○竹本
委員 法律の改廃のことを私も触れましたし、
総理も触れられました。しかし私が言いたいことは、法律以上にいまの行政組織、行政機構をもう少し簡素化しなければだめだと思うのです。ところが案を見ますと、今回まあ農林省がわずかに蚕糸局その他について少しくふうをしておられる。あとはみな落第だ。名前を変えただけだ。行政機構の根本的な改革とあわせて法律の改廃がなければ、ほんとうの意味の行政機構改革にはならない。この点は
総理も御認識のようでございますから、特にひとつ積極的に取り組んでいただきたい。
さらに
審議会の問題にいたしましても、まあ二百六十あるというのですね。今度四つほど整理するというのだけれ
ども、一体
審議会は、私も企画院時代に
調査したことがありますけれ
ども、本人がその
審議会の
委員であることを忘れているような
審議会が実に多いのです。本人も知らない。今度問い合わせがいって初めて思い出した
程度なんです。そういうようなでたらめな
審議会を二百六十つくろうが三百つくろうが、問題にならない。だから、これは思い切ってもう少し前向きに整理をされたらどうか、要望をいたしておきます。
時間がありませんので、最後に、ちょうど日銀
総裁もお見えいただいたので、三つだけお尋ねをいたしたい。
一つは、きょう十分に
指摘ができませんでしたけれ
ども、日本の財政は、
総理御
承知のように、池田さん時代から毎年毎年ふくれてきておるのです。毎年毎年膨張してきておるのです。一回も収縮したことはありません。設備
投資には、不景気のときにマイナスのパーセンテージが出ることがあります。しかし日本の財政は、毎年毎年膨張に次ぐに膨張なんです。この財政インフレ
政策といったようなものが、また
先ほど申しました財政硬直化の大きな原因でございますけれ
ども、今日それを究明する時間がありません。そのしりぬぐいと申しますか、しわ寄せが金融にかかり過ぎておる。大体日本においては、財政金融一体だとか、財政新時代だとか、ポリシーミックスだとかいうことばばかり流行いたしますけれ
ども、ほんとうの意味で、財政と金融がほんとうにその分野をそれぞれ
責任を持って、しかも一体になって協力するという
姿勢が非常に足らない。ぼくは日銀
総裁に伺いたい。財政のしわ寄せが金融に寄り過ぎておるのではないかということが第一点です。日銀総蔵は人がいいのか、あるいは
政府協力されることをたてまえにしておられるのか知りませんけれ
ども、日銀
総裁が、今回たとえば
予算の
編成があったあとに、
大蔵大臣であったと思いますけれ
ども、申し入れをされた。なぜあれをもう少し前に、さらにもう少し強力に申し入れされないのであるか。財政のしわ寄せが金融に寄り過ぎておる。これは一体、金融に
責任を持っておられる日銀
総裁としてもう少し強く
政府に当たるべきではないかと思いますが、金融にしわ寄せが多過ぎるという点についてどうお
考えになっておるかが第一。時間がありませんから全部申し上げます。
第二は、公債の発行でありまするけれ
ども、今度六千四百億ということになっております。私はこれは千億円多いと思うのです。この論戦を張れば、これだけでまた二時間かかるでしょうから、私は結論を申し上げますが、一体、
政府が公債を六千四百億、そして
民間によろしくということで、金融機関も協力するということになっておる。けっこうなことでございますが、一体できるか。本日の新聞も、公債の消化がうまくいかない。市中消化は一〇%を割っております。あれだけ
条件を変えて、何とか
政府も誠意を示してということになっておりましても、なおかつ八億円削っちゃったでしょう。公債の消化はもう限界にきておるのです。この経済の実態について、六千四百億円の公債を出すということにはたして可能性と自信があるのか。私は貸し出しの問題を
考え、日銀のオペレーションを
考え、コールの動きを
考えた場合に、とてもこれは無理である、絶対にこれは無理であると思いますが、日銀
総裁にお尋ねしたいことは、金融機関として六千四百億円の公債を、自分のほうでその割り当て分を引き受けるだけの自信があるのかないのかということをひとつ伺いたいと思います。これが第二点。
第三は、問題がこんがらがってまいりますけれ
ども、中小企業の問題についてひとつお伺いをしたい。それは、あるいは三月危機といわれ、あるいは六月危機といわれておりますが、この中小企業の危機はわれわれ民社党としても特に頭を悩ましておりますが、この危機は、
政府の
答弁あるいは御説明によれば、何だか中小企業の
責任であるようなことをしょっちゅう言われるのです。これは非常に間違いであります。私は、これも時間がありませんから私のほうから結論を申し上げる。景気がよくても不景気になっても、中小企業は倒産するでしょう。それを一体何と見ておられるか。これは重大な問題です。私
どもの見るところによれば、中小企業の体質改善は全然できていないです。一体、
政府も外に向かっては、御
承知のように特恵関税の問題が出る、そうすると、日本は中進国で、あまりかってなものを入れてもらうと中小企業がまいってしまうというようなことで、中進国になり下がられる。内では世界の三番目だとかいうことになっておる。こういうふうにして、外に向けて言うときと国内に向けて言うときとは、どうも
政府の御説明も違うのでございますけれ
ども、特恵関税の問題で
政府がこれから非常に悩まなければならぬ一番大きな原因は、中小企業の近代化ができていないということなんです。あるいは中小企業も賃金が上がったからよかろうとか、あるいはだいぶ中小企業は高度成長のおこぼれちょうだいで
内容がよくなったというような御説明も多いのでございますけれ
ども、実態を調べてみると、たとえば、数字が少し古いけれ
ども、
昭和三十二年と四十年を比較して、資本装備率で見ると、かつて三十二年に一六・八であったものが四十年には二三・六になっておる。これもたいした改善ではありません。特に問題なのは、賃金格差は、かつて五〇・三であったものが六五・七まで上がった。しかるに付加価値生産性というものは、下請工場が値切られたりするものでありますから、下請単価を切り下げられるものでありますから、四五・九が四七・八、たった二ポイントふえただけなんです。中小企業の実態に対して、血液は二ポイントふえただけ、しかも賃金のごときはもう一五ポイントも上がっておる。また上げなければ——上げても中小企業には人は来ません。こういう実態になっておるのだから、その中小企業の体質を
政府のお力で基本的に組みかえてやる、こういう親切な近代的な構造改革
政策がなければ、幾ら景気がよくて中小企業はよくなっただろうといっても、よくならないのです。この構造的な矛盾がありますから、中小企業は好況であっても不況であっても倒産が多い、新記録をつくる、こういうことであります。これはひとつ通産大臣に十分御認識をいただいた上での御
答弁を願いたいと思います。
しかし、そういう本質論だけではありません。当面はいまの三月危機あるいは六月危機という問題がありますので、危機の問題にしぼって、特に金融の問題が重要でございますから、私はこの三月危機の問題を日銀
総裁に特に伺っておきたい。
その一つは、三月危機あるいは六月危機に対する対策としての第一は、これは
政府にも関係がありますから、
政府に関係のところは
政府から御
答弁を願いたい。輸出産業で今日金融に困って投げ売りを始めておる。電球その他です。ところが、これは輸出産業でございますから、一ぺん投げ売りを始めると、今度は国際市場において半永久的にその投げ売りの
条件を押しつけられることになるので、非常に苦しい
立場に立つ。これを救うためには、窓口規制のワクから除外してやるという
程度のことは
考えてやらないと、将来日本の輸出産業にまで重大な影響があると思いますが、どうでありますか。
政府あるいは日銀は、金融
政策としてどういうお
考えであるか。
それから次に、これは
政府にお伺いするのでございますが、中小企業、
国民金融、商工中金の三公庫は、四−六期にはいまのままでいきますと金融が非常に締まります。そこで、これは七−九期のものを繰り上げてでも、この一番きびしい四−六期の危機を切り抜けるための
努力をしなければならぬと思いますが、それをお
考えになるかどうか。
さらに日銀の
総裁にお伺いしたいのでありますけれ
ども、あるいは
政府にもお
考えを伺いたいのでありますけれ
ども、金融引き締めのためにこれから黒字倒産がふえると思います。黒字倒産だけは絶対にさせないというだけの親切をお持ちであるかどうか。
次に、銀行は、今日全国銀行で中小企業向けのシェアは大体二九・八%であります。今日貸しておるものを借りかえには応じないというような形で金融を引き締められると、中小企業はつぶれてしまう。だから少なくとも、今日の不十分なシェアである二九・八%のシェアは、当分は引き締めにもかかわらず中小企業についてはシェアを落とすということはしないという約束ができるかどうか。
さらにもう一つ、コールの運用についてでございますけれ
ども、コールのレートが御
承知のように最近五厘かれこれ上がりまして二銭四厘になった。そうすると、採算上からいえばそちらに回すほうがいい。しかし、そういうことをやられてはたまりません。一体、コールに運用するということで過当にコールに回すということは、ひとつ取り締まって監督をしてもらうというお
考えがあるのかどうか。
また、本
委員会においても非常に問題になっておりました歩積み両建ての問題も、この金融が苦しくなるにつれましてますます盛んになってきました。これを一体取り締まるお
考えが
政府にはあるのかどうかということも、あわせてお伺いをいたしたい。
最後に、日銀
総裁にお伺いをいたしたいのですが、四千七百五十億円銀行が貸し倒れ準備金を持っております。貸し倒れ準備金というものは、私の理解するところでは、これは中小企業が気の毒だ、この際助けてやろうといって貸してやったために、これがだめになった、それを取りくずしでカバーしていこうというのが貸し倒れ準備金だと思うのです。ところが、この制度を悪用して、税金のがれだとは申しませんけれ
ども、結果において税金はかからない四千七百五十億円の金がある。けれ
ども、中小企業が申し込んだならばそれには応じない。一体、貸し倒れ準備金が今日までどの
程度活用されてまいりましたか、また活用されるように銀行を指導してまいられましたか。あぶなくなれば金は貸さない、貸し倒れ準備金はしたがって一つも使わない、蓄積に蓄積をされて四千七百五十億円、こんなばかげたことはありません。一体、銀行というものはだれのために存在するのか。私は、銀行というものは、中小企業のこれからの危機に及んでは、身を殺して仁をなせとは申しませんけれ
ども、積み立ててある貸し倒れ準備金の範囲内くらいは思い切って中小企業のために融通すべきである。一体どういうお
考えでおられるかということを伺いたい。