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1968-03-04 第58回国会 衆議院 予算委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年三月四日(月曜日)    午後四時一分開議  出席委員    委員長 井出一太郎君    理事 小川 半次君 理事 北澤 直吉君    理事 正示啓次郎君 理事 二階堂 進君    理事 藤枝 泉介君 理事 加藤 清二君    理事 中澤 茂一君 理事 小平  忠君    理事 広沢 直樹君       相川 勝六君    愛知 揆一君       荒木萬壽夫君    上村千一郎君       植木庚子郎君    小沢 辰男君       上林山榮吉君    川崎 秀二君       小坂善太郎君    坂田 英一君       鈴木 善幸君    田中 正巳君       登坂重次郎君    中野 四郎君       野田 卯一君    野原 正勝君       福田  一君    船田  中君       松浦周太郎君    松澤 雄藏君       松野 頼三君    森山 欽司君       山崎  巖君    大原  亨君       角屋堅次郎君    川崎 寛治君       北山 愛郎君    久保 三郎君       阪上安太郎君    島上善五郎君       田中 武夫君    楢崎弥之助君       畑   和君    細谷 治嘉君       森本  靖君    山内  広君       山中 吾郎君    横山 利秋君       麻生 良方君    塚本 三郎君       浅井 美幸君    鈴切 康雄君       伏木 和雄君    正木 良明君       松本 善明君  出席国務大臣         外 務 大 臣 三木 武夫君         大 蔵 大 臣 水田三喜男君         厚 生 大 臣 園田  直君         農 林 大 臣 西村 直己君         通商産業大臣  椎名悦三郎君         運 輸 大 臣 中曽根康弘君         労 働 大 臣 小川 平二君         建 設 大 臣 保利  茂君         自 治 大 臣         (国家公安委員         長)      赤澤 正道君         国 務 大 臣         (内閣官房長         官)      木村 俊夫君         国 務 大 臣         (経済企画庁長         官)      宮澤 喜一君  出席政府委員         総理府人事局長 栗山 廉平君         行政管理庁行政         管理局長    大国  彰君         経済企画庁調整         局長      赤澤 璋一君         経済企画庁国民         生活局長    八塚 陽介君         経済企画庁総合         開発局長    宮崎  仁君         外務省アジア局         長       小川平四郎君         外務省欧亜局長 北原 秀雄君         外務省経済局長 鶴見 清彦君         外務省経済協力         局長      上田 常光君         大蔵省主計局長 村上孝太郎君         大蔵省関税局長 武藤謙二郎君         厚生省公衆衛生         局長      村中 俊明君         厚生省年金局長 伊部 英男君         社会保険庁長官 熊崎 正夫君         農林大臣官房長 桧垣徳太郎君         農林省農政局長 森本  修君         農林省農地局長 和田 正明君         農林省畜産局長 岡田 覚夫君         食糧庁長官   大口 駿一君         林野庁長官   片山 正英君         水産庁長官   久宗  高君         通商産業省通商         局長      宮沢 鉄蔵君         労働省職業安定         局長      有馬 元春君         建設省都市局長 竹内 藤男君  委員外出席者         専  門  員 大沢  実君     ————————————— 三月四日  委員川崎寛治君、北山愛郎君、久保三郎君、小  川新一郎君及び正木良明辞任につき、その補  欠として島上善五郎君、角屋堅次郎君、細谷治  嘉君、鈴切康雄君及び伏木和雄君が議長指名  で委員に選任された。 同日  委員鈴切康雄君及び伏木和雄辞任につき、そ  の補欠として正木良明君及び浅井美幸君が議長  の指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和四十三年度一般会計予算  昭和四十三年度特別会計予算  昭和四十三年度政府関係機関予算      ————◇—————
  2. 井出一太郎

    井出委員長 これより会議を開きます。  昭和四十三年度一般会計予算昭和四十三年度特別会計予算昭和四十三年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。  これより一般質疑に入ります。角屋堅次郎君。
  3. 角屋堅次郎

    角屋委員 私は、日本社会党代表いたしまして、当面の重大な政治問題になっております米価米審問題を中心にしながら、農政全般にわたっての質問展開をいたしたいと思うわけでございます。  御承知のとおり本日は、本来ならば午前から予算委員会が開催される筋合いでございますけれども、一昨日、政府自民党の、三党申し入れに対する回答、これが出てまいったわけでありますが、われわれ党としてこの問題を検討した結果、米価国会決定の問題についても、さらには米価審議会構成について生産者消費者代表重点としてやり直すという問題についても、何ら誠意ある回答をいただけない。これでは予算審議にそのまま入るわけにはまいらない。なぜかならば、御承知のとおり、米価米審問題は、今日本予算委員会においても総合予算主義との関連において、またすでにやめられた倉石農林大臣米審委員二十二名の一方的な任命にからむ問題からいたしましても、この問題をやはり正しく処理することが当面の重要な問題である、こういう認識からであったわけでございます。  そこで、午前来予算理事あるいは国対段階話し合い展開をされまして私ども、理事を通じて承っておりますところでは、三日以内に、野党三派の意向を尊重しながらさらに前向きに検討を進める、こういう御回答であるというふうに承っておりますが、官房長官、そのとおり政府にも伝わっておりましょうか。まずその点からお伺いをいたしたいと思います。
  4. 木村俊夫

    木村(俊)国務大臣 まだ私のところには伝わっておりません。
  5. 角屋堅次郎

    角屋委員 これは一体どういう関係になるのですか、了承できないのですが……。これは予算委員会の再開についてきわめて重要な問題であり、与野党予算理事会でも話し合われたことだと思いますし、また国対レベルでも話し合われた問題と思いますので、官房長官出席までに、その点については当然お話があってしかるべきだと思います。そういうふうなお話でございますと、なかなかスムーズに話に入りにくいわけでございますが、これは与党理事のほう、どういう形になっておるのですか。ちょっとこれは入りにくいですが……。それを承っておりますということであれば別ですけれども、これから入ろうとする重要な問題について、政府の大番頭たる官房長官がまだ聞いてないということでは、これから官房長官に私はこの問題について質問を進めるわけにはまいらないわけですが、これは私、何も特別にこだわっておるわけじゃないんです。やはり話の筋道としてその点は明確にしてもらいたいと思うのです。
  6. 井出一太郎

    井出委員長 この際、角屋委員委員長から申し上げます。  私も先ほど予算理事会に同席をいたしまして、そのときの模様は、この問題は、一つには国対委員長会談においてさらに煮詰めていただく。もちろん同時に、予算委員会はきょうはたいへん遅延をしておりますので、同時並行的にお開きをいただく。おそらくただいま国対委員長会談においてそれが議論されておるであろう、かように察しております。したがって、あるいはまだ内閣のほうへはそのことのてんまつは伝達されておらない、これが実際のところではないか、かように考えます。その辺は、野党理事の各位をも通じて、あなたのほうへも何らかの模様が御報告に相なっておるのではないか、かように承知をしておるわけであります。
  7. 角屋堅次郎

    角屋委員 ただいまの予算委員長お話で、しかもまたわが党の理事からもお話がございまして、承りますと、一般質問の終わる段階までに国対レベルで誠意をもって話を進めよう、こういう話がまとまったように承りました。これは官房長官も、そういうことでまとまれば、当然政府としてもそれを受けて前向きの検討に応ぜられるというふうなことだと思いますけれども、まだ連絡を受け取っていないという点は、これは時間的な問題があったということで、私は善意に解釈をいたしまして、今後の問題については、いま話を申し上げましたような方向政府としても前向きに善処する、こういうふうに判断をしてよろしゅうございましょうか。
  8. 木村俊夫

    木村(俊)国務大臣 今後の問題につきましては、党関係お話ができた上で検討したいと思います。
  9. 角屋堅次郎

    角屋委員 それではこの問題については、私はこの機会に本予算委員会舞台を通じてわれわれの意のあるところを率直に伝え、また政府が今日時点まで考えておられる点についてはこれを承り、先ほどお話しのような経過がございますので、さらに結論を得る段階までに善処をする、こういう方向努力をしてもらいたい。そういう点で本日はこの問題に相当焦点を合わしながら質問展開いたしていくことを了承願いたいと思います。  御承知のとおり、われわれ野党社会民社公明の三党から、本予算委員会理事を通じ政府に、米審問題に関する社会民社公明党確認事項として、一、国の予算と重大密接な関係にあり、かつ諸物価の基礎となる米価国会において決定する。二、米価審議会委員には、消費者生産者代表重点を置いてあらためて任命すること。この二項目要請をし、四党国対委員長段階において、予算総括の終わる段階までに回答する、こういう経過がございましたが、倉石農林大臣憲法発言に端を発しまして、先週の土曜日まで回答が延びたことは御承知のとおりであります。その回答に対するわれわれの見解は、誠意ある回答とは受け取りがたい、さらにわれわれの要請に基づいて善処してもらいたい、これが今日時点のわれわれの基本的な立場でございます。  そこで、この項目関連した問題に入る前に、経過として官房長官にお伺いをいたしたいわけでございますが、一月の二十三日に、倉石農林大臣が例の新委員二十二名の任命をしたが、議運段階では、この問題については農林大臣は、衆議院の与野党農林水産委員会相談をしてから処置をするようにというお話し合いがあったということを承っておりますが、私も農水理事もやっておりまするけれども、何ら御相談なく二十三日一方的に任命をされた。そのことは今日あらためて問わないとして、官房長官にお伺いしたいのは、従来、国会議員生産者消費者代表、これらを含んで二十五名の米審委員昭和二十四年の発足以来——最初は御承知のように三十二名で発足をしたわけでありますが、それ以来この構成の全体的なバランスが継続されてきたのを大きく変更する、そういう性格を持った任命のしかたについて、佐藤総理やあるいは官房長官等には、あらかじめ、こういうふうにしたいと思うのだが、こういう御相談があったのでございましょうか。この点は事前にそういうことがあったかどうかという点を正直にお答え願いたいと思います。
  10. 木村俊夫

    木村(俊)国務大臣 委員任命に関します基本的な考え方につきましては、おりに触れて農林大臣から総理に連携をとっておりました。
  11. 角屋堅次郎

    角屋委員 したがって、もう一度お伺いしますが、この問題についても総理官房長官等には御相談があったと判断をしてよろしいのでございましょうか。
  12. 木村俊夫

    木村(俊)国務大臣 ただいまも申し上げましたとおり、基本的な考え方については相談があったと私どもは承知しております。
  13. 角屋堅次郎

    角屋委員 西村農林大臣にお伺いをいたしたいのでありますが、御承知のような事情の中で、はからずも西村さん新大臣になられたわけでありますが、バトンを引き継がれたときに、今国会の重大な政治問題になっております米審問題を新大臣として取り扱うというその責任を直ちに背負わされたわけであります。そこでこの問題は大臣が御就任の前にいわゆる農業団体新米審反対国会米価決定の要求の総決起大会においてわれわれの前に自民党の丹羽君が党を代表してごあいさつをされたあの当時の考え方と一歩も前進をしない形で今日時点自民党からの回答が出たわけでございますが、大臣承知のように農林水産委員会段階では一方的任命あと議運から農水でひとつ話し合ってくれということで二度にわたって話し合った経過がございます。そういうこと等もございまして、その経過については大臣承知だと思いますが、新しく大臣任命された西村大臣には相当なフリーハンドがあるのではないか。しかも政治力からいってもそのことは期待できる、こういうふうに見ておったわけですが、倉石農林大臣からバトンを受け継がれて大臣自身として回答の出るまでにどういう努力をされたのか、この点お伺いをしておきたいと思います。
  14. 西村直己

    西村国務大臣 私、着任いたしましても、もちろん生産者団体の特に強い要望というものは十分聞いております。そこで、私といたしましては、ただ問題が党並びに党との間、特に予算委員会から始まりまして、国対委員長間におきましてこの問題を処理したい、検討したい、こういうような状況下に立っておりますので、それに預けておるような状況でございます。なお、その努力につきましては、したがって私はこの席を通して申しますように、できる限り生産者意向というものは米価決定には反映すべきだ、こういう考え方はいまでも堅持しておるわけであります。
  15. 角屋堅次郎

    角屋委員 私はやはり話の順序として——今日の時点では、従来構成の中に入っておりました生産者代表消費者代表はもちろん、国会議員自身除外をされておるわけであります。大臣も御承知のように昭和二十四年の米審発足当時から昨年の段階まで、国会議員はそれぞれ国会承認人事を受けて米審参加をしておったのでありますが、なぜに今回米審参加から除くという判断倉石さんがされ、また西村大臣も、今日時点ではそういうふうにしたい、こういうふうに考えておられるのか、その考え方について承りたいと思います。
  16. 西村直己

    西村国務大臣 先般もお答え申し上げましたように、米審構成につきましては、大きな政治問題として党と党の間でもって十分にこれを検討し合うという段階に入っておりますので、それ以上は私、お答えできないと思うのであります。その結論を待ちまして、私としては最終的な意見をまとめあげたい、こういう考えでございます。
  17. 角屋堅次郎

    角屋委員 従来国会議員除外問題については、総理あるいは倉石農林大臣は、この問題の質疑が本会議あるいは委員会で行なわれた際に、臨調答申もこれありということが引用されておりますが、その点は農林大臣もそのことを頭に入れて判断をしておられるわけですかどうか、その点をお伺いします。
  18. 西村直己

    西村国務大臣 まあ国会議員米審委員へのお入りを願うという問題につきまして、この一つの見方もあろうと思いますし、また同時に国会議員には国政調査権というより高い立場も持っておられるものですから、そういう面から、国会議員除外と、それから生産者代表等意見を十分反映する、これとはちょっとまた角度が違うと思うのでございまして、国会議員のことにつきましては、すでにたしか昨年の十二月ごろに、私その経緯は十分知りませんが、ある程度の党間のお話し合いがつきつつあったんじゃないかというふうな考え方を持っております。ただ生産者等の問題につきましては、今日非常に強い要望がある、こう承って、またその反映の方法については今後十分に検討していかなければならぬ、こういうふうに考えておるわけであります。
  19. 角屋堅次郎

    角屋委員 御承知のとおりわれわれ国会各種審議会委員国会承認人事として、今度の国会の中でも、あるいは従来の国会の中でも、多くの審議会国会議員を送っているわけであります。たとえば皇室会議皇室経済会議検察官適格審査会社会保障制度審議会地方制度調査会選挙制度審議会国土総合開発審議会等、数多くの審議会国会議員が入っております。臨調答申という点からいくならば、米価審議会とこれらの審議会を含めて同じ行き方をとるというのが、これは本来の筋道政治的判断は別として同様の立場に立つのが筋道であろうかと思いますけれども、なぜに米価審議会委員から特に臨調答申に籍口して国会議員除外をされるのか、臨調答申という場合には、政府の取り扱いに差異のあるのはどういう理由に基づくのか、この点明らかにしてもらいたいと思います。これはむしろ、農林大臣というよりも、全般的な問題として、木村官房長官からお願いをいたしたいと思います。
  20. 木村俊夫

    木村(俊)国務大臣 いろいろ審議会性格、特徴がございますので、その審議会構成につきましては、各所管大臣に大体おまかせするというのが政府行き方でございます。
  21. 角屋堅次郎

    角屋委員 私も、去年とおととし、国会承認人事として、この米価審議会参加をしたわけであります。  そこで、西村農林大臣にお伺いしたいのでありますが、過般、本委員会における民社党の中村時雄委員質問に答えて、米価審議会の今日の構成を形成した理由として、無答申ということを取り上げられておりました。そういうふうに私承っておったのでありますが、そのことを生産者代表消費者代表、あるいは国会議員を除くもう一つ理由にされておるわけでございますか、その点お考えを承りたいのであります。
  22. 西村直己

    西村国務大臣 国会議員を、今日までに出ております発令の中で除外されておりますことは、生産者等方々除外されたとはいささか理由が違うのではないかと思います。国会議員は、むしろ米価決定というのは、現在の時点においては行政行為だ、行政権行政の仕事だ、そこで、行政審議会的なものに対して御参加をいただくよりは、さらに国政調査の面から御審議等もあるじゃないか、こういう面で、国会議員の問題があったんだと思います。  それからもう一つは、今度生産者等を云々という、除外したと申しますか、これにつきましては、むしろ、私は、中村時雄委員に対して御答弁申し上げたように、従来ずっと行なわれた米審の中で、利害が相対立すると申しますか、利害で行くよりは、むしろ、それ以外の場で十分意見を反映するほうがいいのではないかという、政府と申しますか、当時の農林大臣判断のもとにああいう形の発令が行なわれて今日に至っておる、こういうふうに私は考えております。言いかえますれば、過去数回の経験に徴しまして、そういう形のほうがいいということから、生産者並び消費者委員には発令になっていない、こういうふうに解釈をいたしております。
  23. 角屋堅次郎

    角屋委員 いまわがほうからもお話が出ましたように、先ほど私御質問申し上げましたが、不統一じゃないですか。米審からは国会議員除外をする。ほかの委員には、私例をあげましたように、それに対して何の疑念をはさむことなく、国会でずっと各党ともにスムーズに国会承認をやっておるわけでしょう。臨調答申ということを言われると、結局、米審からは除く、他の委員は何ら異議なく与野党ともにそれを認めておる。その点については、政府なり与党がこの問題を取り扱う場合に、特にこの問題については、除くほうがいい、あるいは除かなければならぬ、こういう政府自身考え方があるはずなんですね。それは臨調答申だけでいえば、みんなそうではないか。それをどういうふうに説明されるのか、見解が非常にはっきりしないわけです。もう一度お答え願いたい。
  24. 西村直己

    西村国務大臣 率直に申しまして、私は、生産者の場合と、国会参加されておる議員方々とはやや立場が違うと——正式に憲法によって国政調査権というものを持っておられる方々、そしてしかも、歴史的に見ましても、非常に紛糾している中で御意見をいただくよりは、むしろ国政調査立場からいただいたらいい、生産者のほうは、利害関係者としての過去の経緯から見まして、この機会除外された、こういうふうに私は見ております。もちろんそれらを臨調の中にも行政の事柄については一たしか、私も十分な記憶がないと思うのでありますが、所管行政管理庁長官でもおりますければ御返事がはっきりしますが、そういう答申は出ておったと思います。そういうような趣旨がかみ合わさって今日の発令の結果になっておる、こう思うのであります。
  25. 角屋堅次郎

    角屋委員 今日まで、この問題に対する議論経過を見てみますと、最初総理は、臨調答申で除いたんだ、こういうことを言われましたが、あとで追及をされて、いや、価格問題については自民党の方針で除くということでございまして、この点は訂正をいたします、こういう審議経過が従来の議論の中に一つございます。米審の場合にそれがあるのですか、西村農林大臣
  26. 西村直己

    西村国務大臣 これは自民党自体の問題でございますが、自民党自体としては、価格形成等については、国会議員参加は、むしろ国会の場において御論議を願うほうが妥当ではないかという一つ考え方はもちろんあるわけであります。
  27. 角屋堅次郎

    角屋委員 いま農林大臣は、価格関係の問題については国会舞台でやればいいじゃないかということを言われましたが、この点は三党の共同申し入れである国民生活に重大な関係を持ち、また、農政上あるいは経済政策物価対策上、同様に重要な関連のある米価については、国会決定すべきである、こういうふうな主張をいたしておる点について、この点の見解になりますと、現時点における自民党回答では、食糧管理制度のたてまえ上、適当でないものと考える、こういうことで、今日時点ではわれわれの主張に対して回避しておるわけであります。この点、先ほど価格問題については国会でやればいいじゃないかということを言われた答弁と違った回答が出てきておる、こう判断せざるを得ません。この点、いかがでございますか。
  28. 西村直己

    西村国務大臣 価格と申しましても、非常に広い意味でございますれば、公共料金等も入りますし、それから今度は、公共料金的なものでない、普通の価格等もございます。言いかえれば、行政権できめ得る価格、こういうようなものは基本論国会において大いにやっていただいて、具体的決定政府責任を持ってやる、こういうような振り分けの場合に、国会議員基本的な施策においてひとつ大いに御論議をいただく、こういうような考え方で私は申しておるのであります。
  29. 角屋堅次郎

    角屋委員 どうも答弁を聞いておってもよく趣旨が明確にわからぬのですがね。先ほどは、価格問題はそういう審議会に入るのでなくて、国会でやってもらったらいいじゃないか、国会でしからば決定をしよう、こういうわれわれの提唱に対しては、現行食糧管理法上のたてまえから適当でないと、こういうふうに言われる。終始一貫していないじゃないですか。もう一度西村農林大臣からお答えを願いたい。
  30. 西村直己

    西村国務大臣 私が申しますることは、大筋を先ほど申し上げたのでございまして、具体的な問題になりますると、公共料金等法律に基づいて国会で御決定を願うもの、また同時に、行政行為でやらなければならない、しかし、その基本について大いに国会で御審議なりあるいは国政調査権を発動してやる、こういうこととはやや別の問題だと思う、こういうふうに申し上げたのであります。
  31. 角屋堅次郎

    角屋委員 そこで、国会決定という問題については、これまた終戦後やはりこの問題に対する歴史的経過があったと私は思うのであります。財政法の問題が終戦議論された昭和二十二年、財政法第三条の問題について、わが党の当時の川島金次議員から、新たに一項を加えて米価等の決定ができるような趣旨を明確にした提唱に対して、当時の政府は、これを今後前向きに検討する、こういう経過昭和二十二年の段階においてございます。御承知昭和二十四年の時点米価審議会発足をしたときに、これは閣議決定発足をし、昭和二十六年から法律的根拠を持ってこの問題が再発足したわけでありますけれども、その時点で、やはり米価は重要な問題である、本来ならば国会決定すべき問題であるが、戦後の混乱期、やはり米価について一年一回でいいかどうかというふうな点につい三緊急事態等も予想されないではない、こういうこと等もあって、国会決定の問題は今後の問題として、いわばそれにかわると言っては何でありますけれども、重要な米価審議会国会議員参加をしてもらおう、こういうことで、三十二名のうち——当初は生産者代表消費者代表、学識経験者その他締めて三十二名、こういうことで、比率は申し上げませんけれども、相当当時は生産者代表消費者代表にウエートを置いた形においてスタートをいたしております。それ以来、去年まで国会議員が入っておったわけでありますので、われわれは、国会議員除外するという政府考え方の出る段階において、本論に返って国会決定をしよう、こういう提唱にいわば立ち返ったのであります。この点は、米審から国会議員除外を認めるというよりも、国会決定をするということが確定をするならば、あえて米審国会議員参加する必要はない、こういう本来的な立場野党三派の第一項の申し入れをいたしておるわけであります。  この際、西村農林大臣にさらにお伺いをいたしたいわけでありますが、財政法第三条、この問題と現行の米価決定との関連の問題でありますけれども、現在の政府米価決定は、財政法第三条との関連においてどういう見解に立っておられるのか、この点明確にお答えを願いたいと思います。
  32. 西村直己

    西村国務大臣 財政法解釈でございますから、所管大臣からお答えいただくのもいいかもしれませんが、私からも御答弁申し上げます。  米価のうち、生産者米価は御存じのとおり政府が買うものでございまして、これは財政法三条とは直接の関係はない、こういうふうに考えておりますが、問題は政府の売り渡し価格について御意見があるのじゃないかと思うのであります。この一種の何と申しますか——財政法三条におきましては、国民大衆にある程度強制的な力を加えていくような専売価格等について規定しておるわけでありますから、生産者米価政府が買い入れる、こういうことで、直接関係はないと思いますが、政府の売り渡し価格につきましては、食糧管理制度は財政専売のように収益を目的にしているものではないというようなものでございますし、農家にも相当な自家保有米というものを認めておる、こういうような点から考えましても専売制度とはちょっと違うので、収益をはかっているものではないし、むしろ米の需給調整というようなことを中心に考えている。したがって、財政法三条にいうところの専売価格には該当しない、従来から財政法三条には含まれていない、こういうような考え方で私どもは解釈をいたしておるのであります。
  33. 角屋堅次郎

    角屋委員 この際、財政法関係はむしろ大蔵大臣からお伺いするのが本筋かもしれません。いまの問題について大蔵大臣としては、財政法第三条と今日米価決定をしておる食管法との関連の問題についてどういうふうに受けとめておられるか。
  34. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 財政法第三条で、御承知のように、法律上または事実上国の独占に属する事業の専売価格もしくは事業料金、こういうようなものはすべて法律または国会の議決に基づかなければならないということでございまして、この趣旨は、やはり国民に強制的な負担を負わせるこういう専売価格に類するようなものについては、何らかの形で国民の意思を聞かなければならぬ、国会の意思を聞かなければならぬという趣旨でございますので、これは精神としては非常にいいと思います。  ところが、それじゃ米の価格決定、売り渡し価格決定はどうかということになりますと、いま西村農林大臣から説明されましたように、米の場合はこれは専売価格でないというような解釈でございます。それによって、第三条の特例に関する法律が出たときも、米価決定はこの財政法三条の適用を除外するということをはっきりきめられましたので、いま米価政府責任において決定するということは、これは何ら違法なことではございませんが、問題は、やはり国民生活に大きい影響を持っておる米価であるから、これを国会できめたらどうだということは、これは新しいこれからの問題でございまして、過去においては、いきさつはあなたが御承知のとおり、米価はもうこの第三条適用から除外されておったということでございます。
  35. 角屋堅次郎

    角屋委員 いまの水田大蔵大臣西村農林大臣の御答弁——私はやめられた人をあとでむちを打つわけではございませんけれども、倉石農林大臣がやはり国会で述べておる見解と違っておるのですね。これは昭和四十二年五月十六日、第五十五国会衆議院農林水産委員会、この当時の審議におきまして、米価国会決定問題がわが党の柴田委員倉石農林大臣との間で展開をされております。時間の関係がありますから、経過は詳細申し上げません。柴田委員大臣にお尋ねしたいのですが、米価価格決定については、国会審議して、国会できめるべきだという意見が出て」おります。こういって質疑展開されたのに対して、「財政法によりまして国会できめることも、私はもちろん一つの方法だと思いますが、御承知のように、米麦はその特例法によってただいまのようなきめ方をいたしておるわけであります」こういう答え方が前段で出ておりまして、さらに質疑展開をされていった中で、「私が申し上げましたのは、特例は財政法三条にいっておる特例でありますから、したがって、その三条によって私どもはやっておる、こう理解しておるわけであります。」明確に答えているのです。バトンタッチする前の倉石農林大臣が、農政責任者の、しかも食糧管理法を直接取り扱っておる前農林大臣は、第三条に基づいてこれはやっております。ところが、大蔵大臣も新農林大臣も、財政法第三条によっているわけではありません。国会できめるということ自身については、これは大蔵大臣のことばによれば、新しい方法として考える、こういうことについては考え方として否定をされていないわけですけれども、第三条との関連を聞いたら、倉石さんはこれに基づいてやっておると言う。新農林大臣、大蔵大臣は、これと関係がないと言う。法解釈の問題について学者間に見解の相違があるなら、これはやむを得ないでしょう。しかし、同じ佐藤内閣の担当大臣がかわったとたんに、財政法第三条との関係において、いま大きな争点の基本法である食糧管理法との関連の問題が、こう百八十度変わったんでは、これはわれわれ議論ができません。
  36. 西村直己

    西村国務大臣 その点についての御質問並びに当時の農林大臣答弁に関する経緯等もございますので、食糧庁長官から詳細に御説明いたします。   〔角屋委員「いや、大臣自身じゃなきゃだめです。長官の説明ではだめです」と呼ぶ〕
  37. 井出一太郎

    井出委員長 角屋君、角屋君、一度お聞きになったらどうですか。委員長が許しましたから。(角屋委員「いやいや、まだ許してないです」と呼ぶ)委員長は許しましたから。一ぺん聞かれたらどうですか。
  38. 大口駿一

    ○大口政府委員 お答えいたします。  先ほど御指摘になりました農林水産委員会における倉石大臣答弁されたときには私どもおりましたので、よく経緯は存じておりまするが、当時は非常に時間がないという状況のもとにおいて質疑が行なわれたのでございます。そこで、財政法三条の解釈につきましては、政府として、ただいま米価は専売と性格が違うということで、財政法三条には、政府の売り渡し価格米価は入らないという解釈をとっておるわけでございまするが、そうでないという解釈も一部にはあることは承知をいたしております。かりにそういう解釈に立ちましたといたしましても、現在は財政法三条の特例の法律がございまして、この法律で制限的に規定をしておりまする関係上、米価除外をされるべきであるという解釈になるわけでございまするので、いずれにいたしましても、結論は同じことになるのでございまするので、当時の倉石大臣といたしましては、事務当局のようなよけいなこまごまとしたことを申されずに、政治的な御判断も加えて答弁されたものと私ははたで拝聴いたして  おりました。
  39. 角屋堅次郎

    角屋委員 いまの食糧庁長官答弁を聞くと、これは三百代言ですよ。議事録にあるのは、これはもうおのずから明瞭なんです、これは与党の人が聞かれても。これは公式の記録ですよ。これはもう一度読むまでもないと思うのですが、「私が申し上げましたのは、特例は財政法三条にいっておる特例でありますから、したがって、その三条によって私どもはやっておる、こう理解しておるわけであります。」したがって、見解不統一ですよ、新しい大臣と、それから前に大臣をやられた倉石さんとの間は。これは見解を統一してくださいよ。
  40. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 倉石大臣答弁は、私ども速記録で調べますが、財政法三条の解釈としましては、これは私どものいま言っていることが間違いないと思います。かりに財政法三条に当たるとしても、特例法によってもうはっきりと除外されておるのですから、いま、米価財政法三条で決定しているということはございません。
  41. 角屋堅次郎

    角屋委員 いまの大蔵大臣の話によると、特例法で除外されているから米価は入ってないと言いましたが、特例法に入れれば、つまり財政法第三条の特例に関する法律は、まず冒頭で「政府は、現在の経済緊急事態の存続する間に限り、財政法第三条に規定する価格、料金等は、左に掲げるものを除き、法律の定又は国会の議決を経なくても、これを決定し、又は改定することができる。」この具体的な項目の中に、現実には米価は入ってない。しからばこの中に、もうすでに終戦後の経済の緊急事態というのは済んだんだから、入れれば、この入れたことによって国会決定する、こういう解釈政府としてできるというふうに、先ほどの大蔵大臣のおことばから判断をしていいわけですか。
  42. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 問題は、いま言いましたように、三条には一切この問題は関係がないということを言ったわけでございまして、しかしこの三条の精神というようなものは、やはり国民にこの専売価格的なものを負担させるというようなことについては、法律もしくは国会の議決に基づかなければならないという、この精神は私はいいと思うのですが、そうすれば今後どういう形で米価をきめたらいいか、あるいは国会で議決したらいいかという問題になると、ここで話は別になりまして、はたして米価国会できめたほうがいいか悪いかというのはこれからの論議の問題でございまして、私どもはいままでのいきさつから見まして、米価は従来どおりに決定するのがやはりいいんじゃないか、と申しますのは、すでに米価はかってにいま政府決定しているわけじゃございませんで、こういう方式によって決定しろという、食管法にすでに消費者米価のきめ方あるいは生産者米価のきめ方の、国会で議決した一つの基準がございますので、その基準によって政府がいま決定しているという形が、この米というようなものについてはそういうやり方のほうがいいんじゃないかというふうに私どもは考えておりますが、これは、これからもまた角屋さんとの議論の過程において私どもの考えを申し上げたいと思います。
  43. 角屋堅次郎

    角屋委員 これは新大臣倉石農林大臣先ほど申したときの農林水産委員会の議事録を精査されて、きちっとした正式の回答の文書をつくってください。にわかに言われたのでは新大臣答弁がはっきりできないかもしれません。私は与党の人が聞いておっても、先ほど、これはだいぶ長いことついておるのです、財政法三条に基づく柴田君の質問というものは。そしていま言った大蔵大臣農林大臣の言っておるのとは、立場が、答弁の姿勢がまるきり違うのですよ、これは同じ内閣の中で。法律の点はこれは重要な問題ですから、立法機関なんだから……。私は次の質問に発展しなければなりませんから、ここはこの問題については保留の形はとりますけれども、正式にここで再質問をするとかいうのじゃなくて、やはりきちっとした見解に取りまとめてもらいたい。このことを私はやはり立法機関の権威において要請いたしたいと思いますが、農林大臣どうです。
  44. 西村直己

    西村国務大臣 私は大蔵大臣のいまの答弁と同じでございます。先ほどからの状況で、財政法第三条は生産者米価関係ありませんが、消費者米価政府の売り渡し価格ですね、これについては専売価格等財政法三条そのものに該当しないという解釈を持っております。しかし、形式的にそうではないという説があったにしても、特例法でさらにしぼられているじゃないかという説明をとりますが、しかし、ただいまの速記録等を私読んでおりません。したがって、その点はさらに私のほうで速記録は十分調査いたしておきます。
  45. 角屋堅次郎

    角屋委員 国会米価決定すべしというのは、これは単にわれわれだけの主張ではございません。先ほど申し述べました四十三年二月十四日、新米審反対米価国会議決要求全国農協代表者大会、これは各党からも出られたわけですが、そこの決議の中でも、今回の二十二名の任命をめぐって生産者関係者はやはりこういう受けとめ方をしておる。これはやはり政治の衝に当たる者として謙虚に耳を傾けて聞かなければならぬと思います。「今回、政府は、米価審議会委員任命にあたり、国会ならびにわれわれ生産者の意思を完全に無視し、国民の代表である国会議員をはじめ、米価に最も重大な関係をもつ生産者代表および消費者代表までも除いて、中立の名のもとに、きわめて偏向的な審議会構成した。このことは、米生産・販売の当事者である農民の声を封殺し、米価の公正なる審議を否定するばかりでなく、米価審議会政府の御用機関とし、法令に違反して、食糧管理制度の改悪を一方的に押しつけんとする意図をもった暴挙であり、われわれの断じて容認することのできないものである。よって、われわれは、食管制度の堅持をこゝに再確認するとともにかゝる農民無視、農業軽視の暴挙をあえて強行した政府責任を追及し、公正なる米価審議決定を期するため、米価国会で議決するよう要求するものである。」第一線の農業者の団体として、今回の問題についてこういう受けとめ方をしておる。われわれがこの問題の発足以来真剣に取り組んでおるのも、生産者あるいは消費者、国民全体の中でこの問題をどう正しく処理すべきかという観点の、立場のこういう主張とも結びついておるわけであります。  そこで、米価審議会から、再度返りますけれども、国会議員生産者消費者代表除外した理由の中で、私はやめられた倉石農林大臣が、本年一月三十一日、衆議院本会議におけるわが党山内議員質問に対して、こういう答弁をしております。「お尋ねのございました米価審議会委員任命につきましては、御存じのように、すでに二年間にわたって無答申であります。それから最後には、何が書いてあるのか、片方は白とすべきである、片方は黒とすべきであるというふうな」、「答申を出さざるを得ないようなことになっておりますのを見て、私は、これはやはり大事な米の値段をきめる審議会としては、もっとやり方はないだろうかということについて、各方面の意見を聞きましたし、」云々ということで、この任命をしたということになっております。私は、倉石農林大臣の本会議におけるこの発言は、歴史的に従来ずっと続いてきた米審全体に対する重大な侮辱の発言であると思います。同時に、ここ数年来の米審委員に対する重大なる侮辱の発言である、こういうふうに率直に受け取っております。一昨年、昨年米審参加した私自身としても、そういう受けとめ方をしております。なぜかならば、各種審議会において、米審の場合には、諮問をしてから答申の出るまで、大臣は終始米価審議会出席をしておるわけであります。米価審議会の各委員意見の動向は全部把握をしております。そうして最後の時点において答申を取りまとめる前に、二十五名のうち、会長を除いて二十四名から最終的な諮問に対する結びの意見を言っておるのであります。いわばこれで全体的な意見の基礎はできておるのであります。あとは、こういう構成でありまするからして、いろいろな意見が出てまいります。それを起草委員で長時間にわたって取りまとめの努力をいたします。なるべく集約をして一本化答申にしたい、こういう努力をいたします。そうして去年とおととしは生産者米価については残念ながら一本化答申がまとまらなかった。この経過は、苦楽をともにした農林大臣は知っておるはずであります。私は、第三者が米審を見てそういう批判をされるのなら、これは謙虚に耳を傾けます。しかし、米価問題について終始この議論に参画をし、この実態を承知しておる農林大臣が、衆議院の本会議舞台において、生産者代表消費者代表国会議員を除いた理由として、何が書いてあるのかわからぬという言い方をしておる。併記答申というのは去年の段階だけではないのです。数年前に三様の答申が出ております。これはいろいろな委員会でもあり得ることであります。こういうふまじめな形で本会議答弁をしておられる。われわれは、この点は何ら生産者代表消費者代表あるいは国会議員を除いた理由にならない、こういうふうに思っておるわけであります。この点はむしろ官房長官から、この問題の私の率直な気持ちに対して、いまさら倉石農林大臣の発言を本会議で陳謝をさせるというわけには、これはいきません。しかし、官房長官は、私の気持ちを聞いておられて、私の言うほうに無理があるとお考えなのか、あるいは倉石農林大臣先ほど読み上げた答弁には少し走りがあり過ぎたのではないか、率直に言ってこう思うが、どうでありますか。
  46. 木村俊夫

    木村(俊)国務大臣 どうも私からお答えするのは適当でないかもわかりませんが、いま角屋委員の率直な御意見を承って感じましたことは、いま倉石農林大臣の本会議での発言は、その委員の御努力とか力量等の問題ではなしに、米価審議会がそういうことになったという客観的事実をお話しになったのでないか、こう考えております。
  47. 角屋堅次郎

    角屋委員 私は、すでに任命されておるこの二十二名の問題に言及をしてこれから議論展開したいと思う。これはわれわれ自身が、今回の一方的任命に対して、生産者代表消費者代表重点としてやり直すべきである、こういう前提に立って、いま任命をされておる問題の具体的な内容に対する私の質問を以下申し上げたいと思います。  国会議員除外する理由として、総理は、先ほど来言っておりますように、臨調勧告というのを盛んに引用される。私も臨調の十幾つかの勧告の出ておりますうちの審議会部分について精査いたしました。そこで、臨調意見書から引用いたしますと、審議会等の運営面の改善として、臨調の勧告はこういうことを言っております。真に国民の利益が代表され、国民の意思がよく行政に反映されるように委員構成答申意見の取り扱い等運営面を公正で合理的なものにする、こういうふうに臨調答申の勧告では言っております。こういう点から見て、真に国民の利益が代表され云々の趣旨のように、生産者代表消費者代表を除いて米審構成されて、できると考えておられるのか、この点は答弁されるまでもないことだと思いますが、西村農林大臣いかがですか。
  48. 西村直己

    西村国務大臣 ただいまおっしゃいました臨時行政調査会の答申で、行政に直接国民の意思を反映させる、こういう趣旨は御指摘のとおりでございますが、ただ、個々の審議会に直接に利害関係者を入れて反映させるかどうかという点は、これはまたおのずからいろいろな議論が出てくる問題だと思うのであります。
  49. 角屋堅次郎

    角屋委員 西村農林大臣は一体臨調の勧告を読まれたのですか。利害者を入れる場合には過半数をこえないようにするということが臨調の勧告の中にあります。官庁関係の出身の者は最小限度にとどめるということが書いてある。しかし、利害代表の者は過半数をこえてはいけないということが書いてある。入れてはいけないというふうに書いてはない。国会議員、あるいは公務員、これはできるだけ国民の意見を反映するような審議会は入ることは好ましくないというふうな形が書いてある。これが臨調の書き方なんです。利害関係者は半数をこえてはいけないという書き方をしただけであって、入れてはいけないとは全然書いてない。これは西村農林大臣は読まれたのですか。入れることが前提なんです。
  50. 西村直己

    西村国務大臣 もちろん、国民のいわゆる利害関係者の意思を十分反映させる、これは先ほどから私申し上げているとおり、生産者意見は何らか今回も米価決定には十分反映させなければいかぬ、これが趣旨であります。ただ、審議会がああいう形になっておりますのは、これは国会あるいは党の関係で十分御検討を願っていくのでありますが、私はしいて意見を求められますれば、臨調の、いわゆる行政に反映させるという趣旨は御指摘のとおりだが、個々の審議会をどうするかということについてはいろいろな議論が出てくるであろう、こう申し上げておるわけであります。
  51. 角屋堅次郎

    角屋委員 私は、この際、今回の二十二名の中の兼職数の多いものから、三つをこえる者、この者について、名前と、幾つの審議委員を兼ねておるか、これを明らかにしてもらいたい。
  52. 西村直己

    西村国務大臣 これは事実の問題でございますから、政府委員からお答えをさせます。
  53. 大口駿一

    ○大口政府委員 お答えいたします。  現在発令になっております米価審議会委員の兼職数を申し上げます。  有澤廣巳九、石原周夫十、稲葉秀三七、江上フジ四、圓城寺次郎七、大来佐武郎六、小倉武一四、東畑精一六、戸苅義次四、馬場啓之助四、以上でございます。
  54. 角屋堅次郎

    角屋委員 木村官房長官、きょうは実は木村違いの行政管理庁の長官を呼んでおいてあったのですよ。行政管理庁長官は、機構の問題、審議会の問題、いろいろな問題について基本的な考え方を持っておられるわけです。御承知のこの問題は、特に激しい議論のなされたのは昭和三十五、六年段階だと思う、国会の議事録を見てみても。それから、いわゆる高級公務員の天下り人事あるいは各種審議会の多数の兼職問題、いろいろな問題が取り上げられた中で、これは一つの大きな焦点だったわけです。議院運営委員会でもこの問題は取り上げられておる。三つ以上の兼職はやらない、こういうことを議院運営委員会理事会でも申し合わせておるわけです。政府見解はどうなんです、この問題の取り扱いに対する。
  55. 木村俊夫

    木村(俊)国務大臣 審議会等の委員の兼職数については、できるだけ少ないのがけっこうである、これはもう当然でございます。したがいまして、昭和三十八年の九月でございましたか、閣議の口頭了解で各省庁に対しまして要請をいたしました。原則として四つ以上はいけない、こういうことでした。しかしながら、これは御承知のとおり審議会性格等もございまして、ただ機械的に数だけ制限するわけにもまいりません。ある場合には、弾力的にこれを運用する必要もございます。そういう意味におきまして、先ほど食糧庁長官が申し上げました中で、相当数の多い兼職がございます。たとえば有澤委員が九つと申しましまが、これは昭和三十八年の当時には、実は十六兼職をしておりました。それが九つに減らしておりますが、まだ徹底はしておりません。というように、私のほうではできるだけ改善をしておりますが、ただ、いま申し上げましたとおり、審議会性格によりましてはそうもまいらない。また、石原委員のごときは開銀総裁たるがために兼職数が多いという関係もございますので、まだ徹底はしておりませんが、いま申し上げたとおり、例外としてはただいま申し上げた場合もあることだけは御承知願いたいと思います。
  56. 角屋堅次郎

    角屋委員 いまの官房長官の御答弁は了承することはできないですよ。閣議の権威からいったってできないですよ。国会でも議運段階で、これは重要な問題の一つである、ジプシー委員がおっちゃいかぬ、あるいは公社、公団を転々と歩くのがおる、こういうようなことも含めて、天下り人事と同時に、これは議運段階でも真剣に議論され、内閣委員会の議事録を調べてみると、真剣な議論がずっと続いておりますよ。私が持ってきた中に、これは村山喜一君が取り上げたときの、当時の福田篤泰君の国務大臣としての答弁の中でも、いま官房長官が答えられたように、「委員の人選問題は、昭和三十八年の九月二十日の閣議の口頭了解がございますが、いま御指摘の弊害も十分認めておるわけであります。」以下、そういうことでやはり厳重にやってまいりたい、こういうことで、当時の井原政府委員から、「三十八年の閣議了解で、審議会等の委員の兼職は最高四つにするという申し合わせができております。それ以来、経年的な傾向を見ておりますが、大体兼職の発令は非常に減っておるのが現状でございます。」というのが、これは古い答弁なんです。しかも、福田篤泰国務大臣は、今度の審議会の個々の人には触れません。触れませんが、これからの審議会の運営の考え方として、こういうことを言っておる。「やはり審議会の任務から見ますと、むしろこれからは清新な人材で、しかも積極的な意欲のある人、そしてまた物理的にもそれに専門的、と言ってはあれですが、相当集中的に、精力的に仕事ができる方、たとえ無名でありましても、そういう方に依頼するのが正しいのじゃないかと思っております。各省の人事課長会議なども開きまして、いろいろ具体的に案を相談し合うようでありますが、私といたしましては、従来いわば有名人に片寄って、ただ名前だけ連ねていくという形は、むしろこの際やめまして、実質的な、たとえ無名でありましても、真剣に取っ組んでいただく方、そして時間的にも十分審議をお願いできる方に実質的に切りかえる、こういう方針で今後臨みたいと考えております。」いま言った、三十八年の最高四つ以上はやらないという閣議了解、いま言った、新しい委員任命にあたっては、閣議了解と同時に、名もなく貧しく美しくというのがありますね、やはりこれはほんとうに庶民のあの環境の中で、今日の物価高の中で苦しんでおるような主婦、あるいは耕種にどろまみれになって働いておる第一線の農民、こういうものを入れることが米価審議会に望ましいのじゃないですか。いまのいわゆる有名人、これは有名人でしょう。しかも、先ほど来言っておるように、多いのは十から兼ねておる。九つ、八つあるいは六つ。先ほど言いましたように、石原さん十、有澤さん九、稲葉さん七、圓城寺さん七、大來さん六、東畑精一さんが六、小倉武一さんが四、戸苅さんが四。これは議運では三つと言っておったのですよ。これはやり直したらどうです。米審は、三党から、生産者代表消費者代表重点としてやり直したらどうだと言っておる。これは閣議了解事項らかいったって、われわれは主張できることじゃないですか。しかも、福田行政管理庁長官は、名もなく貧しく美しくという、第一線の苦労を体験した者まで入れようという方針である、有名人にとらわれないと言っておる。これに切りかえるのだと言っておる。生産者米価問題、消費者米価問題について、なぜ第一線で苦労する農民を入れないのです。今日の物価高の中で苦労しておる主婦の諸君を入れないのです。われわれとしては承服することができない。切りかえるということをはっきり申してください。
  57. 西村直己

    西村国務大臣 お答えを申し上げます。  米審構成についてはいろいろな御議論があることは承知いたしておりますし、ただいま党と党の間でこれを検討を続けておられることでございますから、そのことについては触れませんが、ただ、米審委員発令になりましたことにつきまして、兼職が多い。しかし、これは全部ではございませんが、いま食糧庁長官から申しましたもの、四つのものあるいは三つのもの、そういうふうにございます。全体の中で。そして……(発言する者あり)ちょっとお聞きください。そこで、もちろんそれは、兼職もありますが、同時に、こういう米価決定に対しては、ある程度やはりそれぞれの意見を持ち、権威を持っておる者もなくちゃいかぬし、そういうような事情もありましょう。それからいま一つは、米価審議会は、従来御存じのとおり米価決定のまぎわにやっておったんでありますが、今回は相当な期間をかけてやろうという意味から、時間的な余裕を十分持ち得る、こういうような判断も入ったのではないかと私は考えておるのであります。
  58. 角屋堅次郎

    角屋委員 これはわれわれが言っているんじゃないです。閣議で了解事項としてきめておるのです。しかも行政管理庁の長官が、国会で、これからの委員任命はこういう形で切りかえたいということを国会舞台で言明をしておるわけです。それをやってないんじゃないですか。われわれは了承できません。
  59. 西村直己

    西村国務大臣 私どもは、そういう議運の申し入れもそれは聞いておりますし、しかし、同時に、それは原則でございます。したがって、この審議会の運用にあたっては、多少のいろいろな例外も出てまいりましょう。  それからいま一つは、私は、米審構成については、党間の意見等の交換の場もまだあるのでございます。したがって、私は、今日発令されている形におきましても、十分この審議の余裕というものも考えながら、米価という特殊な一つのものを決定する、米価基本決定する審議機関としてふさわしいような形で構成されておるものだと考えておるのであります。
  60. 角屋堅次郎

    角屋委員 これは断じて了承できません。閣議の了解事項があり、行政管理庁の長官が新しい委員任命の方針を言明をし、それに基づいて本来やるべき政府自身が、閣議の権威を忘れて、現実には米審だけとらまえたってこういう実態じゃないですか。米審がこれだけ重要な基本性格を変えようとするような任命とからみ合っておる問題だけに、断じてこの任命はやり直してもらわなければ了承することができません。
  61. 西村直己

    西村国務大臣 私の所見は先ほど申し上げたとおりでございまして、十分それは御意見としては承っておきます。
  62. 角屋堅次郎

    角屋委員 農林大臣もそうでありますが、これはやはり誠意ある回答をいただかないと、私了承することはできないのです。われわれのほうは、生産者消費者代表重点としてやり直せと言っておる。やり直せというわれわれの気持ちの中には、いま言った閣議了解事項あるいは行政管理庁長官の、これからの審議会任命基本的なあり方、これから切りかえていきたいという考え方を明確にしておる。これらの点から見て、これはやはり生産者代表消費者代表を含めてわれわれのほうは重点と言っておるが、それを適正な配置においてやり直すべきなんです。やり直す根拠の主張の中にこのことも含まれておる。これは官房長官どうです。これはまだ前向きに検討する中に含まれておりますから……。主張の第二項は、われわれの中に、生産者代表消費者代表重点としてやり直せという言い方をしておる。やり直すということは一たん発令をして困難だという気持ちが、おそらく皆さんの中にあるんだろうと思うのだが、閣議の了解事項やあるいは基本方針と関連をして、そういう点からやり直したらいい。大義名分は立っておる。
  63. 木村俊夫

    木村(俊)国務大臣 私がお答えいたしますのは、一般的な問題についてでございますが、確かにそういう閣議了解がございますが、その閣議了解には弾力的な運営も考えなければならぬということは当然であります。したがいまして、その審議会性格等によりましては、いま申し上げたような兼職に及ぶ者もあるということは御了承願いたいと思います。
  64. 角屋堅次郎

    角屋委員 われわれの主張の根拠が明らかなんだから、了承できない。閣議が了解しておるのです。(発言する者あり)これは意見じゃない。われわれの主張を言っておるのじゃない。国会の場において明らかに政府見解が述べられておる。   〔発言する者多し〕
  65. 井出一太郎

    井出委員長 この際、農林大臣より発言を求められております。これを許します。西村農林大臣
  66. 西村直己

    西村国務大臣 閣議了解のありますことについては、私も確認をいたしておきます。   〔発言する者あり〕
  67. 井出一太郎

    井出委員長 静粛に願います。
  68. 角屋堅次郎

    角屋委員 西村農林大臣、こういうふうに見ていいですか。閣議了解事項をあれだけのことを言うのにこれだけもめたということは、正式に回答したということは、該当者をやめさせるということですか。
  69. 西村直己

    西村国務大臣 私としては、一般論として、官房長から申しますように、兼職の多い者は避けてもらいたいと議運からも申し入れ、そして閣議了解ができたと思います。その了解については十分確認をいたしております。こういう意味でございます。
  70. 角屋堅次郎

    角屋委員 該当者はやめさせるかどうかということを私聞いているのです。
  71. 西村直己

    西村国務大臣 これをさらに私が個々の具体的な行政行為としていたします場合においては、その委員会のいわゆる性格、いろんな状況考えまして、この線に沿うように極力努力をしてまいる、こういうことでございます。
  72. 角屋堅次郎

    角屋委員 よく言われるのは、米審任命農林大臣権限だということをよく言われる。これは倉石さんが先にやられたことをあなたは受け継ぐのですけれども、しかし、先ほど来言っているようなことと関連をして、閣議了解を確認するのにも、あれほどなかなかすんなりいかぬ。しかし、そのことを言われるということに踏み切られたということは、閣議了解に基づいて該当者はける、こういう考え方だということを明らかにされたものとして理解していいのかどうか。
  73. 西村直己

    西村国務大臣 私は、この米審構成については、もう昨日来党と党の間でお話し合いを進められておる、この結論をまちたいと思います。  ただ、閣議了解というものもありますし、こういう原則というもののあることも認めます。したがって、そういう原則は生きなければならぬが、個々の審議会については、私、農林大臣の職責において、また従来やられてきました行政行為、こういうものも考えます場合においては、個々の審議会の諸般のいわゆる性格なり、置かれたる環境というものを考えていかなければならぬ、こういう意味でございます。
  74. 角屋堅次郎

    角屋委員 これは、ことしは国会議員除外生産者代表消費者代表除外というふうな形で二十二名が任命されたことに端を発して、大きな政治問題になっておるのですよ。それだけに、閣議了解事項であるとか、あるいは国会における行政管理庁長官審議会委員任命基本的な考え方であるとかいうのは、閣議、国会の権威という立場から、われわれ正々堂々とそのことを主張していいんじゃないですか。そういうことで、確認事項についていろいろ時間をとりましたけれども、任命権者である農林大臣がそのことを認められたということは、そのことでやる、こういうことであると私は理解していいかどうかということをはっきり答えてもらいたいと言っているのです。
  75. 西村直己

    西村国務大臣 私の先ほど答弁で尽きていると思います。
  76. 角屋堅次郎

    角屋委員 先ほど来、米審構成の問題でわれわれが生産者代表消費者代表重点として構成をする、これは米価審議会の歴史的な経過ばかりでなしに、国民生活農政上あるいは経済、物価問題に重大な関係のあるこの問題の審議には、当然それが正しいあり方である。そういうことでわれわれは、やり直せという主張は、それが正しい構成のあり方であるという信念に基づいて主張しておるわけです。  さて、いま任命されておる問題については、私どもは、私自身も、いま任命されておる約半数近くの者は、過去二年の間、米審委員でともに夜を徹して議論した同僚であります。私、気持ちの中には、倉石さんの発言から言えば、何か答申不能とか併記答申とかいうことに言いがかりをつけて、そうしてこうしたということを言われると、やめていったわれわれ——約十名近く残っておる者は合格者で、これは協力者で、われわれが何か協力者でないような感じさえする。全部一切そういう者が入らぬのならいい、こういう議論もあるのですよ。私は、本来あれはほんとうは口実である。米審の今日の構成というのは、基本論に返るけれども、結局これから総合予算主義——生産者米価問題、消費者米価問題を含めて総合予算主義をこれからとりたい、食糧管理制度の問題について検討する気持ちがある、これは食管法のたてまえからできるかどうか、米審性格としてできるかどうかということは、基本的に議論しなきゃならぬ問題だけれども、やりたいという気持ちが底意にある。だとすれば、この際スライド制の問題、あるいは将来展望としての間接統制の問題も含めて、直接生産者消費者を除いたこの構成政府方向に持っていこうという、そういう底意があるんじゃないかという政治判断をわれわれはしておる。基本的な政治判断一つはそこにある。しかし、そういうことを離れて、本来米価審議会基本的な正しいあり方として、売り手であり、買い手である生産者代表消費者代表を除くという手は断じてわれわれとして承服できないという、そういう基本論に立っておる。そういう点で、一方的な今回の任命について、個人的に私はいろいろ言わない。政府の閣議が了解をし、国会を通じて行政管理庁の長官自身が、これからはこういう考え方でやりたい。あの基本方針はわれわれは賛成なんだ。ほんとうに末端で苦労しておる者を入れたい、名もない貧しくとも美しい気持ちを持ったそういう人を入れたい。われわれ賛成なんだ。有名人だけで御用的にあってはだめだ。臨調もそれを言っておる。こういう基本論に立って、しかも、先ほど来のことを言ってくると、われわれの主張には決して無理はない。それを西村大臣は、閣議の了解は、時間はかかったけれども了解した。さらに、いま言った私の主張の根拠に立って、私、性格がえらい短兵急なものだから、それならばやめさせるのかと、こう言った。その気持ちは、先ほど言った米審構成の該当者問題についてどういうふうにされようとするのか、あらためて明確にされたい。
  77. 西村直己

    西村国務大臣 たびたび同じようにお尋ねがありまして、御趣旨はよくわかるのであります。特に生産者意向というものを米価決定に十分反映する、これは私も十分心得ているつもりでございます。もちろん消費者のことも、生産者等でございますから消費者を含めまして私はやってまいりたいと思うのであります。  米審構成につきましては、御存じのとおり、もう党と党と間でいろいろ御検討がされている段階でありますから、私は細部にわたっては申し上げたくない、こういうふうに申し上げておるのであります。
  78. 角屋堅次郎

    角屋委員 この問題については、大臣任命権者なんですね。したがって、私がるるこの問題について言ってきた、そして質問を申し上げている点にかんがみて、大臣自身、私の質問に対してどういう考え方で受けとめておるのか。つまり、私の主張に対して実のある検討を進める、これくらいまでは大臣できますね、私が大臣であれば。そうして、実のあるというのは、結局われわれの主張を生かす、こういう前提なんです。
  79. 西村直己

    西村国務大臣 何度も同じ答弁を申し上げて恐縮に存じますが、私といたしましては、生産者消費者等の意向も十分反映するような形で米価基本的に決定したい。そこで、米審構成というものは大事な問題でございます。その米審構成は、いま党と党の間において慎重にいろいろ御検討をそれぞれされておるわけでありますから、その結論を待って、私としては大体の方向をきめたい、こういう考えでございます。   〔「だめだ、だめだ」と呼びその他発言する者あり〕
  80. 井出一太郎

    井出委員長 角屋堅次郎君、質疑を続行願います。   〔委員長退席、藤枝委員長代理着席〕   〔藤枝委員長代理退席、委員長着席〕
  81. 井出一太郎

    井出委員長 ただいまの事態を収拾するため理事会を開くことにいたしまして、この際、暫時休憩いたします。    午後八時十一分休憩      ————◇—————    午後九時三十五分開議
  82. 井出一太郎

    井出委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、西村農林大臣より発言を求められております。これを許します。西村農林大臣
  83. 西村直己

    西村国務大臣 先ほどの御質問中、各種審議会委員の件に関する閣議了解につきましては、今後尊重してまいりたいと考えます。  当面、米審構成の問題につきましては、目下各党間におきましてせっかく御協議中でありますから、その模様を勘案しつつ、政府としてもこれと並行して考慮する考えであります。
  84. 角屋堅次郎

    角屋委員 ただいまの西村農林大臣の私の要請に対する御回答は、私が指摘をいたしました閣議了解並びに当時の福田行政管理庁長官米審、各種委員任命基本的な考え方及び国会議運における双方の確認、これに基づいて問題指摘の点についてはこれはやり直す、こういう御意思であるものと考えます。  本日は、私はなお農政上多くの問題を予定いたしておりましたが、これはいずれ予算委員会の今後の審議の中でも、分科会その他もございますし、さらにまた関係委員会機会もあろうと思いますので、この米審問題をめぐる審議を通じて相当長時間になっておりますから、私は本日予定の質問は他の機会に譲りたいと考えております。  最後に、私一言申し上げておきたいわけですが、私が質問を通じて申し上げた点は、決して私自身無理を言っておるとは考えておりません。今回の米審編成の問題について、政府自身が閣議了解をされた点、政府審議会委員任命等について責任ある大臣立場からの基本的な考え方、そういうものに基づいて今回の米審委員任命の内容を検討した結果、これはやはり閣議の権威、さらには国会における責任ある大臣の言明、さらに国会の各党間の議運における話し合い、これはやはり正しく受けとめてこれを実施する、これが民主政治の原則でなければならない、こういう立場からでございます。その点御了承を賜わり、今後の国体レベルにおける善処と政府の善処を強く要請をいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
  85. 井出一太郎

    井出委員長 これにて角屋君の質疑は終了いたしました。  次回は、明五日午前十時より委員会を開会し、一般質疑を続行いたします。  本日は、これにて散会いたします。    午後九時三十九分散会