○宮崎(仁)
政府委員 お答えを申し上げます。
御指摘のとおり全国総合
開発計画は、昭和三十七年に策定をいたしたものでございます。この
計画の内容についてくだくだしく申し上げませんが、いわゆる拠点
開発構想というような方式を取り入れまして、
所得倍増
計画で経済の全体としての規模なり方向が示されたものに従いまして、できる限り人口の都市集中、あるいは工業の集中といったような傾向に対して、いわゆる地方の拠点にそういったものをできるだけとどめたい、こういうようなことを
計画のいわば基本的な線といたしまして、この
計画がつくられたわけであります。しかしながら、その後の推移を見ますると御
承知のとおりで、まず
日本経済そのものの成長のテンポと申しますか、これが
所得倍増
計画あるいは全国総合
開発計画で予定したものよりも、かなり早いスピードで進んでまいりました。また地域的な経済指標で見てまいりますると、大都市地域であります関東あるいは近畿といったような地域に対する人口及び工業の集中というものが、全国
計画で予定したよりは非常に進みまして、たとえば関東の地域でいいますと、全国
計画では工業出荷額の全国シェアを二九%、これは四十五年が
目標でございますが、四十五年に二九%になるであろう、こう見込んだものが、すでに昭和四十年で三五%になってしまうというような状況でございます。このような人口とか
産業の動きというものに対しては、全国
計画で
考えたときのわれわれの見方というものが、やはり若干甘いと申しますか、希望的にすぎたというような反省もあるわけでございます。
また、このように経済成長のテンポが予定よりも、早くなったということは、反面におきまして、いろいろの公共施設あるいは
産業投資にいたしましてもかなりのものが行なわれまして、そしてまたこういった傾向から見まして、わが国の地域
開発という問題を
考える場合に、従来
考えたよりも相当大きな規模の
計画というものが進められるのではないか、こういうことも出てきておるわけでございます。そういったような状況にかんがみまして、国土総合
開発審議会等におきまして、全国総合
開発計画を練り直すべきだというような御
意見も出てまいりました。また各方面におきまして、地域
開発の問題についての
長期構想なりあるいはビジョンというようなものがいろいろ出てまいりまして、そういった動きに対応して私
たちのほうといたしましても、現在ある
計画を再
検討して新しい
計画をつくり直す必要がある、こういう判断に立ち至ったわけでございます。
それで、今度の
計画をどのような
方法でやっていくかということになりますると、現在作業中でございますので確たることは申し上げられないわけでございますが、昨年十月に経済
審議会の地域部会報告というのが出されております。これは、御
承知のとおり経済
審議会の地域部会におきまして、二年有余の時間を使いまして、多数の
方々に参加していただいてつくった報告でございますが、その地域部会報告におきまして、昭和六十年までの地域経済の一応の構想は出されております。その中におきまして、当面の地域課題として
三つの問題があげられております。それは、
一つは過密問題、それから御指摘の過疎問題、さらに地域
格差の問題、こういった問題に対して地域
政策として対処しなければならぬというので、そのための具体的な方向なども示されております。私どものこれからつくります全国
計画においても、課題はこの
三つの問題が
中心になるというふうに
考えております。
若干具体的に申し上げますと、たとえば農林漁業の問題などにつきましても、地域部会報告でかなりいろいろ数字的な
検討が行なわれております。いま非常にむずかしい問題も出ております。そういった問題、いろいろございますが、これから多数の
方々の御
意見を取り入れまして、できるだけいいものをつくりたいということで現在努力中でございます。