○麻生
委員 ただいま
委員長から
お話がありましたように、
理事会並びに
委員会の
皆さんの御賛同をいただきまして、先般の竹本議員の質問に対する
総理の御答弁の中に、わが党といたしまして若干了解しがたい事項がございますので、それに関連をいたしまして再質問をさせていただきたいと思います。
総理、私は
総理とだいぶ年齢が違いまして、
総理から見ると、まるでむすこのような間柄であります。ですから、むすこから言われると、
総理はかっとするかもしれませんが、しかし議員として考えれば、私も数万票の支持を得てここに当選しておる。
総理もまたしかりでありますから、どうかひとつその
意味では対等に、と同時にまた、先般の臨時
国会の中で
お話ししましたように、リラックスに、かたくならずにお聞き取りをいただきたいと思いますから、あらかじめひとつそのことだけを申し添えさせていただきまして御質問したいと思うのです。
時間があまりございませんし、同僚議員も
あとでおられますので、私は特に竹本議員の質問に対して、その
一つ、
対話のある
政治と議会
政治の根本的なあり方の問題、それからもう
一つは、
憲法第九条に関しての
総理の御答弁、この二つに限りまして御質問を申し上げたいと思いますので、ひとつ
総理の率直なお答えをお願いをしたいと思うのです。
竹本代議士が
総理にお伺いをしたことは、
倉石問題のてんまつについてではなかったんですね。もっと根本的に、
国会が多数決
原理で運営されているということはだれでも周知の事実であります。しかし、この多数決
原理で運営されている背景には、やはり多数党が少数党の
意見を受け入れる姿勢を初めから示しておかなければ、議会
政治というものは、単なる形式的な多数決主義になってしまうではないか。その
意味において、最近における
総理並びに
佐藤政権の姿勢は、どうも当初から野党側の
意見を全く受け入れがたいような姿勢を示しておる点について、竹本議員は
総理にその見解を求めたんですね。ところが、
総理は何を勘違いされたか、たいへん激情されまして、一方的に、今度の空白はおまえたち民社党が悪いんだ、かような言い方で御答弁されておる。これははなはだしく質問の真意を
総理が誤解をされたとしかわれわれには受け取られておらないわけであります。私は、やはり議会
政治というものは、少なくても三分の一野党の勢力があるということは、
政府の
立場に立てば、行政面において、三分の一の野党を支持している
国民の意向を入れて行政を行なうということが
基本的な原則である、こういうふうに私
どもは解釈しているんですね。
自民党だけの
政府ではない、
国民を代表する
政府なのでありますから、やはり初めから御姿勢の中に、三分の一の野党の
意見はそのまま
国民の三分の一の
意見である。これを行政の上にどう反映させるかということについて、相当細心の御注意を
総理大臣及び
内閣は示しておかなければならない。ところが、この点について、どうもこの
国会における
総理の御態度ははなはだ遺憾なのであります。たとえばでございますよ、本
会議においてわが西村
委員長並びに江田さん等々の非核三原則の質問に対しまして、
総理はかような答弁をされておる。「私はこの際、この機会に
国会においてかような決議をされる必要はないように思っております。私はそういう
意味で反対であります。はっきり申し上げておきます。」と、こう御答弁されておる。このときの本
会議における提案は、わが党の西村
委員長にしても、江田さんにしても、要するに
総理の言われている非核決議案をおやりになりませんかという
意味である。その後民社党からは、単独でこの決議案の
内容が目下議院運営
委員会に提示をされておる。また、その後他の野党三党も同じ趣旨の提案を議院運営
委員会でされておる。その提案の
内容を
総理は一体ごらんになったのかどうか。相手側の提案の
内容を吟味せずして、冒頭に本
会議の席上においてかような答弁を言ってしまうということ自体が、私は野党側との話し合いを
総理みずからがシャットアウトしている、こういうように考えるのですね。少なくとも
総理みずから言われまするように、非核三原則あるいは非核決議は賛成であるがと、こう言われておる。とすれば、野党側の案をごらんになった上で
総理みずからが態度をおきめになるのが、これが議会
政治の上に立つ
総理のあり方でありますよ。相手側の
意見を聞かずして、提案の
内容を見ずして、これを初めからシャットアウトするようなことをされるから、野党は
倉石さんの首でもとる以外には道はないではございませんか。そういうことになってしまうのだ。こういう点を竹本
委員は事実をあげて
総理に御質問を申し上げたのですね。だから私は繰り返し申し上げます。われわれ野党だけがすべていいとは思っておらない。しかし、やはり議会
政治を健全にしていくためには、まず
総理みずからが謙虚に、野党を支持している
国民の意向を行政の上にどう反映されるかということについて、もっと真剣にお考えをいただくべきではないか。かようなことを私
ども民社党は考えておるし、竹本
委員もその点を御質問を申し上げた。どうかひとつこの点について
総理のそれこそすなおな御見解をもう一度御答弁を願いたい、こういうふうに思うのです。