○枝村
委員 あなたのいまの説明によれば、「
管理情報」あるいは「
管理者ニュース」といって
大臣官房の人事課から出されておるそういういわゆるパンフに書かれておるものと大体同じような
内容であります。言ってみれば、これは偶発的に起きた単純な事件である、こういうことが第一の言いわけになっております。
それから二番目には、
本人のこともいろいろ考えて示談で話を済まして円満に解決させよう、当局がこういう努力をしたにもかかわらず、いまあなたは言いませんでしたけれ
ども、全建労という
組合が中に入ってきてこれをぶちこわしてしまいました、こういうふうに当局としては考えておるわけであります。ところが、私
どもはいろいろこのことを調べてみました。それとは全く反対であります。いろいろな深い
原因があって起きた事件でありますので、単に酒を飲んでの突然起きたというようなものではないというように私
ども見ますし、当局でいろいろ行なったいわゆる示談の工作も、これは早くいえばもみ消しを一生懸命やった。しかし、もみ消しをやるというその前提になるのは、水内君のためを思ってではなく、なぐった清水課長の将来、身分を考えてのもみ消し工作であったという事実が明らかにされております。しかし、どうもきょうは時間がありませんので、そのことについてここでいろいろ私のほうから説明して追及していくことができないようでありますから、大まかにいってその二点について、具体的にはいきませんけれ
ども、もう少し私のほうから話をしてみたいと思います。
しかし、その前提になるのは、何といっても清水課長が水内さんをぶんなぐったという事実は、これは否定のしようがありませんのであなたもお認めになりました。しかし、その中にちょっと気にかかるのは、お互いに口論した、こういうふうになっております。それと、第一回目にばっくりなぐってその場から出ていかれて、そして第二回目に入るときに、清水課長は、やはり前におれがなぐったのは悪かったからあやまろうと思って入ってきた。ところがいきなり、あんたは私をなぐったねと言われたから、どうせ
一つなぐって悪いのなら、二つも
三つもなぐってやれということでなぐったと言っておりますが、一回目になぐったとき自分が反省しておるのなら、二回目に入ったときには――私、直接見たのじゃありませんけれ
ども、その反省の色を見せて二回目に入ってきたという、そういう事情ではなかったようであります。初めから、くそっという気持ちで二回目も入ってきて、そしてかっかなっておるところに、あなたは私をなぐったねと水内さんから言われたために、そういうかっかなった上にまた火を注がれたような結果になって、そしてああいうきわめて強い暴力行為が行なわれたというように私
どもは見ておるわけです。でなかったら、反省の色が少しでもあったら、ただそういうことを言ったからといって、六回も七回もなぐるというようなことはないはずです。ですから、そこには清水課長は一片の反省も良心もなかったというように私
どもは断定をしていいのではないかというように思います。
それと、なぐったときに受けた負傷は、あなたのほうの情報によれば、ころげた拍子に机で頭を打って、それが
原因ではなかろうかというようなことがこれに書いてあります。これも全くうそでありまして、机越しになぐっておりまして、机にころげて頭を打つというそういう状況には全然なかった。ただ、初めなぐられた拍子にのけぞったために、うしろのガラス窓に頭が当たって、ガラスが割れたという事案はあります。しかも、
本人はきわめて無抵抗であります。清水課長は、自分の心が錯乱したか、頭が錯乱したか知りませんけれ
ども、しまいには、このやろう殺してやるということまで口ばしったということ、これは他の証人もたくさんおりますのではっきりしております。そういうきわめて常識では考えられない暴行を働いたということは、単に酒を飲んで偶発的に起きたものではないというように私
どもは考えます。それは何か自分の中に、あるいは清水さんを取り巻く環境がそういうふうにさしたのだ、こういうふうに私
ども考えます。あなた方が出した「
管理者ニュース」の百六十八号の中に、これはこんなものを出していいか悪いかわかりませんが、りっぱなものであると私は言いませんが、「
職場と酒の問題について、酒の上での問題行動を防止するために」と題して、こういうパンフが出ている。これは事実でしょう。これは出されたでしょう。そのとおりですね。まあ建設省がこういうことを出さなければいけぬようになっておるということになると、ぼくらもなかなか考え直さなければいかぬのですけれ
どもね。その中に
一つだけいいところがあるのです。あとは大体感心できぬ
内容ですけれ
ども、「ふだんの意思疎通」というところで、「酒に酔ったからといって、誰でも問題を起こすわけではない。そこには必ず何らかの
原因があるはずである。」これは確かに真理をついておるのです。しかし、あと書いてあるのは、それは平生の不平不満とか小言、そういうことなんです。だから、
管理者は平生からよく部下に酒を飲まして言いたいことを言わして、そうして人間
関係を深めていけということなんですけれ
ども、あとの
内容はあまりお粗末ですけれ
ども、しかし、この初めに書いてあるのは真理なんです。やはり清水さんがああいうふうに暴力行為を行なったということは、何か自分の心の底あるいは清水さんを囲むいわゆる職制の中におけるやはり
責任感ですか、そういうものが、やはりあの人を知らず知らずに支配して、そしてひょっとした何かにひっかかって、それがきっかけとなってああいう暴力行為が起こったというように私
どもは見ていくのが正しい見方ではないか。この事件を将来ほんとうに再び起こさせないためには、その
原因を徹底的に究明することによってこそ、初めて実が実っていくというように考えます。そこで、私
どもの見方は、これは根強いものがある。それは今日の建設省の労務
対策というものが、やはりこの下部の末端におけるそういう職制へまで影響を与えて、そしてついにああいう事件になったんだと思います。それはいろいろたくさんあります。きょうは時間がありませんから、言いません。その中の
一つは、結局いわゆる気の荒いとあなたもおっしゃいましたけれ
ども、そういう
一つの条件もありましょうけれ
ども、上級の幹部の命令に対しては、部下は問答無用、これに従わなければならぬという昔の軍国主義はなやかなりし時代のやはり思想、こういう態様というものが今日建設省の
職場の中につちかわれておるのじゃなかろうか。しかも、それを助長する方向に上層部の皆さん方がやはりやっておるということの一言に尽きていくのではないかと思うのです。その例はたくさんあるのです。ありますけれ
ども、きょうは言いませんけれ
ども……。そして
先ほど言いました不当労働行為、これは、出たのは単に氷山の一角でありますけれ
ども、無数に起きておると思うのです。そういうのが数重なって
一つの問題として長岡事件がクローズアップしたんだというように――ですからぼくは清水課長その個人を責めようとは思わない。ただ、悪いことは悪いのですから、これはそれこそ信賞必罰で、勧奨退職みたいなことをせぬと、あなた方、あれは悪いことは悪いと、きちっと百を切ればいいのですけれ
ども、それもせぬ。そのこと自体も信賞必罰でなくして、いわゆる何かの政治的意図によって、その人の身分取り扱いをする、こういうことになった。何から何までみな、むしろ個人の
責任ではなくして、そういう建設省当局の
労務管理、労務
対策の結果
発生した事件であるというように私
どもは考えます。ですから結局もみ消し事件も、古川
調査官などが行って、まるきり脅迫的な
ことばを吐きながら、示談を強要しておる。こういう事実があらわれてきておるのです。しかも古川さんは、現地に行ったときに、柏森北陸地本の
委員長に対して、おれの
労務管理だからこのくらいで済んだんだが、こういう暴言を吐いておる。ですからもし古川
調査官の労務
対策、逆に言えば、何ですか、少しきつくやったら、人を殺したと同じような結果になってもしかたがないというように受け取れてくるわけなんです。おれがこういう
労務管理やっておるからこのくらいで済んだというのは、そのようにも受け取れますし、とにかく常識では――他にもいろいろ各公労協あるいは公務員の労働
組合、当局の間、問題が紛争しておりますけれ
ども、建設省ほどのような、ちょっと見て常識では考えられないようなことが行なわれておるということは、これは非常に重要な問題であるように私
どもは考えるわけであります。
ですから、時間もありませんので、あまり言いませんが、
一つだけここで
指摘しておきたいことがあります。それは、不当労働行為の問題、暴力行為の問題は、すべて、
先ほど私言いましたような、当局のやり方に基因して起きたと言っておるのですが、その明確な証拠がここにあるわけなんです。これだけひとつよく聞いておいてもらうし、できればこれを見てもらっていいですけれ
どもね。これは宇都宮国道工事事務所長にあてて、そこの春日部出張所の所長が報告をしております公文書です。その中に、「
労務管理上の今後の課題」というやつで正式に報告されておる。これを免れば、当局がいかに本気に、真剣になって、あるいは点数かせぎですか、当局の
管理者の勤評ともいうべき、それに血道をあげてやはり下部の職制が一生懸命になっておるというやつが出てきておる。そこではこう書いてありますよ。一月には何人、それから二月には何人、三月には何人といって、ちゃんと予定を組んで、その月にはだれだれを脱退させるようになっておる。したことを報告するならいいのですけれ
ども、報告するときの日にちより後の月に対する計画ですね、計画をも報告しておるのですから、これは明らかにもう不当な労働行為であるし、脱退工作を当局が血道をあげてやっておる。こういうことなんです、この文書は。これをちょっと見てください。そこの辺、だから
組合は、そういう工作を行なって、ついに三月の末には三十四人おった
組合員が、彼らの猛烈なそういう肩たたき工作に破れて、これも
労働者としては情けない話でありますけれ
ども、破れて、二人しか全建労は残らない、こういう
状態になっておる。そうすれば、そこの所長さんの桜本は非常に点数を上げたということになるわけなんですね。これはここだけですが、こういう
一つのやり方が至るところの建設省の他の
職場では・いま行なわれておると見てもあまり間違いないと思うのです。そういう事実があることを一応示しておきたいと思います。これをちょっと見てください。これはだれか偽造したやつではないでしょう。あなたのところの、その事務所、出張所の公文書であることについて間違いありませんか。