○長野
政府委員 国と
地方団体との間の事務の分担という問題につきましては、
地方自治を育成強化する、また
地方団体のみが
行政の民主的な処理、総合的な処理というものが統一的に行ない得る、また最も現実の
事情によく適合した
行政を行なえる、こういうところとして最もふさわしいところだというような
考え方は、私
ども常に持っておるわけでございます。
都市
計画の
お話が先ほどございましたが、都市
計画につきましては、
計画的な面というものを、現在の交通や通信網の整備の状況からいいますと、これは無視するわけにはいかないわけでございますから、そういう
意味で市街化
区域とか市街化調整
区域とか、いろいろな問題を県のほうで
考えていくということは現実として認めざるを得ない。ただ、その中におきますところの市町村が、その中で具体化していきますところの都市
計画の分野というものは、
お話がございましたが、全部なくなっているというわけではありません。また、現在までの都市
計画は全く旧時代の産物でございまして、むしろ都市の
計画を建設
大臣がきめる、こういう形であったわけでございまするが、今度の都市
計画法によりますと、それを
府県なり市町村の
段階に持ってきたということでございますので、その点ではやはり現在の
地方自治といいますか、都市づくりが当該団体の手で行ない得るという——それは不十分な点もごさいますが、これは広域的な調整との
関係においてとらえなければならぬ面でございますので、これは非常な前進だと
考えるわけであります。
ただ、河川とか道路とかの問題になりますと見方がいろいろございます。ああいうふうに国に吸い上げられる形になったということについて、河川の管理とか道路の管理について適当でないという
考え方ももちろんございます。また同時に、河川の水源の
開発利用、あるいは道路の国道の整備、改良というようなものが非常に広域的に
関係を持つという点からして、広域的な処理を行ない得ることが必要だという
考え方も出てくるわけであります。そういう一面ではやはり
一つのネックは、そういうたびに問題になりますのは、現在の
府県では、その広域性を十分に確保できるほどの単位でないということが、実は各省がそれぞれの
立場から立案いたしますときの
一つの大きな理由になっているわけであります。
現在の
広域行政を十分受けとめるような体制をつくる、そのためにどういうことが
考えられるかといえば、私はやはり現在の
府県というものの発達
段階によって、それぞれ
地域によって違うと思いますが、たとえばそういう面の社会的、
経済的に一体的だと思われるところが非常に狭い範囲でおることは、やはり認められないんじゃないか、むしろそれは
府県という単位の範囲のほうから進んで広域化していくという道を開いていく、そして
府県が広域的な
地方団体として
広域行政を受けとめ得る体制というものを常につくり上げていくということが、やはり時代の要請にも適合するのではないだろうか。どうも変な話になりますが、
地方農政局あるいはいまの河川なり道路の
関係、
地方建設局、こういうものができますことについて、自治省としてそれが非常に適当で、もろ手をあげて賛成というわけでは決してなかったわけでございますが、現実の
府県行政と国政との
関連においてああいう事態が起きたということも、言ってみれば、この
広域行政体制の整え方が十分だと見るか十分でないと見るかということも非常に大きく作用しておるということは、これは無視することのできない問題だと思うわけでございます。常に吸い上げられてけっこうだと
考えておるわけではさらさらございません。むしろ、そういう
意味では、そういうものを受けとめ得る体制を
地方自治というサイドから
考えていきたいというのがこの案の
一つの大きなねらいだというふうに
考えておるわけであります。