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1968-04-17 第58回国会 参議院 産業公害及び交通対策特別委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年四月十七日(水曜日)    午後一時二十五分開会     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         松澤 兼人君     理 事                 山内 一郎君                 横山 フク君                 戸田 菊雄君                 原田  立君     委 員                 楠  正俊君                 紅露 みつ君                 菅野 儀作君                 土屋 義彦君                 宮崎 正雄君                 柳田桃太郎君                 小平 芳平君                 瓜生  清君    政府委員        内閣総理大臣官        房陸上交通安全        調査室長     宮崎 清文君        警察庁交通局長  鈴木 光一君    説明員        通商産業省重工        業局次長     本田 早苗君        運輸省自動車局        整備部長     堀山  健君        建設省道路局次        長        吉兼 三郎君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○産業公害及び交通対策樹立に関する調査  (交通対策に関する件)     ―――――――――――――
  2. 松澤兼人

    委員長松澤兼人君) ただいまから産業公害及び交通対策特別委員会を開会いたします。  産業公害及び交通対策樹立に関する調査を議題とし、交通対策に関する件について調査を行ないます。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  3. 瓜生清

    瓜生清君 私、きょうは、シートベルトの問題一本にしぼって若干お伺いしたいと思います。  たしか、ことしの四月一日ですか、来年か、シートベルトをつけるような、そういうふうになったということを聞いておるのですが、一体どういう状態にあるのか、伺いたいと思います。
  4. 宮崎清文

    政府委員宮崎清文君) この問題は、御承知のように、運輸省保安基準の改正の問題でございまして、もう間もなく整備部長が参ると思いますので、私も概要は承知しておりますが、整備部長からお答えいただいたほうが間違いなくてよろしいと思いますので、ちょっと御猶予いただきたいと思います。
  5. 堀山健

    説明員堀山健君) 先般御説明いたしたと思いますが、十四項目について現在具体的な規制の条文を検討しておるところでございます。もちろん、シートベルトも当然規制するということで、作業としては今月中に省令化する、こういう手順で作業を進めております。
  6. 瓜生清

    瓜生清君 そこで、そのシートベルトについて、何か、どういう車につけるのかというようなことについて、まだ最終的な結論が出ていないというように聞いておるのですが、その点はいかがですか。
  7. 堀山健

    説明員堀山健君) シートベルトにつきましては、原案といたしまして、要するに、車がぶつかったときの弱いほうの車、大きいのと小さい車がぶつかった場合、弱いほうの車がいろんな被害を受けますので、弱いほうの車につけようということで、原案では乗用車ないしライトバン、こういった種類のものにつけさせる、こういった原案でございます。その後、これは先般も御説明したかと思いますが、各関係官庁及び各メーカー団体車体メーカー団体、部品の団体、あるいは利用者を代表するバス、トラック、タクシー、自家用車、こういう団体にいろいろ意見を求めたものを現在取りまとめておりますので、それぞれの意見がございますが、それについて、現在それを取りまとめて一つの案をつくろうと、こういうことでございます。
  8. 瓜生清

    瓜生清君 そうしますと、大体いつごろまでに省令を出して、対象の車に取りつける期間というものがどの程度かかるのか、その点お答え願います。
  9. 堀山健

    説明員堀山健君) 先ほど申しましたように、この規制項目を提案いたしました十四項目については、ただいまのところ、四月中に規制をいたしたいということで作業をいたしております。なお、二つの点については、ほかの規格がきまらないためにどうしても間に合わない、その一、二点は若干おくれるかもしれませんが、その他のものについては全部四月中にやるということで作業を進めております。  それから、いまおっしゃったことは、おそらく経過措置のことではないかと思いますが、これは、御承知のように、車の対象台数が多くなればなるほど大量生産の車でございますので、手当てが要るわけでございます。そこで、大体規制をいたしました日からおおむね一年ということを一応は考えております。ただ、特に大きな設計変更をしなければいかぬようなもの、そういうようなものが出てまいりますと、それについては一年半くらいかけなければ無理ではないかというものもあろうかと思います。
  10. 瓜生清

    瓜生清君 そこで伺いたいのは、いまのシートベルト生産能力というのは一体どのくらいあるのか、二、三日前に資料をちょっともらったのですが、正確にお答え願いたいと思います。
  11. 本田早苗

    説明員本田早苗君) 生産能力について申し上げますと、自動車用安全ベルトにつきましては、すでに四十一年の三月にJISの制定がございまして、現在四社がJIS工場に指定されて生産する体制にあるわけでございまして、この四社の能力は、現在大体月産で約六十万本ということになっておりまして、そのほかに、なお、JIS工場として生産したいというメーカーすございますので、体制が整えば百万本くらいが月産できることになるわけでございます。したがいまして、生産供給体制としては、ある程度期間があれば十分供給できるのではないかと思います。  なお、つけ加えて申しますと、すでにスポーツ車とかデラックス車等につきましては、安全ベルト標準装備になってついております。普通の型の車では、希望によって取りつけるというような形になっているわけでございます。先ほど運輸省からお話がございましたが、一年程度経過期間があれば十分だろうというふうに御説明がございましたが、新車生産におきましては、新しい型の車を設計するについて毎年新型車というものを出しておりますが、ことしの秋に出します六九年型車につきましては、その出荷の最初の車からすでにつけられるように設計を変えることにいたしております。従来からの設計でつくっております車につきましても六カ月の余裕があれば取りつけ金具をつけられるように、設計を変更して取りつけ得るように生産体制を整えたいというふうに考えております。
  12. 瓜生清

    瓜生清君 これは、えらい突っ込んだことを聞きますけれども自動車の、何といいますか、生産会社等々とも了解はついているわけですか。
  13. 本田早苗

    説明員本田早苗君) 自動車工業会のほうでの安全基準検討の結果、六九年型からはこれをつける。それから従来からの設計でやるものについても、安全基準が間に合えば、六カ月の余裕があれば安全ベルトを装置できるような設計に変えられる、こういうふうになっております。
  14. 瓜生清

    瓜生清君 そこで、新しくつくる車には金具をつけるわけですね。ところが、いままである古い車についての対策というのは、どういうふうになっておりますか。
  15. 堀山健

    説明員堀山健君) これはシートベルトだけに限ってのことでございますね。――これは実は検討しておるようでございます。御承知のように、ベルトをつけますには床に金具がなければいかぬわけです。金具をつけただけではいかぬので、その金具部分補強がなければいかぬ。でありませんと、衝撃を受けたときに、すぽっと抜けちゃう、こういうことがありますので、現在走っている車について、補強ということをしなくて済むような車であるのか、あるいは補強しなければならぬような車が大多数であるのか、その辺をさらに検討いたしまして、大部分補強しなければいかぬということでありますと、新車から規制をするということになろうと思います。
  16. 瓜生清

    瓜生清君 そうすると、在来の車で補強しなければならぬと言ったら、いまから車体構造を変えるわけにいかぬから、そんなものはそのまま放置しておいて、新しい車から取りつけるようにする、こういうぐあいに考えていいですね。
  17. 堀山健

    説明員堀山健君) おっしゃるとおり、技術的にあとからつけ加えて簡単に取りつけられるものなら在来車にもつけるということになるでしょうし、そうでないものについては、無理してつけることは非常に困難だと思います。その辺の見きわめをした上で、ものによっては新車からやる、これは十四項目全部についてそうでございますが、そういう考え方でございます。
  18. 瓜生清

    瓜生清君 そこで、聞くところによりますと、そのシートベルトの問題はそういうふうな計画があるようですが、何か、うしろに頭をもたせかける、安全まくらというのですか、それもJIS規格がまだきまっていないというふうに聞いておるのですけれども、そう点について事情をひとつ御説明願います。
  19. 本田早苗

    説明員本田早苗君) 安全まくらJISにつきましては、四月九日に実質的にきまりまして、現在、官報の告示手続をやっているところであります。
  20. 瓜生清

    瓜生清君 これも、そうすると、あれですか、強制というとおかしいのですが、省令で新しい車には取りつけさせるということになるわけですね。
  21. 堀山健

    説明員堀山健君) これは、十四項目の実質的な中身は、いま通産からお話がありましたJIS基準でございますが、これをこのまま私どものほうの安全基準の中に入れると、こういう形でございます。それで、やはり従来の車も相当ございますが、新しい規格に合った車ばかりではないのでございまして、その選別と、それから新しく出る車については全部規格に合ったものでなければならないということになります。そういたしますと、近くはっきりJISということがきまって、それに基づいて生産がされる。そうすると、対象車両によりましては、やはりあるリードタイムをつけてやりませんと普及ができないということになりますので、先ほど申し上げましたように、ものによって、標準的には一年くらいかかるだろう、それから非常に繰り上げのきくようなものであれば、それより短い時間でできる、これは一にまくら生産体制、こういうことにかかってくると思います。
  22. 瓜生清

    瓜生清君 いま、もう一ぺんシートベルトに返りますが、生産能力が大体現時点では月産六十万、それからことしじゅうには、ほぼ百万ぐらいになる、こういう御答弁があったのですが、そういうのは、何かあなたのほうで生産会社を指定されるのかどうか、あるいはまた、そういう生産会社が、大体いま予定しておられるのは何社ぐらいあるのか、そういう点、わかっておればお聞きしたいと思います。
  23. 本田早苗

    説明員本田早苗君) JIS規格が制定されまして、そのJIS規格の製品がつくれる工場ということになるために適格な設備その他を持っているということで、JIS規格工場として認定されるわけです。そうすると、認定されたものが現在四社ありまして、その生産能力からまいりますと六十万本、そのほかにも生産を始めたいというメーカーもありますので、百万本程度になる。こういうことで、四社につきましては設備その他を確認してJIS工場に認定されておるわけでございますから、能力として六十万本ある。もちろん、現在六十万本の能力がフルに動いておるわけではございませんで、安全ベルト需要の状況からいきまして、かなりまだ低い操業度で操業しておるという現状ではございます。
  24. 瓜生清

    瓜生清君 そうすると、大体年間千二百万本として、一年ぐらいで生産需要に見合うのかどうか、ちょっと私、算術計算でいくと、合わないような気がするのですが、その点の見通しはいかがです。
  25. 本田早苗

    説明員本田早苗君) 現在、この四社の生産の実績は十万本弱という程度の何でございまして、安全基準がきまりまして、実施時期が明示されますと、ある時期はかなりまとまって生産する必要がある、それ以降は、新車やあるいは取りかえ用の需要に見合った生産に落として合わしていくということになろうかと思います。
  26. 瓜生清

    瓜生清君 終わります。
  27. 原田立

    原田立君 私、きょうは、道路照明の問題で、若干お伺いしたいと思うのですが、その前に警察庁のほうにお伺いしたいと思うのですが、新入学児交通規制全国で警官約四万二千人を動員してやったと新聞にいろいろ報道されているのですが、おわかりの範囲でお知らせ願いたい。
  28. 鈴木光一

    政府委員鈴木光一君) このことは、最近四月一日が必ずしも入学式日でございませんので、県によってまちまちではございますけれども入学日から十日間、新入学児童の保護と、それから新入学児童以外でも、長らく休みが続きましたので、そういう観点から、道路交通に対する感覚のズレというものもあるという考え方から、十日間の間、警察中心になりまして、関係機関教育機関を含めまして、一緒になりまして小型の交通安全運動というものを去年からやっておるわけでございますが、いま手元に数字はございませんけれども登下校時の事故というのはほとんど少なくなってきておるわけですが、問題は、帰りましてからの学童園児事故が依然としてあとを断たないという統計が出ておりますので、今後さらに、せっかくの試みでやったわけでございますので、学校教育あるいは母親の安全教育等にそういう面を反映して、登下校後の子供交通事故ということについて、従来からもそういう観点から安全教育をやっておるわけでございますけれども、さらにこの結果を検討いたしまして、そういったものについての安全教育関係機関連絡を密接にしながら実施してまいりたいというふうに考えております。
  29. 原田立

    原田立君 新聞の報道にも、警察庁見解としては、登下校時の事故はたいへん減ったけれども、家庭に帰ってからの事故が非常に多いというようなことが言われておるわけでありますけれども、これはやはり、日本道路事情がよくない、あるいはまた子供遊び場所が少ないというようなこと等から発しているのじゃないかとも思えるわけです。それで、これはただ単に親のほうに注意を与えるというようなことだけではなしに、何かほかにお考えはないかどうか。親だけの注意力を喚起するというのでは消極的過ぎるのではないかと、こう私思うのですが、その点の御見解はいかがですか。
  30. 鈴木光一

    政府委員鈴木光一君) 御指摘の点、確かにあろうかと思いますので、警察だけの問題として取り扱わずに、教育機関道路管理者等も含めた問題として、今後そういう問題についての原因除去ということにつとめてまいりたいと思いますが、私ども立場では、安全教育の面を必ずしも警察がやるということではございませんけれども警察立場からは、安全教育を推進していくという考え方でやっておる次第でございます。
  31. 原田立

    原田立君 先ほどのお話の中で、関係機関ともよく相談してということでありますが、この結果が出たことにより、具体的に関係機関とどういうふうな打ち合わせをなさるのか。その点はどうですか。
  32. 鈴木光一

    政府委員鈴木光一君) 抽象的には先ほど申しましたが、たとえば、子供遊び場が足りないのだということであれば、それぞれの所管官庁がございますので、これは末端にまいりますと知事の問題になろうと思います。そういう方面と各県で連絡さして、末端において、実施機関においてやっていくといううことでございまして、必ずしも中央段階でそれを強力に連絡をしていくということは、いまの段階ではやっておりません。各府県段階で、それから非常に末端的なものでありますから市町村の問題にもなろうかと思います。あるいは、子供遊び場の問題で、たとえば路地等につきまして、路地自動車通行どめというような形で、そういう事実上の遊び場をつくるというような措置も含めて、そういう問題について、末端市区町村をはじめ、その上の段階知事段階等で、処理させるべく、関係府県警察で当然やっておると思っております。
  33. 原田立

    原田立君 おことばを返すようですが、当然やっておるだろう――確かに当然やっておるかもしれない。だけれども、こういうデータが出たときには、今日こうやって交通事故が非常に多いことを、政府自体、全体が取り上げている問題なんですから、こういうことを一つのきっかけにして、関係省庁なりに、その基本的な方向というようなこととか、あるいは具体的に守るべきこと等というようなことについては、やはり具体的に何か指示を与えるようなことは、これは当然国の段階としてはやらなければいけないんじゃないかと、こう私は思うのですが、どうでしょうか。
  34. 鈴木光一

    政府委員鈴木光一君) これは、今度あらためての問題ではありませんで、これはもう総理府中心として、総合対策、そういうことが進められておるわけでありまして、たまたまああいうことをやりまして、具体的な数字が、しかも事故件数という数字が出てきたわけでありますけれども、それが一体何が原因かということになりますと、まだ本庁の段階では、抽象的には総合対策ということになろうかと思いますので、御指摘の点につきまして、さらにこの機会に、総合対策の推進という観点から、総理府中心にした問題として取り上げてまいりたいと思います。
  35. 宮崎清文

    政府委員宮崎清文君) 御指摘学童、幼児の交通事故防止につきましては、実は一昨年の十二月に愛知県の猿投町で発生いたしましたあの非常に痛ましい事故に端を発しまして、早急にこの防止をはからなければならないということから、関係各省庁が集まりまして、昨年の二月でございますが、交通対策本部におきまして、一応、学童園児交通事故防止徹底に関する当面の具体的対策というものを決定いたしております。中身は、先ほど来交通局長も申しておりますが、たとえて申しますと、通学通園路におきます交通安全施設整備をはかる、それから通学路におきましては大型自動車通行を禁止する、あるいは先生御指摘のように、子供遊び場がないために道路で遊んで不測の事故を起こす、そういう事故防止するために、児童公園児童遊園整備でございますとか、あるいは放課後における学校の校庭の開放とか、いろいろな対策をきめたわけでございます。また同時に、小学校保育所、幼稚園におきましても、それぞれ地域の実情に応じた交通安全教育を促進するということもきめたわけでございます。それと同時に、特にこの問題は市町村段階で非常に起こるわけでございますので、市町村に、学童園児交通事故防止に関します協議会を設けさせることにいたしまして、それらの問題を具体的に討議させる、こういう方針を決定いたしたわけでございます。御指摘のように、ただ中央方針を決定しただけでございますと、これは空文に終わるわけでごいまして、この点につきましては、私のほうはもちろん、関係省庁も、都道府県市町村には通達を出しまして、この方針学童園児交通事故防止徹底をはかるように指導してまいっております。しかしながらそれにもかかわりませず、先ほどのお話のように、学童園児事故あとを断たないことはたいへん残念でございますが、一応、たてまえとしてはそういうことになっておりますので、交通局長も申しましたように、もし必要があれば、早急に検討いたしまして、さらに重ねて、いままできめましたことの効果ある実施につきまして、地方公共団体に対しまして指導いたしたいと思っております。
  36. 原田立

    原田立君 こういうふうな運動が行なわれ、具体的な数字が出た、たいへん関係市町村都道府県でもこの問題を心配し検討していることは、これはもう事実だろうと思う。ところが、それが伝わる段階が、新聞とかテレビとかラジオとかを通じてだけしか伝わっていないというようなのでは、まあ、役所のほうは、何か発表すれば新聞やなんかでさっと伝わるからいいではないかというようなことでは、これは無責任のそしりを免れないと思うんです。そういうような意味合いで、私の意見としては、こういうような事故統計等が出たような場合においては、こまめにやっぱり通知なんかを出したりして、もっとしっかりと関心を高めていく、そういうふうにすべきじゃないかと思うんですが、いまの室長の御答弁ですと、必要ならばやりたいというようなことでありますが、必要なことは最初からわかり切った話なんです。ですから、その点含めてお考えをお伺いしたい。
  37. 宮崎清文

    政府委員宮崎清文君) 警察庁におきましては、すでに新学期の学童交通事故防止につきまして通牒を出しております。ただ、全般的にはまだそこまでいっておりませんので、総理府といたしましても早急に検討いたしまして、御趣旨に沿うように努力いたします。
  38. 原田立

    原田立君 交通局長、ちょっとお伺いしますけれども、一月から三月までの交通事故発生件数全国で幾らあったのか。昨年に比べて、死者及び負傷者の実態はどうか。その点いかがですか。
  39. 鈴木光一

    政府委員鈴木光一君) 三月までの交通事故件数でございますが、十二万八千七百四十四件でございまして、前年に比べますと二八・四%増、死者につきましては三千五十一人でございまして、去年に比べまして百四十三人の増でございます。負傷者につきましては十六万二千四百六十三人でございまして、昨年の同期と比較いたしますと三二・一%の増となっております。
  40. 原田立

    原田立君 たいへん負傷者が多くなっていることは、これは非常に嘆かわしい問題だと思うんです。それで、交通安全運動等、あるいは取り締まり等、せっかく御努力中ではありますけれども警察庁として、去年と比べて今年は非常に多い、このことについて、今後どういうふうにあってほしいかというような点の御検討はなされましたですか。話によると、このペースで交通事故がふえると、五十年後には日本人全部がオール交通事故にあうというような、そういうふうなことまでも言われておるたいへんな問題なのですが、この点のお考えはいかがですか。
  41. 鈴木光一

    政府委員鈴木光一君) 御指摘のように、関係各省のいろいろな施策にかかわらず増加しておることは、まことに遺憾でございますが、われわれの立場では、やはり従来の総合的な安全対策というものをさらに強力に推進していくその一環として、警察として何をするかということになるわけでございますが、警察といたしましては、やはり大臣所信表明にもありましたように、交通事故についての分析をやりまして、その中で、一つは、交通事故が非常に多発している地点、区間についての事故を分析いたしまして、それに集中的な施策を講じていく。それから交通事故の主たる要因――まあ、いろいろな原因があるわけでございますけれども、その中から、酒酔いによる事故と、それから御承知のように追突事故が非常に激増しておりますので、この二つをとらえまして重点的に対策を講じていくということを考えておるわけでございます。それからさらに、やはり警察の面での安全施設整備充実ということ、これはもう、さらに推進していかなければならぬわけですが、そのほか、街頭に極力警察官を出していくということで事故防止をはかっていくというような重点的な対策を講じていく、非常に事故がふえておりますし、また、警察の取り扱う対象事案というものが非常に大量化しておりますので、なかなか思うように警察官街頭に出られない面がございますけれども、極力街頭警察官を進出させて交通指導取り締まりに当たらせるといったような、従来からやってきておる対策を重点的に、しかも効果的に推進していくということだと思います。警察としてはそういうことでございますが私ども考えといたしましては、やはり総合的な――かねて当委員会でもそういう観点からいろいろ御指摘があったわけでございますけれども、総合的な対策を効果的な対策を、講じていくということ以外にはなかろうかと思います。
  42. 原田立

    原田立君 まあ総合安全施設を確立していかなければいけないというような御意見のようですが、警察庁としてはその程度のことであろうとこう思うのですが、ある一部の意見としては、もうすでに、日本では交通事故などの場合に、事故が起きてから安全施設をつくる、何か問題が起きてから道路の改装をはかる。こういうように後手々々になっている、道路行政が、幾らこんなに一生懸命やっても交通事故が減らないのは、それが大きな原因ではないかと、こういうふうな意見があるのですが、道路局長さん、いかがですか。
  43. 吉兼三郎

    説明員(吉兼三郎君) ただいまのお尋ねの件につきましては、たびたびいろいろお答え申し上げておりますように、現在の日本の置かれている道路環境といいますものが、非常な車の伸びと道路整備というものとのアンバランスという異常な事態にあることは、くどく申し上げることもないと思います。ここ十年以上の間、わが国としては道路については、まことに飛躍的に投資して、整備を進めてまいったわけでございますけれども、それ以上に車の伸びが急激になってきておるというようなことから、こういう状況になっておるのじゃないかと思います。したがいまして、私どもは、なお一そう道路整備をより効果的な方向で進めていくということを続けていかなければならぬ、かように考えておるわけでございます。
  44. 原田立

    原田立君 車道と歩道とついている道路、それから、ついていない道路、この点はどうですか。どのくらいあるかということ。――数字的なことは、わからなければけっこうですから、要するに、日本道路には車道のみあって歩道がないというような道路はたくさんあるわけですね。交通事故を少なくせしめていくためには、車道と歩道がちゃんとあるような道路を逐次整備していく、一部重要な道路については、そういうふうにしていかなければならないのじゃないか、こう思うのですよ。だから、そこら辺の基本的な考え方ですね、いかがですか。
  45. 吉兼三郎

    説明員(吉兼三郎君) ただいまの全国道路の中で歩車道が分離されておるのはどのくらいあるか、という点につきましては、後刻調べましてお答えいたします。  現在、私ども交通安全施設整備事業三カ年計画でやっておりますけれども、歩行者の保護に特に重点を置くといいますことは、御案内のとおり、わが国の道路状況が車を中心に車道を整備するということに今日重点を置いてやってまいったという点もございます。したがいまして、歩行者の保護のための施設というものを、安全施設の中で最も重点を置いてやっていきたい、現にそういう方向でやっておるわけでございます。歩行者保護といたしましては、横断歩道橋また歩道の整備というようなことが中心になろうかと思いますけれども、今後三カ年計画が四十三年で終わりましても、引き続き安全施設整備道路五カ年計画の中において重点的に実施してまいりたい。その中で特に、私どもは歩道の整備というものを継続して事業を促進してまいりたい、かように考えておるわけでございます。  いま申し上げましたのは既存道路につきましてでございまして、これから新しくつくります道路、バイパス等は当然初めから歩車道分離で、ことに自転車道とか、そういったものについても車線主義の考え方整備したものをつくってまいりたい。現にそういったものをつくっておるわけでございます。
  46. 原田立

    原田立君 この一月から三月までの十二万八千七百四十四件の交通事故ですけれども、これの時間別のお調べ等はなさっておられますか。
  47. 鈴木光一

    政府委員鈴木光一君) ことしに入りましてから三月までの分につきましてはございませんけれども、昨年も一年間の交通事故につきましてはそういう統計がございます。昨年の時間別の統計あるいは一昨年の統計を時間別に見てみますると、一日のうちで一番事故の多いのは夕方の五時から夕方の七時まで、この間が一番多い時間帯でございまして、かりに夕方の五時から翌朝の七時までを夜間ということにいたしますと、四十二年では昼間が五八・九%、夜間が四一・一%でございます。
  48. 原田立

    原田立君 七時から十七時までは……。
  49. 鈴木光一

    政府委員鈴木光一君) 午前七時から午後の五時までを昼といたしまして、それ以外を夜と見た場合に、昼間は五八・九%、夜間が四一・一%。四十二年ではそうなっていますが、四十一年も大体大同小異でございまして、昼間五八・一%、夜間四一・九%ということで、この三月に入ってからでも、大体こういう傾向にあろうかと思います。
  50. 原田立

    原田立君 昼間だけが非常に多くて、夜は非常に少ないだろうと思ったらば、いまのお話ですと、夜もたいへん多いということがはっきりしたわけであります。この夜の交通事故の起きる原因ですけれども、これはいろいろドライバーの不なれというようなこともあるだろうけれども道路照明や何か、そことの関係はどうですか、そういう点御研究ですか。
  51. 鈴木光一

    政府委員鈴木光一君) 統計としては、そういう観点からの統計がありませんので、残念でございますが――私どものほうは、大体事故原因を分析する統計もいろいろの観点から分析できますけれども道路交通法に定めた違反種別を中心にした原因分析をしておりますので、そういう統計が実はないのが非常に残念でございますが、一般的に、そういうこともあり得るということは言えると思います。ただ事故原因は、いろいろな原因がまざって起きるので、それを道路照明が悪いからだということはなかなか言いにくいと思います。それが主たる原因であるということは。たが言えますのは、われわれのほうでは、何がどういう道交法に定める違反をしたかという観点からの分析をしておりますので、まことに申しわけございませんけれども、そういう統計はございません。
  52. 原田立

    原田立君 いろんな要素が重なり合って夜の交通事故があるのだろうと思うのですが、やはり道路照明のあるなしというようなことも一つ原因であろう、こう私は思うのです。で、各業界あるいはその他のいろいろな意見等によっても、道路照明がもしあればあの事故は防げたのにというような意見をいろいろ聞いております。それで、道路局長さん、道路照明の設置状況ですね。日本全体の、まあ主要な道路の延長数といいますか、それに比べて道路照明の設置状況はどうなっているか。それから一緒に、できれば、今後計画しているのはこれこれのものであるというようなところまで、あわせてお答え願いたいと思います。
  53. 吉兼三郎

    説明員(吉兼三郎君) 全国的に照明施設がどういう設置状況になっているかというお尋ねにつきましては、これはまことにマクロ的で、恐縮でございますが、道路種別の関係の資料をいま手元に持ち合わしておりませんので、総体で申し上げまますれば、四十一年度末に道路関係の照明施設は十九万百五十本程度のものが設置されておるというような数字が出ております。それから、例の安全施設の三カ年計画におきましては、第二種事業といたしまして、道路照明を計画的に整備することになっておりますが、これでまいりますと、四十一年から四十三年の三カ年間で全国で三万四千五百本の照明施設を設置するということでございます。道路種別というのはいま手元に持ち合わしておりませんけれども、この三万四千五百本のうち私どもの直轄で設置いたしますものは一万六千二百九十六本でございまして、まあこれは大体幹線的な国道を中心に設けられるということになろうかと思います。なお、ただいま申し上げましたのは、交通安全施設の事業であります。既存道路についての道路照明でございますが、これ以外に道路の新改築に関連いたしまして設置いたしますものが、これはまあ年間にいたしまして約五千本程度のものが設置されておる状況でございます。
  54. 原田立

    原田立君 去年四十二年の五月十三日に各地方建設局、都道府県並びに道路公団等に提示した道路照明設置基準、これはいまも変わらずにやっておられるのですか。
  55. 吉兼三郎

    説明君(吉兼三郎君) 変わっておりません。
  56. 原田立

    原田立君 その内容は、たとえば国際照明委員会の推奨平均輝度と日本のぐあいとがどうなっているのか、どういう関係性があるのか。あるいはまた、欧米の国なんかと日本の国を比較するものじゃないなんて、しかられるかもしれないけれども、やはり交通事故をなくすための一助としてアメリカなんかの例なんかを引かれてみて、御説明願いたいと思います。
  57. 吉兼三郎

    説明員(吉兼三郎君) 道路照明施設の設置基準については、私どもはいろいろ過去におきまして研究を重ねてまいりました。設置基準は、安全施設整備事業に関連いたしまして設けておるわけでございますが、この基準は、先生御指摘のように、いろいろな諸外国の設置基準等、国際的なそういう基準を勘案いたしまして設けましたものでございまして、その照度等につきましては、大体各国の基準とそう大差はないというふうに私どもは理解をいたしております。
  58. 原田立

    原田立君 ここに「運転管理」という本があるのですけれども、これには、都市部の道路においては二カンデラというのですか、それだけの基準が示されている。ところが、日本の場合には、そこまでいってないんじゃないですか。これはお読みになっているだろうと思うけれども、専門家だから。
  59. 吉兼三郎

    説明員(吉兼三郎君) そのお手元の雑誌は、私は拝見いたしておりませんが、私どものほうの照明施設の設置基準は、道路の重要度に応じましてその規格を変えております。重要度と申しますのは、交通量の多いところ、まあそれに準じまして分類をいたしておるのでございますが、その交通量の二万五千台以上あるようなところには当然連続いたしまして照明施設を設置いたしますが、そういうところには特に明るい照明施設を設ける。大体の基準といたしましては、カンデラで申し上げますれば、〇・五から一・五というような範囲内において設置しなさいというふうな基準を示しております。
  60. 原田立

    原田立君 その〇・五から一・五ということですけれども、それは国際照明委員会の推奨平均輝度からいけば、低いんじゃないですか。それで、去年おたくのほうで通達を出した中に、一万五千台以上の場合は、路面で最低十五ルクス、七千台以上は十ルクス、七千台未満は七ルクス、沿道が明るいところ、横断歩道等においては三十ルクスまで引き上げるというようなことが新聞報道されているわけですけれども、その建設省で打ち出した照明基準は、国際照明委員会の推奨平均輝度と比べてみて、これは暗いんじゃないですか。
  61. 吉兼三郎

    説明員(吉兼三郎君) 国際照明関係委員会基準というものをちょっと私、いま手元に持ち合わしておりませんので即答いたしかねる点がございますが、現在の私どもで示しておりますところの基準でまいりましても、各道路管理者の状況等を耳にいたしておりますが、まあ特にあの基準でもって暗いというふうなことは、私どもは聞いておりません。むしろ、これは非常に金がかかってかなわぬから、もう少し下げてくれというふうな声があるくらいでございますが、お尋ねの点につきましては、ちょっと手元に持ち合わしておりませんので、その関係について明確にお答えができないことは申しわけないと思います。
  62. 原田立

    原田立君 いまの次長の御答弁の中に、たいへん金がかかってしょうがないから下げろというような意見があるというお話ですけれども、そういう考え方に同調なさるんですか、建設省は。
  63. 吉兼三郎

    説明員(吉兼三郎君) 私どもは、いまのところはそれに同調する考えはございません。
  64. 原田立

    原田立君 あたりまえのことだと思うのですよ。道路照明を暗くしてしまっては――金を使うのは使うべきところに使っていってこそ、お金の有効な値が出るのであって、出すべきところをやらんでおいて、もしそこで交通事故多発などになったならば、これは重大問題ですよ。そういうことで、いろいろ先ほどから警察庁のほうに、道路照明がもしもう少し明るければ、交通事故を少なくできただろうにというような観点からお聞きしているわけなんです。名神とか、あるいは東名の高速道路の照明、これはどういうふうになっておりますか。あるいは第三京浜国道で平均どういうふうになっておるんですか。なお、これは警察庁のほうに、ちょっと数字があればお示し願いたいと思うんですが、そういう名神、東名あるいは第三京浜国道等においての交通事故の発生状態、そういう点はいかがですか。
  65. 吉兼三郎

    説明員(吉兼三郎君) 第三京浜国道に設置されておりますものは、路面の輝度、カンデラ・パー・平米でございますが、〇・五でございます。名神関係はインターチェンジ周辺、それからトンネル内に照明施設を設けておりますが、インターチェンジ周辺におきましては〇・八、トンネルの内部におきましては四カンデラの施設を設けております。東名はちょっといま手元にございませんが、おそらく名神に大体準じたような基準で設置されているんじゃないかと思います。
  66. 鈴木光一

    政府委員鈴木光一君) まことに申しわけありませんが、高速道路交通事故統計は持ち合わせておりませんので、後ほどお届けしたいと思います。
  67. 原田立

    原田立君 その照明のつけ方で、交通事故がほかの道路と比べてみてたいへん少ないんだというのならば、それでけっこうな話なんです。その具体的な数字が出ないのは残念でありますが、多くの意見として、日本道路照明は暗いんじゃないか、だからもう少し明るくする必要性があるんじゃないか、それがやはり交通事故を少なくしていく一つの重要なかぎではないか、こういうふうに言われているわけです。道路照明を引き続き御研究なさるとは思いますけれども、その点、道路局次長さんの御見解はいかがですか。
  68. 吉兼三郎

    説明員(吉兼三郎君) いまのお尋ねに対して明確にお答えできないのは残念なんでございますが、先ほど交通局長からもお話がございましたように、夜間の交通事故もまあ相当あるわけでございますけれども、その事故原因は非常に複雑なものが重なり合って起きているのが実態じゃなかろうかと思います。照明施設があったならば起きなかったというのもあるかと思います。また、お尋ねの照明施設の明るさをもう少し明るくすれば、あるいは事故を防げたというものがあろうかと思います。その辺はなかなかきめ手になるような答えはむずかしいかと思います。御参考までに、照度には直接関係がございませんが、現にわが国で設置されておる程度の照明施設でお考えいただいていいと思いますが、私どものほうでサンプル調査をいたしたのがございます。その調査の結果で申し上げますれば、交差点で人と自動車関係で、交通安全対策として何らの施設を整備しない場合に七十件ばかりの事故件数があったのが、何らかの安全施設を講じたことによって、七十件のが八件に減った。六十二件ばかり事故が減少して、その六十二件ばかり減った事故を、設けました施設によりまして分類解析を加えた結果、照明関係で五件――照明施設を設けたがために事故が減少したであろうというのが五件ばかりあるというふうな数字も出ております。また、交差点で車が右折をする場合に、側面衝突をする例があるわけでございます。これも七十七件ばかりの事故があったのが二十七件に減り、計五十件ばかりの事故が減った。この五十件のうち、照明施設を設けたために事故がなくなったというのが十件ばかりということで、照明施設を設けることによります事故の減少に対する効果というものは、かなりあるのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。照度の問題につきましては、なお御指摘の点も、ございますので、十分検討を加えてまいりたいと思います。
  69. 原田立

    原田立君 私は、専門家ではありませんから、新聞や、いろいろな総合雑誌等からいろいろ拾ってみますと、確かに照明をきちんとつけたがゆえに、非常に事故多発地帯であったのが少なくなった。いま次長が言われるような、そういう数字も報道されております。そういうことで、それは迂遠な道であるかもしれないけれども道路照明をやはりつけるということは、交通事故を少なくしていく一つの、これはむしろ夜間にとっては大きい要因ではないかと、私は思うのですよ。道路というものは昼間走るばかりでなく、最近では夜間に貨物車等が通るというのが、これは常識化してきているわけなんです。大型のトラックが通る。そういうことで、この道路照明問題も、交通安全運動交通安全施設の充実という面から言って、やはり大きい課題であると思うのです。そういう面で、この道路照明問題について、もう少し詳しい検討がなされなければいけないのじゃないか。いろいろな面でちょっとお伺いしているのに、数字的な、統計的な面のお答えがないのが非常にぼくは残念に思うのです。そこいら辺の道路照明に関しても、もう少し姿勢を改めて、しっかりと御検討願いたいと思うのですが、どうですか。
  70. 吉兼三郎

    説明員(吉兼三郎君) 御指摘の趣旨はよくわかりました。今後十分検討を加えて、後刻また何らかの機会に先生にお答え申し上げたい、かように思います。
  71. 原田立

    原田立君 じゃ、道路照明問題はこのくらいにして、横断歩道橋をつくることによって非常に事故が減少したという例が幾らもあるわけでありますけれども、現在の横断歩道橋の設置数、交通事故との関連性、あと幾らつける計画があるのか等々についてお伺いしたい。
  72. 吉兼三郎

    説明員(吉兼三郎君) 横断歩道橋の計画は、三カ年計画におきましては、全体でもって三千百四十四橋ばかり計画をいたしております。この交通安全の三カ年計画以前、つまり四十年以前でございますが、四十年以前におきまして、幾らあったかということは、ちょっといま手元に資料がございませんが、後ほどまたお答え申し上げます。  なお、その他新設の道路におきましては、年間大体七十橋程度のものをつくっておりますのが実績でございます。  それから、横断歩道橋が事故減少にどういうふうな寄与をいたしておるかというお尋ねでございますが、これも詳細な、そういう調査はいたしておりませんけれども、先刻照明の関係で申し上げました調査によりますれば、横断歩道橋を設置したことによりまして、人と自動車関係事故減少にかなりの効果をあげております。横断歩道の関係で、歩道橋を設置する前とあと関係で、事故件数が七十件のうち六十二件減少したその半分――約五割が立体横断施設を設けたがために事故が減ったというような数字が出ております。また、人と車の関係だけではございませんで、車同士の追突事故も、横断歩道橋をつくったことによって追突の事故が非常に減少いたしております。これも約二分の一から三分の一程度が車の追突事故の減少――横断歩道橋を設けたことによるところの事故の減少という効果があらわれております。
  73. 原田立

    原田立君 新設していく道路については年間七十橋ぐらいつくるんだという、それはお聞きいたしましたが、既設のほうについてはどうなんですか。
  74. 吉兼三郎

    説明員(吉兼三郎君) 既設の道路につきましては、先刻申し上げた三カ年計画で四十一年から四十三年までに三千百四十四橋を全国で架設したいという計画になっております。
  75. 原田立

    原田立君 四十一年、四十二年、四十三年――四十三年は今年ですから、いまやっているまっ最中ですね。三カ年に三千百四十四橋をつくるうち、いますでにどのくらいでき上がっているんですか。
  76. 吉兼三郎

    説明員(吉兼三郎君) 横断歩道橋の関係で申し上げますと、進捗率で六四%程度のものが四十二年度までに整備されたという状況でございます。三千百四十四橋の全体のうち六四%程度
  77. 原田立

    原田立君 六四%というと、大体計画どおりにいっているということですね。
  78. 吉兼三郎

    説明員(吉兼三郎君) さように御理解いただいてよろしいと思います。
  79. 原田立

    原田立君 既設のこの三カ年計画によって三千百四十四橋つくるということですが、これができ上がって、いわゆる地域住民のぜひここにつくってもらいたいという要望数、それから比べると、どのぐらいのものが満たされるということになるんですか。それはおわかりですか。
  80. 吉兼三郎

    説明員(吉兼三郎君) 横断歩道橋に限りませんが、交通安全の計画は、昨年の「通学路」の議員立法もいただきました。下から積み上げて三カ年間にこれだけの事業をいたしますと、それには国が助成をいたしますものと、各地方団体が単独実施いたしますものと両方合わさったものとございますけれども、そういうことでやってまいっておりますので、大体これだけの整備をいたしますと、あらかた各地域の御要望にこたえられる施設が整備されるんではなかろうかと、私どもはかように考えております。
  81. 原田立

    原田立君 それは間違いないですか。私が聞いたのによれば、三千百なんぼをやって全体の要望数の約三割ぐらいだということを聞いたんですよ。必要数ですね。必要個所から比べて見ると約三割ぐらいだと。そんなことはありませんか。
  82. 吉兼三郎

    説明員(吉兼三郎君) さっき私申し上げたように、三千百四十四橋は、私どものほうで補助金を出したり、あるいは直轄でいたしますものでございます。このほかに、地方が単独でもって、単独事業で実施いたします交通安全施設事業があるわけでございます。そういうものを加えますならば、大体全国の要望におこたえできるような事業量が確保できるのではないか、かように考えている次第でございます。
  83. 原田立

    原田立君 私、これで質問は終わりにしますけれども、いま私がお聞きしたような関係の資料がありましたら提出してもらいたいと思います。
  84. 松澤兼人

    委員長松澤兼人君) ほかに御質疑ございませんか。――本日の調査はこの程度とし、これにて散会いたします。    午後二時三十六分散会