういう面に注意をいたしまして、経済発展のために必要最小限度資金供給する手段といたしまして、いろいろな貸し出しなり債券買い入れなりを組み合わせして発行いたしておるような次第でございます。金融調節立場からはさように考えておる次第でございます。
  8. 華山親義

    華山委員 大蔵省に伺いますけれども、毎年毎年国債発行される数量、これは民間といいますか、金融機関が主になっておりますけれども消化し得る見込みを十分にお立てになって発行されるのでございますか。あるいは財政面に必要だからそれだけは出そうということなんですか、どっちなんです。
  9. 澄田智

    澄田説明員 申すまでもなく、国債歳入の一部となるという状態におきましては、これは財政需要というものによってその発行の原因がつくられるということではあるわけでございますが、しかし、その年度の財政の規模あるいは税収状況、さらには国債発行額というようなものを、そのときの経済情勢に応じまして十分に検討いたしまして、そうしてその国債発行額国民経済のそのときの情勢によって、さらには金融機関その他一般消化能力というようなものも考えまして、金融市場状況あるいはいままで発行されております国債は当然公社債市場に上場もされておりますから、そういった債券市場状況等も見まして、そうしてこの程度発行額が適切であるということを考えてその国債発行額をきめるという状態でございます。市中状況発行の適切なる限度を越えた国債財政需要のままに発行するということは決してあってはならないということで、その年の国債発行額をきめるという場合には財政金融両面にわたって十分そういう点を検討してきめておる、こういう状況であります。
  10. 華山親義

    華山委員 伺いますが、しばしば言われますが、国の歳出あるいは歳入の五%にとどめたいというふうな御意向があるようでございますが、五%とは一体どこから計算されたものですか。
  11. 澄田智

    澄田説明員 国の歳入のうちで国債依存する度合い、これを目下のところ五%程度に引き下げたい、こういうふうに考えておるわけでございますが、この場合の五%というのは、必ずしも消化能力というような見地から出てきたものではございません。これはいわゆる財政硬直化というような場合に問題になります財政の体質、国債依存度が大きい場合には、申すまでもなく後年の国債の元利の支払い国債費の負担がそれだけ増大する、こういう問題がございます。それから、さらには、いわゆるフィスカルポリシーによって国債経済情勢に応じて発行し得るようにする、そのためには財政事情の許すとき、自然増収の期待できるときというようなときには、できるだけ国債発行額依存度合いを減らしておいて、また、不況のときその他において国債発行をふやす必要があるというようなときには、その発行余力を残す必要がある。そういうめどといたしまして、諸外国国債依存している度合い等もにらみ合わせて考えてみた場合に、現在のところ五%程度まで引き下げることが望ましい、四十三年度におきましては一〇%台、こういうことでございますので、これをできる限り五%程度になるべく早く引き下げたい、こういう意味で五%という目標を掲げておる次第でございます。
  12. 華山親義

    華山委員 政府は四十年度のときには、フィスカルポリシーということで国債発行するんだと言われた。そうして、国の需要を増して、景気を回復するんだということで、フィスカルポリシーということをまっこうに立ててあの多額の国債発行された。しかし、景気が回復いたしましても、今度はフィスカルポリシーということでなくて、財政不足だ、こう言う。国債に対する一定の定見がない。五%とは何だ。各国の依存度が五%であるというふうな大体の傾向であることは知っておりますけれども、五%というものに対しまして、外国がそうやっているから日本もそうなんだということは意味がないんじゃないか。国債というものはないほうがいいにきまっている。それで現在のようにいろんなことを日本銀行でもおっしゃいますし、それから大蔵省でもおっしゃいますけれども国民の蓄積の中で国債というものを持たれているんじゃないのじゃないか。オペレーションという機能を通じて、銀行券の増発によって国債というものが出されているのではないか。このことをおそれたのが財政法の第五条ではないのか。私は、とのような公債発行の形態――繰り返しますけれども、四十二年度におきましては国債発行した額と日銀が買いオペレーションで買った額とが同じなんですよ。五千二百億。そんな符節を合わせるようなことはよくできるものじゃないのじゃないですか。こういうふうなことで、私は、国債につきましては日銀引き受けというふうなことはやめるべきじゃないか、結論としてこういうふうになる。一年たてば日銀に返ってくる、意味がないのじゃないかというふうなことを申し上げたかったわけであります。  それから、最近よく来年度の予算につきまして、国債を減額すべきか減税をすべきか――大蔵大臣は両方やると言っておられますが、両方やればこれは両方ともアブハチとらずみたいなことになる。そういうことにつきまして新聞等で、日銀のほうは国債発行減ということをいっておられるのでございますけれども国債発行減金融との関係、また減税金融との関係を、日銀の面から見ましてどういうふうにお考えになりますか、承っておきたい。
  13. 沢田悌

    沢田参考人 ただいまの御質問にお答えいたしますが、最近非常にやかましい減税国債減額かという問題、これは、私考えますに、たてまえの面と実際問題の面と両方あろうかと存じますが、たてまえの面で申しますと、まず、ああいう議論が起こりますのは、財源余裕が予想されるからでございます。その場合に、その予想が、いわゆる発行が多過ぎるといわれるような国債発行を前提にした上での財源余裕、その上で国債を減らすか税金を減らすかという問題になっているかのようにも考えられるわけであります。その場合に、たてまえといたしましては、それでは国債発行を減らした上で問題を掘り下げて考えてみるべきじゃないか、こういうことが一つたてまえにおいて考えられる。それからもう一つは、財政弾力性と申しますか、税収の多いとき、歳入の多いときには国債を減らし、歳入の少ない不況のときには国債発行して景気を盛り立てる、そういった弾力性というような意味におきましても、歳入の多いことが予想される時期には、まず国債を、それが発行が多過ぎる場合には、減らすことを、たてまえとして考えていくべきじゃないだろうか。金融のサイドから見ますと、こういうたてまえの問題が、まず意識にのぼるわけでございます。それで、日本銀行の発言が新聞などにはそういう方向からいろいろ報道されておるというふうに考えますが、しかし私どもは、税金、特に所得税減税ということ、そのことにも十分の理由がございますので、そういうものとどういうふうに組み合わせて、どんな比率で、あるいは財源余裕がどのくらいあるからどういう姿でというようなことは、これは実際問題としてやはり十分考慮すべき問題じゃなかろうか、こういうふうに考えておる次第でございます。
  14. 華山親義

    華山委員 失礼ですけれども、私お尋ねしているのはそういう政治の問題ではない。日銀日本金融というものに重要な責任がおありになる。その際に、来年も引き続き公債を多額に発行することによって、あるいは今年どおりの公債発行することによって、どういう影響があるのか、また、減税をすることによって、しろうと的な考え方をすれば、これが消費を高める、それによって景気の過熱を招く、こういうふうなこともある。それで、日銀の専門的の立場から、減税かあるいは公債減か、そういうことについての金融に対する影響及びこれに対する配慮、そういう点を伺いたいのであります。
  15. 沢田悌

    沢田参考人 先ほどたてまえを申し上げましたが、その背景といたしましては、いまお尋ねの点がございますわけで、これは実はことばが足りませんでしたが、減税国債減額かという問題につきまして、その影響あるいは効果というものについて、いまいろいろと議論があります。しかし、所得税あるいは法人税等企業に対する課税いずれをとりましても、その減税をいたしました場合に、その個人の可処分所得の増加なり企業の投資の余裕なりが生ずることは、これは申すまでもないことでございます。ですから、それが経済情勢その他によってどういう作用を現実に及ぼすか、分析はむずかしい点でありますが、減税が全く景気刺激的な効果がないということはないと私は思うのであります。それで減税そのものにも十分理由はあるけれども、そのタイミングとその幅というものを、そのときに要請される経済政策金融政策に照らして妥当な線で考える必要があるのではないか、かように考えるわけでございます。  一方国債減額のほうでありますが、国債を減額しても減税の場合と全く同じではないかとかいろいろな議論がございます。特に国債を減額すると、それを引き受けております金融機関資金的なゆとりを生じて、それが貸し出しなりに向かい、そして経済活動を刺激する。そういう意味においては、むしろ国債は減額しないほうがいいという議論すらあるのでございますが、この点につきましてもその国債発行――術語で申しますと国債発行そのもの一つ資金吸い上げの手段であります。しかしそれをやめますと国債引き受けております金融機関にそれだけのゆとりが生ずる、これも事実でございます。しかし金融市場全体として考えますと、政府国債発行して吸い上げました資金を使う。これは吸い上げてそのままほうっておくわけじゃありませんので、それを使用いたします。使用いたします関係から生ずるマネーフロー変化をある時期をかりにとって考えますと、国債を減額したから特定の金融機関資金量ゆとりを生じて経済全体に刺激になるというふうな断定はこれはむずかしい。ある金融機関部分においては財政支払いの結果から資金不足を生ずる、コール市場に対する放出力が鈍る、それをとっております都市銀行資金供給源変化を来たすというような複雑な影響を生じますので、単純に国債減額のほうが景気刺激的であるといったような議論はむずかしいのではないか、かように考える次第でございます。
  16. 華山親義

    華山委員 大蔵省にお聞きしたいのですが、いま国債利回りは幾らですか。
  17. 澄田智

    澄田説明員 国債応募者利回りでございますが、日歩で申しますと一銭八厘九毛、年利で申しまして六分九厘二糸であります。
  18. 華山親義

    華山委員 引き受けるほうは、大体現在の状態におきまして金融機関のようでございますけれども、いま大蔵省からお答えになったような金利あるいは利回りでは、金融機関はあまり好まないという傾向はございませんか、日銀のほうからお答え願いたいと思います。
  19. 沢田悌

    沢田参考人 好まないと申しますとちょっとニュアンスが違うのでございますが、金融機関が持ちますいろいろな有価証券には、信用度、それから金融機関の経理のバラス状態からいいまして、いろいろ好みがございます。現在利回りの一番高いものから国債の一番低いものまでいろいろバラエティーがございますので、これが信用度が全く同じでございますれば、国債は一番忌避されるだろうと存じますけれども、そこにいろいろなニュアンスがございまして、いま好まないというふうに考えられますかどうか、私も疑問に思っているような次第でございます。
  20. 華山親義

    華山委員 銀行ですから信用のないところには貸さないでしょうし、手数のかかる中小企業等にはなるべく貸さない、大口のところにどさっと貸したほうがいいというふうなこともございましょうから、一がいには言えないでしょうけれども一般銀行等営業的観念からいえば、できれば国債でないものに金を回したほうがいいのではないでしょうか。私よくわかりませんけれども銀行マン考え方としてはどういうものでございましょうか。
  21. 沢田悌

    沢田参考人 実際銀行経営に当たっておるわけではございませんので、間接的になりまして申しわけございませんが、先ほど申しましたように利回りが、たとえばほかの社債、金融債等に比べて低いからといって、必ずしも国債が全く好ましくないというふうには考えていないと存じます。ほかの債券とのバランスにおきまして若干利回りは低いかもしれませんが、ある程度国債を持つことは金融機関経営として妥当ではないかと考えているに違いないと存じます。それが量の問題が非常に多くなるというようなことについては、今度は収益面での意識が働く、その辺が微妙ではないかというふうに思う次第でございます。
  22. 華山親義

    華山委員 私の大学時代の友だちで銀行マンをやっている人が相当おりますけれども、率直に申し上げますと、政府のお出しになるものでもあるし、一年たてば来年は日銀が買ってくれるし、一年間はつらいけれどもおつき合いしているのだ、こういうふうに言いますね。これが銀行家真実じゃないのですか。私はそれが真実だと思うのですよ。だからこそ、確実だとおっしゃいますけれども日本銀行では、まず買いオペのときには、銀行の一番好まない国債を買い上げるという結果になっている。どうですか、日本銀行買いオペといったって国債に限ったことじゃない。ほかのものに変えられて国債というものはなるべく民間に持たしたほうがいいのじゃないでしょうか。今後の政策はどうですか。
  23. 沢田悌

    沢田参考人 日本銀行の買いオペレーションにまず何を選択するかという問題でございます。中央銀行通貨発行の裏づけになる資産といたしまして、やはりたてまえ上は一番確実な国債、そういうたてまえから出発いたしておりまして、なるほどおっしゃいますように大量に国債を持っているような場合には、利回りの薄いものから金融機関は売りたいという意欲がなくはないと思いますけれども、そういう動機に合わせて、私どもオペレーションの対象に選択いたしておるのではございません。御了解願いたいと思います。
  24. 華山親義

    華山委員 国債のなかったときには意外に政府保証債買いオペが多かった。現在国債発行になりましてから、政府保証債日銀保有高はやや減少いたしておると思いますけれども、現在の政府保証債の残高と日銀保有高との割合はどうなっておりますか。
  25. 沢田悌

    沢田参考人 先ほど申しましたような趣旨から、国債発行されましてからは国債のほうをよけい買っておる。それも同じ趣旨でございますが、四十三年九月末までに民間引き受けで出ました政保債は一兆六千七百億でございます。そのうち九月末までにオペレーションで買いましたものが九千五百二十五億円でございます。先ほど申しましたように、国債はそのあとから買い始めましたが八千百八十億、まあ似たり寄ったりの金額になっております。
  26. 華山親義

    華山委員 割り合いはどうなっておりますか。
  27. 沢田悌

    沢田参考人 民間引き受け政保債の一兆六千七百億円のうち五七%を買ったことになっております。
  28. 華山親義

    華山委員 私は、日銀日銀といたしまして、確実ということは、日本銀行一つの株式会社ですからそれはもう確実なことはいいことにきまっております。日銀はつぶれるわけのものでもない。私は、こい願わくは、政府保証債なり国債なりというものはできるだけ民間に持たせておくべきものじゃないか。それを安易に一年たてば日銀が買い上げるということだから金融機関のほうも引き受ける。したがって政府のほうはシンジケート団に交渉すれば引き受けますというふうなことになる。そして、その引き受ける額というものは、日銀で昨年度の公債を買って資金供給する、こういうふうなことは私は好ましいことじゃないと思う。そこに通貨インフレのもとがあるんじゃないか。通貨インフレのもとになりませんというふうなことを言っておるのは大蔵省だけですよ。これは日銀もいろいろな関係でやっているので、私どもの知ったことじゃありません。しかし、ほとんど全部の経済学者、経済評論家はこれがインフレ一つの要因であるということを言っているんだ。私は経済学者でありませんので、これ以上追及するわけにいきませんが、それが世の経済評論の常識なんですね。その点におきまして私はここで、政府日銀には関係ないと言われるんですから、日銀はひとつ国債政府保証債買いオペの対象にすることはできるだけ控え目にしてもらいたい。これらの面を国民貯蓄の代表である金融機関に持たせて、国民貯蓄の中から国債なり政府保証債を持たせる、こういう方針で私はやっていただきたいと思う。いまここで総裁でございませんあなたから御確答をお願いすることもできないと思いすけれども、どうぞひとつ総裁にはそのことを言っていたということをお伝え願いたい。  日銀の方たいへんありがとうございました。
  29. 沢田悌

    沢田参考人 ただいまの御意見のこと総裁に伝えます。
  30. 大石武一

    大石委員長 参考人にはお忙しいところわざわざおいでいただき、審査に御協力賜わりましたことを感謝いたします。ありがとうございました。  華山委員
  31. 華山親義

    華山委員 それからほかの問題に移りますが、予備費の問題につきましては、決算委員会が最もこれは重要な委員会としての職務でございます。それで承りたいのでございますけれども財政法第二十四条に予見しがたい予算の不足に充てるため内閣は予備費として相当と認められる金額を予算に計上しなければならない、こういうふうに書いてありますが、ことし千二百億を予備費として計上されました。これを相当と認められたと思うのでございますけれども、その根拠を伺いたい。
  32. 倉成正

    ○倉成説明員 御承知のように、昨年度まで予備費としての金額は七百億でございます。この予備費の、昨年、一昨年の予備費の使用の実態、また四十二年度までは御承知のように補正予算を組んでおりましたので、補正予算の際に計上した額等を勘案いたしまして、大体ことし、四十三年度の予算は補正予算を組まないというたてまえでございますので、給与改定費を含めて予備費に計上する、こういうたてまえをとりましたので、過去の実績と給与改定費、こういうものを含めて四十二年度よりも五百億だけ多い千二百億を相当と認めて計上した次第でございます。
  33. 華山親義

    華山委員 そういたしますと、七百億は既往の実績――この既往の実績も私は相当でたらめな使い方をしていると思いますけれども、一応既往の実績といたしまして、そのほかに従来補正予算で組んでおった公務員給与、米の問題はたな上げになっておりますが、公務員給与を組み入れた。そういうふうになりますと、初めから五百億程度で公務員給与というものは予備費でまかなう、こういう方針だったわけですね。そういう心組みで千二百億というものを予備費相当と認められたわけでございますか。
  34. 倉成正

    ○倉成説明員 さようではございません。過去のいろいろな予備費の項目は、災害その他予見し得ざるいろいろな項目がございます。そういう過去の実績がいろいろあるわけでございますけれども、それと給与改定費というのを合わせて千二百億ということで、千二百億の中で五百億が給与改定費というふうに仕分けをしたわけではございません。
  35. 華山親義

    華山委員 それは仕分けはしてないでしょうね、予備費ですから。またそういう予算を提出せられることはないと思いますが、相当と認められた根拠というのは何んだということを私はお尋ねしている。それに答えるのに、従来は七百億だった、ことしは給与改定とかその他の問題もあるので、それらの点も勘案して五百億円プラスしたということであるならば、給与改定は初めから五百億だったと言われたってしかたがないじゃないか。だから私は相当というのは何だということをお聞きした。
  36. 倉成正

    ○倉成説明員 御承知のように、従来の予備費の組み方と今回の予備費の組み方とでは若干違うと思うのです。過去は御承知のように補正予算を組んでおりまして、補正予算でいろいろなものを処置してきたわけでございますから、そういう意味では、ただいま華山委員のおっしゃったようにきっちりと、過去の予備費七百億が千二百億になりますから五百億が給与改定費というふうにはならないというふうに考えております。
  37. 華山親義

    華山委員 失礼だけれどもわかりませんよ、おっしゃることが。七百億というのはおととしまでの予備費なんでしょう、災害とかその他。私から言うならば、おかしなものにも使っておられるけれども。それなんだ。五百億を足さなければならない。補正予算というものを今度は組まないから五百億を足しました。それで千二百億にしました。相当と考えました。従来どういう補正を組んでいたのです。補正予算のこと等も考えまして五百億にしました。補正予算の内容は、従来はほかのものもありますけれども、米と公務員給与の問題でしょう。米には出さないという方針なんだから、残った五百億は公務員の給与ということになるじゃありませんか。どうなんです。相当というのは一体何か。千二百億が相当だという理由を私はお聞きしている。こういうことから千二百億円にいたしました。従来の災害等の関係もあって七百億がいままでの例でございます。そのほかに、補正予算を組まなくなりましたので、いままで補正予算で組んでいたものを勘案して五百億プラスしました。補正予算というものはいままで公務員給与と米――米のほうはないのだから、残った五百億というのは公務員給与、あたりまえの理論じゃないですか。だから相当というのはどこから何を考えて相当としたのか。相当というのは、公務員給与といものは五百億程度で間に合わせたい、それで千二百億と、こうしたんじゃないですか。
  38. 倉成正

    ○倉成説明員 大体ことしの予備費に相当するものとして、四十一年度では、災害につきましては予備費で二百九十四億、補正で百八十億、四百七十四億四十一年度の実績はあるわけです。四十二年度が予備費で出しました災害が四百二十二億、補正で百四十七億、こういうふうに予備費の分と補正の分とあるわけであります。これを合わせて今度は予備費で組んでおりますから、そういうわけを説明申し上げたわけでありますから、災害についてはやはり四十一、四十二年の実績を頭に置いて、その他のものについては、これは四十一年度については補正、予備費合わせまして二百八十九億、四十二年度が二百五十四億と、こういう実績があるわけであります。しかし、この細目はいろいろなものがございます。たとえば四十一年度で航空機の事故の対策であるとか、いろいろあるものでありますから、なかなかこの数字を確定することは非常にむずかしいわけであります。こういうものを合わせてさらに公務員給与というのを含めて千二百億ということを考えた、かようにお答えしておるわけであります。
  39. 華山親義

    華山委員 公務員給与を合わせて千二百億というのは、公務員給与は昨年の補正予算は五百億程度でしょう。公務員給与につきまして、先ほど交通災害とかいろんなことをおっしゃいましたが、どれくらいだというつもりで相当額の千二百億を出されたのですか。
  40. 倉成正

    ○倉成説明員 ただいまもお答え申しましたとおりに、過去の災害あるいはその他のもろもろの予見しがたい事故でありますから、これは金額は幾らかということはなかなか確定しがたいわけであります。ですから過去の状況をにらみつつ、また公務員給与について五百億ということを確定したわけじゃございませんけれども、昨年の給与の実績であるとか、あるいは今後の物価の上昇であるとか、一応頭に置きつつ千二百億全体の予備費を計上した、こういう次第でございます。
  41. 華山親義

    華山委員 そうしますと、公務員給与というものはどのくらいになるんだろうかということは頭に置いて千二百億というものをやったんだ、こういうわけでございますね。そうだったら予備費というものは何も千二百億でもなくても二千億でも何でもいい。いままでだって閣議決定を初めいたしまして、それから予算折衝に入りますね。閣議決定をするところの予算の素材といいますか、そういうときには予備費というものはでたらめに多いんですよ。ばかに多い予備費を出しておいて、そうして大蔵大臣との折衝の間に予備費をだんだん食っていったんでしょう。そして一番最後には歳入歳出総額というものは一番初めに閣議決定を経たのと同じでございます、こういうわけだ。予備費というものはいままでどういうふうに使っていたんですか。一部は財投とか、あるいはそういうほうに持ち込みましたけれども、そういうことで予備費というものをおもちゃに使っていたんですね。それで、先ほど言いましたとおっしゃったとおり、途中で予備費の補正なんかやっているんだ。あるまじきことだと私は思うんですよ。それが多少足りないということではない。五百億未満の予備費を計上しておいて、そして二百億も足してみたりそういうことをやっておる。決算委員会といたしましてこの予備費というものを見ておりますと非常にふんまんにたえない。それですから、ここに相当と書いてあるんだから、相当という以上は何かの根拠があるだろう。もちろん予見しがたいことでございますから、ここにはこれで、これにはこれということではないでしょうけれども、私は考えると何らかの憶測があったと思う。過去の経験をもとにするよりしかたがないということであれば、七百億、それから昨年の補正予算で公務員給与については五百億、これは補正予算なんですから足して千二百億、そういうふうでございまして、これが相当と認めましたというのが、これは私の想像でなくてそうなんじゃないのですか。ただ五百億というものは初めからきめていたのではありませんとおっしゃるのですが、話を変えて伺いますが、それだったならば、千二百億というところの予備費で人事院勧告が完全実施ができるというお見込みだったんですか。
  42. 倉成正

    ○倉成説明員 人事院勧告については、御承知のとおりどういう勧告が出るか、これは全然年度当初において予測できないわけでありますから、その点は御質問が無理ではなかろうかと思います。
  43. 華山親義

    華山委員 質問が無理なんであって、できたかもしれないし、できないかもしれない。できない場合はどうするつもりだった。
  44. 倉成正

    ○倉成説明員 当初われわれが補正予算を組まない総合予算主義をとったたてまえというものは、華山委員御承知のとおり日本経済が非常に高度成長を続けていく上において自然増収というものが出てくる、したがって年度途中において補正予算を組んでいくというのが通例になっておったわけであります。それは財源があったからそういうことになったと思います。しかし考えてみると、公務員給与にいたしましても米価の問題にいたしましても、国全体の財政のたてまえからまいりますと、やはり他のそれぞれの施策と均衡を保つ――優先順位をそれそれ勘案してそれそれ均衡を保っていくということが必要ではなかろうか、米価だけ特別なものになる、あるいは公務員給与だけ特別なものになるということは適当でない、やはり全体の施策の中で考えていくべきだ、さようにわれわれは考えまして総合予算主義、補正を組まない制度ということをことし考えたわけであります。そのたてまえから考えまして千二百億の予備費が妥当であるというふうに考えた次第でございます。
  45. 華山親義

    華山委員 くどいようですけれども、その理論には私は承服しかねますね。それだったら、財政の都合で公務員の給与をきめるというなら、初めから人事院なんて要らないでしょう。私のほうではこれだけの財政余裕がありますから人事院はこの財源の中で給与改定をひとつきめてくださいと言ったらいいじゃないですか。そういうふうなことになるのじゃないですか。ここで私理論は言いませんけれども、人事院というのは、公務員の団体交渉権なりストライキ権なりというものを剥奪しておる、憲法に与えられた権利をとっておるわけですよ、それだから人事院というものを政府から独立した機関に置いておるわけでしょう。そうだったならば、政府はこれは尊重しますということを言っておるのですから、尊重するについてはそうおっしゃるでしょうけれども、しかしいまのようなことでおっしゃるならば財政が優先するのだから、公務員の給与だって財政のワク内できめられるということであれば、人事院なんというものは要らないのじゃないですか。もう初めから、これだけでひとつ人事院のほうはしかるべく給与改定をやっていただきたい、こういうことになるのじゃないですか、極端なことを言うと。
  46. 倉成正

    ○倉成説明員 私の説明が不十分で華山委員たいへんな誤解を生んでおると思いますが、さようなことは全然考えておりません。世界各国のいずれの国をとりましても、財政当局の意向を無視してただ人事院勧告というのがなされるということは私はないと思います。それは御承知のとおりです。したがって人事院勧告は最大限に尊重いたしますけれども、やはり財政ということも一方において考えていくということがこれは当然のことではなかろうかと思っておる次第であります。したがって、そのかね合いの問題で議論が起こることは確かにおっしゃる点があろうかと思いますけれども財政を全然考慮しないでいくということはいかがかと思っております。
  47. 華山親義

    華山委員 それは原則論としてたいへんなことをお聞きした。私は、いままで内閣委員会に属しておりまして、国家公務員の問題につきましては常に深い関心を持ってタッチしてまいりましたけれども、いまのようなお答えは初めてですね。ことしは金がないのだから補正予算が組めません、これはわかりますよ。公債発行は一応公共事業にきめられているのだから、これはわかりますけれども、金があってもなんでも財政が優先するのであって、そして国家公務員もそのワク内できめられなければいけないなんというお答えはいままでどなたも言っていない。そうしますと、来年からは完全実施をいたしたいということを関係閣僚会議でいわれておるのですが、あれはどうなるのですか。やはり財政の範囲内にと、こういうことですか。
  48. 倉成正

    ○倉成説明員 私が説明したことを非常に誤解しておられますが、ことしは補正を組まない、予備費を千二百億組む、この予備費で公務員給与をまかなう、こういうたてまえをとっておりますから、やはり人事院勧告と財政との接点が出てくることは当然であるということを申し上げておるわけでありますから、別にふしぎなことを申し上げておるわけではございません。ただ、この人事院勧告の際に問題になりましたのは、御承知のように、年度途中で出てくるわけでありますから、たとえば人事院勧告では五月実施といっておりますけれども、五月が妥当なのかあるいは年度当初の四月からが妥当なのかといろいろな議論もあろうかと思うわけです。したがって、人事院勧告のあり方を、もう少し当初予算を組むときにこれがはっきりすれば一番予算として組みやすいということになるので、その辺のところを何かくふうがなかろうかということを関係閣僚会議で御検討いただいたわけでございますから、何らか前向きのいい結論を出していただいて、当初予算を組むときに、人事院勧告と申しますか人事院の御意向というのがわかれば、予算としても非常に組みやすいし、その御意思を尊重するについてもやりやすいということは言えると思うわけでございます。その方面で努力をしておる状態でございます。
  49. 華山親義

    華山委員 次官のおっしゃったことが、財政関係なしに国家公務員の給与なんかきめるのは日本だけだなんという話もありましたから、私は、原則論を言っているのだろうと思って申し上げたわけなんです。財政関係なしにもやれないでしょうけれども、やはり国家公務員というものはとにかく民間給与と均衡を保った給与ということなんで、人事院はまるで無視したようなものの考え方をしているのじゃないと私は思うのですよ。それで、大蔵省はいまだれも出ていないのですか。主計局の次長でも出ていらっしゃいますか。
  50. 大石武一

    大石委員長 主計局の相原給与課長が出ております。
  51. 華山親義

    華山委員 予算の立て方だから主計局の次長に出てもらいたいな。  話を変えますけれども、これはここの所属じゃございませんので、私は、また内閣委員会等において、私の同僚なり私から、さらにいま次官のお話も聞きましたからお聞きいたしたいと思っていますが、財政法第二十九条に補正予算のことが書いてありまして、「法律上又は契約上国の義務に属する経費の不足」これにつきまして補正予算を組むということになっておりますが、この十二月ですか、おそらく公務員の給与改定の法律ができると思うのですが、これは二十九条に該当しませんか。法律上国の義務に属する経費の不足じゃありませんか。
  52. 小幡琢也

    ○小幡説明員 お答え申し上げます。  財政法二十九条で規定いたしております補正予算のことでございますが、これは御承知のように、「法律上又は契約上国の義務に属する経費の不足を補うほか、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出又は債務の負担を行なうため必要な予算の追加を行なう場合」に補正予算を作成して「国会に提出することができる。」と規定してございますが、これはあくまでも政府に対してそういう補正予算を提出する権限を与えておるわけでございまして、「できる」でございまして、今回の人事院勧告に基づく給与改定のように予備費で措置するような場合には、予備費で措置できますので、補正予算をあえて提出する必要はない、こういうように解釈しております。
  53. 華山親義

    華山委員 それで、カッコ内に「当該年度において国庫内の移換えにとどまるものを含む。」と書いてありますが、このカッコ内の意味がよくわかりませんが、どういうことですか。
  54. 小幡琢也

    ○小幡説明員 カッコ内に書いてございますのは、たとえば会計間の繰り入れのように、外部に対して国の債務負担に基づいて支出するのでない場合、単に国の内部の経費の整理というような場合も、現在の予算制度におきましては歳出という取り扱いをいたしておりますので、それを明らかにする意味で念のためカッコ書きで規定した次第でございます。
  55. 華山親義

    華山委員 おっしゃったことがよくわからなかったのですけれども、具体的にお聞きいたしますが、予備費が余った、予備費というものを削ってこれをほかのものにつけ加える、こういうものはこのカッコ内に入りませんか。
  56. 小幡琢也

    ○小幡説明員 先生のおっしゃる意味がよくわかりませんが、予備費を削ってつけ加える、そういう場合は補正予算で予備費の削減をするほかないわけでございまして、そういう場合に、そのカッコ内といいますのは、これは国の歳出でございますから、予備費の計上を削りましてほかの歳出の項の金額をふやす、そういうことはまだ予算の編成段階の問題でございまして、歳出ではございません。
  57. 華山親義

    華山委員 カッコ内に入らない。
  58. 小幡琢也

    ○小幡説明員 はい。
  59. 華山親義

    華山委員 いままでいろいろな場合がございました。法律を改正いたしましたり、新しく法律をつくったりいたしまして、これに要する経費を予備費でまかなったということはあります。ありますけれども、その額はきわめて少ないのです。また、たとえば炭鉱の爆発であるとか、あるいはその際に新しい法律をつくらなければいけなかったとか、あるいは災害の場合とか、あるいはどうしても緊急に新しい役所をつくらなければいけないとか、そういうふうな場合に、少額のものについて予備費でまかなったという前例、これはあります。ありますけれども、今度の公務員給与の改定には六百億くらい要るのでしょう。六百一億とかいうことですね。予備費の大半をこれに使うということでございまして、法律の改正だけで予算をつけてこない、そういうふうなことは、私は、憲法のたてまえからいっても許されぬ、性質上おかしいと思うのです。予算の裏づけのない、これに見合う予算のない法律の改正案は、私はちょっと考えられないですね。御承知のように私から言うまでもないので、予備費というものは予算ではないのですから、そういうようなことは私は政治上おかしいと思うのです。もしもこういうことが許されるならば、将来にはこういうことが起きるかもしらぬ――政府のほうがよくわかっているわけです。そういたしますと、その分だけは予備費の中にみな入れちゃって予備費をふくらましておく、そしてその段階になって法律の改正なりあるいは条約なりを出しまして、予備費から出します。それですから、予算審議の段階においてそういうことについて審議ができないわけです。私は、そこに予備費が非常に貴重なものであるとともに政府に対しては便法を与えるものだと思うので、予備費の使い方は厳格でなければいけないと思う。このような例が広がるならば、予備費の半額は法律の改正を出してそれに使ってしまう、そして出されるところの改正案には予算はついていない、したがって委員会の組織からいうならば、予算委員会にはさっぱり何もない。そういうふうなことは私は憲法上のたてまえから見ても財政民主主義のたてまえから見ても、与党の方といえども同じだと思うのですけれども、国会がたな上げされるのじゃないか。そして先ほど言ったとおり、国家公務員についての経費は初めから幾らだなどということは考えておりません、こういうことでしょう。これじゃ何ともならぬじゃないですか。いままでですと、補正予算を組めば、たとえば七月実施あるいは八月実施といいましても、もっと歳入があるんじゃないか、もっとこのために財源があって予算が組めるのじゃないかというふうなことで、予算の審議の段階においてできるわけですね。ところが今度は予算を出さないのですから、どこだって審議のしようがない。政府の意のままです。これは財政民主主義に反しませんか。国会の権限からおかしくないですか。
  60. 倉成正

    ○倉成説明員 昭和四十三年度の予算を組みます際に、公務員給与の改定に備えて予備費の充実をはかっていきたいという方針のもとに、国会の御承認を経て昭和四十三年度予算が成立したことは御承知のとおりでございます。  なお、国会の審議権との問題でございますけれども、一応人事院勧告に基づく給与改定というのは、やはり予算編成期には予見しがたいものであるわけでございますから、このために予備費を使用することは決して違法ではない、可能であると思うわけであります。  なお、特に給与改定の内容について、国会の審議権の問題だと思いますけれども、これは御承知のように給与法の改正の形で国会の御審議をお願いするということでございますから、給与法改定自体は法律に基づいて支出すべき義務費でございますから、先ほど給与課長がお話しいたしましたように、補正予算で措置しないで、予備費で措置するということは問題ないと考えておるわけであります。
  61. 華山親義

    華山委員 政務次官、あなたの言うのは官僚の言うことと同じですね。私は政治家だと思って言うわけですよ。とにかく六百億を要する措置なんですね。それだったならば、この六百億というものはあるいはもっと減らせるのかもしれない、あるいはもっとふやすべきなのかもしれない、そういうふうなことを何ら審議できないじゃないですか。どこで審議するのです、この審議は。国会の常任委員会におきまして、どこの委員会が審議するのです。
  62. 倉成正

    ○倉成説明員 予算の問題は昭和四十三年度の予算審議の際の課題であろうかと思います。給与法の内容は給与法の改定の審議の際の議論ではなかろうかと思うわけです。
  63. 華山親義

    華山委員 予備費の中から公務員に出すということは、どこかに書いてありますか。あなたはそんなことはないと言ったじゃないですか。そんなことは予算総則か何かに書いてあるのですか。審議の過程は提出された予算でしょう。私はこういうことを言いましたから予算の審議は済んでおるんですということは言えないはずですよ。それはどこかに書いてあるのですか。国会を拘束するようなことが予算総則内のどこかにあるのですか。
  64. 倉成正

    ○倉成説明員 いろいろな項目には書いてございません。ただ千二百億の予備費を御審議いただいて御承認をいただいた。この予備費は予見しがたい事項に備えておるわけでございます。その中に公務員給与改定が入っておる、かような考え方でございます。
  65. 華山親義

    華山委員 さっき言われたとおり、その中に公務員給与が入っているということは、大蔵省の見積もりなんでしょう。腹なんでしょう。何も国会はそれに拘束される必要はないじゃないですか。どうなんですか。
  66. 倉成正

    ○倉成説明員 国会がその中身について拘束される必要はないと思います。国会が予備費のその中身について拘束されることはないと思います。
  67. 華山親義

    華山委員 あなたはいま国会において国家公務員の給与のことは、内容については審議されるということを言われた。これがいままでよりも繰り上げてやるべきだというふうな法律案の改正が行なわれた場合には、どこから金を出すのですか。
  68. 倉成正

    ○倉成説明員 ちょっと御質問意味がはっきりしませんが、もう一度……。
  69. 華山親義

    華山委員 いま八月実施ということになっておるでしょう。おそらく、私は知りませんけれども、法律案の改正を出すと思うのです。そして八月一日より施行すると出てくると思うのです。あなたは審議は自由だとおっしゃるんだから、それをたとえば六月一日というふうに改正なすった場合には、足りない経費はどこからお出しになるつもりかということをお聞きしておる。
  70. 倉成正

    ○倉成説明員 もしかりにさような事態が起これば、一つには予備費というのが第一に出てくると思います。それから次はやはり予算のいろいろなやり繰りと申しますか、流用したり節約したりいろいろする問題があれば、それによるんじゃなかろうかと思います。
  71. 華山親義

    華山委員 そうしますと、予備費にまだ余裕があるんですね。聞いておかなければいけない。これから内閣で審議しますから、予備費にも余裕があるし、各官庁からも節約する余地があるんですね。そういう見込みでおっしゃっているんですか。
  72. 倉成正

    ○倉成説明員 ただいまのは形式論を申し上げただけでありますので、実質的にはわれわれは予備費の中で八月実施が最大限であるというふうに考えて関係閣僚の意見の一致を見たわけでございます。予備費では余裕がないというふうに思っております。
  73. 華山親義

    華山委員 そういたしますと、そういう予算で、もうおまえのほうはやはり八月一日からやるより方法はないんだということですね。それじゃあなたの言われるようなことを言うならば、審議するあれも何もないじゃないですか。政府の意のままということでしょう。  それから伺いますけれども、予備費というものは、いま余裕のあるようなことをおっしゃいましたけれども、これからどういうふうになるのです。政府が院において七月実施というふうに直せば、予備費から出しますことも考えますといっているが、予備費の今後の見込み、いままでの使い方を教えていただきたい。
  74. 倉成正

    ○倉成説明員 事務当局からお答えさせますけれども、先ほどから申しましたのは、公務員給与を繰り上げて実施する場合、予備費から出しますというふうには申し上げておりません。たてまえを申し上げておるわけでありますので、その点はあとで補足説明いたしましたとおり、現在の段階では予備費で出し得るものは八月実施だというのが政府の姿勢でございますから、その点は御了承いただきたい、こう思います。形式論を申し上げただけでございます。     〔華山委員「実質のない形式なんて聞いたってしようがない」と呼ぶ〕
  75. 大石武一

    大石委員長 華山君、御希望の主計局次長なり何なりがまだ見えておりませんから、出席したときに質問を継続いたしますか、どうしますか。それでいいですな。
  76. 千葉洋三

    ○千葉説明員 現在の予備費の使用額でございますが、千二百億の予算に対して使ったのが二百九億二千六百万となっております。残りが九百九十億七千四百万でございます。
  77. 華山親義

    華山委員 すでに使うことにきまったのは幾らになりますか。
  78. 千葉洋三

    ○千葉説明員 先生、きまっているというのは……。閣議決定のものを申し上げておるのですか。
  79. 華山親義

    華山委員 これからの見込みはどうですか。
  80. 千葉洋三

    ○千葉説明員 憶測でございますけれども、災害関係で四百六十億、それからその他で大体二百五十億程度ということになっております。これは先ほど政務次官からおっしゃいました、過去の実績等から見て大体この程度ではないかという一応の推定でございます。
  81. 華山親義

    華山委員 これから災害はもうないですね。災害があったってことしの予備費はもう使えませんよ。応急的なことだけであって、今年度内に工事ができるなんということはそうないのですから。冬にもなりますし、ことしは災害もわりあいに少なかったと思うのですよ。これからの災害というのは雪の害があるかもしれませんけれども、その復旧工事等は来年度予算でまかなわれる。ことしはもうあまりない。大災害でもあれば格別ですけれども、大災害のときにはこんな予備費では間に合わない。そういうふうなことだと思うのです。  それから、特別なことで、何か予備費を出すようなことでいま懸案になっていることがありましたら承っておきたい。
  82. 千葉洋三

    ○千葉説明員 特別というものはございませんけれども、先ほど政務次官から申し上げましたような過去の事務的な経費、たとえば預託金の受け入れ利子不足とか、退官退職手当の不足とか、こういうものは毎年経常的に必要になっております。
  83. 華山親義

    華山委員 それからいろいろなことを精算しますね。それを予備費で精算してみましたり、次年度予算で精算してみたり、いろいろなことをやりますが、あれは原則はどうなんでしょうか。たとえば生活保護者につきまして今度上げるそうですね。そうしますと、ふえますね。これは一体何でまかなうのですか。地方で出しますわね。そうすると、それを精算しなければならない。
  84. 千葉洋三

    ○千葉説明員 まだ具体的に各省から要求が出てきておりませんが、出てまいりますと検討いたす必要が出てまいるわけであります。
  85. 華山親義

    華山委員 私は原則論を聞いておるわけです。ことしそういうふうにして出てきたところのものを精算しなければいけない段階で、そういうふうなものにつきましては、あるいは予備費でやってみたり、あるいは次の年の予算でやってみたりするけれども、その原則は一体何なのかということ、どういうところに原則を置いてその年の予備費でやるのか、あるいは次の年の一般予算でやるかということを聞いているのです。
  86. 千葉洋三

    ○千葉説明員 従来の例で申しますと、補正予算の機会がございましたら、補正予算で処置しておりましたし、補正予算のチャンスがない場合には予備費等で処置しておる。先ほど給与課長が申しました流用の問題等で処理してきたということだろうと思います。
  87. 華山親義

    華山委員 そうすると、ことしはそういうものもないから、補正予算を組まないから全部予備費で精算するのですか。
  88. 千葉洋三

    ○千葉説明員 先ほど申し上げましたように、具体的にまだ各省から要求がきておりませんものですから、要求を聴取した段階で実行なりあるいは予備費で措置するなりで処理しなければならぬと思っております。
  89. 華山親義

    華山委員 無原則なんだ。予備費があれば予備費でやるし、予備費がなければ来年度の予算へ組み入れて来年度の予算でやる、こういうことですね。そうですが。
  90. 千葉洋三

    ○千葉説明員 先ほど申し上げましたように、補正の機会がございましたら補正予算に計上申し上げるということにいたしまして、その他補正の機会がございません場合には、予備費なりあるいは流用等の処置によってまかなうということにいたしております。
  91. 華山親義

    華山委員 千二百億の予算は、補正予算を組まないということになっているわけですか。千二百億相当と認めるときにはそういうふうな額も入れておられますか。
  92. 千葉洋三

    ○千葉説明員 先ほど政務次官から申し上げましたもろもろの過去の実績等の中には、一部そういう精算的なものも中に入っておりました。
  93. 華山親義

    華山委員 義務教育の教員の半額国庫負担、これはどうやってやっておりますか。補正予算でまかなっておるのか、来年度予算で整理しておるのか、どうなんです。
  94. 千葉洋三

    ○千葉説明員 先ほど申し上げましたような過去の予備費の支出の中には、義務教育費の不足額の精算分は入っておりました。
  95. 華山親義

    華山委員 入っておりますか。
  96. 千葉洋三

    ○千葉説明員 過去にはございました。
  97. 華山親義

    華山委員 最近どうなんですか。
  98. 千葉洋三

    ○千葉説明員 数字をいま持ち合わせておりませんので……、調べまして。
  99. 大石武一

    大石委員長 華山君、ちょっといま大蔵省資料不足のようですから、時間を与えて、後刻資料を準備させて、その間、田中君に質問していただきたいと思いますが、どうでしょうか。
  100. 華山親義

    華山委員 それでは結論だけ……。  私は、あした質問することになっておりませんので、どなたかから質問していただくことになっておると思いますけれども、私は、いかに譲歩をして考えてみましても、六百億という予備費を使うことであるから、この問題はやはり国会の予算委員会等においで十分審議さるべきだと思うのですよ、決算委員会にもものの考え方がありますけれども。したがって、事案としまして私は決していまの国会のやり方、いまの政府のやり方をあれするわけではございません。もう譲りに譲って、それ以上政府は考えがないのだといたしましても、とにかく予算を修正して出していただきたい。予備費の六百億なら六百億を削って、そしてそれを各省の給与の面にばらまいて増額した、そういうふうな修正した予算案、こういうものを出さなければ私は国会の審議なんというものはおかしくなると思うのですね。その点は、あした私、御質問する機会もないと思いますので、大臣が出られた場合、どなたからか質問されると思いますけれども、そのことだけひとつ申し上げておきます。これは政治家なんですから、そんなものを事務当局にまかせておいてはだめなんですよ。私もかつては理屈を言うことだけ知っていた事務当局だったのですけれども、政治のことというのはよく了解されない、理由さえつけばそれでいいのだということが往々にしてある弊害なんだから、次官、よく考えておいてください。大臣におっしゃってください。
  101. 大石武一

    大石委員長 田中武夫君。
  102. 田中武夫

    ○田中(武)委員 きょう私は決算の面から国有財産の管理、払い下げ等について若干お伺いいたしたいと思います。  まず最初に、基本的な問題をお伺いするわけなんですが、国有財産の払い下げ、これは売買とかあるいは交換、こういう行為があります。こういうのはいわゆる私法上の契約であるのか、行成上の行為なのか、これが一点。  もう一つは、払い下げの価額、評価額ですね、どういうようにしてきめるのか、その基礎、それは公表するのかしないのか、こういう計算の基礎は公表しているのかしていないのか。まず、この二点をお伺いいたします。ただし、時間もだいぶん食い込んでおるようですから、むだな答弁でなく、的確な、簡単な答弁をお願いいたします。
  103. 谷川寛三

    ○谷川説明員 ただいまの第一点でございますが、私は私法上の行為だと思っております。国有財産法とか会計法とか、こういった国法上の適用を受けますもので、よく行政行為と混同されがちでございますけれども、私は一般の私人が結びます私法上の行為である。したがいまして、いろいろ民法の適用とか、そういうものも受けるものである、こういうふうに考えるわけでございます。  それから第二点の評価でございますが、これはただいまのなにを申しますと、先生御案内のとおり、売り払い、貸し付け等につきましては、財政法の九条に適正な対価でやるべきだという規定だけがございまして、その他の評価についての規定はございません。したがいまして、大蔵省で評価基準をきめまして、ただいまのは三十四年度からやっておる次第でございます。これは大事なことでございますので、国有財産中央審議会の御審議を待ちまして決定しております。これの公開、非公開の問題でございますが、私どもは、部内のいろいろな手続をきめたものが大部分でございますので、公開はいたしておりませんけれども、やはり売り払いの場合にいろいろ質問等がございますと、おのずからどういう基準でやったんだということも説明しませんと、御納得いただけないものでございますから、基準自体は公開申し上げておりませんけれども、契約の交渉の過程におきまして計算の根拠等を説明はいたしております。こういう次第でございます。
  104. 田中武夫

    ○田中(武)委員 行政行為とは答えなかったですね。これははっきりしていますか。
  105. 谷川寛三

    ○谷川説明員 実はにわか勉強で、いろいろの学説も勉強してみたのでございますが、やはり私は通説のとおり、私法上の契約だと思っております。
  106. 田中武夫

    ○田中(武)委員 そういたしますと、たとえば払い下げ行為、これは民法五百五十五条の売買の規定が適用せられるのです。しかし双務契約ではあるけれども、一方的な意思表示によってきまる一方的契約ですね。その点はどうです。
  107. 谷川寛三

    ○谷川説明員 どうもむずかしいことはよくわかりませんですけれども、大事な国民のお宝を信託を受けているわけでございますので、いろいろただいまお話がございましたように、書式等も、たとえば払い下げ申請書というものもきめておりますし、いろいろな手続もきめております。それから一般にはっきりわかることが、公明であることが必要ではないか。それから事務手続を統一いたしまして、末端で処理をいたします場合に、いろいろ画一的に事務処理を促進するという見地からもいろいろな手続をきめております。そういうことはいたしておりますが、基本的にはやはり国民の財産を処分するのでございますし、お話し合いということを、一般の私人間の売り払いの場合と同様にはやれない状態にあるのではないかと思っております。
  108. 田中武夫

    ○田中(武)委員 この価額の算出の基礎を、ある程度話し合いの中で納得するようにはするが、その基礎を公表しないということは、私法上の契約として見た場合どうなんですか。おかしくはないですか。
  109. 谷川寛三

    ○谷川説明員 私は特におかしくはないと思っております。ただベターでありますことは、こういうものがございますと、これを御公表申し上げまして、お買いになる方もお知りいただいたほうがいいかとも思いますが、非常に内部の規制が主になったものもございますので、ただいま申し上げましたように公開はしておりませんが、将来の問題といたしましてはもっと整備をいたしまして、実は私ども見ましてもなかなか専門的でわかりにくい点もございますので、もっと一般にもわかるようなものにしまして、いまお話のありましたように、公開をして、お買いになるほうも勉強していただくのがいいのじゃないかと私は思っております。
  110. 田中武夫

    ○田中(武)委員 たとえば鉄道との運送契約ですね。これは私法上である。一方的である。しかし、運送契約の内容についてはあらかじめ知らされるようになっていますね。ところがこの場合は私法上の――実は行政行為だと来る思ったのですが、私法上の行為だということであるならば、その算出の基礎は公表すべきだ。これは通達等のかっこうをとっておるのでしょう。ところが、ここに国有財産関係法令集を持っているのですが、これにはそれは出ていないのです。したがって官報にも発表しないのでしょう。通達はどうなんです。
  111. 谷川寛三

    ○谷川説明員 発表しておりません。内部を規制するものと一応考えておるわけでございますが、先ほどお話し申し上げましたように、将来の問題といたしましては、もっと整備をいたしまして、自信がないといった点もございますので、もっと整備をいたしまして、公開をしますことがベターであろうというふうに私は考えております。
  112. 田中武夫

    ○田中(武)委員 私は二つに分けてもいいんではないかと思うのです。内部だけの問題と、いわゆるこれは事務内規ですね、これは知らしめる必要はないと思うのです。しかし払い下げ、交換等に対する要件の基礎、こういうものは公開せしむるほうが、あなたもよりベターだと言っておるが、必要だと思うのです。その点は、では確認しておきましょう。今後そのような整理をして、内部的な事務規定は別として、私法上の契約であるとするならば、対価支払いに対する要件といいますか条件、こういうものは一般に知らしめる必要が、少なくとも基礎は知らしめる必要があると思うのです。それを公示をする、約束できますか。
  113. 谷川寛三

    ○谷川説明員 将来の問題といたしまして検討さしていただきたいと思いますが、私個人といたしましては、先ほど申しましたように、うんと権威のあるものをもっと考えまして、皆さんにお知りいただく。何もこれは秘密にする必要はないと思います。お話がありましたように、内部訓令のようなものとか分けまして、公開をすることを研究さしていただきたいと思っております。
  114. 田中武夫

    ○田中(武)委員 これは大蔵省全体として私法上の契約であるということははっりしておるのですか。
  115. 谷川寛三

    ○谷川説明員 大蔵省の中で、たとえば官房等と議論したことはございませんが、学説でももうそういうふうに各説がございますし、私どもの見解が大蔵省の中では権威があるんではないかと、私自信を持っております。
  116. 田中武夫

    ○田中(武)委員 それでは、大蔵省の見解は私法上の契約である、こういうふうにとって、あとの質問を続けます。  そこで、具体的に払い下げの申請書を出しますね。そして審議会にかける等々の手続が要るわけですが、大体現実に払い下げ行為が完成するまでには一体どのくらいの期間かかりますか。これはものによって長くかかるのもあろうが、特別なものを除いて大体どの程度ですか。
  117. 谷川寛三

    ○谷川説明員 実は私、最近かわりましたときに調べたもので申し上げることを御了解いただきたいのでございますが、どれだけ時間がかかっているかということでございますが、四十年度以降三年間に国有財産地方審議会で御討議願いましたものが三百七十五件ございます。そのうち三百二十一件が終わっております。残りの五十四件がまだ未契約になっておるわけでございます。もっとも、そのうち四件は決定後申請取り下げとなっておりますので、五十件が未契約になっております。平均どれくらいかというのは実はわかりませんが、いま申しました数字で御了解いただきたいと思います。
  118. 田中武夫

    ○田中(武)委員 それでは、もっと角度を変えて伺いますが、国有財産地方審議会で払い下げを決定してから、いわゆる契約の具体的に締結せられる間はどれくらいですか。と申しますのは、時間の関係で申し上げましょう。六カ月以上もかかっておる事例がたくさんあるわけですね。そうすると、六カ月ないし九カ月で国有財産の評価がえをするというようなことになっておるのじゃないですか。     〔委員長退席、鍛冶委員長代理着席〕 そうした場合に、審議会の払い下げ決定価額でいくのか、あるいは一年もたてば、その時点における評価額でいくのか、いわゆる評価額の修正したのでいくのかどうか、その点はどうです。
  119. 谷川寛三

    ○谷川説明員 地方審議会で御議論いただく場合にいろいろなやり方がございまして、ある地方審議会におきましては、価格まで決定ということはたいへんなことであるから、価格は案件がきまってからあとで当局と申請者とで交渉してもらいたいというところもございます。それから実際に価格を概算で付議する地方審議会もございますので状況が違いますが、一般の取り扱いといたしましては、一たん評価をいたしまして、やはりお互いに手続がございますので、地方局長の決裁も要りますから、四カ月くらいまではその評価でいこう。それから本省に重要な案件につきましては承認を求めてくる場合がございます。そのものにつきましては往復の期間もありますので、最初きまった評価をしましてから、半年くらいはそのままの評価額でいこうという規定がございます。いま先生がお話しになったのはそのことだと思います。それからまた交換をいたします場合お互いに二重になりますので、八カ月は同じ評価額を維持しようということがございます。ですから、さっきいろいろ申し上げましたが、大体はその期間でやろうというようには努力をしておりますが、いろいろむずかしい問題がありまして、さっき申しましたように三年間にたまっておるものが五十件くらいございますが、これについては、やはりものによりましては新たに審議会にかけ直さなければいかぬものもございましょうし、評価だけをあらためてやり直すということで契約を結ぶ場合も出てまいるということになっております。
  120. 田中武夫

    ○田中(武)委員 私が伺うのは、審議会で払い下げを決定した、それから何カ月かたって、いわゆる交換ないし売買契約が成立した。そうしてあと効力の、私法上の行為だというならばその契約締結のとき、法律効果が出るのはそうでしょう、そうするとその間に価格の評価がえがあれば、修正があれば、その契約当時の時点において価額はきまる、こうだろうと言ったが、そうなのかどうか。
  121. 谷川寛三

    ○谷川説明員 先ほど申しました、たとえば審議会に付議しましたときに評価額も出ておったという場合で申しますと、本省に上げるような大きな事案でございますと、契約締結までの半年間以内でございましたら、もとの……。
  122. 田中武夫

    ○田中(武)委員 それ以上たった場合だ。
  123. 谷川寛三

    ○谷川説明員 たったら、やはりやり直す。そうしてまたお話し合いをし直すというのが原則でございます。
  124. 田中武夫

    ○田中(武)委員 やり直すというのは審議会にかけ直すという意味なんですか。価格だけを交渉し直すという意味なんですか。
  125. 谷川寛三

    ○谷川説明員 これはちょっと先ほども申し上げましたように、価格だけをかけ直すということで御了承を得ております。
  126. 田中武夫

    ○田中(武)委員 それでは、いま交換の一つの例ですがね、かつて中央競馬会が三井系の物産ビルディング株式会社と土地の交換契約を三十九年三月二十一日にしましたね。その後、相手方すなわち物産ビルのほうから、土地は要らない、現金がほしいんだ、そういうことで言ってまいりまして、四十一年四月二十三日に大蔵大臣の認可を得て現金で支払った。その場合、三十九年から四十一年までですから二年たっているわけですね。第一回交換契約のときの価格、これは土地を言うと五万四千六百四十三坪、価格が一億八百三万ということになっているのですね。二年たったそのときのいわゆる現金で払ったのが、三十九年三月二十一日当時の一億八百万円を払っているわけですね。二年たっている。こういうのはどう説明しますか。
  127. 谷川寛三

    ○谷川説明員 基本的なところから申し上げますが、中央競馬会につきましたは、実は運営等につきましては主務大臣の農林大臣の認可が要りますけれども大蔵大臣に対しましては法律上は何らの規定もございません。
  128. 田中武夫

    ○田中(武)委員 ぼくが大蔵大臣の認可と言ったのは間違っておりました。農林大臣です。
  129. 谷川寛三

    ○谷川説明員 うちのほうのことじゃございませんし、御意見を申し上げますことが……。確かに、覚え書きに基づきまして、大蔵省にも意見はどうかというくらいはございましたけれども、うちのほうで審議会にかけてきめるとかいうものでもございませんし、ちょっと特別な事情があっただろうと推察しておりますが、いま適当か不適当かを申し上げることが……。
  130. 田中武夫

    ○田中(武)委員 先ほどの主務大臣は大蔵大臣と言ったのは農林大臣に訂正します。  これは農林省の関係ですから、農林省に来てもらわなくちゃわからぬと思うのだが、しかし、こういうことに対する原則、基準というものはあなたのほうでつくるのでしょう。
  131. 谷川寛三

    ○谷川説明員 ただいま申しましたように、それは全く政府で出資しておる法人ではございますけれども、われわれの国有財産の払い下げの基準は国有財産だけに限っておりますので、そういう基準はございません。
  132. 田中武夫

    ○田中(武)委員 各省庁思い思いにやるということはちょっと問題があるんじゃないですか。そういうような場合、少なくとも二年もたてば、この激しい変動の社会においては、これはあらためて、あなたが先ほど答弁したように、審議会なり、あるいは交渉し直す、こういうことが必要だと思うのです。農林省を呼ばなかったので、そのころの実態を知らないのですが、これなんかおかしいんじゃないか、こういう感じを私は受けているわけです。  それでは、大蔵省関係のあるやつで一つお伺いいたします。  財団法人大蔵財務協会というのがありますね。この財務協会との間に長期にわたって随意契約によって土地を貸しておりますね。しかしながら、予決令九十九条で、随意契約の制限といいますか、これを越えた場合いけないというそういうのがありますね。そこで、これの随意契約を最初は一年ごとに更新し、そしてその後は三年ごとあたりに更新しておるわけですが、この予決令九十九条に基づくところの長期のそういう契約の基礎がどこにあるのかということが一点。さらにもう一つは、このように随意契約で長期にわたって国有財産を賃貸ししたという事例がほかにあるのかどうかお伺いいたします。
  133. 谷川寛三

    ○谷川説明員 ただいまの大蔵財務協会に対する随意契約による貸し付けの根拠でございますが、御指摘のありました予決令九十九条の二十二号に「特別の縁故がある者」というのがございますね。その規定を適用しております。と申しますのは、大蔵財務協会は最初大蔵省の別館を、これは行政財産でございましたが、使用許可を受けまして使っておりましたところ、その別館に大蔵省の地方部局等を入れる必要があるということになりまして、そこを出ていただくことになりました。それに伴いましてただいま貸し付けしておりますところの国有建物を行政財産の使用許可によりまして長く使用させておったものでございますから、今度それが行政財産から普通財産に切りかえられましたけれども、一応そこを貸しておるものでございますから、いまの九十九条二十二号を適用いたしまして継続使用を認めている次第でございます。  それから第二点の、ほかにそういう例があるかという点については私もあまり承知はしておりませんですから……。
  134. 田中武夫

    ○田中(武)委員 まさに財団法人大蔵財務協会は大蔵省と特別の縁故があるものです。しかし他にこれほど長期にわたって随意契約で賃貸しをしておるという例はありません。したがって大蔵省と特別の縁故があるだけにおかしいではないか、こういうことになるのは理の当然です。さらに先ほどの御答弁にあったように、最初は行政財産の中にあったわけです。そうでしょう。それが問題になったのじゃないのですか。それで普通財産のほうへいった。そういうことであるが、三十一年から今日まで十幾年にわたって随意契約で――その間もちろん地代といいますか、建物の使用料、いわゆる賃貸し料は訂正をして若干ずっと上がってきているようであります。しかし特別の縁故があるところに限り、他に類例を見ないところの長期にわたる随意契約で賃貸しすることについてはどう思いますか。特別の縁故の関係については、財団法人大蔵財務協会寄附行為の第二条に「本法人ハ財務行政ノ改良発達ニ寄与シ併セテ大蔵部内ニ於ケル財務ニ従事スル職員ノ福祉ヲ増進スルヲ目的トス」こういうことをうたっておるので、なるほど大蔵省職員との関係は不可分であろうと思います。また大蔵省のお役人が書いた本なんかをここが出版しておるのですね。特別な縁故があればこそ、むしろ他に例を見ないということについて疑惑を持たれるということはどうなんでしょう、政務次官。これは私事務答弁よりも先に、そういう特別の縁故があるから他にあまり例を見ないような賃貸借が随意契約において十年をこえて行なわれておるということについて、まず政治的判断において、国民その他から疑惑を持たれるような点があるだろう、そういうことについて政治的答弁をぼくは求めたいのです。     〔鍛冶委員長代理退席、委員長着席〕
  135. 倉成正

    ○倉成説明員 私も実は実態をよく把握しておりませんので、特別の縁故という意味が明確じゃないわけでありますが、私の承知している範囲では、大蔵省の別館に入っておった……(田中(武)委員「それがいけないんだよ」と呼ぶ)という点が特別の縁故であって、大蔵省関係者が執筆するとかなんとかいうのが特別の縁故ではないというふうに私は考えでおります。
  136. 田中武夫

    ○田中(武)委員 いまの答弁ならなおおかしくなる。と申しますのは、別館か本館か知らないけれども、庁舎は行政財産ですよ。行政財産が賃借の対象になりますか。国有財産法十八条ですかによって私権の設定は禁止されております。だから、そこへさかのぼるのなら、行政財産の中に入れて同居さしたということ自体が問題になる。
  137. 谷川寛三

    ○谷川説明員 たいへんおことばを返すようで恐縮でございますが、行政財産でも国有財産法十八条の第三項によりまして、その用途なり目的を妨げない限度におきましては、使用さしてもいいということになっております。もちろん、先生いま御指摘のありましたように、借家権とか地上権とかいうような私権の設定は許しませんけれども……。  それから、さっき政務次官もお話し申し上げましたが、そういうことで、最初別館を使わせておりました。ところがほかの大蔵省の地方部局等が、改築等の関係でその別館に入らざるを得なくなりましたので出て行ってもらいましたので、あらためて十八条の三項の規定で、いま使っておりますところがまだちょっと余裕がありましたので使用を認めておった。それが行政財産が用途廃止になりまして、普通財産になった。ところが、やっぱりそこにおる必要がございましたので、そこにおるという特別な縁故をもちまして、行政財産から普通財産に転換しましたいまの建物に、その後、引き続き特別使用を認めておる次第でございます。
  138. 田中武夫

    ○田中(武)委員 なるほど国有財産法十八条三項には、いま御答弁のあったように、行政財産は、その用途または目的を妨げない限度において使用を許すことができるということになっておる。それでは、大蔵省自体がそれを使用するのに妨げないということなら、だれにでも貸すのですか。だれにでも……。それじゃ、大蔵省であいている部屋があったら、私は事務所に借ります。だれにでも貸すのですか。どうです。
  139. 谷川寛三

    ○谷川説明員 そういうわけにはいきませんで……。
  140. 田中武夫

    ○田中(武)委員 そういうわけにいかないというなら、特別の縁故があるのだろう。特別な理由がなくては貸さないわけですよ。その特別の理由とは何だ。
  141. 谷川寛三

    ○谷川説明員 私も、まず最初貸しましたときの事情がよくわかりませんが、そこで借りておった。その次に、そこを貸しておったということによりまして、やっぱり特別の縁故があるのじゃないか、その関係があるのじゃないか。そこを借りておったから、いま出ていけというわけですから、それならここがあいている。そこに入りなさいということで一部使用を認めた。それから、そこを今度は普通財産になったからすぐ出ていけというわけにいきませんので、そこにおるということによりまして使用を認めたということでございますので、御了承を願います。
  142. 田中武夫

    ○田中(武)委員 まず第一に、国有財産法十八条三項の規定があるからということで、使用に差しつかえるか差しつかえぬかはだれがきめるかは別として、かつて行政財産の中に同居せしめたということが――何らかの関係がなければ同居せしめるわけがないのです。そこへおったから、行政財産の中におったから、そういうので特別の縁故ができたからということですか。それではお伺いいたしますが、公務員宿舎ですね、各省庁あるいは合同等あります。公務員宿舎は行政財産ですね。そこに居住しておるところの公務員、この人にはいわゆる居住権というものが発生しますか、しませんか。あるいはまた、何らかの必要があって、おまえ出ていけといわれたときに、いまおっしゃるような論法でいくならば、いままで住んでおったという縁故があるからこれこれの立ちのきをくれ、あるいはまたこういう代替をよこせということがいえますか。行政財産の上にいわゆる物権ではないが、債権というか、あるいは社会通念からいわれておるところの権利の発生をあなた認めるのですか。それなら公務員宿舎について居住権を認めるということになりますよ。いかがです。
  143. 谷川寛三

    ○谷川説明員 まあ公務員宿舎につきましてはだいぶなにが違いまして、これは確かに行政財産でございますが、国の事務なり事業の円滑な遂行のために役所がここに住むようにという意味で公務員宿舎を設定しておるわけでございまして、もちろんそこに住んでおる職員につきまして借家権等は全然発生いたしません。それから、国の都合によりましてあるいはそこを出てもらう場合があるかもしれませんが、その場合にも一般の私の借家人のように補償金を出すということはいたしません。
  144. 田中武夫

    ○田中(武)委員 いままでの答弁であなた矛盾を感じませんか。大蔵財務協会は、その入ったいきさつはしばらくおきましょう、そこにも問題があると思うけれども。いずれにしろ十八条三項によって、差しつかえないから同居を許した。そしてそれを今度普通財産になったからそのまま賃貸しした。特別の縁故とは何かといえば、前におったからということです。先ほど、すぐ出ていけということも言えないしということを言ったでしょう。そんなら一応の居住権といいますか使用権を認めたわけですよ。だから長期にわたり特別の、いままでにないような随意契約による貸し付けをやっておるわけです。その論法でいくならば、公務員宿舎に住むところの公務員とどこが違うのか。答弁に矛盾を感じませんか。
  145. 倉成正

    ○倉成説明員 当初大蔵省別館にどうして入ったかというふうないきさつがよくわかりませんので、いま田中委員御指摘のように、当初どういういきさつで入ったかは別として、その当初入ったのが、行政財産が普通財産になり、そのまま引き続いておる、そういう惰性がついておるということがまあ実態でなかろうかと思います。そこで、国の財産の管理として適切であるかどうかという問題についてはひとつ十分実態を調べまして検討いたしたいと思います。また、いろいろ不都合な点があれば改めてまいりたいと思います。
  146. 田中武夫

    ○田中(武)委員 次官がそう言えばこれ以上は言わないことがまあ仁義かもしれませんが、しかし先ほど来のお二人の答弁は矛盾していますよ。最初入れておったんだ、こちらの都合で出ていけといってもそう簡単に出ていかすわけにもいかないんだ。だからそういうような特別な扱いをした。それが予決令の九十九条の二十二号にいうところの「特別の縁故」だ、こういうのです。ならば、公務員宿舎に住んでおる人を、都合によって、おまえ出ていけといった場合に、同じ論法がいえるんじゃないのですか。そういうことについて、あなたまだ答弁があるなら伺いましょう。ともかく国有財産法の十八条、予決令の九十九条、あるいはそれらの関連するところの私権の設定は認めないというような問題等とあわせてひとつ有権解釈を出してください。この答えいかんによっては公務員宿舎の使用について大きな改正というか、考え方を変えていかなければならないという問題が起きると私は思います。そうでなかったならば、何がゆえに大蔵財務協会だけをそういう特別の扱いをしたのかということになるわけですよ。どうです。次長に法律的に答弁する自信があるのなら受けて立ちましょう。そうでなかったら、あらためて文書か何かで、はっきりと勉強して回答してください。
  147. 谷川寛三

    ○谷川説明員 このいろいろな問題につきましては先ほどからお答え申しておりますが……(田中(武)委員「いやいや、先ほどからじゃない。問題はその二つにしぼって言うのです」と呼ぶ)政務次官からお答え申し上げましたように、大蔵財務協会につきましての当否につきましては政務次官も、もう一ぺんよく考えてみると申されておりますが、私は決して私の答えたことに矛盾はないと思っております。公務員宿舎につきましても、出ていけと申しましたけれども、当てもなしに出ていけということは申し上げられないわけでございまして、やはり事務の都合等で公務員宿舎を設置しておるわけでございますから、一つの宿舎からまた別な宿舎とかいうことを考えておるわけでございますが、そういうことも含めまして、私は矛盾したことは申し上げてなかったと思います。
  148. 田中武夫

    ○田中(武)委員 しているんですよ。縁故ということは何かと聞いたわけです。そうすると、かつておったから縁故だと言うのでしょう。大蔵省と大蔵財務協会との関係とその省庁に働く職員との関係は、縁故という点なら公務員のほうがより縁故が深いです。そうじゃないですか。先ほどの答弁で、前におったから、引き続き、出ていけとも言えないからということだった。それなら、ある種の居住権といいますか、使用権というか、それを認めたということになるのです。それなら、今日住宅難のおりから、これは一般的社会通念となっておる借家に居住する者の住居権といいますか、居住権というものは、これは物権じゃありません、しかし認めざるを得ないじゃないですか。一方に認めておいて一方に認めないというのは矛盾しませんか。ならば、それ以上の縁故というのは何だと、こう聞きたくなるのですが、いずれにいたしましても、おかしいと思いませんか。次長、盛んにまだ言いたいことがあるらしいが、伺いましょう。
  149. 谷川寛三

    ○谷川説明員 財務協会に権利を当時認めておるわけじゃございませんで、一時余っておったから行政財産は貸してまいって、それからさらに普通財産でもとりあえず――将来計画のない普通財産になりましたので、とりあえず縁故貸し付けをしてきたということでございますので、御了承いただきいたと思います。
  150. 田中武夫

    ○田中(武)委員 権利とは認めないということですが、縁故――縁故とは何かということで答えた。そうすると、公務員の宿舎に居住する公務員にも特別の縁故はありますね。それだけ確認しておきましょう。違いはせぬだろう、そこを使用したということについては。行政財産を使用したという点においては変わらないだろう。――ここであなた、答弁しても実際に逃げ切る自信はありますか。だから、先ほど言っておるように、ひとつ研究をして文書をもって答弁しなさい。  と同時に、倉成さん、政務次官は、善処する、こう言ったのだから、それをどう考えるのか、ひとつ検討して答弁願います、文書により後刻……。いかがです。
  151. 倉成正

    ○倉成説明員 先ほどからいろいろ御質問ございましたが、当初のいきさつ等、まだ不明確な点もございますので、事情をよく調べましてお答え申し上げたいと思っております。
  152. 田中武夫

    ○田中(武)委員 じゃ、この件に関しては一応留保しておきます。  進めます。払い下げ代金ですね、これを一時に、即時に納付する場合と、分割して納付する場合がありますね。そして即納の場合は、全額即納でなくて分割さす場合は二割五分ですか、二五%程度を即納さし、あとの七五%を、延納ということばを使っているが、延納さす。その場合には確実なる保証を入れるということが、これも普通財産取扱規則のどこかにありますね。そこで、そのような場合に人的、物的の担保を入れる。当然金融機関が保証することが考えられる。そこで、その払い下げを受けたのが倒産あるいはまた支払い不能の場合には、保証人は――確実なる保証ということばで人的保証のときは連帯保証になるかあるいは単純保証になるかはこれも伺いますが、ともかく代位弁済する。そうした場合には第三者が払い下げの土地を取得する場合がありますね。そのような場合に、たとえば銀行が取得する、銀行が管理する。まず一点考えられることは、随意契約の不適格者に現実としてその土地がいくという場合が考えられる。第二に払い下げ申請に書いたところの事業計画に沿わない使用をせられる場合があり得る、こういうことが考えられますね。そういう点についてはどのように考えられますか。
  153. 谷川寛三

    ○谷川説明員 ただいまお話がございましたように、二割五分とおっしゃいましたけれども、私どもは二割ないし三割くらい即納をしていただきまして、残りの七、八割のものにつきまして延納を認めております。その場合も、さっきお話がありましたように普通財産取扱規則というのがございまして、それに基づきましていろいろ人的、物的の担保をいただきまして認める。ものによりましては五年なり地方団体等につきましては十年の延納を認める場合がございますが、御指摘のように銀行保証も財務局長が適当と認めましたならば認めることになっております。しかし、私のほうはできるだけ銀行保証はとらない方針でおりますので、私の聞きました例でも非常に少ないのでございますが、何年か後に情勢が変わっていろいろな問題が起こるかもしれませんけれども銀行銀行保証をします場合には、その銀行との預金関係とか貸し付けの関係とかいろいろ取引関係があって、絶対信用が置けるという人でないと銀行保証はしないでございましょうし、いろいろあとで問題が起こります場合も、延納の関係でトラブルが起こるということは考えられませんで、一般の取引の全体の問題として問題が起こりまして、いまお話しのような、払い下げた財産があるいは銀行のほうに担保流れすることがあるかもしれませんが、それはやむを得ないことであろうかと考えております。そこまで縛ることは無理ではなかろうかと思います。
  154. 田中武夫

    ○田中(武)委員 国有財産特別措置法の十一条に「確実な担保を徴し、」となっておる。普通財産取扱規則の十八条の一項の(5)には「財務局長が確実と認める金融機関その他の保証人の保証」こうなっておりますね。したがって、あまりやらないと言うが、法律というか規則上は金融機関が保証人になることは認めておるわけです。  そして、その保証というのには、ただ保証と書いておるが、これは人的担保の場合、単純保証になるのですか、連帯保証になるのですか。形式はどっちなんですか。  さらに、これが銀行でなくても、それは第三者でもよろしい。これをやった場合には、払い下げ人でない人にいく場合がありますね。普通財産取扱規則の十一条でちゃんと申請書とこれこれの書類を出すとなっていますね。その中に事業計画書だとか利用計画書というのがありますね。それに基づかない利用なり事業を計画する場合がありますね。いままでにもあったはずなんです。そういうようなことについてはどのように処理しますか。あなたの答弁では、そういうことはやむを得ないと考えておる、こういうことなんですが、やむを得ないのですか。
  155. 谷川寛三

    ○谷川説明員 ただいま申しましたように、これは当初の払い下げの場合の選定の問題になると思いますが、私どもといたしましてはこれをよそに転売してというような方に売り払うということは、大事な国有財産でございますから、言うまでもなく適切でないわけでございますが、国有財産審議会で御審議を願う最初の段階におきまして、払い下げの相手方が信用、資力、資産等も十分であってそしてその計画も適切だということで選ぶわけでございます。そういう方につきまして、さっきお話がありましたように、担保をとって延納を認めるわけでございますが、私どもとしましても、銀行保証もそれが確実であれば、その他の方法でいける場合は私どもももちろんそれでいきますが、そのほうがベターだという場合はそれでいかざるを得ない。それが非常に確実な方であっても、数年のうちに、あるいは経済情勢の変動等によりまして不測の事態が起こるということになりました場合はやむを得ないのじゃないかと申し上げたのでありまして、払い下げた財産をたとえば工場財団等を設定いたしまして融資を受けるということまで禁ずるということになりますと、その払い下げの範囲も非常に限定されてまいりますし、国有財産の払い下げの問題として、また一つの問題が提起されるのじゃないかと思います。
  156. 田中武夫

    ○田中(武)委員 払い下げて、使用目的、事業計画によってできた、それを担保に入れる、これまで言っておるのじゃないのですよ。それはワンクッション入っておるのでしょう。そうでなくて、使用目的あるいは事業目的と反する、あるいは第三者にいく、こういうことはあり得るのでしょう。そんな場合に、やむを得ないということならそれでもいいのですよ。次官どうです。規則の上からではそういうことがあり得ることがはっきりしておるのです。したがって、これについてある程度の、私は法律的なとはいいませんが、方針を持つべきじゃないか。なるべくとらないということなら、何も「金融機関」なんて書かなくてもいいのですよ。ちゃんと規則に入っておるのですよ。いま言っていることは国有財産法及びその特別措置法等々の関連法規によって出てくるわけですよ。どうするのか、それだけ伺っておきます。
  157. 倉成正

    ○倉成説明員 この延納の場合に、担保物件をとる場合、当該物件をとるというのが通常じゃなかろうかと思います。銀行保証というのはおそらく補完的な意味のものであってそれによって銀行担保権を執行して第三者の手に渡るというのは非常な例外中の例外の行為じゃなかろうかと思うわけでありますが、こういうことが、非常に多く出てくるという事態になればやはりこれはいろいろ検討する余地があろうかと思いますけれども、現在あまりそういう例がないということになれば、法律論としては御指摘のとおりでありますけれども、実際問題としては支障がないのじゃないか。やはり補完的な措置として銀行担保するということも経済常識から見てやむを得ないのじゃなかろうかと思います。
  158. 田中武夫

    ○田中(武)委員 関連規則でそういうことがちゃんときまっているんですよ。だから、そういうことについて規則で書く以上は、そういう場合があり得るということを想定しているわけなんです。ならば、そういうときにはどうするのかということの解釈の基準ぐらいは持つべきではないか。法をつくり、令をつくり、規則をつくる。そのときには、やはりいろいろな場合を考えてやっておるんですよ。でたらめにつくっているんじゃないでしょう。たまたま現実において数が少ないから検討しないということはおかしいと思うんですよ。それが一点。だから、もう一ぺん検討する。法、令、規則と、ずっと拾ってみると、そうなるわけなんです。でたらめにつくったわけじゃないのです。それとも大蔵省は、規則はでたらめにつくるのですか。そういうことにもなるんですよ。  それから、当該物件を担保にとった場合に、何回か払っていったら、払った分については抵当権を解除していくのか、どうするのか。その点はどうですか。
  159. 谷川寛三

    ○谷川説明員 あとの点を先にお答えいたしますが、分割払いに応じまして、御申請に基づいて抵当権の解除をいたしております。  最初の点でございますが、これも恐縮でございますけれども、いままでそういう例がなかったのでございますが、私どもとしては延納の担保、確実であるということであれば、銀行保証もやっぱり保証の範囲――さっき政務次官からもお答え申しましたが――としては設定せざるを得ない。だから、法律的に言いますと、先生御指摘のように担保流れ等が生じまして目的外に使用されるということはございますけれども、実際上は起こっておりません。そこまで禁止することはいかがなものだろうかとただいまは考えておりますが、十分検討さしていただきます。
  160. 田中武夫

    ○田中(武)委員 よく言われるのですが、大蔵官僚はイエスということばを使わない。それを使わないほど、大蔵省では出世するらしい。はい、そうですということを言わない。法令からいって、はっきりとそういうことはあり得ると出ているんですよ。それをつべこべ言う必要はないでしょう。あり得るということであれば、その場合はどうするのかということを検討するのはあたりまえじゃないですか。大蔵官僚はイエスということを言わない、これをもって信条としているということを聞いたことがある。なるほど、りっぱな大蔵官僚ですよ、あなたは。次官、どうです。あり得ることが予想せられるならば、検討する必要があるんじゃないですか。いかがですか。
  161. 倉成正

    ○倉成説明員 実際問題としていままでこういう事例がないものですから、これで妥当だと考えておったのですが、法律論としては、田中委員のおっしゃることごもっともでございますから、十分勉強してみたいと思います。
  162. 田中武夫

    ○田中(武)委員 では、それもついでに検討の結果を文書で知らしてもらいましょう。  次に、国有財産の下を地下鉄等に貸す場合があります。現にたくさんありますね。その場合は、その地下鉄の会社等々から地代はとっているわけですね。そういうのを今度払い下げる場合、その土地の利用効率が減りますね、地下室がつくれないとか、大きなものが建てられないとか。そういう場合には、これは現実にないからわかりませんということではなかろうと思うが、どうするのですか。
  163. 谷川寛三

    ○谷川説明員 これもまた、私はそういう例があるということは承知いたしておりませんが、行政財産については二カ所ばかり、地下を地下鉄が通っているという例がある。これは通達をきめてございますので、普通の場合の行政財産の貸し付け料の三割くらいをいただくことになっております。  さて、その国有財産の下を地下鉄が通っている普通財産を払い下げるというようなものにつきましては基準をきめておりません。そういう例が起こりましたならば、ただいまお話しのように、地下鉄の深さによりまして、その上に何階建てを建ててよろしいとか、あるいは鉄筋はいかぬ、木造でなければいかぬという場合もございましょうから、利用効率等も勘案いたしまして一般の評価基準に準じた評価をするように考えております。基準はございません。
  164. 田中武夫

    ○田中(武)委員 私の言っているのは、今日大都市の下はクモの巣のように地下道なり地下鉄が通るわけです。なおますます多くなると思うのです。そういうような場合に、地下を使用せしめる場合、あるいはそれを今度は行政財産でなく普通財産のときもあり得るので、払い下げる場合に、その評価額どおりいくのか、これは当然利用効率が減るんだから、何割くらいの見当で引くべきなのか、そういう検討は、事が起こったときにやるということならおそ過ぎるのですね。先ほど来私が言っていることは、理論上、事実上あり得る可能性について常に研究すべきじゃなかろうか。ことに大蔵省は秀才ぞろいですからね。研究しておく必要があるんじゃなかろうか。そのことについて気づいたことの一、二点を言っているわけです。どうなんです。
  165. 谷川寛三

    ○谷川説明員 これは私は地下鉄がどういう構造になっているかただいま承知しませんので、よく勉強いたしまして、めったに起こらぬと思いますが、普通財産で未利用のもので、その下を実際地下鉄が通るというところが、ただいまの地下鉄の計画では聞いておりませんけれども、つくるように勉強したいと思っております。
  166. 田中武夫

    ○田中(武)委員 私は常に能吏は、大蔵省は秀才が多いんだから、能吏は、理論上あり得る可能性、事実上あり得る可能性については検討すべきです。事が起こってからではおそ過ぎる。次官どうです。そうじゃないですか。これも検討の結果をどういう考えでいくのか知らしてもらいたい。いいですか。
  167. 谷川寛三

    ○谷川説明員 地下鉄でございますね。
  168. 田中武夫

    ○田中(武)委員 ぼくがだめ押しをしたやつを全部だよ。
  169. 倉成正

    ○倉成説明員 田中委員の御指摘の点は、十分勉強してお答えしたいと思います。ただあらゆることを何でも想定して、それを準備するということは、これは実際なかなかむずかしいことではなかろうかと思いますので、やはり事務能力から見まして、実際問題を踏まえて考えていくのが常識的なあり方じゃないかと思っております。
  170. 田中武夫

    ○田中(武)委員 あらゆる場合という、そういうことを私は言っているのじゃないですよ。法令上あなた方がちゃんと規則までつくっておるのです。一つはそこから出てくるのです。一つは今日の都市開発の関係から言えば、事実上あり得ることはわかっておるのですよ。そういう可能性については検討すべきじゃないか。とっぴもないことを言うておるのじゃないですよ。まあこのくらいにしておきましょう。  次に、大蔵省グラウンドというと、そこのやつだな。あれは普通財産ですか、行政財産ですか。
  171. 谷川寛三

    ○谷川説明員 大蔵省所管の行政財産でございます。
  172. 田中武夫

    ○田中(武)委員 そうすると、この行政財産の定義からいって、どれになります。三条二項二号だな。
  173. 谷川寛三

    ○谷川説明員 三条二項の一号の公用財産という欄になると思います。
  174. 田中武夫

    ○田中(武)委員 一号ですか。二号じゃない。ぼくは二号で答えるかと思ったら一号ですね。
  175. 谷川寛三

    ○谷川説明員 一号でございますね。公用財産。
  176. 田中武夫

    ○田中(武)委員 公用というのは公に用いるということで、いろんなものがいろいろに使っていますね。あれは使用料を取っておるのですか。
  177. 阪上行雄

    ○阪上説明員 御指摘の土地につきましては、いま大蔵省の行政財産になっておりまして、御承知のとおり、各省の職員のレクリエーションに使用いたしております。レクリエーションに使用する場合については、管理者たる大蔵省へ各省の人事当局の承認書といいますか、レクリエーションの計画書といいますか、そういうものを添えて申し込むことになっておりまして、使用料は徴収いたしておりません。
  178. 田中武夫

    ○田中(武)委員 それは使用料を徴収しないのは、いわゆる公務員というか、各省庁が使用する場合で、一般民間には使用させていないのですか。
  179. 阪上行雄

    ○阪上説明員 一般民間には使用させておりません。
  180. 田中武夫

    ○田中(武)委員 させたらどうなんです。
  181. 谷川寛三

    ○谷川説明員 実はこういうレクリエーションではそういう先例はございませんが、最近におきまして、御承知のとおり霞ケ関ビルができまして、あれの開館のときに非常にたくさんの車が集まるということで、交通規制というような点から警察当局からの要請もございまして、当該会社に貸した例はございます。その場合は使用料を徴収いたしております。
  182. 田中武夫

    ○田中(武)委員 それじゃ例はあるじゃないですか。使用さしておりませんと答えたけれども一つでも前例があるじゃないか。それなら使用料をどういうようにきめるかは別として、東京都にはああいったレクリエーションといいますか、あるいはスポーツ等をするというところがだんだんなくなってきている。したがって、それを公務員の特権だといって公務員だけが使うのではなくて、一般人に開放したらどうです。使用料ということについては別問題として、どうなんです、特権意識の上に立ちますか。
  183. 阪上行雄

    ○阪上説明員 この土地につきましては、昭和三十年、現大蔵省庁舎と一緒に接収解除されて返ってきたものでございます。モータープールが当該土地の上にあったように承知いたしておりますが、その当時から当該土地はすでに官衙施設整備計画の一環として、いずれそこは建物を建てるのだという計画に相なっておったわけでございます。ただ予算その他の関係でその計画がだいぶ延び延びになるという見通しもございましたので、その建物が建ちますまでの間、政府職員で共同にレクリエーションに使用したらどうかというようなことで使用いたしてきておるわけでございますが、ごく最近に至りまして、いよいよあそこへ建てるという話にきまりましたので、今後そういうことが考えられるわけであります。
  184. 田中武夫

    ○田中(武)委員 下がモータープールになっておったとかいうような問題もあります。合同庁舎が近く建てられるということも聞いております。しかし私は、少なくともあいている間は一般に開放したらいいじゃないか。その開放にあたっての条件その他は別問題として、私は基本的にそう考えるのがいいと思うのですが、次官はどう考えられますか。政治的に公務員だけが特権として使用するということについてはいささか問題がある。さらにこれは大蔵省の行政財産ですね。いまのグラウンドは大蔵省の行政財産ですね。そこへ今度は合同庁舎が建った場合、これは大蔵省の行政財産なのか、それとも普通財産に変えて、今度は同じ大蔵大臣であるが、違った意味での大蔵大臣が管理するのか、その辺のところはどうなんです。先に一般に開放するのかしないのか、もう一つは、合同庁舎を建てたとき――現在は大蔵省としての大蔵大臣の管理する行政財産である。しかし合同庁舎となれば意味が違ってくるが、そのときの財産の名目の切りかえはどういうふうに考えるかの、その二つです。
  185. 倉成正

    ○倉成説明員 前段の件についてお答え申し上げたいと思います。会計課長からお答えしましたように、もう大体使用目的がきまっておるわけでありますから、暫定的な期間どうするかということですが、私も毎日あすこを通っておりますが、かなりひんぱんに各省で使用しているわけでありますので、これが限度じゃなかろうか。一般に開放しても、かえってなかなかむずかしいことになるのじゃないかと思いますので、やはりいまのところは各省で使うのが、別に特権という意味ではなくて適当じゃなかろうかと常識的に判断いたしております。
  186. 谷川寛三

    ○谷川説明員 合同庁舎ができました暁におきましてはどこの官庁を入居きせるか、それから入居決定しましたあとでどこの管理にするかということは、総括大臣としての大蔵大臣でございます。
  187. 田中武夫

    ○田中(武)委員 それじゃ第二点の、いまはまだ大蔵省の行政財産として大蔵大臣、すなわち官房会計課長が管理しておる。しかし、合同庁舎になった場合は変わってくるわけですね。それはいまどういうもの、が建ってどうなっているかということにしたがって検討する、こういうことですね。  それからこれは一体いつ建つ予定ですか。
  188. 阪上行雄

    ○阪上説明員 この計画につきましては、すでに四十二年度予算で一部予算がついたわけでございます。ところが、例の繰り延べの関係でそのまま繰り越されておるような関係もございまして、大体今後二年くらいの間に建てるということであります。
  189. 田中武夫

    ○田中(武)委員 工事が二年で完成するのかどうか知りませんが、その間にある程度の期間があるなら、いまのようにするよりもっと早くしておいたほうがよかったと思いますが、これはやはり前向きに利用させてくれ、一般人の利用にも供するのだ、そういう考え方が望ましいんじゃないかと思います。現に前例もあるなら、三十六階だから許したけれども五階ではいかぬというわけではなかろうと思います。平家に住んでおる人はもってのほかだということもいえないと思う。そういう面で、期間があればこれは検討してもらいたい、こう思いますが、どうですか。
  190. 倉成正

    ○倉成説明員 三十六階のは特殊な場合だと思いますので、あのような例があれば当然これは考えていいと思いますけれども一般にこれを場所として提供するのはちょっといかがかと思います。
  191. 田中武夫

    ○田中(武)委員 あの三十六階は特殊な例だという。しかし、期間もあまりないようですが、その間でもやはり使用したということがあるなら開放してやるべきだと私は思う。これを強く申します。実際的にもそれが三月か半年かということになろうかと思いますが、その考え方の基礎が、そういった特権といえばどうかと思いますが、われわれだけが使うのだということでなくて使用をさせてやる。先ほど言った大蔵財務協会には、国有財産法十八条三項によって使用に差しつかえがない場合には貸したんでしょう。いいですか。それなら、その後大蔵グラウンドもいわゆる使用に差しつかえない、あいているときは貸したらどうなんですか。大蔵財務協会には特別な縁故をもって使用に差しつかえないからといって十八条三項によって貸した。一方においては、これだけ空気もよごれておれば土地も少ない、レクリエーションその他スポーツの場もない、そういう国民に対して十八条三項をなぜ適用しないのか。大蔵財務協会には、法律で許されておるから君たちは貸したんだろう。大蔵グラウンドについてはなぜいままでそんな態度をとってきたのか。これからたとえ三月、半年でも当然開放すべだと思います。いわゆる使用に差しつかえない限りにおいて使用さすべきだ、利用せしめるべきだ、そういうことを主張いたしますが、いかがですか。
  192. 倉成正

    ○倉成説明員 田中委員の御趣旨はよくわかりました。ただ実際問題としていかがかというふうな感じを持っております。
  193. 田中武夫

    ○田中(武)委員 実際問題としてたとえば三月でも半年でもいいと私は思う。大蔵財務協会に対してとった態度を一般国民にもとるべきだといっておるんですよ。どうなんです。
  194. 倉成正

    ○倉成説明員 一般に開放するとなれば管理上の問題その他あると思いますので、そう長い期間ではないわけですから、それは現在の管理が適当ではないかと私は判断します。ただ、三十六階の例もありますように、特別にあそこを使用しなければならないというような場合には、これは弾力的に考えていっていいのではなかろうかと思っております。
  195. 田中武夫

    ○田中(武)委員 あまりこだわりたくないのですが、とにかく大蔵財務協会には十八条三項によって行政財産を使用せしめたのだから、その観念を一般国民にも与えるべきではないか。でなければ、あなたが最初言った、前におったから今度は縁故だということでなしに、前に縁故があったというその縁故は何だ、こう言いたくなるんですよ。そうじゃないですか。きょうはこの程度にしておきますが、しかしこれは十分検討してください。たとえ三月でも半年でも十八条三項によって大蔵財務協会に借したなら、同じ態度を国民にもとるべきである。でなければ、大蔵省と大蔵財務協会とがくされ縁があると断定しますよ。  以上で終わります。
  196. 大石武一

    大石委員長 それでは続いて華山委員質疑を継続いたします。華山君。
  197. 華山親義

    華山委員 先ほどお尋ねをした件につきましてお尋ねいたしますが、小学校、中学校の教員の給与は国が半額負担することになっておりますが、実績によって整理されるのでございますけれども、これを整理される資金は予備費で出しておられるのか、あるいはその次の年の予算で計上されるのか、その点について伺ったのでございますが、どうでございましたか。
  198. 船後正道

    ○船後説明員 先生御指摘の義務教育の費用あるいは生活保護の費用、これらはいずれも法律によりまして国が負担するものでございまして、その国の負担する分につきまして精算するという仕組みになっておりますが、この精算の時期につきましては法律上別に法定いたしておりません。しかし、事柄の性質といたしまして、ある年度の経費は翌年度の半ば以降におきまして精算の結果が判明するわけでございまして、翌々年度の予算までには何とか国と地方との間で決済すべき筋合いのものである、かように考える次第でございます。したがいましで、この精算の時期は、翌年度の補正の機会があればその補正の際あるいはその翌々年度の補正の際ということになるわけでございますが、従来の例を申し上げますと、たまたま補正の機会があり、かつ財源があったというふうな場合には補正をいたしている例もございます。あるいは予備費の中から――これはかなり少額な費用でございますが、少額なものは予備費から使用している、場合によりましては流用によるということになることもございます。これはやはりそのときどきの財政状況によりまして処分すべき筋合いのものであります。最終的には、先ほど申しましたように翌々年度の補正予算までには国と地方との間で決済すべきである、かように考えております。
  199. 華山親義

    華山委員 地方におきましてはこの整理が非常におくれておりまして、その間地方で負担してもらわなければならないというふうなことになるわけであります。この点につきまして、今後補正予算を組まないというふうなことになりますと、その点においてますます地方の負担が増すと思いますが、どういうふうにお考えになりますか。
  200. 船後正道

    ○船後説明員 精算の問題が生じますのは、一つには、予算の見込みと実行との間にはどうしても誤差は免れがたいという問題もございますけれども、当初予算を組みます際に過去の推移、将来の見通しを十分勘案いたしまして、そういった精算の範囲がきわめて少なく済むように予算を組む、これが私、理想であろうかと存じます。特に四十三年度につきましては、原則として補正なし、総合予算というたてまえをもって編成いたしておりますので、この種の経費につきましては従来以上に十分積算根拠に配慮を加えて編成いたしておる次第でございます。
  201. 華山親義

    華山委員 そういうふうにとにかく一応は県でございますね。県で負担をしているわけでございますが、今度の給与改定につきまして六百億という中には、これらの教員に対する増額分が含まれていると思うのでございますけれども、そういうふうなものは精算の段階でやりまして、そして予備費といいますか六百億というふうに一応考えてやられて、六百億は余裕があるわけでございますから、その分を完全実施に近づけるための一歩の方法として考えられませんか。
  202. 船後正道

    ○船後説明員 精算の問題は、結局当初見込みました予算の積算と実行との食い違いというところから生ずるわけでございますが、今回の人事院勧告に基づく給与の改定は国の公務員、地方の公務員を通じまして一つ政策として年度途中において実施するものでございます。そのように要因が明らかなものにつきましてはすべて、ことしの場合でございますと予備費でもって措置する、それが筋であると考えます。
  203. 華山親義

    華山委員 そういうふうにお答えになるだろうと思いますし、私の申し上げたことは無理だということは私は存じております。それで一つ伺いますが、先ほども申し上げたのでございますけれども、六百億というふうな予備費を政府の判断で使ってしまう、そういうことは予備費の性格からしておかしいのではないか、補正予算を組むべきであると私は思うけれども、補正予算は組まなくとも、しかし修正予算といいますか予備費というものを削ってこれを各省の給与に回す、そういうふうな修正予算というものはこの臨時国会等におきまして出されるのが当然だと思います。そういたしませんと、政府のほうは今後補正予算を組まないという原則に立ちますと、大きな予備費というものを擁して、確定的でなくともある程度の考えられるようなことにつきましてあらかじめ予備費の中に組んでおいて、そしてそれを予備費で出す。出してしまったものについて国会は承認という問題はありますけれども、それを無効にするような法律的効果は何もない、そういうふうな予算の使い方が政府の恣意に流れることがないのかどうかということを私は心配をする。それで予算は、予算案そのものの審議のほかに予算がどう使われているかということについても国会としては関心を持たなければいけないし、予算委員会も関心を持つべきだと思うので、この十二月の国会に、六百億の予備費を使うというふうなことにつきましては先ほど私の言った修正予算を出される、そういうふうなことを――別に手数でもありませんし、あってしかるべきだと思う。補正予算は組まない。予備費を増す。それだったならば、この給与の問題のみならず、ある程度の多額のものを予備費から出すという場合には、そういうことが国会に対する政府の責任として当然考えなければいけないと思うのでございますけれども、先ほど次官は否定的な御意見でございましたけれども、事務当局としてはこれは事務的にむずかしいですか。
  204. 船後正道

    ○船後説明員 公務員の給与は、先生御承知のとおり法律に基づき支出するわけでございまして、法律がなければ支出ができない。したがいまして、今回の人事院勧告に伴う給与改定につきましても給与法という形でもちまして国会の御承認を得る、こういう手続になるわけであります。その給与法の改正につきまして、国会の議決がございますれば、当然それに伴う経費は政府としては出さざるを得ない性格のものでございます。それはまた財政法にいうところの当初予算におきまして予見できがたい予算の不足でございますから予備費で支出する。これは手続的に何ら差しつかえない、事務当局としてはかように考えておる次第でございます。
  205. 華山親義

    華山委員 そうすれば補正予算も同じようなことが書いてありますね。国の義務に属するものは補正予算を組むと書いてある。したがって補正予算の金の問題につきまして、私は百歩も千歩も譲っているのであるけれども、予備費から削って、そして予算を修正して国会の審議に付する。これが政府の当然な考え方ではないか。そういたしませんと、とんでもないことを政府がかってにやれると思うのです。たとえばある国とのいろいろな問題において援助をしなければいけないというふうなことが起きる。しかしそれは予想されるけれども、起きるか起きないかわからない。そうなったならば、これはひとつ予備費に組んでおこう。何千億をも予備費を組んで、そしてその際には政府がかってにこれを支出する、そういうことがある。それでその際にわれわれは外国との義務を負うような協約、そういうものは国会の議決を経べきものだということをわれわれは言っておるのでありますけれども、そういうことをやらないでいままで予備費で出している例が多い。今度だってそうなりますね。ある国に対して海外援助をする。幾らかわからない。予備費に入れておこう。そのときによって予備費から出す。そういうふうなことがもうずいぶん行なわれるのじゃないか。予備費といえどもある程度のやはり限界があると思う。そういうふうな政治的な問題を考えて私は申し上げている。憲法の趣旨でも財政法趣旨でも、ことばはああいうふうには書いてありますけれども、やはり厳密に考えないと、政府の恣意を許すことになるのではないか、こういうことを心配して私は申し上げている。  ここでお聞きいたしたいことは、そういうふうな修正予算を組むことが事務当局といたしまして非常に手数ですか。たいしたことはないのでしょう。
  206. 船後正道

    ○船後説明員 手間がかかるとかかからないとかそういった問題ではなしに、財政法のたてまえといたしまして、予見しがたい予算の不足というものが生じました場合には、先生も御指摘のとおり現行法では予備費の使用という方法と、補正予算を組むという方法とあるわけでございますから、そのいずれをとるや。これはやはり政策的な判断、それに帰着すると思うのでございます。四十三年度につきましては、政府といたしましては総合予算主義というたてまえから、予算編成の当初から、おおむね予見しにくいようなものにつきましてはこれを予備費でもって措置するという方針でまいったわけでございますから、今回の給与の問題につきましても、実態そのものは給与法で御審議願う、金のほうは予備費をもって支出する、こういうことにする次第でございます。
  207. 華山親義

    華山委員 論議が並行いたしますから私はこれでやめますけれども、片方のほうには補正予算についての原則があるわけです。片方のほうには予備費があるわけです。予備費の性格というものは、災害等の場合は別ですけれども、事の性質上ちょびちょびと使うのだと私は思うのですよ。それを六百億もの大金を予備費から出す、そういう場合に修正予算を出すのが政治上の考え方だと私は思います。そうしなければ、この問題について、衆議院でいうならば、予算委員会はほとんど発言する機会がなくなるのじゃないですか。いままで補正予算というものがあったから、いろんな点で論議ができたけれども、今度は何もない、六百億は予備費だ。将来こういうことを許されたら、もう六百億どころじゃない、一千二百億どころじゃない、多額の予備費を擁してかってに使うというふうなことをおそれるから、私は議会と政府との関係において修正予算を出しなさいということを言っているわけなんです。もうこれ以上は大臣からでも伺わないといけませんので、やめます。  それからもう一つ伺っておきますけれども国債の償還、減債基金といいますか、ことばが違うかもしれませんが、それに国債の千分の十八でしたかを積み立てるということになっておりますね。千分の十八というのは、計算の基礎は何でしょう。
  208. 青鹿明司

    青鹿説明員 一応六十年間で計画的に国債を償還するという前提で計算いたしますと一・六%になるわでございまして、一応定率繰り入れといたしましては、毎年度、前年度期首の国債残高に対しまして一・六%を見るということでございます。
  209. 華山親義

    華山委員 六十年というのはどこから出てきたのですか。
  210. 青鹿明司

    青鹿説明員 建設国債でございますから、いろいろそれの対象になる事業が進められれば、当然将来ある程度税収が期待されるであろう、そのときの論拠といたしましては、やはりその施設の平均的な耐用年数等を頭に置きまして、大体全体の構成を見ますと、二割が土地である、いろいろ工作物が残りの八割である。工作物については大体五十年、土地は永久資産でございますので一応百年とおきまして平均いたしますと、大体六十年くらいが適当であろうというようなことから、そういうぐあいにいたしたわけでございます。
  211. 華山親義

    華山委員 その是非判断につきましては、法律としてできたことでもございますし、大蔵委員会のことでございますので、いまここで私言いませんが、どうも地方と均衡がとれないのじゃないですか。地方債につきましては、普通のコンクリートの建物でも、これは長くたって償還期限が三十年ですね。国のほうは耐用年数が六十年とか七十年とか、片っ方のほうは耐用年数なんかかまわないで二十五年とか三十年で返させる。国のほうは、国債というものはかってに出せるからそれでいいのだ、地方のほうはそういうわけにはいかない、ある程度制限される、原資の問題がある、そういうふうなことから出てくるのだと思いますけれども、しかしこれは不公平じゃありませんか。
  212. 青鹿明司

    青鹿説明員 いまの六十年と申し上げましたのは減債基金の積み立ての定率でございまして、減債制度としてはこのほかに前々年度剰余金の二分の一の繰り入れ制度がございます。なお、積み立てられました減債基金の運用収益もございます。こういったものでもって償還することになっております。ただ、現実の国債発行条件といたしましては、先生御承知かと思いますけれども、七年間ということになっておりまして、これは市中で公募されます一般民間の事業債等も大体七年でございまして、それらを勘案して七年の償還期限ということになっておるわけでございます。それから地方債も市中で公募いたしますものは、やはり国債と同様七年の条件になっております。おそらく御指摘の点は政府資金で直接地方に貸し付ける分だと思いますが、これは債券ではありませんで、証書貸し付けでやっておるわけでございますが、これをきめます際には、やはりその施設の耐用年数というものを当然題に置きまして、なるべく事業間のバランスをとるという配慮をしております。それからこれはあまり長期にいたしますと、運用資金が勢い固定化いたしまして流動性がなくなる。片や政府資金をふやしてくれとか全体の事業費を伸ばしてくれという御要請も非常に強いものでございますから、やはり事業でございます以上、事業主体が一部の資金を自分で持つとかあるいは運用上留保金の一部を持つということも考えまして、一応耐用年数を上限といたしまして現実に可能な程度の償還期限を定めているわけでございます。極力私どもは長くいたすようにいたしておりますけれども、ただいまの現状から申し上げまして、その個々の事業別に見た際、それほど事業間のアンバランスはないのではないかというふうに考えております。
  213. 華山親義

    華山委員 だれが考えたってふしぎですよね。先ほど言ったとおり、国債というものは、結局日銀引き受けるのだから出せますね。そういうようなわけで七年ということでございますけれども、七年で返せるわけでもないのでしょう。借りかえでいくのでしょう。それでとにかく政府のほうは、借金のための準備というものは、先ほどお話しのあったとおり平均余命が五十年とか六十年とかというふうなことでやるのだ。それから地方のほうは公営企業等につきましては水道等ございますけれども、これも平均的には五十年だといわれるけれども、まあ二十五年くらいでやっている。庁舎にしたところが、コンクリートの庁舎の税法上の平均余命は、私はいま資料を持っておりませんけれども、五十年とか六十年とかいうのです。市町村の庁舎を建てたときの返済は二十五年から三十年、私はおかしいと思うのだね。国で許されることならば、地方に許されたっていいじゃないか。資金源が困るというならば、国債日銀が買っているんだから、日銀でもくふうしてもらったらどうか。とにかく国と市町村が車の両輪だとかなんとか都合のいいときだけ地方をおだて上げて、そしてそういうふうないろいろなことについて、私は平均がとれないということはいかぬことだと思うのです。この問題についてひとつ御考慮を願いたい。  それから自治省の決算がまだ済んでおりませんが、自治省の決算のときにもう一度重ねて私研究を積んできて自治省とともに並んでひとつ御答弁を願いますから、たいしたことじゃないでしょうけれども、ひとつ勉強していただきたい。  終わります。      ────◇─────
  214. 大石武一

    大石委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  昭和四十一年度決算外二件中、大蔵省所管等審査のため、日本銀行当局より、また、国または公社が直接または間接に補助金、奨励金、助成金等を交付しているものの会計に関する件中、全国農業協同組合中央会調査のため、それぞれ参考人として関係者の出頭を求め、意見聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  215. 大石武一

    大石委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。  なお、参考人出頭の日時及び人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  216. 大石武一

    大石委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。  次回は、明七日午前十時十五分より理事会、十時半より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後一時四十分散会