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久宗政府委員 ただいま両省からお話のございましたような連絡の
機構がございまして、事に当たっておるわけでございます。
先ほど私の答えが不十分で、温度の問題についてもたいしたことはないというふうにお受け取りになったように思うのでございますが、決してそういうことではございませんで、やはり問題があるわけでございます。また民間がやっているということではございませんで——もちろん民間も勉強はいたしておりますけれ
ども、私
どもの関係で申しますと、海洋関係におきまして放射能問題を扱っております。それと発電のほうで申しますと、むしろ温度の問題でございますので、一般に増養殖関係の
技術者も動員いたしまして、これらについての知見を深めて
対策を
考えてまいりたい。若干の発表されたものも実はあるわけでございますが、詳しいことは申し上げません。
そこで、全体の
構想の問題と
関連いたしまして、率直に申しまして私
ども一番困っておりますのは、ただいまのような全国的な一応の発電等の御計画があって、しかもこれに先行いたしまして、
現地で工場の進出という問題で、私
どもに必ずしも御連絡のないうちに、地元でいろいろな問題が先行する場合があるわけでございます。そういたしますと、十分な地元の
漁民に対する
説明もできておりませんし、いきなり原子力発電が来るのだということで、
漁民側におきましては
内容がわかりませんだけに、とにかく反対ということで、そういう事実関係だけが先行してしまいまして、あとから
説明を加えていくといったような事例が非常に多いわけでございます。こうなりますと、この種の非常に複雑な問題でございますので、危険である危険でない、どういう施設をすれば十分である十分でないといったような問題について、冷静な突っ込んだお話をするような場面にならない場合があるわけでございまして、私
どもといたしましてはさようなことのないように、各省とも事前にお話があって、関係者にも
内容を十分御
説明をするような機会がぜひ必要であろうというふうに
考えておるわけでございます。
なお、あとでお話の出ました再処理施設の問題でございますが、これはいろいろ問題があるようでありまして、相当突っ込んだ研究が必要だと思うわけでございます。この問題につきましても、事柄が非常にむずかしい科学の問題でございますので、これを一般の
漁民の方々に的確に事の
内容をわかっていただくのに、実は非常に苦慮しているわけでございます。私
どもとしては科学
技術庁、あるいは通産省とも御相談いたしまして、まず具体的な例として、よその国でどの程度のことをやって、そこで
漁業とどういう形で両立しているのか、こういったものを関係者の方に目で見ていただくのが一番いいのじゃないかということで、昨年でございますか視察団を編成いたしまして、外国のおもだった施設につきまして、実際に目で見てきていただいたわけでございます。帰りましての報告の要旨でございますが、一応、理論でなくて、現実の問題としてやっておるのを見ればおよその見当はつく、しかし、その場合におきます再処理施設の
当局者なり国なりがきわめて的確に処理をしていることが前提であって、そういうことが行なわれるならばこの程度の問題はという実感を得た、したがってそういうことが行なわれるかどうかが問題であるというのが、率直に申しまして、これに参加いたしました
漁民の方々の御
意見であります。私
どもも、かりに再処理施設の問題
一つを取り上げましても、少なくとも
漁民の人たちが十分納得するような、一連の
施策の裏打ちがあって初めてできるものというふうに
考えておるわけでございまして、さらにこの辺につきましては、関係の省庁とも十分御連絡いたしまして、事に当たりたいと
考えておるわけでございます。