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1968-05-24 第58回国会 衆議院 法務委員会 第33号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年五月二十四日(金曜日)    午前十時二十八分開議  出席委員    委員長 永田 亮一君    理事 大竹 太郎君 理事 田中伊三次君    理事 中垣 國男君 理事 猪俣 浩三君    理事 神近 市子君 理事 佐々木良作君       瀬戸山三男君    田中 角榮君       千葉 三郎君    中村 梅吉君       村上  勇君    成田 知巳君       岡沢 完治君    山田 太郎君       松野 幸泰君  出席政府委員         法務政務次官  進藤 一馬君         法務省刑事局長 川井 英良君         法務省矯正局長 勝尾 鐐三君         法務省人権擁護         局長      堀内 恒雄君         法務省入国管理         局長      中川  進君         文部省大学学術         局長      宮地  茂君         厚生省児童家庭         局長      渥美 節夫君         労働省職業安定         局長      有馬 元治君  委員外出席者         外務省アジア局         外務参事官   金沢 正雄君         文部省初等中等         教育局中学校教         育課長     奥田 真丈君         文部省初等中等         教育局職業教育         課長      望月哲太郎君         最高裁判所事務         総局総務局第一         課長      大西 勝也君         専  門  員 福山 忠義君     ————————————— 五月二十四日  委員岡沢完治君及び山田太郎辞任につき、そ  の補欠として西村榮一君及び中野明君が議長の  指名委員に選任された。 同日  委員中野明辞任につき、その補欠として山田  太郎君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  閉会審査に関する件  裁判所司法行政に関する件  法務行政に関する件  検察行政に関する件  人権擁護に関する件  請 願   一 福岡地方裁判所小倉支部等昇格に関す     る請願池田禎治紹介)(第二七五七     号)   二 同(田中六助紹介)(第二七八九号)      ————◇—————
  2. 永田亮一

    永田委員長 これより会議を開きます。  まず、閉会審査に関する件についておはかりいたします。  すなわち、神近市子君外七名提出の死刑の確定判決を受けた者に対する再審の臨時特例に関する法律案横山利秋君外七名提出刑事補償法等の一部を改正する法律案、並びに裁判所司法行政に関する件、法務行政及び検察行政に関する件、国内治安及び人権擁護に関する件、以上の各案件につきましては、閉会中も審査をいたす必要がありますので、議長閉会審査申し出をいたすことに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 永田亮一

    永田委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。  次に、おはかりいたします。閉会審査に関し、最高裁判所の長官またはその指定する代理者から出席説明の要求がありました場合には、そのつど委員会にはかることなく、その取り扱いを委員長に御一任願っておきたいと存じますが、これに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 永田亮一

    永田委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。  なお、閉会中の審査案件が付託されました後、審査のため委員派遣を行なう必要が生じました場合の手続等に関しましては、あらかじめすべて委員長に御一任願っておきたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 永田亮一

    永田委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。      ————◇—————
  6. 永田亮一

    永田委員長 次に、本日の請願日程二件を一括して議題とし、審査を進めます。  今国会において、本委員会に付託せられました請願は、福岡地方裁判所小倉支部等昇格に関する請願二件であります。  以上の各請願は、文書表等により委員各位内容は御承知のことと存じます。また、先ほど理事会におきましても内容等を十分検討いたしましたので、紹介議員説明等を省略し、直ちに採決いたします。  本日の請願日程第一及び第二の両請願は、いずれも採択の上内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。   〔「異議存し」と呼ぶ者あり〕
  7. 永田亮一

    永田委員長 御異議なしと認めます。よって、日程第一及び第二の両請願は、いずれも採択の上内閣に送付すべきものと決しました。  なお、ただいま議決いたしました請願に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 永田亮一

    永田委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  9. 永田亮一

    永田委員長 なお、今国会、本委員会に参考送付されております陳情書は、不動産登記法の運用に関する陳情書外三件であります。      ————◇—————
  10. 永田亮一

    永田委員長 次に、裁判所司法行政に関する件、法務行政に関する件、検察行政に関する件、及び人権擁護に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山田太郎君。
  11. 山田太郎

    山田(太)委員 きょうは、今国会法務委員会の実質的な審議の終わりになるとも思いますが、限られた時間でありまして、四十分という制限がありますので、私も簡単に質問さしていただきまずから、答弁のほうもどうか要領を得て、簡単にやっていただきたいと思います。  そこで、単刀直入にお伺いしたいのでございますが、最初に養護施設においての殴打事件に関連してお伺いしたいと思います。少し時期は古くなっておりますが、一応御存じとは思いますが、通告してありますので、その事件内容のあらましなどを申し上げさしてもらいます。「東京調布養護施設で、施設をいったん出たはずの十九歳から二十七歳の元収容者たち七、八人が舞戻って昼間から酒盛りをし、施設子どものモモを鉄パイプでアザのできるほどなぐるなど、二年間も暴力を振っていた。頭をなぐられて七カ月の大けがをした保母もいる。園長福祉関係の肩書が多く、その仕事が忙しくて月に二、三度しか施設に顔をみせなかった。保母東京都や警察に何度か陳情したが、ラチがあかない。思い余った保母の一人が「これでは子どもたちがかわいそう」と遺書を残して四日朝、」——これは十一月四日と思いますが、「睡眠薬自殺を図ったが、発見が早く生命をとりとめ、事態が明るみに出た。調布署東京民生局も、事件の異常さに驚き、調査に乗出すことにしたが、これは極端な例だとしても、養護施設温情主義一つの問題を投げかけている。」このように新聞の報道にはしさいに書いてありまして、また現地の調査もいたしましたが、この事件についての原因とその実態とについて、刑事局長御存じ範囲で教えてもらいたいと思います。
  12. 川井英良

    川井政府委員 私のほうで警察連絡をいたしまして聞いたところによりますと、警察において直ちに内偵に着手をして、目下捜査中である、こういうふうな報告になっております。検察庁といたしましては、直接この事件——まあ暴力事件でございますので、警察が送致をしてくるのを受けて検察庁が処分をきめるというのが大体の筋でございますので、検察庁のほうは、警察連絡をとって、事件の送られてくるのを待機しておる、こういうふうに報告を受けております。
  13. 山田太郎

    山田(太)委員 じゃまだ詳細はわからないというわけでございますか。——では、厚生省児童家庭局長にお伺いしますが、その原因あるいはその実態は、御承知のことと思いますが、その点についていかがでしょうか。
  14. 渥美節夫

    渥美政府委員 調布学園のただいま御指摘になられました問題でございますが、私どもの立場といたしましては、やはり幾つかの問題点があがっておる、かように考えておるわけでございます。  第一点といたしましては、いま御指摘がありましたように、この施設長——園長でござますが、東京都の社会福祉協議会その他いろいろな養護施設関係の役職に相当ついております。そういった関係で、そちらのほうの仕事も相当忙しかったわけでございます。そのために、実際園長でありながら園に常住することができない。したがって、統括すべき責任が十分果たされていなかった、こういうふうに考えておりまして、これが一つの大きな原因じゃなかろうか、かように思っております。  それから第二点でございますが、こういった養護施設は、先生も御承知のとおり、ともかくりっぱな子供社会に出すというところに目的があるわけでございまして、したがって、園を離れても、退所後のそういった者に対しましては、めんどうを見てやらなくちゃいけないわけでございます。しかしながら、残念ながらそういった退所者に対するいわゆるアフターケアがこの園においてはうまくできていなかったのじゃないか、かように思っております。ただ、この点につきましては、この調布学園自体が、従来から比較的非行のややあるような子供を入れて訓練をするというふうな機能を持った施設でもあったために、そこいらにも問題があったとは思うのでございますが、同時に、やはり退所生に対しまするやや過大な温情主義といいますなこういうふうな園の考え方が、もう一つの理由ではないか、かように思っておるわけでございます。  以上が、御質問の中で言われておる、私どもの考えておる原因ではなかろうか、かように思っております。
  15. 山田太郎

    山田(太)委員 そこでもう少し突っ込んでお伺いしたいのですが、この二年間も放置してあったということですね。これについて、厚生省としての指導監督というものが不十分なんじゃないかという感じを免れないわけですが、この指導監督はどのようになさっておいででしょうか。
  16. 渥美節夫

    渥美政府委員 養護施設は全国に五百四十カ所近くもございまして、そこに入っております子供の数も三万二、三千名をこえておるわけでございます。しかも、そこでは子供たちが全人格的な生活を営むわけでございますから、その施設におられる園長さん、あるいは指導員方々、あるいは保母さんの方々、こういった方々に対しましては、毎年にわたりまして、国の段階におきましても、あるいは都道府県段階におきましても、何回となくそういった子供指導についての研修会講習会を常時やっておるわけでございます。特にこういった事故といいますか、これは相当珍しい事故でございまして、こういった事故は相当前にはあったのでございますが、最近はあまりないものですから——しかし、当然こういった基本的な問題でございますので、先ほど申し上げましたようないろいろな研修会講習会を通じまして、子供に対する処遇の技術的な問題とかあるいは精神的な問題を絶えず監督指導をやっておる。法律的に申し上げますれば、これは都道府県知事監督に属する、かように相なっておるわけでございます。
  17. 山田太郎

    山田(太)委員 そうすると、いまの御答弁によりますと、二年間もそのままになっておったということは、万やむを得ぬことだというふうになるわけでしょうか。
  18. 渥美節夫

    渥美政府委員 これは万やむを得ないのかというふうな御質問でございますが、ともかく養護施設自体が、私ども指導といたしましては、一つ家庭のごとく経営される、そのことによって子供がりっぱに成長される、こういうふうな基本的な考えを持っておるわけでございまして、やはり施設の中におきまして、施設長なりあるいは指導員なり保母なりは子供に対すると同じような十分な愛情なり温情なりを持ってやってもらうようにという指導はしておったわけでございます。しかし、残念ながらそういうふうな方向、考え方であったために、なかなか内のものが外に漏れなかった。こういうふうなことはたいへん遺憾であった、かように思っています。
  19. 山田太郎

    山田(太)委員 再びこのようなことがあってはならぬわけですが、他の施設においては、現在はそういう心配はございませんか。
  20. 渥美節夫

    渥美政府委員 先ほど申し上げましたように、私どもといたしましては、このような事件といいますか、こういったことはいわば相当原始的なことに属する問題でございまして、いま私どもといたしましては、むしろたとえば事故防止であるとか、災害の防止であるとか、こういうふうな点につきまして相当指導しておるわけでございます。こういうふうなやや古いタイプ事件というものは、いまではほかにはほとんどなかろう。その点については、当然のことでございますが、十分指導しているつもりでございます。
  21. 山田太郎

    山田(太)委員 古いタイプ事件だとおっしゃいますが、それが二年間にわたっておった。あまり極端な追及のしようかわかりませんが、しかし、これは保母のあるいは指導員——調査したところによりますと、指導員の一人は一緒に酒盛りしておったとか、そのようなことも聞いております。やはりそこにりっぱな指導がなされてなかったという結果が、ここに出てきておることはいなめない事実でございます。  そこで、時間の関係上はしょって次に移りますが、どうかこのようなことの再びないように指導監督体制——やはりゆるんでいるとか、足らないとか、そういう点があるに違いない。その点をきちっとやっていただくように要望しまして、次に移らしてもらいます。  簡単に答えていただきたいと思いますが、保母あるいは指導員施設児童を何人担当しておるかという点を、この当調布学園の例を含めて、それから諸外国の例を簡単にあげていただいて、そうして現状は大体規定としては何人になっているんだということを、外国の例も含めて教えてもらいたい。
  22. 渥美節夫

    渥美政府委員 わが国におきましては、こういった養護施設の経営は、児童福祉法の定めるところによって運営されているわけでございまして、ただいま御指摘子供何人に対し児童指導員あるいは保母が何人必要であるかというのは、児童福祉法に基づきますところの児童福祉施設最低基準に定めておるところによるわけでございます。そして現在におきましては、六歳以上の子供につきましては子供八人について一人、それから六歳未満四歳までにつきましては子供七人につき一人、三歳未満につきましては子供五人につき一人、こういうふうな基準保母及び指導員が置かれるというのが現行の規定でございまして、この調布学園におきましては、現在八十七名の子供生活しておるわけでございます。これに対しまして児童指導員が六名、保母が十六名、かような配置になっておりまして、最低基準を現在では満たしておる、かようになっております。なお保母十六名のうち、現在無資格の者が一人おるわけでございますので、この点につきましては、東京都より有資格者配置がえするように十分指導しておるところでございます。  それから外国の例というお話がございましたが、先生承知のとおり、特にアメリカあるいはヨーロッパ等におきましては、こういった家庭に恵まれない子供さん方の大部分は、里親、フォスターペアレントのもとにおいて養育されておるというのが現状でございます。もちろん施設におきまして約二割から三割ぐらいは収容されておりますが、この点につきましては、ほとんど大部分民間施設あるいは宗教団体等施設において行なわれておるということでございまして、私はまだ勉強が不十分でございますが、このように、わが国法律あるいは省令のような基準を設けて、何人に対し一人ということは、そのような形式では定められない、実情に応じてそういった保母さんなりあるいは指導員が担当している、かように伺っているところでございます。
  23. 山田太郎

    山田(太)委員 そこで私の聞きましたところによると、保母の有資格者のことばもいま出ましたが、それが不足しておる。保母養成施設もあるのはありますが、それを出た人が養護施設のほうをあまり希望しない、そういうことを聞いております。また事実、この調布学園においても一例でありますが、有資格者が足りない。この点についてはどのようになさるおつもりですか。
  24. 渥美節夫

    渥美政府委員 御指摘のように、保母になりますためには、保母養成所を卒業するということと、都道府県知事が行なう保母試験に合格する、二つの課程があるわけでございます。  第一の保母養成所につきましては、保母確保のために毎年その養成施設をふやしていただくという方針でやっております。昭和四十二年度におきましては、保母養成所の数は百五十九であったのですが、四十三年におきましては百八十三カ所というふうに相当数伸びてまいっております。  また、都道府県知事が行なう保母試験につきましても、従来県によりましては年一回行なったというところもございますが、これは私のほうから知事のほうに呼びかけまして、年二回やるというふうなことで保母確保をいたしたい、かように思っておるわけでございます。しかし、しょせんはむずかしい労働条件のもとにおいて、その仕事については比較的処遇が低いわけでございます。そのために、御指摘のように、同じ保母養成学校を出ましても、保育所よりは幼稚園のほうがいい、保育所よりは養護施設のほうを避けるというふうな実際上の問題があることは、いなめないと思います。したがいまして、先ほども述べましたように、その働きやすい条件をつくってやる。つまり保母あるいは指導員の受け持つ子供の数を減らしてやるとか、あるいはもちろん処遇改善してやる。こういうふうな全般的な労働条件の向上といいますか、処遇改善、こういうものをさらに強力に進めていかなければならない、かように考えております。
  25. 山田太郎

    山田(太)委員 では最後に、時間の関係上まとめて要望させてもらいたいと思います。  先ほど局長の御答弁になりました、この養護施設においての指導員あるいは保母方々に対して、他の場所よりも優遇していく。現状は御承知のとおり、わずかな手当だけです、宿泊した場合ですね。これを特別に優遇するという措置を検討できないかどうかという点。  それから、指導監督をどのように改善して、このようなことが再び起こらないようにするかという点が第二点。  それから、はしょって申し上げて恐縮ですが、私の見た範囲では、老朽施設も相当あるように見える。この老朽に対しての予算措置が、現状においては遅々とした進歩しかやっていない。これに対しての改善措置。  この三点について、要約して局長のこれからの対策あるいは措置というものを、あわせて御答弁願いたいと思います。これは要望も含めて、答弁願いたいと思う。養護施設については日を改めてもっと詳しくお聞きするつもりですが、きょうはこの三点についての対策あるいは施策、予算措置、これについて御答弁を願いたいと思います。
  26. 渥美節夫

    渥美政府委員 第一点の処遇改善具体的方針は何か、こういうことでございます。先ほど申し上げましたように、やはり俸給の改善というものが第一点だと思います。これは毎年国家公務員給与ベースに準じまして、それにのっとりまして給与改定を行なっておるところでございますが、これは当然続けていかなければならないと思っております。それから第二点といたしましては、受け持ち児童数ですね。最近の養護施設に入ります子供は、相当従来に比べまして問題を持っておる子供の傾向が大きいわけでございます。そういうような意味から考えましても、受け持ち児童数を減らしてやる、こういうことが第二の考えなければならない大きな問題であろう、かように思っております。もちろんそのほか児童処遇改善というものも間接的には問題になるわけですから、これにつきましても、さらに努力したい、かように思います。  それから、第二の指導監督は一体今後どうすべきかということでございますが、私どももこういった事件を十分反省しておるわけでございまして、これは国あるいは都道府県の行なうところの施設長会議あるいは指導員とか保母研修会等におきましても、もっと徹底的に日常生活あるいは施設運営等につきましての指導を行ないますとともに こういった施設の自主的な集まりも相当ございますので、そういった集まりにおきましても、施設の中で十分に検討してもらう。国からも、あるいは都道府県からも、指導体制はもっとこまかくするとともに、お互いの自主的な検討の題材にもしていただかなければならぬ、かように思っております。  それから第三点といたしまして、施設老朽の問題がお話に出ました。養護施設は五百三十七ございますが、確かに相当古いものが多うございます。しかも戦争前のものが相当あります。そういったことで、厚生省におきましても、こういった養護施設等の古い老朽な建物に対しましては、特に民間老朽施設に対する設備の改善につきましては、実は昭和三十八年からその整備費を特別のワクとして設けておりまして、施設改善につとめているわけでございます。最近におきましても、たとえば昭和四十二年度におきましては、国庫補助金といたしまして二億一千三百万円、昭和四十一年度には一億八千二百万円、このような国庫補助金を出しまして施設改善につとめてまいっておりますが、今後ともにこういった民間老朽養護施設については、重点的にその改善につとめたい、かように思っております。
  27. 山田太郎

    山田(太)委員 いまの御答弁では、要領を得ていらっしゃるようでポイントをはずされたようなんですね。まだ老朽施設がいまの状態では改善されるのがおそい、それに対しての措置をもっと考えたほうがいいのではないか、ではどういうように考えていくか。  もう一つは、保母に対しての待遇改善は、ただ受け持ち人数を減らすとか、あるいは児童に対する処遇改善するとか、それも大切なことです。非常に大切なことです。いまの児童に対する処遇は、飲食物等の費用を見ても、これは非常に少ないと思うのです。ことに育ち盛りの子供ですし、これはまだ改善する余地があると思う。しかし、いま問題点としてあげたのは、保母に対する手当なり何なりで、特別養護施設に働いていらっしゃる保母方々に対しての待遇を具体的に改善する。ただ、受け持ち人数とかあるいは児童処遇等とかでなしに、給与面においても何かの手当等を考えて特別に措置していけば、やはり養護施設に対する保母の補充というものももっとスムーズにいくのじゃないかという点も考えられますので、この点に対する対策ありやなしや。ないなら、いまのままでよろしいということになる。それじゃいかぬと思うのです。改善しなければいけないはずです。養護施設へもどんどん保母の方が補充されていくように、有資格者できちっと満たされていく、もっと受け持ち人数も少なくなっていく、これは当然なことですが、そうなっていかなければならない。だけれども、その給与面においての待遇改善をする必要があるのじゃないか、その点についての答弁もしてもらいたいと思います。
  28. 渥美節夫

    渥美政府委員 私は、先ほど処遇改善の中におきまして、老朽施設改善というふうな労働環境改善も含めて申し上げましたし、また給与ベース改定等につきましても申し上げました。また特に養護施設におきましては、やはり受け持ち児童数を減らしてやるということが、非常に大きなことだろうと思っております。たとえば、いざまで八人に一人であった受け持ちを七人に一人に減らすということだけでも、相当な労働条件改善になるわけでございます。したがって、私は、いま五歳から四歳までの子供につきましては七人に一人でございますが、これをもっともっと減らしていかなければならない、かように思っております。  それから御指摘の中で、特別の手当のような意味で御質問を受けたのではないかと思っておるのでございますが、実は私どもやっております施設におきましても、養護施設のほかに、精神薄弱児施設とか、肢体不自由児施設とか、あるいはさらにもっと困難な重症心身障害児施設というのがございまして、そういうところにおきます保母さんもやはり確保が非常に困難でございまして、こういった収容施設を含めまして特別の調整額を検討したらどうか、こういうふうなことも重要な話題になっておりますので、今後ともそういうふうな調整額の設定というためには努力してまいらなければいけない、かように思っております。
  29. 山田太郎

    山田(太)委員 では、きょうは養護施設に対しての質問は、私に関する限り、厚生省方々たいへん御苦労さまでございました。より一そう保母に対する待遇改善については具体的に検討してもらいたいと思います。  次は、まず刑事局長にお伺いしたいのですが、群馬県の中之条中学校において、中学校卒業者の集団就職についての収賄事件がありました。この事件は収賄事件として成立するかしないか、この点について、まず第一点お伺いしておきたいと思います。
  30. 川井英良

    川井政府委員 前橋地検で身柄を勾留して取り調べ中である、ごく近い機会に結論を出す予定だ、こういう報告を受けておりますので、この具体的ケースについての私の考え方を申し上げることは少し差し控えさしていただきたいと思いますが、一般論として申し上げますならば、公務員である学校の教師が、公的な立場でもってその教え子の就職をあっせんするという行為は、理論上、私は職務に関する行為になる、こういう考え方でございます。
  31. 山田太郎

    山田(太)委員 とすると、一般論では収賄罪を形成するのじゃなかろうかという答弁だと承知いたします。  そこで、次には労働省にお伺いしたいのですが、この事件の発端、どういうことからこの事件がわかってきたのか、その点について簡単に説明していただきます。
  32. 有馬元治

    ○有馬政府委員 事件の発端は、三月二日、土曜日でございますが、この日に、群馬県の渋川の安定所の中之条出張所というところがございまして、ここの職員六名と、鐘紡の新町工場の労務担当の職員五名が伊香保で懇親会を開催いたしまして、そのおりに、出張所の職員の一番若い米山という男の芸者に対する傷害事件がございました。これが発端になりまして、求人汚職という事件に発展いたしたわけでございます。経過はそういうことでございます。
  33. 山田太郎

    山田(太)委員 現在までわかっている範囲内でけっこうですが、この群馬県における一校長と、それからほか二十人に近い中学校の教師、これが生徒の就職に際して金品並びに供応を受けた、そういう事件に発展していっておると思うのですが、どうですか。
  34. 有馬元治

    ○有馬政府委員 職安関係事件について、私から今日までわかっておりまする点を申し上げますと、職員が四名逮捕されまして、収賄容疑事件で起訴されております。収賄の金額は、二万円ないし五万円という金額でございますが、このほかに、四人のうちの一人の職員につきましては、三十万円相当の物品が含まれております。贈賄側の求人者、いわゆる業者は六名でございます。  以上が、私のほうの職安関係の職員にかかる収賄事件の概要でございます。
  35. 山田太郎

    山田(太)委員 それでは次に、文部省から、先ほど申し上げた点について説明していただきます。
  36. 望月哲太郎

    ○望月説明員 県の教育委員会のほうから報告を受けましたところでは、校長一名を含む三名が五月六日に収賄容疑で逮捕されまして、現在警察で取り調べ中であるということです。
  37. 山田太郎

    山田(太)委員 文部省としては、就職についてはどのような指導を占えてありますか。その指導の不徹底、あるいはそういうことが原因で、このような問題は他の県にもあるんじゃないかというふうな巷間のうわさもあるわけです。たまたま事件が起こったので、それから派生してそれがわかったのだけれども、新聞等の報ずるところによると、教科書の選定とか、あるいはそのほかの購入に対しての礼金だとか、そういうものが、もうすでに先生が麻痺しているんじゃないか、金品を受けたり、供応を受けたりすることに麻痺しているのじゃないか、そのようなことさえいわれております。ましてやこの中之条中学校は、文部省から四十二年と四十三年とで、人づくりモデル校の指定を受けているのです。しかも、ここは県下でただ一つだけです。文部省は一体何をもって人づくりとし、何をもってモデル校の指定の基準としているのかということも、あわせて聞いてみたいと思いますね。
  38. 望月哲太郎

    ○望月説明員 道徳教育の生徒指導の研究指定校の指定につきましては、後ほど担当の中学校教育課長からお答えいたします。  就職の問題につきまして私のほうからお答えを申し上げたいと思います。御承知のように、出生率の低下、あるいは進学率の上昇、それからまた産業経済の非常な発展によりまして、近年非常に求人活動が活発になっておるということは、御承知のとおりでございまして、私どもといたしましても、生徒の就職に関連いたしまして、教育に好ましくない影響が出たり、あるいは教育界に不祥な事態が発生することのないように、かねてより私どもといたしましてもしばしば指導をしてまいっております。しかし、遺憾ながら先ほど先生指摘のような事態が発生いたしましたので、今後とも十分私どもといたしましても教育委員会連絡を密にし、また教育委員会に対しまして教職員の服務監督を適切に行なうよう十分の指導をいたしまして、今後このような事態が発生することのないように、文部省といたしましても全力を尽くしてまいりたい、このように考えております。
  39. 山田太郎

    山田(太)委員 では奥田中学校課長さん、簡単に……。
  40. 奥田真丈

    ○奥田説明員 この第五中学校は、昭和四十二年に文部省が指定した生徒指導研究推進校でございます。この生徒指導研究推進校は、生徒指導全般にわたりましての研究を推進している学校でございますが、この指定校を指定するにあたりましては、文部省のほうでは手続といたしまして、まず都道府県の教育委員会から学校の実態を書いた資料と、それとあわせて都道府県の教育委員会の推薦を経た上で指定することになっております。今回の中之条町立の第五中学校の件につきましては、当時群馬県の教育委員会から学校の実情としまして書いてきておるものを見ますと、教師の研修意欲が高く、生徒指導に意欲的である、こういう推薦を受けたわけでございます。そういう経緯で指定したわけでございますが、四十三年度につきましては、学校並びに教育委員会のほうから辞退がございまして、四十三印度は指定をいたしておりません。しかしながら、こういう事件が起きたことにつきましては、非常に遺憾であると思っております。
  41. 山田太郎

    山田(太)委員 四十三年は、これは辞退するのが当然だと思いますね。また研修意欲が非常に高い——とんでもないことになったが、これは文部省の一つの失態ですね。しかも県下でただ一校だけしている。それがとんでもない、就職あっせんによって金品を受けたり、供応を受けたりする、そういうモデル校ならば、これは悪いほうの推進指定にしたほうがいい、皮肉を申し上げるようですけれども。  時間の関係上、この点はまた後日に譲るとして、人権擁護局長にお伺いしたいのですが、父兄のことばの一つに、縁故就職したのに先生に手数料を取られたとか、あるいはいやいやながら子供は就職したのであるというふうな声さえ上がっております。新聞の報ずるところによっても、これは人身売買に類することじゃないかとさえも極言されておりますが、この点についてどのような御見解と、そうして人権擁護局のほうとしてどのような対策をもって臨まれるか、あわせてお伺いしたいと思います。
  42. 堀内恒雄

    ○堀内政府委員 ただいまこの事件を人身売買に類するものではないかというようなお話がございましたけれども、私ども、ちょっと人身売買には厳格には当たらないと思います。したがって、私ども特別にこの事件につきまして対策をとる考えは、ただいま持っておりません。
  43. 山田太郎

    山田(太)委員 人権擁護局はこういう問題は野放しにする。ただこの学校だけでありません。きょうは離職少年のこともお聞きする予定でありましたが、時間の関係で後日に譲りますが、集団就職したことによって、非常に約束が違ったり、待遇が違ったり、また同時に、そのことによって少年が非行化していくという傾向も、非常に多いわけです。私の申し上げたのは、金を受け取って、あるいは供応を受けて、そうして自分の教育した子弟を本人の意思に反して就職させるということは、これは人身売買に類すると申し上げたのです。それをそのまま人権擁護局として野放しにしていいと思いますか。
  44. 堀内恒雄

    ○堀内政府委員 お話のように、本人の意思に反するというような部分が出ますれば、私どものほうも当然人権の問題として取り扱わなければならないと思っております。
  45. 山田太郎

    山田(太)委員 だから、人権擁護局の場合、そういう問題が出てきてから初めて取り上げるというだけではおそいと思うのです。消極的ないままでの働きであったということはいなめない。もう少し積極的に考えていったらいいんじゃないかと思う。少し高踏的なことを申し上げるようですけれども、アリストテレスも、国家の運命はかかって青年の教育にありと言い、またある哲人は、今日では、教育の重要性はもはや国家だけの問題ではない。これは文部省にも申し上げたいことです。世界、人類の運命、文明の未来は、まさしく青年の教育にかかっている。時代のいかんを問わず、常に価値しゆく主体たる人間英知の開発こそ、最もとうとき財宝であり、これを忘却した文明は、やがて時代の推移とともに朽ちくずれ、滅び去っていくことは必要である。ひるがえって現今の教育界の実態を見るに、憂うべき事象はあまりにも多く、改善を待望する声はちまたに満ち満ちている。この悲しむべき現実の底流をなすものは、教育理念の喪失であり、若人の人格を軽視する風潮であり、また指導者の次代に対する責任感の欠除であると言われております。したがって、いまの文部省の就職指導については、教育理念が欠けておれば、当然就職指導に対する指導理念も欠けておるのじゃないかという点をことに心配するわけです。したがって、人権擁護局にも要望したいことは、もう少し積極的に、その事件が起きてからそれを追っかけていくのでなしに、それを予防していく措置を講ずる考えはないか。  それからもう一つ文部省に申し上げたいことは、中卒者の集団就職によって、それから後離職したり非行化に移っていくのは、一年ないし二年の間がほとんどです。これはきょうは申し上げませんが、警視庁の調査によってもそうなっておりますし、また大阪府警の調査によってもそうなっております、データはきょうは時間がない関係で申し上げませんが。その一年ないし二年に対して、もう学校を出たらそのまま野放しだ。文部省から通達が出ておるのは知っておりますよ。就職先まで行って、職安と連絡をとって補導しなさい、一片の通達は出ておるけれども、親身になって、真の教育者としての補導はなされていない。したがって、そのような調査なり報告なりの結果のデータさえもとっていない。ただ一片の通達だけで済ましておる。とっておるのはほんとうに形式である。やはり社会に出たとしても、一年あるいは二年に対しての追跡——追跡というのはことばは悪いですけれども、それによっての教育補導というものがなされていかなければならぬじゃないか。それは私のほうの責任ではありませんということばさえある係官から聞きましたけれども、これは間違いだと思うのです。やはり文部省として社会教育という面もあるのですから、その点についての検討をしたほうがいいのではないかと思うのですが、どうでしょうか。これは人権擁護局長も、人権擁護局長としてもう少し積極的に対策を講じていく。それから文部省も——労働省がやっておるのは知っております。しかし、いまの段階では、労働省がやっておるだけではおぼつかない。やはりこれは人権擁護局あるいは労働省、文部省と表裏一体となって総合的な対策を進めていかないと、いまの少年の集団就職によって起きてくる非行化というものは非常に多いわけですから、それに対しての防護措置、あるいは将来伸びる少年を、国家のほんとうの力となるべき少年を、みすみす非行化に追いやっておると同じ結果になるわけです。それに対して、一年あるいは二年に対しての対策を考える意向なきやありや、御答弁願います。
  46. 堀内恒雄

    ○堀内政府委員 私ども人権擁護のあり方が、単に消極的な態度をとるのにとどまらないで、もう少し積極的な態度をとってはどうかというお話でございますが、まことにごもっともでございまして、人権の消極性ということが人権の特性だといわれておるわけでありますけれども、かねて私どもに対する批判として、もう少し積極的態度をとってはどうかという声もありますので、私どもも寄り寄り検討いたしておりまして、今後も国民の幸福ということのために、積極的な行動をとるということもやりたいと考えております。  お話しのような、人身売買等はもちろんのこと、人身売買に類するようなことを予防するような措置もとらないか、その点につきましても、十分に人権思想の普及の面から、予防の面も心がけてまいりたいと思います。
  47. 望月哲太郎

    ○望月説明員 私どもといたしましては、まず学校の職業指導におきまして、一つ子供たちが自分の将来というものをしっかり考え、そして自分の力で自分の将来の進路を選ぶことのための基礎的な力をつちかうために、まず努力をいたしてまいっております。そこでできるだけあらゆる職業の社会的な意義も理解させ、あるいはそれぞれの産業、経済の将来への姿勢というものも一考えさせ、また自分の能力、適性というようなものも十分理解させるような努力をして、まずその段階で適確な進路の選択をさせるということを重点に置いております。  しかしながら、現実には先生指摘のように、中学校を卒業して就職した者の離職というものが相当あるということは、新聞でも報道されておりますし、われわれも承知しておるところでございます。そこで学校の先生方も、本来学校での生徒の指導というものが中心の仕事でございますけれども一つは個人的な立場で、やはり教え子というものを大事にしてやりたいということで、もしも就職して何か変わりたいというようなことがあったときは、自分でかってにやらないで、まず自分のところに電話でも手紙でもいいから連絡してこいということで、先生方がそれぞれそういう場合に相談に乗ってやっていただいている場合には、その職場で落ちついたり、あるいは移るにしても適切な職場に移るということで、かなりうまくいっているようでございます。  それからもう一つは、学校といたしましても(山田(太)委員「私の聞いたポイントだけ答えてください」と呼ぶ)今後の卒業生のやはり職業指導のための資料ということも含めまして、就職後の補導をやっていらっしゃる点もございます。ただ、遠隔地等に就職する場合には、学校としてはなかなかそう簡単にその後の補導というものを十分やるということもできない面もございまして、この点につきましては、幸い労働省で最近、いわゆる就職後の補導につきまして力を入れていただいておりますので、まず私どもといたしましては、労働省等と十分御相談をしながら、現在やっていただいているお仕事をさらに充実をしていただくように御配慮をお願いしたいということを思っております。  それからあとは非常に大きな問題でございますので、私の課だけの所管の問題でもございませんから、先生の御指摘の点を帰りまして上司にも報告をいたしまして、十分検討させていただきたいと思います。
  48. 山田太郎

    山田(太)委員 時間がまいりましたので、少し超過してすみませんでございます。きょうはこれで終わりますが、日を改めまして、人権擁護局長のほうからもどのような対策を講ずるようにした、それから文部省のほうにはこのような対策を、あるいはこのような人員配置をしてこのようにするというものを、今度は確たる答弁をもらいたいと思います。それから労働省は、これはもちろん一番大切な職掌ですから——離職少年について、大阪の府警なんかの調査によりましても、十人のうち一人は行方不明になっております。離職だけじゃない。行方不明を出している。そして沈淪の生活に落ちてしまっている。このようなことをそのまま野放しにしていいはずはないのですから、労働省の関係も、このようにしたという点を、今度日を改めて具体的な事項を答弁願いたいと思います。きょうはこれで終わります。
  49. 永田亮一

    永田委員長 猪俣浩三君。
  50. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 私も、きょうは少し時間の都合がありますので、簡単に質問をいたします。  第一番目には、いわゆる白鳥事件に対する犯人とされておりまする村上国治の仮釈放に関する件であります。これはもちろん地方更生保護委員会の職権でありまするので、政府に直接要請する筋合いではありませんけれども、地方更生保護委員会の人事権は法務大臣が持っておられるので、やはり政府と密接な関係があると思いまするから、政府の御所見も承りたいと思うのであります。村上国治は、御存じのような白鳥警部を射殺したという容疑者にされまして、昭和二十七年十月一日に逮捕されまして、今日までずっと拘禁されておるのであります。そうして結局第二審におきまして懲役二十年になり、それから上告審で今度未決勾留七百日を通算するというふうな判決になりまして、ただいま再審に移っているわけでありますが、この再審につきましても、はなはだ奇怪なる事実が判明いたしましたことは、新聞でも御存じのとおりであります。それは有罪の根拠とされましたる磯部という東大教授の鑑定が、非常に妙なことで、鑑定に用いた資料がアメリカの極東犯罪捜査研究所のゴードンという人のつくったものであるということが、今度の再審裁判によって明らかになった。これが問題を起こしておるのであります。磯部氏もその点に対して非常に陳謝をしている。それから同じく岡本という有罪の根拠とされました人の鑑定も、彼は再審の法廷で、いま考えると疑問である、有罪の証拠に引用されたのは心外である、こう言っておる。こういうふうに、結局本件は物的証拠がピストルのたまだけなんです。それ以外何もない。そのたまが白鳥を撃ったたまであるか、幌見峠でピストルの練習をしたたまであるか、同じピストルから出たものであるかどうかという鑑定が、唯一の有罪のきめ手なのである。その鑑定をいたしました学者たちが、かようなあやふやな結果に相なりまして、これが私どもが再審に関しまする法案を今国会に出しました理由の一つでありますが、再審になって初めてこれが明らかになってきたという事案であります。  そこで問題は、そういうふうに再審裁判がどうなるかも、これははなはだデリケートな問題に発展してきている。場合によりますと、無罪になります。そういうことを前提として考えてみまして、村上はすでに申しましたような昭和二十七年十月から拘禁されておりまして、判決も未決勾留を通算されておりますが、この判決どおりの二十年の懲役で未決勾留七百日ということをそのままのみましても、すでに刑法二十八条の仮釈放の期限は達しているわけです。三分の一の刑期を終えているわけであります。これがちょうど五月の二十六日、あさってがその三分の一の刑期に達する。最高裁判所の判決そのままをのみ込みましても、三分の一の刑期に達しているのです。こういうことでありますし、これはいわゆる仮出獄及び仮釈放に関する取り扱い手続、これは法務省の訓令で出ておる古いものでありますけれども、それの仮釈放の条件等の基準を読んでみましても、まさにこの男に当てはまるのではなかろうかと思われる点があるのでありまして、改悛の状があることというようなこともありますが、刑務所におきましては、いままで三級の扱いを今度は二級に改めた。そうして非常に彼の自由がそこに拡大をされておる。これは刑務所における行状が悪ければ、かようなわざわざ三級のものを二級に引き上げるというようなことはないと思う。また、彼の親戚の住んでいる郷里の者から、あるいは彼がいま服役をしている網走市の議会等におきましても、市議会でもって彼の釈放を決議しているということになりますと、法務省の訓令に出ておりまするこの基準の「社会の感情が仮出獄を是認すると認められること。」という条件に当てはまっておると思う。また、学者、文化人を入れた千何十名の人の署名もできておるわけであります。かような実情でありまするので、この村上国治の仮釈放につきまして法務省でも御尽力いただきたいと思うのでありますが、それに対しまする御所見を矯正局長から伺いたいと思います。
  51. 勝尾鐐三

    ○勝尾政府委員 猪俣議員の御指摘がございましたように、現在網走刑務所におきます村上国治の行状でありますが、去る五月一日に行刑累進処遇令に定められております二級に進級をいたしております。さらに、現地刑務所長の報告によりますと、村上国治を直接処遇担当している職員も、本人の行状をほめております。なお、同僚との折り合いも良好であるということでございます。入所以来の行状を調査してみますと、二級に進級いたしたのも、行刑累進処遇令に基づきまして網走刑務所が定めております累進処遇審査会の定めによります最も最短の期間で、これは二級に進級しているという状況でございます。さらに、村上国治の仮釈放の条件期間の経過応当日は、五月二十六日でございます。行刑当局といたしましては、仮釈放条件期間経過応当日には、北海道の地方更生保護委員会に、三分の一の応当日であるということを通知しますと同時に、刑務所において、最初の刑務官会議による仮釈放の審査をすることに相なっております。その仮釈放の審査の結果につきましては、もちろん現在のところわかりませんが、先ほど来申し上げましたように、一般的には行刑成績が良好でございます。さらに、行刑累進処遇令によりますと、行刑累進処遇令上一級に達した者につきましては、すみやかにその手続をすべきである、このようになっております。したがいまして、村上国治の場合には、いまだ一級には到達いたしておりませんので、行刑処遇令の八十九条のただいまの規定を直接適用するということについては、問題があろうかと思いますが、なお、行刑累進処遇令の九十条によりますと、二級の場合であっても、改悛の状が顕著で社会生活に適応し得ると認められるときには、特に仮釈放の手続をなすことができる、このような弾力的な規定もございますので、行刑累進処遇令の面からいきましても、仮釈放の申請の手続をする余地は十分あるのではなかろうかと考えております。ただ、御承知のように、仮釈放の決定をいたしますのは地方更生保護委員会でございます。さらに、刑務所が仮釈放の手続をする場合に、その理由として述べ縛る範囲につきましても、おのずから施設内における行状に限定をされますので、いわゆる仮釈放についていろいろと考慮すべきことは基準が示されておりますから、その全部について行刑当局が責任のある資料を出せない場合もあろうかと思います。その辺の最終決定については、私のほうで責任ある答弁はいたしかねますが、現在底での行刑成績から申し上げまして、たとえまだ一級には進級していないといたしましても、おそくない機会に行刑当局が仮釈放の申請をする可能性はあるものと、私はこのように考えております。
  52. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 わかりました。それでは、この問題は詳細な御報告を受けましたので、質問するあれはありませんが、実際の手続としては、地方更生保護委員会へ刑務所から申請を——本人からも出ているようですが、刑務所から申請することが順序だと思いますけれども、それはまだ決定しておらぬわけですか。
  53. 勝尾鐐三

    ○勝尾政府委員 御承知のように、法規上は地方更生保護委員会が職権で調査をして手続を進めるという余地はございますが、現実のいままでの扱いを見ますと、一〇〇%行刑施設長が申請するというのが実情でございます。
  54. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 矯正局長には、もうこれでありません。お帰りいただいてけっこうであります。  人権擁護局長にお尋ねしたいと思うのですが、これは、私、本委員会で二回質問いたしましたが、いま調査中ということでそのままになっておりまするが、九州大学法学部長の井上正治氏が申請いたしました人権侵害の件、この件についての詳細について伺いたいと思うわけであります。  そこでまず第一に、この井上教授が人権擁護で訴えられました要点は、どこにあるのであるか、それをひとつ御説明いただきたいと思います。
  55. 堀内恒雄

    ○堀内政府委員 井上正治教授から申告のありました要点は三つございますが、今年の一月十六日の午前六時五十分ごろに、博多駅の南出口付近で福岡県警察機動隊員が三派全学連の学生約四百名に対して行なった警備活動の中で問題点が三つありはしないかということであります。すなわち、第一点は、博多駅に到着いたしまして、同駅の南出口付近に滞留したために、博多駅長から退去を勧告されたにもかかわらず、これに応じなかった学生を排除するために、その一人一人のからだをつかんで階段から投げ落としたり、突き落としたりしたような行き過ぎた行為はなかったかどうか。   〔委員長退席、大竹委員長代理着席〕 第二点は、その際、機動隊員が学生を一人一人取り囲んで、無理にその所持品である手さげバックなどを開いて、その内容を点検し、あるいは着ているシャツの下まで調べたのではないか。これは違法な所持品検査ではないか。第三点は、機動隊員は、右の所持品検査を受けている学生たちの顔写真の撮影をした。これはプライバシーの権利を無視する違法な行為ではないかという、この三点であります。
  56. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 そこでこれを調査なさる基本というか、基準というか、つまり人権が侵害されたという基準を擁護局ではどこに置かれたのか。警察官の行動は警察法に示されておる。警察法二条二項を見ますれば、「警察の活動は、厳格に前項の責務の範囲に限られるべきものであって、その責務の遂行に当っては、不偏不党且つ公平中正を旨とし、いやしくも日本国憲法の保障する個人の権利及び自由の干渉にわたる等その権限を濫用することがあってはならない。」というふうに規定されておりますので、私どもは、この警察法の精神に違反した行動があったかどうかということが、結局人権擁護局で人権侵害があったかどうかを判定なさる基準だと思いますが、局長の御見解を承りたいと思います。
  57. 堀内恒雄

    ○堀内政府委員 私どものほうで人権侵犯があったかないかという基準とすべきものは、お説のように、警察法、警察官職務執行法、また、広く、基本的には、憲法にまでさかのぼったもので考えるということになると思います。
  58. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 その基準から見られまして、この井上教授の訴えの三点につきまして、どういうふうな調査をなさいましたか。具体的におっしゃっていただきたいと思います。
  59. 堀内恒雄

    ○堀内政府委員 本件は、福岡の法務局に扱わせておるわけでございます。禍岡の法務局におきまして、申告者であります井上正治教授から、その内容と御主張あるいは事情を伺いますと同時に、文書の提出を求めました。また、警察当局からも、当日の配備状況に関する資料であるとかあるいは警察側の主張などにつきまして、回答を求めております。そのほか、今日まで鉄道関係者を十八名調べております。なお、大学の関係者七名、報道関係者三名、学生六名、一般目撃者四名の合計三十八名ばかりの方々につきまして、事情を聴取しておる段階でございます。
  60. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 鉄道関係者を参考人としてお調べになっているというのですが、聞くところによりますと、これは国鉄の職員だそうでありまするが、国鉄は労働組合が分かれておりまして、いわゆる総評系の労働組合と、第二組合と称するものがあるわけです。局長などは実情をおわかりになっているかどうかはわかりませんが、この国鉄労働組合という巨大な組合に対する政府とかあるいは国鉄当局の弾圧対策だと思いますが、国鉄労働組合に属している人間は、絶対に管理職につけない。助役以上になれない。いい場所には絶対つけないのです。なりたかったら国鉄労働組合を脱退してこいという方針でやっておるわけです。それだから、彼等と国家権力に対する関係は、第一組合であるか、第二組合であるかで非常に違う。この場合、人権擁護局で調べられたのは、ほとんど全部が第二組合の職員であると聞いておりますが、その点は留意なされたのかどうか。
  61. 堀内恒雄

    ○堀内政府委員 私ども国鉄関係者に事情を聞くにあたりまして、その所属組合のいかんということは留意いたしませんで、当該事件につきまして当日の事情をよく知っている者、そういう者を出していただきまして、その人々から事情を聞いておるということであります。
  62. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 それならば、福岡の法務局に中央からひとつ注意していただきたい。いま井上教授と博多駅長及び警察当局の間に論争がある。いずれも中央公論あたりで、警察側県警本部長と井上教授の間に論争があるのみならず、国鉄では、国鉄通信というパンフレットで、井上教授を非難した論文を出しました。それに対しまして、井上教授は痛切な批判をしておるわけであります。この井上教授の批判を見るならば、国鉄の態度というものは、はなはだ公正を欠いておる。その国鉄に対して——人権侵害からいうと、国鉄と警察は共犯みたいなものです。その国鉄に対して証人を出してくれということを法務局で要請した。ところが、全部第二組合の人だけを証人に出した。法務局もまたそれのみを受け入れて審査をやっておるが、これでは真相はわかりませんよ。ですから、めんどうなことであっても、事の真相を確かめるには、その証人として出た労働組合の職員がどういう所属団体に属しておるかまで調査なさって——聞けばすぐわかることです。そうしていわゆる国鉄労組第一組合に所属する人たちも呼んで調べませんと、真実がわかりません。いま井上教授と国鉄が論争しておる最中なんです。それを国鉄に忠実な労働組合の者だけ出してやれば、ゆがめられた証言をすることは明らかなんです。そういう調査のしかたでは真実がわからぬと思うから、これは中央から地方の法務局に御注意願っておきたいと思うのです。いまお聞きすれば、まだ調査中だということですが、相当長い時間がかかっておると思うのです。国会はもう審議はきょうで終わりですよ。私は、いままでは無理がないと思うから調査中ということだけで引き下がっておったんですが、きょうで終わりなんです。調査期間はどのくらいかかっておるんですか。そういう答弁では、私は承服できませんよ。何もやっていないじゃないか。これは何カ月かかっておるんですか。本年の一月の事件ではありませんか。地元に事情を聞くと、何も法務局はやっておらぬ、活動しておらぬと言う。これは中央の指導が悪いからですよ。何のために人権擁護局なんというものが存在するのですか。だから、私は言ったんだ。いままでの人権擁護局長というのは、みんな弁護士から出ていた。だから、活発にやってまいった。活発過ぎると都合が悪いと思ったか、今度は法務省なり検察庁からの役人を送り込んできたから、活動が鈍ってしまった。とにかく井上教授が訴えられた三点なんというのは、重大な問題だ。ことに所持品の検査をしたということに対しては、違法なものであるということは、いかなる法律から見ても、これを合法化することはできないんだ。これに対して県警本部長が、これだけ論争していながらノーコメントでいる。こういうことこそ、人権擁護局が徹底して調べるべきものじゃないですか。一体所持品を検査する権限が警察官にあるのですか、ないのですか。それについてひとつ御答弁をしてください。人権擁護局長の大体考え方がわからぬ。
  63. 堀内恒雄

    ○堀内政府委員 福岡法務局の調査先ほど申し上げたのでありますが、先ほど申しましたほかに、なお、当時の関係の学生につきましても事情を調査しようということを考えておりまして、そして当時の学生は九州におるのでなくて、東京とか大阪にそれぞれ帰っておりますので、東京、大阪などへ戻っておるそれらの学生についても調査をしようということで、福岡から関係の法務局に調査を依頼をいたしまして、そうして調査を進めておるわけであります。そういう者が合計十七名ばかりおります。ところが、それらの学生がなかなか出頭に応じないとか、あるいは出頭してもなかなか正確に言わないというような事情から、調査が困難をきわめておるのが実情でございます。さようなために、ただいまそれらの調査をなお引き続いてやっておるという段階でございます。
  64. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 所持品を検査したかどうかということは、幾らでも見ている人たちがあるはずなんです。そんなことは、ぼくは簡単に調べられると思う。  それから、一々学生の写真をとって——みんな警察でそれをやるんだ。そしてその写真を会社へみんな流して、就職できないようにしておるんですよ。これなんかは最大な人権問題だと思うのです。住所、氏名について学生が黙秘権を使うのは、そこから来るのです。そうすると、全部それを就職先に流す。そういう実情であって、私は現に私の推薦した学生がそういう目にあって就職できないでいるという実例を持っているのです。きょうはしかし、皆さんの責任じゃないから質問しませんが、写真をとったり何かするのはみんなそのためなんです。これは重大な人権侵害ですよ。写真をとったかとらぬかぐらいは、どうしてわからぬのですか。  それから、博多駅に千人からの警察官が待機しておったかどうか、あるいはコンコースから投げ飛ばしたというようなこと、そういうこともまだわからぬのですか。
  65. 堀内恒雄

    ○堀内政府委員 構内から外部へ出る場合に警察側で学生に対して暴行を加えたような点があるかどうかというような点につきましても、関係者の間で言い分が違っておりまして、そうした供述がありますので、こういうことから調査がいま困難をきわめているということでございます。  写真の点につきましては、警察側では、鉄道営業法違反、あるいは建造物不退去、公務執行妨害の証拠収集のために写真をとった。とった事実は認めておるようでありますが、その根拠につきましてさような主張をいたしておるわけでございまして、それらの点を目下調査をしておるというわけでございます。
  66. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 そうすると、一体いつごろ結論が出るわけですか。
  67. 堀内恒雄

    ○堀内政府委員 先ほど申しましたように、目下東京、大阪、各方面に嘱託しまして調査中のものがございますので、それらの調査が集まるというのを待っておる次第であります。
  68. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 ぼくは、はなはだ人権擁護局の態度に不満です。国会の最終日になるまで報告ができない。ただ調査中だということで終わってしまっている。半年かかっておる。こういうことでは、ほんとうの人権擁護の職責を尽くしておらぬと思います。もう少し人権擁護局では本腰を入れて、それには人権擁護局も、予算も少ないし、人員も少ないと思うのです。だから、そういうものは遠慮なく人権擁護局から予算のときにも政府に申し入れて、ここに政務次官もいられることだし、もう少し人権擁護ということに自民党も政府も力を入れて——人権擁護局というものをもっと強化するということが、民主政治の根幹ですよ。それにはもう少し——人権擁護局を何かさっぱり日の当たらぬようなところに置くのです。そして実に貧弱なんだ。こんなことでは、膨大な警察官の人権じゅうりん問題に対抗して、これを徹底的に調査することはできないですよ。これはお飾りなんですか。お飾りで法務省の中に人権擁護局があって、個人の人権を守っておるという一種のアクセサリーに使っておるだけの話であって、何もやっておらぬ。一体人権擁護局の不熱心もあるが、大体根本が政府の熱意が欠けておるからです。これは予算にあらわれておる。政務次官の人権擁護局に対するお考えを承りたい。
  69. 進藤一馬

    ○進藤政府委員 法務省の仕事といたしましても、人権擁護の問題は重大でありまして、特にまたことしは人権擁護二十周年にも当たりますし、そういう点におきまして、人権擁護の実があがりますように、十分考慮していきたいと考えておる次第であります。
  70. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 終わります
  71. 大竹太郎

    ○大竹委員長代理 岡津完治君。
  72. 岡沢完治

    岡沢委員 最初に五月の十日に横浜市の横浜入国管理事務所前で、韓国から密入国してきた少年が朝鮮総連の人々に連れ去られた事件についてお尋ねをいたしたいと思いますけれども、この事件の真相といいますか、事実について最初にお尋ねをいたしたいと思います。
  73. 中川進

    ○中川(進)政府委員 お答えいたします。柳仁権という韓国の少年がおるのでございますが、これは昭和四十年の九月に日本へ密航入国いたしまして、そして昭和四十三年の四月、すなわちことしの四月十六日に川崎市におきまして、例の外人登録を持っておらなかった、外登不携帯ということで警察につかまりまして、それから検察庁でなく、家庭裁判所に送られたのでございますが、家庭裁判所では五月の十日に、審判不開始ということで釈放したのであります。そこでこの知らせを受けました入国管理局の横浜入国管理事務所におきましては、これは横浜市の中区にございますが、本人の身柄を受け取るべく、そして身柄を受け取った上でそれを収容すべく、警備官が二名参ったわけでございます。ときはちょうど五月十日の午後二時五十分ということになっておりますが、そこでこの警備官二名がただいまの横浜家裁川崎支部におきまして収容令状を示しまして、そしておまえを収容するということを告げたのでございます。ところが、この裁判の関係先ほど申しました柳という少年についておりました弁護士、それからこの柳というものの父親の内妻でございますが、李愛子というのがございますが、この人々が本人、すなわちこの柳少年の身柄を自分たちが裁判所からもらったのであるから、自分たちが連れて帰るといって警備官の身柄収容に異議を申し立てたのでございます。結局そこで話し合いがまとまりませんので、裁判官のあっせんもありまして、ひとつそれではそんなことは入国管理事務所に行って話し合ったらいいだろうということで、その警備官と弁護士さんと本人、それから先ほど申しました本人の父親の内妻、そういうようなものが連れ立って入国管理事務所まで参ったのでございます。入国管理事務所に参りましてから、弁護士は三野研太郎と申しますが、この弁護士は警備課長と話をするということで、この密航少年柳とそれから護送のための警備官一名、これを車に置きまして、自分は入国管理事務所に入りましてそして話を始めたのでございますが、警備課長といたしましては、本人をこれから入国管理事務所に収容するということを申したのでございますが、弁護士のほうは、これはもう自分たちが本人は裁判所からもらったものであって、仮放免をしてもらったということで話が合わなかった。延々と両方が同じことを言っていたわけでございます。ところが、いつまでたっても話がどちらともつかないということもございましたのか、あるいはだれかが連絡をしたものかわかりませんが、とにかくその間付近から港湾労務者が三、四十名寄ってまいりまして、そしてその身柄をとる、とらぬということでいろいろな話し合いがもつれてまいりまして、そこで身柄の確保をめぐりまして、この押し寄せました労働者とそれから入国管理事務所の職員との間に一つの紛争が起こったのでありまして、これが午後五時ごろ、十七時ごろでございます。結局入管事務所といたしましては、自分たちの手に負えなくなりましたので、警察の機動隊の出動を要請しました。これが十七時五分となっておりますが、この警察が到着する前に、ついにいま集まりました労務者たちが、柳という密航少年を車に乗せまして、そして連れ去ってしまった。この騒動のために入国警備官か六名負傷した、こういうことになったのでございます。しかしながら、この弁護士は、翌日、きのう起こったことは自分の本意ではなかったということを釈明するとともに、柳という少年を連れて入国管理事務所に出頭されましたので、そこで入国管理事務所におきましては、その日の十一日の十二時過ぎにこの柳という本人を収容した、こういうことでございます。そしてただいま本件につきましては警察におきまして取り調べ中というふうに承っておりますが、入国管理関係の職員といたしましては、負傷者六名、そのうち一週間の者が三名、五日ぐらいの者が二名、三日ぐらいの療養を要する者が一名、そういう負傷者を出した、こういうことでございます。
  74. 岡沢完治

    岡沢委員 いま警察のほうでお調べ中ということでございますが、法務省の刑事局長、もしその事情わかりましたら、どういう容疑で、その取り調べの進行状況について、ひとつかまわない範囲でお答えいただきたい。
  75. 川井英良

    川井政府委員 実はきょう用意してまいりませんでしたので、詳細はまた適当な機会に御答弁させていただきたいと思います。
  76. 岡沢完治

    岡沢委員 だれかわかる方おられませんか。——事は小さいような感じもいたしますし、結果としては翌日に弁護士が付き添って柳少年を収容したということではございますけれども、私は必ずしもこれは小さい問題ではない。入管の警備課長は、もちろん令書に従って正式な公務執行としての収容手続をなさろうとした。それをいわば暴力によって執行妨害されるだけではなしに、その執行に当たった入国警備官六名が負傷するというような事件を、私は軽率にお扱いになってはいけないんじゃないか。私のほうで取り調べの内容について質問の予告をしておきませんでしたので、お答えのないことに対して異議を申し立てるつもりはございませんけれども、私はおりに触れてこの委員会でも取り上げておりますことは、法秩序の維持、その背景に思想とか宗教とかあるいは国籍とかいう問題を度外視して、法秩序の維持ということがきわめて大事な民主主義の基本であるという立場を堅持したいだけに、この問題を軽々しく私は見過ごされないことを、特にこの際希望いたしたい。きょうで法務委員会終わりますけれども、いずれ臨時国会等におきましても、ぜひ経過の御報告を賜わりまして、国民が納得するような公正にしてまた厳正な処置をお願いいたしたい。いまフランスでああいう暴動が起こっておりますが、それにはそれなりの背景があるかもしれませんけれども、本件の柳少年の事件につきましても、いろいろ背景があることとは思いますけれども、そういう背景ももちろん、それはなぜこういう事態が起こったかということについてもお調べをいただき、また御検討をいただきたい問題ではございますが、表面にあらわれましたこの事件としましても、単にこれが六名の警備官負傷事件にすぎない、あるいは翌日もう救済されているという簡単な態度で私はこの事件を見過ごされないように、特に指摘を申し上げて、この件についての質問を終わりたいと思います。  いまの件につきまして、外務省何か、特にこれは朝鮮総連とも関係いたしますので、お答えになることありましたら……。
  77. 金沢正雄

    ○金沢説明員 外務省としては、本件については、全然まだ何ら——状況の通知を受けておりますが、本件は不法入国者の問題でございますので、法務省におまかせしていきたいと思っておる、こういう次第でございます。
  78. 岡沢完治

    岡沢委員 大学学術局長がお見えになったようでございますので、さっそくでおそれ入りますが、お尋ねいたしたいと思います。具体的には国学院大学の神道研修部の存在に関連する質問でございますけれども、私自身も実体を十分に把握いたしておりませんので、なるべく軽率な質問は避けたいとは思うのでございます。また文部行政そのものにつきましても全くの不案内でございまして、質問そのものも御遠慮申し上げなければならぬかもしれませんが、一応私の知りました範囲内の資料でも、少し疑惑がございますので、それを明らかにしていただくという意味で二、三御質問申し上げ、今後必要に応じて別の機会でただすことをお許しいただきたいと思います。  たしか学校教育法五十五条では、大学の修業年限は四年ときめられているようでございますが、いわゆる短期大学以外で、大学で二年課程というのが存在するのかどうか、まずお尋ねいたします。
  79. 宮地茂

    ○宮地政府委員 本来大学は、医学部等は別といたしまして、普通の学部につきましては四年ということを原則といたしております。ただ、二年に見えるようなものが現実にございます。たとえば過去におきまして、国立大学で——小学校教員が非常に不足をいたしました、そういう場合に、教員養成大学あるいは教員養成学部におきまして、小学校教員養成課程、二年課程のものをつくったことがございます。ただ、これは必ずしも適当な、いわゆる正規のものではございませんで、社会的な要請にこたえるためにやむを得ない措置としてとりましたので、原則として、そういうものがたくさんあってよいわけでもございませんし、望ましい姿ではございません。しかし、過去においては、国立大学の教員養成学部においてはそういうものがございました。現在でも国立大学に若干似たようなものがございますが、これはそれぞれその大学の学部そのものではないという形のものが、たとえば看護教員養成課程、看護学院を卒業した方を入学資格といたしまして一年間やるといったような制度がございますが、これは学部そのものではございません。
  80. 岡沢完治

    岡沢委員 いまの答えの中にも、反対解釈としてはできるかと思いますが、そうすると、現行法上は、国立大学にも二年課程で教員養成のための特別な存在というものはなくなっておる。しかもそれは先ほどお答えのように、臨時の、小学校教員の不足を補うために、国立大学のしかも教員養成的な性格を帯びる学部で特例的に認められたものであって、現在は存在しないと解釈してよろしゅうございますか。
  81. 宮地茂

    ○宮地政府委員 大体御趣旨のとおりでございますが、非常に厳密に申しますと、まだ一、二校残っております。
  82. 岡沢完治

    岡沢委員 それでも国立大学でございますか。——それでは、私立大学で二年課程の学部というようなものがもし申請された場合に、許可されるものかどうか、またそういう例があるのかどうか、また任意に二年制の学部というようなものを設置できるのかどうか、先ほど申し上げました学校教育法五十五条からは考えられないのでございますが、一応念のためにお尋ねします。
  83. 宮地茂

    ○宮地政府委員 正規の学部、学科としては、四年を原則といたしております。二年の学部、学科をつくるということは法の趣旨でもございませんし、私どもとしましては、過去におきまして国立大学に、非常な社会的な教員需要といったようなことにこたえるために、好ましいとは思いませんでしたけれども、やむを得ない措置をとりました。しかし、現在はもし二年にする必要がありますれば、短期大学の制度もございますし、原則といたしましてはお尋ねのように決して好ましいことではないし、許さるべきではないと思います。ただ、実情を見てみまして、非常に社会的需要が強いとか、あるいは法律的に違法ではないが——違法なことをしては困りますが、そういう需要関係法律に違反しない範囲内においてやむを得ない措置ということで、これはこれからお尋ねの国学院等もそれに類するかと思いますが、文部省の態度としては、非常によろしいからぜひどうぞという態度ではなくて、原則としては好ましくないし、つくるべきでないという態度であります。ではそのとおり完全にやっておるか、やる意思があるかと言われますと、これはやはり好ましくないことはやらしてはいけないのですが、たとえば認可事項でない大学の届け出事項といったようなことで処理される問題もございますので、趣旨としては、これは許さるべきでないし、許すべきでない、原則はそのとおりでございます。しかし、絶対にそのとおりいけるかどうかということは、現在の行政で個々に判断しなければならない点が若干残っておるということと、私立大学等ですと、たとえば学科の増設等は、文部大臣の認可事項ではないのです。これは従来は認可事項でございましたが、文部大臣がそこまで認可権を持つのはよろしくないということで、届け出で足りるのだといったようなことに現在はなっておりますので、そういったいろいろな点を勘案して、具体的にもし何でございましたら、お答えさせていただきたいと思います。
  84. 岡沢完治

    岡沢委員 ちょっと角度を変えまして、中学校教員の資格の問題についてお尋ねをしたいと思うのでございますけれども、現在国公立大学の一部の二年終了者に中学校の教諭二級普通免許資格を与えるという規定があるようでございますが、特に私立大学の卒業者に教員資格を与える場合の手続あるいは要件等について、御説明をいただきたいと思います。
  85. 宮地茂

    ○宮地政府委員 教育職員免許法のたてまえから申し上げますと、小学校、中学校——高等学校もそうですが、大体一級普通免許状と二級普通免許状という二段階になっております。一級普通免許状につきましては、学士の称号を持つということ、これは基礎資格として前提でございます。ただ文学士だ、理学士だといいましても、基礎資格のある学士でなければいかぬ。それに加うるに、それぞれの免許状に必要な専門科目、これは多少こまかくなりますが、教科に関するものとか、教職に関するもの、あるいは特殊教育の教員になろうとする者は特殊教育に関するものといった教職の単位をとっておらなければいかぬということになっております。それから二級免許状といたしましては、基礎資格につきましては、一級普通免許状の場合は学士でなければいかぬということに対しまして、大学に二年以上在学し、六十二単位以上を修得しておるということが、基礎資格になっております。もちろんその基礎資格、それに加えますに、一級普通免許状と同じように教科、教職に関する単位もとっておらなければいけません。したがいまして、二級普通免許状の場合は、短期大学の卒業生はもちろん、大学に二年以上在学したことになりますし、それから卒業しなくとも一、四年課程でも、ともかくその四年課程の大学に二年以上おって所要の単位をとっておれば、免許状は与えられるということになっております。  それから具体的には、文部大臣がこういう教諭の免許状を取得できる課程として認定をいたしております。ですから、いま私が申し上げましたのは基本的なことで、その上に立ちまして実情を見て、文部大臣がこれは一級普通免許状がとれるコースであるというふうにやっております。そうしますと、一級普通免許状がとれるコースである、AならAという大学はそうである、こういうように認定しますと、そこで四年を卒業して学士にならなくても、二年で必要な単位をとっておれば、二級普通免許状がとれるというふうになってくるわけでございます。
  86. 岡沢完治

    岡沢委員 そこで具体的に国学院大学の研修部というものの存在についてお尋ねをしたいわけでございますけれども、これは大学のほうで生徒の募集要項として出されたパンフレット、新聞広告等によりますと、他の学部と全く同じような立場で文学部とかと並列されている。一見大学の学部に相当するような印象を与えますけれども、実質は二年課程のようなものでございますし、しかもこれについて先ほどお尋ねいたしました二級普通免許の局長のお答えになりました基礎資格が当然あるような立場で従来処理されてきたようでございますが、この神道研修部というものについて、大学局としてはどういう把握をし、この存在についてどういう評価をしておられるか、お尋ねをいたします。
  87. 宮地茂

    ○宮地政府委員 実はまことに恐縮でございますが、お尋ねの件の中身の実態を私自身が行って調査をいたしておりませんで、ごく最近になりましてお尋ねのような趣旨のことをお聞きいたしましたので、ある程度調査させましたその結果でございますが、いま先生のおっしゃいました神道研修部というものは、いわゆる学部の中の学科とかなんとかいうわけでございませんで、学部、学科にまぎらわしいのに国学院大学内に神道研修部という一種の事務的な組織がございまして、そこの応援を相当得て学生を入れておるものが神道研修科というふうになっておるようでございます。それで、おそらく先生お尋ねのほうは事務的な組織の神道研修部ではなくて、学生の入ってくる神道研修科のほうであろうと思いますので、そちらのほうをお答えさせていただきますが、いま申しましたような前提で、詳細をまだ十分把握いたしておりませんが、知り得ました段階では、神道研修科というものは、これは國学院大学の学則を読んでみましてもはっきり書かれてないのでございますが、文学部とか経済学部、法学部といったようなものは学則に書かれておりますが、大学の説明によりますと、やはり文学部の中の一つのコースのようなものを事実上つくっておる。しかしながら、これは学部とか学科とかいったようなものではなくて、大体法律上の性格としましては、四年間の大学の学部に入学してくるのですが、本来卒業後神職に就職し、あわせて経済的に困るので、中学校の免許状も一部とって、神職と学校の先生とを両方かね合ってやっていきたい、こういったようなものを事実上入れておるようでございます。したがいまして、法律上の性格としましては、そういうものがそう大手を振って許さるべきものでないと思いますが、先ほど来申しました国立大学に小学校教員養成コースとして二年課程のものがございました。まあそれに似たようなものであろうと思います。しかし、一応大学の説明では、そういったコースではありますが、法律上の性格としては文学部の中に入ってきて二年でやめていくものだといったような説明で、私ども、ちょっとこの実態法律上の性格と相当かけ離れてもおりますし、この点についていろいろ私どもなりに調べておりますが、まだいわゆる制度、法律上の性格としては、はっきりここでこういうものでありますとお答えするだけの結論に至っておりませんが、ともかく一口で申しますと、何かあいまいな、と言ってはことばが悪いかもしれませんが、そういう神道研修科という二年のコースがございますのは、事実でございます。
  88. 岡沢完治

    岡沢委員 私も、いわゆる文学部の神道研修科であればそれほど問題にしないわけでございますけれども、いま局長にも見ていただきたいと思いますが、あたかも文学部あるいは経済学部と並列するようなかっこうで神道研修部というのが、こうして募集要項に出ておるのでございます。ここに神道研修部とありますね。これを見てください。あたかも独立の学部のような存在として生徒を募集したり、あるいは二年課程でありながら四年制大学の一学部を形成しているような印象を与える外観を呈しているところに、私は何か問題があるような感じがするわけでございます。先ほど来お答えのように、大学は短期大学を除いて原則として四年制課程であるのに、二年制の学部があたかも存在するような外観を部内外に与え、しかもそれが、先ほどお尋ねいたしましたように、教職員免許資格とも関連して、あたかも大学の二年課程を経たという認定のもとに、二級でございますけれども一、中学教員の資格の前提になっておる。しかも現に、このいわゆる神道研修部を卒業されたということで免許状の取得をされ、現に教職についておられる方も相当にある資料等もすでにいただいておるわけでございますが、何か私は疑問があるような感じがするわけでございます。局長と同じように、私自身もまだ実態を十分に把握いたしておりませんので、軽率な発言は避けたいという気持ちはございますが、ぜひこの問題について文部省のほうでも実態を御掌握いただいて、いやしくも教育に関連し、また教員の資格に関連し、あるいはまたその資格を持った先生から教育を受ける生徒への影響等もお考えいただいて、あいまいな存在で、少なくとも表面的には学校教育法五十五条に矛盾するような立場での学部が、大学で堂々とまかり通るというケースがあっては好ましくない感じがいたしますので、きょうは問題点だけ指摘させていただいて、ぜひこの問題につきましても別の機会に質問を続行させていただき、また文部当局からも納得のいく御説明をいただきたいと思います。  これで国学院関係質問を終わりまして、法務省の刑事局長のほうで、先ほど私がお尋ねいたしました柳少年のことに関連して、捜査のその後の経過等がわかりましたら、お答えいただきたいと思います。
  89. 宮地茂

    ○宮地政府委員 私の返答は御要求ではなかったと思いますが、次の機会にということでございますので、一言申し述べさせていただきたいと思います。  お尋ねの件につきましては、実は相当古くからあったようでございますが、それがはっきりした組織でございませんので、大学からもはっきりした届け出がございませんでした。これが正式な学部、学科であれば、当然これはそういうものがつくられたり配置されれば届け出事項でございますが、はたしてそういうものが届け出事項かどうかといったような点について、あいまいなような性格のものでございます。しかし、実情を聞きますと、これは先生がおっしゃいますように、私どもも結論を申し上げますと、好ましいものではない、適切なものではない、今後こういうものをつくりたいというところがかりにあるとすれば、そういうことはつくらさないように指導すべき内容のものである、こういうふうに考えておる次第であります。   〔大竹委員長代理退席、委員長着席〕  そこで、大学にもこのことを申し上げましたが、大学自身もそのように感じておりまして、将来の問題でございますので十分検討したいけれども、一応いま大学が考えておる点から申し上げますと、できる限り四十四年度からはそういう学生募集はもうやめたい。しかし、これは法律上の性格は二年中途退学になるのでしょうけれども実態は二年コースをつくって二年で終了させるようになっております。そこで来年からの新規募集はやめるが、いまの一年生が二年生になるわけであります。したがって、その二年生が卒業するためにはそのコースは置かざるを得ない。それで、将来の問題としては、これは廃止をして、はっきり二年課程であれば短期大学にするとか、いろいろ法律の趣旨に合致するような改善策を講じたいということを大学も言っております。したがいまして、私どもこういうことが違法であるとはっきり言い切れるものでございますればこれは即座にでもというあれはございますが、違法とまで言えるものかどうか。しかし、行政上好ましい適当なものとは思わないといったような段階でございますので、学校がそういう趣旨で今後改めてくれることを期待いたしまして、なお今後とも大学と接触を保っていきたい、このように考えておりますので、御了承願いたいと思います。
  90. 川井英良

    川井政府委員 横浜地検に照会いたしましたところ、神奈川県警が横浜地検と連絡をとって、公務執行妨害並びに暴力行為等処罰に関する法令違反の疑いで鋭意調査中である、かなり基礎調査が進んでいるので、近く何らかの具体的な結論が出る、こういう趣旨の御回答がありました。決して不問に付するようなことなく、事実を明らかにするように適切な処置をとるようにいたしたいと思います。
  91. 永田亮一

    永田委員長 本日は、これにて散会いたします。    午後零時四十一分散会