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田中寿美子君 実は、もう時間がありませんで、私も五時半ぐらいまでしかおられませんから、もう
戸田委員や木村委員から私の言いたいことも大
部分言っていただきましたし、それから、昨日も多くの委員から問題は出されておりますので、重複しないところだけを少し伺いたいと思います。で、労政
局長、急がれるようですから、私いま質問の順序とちょうど反対で、労働問題を一番最後にやろうと思いましたけれども、ちょっと関連したところだけ最初に言わしていただきますと、さっきの
戸田さんのあげられた事例というのは、不当介入であるかどうかはわからない、抽象論では不当介入をしてはいけないということを言われたわけなんです。まあ
法律というものはそういうものですから、幾らでも逃げ道もありますが、かりに不当介入でなくても、事実としても好もしくないようなやり方で、
大蔵省の検査官が行って、そして
相互銀行なり
信用金庫なりでその意見を述べるというようなことは、心理的な作用をその
企業に与えるわけですね。それで、自主的にその
企業が労働者に向かって圧力をかけるという状態になると思うのですね。そういうことが好ましくないということを私は特に申し上げておきたいのですけれども、そこで、さっきから
戸田さんがたくさんの事例をあげられました。で、これに関連しまして、
信用金庫、あるいは
相互銀行などにもあると思いますけれども、そこに働く婦人労働者に対しての差別の事例がたくさんあるわけです。これは基準局の問題でもあると思いますけれども、これも
大蔵省なり財務局のほうから押しつけたものではないから不当介入でないということになるかもしれませんけれども、たとえば私はここに東京
信用金庫の例を持っておりますけれども、ここはわりあいに大きなところなんですね。預金量も五百二十三億円、労働者は全体で六百五十三名、店舗の数が十七で、都内で第三位ぐらいの大きさのところなんですね。それであるのにもかかわらず、賃金の平均ではほかより低い、それから、男女の賃金は全部違いがあるわけなんですが、一人当たりの預金額というのはほかの
銀行に比べて多いのですね。つまり非常に労働が強化されて、非常に働いているわりに賃金が低いという状態の中でいろいろと差別が行なわれているわけなんです。これは憲法でも、男女の平等の待遇、平等に扱うべきであるという本来の原則がありますし、労働基準法でも男女は同一賃金の原則があるわけなんですけれども、ここではいろいろのことで、たとえば賃金の男女差はもちろんですが、女だから低くするというようなやり方ではないだろうか。賃金体系は同じでも、女性は一級職に常に格づけしておる、男子のほうは二級職というように、格づけを違えてしまって事実上の差別をするということが行なわれている。それから、結婚退職ですね、これを四十一年度から、女の人が入ってくるときには、結婚したら退職するという誓約書を入れなければいけないということを指示している。それから、出産した婦人の例がございますけれども、この人を外勤に回して、そのために健康を非常に悪くして死産をするというような事例があったりして、つまりいま母性保護ということをやかましくいわれて、ILOの勧告にも、家庭の責任を持つ婦人が働けるようにしなければならないといういろいろの勧告をしているのにもかかわらず、それと反した
方向に労働
条件が進んでいっている。それから、さらに、
御存じでございましょうか、一人の女の人が職業病としての認定をしてほしいということで労災保険認定請求を出した、そのことは
御存じでごさいましょうか それは基準局のほうだろうと思いますけれども、これは非常に過労で、いつも同じようなかっこうをして同じような
機械を扱っているために、非常に肩と首と腕とが痛んでいたたまれないようになって休んだのに対して、これを労災として扱ってほしいという請求ですね、これに出ておりますけれども、一向らちがあかないようですが、これはどうなっているかということ。それから、希望退職を募って、四十歳以上の男子と、それから、二十六歳以上の女子職員、あるいは共かせぎの女子職員に希望退職を募るというようなことで、すべて女性に対する差別の待遇が行なわれているんですが、こういうことは労働行政をあずかるものとしては、まずこれはある
部分は違法であり、また、好もしくないというふうにお
考えになりますでしょうね。