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1968-05-16 第58回国会 参議院 内閣委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年五月十六日(木曜日)    午前十一時八分開会     —————————————   委員異動  五月十四日     辞任         補欠選任      菅野 儀作君     鈴木 万平君  五月十五日     辞任         補欠選任      鈴木 万平君     菅野 儀作君      小柳 牧衞君     前田佳都男君  五月十六日     辞任         補欠選任      菅野 儀作君     佐藤 一郎君      源田  実君     岡本  悟君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         井川 伊平君     理 事                 石原幹市郎君                 八田 一朗君                 伊藤 顕道君                 山崎  昇君     委 員                 大森 久司君                 岡本  悟君                 熊谷太三郎君                 二木 謙吾君                 山本茂一郎君                 前川  旦君                 多田 省吾君    国務大臣        国務大臣     木村 武雄君    政府委員        行政管理庁行政        管理局長     大国  彰君        行政管理庁統計        基準局長     片山 一郎君    事務局側        常任委員会専門        員        相原 桂次君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○行政機構簡素化等のための総理府設置法等の  一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)     —————————————
  2. 井川伊平

    委員長井川伊平君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  本日菅野儀作君が辞任され、その補欠として佐藤一郎君が選任されました。     —————————————
  3. 井川伊平

    委員長井川伊平君) 行政機構簡素化等のための総理府設置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案は、去る九日、衆議院から送付されました。なお、提案理由説明はすでに聴取いたしております。  それでは、これより質疑に入ります。当局からの御出席は、木村行政管理庁長官大国行政管理局長、以上の方々でございます。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  4. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 この法案について、二、三お伺いいたしますが、まず、順序として、本日の段階では総括的に二、三お伺いいたしたいと思います。  まず、お伺いしたいのは、行政改革についての問題点についてお伺いいたします。昭和三十九年に臨時行政調査会行政改革についての答申をされてから、すでに四年になっておりますが、その間、政府かけ声ばかりで、抜本的な行政改革にはほとんど手をつけていなかったような事態であったと思うわけです。そこでお伺いいたしますが、いままで政府が行なってきた行政改革の実情について、たとえば行政民主化とか、あるいは行政事務地方自治体への委譲の問題あるいは行財政制度簡素化能率化、こういうような点について、具体的に御説明を承りたいと思います。
  5. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 臨時行政調査会行政改革について答申案をつくりましてから、相当の日がたちますけれども、その間政府が何をしたかと、こう言われますと、全く申し上げるようなものがないのでありまして、その点は申しわけないと思っております。ほんとう行政改革に手をつけたのは、おそらくは今度が初めてではないかと思います。  今回御審議をお願いいたしておりまするこの省庁一局削減の問題、それから総定員の問題をまとめましてこの国会提案をいたしました。これが行政改革といたしましては、手をつけた一番大きな問題だ、このように私は思っております。なお、行政民主化、それから行政事務委譲行財政制度簡素化能率化などについて、私以前にやったものにつきましては、局長出席いたしておりますので、局長から答弁させます。
  6. 大国彰

    政府委員大国彰君) 臨調改革意見に基づきます行政改革内容でございますが、現在までに行ないました内容でございますが、何ぶん十六項目にわたりまして非常に広範な、しかも重大な内容を含んでおります改革案でございますので、先ほど大臣から申し上げましたように、まだほんとうにその一部が実現したというにすぎないわけでございますが、具体的に申し上げますと、内閣機能の強化という問題のところにおきましては、行政監理委員会設置昭和四十年にできておるわけでございます。なお、閣僚協議会整理ということも臨調答申趣旨に沿いまして実現しておるわけでございます。さらに、内閣補佐官制度につきましては、昨年の通常国会に一応成案を得まして提案したのでございますが、成立に至っておりません。  第二番目の中央省庁に関する意見のうちにおきましては、審議会等整理につきましては、一昨年三十四の審議会整理いたしましたほか、昨年十月に閣議了解で、今後の審議会運営等につきます八つの原則を確立いたしまして、今国会にもただいま御審議いただいております法案の中に六つの審議会整理案を含めておるわけでございます。  それから、共管競合関係につきましては、現在までに目ぼしい効果のあがりましたのは、通関関連行政改善につきまして、事務次官会議申し合わせによりまして、行政管理庁が中心になり、中央並びに各税関所在地におきまして関係各省協議会を設けまして、通関上の手続の様式の統一、それから庁舎の合同というような点で相当これは成果をあげているわけでございます。  それから事務配分につきましては、これは主として許認可関係にからむ場面が非常に多いわけでありますが、許認可以外につきましては、ほとんど見るべき実績をあげていないわけでございます。  それから、許認可につきましては、すでに昨年までに臨調指摘事項三百七十九件のうち二百一件を整理いたしました。さらに今回約二十五の件数につきまして整理するという法律案をお願いしておるわけでございます。  それから機構統廃合につきましては、これは臨調のほうでいろいろ指摘がございましたのでございますが、いままでに実施いたしましたのは大蔵省の臨時貴金属処理部の廃止がございます。それから文部省におきまして調査局を廃止いたしまして文化局設置しておるわけでございます。なお初等中等教育局高等学校教育課設置するというのが臨調答申趣旨実現でございます。それから通産省におきまして、軽工業局及び繊維局を改編いたしまして、化学工業局繊維雑貨局とに改編をしたわけでございます。なお特許事務合理化のために審査第五部、これも新設でございますが、あるわけでございます。なお、これにつきましては、今回の一局削減におきまして、さうに機構統廃合をやるというかまえになっておるわけでございます。  それから公社公団につきましては、現在までにほとんど目ぼしい答申実現ができなかったわけでございますが、ただいまの国会に四つの公団につきましての整理法律案をお願いしておりまして、大体衆議院を通過したような状況でございます。  それから首都行政につきましては、一応の検討はしたのでございますが、広域行政と同じく、これはまだほとんど手をつけていないというような状況でございます。さらに青少年行政につきましては、これは総理府青少年局を設けまして、総合調整を強力に行なわせるということを四十一年にやったわけでございますが、今回の一局削減措置によりまして、これは青少年対策本部として総理府機関に移すことになっておるわけでございます。  それから消費者行政につきましては、経済企画庁に国民生活局臨調答申趣旨に従いまして設置したわけでございます。  あと事務運営等につきましては、これは四十年の五月に、事務次官等会議申し合わせによりまして、各省それぞれ窓口事務改善あるいは立ち入り検査改善、その他行政機関内部事務処理合理化をはかっておるわけでございます。  それから予算会計につきましては、いろいろと会計法上の改正をいたしまして、物品管理、その他計算証明書、そういった点の手続簡素化をはかったわけでございます。  なお、公務員関係につきましては、その間内閣人事局設置もございまして、臨調答申趣旨実現にいろいろ努力しておるわけでございます。大体以上が現在までに臨調答申に対して政府がとってまいった現状でございます。
  7. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 いま大臣に対しては、三十九年に臨調答申があって、それから約四年経過しておるけれども、かけ声だけで、あまり行政改革に手がつけられていないのではないか、こういう質問に対して、大臣からは行政改革をやるのは今回初めてだ、そういう意味の御答弁があったわけです。これを受けてさらに局長からは、三十九年臨調答申があった翌年、四十年に、この行政改革を推進するために行政監理委員会設置されて、以下具体的な措置についての釈明があったわけです。  そこでさらにお伺いいたすわけですが、大臣は今日まで何もやっていないということになると、局長説明することは何もないわけですけれども、若干具体的に説明があったわけです。ということは、全然やらぬのではなかったということ、多少臨調答申に沿って、まず行政監理委員会設置された。それから今日まで、ごくわずかではあったけれども、具体化したものもあると、そういう意味に解釈できるわけですが、そういうふうに理解してよろしいわけですか。
  8. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) そのとおりでありまして、まあ正規的に取り立てれば、申し上げるようなことはほとんどなかったんじゃないかと、ただ、事務的に列記すればああいうようなことだと、こういうふうなことだと私も思いまするが、私は政治家でありまする関係上、取り立ててこういうものをやったんだということは、とても言い得るものはない、こういうことであります。
  9. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 そこで、局長から具体的に二、三御説明があったわけですが、ここで特に伺いたいのは、四十年に行政改革を推進する機関として行政監理委員会設置されたわけですから、そこで発足以来現在まで、その臨調答申あるいは行政監理委員会として出した意見ですね、そういうものがどの程度尊重されてきたのか。ただいまの説明の面とダブる面もありましょうけれども、この点を局長から御説明いただきたい。
  10. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 毎週一回監理委員会を開いております。そしてその監理委員会でいままでいろいろな話し合いがなされたのでありまするが、まあおもだったことをまとめて申し上げますると、地方事務官制度をどうするか、こういうことで非常に議論があったようでございまして、監理委員会方針としては、地方事務官制度地方委譲することを大体妥当とするというような意見のようであります。そのことについて労働省、厚生省、運輸省などといままでは事務的なレベルで話をしてまいりましたけれども、いまだ具体的なものには達していない。しかし、その答申に基づきまして、八月一ぱいまでの間にこの問題は解決すると、こういうような方針がまず確立されております。  それから、特殊法人整理の問題でありまするが、これも今国会に四法人整理のための関係法律案を提出いたしておりまするが、たとえば北海道地下資源開発会社なんかを民間に委譲する法律自体としては何でもないようでありまするけれども、実際問題になればそう簡単にいかない。人の生活に大きな影響を与える問題でありまするから、そこに働いておいでになりまする方方の生活の問題、再就職の問題、そういう問題なんかを解決しながら、この問題と取り組んでいくということになりますると、なかなか容易な問題じゃない。大きな問題であると、私はこういうふうに考えまして、特殊法人整理というものは、なさねばならないけれども、非常に大きな問題だと、こういうように自分は痛感いたしております。  それから、定員管理制度改正という問題で具体化したのは、今度の総定員法であります。一省庁一局削減の問題も監理委員会でいろいろ議論をされまして、そして今度の改正法律、今度の、きょうから審議してもらいまする法案となったのであります。許認可整理の問題も非常に議論された。これは臨調時代からそのまま継続して監理委員会に入ってまいりまして、今度の国会関係法律を提出しておりますこの程度のことでは、とてもなまぬるいということで、もっと早く許認可整理をやる方法かないものかと、こういうことで毎週いま内容について検討をいたしております。検討の済み次第、速度を早める一つ方法考えるというところまできております。
  11. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 いま政府としては、今後三年間をめどとした行政改革をするんだと言われておるわけです。そのことでお伺いいたしますが、この三年間で行政改革を推進するというお考えについては、確たる成算があってのこういう意思表示であるのかどうか、またそうだとすれば、改革計画があろうかと思うのです。それを具体的に、そして年次別にお示しをいただきたい。  ただ、ここで問題なのは、私どもの立場からすると、どうも確たる成算があって三年計画での行政改革を推進するということは考えられないわけです。先ほど御指摘申し上げたように、三十九年に臨調答申を出されて、この臨調答申の線に沿うてこれを推進する意図から行政監理委員会設置されてきたわけですけれども、大臣のお答えになったように、この四年間何もしてない。行政改革は今回初めてだと、そういう御答弁があった。事ほどさようにいままで具体的に行政改革は推進されていなかったわけです。ところが、いまの時点で、こういう情勢の中で、今後三年間ではたして行政改革が推進できると確信がおありかどうかということを、確信のないことを計画されても、なかなか実行できなければ意味がないと思うのです。計画を立てられることはけっこうですけれども、ただ計画かけ声で終わっただけでは意味がなかろうかと思います。こういう点非常に危ぶまれるので、この際もう少し大臣の確たるお考えをお聞かせいただきたい。
  12. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 一つはこういうことであります。総理がアメリカに出かけられる前に、一省庁一局削減ということの宿題を投げかけて行かれまして、総理ほんとう行政改革と取り組むという決心を、しからばそのときにされたのかと調べてみますると、聞いてみますると、ずっと以前からされておる。それが衆議院、参議院で日韓問題が取り上げられた際に、衆議院の当時の議長だった船田さんとの会話の中において、今度日韓問題が解決すれば、国内問題が大きな問題になると自分は思うけれども、一体総理は、国内問題は今後何を考えますかということを、当時の船田議長が聞いたそうです。そうすると、これからは自分行政改革と取り組む、こういう返事をされた。したがって、そのときに決心をされて、それからいろいろな角度から、いかにしたならば行政改革と取り組むことができるか、取り組んでこれを解決することができるか、こういう点で勘案されたに違いない。その結果のあらわれが一省庁一局削減、こういうことになったと私は判断いたします。そしてその判断の根拠となったものは何だと言いますると、日本の置かれた内外情勢がきわめてきびしいと、こういうきびしい内外情勢のときでなければ、行政改革などというものはできるものではない。こういうバックがあって行政改革ができるのだという判断をされて、その突破口としてのこういう一省庁一局削減という課題を出されたものだと、私はこういうふうに判断をいたしております。  それからこの課題は、私が行政管理庁長官に就任する前に、野におってお聞きいたしましたときに、たいへんな問題だと、歴代の内閣行政改革と取り組んで成功したためしはあまりないと、そういうときに大きな問題と総理が取り組まれたのだが、一体可能か不可能かということ自体を、私はこの立場に立たない前に非常に考えたこともあります。そしてはからずもその仕事を担当させられて、そして取り組んでみて、ともあれ、一省庁一局削減看板どおりに実行してみようと、それができれば、行政改革の根本問題と取り組んでも成算ありと、それすらも不可能であったならば、行政改革の根本問題の解決はつかないと、こういうふうに自分考えまして取り組んでみたのであります。各省庁とも必要、不必要にかかわらず、長年の間手がけた局、もう一局でも、たとえ局長一人だけでもやめさせる、それからダウンさせるというようなことは、よほどの協力的な気持ちが出なければ、それは可能なことではない、こういう点を思って取り組んでみたのですが、結果から見て、それが可能という答案になりましたので、私は行政改革の三カ年計画案というものは可能であると、そして成算があると、必ずやり遂げることができると、こういうふうに自分では判断したのであります。  ただ、そのやり方なんでありますが、まあ御承知のように、ああしてりっぱな臨調答申というものができたのであります。佐藤内閣のときにできたんじゃない、池田内閣のときにできたんでありますが、その答申案を、行政管理庁としては何としても各省庁に受け入れさして実行さしたいということで、相当努力されたようでありますが、各省庁ともになかなかそれを受け入れようとはしなかった。そういうような歴史があったのであります。したがってまあ遅々として進まなかった、こういうことになると思いまするが、私は、そういうような歴史を顧みまして、人間の心理というのか、特にお役人の心理というのかわかりませんけれども、人のつくったものを受け入れるということは、それはもう相当の抵抗を感ずるものかもしれない。したがって、この行政改革だけは、管理庁が独走してはならない、えてかってに自分だけで進んではならない、各省庁との共同作業にすることが、行政改革の根本の課題であると、それなくしてこの問題の解決はできないと、こういうように判断いたしまして、はたして共同作業が可能であるかどうかというわけで、この点とも取り組んでみたのであります。ところが、共同作業というものは可能となりました。そうして現在では、行政改革本部が主体となりまして、この共同作業に従事いたしておりまするから、徐々に計画が実行されておる、こういうことなんであります。  きょうは政務次官会議を開きまして、各省庁が六月一ぱまでの間に答案を出すことになっております。その進行状態を聞いてみましたけれども、満足すべき状態である。したがって、六月一ぱいまでの間には十八の省庁が滞りなく出すという、きょう答案を得まして、ますますその成算確信を持ったような次第なんでありまするが、その突破口となりまするのが今度の二つの法律案であります。ぜひ、せっかく行政改革の芽ばえなのでありまするし、特に深い雪の中から芽を出したものでございますから、何としても育ててもらうことを私は特にお願いを申し上げます。幸いにも行政改革につきましては、世論が非常に支持しており、各新聞で今度の法案を通すべしという論説を書かなかった新聞はありません。わが党、自由民主党内閣には、比較的冷静な朝日新聞なんかは、二度も論説を掲げて声援しておる。こういうところから見まして、世論が絶対に支持しており、非常に世論を尊重される野党の方々の御協力は必ず得られるのではないかと思っております。その点でもますます成算がある、こういう考え方を持っておりますが、何とぞひとつ御協力をくださるようにお願いいたします。
  13. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 長官としては、今後三年間を目途として行政改革を完全に実施するのだということについての一つの所信の披瀝があったと思いますが、最後に私、朝日新聞等も二度も三度も論説を掲げてこの行政改革を支持した、こういうことがありましたが、各報道陣をはじめ世論臨調答申趣旨にかなった行政改革ですね、これは何人も賛成なんですよ。臨時行政調査会答申趣旨に沿うた行政改革はやるべきだ。われわれは、臨調答申に対してはまだまだ手ぬるいというくらいに考えておるわけです。したがって、問題は、臨調答申趣旨にかなった行政改革であるかどうかというそこに問題があるわけです。ところが、現状のものとしては、いま大臣は、口先ではこの三年間を目途行政改革を完全にやるのだという決意をされることはけっこうですけれども、われわれとしては、現状のままではとうてい臨調答申にかなった行政改革はできない、絶対できない。そこで、それではなぜできないかということについて、以下問題を順を追うてお尋ねしたいと思うわけです。  最初に言っておきたいのは、今度は、一省庁一局削減という問題でお伺いするわけですが、一局削減、いわゆる行政機構統廃合ということは、行政事務簡素化とか、あるいは民主化効率化、こういうことを伴っていなければ、全く意味がないわけですね。これは長官といえども否定できないと思う。ただ、機械的な行政改革を進めたところで、行政事務民主化簡素化効率化を伴っていなければ、全く意味がないわけでしょう。だと、それは大臣、肯定すると思うのです。ところが、これから一局削減についての大綱をお伺いするわけですが、昨年十一月だと記憶しておりますが、佐藤総理のツルの一声によって、突如としてこの一局削減があらわれてきたわけです。で、法案内容は、 いま御指摘申し上げたように、臨調答申とは何ら関係のない分野になっておる、そういうことをまず指摘できると思う。関係ないということ、それと従来、行管がとろうとしてきた行政改革と、どうも結びつかないと思う。そこで順序としてお伺いしたいのは、政府としては、臨調答申との関連をどのように考えておられるのか。その点きわめて大事な問題であるので、ひとつ明確にお答えいただきたいと思います。
  14. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 臨調答申をどう扱うかと、こういうお話でありまするが、臨調答申のほとんどと言ってよいほど、今度の行政改革の三カ年計画案の中に織り込む方針でおりました。そして織り込むことはまた可能でもありまするし、織り込みながら、いまそういう処置を講じておるわけであります。臨調答申は三カ年計画案の中に、ほとんどと言ってよろしいほど織り込まれることになっております。その臨調答申と一省庁一局削減というものはかみ合っていないんじゃないか、連絡がないんじゃないかと、こというようなお尋ねになりまするけれども、臨調答申行政改革を根本的にやれと、こういうことなんでありまして、それをやるためにのろしを上げたのが今度の一省庁一局削減でありますから、これは関係ないんじゃない。同じ血の発露である、血液は通っておる、私はこういうふうに考えておりまするし、今度の一省庁一局削減というものだけを切り離してお考えになりまするとそうなりまするけれども、これが三カ年計画案につながる。三カ年計画案入り口、言いかえれば今度の一省庁一局削減というものは、山を登るための登り口を発見したのであると、こういうふうにお考えくだいますように。登り口そのものは山じゃありませんから、山の入り口でありまするから、大きくありませんけれども、ここから登っていくことによって、ここを登山口とすることによって行政改革という山に登ることができる。今度のやつは登山口でありまするから、決して関係ないことではない。私はこういうふうに考えております。
  15. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 それは口の上では表現をくふうすれば、何らかの結びつきはできましょうけれども、これは、これから以後審議を進めていくにつれて全貌がはっきりしてきようかと思うのですが、どういう観点から見ても、今回の一局削減については、行政事務民主化とか簡素化効率化、こういう点を配慮したものではなくて、もうほんとうに画一的に無理やりに、総理大臣の威令をもって強行しようとしているものであることは、きわめて明快なわけです。これは幾つかの例証をあげて裏書きすることができると思うのです。したがって、こういう一局削減、いまのこういう意味の一局削減では、行政改革では何ら行政事務民主化簡素化効率化にはならない、こういうことを断定せざるを得ないわけです。とうていこのままでは改革は期待し得ない、そういう考え方を私どもはしておる。しかし、この点繰り返し大臣は、完全に行政改革を実施するのだとおっしゃっておるわけですね。しかし、こういう一局削減、こういう姿の一局削減行政事務民主化簡素化能率化、こういうことは実現できると長官考えておるのですか。
  16. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) これだけをこう切り離してあとは何にもないものだと、こう御批判なさりますと、お説のとおりになると思います。これだけを切り離さないで、これが糸口となって行政改革の三カ年計画案ができ上がるのだと、その三カ年計画案というものが、でき上がりましたものの全体をごらんになりますると、私はその御批判がなくなってまいりまして、行政事務民主化もなるほど生まれてきたんだなあということがおわかりになると、わかってもらえると、こういうふうに自分考えております。これだけを切り離さないというか、これからこれに続くものが、長い行政改革の三カ年計画案だ、その中に行政事務民主化もすべて含まれておるのだと、こういうように御解釈をお願いしたいと思います。
  17. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 一局削減というこの問題だけを取り出して論ずると、私の指摘するようなことになりますがという意味の御答弁ですが、私も行政改革全般について、視野を広めて、そういう上に立って御質問申し上げておるわけです。決して一局削減ということだけにとらわれてお伺いしておるわけじゃないので、誤解のありませんように。  なお、ここでお伺いしたいのは、現状をもってしてはとても行政改革はできるものじゃない。それは機構改革はできるでしょう、機構改革は。しかし機構改革あるところ必ず行政事務民主化とか能率化簡素化、こういうことが当然伴わなければならないと思うんですね。そういう行政事務のそうした改善が伴わない行政機構改革はおよそ意味がない。それでお伺いいたしますが、これは各省庁のあらゆる分野にわたって例証できることですが、きわめて深い関連があるからお伺いいたしましょう。  それでは、三十九年に臨調答申を出して、各省庁に勧告しているわけですね。その臨調答申に対する各省庁意見というものをまた出されておるわけです。それをまとめたものがありますが、それを通覧すると、ここではっきり申し上げ得ることは、行政機構の拡大強化、こういう臨調意見に対しては、例外なくみな賛成しておるわけです。もう例外なく賛成です。ところが、これが機構を縮小したり権限の委譲というような面になると、例外なく反対です。この事態は、ことばをかえていうと、これは各省庁のなわ張り根性ということに通ずる。ことばをかえていえば、あまり上品なことばではございませんけれども、なわ張り根性そのものが、それが改革できないでなぜこの行政改革ができるか。行政事務のいわゆる改善を伴った機構改革というものはできるものじゃない。これは絶対できない。先ほど大臣がおっしゃったように、三十九年以来現在まで、四年間にわたっていまだに行政改革はできなかった。行政改革はこれからだと大臣はおっしゃっておるわけですね。この四年間で、この四年間ほとんど見るべきものがない。それはいろいろ原因ありましょう。いろいろ原因はありましょうけれども、きわめて重要な反対の理由として、各省庁のそういうなわ張り根性があるわけです。それはこの資料に明確に出ておるわけですね。最初から最後まで通観して調べましたけれども、ほとんど例外がないわけです。自分の省を拡大することには例外なく賛成、機能縮小、委譲という問題についてはまっこうから反対しておるわけですね。統廃合には反対。これを大臣として、こういう長年の宿弊ですね、これは長年の宿弊です。これはどの省がどうのこうのという問題じゃない、内閣全体の問題だと思うのですが、こういう点をまず取り除かないと、一局削減くらいやったところで、焼け石に水で、これは竜頭蛇尾に終わってしまう。また四年後に内閣委員会でどなたかが質問をするかもしれません。臨調答申から四年たった時点で、それは行管長官が必ず確信を持ってやるのだとおっしゃった、それから四年たった現在、まだ何もやっていないという答弁がまた繰り返されると思うのですね。そこで、やはり何といっても、行政事務改善を伴う行政機構改革をやって初めて効果があがるのだから、それには障害を取り除かなければいかぬと思う。障害を取り除かぬで、現在のままで行政改革を完全に実施するなどということは、これはもうとうてい期待できないことです。しかも、そのことは臨調答申にまっこうから相反することだと思うのです。この点はきわめて大事な点でありますから、ひとつ明確にお答えいただきたいと思います。
  18. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 全くごもっともな御意見でありまして、各省庁のなわ張り根性というものはもう驚くべき——私から言いますると、厚顔無恥にひとしいんじゃないかと思っております。そう言いますのは、今度一省庁一局削減というものをいまの内閣の手で発表しておるにかかわらず、そのうしろのほうから、局は八つ、部は八つ、それから課は六十四課増設してもらいたいということを、同じ省庁がそういうことを言っておる。その二つの面から見ますると、全く厚顔無恥なんじゃないかと私は実はあきれておりまして、各省庁のなわ張り根性の強いことには驚いたのであります。しかし、そうした非常に醜いなわ張り根性も、一省庁一局削減と、それは額面どおりにやるんだと、その額面どおりにやったということについては、非常に画一的であって、御非難もこうむってはおりますけれども、とにかくやるんだといって踏み出したときに、その厚顔無恥も少し引っ込んだようでありまして、局、課というものの増設は自主的に取り下げてもらいたいと言いましたところが、自主的に取り下げたのでありますから、これはやはり時代の流れというものが行政改革にさおをさしているときには、そういう厚顔無恥な態度も若干は鳴りをひそめるものであるというふうに自分は思っておるわけであります。  それから行政改革ほんとうにできるかできないかということは、全体の行政の長になっております総理大臣の態度いかん、決心いかん、総理大臣がぐらぐらしておっては、とても行政改革なんというものはできるものではない。その総理大臣が不動の決心で臨んで、そうしてそれを実行するという態度に出たならば可能なものであると、こういうふうに自分は思っております。そうしてそのために総理が中心になりまして、強力な行政改革閣僚協議会というものができておりまして、その会長に総理大臣がなって、各省庁のなわ張り争い、役人のなわ張り根性というものは押えつける、こういうためにこういうものまでもつくりましたから、私は、伊藤委員のおっしゃったようななわ張り根性というものは、これから押えていくことができると、こういうふうに思っております。僚私も今度行政管理庁長官になりまして、行政改革閣僚協議会出席してみまして、そこで議論をして、大体ほとんどと言っていいほどこちらのほうの意見が通る。それは会長に総理がなっておるわけです。それから総理は、行政改革は不動の決心でやるのだという意思を強く堅持されておられまするからだと思っておりまするが、こういう悪いいままでの習慣は、この際思い切ってなくしていきたい、なくさなくちゃならない、こういう気持ちで私ども取り組んでいるのであります。
  19. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 大臣としては、この宿弊であるなわ張り根性を改革できると、できればたいへんけっこうですがね。三十九年臨調答申があって以来、当委員会としても、各省庁設置法を審議するに際しては、必ずその中で各大臣のその省その省の行政改革に対する臨調答申に対してどうお考えかと、もうくどいようにそのつど設置法の審議の際は必ず私はただしてまいったわけです。大臣によってはなわ張り根性を認め、大臣によっては臨調はこうだが、わしのほうは、省としてはこう考えておる、こういうことでみな区々まちまちですね。しかも、それから四年経過しておりますけれども、一向になわ張り根性はなくならない。現に、たとえば今度は幾つかの省に共通している問題を拾ってみますと、法務省の訟務局、それから郵政省の監察局、経済企画庁の水資源局、それから防衛庁の教育局、これらは共通していることは、必要の度合いからきめたのではなくして、現在のいわゆる規模が小さいとか、したがって力も弱い、新設されてまだそんなにたっていないで、機構も固まっていない。したがって、全体として弱い局ですね。それは局によっては必要上いろいろ差があろうかと思いますね。ずいぶん大きな規模の大きい局もあるし、非常に弱小の局もあるわけです。それはその任務、目的に応じてあるわけですから、その差は当然出てきようかと思います。ところが、指摘申し上げたいのは、今度の一局削減については、こういう全体として力の弱い局にしわ寄せがきているということです、その必要の度合いよりは。これはぜひ残しておかなければならぬという臨調答申にも、その点相反しておる点が相当あるわけです。そういう詳細については、今日以後各省庁の節で具体的にお伺いするわけですが、きょうは一般論、総括としてお伺いいたします関係で、具体的には伺いませんが、こういう傾向は濃厚に出ているわけですね。これに対して長官としてはどうお考えですか。
  20. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 私もその伊藤委員のお話のとおりじゃないかと思います。ただ、今度の一省庁一局削減については、行政管理庁としては、内部には少しも関係しなかった。各省庁に対して、とにかく一局だけは削減してもらいたいと、こういうことを要請しただけであって、どの省はどうしなさい、どの局をどうしなさいということは一言も言わなかった。したがって、各省庁の内部で協議された結果、結局まあお説のとおりの結果になったのじゃなかろうかと、私はこういうように見ておりまするけれども、そういう問題について行き過ぎたものがあったとすれば、それは今度の行政改革三カ年計画の中で是正していきたい、こういうふうに自分考えております。
  21. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 いま私は二、三具体的な例をあげたわけですが、法務省の訟務局とか郵政省の監察局、経済企画庁の水資源局、防衛庁の教育局、これは一局削減に努力する、こういうことは、省議でいろいろそれぞれの省庁で論議があったと思うんです。それはどうしてもしわ寄せは弱いところにいくわけです、どうしても。その必要度とは並行しないで、必要度の高い局は必ずしも局が大きいというわけではなかろうと思う、一致した場合もあり、相反した場合もある。ところが必要度ということを無視して実際に弱い、視模の小さいところはやりやすい、犠牲も最小限度にしようということで、ここにも先ほど申し上げたなわ張り根性があらわれておると思うんです。そういうところで大所高所から見て、ほんとうに日本の行政機構改革、そうして行政事務簡素化能率化民主化をはからなければならぬ、各省庁ほんとうに一念に徹しておったら、こういうことは出ないわけです。しかも各省庁が各個ばらばらに思い思いにやっておるわけです。あるものは部局の統廃合をし、あるものは格下げをやり、あるものは別の機構にしておるとか、各個ばらばらで、何ら統一がない。機械的に、総理が一局削減しろというから、何とか形だけはととのえなければならないということで、それにはひとつやりやすいところ、その必要度などはそっちのけで、弱いところにしわ寄せした、そういう結果になったのだと思うので、そこでお伺いしたい点は、そういう点では、行管が国家行政組織の大綱をにぎっておられるわけですから、行管長官としては、大所高所から見て、横の連携をとった視野から、いわゆる代表的な立場からの、行政事務改善に伴う行政機構統廃合でなければならぬ、そういうことは当然言えると思うわけです。こういう幾つかの例証をあげても、それが裏打ちされていないわけです。今後審議を進めるにしたがってそういう点がますます明確になってくると思う。各省庁それぞれみなそういう傾向が濃厚にあらわれておる、この点はまことに遺憾だと思う。この点いかがですか。
  22. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 伊藤委員のお話のとおりのものもたくさんあると思いますので、そういう点は私も遺憾だと思いますが、そういうものの是正は三カ年計画案おいてにやってみたい。今度の問題は、一省庁一局削減という課題にこたえた答案だったんですが、結果はそうなったものもあるに違いないと思いまするが、今後の取り組む課題が、行政全体の根本的な改革を三カ年間にやる、こういうことでありまするから、御指摘の点は、今度の三カ年計画の中で大所高所に立って十二分に整理総合を行ないまして、納得のいくような改革案をつくってみたい、こういうふうに考えております。
  23. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 先ほども申し上げたように、今回の局の削減に伴って部に格下げされたもの、また特別に局を設けてそれに代替したもの、しかも、従来の組織とか定員はほとんどそのままになっておる、そのまま移しかえをやっておる、こういう姿、そういうことでは実質的に一局削減というのは全く意味がないと思う。何ら実質的に行政事務改善をはかることには通じないと思うのです。  それとあわせてお伺いしたいのは、今回力の弱いところが犠牲となって削減されたわけですが、削減の対象とならなかった局については、今後どうなさるのか、もちろん一局削減だけを考えてやられたことではなく、他の行政改革についても考えておられると思う。まあ一局削減は、政府のことばをもってすれば、当面まず手始めに一局削減ということにきまったものかと思う。その手始めからすでにそういうふうに、全く意味のない一局削減という形の行政改革計画が進められておるわけです。あとは一体どうするかということも関連を持ってくるわけですが、この機会にお伺いしておきたいと思う。
  24. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) こういう方針で臨んでおります。現場の第一線で行政を運営しておりまする各省庁に、まず自分の担当しておりまする行政を簡素、能率化するにはどうしたらいいんだという答案を出せと、こういうことで、六月一ぱいまでの間に各省庁から答案を出せということになっております。それから行政管理庁は管理庁の立場に立ちまして、臨調答申を具体化した一つの案を持ち、それから監理委員会にもつくらしてもらっておる。その三つのものが全部出そろうのが六月一ぱい、その出そろいましたときに、三つのものを素材にして、いまおっしゃったような問題と取り組んで、三カ年計画の根本的な改革案をつくる、こういう順序でいま進んでおります。
  25. 井川伊平

    委員長井川伊平君) 午前はこの程度として、午後は一時三十分再開いたします。  それでは休憩いたします。    午後零時八分休憩      —————・—————    午後一時四十七分開会
  26. 井川伊平

    委員長井川伊平君) これより内閣委員会を再開いたします。  午前に引き続き行政機構簡素化等のための総理府設置法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。  関係当局からの御出席は、木村行政管理庁長官大国行政管理局長でございます。  質疑のある方は順次御発言願います。
  27. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 午前に引き続いて二、三お伺いいたしますが、まず、お伺いしたいのは、総括整理職の名称が各省各庁でまちまちになっているのですね、現在は。たとえば審議官とかあるいは参事官ですね。あるいは調査官、監理官、こういうふうにまちまちになっておるわけです。で、なおかつ、たとえば同じ参事官でも省庁によってその地位が異なっておるというふうに、非常にこういうことで不都合な面が多かろうと思うのです。  そこでお伺いしたいのは、行政庁全体にわたってこういう面を統一的に名称を改める必要があるのではなかろうか。一般の人が聞いても、審議官とか参事官、調査官、監理官と、いろいろこうまちまちで、しかも同じ名称の職種であっても、省庁によってその地位が違うということでは、国民として見当つかんで困る。大体こういうことは、行管を中心に横の連携をとって、統一的な名称にする必要があるのじゃなかろうかと、こういうことも行政民主化あるいは効率化に通ずる問題だと思います。そこでこういう点についても、この際お伺いしておきたいと思います。
  28. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) お話の点はしごくごもっともであると思います。みんな不便を感じておるようでありまするから、これは今度の改革案で調整したいというふうに考えております。
  29. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 まあ長官は簡単にあれしておるようですけれども、これはほんとうにできますか、具体的に。そういうことも行政改革の一翼をになうことになろうかと思いますが、特にいまお伺いしたように、民主化とか効率化、職名を聞けば、大体これはこういう職種の人だとかと見当つくように、いまのところ見当つかないわけですが、省によってみんな違うから、それから地位も違うわけですからね。大体職名を聞いても、ああこれはこういう種類の人で、こういうことが国民にわからぬので、むずかしい名前をいろいろ、しかも不統一にきめておくということは、いわゆる政府は、抜本的に行政改革をやろうとするならば、こういう点も、そんな小さな点はと言わないで、具体的にこういう点も、こればやろうと思えばすぐできるわけです、横の連携さえとれば。これは予算を必要としない。努力でできるわけです。予算も何も要らぬ。そういうできることからまず旺盛な実行力をもってやるということ、これは行政改革を推進する一つの原動力になろうかと思います。こういう視野からお伺いしているわけです。
  30. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) いまのお話は、この前衆議院のほうでも実は話がありましたものですから、相談いたしまして、できるということで目下検討中でありまするから、必ずやりたいと、こう思っております。
  31. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 次にお伺いしたいのは、今回の一局削減とは直接関連はないもので統廃合と思われるものがあるので、これはどういうことか、お伺いしておきたいと思います。具体的には通産省の化学肥料部を今度廃止するようになっておるようですが、これは今度いまやろうとする一局削減とは直接何も関連がないと考えられるわけですが、そこでこれを廃止するに至った経緯とか理由、改正による事後の措置、こういう点についてお伺いしたいと思う。もちろん、これは以後各省庁別にお伺いする際、その際承りますが、きょうは通産省の方来ていないと思いますから、行管立場で要点だけでけっこうです。
  32. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 局長答弁させます。
  33. 大国彰

    政府委員大国彰君) 通産省の化学肥料部を今度廃止をするのでありまするが、化学肥料工業というのが相当進みまして、従来に比べまして、従来の直接価格の統制をとっておりましたのが、漸次業界の自主的な価格取りきめを行なうことになりまして、間接統制に入ったわけでございます。そういった関係もございまして、構造改善を誘導する形の間接的な行政に移行してまいりましたので、この際独立の部として設ける必要がなくなったという判断で、これの部を解消いたしまして、従来部の中にありました二つの課をそのまま化学工業局の中に入れたわけでございます。ただ、農林省の関係の農業政策との関係がございまして、この農業政策との調整を保たせるために、化学肥料参事官という参事官を一名そこにつけ加えまして、そうして事務の円滑な推進をはからせる、こういう考えを持っております。
  34. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 この問題についてもいろいろ問題があろうかと思いますが、誌細については通産省の一局削減、こういう機会が今後あるわけですから、その際に具体的にさらに掘り下げてお伺いしたいと思います。  次にお伺いしたいのは、審議会等についてこの機会にお伺いしておきたいと思うのです。今回わずかではありますけれども、審議会等整理が行なわれ、今後も続いて整理するものと一応考えられますが、ここでお伺いしたいのは、審議会現状と、今後も引き続いて整理なさる予定であろうかと思いますので、そのめどについてこの際にお伺いしておきたいと思います。
  35. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 局長から一応答弁させます。
  36. 大国彰

    政府委員大国彰君) 現在審議会と申しましても、これは名称がいろいろございますが、お話の審議会は、民間の有識者を加えました委員会というふうに了解いたしまして、そういった審議会等の数は現在二百四十七となっております。このような現状でございますが、これは二百四十七、いろいろございますが、大ざっぱにこれを分けますと、この中で不服審査の裁決等に関係いたしますのが二十五でございます。それから資格の得喪あるいは検定等に関係いたしますものが二十五でございまして、それからさらにあっせん、調停、仲裁等に関係しております審議会が四つでございます。これらを除きましたのが百九十三、これがいわゆる諮問的な調査、審議会でございます。その中でもいわゆる法律上どうしても付議しなければ行政権の行使に、まあ条件がつけられておりますのが百十でございます。こういった状況でございまして、この中から今回のこの法律案の中に六つの審議会整理統合をお願いしているわけでございます。
  37. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 次にお伺いいたしますが、当委員会で審議会等については、必要なものに対して反対してきたことはないわけですが、大体国家行政組織法に基づく、いわゆる法に基づいてつくった審議会と、それからいわゆるやみ審議会といわれるもので、たとえば閣議決定とか、あるいは閣議口頭了承とか、あるいは政令で、あるいは各省別にいろいろいわゆる国家行政組織法に基づかない審議会等が、いままで必ず当委員会で問題視されてきたわけです。だいぶそういう論議が高まって、一時的にだいぶ整理されてきたことは私どもも認めているわけですけれども、まだまだそういうものが整理されていないのではなかろうか、こういうふうに考えられるわけであります。そこでその実態を知りたいと思うのですが、いま説明のあった中で、法に基づいたものがこれこれで、法に基づかないものがあるわけです、審議会でも。それはいわゆる閣議決定とか閣議口頭了解というような、同じ閣議でもいろいろあろうかと思うのです。それから各省庁別のがあるわけですね。そういうような実情についてまずお伺いしたいと思います。
  38. 大国彰

    政府委員大国彰君) 先ほど申し上げました審議会は、全部法律に基づいておる審議会でございまして、ただいまお話のように、審議会類似の会というような名前を使っていながら、法律に基づかないものとおっしゃいますのは、いわゆる閣議決定等によりまして懇談会という形で、いわゆる機関意思をきめるのではなく、そこに集まっていただきました個々の有識者の意見政府側が聴取する、こういう形のものと解しております。現在私どもの把握しておりますのは、大体閣議決定でやりましたものでございますが、それは現在五つあるわけでございます。名前を申し上げますと、社会開発懇談会、これは四十年の一月に閣議口頭了解でできております。それから二番目が明治百年記念準備会議、これは四十一年の閣議決定でございます。それから物価安定推進会議、これは四十二年の二月の閣議決定に基づいております。それから沖繩問題懇談会、これは四十二年の八月の閣議口頭了解でございます。それから最後に、国鉄財政再建推進会議、これはことしの四月の閣議口頭了解、この以上の五つが現在閣議了解または閣議決定によりまして設けておりますいわゆる懇談会でございます。
  39. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 いま局長から説明のあった中で、閣議決定と一括して言われたわけですが、閣議口頭了解と閣議決定と、これはどういうふうに違うのか、それとも全然同じなのか、こういうことがちょっとあいまいなんで、その点をさらにお伺いしたいと思います。
  40. 大国彰

    政府委員大国彰君) 閣議口頭了解と閣議決定の差でございますが、内容的にはこれが閣議の意思であるということにおきまして変わりはないと思いますけれども、その閣議決定というのは、文書によりまして明瞭に内容をきめておるわけでございます。そういう意味では決定というほうがはっきりしておると、こういうふうに解しております。
  41. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 全然同じものなら閣議決定と閣議口頭了解なんて区別つける必要はないわけですね。同じなら閣議決定でいいじゃないですか。こちらの調べたところによると、たとえば沖繩問題懇談会、これは閣議口頭了解になっておるわけです。それから社会開発懇談会、これも閣議口頭了解です。物価安定推進会議、明治百年記念準備会議、これらは閣議決定のものです。どうもそこのところがあいまいなんですがね。もし局長の言われるように、全然実質的には区別がないなら、その区別した名称をつけないで、閣議決定で統一したらよさそうなものだと思うのですが、ここにも現在の行政の一面が見られるわけですね。そういうように、調査会とか審議会とか、協議会とか、まちまちなんだですね。この閣議決定とか閣議了解というのは、われわれしろうとにはわからんです、区別が。しろうとにもわかるように御説明願いたいと思う。実情を承りたい。
  42. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 閣議了解と閣議決定、私も同様なんですけれども、その区別がはっきりしない。ただその閣議口頭了解は、遠慮したことばのようですね。世の中に遠慮して使っている、——ほんとうにわかりません。こういうことはお役人にはわかるかどうかわかりませんけれども、私にはわからない。こういうことはおかしなことばだと思いまするから、これもやっぱり一つのこれからの整理の対象になるのではないかと思いますね。私自身も出席しておって、言われると、とても説明つきません。
  43. 大国彰

    政府委員大国彰君) 先ほど内容的には同じだと申し上げましたが、これはその効果がほぼ同じということでございまして、内容的にはほんとうは違うわけでございまして、閣議決定といたしますと、これはもう閣議としての合議体の正式の意思決定、こういうことになるわけでございます。閣議口頭了解といいますのは、大体まあ主務大臣が意思を表明いたしまして、それに対して閣僚全部がそれを認めたという形になるわけでございまして、閣議自体の意思決定ではない、こういうことになろうかと思います。
  44. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 その程度の説明ではますますわからない。閣議決定は、閣議の意思が決定される、これは閣議決定で、閣議了解というのは、閣僚が全部了解したということは承認でしょう。各大臣長官が、いわゆる国務大臣が集まって会議をやるのが閣議だと思いますが、それが全部了解したら、どう違うのです。その区別はっかないでしょう。大臣は全部了解したと言いましたね、口頭了解は。了解と承認は同じことでしょう。承認と了解とそんなに違うのですか、了解するから承認したわけでしょう。それはいま国語の時間じゃないから、そういうことは審議しませんけれども、閣議は、閣僚が了解しなければ承認もせんわけですね。了解も承認も一致しておるわけでしょう。どうも専門家としての立場にある行管で、閣議決定と閣議了解の区別がつかんようでは、これは行政改革なんか思いもよらぬ。
  45. 大国彰

    政府委員大国彰君) 先ほど申し上げましたように、閣議決定は、閣議としての機関の意思の正式の決定をいたします。閣議の了解事項と申しますのは、ちょっとここに用語辞典がございますので、これを読み上げますが、「閣議了解内閣の意思決定である以上、その効力としては閣議決定と大差ないが、閣議了解を求めるものの中にはいろいろな種類のものがあるので、その事柄によっては、閣議決定に準ずるというような法律的意味までを持たないものもありうる」と、こういうことになっております。
  46. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) いまの話はどうあろうとも、とにかくこういう時代に、一般の国民に、国民だけではない、特に閣僚になっておる私ですらも了解に苦しむようなことばを、そういつまでも使っておるべきものじゃないと思うんですよ。だから、その点は伊藤さんのおっしゃるとおりでございます。しかし、いままでこういうことばを使ってきたようでありますから、これからはそれを統一するように取りはかることにいたしたいと思います。
  47. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 まあこの問題も、用語の点はどうもそれじゃわかりにくいわけですが、用語辞典にそうあるというので、いわゆる口頭で了解はいたしませんけれども、今後さらに機会があったときお伺いすることにして、そこで、さらにお伺いしたい本旨は、そういう用語上の差別ではなく、従来当委員会で、法律によらない審議会等については極力早急に整理すべきである。そこで閣議決定であっても閣議了解であろうとも、これは国家行政組織法によらない審議会等ということになるわけですね、はっきり言うと。このことは従来から問題になっておる、だんだん整理する方向できたわけですけれども、いま局長からは五つだけ、われわれから見ると、それに基づかない審議会等が、いわゆるやみ審議会考えられるものがある。そのほか局長の言われたほかに、勤労者財産づくり懇談会、土地問題懇談会、こういうのがあろうかと思うんですよ。もちろんこれはなくなっておれば別ですが、こういうものを入れると、われわれの立場からやみ審議会等と見られるものが七つほどあるわけですが、まだほかにあれば、ひとつ合わせてお答えいただきたいわけですが、先ほどこれは審議会でない、懇談会だというような意味の御答弁があったわけですが、特に審議会等審議会そのものだけを私どもさしておるわけじゃない。審議会等という等に非常に意味があるので、したがって審議会等としてありますから、何々調査会、何々懇談会、みな同じ意味合いのものだと思うんですね。私どもはそう理解しておるわけですが、長官は一体どうお考えになっておられるのか。  それと、こういういわゆる法律によらない審議会等がいまだにあるということは、われわれとしては不可解千万である。ずいぶん長い間当委員会でこういう審議会等については問題視されて、必ずと言っていいぐらいに各国会の場でこの問題が問題視されてきて、政府もそのつど行管長官が、極力整理実現に努力したいと言われる。午前の部でも申し上げたように、各省庁設置法の審議の際には、ほんとんど例外なくこの点についても追及してきたわけです。だから、いまごろこういうのがあること自体が不可解千万である。まず行政改革を推進しよう、しかもこの三年間でひとつ目的を完遂しようという決意を長官が持っておられるならば、まずこれもやろうと思えばできるわけです。他の必要な審議会、調査会、懇談会等をつくるな、そういうことを言っているわけじゃない、反対しているわけじゃない、誤解のありませんように。必要なものは法律によってつくればいいではないかという、そういう立場からお伺いしているわけです。必要なものをつくるなとか、反対の意味では毛頭ないわけですね。必要なものならけっこうだからつくりなさい、しかし法律に基づいてつくりなさい、こういうことを言っているわけですね。それは政府立場としては当然でしょう。公務員にはとにかく法律を守れということを言っているわけですから、それを政府みずから違法と思われるこういうやみ審議会等をつくられていることは、これはもう不可解千万です。そういう点からも、政府みずから法を守るという——いい悪いはとにかく、現行の法律は守らねばならない。これは悪いところは改めればいいんですから、現行法は守らなければならぬ。そういう立場からいうと、いま国家行政組織法には明確に法律に基づいてつくるようにうたってあるんですね。国家行政組織法を改正しない限りは、政府も国家行政組織法を守るべきだと思う。必要なものは法律に基づいてつくりなさい、こういう考え方からいまお伺いしているわけです。
  48. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) お尋ねの御趣旨はよくわかります。私がこの役についてから関係したのが国鉄のいまの何か審議会ですか、機関なんでありますが、そのときの中曽根君の話では、国鉄の運営についてどうしても現実的に自分の相談機関のようなものを設けたい、そのことを了承してもらいたい、こういうような話で了承したときは、全く一時的なものであった。必要な期間だけ審議会、そういう委員会を開催して、そこで必要なものを吸収した後には、最短期間にこの会はやめるのだ、自分の全く個人的な諮問機関である、顧問的な機関である、こういうような話であったので了承したような次第だったのでありまして、これは中曽根君もそのとおりに、自分の必要な意見を全部吸収したならば早くやめるだろう、こう思っております。  他の沖繩とか物価とか、明治百年とか、社会開発のようなものは、やはりそのときには同じような考え、気持ちでつくったから、いま局長の言ったような懇談会というような、ごまかしみたいな、何かわけのわからないようなものになったんじゃないかと思いますけれども、もう明治百年記念というようなもの、これは一時的なもので、終われば即座にこれはなくなる。ただ、物価と沖繩でありますけれども、これは必要があるから、伊藤委員のおっしゃったように、法律に基づく調査会とか何かにしてもいいんじゃないかと思っております。社会開発なんかも、何だかもう古びてしまったようなものですから、こんなものはやめてもいいんじゃなかというような気もいたしますから、そういうような気持ちで、いまのお話のもの以外の問題にも取り組んでみて、早急に解決をしたい、こう思います。  ただ、いままでありました法に基づいた二百四十か何かの審議会も、いろいろなことを聞いておりますと、まだ一年に一ぺんも会議が開かれぬものもあるそうであります。いまこれは手をつけている最中でございまして、全体を通じて整理するものは思い切って早く整理をしたい、こういう考えでおりまするが、お話のとおりに、そういうようなことは全くごもっともなことだと、こう思います。
  49. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 この際こういうやみ審議会を明確にしてこれこれと、そうしてそれが早期に法に基づいたものに必要があれば改める、今日必要のないものは廃止する、そういう姿勢が明確になればいいわけですね。その前提として局長にお伺いいたしますが、長官は幾つあるかなんかというようなことは御存じないと思いますから、局長でけっこうですが、局長の先ほど説明された五つのほかに、勤労者財産づくり懇談会、土地問題懇談会、それがもしあれば七つになるわけですが、そのほかにありませんか。あればこの際御明示いただきたい。あとで出てくると問題はうるさくなりますよ。いまおわかりなら、この機会にお出しいただきたい。
  50. 大国彰

    政府委員大国彰君) 先ほど先生がおっしゃいました勤労者財産づくり懇談会、これが四十一年に労働省にできております。それから土地問題懇談会がことしの二月に建設省にできております。この二つは私どものほうでわかったのでございますが、あと各省におきましてそれぞれやっておりますものがもしありましたといたしましても、現在のところ私どもとしてはそれは把握いたしておりません。
  51. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 閣議決定とか閣議了解というならば、これはすぐわかるわけですね。そこで、このほかにもやみ審議会等と思われるのが各省庁別に、省議によってつくっておるものがあるわけなんですね。それはいまこの場で各省庁別に御説明いただきたいと言っても、これはお困りでしょう。いま局長現によくわかっていないという意味の御答弁です。まあ、これもまたほんとう行政改革をひとつ三年間でみっちり推進しようという、ほんとうにそういう意欲があられるならば、こういう点にも意を用いて、こういう法律に基づかない審議会等については早急に改めなければならぬと思うのです。そして、繰り返し申し上げて恐縮ですが、私どもは何も設置に反対しておるわけじゃない。必要なものは必要ですからおつくりなさい、合法的に。国家行政組織法に基づいておつくりなさい、こう申し上げておるのです。決して無理なことを申し上げていないわけです。要らぬものは廃止しなさい。必要なものは法に基づいておつくりなさい、こう申し上げておるわけです。  しかし、いまの局長の話では、各省庁別で閣議了解あるいは閣議決定以外にそういうものが相当あるやに聞いておるわけです。以前ほどたくさんはおそらくないと思う、だいぶ整理しつつありますから。そこで、これは相当日数を見て、来週火曜の当委員会までに間に合うように、ひとつ各省別の審議会等、——審議会等だから、審議会も懇談会も調査会も、あらゆるものを一括して。性格はみな同じですから、名称は違うのを使わないと……。それから、先ほど大臣、臨時的なちょっとの短期間だけという意味のことをおっしゃいましたが、それは言いわけにはならぬですよ。たとえ二カ月でも三カ月でも、二年でも三年でも、そういうことは変わらぬと思うのです。みな法律に基づかなければならぬわけですから。そういうものをひとつ来週の火曜の当委員会に資料として御提出いただきたいと思います。極力正確を期して、その正確の度によって今後行政改革が推進できるかどうかという、そういう判定の資料にもなろうかと思いますので、かように重視して、ひとつお取り組みいただきたいと思います。
  52. 大国彰

    政府委員大国彰君) ただいま審議会等というお話でございましたが、私どもがいま考えておりますのは、いわゆる組織法第八条にいっております審議会等でございまして、これは調査会とか審査会とか、あるいは何々会議とかいうようないろいろな名前を使っておりますので、審議会等ということに一括しておるわけでございます。で、お示しの資料でございますが、その八条に基づきます、法律で規定いたしました審議会等につきましては、資料は直ちに御提出できると思っておりますが、なお、閣議了解、または閣議決定のもの、これも行管に必ず事前に相談しろということになっておりまして、これも把握してございます。なお、私どものほうでは各省に対しまして、従来当委員会におきまして御注意がありました関係もあって、厳重に各省にはこういった審議会まがいのものはつくっていけない、いわゆる法律で規定すべき審議会等と類似のものはつくるなということを書面でも通達してございます。各省におきますこの審議会等に類似したものは、おそらくないのではないかという考えでございます。  で、先ほど二つあげました労働省、建設省のこれも、全くの懇談会でございまして、そこでいわゆる法律で定められました審議会のような機関意思を決定する、そういうことは全然やっていないはずでございます。そういった個々の有識者の知識を吸収するために臨時に開いたものは、今度のその資料の中に加えるべきであるのかどうか、ちょっとその点を——これは場合によりましてはたいへん数も多くなるかもわからない点もございますから……。
  53. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 繰り返しお伺いすることになりますが、先ほど言った閣議決定とか口頭了解というものは、いまのところ七つだけ明確になったわけですが、さらにあればあわせて御報告いただく、なければないでけっこうです。それと各省庁別の分については調べにくいという点もあろうかと思いますが、極力やってみてください。たいがいないかと思います——ないかと思いますけれどもではまずいと思います。大事な案件を審議しておる過程において、やはり政府としては断定できる正確さがなければいかぬと思います。そこで推量ではなく、なければないでけっこうですから、あるものはある、ないものはない、あればこれというふうに、ひとつ極力調査して、それで来週火曜日に資料として御提出いただきたいと思います。大臣、その点いいですね。
  54. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 極力調べさしてみます。
  55. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 次に、審議会についてもう一点だけお伺いしておきますが、当委員会で長い間設置法等の改正案を審議してまいったわけですが、その内容に、審議会あるいは調査会等の審議期間の延長というような内容設置改正相当多いわけです。今国会でもそういうものが幾つかあったわけです。そこでこの際一般的なこととしてお伺いしておきたいのですが、審議会等はせっかく設置されても、従来の実績から見ても、どうも十分な機能を果たさないものも相当にいままであったわけです。それと、設置するのにはそれぞれ目的があるわけです。その設置目的の類似したものが乱設される傾向がいままであったわけです。今後はないと思いますが、いままではそういうものもあったわけですね。性格の類似のものが相当次々つくられてきた。もちろんその後問題視されて整理はされてまいりました。そうして行政運営のこれが非能率にこういうことがつながろうかと思います。いわゆる事務処理が非常に繁雑化するという欠点ができてくる、あるいは行政責任が不明確になるわけです。責任官庁が隠れみの的に審議会等を利用する、そういうきらいもいままであったわけです。それと割拠性を助長させるような傾向もある、省庁部局のあと押し的存在となることもあった。なお言えることは、審議会等答申に対して、今度はそれを受けとめる側にある政府としても、その省その庁に都合のいい点は取り上げるわけですけれども、都合の悪い点は、たとえ審議会等答申を出しても、あまりそれを履行しようとしない。その最も根本的な大きなものが、臨調答申が三十九年に出されて、各省庁にわたっていわゆる意見を出したわけですけれども、もう同じことを繰り返すことになりますから多くを申しませんが、政府に都合のいい点は賛成、都合の悪い点は反対、こういう意見をはっきり出しておるわけですね。こういうふうに、そういう面がこの審議会等に関するいわゆる問題点として、従来そのつど問題になってきたわけです。  そこでお伺いしたい要旨は、今後審議会等をつくられる際には、先ほど申し上げたように、たとえ期間の短いものであっても、臨時的なものであっても、必ず国家行政組織法に基づいてつくられるということと、類似なものは極力避けられるという、そして整理の上出されるということ、それから出された以上は、答申趣旨を尊重しなければならないということも当然のことですね。こういうことについて、これは過去をとがめるのではなくて、今後そういう方向で審議会等を扱うことが、即行政改革の一環であろうかと思う、そういう視野からお伺いしたい。これに対する長官としてのね考えをお聞かせいただきたい。
  56. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) いまお話のように、いろいろな審議会がたくさんありまして、それが行政の政治の責任をあいまいにする、それから行政の隠れみのにもなる、そういう点で審議会というものはいままで問題になっておったことを、私は当然だと思うわけであります。やっぱり私は、政治の責任の所在だけは、そういうようなものがあいまいにならないで、そして明瞭になったほうがいいと思いますので、今日までありました審査会のようなものは、大胆に思い切って整理してみたいと、こう思いまして、いま一生懸命になって整理と取り組んでおるわけでございます。その事務的に機構的に一つ一つを取り上げて、その可否を議論しておりますと非常に長くなるわけであります。それでありまするから、おおよそ見当をつけて、運輸省関係審議会審議会として一本にしたらどうか、各省一つ当てぐらいにしてみたらどうか、非常に大まかな整理のやり方もいま考えておるのでありまするから、その理由はどういうためかと申し上げますると、いま伊藤委員がおっしゃったとおりの立場で、このことに取り組んでおります。  なるほど、民間の意見を広く聞いて、それを行政に反映させるということは、非常にけっこうでありまするけれども、そのために非常に責任の所在が不明確になることがかえっておそろしいのじゃないか、こういう考えは全く同感であります。それで政府でも、審議会等設置及び運営ということを、これは四十二年の十月に閣議了解事項できめております。きめたとおり守られておるかどうかわかりませんよ。これはしかし、きめたことだけは事実でありますがね。とにかくきめたことはどうしても実行しなければなりませんしと、こう考えて、そういう方針で、私はいまその審議会の問題とば取り組んでおる最中なんであります。
  57. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 なお、この審議会等の問題については、まだ問題がありますけれども、来週資料を御提出いただいた上で、また引き続いてお伺いすることにして、次にお伺いしたいのは、特殊法人についてお伺いしたいと思うのであります。  特殊法人整理統合については、これまた行政改革の一環として、毎年相当大きなかけ声が出されるわけでありますけれども、さてという段階になると、大幅に後退ということがいままで何回となく繰り返されてきたのが実情であろうかと思います。そこで、本年度はどうなのかということをお伺いしたいわけでありますが、本年度は特殊法人について、各省から、新設とか、あるいは改廃要求はどのようにあったのか。また、どのように審査査定しておられるのか。こういう実情について、要点をひとつお聞かせいただきたい。
  58. 大国彰

    政府委員大国彰君) 今年度の特殊法人の予算におきます新設要求といたしましては、四つの新設要求がございまして、なお、一つの改組があったわけでございます。で、四つと申しますのは、宇宙開発事業団、それから日本国際問題研究所、公害救済基金、都市開発公団、この四つでございますが、これはいずれも一本年度はこれを認めなかったわけでございます。  で、改組といたしましては、現在特殊法人であります鉱害基金に対しまして、特殊法人でありません鉱害復旧事業団、これを吸収いたしまして、新たに鉱害事業団と改組する、こういう案が出てまいりました。これは内容からいたしまして適切であるということで、これだけ認めたわけでございます。結局、四つの新設は認めず、改組一のみ認めた、こういう状況でございます。
  59. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 政府からいろいろと保護を受けているこういう特殊法人——公社とか公団あるいは公庫ですね、こういう特殊法人は、いままで特に臨調からはその経理がずさんであると指摘されておるのです。また、天下り官僚の高級者が相当おるという点、あるいはまた非能率的である、こういう点を臨調から指摘されて、その臨調答申趣旨に沿うてこれを整理することを、首相は公約されておるわけです。これは池田さんが総理大臣であったとき、そういう公約があるわけです。それからもうすでに久しいわけですね。三十九年の答申から見ると、もう四年たっているわけですから。この点で、整理された実績は一体どうなのか、どういう経緯があって現状までどうきておるかという、こういう実情を御説明いただきたい。
  60. 大国彰

    政府委員大国彰君) 特殊法人整理につきましては、お話のように臨調が非常に詳しい答申を出したわけでございますが、その中で例として十八の特殊法人をあげたわけでございます。で、その後行管といたしましても、この答申実現につきましていろいろと努力をしてまいったんでございますが、なかなか各省の抵抗にあいまして、十分な成果があがらなかった。昨年に至りまして行政監理委員会がこれと全面的に取り組むことになりましたので行管庁も全力をあげまして、百八の特殊法人全部につきまして調査をいたしました。その結果に基づきまして、行政監理委員会におきましては、昨年八月、二十項目、まあ数にいたしますと二十五の特殊法人につきましての統廃合、あるいは民法法人への移管、そういったような内容意見を出されたわけでございます。で、これを受けまして、行政管理庁におきまして各省庁と折衝いたしました結果、臨時行政改革閣僚協議会の決定を経まして、閣議了解におきまして九つの法人につきまして廃止あるいは民間移行という線を出したわけでございます。で、そのうち四つの法人につきましては、今国会にその廃止、統合の法律案を出しておるわけでございますが、四つと申しますのは、魚価安定基金、それから愛知用水公団、北海道地下資源開発株式会社並びに郵便募金管理会、この四法人につきましての廃止あるいは統合の法律案を提出しておりまして、北海道地下資源を除きましては全部衆議院をあがりまして、ただいま参議院のほうに回っておるかと存じております。
  61. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 臨調答申は、繰り返し申し上げておるように、三十九年にあったわけですが、結局その当時は、この特殊法人の数が、除夜の鐘がたしか百八だと思いますが、それと全く軌を同じゅうして、除夜の鐘と同じ数の百八だけ特殊法人があったわけです、この答申の当時は。まあ臨調としてもこういうものを検討されて、その中で特に目に余るものとして最小限二十の早急なる統廃合を勧告したわけです。それからすでに四年経過しておるわけですが、整理のめどのついたのは、いま局長から御説明のあった四つだけですね、いまの時点では。愛知用水公団とか郵便募金管理会とか魚価安定基金、北海道地下資源開発株式会社、こういう四つが二十の中からとりあえず整理のめどがついたと。そうすると、まだ残りは相当——残りのほうが多いわけですが、政府はあと残りの分につきましては、三カ年間で行政改革を推進すると、その中で考えるということを二月十二日の閣議できめておるというふうに聞いておりますが、これははたしてその残りについても統廃合できるのかどうか、危ぶまれるわけでございますが、この点はいかがですか。
  62. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 臨調が取り上げましたものの中で残っておる問題であります。これは三カ年計画とは関係なしに取り上げて、なるべく早い機会に解決したいと、こう考えておりまするが、残りの問題とはまだ取り組んではおりませんです。実際申し上げまして、いろいろな仕事が行政管理庁にたくさんありまして、それで非常に手一ぱいであったものですから、いままでは残りのものをどうするかという問題について具体的に取り上げてはおりません。国会も終わりまして、それからおおよその仕事が片づきましたならば、取り急いでこの問題を取り上げて、そして解決の具体策をつくってみたいと、こう考えておりますが、ただ先ほども申し上げましたとおりに、法人整理統合になりますると、人の問題が伴うものですから非常に困難をきわめる。北海道の地下資源の開発などは、それでたとえば民間に移すという法律案だけ出して、その法律案が通ればいいというものじゃありません。そこに働いておりまする人々の再就職の問題とか、非常に時間がかかる。公団整理統合は相当時間がかかるのじゃないかと、私は体験からこう考えております。これは、審議会整理なんかと違いまして、私は相当時間をもらわなければいけないと思いますが、三カ年計画とは関係なしにこれは取り上げて解決していきたいと考えております。
  63. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 まことに心細いきわみで、残りの分については今後考え実現したい、そういうことで、あまりここまで手が届いていないという意味だろうかと思いますが、そういう御答弁であったとすると、今後どうもあまりこの整理統合に期待できないということになろうと思うのですが、たとえばいまようやくめどのついた四つについて考えても、これは次官会議等でいろいろ論議された際、政務次官が統廃合の反対運動をしたというようなことも聞いておりますし、これはもう事実であったとすれば、なかなかもってこういう整理はできないと思うのです。次官会議で政務次官が反対するというようじゃ政府方針に逆行するわけですから、これはとても実現できるわけのものではありません。いまようやくめどのついた四つについてもそういうことが言えるわけで、残りのほうが多いわけですから、そういうことではなかなかもって実現できない、見通しは非常に暗いというふうに理解せざるを得ないわけですが、そういうふうに受けとめていいのかどうか。
  64. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 政務次官会議で政務次官が反対したかどうかということは私知りませんが、そういうようなものは幾らでも押えて進めると思います。ただ、非常に困難だと言いましたのは、それと全然関係なしに、それを整理したり、あるいはまた民間に移行したりしようとする場合に、そこに働いておいでになります人々の就職先の問題で非常に難航する、私が現在体験しておることなんでありまして、非常にそのめどをつけないで、ただ単に法律を提出して法律を通すということだけでは済まない問題に当面いたしまして、非常に困惑しておる、苦労しておる、こういうことなんであります。そういうこととは別に、どんなことをしても三の問題は取り上げまして解決したいと、こういう気持ちを持っております。そして解決しなければならないと、こう考えておりまするが、いままで残りの問題について、行政管理庁としてはいろいろな問題がある関係上取り組んではいない、こういうことでございまして、今度は国会でも済みますと余裕も出てまいりまするから、取り組んで解決していきたい。ただ、審議会なんかと違って時間がかかると、こういうことをすなおに申し上げたのであります。それだけのことでありまするが、政務次官が反対したから云々なんということは、私はどのように反対がありましても、それは押し切っていける、ただ働いている人の就職先が問題というふうに申し上げたわけであります。
  65. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 先般隠れ法人というものがあるというようなことが問題になっておりましたが、現在どのようなものが存在しておるのか、また、行管としてはその隠れ法人についてどのように一体お考えになっておるのか、将来どのように対処されようとしておるのか、こういう点についてあわせてお答口えいただきたい。
  66. 大国彰

    政府委員大国彰君) 昨年、隠れ法人ということばがはやったのでございますが、これは行政管理庁の審査の対象になる法人、これを特殊法人と一般に言っておりますが、その行管の対象にいたします法人というものはどういうところで区別するかと申しますと、これは設置法の二条の四の二に掲げてございますように、「法律により直接に設立される法人」、これは三公社でございますが、それのほかに、「特別の法律により特別の設立行為をもって設立」する法人ということになっております。その「特別の法律により特別の設立行為をもって」というのは、その法人の設立にあたりまして、設立委員を国が任命して行なうというものに限るという解釈を私どもとっているわけでございます。この法律により直接に設立される法人と、それから国が直接設立委員を任命したもの、これを特殊法人と称しているわけでございまして、これはいずれもそういった特殊法人は、国の行政にきわめて密接な、国の行政機関に類似する性格のものという意味で押えているわけでございまして、たまたま昨年、特殊法人として申請してまいりました法人、これは国の行政機関に準ずるものでないという判断で、私どもで審査の際、これを認めませんでしたのが、特別の法律によりまして法人になったというために、隠れ法人という名前が出たわけでございます。私どものほうの考えといたしましては、これは国の行政機関に準ずるものでないということで、明らかに特殊法人でないという解釈をとっているわけでございます。したがって、これはその点では設立委員は民間の自主的な発起人によりまして設立されているわけでございますので、しかも、特別の法律により設立した——国会の承認を得ました法律によってでき上がった法人でございますので、隠れ法人ということばははなはだ不適切ではないかというふうに私ども考えているわけでございます。で、いわゆる特別な法律により単個または数個の法人ができ上がっておりますものは、私どもの調べによりますと、現在まで三十四種類、法人の数といたしましては六十一法人あるわけでございます。これはそれぞれ法律によりまして正式に認められた法人でございまして、ただ行管法人と違いますのは、いずれも民間の中から発起人が出て自主的に設立されたものでございます。国が設立委員を任命いたしまして、国の強い意思によってできたという形をとっていないものでございますので、特殊法人とはその点で歴然と区別をしているわけでございます。で、今後その運営あるいはその出資に国が相当関与する、あるいはまた役員の任命につきまして国が関与するというような点は、これらの法人にも特殊法人と同様に相当強く働いているわけでございますが、しかし、内容的に見まして、それは国の行政機関に準ずるものではないと私ども考えているわけでございます。そういう法人が現在、先ほども申し上げましたように、六十一ばかりあるわけでございます。で、これが、その機能といたしましては、きわめて現在の特殊法人と類似した行為をやっているのも中にはあるわけでございます。法律上は、これは特殊法人として私どもは扱っていないわけでございまして、ただ、自今そういった特殊法人であるべきものが行管の審査を免れるためにこういう仮装をもしするものがあるようでありましたら、これは行政組織の正常を乱すものでございますので、そういうことのないように厳重にこれから注意していきたい、かように考えております。
  67. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 この問題についてはかなり他にも関係がありますので、各省庁別に審議を進める過程でまたお伺いするとして、次にお伺いしたいのは、行政管理庁自体として今度の一局削減についてとられた措置についてお伺いしたいと思います。  たとえば、行管の統計基準局と行政管理局とは、その性格から見てほとんど関連がないと考えられるわけです。にもかかわらず、今回あえてこれを統合することにしたのはいかなる理由によるものであろうか、こういう疑問が出てくるわけです。そうして、このことは今回の一律一局削減が実情に合わないということを先ほど御指摘申し上げたわけですが、そういう実情に合わない無理押しなものであるということを、この一事からも立証しておるということがうかがえるわけです。こういう点についてひとつお答えいただきたいと思います。
  68. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 今度の一省庁一局削減は、各省庁の中で、ともあれ一局削減しなければならない、こういう運命を持っておったんであります。そうした関係上、これも管理庁の中で相談いたしまして、ともあれ行政管理庁としては三つの局のうちいずれを廃止すべきか、こういうことで相談いたしました。それから廃止するについてはどうしたらいいか、局と局を一つにする場合には、どの局とどの局を一つにしたほうがいいのかと、こういうことで相談いたしまして、結局、管理局と統計基準局をまず一緒にするという形にきめたのであります。それがおのおの特殊な使命を持っておったものであるにもかかわらず、それを二つを一つにするということは理屈に合わないじゃないかと、こういうお話でありまするが、これはまあ理屈に合わないかもしれませんけれども、一つ屋根のもとで暮らしておったものですから、やはり一局を整理する場合にはやむを得ない処置であった、まあ血が通っておりまするから何とかなるだろう、こういう考えでやってみたのであります。
  69. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 長官、いま御答弁あったわけですがね。長官の御答弁を伺っておると、実情に合わないわけですね、いまの長官の御答弁ではうなずけないわけです。  それではさらにお伺いいたしますが、所掌事務の関連ということからいえば、行政管理局と行政監察局、このほうが関連が深いということは当然言えるわけです。また、統計基準局と統計局、これの統合ということであれば互いに関連した事項であるかと思うのですね。そういうふうに全然関係のないのを無理やりに押しつけて一つを格下げする、そうして部のようなものをつくる。そういう強引なやり方が今回の一局削減の中で随所に見られるわけですね。その行政改革をひとつ中心になって、推進力となってやろうとする行管自体のこの事態を見てもそういうことが言えるわけです。そこで、行管としては、いい悪いは別として、一局削減という佐藤総理から強引に命令がくだったと思うのですが、その意を体して、もし一局削減を強行しようとなさるなら、まず行管から天下に誇示できるように、明確に筋を通した、いわゆる臨調答申趣旨に沿うた行政改革の模範的なものを示してしかるべきだと思うのですね。行管の使命はまことに重大だと思うのですが、こうやって行管の面を具体的に一歩突っ込んで見ると、もうすでにいま指摘しておるように、全然関係のないものを無理やりにくっつけて一つを格下げしておる。形からいうとそういう形になっていますね。そこで、たとえば管理局と監察局というところをあわせて考えてみたことがありますか、あるいは統計基準局と統計局を合わして検討してみたことがあるのか。午前の部で申し上げたように、力の弱い、数の小ないところをくっつけてそれを部に格下げだ、そういうことを御指摘を申し上げたわけですが、どちらの基準に従ってやったのか、どうもこれでは納得しがたいのですが、特に行管がこういう統廃合をやるということには、また他の省庁以上の問題点が出てこようかと思うのですね。この点いかがですか。
  70. 井川伊平

    委員長井川伊平君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  71. 井川伊平

    委員長井川伊平君) 速記をつけて。
  72. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 行政管理庁の中の管理局と監察局を一緒にしたらどうかということも十分考えたのであります。それから総理府の統計局と統計基準局を一緒にしたらどうだという相談もやってみたのであります。これは相談はしてみましたけれども、そうなってまいりますと、ともあれ一省庁一局削減という一つの看板の手前、なかなか折り合いがつかなかったようでありまして、結局、部内で処理する以外には一局削減の道なしと、こういう結論からいろいろなことを考えまして、そうして管理局と統計基準局を一緒にした。その一緒にしたことによって自後の事務の運営に支障をきたすやいなやということなんかも相談したのでありますが、そういう点につきましては、その衝に直接あって、これからもその点で責任をとってもらわねばならないその責任者である局長から申し上げます。
  73. 片山一郎

    政府委員(片山一郎君) お答えいたします。ただいま長官からの御答弁に補足いたしまして、基準局長から補足的に御説明を申し上げます。  ただいまのお話の中に、統計局と統計基準局とが一緒になるべきではなかったかという御意見がございましたが、御承知のように、統計局というのは統計をつくる実施局でございます。国勢調査を初めといたしまして、家計調査とか、国民物価統計とか、いろいろな統計をつくっている実施局でございます。統計基準局と申しますのは、一口に申しますと、その業務は総合調整をやる局でございます。御承知のように、わが国の統計制度は分散型をとっておりまして、総理府の統計局を初めといたしまして、各省庁がそれぞれ必要な統計を作成いたしております。この分散型をとっております統計制度のもとでは、どうしても総合調整をする機関が必要でございます。しかしながら、もし統計局と統計基準局とが一緒になった場合には、統計をつくる統計局の中に総合調整をはからねばならないという機能が加わるわけでございまして、これは実際に統計をつくる局に、そういった公正な立場から各省庁の統計作成の総合調整をしなくちゃならないという機能を持つことになりまして、公正な立場からの総合調整の機能が十分に発揮できないおそれが多分にあるわけでございます。そういう意味で統計局とは一緒にならなかったという事情がございます。  それからもう一つ行政管理局と統計基準局とは何ら関係のない局じゃないか、それが一緒になったのはおかしいじゃないかという御趣旨でございますが、なるほど一見いたしますと、管理局と統計基準局とは全く違ったものでございますが、しかしながら、統計基準局は統計並びに統計制度の根本的な事項につきましていろいろな企画をする、あるいは統計の調査の審をするとか、そういったようないわば企画、審査をやっている業務がございます。一方、管理局におきましては、行政制度一般につきましての企画あるいは行政機構、組織、定員の審査、あるいは特殊法人設置の審査といったような、こういった企画、審査事務をやっております。どちらも行政につきましての企画的な仕事、あるいは審査的な仕事をやっている、こういう点で類似しているということと、もう一つは、将来、行政管理をやる上におきまして、いろいろな手段があるわけでございますが、特にこれからはいろいろな行政事務を統計的に把握いたしまして、それをもとにいたしまして適切な行政管理をやっていくというためにも、両局が一体になる理由がございます。  それからもう一つは、最近は電子計算機が非常に発達してまいりまして、電子計算機を統計の面、統計ばかりではございません。行政管理の面に利用するということも非常に大事なことではなかろうかと思います。こういう意味で統計基準局と行政管理局とが一体になるということになったわけでございます。
  74. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 こちらがいまお尋ねした要旨は、統計基準局と行政管理局とではどうも仕事の性格からいっておまり似たような部類には入らぬ。ところが一方、統計基準局と統計局との関係になると、非常に同系統の仕事である。これはその名称が示すようにおのずから明確になると思います。そこで、今回の一局削減は、ただ単なる機械的な統廃合であっては相ならぬ。あくまで臨調答申趣旨にかなった行政機構改革、そうして行政事務のいわゆる民主化、あるいは簡素化、あるいは効率化ということに通じなければいかぬ。それは、けさ冒頭から申し上げた点ですが、そういう点を総覧すると、どうもそういう点できわめて不十分な点がある。そこで、いま特に行管にもお伺いしておるのは、行管がこの行政改革の推進力になっておるわけですから、せめて行管ぐらいはだれがどう見ても、なるほど行管は国家行政改革の中核をなしておるだけあって、十二分に臨調答申趣旨を踏まえて行政改革をやっておる、今回の場合は一局削減をやっておる、そういううなずける点があってしかるべきだという、そういう視野からお伺いをしておるわけです。そういう点からいうとどうも理解しがたいわけです。何も関係のないところを無理にくっつけて、それで一方の弱いほうを格下げしておる、そういう形ですね。少なくともそういう形が見える。何とかいま少し臨調答申に近い線で統廃合はできなかったものか、こういう意見が当然出てくると思います。これは他の省庁に対しても同じことですが、特に行管行政改革の推進力ですから、そういう意味で私の言うのは、もう少し模範的なものができなかったかということをお伺いするわけです。そういう点から見るとどうも遺憾だと、そういう点をお伺いしておるわけです。
  75. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) この問題はお話のとおりでありまして、どっちと一緒にしたほうがいいかということになってくると、統計基準局と管理局を一緒にしたほうがいい、これだけのことでありまして、全体から見てちぐはぐじゃないか、合わないのじゃないか、こういう御指摘になりますとそのとおりであると、こういうふうにお答えしなければならぬことは非常にさびしいことなんでありますが、しかし、今度の場合は一省庁における一局削減、その省庁における一局、こういうことの課題と取り組んだ関係上、御指摘のとおりではありまするけれども、やむを得なかったが所期の目的は達しました、こういう御返事しか申し上げられないのであります。ただ、そうですからこの際はどっちと一緒にすべきか、こういうときには管理局と統計基準局を一緒にしたほうが、監察局を一緒にするよりも、ぴったりではないけれども合うと、こういうのです。全体から見ると御指摘のとおりです。
  76. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 どうもわからないですね。そんなにごもっともだとおっしゃるなら、なぜそういうことを思い切ってやらないんですかね。どうもやむを得ぬ事情があった——やむを得ぬというのは那辺にあるのですか。やむ得ぬ事情はどこら辺にあるわけですか。
  77. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 今度の一省庁一局削減に対する各省庁意見なんでありまするけれども、全体がまとまって一つになったというのではなくして、一つのものを全体にまとめた、こういう逆なコースをたどったものですからこうなったのでありますが、これから行ないまする三カ年の根本改革におきましては、全体として一つのまとまったものをつくるのでありまするから、そうした御批判、御非難をこうむることは万ない。しかし、今度のやつは全体をまとめて一つにするというのではなく、一つが全体にまとまる、個々のものがまとまった、こういう形をとったものですからやむを得なかったと、こういうことであります。
  78. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 けさこの問題について基本的な問題からお伺いしたわけですが、その時点でも、三十九年に臨調答申が出て以来、現在まで四カ年たっておるわけですが、この間見るべきものはなかった。大臣もおっしゃるように、これからがほんとう行政改革だと、そういう意味の御答弁があったわけですね。そうすると、今度の一局削減というのは政府立場からすると、今後、行政改革ほんとうにこの時点から思い切って推進するんだから、そのスタートになるわけですね、出発点。大臣のおことばどおりに受けとめると、そういうことになろうと思うのですね。そんな大事な出発からやむを得なかったというような心がまえでは、なかなかもって日本の行政改革などは期待できないと思うのですが、最初が大事でしょう。ものごとは最初が大事で、あとはどうでもいいという意味でなくて、最初が特に大事だ、その最初からやむを得なかったというようなことで、臨調答申趣旨には沿っていないわけですね、そうでしょう。沿っているかいないか、イエスかノーかと言えば、はっきり沿っていなかったと思うのですよ。ただ、弱いところをつけて格下げしたり、そういうことがこのいまの事例でもうかがえるわけですね。何ら関係ないわけですから、そういう点きわめて遺憾なんですが、特にいまのところでお伺いすると、統合しますると、行政管理局に統計主幹を置くことになろうかと思うのですが、これはどういう理由で統計主幹なるものを置かれるのか。それと、今度は主幹を置くとすると行政管理局長と統計主幹との関係はどうなるのか、これは法的な面からの御説明と、それから実質的な面からの御説明、両者をひとつ合わせてお答えいただきたいと思います。
  79. 片山一郎

    政府委員(片山一郎君) お答えいたします。統計主幹を行政管理局に置きますのは、従来の統計基準局の業務が行政管理局にいくわけであります。そういたしますと、管理局長の仕事が非常にふえるということでございますので、統計行政総合調整、基準局の持っております総合調整の事務というものを総括整理して管理局長を補佐するという職が必要になってまいります。そういう意味で総括整理の職として統計主幹を置くということにいたしたわけであります。特に統計行政総合調整の事務と申しますのは、統計技術的な専門的な面が非常に強うございますので、それらを総括して管理局長を補佐するということになるわけでございます。したがいまして、あくまでも統計主幹というのは管理局長を補佐する機関でございますので、管理局長の一般的な指揮監督権というものはあるわけであります。
  80. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 そうしますと、統計主幹は行政管理局の総括整理職となろうかと思うのです。そうだとすると、行管長官の権限の一部を委任することができる規定が設けられておるので、その点もあわせてひとつ御説明いただきたいと思います。
  81. 片山一郎

    政府委員(片山一郎君) 統計主幹は総括整理職になるわけでございますが、現在、統計基準局長には統計報告調整法に定めてありますように長官の権限の一部が委任されております。これは指定統計の指定とか、あるいは指定統計調査の承認、それから各、国の行政機関が徴しまする統計報告徴集の承認の事務、これが基準局長に委任されておるわけでございますが、この長官の権限を統計基準局長に委任されておりまする理由は、統計のこういった事務が、非常に技術を要する事務でございまして、そういった統計の専門性ということから考えまして、これは統計主幹に委任するというほうが統計の総合調整事務をやる上におきまして最も効果的ではないか、かように考えるわけでございます。それから統計はこれは非常に中立性を要求されておりまする行政でございますので、管理局長に委任するよりも、統計主幹に委任をしたほうがよろしいというふうに考えたわけでございます。以上でございます。
  82. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 それではちょうど区切りがいいので、あと一問お伺いして、本日のところ私の質問をこれでおきたいと思いますが、いまお伺いしたことで、行管長官の権限の一部を委任することができる規定が設けられておるということを私申し上げたわけですけれども、この行管長官の権限の一部とはどのようなものをさしておるのか、具体的におわかりでしたら伺いたい。
  83. 片山一郎

    政府委員(片山一郎君) 行管長管の権限の一部を委任されておりますが、それは統計法に基づいております。で、これは指定統計の指定でございます。それから指定統計の調査を承認するということ、それから統計報告調整法にありまする各、国の行政機関が統計報告を徴集する際には行政管理庁長官の承認が要るということでございますので、これが基準局長に委任されております。ですから、統計法による委任と統計報告調整法による委任と二つあるわけでございます。
  84. 山崎昇

    ○山崎昇君 委員長、冒頭に、もうかれこれ四十分近くたっているのですが、ぼくらが注意してから見てても、ほとんど私ども三名入れても七名くらいしか出席していないわけですね。ですから、自民党さんのほうの委員が一体来られるのですか、来られないのですか、そこをひとつ明らかにしてください。あまりにもひどい状態ですから。それを先に聞いてから、やりたいと思います。
  85. 井川伊平

    委員長井川伊平君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  86. 井川伊平

    委員長井川伊平君) 速記をつけて。
  87. 山崎昇

    ○山崎昇君 木村長官にお尋ねしたいのですが、これは管理庁の所管かどうか私もよくわかりませんが、ひとつお願いしたいと思うのです。それは、政府から出されるこの書類が、右とじもあれば、左とじもあれば、横書きもあれば縦書きもあれば、規格も違う。私ども整理する上において全くやり切れないのです、正直に言って。たとえて言うと、あなたのほうから出てくるこういう閣議のやつは横とじなんですね、これは左とじになっている。説明資料を見ると縦書きなんですね。これは何か政府で一定できないものかどうか。おそらく文書なんかについては何か規格がきめられておって、起案等についても横書きで統一されているはずだとぼくら思うのですがね。この点は管理庁の所管かどうか知りませんが、そういうことが一体できるのかできないのか。できるとすれば、ぜひ実行してもらいたい。これだけでも私は事務能率がぐっと違ってくると思うのです。そうでないと、同じ資料をとじても、うしろ側にとじてみたり、実際やりきれないのです、私ども。まずその点から、長官から、やれるかやれないか、やれるとすれば即座に実行してもらえるかどうか、お伺いいたします。
  88. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) まことにけっこうな御質問です。そのことは、あした閣議がありますから閣議にはかりまして相談してみます。やれるかやれないかということよりも、やるべきじゃないかと思います。外国の政府じゃありませんから、日本の政府内のことでありまするし、そういうようなことは私はごもっともだと思います。あした閣議で相談いたします。そしてやるように、やらせるように指導したいと思います。
  89. 山崎昇

    ○山崎昇君 たいへんいま長官から進んだ答弁でありますから、この点は特に私から要望しておきたいと思います。  そこで、長官に重ねてお伺いしますが、今度のこの機構改革を見、なお今後三年間で計画書をつくると、こういうのですね。そこで私は大臣に、これは政治論としてお聞きをしたいのですが、佐藤内閣ができたのは昭和三十九年の十一月九日ですね。それから昨年の内閣改造まで入れると、六回かわっている、六回、内閣が。佐藤総理はかわっておりませんよ。大臣は六回かわっている、今日まで三年六カ月で。これを平均でものを言うとすれば、一大臣の任期はたった六カ月です。一番短いのは三月でやめておるのです。前の田中行政管理庁長官なんというのは三カ月でやめている。そこで私はまず聞きたいのは、三カ年間であなた方は行政改革方針をつくるというのだけれども、はたしてそれまでにあなたがもつのかどうか、責任を持ってあなたこんなことをやれるのかどうか、これから私はまず聞いておきたいと思うのです。  で、さらに聞きたいと思うのは、これはちらほらうわさでありますが、参議院選が終われば、もうまた何か内閣改造がありそうだという話ですね。これはうわさですから、私どもわかりませんが、こういう歴代内閣の短い期間であって、大臣がかわれば計画も変わる。そうして前の大臣が約束されたことはほとんど何にも実行されない。また新しい抱負なんぞを述べられる、こういうことで、あなたがたいへんりっぱなことを言っておられるのだけれども、一体、今後三年間の計画なんぞ立てて、それが実行できるのかどうかからまずお聞きをしておきたいと思います。
  90. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) これから三年間、大臣のいすにいないことは事実であります。とても三年間なんておられるものじゃないです。ただ、この八月一ぱいまでに行政改革の三カ年にわたる具体案をつくる、その責任だけは果たしたい。言いかえますると、九月までは在任できることだけは間違いないだろうと、こういうふうに考えまして、鋭意その間にこの計画案を樹立してみたい。そうして、まあ完全に近い具体案を掲げまして、それを今後の行政改革の根本方針として国民に問うてみたい、それだけはできると思っております。そうして、そのできたものを実施する共同の責任は内閣全体でありまするけれども、やっぱり推進力になるのは行管庁でありまするから、行管庁のこれを担当する職員たちは、そのために私は考えてその処置を講じてみたい、こういう考えで臨みたいと、こういう気持ちでやっております。
  91. 山崎昇

    ○山崎昇君 大臣から、私はおるかどうかわからぬけれども、計画だけはまとめてやるようにしたいと、こういうようなことですが、じゃ、三年計画というのはですね、昭和四十三年度が第一年次だと思うのですが、昭和四十五年度までになると思うのですね。そうすると、四十五年度ではその三カ年計画が終わるのですか、その三カ年計画が終わるという計画ですか。ところが、いまあなたの言うように、あなた在職中ならば、それはその責任を持ってやるということもある程度はやれるかもしれない。しかし、あなたがかわったら、計画はあるけれども実行はできないという段階がまたくるのではないか。過去の行政機構改革の実績を見ますと、選挙が間近になるとこういう問題が必ず出てくるけれども、終わったらほとんど何もやられていない。そういう過去の実績からいうと、あるいはまた、大臣がかわるとほとんど前大臣のやったことがほごにされておる、こういうことを考えると、長官がいまたいへんごりっぱな発言をされておるけれども、私ども危惧の念を持つし、できないのではないか、こう思うのですが、もう一ぺん聞きたい。
  92. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) そういう御心配はごもっともだと思いまするけれども、長官がかわると必ず全部かわるものじゃありません。私は、松平前長官が残されたことで実施を見ているものもあります。そういうようなものは全部受け継ぎまして、全部そのとおりやっておりまするから、必ずしも私はそうじゃないと思う。それから、これからの行政改革の基礎となるものは、万人が推奨をされます臨調答申なんでありまして、この臨調答申は四年前の川島長官のときにできたものでありますが、それが基礎となりまして三カ年計画というものが樹立されるわけでありますから、前任者の意思を尊重してこれをやっていく、こういうことであります。私もやめますときには、後任の人にすぐに実行するように頼んでいくつもりであります。
  93. 山崎昇

    ○山崎昇君 私がなぜこの点を大臣にくどく言うかというと、実は五月十四日の朝の長谷川モーニングショーで、厚生大臣出席しておったんですよ。このモーニングショーで司会者から厚生大臣に対して、あの冨山県のイタイイタイ病についてりっぱな政府としての発言をなされた、これはまあ関係者としてもたいへん喜ばしいことだが、一つ心配があります。その心配は何かというと、大臣がかわったらどうなりますか、これが一番の心配だということを、モーニングショーでも厚生大臣に聞いておる。ですから、私どももあなたがりっぱな計画をつくられるのはいいとしても、大臣がかわれば、ほご同然になるのではないか、あるいはまた計画そのものは捨てないにしても、なかなか実践はできないのではないか。それはなぜかというと、今日までの佐藤内閣のあり方をずっとぼくら見るというと、特に行政改革についてはせっぱ詰まって何か案が出ていますけれども、今日まで何もなされていなかった。そういう点から私ども考えてみて、くどいようですけれども、大臣計画だけはできたが何もできない、そういう事態に私どもなるおそれがあるのではないか、そういう意味で重ねてあなたの決意を聞いておきたい。
  94. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 佐藤内閣の続く限り、それから自由民主党内閣の続く限りは、必ず今度樹立したものを誠実に実行するようにやらせることを、党をあげて努力してみたい。そのために党の中にも行政改革審議会というものができ上がっておりまするから、それがバックボーンとなって、必ず党にも責任を持ってやらせるようにしたいと思っております。もしも社会党内閣ができたときには、どうか山崎君のほうで御継承願いたいと思います。     —————————————
  95. 井川伊平

    委員長井川伊平君) この際、委員異動について御報告いたします。  源田実君が辞任され、その補欠として岡本悟君が選任されました。     —————————————
  96. 山崎昇

    ○山崎昇君 さらに大臣にお聞きをしたいのですが、この改革案を見ると、私はふしぎに思うことがもう一つあるのです。それは総理府青少年局、それから労働省の安全衛生局、これらはいずれも佐藤内閣によって、必要です、これは設けなければどうにもならないのですと、あなた方が無理やりといっていいくらいに委員会を通し、成立させた局です。それもできてから一年か、あるいは二年ぐらいしかたっていない。そういうものをあなた方が、佐藤内閣の手によって、もうこれは要りません、こういうことで削るわけですけれどもね。そうすると、このほかにも局の問題はありますけれども、このことから私が感ずることは、佐藤内閣行政需要というものを一体どう把握されておるのか、あまりにも無定見ではないだろうか。一年前にはしゃにむに必要だ必要だといってやられて、一年ぐらいたったら、これはもう要りません。それは佐藤総理の一声で要らなくなった、あとからかってな理屈をいろいろつけている。こういう行政機構改革のやり方というものは、政治的に判断しても、行政ベースで判断しても、私はどうしても判断しにくい。ですから、内容については後ほどまた聞きますけれども、こういうやり方というものはやはり無定見ではないか。この点について、一体、大臣は政治的にどう判断をされているのか聞いておきたい。
  97. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 去年つくったものをことしやめるというようなことは、やったほうがいいかやらないほうがいいかと言えば、やらないほうがいいと思います。やらないでいいのだったらこれにこしたことはないと考えております。そういう局部の判断に立たないで、大局に立って、そうして、政府として一省庁一局削減を打ち出して、それを完全に貫くことの政治姿勢と、それから局部に立って、去年つくったものをことしやめることは朝令暮改のそしりを免れないじゃないか、こういう批判とをはかりにかけた場合に、全体の政治姿勢に重きを置きたい、こういうことでこうなったわけであります。去年つくったものをことしやめることはけしからぬじゃないか、こう局部に立って言われますると、私はそのとおりだと思います。ごもっともだと思います。しかし、全体から見てやむを得なかった、そのほうが正しい、こういうように考えてやったのでございます。
  98. 山崎昇

    ○山崎昇君 私は、政治判断だけでやっていい場合もある、また結果が悪い場合もある。しかし、少なくとも国民の権利義務を将来課せるような権限をきめるものについて、したがって、それを遂行する行政機構をつくるにあたって、合理性もなければ何にもないものを、ただ政治的判断だけで進めることに私はどうしても納得ができない。いま大臣が言うように、やったほうがいいかやらないほうがいいかと言えばやらないほうがいい。それならばやらないで済んだはずです。やるからには何かの合理的な判断がなければならぬと思うのですね。しかし、これ全体を見て、私はどうしても合理的な判断が出てこない、合理性が出てこない。そういうものであれば、私はやめるべきでないだろうか。政治的にリードされるというならば、きちんと合理性というものを考えて政治的にリードすべきであって、そういうものを無視して、ただやむ得なかったという一言だけでこういう行政機構改革をするなんということは、これはナンセンスだと思う。とりわけ、あとでも触れますけれども、文部省のごときのように、行政委員会から外局に移ってしまう。これはもうただそれだけの改革ではありません。権限の内容からいったならば、これはとんでもない移管になるわけですね。そういう点、私どもは個々であっても、あるいは全体を眺めてみても、今度の一局削減というものは、これはどこから見ても出てこない。そういうものを、あなたはただやむを得なかった、総体を見てものをいってくれと言われても、私どもはそうですかというわけにはいかない、この点は。ですから、あなた方が国家の行政機構というものをほんとうに真剣に考えて、そうしてこうやったならば国民に対してサービスができて、能率的な運営ができて、簡素化された機構だというならば、それらしい合理性というものを持たなければならぬと思いますね。そういうものがない今度の一局削減というものは私はやめるべきだと思います。どうですか、あなた。これを引っ込めて、三年計画をあなた方計画されているというのだから、その中であらためてどういう行政機構が合理的なのか、そういうものとあわせてこれは提案すべきではないか。これは私の政治判断ですから大臣に聞いているんですが、どうですか、そういう意思ありませんか。
  99. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 残念ながらありません、これは。どうしてもこれをやっておかないと、これに続く三カ年計画というものは樹立できないと思います。これをやり得ることによって三カ年のりっぱな行政改革というものはやれる、こういう判断に立っておるものですから、これは引っ込めて出直してやり直すというわけにはまいらないのであります。そしてこのこと自体については、先ほども申し上げておりまするけれども、行政改革一つ突破口である。行政改革というものは抽象的には非常に簡単に言い得られますけれども、取り組んでみるとなかなか容易なものではない。いろいろな障害がある、いろいろな抵抗もある。その抵抗の中には内からの抵抗もあれば外からの抵抗もある、理解のある抵抗もあれば無理解な抵抗もありますので、いろいろな抵抗、障害があって、なかなか行政改革というものはやろうと思うと容易なことじゃないんです。それだけにいままでやれなかったんだろうと思いまするから、そいつをやろうと思う場合には、やはりこういうような一つ突破口というものをつくっておかないと、とてもできないと判断いたしております。これはとてもやめるというわけにはまいらないのであります。これをやって根本的な行政改革ができる。この突破口あって行政改革と真剣に取り組むことができる。これなくしてはとうてい取り組むことができない。私はこういうふうに考えておりまするから、これだけは、山崎委員からまあ撤回したらどうかというお話がありましたけれども、ほかのことであってならばいざ知らず、これはごかんべん願いたいと思います。
  100. 山崎昇

    ○山崎昇君 私もほかのことなら少々のことは大臣と妥協してもいいんです。しかし、事、国家の行政機構ですから、これは妥協するわけにはいかない。特に国家行政組織法の第二条を私ども見ますというと、それは、「内閣の統轄の下に、明確な範囲の所掌事務と権限を有する行政機関の全体によって、系統的に構成されなければならない。」と書いてある。今度のこの一局削減を見ますと、どこからもこの条文にあてはまるような結果が出てこない、系統的になっていない。それから、「明確な範囲の所掌事務」と、こう言うならこれはきめ方ですから、こっちにつけようが、どっちにつけようが、ある程度はできるかもしれない。しかし、それも無理なきめ方であって、決してすなおなきめ方でもない。考えてみますと、りっぱなこの国家行政組織法に何ものっとってないんですね、今度の行政機構改革というのは。こういうものを私どもに、ただやむを得ないから、突破口だからこういうことだけでこれを認めろと言われても、これは筋違いだと思う。だから、繰り返しあなたに申し上げますが、やっぱりこれは引っ込められて、そしてもう一ぺんどういう行政機構が合理的なのか、あるいはどういう行政機構をつくったらほんとうに国民にサービスになるか、能率的なのか、そういう点をもっと真剣に考えられて再提案をぜひしてもらいたいと思うんです。さっき伊藤委員の質問に対して、あなたは、やはり行政事務の整備が先行すべきだ、機構というのは結果だと思うんですね。ところが、いまのやり方は機構が先にきて事務が何にも整備されていない、あとで何とかつじつまを合わせて三カ年計画の中で事務を考えましょうと、こう言う。だから、機構論としてはさかさまの論であり、受け入れるわけにはいかない。で、長官は、私はしろうとで何もわからぬから、色が染まっていないと、こう言うんだから、それなら機構の本筋に従って行政事務を整備して、それにふさわしい行政機構をつくり上げる。そういう意味で私はこの案はぜひ撤回していただいて、いま八月中か九月か知らないが、各省から取っている計画の中であらためて検討し直すべきではないか。そのときに、大臣に率直に私は意見を申し上げて、ほんとうに国民に対するサービスのできる行政機構をつくり上げる努力だけはしたいと思っておるのです。しかし、この一局削減だけは、どこから見ようが、どの部分を見ようが一片の合理性もない。こういうものを私ども国会議員としてよろしゅうございますと言うことは国民に対してできない。そういう点から、もう一ぺん考え直して再提案をしてもらいたいと思いますが、いかがですか。
  101. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) これと取り組むときにいろいろ考えたんですよ。それは暮夜ひそかに考えたこともありますし、昼、公然と考えたこともありますが、いろいろ考えてみたんですが、やはり登りにはこれ以外にはない、こういうふうに判断いたしましたから、登り口をここに選んだわけでありまして、いまさら引っ込めるわけにはまいりませんから、どうか、思いつめてここにきたのだということを御了承くださいまして、この際は万難を排して御賛成くださるように、私のほうから特にお願いを申し上げます。
  102. 山崎昇

    ○山崎昇君 合理的な判断をするというときに、思いつめてといって、ものごとを見えないようなところでこれをきめろと言っても無理です。だから、大臣がどうしてもこの案を引っ込めることができないと言うなら、あなたの面子も多少立てながら、この国会で残念ながら審議未了にして、次の国会で十分に審議するということが、それなら私は次善の策として正しいのじゃないか、こう思うのですが、どうですか、それに大臣は御賛成願えませんか。
  103. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 審議未了にして云々とおっしゃいましたが、とても御賛成するわけにはまいりません。どうか審議未了にしないでくださるように、私のほうからお願い申し上げたいと思います。
  104. 山崎昇

    ○山崎昇君 提案者に引っ込めろとか、審議未了にしろと言ったって、これは大臣が「はい」と言うわけにはいくまいと思いますが、しかし、少なくとも国会では、やはり合理的な機構をつくるためにこの案ではどうにもなりません。そういう意味で、そういう事態が招来することがあり得ると思いますが、そのときには大臣は、国会というのはやはり十分審議するのだなということで、そういう意味でやむを得ないという気持ちだけはひとつつくっておいてもらいたいと思います。  そういう意味で、政治論はその程度にして、具体的に私は内容についてお聞きしていきたいと思います。  行政管理庁からもらいましたこの資料を見ますというと、行政改革の推進についてという今年の二月二日の閣議決定があります。この内容を見るというと、今度の行政改革の目的はおおむね四つある。その一つは、行財政の硬直化の打開だ、こういうのであります。第二は、行政需要に即応する簡素にして能率的な行政の態勢、第三は、臨時行政調査会改革意見趣旨を尊重、第四は、三カ年を目途とする改革計画を樹立するというのが、おおむね閣議決定の内容になっているようであります。そこで、大臣に私はお聞きをしたいのだが、今度のこの一局削減によってどこに財政硬直化の打開がはかられているか。この閣議決定の第一の目的である行財政の硬直化の打開というのはどこから出てくるか、どの辺がこれにふさわしい内容になっておるか、まずお聞きしておきたい。
  105. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 財政がいろいろの点で硬直化しつつあったことは事実のようでございます。私はその中で、このまま進めていったならば、より以上財政が硬直化するであろうという問題、その局だとか、部だとか、課なんというものはぐんぐんと多くなっていくのでありまして、ことしなんかも、先ほど申し上げましたとおりに、局が八つ、部が八つ、課が六十四も要求されておる。それが毎年の傾向になってきておるのであります。それをそのままにしておったならば財政の硬直化というものはとめどなく続くに違いない、押えなきゃならない、押えるどころではない、より以上縮小することによって財政の硬直化というものを防ぐには、やっぱり局が多くなったり、部が多くなったり、課が多くなったらそれだけ人間の数もふえてくる。それだけに仕事の量もふえてくるんじゃないだろうか。それから私この問題と取り組みまして切に感じたことが一つあるんです。これは私の知っておりまする各省庁の課長が、去年の暮れでありましたが、私のところに数人参りまして、そしてぜひともこういう課はつくってもらいたい、われわれのほうの局は認めてもらいたいということを盛んに申して来たのであります。役人の私に対する運動であったのでありますけれども、それがだめとなりました翌年になりまして、同じ課長が出てまいりまして、私に言ったことが私の記憶にいまだに新たに残っております。それは、いままでの課長というものはどういう序列で局長になったか、こういいますると、自分たちがたとえば予算要求する、その予算要求したものが通る、人員要求をする、人員の要求したものが通る、何か新たな計画を立てる、それが認められる、その結果について課長から局長に上がる序列を決定される。よかれあしかれ、その銭をとってくる、そしてその銭がどのように有効適切に使われていようが、そのことは別問題だ、人員を要求したものだけは獲得する、その人間がどのように働くか働かないか、そのことは別問題だ、それから新規に要求したものがそのとおり成績を上げているかどうかということも別問題だ、要求したものを通したものが有能な局長として認められて序列が上がったものである。ところが、そういう気持ちが今度はなくなってきた。与えられた金よりも少ない金でより以上の能率を上げる課長というものが認められるような時代がやってきたような気がすると言ったのですね。切々と私に話をしたことがあるのでありまするが、私はそれは深刻なことばだろうという気がいたしておりまするから、そういう点から見ましても、私は今度の一省庁一局削減というものは、効果がない、効果がないとおっしゃいまするけれども、局長に上がる序列に並んでおった全体の課長のものの考え方を変えただけでも、私は大きな利益があったんじゃないか。そういう点で私はいわゆる局が多くなる、それから部が多くなる、課が多くなるということによって人員増が行なわれ、そして仕事の点において少ない中で創意くふうするということよりも、ぜいたくな中においてあぐらをかいておるというような気持ちが整理されたということだけでも、私は財政硬直化という点に対しては大きな役に立った、これからますます役に立つのではないか、こういうふうに私は切実に感じております。
  106. 山崎昇

    ○山崎昇君 大臣のいまの答弁ですが、私はやはりそれに賛意を表するわけにはいかないのであります。なぜかというと、新規に行政需要があって、それに対応する行政機構をどうつくるかということと、今度の行財政の硬直化の打開のために一局削減やるということとは、本来、次元が違うのです。これは次元の違うものをあたかも同じであるかのような言い方をして、さもさも行財政の硬直化の結果がよくなるというような言い方は、私は賛意を表するわけにはいかない。それは政府の姿勢として、新しいものを認めないなら認めないという厳たる態度をとればいいと思うのです。もう一つ、いまある課長さんの話をいろいろされましたが、それは内部の権限のきめ方や行政の運営のしかたであって、課長が局長にならなければ仕事ができないという性格のものではない、したがって、行政事務の運営のしかたを持ってきて、今度の一局削減が何か行財政にたいへんな効果をあらわしているというような言い方は、これまた次元を異にする、そういう理屈は私は成り立たないと思う。ですから、あなた方が閣議できめたこの第一番目の行財政の硬直化の打開なんということには何の寄与もないじゃないですか。、この一局削減そのものはどうしても私は行財政の打開に貢献しているなんということは思われない。そうして、あなたのほうからもらったのか、これは調査室でつくったのか知りませんが、資料を見るというと、定員も同じ、局が減れば新たに総括整理なんという職ができる、あるいは課が減れば別な職ができる、何にも減っていないではないですか、何にも簡素化されていないではないですか。かえっていままでの機構でやったものを別な職をつくって複雑にしているだけであって簡素化にもなっていない、権限もある意味では不明確になってきている。こういう一局削減の案を持ってきて、あたかも行財政の硬直化の打開にたいへんな貢献をしたなんという言い方は私は当てはまらない。特に行財政というからには、財政の問題もあるけれども、行政の問題もある。行政面では一体これはどういう打開策になったのですか、もう少し具体的にひとつ説明してください。
  107. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) これが通りますれば実施の段階に入りますから、実施の段階に入りますると、やはり局長が一人いなくなったということによって、それ相当の内部の課及び事務系統の整理統合も行なわれるだろうということは間違いないと思います。それがどういうように具体化されるかということは今後の問題であります。それから、これがきっかけとなって、何といっても行政改革の三カ年計画というものが樹立されるのでありまするから、先ほども申し上げましたとおりに、これだけをごらんになりますると、さして効果がない、消極的な効果はありますけれども、積極的な効果というものはない。積極的な効果とは何だといいますると、先ほども言いましたように、いままで要求をしておったものがすべて通らなかった、自主的にやるのだという効果だけは確かであります。これが今度はきっかけとなりまして三カ年計画案が樹立されるのでありますから、それをごらんになりますると、将来はすばらしいと思います。こういう判断をしております。
  108. 山崎昇

    ○山崎昇君 大臣、この一局削減で行財政の硬直化の打開に必ずしもなっているとは思われないようですね、いろいろ聞いていると。しかし、提案者だからやむを得ずそういう答弁をしているようです。  それならば大臣、お尋ねしますが、これは今年の二月十日の読売新聞の報道ですけれども、「課なみの「官」新設、一挙に19ポスト、行管庁押し切られる」、これは四段抜きの報道です。そうすると、あとでまたお聞きをしますけれども、これからの三カ年計画の中でどういうものが出てくるか、私いまめくらですからわかりません。わかりませんが、いま審議の段階で私ども知り得るだけでも何も簡素化にならない、かえって新しい官と称されるものが政令でできる、そのほか法律でもかなりつくられる。なるほど局長という名前はなくなるけれども、何々官というもので残ってくる、あるいはまた局はなくなったけれども部が設置をされる。何にも簡素化にはなっていない。定員ももちろん減らせという意味じゃありませんが、何も減っていない。逆に文部省の文化庁のごときは二十六名増員になると私ども聞いておる。あるいは資料を見るとそう書いてある。どこに閣議で決定した第一の目的である行財政の硬直化打開なんていうことに沿っていますか。それは幾ら大臣提案者であっても、調べれば調べるほどこれはそういう目的に沿っていない、相離れている。そういうものを私どもにおっつけて、御協力くださいと言ってもそれは無理ではないか。だから、大臣ほんとうに行財政の硬直化の打開に貢献をしている、こういうことで貢献しているという具体的なことをもう少し言ってください。ただ、一般論では私ども理解できない。
  109. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 行財政の硬直化を打開するという点においては、先ほど申し上げましたことで、これだけの問題で私は相当のものがある。役人のものの考え方が——これからの行政を担当していくであろう若い役人のものの考え方がそれだけ変わってきたということだけでも、私は相当の効果があると思う。たとえば、先ほど申し上げましたとおりに、予算獲得ということに重点を置いたものの考え方から、少ない予算でより以上能率を上げる仕事をしてみよう、こういう考えに変わったことだけでも、私は相当の効果があると思う。それが一人二人にあらずして、これからの日本の行政を担当する若い人々の全体の気持ちになったならば、すばらしい効果があるだろう、私はこういうふうに申し上げたのであります。そして、それがそのように行ない得られるように、これからの行政改革をやってみようということなんでありますけれども、私はそういう意味合いにおいて効果があるだろう、こう申し上げておるのであります。  それから行政改革という点は非常に困難な問題である、困難な問題であったけれども、ともあれ一省庁一局削減という課題だけは解決することができた、貫くことができた。そういう点で非常に御批判もありまするし、御非難もありまするけれども、ともあれ一省庁一局削減という課題とは取り組んで解決することができた。そして、その改革に対して当然抵抗を示さなければならない各省庁が、それに関する限りは、非常に苦しい中でも取り組んで解決してくださる。言いかえれば、行政改革に御協力の態度を示してくださるということだけでも私は非常に効果がある。  それからいま行政改革本部というものがありまして、それは各省庁から行政改革本部の構成メンバーが出ておりますが、それらの人々が今度は中心になりまして、一体となって、行政改革の三カ年計画案を樹立作成中である。私は行政改革にお役人の人々が積極的に取り組んでくださるという、それだけでも効果がある、こういうように思います。
  110. 山崎昇

    ○山崎昇君 大臣、あなたがいまつくられようとする三カ年計画は、私ども手元にありませんので、どんなものかわからないから、勢い話も抽象的になるんですが、もちろんそれができたときには、また私のほうは議論をしたいと思うが、ほんとうはその計画案が示されて、これが通ったら、こういう内容になりますということを私どもに示されなければ、あなたの言うように効果があるということを私どもは測定できない。判断のできないもので判断をせいというから、よけい私はやはり無理があると思うのです。特に私、間違いなければ、私のほうで集約しているのですが、今度のこの案でいくと局がなくなるのが十四、統合が四、部に格下げが八、外局をつくるのが二、部の新設が二、移管その他の機能の強化四、結局は防衛庁と経済企画庁の局が二つなくなっただけであって、あとは何にもないですね。あなたが強調するほど能率化でもなければ簡素化でもなければ行財政に関係はない、こういう結果なんですよ、この一局削減というのは。ですから、私に行政組織法なり各省設置法なり、見れば見るほどこの一局削減というのはわからなくなってくる。そうであると、私はやはりここで国会議員としていいということにはどうしてもなれない。だから、あなたがほんとうに、今後実をあげるために三カ年計画、三カ年計画とおっしゃっているから、それならば三カ年計画ができて、この一局削減が通ったあとに三カ年計画はこうなりますと、そういうものを私どもに一緒に提示をしたときに、私どもはそれならばこの一局削減というのは将来の行政機構改革にこれだけの効果があり、行財政硬直化の打開にこれだけの効果があるということがわかれば私どもは認めてもいいと思う。いまそれを認めることができないのですから、わからないのですから、そういう意味もあって、冒頭、あなたに政治論としてこれは撤回すべきではないですか、そうしてわれわれ国会議員に対しては、こういう計画があとにありますということを示して、その中でこの一局削減についても御審議をください、これが私は筋道ではないかと思うのです。先ほどは行政論は別にして政治論だけであなたに撤回をすべきではないかと言っているわけですが、どうですか。もう一回撤回論に戻るわけですけれども、その三カ年計画案が何か六月にできるそうですね。それならば参議院選挙後の臨時国会なり、あるいは次の通常国会なりに、その計画案と一緒にもう一度これを再提案をして討議をさせるべきではないですか。そうでなければ、私どもはやはりわからない。それから、この一局削減がかりに成立しなくても、国家の行政機能はとまるわけではないですね。何も支障はない。二月や三月延びたからといって、国家の行政に何の支障もない。それならば、あなた方は無理じいせずに、やはり合理的な、どういう機構をつくったらいいのかということを真剣に国会考えなければいけませんし、行財政の責任者である政府考えなければいけないと思うのですね。そういう意味で、私は行政面から考えてもこの案を通すということは不当だから、もう一ぺんあなたに言いますが、行政ベースから判断してもこの一局削減というのは私どもは納得できない。そういう意味で、なかなかこれはあなたは苦しいと思うけれども、名にし負う大もの大臣でもあるから、ですから、ひとつ佐藤総理を説得をしてもらって、三カ年計画ができた暁にもう一ぺん一緒に出して、これは国会審議をわずらわすべきである、こういう判断をされてこれは撤回をすべきでないか、そうして再提案すべきでないか。もう一ぺんこれは念を押しておきたいと思います。
  111. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) あなたのおっしゃることがわからないわけではないですよ。ほんとうに三カ年計画の具体案というものをつくり上げて、それを示してそうして賛否の意見を問うべきだというあなたの意見、私はわからないわけではないですよ。しかし、それをやり得ないところに——最初からそれをやろうとしておったところに、いままで行政改革ができなかった原因がある。
  112. 山崎昇

    ○山崎昇君 それはおかしい。
  113. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) それは決しておかしいことでもないことでありまして、一番最初にまず突破口をつくっておかないと、行政改革というものはできないのだ。それを突破口をつくらないで行政改革をやろうとしたところに、今日まで行政改革のやれなかった一番大きな原因がある。そうでありまするから、御無理だとあなたがおっしゃいますけれども、御無理とおっしゃれば、なるほど御無理でありますけれども、まず突破口をつくって後、この行政改革の三カ年計画案が樹立されるのでありまして、これがないと三カ年計画案の樹立もできないという非常に困難なものがあった、こういうことだけは、なかなか御了承いただけないだろうけれども、御了承願いたい。
  114. 山崎昇

    ○山崎昇君 それは大臣わかりませんよ。やはり突破口という意味が、そうなるとまたわからない。内閣がこういう意思表示だということを、ほんとうに力があるなら、各行政府に示すべきですよ。もしも国会でこれが通らぬからできないというなら、佐藤内閣の指導力なんかゼロじゃないですか、事、行政改革に関する限り。ですから、ほんとうに私は佐藤内閣にそれだけの力があるというなら、行改各部を指揮監督して三カ年計画をつくり上げたらいいと思います。これは決して突破口にはなりません、こんなもので。かえって不合理だけ残って、複雑化になって、財政硬直化に何の貢献度もなくて、そういうものをあなた方私どもにおっつけて、三カ年計画、三カ年計画と、そういう逃げ方をする。特にその三カ年計画だって、冒頭に申し上げたように、参議院選挙が終われば、またちらほら内閣改造があるというようなことも聞く。そうなれば、あなたが幾ら力んでみても、あなたが残ればまた別ですけれども、もしも残らぬ場合には一体どうなりますか。そういう心配がある。ですから、私はどうしても行政べースでものを判断しても、三カ年計画をつくり上げて、そして一省一局削減がこの計画を実行するために必要だというんなら、そのときにもう一ぺん私どもは議論したいと思います。そうでなきゃ、どうしても私は行政ベースで判断しても、これは納得することができない。ですから、くどいようですけれども、何の役にも立ってないこの一局削減という案は、やはりいさぎよく撤回をすべきです、これは。そして、あらためて内閣として事務を整理をし、その上にどういう機構をつくったらその事務がスムーズに運営できるか、そういう意味で、結果論としての行政機構をつくり上げるべきで、最初に入れものをつくって、入れものをあっちゃったりこっちゃったり、多少不合理だけれどもやむを得ぬだろうという、そういうやり方はすべきでない。そういう意味で、これは国民のこれからの問題に密接不可分な問題であるだけに、私どもは真剣に議論したつもりなんです。くどいようですけれども、重ねて、これは撤回しなさいよ、あなた、どうですか。
  115. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 歴代の総理大臣は非常に偉かったと思うのです。その歴代総理大臣の中でどこが偉いか、どこが偉くないかということは別問題になりますけれども、歴代の総理大臣に比較して、いまの佐藤総理大臣は偉いところが一つある。そいつは行政改革突破口を発見した、こういうことなんです。これでもって、歴代の内閣総理大臣ができなかった行政改革佐藤内閣の手によってやり得るのだ。それはあなたが現在納得できないと言われておる問題なんでありまするが、これをやったということだけは歴代の総理大臣の中で傑出したものと私は敬服いたしております。
  116. 山崎昇

    ○山崎昇君 佐藤直系といわれるあなたですから、まあ佐藤総理を一生懸命ほめあげるのはそれはけっこうですよ。しかし、私だって行政改革について全然調べてないわけじゃない。戦後大きな改革というのはおおむね四つあります。だが、いずれも失敗に帰しているのですね。なぜ失敗に帰したかというと、合理性を持たずして一律二割だとか、そういうやり方をやったから、一年か二年たたないうちにもと以上の複雑な機構になっているわけです。かつて河野さんがおられたときに課の二割削減をやったでしょう。これがいま、大臣どうですか、あの二割削減やったときの五割増しになっておりますよ、もうすでに。ですから私は行政機構というのは蛮勇を振うのもあるときにはいいと思う。しかし、それ相応の合理性がなければ長もちしないのです。すでにもうあなた方はそう言っている、片っ端からこういう新聞報道がされるじゃないですか。これはうそですか。これは先ほども申し上げたように、二月十二日の読売新聞ですけれども、これはうそですか。かなり詳細に内容が報道されているのですよ。ですから、あなた方は何か局長を二つばかり削る、事実上ほんとうに削るのがある。そのしりから十九もポストができてくる。これは政令ポストです。そのほかに法律のポストができてくる。一体これはあなた、どこに合理性があって、行財政の硬直化の打開に貢献していますか。佐藤さんを幾らほめあげても何にもならないです、こんなものは。ですからあなた、そんなに佐藤さんをほめるなら、佐藤さんの力がそんなにあるなら、三カ年計画と一緒に示しなさいと言うのです、われわれに。そうして三カ年計画はこうなります、一局削減をやった場合はこうなって、それに伴って三カ年計画はこうなります。そういう一連の青写真ができて、はじめて行政機構が合理的になるのか、国民から見てこれがサービスになるのか、あるいは複雑になるのか、そういう判断をぼくら代表者としてすべきなんです。そういうものを何も示さないで無理やりに、アメリカに飛び立つ寸前に、一つ削りなさい、それが根拠でこういう一局削減案を無理に押すなんていうことはナンセンスだ、大臣。これは私はどうしても承服いたしかねる。何回でもあなたに言うけれども、佐藤さんばかりほめてないで、これ、ひとつ撤回しなさいよ、いさぎよく。さらに次の国会なり、その次の国会なりに、もっときちっとした合理性を持たして再提案すべきです。これは何回でもあなたに言いますが、どうですか。
  117. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) これあって行政改革の三カ年計画が樹立されるのでありまして、これなくしてなかなか三カ年計画の樹立は困難だ、こういうふうに解釈するものですから、全く熱心に撤回を要求されまするあなたに対しましては申しわけない次第でありまするけれども、この際はお断り申さなければならないと思います。
  118. 山崎昇

    ○山崎昇君 これは持久戦になるね。(「先に進もう」と呼ぶ者あり)いや、これは私の性格もあって、なかなか納得できないものは次に移れないんですよ、移りたいと思うのだけれども。  大臣、あなたのきめた第二番目の「行政需要に即応する簡素にして能率的な行政の態勢」と、こうある。これも一体、今度の一局削減はこれにあてはまりますか。どこが行政需要に即応して、どこが簡素になって、何が能率的になったのですか、この機構は。これを具体的にひとつ御答弁願いたい。
  119. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) いま山崎委員の一々御指摘なさいました「行政需要に即応する簡素にして能率的な行政の態勢を整え」というやつは、今後の三カ年計画のことばでありまして、二月二日の閣議決定の事項というのは、今後の三カ年計画に乗る内容指摘したのでありまして、簡素化のこの法案内容指摘したのじゃないのでありますから、あなたのおっしゃいまする「行政需要に即応する簡素にして能率的な行政の態勢を整え」、それは三カ年計画にみごとに織り込んでいきたいと思うのでございまして、必ず織り込むだけの自信も持っております。ただ、そういう点で、どうか足らざることがありましたならば、教えてくださいましたならば、十二分にそれも織り込まして、りっぱな行政改革案をつくってみたいと、こう考えております。
  120. 山崎昇

    ○山崎昇君 長官、ほんとにりっぱなことをいま言った。私にりっぱな意見があれば出してくれというのだから、だから、私があなたに言っているのは、あなたのほうの三カ年計画を出しなさいと言うのです。りっぱな計画ができ上がるのだから、そうしてあなた言うように、ぼくら野党の意見を聞きたいというならば、それじゃ国会に出す前に私どもに示しなさい。示して、あなたの意見はどうですかと、これについて私どもの意見も入れて直すというならば、私どもも意見を言います。いまそれがないじゃないですか。だから、この一局削減についても、私はそれと関連があるから、だから三カ年計画をつくって、そのときに一省一局削減をすれば、それに伴っての三カ年計画、こうなりますというものを一緒にして、だから、この一局削減は重要なんですよというなら私はわかるというのです。それがなくて、しっぽがなくて頭だけで議論せいというのは私に無理じゃないか。それから、いま大臣の言われたように、二月二日の閣議決定はなるほどそういう内容を含んでおる。しかし、去年の十二月十五日の閣議決定の内容を見ましても、そういうこまかなことは書いてないにしても、三カ年計画と私は密接不可分だと思うから盛んにお聞きをしているわけです。そういう意味で、私はいま長官の言うこの案はどう考えてみてもこれは不合理だから、またもとに戻ってきて、撤回しなさい、そうして、いまあなたがいみじくも言われたように、あなたの重要な意見を聞きたいというなら出しますから、だから三カ年計画を、六月だか八月だかにまとまるそうですからまとまってから一括して私ども野党の意見を聞いてもらいたい、こう思うのですが、どうですか。
  121. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) ぜひ野党の意見もお聞きして三カ年計画案を樹立したいと思います。各省庁から提案されるのが六月の下旬なんでありまして、七月の初まりには全部整います。それから行政管理庁は管理庁として臨調答申案を土台にした計画案を立てておりまして、それができ上がるのが六月の末であります。それを全部勘案いたしまして根本的な三カ年計画案を八月一ぱいまでの間につくる考えでありまするから、各省庁から出ましたときには、社会党にも、特に山崎さんには差し上げますから、ぜひともそれにいろいろな意見をつけてくださいまして、りっぱなものを国民のためにつくらしてくださるようにお願いを申し上げておきます。それにつけても、やっぱりこの法案を通してもらわないとなかなか作業が困難になりますから、どうか山崎さんもまげて御賛成くださいまして通してくださるように、一日早ければ一日得なように思いまするから、どうか撤回撤回とおっしゃらないで、御賛成くださって一日も早く通してくださったならば、それだけ三カ年計画案というものがりっぱなものができる、特にまあそういうお話がありまして、山崎さんの御意見なんか採用することができたならば、錦上花を添えるのじゃないか、こう思いますから、どうかそうしてくださるようにお願いをいたします。
  122. 山崎昇

    ○山崎昇君 これは年の違いで、おだてられて言うわけじゃありませんが、大臣のそんなうまい答弁で私どももなかなか引っ込めるわけにはいかないのです。私も曲げていきたいと思うのだけれども曲がらないのです。これは曲げたらたいへんなことになるのですよ。そういう意味でこれは大臣に聞いているのですが、それこそいま大臣が言うように、盛んに三カ年計画、三カ年計画、こう言うのですね。この三カ年計画の作成要領を見ると、必要度の低下したもの、それから行政効果の少ないものの整理、新しい行政需要に対しては既存部門の整理、全体として機構定員の縮減をはかることとある。そうすると、私がこれを推定をして考えますと、一局削減で一局は減りますね。そうすると、局そのものについてはあと手をつけるお考えはないわけでしょう、これから推定しますと。この局のもとにある課だとか部だとか、そういうものをやられるということになると思うんですね。それはなぜかというと、あなたがこれは違うと言われたから、私も別な資料を見ると、去年の十二月十五日の閣議決定を見るというと、一局削減出します。そうしてそのあとに早急に検討すべきものの内容として、各省庁の内部組織等を政令で定めることについても早急に検討せいというんですから、三カ年計画内容というのはこまかにはわかりませんが、大ざっぱにいえば、課の組織だとか、あるいは新設される課も含めて課の組織をどうするかとか、私はそういうことだと思うんですね。極端に言えば、大もとはあとたいして動かない、もうきまっちゃって、あとそれにつながる多少のざこだけ動くだけであって、それではやっぱり行財政の硬直化の打開だとか、行政需要に即応する簡素にして能率的な機構なんということにならない。私は局そのものに問題点を持っているわけです。今度のそのやり方そのものに問題点を持っているわけです。ですから、三カ年計画に重要度を置いてものを言っているわけじゃないんです。局の統合に問題がある、あるいはこちらからあちらに移る権限に問題がある、こういう私ども指摘をしているので、どうしても一局削減ということに納得できないがね。大臣に幾ら言われても、どうですか、また言いますが、下げませんか。
  123. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) どうも二人でこんな話をしておりまするとあれですが、まあ、山崎さん、せっかく出したんだからさ、そう下げろ下げろとおっしゃらないで、何とか上げることをですな、そういうように考えて、それはものも考えようで、憎らしいと思えばいつまでたっても憎らしくなるので、憎らしくないと思えばそうでもないものですから、そこのところをそうおっしゃらないで、せっかく深い雪の中から出てきた芽ばえだと思ってどうか育てていただくようにお考え直しを願います。
  124. 山崎昇

    ○山崎昇君 大臣から、せっかく出したものだからぜひと、こう言うんですが、私も消化不良を起こしそうなんだから、これを何とかしようと思う。だから、やはり大臣から、せっかく出されたから完全に消化するためにどうしたらいいかという問題をいま心配をしているわけです。そういう意味では、大臣、これは消化しやすいような出し方をしてください。消化不良になりそうなものを出してきて、せっかくだからと言うのは、ちょっとやはり強制的にわたると思うんですね。そういう意味で、何か理事間で話がついたそうでありますから、きょうはこの程度で私は保留して、この次の委員会にもっと詳細な内容にわたってお聞きをしたいと思うので、最後に重ねて、ひとつ消化しやすい方向で出し直しませんか。どうですか。
  125. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) まあ、どうか胃腸をじょうぶにしてください。
  126. 井川伊平

    委員長井川伊平君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  127. 井川伊平

    委員長井川伊平君) 速記をつけて。  本案につきましての審議は本日はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。   午後四時四十二分散会