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1968-05-10 第58回国会 衆議院 逓信委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年五月十日(金曜日)    午前十時二十一分開議  出席委員    委員長 古川 丈吉君    理事 志賀健次郎君 理事 田澤 吉郎君  理事 坪川 信三君 理事 早稻田柳右エ門君    理事 金丸 徳重君 理事 山花 秀雄君    理事 小沢 貞孝君       小渕 恵三君    加藤 六月君       金丸  信君    上林山榮吉君       根本龍太郎君    羽田武嗣郎君       福永 健司君    栗林 三郎君       森本  靖君    中野  明君       田代 文久君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 小林 武治君  出席政府委員         郵政政務次官  高橋清一郎君         郵政大臣官房長 溝呂木 繁君         郵政省郵務局長 曾山 克巳君         郵政省経理局長 上原 一郎君  委員外出席者         厚生省社会局施         設課長     大和田 潔君         専  門  員 水田  誠君     ————————————— 本日の会議に付した案件  お年玉つき郵便葉書及び寄附金つき郵便葉書等  の発売並びに寄附金処理に関する法律の一部  を改正する法律案内閣提出第六九号)      ————◇—————
  2. 古川丈吉

    古川委員長 これより会議を開きます。  お年玉つき郵便葉書及び寄附金つき郵便葉書等発売並びに寄附金処理に関する法律の一部を改正する法律案議題といたします。  質疑の申し出がありますので、これを許します。小沢貞孝君。
  3. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 ただいま議題になりましたお年玉つき郵便葉書及び寄附金つき郵便葉書等発売並びに寄附金処理に関する法律の一部を改正する法律案、これについて若干の質問をいたしたいと思います。  まず第一にお尋ねしたいことは、郵政省設置法第三条に「郵政省は、左に掲げる国の事業及び行政事務を一体的に遂行する責任を負う行政機関とする。」ということで、第一項には一、二、三、四とうたわれておって、第二項に「郵政省は、前項事業及び事務の外、左に掲げる業務をつかさどる。」、こういうことで「前項事業に附帯する業務」、こういうようにうたわれているわけなんだけれども、この寄附金つきはがきを売ることは別としても、それを第五条にいうように、社会福祉事業学術研究や、あるいは今度拡大されて交通事故水難救助、こういうようなことにまでそれを審査をして配分をしてというようなことは、一体この「附帯する業務」に入るだろうか、おそらく郵政省設置法のこの項目に該当してやっているんだ、こういう解釈じゃなかろうかと私は思うのですが、そういうことなんでしょうか。
  4. 曾山克巳

    曾山政委員 実は、この寄附金つきはがき等発行するにあたりまして、どういう根拠規定にのっとってやっておるかという御趣旨だろうと思います。  まず、お年玉つきはがきにつきましては、ただいま小沢委員指摘のとおり、郵便事業そのものずばりでございまして、これには問題ないわけでございますが、昭和二十四年にこの制度を始めましたときは、これにつきましては別に根拠規定はございませんでした。しかし、その後諸般の事情考えまして、これを整備することが妥当であるというぐあいに考えまして、実は三十三年の法律改正のときにこの五条規定現行寄付金つき郵便はがき等発売に関します規定を設けまして、特別法でもって措置をしたということになったわけでございます。つまり、お年玉つきはがき発行につきましては問題ないのでございますが、寄付金つきはがきにつきましては、別に法律がなくても本来はできるところでございますけれども、それははっきりしたほうがいいという趣旨でもって、この寄付金つき郵便はがき等発行に関します法律によって、お手元の資料にもあると思いますが、五条でもって、郵政省は、寄付金郵便に関する料金に加算した額のはがき発行することができるというぐあいにいたしたわけでございます。いまお持ちになっています資料の九ページの五条、(寄附金つき郵便葉書等発行)という項目がございまして、この第一項によって根拠を受けたということになるわけでございます。
  5. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 第五条の二項は、一つは「社会福祉増進目的とする事業を行なう団体」、二つ目は「風水害、震災等非常災害による被災者救助を行なう団体、」、三つ目は「がん、結核、小児まひその他特殊な疾病の学術的研究及び治療を行なう団体」、四つ目は「原子爆弾被爆者に対する治療その他の援助を行なう団体」、今度は五つ目ということでありますが、「又は交通事故の発生若しくは水難に際して人命の応急的な救助を行なう団体」、これが加わったわけです。  だから、そういうものにこの申請をさせ、この審査をし、そうして、そういうところへ郵政省援助金だか補助金だか寄付金を与える、こういう任務は、こういう特別法をつくってやったとはいうけれども、郵政省本来の仕事から私は逸脱しているような気がするわけなんです。だから、郵政省設置法の第三条第一項のほうですか、これは郵便事業だ何事業だと明確にうたわれている、第二項のほうにはその他の業務という、そのその他の業務に該当させるわけですか、郵政省設置法からいくと。
  6. 曾山克巳

    曾山政委員 さような特別立法によりまして規定しました以上は、ただいま小沢委員指摘のとおり、郵政省設置法第三条第二項の「前項事業に附帯する業務」、つまり郵便事業に付帯する業務というぐあいに解釈できるわけでございます。
  7. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 四億五千万ばかりの寄付金だから大したことはないと思うけれども、こういうことで仕事ができていくということになれば、年間百億寄付させます、五十億寄付させますといって、文部省でやらなければいけないような学術研究団体にまで寄付金つきはがきの金を回したり、あるいは水難救助だか何だか、運輸省でやらなければいけないような仕事にまで回したり、本来は社会福祉事業法に基づいて、共同募金会か何かがやらなければいけない仕事にまで仕事を拡大していくということは、一体これは郵政省本来の仕事であろうか、こういうことに私は疑問を感ずるわけです。まあ、年間四億か五億ぐらいの少額だから、こういう特別立法郵政省本来の仕事から逸脱したような仕事をやっていっても差しつかえないという話のようなんですけれども、これじゃまるで、文部省厚生省運輸省も、そういう仕事をみな郵政省でやっていけるような道を開いてある。しかも、今度は管理会でなくて郵政大臣がやろう、こういうわけなんですね。一体、これは本来の仕事だろうかというところに根本的に私は疑問を感ずるわけなんです。どうでしょう。
  8. 曾山克巳

    曾山政委員 当省といたしましても、二十四年に制定いたしましたこの法律範囲、さらに三十三年に拡張いたしました法律範囲というものをどんどん拡張していくつもりはございません。やはり最低限に、国民の方々の側から見まして、言うならば、年末のお年玉、助け合い運動式のものから出発しておることは事実でございまして、さような性格にできるだけ近いものを主としていきたいという気持ちはあるわけでございます。  したがって、ただいま御指摘になりましたように、学術振興その他もろもろの方面へこれを広げるという気持ちは現在持っておりません。また、さようなことはすべきじゃないというように考えております。
  9. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 このお年玉つきのほうは別として、寄付金つき寄付を分けてやろう、こういうことを郵政省がやらなければならないという本来のその積極的な理由、これは一体何ですか。  私は、お年玉つきで、日本の生活というか、そういう習慣から、まあ日ごろごぶさたしている者に一年に一ぺんくらいはあいさつ状をやろうじゃないか、こういうことは本来の仕事だろうと思う。だけれども、寄付金をつけて、そしていま言うように、あるいは厚生省文部省運輸省かと思われるような、あるいは自治省かと思われるような仕事まで積極的にやらなければならないというその積極的な理由、その理由は一体何でしょうか。
  10. 小林武治

    小林国務大臣 私は、基本的にはいま小沢委員の御意見は非常にごもっともなところがあると思っております。  ただ、こういうことを始めたときに、寄付を集めるには、やはり国民寄付したというふうな意識があまりなしに、ある程度お金が集まる、こういうことで、やはりはがきにくっつけるということはあんまりこの苦痛を与えないのですね。そしてある程度まとまった金が集まる、こういう効果があるので、私はこれはよかろうと思うのです。しかし、集めたならば、とにかくだれかにやらなければならぬ。国民がこれは寄付をしたい、こういうことで集まった金でありますから、寄付配分をどこかでしなければならぬ。だからして、これはだれがするかという問題になってくるわけです。たまたまいままでは募金管理会、こういうものがあったが、いまお話しのように、四億五千万くらいの金をそんな特別な機関までつくって、そして重役さんまで置いてやるほどのあれがあるまい、こういうことで、やっぱり一つ便宜手段として、集めたところでもってこれはやる以外になかろう、こういうふうなことで、私は、本質的にそういう権限があるとか、あるいはそうしなければならぬということは思っておりません。しかし、そういう集め方については、やはりこれが一つ方法であろう。集まったものをだれが分けるかということになると、一つ便宜論として、郵政省がやる本来の仕事とは私はそう縁がないということでありまして、基本的には、御意見に私は大体同感のところがあるのでありますが、とにかくいま現にやっておる。  それで私は、実は、もし大臣でなかったなら——当時も私はこれに反対であったのでありますが、そういうことでありまして、いまはとにかくこれをやっておる、やっておって集まったとすれば、だれが分けるか、こういうことで、一つ便宜手段だ。郵政省本来の固有の業務なんということを私は思っておりません。さようなことで今日はひとつ御了解を願っておきたいと思います。
  11. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 私はこの創立された当時の事情はよくわからぬが、いまから想像してみれば、終戦後、いろいろな社会福祉やいろいろの予算がないからというような条件があったんじゃないか。だから、まあはがきにでも一円くっつけてやれば、そのほうが集めやすい、こういう一つの当時の社会的な条件に応じた一つ方法としてこういうものが始まったに違いない、こう私は思うのです。だから、今日になれば、あの終戦後のようなああいう社会的な経済的な諸条件というものはなくなっちゃっているんじゃなかろうか、そういうように考えるわけです。  そこで、私はこの法律をよく見てみると、何か質の違ったものを二つ組み合わせてあるように考えるわけです。一つは、お年玉つき郵便はがき発行に関する法律と、もう一つは、寄付金つきはがき発行寄付をやりましょう。この法律はこういう二つの異質なものをくっつけ合わせてあるんだ、こういうように私は考えられるわけです。  それで、今日においても、その経済的、社会的条件においては前段の、年に一ぺん日本人習慣としてお年玉つき郵便はがき発行しようじゃないかという使命というものは私は残っているんではなかろうか、こう思います。しかし、後段の、郵政省が本来の業務でもないようなものを、終戦後の社会福祉事業等が金がなくて困難であった当時のその遺物を、その遺産をそのまま引き継いで今日においてもやっていく必要がはたしてあるだろうか、こういうように、私は疑問をまず第一には感ずるわけです。  この二つ別性格のものをくっつけたものじゃないかというような、そういう考えはどうでしょうか、この法律は。
  12. 小林武治

    小林国務大臣 これはもうお話しのとおりでありまして、異質なものがくっついておる、こういうことであります。だからして、この委員会でも、こんなことをやめちゃったらどうか、寄付金つきはがきはやめたらどうか、こういう意見が出ておるので、私も、できるだけやめたほうがいい、郵政省はこういう余分なことはせぬでもいい。ただ、寄付金そのものはわりあいにこれで集めやすい、そう苦痛がなくて集めやすいということでまあこんなことをやっておりますが、たとえばお年玉そのものをもうやめたらよかろう、こういう意見が相当あるのでありまして、私も一部同感をしておるのであります。  ただ、いまお年玉はがきというものは、まあ長い間経過をしまして、一つ国民的行事になっているのじゃないか、お年玉はがきそのものが、とにかくわずかばかりの景品をつけるわけでありますが、それでも一般庶民にとっては何がしかのひとつの刺激になっておる、国民的な行事一つになっておる、こういうふうなことも考えられるのでありまして、配分そのものについては、もうお話しのような疑点が必ず出てくるのでありますが、集めることと多少の賞品をくっつけるということについては、まだこの際捨てがたいものがあるのじゃないか、こういうふうな感じを持っておるのであります。  それで、いまの寄付金つきの問題は、御承知のように東京オリンピックの際、あるいはガン切手を出しました。ああいうふうなことでもって特定目的のためにやったものがあるわけでありまして、寄付金つきというのは、そういう特定目的のために別に出しておるわけでありますが、これでも、もうできるだけひとつお断わりをしたいというふうに私は考えておるのであります。実は、最近におきましても、万国博覧会の問題あるいは札幌の冬期オリンピック問題等、いま非常な強い要望が——幾らでもこれでいただければ非常に簡単にいただける、こういうことでもって、とかくどうも、これに便乗というと語弊がありますが、これでもって集めてもらいたい、こういうことがありますが、私は、いまお話しのように、こんなことは郵政省としては余分な仕事だというふうに思うからして、いますぐやめるということは申し上げませんが、できるだけやめたい、そうして、やがてはお年玉はがきについても考えたらどうか、こういうふうに私は思っておるので、いまあなたが言われるような趣旨には私は反対ではないのでございます。
  13. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 いま少し質問しておきます。  お年玉のほうは、私は大臣と違って、これはいいじゃないか、こっちのほうだけは分離して、日本人生活からいってこれは続けてもよさそうなような気がします。それによって郵政事業発展し、はがきの売れ行きがよくなったり何かすれば、これはこれで私は別個の法律として残す必要があろう、ところが、後段のほうの寄付金つきのものを売って、まるで文部省のやることまでお手伝いをしたり、厚生省のやることまでお手伝いをしたりというようなことを、本来の業務だけでも忙しい郵政省が何もこれを続けていく必要はもうないのだ、こう思っていたのですが、いま大臣が、そういうものについても検討したいと言ったし、個人としてはやめたいというようなお話があったから、私はこれ以上質問を続けてもしようがないと思うのだけれども、そういうことから考えると、これも私はおかしいのじゃないかと思う。  たとえば、郵政省設置法の第三条の二項のほうですかね。電電公社とかNHK料金を集める、こういうことは、向こうから委託され、契約を結んでやる、手数料を取って料金を集めてやっておる。委託されてやっておるわけでしょう。だから、この法律後段のほうの、寄付金を集めて、そうして集めた額をおまえの団体のほうでそれはいいように使えといってやるならば、集め料というものを委託された団体から取って、集まった金はおまえのところだぞといってやるのが私は本来だと思う、もし委託されてやるとするならば。社会福祉事業や、そういうものの増進目的のためにどうしても必要だ、こういうものは今後残さなければいけないということになれば、共同募金委員会だか共同募金会だかが厚生省のそういうところから委託されて、ひとつどうでしょう、売っていただけませんか、これだけ売れましたから、手数料はこれくらいよこしなさい、そうして集まった金はおまえのほうにやるぞ、おまえのほうはそれを一般共同募金と同じような方法で分配しろ、こういうようなシステムにするならば、これも正常ではないが、郵政省NHK料金委託さされたり何かしてやると同じように、委託業務としてやるべきものではなかろうか、こういうふうに私は考えるわけです。  そういうふうにするならば私は本来の仕事だと思うのだけれども、第七条の新しい二項はこういうふうに書いてあるのですね。「郵政大臣は、前項規定により取りまとめた寄附金(次条及び第九条を除き、以下単に「寄附金」という。)の額から、当該寄附金つき郵便葉書等発行及び売りさばき並びに同項の規定による取りまとめのため郵政省において特に要した費用の額並びに寄附金の額の百分の一・五に相当する額を限度として、寄附金管理並びに配分金の交付及び配分金の使途の監査のため郵政省において特に要する費用の額を控除するものとする。」こういうことは、郵政大臣自分寄付金つきはがき発行をしておいて、そうしてそれに特に要した費用自分で適当に取ってしまっておいて、そしてそれを今度は自分たちのいわゆる配分方法、その監査をする方法、そういう費用については一・五%というませをはめておいて費用の額をきめているわけですね。そして残った額を今度また郵政大臣が分けてやる。これは、大臣自分でやるからそういうことになってしまうと思うのですね。NHK委託料金みたいにやれば、これだけ集めてきて、これで契約料金幾らだぞ、一件集めて幾らだぞ、こういうことで、手数料よこせ、もらいました、集まった金はそっちへやります、こういうことだと思うのです。だから、共同募金会なり何なりから四億枚ぐらい売ってもらうとか五億枚ぐらい売ってもらうとか、売ってくれないとか契約ができて、そのくらいなら売れるでしょう、売りましょう、その手数料はこのくらいよこせ、やりましょう、こういう契約になって、集まった額は募金会なら募金会へ回してやって、その配分等は本来の募金会のほうへやらせていれば——もしどうしても寄付金つきはがき使命が残っているとするならば、そういうようにやるのがこれは正常な形ではなかろうかと私は思う。この問題はどうでしょう。
  14. 小林武治

    小林国務大臣 これは、いまのように配分先共同募金会一つ委託者一つに限定されているということになればそういうこともできますが、いまのこれを差し上げておるところはいろいろな団体でありまして、共同募金会のほかにおよそ幾つか、相当のものがあります。したがって、だれさんから頼まれて、そしてこれを委託を受けて出すのだというふうなわけにはまいりません。したがって、いまのようなことは、趣旨としては非常にけっこうだが事実上できない。  それから、これは役所のなわ張り争いがあるのか、皆さんのほうは皆さんのほうで異論がありましょうが、自分で相当苦労して集めて、そして適当なその配分を、委託するところがなければ自分でひとつやってみたい、こういうふうな気持ちになることもひとつ御了解いただけるのではないかというふうに私は思っております。  ことに、共同募金会そのものが一昨年来いろいろの問題を起こしておりまして、あそこへそのままそっくりお願いするのもいろいろな問題があるのでありまして、この点は、厚生省自分のほうへくれと言っておりますが、はたしてわれわれの期待するような仕事をやってもらえるかどうかということについても多少の疑問が一昨年来からあった、こういうこともあるのでありまして、私は、理論的にはおっしゃるのは無理はないかと思いますが、実際問題としていまのような結論になる。  だから、私としましては、実は人にやらせればいいのじゃないかといっても、あまり適当なものもないし、それからもう一つは、これは御存じのような仕事でありますから、せっかく集めたんだから、集めたところでもって多少口も出せるように、というふうなこともあったということにひとつお考え願いたいと思います。
  15. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 こんなことは青筋を立ててえらい論争をするようなことじゃないと思います。ただ、大臣に私はいつもこういうことを要望したいと思うのだけれども、お役所というのは、いままでずっとやってきていることを、またそれを拡大するとも縮小するような方向へ行くと、局長だとか部課長というものは、もうまるで悪い局長だ、悪い部課長だと思われるような錯覚におちいっていると思うのですね。  こんな技術革新時代で、もう国際化時代になってきたときには、いままでやっていることを、何とかやめようじゃないか、改めようじゃないか、こういう頭の切りかえが必要だ。これは何も郵政省ばかりじゃない、政府の中、全部そうだと思う。電電公社のことを質問したりNHKのことを質問したりするときも私はいつも言うのだけれども、旧来やってきたことを拡大するとも縮小をやるという方向には役人は絶対に動かぬ。それを、いままでやってきたことをあなたの立場でやめてしまうとか、きのうまでやってきたことを全然改めて新しい方法でやるとかいう感触というものを局長なり部課長に与えるということは、私は非常に重要なことだと思うので、そういう意味において、私はこんな四億五千万や五億のお年玉はどっちでもいいんだけれども、どうして役人はマンネリズムというか、みな保守的になってしまうのか。これは産業経済発展の中で、私は役所システムほど保守的なことはないと思う。それを墨守しよう、こういうことがいつでも役人考えだと思う。これはお年玉だけの、郵務局だけのことじゃないですよ。電電公社であろうと何であろうと、ここへ来ていろいろ見ると、そのたびに感じておる。民間産業経済発展、それに即応する管理体制の変革と比べるとあまりにもおくれてい過ぎるということを始終感ずるのです。  そういう意味において、きのうまでやってきたこともぱっとやめてしまうような蛮勇をふるわせる、こういうことを大臣は始終やらなければならないのではないか、こういうように考えるわけです。
  16. 小林武治

    小林国務大臣 これはごらんになっていただけばわかりますが、たとえば郵便募金管理会を廃止するというのはそうやさしいことじゃありません。ここに重役さんが四人もおりまして、郵政省の天下りとは申しませんが、それをやめるということだってやさしいことじゃない、相当な抵抗があったことは御想像がつきます。したがって、これをやめて、そういうものをなくして、郵政省が人員の増加をしないでこれをやろうということは、非常な前進だ、こういうことでありまして、いまおっしゃることに関しては、郵政省はむしろ勇断をもって当たったというように私は申し上げられるのではないかと思います。
  17. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 厚生省から来ていただいておりますので伺いますが、厚生省募金年間どのくらいになっておりますか。社会福祉事業法に基づく共同募金というのは、年間どのくらいになっておりましょうか。大体の数でけっこうです。
  18. 大和田潔

    大和田説明員 いま正確な資料はございませんが、四十一年度におきまして民間からの資金、これはお年玉、それから競輪、競艇、こういうものを入れまして約二十億強でございます。
  19. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 その内訳を、お年玉幾ら競輪幾らで競馬は幾らで、一般の赤い羽根で募集するのは幾らか、大体のところでよろしいですから……。
  20. 大和田潔

    大和田説明員 お答えいたします。  自転車、自動車振興会につきましては十二億でございます。それから船舶につきましては約七千万、それから年賀はがき配分金につきまして約四億二千万、共同募金につきましては五億六千万でございます。
  21. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 共同募金でやったものについての配分その他については、ませがあるかいなかということです。制限というか、そういうものがあるかどうか。共同募金でやった募金五億六千万ですね。そういうものを配分するには、ある法律できめられたワクというものがあるでしょう。
  22. 大和田潔

    大和田説明員 所管が実は私どもの課ではないものでございまして、その条件を正確に私ども把握しておりません。庶務課のほうの所管でございます。
  23. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 共同募金配分では、社会福祉事業法第七十八条の第一項には「共同募金は、社会福祉目的とする事業を経営する者以外の者に配分してはならない。」その次は「国及び地方公共団体は、寄附金配分について干渉してはならない」、こういうことですね。  国及び地方公共団体はこの配分について干渉してはならない、それはいいですね。それまでは法律に書いてあるから、所管でなくてもわかるでしょう。その第二項の国及び地方公共団体は干渉してはならないということは、一体どこからそうなったのでしょう。
  24. 大和田潔

    大和田説明員 これにつきましては、民間からの募金でございますので、当然民間の自主性を尊重するというたてまえに立たざるを得ないものでございます。したがいまして、公の国並びに地方公共団体が特にこれにつきまして指図をするというようなことにつきましては、この募金の、あるいは配分趣旨からいたしまして、趣旨に沿わないというような意味合いからこの条文ができておるものというふうに考えられます。
  25. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 この国及び地方公共団体が、募金したものに干渉してはいけないということは、民間の集めたものだから民間に自由にやらせよ、こういう趣旨だけ、それだけですか。
  26. 大和田潔

    大和田説明員 当然これは民間で自主的に正当な配分が行なわれる、これを前提にしておるわけでございます。
  27. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 そうすると、郵政省でやるのは、いままでの、名前は募金管理委員会だったか、そういうものでやるのは、比較的に、みんなが集めたものをそういう自主的な立場でやらせようということで国が干渉することにならないわけなんだが、今度の改正によれば、まるまる国がやろう、こういうわけです。大臣がやろう、こういうわけです。  いいですか。同じ社会福祉事業を推進しようというのに、片方は国は干渉してはいけないといっておる、法律でまできめてあるわけです。ところが、今度は郵政大臣がみずからやろう、こういうように法律を改正していこうというわけで、若干、その行き先やその他に、性格は違うかもしれないけれども、まるで背中向きのような方向に改正していくという考えです。どうでしょう、その間のことは。
  28. 曾山克巳

    曾山政委員 旧法、つまり従来の法律におきましても、配分団体の決定につきましては、先ほど大臣からも御説明いたしましたとおり郵政大臣が決定権を持っておるわけでございます。これは御案内のように、この寄付金性格が一枚一枚のはがきの、つまり一円の累積でございまして、国民多数の善意に対して、やはり郵政大臣がその善意にこたえるような信託の義務を負っておるというところから大臣に決定権が付与されたというように考えるわけでございます。  したがって、ただいまの条文の関係でございますが、これは厚生省が主管でございますけれども、先生いま申しましたような性格のものではないわけでございますので、この一般の公募の場合につきましては、ただいま御指摘になったようなこととは直接関係はないというように考える次第でございます。
  29. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 厚生省にお尋ねをするけれども、施設や何かつくるのに郵政大臣のほうで配分してやるわけですね。そのあと、また運営なんかは厚生省でめんどうを見なければいけない、こういうことになるわけですね。  われわれしろうと考え考えれば、郵政省という所管外のところでもって、あそこの養老院をつくるのか精神何とか施設をつくるのか知らぬが、そういうところの施設では五百万なら五百万のうち六割はやりましょうといって、三百万募金の中から郵政大臣はやります、こういうことになると、厚生省は、あとのめんどうとかそういうものは厚生大臣が見なければいけない、こういうことになるわけですね。これは行政の一元化の上から好ましいことじゃない、こう私は思うのです。だから、集まった金を厚生省に渡して、これでうまくやれよ、あるいは共同募金をやるからやれよというように一元化したほうが筋が通ったことじゃなかろうか、こう私は思うのです。これは厚生省どうでしょう。
  30. 大和田潔

    大和田説明員 現在、御承知のように、社会福祉施設に対しまする配分につきましては、共同募金が一括して配分団体ということになっておるわけであります。そういうように、配分団体といたしまして共同募金が一括して募金配分を受けまして、共同募金が各社会福祉施設に対しまして配分を行なうということになりますれば、ただいま先生のおっしゃっておられるような御趣旨は満たされるものであるというふうに私は考えます。
  31. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 そこで私は、その厚生省のほうの社会福祉事業法に基づく共同募金配分の行き先と、郵政省のほうは、文部省の研究機関式のものにまで、今度はまた運輸省でやらなければいけないような交通事故救難のほうまで拡大していこうと、こういうことなので、その対象が必ずしもラップしていないから私はそこはうまくいかないと思うのだけれども、そういうようにどんどん拡大していこうという郵政省の意図、それがどうしても私は気に食わぬことだと思うのです。  こういうことは、もう最初から言うたようにやめたほうがいいと思うのです。このよその権限のことにまで郵政省がくちばしをいれるような、複雑した二元行政みたいなことになっていくことは好ましいことじゃないし、なるべくそういうような機構は縮小して、委託されたら、しょうがないから委託料を取ってやってやって、そっちへ集まった金を返してやる、こういうことのほうが、機構を簡素化し、人を少なくし、業務を拡大しないで済んで二元行政もなくなって簡単にいくじゃないか、こういうことなんです。これはどうでしょう。
  32. 曾山克巳

    曾山政委員 第一点につきましては、先ほど申し上げましたように、言うならば、年末の歳末助け合い的な性格のものから出発しておりまして、それにできるだけ近い性格のものを現在の法律にも盛り込んでおりますし、交通事故の応急的な救済につきましてもさような趣旨であるわけでございます。あるいは特殊指定もさようでございます。したがって、これをいろいろと、先ほど来議論のございますような無限の方向に拡大するという気はないわけでございまして、またさようにすべきでないと思います。  それから、先ほど大臣もお答えになりましたのでつけ加える必要はございませんが、郵政省委託を受けましてやるという考え方もございますが、言うならば、これは通り抜けの形で、ただ一定の期間郵政省が保管いたしまして、そうして、寄付の受給団体が要望しておりますところの、できるだけ早い時期に寄付金をもらうというようなことを考えますと、やはり通り抜けで、振りかえで送金をしまして、そうして、その送金がまとまったものを郵政省寄付受給団体の要望にこたえて早く配分してやるというほうが妥当ではないかというふうに考えます。  そのほか、いろいろ法律上の問題もございますが、それにつきましては省きます。
  33. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 それでは、時間もないし、大臣からも先ほど御答弁いただいて、できるならばなるべくやめる方向で検討したいということなので、もう一回私は、主として意見になりますけれども、この法律二つ意味があって、お年玉はがきを売るというような方向については、私は続けていくべきだ、それについても改善する余地があると思うのです。きのうかおととい、上林山委員ですか、発言したように、何かトランジスタだかハーフカメラだか、そういうものはやめて、なるべく郵政省の中でまかなう切手等によって、しかも一等、二等なんというものよりは、三、四、五等程度のものだけでいいじゃないかというような意見もあるが、そういう改善の余地はあるにしても、お年玉はがき発行する法律、こういう性格のものは継続すべきだという私は考えを持っておるわけです。  もう一つ、この寄付金つきのを発行して、しかもその配分をすることまでつけ加えたような、こういう方向はやめちまったほうがいい。これはもう郵政省仕事じゃない。それよりは、郵政省郵便を早く配達するとか、本来の仕事に邁進して、そういうものに余分な手間ひまかけたり、しかも厚生省の所管する監査をしなければいけないようなところに持っていって——今度は募金管理会監査に行くのでなくて、郵政省の職員が監査に行くわけですね。だから、当該施設にとっては、厚生省から運営その他の監査に来てみたり、施設の監査については郵政大臣のほうからも来てみたり、こういう二元行政みたいなことはなるべくやめたほうがいい、こういうふうに私は考えるわけです。寄付金のほうはまず全廃したほうがよかろう、もしやるんだったならば、本来の姿に戻して、共同募金会だか委員会だかのほうから委託をされて、委託手数料を取ってやって、集まったものはそちらにやってしまう、そういうふうな簡素化された方向に持っていったほうがよかろう、こういうふうに考えるわけです。最後に大臣、この辺もう一回お答えいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
  34. 小林武治

    小林国務大臣 御意見のことは非常にごもっともな点がありますので、よく検討してまいりたい。ことに寄付金つきのものなどは、私は近い将来廃止したらよかろう、こういうふうに考えておりますから、お年玉はがき関係も、来年の発行分からはまたいろいろな面において改正を加えたいということで検討していますから、このほど上林山委員から言われたようなことも、ひとつ何とかやりたい、こういうふうに思っております。
  35. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 質問を終わります。
  36. 古川丈吉

    古川委員長 中野明君。
  37. 中野明

    ○中野(明)委員 いま小沢委員から相当突っ込んでお話もありましたが、私も同感のところがたくさんありますので省略しまして、いま大臣のほうからもお年玉つきはがき並びに寄付金つきはがきの是非について御意見もありましたのでそのことは省略しまして、第一点お尋ねしたいのは、寄付金のことで重複するようになるかもしれませんが、寄付金の大半が中央共同募金会配分されているような形になっております。  その配分のことについて、今後やはりいままでのような形式でいかれるのかどうか、その点について大臣のほうから、この改正を機会に、募金管理会がなくなったわけですから、配分のあり方をどういうふうに持っていこうとなさっているか、それをちょっと……。
  38. 小林武治

    小林国務大臣 この法律の改正案では、その配分郵政省でやりたい、こういうふうなことになっております。
  39. 中野明

    ○中野(明)委員 そうしますと、従来は、中央共同募金会のほうへ大半そのほうからの要請に基づいて配分しておったようなことになっておりますが、今後は一切そういうことを御破算にして、郵政大臣のほうで一切の配分先考えられる、こういうことでしょうか。
  40. 小林武治

    小林国務大臣 厚生省と十分な連絡の上で、協議の上でそういうことをやりたいと考えておるのでございます。
  41. 中野明

    ○中野(明)委員 私個人の考えなんですが、この寄付金配分につきまして、どうしても郵政省がその機構を生かして相当力を注いでやらなきゃならないことになっておりますから、この寄付金を今後郵政事業振興方面に、あるいは長年功労のあったそういうような人たちの福祉事業、そういう方面に配分し、使用される、そういうお考えはお持ちになりませんか。
  42. 小林武治

    小林国務大臣 さような考えはありません。
  43. 中野明

    ○中野(明)委員 いまの審議で大臣のほうからもお話がありましたが、こういうことについて是非論は一般からも相当出ております。ですから、将来は廃止の方向大臣としては検討されるというような意味のお話を聞いたのですが、そこのところを、将来のことについてもう一度……。
  44. 小林武治

    小林国務大臣 お年玉はがきにつきまして、もう長いこれの実施によりまして、ある程度国民的な行事と申しますか、国民が期待を持っておりますから、このほうはいろいろ改善を加えて続けていくのが、これは社会の要望にも沿うんじゃないか。ただ、もう一つの他の用途のためにその間に出す寄付金つきの切手なりはがきなりの問題がありますが、こういうようなものは、もうなるべくやめたいというふうな考えを持っております。  要するに、お年玉はがきに対する国民の期待と、それから特殊な、たとえばオリンピックとかなんとか、そういう特殊な催しのある際に寄付金をこれでもらいたい、こういうことの要望がありますが、こういうものはもう将来できるだけやめていきたい、こういうふうに分けて考えております。
  45. 中野明

    ○中野(明)委員 お年玉はがき寄付金のあるのとないのと二通りありまして、年末になりますと、こういう種類のはがきを売りさばくのに、割り当てだとかなんとかいうようなことまでじゃないと思うのですけれども、一部では売りさばくのに相当苦心をしている、そういうようなことも聞くわけです。だんだん七円の分と八円の分の比率を変えてきておられるように思いますけれども、来年あたりのことについてどういうふうに考えておられますか。
  46. 小林武治

    小林国務大臣 これはこれからきめるのでありますが、大体のことといたしましては、まあ前年の踏襲というようなことになるのではないかと思いますし、なお、この寄付金のつかないはがきに対してもいままで賞品を出しておる、こういうようなことはやめたらどうかという意見が相当強いのでありまして、せっかく寄付金のついたものを優遇するというとどうかと思いますが、そういう趣旨でそういうふうな改善をしたらどうかという意見が非常に強いので、私ども検討しておるところでございます。
  47. 中野明

    ○中野(明)委員 大体のお考えはわかったのですが、次にお尋ねしたいことは、お年玉として贈られる金品がございます。それがいままでどの程度——これは大臣じゃなしに、局長でないとおわかりにならないと思いますが、どの程度受け取りにこない人があったかということをちょっと……。
  48. 曾山克巳

    曾山政委員 賞品を受け取りにこない、つまり交付の割合でございますが、交付しました割合を申し上げますと、一等から五等まで分けまして、一等が取りにきましたものが六四・一%、二等が五四・九%、三等が四八%、四等が四九%、それから五等が四六・五%という数字になっております。
  49. 中野明

    ○中野(明)委員 これはどうでしょうか、毎年同じような状態なんでしょうか。年々減っているのかふえているのか。
  50. 曾山克巳

    曾山政委員 傾向としては毎年大体同じでございます。
  51. 中野明

    ○中野(明)委員 これは、せっかくお年玉としてそれだけの資格をもらったわけですから、同じような傾向を毎年たどっているのではなくして、もう少し何とかその人たちに認識をさせるようなそういう方法を講じてこられたのかどうか。毎年同じような傾向だというので、そこら辺、遺憾に思うのですが……。
  52. 曾山克巳

    曾山政委員 郵政省といたしましては、ポスター等で十分周知をいたしますし、また、特に交付の締め切り期限が七月二十日でございまして、それ前には大々的に新聞、ラジオ等を通じましてキャンペーンをいたしておるつもりでございます。なお、このお年玉の賞品に対しまする関心もまだ不十分な向きがあるようでございますから、私どもといたしましては、今後その点を強めてまいりたいと思っております。
  53. 中野明

    ○中野(明)委員 やはりこういう数字の結果から見ましても、案外そういう金品が受け取られぬような向きもあるわけです。大臣が先ほどからおっしゃっておられるように、そういうことについても一考を要するということですが、私もこの問題については、せっかくのそういうことが何もならなくなっているようなことも考えられますので、今後検討していただきたい、こう思うわけであります。  大半議論が終わっておりますので、私もとりわけてお尋ねすることはございませんが、最後に、募金管理会の解散にあたりまして、いままでここにつとめておった職員の人たちのことについては、過日、森本委員からも御要望があったように思いますが、大臣のほうで今後の処置についてよく御検討いただきたい。そして、何年かそこにつとめて、そこを自分の職場として生活のかてにしてこられたわけですから、今後の身の振り方についてよく御検討いただいて、本人たちが将来も安心して生活できるように骨を折っていただきたい、このようにお願いしたいのですが、その点について……。
  54. 小林武治

    小林国務大臣 御趣旨のように計らいたいと考えております。
  55. 中野明

    ○中野(明)委員 以上でけっこうです。
  56. 古川丈吉

    古川委員長 田代文久君。
  57. 田代文久

    ○田代委員 来たるべき参議院選挙で前郵政事務次官ですか、長田裕二さんが立候補される予定になっていることは一般に発表されていますね。その長田裕二さんの参議院の選挙運動について、これは郵政省は監督官庁でもありますし、お尋ねしたいのですが、四月の二十六日と二十七日に……。(「お年玉と関係あるか」と呼ぶ者あり)これはお年玉とも関係があるのですが、渋谷の公会堂で全国の特定郵便局長会の四十三年度の総会、それから生活協同組合総会があったことは御承知と思うのです。  この席上で、問題の長田氏——この長田氏は以前からもいろいろ問題のある人物で、黒い霧問題のときに飛行機のただ乗りをやったとかなんとかというので、くさいにおいが相当した人ですけれども、この人がこの会議に出席しておる。そして、そのときに現在の西村参議院議員がこれに出て、私たちとしては非常に聞き捨てにならないようなことを盛んに言っておるのですね。長田顧問については私と同様、限りない御支援を願いたく、推して参上した次第であります——西村さんは病気か何かで議会は……。(「むち打ち症だ」と呼ぶ者あり)そうでしょう。ところが、これに出席しているときはむち打ちでも何でもなかったんですね、首に巻いて出られたのだから。これは小林さん御存じでしょう。参議院の私と同様に、限りない御支援を願いたく、押して参上した次第である、こういうようなことを言っているところ、非常にこれはあれですね。  それから、これは小林郵政大臣が出席されて質疑応答されたことも発表されていますし、小林さんもこれには無関係というわけにはいかないようですが、この質疑の前に、東京の新板橋の大竹という局長がこの長田裕二氏の万歳を三唱するということを緊急動議で出して、そして二千五百の参加者全員が長田氏万歳を三唱したというのです。(「いいじゃないか」と呼ぶ者あり)いま、いいじゃないかという発言がありましたけれども、これはよくないですよ。これは明らかに選挙運動だと思いますがね。こういう事前選挙運動を公然と内容としたようなこと、郵政大臣が出席した席上で、しかも全国の特定郵便局長会議でこういうことがやられることに対して、大臣は責任を感じられるかいなか、その御答弁をお願いしたいと思います。
  58. 古川丈吉

    古川委員長 ちょっと田代君に申し上げますが、決して発言を封ずる意思はありませんけれども、きょうは法案の審議をやっておりますので、法案に関連のある程度にひとつお話しを願いたいと存じます。
  59. 小林武治

    小林国務大臣 私は、実はこれ、一切関知いたしておりませんから、責任があると思いません。
  60. 田代文久

    ○田代委員 関知いたしておりませんと言いますけれども、政府としては、郵政局が監督している公的なそういう郵便局長会議に出て、これはもう常識的に見ても歴然たる選挙事前運動であることは明らかですよ。それに対して、私は関知しないというようなことをおっしゃっても、これは世間は通りませんよ。はっきりこれは責任がある。  したがって私は、これは佐藤首相がいつも言われるように、もしそれがことばどおりであるなら、はっきり、こういう世間の疑惑を招くようなことに対しては潔癖でなくちゃならないということを明確にされるということが、これは大臣としての任務であるし、また、それでなければ、現在の非常に疑惑の深まっている世情に対して、私はますますそういうことを非常に深めるという結果になるんじゃないかと思うのですがね。とにかく大臣、そういう逃げ答弁は、これは大臣にとってもはなはだまずいんじゃないかと私は思うのです。  さらにお尋ねしますが、昨年の十月から十一月にかけて、全国で郵政局単位の普通郵便局長会議が開かれておる。これはもう申し上げるまでもないのですが、東京の郵政局管内ではこの局長会議に次のような申し合わせをやっております。それは、職制を通じ長田裕二後援会員を一人が五人ずつ集めるという内容であって、これは文書になっておるはずであります。この決定に基づいて、それぞれの郵便局の職制は後援会員を集め、はがきを出しております。そのはがきの内容というのが、だれだれという職制の名前で、職制の紹介で長田裕二後援会に入会していただいてありがとうございました、長田は元気でがんばっておる、こういう内容です。そうして、しかもこれは、そういうはがきを出すはがき代として千八百円ずつ現金を出しておるというのです。こういう事実を知っておられますか。
  61. 小林武治

    小林国務大臣 先ほどの渋谷公会堂のことは、これは役所が関係した会合でありません。これは特定局長会という私的団体が主催をしておるのでありまして、ただ郵便局長が寄っておるということで、私は来賓として顔を出した、こういうことでありまして、あれは公的の会合ではありません。  また、いまおっしゃるような、要するに、公務員というものは政治活動をしてはならぬ、選挙運動をしてはならぬ、こういうことになっておりますから、そういう事実があれば適当でない。もしあれば、注意をいたさなければならないし、よろしくない、こういうふうに思います。
  62. 田代文久

    ○田代委員 そうすると、こういう事実は全然御存じないのでしょうか。
  63. 小林武治

    小林国務大臣 私は存じません。
  64. 田代文久

    ○田代委員 次官なんかもこれは御存じないですか。
  65. 高橋清一郎

    ○高橋(清)政府委員 存じません。
  66. 田代文久

    ○田代委員 そうすると、郵政局関係の方も御存じないということですか。そういう御答弁でしょうけれどもね。しかし、事実こういうはがきが現実に出されて、しかも、これははっきり千八百円という金を回しておるのです。もし御存じなければ、私は早急に——これはゆゆしい事態であると思うのです。こういうことをやられては、これはたまったものではないのです。これは自民党にとりましても、あるいは郵政局にとりましても、こういう選挙運動がやられるということが許されるかどうか。現在、特にわれわれは非常に清潔にしてやらなければならぬというときにですね。  ですから、これはひとつ責任を持って調査して——私はちゃんと握っていますけれどもね。これはひとつ郵政省のほうで調べて、そうしてはっきり、どういう処置をなさるか、なさったかということを次にお尋ねする機会を持ちたいと思います。以上で終わります。
  67. 古川丈吉

    古川委員長 本会議散会後再開することとし、この際、休憩いたします。    午前十一時二十四分休憩      ————◇—————    午後二時二十九分開議
  68. 古川丈吉

    古川委員長 これより再開いたします。  お年玉つき郵便葉書及び寄附金つき郵便葉書等発売並びに寄附金処理に関する法律の一部を改正する法律案議題とし、質疑を続行いたします。金丸徳重君。
  69. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 本件につきましては、前回及び本日午前中の質疑によりまして相当詳しく疑点がただされておりまするから、あらためて私のお伺いする分はないのでありますが、しかし、若干大臣のお答えの中で気になることも一、二ありますので、その点明確にしておきたいと思います。  前回の御答弁及びけさの小沢委員質問に対する御答弁の中で、これは私の聞き方が悪かったのかもしれませんけれども、お年玉ではなくて、年賀郵便制度そのものについても検討しなければならない時期がきた、こういうふうなお考えのように聞こえたのでありますが、この点はいかがでございますか。
  70. 小林武治

    小林国務大臣 私が申し上げたのは、存続そのものでなくて、さしむきこれの運営についての検討をいたしたい。たとえば、いま寄付金つき寄付金のつかないものと両者に対して同様な賞品をやっておりますが、つかないものには賞品等はやめるようなことはどうかというようなことをいま検討してもらっております。
  71. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 それでよくわかりました。  私も実は年賀郵便そのものについては、たとえば、巷間には虚礼廃止というような対象にされた場合もありますし、特に最近の実例としては、たとえば一月一日という消印を省略する、あるいは印刷しておく、あるいは年賀郵便というのにかかわらず、これは事務の都合にもよることだと思いますけれども、年のうちに配達しておる。ことしあたりどうだったか知りませんけれども、暮れに持っていってもよろしいかというような了解を求めにきて受け取ったような例もありますし、それからもう一つは、かつての年賀郵便というのは二十八日か二十九日まで引き受けて、いかにも年賀郵便らしいものを持っておったのでありますが、最近はなるべく受付時間を繰り上げて事務の渋滞しないような方法もとるというようなことからいたしまして、何か年賀郵便というイメージが薄らいできたような気がしないでもありません。  そこで私は、そういうような幾つかの事象にかんがみまして、大臣はこの根本について何か考えておられるのじゃないかというような気がして心配をいたしたのであります。もしまたそうであるとしまするならば、これは相当前からそれらしく世間に訴えておかなければなりませんし、現地における取り扱い者などの心がまえの上にも大きく響いてくるであろうかと思ったからでありますが、この点はもう一度念のため、これは存続はするのだ、内容については考えなければならないものがあるかもしれぬけれども存続はするのだというお考えであることを明確にしておいていただきたい。
  72. 小林武治

    小林国務大臣 これは国民の間に一つの定着した制度でもありますので、存続をいたします。ただ、いまお話しのように締め切りがあまり早いなんというのは私は問題だと思う。  これはやはり役所としては、年末闘争などを考えて、急にえらい迫って混乱しては困るということで、ある程度繰り上げておるかもしれませんけれども、私は、これはやはりまずい、あまり早く年賀郵便を締め切るなどということは実情に合わない、いま二十五日のようでありますが、これらについてももう少しやはり締め切りを延ばすようなことも考えてはどうか、これは全体の従業員の考え方にもよりますが、さようなことも考えておる。いま仰せのように、あまり早く締め切るのは年賀郵便らしくない、こういうことも私は意見があろう、かように考えます。
  73. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 そこで、もし存続するという根本的なお考えであれば、次のお尋ねになるのでありますが、終戦後特にお年玉はがきという制度を取り入れて以来、年賀郵便の伸びというものは非常に目ざましいものがあるのであります。この両三年だけ比べてみましても非常な伸びでありますし、特に四十一年から四十二年の伸びというものは、これは十何%になりましょうか、そういうような伸びを見せておるのであります。まことに取り扱い者としても張り合いのあることだろうと思うのでありますが、この傾向というものは今後さらに続くとごらんになっておるのでありましょうか。たとえば本年度の予算計画などについてはどの程度の伸びを見られるのか。また、今後五年くらいの間にはどの程度に伸びていくとお考えになり、そういうお考えに沿っていろいろの業務運営の基調を計画されておると思いますが、お伺いをしておきます。
  74. 小林武治

    小林国務大臣 概括的に申せば、私はそうこれから著しく伸びていくとはあまり思いません。ことに四十二年度、四十三年度を見ておりますと、どうも私製はがきが相当に減ってきておるこういうふうな傾向を見せておるのでございまして、官製はがきは売り切れておる。ところが、このほかに毎年相当な私製はがきを出しておったのがありますが、いまの様子ではこれがふえないというか、あるいは減少しておるのじゃないか、こういうふうに私は思っております。
  75. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 そうしますと、大体十四億五千万、これが若干伸びていって、将来二十億程度で天井へつかえるというふうなお考えのもとにこの制度をごらんになっておるのでありましょうか。これは業務運営の基本にも影響してくることだろう、そういう見通しは非常に大事だと思うので、この際伺っておきます。
  76. 曾山克巳

    曾山政委員 物数の伸びでございますが、ただいま御指摘になりましたように、お年玉つき年賀はがき並びに寄付金つき年賀はがき、この両者につきまして、特に前者の寿年玉つき年賀はがきの物数は毎年順調に伸びてきているわけでございます。たとえば官製の年賀はがき発行枚数は四十一年度におきましては十三億枚でございましたが、四十二年度においては十四億五千万枚、この資料の二十八ページにあげておりますように伸びております。ところが、一般の物数におきましてはさように伸びておりません。先ほどからお話がございますように、年末におきまして、あるいは年始に際しまして、お互いに年賀はがきを交換し合うという風習は今後も御指摘のような割合で伸びていくと思います。したがって、二十億枚くらいになるだろうというお話でございますが、将来そういう日は必ずくるというぐあいに思います。  ただ、それにつけましても、御指摘になりましたような施設、要員等の裏づけの配慮は十分私どもとしてやらなければならぬと考えますので、あまりにもこれをよけいに助長いたしまして、逆に私どもが苦しむということにならぬような配慮はしていかなければならぬと思っております。
  77. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 年賀はがきの伸びは今後もやはり続くであろうというお見通し、私もそういうような気がいたしておるのであります。ただ、この官製年賀はがきがふえた中には私製年賀はがきが減っている分が入っている、こういうような御見解のようです。これは数が証拠立てるわけですからそうであろうと思います。  ただ、そういう場合において、年賀はがきというものが社会一般の景気の動向によって動いておるのか、それとも、そうではなくて、年賀はがきそのものが内包しておるところの性質によって伸びているのかどうか、この点についてどういう見解を持っておられるか。  この数字で見ますれば、高原景気であるとか神武景気であるとか、あるいはなべ底景気であるとかいうような世間の景気には影響されずにずっと順調に伸びていっているように思われる。もしそうであるとしますると、この伸びというものは、景気のいかんということではなくて、何か年賀はがきそのものが持っておるところの世間に訴えるもの、あるいは効果というか、そういうものにかなり影響されておるのではないかとも思われる。この辺はどういうふうな考え方ですか。
  78. 曾山克巳

    曾山政委員 先ほどは官製の年賀はがきのことについて申し上げましたが、御指摘のように、私製の年賀はがき、それからいまのお年玉つきでない一般の官製はがきを利用しましての年賀はがきがそのほかに出ているわけでございます。  四十二年度を例にとってみますと、十四億五千万枚のほかに一億三千万枚、つまり十五億八千万枚という数が年賀はがきの総数でございます。したがって、ただいま説明いたしましたように、このお年玉つき年賀はがきは、言うならば、一般に日本的な伝統のも一とに育っておりますところの年始交換という美風の一つのあらわれかと思いますので、確かに、金丸委員ただいま御指摘になりましたとおり、今後は景気に左右されるという割合よりも、むしろ景気そのものにはそう左右されないで、一般的な私的通信の交換という形で伸びていくというぐあいに私は思います。
  79. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 年賀郵便というものがそういうふうな原因を持ち、順調に伸びていくとしますれば、生活程度なり交友の範囲が広がるに従って、かなり今後長い間に向かってこれは伸びていくのではないか、伸びの足取りは、かりに多少縮まるにいたしましても伸びていくのじゃないかというふうに思われます。したがって、これはもう定着しておるばかりでなくて、ますます広がり、利用される方向に向かっているのじゃないかと思います。  そこで次のお尋ねに移るのでありますが、年賀郵便がこのように発展してきた、それに一つ拍車をかけるといいますか、そういう方向へ向けたのには、終戦後の、非常におもしろい思いつきだったといまから思われるところのお年玉つきという制度がたいへんよかったのじゃないか、こう思われるのであります。大臣、これはどう御回想なさいますか。二十四年お年玉つきはがきを送り出して以来、やがて二十年になるのであります。これを考えますというと、非常に児戯にひとしいものであったかもしれません。しかし、終戦当時のあのかわき切った世相の上に若干の潤いと若干の楽しみを持たしたことは確かである。そういう潤いなり楽しみなりというものが年賀郵便そのものに反映していって、それに拍車をかけて、いまのような非常に世間の世相、景気というものとは別個の歩み方をしてきたのじゃないか、こんなふうに思われるのでありますが、大臣の御見解はいかがですか。
  80. 小林武治

    小林国務大臣 これは全くお話しのとおりだろうと思います。  ごくささやかな賞品でも、正月早々ささやかな夢を国民に与える、こういうふうな作用もしておるのでありまして、お話しのようなことであろうと存じます。
  81. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 そうであるとしますならば、次には、やはり年賀を存続し、さらにそれの将来の発展を期待するということであるとしますが、それがさらにお年玉つきというものによって一そうそれに拍車をかける、あるいは利用者を増してくるとしますならば、お年玉つき年賀制度というものは、これからもいろいろのくふうをしながら続けていかなければならないように思われるのであります。  ただ、景品そのものなんかについていろいろの世評を受けるようなこともあったようであります。それは方法論の誤り、あるいは不足であるかもわからない、それらについて十分考えていかれるならば、この制度というものは相当に将来を期待し得るのではないか、そしてまた、そうであるとしますならば、一そうそれなりのかまえを持って業務運営に力を注いでいかなければならない、重点を置いていかなければならないように思うのでありますが、いかがですか。
  82. 小林武治

    小林国務大臣 全く同感でございます。
  83. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 大臣同感とおっしゃったのですが、そういうお考えであるならば、これについて何か具体的なる対策というものをお持ちになっておられるか、この際この法律に関連して私のお伺いいたしたいのはそれであります。いかがですか。
  84. 小林武治

    小林国務大臣 四十四年度のことは、実はいろいろ検討しておりますが、これから郵政審議会等にもおかけしてまとめていきたい、こういうことでございまして、先ほども若干申し上げましたが、これの改善等については寄り寄り相談をいたしておる、それでお話しのような効果をあげたい、かように考えております。
  85. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 現段階においてはそういうお答えきり、あるいはできないかもしれません。しかし私は、やはり相当お考えを突き進めておいていただきませんと間に合わなくなるのじゃないかというような気がいたしてなりません。  そこで本題に入るわけでありますが、お年玉つき年賀制度を取り上げますときには、寄付金のほうにむしろ重点が置かれておったようであります。これはこの数字がよく示しておるのであります。これも当時の世相からいきまして、たいへん世間のかっさいを博したということであります。  先般来のお尋ねの中に出てきたことでありますが、寄付金というものは、郵政省で扱うのはわずらわしいからもうやめたらどうかというお考えもあるようであります。大臣もまた、これについてはむしろそのほうがいいとお考えになるやの口吻も漏らされておるのであります。しかし、この制度の創始が、むしろ寄付金つきということから始まったという歴史にかんがみましても、軽々にこれはわずらわしいからやめようとか、あるいは厚生省のお先棒をかつぐだけにすぎないからやめだということにはならないのではないか、私はこう思うのであります。この点はいかがでありますか、大臣のお考えをはっきりさせておいていただきたい。
  86. 小林武治

    小林国務大臣 これは午前中もお話があったように、社会事業その他に分けることが郵政省の本来の仕事か、こういうふうな御質問もあったのでありますが、これはとにかく集めることは、郵政省がやれば一番便宜に、また国民苦痛も与えないで集まる、したがって、集まったものをどうするかということになれば、いろいろ方法はあろうと思いますが、これは本質論よりか便宜論として、郵政省も地方機関もあり、また自分配分等にも関与するということになれば、したがって切手、はがきの売れ行き等についてもまた相当な刺激になる、こういうことからいたしまして、本質的にはむろん多少の議論はあります。しかし、郵政省でひとつこれをやったらどうかということで、この案をお願いしておるのでございます。
  87. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 実は、こういうお尋ねをするのには若干の理由がある。  たとえば、保険の積み立て金の運用でありますとか、あるいはまた、いまでも問題になっておるところの郵便貯金の貸し付けも、郵政省の自主貸し付けをしたほうがよろしいではないかというような意見も世間には相当ある、にもかかわらずこれがとかく大蔵省方面の自由になっておる。歯がゆいように感じておるものは私だけではないと思うのであります。元来、郵政省がやったほうが効果的であり、世間にもてはやされる、同感を得るであろうところのものでさえもやれない、そういう中において、厚生省がやるところの慈善事業なり、あるいは厚生事業なりのほうにまで手を伸ばすということは、あるいは少し行き過ぎだと思うのです。そこまでいかなくてもいいんじゃないかという意見もあろうかと思うのであります。  しかし私は、現場においていろいろ苦労をしておる人たちの気持ち考えてみますると、こういう寄付金などの運用を通じて世間との接触をはかっていく、そして、特に社会制度、社会保障などにつきましても接触をはかっていくということは、決してむだではない、こう思うのであります。これはいかがですか。
  88. 小林武治

    小林国務大臣 お話しのような考え方からこれは郵政省でひとつやりたい、こういうことで、いろいろな議論はあります。厚生省にも非常な議論がありまして、話もなかなかむずかしかったのでありますが、かようなことでひとつお願いしたいということでございます。
  89. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 そういう意味におきまして、この案が私どもも内容その他につきましては若干の疑義を持ちながら、これの改正につきまして実は賛意を表したいのであります。  そこで、私の最後のお尋ねになるのでありますが、大臣は今度郵便番号制度を施行なさった。非常な決意を持ってやられるように準備を進められておるように聞いております。私は、いまのような状況の中におきましては、こういう方法もとらなければあるいは切り抜けられないのじゃないかとも思うのでありますが、しかし、この番号制度はかつて失敗した、何かしり切れトンボになってしまったというようなことがあります。今度再びその轍を踏んではいけないと思います。それだけに、今度やられる場合においては、もう徹底的に宣伝し、徹底的に準備をして取りかかる必要があるのではないか、こう思います。  そこで、ことしも四十三年度末に売り出すところの年賀郵便というものも、それに役立つようなくふうをこらしながらやる必要もあろうかと思うのであります。常時は別といたしまして、ことしの暮れの年賀郵便は、たとえば、はがきの三分の一程度のものは切り取ってそのまま名刺がわりに住所録に張りつけておくとか、差しはさむというようなことのできるようなことにし、それに番号をつけてやる、こういうことも、私は利用者の了解を得ることはもちろん前提とするわけでありますが、この際は大事なことではないかと思います。  もう一つさらにそれから進んでいって、来年のお年玉というものはすべてそれに集中するんだ、テレビだの何だのということは言わぬで、住所録をみんな配ってやる。百枚以上買ってくれた者にはといいますか、住所録をはさむところのものを特別こしらえてお年玉に出してやる、それくらいの方法を講じておきませんと、この番号制度というものの徹底は期しがたい。そして、もしこれが失敗いたしますと大混乱を来たす、こう思うのであります。  こういう点は、少しこの問題について行き過ぎたことであるかもわかりませんが、これに関連してあらゆる方法を講じておかなければいけない。たまたまお年玉で相当いろいろ意見があるというときでありますから、一挙両得の案と了承いたしますが、いかがでありますか。
  90. 小林武治

    小林国務大臣 これは非常に適切な御意見だと思います。次の年賀はがき等にも活用してやることを検討したい。ことに、今度のはがきにはワクなどを初めからつけることを考えたらどうか。郵便番号を書けるワクなども初めから印刷したらどうだというふうなことも思っております。  要するに、前は何々局区内というのは局内における人手の区分に役に立たせよう、こう思ってやったのでありますから、いつでもこれは交代できたのでありますが、今度は自動読み取り区分機という八千万円も九千万円もかかる機械をここに装備しよう、こういうことでやっておりますから実は交代できない、やり通す以外にはない、こういうふうな決意をもってやっておるのでありまして、前回とは全く違う。すなわち、もう機械化の中、心をなしておる、こういうことでございます。私どもはこれこそは不退転の気持ちでもってやらざるを得ない、したがって、郵便事業その他においても、そのことをひとつ国民に徹底させることについてはあらゆる手段を尽くさざるを得ない、かように考えております。  お話しのようなこともひとつ十分参考にしてまいりたい、かように考えております。
  91. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 時間が参りましたので、私のお尋ねは以上で終わります。
  92. 古川丈吉

    古川委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————
  93. 古川丈吉

    古川委員長 これより討論に入るのでありますが、申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  お年玉つき郵便葉書及び寄附金つき郵便葉書等発売並びに寄附金処理に関する法律の一部を改正する法律案について、採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  94. 古川丈吉

    古川委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。  なお、ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  95. 古川丈吉

    古川委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  96. 古川丈吉

    古川委員長 次回は、来たる十五日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後二時五十六分散会