○田邊
委員 いみじくもいま
高杉さんお話がありましたように、歴史的な経過を経て今日に至ったこの帰国業務というものを、いわば有終の美を飾るためには、どちら側が忍耐をし、どちら側が譲歩をするかといえば、これはやっぱり日本側でなければならなかったのではないかと思うのであります。そういった点で、あなた方の努力というものがあったといたしましても、これが最終的な決裂を見たというこの
現実の事態は、きわめて不幸なことであると私は思うのであります。
そこで、いま
高杉外事部長からもお話がありましたけれ
ども、形式論でもって最終的な決裂を見たという裏には、これはどちらの国といいましょうか、それはわれわれはなかなか判定に苦しむのでございますけれ
ども、日本側としては、これに対してあまりにも形式にこだわるような、いわば柔軟性を欠いたものが中にひそんでおったのではないか、こういう気が私はするのであります。しかも、もし日赤が、柔軟な立場をとりたかったけれ
どもそれをとり得なかったといたしますならば、これはやはり日本
政府の
考え方というものが、その背後に大きなおもしとなっておったのではないかというふうに私は
考えるわけであります。何といっても一昨年、昨年の閣議決定によって、この帰国業務は打ち切るということを、人道上の問題としてとらえながらも、日本
政府が言明をした、閣議決定をしたというこの事実というものが、日赤の交渉をして、最後まで柔軟性ある
態度で、粘り強く忍耐強く成功せしめることに、
一つの大きな影を落とした原因ではなかったかと実は判断するわけであります。
そういった点から見まして、外務、厚生両政務次官おいででございますが、閣議決定はございましたけれ
ども、いま私が申し上げたような歴史的な経過を経て今日に至った帰国業務というものを——しかも今後の問題は、私は実は昨年の十二月の質問以来あまり言っていないのであります。控えておるのであります。今後の問題は、もちろんいろいろとあるのでありますけれ
ども、一応これを控えても、去年の八月の現在における一万数千人の帰国を希望する申請者、
現実に申請をした
人たちに対して、これが帰国の措置ができない、こういう事態だけは、これは許しがたいと思うのであります。そういう
考え方に立ちますならば、このコロンボ会談の決裂という事態に対して、
政府側は一体どういうふうにお
考えなのか、これをひとつお聞きをしておかなければ、日赤の立場も今後なかなか困難ではないか、こう私は思うのであります。ひとつお答えいただきたいのでありますが、そのお答えの中に、これは日赤が独自でやっていることだから
政府は知らぬというような話は、当然出てこないと思いますけれ
ども、念のためにひとつそういうことでなく、ぜひこの事態に対して
政府の率直な御意向というものを、それぞれ非常に
関係をされ、関心を持たれている両政務次官からお答えをいただきたいと思う。