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穗積議員 弁明でも申しましたとおり、論理的に非常にはっきりしておると、私は思うのです。第一、問題にされました
事前協議権について、提案権がいずれにあるかということについては、私が断定をしたのではない。そうではなくて、政府の答弁が、過去の正式な
委員会において、二つに分かれておるわけです。すなわち、藤山さんは、アメリカに提案権がある、こちらから要求するときは、第四条による随時協議権によって催促するのだ、こういうことになっておる。ところが、大平外務大臣並びに志賀防衛庁長官、このお二人は、
事前協議の提案権、提議権は当然双方平等にございます。すなわちわがほうにもありますということを明言しておられる。その不統一、混乱があったので
——政府側で、ですよ、私
たちと政府の意見の違いではありませんよ。政府部内でそういう不統一、混乱、矛盾が生じておるので、そこでわれわれとしては、この解釈は、当然提案権は双方平等にあるべきものと法理的に
理解すべきである、ということを私
たちは主張したわけです。それに対して東郷北米局長が、それは終始一貫いたしまして、条約解釈上アメリカにのみあって、こちらには
事前協議の提案権はありません、そういうふうに放棄して、断定的なことを言われたので、それは
日本の
利益を売るものである、すなわち
売国的答弁ではないか、首相はどうお
考えになりますかと、お尋ねしたのでございます。
それから第二の、
事前協議権を放棄することは、すなわち
基地の
自由使用の
意味であります。今日の
沖繩がそうであります。今日の韓国の
基地がそうであります。今日の南ベトナムの
基地がそうであります。あそこにおけるアメリカの作戦行動、司令官の行動については、ベトナム政府あるいは
沖繩の民政府、これは何らこれをチェックすることはできない、すなわち
事前協議権はない、これを
自由使用といっております。したがって、
事前協議権を放棄するかしないか
白紙で臨みます
——事前協議権は、安保条約体制の中で、わが国の重要な
主権の行使の唯一の場所であります。それだけが認められておる。いわば、
事前協議権を放棄して
基地の
自由使用を認める場合もあり得るということは、首相が交渉に臨むにあたって、アメリカとの話し合いの中で、場合によれば
主権を
相手にゆだねる。すなわちそのときの
主権の
内容は、具体的に言えば、外交、防衛に関する重要な権限をアメリカの一司令官にまかしてしまう結果になる。そういう
意味で私は申したのでありまして、
事前協議権の放棄もあり得るというようなことは
——これは非核三原則を
国会を通じて
国民に約束した。
憲法は必ず守らなければならぬということを言明をし、しかも
B52、ポラリスは
憲法に明らかに違反しますと、その
委員会で私に対して答弁しているのですよ。それでなおかつ
事前協議権すなわち
主権について
白紙ということは、これは国益を売るものでなくて何でございましょうかと、私は申し上げたのでありまして、そういうことはあり得べからざることである。相談の上できめるべきことではない。首相としては、非核三原則を踏まえ、
憲法を踏まえ、さらに
主権はあくまで完全
独立を目ざしてやるべきである。完全
独立こそが
愛国の前提であると、首相は言っておられるのですから、そんなばかな矛盾した間違いがあるでしょうかと、私は驚嘆をして、そんなばかなことがありますかと申し上げた。しかも私の言った
意味は、時間が制限されていましたから、全部読んでいただくと、先に、首相は、こういうのが私の
愛国心である、私は完全
独立でいきたい、いまのアメリカの依存体制を早く脱却したい、
ドゴールの例まで引いて、そう言っておられて、それを受けておるのですから、それが
愛国者ですね。
愛国首相を自認しておられるあなたは、そうではなくてその反対ですよ、すなわち
売国者ですよと言ったのでございます。それからさらに、いまおっしゃいました、
総理こちらを向きなさいと言ったのは、この間の外務
委員会でも、
総理のうしろで、私が重要な質問中に、ちょっと休憩なら休憩を求められて、そして外務省官僚と打ち合わせをされるのはいいけれども、ほとんど耳に入ってないのだ、私の言うことが、だから事務官が言うことをそのまま言うだけだから、重要な点だから、首相こっちを向いてよく私の言うことを聞いてもらいたいという
意味で、私は、こちらを向いてもらいたい、話をやめてもらいたいということは、しょっちゅう言っております。