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木村美智男君
長官は、
施設をある程度この際変えていくという態度を
長官のほうで出されたように私は思うのですけれども、そのことが間違いならば、あまり詳しいことを議論する気はないのです。なぜかといいますと、だいぶん
水質検査までやって結果も出てきているわけです。その結果やっぱりもう
施設そのものに問題があるというところに事態は実はきておるもんですから、ただ
ビニールの話か何かされると、必ずしもこれは
施設の根本問題に踏み切ったわけでもないのだなとも感じられるわけです。
ビニールじゃやはりこれはしょっちゅう破れるから、たいへん問題なんですよ。したがってやはりこの際、
施設そのものを変えるのだという
立場にぜひ立ってもらいたいと思うのです。私、実はずっと
検査をやった結果が出ておるので、ちょっと御披露します。一月の二十七、二十八の二日間に、大体
汚水が一番よけい出るとき、通常のときと区別して、十一時あるいは十二時半、十五時、十七時と四回ぐらいに分けて
検査をした。ところが例の
PHについては、これは
PHというのは
飲料水ならば大体五・八から八・六ぐらいが標準だそうであります。この点からいうと、この
汚水処理をした結果の水というものは、つまりアルカリが多いのか酸性が多いのかという問題ですね。これについては大体普通六.八二とか、ここら辺が出ていますから、これはまあ問題ないということに一応
検査の結果が出ている。ただ
透視度の問題は、これは
規制値はないけれども、非常に濁っているという
関係が出ています。これはどういう
やり方をやって、どういうのかという詳しい
説明は、きょうは省略しますが、原水を三十センチくらいの管に入れまして、下に字が書いてあって、その字が上から見えるところまで水を抜いていく。そしてその度合いによって、これはきれいになった、きれいにならぬという、こういうはかり方をする
透視度というのが、大体五から七ぐらいですから、これはちょっと悪い。つまり五センチぐらいから下に字の書いてあるのは見えない、こういう
状況ですから、
相当濁っているという結果が
一つ出ている。それからサスペンスソリートというのですか、
浮遊物ですね、この
PPMで申し上げますと、これが大体五三、六一、六三、六五というのですから、七〇がこれは
規制値ということになっていますから、大体これはいいだろうという結果が出ている。ところが
BOD――
生物化学的酸素要求量、これは
普通水道水の場合はゼロなんですが、これが非常に悪い。大体これは二〇から三〇ぐらいまでが
高級処理をしたときの
数値になっておる。ところが、ここの場合は
処理水が三〇どころじゃなくて四八が最低、五〇から五九、最高になると七五、これが
BODの
数値として出ているわけです。
問題点は要するに
透視度の問題とBDO、この
二つからいって、どうもこれは問題じゃないかということになってきまして、私も多少
清掃法などをひっくり返して見ましたら、これはやはり
清掃法の
施行規則の九条にあるのですが、「
放流水の
生物化学的酸素要求量は、三〇
PPM以下であること」というのが、今日の
清掃法の規定なんです。それから推してみましても大体三〇以下でなければならぬのが四八、五七、一番高いのは七五というのですから、これはやはり本来ならばこれは川へあるいは流しちゃいかぬ性質のものだともいえるわけなんです。ただ
あとのほうで「
環境衛生上又は利水上支障を生ずるおそれがない水域に放流する場合には、
放流先が
河川等であるときは六O
PPMまでは許容される」ということになっているわけです。ところが、この結果、七五という
数字が出ているということは、川へ流してはいけないというものが現実に出ているわけで、この
汚水処理自体がよろしくないということを
意味していると思うのです。ぜひこの点は
ビニールとかという話でなくて、根本的にこの際、
施設そのものを改革するというところにひとつ
施設庁として踏み切っていただきたい。それでないと、実は私、この問題の
解決になっていかないような気がするのです。なぜ、そういうふうに申し上げるかというと、実はこれの
試験をやった結果、また先ほど
長官も言われたように、
散水ろ床方式の現在のやつじゃなしに
活性汚泥方式、これを使えばまず
においがある程度消えるに近い
状態が
一つできるということ、それから
ハエの発生を最近の
活性汚泥方式によれば大体
防止できるという
二つのことが、実際
設計者の最近の実績の中から、そういうことが立証できるようになってきた。きわめて進歩している。こういうことを私、実は聞いているものですから、したがってそこまで踏み切っていただかなければ、ちょっとも
解決にならぬから、そうしてもらうことがいいじゃないか。
長官も言われたように確かに
騒音の問題があるのです。しかし、これは
施設の
やり方であって、これを二階建てにして下へ埋めちゃえばいい、地上に出しておけば確かに
相当の
騒音になるけれども、下へ埋めることによってこれはもうほとんど何というか、多少のことはあるが、
騒音といわれるような
状態にはならないということが、この機械を備えつけた人の
実験によって実証されているというところまで私聞いているのです。それは、ひとつ
あとでまた、その
設計者のほうの
関係も、
施設庁のほうで踏み切られるならば、呼んでいただいて、
十分検討をしていただきたい。そういうことで、この際まあ一挙に――実は、この問題はやはり長い問の
懸案事項で、区のほうも七十万ぐらいの薬を毎年毎年まいて、またことしも、来年もということでは、やり切れないという。都は都でもう
米軍との
関係ですから手の打ちようもない、お手上げです。もはや頼りになるのは
長官のところしかない。そうすれば、もうここで
長官のところでやはり踏み切っていただく以外に手はないというところへきているので、予算その他の
関係もありましょうけれども、この際、
方針をひとつそういうところに立てていただいて、具体的には金の相談になるだろうと思いますから、それはもうここ半月や一カ月でどうこうということはできぬと思いますけれども、具体的に
方針をきめて、
施設庁としてこれに取り組んでいただき、ここまでぜひしてほしい。そのためには、いまのもう
末端における三
者構成の
会議というのではやはりだめだから、この際、上へ持ち上げて
日米合同委員会の
施設委員会ぐらいでやってみて、どうしてもらちがあかぬということになれば、これはひとつ
日本側が国内の
公害問題として主張するという、そこへ踏み切ってもらう以外に、これは
方法がない。こういうふうに問題が非常に複雑であることもよくわかるのですが、もうこれは、
施設庁長官の決断に待つ以外にないような気がするものですから、ひとつ基本的にそういうふうな
立場でいかがでしょう。