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1968-06-03 第58回国会 衆議院 本会議 第41号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年六月三日(月曜日)     —————————————  議事日程 第三十号   昭和四十三年六月三日     午前十時開議  第一 地方公務員災害補償法の一部を改正する   法律案内閣提出参議院送付)  第二 消防法及び消防組織法の一部を改正する   法律案内閣提出参議院送付)     ………………………………… 〔請願日程本号(一)末尾掲載〕     ————————————— ○本日の会議に付した案件  石橋政嗣君の故議員綱島正興君に対する追悼演   説  首都圏整備委員会委員任命につき同意を求める   の件  漁港審議会委員任命につき同意を求めるの件  鉄道建設審議会委員任命につき同意を求めるの   件  日程第一 地方公務員災害補償法の一部を改正   する法律案内閣提出参議院送付)  日程第二 消防法及び消防組織法の一部を改正   する法律案内閣提出参議院送付)  請願日程 元満鉄職員であつた公務員等恩給   等通算に関する請願外二千四百七十七請願  岡山当新田地区特定郵便局設置に関する請   願外請願  内閣委員会地方行政委員会法務委員会、外   務委員会大蔵委員会文教委員会社会労   働委員会農林水産委員会商工委員会、運   輸委員会逓信委員会建設委員会予算委   員会決算委員会及び議院運営委員会並びに   災害対策特別委員会公職選挙法改正に関す   る調査特別委員会科学技術振興対策特別委   員会石炭対策特別委員会産業公害対策特   別委員会物価問題等に関する特別委員会、   交通安全対策特別委員会及び沖繩及び北方問   題等に関する特別委員会において、各委員会   から申出のあつた案件について閉会審査す   るの件(議長発議)     午後零時二十九分開議
  2. 石井光次郎

    議長石井光次郎君) これより会議を開きます。      ————◇—————
  3. 石井光次郎

    議長石井光次郎君) 御報告いたすことがあります。  議員綱島正興君は、去る五月二十八日逝去せられました。まことに哀悼痛惜至りにたえません。  同君に対する弔詞は、議長において去る五月三十一日贈呈いたしました。これを朗読いたします。   〔総員起立〕  衆議院は多年憲政のために尽力しさき労働委員長農林水産委員長内閣委員長等要職にあたられた議員正四位勲二等綱島正興君の長逝を哀悼しつつしんで弔詞をささげます。      ————◇—————  故議員綱島正興君に対する追悼演説
  4. 石井光次郎

    議長石井光次郎君) この際、弔意を表するため、石橋政嗣君から発言を求められております。これを許します。石橋政嗣君。   〔石橋政嗣君登壇
  5. 石橋政嗣

    石橋政嗣君 ただいま議長から御報告のありましたとおり、本院議員綱島正興君は、去る五月二十八日逝去されました。まことに痛惜の念にたえません。  しかし、私には、正直なところ、郷土長崎ことばで語りかける綱島さんの声が、いまだに聞こえるように思われてなりません。そしてまた、豪快に笑っている姿が、まだそこに見えるような気がしてはならないのです。とにかく綱島さんは、からだや声が大きかったばかりでなく、あらゆる意味で大きな存在でした。  ここに、ありし日の綱島先生の面影をしのびながら、私は、諸君の御同意を得て、議員一同を代表し、つつしんで哀悼ことばを申し述べたいと存じます。(拍手)  綱島さんは、明治二十三年三月、長崎県北松浦郡田平町に生まれ、長じて第五高等学校を経て、東京帝国大学法学部に進まれました。  時あたかも、大正デモクラシーの機運が次第に高まりを見せる中で、学生時代を送られた君は、自然の成り行きとでもいうかのように社会正義の一念に燃え、政治に多大の関心を寄せられるようになったのであります。大正六年、同校卒業後、弁護士を開業した君は、同志とともに社会問題の研究会を組織し、互いに研さんを積まれ、いつしか実践運動に入っていくことになりました。まず鉱山労働者のための日刊紙鉱業日報」の発刊に取り組み、翌七年にはみずから足尾銅山に入山、劣悪な労働条件改善を要求する鉱山労働者の味方となって闘争に参加したのであります。この間、官憲の弾圧を受けて検挙されることもありましたが、いささかも屈することなく、いよいよ闘争を拡大し、大正八年には足尾銅山釜石鉱山労働者を糾合して大日本鉱山労働同盟会結成、みずからその会長となって世間の耳目を集めたあの足尾争議にまで発展させ、直接その指導に当ったことは、つとに広く知られているところであります。(拍手)  かかる労働運動のうねりは、やがて農民の間にも影響を及ぼすところとなり、それが小作争議となってあらわれるや、君は、新潟をはじめ秋田、山形、青森、岐阜等の各地におもむいて、農民組合結成に当たり、全国を席巻した小作争議指導解決に心血を注がれたのであります。  このように、初期の労働運動農民運動に尽くされた君の献身的な努力はまことに目ざましく、その功績はいつまでもいつまでもたたえられ、語り継がれていくであろうことを信じてやみません。(拍手)  その後、君は、みずから感ずるところあって実践運動から身を引かれ、やがて終戦を迎えることとなったのであります。そのとき君は、戦後のこんとんとした状況を深く憂え、荒廃した農漁村を再建し、もって祖国日本の復興と国民生活の安定をはかることこそが、自分に課せられた当面最大の責務であるとの信念に到達されました。そして、昭和二十二年四月に行なわれた第二十三回衆議院議員選挙に際し、決意も新たに、長崎県第二区から立候補、みごと初当選の栄を獲得されたのであります。  本院に議席を得られてからの綱島さんは、各方面に活躍されたのでありますが、とりわけ有数の農政通としてその手腕力量を遺憾なく発揮され、その存在は光彩を放っていたのであります。(拍手)  戦後のわが国農業は、あの画期的な農地改革の実施をはじめとして、幾多の問題に直面してまいったのでありますが、これら諸懸案の審議にあたって、綱島さんは的確に現状を把握し、将来への展望をもって意見を述べられるのが常でした。じゅんじゅんと説くその意見が大きな説得力を持ち、いつも問題の解決と前進に大きく寄与するところがあったことは言うまでもありません。  綱島さんは、また終始農業の持つ重要性を強調し、農業に対し国がより積極的にあたたかい手を差し伸べるようつとめるべきであると主張し続けてこられました。「安上がり農政などあり得ない」、これは農政に関する綱島さんの基本的な考えを率直に表明したことばでありますが、そこには、農民に対する愛情と農業問題にかける熱意のなみなみならぬことをはっきりとうかがうことができるのであります。(拍手)  なお、綱島さんが農地報償の問題にこん身の努力を傾けておられたことは周知のことでありまして、立場と見解を異にするわれわれも、そのひたむきな態度には感嘆せざるを得なかったのであります。  綱島さんは、また離島問題の権威として自他ともに許すところでありました。早くから同憂の諸君とともに離島振興具体策をはかっておられましたが、ついに昭和二十八年、第十六回国会において、君みずから提案者となって提出されていた離島振興法の成立を見ることができたことは、まさに画期的な業績といわねばなりません。(拍手)その後も、離島振興対策審議会委員として引き続きこの問題に取り組み、着々と改善の実をあげ、離島の住民に対し多くの福祉をもたらしたのであります。綱島さんの名は、「離島の神さま」という賛辞とともに、これらの人たちの間でいつまでも語り継がれていくことでありましょう。  また、綱島さんは、さきに選ばれて労働農林水産内閣、懲罰の各委員長要職につきましたが、その間、終始公正な態度をもって円満に委員会運営し、与野党委員の信望を一身に集め、よく委員長の重責を果たされたのであります。さらに、自由民主党にあっては、総務あるいは政策審議会委員として党の運営に、政策の立案に尽力されました。  かくて、綱島さんは、本院議員に当選すること前後八回、在職十七年五カ月に及び、その間国政の上に残された功績は、まことに偉大なものがあります。  思うに、綱島さんは、人一倍旺盛な正義感とたくましい実行力をもって、みずからの信ずる道を邁進するというかたい信念の士でありました。そして、権威に屈せず、毀誉褒貶を顧みず、ひたすら国民大衆のために働き通されたのであります。  君は、豪放らいらくな性格の反面、きわめてこまやかな人情の持ち主でありました。私は、いまでも、綱島さんが内閣委員長当時、御家族に私を紹介する際、「おとうさんがお世話になっているのだから、よっくお礼を言いなさいよ」とおっしゃったあのやさしい慈愛深いことばを忘れることができません。(拍手綱島さんは、また非常な読書家であり、その博識多才ぶりは、巧みな話術とともに、つとに知られたところであります。その人柄に接したものが、だれしも愛着を覚え、信頼を寄せ、敬慕してやまなかったのもけだし当然のことでありましょう。  私は、綱島さんの訃報を耳にするや、とるものもとりあえずかけつけたのでありますが、そこに見たのは、あの大きかった綱島さんではなく、うそのように小さくなった綱島さんでありました。そこに闘病生活のきびしさ、苦しさをまざまざと見た思いの私は、それこそ心底からゆさぶられるような衝撃を覚えたのであります。五十有余年に及ぶ政治活動に殉じた人、全身全霊を国家国民のためにささげ切った人の、それが最後の姿だったのです。  綱島さん自身は、そのことを不幸なことだとも、つらいことだとも思いはしないでありましょう。これがみずからの生涯の当然の帰結だと信じておられることでありましょう。そして、取り乱している私に対し、「あとはいっちょう頼むばい」とおっしゃるに違いありません。しかし、私にとっては、一生を国家国民のためにささげ尽くすということがどんなにきびしいものであるかを、ほんとうに思い知らされたことでありました。そして、あらためて政治家としての使命の重大さをしみじみとかみしめたのであります。(拍手)  まことに国会議員らしい国会議員であった綱島さん、いま七十八年の生涯を静かに閉じていかれた大先輩のあなたに、私は、心からお誓いしたいと思います。あなたの十分に果たし得なかった志を継いで、必ずや国家国民のため、郷土のために、私も全力をあげて尽くしますと。  現下、流動激しい内外情勢の中で、私たち国会議員責務も一そう重きを加えつつあります。このときにあたり、独自の風格を備えた真の議会人綱島正興先生を失いましたことは、返す返すも残念なことであり、本院にとっても、国家にとっても、まことに大きな損失と申さなければなりません。(拍手)  ここに、綱島先生の生前の功績をたたえ、その人となりをしのび、心から御冥福をお祈りして、追悼ことばといたします。(拍手)      ————◇—————  首都圏整備委員会委員任命につき同意を求めるの件  漁港審議会委員任命につき同意を求めるの件  鉄道建設審議会委員任命につき同意を求めるの件
  6. 石井光次郎

    議長石井光次郎君) おはかりいたします。  内閣から、首都圏整備委員会委員に大來佐武郎君、大沢雄一君、西畑正倫君、師岡健四郎君を、漁港審議会委員家坂孝平君、黒田静夫君、高木淳君、林真治君、向瀬貫三郎君、多田稔君、天野與市君、寺田初夫君、徳島喜太郎君を、鉄道建設審議会委員荒木茂久二君、根津嘉一郎君、駒井健一郎君、湯淺佑一君、西村健次郎君、柳満珠雄君、麻生平八郎君、加藤閲男君を任命したいので、それぞれ本院の同意を得たいとの申し出があります。右申し出のとおり同意を与えるに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  7. 石井光次郎

    議長石井光次郎君) 起立多数。よって、いずれも同意を与えるに決しました。      ————◇—————  日程第一 地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  日程第二 消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付
  8. 石井光次郎

    議長石井光次郎君) 日程第一、地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案日程第二、消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
  9. 石井光次郎

  10. 吉川久衛

    吉川久衛君 ただいま議題となりました二法案につきまして、地方行政委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。  まず、地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、最近において労働基準法及び労働者災害補償保険法による障害補償にかかる障害等級表改正されたことに伴い、地方公務員についても、それとの均衡をはかるため、地方公務員災害補償法の別表を改正しようとするものであります。  本案は、参議院先議でありまして、去る四月十日当委員会に付託され、五月七日赤澤自治大臣から提案理由説明を聴取した後、五月二十四日、質疑を終了し、討論もなく、採決の結果、原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。  なお、本案に対し、給付内容等改善をはかる旨の付帯決議を付することに決しました。  次に、消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、最近急増している高層建築物地下街等における防火管理の徹底を期するとともに、ガスの漏洩等により火災の発生の危険が切迫している場合に、警戒区域を設定する等、防災体制整備を行なおうとするものであります。  本案は、参議院先議でありまして、去る四月二十四日当委員会に付託され、五月七日赤澤自治大臣から提案理由説明を聴取した後、五月二十四日、質疑を終了し、討論もなく、採決の結果、原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。  なお、本案について、消防力充実強化をはかる旨の附帯決議を付することに決しました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  11. 石井光次郎

    議長石井光次郎君) 両案を一括して採決いたします。  両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 石井光次郎

    議長石井光次郎君) 御異議なしと認めます。よって、両案は委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  請願日程 元満鉄職員であった公務員等恩給等通算に関する請願外二千四百七十七請願  岡山当新田地区特定郵便局設置に関する請願外請願
  13. 山村新治郎

    山村治郎君 議事日程追加緊急動議を提出いたします。  この際、請願日程二千四百七十八件とともに、本日委員会審査を終了した岡山当新田地区特定郵便局設置に関する請願外九件を追加して一括議題となし、その審議を進められんことを望みます。     —————————————
  14. 石井光次郎

    議長石井光次郎君) 山村治郎君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 石井光次郎

    議長石井光次郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  元満鉄職員であった公務員等恩給等通算に関する請願外二千四百八十七請願を一括して議題といたします。     —————————————   〔報告書会議録追録掲載〕     —————————————
  16. 石井光次郎

    議長石井光次郎君) 各請願委員長報告を省略して採択するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 石井光次郎

    議長石井光次郎君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定しました。      ————◇—————  委員会閉会審査に関する件
  18. 石井光次郎

  19. 石井光次郎

    議長石井光次郎君) まず、農林水産委員会申し出にかかる国有林野の活用に関する法律案、及び逓信委員会申し出にかかる簡易郵便局法の一部を改正する法律案は、それぞれ両委員会において閉会審査するに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  20. 石井光次郎

    議長石井光次郎君) 起立多数。よって、さよう決定いたしました。  次に、農林水産委員会申し出にかかる農業協同組合法の一部を改正する法律案は、同委員会において閉会審査するに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  21. 石井光次郎

    議長石井光次郎君) 起立多数。よって、さよう決定いたしました。  次に、農林水産委員会申し出にかかる農業振興地域整備に関する法律案運輸委員会申し出にかかる新東京国際空港公団法の一部を改正する法律案、及び科学技術振興対策特別委員会申し出にかかる科学技術基本法案は、それぞれ各委員会において閉会審査するに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  22. 石井光次郎

    議長石井光次郎君) 起立多数。よって、さよう決定いたしました。  ただいま閉会審査するに決定いたしました案件を除く他の案件について、各委員会において申し出のとおり閉会審査するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 石井光次郎

    議長石井光次郎君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
  24. 石井光次郎

    議長石井光次郎君) 諸君、第五十八回国会は本日をもって終了いたします。  本国会が昨年十二月二十七日に召集せられて以来、諸君は、長期間にわたりまして、終始熱心に審議に精励せられまして、本年度総予算小笠原返還協定をはじめ、幾多重要案件を議了せられました。まことに御同慶の至りにたえません。  ここに会期を終了するにあたりまして、諸君の連日の御苦労に対し、深く敬意を表するとともに、議長に寄せられました多大の御協力に対し、衷心より感謝の意を表する次第であります。  諸君におかれましては、今後も御自愛の上、国家のため一そう御活躍あらんことを祈ってやみません。(拍手
  25. 石井光次郎

    議長石井光次郎君) これにて散会いたします。     午後零時五十三分散会      ————◇—————  出席国務大臣         農 林 大 臣 西村 直己君         建 設 大 臣 保利  茂君         自 治 大 臣 赤澤 正道君         国 務 大 臣 木村 俊夫君      ————◇—————