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1968-04-04 第58回国会 参議院 逓信委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年四月四日(木曜日)    午前十時二十九分開会     —————————————    委員異動  四月一日      辞任        補欠選任       田代富士男君    和泉  覚君  四月二日      辞任        補欠選任       森  勝治君    柳岡 秋夫君  四月四日      辞任        補欠選任       柳岡 秋夫君    森  勝治君       横川 正市君    渡辺 勘吉君       鈴木  強君    鈴木  力君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         久保  等君     理 事                 寺尾  豊君                 西村 尚治君                 松平 勇雄君                 森  勝治君     委 員                 新谷寅三郎君                 鈴木  力君                 永岡 光治君                 光村 甚助君                 渡辺 勘吉君                 市川 房枝君                 鈴木 市藏君    国務大臣        郵 政 大 臣  小林 武治君        労 働 大 臣  小川 平二君    政府委員        人事院事務総局        職員局長     島 四男雄君        郵政政務次官   高橋清一郎君        郵政大臣官房長  溝呂木 繁君        郵政省郵務局長  曾山 克巳君        郵政省人事局長  山本  博君        労働省労政局長  松永 正男君        労働省労働基準        局長       村上 茂利君    事務局側        常任委員会専門        員        倉沢 岩雄君     —————————————   本日の会議に付した案件理事補欠互選の件 ○郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に  関する調査  (郵政事業運営に関する件)     —————————————
  2. 久保等

    委員長久保等君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  まず、理事会の協議の結果について御報告いたします。本日の委員会においては、理事補欠互選の後、調査事件のうちの郵政事業運営に関する件について質疑を行なうことになりましたので、御了承を願います。
  3. 久保等

    委員長久保等君) 次に、委員異動について御報告いたします。去る一日、田代富士男君が委員辞任され、その補欠として和泉覚君が選任され、去る二日、森勝治君が委員辞任され、その補欠として柳岡秋夫君が選任され、また、本日付をもって柳岡秋夫君及び横川正市君が委員辞任され、その補欠として森勝治君及び渡辺勘吉君がそれぞれ選任されました。
  4. 久保等

    委員長久保等君) 次に、理事補欠互選についておはかりいたします。ただいま報告のとおり、森勝治君が一たん委員辞任したことによって理事一名が欠員となっております。この際、その補欠互選を行ないたいと存じます。互選は、投票の方法によらないで、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 久保等

    委員長久保等君) 御異議ないと認めます。それでは理事森勝治君を指名いたします。
  6. 久保等

    委員長久保等君) 郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に関する調査を議題といたします。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  7. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 郵政業務をスムーズに運営していく基本的なあり方は、かかって労務管理適正化にありと私は思うのでありますが、このことについての郵政大臣所信をまず承っておきます。
  8. 小林武治

    国務大臣小林武治君) お話のとおりであります。
  9. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 労働大臣お尋ねをいたしますが、昭和二十七年から最近時までの十七年間におきまして、公労委受理しておりますところの不当労働行為に対する救済申し立て件数、これが郵政が五十八件、専売が二十九件、国鉄十七件、林野十六件、電電公社五件、印刷三件、三公社五現業については、過去十七年間に百二十八件の救済申し立てが出ておるわけであります。なお、公平委員会受理をしておりますところの不利益処分に対する審査請求動態を見ますと、昭和二十七年度から四十二年度までの十六年間におきまして、全体の審査請求件数が総体で二千八百九十八件受理をされておるようであります。そのうちで郵政省関係請求件数が全体で五千二百九十三件であります。——先ほどの二千八百九十八件は四十二年度一年だけでありますから、訂正をいたします。過去十六年間の請求延べ件数が五千二百九十三件、このうち郵政省関係が三千三百二十四件、全体に占める割合は六二%であります。特に、この二十七年から四十二年の間に、年度によって相当の起伏が審査請求においてもあらわれておりますけれども、特に、昨四十二年度一年をしぼってみますと、四十二年度一年間に、各省庁別にこの不利益処分審査請求を受けました件数が二千八百九十八件、このうち郵政省関係が二千七百七十六件、全体に占める割合が八一%をこえておる実態であります。もとよりこれは、それぞれの省庁におけるいろいろな条件の置かれている事情等もありましょうけれども郵政省だけが最もひんぱんに不当労働行為救済申し立てがあり、全体に占める圧倒的な比率で不利益処分事案が続出している事態を、労働大臣はどう一体理解するのかをお尋ねいたしたいのであります。裏返して言うならば、他官庁は、郵政省に比べて——いま郵政大臣が簡明直截に答弁されたように、労務管理適正化郵政省よりはより合目的的に運営されているという証左にも読み取れると思うのでありますが、この動態の中から、郵政省のみがなぜ一体こんなに不当労働行為が頻発し、なぜ郵政省のみが、不利益処分審査件数が、他庁を圧して四十二年度一年を達観するならば、全体の八割をこえる、そういう不利益処分人事院としても受理しなければならぬという、そういう事態に置かれておるのか。これを大所高所から労働大臣所信をまず伺っておきたいのであります。
  10. 小川平二

    国務大臣小川平二君) あらためて申し上げるまでもないことでございますけれども労使関係相互信頼基礎に立つ、平和な合理的なものであることが望ましいと考えております。ことに、郵政事業のような、非常に高度の公共性を持つ事業でございますから、労使双方とも、国民生活に及ぼす影響を考え責任を自覚していただいて、あくまで話し合いで、平和的にものごとを処理してもらうことが望ましい、かように考えておる次第でございます。いま御指摘不利益処分に関する審査請求あるいは不当労働行為についての救済申し立てについて、数字をお示しになりました。確かに郵政関係数字が非常に多いと存じますが、その原因が那辺にありやということにつきましては、いろいろ実態も検討して見なければなりませんし、何ゆえそうであるかということについては、この場で直ちに私ども見解を示せというお申しつけでございますが、もう少し実態をきわめてみませんと、直ちにはお返事ができかねるわけでございます。いずれにいたしましても、初めに申し上げましたような趣旨で、これから先も、労使があくまで平和な話し合いものごとを処理してもらうことが一番望ましいことだと、かように考えております。
  11. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 郵政大臣、いま労働大臣からは当然のことでありますけれども労使関係はあくまでも平和裏話し合いで、あくまでもお互いが納得するような相互信頼関係の上に初めて労務管理適正化が行なわれる、そうあらねばならぬ。実態についてはなぜ郵政のみが、他官庁を圧してこんなに不当労働行為救済申し立てなり、あるいは不利益処分審査請求なりが四十二年度については特に全体の八割以上が郵政で占めている、こういうことに対して抽象的な労働大臣答弁でありますが、郵政大臣は私が冒頭にお尋ねしたように、労務管理を適正に行なうということが、まあ他の官庁にも共通することでありますが、特に、私は郵政の置かれておる現状からいたしまして、非常に大臣にこれは重点を置いて考えてもらわなければならぬ問題だと思うのですが、同じようなこの公労委、あるいは公平委員会受理している件数をどういうふうにあなたは理解しておられますか、郵政大臣
  12. 小林武治

    国務大臣小林武治君) 労使関係はもう私が言うまでもなく一方的な問題ではない、相互の問題で、お互い信頼と、だからしてお互いが十分の反省をしていくのが必要である。そういうことでありまして、私は郵政省がいろいろの面において厳正な態度をとっておる。それから郵政省自体紛争そのものが、他の企業公企業よりは多いのだとこういうふうに思うのでありまして、私は従来必ずしもこれらのことが緩漫に行なわれておったということを申すわけではありませんが、私は管理者がすべきことは誠意をもってすると、またこれに組合の方も十分に答えていただきたい、こういうふうに考えておるのでありまして、私は郵政省がそういうふうないろいろの申し立てが多いということは、紛争が非常に多いのだ。現実に多いからして、結果的にもそういうものが出てくる。こういうことでありまして、私はこれらの傾向はお互い反省によって減っていくであろう、かように考えておるのでありまして、多かったということは、むろんこれはけっこうなことではありませんが、減ることを希望することはわれわれも人後に落ちない。しかし、これは相互関係を十分にひとつ調整していくことが必要である、かように考えておるのでありまして、さように多いということは、私は郵政省としては遺憾なことであり、けっこうなことだと思っておりません。
  13. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 抽象的にはもうこれ以上このことを問答をかわしても時間の空費ですから、私は先に進みます。  大臣のいまの答弁の中にもありましたように、決してこれは好ましいことではないどころじゃなくて、私はきょうは大船渡事件についての具体的な事例をあげて大臣に時間の許す限りおって、あるいは政府委員答弁する具体的なこまかい問題もありましょうが、よくこれは腹に入れてもらいたい。これはまさに前近代的な、大船渡事件のごときは管理者グループはこれはまさにインクレディブルだと、狂気の沙汰である、そう断定してもこれは偏見ではない。そういう事犯を私は個々具体的に指摘をし、なおその回答を求め、直相を明らかにする所存であります。その前に労働大臣お尋ねをいたしますが、一つの抽象的な事例を設定してお尋ねをいたしますが、たとえば暴力事件のごとき同一事案で、そのために行政懲戒免になる。一方では、これが刑事事件裁判となっている場合にその裁判の結果、無罪となる場合、あるいはきわめて軽微な判決起訴猶予になるというような場合があり得るわけです。そうした場合に懲戒免という、そういう行政措置は取り消すべきものだと思うのですが、労働大臣はどうお考えですか。
  14. 小川平二

    国務大臣小川平二君) きわめて一般的に申しますれば、処分となされた行為との間には一定の均衡があることが望ましい。これは申し上げるまでもないことであります。ただ個々の案件になりますると、いかなる事実があったのか、それに対応する処分がはたして均衡を失していなかったかどうかというような点の判断は、これは労政の当局としてとやかく申すべき問題ではないと存じます。裁判所なり人事院の判定に待つべき問題だと、かように考えます。
  15. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 では、同一事案暴力事件を設問したわけですが、そういう場合に刑事事件無罪となった、あるいはきわめて軽微な判決が下された。一方は同一事案懲戒免の厳罰を受けた。まさにこれは過酷すぎる処置であるということによって、これは懲戒免は取り消すのが当然です。これは具体的に私は伺っておるのではなくして、一応抽象的にそれを伺っておるのです。どうですか労働大臣、もっと素朴に答えてください。
  16. 小川平二

    国務大臣小川平二君) これは裁判行政処分とは一応別個の問題として考えるべきではなかろうか。そのように考えます。
  17. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 別個の問題であることは私も承知をして伺っておるのです。別個だが、同じ事案で、暴力事件なら暴力事件、いま暴力事件という一つ仮定で伺っておるのですから、暴力事件で片っぽうは懲戒免行政処分を受けた。しかし裁判でこれは起訴猶予あるいは無罪になったという場合には、この懲戒免は不当な処分であるということになるわけです。したがって、この懲戒免は取り消して、復職するとか、そういうことは別として、懲戒免そのものは取り消すべきものであるというふうに思うのですが、その点を労働大臣からしかと伺っておきたい。
  18. 松永正男

    政府委員松永正男君) よろしゅうございますか、労政局長でございます。  ただいま御質問趣旨は、行政処分の場合も刑事事件の場合も原因暴力だけであるというふうに仮定をいたしまして、その場合に、刑事処分のほうが無罪であったという場合、行政処分懲戒免官という最高の処分をしておると、それを軽減すべきではないか、こういうことだと思いますが、先ほど大臣から申し上げましたように、法律の筋といたしましては、刑事処分とそれから行政処分というものは別個の体系でございます、先生も御承認なさいましたように。でありますが、もし仮定をいたしまして、暴力だけの原因行政処分と刑事問題が起きたという場合に、刑事裁判のほうがその暴力が処罰するに値しない軽微なものだという判断をした場合には、行政処分につきましても事実上その暴力だけの原因であるとすれば、その暴力の程度が低かった。したがいまして、処分判断の際に事実上それが影響する、そうしてそれを軽減すべきかどうかという問題が起さたということは、そのような仮定をおきますと考えられることだというふうに考えております。
  19. 森勝治

    森勝治君 ちょっと関連して労働大臣にお伺いするのでありますが、暴力行為というものは労組法上の免責事項外である、私はこう考えております。したがって、刑法上の責任を問われるものでありますから、行政処分というものは裁判所判決を待って、しかる後に行なわれるものだと思うのであります。よろしいですか。そういうふうに解釈してよろしいかどうか、労働大臣にお伺いしたい。
  20. 松永正男

    政府委員松永正男君) 先ほどの御説明でやや言い足りませんでしたのは、刑事裁判が最終的に確定——最高裁等、あるいは控訴等がなくて最終的に確定した場合、裁判所判断がこうであるということになりました場合であろうというふうに申し上げたほうが正確ではないかと思います。たとえば、刑事事件につきましても、争いがあるという場合があるわけでございます。それから、処分につきまして、厳密には国家公務員法解釈でございますので、私ども所管外でございますけれども、これは裁判所判断というものを待って行なうべきものではない。それぞれの責任者におきまして、たとえば国家公務員の場合に各省庁責任者において判断をして処分を行なうべきものであるというふうに考えております。
  21. 森勝治

    森勝治君 再質問でありますが、それならば、裁判所において無罪判決が出た場合の、首を切った当事者側法的責任というものはどうなるんですか。かってに首を切れるのですか。
  22. 村上茂利

    政府委員村上茂利君) 一般労働基準法上、たとえば就業規則などによりまして懲戒規定を設けるという例がございますが、懲戒そのものは、いわゆる事業場内における一種の秩序罰と申しますか、事業場内のそれぞれの事件に応じた制裁の制度でございますけれども裁判所で訴訟で争いますのは刑事事件とか民事事件ということでございまして、必ずしも同一平面上において扱うべき問題ではないというふうに私は存じます。  しこうして、そのような懲戒をだれがどのように行うかということは、一般民間事業場でございますと、就業規則とか労働協約の定めるところによりまして、それ自体解釈に基づいて処置せられますし、それから国家公務員とかあるいは地方公務員は、それぞれその法規に定められたところに従いまして懲戒免を行使するという結果になるわけでございます。したがって、裁判の結果どうなるかということは、法律的な権限関係を求めるということになりますと理論的には合わない。ただ、懲戒をなしたことが就業規則なり、あるいは国家公務員法で定めましたそれぞれの規定解釈として当を得ているかどうかという問題になろうかと思うわけでございます。
  23. 森勝治

    森勝治君 再々関連で恐縮でありますが、いま基準局長はそういう御答弁ですけれども局長、あなたの職務というのは一体、労働者が法によっていかに保護されることができるか、労働者を保護するか。経営者側の不当な労働行為というものの根絶を期すために労働基準局というものがあるのだろうと思うのであります。その所管の長とはどうもお見受けできないような逃げられた御答弁で、私は非常に残念であります。暴力によって、いいですか、暴力行使という理由馘首を申し渡され、この不当性裁判で黒白を争い、その結果その暴力というものについての無罪判決がなされるならば、暴力理由馘首をすることの正当性は、当然これは消滅しなければならぬのであります。私はそう思うのであります。したがって、当然裁判無罪判決をされた——暴力行為をしたから首を切ったと称した人たちが、これが法廷でその争点を明らかにした結果ということになるならば、当然、一方的な首切りというのは権力をかさに着た逸脱行為と私どもは理解するわけであります。そういう観点が是認されるとするならば、まあ、きょうは逓信委員会でありますから、労働省局長としてはそれは非常に慎重な御発言だろうと思うのでありますが、かりそめにも労働者の身分や地位やそういう立場を守ってくださる所管の長としては、繰り返して申し上げるが、非常に消極的な、逃げた御答弁であります。この点が私は非常に残念でたまりませんので、しつこいようでありますが、重ねてもう少し明快なひとつお答えをいただきたい。
  24. 村上茂利

    政府委員村上茂利君) 国家公務員法上の懲戒の問題は、これは人事院あるいは総理府の担当でございますから、私が答える限りではございません。私が申し上げておりますのは、一般民間懲戒の例を申し上げておるのであります。その際に就業規則とか労働協約解雇基準を定めておりますときに、その協約あるいは規則解釈の問題になる、こういうわけでございます。その際、たとえば就業規則で、暴行のあった場合には懲戒解雇とするというような規定がございましたときに、その暴行があったとして懲戒をしたところが裁判所無罪判決があったという場合に、その無罪判決が直ちにはね返りまして、その懲戒解雇処分を取り消すという法的効果を生むのではなくして、それは懲戒権者がもう一度就業規則条項に立ち返りまして判断をする、そうして暴力行為はなかったにかかわらず、懲戒をしましたときには就業規則違反ということになるわけであります。それが無効になるかどうかというのは再び裁判所の問題になりまして、暴行の事実がないにかかわらず、暴行ありとして就業規則懲戒条項適用したというものは、その適用を誤ったものであって無効であるという判決が出るかもしれませんが、その法律構造の仕組みを私は申し上げたのでありまして、あくまでも法令の解釈という立場につきましては主観を交えずに私は申し上げたい、こういう立場から答弁申し上げた次第であります。
  25. 小林武治

    国務大臣小林武治君) これはちょっと余分なことでありますが、もし郵便局員関係であれば、労働省からいろいろなことを言われる筋はない。これはいま民間のことをお話になったからけっこうでありますが、私のほうの関係は、国家公務員としての問題でありますから、その国家公務員としての処分が不当であれば、これは人事院がさばきをされるわけでありまして、労働省はこの問題とは関係ない、こういうことだけ申し上げておきます。
  26. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 よけいな答弁をいまされたわけですが、私が聞いているのは、一応仮定を前提として聞いているので、それを勘ぐって先走った答弁をしたってしょうがない。大臣は、もう少し慎重にかまえていればいい。聞かれたときに答えればいい。  それでもう一回、労働大臣に伺いますが、あくまでもこれは仮定で伺っているわけですから……。暴力行為、それで一方は懲戒免を受けた、裁判では無罪であった。そういう場合には、やはり懲戒免も非常に過酷であるということで、これは修正をしなければならぬというのは労政局長答弁でよくわかりました。ただ、その場合に、そういう暴力行為という設定した仮定でありますが、それを理由懲戒免をすることが一体妥当なのかということを伺いたいのですが、暴力行為であれば、まずやはり告訴をして、その点を裁判の上で決着をつけて、しかる上に処分をするのが順序じゃないかと思うのですが、その点について労働大臣はどうお考えですか。
  27. 小川平二

    国務大臣小川平二君) ただいま基準局長からお耳に入れましたとおり、裁判行政罰との間には法的な牽連関係はない、これはそのとおりだと存じます。ただ、公務員法等解釈適用に誤りがあったかいなかということになりますれば、これは別個の問題でございますから、裁判の結果を待たなければ処分ができない、こういうことには——もちろんこれは一般論として申し上げておるわけでございますが、ならないのじゃなかろうか、かように考えます。
  28. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 それでは、先ほどの労政局長答弁で、まず次に進みます。  労働大臣、時間もないようですからお伺いしますが、先ほど不当労働行為救済申し立てなり、あるいは不利益処分審査請求の概数を私は中心にしてお尋ねをしたのでありますが、それというのも、それは一つ懲戒に対する基準というものがないことにもあるのじゃないか。それは労働大臣所管でなければ、人事院のほうからもお答えを願いたいのですが、非常に困難なことではありましょうけれども、その懲戒基準というものがあるべきものだと思うのですが、この点については、労働大臣はどう考えておられるのか。また人事院局長は、その点について、どういう見解を持っておるのかをお答えを願いたい。
  29. 島四男雄

    政府委員島四男雄君) 公務員法上の懲戒基準についてお尋ねがあったわけですが、現在公務員法規定の中に、懲戒根本基準としては、一応、公正でなければならないという一つ基準規定されております。いまお尋ねの件は、そういう根本基準ではなくて、さらに細目的な基準といいますか、そういう点についてのお尋ねかと思うのでございますが、この懲戒というものは、各省庁それぞれいろいろ部内の秩序維持観点から、たとえば現金を取り扱う省庁であるとか、あるいは刑務所等のごとき役所の場合には、非常に秩序の厳正を保たなければならないという役所特殊性から、いろいろ判断しなければならない問題がございますとともに、さらに懲戒基礎となった事実というものは非常に千差万別でございまして、たとえば、ただいま暴力行為についてお尋ねがあったわけですが、一がいに、一口に暴力といいましても、その態様はまことに千差万別でございます。場合によっては、免職に相当する暴力行為もございますし、あるいはそれに至らない、もっと軽い処分で済ませるような場合もありますので、具体的に暴力をやった場合には、これこれの処分をすべきであるという基準というものは、実際問題として非常にむずかしいというのが実情でございます。ただ、そうは申しましても、全然しからば任命権者の恣意的な判断によって懲戒を行なうのかといえば、決してそれはそういうことではなくて、やはり社会観念上おのずから妥当な範囲というものがございます。私ども省庁懲戒処分についてはそのつどデータをいただいておりまして、これを詳細に集計しております。現実問題として各省庁からいろいろ御照会をいただいておりまして、そのつど従来の事例を御参考までにお示ししているというのが実情でございまして、それが基準になるかどうかは別問題といたしまして、各省といたしまして、それほど、何と申しますか、まちまちな処分というものは、実際問題として行なわれてはおりませんし、また、そういうはずのものではないと、かように考えております。
  30. 小川平二

    国務大臣小川平二君) 公務員法は私の所掌外でございますけれども、いま人事院から説明がございましたとおり、もちろん任命権者の恣意にゆだねられるというようなことはあるべきでないと存じます。これについては、格別成文の基準というようなものはないようでございますけれども、それにいたしましても、これもいまお話にございましたように、社会通念に従って適正な処分がなされるべきである。これは当然だと考えております。
  31. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 人事院に伺いますがね。いままでの処理は適正であったといいますけれども、もう少しフランクにひとつ物事を判断してもらいたいのは、いずれ私はこれから具体的に事例をあげて郵政当局にお尋ねをするのですけれども、なにしろこの不利益処分が、郵政の場合は、四十二年は全体の八一%を占めているのです。これが適正に行なわれたと、強弁するでしょう、政府側としては。社会通念でやったと言うでしょう。しかし、現実管理者の恣意のままに権力を一方的に乱用している。そういうものが私は郵政の全体にびまんすることをおそれるから、これから具体的な例を中心として当局の猛省をうながすために伺うわけで、その前に、人事院ともあろうものが、困難ではあるが、そういう一つ事態を直視して、そうしてここにコントロールを何かすべき基準というものを設定して、社会通念に違反することのないような、いわゆる人事院の機能というものを発揮する一つの大きな役割りを付与されている場合に直面していると思う。困難であるが、これは不可能ではないはずです。そういう検討をいままでやらなかったのか、あるいはやっているのか。やっているならば、一体そういう一つ基準というものを、それぞれの省庁特殊性の上に立って、設定する意思があるのか、あるとすればその見通しはどうか。そういう点をひとつ明確に答えてください。
  32. 島四男雄

    政府委員島四男雄君) 私どものほうに、ただいまお尋ねのありましたように相当多数の不利益処分案件をかかえております。これにつきましては、詳細に審理においてその事実の黒白を明らかにするわけでございますが、いままで私どもの扱っておりました経験かからいたしますると、一つ処分について、その背景の事情というものは実に多種多様でございます。単に一つ行為の外形だけから見て、その処分がはたして妥当であったかどうかというわけにはまいりませんで、やはりそこに行なわれました事実関係というものがいろいろ入り組んでおります。たとえば本人の、その行為の態様はもちろんのこと、そこに至った動機であるとか、あるいは日ごろの勤務成績であるとか、従来この種の行為を反復して行なったかどうかとかいろいろの事情がございます。そういう情状等も勘案いたしまして処分の当否というものをあわせ判断するわけでございますので、いま渡辺委員お尋ねのございましたような画一的な基準というものは実際問題として不可能でございます。また事実そういうことを研究したことがないわけではございませんが、各省庁特殊性というものもこれもまちまちでございますし、いま言ったように、処分の態様もまちまちでございますので、処分基礎となった事実がまちまちでございますので、なかなか画一的な基準というものは実際問題として不可能と申し上げるしかないと思います。
  33. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 そういうことであれば、そういう政府の態度だと理解せざるを得ないから、それではなお立ち入って伺いますが、一体この事案申し立てを受けてからどのくらいかかれば、その結論が出るのか、非常に私は奇異に思うのは、一般事案については一年以内で決定が出ておりますね、しかしながら大船渡の事案あるいは全逓の盛岡の事案等を見ますと、三十九年の七月に処分をされた者が翌月に不利益処分審査請求をして、それから一年三カ月日にやっと合併審理を持った。そうして翌年に第二回の審理を終えて、その後再三の督促にもかかわらずいまだにその判定が出ていない。こういう事態は、私は公平委員会——人事院そのものの怠慢であると思う。これによってこうむる組織あるいは当事者の迷惑というものは言語に絶するものがある。そういう事態反省もしないで基準については不可能である、これは官僚とすればきわめて冷血動物的な答弁でそれでいいでしょう。しかし当事者の身を思ったことがありますか、四年もかかってまだその事案についての判定すら出ていない。これはもうまさに人権無視もはなはだしい事態じゃないですか、基準もなければ判定も四年かかってもやらない、こういうことでいいのですか。その点についてもまたいろいろな理由があるでしょう、あるけれども国民としては、そんな政府の内部の理由なんか聞きたくはない。すでにもう一つの審理の決定が四十一年の二月に出ておる。その後二年たってもまだ判定がくだされない。何たる怠慢ですか、これに対して一体政府はどういう処理をされるのか。
  34. 島四男雄

    政府委員島四男雄君) こういった裁判はもとよりのこと、われわれのやっております不利益処分の争いについて非常におそいという御指摘があったわけでございます。これは申し上げるまでもなく、請求者のいろいろの事情を考えれば、訴えてからすみやかに判定をくだすべきものと考えております。ただ、非常におくれます理由といたしましてはいろいろございまして、たとえば違法な組合活動を理由とする処分につきましては、おおむね組合がバックアップして審理を行なっております関係上、代理人が、組合の方の代表者がお出になるということから、人事院として期日を一方的になかなか指定できにくいという事情がございまして、なかなか、そういう審理の期日の問題から、また、さらに事実関係が非常に多うございまするので、審理の証拠調べが非常におそくなるという関係もございます。しかし、それはともあれ弁解でございまして、一刻もすみやかに審理を済まし、判定をしなければならないことは言うまでもないことでございまして、ただいま御指摘事案が三十九年に審査請求がありましてから、すでに四年もたって、いまだに判定も出ていないということにつきましては、まことに申しわけなく存じております。ただ、これにつきまして公平委員会のほうにその事情を聞いてみましたのですが、いろいろむずかしい問題があっておくれたということでございますが、ただ公平委員会の独立性という点からいいまして、どういう点に問題があったのかということは、われわれとしては聞くわけにもまいりませんし、また公平委員会として漏らすべき問題ではございませんので、その点は内容的に申し上げるわけにいかないのでございますが、いずれにしても近く判定を出すということでございます。たいへんおくれまして申しわけないと思っております。
  35. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 なかなか本論に入りかねますから、この程度で一般的なお尋ねは打ち切りますけれども、これから取り上げる大船渡事件も、ことしの一月十三日に不当処分をきれて、三月に不利益の審査請求をしておるわけです。だから、四年かかってその判定がくだるなんという、そんなウシのよだれのようなことをやらんで、やっぱりすみやかに反省の上に一般事案と同じように、一年以内には判定を求めるように、それは人事院としても公平委員会にそれくらいなことは、あなた役所として当然でしょう。ただまかしておくような、そんな無責任なことじゃいかぬですよ。それは強くこの際要求しておきますから、しかとこれは心得てください。  郵政大臣お尋ねいたしますが、三月五日衆議院で持たれました社会労働委員会で、大船渡事件処分について、わが党の島本委員の最後の質問に、もう一度この処分については考え直す必要がある、それについて次官はどういうように措置するか、こういう最後のお尋ねをしております。大臣はその席にはおらなかったので、やむを得ずこれは次官に聞いたのでしょう。それに対して高橋次官は次のように答弁していますよ。「過ぎ去った事件ではございますけれども、なおかつ再度私は私なりに勉強きせていただきまして、御指摘の面等、多々それではというような面がございました場合については、政務次官の微力ではございますけれども立場を利しまして御趣旨に沿うように善処いたしたい、検討再度というような気持ちでございます。」というような答弁と、もう一つ「十分検討いたします。なお場合によりましては、大臣ともによく相談してみたいと思います。」、以上の答弁をもって島本委員質問が終わっております。あなたは大船渡事件処分者である、首切り人である。処分者、小林武治郵政大臣は、この国会の質疑を踏まえて、その後いかような検討を加え、その結果いかにこの事件に対して善処せんとするのか。その意図をこの機会に明らかにしてほしい。
  36. 小林武治

    国務大臣小林武治君) これは、当時政務次官からもお話があり、事は職員の身分の問題で重要なことでありますので、お話しの次第もあり、再度本省自身も仙台郵政局等においてもいろいろの調査をいたしましたが、いままでの報告のところでは、従来の調べたことについて事実を誤認したようなこともない。また、したがって、前回の処分に影響を与うるような事実もない、こういう報告を受けております。
  37. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 よくわかりました。それではあなたの答弁をひとつ具体的に分解して伺っていきましよう。  大体人の首を切る、免職をする、あるいは停職をするということは、これは労働者の生存権を奪うということでしょう。そういう処分を、免職という処分郵政大臣はした。大船渡事件で二名も不当処分をしておる。あなたは部下に命じて調べさせたが、不当ではないという調査である、こういう答弁。それならそれでいいだろう、私は不当であるという実証をあげる。これからそれは質疑で明らかにしていきたい。全部あなたは知っておるはず、その内容からいえば。知らぬ存ぜぬとは言わせませんぞ。そういう、免職、停職という労働者の生存権を奪う処分をしながら、その処分の事由を一切説明しないということは一体何です、当事者に。これは基本的な人権の否定じゃないですか。一片の処分理由書を郵便で送達をして、当時者がその理由を聞きたきに、地元の責任者である局長に会いに行っても会わせない。そういう事態は一体どうなのか。三月五日の衆議院の社労委員会で、高橋次官は——速記録にあるわけですが、免職者及びその家族に対しては特に懇切丁寧に説明すべきであると答弁していますが、そのように大臣は指導しておられますか。
  38. 小林武治

    国務大臣小林武治君) 私は、概括的な御返事を申し上げますが、私が一々事件を取り調べたわけではありません。私の信頼する補助者がさような衝に当っておる。したがって、具体的な詳細のことは私自身があたっておるわけではないことは、これは御了承いただけると思いますので、そういうふうな向きのことは担当者からひとつお答え申し上げきせます。
  39. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 それではよその都合があるかもしれませんが、この当日、三月五日に答弁した高橋次官の出席を要求します。
  40. 久保等

    委員長久保等君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  41. 久保等

    委員長久保等君) 速記を起こしてください。     —————————————
  42. 久保等

    委員長久保等君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日付をもって、鈴木強君が委員辞任され、その補欠として鈴木力君が選任されました。     —————————————
  43. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 繰り返しになりますが、次官が出席しましたのであらためて次官にお尋ねをします。あなたが三月五日の衆議院の社労委員会でわが党の島本委員の最終的な質問に答えた中に、免職者あるいはその家族に対しては、その処分の検討については懇切丁寧に説明すべきであると答弁しておられる、そのことについて、そのように指導されておられると思います。あるいは十分検討するとも、また、別な個所で言うておる。私は私なりに勉強したい、また、審査もしたいと三月五日にその態度を明らかにしておりますから、私はその一こまを、特に処分理由について、免職者に対する態度として、その点を国会で答弁をしたように指導を下部に下されたものと思うが、その措置はどうなっておるかをまずお尋ねをします。
  44. 高橋清一郎

    政府委員高橋清一郎君) お示しになりました過般の衆議院における社労委におきます御質問を受けましたその場においての、私のそれに対するお答えとして、ただいま渡辺委員お話の内容そのままではございませんが、気持ちといたしまして、これは一般論でございまして、やはりいかに当局並びに組合との相克摩擦の場が年ごとに出てまいりましょうとも、それにふえんいたします処分発表の場を招来しなければならぬという悲しい場が出てまいりましょうとも、もし万一、家族の上に思いをいたし、あとう限りその方の家庭から処分の結果等について強い御要請があった場合においては、やはり御本人のお申し出等ありました場合においては、あとう限りの理解を得るように、事情把握等も場合によってはお伝え申し上げるだけの親切気はとるべきであるという意味のことをお答え申し上げたのであります。そのことにつきましては、いわゆる、大船渡事件のことにつきましては、さっそく帰りまして、人事局長に対しあとう限りの善処をとるようにということをお伝えいたしたわけてあります。
  45. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 いまの答弁一つちょっと引っかかる点は「場合によっては」ということがありますが、その場合はそれに該当しますか。
  46. 高橋清一郎

    政府委員高橋清一郎君) 「場合によっては」というお答えを申し上げたのでありますけれども一般論としてでございまして、一般論の中に今回の事件が入っているという想定のもとに、局長に申し伝えたのであります。
  47. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 それではこの処分理由について、免職者あるいはその他停職、減俸を受けた者が、あるいはその家族等がその理由を伺いたいと言うときには、あなたが国会で答弁したように、懇切丁寧にその時間なり場所なりをきめて説明をしてあげよという指導をされたわけですね。
  48. 高橋清一郎

    政府委員高橋清一郎君) 私どもその当時におきまする考えといたしましては、その事象事象をとらえましてあとう限りの善処をとるという意味のお答えを申し上げたのであります。
  49. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 具体的に私がいまお尋ねをしている場合は、やはりそれに該当しますか。
  50. 高橋清一郎

    政府委員高橋清一郎君) 該当すると思います。
  51. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 それでは、該当するから当然下僚はそれを忠実に伝えたでしょうね、政務次官のそういう指導に基づいて。
  52. 山本博

    政府委員(山本博君) 政務次官のただいま申しましたとおりでございまして、私がそれを受けまして、仙台の郵政局のほうには、処分者から説明を求められた場合には説明を十分して納得してもらうようにという指導はいたしました。ただし一ただし書きをつけて申しわけありませんが、そういう場合は常に平穏に、平和裏お互いが十分理解と納得のできるような雰囲気と条件というような中で行なう、いわばつるし上げとか、あるいは非常に大ぜいの人で抗議的な会合、面会、そういう形でなくて、お互いがフリーに、フランクに話ができるような場合でないと、理解と信頼の中ででないとできないんじゃないかということで、そういうことを——これはかねがねそういう指導をしておりますが、そういう場所を設定してくれということを申し添えて指導をいたしました。
  53. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 それはいつですか。
  54. 山本博

    政府委員(山本博君) これはこの前の三月五日の社労が終わりましてから直ちに通達をいたしてございます。
  55. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 それでは私は具体的にこういう事実を御披露申し上げて、これは政務次官あるいは大臣からお答えを願いたいんですが、社労委員会が終わった直後ですから、おそらく六日か七日、おそくとも十日には仙台から現地までその趣旨が通達されておるわけですね。ところが、平和裏にというのはどういうことか私はわかりませんが、衆議院での質疑を通じて理解するのは、まああまりこう大人数でということは困るような答弁もあったから、これはまあ一人か、四、五人か、そんなところで当事者が行って聞くという場合は、いま人事局長が言う平和裏でしょうね。そこで三月十五日に懲戒免職を受けた佐藤広一君が、全逓の盛岡地本の委員長を同伴して処分説明を受けようとして、午前九時四分ごろに庶務会計長を通じて局長に面会を求めたわけです。ところが、古川会計長が、郵政省政務次官の言ったことは、大船渡局とは関係がない、処分については一切答えることはできない、君は入局を認められていないのだから、出て行ってくれ、こういうことでついに局長との面会を拒否されて帰ってきておる。さらに仙台郵政局労働係長佐々木忠が、国会でどう言ったか知らないが、上部からの指導がない、国会のことは新聞発表程度しかわからないので、会計長の言うとおりです、わかったら帰ってください、これで三月十五日は帰されておる。ついでですから、二、三つけ加えて御披露します。翌々日の十七日午前八時四十八分ごろに、同じくこの佐藤広一君が、今度は地区本部の黒沢書記長が同伴して、古川会計長の窓口に、何か上部機関から指導があったかとお聞きをいたしましたら、古川会計長は、処分説明書を読んでもわからないような代議士では困るという答弁をしておる。翌十九日、午前八時五十分ごろに、今度は佐藤広一君が個人で会見をして、局長室から出てきた大野局長に説明を求めましたら、「うるさい、出ていけ、いつまで局でうろちょろするのか。」と暴言を吐いておる。これが人事局長がその免職を受けた者に対して懇切丁寧にその処分の内容等の説明を求められたらしなさい、あたたかい気持ちで迎えなさいということの現場における実態ですよ。これで一体労務管理適正化ができると思うか。大臣、どうです。
  56. 小林武治

    国務大臣小林武治君) そのとおりであるならば、適当でないと思います。
  57. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 適当でなければ大臣はどうしますか。
  58. 小林武治

    国務大臣小林武治君) やはり政務次官がお話になったように、丁寧にと申しまするか、平穏裏に説明等はいたすべきであると思います。
  59. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 それならばまた懇切丁寧に説明させるべきだと言ったって、こんな気違いじみた連中を相手にして、できると思いますか。こっちは平和裏に求めているのですよ。あるいは全逓の委員長なり書記長が同伴なので平和と見なかったかもしれない。そこで最後は、これはなぜ行ったといえば、やはりそれを第三者的に公平に確認をしたかったからにほかならない。一言も発言をしていない。そこでやむを得ず今度は本人一人で行った。それでもなおかつ局長は部屋から出てきたその機会に、「うるさい、出ていけ、何をうろちょろしているか。」といったような暴言を吐いている。これが大船渡局の管理者実態である。これは三月十五日から十八日までのことでありますが、家族もこのことにはたいへん心配しているわけですよ。何で切られたか、あなたの処分理由書を読んでもわからない。われわれは二月五日に国会議員団として現地の調査をした。大野局長は、処分書を読んでいただく以外にあとは説明する何ものもないというつっつけんどんな態度である。とりつく島がない。これで一体懇切丁寧な態度と言えますか。地元の県会議員が行っても会わない、当事者が行っても会わない、上からは指導している、どう理解しますか。こうなればしかたがないから、私は一昨日このことについて再度会えと……私は三月五日の社労委員会で高橋次官が答弁をきれたことは素朴に肯定をするから、いまごろはおそらく末端までその趣旨が行き届いているだろう、とにかくその処分理由を納得ができるまで聞いたらいいだろうと思っておる。それで一昨日その免職になった二名とその奥さんとが窓口に行って会った、ところが局長には会わせない、そういう一場面があるわけです。これは録音にとってあるから聞かせましょう。実際言語道断ですよ。私はこんなもの聞かせたくもないけれども……。まあ、これをかけたってこれ以上しようがないがね。いまちょっとお聞き願ったように何も指示を受けてないと現場で言うてるんだ。古川会計長という男が言うてる。それから仙台郵政局から大和田という監督の係が行って言っておる。何が一体しりを押してるんだ。ふざけたことを言うのもいいかげんにしろ。何を一体国会で答弁すればそれで片がつくと思っているか。——いや答弁は要らない、もう少し言わせてくれ。一体国会の審議を何と思うんだ。少なくとも私は郵政大臣のあの速記録を読んで、あの政府側の答弁では、政務次官だけは血の通った答弁をしていると思うから、それで政務次官のその答弁信頼をして、島本委員質疑を受け継いできょうはお尋ねをしますと予告をしている。きのうも担当者が来て何を聞くかと言うから大船渡のことを聞くと、内容は何だと言うから、要するに衆議院の社労でやったことを受け継いで聞きますと、三時間もかかると言うから、気に入った答弁をするなら十分で終わると言うたのです。これじゃ五時間かかる。一体何のそれは指令ですか。これで一体労務管理適正化、それが業務運営のスムーズな運営の基本だと郵政大臣が冒頭に答えた実態ですか。これはいま何か女の声がしたでしょう。あれは首を切られた当事者の奥さんですよ。何の理由で首を切られたかわからぬと聞いたでしょう、そうしたら古川会計長が処分書を読みなさいと、奥さんは処分書は何回も読んだ、おそらく何十回も読んだでしょう。私も何回も読んだのです。読んだってあれではわからぬですよ。そこで説明を求められたら、懇切丁寧にすると言いながら懇切丁寧にするどころか入口で断わられている、古川という男に。局長は会わない。廊下で会えば、「うるさい、出て行け、うろちょろするな。」と局長の品位を疑うようなことばを吐く。暴論はまだまだありますよ。暴力管理者側にたくさんあります。私は、これから具体的にそれを指摘する。むしろ懲戒命令は管理者側全部だ、何たるふざけたことだ。逓信官僚てこんな腐りきったものか。一体この免職になった当事者が、処分を知ったのはその発令当日の十三日配達中に郵便休憩所で昼食をとりながらテレビを見て初めて知った。どこの役所に、首を切られるのに、事前に何らの予告もなしに一方的に切られてテレビを見て知ったなどという首の切り方がありますか。郵政官僚というものはそんな権力を乱用するところかと、私は驚いている。しかも、その処分発令の当日は、仙台郵政局から十一名も大船渡に人間を投入して戒厳令のような状態の処分発布をやっておる。この際も一切の処分理由を拒否しておる。しかも、そのときの新聞発表は処分理由とはまた違った記者発表をしておる。大船渡でつくったものじゃなく、仙台で印刷した記者発表の原稿を持ってきている。いいですか。それはまたひどいものです。暴力をふるいといっておる。新聞記者に、これは暴力の内容を聞きましょう、あとで。処分には何と書いてあるか、暴力行為を行いといっている。暴力行為暴力をふるいということとは同じかもしれない。第三者は何と思うか。「暴力を揮い」といったらおそらく全治週間以上の傷害でも与えたと思うだろう。そういう傷害の診断書があるか、ないだろう。まさにこの現地の末端の——私は全体を言いませんよ。大船渡郵便局に限定して言いますよ。大船渡郵便局の管理者グループはトラの威をかるキツネしゃないか。トラとは何だ。国家権力を握っている高級官僚じゃないか。そのトラの威力をかりて推力を乱用している姿を私は現地へ行ってまざまざと見せつけられておる。人の首を切るということはそう簡単なものじゃないということを君らはいやというほど思い知らなければならぬ。処分の発令になったのが一月十三日、いままでたっても首を切った局長が本人にも家族にも会わないとは何たることです。処分理由を一言も説明もできはいとは何たることです。新聞記者にも、十三日の記者会見以降は会っていない。社会党の県会議員団が行っても会ってくれない。いいですか、七名の日本社会党の県会議員団が局長に面会を申し込んでも会いたくないといって会わない。私たちは会う方法は知っていますよ、会いたくない人には会わないというエチケットは知っております。県会議員団は恥をかいて帰ってきました。そういり局長だ。堂々たる正当の理由があるならば、あらゆる機会にその理由を求められたら説明するのが当然じゃないか。私はここで郵政大臣に伺いたいのは、国会の場をその場限りの言いのがれの場と心得てはいかぬということです。三月五日の答弁とこの実態とは何たる相違ですか。政務次官が人事局長に命令し、直ちにそれを仙台郵政局へ伝えた。末端は知らないという、処分理由書を見てもわからぬような国会議員は困ると言っている。国会議員というものはばかと同じような扱いをされている。そういう国会を侮辱した現場の管理者があっていいものか。郵政大臣、ここでその点を下部に浸透するなんというようななまやさしいことではこれは承知できぬですよ。即刻こういう管理者はあなたの手でやっぱり処分せざるを得ないんじゃないですか、どうです。
  60. 小林武治

    国務大臣小林武治君) これはまあ、いま渡辺委員の言うことがそのままであるならば妥当でないと私は申し上げております。ただ、いまのこれだけのいろいろの紛争というものは、もう容易なことででき上がったものじゃない、長い間のいろいろな関係でできている。したがって、いまおそらくそこの局の空気が、平和のうちに懇切丁寧に説明するようなあるいは雰囲気がなかったんではないかと、かようにも思われるのでありまするし、しかしいずれにしましても、いまあなたの言われるようなことであるとするならば私は妥当ではないと思います。私は、こちらの指示が徹底しなかった、こういうきらいがあると思いますからひとつ今度は私のほうから人を一度派遣してみます。そうして私どものほうからひとつ直接事情を調べて、そうして私は報告を受けて、その上でまたお答えする、こういうことにいたしたいと思います。
  61. 森勝治

    森勝治君 大臣が予算委員会のほうに行かれるそうでありますので、私は一点だけ質問してみたいんです。いま大臣は長い間ということばを用いましたので、私もここでよってきたる混乱のゆえんというものを大臣からお聞かせ願いたいと思うのであります。  その前に、私は、先ほどの懇切丁寧なということばがありますが、たとえば私どもが仙台郵政局に参りましたときに、いいですか、本省の山本人事局長の指令と称して、当時面会した人事部長は、たとえ国会議員たりといえども免職の理由を説明するなと言われておるから説明できないということをはっきり言っておるわけであります。この点は、私が、ここに来ております官房長にですね、どうもあんた方と東京でお話ししているのと出先とは、だいぶ食い違いがあるそうだから、一体これはどういうことかといって質問をし、出先との連絡調整をしてもらいたいという申し入れをし、その結果、その場に官房長からただいま人事局長と連絡をとり、出先の責任者にそのことを十分先生方の調査のあまり失礼にわたらぬようにしたいという懇切な連絡があったけれども、その後十分を経ずして東京から、本省からの、局長がかけたかどうだか知りませんが、上司の、上局の命令ということで、まかりならぬということであります。説明しないということです。そこで、私どもがことばをかえて、よその角度から聞きますと、首切り理由はもう説明する必要ないのだと、文句があるならばあとは法廷闘争でやりゃいいじゃないか、これが今次首切りの郵政大臣以下郵政当局の幹部の一貫せる思想ではないかと私は思う。なるほど次官が衆議院でそう言われたが、いま渡辺さんが具体的な事例指摘されたごとく依然としてそのあとは断たない。賢明な小林大臣でありまするから、具体的にふらちな行為がもし管理者にありとするならば処置するという明言でありますので、これはもう大臣のおことばをそっくり私は本席上でいただいておきます。  そこで、そういうことがありましたので、この点を局長からひとつ、その当時の国会議員といえども説明せずという指令を、電話命令されたと、この御処置の御説明をいただきたいことと、大臣がいま言ったように向こうへ行かれますから、一つだけ私は大臣に聞いておきたい。それは、長い間の不信ということばを大臣は出されましたが、一体この管理者と従業員間の相互の不信感の芽ばえたそもそもの原因というものを大臣御承知ですか。津波のときに、これはたぶん三十五年のときのチリ津波の影響だと思いますが、津波のときに当該局の従業員諸君は寝食を忘れて国家公務員として国民、公共福祉のために懸命にその復旧に努力をいたしたわけであります。その結果皆さん方本省の認めるところとなり、この労を多として当時の金で金三万円なりを報償金として当該局に交付されました。ところが、この三万円の使途をめぐってまさに十年になんなんとする今日においてもこの問題が未解決であります。なぜでありましょうか。本来報償金なるものは私がいまさらここで申し上げるまでもなく、その問題に寄与した者、努力した者に与える慰労の意味をもってなせる金を報償金、こういうものだろうと私は思うのであります。ところが、この局におきましては、この津波の事後処理の問題に奔走した献身的ないわば優良職員にこれが報償の趣旨が生かされなかった。どうされたか。私も先般現地に参りましてある料亭を見てまいりましたが、その料亭で局長以下がその金を使ってしまった。努力した職員はこれはもう放り出されたままであります。当然ここで職員から批判の声が出されるわけであります。そこでびっくりした局長側は使い残りの一万五千円、まあ全部使ってしまったか、あるいはどこでくめんしたか私は知るよしもありません。しかし、三万円という報償金が、職員の前に出されたものはその半額の一万五千円であります。その一万五千円というものはいま申し上げたある料亭で費消してしまった、こういわれておるわけであります。職員は上局からの報償金三万円を十分知っておりますから一万五千円ではおかしいということで当然これは紛争が起きます。ところがかってに使って、しかも津波のときに努力しないそういう者、局長管理者だけで飲み食いしてしまって、一般従業員には渡さないでおるから、管理者に対する不信の芽ばえが素朴な大船渡の職員の胸に芽ばえてきたわけであります。大臣、よろしいですか。ここから局長の言われた長年にわたる不信というものが生まれた。歴代の管理者がそういうことをやってきたとは私は申し上げませんが、職員をないがしろにし、逓信事業というものの趣旨をわきまえないそういう管理者のみが、かってなことを出先でやった連中が次から次へと出世していくというこの現実の姿を見て、素朴に下積みで、郵便配達で、区分で一生を逓信事業に捧げようとする素朴なまじめな労働者がおこらなくて、憤慨せずして、だれが一体おこる人があるか。それでも当該局員の方々は長い間の忍従をもってしてきた。ところが、依然としてそこへ臨む管理者は、そういう幹部の方々、あるいは郵政局から行かれる方々は高圧をもって旨とし、権力をほしいままにする。いかに善良な職員といえども、長い間の重圧でのこうした芽ばえ、不信の芽というものは、管理者が行動をもって職員に示さない限り、この芽は枯れることはないし、刈り取ることはできない。こういうところから、この問題は起きたのであります。したがって、きょうはほかに申し上げたい点がたくさんありますが、いま大臣向こうで会議だそうでありますから、大臣はこの点について責任者を処罰するのは当然であると思うが、逆に栄転をしておるというこの現実の姿、これをもって逓信事業管理者のあり方と評されることは、私は同じ職場の出身議員として非常に残念なのであります。したがって、やはりこの辺で郵政事業の正しいあり方について、しかもこういう管理者というものを根絶しなければならないと私は思うものでありますので、そういう点についてひとつ大臣からお答えいただきたい。
  62. 小林武治

    国務大臣小林武治君) お話の向きは承っておきます。いずれにしろ管理者もまた組合側も相互信頼がなければやっていけない、こういうことでございますし、その両者について私は公正に処置をする、取り扱いをする、こういうつもりでおります。私はあらゆる方面においてどちらをどうというふうな考えはありません。要するに両者の協調上に仕事がうまくいく、こういうことを念願としておりますから、その扱いも公正に扱う、こういうことでございます。大船渡の問題につきましても、まだ私の知らないこともあるようでございますから、もう少し掘り下げて私も調べてみたい、かように考えております。
  63. 久保等

    委員長久保等君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕
  64. 久保等

    委員長久保等君) 速記を起こしてください。
  65. 山本博

    政府委員(山本博君) 先ほど御質問がございました仙台郵政局における取り扱いの問題でございますが、私のほうと仙台郵政局との間におきましては、特に従来の調査、大阪その他で行なわれました調査と全く同様のお取り扱いをするようにという指導はいたしました。なお処分上申書を見せてくれというお話があったときはどうするかということがございます。処分上申書というものはこれは全く内部的なものでございまして、本省に出すしかも人事上の極秘のものでございますので、これはいろいろな書類についてはもし必要な御要請があれば全部本省において対応する。したがって、地方において処分上申書というようなものをお見せをするというのは、これは好ましくない。したがって、処分上申書はお見せしないでよろしいということは私から申しております。その他につきましてはそういうことはございません。  なお、一言つけ加えさせていただきます。多少弁明になると思いますが、先ほど三月十五日前後の大船渡局のいろいろなお話がございまして、率直に申し上げまして私の知らないいろいろな事実もおあげになりました。これは十分調べをしてみたいと思いますが、同時に私のほうで調べておりますのは、これは多少水かけ論になるかもしれませんが、その当事の局の事情につきまして、私どもいろいろ報告をもらってございます。しかし三月十五日前後の局の事情というものが相当荒れている状態だ、決して平穏ではなくて、部外者もたくさん出入りをしている、相当混乱といいますか、ごたごたした状態である、必ずしも平静な状態でないということが背景にございましたということだけ一言申し上げておきます。
  66. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 またもとに戻るが、その平穏裏であるという解釈はちょっとたな上げにしますが、あなたが三月六日だか五日の夜だかしらぬが、仙台郵政局に示達をしたと言うが、録音を聞いたでしょう、一昨日の四月二日の時点において古川会計長という管理者の端くれの男がそんなものは何も聞いていませんと言っておるなまの声だ、君は一体指令したというが、どう指令した、それは再確認しているか、こういう非情な事件の起きているだけに、一片の指令でこと足れりというわけにいかぬだろう、念を押したか、四月二日になっても、現地では上から何も指令は受けていません。首を切られた奥さんはどういう理由だか教えてもらいたいから、局長さんに会わしてくれと言っても、同じことを繰り返している、上から何もきてない、これ以上言うことばはないから帰れという、なんたることです。平和だとかなんだとかいうのは、それはその次の問題、挑発しているのはだれか、首を切られて挑発をするばかがいますか、それならば親切心があるなら、ぼくは役人はもう冷血動物と思うからあてにしないが、高橋さんのような、国民代表で国会に出て政務次官につかれるようなあたたかみのある、国民と身近かな立場を尊重する政務次官であるならば、そして懇切丁寧にやるならば、その当事者にどこか場所をこしらえて、その場所にお呼びをして、しかじかかくかくでございますという場をつくったっていいじゃないですか、何も郵便局の中でなくてもいいでしょう、考えようですよ。運用のしかたですよ、しゃくし定木でそれを郵便局の建物の中でやろうとやるまいと、とにかく当事者はどういう理由かわからなくて困っておる。それを懇切丁寧に当事者及び家族には説明をするのが当然だと政務次官は答えておる。平和裏じゃないからそれは説明を拒むと言っておるのか、そういうふうにしか思えない。しかし、表には示達がこないと言って断わる、これではいつまでたったって平和になりようがないじゃないか、国会でこれだけ三月五日に質疑をかわして得た成果というのは水泡に帰しておる実態をどうしますか、国会という審議の場は一体何と心得ているのか。十分検討をするという、善処をするという。平和という問題の前に、私は示達をしたならば、それがなぜ一体現地では示達を受けないと言っているのか。四月二日ですよ、三月十五、十七日の時点じゃないですよ。月もこえ、四月ですよ。
  67. 鈴木力

    鈴木力君 ちょっと関連して。  一つだけ、局長にいまの渡辺委員質問につけ加えて聞きたい。一緒に答えてもらいたい。それは三月十五日前後にあなたが指示を出した、——その指示は三月いつですか、出した。その出した指示は文書で出したのか、あるいは電話でやったのか何でやったんですか。もし文書で出したとしたら、その写しを資料として出してもらいたい。電話で出したとしたら、どういうことばで出したのか、はっきり言ってもらいたい。  それからもう一つは、あそこの郵便局は直通ですから、いま質問をしている間に人を使って、なぜあなたの指示に従わないで別のことを答えたのか、それをいま直ちにでも人を使って電話で調べて、その理由等もあとではっきり返事をしてもらいたい。それだけです。
  68. 山本博

    政府委員(山本博君) 現地の管理者がどういう表現をいたしましたか、実は私のほうも的確に聞いておりません。いまおっしゃった表現どおりに言ったかどうか、それはこちらでもう少し調べてみたいと思います。ただ向こうへ連絡をいたしましたときには、これが国会でこういう応答があったからどうこうという連絡はいたしてございません。従来郵政局から現地に連絡しておりますのは、いわば抗議活動、その他非常にたくさんの人数で管理者の業務の大きな支障になるような可能性のある場合、あるいはその場がつるし上げになりそうな場合、そういうような場合には、そういう会見というものを避けるようにという一般的な指導は従来してございます。したがいまして、今度私が指示をいたしましたのは、それは文書でございません。直ちに電話でいたしましたが、それは仙台の郵政局を通じてでございまして、直接大船渡の郵便局にしたわけではございませんが、従来の指導では非常にたくさんの人、いわば喧騒にわたっての抗議という形ではなくて、非常に平和裏に納得を得るというような条件をつくって、そういう条件のもとにおいては、十分話をしてあげなさいという説明をして指示をいたしたわけでございますが、いまお話がございました模様でございますと、十分、管理者のほうがそれをどういうぐあいに受け取ったか、平穏という形のほうに重きを置きすぎて理解をしたという点もございますから、なおよく調べまして、そういう点についての指示をいたしたいと思います。
  69. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 いまの鈴木委員質問ですがね、それにもう少し答えてもらいたいが……。電話はわかりました。いつの何時ごろ仙台の何というのにかけたのか、それを言ってください。そしてその人間がひとついつ大船渡でだれにかけたのか、それを確かめること、直ちに。それから大船渡へ電話をして、大船渡でそれを確かめてから、仙台から受けたのはだれが受けたかを、これを確認してください。それを後刻、この委員会の場で答弁をしてください。いいですか、それを人事局長
  70. 山本博

    政府委員(山本博君) ただいま調べさして、後刻御報告申し上げます。
  71. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 上から示達がきていないと言っているのですよ、管理者は。だからそれはいいですよ、返事がきてからで。
  72. 高橋清一郎

    政府委員高橋清一郎君) 先般の社会労働委員会におきまする私の答弁の内容でありますが、率直な見解を一言だけ申し述べさしていただきたいと思います。  それはいままでは、まあ渡辺委員お話のように、私は正直に申し上げますけれども、役人をやったことはございません。それだけに処分発表というような場について際会したこともございませんので、どういうようないままで郵政省内におきます慣行があったのか知りませんが、原則からいたしますならば、相克摩擦がある処分発表だという、処分された者に対して一々解明の場がとられて、一片の通告で——本来はそれでもいいのかもしれませんが、そういう慣行であったのかしれませんけれども、私は人情的な立場からいたしまして、特に処分された者と申しましても軽重の度合いはございましょう。私のあの当時の社会労働委員会におきましての答弁の最大の重点は、特に馘首された、首切り懲戒免職されたという者に対する家族の上に思いをいたし、私の主人はどうして首切られたのでございましょうかというような申し出があった場合等においては、特に現地の局長等は懇切丁寧にあとう限りのひとつ解明をするべきではなかろうかという意味で申し上げたのでありまして、それを全部が全部何か悪く解釈して、これに藉口して、これは政務次官が言った、それはこうだと、全部が全部一つの分裂的なものに、弁明の場がなかったからというようなことでおしかりを受けるというような意味で私は申し上げたわけではございませんので、私はただ今回の事件については、私の立場で人事局長に申し上げただけで、あとう限りひとつこういう場にはどうしますとか、やはり一番ひどい方には、特に家族の方々から申し出た場合においては何とか、実はこうこうこうなんで、御主人としては容易でないこともあるでしょうがしかしと、ざっくばらんに——もちろん家族には直接お話し申し上げてもいい場合も、これは言っちゃいかぬ場合もありましょうけれども、いわゆる御本人の家族の方々の御感情をあまり刺激してもいけませんけれども、とにかくそれぞれ因縁があって長となり職員となって長い間つとめた場合でございますればなおさらでございます。そういう場合におきましては、人情的な意味において、解明のたてまえをとるべきであります、解明の場を持つべきであるというような意味のことでございますので、そういう意味でできるだけ今後やはりそういう親切気で特に意を用いるべきじゃなかろうかという意味のことでございます。ただ、それを直ちにもう大船渡の今回の事件について全部が全部皆さん方に対しましてあとう限りの手配をとるべきである、事の弁明をなすべきであるというようなところまでは申し上げておらぬのでありまして、ただ非常におしかりを受けている点については、いまお話のような録音までおとりいただいて、私の気持ちというものがそのまま伝えられて末端までいっていないということだけは確認いたしました。御心配をかけて申しわけないと思うのであります。一応私のその当時におきます見解、気持ちをそのままを申し上げたのでありまして、お許しをいただきたいと思います。
  73. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 大臣がいないからやむを得ずこれは次官に聞かざるを得ないのですが、仙台に私たちが五日の日に参りました際に、仙台の郵政局の人事部長が代表して会いまして、この処分の上申の内容は本省でこれは一括掌握をしているので、この仙台の郵政局の段階では説明はできない、こういう答弁です。まあ何のために国会議員が大船渡へ行ったり仙台へ行ったりしたかわからぬような一日を思い起こすのでありますが、この機会に、その処分の上申書の写しを資料として御提示を願いたい。その内容に触れてこれから私はお尋ねをいたしたいと思います。委員長、資料の提出をひとつ確認してください。
  74. 久保等

    委員長久保等君) いかがですか。
  75. 山本博

    政府委員(山本博君) これは私限りで、大臣に相談をいたしませんと、これは全く従来の取り扱いといたしますと人事上の機密に属する取り扱いをいたしておりますので、直ちに御返事をすることはできないと思います。  なお、つけ加えますと、これは現在すでに人事院の公平審査にかかっておる問題でございますので、その審査の場合に、これはいわば労働組合と私のほうと相互立場を異にする主張をすることになると思いますので、処分上申書をあらかじめ国会の場に差し出しまして、これが公表されますと、これは第三者機関の場において主張する根拠を先に公表することになりますので、その面からもごかんべん願いたいと思っております。
  76. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 それでは具体的な内容で伺うことにいたしましょう。一つの具体的な問題にしぼってしばらくお尋ねをしたいと思います。免職になった佐藤広一君が警察の介入で取り調べを受けた。われわれがちょうど現地に調査をした翌日のことであります。二月六日。これはどういう理由であるか、御存じでしょう。
  77. 山本博

    政府委員(山本博君) 全く存じません。
  78. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 これは大船渡郵便局事件に関連して警察が介入したことですよ。それを知らぬということはないでしょう。言えないというのですか。
  79. 山本博

    政府委員(山本博君) 知らないと申し上げましたのは、事前に、こういう問題を警察が取り上げまして、どういう点に警察がこれを取り上げる根拠というものを見出したか、そういうことについては存じません、という意味で申し上げたのです。
  80. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 現場では、何らかの連絡がなしに警察が権力を発動するはずがない。したがって、それは上申書の内容にもこれは触れてくる問題です。新聞ぐらいは読んだろう、新聞にも出ておる。なぜ警察がこの佐藤君を引っぱってその権力を発動したか。大船渡事件ですよ。もっと具体的に答弁してくださいよ。
  81. 山本博

    政府委員(山本博君) 率直に申し上げまして、具体的に警察がどういう事実をつかみ、またどういう立場で、これを警察権の発動という形で処理をしようとしたか、そういうことについては率直に申し上げて存じません。
  82. 森勝治

    森勝治君 関連。局長、しつっこいようでありますが、いまの問題に関連して聞きますが、いいですか、あなた方の、ここに写しがありますが、この処分理由書の一項目に、暴力的とか、暴力ということばが出ておるのですよ。いいですか。処分理由に出ておるのですよ。したがって、その暴力——どの程度の暴力かわれわれはこれではわからぬ。だから聞きたかったのだが、言を左右にして御説明が願えないわけだ。きょうもそうだが、この前の仙台郵政局の場合もそうだ。当該局に出向いたときもそうでありまして、したがって、警察が動いたというのは、あなた方が処分理由暴力云々ということを用いたから動いたわけでしょう。出先の局長がどういう行動をとったか、この席上では私はことばを慎んで申し上げません。しかし、あなた方のほうにはもう報告がきているはずであります。いわんや自分たちの大切な部下を暴力の名のもとに首を切っておいて、これが刑事事件となり警察の取り調べとなったが、本省の局長は、そんなことは知りませんと、あたかもそれは外国のできごとのようなてんたんとした表情で、無表情で言われることは、これを聞いたら、全逓信の従業員の諸君はおそらくがっかりするでしょう。暴力ということで首切ってるのです。それならば、暴力ということがすべての首切り理由ではないかもしれません、多くの理由があるでありましょう。よって来たる理由があるでありましょう。しかし、かりそめにも、その首切り理由の幾つかあげられた例の中の一つとして暴力等を用いたということばが明記されているならば、そのことによって、職場におけるできごとということによって、部下が警察の取り調べを受けた、そのことを全く知らぬというがごときならば、これは郵政の上部と下部の当局側のパイプの詰まりがあると思う。きせるを掃除しなければならぬと思う。あるいはまた私が皮相な見解をもっていたしますならば、上局の命令だけ下部に伝えるだけで、下からは取り上げない。もしこういう郵政のやり方であるとするならば、私は残念ながら上部と下部にパイプの詰まりのあることもうなずかざるを得ない。首切られた諸君の理由の開陳を求めても説明しない。次官は、先ほど人道的な立場だと前置きされて、次官の真情を吐露された。次官のようなあのような発言を文字どおりわれわれがいただいて、省、局出先の現業の場において、それが次官が言われたようなことがあるならばこういうことはないはずだ。山本局長、重ねてあなたに聞きますけれども暴力のゆえをもって首切った。あなたの部下がその暴力行使というとがを受けて警察に拉致されている。それを知らないとおっしゃるのか。出先の当該郵便局、郵政局が首切りを理由にして起こったもろもろのそういう状態について、全く無関心なのか知らないが、知るべき義務があるのかないのか。よろしいですか、つまらぬことを聞くようでありますが、あなた方は首切りでよいでありましょう。きょうは首切られた家族も来ておる。首切られた家族の顔をあなた方正視できますか、できないでしょう。やはりあなた方に、よき郵政管理者としての血が通っているならば、正視はできないはずであります。あなた方がふらちな行為という理由をもって首にした諸君も、かつては郵政事業のために一身を捧げてこられた方だと私は思う。これは断言してはばからない。それがささいな上司との相克あるいは相互不信の芽生えによって、派生的にできた問題をとらまえて、さも大事件のごとくこれをつくり上げ、血祭りにしてちまたに放り出す。かつての逓信事業の中にこういう姿があったでありましょうか。逓信一家といわれ、この意味がよい意味にも悪い意味にもよく言われた。国鉄一家という意味でよく比較をされた場合があります。しかし、私は少なくとも郵政事業に働く、全従業員が、郵政事業を通じて、社会公共のために、人々のしあわせのために懸命に働いているこの現実の姿をあなた方は認めざるを得ないでありましょう。しからば今日のように、単に出先の相互の意思の疎通、こういう簡単な問題でばさりばさりと首切り浅右衛門以上のようなことをおやりになることは、これは避けなければならぬと思うのであります。もちろんあなた方にもそれぞれの立場があるでありましょう。しかし、いまいみじくも大臣が私の質問に答えて言いました。大臣の御発言の中では、私の知らんことも言われた。たくさんあるかもしれぬ。これから調査したいと言われている。あなたもそういう意味のことを言われた。かりそめにも大切な人を首切っておいて、これから調査するとは何事ですか。十分調査網を張りめぐらして、これならばよろしいとなって、あなた方も——私は、首切りに賛成するものではありませんけれども、あなた方の主張も初めてそこで形の上であらわされるんじゃないですか。指摘されて、それは知らなかった、だから調査はいたします。人事院に提訴すれば、早くて二年じゃなきゃ審議が再開しない。渡辺さんもそう言われている。四年間も終結までかかる。首切りされて路頭に迷ったこれらの諸君はどうする。こういう面からいたしますならば、かりそめにも当委員会の場合において、そういう理由をもって首切りされた諸君の問題を知らない——知らないとするならば、これは報告がなかったんでありましょう。だとするならば、何百人という郵政局の職員を現地に兼務させておるわけでしょう。転勤をさせたんでしょう。郵政局から大量の、延べ何百人という郵政局員を現地大船渡郵便局に常勤をさせている。そんなに大量の人が行って、ほとんど労務担当ばかりしている。労務情報あさりばかりしている。こういう状態の中でやっておって、あなたがそれ知らないなんというのはまことにおかしい。したがって、このことについては、先ほど何か電話連絡で要求が出ておりまするが、下部が故意に怠ったのかどうか、そんなことはもう、首切ったやつらのことは知らないと言ってうそぶかれるのかどうか、あなたの御答弁が真心から出たものと私が理解ができるまで、出先とひとつ連絡をとっていただいて、郵政局が握りつぶしたのか、出先の何が報告しなかったのか、知ったと言うならば、また追及されるので、それをおそれて口を閉ざしたのか、そういう問題についてひとつ十分お答えをいただきたい。
  83. 山本博

    政府委員(山本博君) 私が先ほど答弁をいたしました点に不十分な点があったと思いますので、多少誤解があったんではないかと思いますので、補足さしていただきたいと思います。私が知らないと申し上げましたのは、警察側がどういう内容を把握し、どういう条文に照らしてこれを送検をしたのか、そういう内容についてつまびらかに存じませんということを申し上げましたので、そういう事実があったということについては、直ちに私のほうに報告がございました。私は十分承知いたしております。この点、知らないと申し上げました内容が少し違っておりましたので、補足をさしていただきたいと思います。  それから、確かにおっしゃるとおり、こういう労使間の問題というのは相互信頼というようなものが根拠にございませんと、善意でしたこともお互いが善意にとらない、あるいは不信感をかえってかり立てるというようなことがございます。これは先ほど大臣からも話がありましたように、十分私たちも今後心得まして、不信感というものをなくする努力をいたしておりまして、現在でもこの問題をも含めまして全逓組合との間にはほとんど毎日のようにいろいろな折衝をし、相互で努力をするということで、できるだけ正常な平穏な労働組合活動並びに郵政省のこれに対する取り組み方、そういうものを改善していきたいということで努力しておりますので、その点申し添えておきたいと思います。
  84. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 そらぞらしい答弁で、たいへん疑問を感じますが、次に進みます。時間も予定の五分の一しか質問が入っていないから、これじゃ夜までかかるから、少しスピードアップしてお尋ねをいたします。  日本社会党の岩手県議会議員団が大船渡署長に直接ただしましたところ、免職になった人が、局内巡視中の局長に対して首になった説明がつかないので、どうかうちに来て家内に事情を説明してくれと懇請をした。自分の悪いところがあったらはっきり家内に納得のいくように説明してくれないかと要請をした、それに対して公務執行妨害だ、現認しろ、現認しろと、こう繰り返して叫んで、公務執行妨害罪で警察に通告したことになっていると、現地では確認をしておる。この公務執行妨害罪の中で、暴行を働いたことになっておる。これが逮捕の実情の取り調べ内容の中には出ておるわけです。逮捕状の内容に二項目ある。一体郵政は、どのように職員を取り扱っておるのか。善良なる管理者としての指導をサボタージュして、職員を犯罪者に故意に仕立てるための指導をしているとしか思えない。この事態から言うても、私が冒頭に郵政大臣に、大船渡郵便局に関する限りは、よそは別として、大船渡郵便局に関する限りは私が自分で現地の実態を掌握した、その責任を持って言えることは、この局長を頂点とする管理職グループは全く気違いの集まりだ、クレイジー、異常心理の持ち主、従来もそういう局長がおった、みな栄転しておる。かんぐれば、こういう弾圧を加えた者が栄進することが人事行政の中心なのかと言いたい、郵政省に。だから自分のかわいい職員を首を切って、それが処分理由を自分の女房にも納得のできるように説明ができないから、女房に会って説明をしてくれと巡視中の局長に言うと、公務執行妨害だ現認しろ、そばにいた者が現認するわけだ、同じ管理者がいかようにでもこういう方式をとればでっち上げが可能でしょう。お互いに事実をでっち上げて、現認をして、すぐそれを警察ざたにする、首切ったほかにさらに警察ざたにするという、その姿勢を私は問題にするのだ。行為に多少誤るところがあっても、首を切られる職員にれんびんの情を持つことこそがかつての管理者の対応する気持ちでなければならぬのに、追い打ちをかけているじゃないか。事実を知っておるとすれば、その事実に対して、それは適正であったかと思いますが、この公務執行妨害罪が。人事局長どう思う。
  85. 山本博

    政府委員(山本博君) たいへん申しわけありませんが、警察のほうがそういう状況を背景にいたしまして公務執行妨害罪ということで送検をしたという内容について、私十分承知いたしておりません。ただいま申されたようなこと、たとえば自分の従業員に対するものの考え方、こういうものについてはもっと深い愛情を持つべきだということについても私もそのとおりだと思います。ただ、これもあるいはおしかりを受けるかもしれませんが、大船渡の管選者は歴代私たちの事業を愛する職員であったと思いますので、必ずしも気違いばかりではなかったという点は、御了承いただきたいと思います。
  86. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 そんなプラトニックみたいなことを言ったってだめですよ。事業を愛するんじゃなくてね、自分の権力の乱用を愛している。もう具体的に入ります、質問は。もうとてもあなたとナマズ問題したって始まらない。  で、大体郵政事業なるものは、国民に対する郵便なり、あるいは郵便貯金なり、あるいは簡易保険といったサービスを提供する公共事業であると私は承っておる。御承知のように私はずぶのしろうとですから、しろうとにわかりやすいように説明してください。そう私は国民の一人として理解しておる。ところが、全逓労働組合に対する露骨な敵視政策のために、大船渡郵便局においては、事業の運行がきわめて歪曲されているという事実はあるのかないのか。
  87. 山本博

    政府委員(山本博君) 私の理解をいたします点では、これは一方的にどうこうという問題ではなくて、先ほど御指摘がございましたように、非常に長い間のいろいろな経緯というようなものが背景にございまして、この局を管理していくということは、率直に申し上げまして、相当管理者としては努力の要る局だというふうに理解をいたしております。で、この管理者たちも、率直に申し上げまして、すべて課長でも、局長でも、従来のこれは全逓の組合員であった人たちばかりが管理者になっております。したがって、決して全逓を弾圧するとか、組合を押えるとか、そういうような気持ちで管理者という仕事をしておるのではなくて、やはり事業そのものをできるだけよくしようという気持ちで、いろいろ組合と接触があったと思います。局情そのものが、これは全国でもまれに見るむずかしい背景を持った局情でございましたので、決して全逓というものに対する弾圧ということで臨んでいるというふうには私は思いませんし、できるだけその他の郵便局と同じように、正常な労使関係というものを将来も打ち立てていくべき局だと思っております。
  88. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 業務困難局であるというのは私も承知しておるんですよ。とにかく、ことごとく敵視政策をとっているんですね。それは内部だけならいいですよ。公共事業全体の進展にこれが大きな支障を来たしているという事実をあなたは知っていますか。これは人事局長じゃなくて、郵務局長か何かこれは来ていなければいかぬのだが、どうです。
  89. 曾山克巳

    政府委員(曾山克巳君) ただいま人事局長が申し上げましたとおり私も考えておる次第でございます。ただ、業務を担当いたしております責任局長としてどういう考えかと申しますので、付加さしていただきます。  私自信もかつて郵政局長をいたし、また人事局長をいたした経験から申しましても、業務管理と人事管理というのは車の両輪であるということをよく申しております。どちらが先だ、どちらがあとだということでなくて、両々相まってはじめて、ただいまお話のありました国民の、公共の福祉にこたえ得るいい公共事業であり得ると思います。そういった意味におきまして、真に公共の福祉のために事業を遂行するという第一の責任に、管理者も従業員も徹すべきでありまして、したがって、その仕事がいろんな理由はございましょうとも、郵便の遅配、滞留というような形で国民に不便をかけるというような問題がありましたときは、私はやはり人事管理という面におきましても、しっかりと規律を正し、職員の反省を求めていくべきだというふうに感じておるわけでございます。
  90. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 片っ方の車がさっぱりゆがんでいるわけですね。したがって、もう一つの健在であるべき車もまたゆがんでいる。だから業務自体が人事の歪曲したために、また事業が非常に目標どおり達成しない、市民の不信感を買っているわけですよ。このことが市民の不信感を買っている結果、たとえば簡易郵便保険の問題に焦点をしぼってみれば、九月から八月までの事業年度、去年は仙台郵政局管内のこれはCクラスにランクされているが、去年は一応簡易郵便保険は目標額を一〇〇%達成しておる。いいですか、困難局でありながら、従業員の努力と相まって一〇〇%の事業を達成した。ところが、この一月の不当処分をめぐって、対外的なこれは信用事業でしょう、簡易郵便保険というのは。非常に長期安定のやはり信用事業ですよ。そういうものに対する市民の不信感から非常にその業績が低下してきておる。去年の同期では、目標に対して五分の三程度の実績であったが、ことしでは三割程度にしか達しない、こういう状態。いろいろあなたの所管する業務にも、これは支障を来たしておる。こういう事態です。そのために現在五名の非常勤を投入していますね、大船渡の場合。それでも全然業績が上がっていない。これは人事管理がなっていないからです。郵便自体はまあ先ほど言うたように、仙台から監視隊と称するものが来て、私たちも現地で実態を見た。聞きしにまさる状態です。私は集配室に入った。別段私はあいさつを受けようとは思わないけれども、時まさに朝ですよ。お早ようくらいはあってしかるべきものだ。一言のあいさつもない。集配をする人たちの背中に立って、腕を組んで鋭い目で見据えている、三名……。私が入っても一言の会釈もしない。たこ部屋と同じだ。八ミリの映写機を備品として備え、同一労働者に対して六カ所から撮影をする、ストップウオッチを持ってその能率を測定する、こういうことがあっていいか、一体。そういうきわめてゆがめられた管理のあり方なんです。どんな業績を来たすかあなたも承知でしょう。ますます仕事は困難をきわめる一方でしょう、首を切った不信感は、市民に反響して、業績がとみに低下をしておる。しかしですよ、処分があっても、いろいろやはり逓信事業を愛する労働者の諸君は、その悪条件の中で、やはりいろいろな努力をして、いまでは、ウイークデーにおける常時滞貨は大体千四百通程度、おとつい現在では千四百通。これは絶えずあるものです。日曜日は四百通くらいに整理されますが、月曜から土曜までの常時滞貨は千四百通、平均してそれだけの滞貨が残っておる。昨年末の闘争以前あるいは年末年始の繁忙期後処分発令までの滞貨も常時残高を示してきております。これは私の調査です。したがって、処分がされたから成績がよくなったとか悪くなったとかということではなくて、これは慢性的な状態です。こういう事態に対して巨額の国費を乱費して連日監視係を投入して、優秀な保険貯金の募集員二名を郵便に強制に配置転換をしておる。さらに首切りの補充に新採用二名を雇って、処分以前には考えられなかったほどの大量の非常勤を五名投入して業務を維持しているという実態民間の会社ならこんな労務管理に落第をしたような責任者はとうの昔にこれは懲戒免職ものだ、こんな無能力な局長は、課長は。一体こういう事態に対してこの現場の管理者に人事局長はどう一体適正な措置をとろうとするのか。この事態現実にこたえる措置をとるべきだと思う。
  91. 山本博

    政府委員(山本博君) 先ほどお話の中にありました監視班——監視班ということばは私たち使っておりませんけれども、監視班ということばにございましたものは、現在はもうおりません。やっぱりそのときの事情に応じまして郵政局からいろいろな目的を持って派遣されまして、現在の局情ではそういうことをいたしておりません。これはすでに引きげ揚ています。なおこういう管理者のいろいろなあり方について御批判がございました。私たちも現在の大船渡の労使関係が非常にノーマルなものだとは全く存じておりませんし、これはできるだけ私たちも努力をいたしまして今後の大きな課題といたしまして、労使間が他の郵便局におけるような関係まで立ち直れるように、そういう努力をいたしたいということを申し上げるだけでございます。
  92. 森勝治

    森勝治君 関連。先ほど私、延べ何百人ということばを用いました。あなたのほうも延べ何百人というおことばを用いられましたね。そこで聞きたいんだが、一体郵政局からこの大船渡郵便局に何名転勤させたのですか。このひとつ資料を出していただきたい。実はそういうもし転勤辞令なんか出せば、これは公表するものですね、対外的に。そうでしょう。マル秘じゃないでしょう。こういう書類すらも、どなたを転勤させたのですか、何人ですかという私の問いにすら当時、人事局長——山本局長の命によりお答えできませんです、こういうことで資料くれないんですよ、明らかに。そういうものすらも資料くれない。こんなことどんどん発表したらいい、だれが転勤と。特に、今回の場合には、大量の職員が大船渡郵便局に転勤しておるわけです。いま渡辺さんが言われたようにある者は八ミリカメラ、ある者は鉛筆とノートで監視する。もちろん当局側では実態調査あるいは配達区域の再編成あるいはその他そういう名目を用いるでありましょうけれども、一体どこの職場が一挙手一投足、しかもそれは作業能率を上げるということで名目はついているんでしょうが、うしろからカメラを持ってとられ、記録される。しかもそういう方々が大ぜいおるわけでしょう。それからもう一つあなたに聞きたいのは、当該局長に聞いたら、大船渡郵便局に郵政局の職員が転勤しているならば当然大船渡郵便局の管轄下に入る、掌握のもとにその業務に寄与するために転勤をさせたものだと私は理解するがどうだと言ったら、わからないとね。いいですか、何人来ているんだかわからぬと。じゃあなたのかわいい部下になったその部下が職務内容を教えてくれと言ったらわかりませんと、こう言うんです。それでわれわれのほうにもその職員をとったと同じおそらくカメラであったでありましょう、カメラでわれわれを撮影をする、こういう状態なんであります。一体郵政局が、一大船渡局がいかに混乱をしたといたしましても、混乱をした局といたしましても、あれほど大量の職員を一局に投入する仙台郵政局の人的配置というものはそんなに余剰人員があるのでありましょうか。郵政事業というものはそんなに人事というものの配置が片寄っておるのでしょうか。冗漫に流れておるのでしょうか。もし大量に延べ何百人という人を大船渡郵便局に投入したならば郵政局で当然行なうべき所管事項というものがなおざりにされたと思うのです。職務の渋滞があるわけであります。ところが、郵政局の職務渋滞なんというものはさっぱり聞かない。しからば、あんなに延べ何百人も大船渡郵便局に転勤をさせるだけの仙台郵政局は人的資源があり余っている、こう私は理解せざるを得ないんであります。これ以上は局長申し上げません。ひとつお答えをいただきたい。
  93. 山本博

    政府委員(山本博君) ただいまの御質疑でございますが、転勤という表現ございましたが、これは転勤ではございませんで、兼務の発令でございます。したがって、身分は郵政局にそのまま残っておりまして、しばらくの間兼務を大船渡の局に発令をしたという形でございます。したがいまして、この数につきまして、先ほど仙台においでの節に資料として郵政局が出さなかったというお話でございますが、これは私のところに確かに電話がございました。それでこの行っておる、大船渡へ出向いておる者の日別、それから向こうへ行ってどういう仕事をしたかという非常にこまかい資料で、これは間に合いそうもないが、こういうものはどうしようかという電話が私にございました。したがって私は、その非常にこまかい、何日にはどういう仕事を大船渡でしたということまではとても間に合うまいから大きな数字で差し上げたらいい、だろう、こういうお話を電話でいたしました。それで後ほど仙台にあの資料はお渡ししたかどうかということを聞きただしましたところ、時間が非常に切迫しておりまして、すでに私と人事部長とが電話をしておるさなかにすでにお帰りになったということでございました。したがって、その資料を出さなかったということではございません。これはただいま御指摘がございましたので、私のほうから資料の提出をいたすことにいたしたいと思います。  それから郵政局のほうに人が余っているのではないかということでございますが、まあ郵政局が大船渡のこういう事態に対応する場合の判断の問題でございまして、郵政局がやはりこれだけの人を投入してもなお現在の大船渡の業務運行というものを何らかの意味で確保したい、あの状態の中での判断で仙台郵政局の業務のうち、できるだけ繁閑の度合い、あるいは人の配置の問題、そういうことを勘案しながらこれだけの人を捻出したということでございまして、決して郵政局がいつでもこういうことが可能だという状態ではございません。きわめて特殊なケースというふりに私は考えております。
  94. 森勝治

    森勝治君 局長、あげ足をとるつもりはないですよ。いいですか、鈴木さんもあちらで何か言っておられましたが、あなたのそんな私は全くごまかし答弁だと思うのです。そういう資料問題で貴重な時間を浪費したくはない。しかし失礼だが、あなた方がおやりになっておるのは一事が万事そのとおりだ。先ほどの答弁もそうであります。いまの答弁もそうであります。時間がないから資料を出さなくてもらわずに帰る、くれないと言うから。われわれは力でこれをとるわけにはまいりません、くれないと言うものを。やむなく帰ってきたんですよ。あなたが指示したのじゃありませんか。具体的にこれとこれはよろしいが、これとこれはだめだと指示したのじゃありませんか。私は当時仙台郵政局におもむいた国会の同僚の皆さんと一緒にこれを仙台郵政局にお願いし、けんもほろろでどうにもなりません。したがって、これでは私どもが岩手に出向く前に郵政省の幹部のある方とお話をした。調査に行くからというときに御協力をしてくださるというお約束があった。ところが、いま言ったようにマル秘でない公開にするものも出さない。そこで私はもう一度、これはくどいようでありますが、ここにも来ておられます官房長に電話をかけて、どうも仙台の様子がおかしいではないか、あなた方が国会や本省で言っているのとまるっきり違うじゃないか、一体これはどういうことかという詰問の電話を私がかけましたら、先ほどちょっと触れましたが、それは担当の局長に連絡をし御返事をいたしますというのでしばらく待っておった、局長室で。そうしたら、官房長から電話があって、これこれでありますということであります。そのうちあなたが指示した——そんな汽車の時間とか何かとかがないから帰るなんということは、われわれが帰ってきたのはたそがれのころでございましたから時間もけっこうありました。  ついでにといっては恐縮でありますが、そのとき局長は不在でありました。なぜ不在か理由はわかりませんが、表彰式だそうであります。表彰式というものを何も好んで仙台からはるか遠い飯坂温泉でおやりにならぬでもよかろうと私は思うのであります。私どもが国会議員が郵政のこうした事態を憂慮し、すみやかに平和裏に解決されんことの希望切なるあまり、われわれは岩手におもむいて仙台郵政局に参りました。したがって当該局長とも、郵政局長とも特にお話し合いを願いたかったのでありますが、聞くところによりますと、仙台と飯坂は自動車で一時間半だそうでありますが、午後七時か八時ごろでなければ帰らないとおっしゃるのであります。私どもも政務多忙でありまするから、やむなく仙台を立ち、夜中に東京に帰ってまいったわけでありますが、この問題と直接関係ないかもしれませんが、仙台の郵政局が仙台市にあるならば、こうした表彰等は東北の中心であります仙台市で行なうのが、会場の設営等からいたしましても正しいのではないかと私は思うのでありますが、郵政予算というものはそういうふうに片一方で大切な人間の首を切っておきながら、片一方で温泉地帯で表彰式や宴会をやるように豊富な予算がおありなのでしょうか。これは表彰ですから、おそらく業務関係の表彰であろうと思いますので、曾山局長のほうからそのことをお伺いし、前段の点については山本局長からお答えをいただきたい。
  95. 山本博

    政府委員(山本博君) ただいまお話がございました資料の点でございますが、私はその当時の事情をそのまま申し上げたつもりでございまして、決して私といたしましては、ごまかしとか間違った答弁をしておるつもりでございません。私と人事部長との話におきましてはいま私が申し上げたとおりの経過でございます。
  96. 曾山克巳

    政府委員(曾山克巳君) 表彰の問題でございますが、御指摘のように郵便業務表彰でございましたので、私といたしましてもどこで表彰をやれば表彰を受けます良識ある、かつまた非常に成績のいい職員が満足するかにつきましては最大の関心を持っておるのでございます。私も東京郵政局といたしまして、そのときの保険職員等につきましてはしばしば優績者につきましてはこれを報労し、表彰し、感謝申し上げる機会がございます。ところが、郵便職員につきましてはそういった機会がなかなか少ないのであります。先ほどどなたかからもお話がございましたように、ししとして働きます特に郵便業務の下積みの職員を表彰するにあたりまして、何とかして私ども指摘のございましたようにあたたかい親心をもってこれに報いるべきであるという気持ちからも、できましたならば原則としては郵政局所在地におきまして各幹部もそこにとどまって表彰するのが、業務上能率向上の面からは妥当でございましょうが、さような場合におきましては、例外的に温泉地等でいたしたほうがむしろ郵便職員の士気高揚にもなるのじゃないかと思いまして、実は温泉地でやったような次第でございます。
  97. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 配達業務に必要な資料が整備されていなかったと現地調査の際に聞きました。職員のほうから資料整備のための協力の申し入れがなかったのかどうか、これを郵務局長はどう受け止めていますか。
  98. 曾山克巳

    政府委員(曾山克巳君) 大船渡郵便局につきましては、昭和三十五年以来先ほどお話がございましたように非常に業務運行困難局になっておりまして、私どもといたしましても、公衆に不便をかけないように、そういう中であっても何とかして従業員の協力も得ながら資料も整備をしてまいりたいと思って努力をしてまいりました。全国的に申し上げますと、約七、八百万円の金を出しまして配達地図あるいは居住者名簿等を昭和四十一年度には完成いたしております。ところが、当局につきましては、先ほど御指摘のございましたように、地震、津波等の影響もあったせいもございましょう、必ずしも十分でございません。したがって、私どもとしましては、郵政局からも十分指導をいたしまして、当局におもむきました職員にはそういった資料の整備をもおもなる任務の一つとして与えております。最近におきましては、先般の衆議院の社労の委員会でも申し上げましたが、それぞれ従業員からの協力も得られまして、したがって、配達資料の整備等も行なわれているというぐあいに承知いたしております。
  99. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 まあ本省の局長ともなれば大ざっぱな理解のしかたでいいかもしらぬが、しかし現地で調査をした限りではまだ配達に必要な、業務に必要な資料が整備されていない、実態は。整備されたものはまず第一に職員の協力によってできた居住者カード、これはできております、最近。それから音別区分表。それから例の非売品になっておる簡略地図ですね、あれをリコピーでとったものを集配地図と称するけれども、専門家に言うこともおこがましい話だが、こんなものは配達集配用の地図としてはきわめて不十分なもので、これはまだできていないわけです。それから、三段式カードはもちろんないが、さらに七年間ほごにされておる配達順路というものがまだ未確定になっている。このために従来の経験で配達をせざるを得ないというような実態で、その協力の申し入れに一体管理者がどう対応しているかということについて、私の調査では、大船渡で再三にわたって交渉しておる。管理者側に業務研究会の開催を要求しておるわけです。しかし、その業務研究会の開催に一切応じていないのですよ、いいですか、応じていない、現地を確認しなさいよ。それどころか、郵便物が滞貨するような配達区画の改革案を官側が提示して支部交渉さえこれを拒否して一方的にこれを実施している。私は、一体この集配区画変更というものがどういうものか、質問する前には内容を知らなければいかぬのでいろいろなその実態を調べました。具体的に盛岡局と盛岡北局で同じような集配区画変更の問題が出て、労使の間で分会交渉が十回行なわれております。そうして支部交渉で五回協議が持たれまして、労使間の完全な了解のもとに集配区画変更が実施されておる。これほどたいへんなことなんですね。それを職員側から区画変更についてはいろいろ労使で話し合わなければならぬという申し出があるのに全然それを受け付けない。一方的に押しつけている。遅配するのはあたりまえじゃないですか。こっちが申し込んでるんですよ、交渉を。拒否をしておる。——これはもう速記録に出るから、政府側でもこの速記録を何部か取って現地に送りなさい。そういう事態だ、官側がそういう協力を断わっているという事態。これが滞貨をさせている基本の一つでしょう。具体的には、駐在集配の細浦地区を大船渡地区に組み入れることを契機として、局区域全域の区画変更の問題なんですよ、これは。それを、一つの道路の両側を二人で配達したり、袋小路を左右に分けて別の区画にしたりで、このように実施すると大混乱が必至であるということで、分会交渉を持ち込んでおる。それを断わっておる。一方的に当局原案を押しつけて実施をしておる。これじゃ集配が混乱をし、滞貨が生ずるのも当然じゃないか。こういう事態が大船渡で起こっておる。全くめちゃくちゃなんです。だからぼくは気違い部落だと言う。抽象的に言ってるんじゃない。ぼくのようなしろうとでさえ、ものの一時間も聞けばわかるようなことを、断わっておる。権力でこれを乱用している。こういう場合でしょう。業務の運行に支障を来たしておる。郵務局長は、これはやっぱりその仕事をスムーズにやらせるには、まあ人事局長と相談して、そんなかたくなな者はやっぱりやめさせるか何か適当な処分をしなきゃ、信賞必罰を行なわなきゃいかぬですよ。とにかくそういう分会交渉の要求を断わり続けるんですから、話にならない。それで大野局長は、去年の七月十四日に、この計画は絶対に変更しない、決裂であるから支部交渉もしない、このまま実施する、こう一方的宣言をしておる。配達資料の整備についてもそうですよ。いま言ったような整備方法についての業務研究会開催を申し入れた、職員側で。それに対しては、さすがに局長も業務研究会開催を約束した。これは去年の八月一日のことです。ところが二十八日に分会からの業務研究会開催要求について大野局長は、資料などどうでもよい、各人の通区能力は最低だ、どうするかはこれから考えるということで、業務研究会開催に応じないで、拒否をしておる。どうですか、このことばは。内容的に暴言じゃないですか、ことばは静かに言うたかもしれないが、その本質は。通区能力がもちろん基本ですよ、この集配業務については。そして十二月二十九日に、内勤室に、配達すべき年賀約一万枚を隠して、その隠したことを組合員に追及されて、外勤に上げるなという郵政局の指導だと答えておる。とにかくもう正常じゃないですよ。そうして大みそかの十二月三十一日までついに業務研究会の開催なく、拒否を続けられておる。こういう事態で、滞貨を解消するなんということはとうていできない。いかに従業員が最大の努力をしても、その努力にはおのずから限界がある。そういうむちゃなことをやっておるということをあなたは知っておられますか。
  100. 曾山克巳

    政府委員(曾山克巳君) ただいまお述べになりました業務運行の実態は、いみじくも私も経験してまいりました、過去におきます数年来の各地におきます状況でございます。まさしくそれをまのあたりに見るような気がいたしました。九州におきましても困難局数局を私は承知いたしておりますが、ちょうどお述べになりましたような実態でございましたし、また、いろいろな地方、東北地方あるいは北海道地方におきましても、さような実態が多々ございました。私は業務運行を担当しておりますので、業務のことだけ答えればいいのでございましょうが、何と申しましても基本はやはり人事、業務の両者がぴったり吻合していることが第一であることは申し述べたとおりでございます。したがって、私どもとしましては、あくまで公共の福祉、つまり公衆の郵便をおくらせないためにはどうしたらいいかということを、基本的に管理者も従業員もともども考えるべきだというぐあいに思います。そういう場合に、御指摘になりました集配区の組みかえ等につきましては、この大船渡郵便局につきましては、私ただいまお述べになりました諸事情を調査いたしました資料をここに持っておりまして承知しております。昭和三十七年以降五人の従業員も置くようにいたしました。集配区も市内、市外ともども郵便物一日平均物数八千通の配達局でございますが、区数も妥当な区数を持っておる、職員の数も妥当だというぐあいに考えております。しかし私どもとしましては、先ほど御指摘ございました集配請負区の定員化、本務化につきましては、これを実施いたしまして、できるだけ公衆から預かっております郵便について遅配がないように、ともどもに努力してきたつもりでございます。その問におきまして打ち合わせ会を開催させなかったという御指摘ございましたが、私どもとしましては、打ち合わせばむしろ管理者のほうから望んでこれを開催させるように指導いたしておるわけでございます。そこで、なぜやっていないかということ、そこがまあ基本でございますが、特に年末等の大事なときにあたりましては、やはり少しでも時分が惜しいものでございまして、この局につきましては、先ほど御指摘にありましたように、現在でも一日千四百通の滞留があるようでございますが、——十一月の実態を申し上げます、そのほうが平常でございますので——最高約三千七百通、最低五百通の滞留がございました。平均しまして千六百通か千七百通の滞留があるわけでございます。これはこれだけの区、これだけの定員を持っている局につきましては、とうてい私どもとしては考えられないことでございまして、これがどこからきているかということにつきましては、先ほど御指摘になりましたような職員のほうの管理者に対する反発心と申しますか、あるいは不信頼と申しますか、そういう気持ちも動いておったと思います。しかし私どもとしましては、非常勤も御指摘のように五名あるいは多いときには七名入れまして、できるだけおくらせないように努力しておるわけでございますが、ともかく以上申し上げましたように、管理者と従業員があくまで一体になりまして、共通の場を持って、そこでいろいろな討議をしていくことには賛成でございますので、さような指導を今後も強めてまいりたいと思います。  なお、ただいまおっしゃいましたような盛岡局等にありましては、集配区の編成等につきまして団交、協議をやっておるという話でございますが、まあことばはどうでもようございますけれども、当然私ども、従業員に対しまして、かくかくになるという説明はいたしておりますが、正式な団交とか協議というようなものではございません。従業員の意見も私どもは入れながら、実際に働く職員の感覚ということもよく計算に入れまして、今後とも十分郵便のおくれない、郵便物の滞留を来たさない適正な規模の集配区を設定してまいりたいと考えております。
  101. 森勝治

    森勝治君 いまそういうお答えがあったのですが、私は先ほど若干ことあげいたしましたが、三十五年のチリの地震で、郵便局の資料一切流失しました。自来今日まで資料が整っていないのでしょう。いわば当該局員の勘にのみたよって配達しているわけでしょう。だからたとえば居住者名簿、郵便配達地図、音別区分表、あるいはまた三段式カード、こういうものは当然管理者側が備えなければならぬけれども、三十五年から今日に至るまでこういうものを放置しておった。そうなれば管理者が資料をつくらずに七年も八年も放置しておったわけだから、むしろ管理者側が職務怠慢を追及さるべきであって、これをあなたのことばの中で、不信とか何だかんだ言って、言外に職員があたかも上司に協力せざるがごとき言辞を弄されておりますけれども、これはまことにいただけない。この点は、本来、管理者が当然管理者の責務でやるべきです。それがなければ配達できないでしょう。それもやらずに放置しておったこの局の管理者こそこれはもう処分さるべきだ。そうでしょう。それをあげて、遅配が千四百から二千できるから、年末がどうだから、みんなこれはあたかも組合が、闘争時における組合のほうからそういう混乱を誘発したようなことを言われるが、この局に限ってはそれは全くありがた迷惑。なぜか、それは局長並びに管理者責任で、いいですか、いま私は約四点について申し上げたもろもろのそういう資料等は当然これは備えつけることになっているのでしょう。それをやらずに配達しろと言ったってこれはどだい無理な話でしょう。こっちも完全に備えつけておいて従業員にいわば快的な職場にしてやらなければなりません。そうでしょう。しかし、従業員も津波によって資料が喪失したのですから今日までそういう苦労を耐え忍んできた。むしろ私はこの役所の管理の不備、こういう関係書類の不整とんの中で、たとい遅配が若干出ても、その欠乏の中に耐えてきた職員こそ、首切りじゃないのです、大臣表彰あってしかるべきだ、私はこう思うのです。それを、片々たる言辞をとらえてばっさりやるなんということは、これは郵政当局のあるまじき所業だと私は思う。したがって、そういう問題について、いま申し上げたように、管理者責任はこれは追及されてしかるべきだ。しかも、それは曾山さんが担当の最高責任者ですから、なぜ七年間も放置しておったのですか。不信の問題もあるでありましょう。管理者が、地震津波に対する報償金もかってに使った。復旧のために努力した諸君に一つも渡さないで管理者が飲んだり食ったりした。不信の芽がここから始まった。確かに、端的に職員が上司に白い目を向けてきたのはここから始まった。しかし、その後七年間も——全部流れてないのだから、完全にこれは書類を整備しておくのがあたりまえ。整備しなければならぬ。これは何も職員が率先してやるべきことではなくてこれは郵便局政というものが郵便局の末端まで行き渡っているとするならば、こういう状況はよろしく解消されてしかるべきだ。もちろん三十五年以来二、三年はときには整備上時間的空間を必要とするでありましょうが、七年間経過した今日、なおも配達も全く一方的な勘にたよっている。これで積滞が出なかったらおかしいですよ。そうでしょう。これは郵政行政のあなた方の指導が悪いのじゃないか。職員らを追及する前に省みて天にお伺いを立てたらどうですか。私はそう思う。したがって、そういう問題をどうされるつもりですか。
  102. 曾山克巳

    政府委員(曾山克巳君) 配達諸資料の整備につきましては、私ども決して従業員の一方的な責任というぐあいに考えておりません。これはあくまで管理者が業務管理をしていく上にとりまして一番基本的な大事な資料でございますので、この責任は当然管理者責任だろうと思います。ただ管理者がこれを整備するにあたりましても、現実に仕事をしております職員に、たとえば超過勤務あるいは仕事の手あき等の場合には協力を求めるのも当然でございましょうし、また、従業員がこれにこたえて協力するのも当然であろうと思います。それでも従業員のほうで気分的に悪いから協力しないという、かりにそういう事態がございましたら、それは非常勤職員等を雇いまして整備するという仕組みになっておるわけでございます。ただ、先ほどからお話がございましたように、昭和三十五年、それから八年、九年というぐあいにチリあるいはアラスカ等再々の津波、地震等がございました。で、この局が特に気の毒であったということも私は存じております。しかしそのほかいろいろな事情がございまして、この局におきましては、職務に対する組合の協力が必ずしも十分でなかった事実もございました。完全な配達諸資料の整備ができなかったことも事実でございます。ただ、だんだん事情がよくなってまいりまして、先ほど御指摘のございましたような資料の整備も行なわれておるようなわけでございますので、今後ともあくまで私ども管理者責任という意味におきまして、積極的に整備を進めてまいりたいと思います。
  103. 森勝治

    森勝治君 そういうお答えでありますが、当然管理者責任を追及されてしかるべきにもかかわらず、最近漏れ承るところによると、郵便課長か何か慰労のゆえをもって管外出張を年度末におやりになったそうですね、一体これはどういうことなんですか。局情がとにかく混乱し、上司と部下の仲が、相克ということばは適当でないかもしれませんけれども、とにかく両方に相互不信が流れておるわけでしょう。本来なら処罰されてしかるべきでしょう、責任を果たさないんだから。それをいかに年度末といいながら、予算を消化するたてまえといいながら、そういう問題の局の人を、管理者を、管外出張させるなどということはちょっとおかしいのではないでしょうか。なるほどこれはその当該費用というものはわずかでありましょう、しかしわずかでありましょうとも、首切りされた職員や日夜ししとして努力する善良な従業員にとっては、さらに郵政事業における管理者側のそういう常識で考えられない、あるまじき所業については、さらに不信感を深めるであろうと思うのであります。これは郵政の今後の事業のあり方からいたしましても、かかる姿は望ましいものではありませんので、どうしてそういうことをされたのか、ひとつお伺いしたい。
  104. 曾山克巳

    政府委員(曾山克巳君) 私その事実は初めてお聞きしましたが、ただ当然業務運行困難局等につきましては、当該局の管理者の苦労というものはたいしたものであろうと思います。また事実たいしたものでございます。そういった場合に他局の状況もよく見てきてもらって自局の業務の改善の参考にしてもらうという意味を含めまして、若干のねぎらいがそこにあってもよかろうではないかと考えるのでございます。
  105. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 どうもそういうことを私は言いたくなかったけれども、その行った先は、やはり懲戒免をした城東郵便局へ行っている。他を見るなら、もっとすぐれた労務管理のスムーズにいっているところを見たらどうか。ますます悪者がさらに太るようなことをやっておる。だから、ああ言えばこう言うように、抽象的にあなたはスマートな答弁をするけれども実態は勧悪をやっているんです。事態は非常にさか立ちをしているんだよ。命令の出し方が——私は出張をすることをとやかく言いませんよ、しかし出張先は、もう少し見るなら見本になるようなところを見たらどうですか。懲戒免を出したそういうどこかの札つきの局なんかを見る必要はない。一例をあげたから一例をもって私はあなたの答弁に一言しておきたい。  それで、さっきの仙台の電話——大船渡の確認はどうなったんですか。
  106. 山本博

    政府委員(山本博君) ただいま結末がわかりましたので申し上げます。  三月の五日に社会労働委員会がございまして、その日の夜、仙台の郵政局、まあその日の午後私から関係者に再調査をしろということと、それから状態が平静になった場合に、家族あるいは被処分者、こういう人たちには十分な説明をすることと、二つ、私から私の局の担当者に口頭で命じました。
  107. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 だれですか。
  108. 山本博

    政府委員(山本博君) これは人事課の考査係長でございます。これは処分関係の事務的な責任者でございます。この考査係長から仙台の人事課の補佐、これもこの方面の事務の担当者でございます。人事課の担当の遠藤という人に電話で連絡をいたしました。それで内容は処分に誤りがなかったか、事実誤認がなかったか、そういうような点についてもう一度調査をし直してみろという指示をいたしました。ついでに被処分者の家族にもいま私が申し上げたような平静な状態においては説明をするのが妥当であるということを電話で連絡いたしてございます。仙台の郵政ではこれを受けたのでありますけれども、その当時——三月五日でございますが、その当時の状況がまだ非常に混乱をしておるという判断をいたしまして、これの再調査のほうは直ちに取りかかりましたが、この内容について現地に直ちに説明すべしという形での指示というものはいたしておりません。したがいまして現地には直ちに説明をせよという形での指示はまいっておらないということでございます。この点は確かに十分な徹底ということになっておりません。こういう事情が判明いたしましたので、これから直ちに周知徹底するように、あらためて指示をいたしたいと思います。なお、そういう指示が不徹底であったということは、私あと確かめてみなかった、その努力を十分いたしておりませんので、この点は私の責任だと思っております。
  109. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 高橋次官、お聞きのとおりです。それで明らかになったのは、仙台でチェックしたということですね。その被処分者に対して、あるいはその家族に対して、そのてんまつを懇切丁寧にやるべきとあなたは国会で答弁されたのが、仙台の判断で平和裡にか何かしらないが、そういう状況ではないという一方的な判断で、それは現地でどう受けるかは別として、上から下まで流すべきものなんだね、そのあなたが国会で答弁したことを、仙台、大船渡まで……。そうして大船渡の管理者がその情勢の判断をして押えたか押えないかというようなことはまた別個の問題であり、すでに仙台でそれを押えて、具体的にここで問題にしたから、やっと人事局長は自分の責任だ、直ちに現地に指令を発して、三月五日に国会を通じてあなたが国民に約束したことをやっと四月八日に、お盆じゃないけれども一月おくれでやっとこういうことすらが末端に届きかけるような事態ですよ、郵政省の扱いは。しかも平和であるかどうかなんということは、これは一人で話をするのも平和じゃないといったら何をか言わんや、大衆の、労働組合の集団交渉でその上に立ってその被処分者が言うとか、そういう場じゃない、一人が直接会うことすらも拒否しておる。これがもう平和の状況でないと言うんなら、場所を変えてもできる、やろうとする気がないということです。人事局長責任を痛感しましたが、政務次官はどう考えますか、いままでとった事務的な一つの扱いに対して。
  110. 高橋清一郎

    政府委員高橋清一郎君) 一言だけ前置きに申し上げさせていただきますことは、私は政務次官であります。郵政省におきまする最高責任者であるところの大臣ではもちろんないのであります、正直に申し上げて。それで、先ほど申しました社労におきまする発言の内容につきましては、申し上げましたように、私のその場におきまする考えと申しますか、正直に今後とるべき郵政省のこうした場合におきまする態度として私は望ましい、そう思うんですと率直に申し上げたのでありまして、これが直ちに拘束力を持つかどうかということは別であろうかと思うのであります。もちろんその後におきまして、私が大臣によくいろいろなことをお話し申し上げて、先ほど申し上げましたように郵政省内部の不文律としてでも、こういう場合においてはこうあらねばならないという文書ででも通達してもらうというようなところまで運ばすだけの熱意を持つべきものであるかどうかは別問題でございますけれども、とりあえずのこととして大船渡の事件につきましても、あの場合におきましては家族からの面談の場があったということを聞いたものでありますから、そうした場合においては家族の上に思いを至し、あとう限りひとつ善処すべきであろうというようなことの意味での発言をいたしたのでありまして、ただずっと今日までの過程で、この委員会におきまする様子から状況判断申し上げまして、私の懇切丁寧ということに対する発言の内容から端を発しまして、非常な別な意味の誤解を受けたような面もあるやに考えるわけでございますけれども、ただ私の努力と申しますか、末端にまで、実はきょうの委員会で私こういうことを発言した、私いいと思う、今後こういうふうにおそらく家族の陳情等、願い出の筋等あった場合、懇切丁寧に応じてあげて御了解を求めるようにつとめなさいというようなところまで、私自身が局長、現地局長までも説得の労をとるということが、はたしていいかどうかは別といたしましても、これほどの皆さま方の御熱願等ございまするならば、至れり尽くせりの努力を払うべきであったかという気がするのであります。そういう点については、いまこちらのほうで申し上げましたような内容程度になっておりますことにつきましては申しわけないと思っております。しかし私自身も非常に忙しい立場でございますし、全部が全部にわたって至れり尽くせりということは容易じゃございませんので、とりあえず人事局長さんに対し、何とかこうした意味においては、今後の私の指針としてこうだと思うんだというようなことの率直な、あの当時におきまする先ほど申し上げましたような内容で落ちついた次第でございます。でありまするから、今後やはりこの場におきます私のもう一度の考えといたしましても、やはり特に人事の問題、懲戒免職の発表という場合につきましては、あとう限りのあたたかい親心をもってひとつ対処するということであらねばならないということと、あわせて、やはりその後におきまする取り扱いと申しますか、特にこの懲戒免があろうが、非常に長い間因縁がありまして郵政職員となり、局長となり幹部となったというような事情にあります限りにおきましてはなおさらのこと、おそらくそういう方は長期勤務者が多いであろうと思います。そうした場合におきましてはなおさらのこと、あとう限りの親心を発揮すべきであるというふうに解釈いたしますので、いわゆる事後処理ということにつきましても善処をいたすべきだというようなことを深く思いをいたした次第でございます。
  111. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 このことについてはもうこれ以上言いませんが、私はこの前の三月五日の衆議院の速記録を読みましても、いまあなたがお述べになったその気持ちが率直に出ているわけです。ところがそれを人事局長はワクをはめまして、客観情勢が平穏の場合とかいう前提をつけたものだから仙台でチェックをしておる。私は仙台を責めることもさることながら、あなたの国会で答弁したのが人事局長のところで一つのワクを設定されたというところに、国会におけるあなたの答弁をかってに局長が自己本位に解釈したところに問題があると思う。いいですか、首を切られたんですよ。理由が何にもない、説明をする場も与えられない。それをあなたが懇切丁寧に説明をせよと答弁している。なぜすなおに人事局長はそれを下へ流して懇切丁寧の場を与えないかということですよ。それを条件がまだ整っていない、非常にまだ先鋭化しているとか、いろいろな解釈。これは水かけ論ですよ。そうじゃなくて、それを解きほぐすためにも、堂々とした理由があるでしょう、あるならあるなりに相手を説得するだけのいろいろな理由をお述べになって相手を納得させる場をむしろ積極的に与えるべきだと、そういう立場であなたは答弁されたのを、状況が悪いからというんで、そういうワクで仙台に示す。仙台はますますそういう状況が悪いというので、親切に家族に、本人に会えというそういう指示は途中でカットしている。そうなると、あなたは最高責任者ではないけれども、少なくとも局長を指揮監督する立場にある政務次官ですよ。私は政務次官のこれは監督不行き届きとしてしかりおきます。個人的な問題じゃないから、公の立場で私は政務次官が国会で堂々と述べられたことを末端に正しく浸透しなかった、その監督不行き届きを強くしからざるを得ない。
  112. 鈴木力

    鈴木力君 いままでの質問でほぼ明らかだと思いますけれども、私はもう少し伺いたいのです。それはいままでの答弁のうち、業務能率をあげるためには職員の協力を得なければならないという御答弁がしばしばありました。その限りにおいては私は同感なんです。ところがそのあとに、いろいろな場合に出てくるものの言い方に、何か職員側のほうが協力をしないので業務能率があがっていないという、その感覚が基本的に郵政省の当局にあるのじゃないかということなんです。そこで私は、時間がありませんから、しかも関連ですからあまり長いことは申し上げませんが、具体的に若干聞きたいのは、一体郵政省は、郵政省の職員の労働運動を労働運動として正規に認めているのかどうか。そしてそれを正規に認めているとしたならば、管理行政の系統を通じて、末端までそのことが徹底してあるのかどうか、まずその点を伺いたいと思います。
  113. 山本博

    政府委員(山本博君) 私たちは労働問題を考えますのに、これは現在の憲法それからその他関係法律、こういうものに照らしまして、その精神に合ったように理解をいたしておりまして、決して労働組合運動がじゃまものであるとかあるいは困ったものだとか、そういうような気持ちで応待いたしておりません。憲法、法律の精神にのっとって対処しておるつもりでございます。
  114. 鈴木力

    鈴木力君 そこで具体的にお伺いいたします。たとえば、私もびっくりしたのですがね、大船渡の郵便局に行って局長の話を聞いてですよ、たとえば小さな問題のようでありますが、業務命令というのがありますね。業務命令について、職員が業務命令に違反をすれば処分をする、これが常に前提になっているのです、局長管理者の職員に対するものの言い方はですよ。そこで私は、業務命令簿があるかと聞いた、業務命令は何で出しておると聞いたら、文書で出すこともあれば口頭で言うこともある。そして口頭で言う場合には業務命令簿はありません。記録がない、そういたしますと事実業務命令をしたかしないかという証拠はないでしょう。証拠がなくて、あとでこれを処分しょうという場合に、おまえは業務命令違反を犯したと言えば、処分が自由自在だ。こういうことが白昼いま行なわれておるのです。局長はこのことを、いま憲法の上に立って正規の労働運動を認める、そしてその指導をしているとおっしゃったけれども、この行為は、いま局長がおっしゃったような、その方針に合致しているかどうか判断を聞きたい。
  115. 山本博

    政府委員(山本博君) そもそも業務命令というものが文書で出されるという事態そのものが本来異常でございます。これは本来労使間あるいは管理者と従業員間で相互信頼がございますと、業務命令が出された、それに対してそれが拒否される、したがって文書でくれなければ従わない、こういう状態になるのは本来信頼関係というものがあまり十分でないという一つの証左でございます。したがいまして平常の場合は、全部口頭で行なわれております。これは私は当然のことだと思います。で、その内容は非常に違法の命令でない限りは、従業員がそれの指示に従って業務運行に協力をしてくれるというのが平常見られる状態でございます。しかし、ただいま御指摘になりましたように、それが処分という問題につながる場合には、決して恣意的に、命令を出した、聞かなかった、直ちに処分というような簡易な手続はいたしておりません。これは一般処分の場合もございますけれども、事実の確認ということは、単なる一方的なことでありますと、確かに恣意的になるおそれがございます。したがいまして必ず他の人間も同時にそれを確認しておるという裏づけをとりまして、そういうことを確実にしましてから、初めて業務命令に拒否があったということにいたしております。したがいまして御指摘になりました場合にも、単にだれもいないところで一方的に命令をした、それが拒否された、直ちに処分という、そういうことではなくて、何回か口頭で命令した、どうしてもそれについて従ってもらえないというときには、それを確認するだれかほかの人も一緒に立ち会わせまして、そこであらためて命令を出して、それが拒否された場合にそういう確認行為というものを裏づけにしまして、処分ということにいたしておる次第でございます。
  116. 鈴木力

    鈴木力君 時間がないから、時間をかけるとみんなに悪いからと思ってぼくは聞いているんですから、答弁を、聞かないことまで答えなくてもよろしいです。そういう労働基準法なりお互いの労働の常識の範囲での労働の解釈については聞く必要がない。これはぼくらだってまるきりのしろうとじゃない。私が聞いているのは、私が現地に行って、現地の局長に問いただしたら、あなたがいま言ったようなことをやってはいないということです。たとえば、あたりを見ていないで仕事をしろと言った、これは業務命令だ、言うことを聞かなかったら処分するぞ、うしろでこういう言い方をしているということなんです。そういう言い方が一体あなたがりっぱな口で説明をしたけれども、そういう労働慣行の中の業務命令として一体認められるのかどうか、そのことを聞いている。
  117. 山本博

    政府委員(山本博君) これは弁明になって恐縮でございますが、その事象だけを非常に抽象的な形でとらえますと、望ましいことではございません。おそらくその前後に、いろいろな業務命令を出して聞かれないというような実態というものが前後に相当あった背景で、それをさらに可能にするためにそういうことを発言しているということは、過去にも幾つかの事例がございました。
  118. 鈴木力

    鈴木力君 もう少しまじめに聞いてもらいたい。私が大船渡の局に行って局長に聞いたらこうだと、こう答えたというのです。あなたそのときにいないでもって、別の解釈をされたって答弁にならぬ。よろしいですか。私は例をあげて局長に直接聞いているのです。たとえばあなたがこうして、だれかの職員がかりに窓から外を見ておった、外を見ないで仕事をせよと言ったのを業務命令というか、われわれの常識ではそれを注意という。その場合には親切におまえ外ばかり見ていないで仕事をやれと言うのが注意ならわかる。それを、業務命令だ、言うことを聞かなければ処分するぞとうしろでおどかしている。そういうような問題が前からの引き続きということがあり得ますか、一体あなたは。窓から外を見ている、きのうも言った、またそれを言った、そういう場合にはだから処分を前提として、それでも言うことを聞かない場合には、拒否されたと見ればあなたが先に答えたように手続としては文書で業務命令を出すということが正しいということは、あなたも答えられたでしょう。平和の状態の場合には口頭でということもあり得る、これは私も認めます。そういうことをやっているということなんです。これが一体労務管理として常識の範囲内にあるとあなたは思っているかどうかということを聞いている。
  119. 山本博

    政府委員(山本博君) 繰り返しのようになりますが、一つの職場におきまして業務命令を聞かないことを戦術といたしまして、ことさらにたくさんの人がよそを向いている、命令があっても窓の外を向いているというようなことをいたしますと、その場合には、働いてほしい、あるいは働いてくれ、あるいは働きなさい、就労しなさいと言うことは命令になると思います。しかし一般的に、ただ空が青いからちょっと外を向いたとかあるいは景色をちょっと見たとかいうときに、一々そういうことを言ったとすれば、これはまことに非常識だと思います。
  120. 鈴木力

    鈴木力君 戦術として窓から外を見たりと、大体日本の労働運動が始まってから、どこの何という組合に、戦術として窓から外を見て闘争をやったという例がありますか。もしそれが戦術という場合には、全員が窓から外を見ていなきゃいけないでしょう。特定の人が、だれか外を見てもそう言うのですか。もっとひどい例もありますよ。あなたは一つだけ取り上げるというならば、あしたまで続けてやるくらい材料はあるんだから。そうは言わないけれども、たとえば、だれかが昼めしを食べているのを見て、おまえは早く昼めしを食べて早く休憩時間をとって次の仕事の準備を早くせよと、これが業務命令だという言い方さえある。だからそれが処分とつながらない場合は——局長が先ほど来言ったように、平和時の場合には、処分につながらない場合には、それが命令である場合もあれば、注意である場合もある。しかし、それが処分とつながるという態勢の場合には、それは業務命令を出したか出さないかという証拠にも何にもならないでしょう。だれかが確認をするという手段を常に使う。これは大船渡郵便局では常套手段ですよ。管理者が二人おって、AならAという男をねらい撃ちにして、こいつをやろうという場合に、あっ、おまえは何かやったと、おい君確認しろ、さあ確認した。さあ何かやろう、こういう形なんです。ここまできておって、あなたがいままで言ったような、先ほどはそらぞらしい答弁ということばも出たけれども、私は、まあそらぞらしい答弁とは言わない。役人としてはりっぱな答弁かもしれないが、もう少しまじめな答弁で、まじめにものを考えてもらわなければいけないということなんだ。だから私は、先ほど以来組合の信頼関係が大事だと、これも原則としては大事です。その信頼をそこなわせているのは何かということですね。組合は、使用者側が組合側の利益のために不利なことをしない場合は、闘争ということはあり得ないんです。もちろんそれは要求して拒否された場合は闘争がありますね。それは組織的な闘争です。ところが団体交渉に来て、顔を見ればおまえばかやろうということばでまずどなる。それはおれは上司だと、こう言う。組合関係では上司と下司という関係はないはずでしょう。それは局長わかるでしょう。もし上司下司という関係があるなら、これは私は別な言い方をしなきゃなりませんが、どうですか。
  121. 山本博

    政府委員(山本博君) 団体交渉をいたしますときは、上とか下とかいうことはございません。これは全く対等の立場でございます。しかし、職場の中において仕事の上での関係ですと、これはいま上司下司という……。
  122. 鈴木力

    鈴木力君 そんなことは聞いていないんだ、時間がないから。組合関係では上司下司という関係はない。そう認められる。ところが、局長はそう認めていないんです。団体交渉でさえ上司に対してということばがしばしば飛び出る、計画的なのか無意識なのか知りません。だから私は一番先に、労働運動というのを認めておるか。末端の管理機関に徹底さしてあるかと聞いたのは、そういう意味なんです。現在私どもが行ってみてびっくりすることは、そういうことだということなんです。  それから先ほども話が出ましたように、タコ部屋、うしろから監視隊、これはやめたということですから、やめればそれでけっこうなんですけれども、私はこれは人権問題だと思うんです。うしろからカメラでとってどうこうと、こんなことが今日の一体職場にあるということが考えられるかどうか、そういうことを考えて、私はどう見ても、どんなに皆さんが弁解をしようとしても、かりに労使関係がうまくいかないで業務が進行しない、そこは認めるとしても、労使関係のうちの使を、使用者側をもう少しあなた方のほうで何とかやらなければ、この解決はしないんじゃないかという見方をしてまいりました。これについてはあとでまた見解を、所見を聞きたいと思います。もう一つ、あまり例をあげると時間がかかるからできるだけ私はあげたくないと思いますけれども、いまの業務命令と関係をしましてですね、休日勤務を電報で命じている例があるんですね。まあ、それはそういう場合もありましょう。ところが、病気であるから勤務ができないという職員に対して、おまえの病気という理由は認められない、出てこいという電報を打っておる。これは私ども調査をいたしまして管理者を追及をいたしましたら、これは管理者の間違いでしたと、われわれにもそう言っておりますからね。これは局長、間違いじゃなかったとは言わせませんよ。出した本人が間違いだと言って取り消しておりますからね。だが、取り消しているからそれでいいというが、そういうことが平気で行なわれているわけなんです。一つ一つ注意をすればひどいやつは、これは間違いでしたと言うこともある。ところが、同じやり方にもう一つある。おまえは病気などと言っていつもうそをついていると、こう言うんです。病院の薬袋見せたら、その薬飲むくらいなら、庶務課にある薬のほうがもっとよくきくから、あの薬を飲めと、こう言っている。それは業務命令かどうか知りませんが、医師法違反じゃないですか。医師法か、薬事法か、法律の名前をよく知らないけれども、一体薬の処方をしてこれを飲めと言う権利は郵便局長にはないわけなんです。医者の免許状を持っておればともかくです。そういう対立した状態のときに、そういうことを平気で言うような管理者があそこにおる。だから私はこの際——しかし、いま議論をしてみたっても、おそらく水かけ論になるでしょうから、この際、はっきりと要望しておきたいことは、十分にその点は認識をされて調査をほんとうにされたいということです。  そこで質問は、さっきも処分者のあれには行き過ぎがあったかどうか再調査せよという指示を出した、こういうことはさっきの報告を聞きましたが、ただし、これはいまのような、現地に行っての現地の管理者と会ってみた限りにおいては、単なる指示によっての再調査ということは私は信頼ができない、そのままでは。そこで、まずきょうの段階でさらにもう一つ調べてもらいたいことは、三月五日付で処分についての再調査をせよと指令をした、その調査はしておる、他の説明のほうはチェックされておるけれどもね。そこで、その調査が進行しているということなんだから、三月五日からきょうまでのおよそ一ヵ月、その間に調査をされた具体的な進行状況をあとで資料としてきょうじゅうにいただきたい。それが一つ。  それからもう一つの角度から申し上げますと、私は、さっき大臣も、一方的にどちらがいい悪いということは言えないから、大臣も再調査をする、こうおっしゃいました。私は、普通の場合ですとあの発言はもっともな発言だと思うんです。しかし、さっきも言いましたように、私自身が行って接触をした限りにおいては、とても一方的な、係官を皆さんのほうで派遣をしてその回答を求めて、これが調査の結果でございますということは、これも私は信用できない。それはなぜかといいますと、いまの回答でもそうでしょう。三月五日付で連絡をしましたと、あなた方のほうは涼しい顔をしておる。こちらが聞きただしますと、実はこちらは途中で握られておりました、こういうことになっておる。これは郵政事務系統の私は常識ではないかというふうにいま疑わざるを得ないんですよ。さっき森委員質問の中にもありました。これも私はきわめて不満なんです。資料を出せと言われた、電話で打ち合わせしているうちに、あなた方が帰ったという答弁をされている。事実とはまるっきり違う。私どもは大船渡の郵便局であの資料の要求をしたのです。そうして本省と打ち合わせの結果、仙台に着くまでに仙台で準備をさしておきますという答えだった。それはおそらく皆さんのうちのだれかとの連絡の上で仙台に着いてと、そういう約束だから、できているはずだから出せ——相当の時間かかりますから、仙台まで——そう言いましたら、何か出勤簿から名前をだれかが写し取ったからそれでいいと思いましたということで資料が出ていないのだ。それから、いろいろ四の五のやって出せといって、それでは本省に問い合わせしましょうかというときには、もうわれわれの汽車に乗る数分前です。そこまで延ばしておって、時間切れと、こういうことをやっている。そういうような仕組まれた——末端から局までが仕組まれたような——私に言わせれば仕組まれた芝居です。芝居を仕組んでおいて、それをもって資料として一方的に行政をやっておる。こういうことがもし許されるとするならば、これは大船渡の郵便局がタコ部屋みたいな職場だということはこれはあたりまえだと思います。下も下なら上も上だと、こう思わざるを得ません。そこで私は、もう一つ調査の問題について、これはもう厳重にいまのような一方的な調査では信用できないから、したがって、これは政務次官にお願いしますけれども大臣調査委員を出される場合には、当局側の説明だけを聞いてきての調査という場合には、これはわれわれとしては調査としては認められない。当局側と被処分者側との言い分をまつ正直にもってきて、それで判断をするという調査をぜひやってもらいたい。その結末については、あとで御報告をちょうだいしたいと思うのです。大体まあ、私のきょう申し上げたいことはこの二つだけ、一つには、労働慣行というもの、それから労働の諸規定、諸規則に従っての慣行をあそこに確立しなければいけない。それで郵政局当局も、いままでの世間をごまかし、人をごまかしてやっておったようなあの郵便局の管理者から——仙台の郵政局も含むと思いますけれども、これらのものの資料を全部捨てて調査をやり直せ。それから大臣の言われる調査についても、そういうことを私は強く要求したい、こう思います。  最後にもう一つだけ伺いたいのは、そうは言いましても、あとで政務次官に大臣とも相談をしてもらいたいが、いま答えろと言っても無理だと思いますが、私は、いま申し上げたような見解から、現地を見て、それから局長やその他の答弁を聞いてあわせて判断をいたしますと、あの労使関係はできるだけ早く解決をしなければいけない。解決をする道は、私は、だれかを処分し、また、どこかの処分の模範的なところを見てまたやるという形では、これは解決するはずがない。まず、当局が労働関係法規と労働慣行に立った上の姿勢を正さなければいけない。それが一つです。だがしかし、今日までああいう状態で首切りをたくさん出しているようなことでは、それだけでも解決しない。非常に不信感が強くなっている。この不信を取り除くためには、いまの管理者を全部あそこから出さなければならない、人をかえないことにはどうしても労働慣行が正常にはならないと私は見ております。と同時に、この処分は、さっき言いましたように、調査をし直して、厳密に公平にし直す、そういう誠意を示すことによって、あそこの郵便局が立ち直る、こういうふうに思いますので、これは検討をしていただきたいと思います。  きょうは時間がありませんので、しつこい質問というよりは、率直に私の見解と要望を申し上げて、あとは経緯を見守って、もし私が申し上げたようなこととだいぶ違った方向に進むとすれば、あらためてまた機会をもらって質問なり意見なりを申し上げたいと思います。きょうは、御要望を申し上げて終わりたいと思います。
  123. 山本博

    政府委員(山本博君) 一言だけ補足をさせていただきたいと思います。ただいま御指摘のありましたような大船渡の郵便局の労使関係というのは、まことに私ども遺憾に存じます。先ほど申し上げましたように、非常に長い間の背景がございますので、率直に管理者側が常に努力が十分であったというふうに言い切れないと私も思います。同時に、大船渡の郵便局の労働組合運動が最も模範的といいますか、あるいは典型的といいますか、他の大半の郵便局に見られるような、郵便局におけるその労働問題の状況でなかったということでございますので、これはやはり両方でできるだけ、それは管理者側がよけい努力はいたしますけれども、やはり全体として両方に努力すべき目標があるのじゃないかということを考えるわけでございます。したがいまして、これはやはり全逓の本部とも話し合いをいたしまして、できるだけ労使が努力しまして、この対立をできる、だけ早く解決をいたしていきたいと思います。  それから三月五日の調査をお約束しました内容でございますけれども、先ほどきょうじゅうにというお話がございましたが、あるいはここできょうじゅうにというお約束を申し上げますと、かえってできなかった場合に申しわけありませんので、何日ごろまでできるかということについて、はっきりしためどをつけてから日にちを申し上げさせていただきたいと思います。
  124. 鈴木力

    鈴木力君 私が一番先に申し上げた、郵政当局が労働運動の本質というのがわかっていない、そういうことを申し上げるのは、いまの局長答弁なんですよ。当局が、労働運動が模範的であるとかまずいとか、その労働運動のやり方にどうこう意見を言うこと自体が間違いなんです。そうでしょう。その労働運動にどう対処するかということで、労働運動を静めるためにはどうするかということが当局の必要な考え方なんです。あの労働運動は模範的でない、あの労働運動はけしからぬ労働運動、これは模範的だということを当局が公式の席上で述べるという感覚が、労働運動の本質というのがわかっていないということなんです。そういう感覚でやっているから闘争がどろ沼にも入れば、あるいはどこまでもずるずると引っぱってもいけばと、こういう形になる。これは政務次官によく聞いてもらいたい。労働運動というものの本質、あり方というものを、少なくとも今日のあり方というものを、いまの当局がこのように把握していない。権力的に、自分たちが言えば自分たちの思うようになるようなものを模範的と考えていると私には察せられるのです。戦術ややり方について批判する権限はないのです。ここに大船渡郵便局の問題が起こっているということを、これは政務次官によく御理解いただきたいと思う。  それから二番目の資料の要求は、きょうじゅうに無理ということであれば、こいつは私は無理は申し上げません。ただし、またあの人たちのことであるから、いままで調査も何もしないでストップしておるだろうと私は思っている。それをごまかして前からやったかのごとく資料を出す時間を、その余裕を与えたくないということなんです。それほど私は現地に行ってみて、それから局長のきょうの答弁を聞いてみて、仙台の郵政局の人たちの扱いを見て、郵政当局管理系統は全然信用していない。だからいま出せと、こう言っておるのであって、しかし事務的に無理だということは、私はできないことをしいるわけでもありませんので、可能な限り早く提出をしてほしいと、こう申し上げます。
  125. 西村尚治

    ○西村尚治君 ただいままでの質疑をいろいろと聞いておりますと、大船渡郵便局、ここの管理者というのは全く血も涙もない、実に非常識な、一方的な行き過ぎばかりをやっておる。また、今度の処分もたいへんな一方的な行き過ぎ処分であったかのような印象を受けるのでございます。そうなると、非常にこれは問題でございます。特に何かここは気違い部落だ。ここの管理者は、局員を犯罪者にするように指導をやっておるのじゃないかというような話まであったのでございまして、常識では考えられないことですが、いずれにしても、私どもとしても非常な関心を持たざるを得ない。私は、この大船渡局の問題、きょう初めて聞いたわけですけれども、したがいまして、いろいろと聞きたいこともございます。もしいまのお話のようなことが事実だとすれば問題です。しかし、当局が懲戒処分に踏み切るには、よほどのそれは理由があったに違いない。その辺のことをもう少しほんとうは聞きたいのですけれども、今日は予備知識もございませんし、時間もございませんからやめますが、なぜこういうふうな事態が発生したのか、管理者がほんとうに悪いのか、悪ければこれは是正させなければいけませんけれども、しかし、そうならざるを得ない深い原因、根因というものがあったのじゃなかろうか。労務事情また業務事情、そういったようなものに関しまして、私どもとしても十分理解できるだけの資料、何か参考になるものを出していただいて、きょうは時間がありませんので質疑はいたしませんが、そういうものを適当な機会に出していただく、これをひとつお願いしておきます。
  126. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 何だか終わりになったような雰囲気だが、そうじゃないんだよ、これからだよ。それで、十三日に処分をしたときに、地元じゃなくて、仙台郵政局からわざわざ十一人も動員して記者発表をしている。その記者発表には次のように言うています。これは対外的に発表したんだから、これを中心に私は要約してお尋ねします。四十二年年末闘争において管理者に対し暴力をふるい、これが一点。暴言を浴びせ、これが二点。あるいは集団で抗議する等の違法行為を行なったものを問責したもので云々と、懲戒免職は郵政大臣、その他の処分は仙台の郵政局長処分したんだと、こういう記者発表しておる。それで私は伺いますよ。暴言を浴びせ、というのは、どういうことです、具体的に、この処罰に値する暴言を浴びせ、というのは。
  127. 山本博

    政府委員(山本博君) 私のほうが暴言というふうに考えますのは、ただ世上よく伝えます「ばか」とか、「こんちきしょう」とかいうものを直ちに処分の形で暴言というふうには取り扱っておりません。たとえばその場の状況で非常に身体をまわりの人にたくさん囲まれて威圧を感ずるような状況のもとで、月夜の晩が毎日あると思うなよというので、みんながそういうことばで、管理者がそれによって精神的に非常に重荷を感じたり、あるいは脅迫的な受け取り方をする、あるいはこれはしょっちゅう、向こうのほうの地方で使われるのかどうかはわかりませんけれども管理者が言われているケースで一番多いのは、大船渡の月が明るいと思ったら間違いだぞということとか、大船渡の海は深いぞとか、立っていられないぞということで、精神的に相当な圧迫感を感ずる、こういうものだけを取り上げております。
  128. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 大船渡の海は深いとか、月夜ばかりじゃないとか、これは一般的に欠けるときもあれば、満つるときもある。そう言わせた相手の挑発的な言辞をどうするか、それを確認しているか。
  129. 山本博

    政府委員(山本博君) こういう事例では管理者のほうが先に挑発をするというような事態は確認いたしておりませんし、また、数からいいましても、そういうことはほとんどあり得ないのではないかと思っております。
  130. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 それは一方的な調査です。だから私は結論に、政務次官にここで約束をしてもらいたいのは、冒頭に、調査をした、処分にあやまちがなかったと郵政大臣は言うたが、その調査、再調査は、私はこれは信頼がおけない。そこで、こういう一方的な調査、あくまでもこの処分を正当づけるような一方的な材料だけの答弁は、これは全然納得がいかない。管理者がいかに理不尽であるか、私はあえてクレージーと言った。常軌を逸している。具体的に伺いながらその実例を示しましょう。最近の例でいきましょう、たくさんある材料は。実は釜石市に甲子という郵便局がある。この局長が三月二十三日の朝午前六時三十分に首をつって自殺をしておる。いいですか、大事な局長ですよ。この縊死して果てた自殺の原因は那辺にあるか。人事局長はどう掌握しておるか。
  131. 山本博

    政府委員(山本博君) 報告を受けた記憶はございますが、内容について十分検討いたしておりません。
  132. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 どうも逃げてばかりいるので、はなはだ私も困るわけだ。その原因はあるんです。あるから死んでる。しかし私はここで死屍をむちうつことはやめます。遺族に対するエチケットもあります。死屍をむちうつような問題の展開は一切慎みます。しかし、少なくとも郵政監察盛岡支局の郵政監察官が監査をしておる、総死の前日の夜までに。こういう事実、これは事実だからしょうがないでしょうね。それだけを言うておきます。いままで大野局長あるいは古川その他の管理者は、抗議による発言がすべて暴言という定義を下しておる。大野局長の次のことは暴言じゃないかどうかを私は伺いたい。これは高橋次官に、判断をして御答弁を願いたい。この甲子の郵便局長の死んだことに関連してですよ、いいですか、次官、聞いていてください。知らなくてもいいんだ、いま聞いたことだけのことですから。その三月二十三日の午前六時半に死んだ翌日の二十四日の日に、昼さがりに、大船渡の会議室で、大船渡郵便局の職員が多数集まっておったところに大野局長が入ってきて、三部地区委員に対して次のような言辞を吐いております。甲子の局長を自殺さしたのは、組合にいじめられたためなそうではないか、君の名前も遺書の中にあるそうだ、こういうことを言っている、満座の前で。で、この指摘された三部君というのは甲子局の出身ですね。それで、これは非常に本人にとっても重大な名誉棄損であり、人権侵害の暴言であるので、直ちに郵政監察盛岡支局長にその点について抗議を発したところ、遺書はない、そのような発言があったとしたら、これはきわめて適正を欠く暴言であると言うておる、こういう男ですよ、大野局長という男は。この経過を踏まえて大野局長みずからがむしろ暴言の中心者ではないか。これは人の集まっているところへ来て、集団の中で、やみ夜を覚えておれとかなんとか言ったのとは違って、集まっているところへみずから来て、来たところへ、その甲子から来た男に、首をつったのは組合員にいじめられたからだそうだ、遺書の中には君の名前が出ているそうだ。——精神的拷問じゃないですか、暴言じゃないですか。これはささやかな一つ事例を私は取り上げて言っておる。こういうことが日常の大野というこの男の言動のすべてなんです。われわれが行ってもほんとうの話はしない。県会議員が行っても会わせない、新聞記者が行っても会わせない、こういう事態です。この男が、たとえばこういう場合に吐いたこのことばは暴言と私は思うがどうですか。
  133. 高橋清一郎

    政府委員高橋清一郎君) いわゆる常識的な判断からいたしますれば、これはもう穏当ではない発言内容だと認めます、お説のとおりの過程を経た事情であることを前提にいたしましてのことでありますが。したがいまして、先ほど大臣発言いたしましたが、近く大船渡へ実情把握のためにだれかやろうということを申しておりますので、その際、それらのいまの内容につきましてもよく調査してもらいたいと思います。
  134. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 記者発表した、暴力をふるい、というのはどうですか。第三者に与える印象はどう受け取られるでしょう。首を切られた理由は、第一に、暴力をふるい、とあげておりますね。これは仙台から印刷して持っていった、現地へ。そうして仙台の印刷したものを記者会見で発表している。その第一の理由は、暴力をふるい、——四十二年の年末闘争において管理者に対して暴力をふるい、——暴力をふるい、といえば、傷害事件、一ヵ月か何カ月かわからぬがたいへんなけがをさした。そういう印象を一般市民は受けるでしょう。そうじゃないですか。その、暴力をふるい、とは懲戒免にはどういう具体的な事実をもって該当したのであるか。これは次官に聞いてもしょうがないから、人事局長懲戒の具体的な、佐藤広一に当てはめて、暴力をふるい、とはどういう場合に暴力をふるって傷害事件を起こしたか。
  135. 山本博

    政府委員(山本博君) 暴力ということばを行政処分で使いますときには、これは刑事上の暴力行為というのとは多少趣が違いまして、刑事上の訴追というようなものと結びつきませんでも、いわゆる職場秩序全体の紊乱という意味での懲戒処分の対象としての暴力行為というように、もっと厳密にことばづかいをしますならば、暴力行為のほうが適当かと思います。暴力行為というものを郵政省としては使っております。で、佐藤広一君の場合の暴力行為というのは、たくさんの人と一緒に、課長に対しまして数回にわたりまして集団の中へ閉じ込めまして、体の行動の自由を奪いまして、行動の自由を押えつける、あるいは行動の自由を奪う意味でからだを押えつけるというような、行動をできないようにした。動こうとすると、それに対してひじでそれを動くたびに、あるいはその状況から脱出しようとするたびにひじを強く押し出して押し戻す、あるいは中へ閉じ込めてひじで押えつける、そういうふうなことが再三行なわれておりましたのを暴力行為というふうに判断いたしております。
  136. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 処分説明書には、暴力行為——確かにそのものを読んで見ると、「腕組みし両ひじを動かしながら再三にわたり管理者の胸等をこづきあるいは自己の手のひらで管理者の胸を強く押す等の暴力行為を行ない」とありますね。第三者には暴力をふるいといっていますね。非常に私はここに作為的なニュアンスの相違を指摘せざるを得ない。これはまた一方的な管理者側のデータで、あなたはそれを確認して国会で答弁をしているわけですか。その当事者からその客観的な事実というものを確認していますか。
  137. 山本博

    政府委員(山本博君) 先ほども言及いたしましたけれども処分をいたします際には、両当時者の事情を聞いてから処分するということは従来ともやっておりません。ただこれは必ず第三者機関、いわば人事院で公平審理にかかる可能性が非常に多いのでございます。あるいは、ひいては裁判所の問題に取り上げられるという場合も非常にケースとして多いわけでございます。したがって恣意的にやっておりますと、こういう際に必ずその処分の正しさというものか破れてしまう、あるいはそのことによってひいては処分というもの、あるいは人事というもの、そういうものの正しさというものが一般の職員から疑われるということになりますと、これは非常に困った事態になりますので、処分をするときには、これは常々各地方の責任者にも申しておることでございますけれども、将来の人事の権威というもの、あるいは第三者機関にかかったり、裁判にかかったりする場合にも、決してこれが破れないだけの確証、確認、そういうものがあった場合に、初めて処分ということに踏み切るようにという指導はいたしております。それが先ほど申し上げましたように、処分をする場合には、その管理者の恣意だけでなくて、必ず将来問題になったときにそれを確認できる、あるいは複数以上の人がそれについて証言ができる、そういう状況というものをとっておいて、それで処分をしろということにいたしております。したがいまして、当事者からそれを、状況を聞くというような形のものは処分の性格上いたしておりません。
  138. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 だからお互い管理者同士が現認、現認と叫んで、そうしてその暴力をでっちあげているという積み重ねですよ。それで管理者側の暴力というのはなかったでしょうか。
  139. 山本博

    政府委員(山本博君) 聞いておりません。
  140. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 だからとっても信用できないのだよ。一、二例を人事局長に聞かしておきます。十二月三日午前九時三十五分だ。いすに腰かけて仕事をしていた休石主事、これを菊田貯金部管理課長、猪越郵便課長等がいすに腰で体当たりして左に倒しておる。また、その場にいた局長は、倒れたと同時にその主事に向かって、きさま主事だろう、覚えていろと言っておる。これは十二月、前の日の二日の午後一時十分。菊田管理課長が、気違いやろう、ばかやろう、おれは軍隊にいたことがあるとか、わめきながら大友康弘、金野勲外四名、合わせて六名に体当たりをして歩いておる、午後一時十分だよ。同じ日の午後一時十五分ころ、保険課外務員の石橋力が郵便外勤室に用事があって入って来ると、猪越郵便課長が、きさま何だ、出て行けと大声で叫びながら郵便外勤室入口から暖房器のあるところまで約二メーターぐらい体当たりではね飛ばしておる。十二月三日の午前九時——まあいろいろありますがね。こういう事態をどうです。勤務をしておる者、勤務をする部屋に入って来る者を二メーターも突き飛ばす。これが暴力行為ではないでしょうか。全然人事局長管理者側のこういう事実を知っていない。処分はきわめて一方的である。知っていなければ、いまからでもその事実を確認すべきである。暴力的な行為で佐藤広一君なる者が警察にひっくくられた。同じ暴力行為で首を切られた永井君がやっぱり引っぱられた。ところが佐藤君の暴力行為の、警察のその暴力事犯の時点は一月十六日です、いいですか、人事局長。しかし永井君のは十二月だ。同じ懲戒免の対象者で、懲戒免をしたあとの暴力で警察が発動しておる。そのことと懲戒の中の暴力的な事実との混淆を一体どう説明します。あなたは警察で取り調べをしたということに対しては、そのことだけは知っているが内容は知らないと言っておる。知らなければしようがない。事実上は一月十六日の暴力行為として警察が取り調べをしておる。だからこれは懲戒免になったのが一月の十三日なんだ。一月十三日以前においては警察も発動する対象がない、いいかね。出どこはどこだ、大船渡郵便局の管理者だ。首を切るときには抽象的に暴力行為等々と言いながら、現実に刑事的な問題として取り上げた場合には、それが対象にならない一月十六日である。一体この懲戒免をする理由がどこにあるんだ。非常にその点について私は疑問に思うわけです。その間の点をどういうふうに人事局長は理解しますか。
  141. 山本博

    政府委員(山本博君) 警察がどういう内容でどういうことを取り調べたのか、また、それがどういう時点の問題を取り上げたのか、それは先ほど申し上げたように存じませんので、懲戒との関連がどうなっておるかということの説明は私の現在持っている知識ではいたしかねます。ただ、佐藤広一君が処分を受けましたのは、実は、先ほど問題になりました暴力行為ということだけではございませんで、実は発端になりますのは十一月二十四日から、終わりは十二月二十六日まで、約一カ月間のもろもろの行為を総合いたしまして処分ということに踏み切ったわけでございます。そこで、昨年の年末におきましては、全逓との間では、十二月五日に問題は全部解決をいたしまして、全国の郵便局では十二月五日以降非常に順調に郵便物の排送が行なわれまして、全逓でも、ことしは非常に大きな成績をあげたということをともどもに喜び合った状態であったのでありますけれども、大船渡におきましては、十二月五日以降におきましても、十二月二十六日までの間、いろいろな形で紛争が長引きまして、局内が平静な状態にならなかった。そういう事情の中でいろいろな問題がございました。それで処分という形に総合的になったわけでございまして、警察のほうの関係というものがなくても、こういうことになったと思います。
  142. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 もろもろの事情、総合的に勘案してと言うからわからぬのですよ。暴力と言えば一体、管理者側の暴力は知らぬ、そうして労働組合側の暴力だけをあげつらう。それじゃ話にならぬですよ。偏見からくるこれは不当処分です。そう言われてもしようがないでしょう。そのためには私は、政務次官に、大臣がいないからはっきりと約束をしてほしいのは、処分についての検討を、あなたは三月五日の衆議院の社労委員会で「私なりに」十分検討します、云々の答弁がありましたね。再度検討したい、「政務次官の微力ではございますけれども立場を利しまして御趣旨に沿うように善処いたしたい、」、検討すると約束をしておる。そこで郵政大臣は検討したが、処分には間違いがなかったような答弁を冒頭にされましたけれども、だから、大臣がおれば一番いいのだが、いないから、政務次官にはっきりとこれは確約を促すわけでありますが、一方的な管理者側の処分理由書を見て、形式的にそれを再確認するようなものは、これは検討に値しないわけです、あなたの言う。必ず客観的に、相手側である全逓の組織の意見も聞く、処分をされた者の意見も聞く、そうしなきゃ片手落ちであるということは、いままでの質義を通じても明らかになったはずです。暴力はむしろ、私から言わせると、労働組合よりは管理者側にその責めがある。そういう点をやはり十分、双方を対象にして、これは経過をつまびらかに検討しなければたいへんなことになる。すみやかにその両当事者に対して公平に検討を加えて、その結果、いつごろまでに参議院ではこの委員会でお聞かせ願えるかの見通しをつけ加えて伺っておきたいと思います。
  143. 高橋清一郎

    政府委員高橋清一郎君) 渡辺委員のただいまの御発言は、きわめて事重大でございます。先ほど速記録の御引例がございましたが、その中にも書いてありますように、政務次官、きわめて微力であります。したがいまして、大臣に対して、本日、いまのこの種の件について御言及になりました渡辺委員の御質疑内容、並びに、先ほど、よく政務次官聞いてくれというお話ございました鈴木委員の御言及内容等は、そのまま大臣にお伝えします。一応権威のあるものにいたす意味におきましても、私が大臣の御意向をお聞きしまして、次のもよりの機会に御報告申し上げるというのが、一そう裏打ちとしてはいいんでなかろうかというような気がします。先ほども言及しましたが、いずれ大臣の側においてどなたかを指名しました上で、調査のため、特に意欲を持ってくれまして、非常な、よし特に勉強してみようという気持ちになっていただいたということは、大臣発言をお聞きくださいましたので、御存じのとおりでございます。それだけの意欲をお持ちでございます大臣のことでもございますし、あとう限りの善処はとるのでなかろうかと思いますけれども、この場で私が、いまのきわめて重大な御発言内容でございますので、直ちにいつの期間にそれじゃこうこういたしますということは、あまりに身を知らざるものであるということで、この程度の答弁でお許しを得たいと思います。
  144. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 こういうときにあまり謙遜なさらないように。ひとつ私らは、やはり局長の上に立って、大所高所からものを正当に判断し、善処される最高責任者に次ぐ立場にあられると思うので、期待をし、万幅の信頼を込めてお願いをするわけであります。いつの幾日までその処分の再検討を、日にちを約束を願えないことは残念であります。では、これ以上はその点はいたし方ないと思います。ただ、現地調査郵政省本省の責任において派遣されることは了解をいたします。その場合に、繰り返し政務次官に確約をしていただきたいのは、単に現地調査の際は、管理者側の事情聴取、確認等に片寄ることなく、労働組合側及びその被処分者をも公平に再検討の対象にされた上で、その再検討の資料を踏まえて本委員会で報告していただきたい、そういう内容で善処をしていただく、そう理解していいでしょうね。
  145. 高橋清一郎

    政府委員高橋清一郎君) 先ほど来の両委員発言内容については、もちろん速記録を調べれば全部わかるわけでございますけれども、そういうのは時間もかかりますので、いち早く大臣にそのまま御趣意のほどをお伝えしますというお約束を申し上げたのであります。いま、両者から云々、あるいはいつの幾日に等々の、諸問題解明の場に、はっきりした言質をいたせという御要請につきましては、お許しいただきたいということであります。
  146. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 これ以上政務次官を苦しめてもなんでありますから、いずれこれは内部的に政務次官が大臣に、この委員会から予算委員会に行ったあとのことについては、よくお伝えをいただきまして、そしてこの再検討の場合は、具体的に私が二、三事例をあげましたように、暴言、暴力等は決して労働組合側にこれは寄せられる筋合いのものではなくて、むしろ管理者側にこそ暴言なり暴力の事実があるのに、当該人事におきましては、その事実は私が指摘するまで知らなかったという事態にかんがみて、やはり公平を期するためには、この処分の経過を再検討するにあたっては、その対象である労働組合及び被処分者をも含めて、公正にこれは再検討をするということで大臣に進言をし、その実現をはかっていただくことを強く期待します。大臣がいませんからもう私の質問はこれで終わりますが、大体このような事実を曲げて、そして労働者を弾圧し、組織の分裂をねらうような処分をやるから、先ほど指摘したように多くの市民から反撃を買って、事業の運行がうまくいっていない実情にいま大船渡郵便局が置かれているわけであります。郵便局を利用する大多数の国民が、一般の零細市民労働者であり、農民であるというこのことを忘れて事業をやっては断じていけないと思います。郵政大臣に対して、きょう審議をした経過で明らかなように、今回の大船渡事件不当労働行為に対して強く反省を求めるとともに、即刻処分の取り消しを要求して私の質問を終わります。
  147. 鈴木力

    鈴木力君 一言。さっき局長の佐藤広一さんの処分理由を説明された中に、何か全体に全逓との闘争の終結がついたあとに、大船渡だけ闘争しておった、そういうようなことも佐藤広一さんの処分理由になっているのだという意味の説明があったと思うのです。これももう少し丁寧に事実を全部調査をした報告をしてもらいたいのです。これはわれわれに入っている報告は、なぜ大船渡だけが闘争が延びたか、年末集配事務の予算が、大船渡だけが——よそは手がつけられなかったのに、何でも十万円とかの予算を削減されたのだ、その十万円の予算を削減されたことで、この闘争があそこは結末がつかないで延びておった、こういうふうにわれわれは聞いておるのです。そこのところを抜いて、大船渡だけ闘争が延びた、これが処分理由でございますと言われると、どうも少し、ますます一方的で、こういう事情がたくさんありますから、いま渡辺委員が申されましたように、大臣は公正に全部の資料を出してみて、公正な判断ができるように、私のほうからも御要望を申し上げたいと思います。
  148. 高橋清一郎

    政府委員高橋清一郎君) きょうの委員会におきまして、いろいろな事件の内容等の御提示がございました。大臣もおそらくはもろもろ、各委員からお述べになりましたような新しい問題の提示がございましたので、よしそれならばというような意欲的なものを持たれたのでなかろうかと思うのです。したがいまして、大臣の冒頭述べられました、再度検討いたしますということについての結果報告を除きまして、近く派遣いたしまして調査する内容というものは、いま委員会でるる御説明に相なりました、御提示に相なりました新たな問題を対象にして、特に勉強さしていただきたいということだけ申し上げておきます。
  149. 森勝治

    森勝治君 本来ならば、このあと私が発言通告をいたしております関係上、質疑をさせていただきたい、このように考えておりましたが、昼食抜きでただいままで熱心に質疑が繰り返されたわけでありまして、予定の時刻をはるかに超過いたしておりますので、残念ながら、私の本日の質問は次回の委員会にひとつお許しいただきますよう委員長にお願いをしたいと思うのであります。  そこで、最後に申し上げますが、郵政当局にはまことに失礼な言い分でありますが、全くこれは管理者側の一方的な、いわゆる一方交通の情報資料のみを手に入れられておりまして、従来まじめな職員側のことばに耳をかそうとされなかった、まだまだこの問題については、解明しなければならぬたくさんの問題があります。考えてみますと、大船渡という小なる部局の問題かもしれませんけれども、これを大局的見地から見まするならば、郵政事業の今後のあり方を示唆する、極論いたしますれば、その動向を決定する、こういうような問題も内蔵いたしているわけであります。したがって、先ほどの郵政大臣の言明、ただいまの次官のお話にもありましたように、渡辺さんからも、私どもからも、きょうは新しい事態を二、三——時間がありませんから、ごくかいつまんで出しましたけれども、このことによっておそらく担当局長であります人事局長の胸はまことに複雑なるものがあるだろうと私は思うのであります。したがって、大臣もこの問題について善処を約束され、再調査をして、具体的な解決への方途を発見されようとする言明がなされたわけであります。したがいまして、私どもこの事件が一日も早くすみやかに終息をし、大船渡の局が明るい職場を取り戻すことができますよう、次回の委員会に私の発言の機会を与えていただきますようお願いを申し上げると同時に、以上当局側に今後ともこの問題について積極的に事態解決の方途を発見して努力していただきますことをひとつ希望して終わります。
  150. 久保等

    委員長久保等君) 他に御発言もなければ、本件に対する質疑は本日はこの程度にいたします。  次回は、四月九日午前十時開会の予定とし、本日はこれにて散会いたします。    午後三時四分散会