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1968-04-12 第58回国会 衆議院 逓信委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年四月十二日(金曜日)    午前十時十五分開議  出席委員    委員長 古川 丈吉君    理事 齋藤 憲三君 理事 志賀健次郎君    理事 田澤 吉郎君 理事 坪川 信三君  理事 早稻田柳右エ門君 理事 金丸 徳重君       小渕 恵三君    加藤 六月君       金丸  信君    内藤  隆君       羽田武嗣郎君    水野  清君       島本 虎三君    田邊  誠君       米田 東吾君    中野  明君       田代 文久君    古内 広雄君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 小林 武治君  出席政府委員         郵政政務次官  高橋清一郎君         郵政大臣官房長 溝呂木 繁君         郵政大臣官房電         気通信監理官  柏木 輝彦君         郵政大臣官房電         気通信監理官  浦川 親直君         郵政省郵務局長 曾山 克巳君         郵政省人事局長 山本  博君  委員外出席者         農林省農政局参         事官      中澤 三郎君         農林省農政局構         造改善事業課長 白根 健也君         日本電信電話公         社総裁     米澤  滋君         日本電信電話公         社副総裁    秋草 篤二君         日本電信電話公         社総務理事   大泉 周蔵君         日本電信電話公         社総務理事   橋本 一郎君         日本電信電話公         社理事         (施設局長)  北原 安定君         日本電信電話公         社理事         (計画局長)  井上 俊雄君         日本電信電話公         社理事         (経理局長)  中山 公平君         日本電信電話公         社職員局長   山本 正司君         日本電信電話公         社営業局長   武田 輝雄君         日本電信電話公         社建築局長   野村 隼一君         専  門  員 水田  誠君     ————————————— 四月十二日  委員正力松太郎君、石橋政嗣君江田三郎君及  び栗林三郎辞任につき、その補欠として上林  山榮吉君、田邊誠君、島本虎三君及び米田東吾  君が議長指名委員に選任された。 同日  委員島本虎三君、田邊誠君及び米田東吾辞任  につき、その補欠として江田三郎君、石橋政嗣  君及び栗林三郎君が議長指名委員に選任さ  れた。     ————————————— 四月十日  簡易郵便局受託範囲拡大等に関する請願(大  石武一君紹介)(第三七六四号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  公衆電気通信法の一部を改正する法律案(内閣  提出第三八号)      ————◇—————
  2. 古川丈吉

    古川委員長 これより会議を開きます。  公衆電気通信法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を行ないます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。田邊誠君。
  3. 田邊誠

    田邊委員 今回、公衆電気通信法の一部を改正する法律案が上程をされましたが、この中身は、御案内のとおり設備料値上げをすることでございます。  ひとつ、大臣にお伺いいたしまするけれども、現在政府政策基本といたしておりまする物価の安定、公共料金の抑制、こういう、いわば国是の中において、今回この値上げをしなければならない主要な要因というのは、一体どこにございますか。
  4. 小林武治

    小林国務大臣 これは、御承知のように、電信電話公社佐藤調査会の答申をもらったのは三年も前でありまして、その時分から値上げをしたいという強い希望もあり、国会方面にもその声がなかったとは申せません。しかし、私は、公社全体の経理を見まして、必ずしもこれをやらなければならぬというふうに考えなかったのでありまするが、とにかく、公社借金、要するに財政投融資その他の借金を非常に苦にされておるのでありまして、これをできるだけふやしたくない、こういう希望があって、私も、これはなるべくなら借金でなくやったほうがいいにきまっておりますから、ことしはそれらの借金でやる分を少しでも減らしたい、こういうことで料金問題等については、これは物価にも相当な影響があるから、それらの方面はこの際はがまんをして、そして、ただ一度だけもらう設備負担金というものは物価に対する影響もさほどないだろう、こういうことで、これだけを認めるということにいたしたのでございます。
  5. 田邊誠

    田邊委員 三公社がございまするが、専売は別といたしまして、国民生活に直接関係があり、しかも、かなり設備投資を要するのは電電公社国鉄でありますが、国鉄に比べて、大臣電電公社経営状態というものはどのようになっておるか、どういうようなお考えでありますか。
  6. 小林武治

    小林国務大臣 問題にならないほど健全財政である、こういうふうに思います。
  7. 田邊誠

    田邊委員 大臣が率直に言われたとおり、電電公社は、いわば成長産業としての発展も非常に遂げてまいりましたし、そしてまた、収支バランスかなりよくとれておる。もちろん、中身には以下申し上げるいろいろな問題がございましょうけれども、一応外面的に見た場合には、国鉄と比べてかなりその経営内容はよろしい、こういうことになるだろうと思うのであります。そういう状態の中で、今回、いわば設備料値上げをするということがいわれたわけでございまして、私ども国民立場からいいますと、そういったいろいろな面で実は疑問もあり、あるいはまた、経営の面においてもさらに検討する余地はないか、こういうように考えておるわけでありまして、いわばこれらの検討の上に立って、はたして今回の法改正の問題は提起されたのかどうか。経営上のいわば改善、内部的ないろいろな施策、そういったものが並行してやられてきたのかどうか、大臣のひとつお感じを述べていただきたい。
  8. 小林武治

    小林国務大臣 経営合理化とかあるいは節約とか、こういうことは公社として当然やるべきことでございますが、これらの問題の内容自体については、郵政省はできるだけ電電公社自主性におまかせしておる、抽象的な概括的な御注意は申し上げるが、個々の問題については口を出さない、こういうことにいたしております。私も個々の問題について気のついたことは申し上げておりますが、必ずしもまだ十分な努力が行き届いておるとは私は思っておりません。
  9. 田邊誠

    田邊委員 公社は第四次五カ年計画を本年から始めるということで、その一環としては、どうしてもやはり基本料を初めとする電信電話料金改定をしなければ相当な赤字を生む、こういう話であったわけですけれども郵政大臣決断によりまして、この料金値上げというのは、これは国の施策上の問題もあるけれども経営上からいっても、まだまだそういったことをすべきでない、する必要はない、こういう決断を下されただろうと思うのであります。ですから、その間に、いわば大臣決断電電公社計画なり意図、思惑というものと、私は若干の食い違いがあったのではないかと思うのでありまして、この点は、いわば今後公社事業をわれわれが観察し、検討するにしても、実は非常に重要な要素であろう、こう思うのであります。  設備料は、大臣おっしゃったとおり、かけるときに一回限りでございますが、しかし私どもは、やはり事業全体の面をながめたときに、その中に占めるいわば設備のための工作費なり施設費なり、そういったものがどの程度のウエートを占めなければならぬか、そのことによって、設備料を一体どの程度に策定しなければならぬか、こういうことに対する一つ考え方が出てくるだろうと思うのであります。そういった点では、あなたは電電公社要求に対してある程度チェックをされて、公社側に対してもいろいろな要望をされたわけだろう、こういうふうに思っておるわけでありまして、大臣のお考えは、いまでもお変わりはない、こういうふうに思ってよろしゅうございますね。
  10. 小林武治

    小林国務大臣 変わりがありません。  これは毎々申し上げるように、電電公社社会経済の要請にこたえてどれだけの仕事をするか、この仕事は他の社会開発とのバランスの上にむろん立たなければなりませんが、その仕事をまずきめて、その仕事をするには一定の資金を要する、その資金調達方法が一種の、あなたの言われる料金値上げにすぎない。これは前々から申すように、いまの設備料の問題もありまするし、財政投融資もあり、借り入れ金もあれば縁故債もある。いろいろな資金調達方法がありますから、その調達方法を全体として見て、そのバランスの上に考えるわけでありまして、私は、ただ電電公社資金料金値上げだけで見ることは誤りだ、国家財政との関係においても考えなければならぬ、ただ、必要な仕事だけはしてもらいたいと思いますから、それらの資金計画は全体として私は調整をとってまいる、政府もそのための努力もする、こういうことでございます。
  11. 田邊誠

    田邊委員 公社の今年度予算は七千七百二十億でございます。昨年度予算に比べて約千二百億の増加でございます。比率から言いますと一八・四%の増、こういうことでございますが、今年の事業収入は大体この七千七百二十億の大部分を占めておるわけでございますけれども、大体見込みどおり収入ははかられる、こういうようにお考えでございますか。
  12. 中山公平

    中山説明員 四十三年度予算案に計上されました収入の額は七千七百二十億円、仰せのとおりでございます。  この収入決定におきまして、幾つか問題点があったわけでございますけれども先ほども御指摘のございましたように、私ども予算概計には料金修正を織り込んで御提出をしてあったわけでございますが、大臣先ほど仰せになりましたように、四十三年度は取りやめて、設備料改定にとどめる、こういうことがございまして、収入につきましては、いろいろ努力をして、つとめて増収をはかるということで、私ども予算概計に計上いたしましたものよりも、新設の増加設備稼働月数を向上していくとか、あるいは四十二年度の九月までの実績を見まして、四十二年度の好景気が反映したものを加味していくとか、あるいは当初計画に織り込んでおりませんでしたけれども、新しいサービス等収入が確定してまいる、そういうものをつけ加えるとかいたしまして、なお、さらに住宅電話がふえてまいる結果、収入の減少をもたらす点を何とかカバーするためにほかの面で増収努力もする、こういうものを加味いたしまして、当初の概計よりは二百十五億円ばかりふえた決定になっておりますが、いま申しましたようなことで、何とかこの一年は料金修正を行なわなくても経営を切り抜けていきたいということで、いまのように決定をいたした次第でございます。  ただ、心配なのは、この四十三年度景気がどういうことになるかということによって、やはり電話料金景気影響を受けるわけでございますので、その点については、これの達成につきましてやや心配の念を持っておりますけれども、何どか努力をして達成をはかり、経営をやっていくということにいたしたいと存じております。
  13. 田邊誠

    田邊委員 四十一年度予算と四十二年度予算増加率はどのくらいですか。
  14. 中山公平

    中山説明員 四十一年度から四十二年度への予算ベースにおける収入伸びでございますが、四十一年度予算におきましては、収入を五千五百三十億円というふうに見ておりましたが、四十二年度予算におきましては六千五百二十億円というふうに計上されておりまして、その差は九百九十億円、こういうことになります。率で申しますと二割ちょっと欠けておりますが、一割七、八分程度かと存じます。
  15. 田邊誠

    田邊委員 十七・九%ですね。  四十一年度決算額は五千七百六十億円でございますから、当初の予算に比べて二百三十億円の増収であります。四十一年度決算と比べて四十二年度の当初予算は七百六十億ばかりの増、こういう形になっておるわけでございます。四十二年度決算がまだ出ておりませんけれども、大体どのくらいの増収見込みでございますか。
  16. 中山公平

    中山説明員 ただいま一番新しい月次決算が一月まで出ております。一月末におきまして、予算の目標といたしました額に対しまして三・九%ばかり増収になっておりまして、その額は二百十億円となっております。二月、三月どういう経過をたどっておったか、いままだ計数を把握しておりませんので何とも申し上げられませんが、一月末まではそういう状況にございます。
  17. 田邊誠

    田邊委員 したがって、大体概数、四十二年度決算は当初の収入見込みよりも二百五、六十億の増収といいましょうかが出る、こういう見込のようであります。したがって、私は決して公社をなじるわけではございませんで、予算額よりも決算の場合が少ないことよりも多いことのほうが、あるいは見込み違いという点では非難をされることが少ないと思いまするが、いずれにいたしましても、ここ数年間、当初の予算よりもかなり増収がはかられておるわけでございます。三十九年度の七十九億円、四十年度の二十九億円、四十一年度がいまお話しの二百三十億円、四十二年度が大体二百五、六十億円というふうに増収がはかられておる、こういう形でございます。  大体年度増加率を追ってまいりましても、毎年度予算は前年度比較をして一七、八%の増加、こういう形にここ数年推移をいたしておるわけでございまするが、そういった点から見ますならば、経済の変動やあるいは国氏生活の大きな上下があれば別でありますけれども、大体趨勢としては、四十三年度予算案における七千七百二十億円というのは、これはやや通常のカーブで伸びてきた額であろうというふうに思っておるわけでございます。  そこで、お伺いをいたしまするが、大臣からさっきおことばをいただいたことと関連をして、実は私はいま質問をしているわけでございますけれども、一体、四十三年度においてこの七千七百二十億円の収入支出を見込んでおる公社予算というものが、はたして非常に窮屈なものであるのか。いま経理局長からお話がありまして、いろいろな面の実は苦しみということもお述べになっておられますけれども、しかし、はたしてそういった見込みすらもが、かなり努力でなければ達成できないのかどうか。この点に対する考え方というものが実はいろいろあろうと思うのでありますが、私は、ここでもってこれをちょうちょうと述べる時間がございませんから省きまするけれども、四十三年度加入者一個当たり年間収入はどのくらい見込まれておりますか。
  18. 中山公平

    中山説明員 お答え申し上げます。  加入者関係をいたしました収入だけをとりまして一個当たりに直してみますと、年間で五万六千五百九十三円、こういうことになっております。
  19. 田邊誠

    田邊委員 四十二年度はどの程度ですか。
  20. 中山公平

    中山説明員 四十二年度予算におきましては五万六千七百七十六円でございます。
  21. 田邊誠

    田邊委員 もう一つさかのぼって、四十一年度予算とそれから決算が出ましたから、その決算に合わせて見た場合に、一個当たり年間収入はどのくらいですか。
  22. 中山公平

    中山説明員 四十一年度予算におきまして五万六千九百四十四円、決算の出ました実績におきましては、四十一年度の好況を反映いたしまして五万八千三百七十四円という数字が出ております。
  23. 田邊誠

    田邊委員 いまお答えをいただきました中身から判断をいたしまして、四十一年度は、予算におきまして一個当たり年間収入は五万六千九百四十四円、四十二年度が五万六千七百七十六円、そして四十三年度は五万六千五百九十三円、こういう形になっておるわけでございますが、しかし、四十一年度決算から見ますと、一個当たり年間収入は、当初から見まして千四百円程度のいわば増加になっておるわけでございます。これはおそらく四十二年度においても千四、五百円程度増加が当初予算よりも見込まれる、こういう形になろうと私は思うのであります。その面から設定をいたしました四十三年度年間収入見込みというのは、私は、必ずしもこの答弁にありますような状態に下降するのかどうかという点について、幾らかの疑問を持っておるわけであります。あとでもってちょっと質問をいたしますけれども、確かに、住宅用電話もふえてまいりました。それによるところの収益が若干落ちることも私は承知をいたします。  ここでもって営業局長でしょうか、お伺いをいたしますが、住宅用電話がふえることによって落ちる年間収入、落ちる収益の度合いというのは、実は年々違ってくると思うのであります。住宅用電話も、つけた当初はあまりかけない、中には基本料しか払わない、こういう人もおったようでありますけれども、これは経済の交流も激しくなってまいり、電話がついておりますと自然に使うようなぐあいになってまいるのでありまして、当初の住宅用電話収益見込みよりも、つけてから二、三年たったあとにおける収益というのは、これはかなり違ってまいる、こういうふうに私は実は考えておる。具体的な数字も持っておりますが、いかがでありますか。
  24. 武田輝雄

    武田説明員 住宅用電話は、基本料事務用電話比較して七割というぐあいに安うございますし、もちろん使用されます度数料市外通話料等事務用に比べて非常に低いわけでございます。それで、いま御指摘の、当初つけた当時と、それからつけて二、三年たったところとの収入比較ということでございますが、これにおきましては、非常にむずかしい問題が出ると思うのです。たとえば、改式になって即時化が進むあるいは自動即時になる、そういうふうになると、当然いままでの待時通話でありました当時よりは電話をたくさん使うというようなことで、また、それから利用収益というようなことの向上もありまして、確かにふえていくことは事実だと思いますが、それほど年を追って住宅加入当たり収入がふえていくとは考えておりません。
  25. 田邊誠

    田邊委員 私はきょうその答弁をしてもらいたいと言いませんが、ひとつ、あなたのほうでもって摘出調査でもよろしゅうございますから、私は一つその実例を持っているのですけれども、それは個人実例だけではあまり普遍的になりませんから、ひとつ調べてお答えをいただきたいと思うのです。委員長、ひとつこの審議の際に、私はあまりむずかしいことは言いません、数もそんなにたくさんのことは言いませんから、たとえば、三十九年に入ったものが三十九年度に払ったもの、四十年度に払ったもの、四十一年度に払ったもの、それは個人によってかなり違ってくると思う。それをひとつお調べいただきたいと思うのですが、いかがですか。委員長要求いたします。
  26. 武田輝雄

    武田説明員 前回一般的に調べましたときには、新規加入者と旧加入者比較で申し上げますと、市内につきましては二分の一、市外につきましては三分の一というような計数が出ておりますが、いま御指摘のように、個々加入者に当たって抽出調査をいたしておりませんので、それは別途検討させていただきたいと思います。
  27. 田邊誠

    田邊委員 ひとつ調べていただいて、またあらためていろいろと質問する機会をつくっていただきたいと思っておるわけでございまするが、習慣というものはおそろしいものでございまするから、電話が現実にあれば、使用料というのは、度数というのはだんだんふえてまいります。そういった点からいいまして、住宅用電話がふえてきたらば、ただ単に数字的に、その使用する度数が少なくなる、収益は減ってくる、したがっていま経理局長お話し年間における一人当たり収入といいましょうか、使用する度数なりその中身というものも減ってくるように策定しなければならぬという考え方というのは、必ずしも当たってないのじゃないか。これは、もちろん全体を動かすほどにいっているかどうかという点は、私は疑問があると思います。いろいろ意見があります。が、その点もかなり考慮してかからなければならぬのじゃないか、私はこういうふうに思うのです。決して私は安全度を度外視しろとは言っておりませんが、今後の住宅用電話が漸増する傾向に置かれておる公社立場からいえば、この点に対してはさらに細密な内容分析が必要ではないか、こういうふうに思っておるわけでございまして、その点に対して、今後の施策をつくる上の一つの参考としてもぜひひとつ御検討いただきたい、私はこういうふうに思っておるわけでございます。  そこで、いまお話しをいたしましたような点を基礎といたしまして、公社事業収入を見てまいりますると、私は、いろいろな面で検討しなければならない点がかなり残されておるのじゃないかとも思っておるわけでございます。私は、公社の第三次、第四次にかかるところの「申し込めばすぐつく電話」というキャッチフレーズのもとに、国民の利便をはかりたいというその気持ちはもちろんわかりますけれども、しかし問題は、その中身であり、いわばそのプロセスであり、そして、その基本に流れるところの考え方の重点をどこに置くかということだろうと思います。そういった点から見まして、さっき大臣が言われたように、私はいろいろと検討しなければならぬ問題があると思う。  そこで、総裁、四十三年度は現状のままでは、公社かなり赤字を生ずるのではないか、こういう見込みを立てたようでございますが、そのとおりでございますか。
  28. 米澤滋

    米澤説明員 数字につきましては、また後ほど申し上げますが、四十三年度概算要求最初に編成いたしましたときには、建設勘定におきまして、百六十万の一般加入電話と三十万の農村集団自動電話をつくるということにいたしておりまして、大体単金を勘定いたしまして、昭和四十二年度建設勘定に対しまして約二四%になる、その中にはデータ通信等も入っておりますし、また、加入区域合併等も入っておりますので、そういう質的改善、新しい業務をやるという問題も含めまして、最初約二四%くらい建設勘定がふえるという見通しでありました。ところが、政府の全体的な引き締め政策というものが反映いたしまして、建設勘定伸びが、加入電話におきまして百二十七万、農村集団電話におきましては二十五万、建設投資額におきまして六・五%の伸びにとどまったわけでございます。これが損益勘定にはね返りまして、たとえば要員にいたしましても、あるいは建設に関する利子負担にいたしましてもその影響が出てまいりました。  それから、先ほど経理局長がこまかくお話しいたしましたが、電電公社収入につきましては私自身も非常に関心を持っておりまして、これと過去の数字を調べでみますと、昭和三十七年度あたりは約百三十億円の減収になっております。これは約四%の減収になっております。それから最近の、先ほど田邊委員がいろいろ数字をあげられましたけれども、全体の収入の絶対額がふえてまいりますために、同じ四%でも、それが、たとえば四十二年度の六千五百二十億円に対しまして約四%といたしますと、二百五十億円くらいの数字になってまいる。したがって、この収入見通しの問題につきましては、もともと、これは事務的に大蔵省あるいは郵政省と私のほうの事務当局が話し合ってきめるという形にしておりまして、この収入というものは、水増ししたり減らしたりすることは、予算編成上まずいのではないかというふうにわれわれは前から考えております。したがって、四十三年度予算がそういう過程を含めてきまった時点におきましてどのくらい収入伸びるかということは、事務的にいろいろ検討してきめた数字でございます。しかし、少なくとも本年の四月ごろになったら相当景気が沈滞するのではないかというふうに言われておりましたけれども、現在の時点を見ますと、必ずしもそうでない、また一方、われわれといたしまして、現場収支率を適用いたしまして、現場の局に収入支出のレシオを与えまして、そうして増収をはかることと、それから経費の節約ということをかなりやかましく言っておるわけであります。そんなことも考えて、四十三年度見込みました七千七百二十億円は達成できるのではないかというように考えております。
  29. 田邊誠

    田邊委員 これは郵政大臣でも監理官でもけっこうですが、電電公社は、約五百九十六億くらいの赤字が生ずるのではないかということで、いろいろと当初概算要求をされたようでございますが、郵政省側は、考え方はもちろん大臣の言われたように違います結果もありまして、やはり政府予算としては六十一億くらいの黒字も見込まれるのではないか、こういう考え方でございます。これは監理官でございますか、見方が、基本的に政府電電公社で違う点は一体どういう点でございますか。
  30. 小林武治

    小林国務大臣 ことしの公社の概算は、実は公社値上げを非常に強く要望しておるから、私のほうも、これだけ値上げしたらいいだろう、あるいは値上げをするな、こういうようなはっきりした政府の方針というものは、郵政大臣だけではきめられません。したがって、これは御自由につくらせた。二二%上げたものでつくらせたからして、それに対応するだけの支出をしなければならなかった、こういうことでありますが、この支出の中に、当然あとで削除あるいは減額し得るものが入っておるのも承知で、これを私どもは大蔵省に取り次いだ、こういうことでありますから、あの予算はそういう電電公社の意向に基づいてできて、政府の意向というものは入っておらなかった、こういうことをはっきり申し上げておきたいのであります。  したがいまして、これは大蔵省の査定の際に、郵政省がこれに参加し、政府が最後の態度をきめた、こういうことでありますから、その間に相当大きな差が出てくることは考えられたのであります。われわれは、この項目なんか要らない、あの項目は相当削除できる、こういうことを知っておりながら、とにかく二二%上げるということになれば、それに対応した支出を組まざるを得ないから公社でひとつ御自由に組んでいただきたい、こういうことで取り次いだ。したがって、あとの案がわれわれの考えの入った案である、こういうことでございます。
  31. 田邊誠

    田邊委員 いま総裁は、収入見込みというものは低くもきめないし、また、サバを読んで水増しもしないんだ、当然だろうと思うのです。ただ私は、損益勘定における一番主要なものは、何といっても電話料金——電信料金も含みますが、電話収入、電信収入である。さっき言いましたように、たとえば加入者一人当たり年間収入についても、積算の基礎を一体どこに置くか、どういう観点でこれをながめるかという点で、かなり違ってくるのであります。これは、結果として水増しになるならないということではなくて、それは非常に微妙に全体に、いわば一波万波を呼ぶというかっこうになってくるわけでございまして、そういった点から私は見まして、やはりこの基本料金の問題はいま触れておらないわけでありますけれども、いまのいわば電話料金をながめてみて、これに対してはかなり問題がある、こういうふうに実は私は見ておるわけであります。総裁もおっしゃいましたけれども、前回の三十六年の公衆電気通信法の改正の際に、いわゆる距離別逓減制を採用いたしたのであります。私は、当時の質問をいたしました一人として、これによって起こる収入見込み減というのは、これは的確なものはかなりつかみづらいだろうと実は言っておるのであります。五十億といい六十億と、当時説明をされた方はおっしゃいましたけれども、私は、一時的にかなりへっこむけれども、これは五年、十年の将来をながめたときには、必ずしも公社の当初の予測というのは当たらないのじゃないかということを指摘した覚えがあるわけでございます。三十七年は確かに百三十一億ばかりの減収、三十八年度が二十四億ばかりの減収でございましたけれども、以下は、さっき申し上げたように、逐次増収がはかられてきておるという状態であります。私はこの際電話料金の問題にまで問題を波及させることはいかがかと思いますけれども、そもそもあの距離別逓減制の組み方に問題があったのではないかと私は思うのです。  日本経済の現在の状態国民生活のいままでの状態、もちろん、最近は首都圏をはじめとして、かなり広域圏経済が進められてきておりますけれども、しかし、たとえば私どものいなかの群馬県の前橋から九州なり北海道へかけるというのは、個人ではなかなかないのであります。企業の中でも、かなり全国的な規模を持った企業でなければそういった利用は少ないのであります。そういたしますと、あの逓減方式というものの率のはじき方いかんによっては、個人あるいは中小零細企業という、いわばかなり狭い経済圏なり生活圏の中で生活するものにはあまり恩恵がない、逆をいえば、あるいは大企業なり全国的な規模の企業に対してはかなりの恩恵を与えている、こういう考え方が当時あったかどうかは別として、いま振り返ってみて、かなりそういったことが言えるのではないかと私は思っておるわけであります。  そういった点で、料金値上げは別として、この距離別逓減制というものに対して、その後かなりの時間がたっておりますけれども公社としては、このあり方、この率のはじき方に対して検討されたことがございますか。
  32. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。当時距離別時間差制を採用いたしましたときに考えられた問題は二つありまして、一つは、いわゆるアメリカ式といいますか、市外につきまして三分、一分という、三分やってあと一分刻みにするというその考え方をアメリカでやっていまして——アメリカは非常に広いので、ある州から州へわたる場合に、それを一々記録するというCAMA方式、それを採用するか、あるいはヨーロッパでやっておりますカールソン方式、これは距離別時間差法、いわゆるペリオディック・パルス・メーターリング・システムと言っておりますが、そういうものを採用するか、日本の実情にどっちが合うかということをいろいろ深く検討いたしましたが、ヨーロッパ方式を採用するということで、国会でも議決していただいたわけであります。  ところで、それをやりました後におきまして、問題は、いま田邊委員が御指摘になったような問題と、もう一つは、いわゆる秒数の刻み方が適当であるかどうか、遠距離、近距離どちらがどうだという問題、それから、市内の度数市外度数とが同じメーターで使っておる方式なんでありまして、その間の調整等のいろいろな問題がございます。したがって、これは経済社会発展計画でも、料金体系の合理化をやれということで昨年の答申にも出ておりますので、公社といたしまして、四十四年度概算要求をつくる前に料金体系の合理化を検討したいと実は思っておるわけでございまして、その中の一つの要素になりますので、市内市外どうするかということはまだきめておりませんが、十分その点は考えていきたいと考えます。
  33. 田邊誠

    田邊委員 これは、委員会としてでなくて、私に対してでけっこうでございますから、いままでの利用者の、住宅用なり営業用なりあるいは公衆電話なり、そういう別でもって、いまの逓減制方式による利用の度合いというのは、趨勢としてどんなぐあいになっているかを、おわかりでしたらば、あとでもけっこうでございますからお答えをいただきたい。大体こんなぐあいだということが、いまお答えいただけますか。
  34. 武田輝雄

    武田説明員 後ほどお答えさせていただきます。
  35. 田邊誠

    田邊委員 そこで大臣、私はいろいろな問題を提起しておりますが、公社料金値上げというようなことを考えなくとも、いまの距離別逓減制の再検討にいたしましても、あるいはまた、今後の住宅用電話を含めての加入者一個当たり収入の今後のカーブにいたしましても、私はさらにいろいろの面で検討すべき要素がたくさんあると思います。それらを考えてまいりますならば——そして、なおかつ四十二年度決算見込みは、さっき経理局長の御答弁がありましたとおり、一月現在で予算よりも二百十億円の増収であります。二月、三月を大体三・九%ずつの増加見込みますならば、二百五十四億前後のいわば黒字が生ずる、こういうふうに見込んでおるわけであります。  そこで、設備料を今回値上げをいたしますが、それによって起こるところの増収見込みは、お答えいただかなくとも、聞いておるところでは今年度は大体二百四十四億といわれておる。大臣、これはどうなんですか。きわめて単純な理論で言いますならば、四十三年度設備料値上げするというけれども、四十二年度決算でもって二百五十億前後の黒字が生ずるわけですから、設備料値上げをこんなにしなくても、前年度からのこういった黒字決算によって公社経営は成り立っていくと私は思うのですが、いかがでございますか。
  36. 小林武治

    小林国務大臣 その議論は前にもここで出たのでありまして、二百四十四億出れば増収分でまかなえるのじゃないか、相殺できるのじゃないか、こういうことがありますが、これはいま結果的にこう出てきたということでございまして、要するに、経営そのものは、収入が多ければ非常に健全化するということになりますから、いまの結果だけで言えばそういうことも言えるが、これは将来の問題も含まれて、設備料も四十三年度だけの値上げではなく、続いての問題もございます。要するに、実は前年度も二百何億の剰余金がある。その剰余金を含めても、公社の概算では、御承知のとおり何百億も赤字が出るということになっておるのでありまして、単年度だけ見ればそういうことも申されますが、これら値上げがすべてそのまま利益として計上するわけでもないし、税金にもなるわけでもない、公社経営の健全化に役立つということであるからして、これはこれとしてひとつやっていただきたい。  それから、いまの概算の問題でありますが、実は、公社は来年度は百九十万個つくりたい、これをもとにして出たのでありますが、結論的には百七十二万になった。そういうことで、まだ多少これから収入が余分にあれば、弾力条項を適用してでも電話の加入個数もふやしていくという道も出てくるのでございまして、百七十二万個に固定されるというわけではありません。収入状況がよければ、なお要望に沿うて増設がまだできる、こういう道もありますから、これはこれとしてひとつ御承認を願いたい、かように考えております。
  37. 田邊誠

    田邊委員 小林郵政大臣にしてはきわめて苦しい答弁でございますね。それはそれ、これはこれというわけには実はまいらぬわけであります。さっき言われたとおりに、私は、国鉄やその他と比較をして云々というばかりで電電公社事業を見たくはございません。しかし、やはり他にかなり苦しい経営をしているところのものがあるわけでございますし、公社事業が、国民生活の上からいって健全に発展することは望ましいと思いますけれども、しかし、多くを欲ばってはいけない。やはり、あくまでも国民生活国民経済との関連の中でものを考えていかなければならない。これが私は一つの苦しみでもあり、また大臣決断を要する点であろうと思っておるわけでありまして、私は、先年度決算が黒になるから、その分で設備を補えばよろしいという単純な理論を言っているわけではございませんけれども、やはりいろいろな面における検討をすべきところの要素がたくさんあるんじゃないか、こういうことを実は特に大臣に——あなたは何といっても逓信部内の大先輩でありまして、十分承知をしているはずでございますが、この際、将来のためにさらに検討をしていただくことを特に私お願いしておきたいと思います。
  38. 小林武治

    小林国務大臣 これはもう田邊委員も御承知のように、電話料金値上げというものは非常に強い要望があり、また、方々においてこれを支持されてきておるのでありまして……。(「そんなことないよ」と呼ぶ者あり)いや、あるのです。やはりそのために……。(「公社だ」と呼ぶ者あり)公社ばかりじゃなくて方々にあるのでありますが、実は私は、ことしの四十三年度値上げをしてもらわなかったということについては相当の努力をいたしており、設備負担料は、極端に言えば、妥協案の一つでもあったんじゃないかというふうにさえ私は考えております。しかし、もしおまえが、値上げの必要があるのに物価関係があって押えたのかという質問を受ければ、私は、そうじゃない、やれるからこれは遠慮してもらったんだ、これは必要があるが、他のあれでもって別段これを押えたんじゃありません。私はこれでやれる、こういう確信を持ったからして値上げをしてもらわなかったということを言うたのでありまして、いまでも私そう信じております。たとえば、もし逆にいって、値上げをしたらどうだったろう、私は結論は申しませんが、こういうことさえいま考えております。したがって、今後もこういうふうな考え方をそれぞれもとにして考えていかなければならぬと思います。あくまでもやれるものはやっていく。  それから、よく値上げを言う人は、赤字になってからじゃ間に合わないんだから、ならぬうちにやらぬか——ぜいたくといえばぜいたくですが、こういう主張も相当強いのであります。国鉄みたいになったら最後だ、赤字にならないうちにひとつ値上げをしたらどうかということを非常に説得に来られる方もある、こういうことも一つ申し上げておきます。
  39. 田邊誠

    田邊委員 大臣の率直な御答弁で、今回の値上げというものが、いわば電電公社のメンツも立てながら、妥協の産物として出されたということに対する御答弁は、それとして受けとめておきます。  しかし、いま大臣も言われましたけれどもかなり公社収支が悪化したというふうに盛んに言っておるその要因は、建設勘定にもその主要な原因がございますが、私は、それをさらにしさいに検討してまいりますと、やはりこの中にもまだ検討すべき点が非常に多いんじゃないかという気がいたしてくるのであります。つい最近までは調達資金かなり外部資金が多かったのでありますが、今年はこれは逆転をいたしました。この主要な原因は、財政投融資が非常に切り詰められてきておる、こういうところにあるというように説明をいたしております。でも、本来、一体内部資金と外部資金の比率というのはどの程度が理想と言ってはいけませんが、大体考えられる健全な比率であるのか、どうでございますか。
  40. 中山公平

    中山説明員 お答え申し上げます。  内部資金、外部資金と申しますか、あるいは、これは自己資本、他人資本という概念で御説明を申し上げてもいいのかと思いますけれども、これは非常にむずかしい問題でございまして、電電公社だけではなくて、民間の企業におきましても、日本の場合は、戦前は自己資本率というものが非常に高かったのでございますが、戦後は、資本の蓄積が乏しくなってきた関係かなり他人資本率が高くなっております。学者の説等から申しますと、やはり戦前のごとく六〇%から六五%ぐらいは自己資本を持ってやることのほうが、事業としては健全なものだということがいわれておりますけれども、民間でもなかなかそういうふうにはいっておりません。最近に至りまして、少しずつ自己資本の率が高まってまいっておる、こういう状況でございまして、電信電話事業の場合に、どれくらいがいいのだろうか、これは公共企業体でもございますし、非常にむずかしい問題がございまして、学者も定説はございませんが、私どもいろいろ計算をいたしまして、こまかい点は別といたしまして、かりに英国の電信電話事業のごとく、公共的な必要のために、ある程度のゆとりを持った——そういうものに充てるために、年間に八%ぐらいの利潤というものが必要であるというふうに日本でも考えた場合は、やはり総資本との関係、それから自己資本と他人資本との関係というものが問題になってまいりますので、そういった点から、まあ六〇%ぐらいは自己資本でいくのが、私は、今後の拡張とか何かを考えて、国民の皆さんの御要望、需要を満たしていく、こういったことを考えた場合に適当ではなかろうかと思っております。これは私見でございます。
  41. 田邊誠

    田邊委員 大体六〇%ぐらい自己資本のほうがよろしい、こういうお考えのようでございます。  四十二年度は内部資金が四六%、外部資金が五四%、今年度は内部資金が五五%、外部資金が四五%、こういう形になってきておるわけですから、あなたの言をもってすれば、だんだん健全な方向にきている、こういう形でございます。外部的な要素があることは、さっき私が申し上げたとおりですけれども、それを別とすれば、いまもお話しのあったとおりでございます。  そこで、外部資金、他人資本といいまするけれども設備料を一体どういうわけで外部資金としておるのか。これはもちろんいろいろな財政法上のたてまえやその他がございまするが、普通の経済概念で言えば、これは負債でございませんから、当然いわば自己資本に当たるだろうと思う。もちろん料金収入とは性格を異にしまするけれども、やはり一般的な概念として当てはまるのは、私は自己資本ではないか、こういうように思うのですが、簡単でけっこうでございますから、お考え方伺いたい。
  42. 中山公平

    中山説明員 この予算の上におきましては、内部資金、外部資金という区別を何らいたしておりません。ただ、電電公社のほうで予算案を皆さまに御説明申し上げる際に、参考資料として、資本勘定の収入の中を内部資金、外部資金というふうに分けておるわけでございまして、何をもって内部資金と言い、何をもって外部資金と言うかということに対しましては、法令、規則等には規定されたものはございません。  ただ、学者の説でございますけれども、内部資金というのは、事業活動の成果を端的に示すところの損益勘定から発生したもの、これを内部資金にいたして、それ以外のものは外部資金という区分けが妥当ではないかということがいわれております。したがいまして、そういう概念から申しますと、内部資金には損益勘定収支の差額、いわゆる利益でございますが、これに減価償却費とか、あるいは債券発行差損償却引き当て金のようないわゆる引き当て金、こういうものが入りまして、それ以外のものは外部資金ということで、民間の場合で申しますならば、増資のごときものも外部資金ということに整理をすることが妥当であろうというようなことで、日本銀行統計局発行の「主要企業経営分析」あるいは三菱経済研究所発行の「企業経営の分析」といったような、日本において、経営資料としては権威のあるもの、統計上においてもいま申し上げたような方法が採用されておる、こういう次第でございまして、私どももそれに従いまして内部資金、外部資金の区分けをいたした次第でございます。
  43. 小林武治

    小林国務大臣 ちょっと私申し上げますが、これはもう、いま田邊委員の言われるような疑問があります。すなわち、私どもは、前と説明が違うと、今度だいぶん言われましたが、直接の工事費の一部を負担してもらう、こういうことになれば、そのものがすぐ工事費になる、こういう考え方をとるといまのような説明になってきます。従来は、料ということになれば、これは損益勘定に入って、収入としてやるべきじゃないか、こういう御意見もあります。ただ、これをそこへ入れると、損益勘定としては黒字がまたうんとふえてくるだけの話でありまして、いまの設備料の性質問題にも当然波及してくる問題で、これは今後の問題としてどういうふうにするか、まだ検討を要すると思います。いまのところは、とにかくことしは、私は、三十六万円もかかる設備費の一部を、工事費の一部を負担してもらうんだ、こういうことにやったが、これはそのまま資本勘定に入れば損益計算を通らない、しかし、この金は、今後架設個数がふえればどんどんふえる金でありますから、それを損益勘定に入れるかどうかということは相当大きな問題であるから、やはり私は、これは検討すべき問題であると思っております。
  44. 田邊誠

    田邊委員 大臣が言われましたから、私はあえてこれ以上言いませんけれども、これはやはり国民に与える印象からいっても、外部資金が非常に乏しい、あるいは経営が非常に悪化している、こういうような印象を与えることのいわば一つの材料にもなるということなんですね。そういった点から、いわばストレートにこれを建設勘定にそのまま用いて、外部資金なりとして損益勘定に入れておらないことの是非というのは、今度の問題は別にいたしましても、公社としては検討しなくちゃいけないんじゃないか、こういう気がいたして質問をいたしたのですが、いみじくも御答弁がございましたから、時間もございませんで、私に与えられたのは一時間でございますので、残念ながらその次に移ります。  この支出予算科目の中で、前年に比べて一番増加をしているのは、何といっても減価償却費でございます。四十二年度の二千百二億円に比べて、四十三年度は二千七百二億円、六百億円の増で、二八・五%の増であります。事業支出に占める割合は三五・三%、前年度は三二・六%でありますから、この割合からいっても非常にふえておるわけであります。さらに、事業収入の面から見た場合における割合は三五%、これは日本における民間企業でこれに匹敵するものはないわけであります。もちろん、売り上げ高に対する減価償却費の占める割合というのは、日本は諸外国に比べて大きいのでありますが、それにいたしましても、このような例は見当たらないのであります。  そこで、実はいろいろ数字的なことをお聞きしたがったのでありますが、これは時間がございませんから省きますけれども、私は、減価償却のその償却方法に対して一つの疑問を持っているのであります。この方法が、かなり公社の資料によりましても変わってまいっておるのであります。三十五年度までは甲種、乙種、丙種、無形固定資産を含めて定額法であったものが、三十六年度からは甲種が定率法になり、さらに四十一年度からは甲種、乙種、丙種ともに定率法になってまいったのであります。私は、これによって起こるいわば変化と、それから固定資産の耐用年数の推移がございますけれども、これも実はこまかくお聞きしたがったのでありますが、これをかなり変えておるわけであります。中には、現在の経済事情の面やあるいは施設その他の使用する量、あるいはその中身等からこの耐用年数が変わってくべきものもありますけれども、たとえば、自動式電話機が三十六年度以降は十一年でありましたが、四十一年度以降は九年、こういうふうに変わってきているわけであります。これは、この減価償却費が全体的にふえてくるやはり一つの大きな要素になっているわけでございまして、この減価償却費のいわば耐用年数の変革も含め、それからまた、この償還方法も定額法から定率法に変えてきておるというこの考え方に対して、私はやはり一つの疑問を持たざるを得ない。  これはこまかく聞く時間がございませんから、大臣支出の中に含める減価償却費の割合がふえることは決して好ましいことでないと私は思っておるのでありまして、その中身が、いま申し上げたようないわば変革があるわけでございますが、これに対して、郵政当局としても検討されたことがございますか。
  45. 小林武治

    小林国務大臣 私は、この減価償却は、私企業と違いまして、損益計算書においては減価償却を多くすれば利益が出ない、だからいかにも経営が悪化したように外に見える、こういう問題は起きます。しかし、公社企業におきましては、税金の問題がないものだから、償却を幾らたくさん落としても外部へ資金が流れるという心配はありません。私企業では税金を相当取られます。だから、それがそのまますぐに資本勘定へ入って建設資金になる、こういうことでございまして、あまり弊害はないから、公企業の特性としてそれが上がることはある程度私も認めておるのでございます。だからして、たとえば、このために赤字が出るから値上げだなんということになるとまた償却が問題になってくる、こういうふうに思いますが、要するに、損益計算書において経営がいかにも悪いような結果が出てきますが、事実は非常な健全化である。償却費をたくさん持っておるが健全化である。こういう意味から、税金等で外部へ流れる心配がないから私はこれを一応認めておるのであります。しかし、それにも限度がありますから、昭和四十二年度において相当な償却を余分に認めた。それでは、これ以上やれるかというと、これはなかなかそうもいくまいというふうに思っております。電電公社の計算の一つの方法にすぎないというふうに思っております。減価償却、耐用年数が適正であるかどうかということはむろん問題になりますが、これだけの償却をやっておるところは民間ではありません。そういうことはわれわれも存じておりますが、健全化のためにこれを認めておる、こういうことでございます。内容については、こちらから説明があると思います。
  46. 田邊誠

    田邊委員 またあとの機会にひとつ論議をいたしたいと思っておるのですが、しかし、その中の固定資産、特に有形固定資産が毎年ふえておりまするけれども、それと減価償却引き当て金のふえ方とを見ましても、やはり減価償却の引き当て金のほうがさらにその率が増加しているわけであります。そういった点で、私は、ある程度固定資産の増加と見合っていかなければならない、こういうように思っておるわけでございまして、その点でも一考を要するのではないかと思うのです。まして、償却後もいわば設備の稼働が行なわれているということが現実にはあるのじゃないかと私は思っておるのでございまして、これも実はいろいろな面で具体的な例を出してお聞きをしたかったのでありますが、あえてここで質問をいたしませんけれども、いま大臣がいろいろと私の質問を聞き取って御答弁ございましたから、よく御存じだろうと思いまするけれども公社のそれらのいわば考え方にも、まだ安易な面が残ってやしないか、私はこういう気がいたすのであります。  したがって、あくまでも国民のサービスを向上しなければなりませんけれども、しかし、なおかつ経営の面では、いまの問題一つをとってみても非常に大きな問題がある。物件費の増加が今年度一二・八%ございまするけれども、この中にもかなり問題があると私は思うのであります。  もう時間がありませんから、最後に一つだけお聞きしておきまするが、物件費の中と、それから新技術開発のための費用として四十六億円ですか、ありまする中に、電子交換機の開発試作費が十七億円でしょうか、含まれておるというように聞いておるわけでございますが、これは一体いつごろから実用に供する予定でもってこの開発なり試作をいまやられておられるのか、お聞きしておきたい。
  47. 井上俊雄

    ○井上説明員 お答え申し上げます。  一号機でとりあえず四十五年に小規模な実用開始をやりまして、そして大体四十八年度から本格的なサービス開始に持っていく、こういうプロジェクトのもとに進められております。
  48. 田邊誠

    田邊委員 いろいろな面における開発は必要でありまするけれども、私は、あまりあせったり、あまり欲ばったりしてこの問題に対処されることは困ると思っておるのであります。何といたしましても、やはり公社かなり設備を投下しなければならない事業体でございまするから、これが、いわば国民の負担にもはね返ってくるということをお考えいただきますならば、電子交換機の開発等についても、私は慎重な配慮が必要ではないかというように思っておるわけでございます。  総裁建設計画の中においてもいろいろな問題がございます。あるいは電話局の新設等についても、もっと合理的な、もっと将来を見通し建設計画が必要ではないかと思っておるのであります。私の住んでおる前橋などは、市民が悪口を言うのです。カラスの鳴かない日はあっても、電話局が改築なり修繕をやっていない日はないと言うのであります。しょっちゅう継ぎ足し継ぎ足し、内部改修、そして第二電話局をつくり、いま第三電話局をつくろうとしておる状態、もちろん、そのときそのときに必要なものもございますけれども、さらに五カ年計画はいずれであっても、将来の見通しの上に立った、腰を落ちつけた計画遂行が望ましいのではないか、こういうふうに思っておるわけでございまして、それとの関連の中で収入をどうはかるか、あるいはまた、設備料値上げはどうするかということを検討していただかなければならないと思っておるわけでございます。  きょう私は質問の中でいろいろな問題を提起いたしました。必ずしもその結論を得ておらないのでございますけれども、お約束でございますから、以上をもって私の質問を終わりますので、いろいろとひとつ御検討をさらにわずらわすことを特に要望いたします。  終わります。
  49. 古川丈吉

  50. 島本虎三

    島本委員 準備して、系統的にきょうはずっと質問したかったのでありますが、大臣がおりませんし、その分だけはあとへ回さなければならない状態になりました。  あらかじめこれは委員長に申し上げておきたいと思います。これは過日の本会議の本件に対する質問に対しまして、私が考えたこととの間に相当ズレがございました。これはどうしてもたださなければなりません。これをただす機会だけは、どうしても大臣との間でなければできませんので、この点はひとつ運営上全きを期してもらいたい、こういうように思うわけでございます。若干と申しましたが、若干多いようでございますが、この点も少し含んでおいてもらいたいと思います。  総裁もおられますので、まず、総裁に関する分からお尋ねしたいと思います。  それは、過日、佐藤委員からの質疑のあった問題でございますけれども、北海道電気通信局の管財課員だった人の、業者との共謀による、いわば水増し請求による、現在司直の手によって調べられておる不祥事件があるわけでございます。これはもう数人の不動産業者と共謀して、整地や立木処理に造成費の名目で水増しを要求して、その分を不正に支払わせたほかに、本人の手にも入った、こういうようなもののようでございます。その事件が職員の厚生福利関係の建物、土地、こういうようなことに問題があることと、あわせて、今後のいろいろな重要な問題を審議するために、公社の姿勢というようなものもはっきりしておかなければならないのであります。こういうような事件が起きたことは、単に泡沫的に、偶発的に起きたのであるならば私はよろしいと思います。こういうようなことがないようにするためには、やはりその点をはっきりしておいてもらわなければならないと思いますので、その後の経過、並びに事件がどのように進んでいるものであるか、それを解明しておいてもらいたいと思います。
  51. 野村隼一

    ○野村説明員 お答え申し上げます。  本事件の発端につきましては、先日申し上げましたとおりでございますけれども、直ちにわれわれといたしましては各通信局に連絡をいたしまして、よもや、北海道のようにそういう単独で交渉に当たるということはやっていないであろうけれども、今後とも、必ず買収に当たるときは二人以上で組む、かつ、管理者が加わる、また要点要点、すなわち最初に契約するとか、あるいは最終的な承諾書をとるというようなときには管理者が立ち会うといったようなこと、あるいはまた、内部的な相互チェックのシステムは従来どおり厳正に行なうというふうなことで、厳重な注意を発しております。  その後の北海道におきます事件の進展の模様でございますけれども、先日申しましたように、発端は三月二十五日でございまして、元北海道通信局の管財課員の徳井春秀が、当時職員宿舎用地の買収に当たりまして、北海道警察本部に逮捕されまして、続きまして二十七日に札幌地検に送検された、同時に、相手方の地主と取引関係のありました不動産業者二名が逮捕されたということでありますけれども、その後、いろいろと地元の新聞の報じますところによりますと、なお数件同じような手口の用地買収がございまして、そうして、先ほど逮捕されております不動産業者との間に相当の贈収賄があったという容疑でございます。新聞紙上を騒がしまして、まことに申しわけなかったと存じておりますけれども、なお、今後の司直の手によります調査によりまして詳細が明確になり次第、それぞれの処置をとりたいというふうに存じております。
  52. 島本虎三

    島本委員 まあ司直の手にゆだねられておりますから、その問題については、いずれ黒白が明白になると思うのでございます。  それで、私が特に心配するのは、これが同じような状態で横に波及していくような傾向が出るおそれがないものかどうか。そして、これによって、一部伝えられるところによりますと、評価価格はいわゆる評価機関によって定められたものより以下である、したがって、そういうようなことで、今後評価機関に対する信頼が失墜するおそれがあるのじゃないかということをおそれるわけであります。私は、そういうようなことからして、そういうような状態で買って、実質損害はなくとも、買いたたかれたのは地主であるというような点になりますと、いまの横に波及するおそれがあるかということと、その実際の損失が今後どのようになってあがってくるか、これも看過できない問題になるわけでございます。こういうような点等についても、今後事務を執行する上においては十分考えてやらなければいけない、こういうように思っております。私は、ただいまの建築局長からの答弁だけでは、これはまだなまぬるいと思います。これは膨大な計画を無理に一人でやらせた、こういうようなシステムにしておく責任は、公社側では今後十分考えなければならないと思います。管理体制は強化しなければなりません。そういうようなことからして、今後派生のおそれがないように十分管理体制を強化し、組織的にも運営的にもその全きを期さなければならないと思うのです。  これはもう審議する前のことでございますけれども、こういうような状態でいかに審議しても、これがしりから水が抜けるようにこぼれる状態では、全く審議に熱も入りません。信憑性を欠くものであります。私は、そういうような点からして、現在のようなおそれがないか、管理機構は十分か、この点を重ねてお伺いしておきたいと思います。
  53. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  北海道の厚生宿舎の土地買収に対しまして、当時の建築部の管財課員の徳井某がこういう不祥事件を起こしまして、たいへん遺憾に思っております。  私といたしまして、事態の早急なる解明を求めまして、厳正な処置をとっていきたいと思います。また、これの監督に当たりました監督責任という問題も、あわせて明らかにしたいと思います。  それから、問題は、土地の買収につきまして、いま島本委員が御指摘になりましたが、評価というものが一体妥当であったかどうか、その信頼性がどうかという問題、それが従来のこういった種類の問題と違った新しい問題だと思います。したがいまして、この土地の買収につきましては、もともと電信電話局舎の問題につきましては、これは施設局のラインで、施設部のラインで、最も経済的な土地の位置をきめるということになります。それからまた、厚生宿舎のようなものにつきましては、厚生局のラインで適正な場所をさがすのであります。そういった場合に、やたらに急いで、無理やりに急いで土地を買収するというようなことは、先般、幹部会議でも指示をいたしまして、一切やめる、それからまた、土地の購入等につきまして、チェックシステムであるとか、あるいはまた相互牽制方式というものをもっと明らかにする、地主に交渉に行く場合、徳井某の場合には一人で交渉に当たったためにこういう事態が起こっておるのでありまして、他の通信局では必ず二人で行くということをやっておったのでありますが、北海道の場合に、そういう点で抜かりがあったという点も、こういう事件を起こした原因だと思います。それからもう一つは、業者につきましても、実情をあらかじめよく調べておいて、不適正な業者は排除するということもこの際徹底いたしたいと思います。
  54. 島本虎三

    島本委員 今後こういうようなことが二度、三度と起きないように、この点だけは厳重に注意するように要望しておきたいと思います。  その上に立って私は今後の質問をしてまいりたいと思いますけれども、やはり公社側の姿勢といたしまして、いろいろ慎重に審議していわゆるこの予算案を出すわけであります。しかし、執行する面になりますと、やはり執行体制のゆるみから、こういうことがありますと、一事が万事ということばは当てはまりませんが、しかしながら往々にしてそういうふうにとられがちになることは、公社の信用の失墜にもつながります。それから、執務態度にも重大な影響があります。私は、こういうような点は、今後ほんとうに注意してもらうように心から要望し、今後の善処を要望しておきたいと思います。  それと、次に私は、「申し込めばすぐつく電話」ということに対する公約をおろした、この点について、私なりにいまここで、経済社会開発計画の中における社会資本との関係等につきましていろいろ聞いてまいりたい、こう思うわけなんであります。私は、これもひとつ大臣が来る前に当然済ましておかなければならない問題であり、大臣の際にさらに申し上げておこう、こういうふうに思ったのでございますけれども、審議を促進するために、次官で間に合うものは、優秀な次官であるから、ぜひ次官に——これはもう十分答弁その他においては遺憾ないからという与党理事のたっての発言もございましたので、私はそれは率直に受けます。それで、この点大臣質問したいと思っていた対組合とのいろいろな関係については、次官を通して一、二聞いておきたいと思います。  それは個々のものではございません。いま郵政省で大きく見て、全逓、それから全電通、この二つの組合、こういうようなものに対して、いろいろ管理するということばは妥当じゃありませんけれども、その仕事に当たるわけでございます。私もこの際に、対組合との姿勢についてちょっと伺っておきたいのです。あまりにもその姿勢がまちまちのような気がするからです。たとえば全電通と電電公社のいわゆる労使の関係、それから全逓と郵政省、この間のいわゆる労使の関係というようなものが、天と地とは申しませんけれども、私の見るところでは、相当な隔たりがある。同じ国会内では同一の大臣がこれを見る、こういうような立場にあるのに、どうしてこうまで違うのであろうか。これは、私はほんとうに意外な感じさえするのであります。高橋次官もこの問題については頭を痛めております。そのことはよくわかっておりますから、この問題については、個々の問題は避けます。  私はあらためて聞きたいのですけれども公社と全電通の場合には、これはもう今回の賃金問題については、物価上昇、対民間格差、それから調停段階での実現に努力、こういうようなことで、十日に組合側から調停に持ち込んだということも聞いております。これは交渉したあとであります。ところが、片や全逓の場合には、次官も御存じのように、いわゆる当局の不当組織介入といわれる問題や、また不当労働行為という問題でエキサイトしてしまって、そして自主団交は全然進捗しないままに今度調停に持ち込まれておる、そして事情聴取ももう終わっておる、こういうようなことでございます。一方は、優秀なとは申しませんけれども、まず、わりあいによく進捗している、一方は、またこういうような状態で、かたくとびらを閉ざして語ろうともしない。そういうような態度が、一人の大臣によって、これをやはりその中で見ることになっておるとすると、事、重大なんじゃなかろうか、こういうふうに思うわけであります。この問題等については次官も心痛されておるように聞いているのです。  この違いに対して、今後郵政省として何らか方針や所信がありましたならば、この際伺っておきたいと思うのです。
  55. 高橋清一郎

    ○高橋(清)政府委員 結論から申し上げますならば、いわゆる労使間の団体交渉等につきましては、自主性を尊重するということがたてまえでございます。島本委員もよく御存じのことと思うのでありますけれども、特に、お話の中に給与ということばがございましたが、このたてまえをひとつとらえまして申し上げますならば、いわゆる郵政職員の給与に関しましては、国の経営に関する企業に勤務する職員の給与等に関する特例法というものがございますし、また、いまお話しになりました電電公社の職員に対しましては、日本電信電話公社法でございますか、それぞれ分かれた形に表に出ておるのでありますけれども、その根本の理念につきましては、これはもう同一のものでございます。したがいまして、組合に対する基本的な態度というのは何ら変わりがないということのことばに尽きるわけなのであります。給与に関しまして一応おことばがございましたので、それを前提として申し上げたのであります。
  56. 島本虎三

    島本委員 そこなんです。これは大臣の方針や考え方が、率直にそっちのほうの官側のその中に入る、またそれが入らない、電電公社の場合は入らない、こういうふうな違いがもしあるとすれば、これは困るのです。重大だと思うのです。いま全逓でも、これはもう御存じのように、労働三法は尊重しております。そして電電公社の場合でも、公労協として、これまた同じような状態に運営されているでしょう。こういうことからして、あまりにも全逓対官側の場合は冷たいのです。電電公社対全電通の場合にはわりあいにルートがあるのです。同じ現場職員であるのに、こういうような違いをなぜさせておくのですか。私は、これは次官も大臣も、もっと委員会を通じまして今後も反省をしてもらいたいし、その点は十分考えてもらいたいと思うのです。  私はこういうようなことがあってはならないと思う例があります。意外に冷たいということです。それは、次官も覚えておるでしょう。参議院の逓信委員会がございました。大臣も出ていました。山本人事局長も出ておりました。そして、首を切るのに、そのまま辞令一片ではだめだ。本人が来、家族が来たならば事情を説明してあげるのが、これが人情であり、これが道義的な考え方じゃないかとおっしゃったのはあなたです。そして、それが山本人事局長からすぐ電話で仙台郵政局へ参りました。仙台郵政局のほうでは、本省から行った人事局長のこの指示を仙台郵政局でとめてしまったでしょう。混乱局だからそれをやらない。上のほうでは、混乱局であっても、それは特定の人にしぼるなり時間をきめるなり場所を指定するなりして、これは親心として、十分説明してやりなさいというあなたのこの気持ちも反映したでしょう。そしてすぐ電話をかけた。二時間後、反映したかどうか。返事をもらったら、全然通達されてないでしょう。こういう行政指導というものがありますか。本省の指令が行なわれないような郵政局があっていいんですか。私はこういうような点は、今後やはり郵政省としても考えなければならない問題だと思うのです。そして、全逓と電電公社の場合の話し合い、こういうようなことは、やはり一つの慣行もあるのです。ところが全逓対郵政省の場合には慣行破棄になっているでしょう。これあたりも、大臣と政務次官、あなたのところで十分これを考えて、ひとつ今後は全きを期するようにしてもらいたいと思うのです。  例を一、二、私は涙ながらに申し上げなければならない問題があります。北海道に行ってみるならば、すぐ千歳でしょう、飛行機がおりるのは。この千歳の郵便局が、もう戦後できたものですけれども、空の玄関口としてはこれはまだ老朽の段階じゃないけれども、もっとりっぱなものでなければならない、こう言ったのが、当時の全逓の組合員だったのです。そして、それが局長と相談されたのです。そして、出ている市会議員を通して私のところにも来ました。そして、当時千葉信参議院議員もおりました。その人たちを通じましてついにこれが改築の運びになり、ことし着工されているのです。ところが、新しい局長が参りますと、いままで和気あいあいとしてそのようにやったけれども、今度一切組合に対して事務所も貸さない、時間外であろうとも、組合運動を中でやるのはいけない、こういうようなことで、組合事務所を外に求めなければならないように——いまここで地鎮祭を終わって、皆さんから喜ばれてそれをやるのに、その恩人を外に出してやる、こういうようなのが管理体制としていいでしょうか。私はそういうようなのが冷たくする原因の一つになっていると思います。そして、その局長は、私が落選している間の昭和四十年に旭川へ参りました際には次長でした。私ども行きましたら、必ず電電公社の現業局か、または郵便局のほうには礼儀として寄ってまいります。私も参りました。あいさつに参りましたと言ったところが、そこにいる労管か人管か知りません。その人が、何の用件ですか、急ぎますか、こう聞くのです。そして、前衆議院議員島本虎三だと言っても、お急ぎなんですか、どうしても会わなければならないのですか、というあいさつ。よろしゅうございます。会わなくてもいいのです、こう言って私帰ったのです。あとを追っかけてきたのがその次長、いまの千歳の局長でした。寿都の局長もしていたから私わかるのです。ああいう人じゃなかったのです。ところがそういうふうに変わってしまっているのです。管理体制じゃございませんか。こういうようなことで今後郵政局の業務をいかに運営しようとしても、これはやはりその間に立って組合との間の慣行無視、またはこのような冷却状態を続ける限り、業務の円満な運行は期せられない、こういうふうに思うのです。いま総裁と次官がおりますから、私ここで両方対比しながら聞いてみました。若干私の意見も入れてみました。こういうようなことは当然改められなければならないし、そういうようなことは理不尽でもあり、道義にも反する、私はこういうように思います。もしそうだとするならば、これは次官を通してしかっておかなければならない問題だと思います。これは事実なんでございますけれども、これをどのように思いますか。
  57. 高橋清一郎

    ○高橋(清)政府委員 過般の参院におきます逓信委員会で、私の率直な感懐をいまお話しになりました内容に基づいて申し上げたことは、島本委員よく御存じのとおりであります。  私の元来の気持ちは、長い間の慣習等ありまして、各事象事象をとらえての——来訪者に対する印象等の場合も出てまいりましょうが、一人の来訪者といえども親切丁寧に応対すべきものである。あなたがいま、失礼な言い方でございますけれども、現議員の場合と前議員の場合違った、あるいは、そういう態度ではいかぬ、これは当然であります。特に、国会議員等の場合におきましては、過般の委員会におきましてもいろいろ事例を述べられましたものですから、それらの状況を判断いたしまして、なおさら意を強うした。意を強うしたと申しますよりも、その感を深うしたのでございますけれども、もちろん、国会議員であろうがなかろうが、その態度について区別すべき筋合いのものでございません。特に、国民の代表である現職の国会議員が来訪せられる場合におきましては、一段といろいろな事情等の解明を、場合によりましては、むしろ積極的によく説明いたしまして、御了解を求めるという場もとるべきだということをお話し申し上げたつもりでございます。  過般申し上げました免職の場合におきまして、免職者の家族が来訪いたしまして、つぶさに実情を訴えて、どういうことでうちの主人は解職されたのでございましょうというような要請のありました場合におきましては、ひとつ、その局長ばかりでございませんで、局長がおりません場合におきましては、局員全部があとう限りの親切気を発揮いたしまして、その御了解を求めるという態度に終始すべきものであるということを、私の個人的な感情もまじえまして、これは当然、いわゆる人道上の問題でもあるということを申し上げたことは、島本委員御存じのとおりであります。しかし、あの当時申し上げましたことは、私自身が申し上げたことが、即今回の問題につきましても、あるいは今後出てくる問題につきましても、すべて一つの指針として郵政省の命令系統のものとして取り上げてしかるべきものであるという意味で申し上げたのではございませんで、もちろん、そうした場合におきましては、これは命令とか慣習というようなものでなくして、それぞれのポストについております者は自発的に十分な配慮をする、これはもう人間としての常識でもあろうと私は思うのであります。そうした意味で、私は親切丁寧ということばを申し上げたほどでございます。  それらのことが、どうも悪く解釈とは申しませんけれども、誤解をされた面もございまして、政務次官がああしたことを言っておるのに、すぐさま末端まで浸透しなかったじゃないかとおしかりを受けたというその後におきます状況展開がございました。私も、その当時のことを考え合わせまして、もっともっと積極的にこれらの問題の解明もし、また、場合によりましては、特に例の北海道におきまする事象についてその後折衝があった場合においては、再度こういうことを委員会におきまして公約いたした手前もあるから、一そう懇切丁寧にということを再度徹底するだけの努力を払うべきだったと、いま後悔しております。  それらの問題につきまして、誤解を生み、そしてまた、思わざるほうへ導かれた点もややあったような気がするのであります。その点につきましては、私の努力が足りなかったということで、率直な感懐を申し上げる次第でございます。しかし、私の気持ちが、即郵政省の諸君にいたしましても、各組合員の皆さま方におきましても、当然とるべき態度であり、いろいろな事象について、できる限り懇切丁寧にあらねばならないことは原則だと思うのでございます。  これらの問題については、今後大臣との折衝、省議等におきまして十分討議を遂げられて、場合によりましては、郵政省の指針というか、あるいは命令というとおかしいのでございましょうけれども、何かいい方法、具体的なものを生み出しまして、そこでいい面も打ち出しまして、それが一つの指針となり、下部に対する徹底さを持つことができるような価値あるものにまで持ってまいりますならば、私はしあわせだと思います。
  58. 島本虎三

    島本委員 その答弁は、まことにりっぱです。私もそれを具体的に実施してもらうように心から要望いたします。  いま次官が、自分の責任云々ということを考えておりましたけれども、あれはあなたの責任じゃありません。あなたが社会労働委員会で言ったその議事録をもとに参議院の逓信委員会で渡辺勘吉参議院議員が言って、その場に大臣がおったのです。そうして、大臣がそれでいいんだと言ったのです。そうして、山本人事局長に、すぐ電話をかけなさいと言ってかけさせたら、それが仙台でとまってしまったのです。そのことなんです。あなたの場合はほめられたのです。ですから、別にそれは自分の責任だと考えなくてもよろしい。大臣が認めて、山本人事局長にやらしたのです。いまあなたのおっしゃったことは、ほんとうにそのまま示達として十分下部まで浸透させるようにしてください。それがもしできなければ、あなたのかなえの軽重を問われるだけでなく、もう少し重大なことになるかもしれません。  それで過般の参議院で、四月六日でありますけれども予算委員会で鈴木強参議院議員が、電電公社に対しまして、去年は調停段階で払った努力を高く評価しておりまして、小川労働大臣の所信を伺った際に、前早川大臣のとき事実上調停決着の姿勢を示したことは、小川労働大臣も、前向きの姿勢で踏襲したい、こういうようなことを申され、すでに新聞にもはっきり出ております。  私は米澤総裁に、この際ですからお伺いしておきたいのですが、昨年の調停も前向きで回答していることについて、私もそれを評価するにやぶさかではございません。本年の場合も、特に高物価のおりでもございますし、調停決着を去年よりやはり前進させるべきではないか、こういうように思うのでありますが、この点等につきましての考えはいかがでございましょう。
  59. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  先般、小川労働大臣予算委員会お答えになっておりますが、私も、調停段階において決着できるように、私なりに努力してたみいと思っております。
  60. 島本虎三

    島本委員 それを強く要望しておきたいと思います。  これで、大臣に対する質問の準備したものは終わらしてもらいます。  「申し込めばすぐつく電話」の公約をおろしたことについて質問させていただきたいと思いますが、いま電話の需要はなかなか旺盛でございまして、過去三次にわたる計画も需要の改善にとうていなっておらないような状態で、今日でも二百二十万の積滞がある、こういうような現状であります。幾ら努力してもこれだけ需要があるということは、成長産業であるという証左であります。こういうようなことにただ甘えてばかりいてはいけませんし、これに対する的確な計画が即応しなければならないはずなんですが、現状の解明をお願いしておきたいと思います。
  61. 井上俊雄

    ○井上説明員 御指摘のとおり、現在架設の規模が逐次増大しつつあるにもかかわらず、それを上回る新規の需要が多くございます。このためにさっぱり電話の需給は改善されておらない。一年前の、去年の三月末の積滞数が二百十一万ばかりございました。この三月末ではたぶんそれに対して二十万を上回る二百三十四万ぐらいになる見込みだと考えております。公社といたしましては、何はともあれ、とにかく電話の需給の改善は非常に大事でございます。一生懸命努力してまいっておるのでございますけれども、これには膨大な資金が要る。さらに、すでによく御存じでいらっしゃるわけでございますけれども、低利用の住宅電話の新規需要が非常に多うございまして、架設の中心が、量的な面から見ますと逐次そちらのほうに移りつつあるということのために、建設資金の確保ないしは経営内容の低下というものが大きくなりつつあるということでございます。  そういう事態でございますので、去年の八月に第四次五カ年計画の大綱というものを経営委員会の議決によりまして対外発表いたし、公社といたしましては、本年度から始まる新たな第四次五カ年計画は、その中に四つの方針がございますけれども、その方針に基づく投資規模三兆五千億余り、加入電話の充足九百三十万ということで実施してまいりたい、このためには、料金修正並びに設備料改定をお願いして、ぜひやらしていただきたいということで今日までまいったのでございます。本年度予算編成のときにそれを織り込んだのでございますけれども、諸般の情勢、並びに最近、たまたま幸運にも四十一年度から四十二年度へかけましては加入電話当たり収入が予想よりも伸びております。これは先ほど来いろいろ御質問いただいておりますが、長期トレンドといたしましては、これは明らかに減っていくものと思っておるわけでございます。住宅電話の比率が高まるということだけでも、当然全体の平均の単金は減るはずでございますけれども、現在の電話収入の大宗を占めます事務用電話を中心とする電話料が、当然好景気のために大きなウエートを占めておりますので、平均単金としてはやや上がっておるのでございます。しかし、これは経済企画庁の発表いたしました四十一年度経済の実勢並びに四十二年度見通し等を拝見いたしますと、対前年度比予想外に伸びておりますが、この状態が長く続くとは思われないと思っておるのでございまして、長期トレンドから見ますと、どうしてもこれは平均的に低下することは間達いないと思っているのでございます。過去、たとえばつい最近の昭和四十年度におきましては、対前年度比下がっているのでございます。  したがいまして、これらの根本問題をいろいろかかえておりまして、これらをぜひ御理解の上、国民の皆さんにも御理解いただきまして、根本的に手を入れさしていただき、改善さしていただきまして、何とか、ますます電話の需要の増大に対して、少なくとも電話の需給の改善は現在よりも大幅に果たしたい、このように念願しておるのでございます。
  62. 島本虎三

    島本委員 その説明によりましても、まだ——総理の施政方針の演説の中の所信の発表の一端の中にもはっきりこの点は言われているわけです。経済が成長していく、それから社会開発を推進していく、いずれにしても、いまの内閣の重要な一つの指針になっているわけですけれども、この住宅電話の場合、必需品化している現状のもとでは、電電公社としては第一義的にこれを考えてやらなければ、政府政策に応ずる姿勢にならないのじゃないか。高度経済成長に即応する、即応して、いわばそれを過熱するところまで協力する、これじゃ困る。人間尊重だ、社会開発だ、こういうような一つ政策の引き締めがあったわけです。そうなりますと、電電公社のほうでも、それに即応して住宅電話を拡充するということからして、民生安定に寄与するような方策をとるのが妥当じゃないかと思うわけなんですけれども、第一義的な任務としてこれを考えない理由を伺いたいわけです。
  63. 井上俊雄

    ○井上説明員 現状におきましては、きわめて電話の需給が悪いということでございまして、非常に悪い状況において国の資本をどのように有効に配分するか、こういう問題が一つ基本にあると思うのでございます。公衆法に基づきまして、非常に電話の需給の悪い段階におきましては、その電話の充足のしかたにつきまして郵政大臣の御認可をいただきまして、優先設置基準というものを設けまして、第一順位から第六順位までの区分のもとに、よりその資本が有効に使われて国のために役立つという面から、公平公正にやっているのでございます。しかしながら、現実の問題として、最近は住宅電話の新規需要が非常に多い、しかも住宅電話のいわゆる長期積滞も多い、こういうことのために、すでに住宅電話につきましては、三年以上の積滞につきましては、二順位を繰り上げまして第三順位にいたしまして優先開通する措置も講じております。今度の四次計画におきましても、過去一次から三次までの十五カ年間の総開通の中で占めた住宅電話の比率よりもはるかに高いものをつける。現在の計画におきましては、九百三十万開通のうち、実に五百五十万のものを住宅電話に振り向けようという考え方のもとに住宅電話の整備をはかりまして、生活水準の向上、近代化に寄与いたしてまいりたい、このように考えております。
  64. 島本虎三

    島本委員 それは、ことばとしては承っておきます。しかし、いま言ったように、電話の充足をこれからしなければならないところは、必需品化した住宅用電話である。したがって、政府の立てている現在の政策に順応する意味においても、やはり住宅電話に重点を置くのが正しい公社の行き方であり、配慮である。これを今後第一義的な任務であると考えて行なわなければならないはずなんです。それを逆説的に言ってみたわけなんですが、どうも私は、わかったようで、いまの説明は理解できないのです。私が言ったことと即応するということですか、しないということですか。その点を簡単に言ってください。
  65. 井上俊雄

    ○井上説明員 現在、公社として発表いたしました四次五カ年計画の大綱におきましては、四つの方針を立てております。これの中身につきましては、それぞれ一、二、三、四と振ってございます。これ自身は、どれが優先し、どれがあと回しということではないのでございますけれども経済の効率化、それから地域格差の是正、国民生活水準の向上、近代化、これがいわば住宅電話の需給改善と積極整備でございます。それから、同一市町村内の通話区域の統合、拡大による地域社会の発展、この四つの方針を立てまして、そうして四次計画の実施をはかりたい、こういう考え方のもとにいま進めつつある、こういうことでございます。  ただ、第四次五カ年計画も、四十二年度の予想される時点におきまして、四十三年度以降、五カ年計画の規模あるいは経営の問題というものを包含して作成いたしました関係上、四十三年度予算をいま御審議いただいておりますけれども、それの見通しというものが、四次計画の大綱を作成した当時よりも違ってまいる面がたくさんございますし、それから、現実問題として、投資規模につきましても、経済社会発展計画でこれは一年間時期が違ってきておりますけれども、四十二−四十六、四十三−四十七の五カ年、一年シフトいたしまして試算いたしたものよりも、一〇%以内ではございますが、オーバーしているという関係もありまして、さらに四十三年度からお願いしておりました料金修正の問題も本年度は見送りということに相なりました関係上、それらを総合勘案いたしまして、四十三年度を含む四次計画修正をはかっていく必要があろうかと考えておりますので、その時点におきまして、御指摘住宅電話の普及、並びにそれによる生活の向上、近代化への寄与の方策をなお十分考えてまいりたい、このように考えております。
  66. 島本虎三

    島本委員 昭和四十二年二月二十一日に皆さんのほうで出した「新経済計画における電電公社投資配分額に対する要望について」という資料によりますと、すぐ引けるのが電話サービスの基本であるということで、これは四十七年末にすぐ引ける電話にするという要望を経済企画庁ですか、そちらのほうに出してあるようです。四十二年までそうして、四十三年から急に三世帯に一個の電話ということに変えるという理由が、そもそもいまの政府のこの政策の中に順応していけばそうならないはずなのに、こういうようになっておるところに私の疑義があるわけです。これは、いまいろいろ聞くと、今後それをやるからということのようでございますけれども総裁、四十二年に「申し込めばすぐつく電話」というような一つ考え方で進んでおって、四十三年度に急遽、三世帯に一個というような電話に変わったのは、何か天変地異でもあったわけでございますか。
  67. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  先ほど計画局長が述べましたが、ちょうど四十三年度から始まる第四次五カ年計画の大綱というものをきめまして、この四つの柱——繰り返しませんが、これは先般もここで私が述べましたが、一というと、それが一番ウエートが高いというのじゃなくて、これは同じウエートを持つ四つの柱、つまり順番に並べてあるということでございます。  ところで、申し込めばすぐつくという問題につきましては、確かに、公社昭和三十四年に第二次五カ年計画改定いたしましたが、この改定いたしましたときに、十三年先の昭和四十七年度末にはそういうことをやりたいということを言い出したのが初めでありまして、以来、その考えをずっと持ってきたのであります。しかし、しさいに第四次五カ年計画の大綱というものをわれわれが考えてみたときに、たとえば、東京とかあるいは大阪——東京でいいますと、現在でも都心の十一局は、申し込めばすぐつく状態になっております。先ほど計画局長が述べましたが、実際、九百三十万個の加入電話のうちで住宅に約五百五十万個振り向けておるというような計画内容から考えますと、大部分のところでは、おそらく申し込めばすぐつく状態になるんではないかと思います。しかし、いなかのほうの特定局へ参りますと、すでに磁石式の局であって、それが、台も置けなくて局舎が一ぱいになっているというところでは、申し込めばすぐつくということが改式関係してくれば、実際問題としてそううまくいかないということが出てまいります。それからまた、経済社会発展計画でわれわれがそれに要望いたしましたときに、四十七年度末において需給を完全にバランスするということはぜいたくだということを盛んに言われまして、経済社会発展計画——これは四十六年度でありますから一年ずれておりますけれども、やはりその需給バランスを電電だけがとるのは少し行き過ぎだという議論がありまして、それらのことも考えまして、大部分のところは、申し込めばすぐつく状態になる、したがって、三世帯に一つということと申し込めばすぐつくということは、決して相反しないのでありまして、同じ方向に向かっておることだというふうに理解しておりますが、全部の地域で、申し込めばすぐつくということをもし私が言ったといたしますと、それはおそらく、改式等のことで実際問題としてできなくなっておるのにそういうスローガンを出すことは、かえって混乱するという意味で、むしろ三世帯に一つと言ったほうが現実的ではないかというので、そういうふうに言っておるわけであります。
  68. 島本虎三

    島本委員 それでは「申し込めばすぐつく電話」と「三世帯に一個の電話」と同意義である、こういうように解釈していいわけですか。
  69. 米澤滋

    米澤説明員 完全に同意義というわけではないのでありますが、同じ方向に、しかも大部分のところはおそらく同意義になるんじゃないか。完全にイコールであるということは、私申し上げないのでありまして、大部分においてそういうふうになるんじゃないかというふうに思っております。
  70. 島本虎三

    島本委員 そうすると、政府経済社会発展計画について、社会資本全体の中の電話の位置づけ、これがいわゆる国民経済電話の完全充足との関係、こういうようなことになって、いま総裁が申されましたように、先行してはいけないからというブレーキがかかった。ブレーキがかかったので、今度はやはり三世帯に一個、こういうようなスローガンに変えたけれども内容は「申し込めばすぐつく電話」の内容である、私は人がいいからこういうふうに理解したいのであります。  しかし、そういうふうに理解したならば、今後実施段階においてまた大いに問題にもなってこようかと思いまするけれども、それにいたしましても、審議の過程で、設備料の大幅引き上げによって需要を押えて、データ通信を中心にして整備すべきである、こういうようなことが論議された結果、産業用電話のほうに重点を置く政策に変え、住宅用のほうは三戸に一個というふうに変わったのじゃないか、私はそのように勘ぐってまいったわけであります。この調書によりますと、経済社会発展計画の中におけるいろいろな審議の中で、全部ではございませんが、そういうような発言もあるわけであります。そういたしますと、やはり苦しいけれども電電公社は理想である「申し込めばすぐつく電話」を本年から政府の要請によって曲げられて、ストップをかけられてデータ通信を中心に整備することに踏み切ったんだ、不本意であるけれどもそうなんだ、こういうようなことでございましょうか。
  71. 米澤滋

    米澤説明員 ただいまの御意見でございますが、私たちは、データ通信と「申し込めばすぐつく電話」との関係は別にない。データ通信というものにつきましては、私、いつか大蔵委員会でも質問お答えしたのでありますが、これはいわゆる独立採算的に考えていきたい、それは十年かあるいはもっと先になりますと、そのときの御意見でも、それがドル箱になるんじゃないかという話があったのであります。現在、たとえば電報の赤字約四百五十億円を確かに電話収入によってカバーしているというような現状でありますが、データ通信につきましては、その料金をきめるような場合におきましても、やはり独立採算的に考えていきたい、また資金においても縁故債をもらうとかいうようなことで、そのために、いわゆる「申し込めばすぐつく電話」が悪化されるというふうに考えておりません。第四次五カ年計画の大綱の中でデータ通信の投資額が約一千七百億円というその数字から見ましても、私は、これをやったために公社が方針を変えたというふうには考えておらないわけでございまして、先ほど第四次五カ年計画の大綱の中で言いました日本の国民経済を効率化するうちの一つの要素として考えられているというふうに理解しております。
  72. 島本虎三

    島本委員 今後この審議を大いに進めてまいります一つの前提として、国民経済と積滞解消の理論的、計量的把握というような命題でいろいろと論議があった、こういわれておるのです。それで、交通通信グループにおいて論議された議事録か、または公社提出した資料を私どものほうに見せていただければ、大いにいま言った総裁のことばの裏づけになるわけでございます。私はもう初めから総裁を人格者として信用いたします。信用いたしますが、予算が出たり、法案が出たりすると、信用するからそのまますっと通るという性質のものではございません。信用するがゆえに、その裏づけを確実にしなければならないのであります。  この議事録と公社提出した諸資料をひとつ提出できましょうかどうか。
  73. 井上俊雄

    ○井上説明員 承知いたしました。差し上げます。
  74. 島本虎三

    島本委員 じゃ、その提出された時点で、調査された上で、この問題についてのはっきりした態度を私は表明したいと思います。次に、電話の需要関係改善、これはどういうふうになっているか、この点について、もう少し私なりに納得するように説明してもらいたいと思います。  これは公社のほうの計画によりますと、料金を現行のままにしておくと、昭和四十七年度末は二千百六十万個である、料金修正すると二千四十万個である、四十七年度末に架設できる数は千九百二十万個である、こういうふうな数字がわれわれに示されたわけでございます。公社のほうでは、料金等の修正によって百二十万を積滞として需給が改善される、こういうふうに言っておるのでございますけれども、その経済社会開発計画の需要抑制策として、設備料を上げたならば、ちょうどこれくらいは積滞として残って需要が抑制されるのじゃないか、こういうように言われておるのでございますけれども、それを採用したということが数字によってはっきりあらわれているんじゃないか、こういうふうに思うわけなんです。今回は設備料の引き上げだけでありますけれども、これは一万円から普通は三万円、これは農集は上げない、こういうふうなことでございますね。そうすると、九十万個の需要抑制がはかられる、こういうような説明があったようでございます。そういたしますと、この需要抑制政策は、すべての住宅用電話にかかってしまうという結果に、これはもうはからずもなるんではございますまいか。  私は、四十一年度末の積滞の二百十一万個のうち事務用の七十四万個と、住宅用の百三十七万個、これが料金修正で——これは今度料金修正と申しますか、設備料を上げたり、いわゆるあれも料金ですから修正の中に入れさせておいていただきましょう。それで需要が抑制された場合には、事務用は四十五万、住宅用が七十五万抑制されるような結果になってしまう。こういうようになってしまいますと、結局は住宅用電話にしわ寄せがかぶさってくる、そして需給悪化の政策がそのまま今度は住宅用電話にかかり、それが今回の設備料値上げによって第一波がもたらされるものである、こういうような数字になってしまうんじゃないか、こう思うのですが、私の設論に対して、数字的にも間違いが多かろうと思いますが、ひとつ、これを十分わかるように解明してもらいたいと思います。
  75. 井上俊雄

    ○井上説明員 設備料並びに料金修正をやらしていただいた場合に、四十七年度末の総需要に対しまして百十万程度需要が減る、これは計算上出してございます。この計算の手法は、住宅用とか事務用とかいう区分と、単独とか共同とかの区分に従って、過去の十数年間にわたる実際の債券の市場取引価額、それから、あるいは過去の時点におきましては装置料あるいは設備料あるいは加入料等の実質負担と需要との相関から総合化したモデル式をつくりまして、計算によりまして四十七年度末の需要はどのくらい減るだろう、それから各年度の新規の申し込みに対してどのくらい減るだろう、これを出しておるということでございます。したがいまして、計算の手法として、事務用が何ぼ減り、住宅用が何ぼ減るということじゃなくて、総合的に把握しておるわけであります。  現実の問題として、そのしわは住宅用に寄るのではないか、こういう御疑問、御質問かと思うのでございますが、これにつきましては、そういう計算をいたしてありませんので、住宅用がその結果どのくらい影響を受けるかということにつきましては、にわかに数字的に申し上げるだけの資料を持ち合わせておりませんので、ひとつ御了承いただきたいと思うのでございます。
  76. 島本虎三

    島本委員 これは建設計画の中で、計画全体として一五%が圧縮された、その中心的なのは加入電話十三万個と農集が五万個、加入区域合併五十一局の削減、それから集合自動電話加入電話、データ通信は公社要求どおりに認められているというのは、この実態がこのままだとすると、いま私が言ったとおりになるんじゃございませんか。これはどうなんでございますか。
  77. 中山公平

    中山説明員 四十三年度予算案におきましては、御指摘のいまの諸点でございますけれども、データ通信につきましては、要求が百八十億円であったのでございますけれども予算案といたしましては百二億円に圧縮をされております。  その他の点は御指摘のとおりでございます。
  78. 島本虎三

    島本委員 そうすると、やはり農集電話が五万個、それから加入区域の合併五十一局の削減、これは事実ですか。
  79. 中山公平

    中山説明員 四十三年度概計要求におきましては、加入区域合併は三百二十四局を予定いたしておりましたけれども予算案におきまして二百七十三局ということになっておりますので、五十一局が削減されております。
  80. 島本虎三

    島本委員 そうなりますと、収入面では、逆にかなり増収をはからなければならないような状態に追い込まれる。そういたしますと、住宅電話は当然あと回しにされるということになる、したがって住宅電話の積滞はますます増大して、電話の需給はさっぱり緩和されない。ことばでそのようにおっしゃっても、結果、予算面から見るとこういうふうになってしまったら、私の言うことは、残念ながらそれはほんとうだと言わざるを得ないんじゃございませんか。
  81. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  ただいま四十三年度予算の単年度につきましていろいろ御意見がございまして、私の先ほど申し上げましたのは第四次五カ年計画全体の中でこの問題を処理していく、もともと、この第四次五カ年計画考えた場合に、その一応年度割りというものを頭に描いているわけでございますが、加入電話のつけ方にいたしましても、これは住宅のほうが絶対値として多いのでありますけれども、加入住宅プラスその他、四つの柱といいましても、実際は主として経済の効率化と生活の向上と近代化、二つに関係があると思います。これは等比級数的ではなく等差級数的に加入電話がふえていくというふうに考えております。その際もまた、この第四次五カ年計画の大綱の中で考えた場合に、おそらく四十三年、四十四年はむしろ積滞がふえるのではないか、しかし、それがだんだん終わりのほうにいって、ぐっと減ってくるというように考えておったのでありまして、ただいま御指摘がありましたが、四十三年度の問題だけにあまり限定いたしますと、問題が少し違った形になるということをお答えしたいと思います。
  82. 島本虎三

    島本委員 それで、違った形になるとすると、たとえば、現在では農集は要望が多いというふうに私は聞いております。しかし、農集の場合はいろいろトラブルもあったかのように聞いております。それは当然じゃございませんが、望ましくない状態だったと思います。しかし、農集というようなものは、無電話部落の解消という一つの大きい目的があるわけであります。そのためには、五万個単年度でも減らすのじゃなくて、この問題は、問題があってもなくとも、無電話部落の解消という一つの使命観の上に立って、独立採算じゃなくて、公共性の上に立って削減すべき問題じゃなかったか。単年度ではこういうふうに削減しておいて、これは相対的に合います、こういうような理論、私は単細胞かもしれませんが、よくわからないのであります。農集電話の五万個の削減、こういうようなものは、究極的に見ればそれはちゃんとなるのだ、単年度は減らすのだ、この理論は、どうも私は理解できないのでありますけれども、農集の場合なんか、これは要求の場合だってぴたっと伸ばすことができることになりますか、長期計画で。
  83. 米澤滋

    米澤説明員 本年度予算編成のことについて、投資額に対しましては、政府はその投資額全体を景気対策というもので押えたいという要請がありました。四十二年から四十三年にいく場合に、建設投資額伸びが六・五%であります。四十一年から四十二年が約二〇%、あるいは四十年から四十一年が二〇%というふうに、前年あるいは前々年では二〇%近い伸びを示したのでありますが、四十三年はとにかく投資額を押えるというそのために六・五%に押えられた。  そうすると、投資額が押えられてまいりましたので、その中でどうするかという問題が具体的に出てまいりました。それで、加入電話につきましては百四十七万個、農集については二十五万個——その数字バランスがとれているかどうかという議論はいろいろあるかもしれませんが、農集だけ三十万個にして加入電話を落としてしまうことも感心しない、それでこういう形におさまっているわけであります。ただその際、先ほど大臣もちょっと言われましたが、本年、公社も大体予定収入が得られるというような見通しがありといたしますと、弾力条項を発動いたしまして、加入電話を一万くらいふやすということは、一応頭の中に考えておるわけでありまして、やるかやらないかは、今後の収入の状況、あるいは経済見通し等に関係がございます。そういうようなことも一応考え時点があったわけでありまして、ただいまのように農集の三十万個でやったほうがよかったのではないかという御意見でありますが、そうなりますと、投資額が押えられておりますので、百四十七万個のほうをまだ押えなければならないということになつでまいります。バランスがとれておるかどうかについては問題がありますが、このような数字になっております。
  84. 島本虎三

    島本委員 私はその点は若干理解できました。その点だけであります。ほかの点はまだ理解できない。  すると、その中心的なものは加入電話ということになります。加入電話を押えていく政策が、社会資本の配分という制約の中から生まれたものだとすると、産業用電話だけを便利な押しボタンダイヤルだとか、短縮ダイヤル、またはビル交換要員の合理化のための集合電話を実施に移すような計画が必要なんだ、こういうようになってまいりますと、先ほど言った経済社会発展計画の中の要請にも、これまたぴたっと当たってくるわけなんでありまして、やはりこの計画内容経済社会発展計画の中の議論とどうも一致している、こういうように思って先ほどから設問しているのです。私はそうでないほうを望んで質問していたのですが、どうも結果的にはそういうふうになってしまうのです。  それで、社会資本の配分、これはめんどうくさいようでございまするけれども国民経済の中で、道路、交通、住宅、それと通信のバランス、こういうようなものは当然考慮されたんじゃないだろうか、こういうふうに思います。そうだとすると、当然、産業用電話は少し控えてでも住宅用のほうをこの際とって、バランスをとらせるのが正しいんじゃないか、そうでないと過剰サービスを提供したということになるのじゃないか、こういうふうに思っておるわけなんでございますけれども、あまりこれはしつこいようです。しつこいのは、私が理解できないからであります。理解できないのは、理解できるようにうまく答弁しないからであります。この相関関係、因果関係考えて、ひとつ、わかるように言っていただきたいと思います。
  85. 米澤滋

    米澤説明員 ただいま社会資本の問題が出てまいりました。経済社会発展計画でいろいろ審議された、私どもその過程のいろいろな議論は全部よく勉強しておるわけではありませんが、結論だけは私よく読んだつもりであります。その際に、道路とか港湾とかあるいは鉄道等にどの程度の配分をするかということが最後まで問題になったのでありまして、私も当時、衆議院のたしか予算委員会でもお答えしたことがありますが、昭和四十年度価格で、電電に対しまして二兆六千六百億円というものがきめられる前に、私、宮澤長官にお会いいたしまして、そのときに千七百億円だけ復活要求が認められて二兆六千六百億円になったのでありまして、最初のあれは千七百億円それより小さかった。その際私は宮澤長官に言いましたのは、最初の内示案では結局積滞がふえるような形になります、それではとても経済社会発展計画で、本文といいますか、字で書いたのはいろいろ一ぱいあるのですけれども、投資の金がなければ結局空文になってしまうので、やはり積滞というものが減るような計画でなければならない、それは昭和四十六年度が目標でありますけれども最初の千七百億円少ない内示計画であったとしますと、これは昭和四十六年度においてはかえって積滞がふえるような形でありまして、それでは困るというので、結局二兆六千六百億円になったのであります。これは結局、物価換算いたしまして、しかも、年度昭和四十七年度まで一年ずれることを考えますと、公社計画と大体一〇%以内の差になってまいりましたから、わりあいに近くなってきたというふうに理解しております。  そういうわけでありますから、社会資本の割り当てという問題につきましては、他の資本と電電の投資額とが、どういう形が一番バランスがとれてくるかという問題になってまいりますと、これは文句で書いた字句だとなかなかはっきりわからないのでありまして、やはり投資額というもので比較する以外に手がないのでありますけれども、そういう意味においては、ある程度電電について投資規模が認められたというふうに私は理解をしております。しかし、当時予算委員会で申し上げましたが、私として、二兆六千六百億円ではまだ不満であるということを長官には申し上げてあるわけであります。したがって、これからいろいろ等四次五カ年計画中身をさらに議論する過程におきまして、投資規模をどうするかということがやはり問題になるのでありまして、それはこれからいろいろ問題になってくる。しかも、そのときのたしか閣議決定でも、毎年度予算の編成のときにおいて弾力的に処理するということがきまっておるのであります。おそらく他の社会資本との比較というものが、今後毎年予算編成時点においては比較されてくるのであるというふうに思っております。
  86. 島本虎三

    島本委員 その点はだいぶわかりました。  産業用電話の発展を、われわれとしては仰せのとおりわかりましたから、特に否定するものでは決してございませんけれども、いまの時期からこれを行なう必要があるかどうかの選択、それから過剰サービスまで提供しなければならないというようなこういう考え、これが設備料の三倍値上げというものにつながってくるというような関連性、これを私どもはおもんぱかっておるわけです。  それで、私としては、ここでだいぶ前からも言われておることなんでございますけれども、この設備料については、貸借対照表上では資本剰余金として処理される。そうですね。そうしますと、これは公社の資本になっているということになる。そうなると固定資産の対象になるということになる。公社の資本となって固定資産税の対象になる財産、それを設備料値上げによって国民大衆から取るということは、国民を収奪して公社は財産を後世に残しているものである、こういうようなことになってしまうことを私はおそれるわけなんです。この点からして、そうじゃないということを明確に国民の前に発表してもらいたい。
  87. 中山公平

    中山説明員 仰せのように、設備料は貸借対照表上は資本剰余金に会計処理をいたしております。そこで、公社の固定資産の部分に、この設備料をいただいて建設する設備分も入っておりまして、その部分も含めて減価償却を実施するような仕組みになっております。  これを考えまするに、設備料の性格につきましては、所管の局長のほうからまたいろいろ御説明があると思いますけれども、やはり一面の性格として、建設投資額が非常に多い、需要に応じて電話の増設をやっていく場合におきましては、建設投資額が非常に多い。また、一つ電話をおつけするにあたりましても三十数万円かかる、その一部を設備料という形で御拠出をお願いするという性格も一面あるのでございます。こういうふうにしてつくりました設備も、当初設備をつくるときの一回は三万円をいただくわけでございますけれども、この次取りかえをいたす場合には、これは公社資金で取りかえをいたさなければならぬ、そういう関係から、減価償却引き当て金をこの部分につきましても積んでおく必要があるわけでございます。そういう点から考えますと、やはり資産に計上をいたしまして、取りかえるときの準備のために減価償却の引き当てを用意しておくということが、永久にお客さまに対してサービスを提供する使命を持っております公社といたしましては、妥当な方法だと考えております。もちろん、御指摘のように、ほかの企業におきましては、電力の工事負担金というようなものにおきましては、税法において、課税政策の意味からいたしまして損金処理をいたしておりまして、その部分は固定資産に計上をしないで、したがって減価償却もしない圧縮記帳方式をとっておる例もあるわけでございますけれども、私どもは、いま申し上げたような趣旨で処理をいたしておりまして、会計学者の意見を聞きましても、私どもの処理のほうが適正な処理である、こういうふうにいわれております。
  88. 島本虎三

    島本委員 この際、問題がしぼられてまいりましたので、設備料というものに対するはっきりした定義をお聞きしておきたいのです。これは大臣がいなければだめなんですが、高橋政務次官、設備料とは何でありますか。
  89. 高橋清一郎

    ○高橋(清)政府委員 私の御説明で御納得のいくような点まではたして至るかどうかということも疑念がございますので、その道の専門家であり、的を射た答弁のできる者からかわって答弁していただきます。
  90. 武田輝雄

    武田説明員 設備料電話架設の際に加入者からお払いをいただく料金というふうに考えております。この料金の目的は、電話架設のためには三十六万円といった建設費が要るわけでありますが、その費用の一部を負担していただく性質のもの、こういうふうに考えております。  なお、先ほど経理局長から、会計的な意味におきまして御質問お答えしたわけですが、私は、制度的な面で先ほどの御質問お答えさせていただきますと、公社は公衆電気通信役務を提供するわけでございます。電話も公衆電気通信役務の一種類でございます。そして、加入者になられますと、電話という公衆通信役務を永久にお使いになることができるわけであります。そして公社は、一般会社と違いまして公共企業体でございまして、その資産が、かりに公社の資産であっても、加入者の方々は永久にそれを使って電話サービスを受けられる、こういう意味でございますから、かりに、いただきました三万円が公社の資産になりましても、加入者の方々から収奪したというようなことにはならないのじゃないか、こういうふうに説明させていただきます。
  91. 島本虎三

    島本委員 これは料金ではない、公共料金ではない——これからつける人に三万円負担してもらうので、いままでつけている人には全然負担になっていないのだから、これは公共料金ではないのだと、大蔵大臣並びに小林郵政大臣が言っているのです。いま武田営業局長は、料金だといみじくもはっきり言ったのです。  総裁大臣とおたくさんのほうとは見解の相違がはっきり設備料にあらわれてしまったのですが、これはどうしますか。
  92. 米澤滋

    米澤説明員 一時的にいただくもので、私は公共料金ではないというふうに思っております。ただ、武田君が言いましたのは、非常に事務的なことなんでありますが、公衆法上の別表というものがありまして、別表に出ている、こういうふうに理解していただけばいいかと思います。
  93. 島本虎三

    島本委員 別表を効果づけているのは本条があるのです。本条で、そこで定めるときめている。それははっきりきまっている。あれには料金の一部だとなっておるのです。料金の一部ということが法律で出ております。それくらい調べておりますよ。しかし、この問題については、大蔵大臣小林郵政大臣も、公共料金ではない、そのうちに入らない。小林郵政大臣に至っては、料金ではない、これからつける人のためにやるのだから、いままでやった人には何の影響もないのだ、したがって、物価値上げとの関連もありません、ということまで、これははっきり言っているのです。そうなりますと、料金であるかのような料金でない設備料。それからこれが装置料から料金に変わったり、毎回出たり入ったりばかりしている。こういうような行き方、体系、こういうようなものは、公社一つのいいところかもしれませんけれども、これはもう困ったところではございませんか。体系全体から、これはもっとはっきりしたものにしなければならないはずじゃございませんか。例によって見ますと、昭和二十一年四月一日からいままで六回もいろいろ変わっているわけでございます。そして、ある時点においては、昭和二十八年一月一日には装置料四千円を取ったほかに、負担金も負担してもらっておった、東京では三万円、そのほかに債券もちゃんと負担してもらっておった、東京では六万円。こういうような期間が昭和二十八年一月一日から三十五年四月二十八日まであるわけなんでございます。そういうふうにしてずっと電話を架設してやってきていた。そして、それがまた負担金がなくなって、そのかわり今度債券になり、今度装置料が設備料になってきた。そして、これがこの六十八条の中にはっきり料金としてうたわれておるわけなんであります。私は、そういうふうな点からして——この私の手元にある資料、これはもう間違いのない資料でございます。これによって見ても、その場その場によってずっと変わってきているというのが体系的にあらわれている。ですから、この際、個々のものですると、料金改定する場合にもっと複雑になります。もっとはっきりしたものでぴっと締めて、これが天下社会に公表できる電電の料金体系である、これはどこからやっても科学的な、どこからつついても合理的なものであり、理論的にも完ぺきなものである、こういうふうなことで、すっと整理して出したらいかがなものですか。やみくも的に、設備料か装置料かわからぬような状態にしておいて、また、設備料料金か何かわからぬような状態にしておいて三倍に上げる、こういうようなことでは、一そうもって今後の料金体系が混乱するのじゃないか、複雑化するのじゃないか、こう思われますが、総裁、これはいかがなものでしょうか。
  94. 米澤滋

    米澤説明員 ただいまいろいろ御意見がございましたが、設備料、これは一回限りいただくものでありますし、それからまた、現在電話を使っておられる加入者の方が払っておられるいわゆる料金、これをまとめて考えたらどうかという御意見  がございました。  私のほうは、実は、昭和四十三年度概算要求郵政大臣に出す前に、その問題について、できれば一本にしてやりたいというふうに考えたのであります。しかし、いわゆる政府考え方によりまして、設備料だけがまず先になって法案として出されておるわけなんです。理論的にいいますと、確かに、これは一本にしたほうがはっきりするわけでありますけれども、しかし、私は、設備料だけでもこの際改正するほうが——公社の現在持っております借金だけでも一兆三千四百億円、来年度になりますと一兆五千億円の借金があるわけでございます。国鉄借金が現在大体一兆五、六千億円と聞いておりますが、一年くらいの違いであります。それで経営基盤を充実する意味からいきまして、この法案が成立いたしますれば、公社経営改善に対して一歩前進になるというふうに考えておりまして、料金体系の問題については、四十四年度概算要求のときに、なお体系の合理化も含めて政府にお願いしたいというふうに考えております。
  95. 島本虎三

    島本委員 生理的な現象、飲んだり排出したり食べたりする問題は、自然権、人間権でありまして、憲法や他の法律にも優先することになっておるわけであります。委員長の司会のもとにずっとやっておるわけですが、すでに一時にもなんなんとするのですが、まだ大臣は来ないのですが、委員長大臣はやっている間に参りますか、参りませんか。もし参りますなら、もう少しやっていて、来るまで待ちますけれども、来ないならば来ないで、この辺でぴしっと締めなければならないと思うのでございますが、いかがでありますか。
  96. 古川丈吉

    古川委員長 いま連絡いたしましたが、はっきり見通しがつきません。本委員会は本会議後にまた再開いたしますから、その際に大臣は見えるはずでございますから、そのときに大臣に対する御質問はお願いいたします。
  97. 島本虎三

    島本委員 では、もう一回最後に、設備料をひとつはっきりさしておいてやめたいと思いますから、総裁からひとつ。
  98. 米澤滋

    米澤説明員 では、郵政省から……。
  99. 浦川親直

    ○浦川政府委員 設備料は、ただいま営業局長からるる説明がございましたが、最も簡単に申し上げますと、新しく加入者におなりになる際に、その設備をするために一部のお金を負担していただく料金でございます。
  100. 島本虎三

    島本委員 では、設備料は、新しく加入になる際に設備するための加入者に負担してもらう料金である、これは統一解釈と考えていいですか。
  101. 浦川親直

    ○浦川政府委員 もう一ぺんふえんいたします。  いまのは簡単でございますが、要するに、工事費の一部を負担していただくというふうに大臣は申し上げておると思います。その料金であるというふうに大臣は申されております。同じことでございます。
  102. 島本虎三

    島本委員 それはわかりました。  工事費の一部を負担してもらう料金、そういうことですね。
  103. 浦川親直

    ○浦川政府委員 はい。
  104. 島本虎三

    島本委員 では、はっきり料金ですね。これは料金値上げになりますね。
  105. 浦川親直

    ○浦川政府委員 しかしながら、料金でございますが、月々いただくいわゆる通話料とかあるいは基本料とか、こういう料金ではなくて、一回限りの料金ということでございます。
  106. 島本虎三

    島本委員 では、料金でなくて、一回限りの料金とは、どういう料金ですか。
  107. 浦川親直

    ○浦川政府委員 料金でないとは申し上げておらないのですが、いわゆる料金でなくて、やはり設備料という六十八条に申しますところの料金に入っております。
  108. 島本虎三

    島本委員 これは料金であると解釈しておいていいですね。
  109. 浦川親直

    ○浦川政府委員 料金でございます。公衆法六十八条にございます料金でございます。
  110. 高橋清一郎

    ○高橋(清)政府委員 問題がきわめてふくそうしておるような状態でございますし、いまも委員長からお話がございましたように、本会議あと大臣が出まして、再開いたします本常任委員会で明快な大臣答弁をいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。
  111. 古川丈吉

    古川委員長 本会議散会後再開することとし、この際、休憩いたします。    午後零時五十八分休憩      ————◇—————    午後四時五十九分開議
  112. 田澤吉郎

    ○田澤委員長代理 これより再開いたします。  委員長所用のため、指名により、私が委員長の職務を行ないます。  公衆電気通信法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。島本虎三君。
  113. 島本虎三

    島本委員 大臣がいらっしゃいましたから、大臣にお伺いしたいと思います。  それは、本会議で私が質問したのに対しまして、大臣の御懇篤なる答弁があったわけであります。その答弁内容等を私も拝読いたしまして、まだ納得しかねる点が多々あったわけであります。その中で、特に私は、この料金の問題と関係ある部分並びに設備料のいろいろな解釈について、これだけは、現在のいわば法案の焦点で、そのままにしておくことができないわけでございますので、この場所であらためてお伺い申し上げたいと思います。  それは設備料の問題でございますけれども設備料値上げは、これはとりもなおさず料金値上げになるものであり、公共料金値上げにつながるものである、こういうような説論でまいったのでございます。三月十八日の衆議院の本会議のこの質問に対して、水田大蔵大臣は、初年度の一時的な負担で、サービス料金とは違います、このように答弁しておるのであります。また、小林郵政大臣は、設備料は、これから電話を架設する人に課するものであって、いままでの人とは関係がない、もうすでに設置した人とは全然関係がない、したがってこれは公共料金ではない、このような見解を明らかにされたのでございます。私は、こういうような立場から、設備料公共料金であるのかないのか、この問題はやはり明確にしておかなければならない、こう存じまして、この逓信委員会の席上をかりて、本会議のこのつまびらかでない答弁を十分に決着をつけたい、こう存じまして再び質問した次第でございます。設備料の見解を伺いたいと思います。
  114. 小林武治

    小林国務大臣 これは、お話しのような疑問が出るのはやはり無理もないことで、この委員会でも、だいぶお話があったのでございます。これは、私が言うと、また余分なことを言うというので、せっかく書いてもらいましたから、これをひとつここで読みます。  設備料とは、加入電話の新規加入の際に、工事をして電話の利用ができるようにするための料金であって、新規架設工事に要する費用の一部に充当するものである。このように、公衆電気通信役務の料金であるが、基本料度数料等の一般料金とはその性格を異にし、物価に対する影響は少ないものと思う。こういうふうに書いてございます。
  115. 島本虎三

    島本委員 見解としてはあいまいでございます。  それで、この問題については、法的にはっきりさしたほうがいいと思いますので、大臣電電公社総裁、このお二方に十分、この考えでいいのかどうかというような点を御説明願いたいと思います。  公衆電気通信法第六十八条に定める料金とは何をさすかというこの解釈に対して、当然いままでいろいろ解明がございました。その中で「公衆電気通信役務の料金であって、別表の左の欄に掲げるものの額は、それぞれ同表の右の欄に掲げる額とする。」このように規定されているのでございまして、その中に設備料料金としてあげられているのであります。大臣は、この公衆電気通信法の法的な料金であるという見解を、いまの統一見解によりますと、あらためて、はっきりしているものをぼやかしているような見解が表明されたのは遺憾でございます。設備料は明らかに公共料金ではございませんか。そして、公共料金値上げにならないというお考えの表明がございましたが、これはちょっとおかしいではございませんでしょうか。さらに見解を明らかにしてもらいたいと思います。
  116. 小林武治

    小林国務大臣 たいへんおかしいのであります。これは、いわば従来の見解からある程度変わってきておる、こうこの委員会でも言われておりますが、私も、まあこれが普通の料金というにはだいぶ性格が変わっておると、これは実質的に言わざるを得ないのでございまして、特殊な料金とかいっておりますが、反復的に利用に対して取るのが、よく普通いわれる料金、ところが、これは反復しません。一生に一度しかありません。しかも、料金であれば、通常の形に置くなら損益計算の中に入らなければならぬのでありますが、これは公社予算の取り扱いは外部資金になっておる。外部資金というようなことは、おのずから借り入れ金だとか起債だとか、あるいはそういう類似の負担金とか加入者債券とか、いろいろなものがいわゆる外部資金としてこの中に入っておることも問題を混淆さしておる。したがって、私は、こんなことを申してはたいへん恐縮でございますが、立法論的に申せば、何かやはりこれを変えなければならないのじゃないか。いまここに料金として入っておるから、そういう島本さんのおっしゃるようなあいまいな説明、こういうことにならざるを得ないのでありまして、この点、たいへん恐縮でありますが、今後の立法論としては、私は、やはり何か考えなければならない、こういうふうに思っております。したがって、いまのようないろいろの事情から、やむを得ずこういうふうな説明もせざるを得ない事態であるというふうに思います。
  117. 島本虎三

    島本委員 では、設備料は現在の法にございますから、これを大臣は否定することはないけれども、その実情を通して複雑なものがあるというふうに私は理解いたしたいと思います。  それならば、いまのところは、設備料は、公衆電気通信法六十八条にいう料金であるというような点は確認しておかなければ、あいまいなものにして本会議を通したということになると、これは重大な国民に対する背信とは申しませんが、これはなにでございますので、私は、この点は公衆電気通信法六十八条にいう料金である、こういうような見解を明らかにして先に進みたいと思いますが、大臣、それでよろしゅうございますか。
  118. 小林武治

    小林国務大臣 いまの法律のたてまえから言えば、やむを得ず、料金らしからざる料金である、こういうふうに思います。しかし、法律的にはこれは料金であるし、この際の説明としては、やはり公共料金と言わざるを得ないであろうと思います。
  119. 島本虎三

    島本委員 当然なのでございます。  それにいたしましても、料金ということになると、これは何に対する料金ということがきまっていなければ、また料金がおかしくなります。  総裁、これは何に対する料金が三倍になるのでございますか。
  120. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  いまの設備料の解釈につきましては、法律解釈は、これは政府にありまして、私の公社にあるわけではありませんので、法律の解釈は、大臣の御説明されたとおりというふうにしたいと思います。  それから、いまの設備料につきましては、これは新たに架設する方に対しまして、その一部を負担していただくということがこの設備料中身でありまして、新たに架設する方に対して工事費の一部を持っていただく、そういう種類の料金であるというふうに考えております。
  121. 島本虎三

    島本委員 そうなりますと、これは以前に、電話加入の際の設備費用負担の変遷を昭和二十一年からずっと見てみますと、相当の変遷があるわけでございます。ある場合には設備料、それから装置料、それからまた設備料、こういうように変わってきておるわけでございます。それと同時に、ある場合には、装置料のほかに負担金を出したこともあり、債券まで買わせたこともあったわけでございます。そういうようなことからして、この定義というものをしっかりしておかないと、この考え方を必要のつど変えるものであるならば——いま大臣が、法的にはっきりしなければならないとおっしゃいましたから、今後はっきりするまでの間は、現在の公衆電気通信法六十八条による、これは明確な解釈でございます。そういたしますと、今後、定義はそれによってやるにいたしましても、三十六年の五月十二日の衆議院の逓信委員会で、私の前に質問しました田邊誠委員質問で、このときは装置料が設備料に変わったときでございまするけれども、一万円の根拠についての答弁では、引き込み柱から加入者の宅まで、それから宅内における設備の費用の平均額に見合うもの、この解釈は明確であります。また、明快であります。私はそれでいいと思っていました。ところが、おとといですか、大出委員質問されましたが、今度はそれがまた変わって明らかにされているのであります。今度は、電話局から宅内までを含んだ創設費の半額及び架設に要する費用の一部である、こういうようなことになっているわけなんでございます。そうすると、以前には引き込み柱から宅内まで、それとそれの雑費、こういうような解釈が、いつの間にか電話局までというふうにしてあると、解釈によって、いつでもどうにでもなるのじゃないか、こういうふうなことになるのであります。  私は、定義をこういうようにして、いつでもあいまいにやることはいけないと思います。これははっきりしておいて、必要ならば必要なように処置すればいいのであります。解釈を自由に変えて運営するということになりますと、これはどこかおかしいものを残すのでございまして、この設備料の定義については、三十六年に田邊委員質問したその根拠によるべきである、私はこういうように思っているのでございますけれども総裁はじめ理事者の方、私のいまの質問に対してどのようにお考えでしょうか。
  122. 武田輝雄

    武田説明員 前回、三十五年に負担法を改正いたしまして拡充法が制定されました際に、それに並行いたしまして公衆法の改正が行なわれ、当時装置料と言っておりましたものを設備料に改めたわけでございます。  その設備料を一万円にいたしました根拠につきましては、いまお話しのあったとおりでございます。今回は、電話架設の緊要性にかんがみまして、電話の架設を円滑に行なうというために架設費の一部を設備料として負担していただくということにしたわけでございますが、この額が幾らでなければならないかということにつきましては、絶対的なものはないと思いますが、いま一加入を架設いたしますのに三十六万円の建設資金が要ります。また、加入者線路の部分の創設費は、単独電話で申せば六万円でございます。それと、一たん加入者になりますれば、永久に加入者たるの地位を取得されるわけでありますし、また、ここ数年来におきます電話の普及、市内通話の自動化及び市外通話即時化等、サービスの向上はまことに目ざましいものがありまして、電話の価値といいますか、効用も著しくあがってきておると思います。また、一般の所得も上がっておる。そこで、今回設備料を、単独電話については三万円、共同電話については二万円、三個以上の共同電話については据え置くことにいたすわけであります。この三万円という額は、全創設費三十六万円の一割弱、線路費の半額に相当する額でございます。
  123. 島本虎三

    島本委員 いまの、その必要だというあなたのお考え方は何回も聞いて、私も知っておるのです。それを言ったのじゃない。あなたが文書課長として国会の中を縦横にはせ参じた、そうして、あるいは自民党あるいは社会党のほうに来て、意識の統一さえもはかってくれた。私も聞いた。そのころからこれに対する見解があったじゃございませんか。すなわち、田邊委員が言った引き込み柱から加入者宅までと、宅内の設備費の平均額というのですか、均等額というのですか、こういうようなものとしてその定義とする、こういうようなことであって、それならば明快であるということになっていたのです。あなたが、いまこれだけ必要だ、現在電話が使われる、そう言われることは十分知っております。だからこそ、われわれもそれに協力するために、いろいろ間違ったやり方をしてはいけませんぞと、こういうようなことに対する質問をしておるところなんです。三十六年のころにあなたが縦横に国会内を走って歩いたころの見解と、あなたがいま言った見解は違っておるのです。いつの間に成長して、電話局からはかるようになったのですか。あれは引き込み柱からはかることになっていたじゃありませんか。いつの間に電話局からになったのですか。その根拠を明確にしてください。
  124. 武田輝雄

    武田説明員 三十五年の改正の当時は、加入者がほんとうに専用されます引っ込み柱以下の、他に転用されない部分といったようなことで一万円を出したわけでございます。今回はそれでは足りませんので、その設備料の額を上げさせていただきたい、そうして、その上げるにつきましては、ここにあるように、三万円あるいは二万円にさせていただきたいわけですが、それは全体として三十六万円要っておる、また、線路だけでも六万円要っておる、たまたまその額は全体の一割弱、線路費の半額というわけでございます。現在の電話のサービスの状況、あるいはまた利用の状況その他から見て、この程度の額に改めさせていただきたい、こういうふうにお願いしておるわけであります。
  125. 島本虎三

    島本委員 それは十分わかりました。わかりましたけれども、私の質問に対して全然答えていない。  では、試みにもう少し先にいきますけれども、そういうように必要にして万やむを得ず——どうしてもこれは必要だというならば、その設備料の定義を、そういうふうにして無理して変えないで、いままでは一万円ですが今度三万円にする、この一万円ですが、どうしても必要ならば、この一万円は一万円にして、そうしてその理由を付して国会でこれを審議してもらって何とかしていただきたい、こういうようなのが、国民に対してこたえる一つの道ではないかと思うのですが、それが考え方を変えて、こうなるから必然性があるんだ、理由があるんだ、引き込み柱から来たのが、電話局から来る。そのうちに、今度地球の向こう側から来るようになるのじゃありませんか。そういうようにいつでも変えられて、これが正しいんですと言ったって、いつでもわれわれはそのことばをそうですかと聞きませんよ。そういうようなことからして、やはり必要ならば、これが必要なんだ、そういうようなことで一万円は一万円、これではだめなんだというのでそれはやったらいいじゃありませんか、無理やりにこじつけて解釈を変えなくても。それほどわからない小林郵政大臣じゃないじゃありませんか。私は、そういうような点で、必要なのはわかりましたが、答弁はわかりません。  それで、今回の創設費の一部負担、これは大臣申されましたが、それを含める、こういうことになってまいりますと、創設費とは何なんでございましょうか。これはひとつ、具体的に説明していただきましょうか。
  126. 北原安定

    ○北原説明員 お答えいたします。  当該年度建設投資をいたしました総額を、その年度におきまして増設いたしました加入数で割ったもの、すなわち、一加入を新設するために要する経費、それを創設費と呼んでいるわけでございます。
  127. 島本虎三

    島本委員 でありますと、創設費は、建設費を加入電話数で割ったもの、加入電話の増設数で割ったもの、こうなりますと、建設投資の中身が今度また問題じゃないか、こういうふうに思うわけですけれども、これはいかがなものでございましょう。純粋に加入電話にかかる建設費を対象にすべきである。そうなりますと、総裁、データ通信なんかもこれに入らないというのは、またおかしくなってくるじゃありませんか。総数で割ったということになったら、当然入ってしまうじゃありませんか。
  128. 米澤滋

    米澤説明員 いま北原君が非常に簡易に言ったのでありますが、正確に言いますと、電話の架設に要り用なものを電話加入者で割ったもの、ただ、その場合に、農村集団自動電話のようなものが入ってまいりますと単金が変わってまいります。したがって、正確に言いますと、たとえば農集の場合には単金が九万円なら九万円、一般の加入電話では三十六万円、それが加重平均されてまいりまして、年度によって若干割った数が変わってまいります。ものさしとしては、加入電話を使ったほうがわりあいにわかりいいものでありますから加入電話に帰納しておりますが、データ通信は除いていくべきものだと思っております。
  129. 島本虎三

    島本委員 除いていくべきだと思います。しかし、現にこうやっているものには当然入っているじゃありませんか。
  130. 北原安定

    ○北原説明員 ただいま申し上げました私の説明は、三十五万円という創設単金について御説明したわけでございまして、その三十五万円というものは、四十二年あるいはそのころのものでございます。データ通信というようなものは四十三年度から入ってまいったものでございまして、百二億というものを外に置いてやりますと、大体これも三十五万円程度になります。予算的にはデータ通信は百二億、それを除いて計算しまして出しております。
  131. 島本虎三

    島本委員 そうなりますと、この創設費は、年度ごとにいつも変わってくるということになりますね。
  132. 北原安定

    ○北原説明員 創設費というものは、本来、年度ごとに変わるという性質よりは、その電気通信サービス、提供していきますサービスの内容によって本質的に変わってくるものでございます。したがいまして、自動式の電話をうんとふやすとか磁石式の電話をふやすとかいうことによりまして、その年度にふえていきます電話の質によりまして創設費というものは変わってくるのでございます。私どもは、かねてから自動化あるいは全国即時化ということを、年度計画のほかに五カ年計画という姿でやってきておりますので、そういう意味から見ますと、サービスの改善が付加されまして、年とともに若干ずつ増加する傾向にあるわけでございます。
  133. 島本虎三

    島本委員 その点はわかりました。わかりましたけれども、いつも変わってくる性質のものでありますから、そういうようなこととあわせて、私どもとしては、毎年変更しなければならないような状態では困るじゃないだろうか、やはり定義ははっきりしておかなければならないし、初めに私が申しましたようなこの設備費の定義、それはあくまでも三十六年に田邊委員答弁されたその時点で統一しておいたほうがいいのじゃないか、こういうふうに思うわけなんでございます。そうでないと、またまたいろいろ変わってくる。こういうようなことであったならば、それでなくてもいろいろ複雑な要素があるのに、その点等においてもわずらわしゅうございますが、やはり三十六年のあの時点において、引き込み線からうちまでのもの、さらに宅内のいろいろな費用の均等になったもの、こういうような解釈に統一されておいたほうがいい、こういうふうに思うのですけれども、この点は大臣いかがでございますか。
  134. 小林武治

    小林国務大臣 これは、お話しのように毎年固定すべきものじゃない。やっぱり三十五万円だか六万円だか知らぬが、これはずっと先まで同じでいくような性質のものじゃないと思う。工事費がやっぱり違ってきます。工事費が違ってくるということになってくると、さっき三十六万円の一割近くだとか、あるいは局からの六万何千円の半分近くだなんという説明はだんだんつかなくなるから、これは変えなければなりません。三万円というものは、全体の三十六万円が変わってくればこれも当然変わってくる、こういうふうなことになって、実は、ますますこの説明ができなくなる。だからして私は、今後の問題として、とにかく工事の対価の一部を負担してもらうというふうなことに、これから将来の問題として考えなければ、もう説明できなくなる。これはいままで引き込み線だったのが局まで持っていく、今度は、あなたがおっしゃるようにどこまで持っていくか、こういうふうなことで、これは非常にむずかしい、説明のつかないような問題になってくる。したがって私は、立法論的にも、いままでの説明に——そのまま将来にわたって持っていけ、こういうお話もありますが、持っていったのでは、ますますこれはつじつまの合わない問題になる。  たとえば、今度なんかも、これは内輪話でありますが、三万円でなくても五万円にしろなんて話も出たことがあります。それならまたどういう説明をつけるか、こういうようなことにもなるのでありまして、この設備料の定義というものがむずかしくなってくると思うのであります。したがって私は、いま申すように、立法論的に何かこれをきめ直さなければならぬじゃないかというふうに考えております。
  135. 島本虎三

    島本委員 はっきりさしたほうがよろしいということで、私も定義をいたしました三十六年のころのやつが望ましいと思っております。  それと、大臣に再び本会議質問の解明のできない点を質問したいのであります。それは、公共料金の一部である、こういうようなことになりましたから、そうなりますと、当然一挙に三倍の値上げになるようなものは、これはますます類例を見ないような暴挙である、こういうようなことに相なってまいるわけでございます。いままでずっと、昭和二十二年から四十二年までの間、公共料金値上げの推移を見ましても、昭和二十二年、二十三年、せいぜい二十四年までの間は、いわゆるインフレの時代であります。このインフレの時代にあっては、郵便料金の場合には二九七%二十三年に上がりました。電報電話料金の場合には、これはやはり四〇〇%も上がったという例がありますが、それ以後はほとんどないのであります。今回の場合は、そのインフレのころと同じような状態の、一挙に三倍の値上げとなる、こういうようなことになりますと、やはりこれは類例を見ないような暴挙である、こう言わざるを得ないようなことになるわけであります。先日の大出質問に対しまして、諸外国の設備料について武田営業局長から答弁がございました。しかし、これは、私も聞いておりましたけれども、都合のいい部分だけをあなたは答弁されたのであります。しかしながら、外国には債券がありませんから、単にそれだけを比較してもわが国の設備料の引き上げの理由にはこれは断じてなるものではございません。その説明さえも、日本にとって不利なところはあなた省略なすっておるわけであります。そうなりますと、この際考えなければならない点が一つ出てまいることになります。英国では、これは総裁はじめ十分御存じだと思うのですけれども電信電話料金の引き上げがやはり問題になっておる。その案でも十ポンドを二十ポンド、すなわち二倍にすること、それですら一万七千円程度なんであります。これから見ても設備料の三万円というような点は少し高きに過ぎるのじゃないか、こういうように言わざるを得ないのでありますけれども、この点につきましてはいかがなものでございましょう。
  136. 米澤滋

    米澤説明員 先ほど電話一つ架設する場合に三十五万円かかるという話が出ております。この第一次五カ年計画あるいは第二次、第三次を見ますと、一次のほうが確かに安くて、だんだんサービスの内容が高まるにつれてふえておるわけなんであります。  ところで、いまの三万円の問題でありますが、一万円に対して三万円というのは確かに三倍なんでございますが、その間、国民所得がふえておるという問題も考えに入れ、また、実際佐藤喜一郎氏の調査会におきましては、五万円なりあるいは十万円取ったらどうだという意見も出ておったのでありますが、それではあまりひどいというので三万円になったのでありまして、その差が二万円というふうに考えれば、いまの三十五、六万円かかる電話架設に対して一部を持っていただく際に、二万円ふえるのはこの際納得していただけるのではないかというふうに考えております。
  137. 島本虎三

    島本委員 同じくこれは大臣にお伺いいたしますが、前に本会議で私も——昭和四十八年三月三十一日までに廃止する時限立法であるところの電信電話設備拡充のための暫定措置に関する法律というものと今度の設備料とはセットにつくられておる。そうなりますと、時限立法の期間中に一つ設備料だけを引き上げるというような方法は妥当ではないのじゃないか、法的にもこれは妥当じゃないのじゃないか、こういうふうに思えるわけなんです。これはまさに政策の転換を意味するものだ、これは本会議で私も聞いたわけでございます。しかし、私もこういうふうにしていろいろやってみますけれども、これは四十八年になったら廃止しなければならない。それで公衆電気通信法とは別だというならばこれは別々でありますけれども、セットにして、これが昭和三十五年四月二十八日から実施されているわけなんでございます。そうなりますと、ここに二つの点が問題になって当然出てくると思います。  それは、設備料は三十五年四月に債券の引き上げ、すなわち暫定措置法によってきめられたもので、その趣旨は、電話架設の費用をやむを得ず債券という形で負担してもらうことであったはずであります。そのかわりに負担金と装置料を軽減する、当然こういうようなことであったはずでございまして、そうなりますと、当時の資料によりますと、一級から三級までの間で一万一千円の実質負担が軽くなる、こういうふうにいわれるものでありましたし、これは当時においては当然賛成すべきものでもあったかもしれません。しかし、債券と設備料というものがセットであったというこの考え、これと、それから時限立法であるのに、それをその期間中に別々に変えてしまうということは、私は妥当じゃないと思うわけですけれども、この点は大臣、いかがでございますか。
  138. 小林武治

    小林国務大臣 私も必ずしも妥当とは思いません。要するに、ここにも観念の混乱があるわけです。いまの設備料と債券と、これを外部資金としておるならば、これを取るならなぜ債券を減らさぬかということを私は言うたことがあります。債券を減らすのはあたりまえじゃないか、一方は利息のつく金で一方は利息がつかぬ金である。だから、この二万円はいまの外部資金とすれば純増になる、こういうこともいわれるのでありまして、この点も私は債券となぜ関連させないかという疑問を持ち、質問もしたこともありますが、そこにまた観念の混淆と申しますか、料金とすれば債券を減らさぬでもよかろう、こういうふうなことがあるわけでありまして、ここでも考え方が少しごたついておる。  いずれにしてもこれは非常にすっきりしない考え方であって、この際は、結果的には島本委員のおっしゃるとおりセットになってしまっておる。そうだとすると、料金はおかしいじゃないかとまた堂々めぐりの議論が出てくるのでありまして、要するに、この問題については、ひとつ考え方を何らかの形できめなければならぬ、今後改めなければならぬのじゃないかというふうに私は思います。
  139. 島本虎三

    島本委員 まれに見るりっぱな答弁でございます。それ以上私はこの問題は追及いたしません。それは変えるべきだというふうに思いますから、十分御検討願いたいと思います。  同じくこれは郵政大臣に、十八日の本会議におきましてのあなたの答弁で私ちょっとわからぬ点がございました。これは私書き写してまいりましたが、基本料の問題でございます。  現在電話局は十四段階に分けてそれぞれの基本料をきめておるのであります。しかし、このきめ方は、私は、以前の電話の架設数の少ない時代にできたものでありまして、必ずしもいまの時勢に合わない、こういうことを考えておるのでありまして、次の機会においてはこれらの十四段階というものをもっと簡易化して、いまのお話しのような事態がひんぴんとして起こらない措置を講じたい、かように考えておるものでございます。これはあなたのおっしゃったとおり——文をよくするためにちょっとてにおはを変えて読みかえたということはございますが、このとおりです。  これは一体どういう意味なのでございましょうか。この点をひとつお伺いしておきたいと思います。
  140. 小林武治

    小林国務大臣 電電公社料金をただ機械的に何%上げろなんという考え方はいけない、この料金というのが相当古い時代に属する、まだ電話の架設数がこんなにまで大きくならぬ時代にできた料金体系である、したがって、いまの級別もひとつ変えたらよかろう。級別というのは基本料の問題であります。それからして、市外通話もいまのような状態でなくて、変えるべき必要がありはせぬか、こういうふうに思うのでありまして、料金体系の合理化ということを電電の当局に私はお願いをしておるのでありまして、いま日本じゅうの電話を十四に分けて、いまのように年に百七十万も電話ができるということになると、ひんぴんとして階級を変えていかなければならぬ。これは料金の安定性からいうてもあまり好ましくない。したがって、間隔をもっと大きくして簡単にしたらよかろう、こういう考え方でございます。要するに、料金そのものは、全体の利用者に対する負担の公平のたてまえから、基本料市外料と度数料、こういうふうに分けて、これをどういうふうに分配したら料金の公平が期せられるかということになりますし、いまのように度数をうんと使うところは基本料は安くてもいいという考えがかえって出てくる。ところが、ろくに電話を使わないところは基本投資が大きくて電話を使わないからして、収入が非常に少ない、こういうことになると、そういう使い方の少ないところはどういうふうにして料金をいただくのかということになると、かえって基本料も上げなければできないのじゃないか。東京のように、こういうふうにどんどん使われるというところは、それだけの収益が多い、それがまた、今度のように二百万過ぎたらまた百円なり七十円なり上げなければならぬ、こういうふうなことが合理的でない、そういうふうな料金体系というものをひとつ直してもらいたいという希望を私は述べておるのでありまして、いまの基本料の問題も、いま私が申したようなことでございます。
  141. 島本虎三

    島本委員 したがって、この問題に対しては、その事務実施機関である電電公社のほうでは、いまの大臣の見解に対してどのようにお考えでしょう。
  142. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  ただいま大臣がお述べになりましたが、公社といたしましても、四十四年度概算要求郵政大臣のところに提出する前にこの問題を検討して、経営委員会にもはかってきめたいと思います。料金体系の合理化も含めて、料金修正を四十四年度にはお願いしたいと思っております。  その内容につきましては、確かに、いま大臣の言われたようなことも一つの重要な要素であると思います。また、度数料の七円を十円にするという問題もあると思いますから、それらも含めて検討したいと思います。
  143. 島本虎三

    島本委員 これで大臣、いよいよ最後になりました。  それで、私も実は、大臣が午前中見えませんでしたが、午後一時までやっておりました。やっておりましたけれども、いろいろ統一見解、こういうようなものの協議をする必要に迫られたりいたしまして、だいぶ時間をとりました。午後一時までかかったわけであります。そして、そこで一応大臣に対する質問だけを残していまになりましたが、それまでいろいろ申し述べられた点を総合いたしまして、いろいろ私が質問し、他の委員質問されましたけれども、この合理的な料金体系、こういうような質問で、総裁以下、電電公社のほうでは、昭和四十四年度には、ただいま申されましたように料金改定をしたい、こういうような答弁が見られたわけでございます。これは私としては納得できないと思うのであります。なぜか。  本会議においても、宮澤経済企画庁長官、それから当委員会におきましても、わが党の委員の方からそれぞれの質問がなされまして、検討してみたいという、こういうようなお答えが幾つかあったはずでございます。それをやはり検討した後にこれらの態度をきめるというのならばなんでございますけれども、四十四年に今度料金値上げしたいというほうが先に出ますと、検討即値上げのための検討ということになります。設備料を三倍にした、そのあとで、今度はこれは料金ということになりましたけれども、いままでは料金じゃない、こういうようなことのために、再びまた料金値上げを十分検討するということになりますと、国民立場から、これは容易に了解することができない点でございます。料金改定の必要があるのかないのかさえもまだきまっておりません。そうして、今後その検討は、大臣がわれわれの前にはっきり約束してあるわけでございます。また、この点等につきましても、経済企画庁長官も本会議で、大臣とも相談して善処したいということも言っておるのでございます。そういうような立場から、検討を約束はいたしましたけれども値上げの点に対しては、これは宣明されなかったはずでございまするけれども、これはもう公社当局が先に値上げを検討してもらいたいということになりますと、私どものほうではやはり困るのでございます。この点大臣、いかがでございます。
  144. 小林武治

    小林国務大臣 私は、電電公社仕事をまずきめて、その仕事にどれだけの金が要るか、その金の調達方法にはいろいろなことがあります。借り入れ金もあれば、加入者債券もありまするし、財政投融資もあるし、料金もある、こういうことだからして、これらを総合して考えなければならぬから、金が足りないから、赤字だからすぐ料金だと、こういうふうな理屈にはなりません。ことにまた、先ほどからお話があったように、今年度などは二百五十億円も黒字が出る、こういうようなことは予想しなかったことではあるが、とにかく、いまはいわば予定収入に対してたいへんな、三分何厘というふうな増収が自然に出てきている、こういう事実もありまするし、また、最近物価安定推進会議というところでは、この新規設備というものを料金の余剰金をもって充てることは適当でない、こういう議論もあるのでありまして、これらは当然将来にわたる負担として財政投融資、すなわち、端的に言えば借り入れ金をもってやるのが普通である、その利子を償却の形において料金に反映せしむべきである、こういう議論も出てきておるのでありまして、正直に言えば、もし新しい仕事でなければ、従来の施設だけであれば償却だけでできるということになるのでありまして、だんだん金が足りなくなるということは、新規架設が必要になってくるから金が足りなくなる、したがって、新規架設については料金の余りを充てなくもいいじゃないかというのは、民間事業についても当然そういうことがいわれておるのであります。  こういうふうなことからしましても、ただ架設等について、金が足りないからすぐに料金値上げにいくというふうな論理にはならないというふうに思うのでありまして、いかにこれらの資金をいまのいろいろの資金調達方法の中にあんばいするか、こういう問題もあるから、経営あるいはいろいろの資金の調達の能否あるいは是非、こういうようなことからいろいろなことを検討しなければ、料金値上げということには、すぐには結論は出ない。われわれとしましては、こういう万般のことをひとつ検討をいたしましょうということを申し上げておるのでございます。したがって、ここで公社当局は料金値上げをと、こういうことは公社の御希望でありますし、これに対して政府がどういう態度をとるかということは、今後また政府の問題になる、こういうふうにひとつ御理解を願いたいと思います。
  145. 島本虎三

    島本委員 これで終わることになりますけれども、いろいろ午前中からの質問でもおわかりになったとおりでありまして、私もある程度理解は深めました。深めましたその中でも、やはりこの設備料金、これに対する考え方、それと同時に、これとセットになっている債券の問題、こういうようなものも考えなくてはいけないという点、設備負担金を取ったり債券を取ったり、中途はんぱに方針を転換したり、こういうようなことは、やはり大臣が言うとおり、望ましくないことでございます。しかしながら通信を、将来の農集の問題を含めて、一元化の原則の上に立って強力に運営するということは、これは重要なことでございます。これを十分やっていかなければならない。それで、やるためには、ただ単につけやすいところにつけ、設けやすいところだけ設けて、そうして住宅電話あとにする、こういうような考え方じゃなく、私どものほうでも、現在の料金を上げなくとも十分これは運営できるという方策もないわけではございません。考えているのであります。万機公論に決する意味においても、いろいろそういう機関等を使いまして、そうして国民のために重要なこの電信電話の運営の全きを今後期してもらいたい、このことを心から要請しまして、大臣にその善処をお願い申し上げまして、私の質問を終わる次第でございます。  ありがとうございました。
  146. 田澤吉郎

    ○田澤委員長代理 米田東吾君。
  147. 米田東吾

    米田委員 私は、前回の委員会に引き続きまして、きわめてこまかい問題でありますけれども電話の過密過疎の対策という点で公社当局の御見解をお伺いしたいと思います。  前回は農村集団電話施策につきまして御質問をいたしておりましたが、その途中で終わっておるわけでございまして、引き続きこの関係から御質問を申し上げたいと思います。  前回の御説明によりますと、農集電話の架設あるいは試行等にあたりましては、現在公社が持っておられる設置基準あるいは契約約款の第六条第二項の制限の緩和、こういう点につきまして十分御配慮なさっておられるということが御答弁として出されておるわけであります。このことを確認いたしたいと思います。  次にお伺いしたいのでございますが、この農集の電話の義務負担になっております債券の消化の関係等につきましては、現在どういうふうになっておりましょうか。というのは、農集の申し込みにあたって負担すべき債券の額と他の共同加入等による申し込み者の負担の額との均衡は保たれておるのか、どういう関係にあるのかということが私の知りたいところでありますから、現在農集等については、どの程度の債券の義務負担をさせられておるのか、それから五共同程度の加入にあたってはどの程度の負担をしなければならないようになっているのか。この点、まずお聞きしたいと思います。
  148. 武田輝雄

    武田説明員 農村集団自動電話は、三十九年から開きました制度でございますが、当時、農山村におきます集団的な電話需要に対しまして、なかなかこの需要に応じていく道がない、しかしながら農村におきます電話架設の需要がきわめて熾烈でございますので、何とかしてその需要に応じていく、そのためには、できるだけ創設費を安い方法によって、しかも、サービスといいますか、通話品質を落とさないでやっていくということを考えたわけでございます。  その方式といたしまして集団住宅電話という制度を設けたわけでございますが、集団住宅電話は、そういう形で農村の急激なる集団需要に対して早急に応じていくというふうな趣旨のものでございますから、電話局から先の工事費につきましては債券と設備料とで大体まかなわしていただくというふうな考えで、設備料は一万円、債券は六万円というふうにいたしたわけでございます。  なお、現在拡充法によりまして債券の引き受けが義務づけられておるわけでございますけれども、この債券引き受け額は、級局によって異なっております。たとえば、二共同の電話で申しますと、八級局から十四級局までは五万円、六級局から七級局までは三万円、一級局から六級局までは一万円という額になっています。その点からしますと、確かに、農村集団自動電話のほうが債券引き受け額は高くなっておりますが、それは、いままでのように共同電話とか単独電話ではなかなか電話はつかない、特に集団的需要に対してはつく方法がない、それを救済するための制度として設けたものでございますので、債券額は、一般の共同電話比較して高くいたした次第であります。
  149. 米田東吾

    米田委員 大体わかりましたが、たとえば、五共同程度になりますと五千円という債券引き受け額になっているというふうに聞いているわけです。もちろん、これは何級かという級局の関係もありましょうが、五共同で五千円、農集は、いま御答弁がありましたように六万円、質的には、御答弁がありましたように、これは多少の相違はありましょうけれども加入者立場からいたしますと、なかなかそうは受け取れないと思います。この差はあまりにも多いのではなかろうかと思いますが、いかがでございましょうか。
  150. 武田輝雄

    武田説明員 農集は、ただいま申し上げましたように、農村における電話架設の熾烈なる集団的な需要に対応するためにつくった制度でございまして、大体、いま申し上げましたように電話局から先の部分、すなわち、農集独自の部分は債券と設備料とでまかなわしていただくということで、おっしゃいますように、多数共同に比較しますと債券は非常に高くなっております。しかしながら、先日も申し上げましたように、多数共同あるいは単独にかかわらず、加入区域内でございますと、線路の創設に要します実費を線路費としていただくということにいたしております。区域外ですとこの額が相当高い金額になると思います。なお、使用料等につきましても、区域外の付加使用料を取らない、あるいは同一市町村内であれば、電話局を異にしておっても、一つの農集を設置して、この間は自動中継で、市外通話を取らないで通話ができるというふうな制度にもいたしておりますので、確かに、債券の点につきましては差はございますが、そういう制度全体として見て比較をしていただく、また、たとえば架設が早くできるということも勘案して比較していただきたいと思うわけであります。
  151. 米田東吾

    米田委員 それは論争になりますからやめますが、たとえば使用料なんかにつきましても、農集と他の同程度の単独加入の関係比較いたしますと、相当開きがある。いずれにいたしましても、こういう関係をそのままにして、ただ、農村集団電話については、この第四次計画の中で幾ら幾らつけるといわれましても、結果的には、今日までの実施の比率で明らかでございますように、計画どおりいかないということになりはせぬかという懸念をいたしておりますので、その点だけ申し上げて、これは総体的に何かひとつ方法を考えてもらわなければならぬのではないか、こういうふうに提起をしておきたいと思います。  次に、使用料関係で有線放送との関係が出てまいりますが、ここでお聞きをしておきたい。  これは新聞の記事で、私は不勉強から知らなかったわけでございますが、公社線から有線放送を使って通話をする場合、有線放送から公社線につながれる場合は公社使用料が払われるけれども、逆に、公社線から有線放送の加入者のほうにつなぐ場合は、公社からは使用料は払われておらない。そういうことで、これは三月二十三日の日本農業新聞でありますけれども、こういう問題が出されました。この新聞によりますと、要するに、公社だけが取って、公社が払っておらない、その額が年間約十億円というふうにいわれておるわけであります。この十億円が妥当かどうか、私、計算しておりませんからわかりませんけれども、いずれにしてもそういう不均衡がある、こういうふうに指摘をされておりますし、このことは、電電公社の営業規則に、公社線と接続した有放電話公社料金を請求してはならないときめてあるこの営業規則が問題だ、というふうにも指摘をしておるわけであります。この事実について、公社のほうから御説明をいただきたいと思いますし、このことについて、何か対策をお持ちでありましたら、あわせてお聞かせいただきたいと思います。
  152. 武田輝雄

    武田説明員 有線放送電話は、昭和三十二年に有線放送電話法が制定されましてできました制度でございます。この有線放送電話は、法律にもありますように、あくまでも、電話の普及がおくれている地域であって、しかも、同一市町村内の緊密な関係のある地域の連絡手段として制定されたものでございます。  それで、この有線放送電話につきましては、その設置された地域内においてしか放送通話ができないというふうになっておったわけでございます。そういうふうな性質の有線放送電話でございますが、この有線放送電話を利用して公社の一般加入者との間に通話ができるようにしてほしいという要望が強く起こってまいりましたので、昭和三十八年に公衆法の改正が行なわれまして、新だに三章の二、「有線放送電話接続通話」という章が設けられたわけでございます。  そこで、この条項によりますと、公社といたしましては、電話局から有線放送の交換台まで公社の線路を引っぱってまいりまして、その線路を通じまして、有線放送の方々が市内通話ないしは市外通話をされる、そして、その通話の種類は、市内接続通話市外接続通話とに分かれておりますが、もちろん、その市外接続通話につきましても、有線放送の持つ特性あるいは技術的な面から一定の範囲に限られておりますが、いずれにいたしましても、そういうことで通話ができるようになったわけであります。公社といたしましては、その通話——市内通話あるいは市外通話に対します対価といたしまして通話料をいただいておるということでございまして、有線放送の方々から通話される場合には、有線放送の方々に通話料をいただきますし、一般の人から有線放送電話にかけられます場合には、一般の方々から通話料をいただく、こういう形にしておるわけであります。
  153. 田澤吉郎

    ○田澤委員長代理 ちょっと理事者側に申し上げますが、御答弁は簡潔に要領よくやってもらわないと、時間がかかりますので、お願いします。
  154. 米田東吾

    米田委員 肝心のところなんですが、公社電話加入者から有線放送の加入者のところへ通話をする場合は、公社はその有線放送のほうに使用料を払っておらない、それから逆に、有線放送の加入者公社のほうの電話加入者通話をする際は、公社はちゃんと料金を取っておる、こういうことがあるのかないのか。それから、あるということであるならば、そういう理屈は一体通らぬではないかと、私は端的に思うのでありますけれども、どういうところに問題があるのか、こういうことです。
  155. 武田輝雄

    武田説明員 公社から有線放送の電話業者のほうへ金を払っておるということはございません。  それで、これはPBXの場合にたとえて御説明さしていただくとわかると思いますが、PBXには、加入者が自分の金で設置されるものがございます。いわゆる自営のPBXというふうにいっております。この自営のPBXを通じて通話される場合に、PBXから外へ出る場合の通話料は、公社は自営のPBXを設置される加入者からいただきます。一般加入者が、自営のPBXを設置している加入者、PBX加入者通話をされる場合には、一般加入者からいただく、公社はあくまでも通話料をいただいておるだけでございまして、この場合にPBXの方々に金をお支払いするということをいたしておらない、同じような意味におきまして、有線放送についてもそういう扱いをいたしておるわけあります。
  156. 米田東吾

    米田委員 それは局長、ちょっと理屈が通らぬじゃないですか。自営のPBXというものは、これは初めから相手のほうがそれを承知をして、そうして公社のいろいろな保護といいましょうか、あるいは指導といいますか、保守といいますか、それらのものをみんな契約の中に含めてやっているわけでありますから、これは総体的に見れば公社線の一部だ。いわば公社電話の一部だ。有線放送の場合は違うでしょう、名のとおり有線放送ですから。そのように違うということと、それから、幸いに公社線とつないで通話できるように、とりあえず暫定措置としてはなっている。主体になる有線放送はPBXと全然異なるものだと私は思うのでありますけれども、どうしてそれをごっちゃにあなたは考えておられるのですか。
  157. 武田輝雄

    武田説明員 設備の形態として見ておりますので、例として申し上げたわけでございますけれども、いずれにいたしましても、有線放送電話公社線に接続されました場合に、公社といたしましては、有線放送業者に対して、市内通話ないしは市外通話サービスを提供しておる、したがいまして、市内通話料ないしは市外通話料をいただいておる、こういうことでございます。
  158. 米田東吾

    米田委員 営業規則の何条かは書いてありませんけれども公社線と接続した有放電話は、公社料金を請求してはならない、この規定はあるんですね。
  159. 武田輝雄

    武田説明員 公衆法の五十四条の三には、公社は、有線放送電話に関する法律によって措置されました有線放送電話の交換設備までと、それから局交換設備の間にこれを接続します公社電話回線の設置をいたしまして、これを通じまして「有線放送電話設備による通話に関し公衆電気通信役務の提供を受ける契約の締結の申込みを受けたときは、公社予算の範囲内において、その申込みの全部を承諾しなければならない。」ということになっておりまして、あくまでも有線放送業者が、公社に、電話局かち自分の交換台まで線を引っぱって、それによって通話できるようにしてほしいというふうな契約を締結しておられるわけでございます。  したがいまして、いま私が申し上げましたように、あくまでも公社は、有線放送から出ていくものについては有線放送電話加入者から、有線放送に入るものにつきましては一般加入者から手数料をいただいているわけでございます。そして、営業規則におきましては、接続通話契約者は、有線放送の接続通話にかかわます有線放送電話設備の運用にかかる部分の役務についての対価を、公社または有線放送接続通話をする者に対し請求することができないというふうに書いてございます。それは、公衆法の規定を受けてそういうふうに書いてあります。
  160. 米田東吾

    米田委員 大体そうだとしますと、新聞の記事は正しい、こういうふうに理解ができるようであります。  私は、局長にお聞きいたしまして、言われることはわかりますけれども、あなたのほうの公社電話加入者が、有線放送を使って有線送放の加入者電話をされる場合、同じ理屈で、有線放送のほうの維持費なりあるいはいろいろな負担ということで、一定の定めによるところの通話料を払う、使用料を払う、これをあなたのほうは取っていると同じ理屈で当然成り立つのじやないですか、この関係は。あなたは、契約のときに、何かそういうようなことについてあらかじめもう認めたようなかっこうで契約をなされておる、こういうふうにおっしゃっておられますけれども、そういう関係では、どうも私は不十分なように思います。ですからこれは、有線放送のほうの全国的な有線電話協会、こういうようなところが大々的に、不公平な扱いについて何とかこれは公平を期してもらわなければならない、場合によれば、法律や規定の改正もしてもらわなければならないということでいま立ち上がっておられるのじゃないか。公社のほうに、いままでこういう話は来ておりませんか。
  161. 武田輝雄

    武田説明員 その新聞は承知いたしております。それからそういう話は、この法律ができます当時におきましても、市内通話のうち、幾らかを還元してほしいとか、そういう話はございました。しかしながら、公社といたしましては、あくまでも有線放送の交換台まで電話線を引っぱっていって、それによって通話をされるわけでありますから、一般の加入者がされると同じように、公社は市内線も要りますし、市外線も使いますし、そういう形で市内通話料、市外通話料をいただいている、こういうことでございます。
  162. 米田東吾

    米田委員 時間をとってもしようがありませんから、いずれにしても、大体こういう点についての何かやはり措置を必要とするような事態だけは明らかになったと思います。  これは大臣からひとつ御見解を聞かしてもらいたいのでありますけれども、とにかく、農村公衆電話等につきましては、第四次計画の中に百三十万個、また、四十三年度でもそれぞれあなたのほうでは予算要求をされて、とにかく普及をはかるという計画だけは出されておりますけれども、いまお聞きしたような面で、たとえば債券負担あるいは使用料、それからいまの通話料に類する使用料の負担、こういうような面で、いろいろとまだ隘路といいましょうか、問題があるようでございますが、私は、やはり計画どおりおくれておる農村にもっと徹底をしなければならない、そういう見解を持っておりますので、完全に消化されるだけの必要な公社としての手当てというものがなされなければならないと思うのでありますけれども、いま御答弁いただきましたような限りで、まだいろいろ手が抜けておりますけれども、この点について大臣から、特に何か積極的な対策というようなものをお示しいただけないか、また、公社に対して、所要な改正が必要なら改正をする、あるいは公社として弾力性があるなら弾力性を十分発揮して解決をする、そういう点についての御指示がなされていいのじゃないかと思いますけれども大臣の御見解はいかがでございましょうか。
  163. 小林武治

    小林国務大臣 いまいろいろお話がありましたが、要するに、農集電話というのは、まだ正式に認めておらない、こういうかっこうは、私ははなはだ悪いことだと思うのであります。  実は、ことしのこの改正案の中にこれを制度としてぜひ入れたいということを私は強く指示したのでありますが、他にもこういう集団電話があるから一緒に直したいということで、この際は見合わしておるので、ことしの暮れの国会等には、私は、ぜひひとつ農集電話というものを成規の制度として認めたい、その認める際に、いまいろいろおっしゃったような欠陥も是正しなければならぬし、それから、いま私が地方を歩きましても、実は、加入電話よりも農集のほうをよけいに希望されて、方々の電話局にいくと、農集がほしい、こういうことでいろいろな要望があることも私は知っております。また、四十三年度増加も、加入電話は百四十万個に対して七万個しかふえませんが、一方は二十万個に対して五万個ふえている、こういうふえ率も非常にたくさんになっておりますから、今後、これらのことにつきましてはお話しのような措置をぜひひとつとってまいりたい、かように考えております。
  164. 米田東吾

    米田委員 わかりました。  次に、農村の公衆電話ですね。農公であります。農公についてお聞きしたいのでありますが、第四次計画では、農公については特に目標の数は示されておらないようであります。計画によりますと、必要に応じてつける、こういうことになっているようでありますし、無電話部落の解消、こういうことについても、これはかねての公社の公約でもございます。  農村公衆につきましては、特に次年度、それから第四次計画の中でどういう具体的な方針あるいは計画をお持ちでございましょうか、お聞きをしておきたいと思います。
  165. 井上俊雄

    ○井上説明員 お答え申し上げます。  四次計画の中には、数量的に五千個の農村公衆電話の純増を予定しております。この五千個は、実は最近の農村公衆電話の設置の状況を見てまいりますと、たとえば四十年度でまいりますと、四十年度では増設三千をいたしまして、減が二千、純増千、四十一年度は三千二百増加をいたしましたが、減がちょうど三千三百、これは公社といたしまして、いなかのほうの地域でサービスの改善をどんどん進めてまいりまして、たとえば自動改式等が行なわれます。そうしますと、従来加入区域外に設置しております農村公衆が加入区域の中に入ってまいりますと、これが自然に農村公衆から普通の委託公衆ないしは普通の公衆になる、こういう面がございます。むしろ、いなかのほうの地域のサービス改善のために農村公衆の減を出している、こういう実態から見まして、とりあえず毎年千程度見込んでおけばすべての御希望に応じられるのではないか、こういうことで五千個を計画面では載っけている、こういうことでございます。
  166. 米田東吾

    米田委員 実績から割り出されているようでありますが、全体としての四次五カ年計画のこの拡張の目標からいたしますと、ちょっとどうも、五千個というのは私は少ないように思います。これでは、農村における電話の普及という点で片手落ちではないかという気がいたします。一応指摘だけしておきます。  ただ、その農村公衆電話が純増としてあまりふえておらない。これは一つは、農集電話との競合の関係といいましょうか、農村集団電話が入ると、この公衆電話、農公は撤去される。最近はちょっと変わってきているというふうにも聞いておりますけれども、方針としてはそういう方針をお持ちのようでございまして、意に反して赤電話がとられていく、そういうようなことも聞いているわけですが、そういう点が一つの原因になっているということはございませんか。
  167. 武田輝雄

    武田説明員 いま御指摘のようなことが一部の地域であったことは事実でございます。そこで、本社といたしまして通信局に通達をいたしまして、農集がついたからといって農村公衆電話をはずすということは一切するなということを厳重に申し渡してございますので、そういうことはござしいません。ただ、受託者のほうで辞退される場合はこれは別でございますけれども、会社側のほうから積極的にはずすということは絶対やらないように注意いたしております。
  168. 米田東吾

    米田委員 それで、無電話部落の解消というこの公約は、この四次計画の中にどういうふうに生きていますか。いまの五千個で大体つじつまを合わせる、こういうことなのか、積極的に、解消になお意欲を燃やしていくということで取り組まれるのか、ひとつお聞きしておきたいと思います。
  169. 米澤滋

    米澤説明員 無電話部落の解消という問題につきましては、積極的にやりたいと思っております。  いま、五千個の問題につきましては、委託公衆電話全体で十一万二千個つけるということになっておりまして、もしも、農村公衆電話が五千個では足らなければ、その中でまたふやすということは考えております。
  170. 米田東吾

    米田委員 これも私は御指摘だけ申し上げておきたいと思いますが、現に、全国では約一万一千の無電話部落があるというふうにいわれておるわけであります。いま総裁の御答弁もありましたから、積極的に——これはやはり一つ電話社会性だと私は思うので、そういう点で、この解消にこれからも取り組んでいただくことをお願いしておきたいと思います。  あと、公衆電話関係について聞きたいのでございますが、どうも急いでおられますから、大事な点だけ聞いておきます。  委託業務の関係についてお聞きしたいのでございますが、郵政省のほうはおいででございましょうか。——委託業務の関係につきまして御質問いたしますが、かねて委員会等におきましても議論されておりますように、この第四次五カ年計画の遂行にあたりましては、主として電話の自動化あるいは半自動化、そういう関係で、現在残っておる特定郵便局の委託局がこの合理化の対象になって、結果として要員の問題が重要な課題になってくる、こういうふうにいわれておりますし、逓信委員会やあるいは社会労働委員会等におきましてもこの問題は大きく取り上げられて今日に至っておる状況でございます。  そこで御質問をしたいのでありますけれども、この計画の遂行にあたりまして、要員対策として、基本的にどのような方針をお持ちでございましょう。その点、まず公社のほうから御答弁がいただければと思う次第でございます。
  171. 山本正司

    山本説明員 ただいまの郵政委託局の要員受け入れ措置について御答弁申し上げます。  郵便局の直轄化に基づきます郵政省において発生いたしました過員を電電公社におきまして円滑に受け入れますために、郵政省公社との間におきまして、公衆電気通信施設の改廃に伴い郵便局において発生する過員の公社への受け入れに関する協定を締結しておるわけでございます。  そのおもな内容といたしましては、発生過員から退職予定数を差し引きました数の五五%、これは電話要員につきまして五五%、それから電信要員につきましては一〇〇%を受け入れるように公社から郵政局のほうへ提示するという受け入れ率の協定が一つございます。  受け入れ方法といたしましては、受け入れ提示局は、施設改廃局から最も近い電報電話局から優先的に受け入れ局所を提示してまいる、また、通勤地域外の受け入れ者に対しましては、公社におきまして責任を持って住宅を確保するというような対処方針を協定いたしております。このような方法で郵政局員の希望に従って受け入れまして、なおかつ、残過員が発生いたしました場合には、公社はこれに対する補償として、一定の経費を郵政省に支払うというような協定を結び、発生しました過員の受け入れの円滑化をはかっておるわけでございます。
  172. 米田東吾

    米田委員 パーセントはわかりました。  公社のほうにお聞きしますが、四十二年度末で、委託局の関係で、これからいわゆる合理化の対象になって残ったというのは何局ぐらいございましょう。これは公社のほうと郵政省のほうと、どちらでもけっこうでありますが、お聞きしたい。
  173. 井上俊雄

    ○井上説明員 四十二年度末で手動交換局として残っております局が約四千六百余りございます。
  174. 米田東吾

    米田委員 そうしますと、この四千六百が大体第四次計画の中で合理化される、ほぼそういうことになるわけでございますね。
  175. 井上俊雄

    ○井上説明員 その中で、去年の八月に策定いたしました四次五カ年計画の大綱の中では、約二千局を自動化する、こういう計画に一応いたしております。
  176. 米田東吾

    米田委員 あとその残りは、要するにその必要のない局でありますか。四千六百局といういまの御答弁でございましたが、二千局がその対象になる、残り二千六百局はその対象外の局だということでございますか。
  177. 井上俊雄

    ○井上説明員 本来、電話サービスのあるべき姿として、お客さんが単にダイヤルするだけで、どこでも、いつでもすぐつながる、これが標準的ないいサービスと思うのであります。したがいまして、何と申しますか、相当遠い将来には四千六百局の全部が自動化されることが望ましいと考えております。しかし、現実問題といたしまして、四千六百の局を全部やるということは、投資規模の面におきましてなかなかたいへんな面もございます。また、それらの局から発生してまいります公社関係仕事をやっていただいておりまする郵政職員の方々の処遇の問題もございます。それらを総合勘案いたしまして、二千局を自動化の対象にするということにいたしております。
  178. 米田東吾

    米田委員 この二千局に対する対象人員は何名くらいになるのですか。
  179. 井上俊雄

    ○井上説明員 約二万七千名程度であろうかと思っております。
  180. 米田東吾

    米田委員 そうしますと、約二千局、人員にいたしまして二万七千名、これがいわゆるこれからの第四次五カ年計画の中に要員の問題として解決されなければならない対象人員ということになってくると思います。  そこで、いまパーセントについて御説明をいただきましたが、実際に、たとえば四十一年度等の実績を見ますと、五五%どころか、大体三〇%程度しか電電公社のほうには——これは希望もありましょうけれども、配置されておらない、あと希望退職その他もありましょうが、非常に郵政省として、負担ということばは当たりませんでしょうけれども、過員として措置をしなければならない要員というものは非常に多い。要員対策として非常に苦労されておられるようなふうにも聞いておるわけでありますけれども、四十一年あるいは四十二年等の実績がもうすでにはっきりしておりましたら、四十二年とあわせまして、どんな比率で解決をされておられましょうか。というのは、五五%というこの電電公社郵政省と話し合いをして受け入れようという計画基本になっておるこのパーセントが消化されるのかどうかということを一応見きわめたいと思いますので、伺っておきたいと思います。
  181. 山本博

    山本(博)政府委員 四十一年と四十二年の実績を先に申し上げます。  四十一年度年度末の過員というのは七百二十八名でございまして、その内容は、発生した過員が約三千三百名、そのうち、公社へかわった者が二二%、それから退職した者が二〇%、それから郵政省の中で欠員に充当した者が一六%、それから現実に郵政省の過員になった者が四二%、そういうことで年度末約千四百七十名、これが過員になったわけでございます。それから四十二年度は、これはまだ年度末の最終の数字が明確でございませんので大体の推定でございますが、発生した過員が約四千七百名です。その中で公社に転出した者が三二%、退職した者が二四%、欠員充当した者が一四%、それから郵政省に過員として残った者が三〇%、トータルにいたしまして約千九百名が郵政省に過員として残るということになります。  いま申し上げた数字でお気づきになったと思いますが、四十一年度と四十二年度の大きな数字上の差は、公社に転出した者が二二%から三二%に上がったということでございます。それから退職した者が少し上がりました。結果といたしまして、郵政省に過員として残りました者が、四十一年度の約四〇%から三〇%に減った、こういう数字になっております。しかし、これの過員の解消というのは郵政省にとって非常に大きな問題であるということは、依然として解消いたしておりません。
  182. 小林武治

    小林国務大臣 これは、米田委員の御心配はそのとおりでございまして、実は、郵政省は非常にこの問題で困っておるのでございます。したがって今度の電電公社計画の自動化というものは、一人よがりでやってもらっては困る。電話そのものからいえば、これはある程度自動化することはけっこうであるが、郵政省における過員の問題がなかなか大きな問題であるから、十分郵政省と話しをしてもらって、場合によったら、そのテンポをスローダウンしてもらう必要さえあると私は考えておるのであります。公社の人たちもいま聞いておりますから、そのことを申し上げておるわけであります。
  183. 米田東吾

    米田委員 大臣のお考えも承りましたが、いずれにいたしましても、協定といいましょうか、公社郵政省とで約束されました五五%の消化、これはやはり一つのものさしになって、今後要員計画、要員関係をいろいろ折衝される場合の目標にまた当然なっていくべきだと思うのであります。ただ、いま郵政省の局長から御答弁いただきました現状における実績は、大体二〇%から三二%程度、こういうふうにお聞きをしておるわけでありますが、その現状がせいぜいで、三二%程度という実績の上に立って、公社側もひとつ最大限の努力ということで五五%ということを了承された。出すほうはとにかくといたしまして、これはたいへんなパーセントじゃないかと私は思うのです。で、目標だけは五五%というふうに約束はできたけれども、それだけ移行できる公社側の体制あるいは方策というものが伴いませんと、これは机上のプランにしかすぎないものになってしまうのではないか。現状としては二〇%から三二%程度、これでは全体として——郵政省とか公社とかにこだわりませんが、全体として計画は進まぬ、やめていくという者が、結果的には多くなっていってしまうのではないか。はっきり言えば、やめざるを得ないような職場環境というものが、郵政においても公社においてもできてきて、そうして、結果的には労働者がしわ寄せを受ける、こういうふうになりはせぬかということを心配をするわけであります。  そこで、公社のほうでは、どのような実際の内部体制、施策、とにかく五五%消化できるという施策をお持ちなんでございましょうか。そういう用意があるのかないのか。ありましたら、お聞かせいただきたい。
  184. 米澤滋

    米澤説明員 ただいま郵政省の人事局長から数字が出ました四十一年度に対しまして四十二年は若干改善されておる——私のほうも、実は通信局長会議などをやりました場合に、とにかく職場が違うし、職種が違うので、公社としても、いままで受け入れの努力が足らなかったのではないかということを反省しているわけでありまして、特に、昨年の暮あたりから、郵政局あるいは公社の電通局の間でよく連絡をして、積極的にこの問題に対して公社としても努力をする姿勢を強めるように指示してあります。私は、今後一そう郵政局と電通局の間の連絡を緊密にすることによって、この問題に対して努力いたしたいと思います。  それから、改式局の数の問題につきましては、これは個々のケース・バイ・ケースにつきましてなおよく調べて、ただ数が多いというのではなくて、ほんとうに国民に対するサービス、ネットワークというようなものを考え改式の局所を選んでいくというふうに考えております。
  185. 米田東吾

    米田委員 この問題に対しましては、昨年の十一月九日の社会労働委員会田邊委員が相当こまかく方針についてただしておるわけであります。その中に、いま私が御質問申し上げているようなことが実は言われておるわけでありますけれども、そのお答えの中に、当時公社側の職員局長でおられました山本さんがだいぶ具体的な答弁をされております。  一つは、従来以上に、いま総裁答弁されましたように、通信局に責任を持たせる、受け入れの目標を示す、積極的に通信局のけつをたたいてやろうということがあります。それから、郵政局との連絡を強化して、下部段階の電話局、特定局等の両者の意思疎通をはかり、相当早い段階から準備を進めて、スムーズにいくような対策を進めたい。それから、年間の途中においても、そういう移動等ができるような方針も考えていきたい。それから、郵政局の過員を、公社側への転出の希望があれば公社側の局所に受け入れるという、施設の改廃、そういうものとこの趣旨はあまりかかわりなく要員措置をやっていくようにしたい。それから、多少の過員は上積みをしてでも受け入れるようにしたい。新規採用にあたっては、電通のほうの職場訓練等も併用するようにして、なじみを深めるようにしていきたい。何か、そういう四つ、五つの具体的な項目にわたって公社側の積極的な施策が出ておるようでありますけれども、これは昨年の十一月九日の委員会であります。  今日の段階では、これより後退ということはないと思いますけれども、もっと積極的に、ここにしるされているようなこういう施策というものをお持ちだろうと私は思うのでありますが、それがございません。いま総裁答弁されましたけれども、ちょっと抽象的であり、総括的であると思いますので、所管の局長さんのほうからお聞きをしておきたいと思いますし、このことについては、郵政省のほうも十分合意をされておると思いますから、郵政省のお考え等も聞かしていただきたいと思うわけであります。
  186. 山本正司

    山本説明員 昨年の社会労働委員会で、ただいまお話がございました点について御答弁申し上げたわけでございますが、それらの各項目につきまして、具体的に、郵政省御当局と公社関係当局との間でいろいろ細部にわたっての打ち合わせ等いたしまして、前進を見つつあるわけでございます。  そこで、先ほど郵政省の人事局長から説明のありました受け入れ率の点でございますが、三十何%という説明であったと思うのでございますが、公社郵政省と結んでおります五五%という数字は、発生過員から退職者を差し引いたものに対しまして、公社が受け入れるとして提示いたしますパーセンテージでございまして、先ほど数字は、おそらく発生過員全体に対する割合ではないかと思うのでございます。  そこで、昨年夏以来、いろんな具体的施策を講じました結果、私のほうの推定によります四十二年度公社受け入れ率は四一%程度に上がるのではないかというふうに考えておりまして、前年度等からすれば、徐々に施策の効果があがってきておるというふうに考えておるわけでございます。今後もなお引き続きそういった施策をさらに推進いたしまして、郵政発生過員の受け入れについて効果をあげたいというふうに考えております。
  187. 山本博

    山本(博)政府委員 先ほど私が申しましたパーセントは、いま職員局長が申し上げましたように、退職の人員を除いたあとの五五%でございますので、一〇〇%に対する五五%ではございません。これは誤解がありますといけませんから、訂正いたしておきます。  それからこの問題は、先ほど申し上げましたように、郵政省としましては約千九百人の過員をかかえておるということで、要員の面からしますと、非常にむずかしい問題をたくさんかかえております。  これを解決しますには、いま話がありましたが、郵政省電電公社との間、それから郵政省と全逓労組、いわば郵政省における労働組合との問題、それから電電公社電電公社の労働組合との問題、それから郵政省の労働組合と電電公社の労働組合との問題、いろいろな関係がふくそうしておりまして、それぞれの筋でそれぞれに努力をいたしませんと、なかなか解決をいたしません。したがいまして、私のほうも電電公社との間に十分な意思疎通をはかりまして——往々にして、組織の上のほうでは意思疎通しましても末端でなかなか意思疎通を欠くこともあり、組合同士でもそうであります。官と組合とでもそうであります。そういう意味で、組合との間でも意思疎通をはかりましてこれに協力を求めております。そういういろいろな組織のところで、みんなでこの問題を固めていくという方向で努力をしております。
  188. 米田東吾

    米田委員 十一月九日の社会労働委員会における御答弁より上回った積極的な御答弁がいただけないようであります。これは、私の質問のしかたが悪い、もう一つは、時間がこんなになっておりまして、きわめて熱がかかっておらない、こういうことだと思いますから、いまの御答弁、不満でありますけれども、一応きょうはこれで打ち切らせていただきまして、あとで引き継がせていただきたいと思います。  なお、要員の関係につきましては大臣から御答弁がありましたが、もう申し上げることはありませんけれども、ひとつ、十分両機関で御協議いただきまして、要は、この対象がいままで困難だということで残されておりました山間部の特定郵便局、委託局、そういう関係でありますから、そういう周辺には電通のほうの職場がほとんどないわけであります。電通のほうの職場というのは、みんな中都市あるいは大都市であります。何里も通勤しなければならぬ、そういうふうな非常に悪条件のところに受け入れるということになるわけでありますから、これはなかなかたいへんな問題だと思いますから、どうかひとつ、両機関におきまして十分協議をされまして、要員問題でこの労働者にしわ寄せがないような御措置をお願いしておきたいと思います。  きょうはこれで終わります。
  189. 田澤吉郎

    ○田澤委員長代理 次回は、来たる十七日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後六時四十七分散会