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1968-04-03 第58回国会 衆議院 産業公害対策特別委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年四月三日(水曜日)    午後一時二十三分開議  出席委員    委員長 山崎 始男君    理事 小山 省二君 理事 田村 良平君    理事 橋本龍太郎君 理事 河上 民雄君    理事 島本 虎三君       塩川正十郎君    地崎宇三郎君       葉梨 信行君    藤波 孝生君       井手 以誠君    石田 宥全君       工藤 良平君    浜田 光人君       折小野良一君    岡本 富夫君  出席国務大臣         厚 生 大 臣 園田  直君  出席政府委員         経済企画庁水資         源局長     今泉 一郎君         厚生政務次官  谷垣 專一君         厚生省環境衛生         局長      松尾 正雄君         通商産業省化学         工業局長    吉光  久君         通商産業省公益         事業局長    井上  亮君         運輸政務次官  金子 岩三君 委員外出席者         科学技術庁研究         調整局総合研究         課長      原野 律郎君         通商産業省企業         局立地公害部長 矢島 嗣郎君         運輸大臣官房参         事官      内村 信行君         運輸大臣官房開         発課長     原田昇左右君         運輸省航空局飛         行場部長    梶田 久春君         郵政省電波監理         局放送部長   左藤  恵君         建設省計画局総         合計画課長   山東 良文君     ————————————— 四月三日  委員加藤万吉君及び佐野憲治辞任につき、そ  の補欠として井手以誠君及び石田宥全君議長  の指名委員に選任された。 同日  委員井手以誠君及び石田宥全君辞任につき、そ  の補欠として加藤万吉君及び佐野憲治君が議長  の指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  産業公害対策に関する件(ばい煙、水質汚濁及  び騒音対策等)      ————◇—————
  2. 山崎始男

    山崎委員長 これより会議を開きます。  産業公害対策に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。井手以誠君
  3. 井手以誠

    井手委員 本日は、大気汚染、特に火力発電亜硫酸ガスの規制について、一点お伺いをいたしたいと思います。  この産業公害特別委員会におきましては、去る四十一年の四月二十一日、当委員会の自民党の丹羽兵助先生、社会党の中井徳次郎先生その他の熱心な御意見の結果、次のような決議をいたしております。参考のために申し上げますと、     亜硫酸ガス排出防止に関する決議   大気汚染のうち最も顕著な公害を与えている亜硫酸ガス排出防止には、重油自体から硫黄を除去することが根本策である。すでに技術的に可能であることが明らかにされ、その国民の健康に及ぼす影響は経済性を克服すべき事態である。よって政府はすみやかに重油脱硫の開発を行ない、四十二年度中に指導体勢を整備すべきである。  一方排ガス中の亜硫酸ガスを除去するため、  政府は   一、火力発電所に対し、四十三年中に指導体勢を整え、四十四年から脱硫装置設置に着手させること。以下は省略いたしますが、こういう決議を、全会一致いたしたのであります。いまさら亜硫酸ガス公害がいかに被害が甚大であるかは申し上げるまでもないのであります。この国会決議に対して、通産大臣厚生大臣から、決議趣旨に沿う旨の明確な答弁があっておることも、申し添えておきたいと思います。  そこで、この決議趣旨に沿って、通産省では着々指導体制を整えられておると存じておりますが、この直接脱硫のほかに、当委員会におきましては、学界並びに関係業界意見も求めまして、この期限を定めましたのには、慎重配慮の上に、実行の見通しについてもかなり余裕を持ってきめておるのであります。最近の情報によりますと、直接脱硫については、出光興産をはじめ、すでに実行段階に入っております。一方間接脱硫といわれる活性酸化マンガン法による大型排煙脱硫装置間接脱硫といわれるものですが、これは中部電力においてもすでに完成の域に達しておるのでありまして、その試験の結果は予想以上である、有望である、という情報が入っておるのであります。一方電力の需用はますますふえてまいりました。各地で重油専焼発電が計画され、あるいは発電に着手いたしております。それとともに、発電所を予定されておる地区においては、四日市のようなあの悲惨なことになりはしないかという非常な不安を持っておるのであります。したがって、ここでお伺いしたいのは、政府当局は、この国会決議に基づいて、今後建設に着手され、昭和四十五年、六年に発電を開始する重油専焼火力発電所に対しては、直接脱硫かあるいは間接脱硫か、いずれとも私は問いません。効果が同じであればけっこうでございます。相当の余裕を持ったこの国会決議でございますから、そのとおり、直接または間接脱硫装置をしなくては発電できない、という指導をなさるものと信じております。さように理解してよろしゅうございますか。地元の不安がございますから、国会決議の尊重とあわせて、この際、明確な御方針を承っておきたいと思います。
  4. 井上亮

    井上(亮)政府委員 お答えをいたします。  ただいま先生のおっしゃいましたように、特に電力対策にとりましては、公害対策はやはり大きな使命でございまして、特に公益事業でありますだけに、私ども電力業界指導するに際しまして、いやしくも公害面地元からひんしゅくを買わないように、率先範をたれるように指導しておるわけでございます。特にこの亜硫酸ガス弊害、これに対しましては、先生がおっしゃいましたように、できるだけその弊害を少なくするような措置を講じさせる指導をいたしたい。その方法といたしましては、ただいま御指摘のありましたように、直接脱硫方式もありましょうし、あるいは間接脱硫方法もあろうと思います。あるいはそういう特別の脱硫装置をしなくても、それに匹敵するだけのローサルファーの原重油確保という問題もありますので、そういった点をにらみ合わせまして、善処いたしたいというふうに考えております。
  5. 井手以誠

    井手委員 この問題については、善処だけでは安心できないのであります。先刻申し上げた決議趣旨もございますから、四十四年度から脱硫装置設置に着手させるということ、この基本がございますから、昭和四十五年、四十六年に発電される重油専焼火力発電所については、直接脱硫または間接脱硫装置許可条件にいたします、こういう御方針であるか、念を押しておきたいと思います。
  6. 井上亮

    井上(亮)政府委員 お答えいたします。  いずれにせよ、公害を防止するために必要な程度の原重油でなければなりませんので、そういう意味では、先生のおっしゃいました直接ないし間接脱硫方式、それからあるいはそれに匹敵する、あるいはそれ以上のローサルファーの原重油というようなことを、いずれにいたしましても、おことばのように、一つ要件にいたしたいというふうに考えております。
  7. 井手以誠

    井手委員 重ねてお尋ねいたしますが、国会決議のように、直接脱硫または間接脱硫、あるいはこれに匹敵する脱硫方法許可要件にいたします、そういう装置をすることを許可要件にいたします、かようでございますね、いまのお話。
  8. 井上亮

    井上(亮)政府委員 おことばにありましたような直接脱硫したものも、いわゆるローサルファー化すわけでございますから、それでもけっこうでございますし、あるいは間接脱硫先生もおっしゃいましたような脱硫装置をつけるということによって、サルファー分を少なくするということも必要でございましょう。もう一つ、当時の決議にありませんが、最近の燃料政策の中で新しく問題を提起しておりますローサルファーの原重油確保という問題がその後出ておるわけでございまして、たとえばインドネシアのミナスの原重油、これは非常なローサルファーでございます。したがいまして、私の申しましたのは、先生のおっしゃいましたようなそういった脱硫装置を考慮するか、あるいはできるだけそれに匹敵するようなローサルファーの原重油の入手に誠意をもって当たって、公害を起こさないような配慮を要請する、そういう意味でございます。
  9. 井手以誠

    井手委員 みんなにわかりやすいことばで、すきっとおっしゃっていただきたいと思います。  直接脱硫装置か、中部電力が開発しておる間接脱硫か、またはそれに匹敵し、あるいは亜硫酸ガスがそれ以下になるという新しい方法があれば、その三つのうちいずれかの装置をすることを許可条件にいたします、こういうことでございますね。
  10. 井上亮

    井上(亮)政府委員 そのとおりでございます。ただ、装置と言いました意味は、特に脱硫装置をしなくても、それ自体ローサルファーの原重油もございますから、それは特別な脱硫装置というものは要らぬかと思います。しかし、そういうものはやはり加熱装置というものが逆に必要になってまいります。今日用いております高サルファー重油には加熱装置は要らないのでございますが、ローサルファーのものについては、特別な加熱装置が要りますので、そういう意味では、先生のおっしゃったとおりでございます。
  11. 井手以誠

    井手委員 厚生省の方、いらっしゃいますね。いままでお聞きになったと思いますが、公害を主管なさる厚生省として、いかがですか。私が懸念しておった問題、直接脱硫か、中部電力で開発しつつある間接脱硫か、それに加えて、それと同程度かそれよりもさらに亜硫酸ガス発生量の少ないもの、その三つのうちの一つ実行させますということでした。それで、厚生省立場として、だいじょうぶでしょうかね。
  12. 松尾正雄

    松尾政府委員 結果的に言えば、その三つのうちのいずれかが完全に作動いたしますれば、おそらく、私どもが守ってほしいと思われる排出基準確保できるものと考えております。
  13. 井手以誠

    井手委員 政務次官、いままでの言明、信じてよろしゅうございますね。
  14. 谷垣專一

    谷垣政府委員 厚生省といたしましても、この問題につきましては非常に関心を抱いております。政府のほうといたしまして、十分これを貫徹させて、実行させていきたいと思います。
  15. 井手以誠

    井手委員 どうもありがとうございました。
  16. 山崎始男

  17. 工藤良平

    工藤委員 私は、本日は特に、先般の公害対策基本法ができましてから今日までの、具体的な公害対策に関する立法措置の問題について、すでに閣議等でもほぼ決定をしておるようでございますので、その点に関連いたしまして、御質問をいたしたいと考えておるのであります。  先日、イタイイタイ病について、厚生省委託いたしました研究班最終報告がまとめられた、こういうように報じられているわけでありますが、きわめて概要でけっこうでございますから、一応報告をしていただきたい、こういうように思っております。
  18. 谷垣專一

    谷垣政府委員 イタイイタイ病に関しまする、厚生省から委託いたしました研究班報告は、研究班は大体昨年の六月からいろいろと研究調査を進めてきておりますが、先般、三月の末であったかと思いますが、大体の研究班報告がほぼまとまったようでございまして、いわゆる概要の結果として、新聞等発表になったようであります。まだ正式の報告は、厚生省のほうにはいただいておりません。研究班のほうでまとめをいたしまして、相当なデータがついてくると思いますが、おそらくこの四月の上旬、おそくとも中旬以前に報告が来ると思っております。それによりまして、厚生省といたしましての正式な意見発表ができるのではないか、かように考えておる次第であります。
  19. 工藤良平

    工藤委員 本日は、その内容そのものについては、一応報告書が出た段階論議を進めたいと思いますが、ただ、私がきょう主題といたします救済の問題とも関連いたしますので、若干その内容についても聞いてみたいと思うのであります。  報道によりますと、神岡鉱業所の鉱毒が、実は川の中に流れ込んで、それが一つ原因だ、こういうことが言われているわけでありますが、それと同時に、自然界に由来するものも認められる、こういうようなことが言われているわけであります。これらの問題は、紛争の処理あるいは補償の問題について、きわめて複雑な要素を帯びてくる原因ともなるわけでございまして、その点についてはどのように把握をなされているか、現時点における状態お知らせいただきたいと思います。
  20. 松尾正雄

    松尾政府委員 先ほど政務次官がお答え申し上げましたように、この発表が、私どものほうにデータをつけて報告されたものではございませんものですから、この研究班がそのような表現をとり、そういう判断をいたしたといたしましても、いわばどの程度の差が自然の中から現実にあるのかという点については、量的には私どもはまだお答えできないような状況でございます。ただ、おそらくはそれほど大量のものを検出したということではないであろうということだけは予想しておりますけれども、具体的にはまだお答えしにくい状態でございます。
  21. 工藤良平

    工藤委員 そういたしますと、現在予測される報告内容というものは、先般行なわれました中間報告よりも前進しておるのか、あるいは後退をしておるのか、こういうことが一つ論議になろうと思うわけでありますが、この点はいかがでございますか。
  22. 谷垣專一

    谷垣政府委員 先ほど申し上げましたように、正式の報告を受けておりませんが、また工藤さんのおっしゃいます、前進するかどうかというそのあれも問題があるかと思いますけれども、しかし、中間報告よりも、調査研究の度が進んでおることだけは、これははっきり申し上げられると思います。先ほど局長が申し上げましたのは、その寄与度のパーセンテージと申しますか、寄与度そのものをきわめて正確に言うことが非常にむずかしいということを言っておるのでありまして、中間報告よりも、もちろん研究調査段階がさらに進んでおることだけは申し上げられるかと思います。
  23. 工藤良平

    工藤委員 報告書が出てこなければ要領がつかめないということでございますので、この点の追及が非常にむずかしいと思うわけでありますが、しかし新聞あたりには、すでにその概要というものが発表されておりますので、そこらあたり厚生省自身としても把握をされているのではないだろうか、こういうように思うわけであります。  この新聞報道内容からいたしますと、どうも中間報告よりも、自然界に由来するものが認められるということが一枚入ってきたのではないかという印象を受けるわけでありますが、こういうことになりますと、現在訴訟を起こしている時点におきましては、きわめて複雑な問題をかもしてくるのではないだろうか、こういうように思うわけで、その点、中間報告よりもむしろ後退をしてきているのではないだろうかということのほうが、実は非常に心配になるわけでありまして、その間の経緯というものは全然わかりませんか。
  24. 松尾正雄

    松尾政府委員 私どもが聞いている範囲では、あの中間発表を、班長が現地で出されましたあとで、やはりいろいろな測定を繰り返しているうちに、少し上流のほうでも検出されたというようなデータが加わったやに聞いているわけでございまして、おそらくそういったようなことをもとにいたしまして新しいデータが出たということから、こういうふうな表現をとったのではなかろうかと考えておるわけでございます。
  25. 工藤良平

    工藤委員 そういたしますと、厚生省としては、この委託をいたしました研究班見解というものを、正式見解ということで確認をし発表するわけでありますか、その点をお伺いいたしたいと思います。
  26. 谷垣專一

    谷垣政府委員 これは相当膨大な資料もついてくるものだと思いますので、厚生省といたしまして、それらを十分に検討いたさなければならぬと思います。したがいまして、いまここで予測を申し上げることは、かえってたいへん不正確な点が出てくるかとおそれますけれども、しかしそれぞれの専門家の諸君が集まって検討したその研究の結果でございますから、その大綱において誤りがないであろうということは、私たちは信じております。
  27. 工藤良平

    工藤委員 私は、厚生省が別途の調査をしているとするならば、その研究班報告に基づいて、さらに厚生省がそれにプラス・マイナスをして、一つ見解というものが示されるだろうと思いますけれども、いままでの経緯を見ますと、阿賀野川の問題については、たとえば食品衛生調査会結論というものが厚生省見解として発表されてくる、こういうことになりますと、おのずからこの研究班報告というものが厚生省の正式な見解、こういうことになるのではないだろうかというように思うわけでありますが、その点、具体的な内容は別として、取り扱いの問題としてお聞きをしておきたいと思います。
  28. 谷垣專一

    谷垣政府委員 御趣旨のとおりのことだと思っております。
  29. 工藤良平

    工藤委員 そういたしますと、この財団法人日本公衆衛生協会というところに委託をして、研究をしてもらった、こういうことになるわけでございますが、この日本公衆衛生協会、これはどういう組織、また厚生省とはどのような関係にあるのか、若干お知らせをいただきたいと思います。
  30. 松尾正雄

    松尾政府委員 公衆衛生協会は、厚生省が認めております財団法人でございます。もっぱら公衆衛生の進展のために、たとえば日本公衆衛生学会あるいは日本公衆衛生学会雑誌といったものを発行する、あるいは保健所その他の人々の研究あるいは留学その他のお世話をする、あるいは一般の公衆衛生活動に役立ちますようないろいろな資料をつくり、そういったものを広く配布しております。非常にいろいろ公衆衛生関係活動につきまして、いわば専門的な視野に立って活動しておられる団体でございます。
  31. 工藤良平

    工藤委員 この財団法人協会は、厚生省から資金的な援助等が行なわれているわけでありますか。
  32. 松尾正雄

    松尾政府委員 資金のほうは、厚生省から出ていないと存じます。
  33. 工藤良平

    工藤委員 これは後日でもけっこうですが、この協会構成メシバーその他につきまして、資料をぜひいただきたいと思いますので、その点、要求をしておきたいと思います。  この研究班の中にはおそらく入っていないと存じますが、あるいはこの調査過程の中で、特にイタイイタイ病研究を長い間なさってまいりました富山の萩野というお医者さん、この人が非常にこの問題を取り上げて、学会でも発表しておるようでございますけれども、このような人の研究というものは、この報告過程の中でどのような取り扱いをされるのか、参考意見としてとられるのかどうか、この点をひとつお伺いしたいと思います。
  34. 松尾正雄

    松尾政府委員 今回のこの研究、ただいま先生が御指摘になりました研究班、いわゆる重松研究班といいますのは、カドミウムを中心といたします重金属類の分布と由来ということを調べるために、四十二年に編成された研究班でございます。したがいまして、純粋にいわゆる地質学でございますとか、分析学でございますとか、あるいは疫学でありますとかいう観点からのメンバーが、ここに編成されておるわけでございます。しかしながら、この前の段階、たとえば、カドミウムがこのイタイイタイ病の重要な役割りを果たしておるという結論を出しました研究班は、これより前に、また別途あったわけでございます。そのようないわば臨床的な、あるいはそういう原因究明段階におきます研究班には、そういう先生方にも御参加を願った。それから、もちろんこういう問題を取りまとめるにあたりましては、各学会等で出されましたいろいろなデータというものはすべて参照して、学者の方々は結論を出しておられるわけでございます。当然そういう貴重な研究資料というものは、すべて参照されておると考えて差しつかえないと思います。
  35. 工藤良平

    工藤委員 次に、この問題は後ほどまたこれは締めくくりでやりますけれども水俣病の問題でございますが、熊本水俣病、さらに阿賀野川の第二水俣病——後ほど石田先生が、内容についてはいろいろと質問されるようでありますから、私はちょっとだけこの点に触れたいと思います。熊本水俣病については、すでに発生いたしましてから十四年という長い年月が経過しているわけでありますが、いまだにその結論を出されていない。もちろん患者につきましては、水俣の日本窒素から、補償金ではなくて、見舞い金という形で若干のお金が出ているようでありますけれども、これも補償という形にはなっていないわけであります。ということは、結論がまだ出ていないということ。阿賀野川の第二水俣病の問題につきましては、先般来から再三にわたりまして質問をして、そしてその原因究明政府結論を急ぐように要請をしてきたわけでありますが、この点が現在どのようになっているのか、最終的に科学技術庁のほうに回っているようでありますけれども現時点における状態というものをお知らせをいただきたいと思います。
  36. 松尾正雄

    松尾政府委員 前段の、熊本水俣病結論を、政府といたしまして出さなかったという点は、当時、経済企画庁が最終的な取りまとめをするという運びになっておったわけでございます。厚生省のほうは、有機水銀による中毒であるという一応の見解は出したわけでございます。おそらく、私ども、過去のことでよくその当時のことはわかりませんが、ただいま御指摘のような患者さんとの話し合いでございますとか、あるいはその施設の防護設備でございますとかというものができた段階で、その当時としましては、ある程度実際上の解決がはかられたというようなことで、そういうものが出なかったのではないかという推測があるわけでございます。  それから、後段の阿賀野川のほうの問題につきましては、科学技術庁のほうに、私ども意見を出してございまして、おそらく比較的近いうちに、科学技術庁として最終的な結論を出されるというふうに考えてよろしいかと存じます。
  37. 工藤良平

    工藤委員 この阿賀野川の問題につきましては、食品衛生調査会のほうから一応結論を出されまして、科学技術庁のほうに回されているということでございますが、そういたしますと、最終的には、この科学技術庁結論が出れば、それが政府最終結論、こういうことになるわけでございますか。
  38. 松尾正雄

    松尾政府委員 そういう運びになるはずでございます。
  39. 工藤良平

    工藤委員 そういたしますと、この疫学班が出しました、阿賀野川上流にある鹿瀬工場の廃液がその原因であるということと、もしもそれと変わった結論が出た、こういう場合には、どういうことになりますか。
  40. 松尾正雄

    松尾政府委員 万一さような厚生省見解と違った見解になったといたしましたならば、私どもとしては、やはりそれについては、納得のいくまで意見を出さざるを得ないと存じております。
  41. 工藤良平

    工藤委員 これも調査報告書概要が出てこなければ、私どもも最終的にどうということは言えませんけれども、すでに科学技術庁のほうでも大要がまとまった、ということが報道されているわけでありますが、それによりますと、たとえばこの下流のほうに日本ガス化学、こういうものがあって、これが水銀を扱っておって、その排水が一部関係しているのではないだろうかという意見も出てきている。あるいは地震当時の、倉庫に保管されておりました農薬の問題等も、当時相当問題になったわけでありますが、これらの点について、小津委員が再三にわたりまして政府質問書を出しているわけでございます。それを私つぶさに読んでみますと、非常に混乱をしてくるわけであります。そういうことが、やはりこの原因を長引かせ、あるいはまたいま言ったように、もしも変わった結論が最終的に政府見解として科学技術庁のほうから出る、こういうことになりますと、私はこの調査全体に対する厚生省立場、そういうものが非常に複雑になってくるのではないだろうか、こういう気がするわけでありますが、その点についての御意見をいただきたいと思います。
  42. 松尾正雄

    松尾政府委員 私どもは、阿賀野川の事件の調査というものを見たりいたしまして、現時点におきまして、いろいろと疑問をもってながめれば、それはいろいろな角度から不足の点があるのではないか、というような言い方は可能だと存じますけれども、しかしながら、すでに過去に起こりまして、あるいは工場も閉鎖された後において調査をするというのは、非常に制限をされた条件の中で、あらゆる角度から、できるだけそこに接近をしようとして努力をした、いわばほぼでき得る範囲のすべてを尽くすような態度で臨んできた調査でございます。したがいまして、そういう条件の中で得られた結論というものは、これは白紙の立場で、現在事件が進行中である、いま目の前に起こっておるというようなものを直ちに調べる場合とは、やはり違っております。そういった点をやはりベースに置いて判断をいたしますならば、十分あれで、結論調査会が出しましたような点におきましては、証明できるのではないか、こう考えております。
  43. 工藤良平

    工藤委員 さらにお尋ねをいたしますが、熊本水俣病の場合にはどこが主体になって調査をしたか、これが一つ。それから阿賀野川の場合には、食品衛生調査会厚生省委託をいたしまして調査をした、こういうことになっているわけであります。先ほどのイタイイタイ病につきましては、財団法人日本公衆衛生協会委託をした、こういうことになっていますね。そういたしますと、厚生省はその時点時点で、事件が発生したと同時に、あっちこっちの研究機関なりそういうものに委嘱をする、そしてそれが政府の最終の結論というような形になる、こういうことに現在の時点ではなろうと思うわけでありますが、その場合に、調査の責任あるいは機構というものは一体どうなるのか、その点をひとつ明らかにしていただきたいと思います。
  44. 松尾正雄

    松尾政府委員 熊本の場合には、詳細な資料をちょっとただいま持っておりませんが、厚生省研究班を組織して実施しております。それから、文部省も相当の金を出しまして、いわゆる熊本大学を中心にいたしまして、ずっと引き続き研究を進めてきております。これが大体熊本のときの状態でございます。それから阿賀野川の場合には、厚生省三つ研究班——臨床研究班、それから試験研究班及び疫学班、この三つの班を編成いたしまして、そしてこの三つ研究班データを、最終的に食品衛生調査会がさらに研究してまとめた、こういう形でございます。その場合に、私どもがいわゆる委託費という形の研究費をもちまして研究を進めるわけでございますが、当然その委託先というものがある。直轄の自分の機関自体でやるわけではございませんので、必ずそういう委託費というものを、公衆衛生協会あるいは他の大学というものに、費用の出し方として出す、そういう形になりますので、いわばその委託費を出したという形が、直接厚生省の責任ではないかのような印象を与えるかと存じますけれども、当然そういう研究班を組織いたします場合、どういうメンバーを入れるかという問題、そういった点については、結果的に厚生省が十分責任が持てるような組織を構成するというところで、こちらも万全を期するような対策を立てておる、こういうつもりでございます。
  45. 工藤良平

    工藤委員 これは昨年の三月にも、私、試験研究機関の問題について御質問をいたしたわけでありますが、公害そのものが非常に複雑になってきた。しかも企業側におきましても、それぞれこの事件が発生した関係を見ましても、企業側としてもそれぞれ研究をし調査を進めているわけです。被害を受けたほうは全くの個人であります。そういたしますと、具体的な問題に直面した場合に、一体それはだれがどういう形で責任をとってやるのかということが、きわめて重大な問題であろうと思います。もちろん、裁判に持ち込みまして、公害裁判ということでやればいいかもしれませんけれども一つの工場がはっきりここだということがわかれば、これは私害として、当然損害賠償の要求もできましょうけれども、複雑になってまいりますと、それがきわめて困難だ、したがって、そのつど関係の機関に委嘱をする、こういうことが、公害調査立場としてはたして正しいものかどうなのか、非常に大きな問題点であろうと思います。少なくとも公害基本法を制定し、これから公害対策を一元化していこうという政府の考え方があるとするならば、私は、これらの問題については、当然厚生省の内部において調査研究機関を一元化して、そこに充実した体制を整備する必要があるのではないか、こういうように考えるわけでありますが、その点について、これは大臣がおれば一番いいのですが、ひとつ政務次官のお考えをいただきたいと思います。
  46. 谷垣專一

    谷垣政府委員 ただいまの御質問は非常に大切な、重要な御質問だと思います。ただ、公害と申しますものが非常に広範にわたっております。かつその公害なるものが、人体にどういう経過を経て影響するかというような問題が、これまた非常に各方面の広い分野がございまして、現在の科学では追求がまだ不十分であるような問題さえ含まれている。しかもイタイイタイ病にいたしましても、ずいぶんと昔からの、二十年、三十年昔からの原因がある、こういうようなことになってまいりまして、いわば非常に広範かつ困難な問題を含んでおるのでございます。したがいまして、これは一例でございますが、先般のイタイイタイ病の、ただいま報告をまとめようとしております研究班、これは日本公衆衛生協会委託をいたしたのでございますが、この内容を見ますと、班長が公衆衛生疫学部長の重松氏、それから金沢大学医学部衛生学教授の石崎さん、同じく金沢大学の理学部の分析学の教授あるいは富山大学の地質学の教授、それから岡山大学の農業生物研究所の教授である小林さん、あるいはまた金沢大学の公衆衛生の教授、それから富山県の衛生研究所長というふうに、しかもこれは地質を中心にして調べなければいかぬということで考えますと、こういうようなメンバーになるかと思います。一応考えられます現在動き得る最高のスタッフをそろえたグループということがいえるのじゃないか。今度は疫学のほうになりますと、やはりまたその専門専門の分野が異なりますから、それに応じた人選をしなければなりません。そういうふうに、対応いたします対象によりまして、相当に広い範囲から集めてこなければならぬ、こういうことになるかと思います。したがいまして、御説のような、厚生省の中にこういうものの専門のスタッフをつくって、そうして頻発する公害に対して、ずっと恒久的にやったらどうかという御意見、確かに私たちも検討しなければならぬ御意見だと思います。思いますけれども、いまの公害の対象を調べてまいります場合に、一つの地質問題を考えましても、実はそのくらいの広がりを持つものでございますので、いましばらくは現在の態勢で、広く各方面の権威者を集めてやっていただくという形が、いまのところはまずとるべき方向じゃないか、こう思うのです。しかしそのうちに一つの定型のようなものができまして、タイプの大体似たようなものができますと、これはもっと違う一つの考え方が出てくるかと思います。いまはしかし公害という非常に複雑な、膨大な分野に取り組んでおる状況でございますので、まずまずいまのように、それぞれの専門の諸君をお願いする、この態勢でしばらくいってみたらどうか。しかし御指摘の点は、公害というものに本格的に取り組みます場合に、いつもそれぞれの委託先が異なっていることではという御疑念があると思いますが、それは今後私たちも十分に検討させていただきたいと思います。いままでの状況はそのような事情でございますので、御了承願いたいと思います。
  47. 工藤良平

    工藤委員 ただいまの御説明で、確かにそういうことがいえるわけであります、複雑でありまして、広範でありますから。しかし、言われておりますように、一つ結論が出されて、政府の最終の結論が出るまでの間に紆余曲折をして、その間に通産の意見も入ってくる、あっちの意見も入ってくるということで、最後的にそれがゆがめられるということが往々にして起こってくるわけであります。したがって私は、広範な調査ということになりますから、それを全部政府で責任を持ってやるということは、現時点において、これは不可能だと思います。したがって、各学校なりあるいは公立の病院なりあるいは個人的な研究者等をまじえて、より正しい結論を出すということは、私は現在の時点においてはそれは差しつかえない。ただその最終的な責任の場というものが、厚生省なら厚生省という立場でこれがはっきりしていなければ、結論までの間に非常にゆがめられるということ、しかも長期的な時間がかかる、こういうこともありますから、その点についてはぜひ御検討いただきたい、こういうふうに申し上げておきたいと思います。  それでは次に、これは本日の本題になるわけでありますが、いま三つの例を申し上げまして、私は公害の被害、調査結論、そして救済  こういった一つのものが非常に現在は長期化している、こういう問題について一体どうするのかということを、やはりわれわれとしても検討してみなければならぬと思います。  先般の公害基本法の審議の際に、社会党の板川委員が佐藤総理に質問をいたしたわけでありますが、その際に、公害防止の基本的な考え方として、公害の予防、それから具体的に公害が出てきた場合のその公害の排除、それからもう一つ公害の救済、こういう三本がやはり公害対策の柱である、こういうことを質問をいたしました。佐藤総理も、その点については了解をいたしたわけでありますが、今回、基本法に基づいた具体的な法案として、近く大気汚染防止と騒音規制の問題については、国会に提案をされるということが言われているわけでありますが、その三本の柱、しかも具体的にたくさんな救済を必要とする人たちが出ている公害紛争処理、被害救済の問題について、なぜ提案できなかったのか、この点についてお伺いいたしたいと思います。
  48. 谷垣專一

    谷垣政府委員 確かに三本の柱、公害対策基本法に基づきましての対策として、私たちがいま用意をいたしておりまして、近く御審議をお願いする運びになっておりますものが、大気汚染に関しまする法律とそれから騒音防止の法律でございます。そのほかに私たちといたしましては、基本法にもうたっておりますような公害の紛争の処理と被害の救済制度について、ぜひともこれを法律として国会にお願いしたい、こういうことで、実はこの仕事を進めておるのでございまして、現在、中央公害対策審議会というものが基本法に基づいてできております。その審議会のほうにおきましても、特にこのための小委員会をつくっていただきまして、そして検討を現在していただいておる段階でございます。向こうの審議会からの御要求によりまして、厚生省といたしましても、まだ各省との折衝に入っておりませんが、厚生省としての考え方も十分御検討願うように、私たちの考え方をそこへ申し上げておる、こういう段階でございます。したがいまして、たいへん各方面に関係のある案件でございますので、また審議会が初めて基本法によってできておりますので、そういう順序で進めておりますが、できるだけ早い機会に、私たちとしても政府の案をまとめて、そして御審議をお願いするようにいたしたい、こういうことで進めておる現状でございます。
  49. 工藤良平

    工藤委員 ただいまの政務次官の、できるだけ早くということは、これは、昨年の公害基本法がまだ出てくる前の段階から、この救済の問題はずいぶんいわれてきたところでありまして、全速記録を集めてみましても、各委員が必ず、救済の問題については、相当スペースをさいて、早急に確立をすべきである、政府側も、そのことについてはなるべく早く検討いたしますということを、一年半にわたりまして、実は言ってきているわけでありますが、それでは、現在厚生省が考えております考え方について、私どもに明らかにできますか。
  50. 松尾正雄

    松尾政府委員 私どもが当初考えておりました案の概要を申し上げてみますと、紛争それから救済というものにつきましては、まず都道府県段階で、紛争の処理のための委員会を設ける。そこでいろいろな紛争を調停をしてあげたい。また苦情がいろいろと起こってまいりますものを、そういう委員会以前に、もう少し地元のほうで苦情を処理するという意味では、苦情処理委員というようなものも配置したい。それから、そういう県で調停ができないような問題、あるいは二県以上にまたがりますような広域紛争というようなものに関しましては、中央に同種類の委員会を設けまして、そこで決着をつけようじゃないか、こういう紛争の処理の制度を立てました。  それからもう一つは、救済という関係につきましては、救済基金というものを設けて、その基金に、国も都道府県も地元の市町村も負担をいたしまして、さらにそれに当時の考え方といたしましては、公害が発生した場合、こういう被害が起こりました場合の原因者というようなものが明らかな場合、こういった場合には、八分の五程度の費用をその企業から取りたい。しかしながら、全く原因者が明定できない場合があり得るわけであります。特に将来起こってくるかもしれませんが、自動車の排気ガス等による公害を考えますと、自動車であるということはわかっておりますが、どの自動車であるかということがほとんど明定しがたいという問題も起こってまいります。そういう原因者が明定できないような場合には、これは国、県、市等の公費でもって見ていく。主として患者の医療あるいは医療に必要な援助というものを見ていきたい。そういう基金で、そういう患者の認定をいたしまして、そして健康保険等が及ばない部分については、その基金ですみやかに救済をはかりたい、こういうのが当初の私どもの考えであったわけでございます。しかしながら、こういう問題は実はわが国でも初めてで、世界でもあまり例のないという制度でございまして、こういう問題の進め方については——何らかのこういう制度をつくらなければならぬということについては反論はないといたしましても、たとえば原因者が明確であるといいましても、いま先生の御指摘のように、その原因者を明定するまでにたいへんな時間がかかるということになり、またそれが明定するという手段があれば、かえってそれを妨げるという雰囲気も起こり得るわけでございまして、せっかくのそういう救済をすみやかにという精神が、必ずしもその仕組みではうまくいかないのじゃないかという意見もございます。またそういうものじゃなくて、いわゆる保険のような制度でもって救済を考えるべきじゃないかという意見もございます。これはいずれもそれぞれの理由がございまして、決してそのいずれが悪いという性質のものではないと存じます。そういったような点が基本的にはいろいろ問題であって、なかなかまとまらなかったという状態でございます。どちらの方面におきましても、何らかのこういう対策を早く立てようではないかという姿勢においては、一致していたわけでございます。
  51. 工藤良平

    工藤委員 われわれも、この救済、そして紛争処理の問題については、非常に関心を払っているわけで、党独自といたしましても、この問題については早急に検討を始めようじゃないかということで、いま進めているわけでありますが、先ほどからお話しのように、当初考えておりました案、これを資料として提出願えるならば、非常に今後の検討に役立つのではないだろうか、こういうように考えますので、その点ぜひ、当初の案でけっこうでございますが、出していただきたいと思います。  それからもう一つは、通産省にお伺いをいたしたいと思いますが、いらっしゃいますか。——この救済制度につきまして、厚生省から当初示されました考え方というものについて、通産省としてはどのような考え方でありますか、伺いたい。
  52. 矢島嗣郎

    ○矢島説明員 公害につきましては、基本的には、発生源において未然に防止するというのが一番大事でございますが、先生が御指摘のように、万一不幸にして被害が生じた場合においては、被害者の救済を迅速にはからなければならぬ、こういう基本的認識においては、厚生省であろうと通産省であろうと、全く同じでございます。ただ、公害は一般に、ばい煙のように、発生源と被害との因果関係というものが簡単にすぐとらえられないという特殊事情もあるわけです。そういうわけで、通産省としては、その因果関係をすぐ追究して、そして結論を出すということの前に、基本的には、因果関係とかあるいは具体的責任関係というものが明確になるのを待つことなく、そういうことを待っておらずに、何らかの形で、被害の救済が早く行なえるというような制度を考えたらどうか、こういうふうに思っております。その辺が若干、厚生省の原案とも違うところじゃないかと思いますが、まず早く救済しなければならぬという基本の考え方に立って、その間にワンステップ——因果関係とか具体的な責任を明らかにする、それも必要でございましょう、それも必要だと思いますが、それをしばらくあとにして、すぐ何かできるというような方法がいいのではないか、こういうような点が、基本的な違いといえば違いだろうと思います。しかし、いずれにいたしましても、早くこの制度をやらなければならぬので、先ほど厚生省からお話がございましたように、公害対策審議会にかけておりますから、その研究に通産省も協力して、早く何らかの結論を出したいということでございます。
  53. 工藤良平

    工藤委員 いまお話しのように、この原因が特定の工場で、加害者が明らかである、こういうような場合には、先ほど私が申し上げましたように、やはりこれは民法上の私害として、補償あるいは損害賠償することができるだろうと思うのです。ところが、原因が非常に複雑になってきた、現在の公害というのはほとんど複雑になっております。特定の企業がということではなくて、それが複数になってきているというところに、その解明のむずかしさがあるだろうと思います。したがって、原因が非常に複雑な要素を持つがゆえに、これを行政的に措置しなければならないことになろうと思うのです。これがやはり公害対策としての救済措置ではないだろうか、こういうように私は考えておりますが、特にこの点について、佐藤総理も先般の委員会におきまして、多数の集団の場合に、その個々のものが一体どのような責任をとったらいいのか、あるいはまた、国、公共団体あるいは事業者の間で責任の所在を認め合って、その責任に応じたそれぞれの立場で処理をはかるということを一日も早く解決しなければならない、その方途を見出さなければならぬということを、本委員会で実は答弁をいたしているわけです。したがって、私は、通産省としてもこの点については一日も早く、むしろ厚生省に全面的に協力をして、被害を受けた者に対する救済をはかる、こういうことが必要ではないだろうか、こういうように思いますので、その点に対する確認をする意味で、再度御回答いただきたいと思います。
  54. 矢島嗣郎

    ○矢島説明員 先ほども申し上げましたが、先生のおっしゃるとおり、直接的には中央公害対策審議会の場、及び間接的には厚生省とも共同して、一日も早く適切なる制度ができるようにいたしたいと思っております。
  55. 工藤良平

    工藤委員 救済の問題については、先ほどから申し上げておりますように、現在非常に緊急を要する事項でもございますし、検討いたしますということだけで、また半年も一年もということになりますと、その間、生活の問題、あるいは非常に悲惨な状態というものが生まれてまいりますので、この点については、ぜひ早急に結論を出して、法案の提案ができるように措置をしていただきたい。この点について、政務次官のほうから御回答いただきたいと思います。
  56. 谷垣專一

    谷垣政府委員 工藤先生の御意見のとおりでありまして、救済の基金を何とかつくりたいと努力いたしましたが、現在まだそれが実現をいたしておりません。しかし、このままで済ますわけにはいかないと思います。したがいまして、四十三年度の予算に、公害医療の研究補助金という名前で、二千万円ほどの予算を計上いたしております。たとえばイタイイタイ病につきましても、これを研究の対象にする、と言うとおかしいことになりますけれども、実際上そういう方々の医療費に使っていただく、あるいは在宅しておられる方でも、病気の状況その他潜在的なものに対する看視をしなければならぬ、そういう状況がございます。そういう形で当該府県等の皆さんとも協力しながら、暫定的なやり方としては、実際問題をやっていく必要があるのではないか、こういうふうに考えております。しかし、これでは不十分でございまして、やはり先ほど来お話しの救済制度を確立していく必要があろうかと存じます。救済制度の問題にいたしましても、先生がいまいろいろ御指摘になっておりますように、単に新しい制度をつくるだけにとどまらず、民事上の、現在の損害賠償の制度がございますが、これが一体挙証責任というものがどちらにあるのだというような問題がございます。あるいは無過失責任という法理を入れてこなければおかしいじゃないか、こういう問題もございますれば、要するに現在ある制度自体でも、もう少し進める方法があるのではないか、これも当然考えなければならぬわけであります。それから、先ほど御指摘のございました行政上の救済の制度というものがなければならぬ、こういうことがいろいろ問題がございまして、私たちも、その問題を関係各省とも十分協議をいたさなければなりませんし、先ほどの審議会も、いま非常な関心を持って検討を進めていただいておる、こういう状況でございます。できるだけ早くということを、あまり前から何回も言い過ぎておるじゃないかという御指摘、そのとおりでございますが、実は、それだけ、私たちのほうもあせってやっておるわけでございまして、できるだけ早く結論を出したい、こういうふうに考えております。
  57. 工藤良平

    工藤委員 この問題は、非常に重要な問題でありますから、そう粗雑なものを出されても困るわけでありますが、しかし、なるべく早く法案をつくって、もし不備な点があれば、これを直していけるということにもなりますので、ぜひこれはひとつ、佐藤総理の人間尊重という理念からいたしましても、非常に大切だと思いますから、ぜひこの点は早急に出していただくように、配慮をお願いいたしたい。  最後に、公害対策会議の運営でございます。   〔委員長退席、河上委員長代理着席〕 基本的な問題については、公害対策会議を開いて、意見の調整をはかったり、計画を進めるということになっておりますが、この運営について、現在まで何回聞きましたか。その点、運営状況についてお聞きいたしたいと思います。
  58. 松尾正雄

    松尾政府委員 公害対策会議は、先般も法案の調整等のときに、関係閣僚といたしまして、この会議を開催いたしまして調整をはかった、という事実がございます。なお、この下部機関といたしましての、事務次官からなる幹事会あるいは各省連絡会というものは、非常にひんぱんに開いて、調整をはかるという機能を果たしつつございます。
  59. 工藤良平

    工藤委員 先般開いたということですが、私どもが知る範囲では、三月になって初めて開いた、こういうことではないだろうかというように、事実関係については承知をしておるわけでありますが、少なくとも、非常に重要な、具体的な法案の中で、意見の食い違いが出てきたということがいわれているわけでありますから、これは、厚生省なりあるいは通産省、各省の事務関係の人たちが頭を悩ませるということだけではなくて、この公害問題については、ちゃんと公害対策会議というものがあるわけでありますから、この運営については、ある程度開いていただいて、意見の調整をはかるということが大切ではないだろうか、そのことのためにわざわざ公害対策基本法の中に、この対策会議もうたったわけでありますから、この運用について、きわめてこの運用がルーズである、こういうことが指摘されても、私はやむを得ないと思うのです。この点については、今後の活用等について、政務次官の考え方をひとつ明らかにしていただきたいと思います。
  60. 谷垣專一

    谷垣政府委員 御指摘のように、公害対策会議を十分に今後活用さしていただきたいと思っております。
  61. 工藤良平

    工藤委員 一応これで終わることにいたしますが、先ほどから再三申し上げますように、公害の問題は非常に深刻でありまして、イタイイタイ病の問題がまだ解決しないうちに、また対馬では同じような症状があらわれたということで、だんだん追い打ちをかけられるわけであります。施策のほうが一向に進まないということでは、これは国民の生命を守るためにも、私はきわめて重大であろう、こういうように考えますので、この点については、早急に万全な対策を講じていただきたい。  それと、先ほど申し上げましたように、イタイイタイ病、それから水俣病結論について、でき次第に、直ちに資料として提出をしていただくようにお願いいたしまして、私の質問をこれで終わりたいと思います。
  62. 河上民雄

    ○河上委員長代理 石田宥全君
  63. 石田宥全

    石田(宥)委員 きょうは、実は質問者の予定がちょっと変わったようでありますので、私も予定いたしました質問を省きまして、いま工藤委員から質疑のありました問題について、重複を避けながら、要点だけを質問を申し上げたいと思います。  まず第一に、いま工藤委員からも指摘がありましたように、熊本県の水俣病については、政府の窓口は経済企画庁であったわけであります。阿賀野川水銀中毒事件は、科学技術庁が窓口になったわけです。さらにイタイイタイ病もまた、科学技術庁が窓口になるようです。なぜ一体、厚生省がこれをやらないのか。厚生省というものが、この種の問題を担当する政府機関ではないのか。なぜあなたのほうで、これは厚生省でいたしますということでやらないのか。私は、これは今後また次々起こるであろうところの鉱害問題に対して、基本的な姿勢の問題として、お伺いしておかなければならないと思うのです。
  64. 松尾正雄

    松尾政府委員 イタイイタイ病につきましては、科学技術庁意見を求めるということは、私どもは考えていないことでございます。厚生省見解として、始末をするというつもりでございます。
  65. 石田宥全

    石田(宥)委員 あなたは、科学技術庁が窓口になると思わないとおっしゃるけれども経済企画庁は、水俣病に対して、まだ食品衛生調査会の答申が出たばかりで、厚生省意見もまとまらないうちに、調査費を出しておいたからといって、取り上げてしまったじゃないですか。取り上げてしまったんですよ。そうして今日なお握りつぶしているんですよ。そんなことを言えますか、一体。そういうことは一体通せると思っておりますか。科学技術庁が調整費を出したのだから私のところでやりますと言われたときに、いや、この種の問題は厚生省の所管でやりますということは言えますか。
  66. 松尾正雄

    松尾政府委員 科学技術庁が調整費といたしまして出します場合には、原則的には、二つ以上の省の研究というような場合に出されるわけでございます。それでありますから、必ずしも科学技術庁が最終的意見をまとめるという資格になるということにはなっておらないというのが原則でございます。ただし、先ほど来の阿賀野川のような問題は、出発当時から、総括的なものは科学技術庁という分担がございました。そうしてそれぞれ分担のもとにやったという結果から、科学技術庁が総括をまとめるという段階になったわけでございまして、イタイイタイ病の場合も、私は先生から御指摘をいただきまして、初めてそういうことを知ったわけでございますけれどもイタイイタイ病結論というものにつきましては、厚生省結論を出すといろ以外は全く考えておりません。
  67. 石田宥全

    石田(宥)委員 これは局長、あなたのほうで実は自主性を持たないからですよ。もっと権威を持って、自主性を持って、こういう問題に対処されないと、いつどこへ持っていかれるかわかりませんよ。こんな問題で時間をかけたくないから、この程度にしますけれども、これはひとつ次官のほうで十分心得て、大臣から、閣議ではっきり確認をとっておいていただきたい。これはわれわれもう苦い経験を持っておるわけでありますから、ぜひひとつお願いします。
  68. 谷垣專一

    谷垣政府委員 確かに、水の流れによるいろいろな関係で起きております被害の場合、いままでいろいろと関係の各省の間でそういう問題があったかと思います。また、ほかの分野の公害におきましても、いろいろな問題がまだございまして、窓口の問題その他、いろいろといまだ形成されない状況にあるかと思います。しかし、石田先生の御指摘のとおりに、この問題は今後の公害対策をやってまいります上に、非常に大きな問題だと考えます。ことにいま新しく起きておりますイタイイタイ病問題等については、厚生省としましても、はっきりとした態度で進めてまいりたい、かように考えます。
  69. 石田宥全

    石田(宥)委員 局長に伺いますが、いわゆる重松研究班でありますが、ここの結論のうちの付属資料というのはいつごろまとまりますか。ずいぶんたくさんありますが……。
  70. 松尾正雄

    松尾政府委員 付属資料というのはどういうことであるか、ちょっとわからないのでございますが、要するに、研究報告書というものは、四月の半ばぐらいまでには提出されるであろう、先ほど政務次官工藤委員にお答えしたとおりでございまして、その正式報告書というものは、いろいろのデータの入ったものでございます。それ以外に付属書というようなものは、ちょっと私ども予想いたしておりませんが、すべて報告書の中に、正式ないろいろなデータを添えて報告をする、こういうことになる運びでございます。
  71. 石田宥全

    石田(宥)委員 これの二枚目のほうに、分析資料というのがずっと五点あげられております。これが出ないと、ここで掘り下げた究明ができないのです。ですから、それを聞いておるのです。
  72. 松尾正雄

    松尾政府委員 わかりました。この分析資料等が、その報告書の中にすべて網羅される、こういうことでございます。
  73. 石田宥全

    石田(宥)委員 わかりました。  そこで、この重松研究班結論がまだ中間報告になっておりますね。それが全部まとまって、報告書、こういうことになると思うのでありますが、この研究班の班員の中で、金沢大学の関係の人たちが二人入っておりますね。神岡鉱業所と金沢大学の間に、研究費の授受の関係はございませんか。
  74. 松尾正雄

    松尾政府委員 この問題に関しては、私ども、それは聞いておりません。
  75. 石田宥全

    石田(宥)委員 とかく公害の存するところ、必ず御用学者なるものが出ておる。ことにこのイタイイタイ病については、かつて金沢大学はこれを完全に否定しておる。そういう前歴がある。そうして今度もまた、金沢大学では、これにいろいろと疑問符を付しておる。それで、結果的にこういう中間報告になっておる。最終の報告書もまた、私はそのおそれなしとしないと思う。こういう点で、早急にお調べを願いたい。これはこっちから要請しておくわけです。  もう一つ問題は、とかく、阿賀野川水銀中毒事件などは、いかにも厚生省と通産省あるいは科学技術庁との意見の食い違いのような形をなしておるのでありますけれども、実は、私は本人の名誉のために、今日まで申し上げませんでしたけれども松尾局長の前任者が、三研究班に対して——阿賀野川の排水がその基盤をなしておるというふうに——基盤をなしておるというのは、食品衛生調査会でございますけれども疫学班は、阿賀野川の廃液であると診断するという結論をつけた。ところが、その結論を出す前に、一年これを引きずっておるのですが、一年間引きずっておる間に、前の舘林環境衛生局長が、そういう研究結論を出さないでもらいたいという圧力をかけた事実があるのです。これは、今度民事裁判で、私はちゃんと証人も出しますけれども厚生省と通産省が対立するかのごとき印象を与えるのは、私は演出だと思うのです。実は厚生省そのものが、真剣に取り組んでいないのだと思うのです。そういう点について、これは神岡鉱業所と金沢大学との金銭の授受の関係を調べると同時に、いやしくも厚生省が、学者の結論に対して圧力を加えるというようなことは、あってはならないと思うのですが、これは次官、どうですか、事実そうあるのですから。
  76. 谷垣專一

    谷垣政府委員 そういうことは、あるべきではないと考えております。
  77. 石田宥全

    石田(宥)委員 当然のことながら、私は実はだめ押しをしておくのです。そういう事実があったんだから。これは民事裁判に、私は証拠を出しますよ。だから、そういう点で、このイタイイタイ病の問題は非常に問題があるが、もう一点イタイイタイ病で伺っておきたいのであります。  この報告書があとで出されるそうでありますけれども、これはこれとして、さらに二百万円の調査費が厚生省に出され、通産省に四百万円出されておる。ところが、せんだって三月八日の予算委員会で、通産大臣は、通産省はいわゆるトップクラスの学者のメンバーも持たないし、研究の施設もないということをはっきり言っておるわけですね。また、そんなものはあるはずがないのですよ。自分で調査のスタッフもない、施設も持たないものが、かれこれ圧力を加えておるということは、これは許しがたいことだと私は考えておるのでありますが、今度の二百万円の調査費というのは、一体どういうところにお使いになるつもりですか。通産省との間に、どんな話し合いが行なわれておるのですか。
  78. 松尾正雄

    松尾政府委員 この二百万円の研究調整費によります研究は、一口に言いますと、カドミウムの挙動態様ということばを使っておりますが、カドミウムがどういうイオンの状態になっているのか、どういう化合物の形態をなしているかというようなことを中心にして、もう少し研究したい、こういう趣旨でございます。重松研究班の、ただいま先生が申しておられました、このカドミウムの分布由来という研究については、これで終わりでございます。決して、その次の研究をまたなければ、この研究報告がどうこうというものではございません。しかしながら、やはり疑問とすべきものは学問的にも残っております。そういった点は、さらに研究したい。そして将来の予防のために役立てるような資料としたい、こういう趣旨でございますが、この点は、通産省との間でも完全に話し合いがついております。
  79. 石田宥全

    石田(宥)委員 実は、この中間報告を読んでみまして、阿賀野川水銀中毒事件と全く同じものなんですね。疑問符を付した部分をたくさんこしらえておいて、いつまでもこれは片づきませんよ。私は実はこの研究班のメンバーを見て、研究班が参議院の委員会でいろいろ陳述しておるのでありますが、そのときの記録を読んでみて、私は、これはまともな結論を出さないなと、実は直観したのです。それはやはり佐藤内閣の体質であり姿勢であり、厚生省の体質であり姿勢からくるものだと思うのです。これはあとでゆっくり究明しますが、局長もそれくらいのことはわきまえておられるだろうと思うのですけれども、問題をあとに残しておきます。私があまり意地悪く見ておると、局長は考えられるかもしれぬけれども、私は熊本の事件と阿賀野川の事件でずっと取り組んできて、役人の意地の悪さということを身にしみておりますから、だから、これはたいへんな問題になると思うのです。金沢大学との関係ども、今後よほど注意されないと問題です。ですから、これは警告を発しておきます。  時間の関係がありますので、次に、経済企画庁のほうに伺いたいのでありますが、熊本県の水俣病に対する、経済企画庁としての今後の処理の方針をお伺いしたい。
  80. 今泉一郎

    ○今泉政府委員 前に各省の連絡調査会議をつくりましてやっておりましたが、これが、まあ非常に平俗に申しますれば、結論を得ないままに、解散と申しますか、立ち消えになった。これは先生に予算委員会でも御指摘を受けたのでございますが、そういう状況になっております。ただいまの、これから先の話といたしましては、ちょうど阿賀野川事件と相当類似しているような形もございます。それで、阿賀野川事件につきまして、科学技術庁で各省の意見を取りまとめまして、それで、いろいろお聞きしますと、そう遠からざる将来において、この結論が出る、こういうことを聞いておりますので、私どももその結論を得ました際、それに基づきまして、この水俣につきましても、何らかの措置をとることを検討したいと思って、いまいろいろと、いるわけでございますが、いま御承知のように、非常に出ているというわけじゃございませんけれども、また将来そういうことがあってはいけないわけでございますから、十分その辺を検討してまいりたい、こういうふうに考えております。
  81. 石田宥全

    石田(宥)委員 ただいまの御意見は、あなた個人の意見ですか、省内の、省としての意見ですか。
  82. 今泉一郎

    ○今泉政府委員 私の個人の意見ではございませんで、役所としての意見でございます。
  83. 石田宥全

    石田(宥)委員 そこで、さっきもちょっと触れたんですけれども昭和三十五年、六年の時点では、当時の科学技術の程度では、これを決定することは困難であったということが政府見解で、私の質問書に対する内閣の答弁書で、返ってきておるわけです。  それからもう一つは、三月八日の予算委員会で、実はもっとこれを詰めたかったのでありますけれども、時間の関係がありますから、欲ばっていろいろな問題を取り上げたので、実は中途はんぱにしておるわけですけれども、長官はこう言っておるんですね。各省庁連絡会議は開いたけれども、それよりは、学者に依頼をして研究をしてもらったほうが的確な結論が出ると考えて、文部省から熊本大学に若干の研究費を出して、これは研究を依頼したんだ、こう言っておるんですね。ところが熊大のこれに対する結論は、いわゆる水俣病という赤本で、これはもう世界的にずいぶん論議を呼び、ほとんどこれは欠陥のないものだ、しばしば関係局長などが、ほとんど完ぺきなものだということを言っておるわけですね。学者に結論を依頼をして、熊大に委嘱をした。熊大は、これに対してはいわゆる水俣病という病名をつけたというほど専門的な研究が行なわれて、世界に例のない病気であり、したがって水俣病という病名がつけられて、世界的にも国内的にもほぼ定説だといわれておる。こういう結論が出たにもかかわらず、経済企画庁はこれを握りつぶしているということは許しがたい態度であって、役所が企業の代弁などというものではなくて、経済企画庁は、窒素水俣工場の番犬の役割りを果たしたものだと私はいわなければならないと思うのです。なぜ一体、熊大が結論を出されたときに、経済企画庁はこれに結論を出さなかったのか。あのときに行政府結論が出ておれば、これは刑事事件にもなり、民事事件にもなったはずなんだ。そのとき結論を出さないから、刑事事件としては時効になっちゃっている。民事事件はついに起こらないで、だまされてしまったんです。この責任を一体経済企画庁は感じておるのか、感じていないのか。同時にまた、そこで結論を出さないから、阿賀野川で第二の水俣病を起こした。一体あなたのほうは、経済企画庁というところは、いま言うように、極論すれば、企業の番犬だと言われても返すことばがありますか。その責任をあなたのところは一体感じておるのか感じていないのか。富山県では、小矢部川その他でまたメチル水銀が検出されておる。あなたに、あまりそういう重い責任を追及するのはどうかと思うけれども、私はあらためてまた長官を呼んで、これは責任を追及しなければならないと思うけれども、いまからではおそいんじゃないか。すでに見事上、刑事上の責任を免れしめておるではないか。第二の水俣病を起こしているじゃないか。これに対して、責任を感じておるのか、感じていないのか、これをひとつはっきりしてください。
  84. 今泉一郎

    ○今泉政府委員 どういうわけで、政府結論が、昔水俣病について出なかったかということにつきましては、相当古いことでもございますので、具体的には私も承知しておりませんが、ともあれ、先生の御指摘になったような、水俣病にいたしましても、阿賀野川事件にいたしましても、今回問題になっておりますイタイイタイ病の問題にいたしましても、こういうことが世の中にとって非常に不幸なことであることは、これは間違いないので、経済企画庁としましても、その職責に従って、これは全力を尽くさなければいかぬ、これはもう確かだと思います。それで、ことに各官庁とも手を取り合って、手おくれにならぬように、できるだけの手を尽くすというふうなことは、ぜひ今後もつとめてまいらなければいかぬ。われわれの努力にして足りないところがあるならば、今後も十分反省して前進していかなければならない、こういうふうな気持ちを持っているわけでございます。私どももつぶさに、当委員会におきましても、しばしば各種の先生あるいは参考人の方からも、現地の状況等をきわめて詳細に伺いまして、まことにお気の毒なことが多い、こう思っておるのですが、水質の問題につきましても、できるだけのことをしていかなければならぬ、こういうふうに思っておるわけであります。
  85. 石田宥全

    石田(宥)委員 これは古いことだから云々などという問題じゃないのです。四十二名も死んで、去年も死んでおるのですから。あそこの湯ノ兒の病院に行ってごらんなさい。あの悲惨な状態というものは、これは世界じゅうにないのですから、世界で初めてなんですから、胎児性水俣病状態を、あなた方ごらんなさい。一度必ず経済企画庁は行って見ていただきたい。私もここで議論するだけが能じゃないから、見に行ってきましたよ。それを刑事事件も民事事件もこの責任を免れしめるために、握りつぶしておったのです、今日まで。何も古いことじゃないんだ。古くて新しい問題ですよ。これはこれ以上あなたを追及してもどうにもならない話で、しかし長官によく言っておいてください、早急に結論を出すように。これは結論は簡単に出るはずです。学術的な結論が出たのですから。完全なものが出たのですから。もう反論の余地もないし、議論の余地はないと言っているのですから、これはひとつお伝えを願いたい。  ちょっと時間がたちましたから、最後になりますけれども科学技術庁研究調整局長、お見えにならないようでありますが、これは私新聞をきょう持ってきませんでしたけれども、新潟日報というのに、一面のトップで、こういう記事が出ております。これは、いま科学技術庁で取り扱っておる阿賀野川水銀中毒事件について、政府の原案というものが発表されておる。これは私が承知しておるところとは若干相違もあるようでありますけれども、今日までの審議の過程から見ると、許しがたい点がある。これはどういう形で発表されたのですか。
  86. 原野律郎

    ○原野説明員 現在、科学技術庁におきましては、本件につきましての討議を部内でもって鋭意行なっている最中でございます。したがいまして、その新聞に出ました内容につきましては、私どもは全く関知いたしておりません。
  87. 石田宥全

    石田(宥)委員 科学技術庁でだれも関知しないものが、どうして新聞に出るのです。どういうことです。
  88. 原野律郎

    ○原野説明員 私どもとしても、全くその出所がわからない状態でございます。その新聞が出ましてから、関係者にも再度当たりまして調査いたしましたけれども、その事実はわかりません。私どもとしても、いかんとも、どういうわけでその記事が出たのかわかりかねている次第でございます。
  89. 石田宥全

    石田(宥)委員 こういう重要なものが、国会議員もつんぼさじきに置いて——私は何年もこれに取り組んでいるんですよ。それを、あれは盗まれました、私どもは何も知りません、で済みますか。盗まれたのならば、これは警視庁に届け出ましたか。捜査してもらいなさい。冗談じゃないですよ。こんなものはあなた方のところに、いわゆる結論をまとめる過程において、どこにでも投げ出しておいて、新聞記者でもだれでもかってに持ってくるような、そんな取り扱いをしておるのですか。
  90. 原野律郎

    ○原野説明員 私どもも、部内の討議におきましては、非常に慎重に取り扱っておりまして、討議の打ち合わせが終わるたびに、全部の資料を回収して、金庫の中かどこかに保存するというぐらい神経を使っております。したがいまして、その内容につきましては、おそらくその新聞の推測によるものであろうということしか、私どもとしては申し上げかねるのでございます。
  91. 石田宥全

    石田(宥)委員 これは新聞記者が入手したのは土曜日です。そうして日曜日の朝刊に、関係者、新潟大学の教授、それから水銀中毒事件の弁護団、それから被災者、それぞれの談話が全部載っておって、またそれに対する解説記事も載っているわけです。これは日曜日の日に出ておるのです。そうすると、あなた方の研究班のメンバーの中でこれを漏らしたものがある、こういうことになるのですか。どういうことです。
  92. 原野律郎

    ○原野説明員 先ほど申し上げましたように、私ども再度関係者全員に当たって問いただしたのでございますが、その事実は全くございません。
  93. 石田宥全

    石田(宥)委員 その問題は、やはりいま御答弁のように、慎重に扱われておったとすれば、出る性質のものではないと、私は考えるのです。ですから、その経過を若干伺ったわけであります。  さて、問題の文章でありますが、なるほど原案として発表しておるのですね。原案と書いてありますよ。だから、討議の資料だ、こう思うのです。しかし、長官は事務当局に、三月末までには成案を得ておれの手元に出せという指示をしておるのですね。これは三月八日の予算委員会でもやっているし、またこの間の予算委員会でも、これは私、予算委員会に行って、直接会って話をしたんですが、月末までに出すようにと指示をしてある、こう言っておるのですよ。ところが、月末までに出せという指示をしたというのが、三月三十一日に原案というものが出ておる。  そこで、その中身をちょっと質問を申し上げたいと思うのでありますが、問題なのは、長期広域汚染によっても発生する、その上に、短期濃厚汚染が重なることによっても発生する、これは一体どういう意味でしょうね。これは資料を離れて答弁してください。
  94. 原野律郎

    ○原野説明員 先ほど御説明申し上げましたように、私ども庁内におきまして、連日、鋭意検討を重ねておる段階でございまして、まだ結論を得るに至っておりませんので、内容につきましては、その結論が出るまでお待ちいただきたいと思います。
  95. 石田宥全

    石田(宥)委員 結論が出るまででもけっこうですけれども、しかし私は、食品衛生調査会というもののあり方から見て、水俣病食品衛生調査会に付議するということに、実は抵抗を感ずるものがあるのです。食品衛生調査会というものは、食品に対する添加物であるとか、お菓子の着色剤であるとかいうようなものの、中毒物質のようなものについて調査するものだと理解しておるものだから、厚生省食品衛生調査会にこれを付議したということに、実は疑問を持つし、それから食品衛生調査会の会長の小林芳人という人は、昭和電工の顧問であることは周知の事実なんです。そういう点で、私は非常に疑問を持つ。特別部会長についても、若干疑問があるのです。けれども食品衛生調査会は、昭和電工の廃液が基盤をなしておるというふうにまとめておるのです。そのほかに地震とかあるいは洪水というものが、何らかの影響をもたらしたものではないかというふうにいっておるのです。ところが、この原案の中に、突如として、今度は、地震に際して倉庫の中にあった農薬が大量に流れ出たために、この農薬がこれに影響した、こういうふうに実はいわれておる。長い間、昭和電工は、いまでもそれをいっておるわけです。いまでも昭和電工は、ばかの一つ覚えみたいにいっておるのです。ところが、私が疑いを持つような食品衛生調査会の会長が、科学技術特別委員会に出席されまして、農薬説もあったけれども、それは完全に否定されました——なぜ否定されたかということを私が伺ったところが、あそこの魚の検体や解剖所見では、もし農薬の影響を受けたとすれば、フェニル水銀、エチル水銀というものは必ず検出されなければならないのに、それが全然検出されないということは、これに農薬説ではないんだということを、はっきり食品衛生調査会会長が答弁をしておるのですね。そこで、それほど明瞭に食品衛生調査会が否定をしたものを、今度のあなたのほうの原案の中では、「散布農薬の影響も無視できない」という文章を入れておる。これは原案といえども、今日まで三年間も論議をした過程に出てこなかったものが、突如としてあなたのところに出てきたのは一体どういうわけですか。どういう根拠があるのですか。
  96. 原野律郎

    ○原野説明員 再々申し上げておりますが、私どもの部内での検討がおくれておることは、まことに申しわけない次第でございますけれども、現在鋭意検討中でございますので、その点につきましても、私ども結論を得ますまで、お待ちいただきたいと思う次第でございます。
  97. 石田宥全

    石田(宥)委員 それは、全体について私は聞いておるのじゃないですよ。あなたのところで、とにかく、盗まれたか、だれかが売ったかわかりませんけれども、あなた方の関係者の一人がこれを表に出したわけです。その原案なるものに、いままで三年間も議論した中で一ぺんも出てこなかった、散布農薬の問題が突如として出てきたのはいかなる根拠かというのです。あなた方が討議している原案の中に入っておるから、問題にしておる。それを答弁できないということはないでしょう。何でそういうものが突如として出てくるのです。厚生省からも出ていないし、通産省からも出ていないし、どこからも出ていない。どこから出てきたのですか。
  98. 原野律郎

    ○原野説明員 現在、科学技術庁としては、部内での討議のための資料は作成しておりますけれども、まとめた形での原案というのは持っておりません。したがいまして、その中で、先生の御指摘なされております散布農薬説につきましても、現在、内容の問題につきましては検討中でございますので、何とか結論を得るまで、いましばらく御猶予いただきたいと思います。
  99. 石田宥全

    石田(宥)委員 あなた、そうとぼけることはないですよ。ぼくは、この間、もう事務段階ではまとまりましたという話を聞いておるのです。何でそんなとぼけたことを言っているのです。ちゃんとこっちでは、事務的にまとめたということはわかっているのです。どうせ近く、科学技術特別委員会で徹底的にこれは追及しますけれども、あなた、何でもかんでも、知らぬ存ぜぬで、結論待ち結論待ちとおっしゃるが、こういうものが現に出ておるし、そして原案の中にちゃんと入っておるのです。三年間もいままで全然出ていなかったものが、突如として科学技術庁の原案で出たのは、一体どこから出たのか、これを聞いておるのです。それくらい言えないことはないでしょう。それも言えないですか。あなた、関係しておるならわかっておるはずです。どうですか。
  100. 原野律郎

    ○原野説明員 まことに申しわけございませんけれども、全く私ども庁内におきましては、心当たりございません。
  101. 石田宥全

    石田(宥)委員 そういう事実はない、こうおっしゃるのですか。そういう事実はないということですか。
  102. 原野律郎

    ○原野説明員 私ども調査いたしました範囲におきましては、その事実はないと思います。
  103. 石田宥全

    石田(宥)委員 はい、わかりました。  最後に一つ、次官、まあ先ほど来お聞きのとおりなんです。私は、社会保障関係、救済関係などたくさんあるけれども、実は原因究明することが先決問題だと思って、ずっとやってきたのですよ。ところが今日まで、あなたのところの前の環境衛生局長までもが、事実学者の研究に圧力をかけるようなこともやってきた。そういうふうにやってきたので、その結論が非常におくれておるわけですよ。先ほど工藤委員からも指摘がありましたように、二千万円の予算で云々ということもありますけれども、もう少し積極的に、科学技術庁がそういう面も配慮しながら、結論を急がせるようにひとつ働きかけをしてもらいたいが、どうでしょう。厚生省厚生省案を通そうというのですから、われわれは、厚生省案に対してははなはだ不十分であり不満足であるけれども、やむを得ない、厚生省案だけは通してもらわなければ困るという立場なんだから、ひとつ積極的に推進をしてもらいたい。どう思われます。
  104. 谷垣專一

    谷垣政府委員 御指摘のとおり、問題は一日も早く結論を出すべきものと考えます。厚生省といたしましては、当然に科学技術庁その他のところにその旨を申し伝えて、推進をさせていただきたい、かように考えます。
  105. 河上民雄

    ○河上委員長代理 島本虎三君。
  106. 島本虎三

    ○島本委員 大臣はまだ見えませんけれども、見えるまでの間、特に私は、いま石田委員の高邁なる質問を聞いたり、またこのあとに岡本委員質問があるわけでございますが、公害という問題がいま、派生的な問題じゃなくて、重要な解決案件として、政治上の課題になっている。基本法はできた、実施法がもうすでにできている段階である、こういう中で、各省のこれに取っ組む態度に対して、私自身ちょっと伺ってみたいと思うのです。しかし、残念ながら答える人がいないのです。いないのは残念ですけれども、いる人によって答えてもらいたい。  公害部門、いわば行政的な公害担当部門は、厚生省においては公害部があるわけです。それから通産省においては立地公害部があるわけです。もっとも厚生省の場合は局がありますけれども、しかし運輸省と建設省と経済企画庁、同じ公害の問題を大きく扱っておるこの行政機関には、どのような部門がございますか。運輸省から順番に、ひとつ御答弁を願いたいと思います。
  107. 原田昇左右

    ○原田説明員 御答弁申し上げます。  運輸省に関します公害といたしましては、船舶の油による海水の汚濁と、自動車の排気ガスによる大気汚染、それから航空機による騒音、それから自動車、鉄道等による騒音、そのほかに運輸省の所掌しております造船工業、車両工業等からの工場排水、それから港湾地区におきます地盤沈下問題、こういったものが、運輸省の所掌分野の公害として指摘されておるわけであります。  そこで、船舶の油による海水の汚濁につきましては、大臣官房開発課において、船舶の油による海水の汚濁の防止法の施行に関する事務をいたしておるわけでございます。それから自動車の排気ガス及び騒音等に関しましては、運輸省の自動車局におきまして、この対策を推進いたしております。それから航空機による騒音につきましては航空局でございます。それから鉄道関係につきましては鉄道監督局、それから先ほど申し上げました工場排水についての主務大臣としての運輸大臣の事務は、それぞれ、造船でございましたら船舶局、鉄道車両でございましたら鉄道監督局がやっております。それから港湾の地盤沈下問題は港湾局でやっております。それで、これらの公害全体の取りまとめを、事実上、官房開発課において行なっておるわけでございます。
  108. 山東良文

    ○山東説明員 私は、実は、公害を直接担当する課長ではございませんけれども、私どもの知っている限りにおきましては、実は、公害に関しましては、どちらかと申しますと、建設省のほうは、公害が発生した場合に直接どうするというようなことではなく、都市計画とか、あるいはフィジカルなプログラミングをやります場合において、いろいろな意見を申し上げるという立場にあろうかと思います。なお、特殊な例といたしまして、建設事業をやります場合における、そういう部面における公害がございますが、この公害に対する建設省としての一括した窓口は、都市局の都市総務課というところでやっております。
  109. 今泉一郎

    ○今泉政府委員 公害の問題一般につきましては、国民生活局において所掌いたしておりますが、この中で、水関係のことにつきましては、水資源局が、水質の開発とあわせて、現在担当しております。
  110. 島本虎三

    ○島本委員 これからいろいろ順を追って質問していかなければならないのでございますけれども、局の下に部があって、そこで統括してやっていく場合には、行政的体制として、一元化していなくてもすなおに行ける可能性のあることは認めます。その意味では、建設省と厚生省はとにかく整っておるのではないかと思いますが、運輸省に至っては、それぞれ各部門別々に、約十近くも別々に対策をするということに相なるのじゃございませんでしょうか。こういうようなことでは、公害発生の対策に十分当たることができないのみか、セクト的になって、これでは行政そのものの実がどうもあがらない、そういう傾向があることを、私は指摘できると思うのです。この点は、審議官ですから、やむを得ないと思いますけれども、この問題は大きい問題ですから、他日あえてやらざるを得ないのではないか、こう思います。  建設省のほうは、大臣が来てからでないと、おそらくはわかりません。このようにして、おそらくは建設省が今後の公害源になるんじゃないか、こういうふうにさえ思われている建設省本元に、行政的な機関がこういうふうにして完備しておらないということになりますと、今度基本法ができまして、実施法をここに実施しなければならない立場に立つ以上、いかに総理があせって目を白黒してもがいても、実施法の点で十分な実をあげることができない、足の引っ張り合いである、こういうおそれの十分あることを、私は遺憾に思うわけであります。  こういう点は、皆さんに聞いてもいたし方がないと思いますけれども、運輸省は一番問題の多いところでありますけれども、いま言ったように、公害担当部門が、運輸省には、固定されたもの、窓口がまだないのであります。それぞれ約十近くも、それぞれ別々にやっておられるようです。これは、どこかの機関を通してやるのでなければ、今後公害行政の実をあげることができないのではないか、こう思うわけですが、大臣が来ておりませんので、政務次官から、この点に対して、高邁なる御高見を拝聴しておきたいと思います。
  111. 金子岩三

    ○金子政府委員 運輸省では、官房の開発課が窓口として、総取りまとめをやっているわけでございます。
  112. 島本虎三

    ○島本委員 名前が開発課であります。これは、いわゆる開発事務をやるのならばこれでいいですが、公害関係のほうをまとめて——これも公害関係の開発なんですか。これは、開発の意味は別にあるはずですが、そこに併置しているということにすぎないじゃありませんか。この点もっと考える余地がないかということなんですけれども、この点いかがでございますか。
  113. 金子岩三

    ○金子政府委員 官房の開発課と申しまして、産業公害の安全等、そういったいろいろな施策を総合的に取りまとめておるのでございます。いろいろ御指摘の点は、私たちもよくわかるのでございます。今後は、御趣旨に沿うように、なるべくまとめて、迅速に仕事ができるようにいたしたいと存じます。
  114. 島本虎三

    ○島本委員 先ほど、通産省の立地公害部長の、工藤君の質問に対する答弁では、いわゆる公害関係イタイイタイ病水俣病に対する因果関係と具体的責任関係、この問題が一つの大きなポイントになっておるというのだが、この次がわからないのですが、説明してもらいたいのです。しばらく間を置いて何かするのが、違いといえば異なるところである、こういうふうな御答弁があったようですが、厚生省と通産省の処置の違いを、しばらく間を置いて何かするのが違いといえば違うところであるという。私は、これが具体的によくわからぬのですけれども厚生省との処置の違いは、いまのようなことばを私は聞いたのですが、これはどういう意味でございますか。ひとつもう  一回はっきりさしておいてください。
  115. 矢島嗣郎

    ○矢島説明員 確かに、私の説明があいまいであった点は認めますので、もう一ぺん御説明いたしますと、厚生省の原案では、たとえば中央公害審査会というふうな審査会を設けまして、そこが行政的に、因果関係なり責任関係を判定いたしまして、そして、それに基づいて、責任者もきめるし、それから、その責任者の負担額等もきめるわけでございます。そういうような構想になっておりますが、そういうようにいたします前に、もっと早く救済できるような方法を考えたらいいのではないか、そういう点が違うわけでございます。
  116. 島本虎三

    ○島本委員 公害にかかる紛争の処理及び被害の救済に関する法律案、この問題は、今回は提出不可能である、こういうようなことさえ言われているのは、通産省と厚生省の間のいろいろな意見の相違があり、そのことによって、こういうような結果になったんじゃないかと思うのです。おそらくはそこを聞いたと思うのです。そういたしますと、この問題はまことに重要な問題であります。これは、一つのメンツやポスト争いのためにおくらせるというような性質の問題じゃないのです。もし不可能な点があるとすれば、それは何なのか、この際はっきりしてもらいたい。これは率直に言って、法律をつくって、企業者の八分の五の費用の負担を認めることになると、初めから公害を出したことを認めることになる。すなわち、そのメンツ上これはできないのだ、金の負担にたえかねているのじゃない、私はそういうふうに理解しておったのであります。そういうようなことならば、これからの話し合いによって煮詰めて、早く立法化し、成案化してもらいたい。これが私の願望だったのです。しかし、いまの部長の話によると、それより前にまだ何かある、こういうようなことでありますが、それならば、業者間の拠金によって十分やれるというような見通しがあるのかどうか、これによってやりたいというような意思なのかどうか、この点をひとつ明確にしておいてもらいたい。
  117. 矢島嗣郎

    ○矢島説明員 業者間の拠金によってやるという考え方もあるわけでございますが、それが唯一の方策とは考えておらないわけでございまして、そういうこともいろいろあわせ考えて、至急に詰めたいと思っております。
  118. 島本虎三

    ○島本委員 すなわち、これは法によって、いろいろやることによって、国も責任を負う一面があります。業者間の拠金によってやる場合には、当初たくさんあっても、永続する見通しがおありかどうか。いかにこれが発生しても、十分経費を支出しても、底をつかない、こういうような見通しがおありかどうか。こういうようなことを一たん言い出してしまった場合には、なかなか困ることなんですよ。これは妥協してはいけないですよ、政府としては。ここをき然としてやらなければならないはずなんです。私はそう思っておる。ところが、やはり腰砕けになりますと、法律を通すのにも骨が一本欠けるのです。こういうようなのが、いかに公害部がありましても、立地公害部がありましても、この点等におきましては、まだ考え方の違いがはっきりあることを、私もいまここに察することができて残念です。こういうようなことがあってはいけないのです。やはり煮詰めるものは煮詰めて、十分、法によって、この問題はもう責任を持ってやる、こういうようなのでなければ解決になりません。ほんとうにあるならば、自信を持って、業者間だけの拠金でやれるのかどうか。私は、これはまだあぶない、恩恵的なものはあぶないと思う。これは通産省のほうではこれ一つあるということですが、これにこだわっておらないと思いますが、法制定のほうを先にしますか。それとも、拠金によってこれを救済するのを先にし、それを積み重ねによって、行政的にこれも実行しようということを考えておりますか、いかがですか。これは通産省。
  119. 矢島嗣郎

    ○矢島説明員 拠金の話は、四十三年度につきましては、法律ができなかったりあるいは予算が現についていませんけれども、予算が、予備費その他でつかない可能性も相当あるので、そういう場合に、とりあえずの措置として、そういうことでも考えなければならないのじゃないかというところに、考えを出した原因があるわけでございます。したがって、恒久的な問題といたしましては、やはり国庫から相当部分を出してやる。そのために、あるいは法律をつくらなければならぬかもしれません。そういう意味で、私どもは恒久的な対策としては、今後至急中央公害対策審議会の場等を通じまして、研究していきたいと思っておりますが、御指摘の拠金云々の話は、四十三年度に不幸にして予算がつかなかったり、法律ができなかった場合でも、そういうものをまず発足させてはどうかというところに、発想があるわけでございます。
  120. 島本虎三

    ○島本委員 厚生大臣も見えておられますから、大臣にこの際率直にお伺いしておきたいと思います。  公害対策基本法、これが昨年制定されまして、いまいよいよ実施法の段階になってきております。いままで大臣の言明その他、精力的な行動は、私は理解するところであります。そして、いまここに、ようやく大気汚染防止法案と騒音規制法案が、法制局の段階で煮詰められておることは、了承しておるのであります。しかし、これだけではすべてではもちろんございません。たくさん、もっともっとあるわけでございます。しかし、ようやくこの二法でも顔を出したということは、私はその努力に対して敬意を表するのに、決してやぶさかではございません。私がいま大臣に要望したいことは、佐藤総理は、基本法ができたその際に、実施法の段階で、懸案になっております問題、無過失賠償制の問題は、具体的に実施していく、このことを言明してあるのです。それから、救済、予防、この点においても措置を講じます、こういうようなことをはっきり言ってあるわけです。私は、いまこういうようにして見ますと、この窓口はどこなんだ。いま大臣の来る前に、各省にわたって聞いてみたわけです。坊厚生大臣当時は、現在のような基本法、それから現在のような基本法の状態で実施法を制定する段階で、これは行政部門の一元化をしなくても、それ以上の効果をあげることができますと、これは断言してあるのであります。しかし、いまこうして見ますと、各省間、それぞれ法案に対しましては、厚生大臣の意欲あるその要請に応じて来た、こういうようなことは、私決して考えられないのは、これは残念です。私はこういう機会に、行政の一元こそまた必要な段階じゃなかろうか。そうでなければ、もう少し中央から総理として、今度通産省なり経済企画庁なり運輸省なりその他関係ある省に対して、その法律は出すべきであるというようなことを強力に要請させるべきだ、すべきである。だれがやるのだ、厚生大臣あなたです。前の坊厚生大臣の場合には、それは事務局、その窓口は厚生大臣であります、こういうようにはっきり断言してあるわけです。私はそうじゃないんじゃないか、各省まちまちですよと言ったら、そんなことは絶対ない、窓口は私ですから、私のところを通じて、各省にそれぞれやることができるのだ、こういうように言っていたわけです。しかしながら、いまこれを再び園田厚生大臣に言うのは、実施法律案が、厚生省所管のものだけ顔を出した。しかし顔を出しておらない、出しつつあるものもあるようです。いま難航しておるものもあるようです。それで、われわれの同僚が一生懸命になって、これを出すように努力さしておる面もあることを、私ここに認めております。こういうような状態の中で、通産省関係二法、経済企画庁関係一法、運輸省関係一法、もう経済企画庁関係のほうはそろそろ芽を出すそうですか、他のほうはまだ残念ながら聞いておらないのです。窓口があなただとすると、あなたと総理は一体になって、これを出させるようにするのが、前国会一つの約束事です。この点について、酷ではございませんでしょうとは思いますけれども、ひとつはっきりした決意を承っておきたいと思うのです。
  121. 園田直

    ○園田国務大臣 公害関係がそれぞれ農林省、建設省あるいは通産省、運輸省、各方面にまたがっておって、実施の面に相当困難があることは事実でございます。できれば一元化することが適当ではございまするが、現実の問題としては、社会の進歩の複雑さ、及びその発達の中から、複雑な公害がどんどんどんどん新しく出てまいっております。したがいまして、これを一元化することは困難ではありまするが、しかし御指摘のとおりに、少なくとも基本法に基づく実施の法律案について、窓口がみずから進んで人間の健康と生命を守る。公害厚生省が所管をしたい。責任を買って出ておる。厚生省に窓口が一本にしぼられるという法律の基準をしなければ、いまのままではなかなか困難であると私自身も考えております。ただ基本的な考え方を申しますると、いま通産省、各省と厚生省とどう違うかということをおっしゃいましたが、いろいろな折衝を重ねてまいりますと、いろいろな惰性もあります、習慣もあります、誤解もあるようでございます。たとえば自動車の排気ガスについては、自動車の構造あるいはこれの経営ということについては、しろうとの厚生大臣が口を出してもらっては困るという御意見もあるようですし、あるいは煙突については、全然商売に経験のない厚生省が来て口を入れては困る、これもごもっともでございます。しかし、私のほうでは、そういうことに口を出す意思は全然ないのであって、ただ最終段階の出てくる煙、自動車の排気ガス、そういうものが人命と健康にどういう影響があるかということで、その点についてだけしぼらしていただければいい、こういう方針で、実は折衝を進めてきております。紛争の処理についても、御指摘のとおりに、本年正月には、総理は伊勢の駅頭で、紛争処理基金の案分についても、記者会見をして正式に発表しておりまするし、委員会、本会議等においても、しばしば明言しておるところでございます。そこで、いろいろ困難がありましてまとまらぬ点もございまするが、各省とも、必ずしもなわ張りを固守しているわけではなくて、回数を重ねれば、だんだんお互いの意見が煮詰ってきているようではございまするが、ただそのスピードと、かといって、国会とのお約束もあるし、また社会の要請もありまするので、基本法に基づく実施の法律案を、このままいつまでも放任することはたえがたいところでございまするから、いまようやく二法案の法律案作成をやっているところでございます。  なおまた、紛争処理につきましても、まだまだ国会の日数もあるところでございまするし、この紛争の処理が一番大事でございまするから、私は、何とかして成案を得て、頭を出すところまでこぎつけたいと努力しておる最中でございまするが、ただ、紛争処理について私の言いたいところは、この公害というのは、犯人がだれかということではなくて、目的は、被害を受けた人間を政府がどうやって守るか、あるいはどうやって救済するかということが、公害の主目的でございます。そこで、その救済をするについては、一番原因の多かったものから逐次責任を担当していこうじゃないかという、責任のあんばいが基金の問題になっているわけでありまして、財界の方々の御好意は非常にわかります。自分たちが金を集めて、好意によって援助をしてやろうということでございまするが、厚生大臣が願いますることは、公害の認定ということは、どなたにも干渉されてはならぬので、公平に公害の認定をするのには、人さまのお情けで助けてもらうということでは−私は公害の認定の場合に、いままでもほとんど、実例からして、公害が、即時あるいは適切に紛争処理あるいは訴訟等が片づいた例はないので、足尾銅山のごときは、九十年もかかってようやく解決した。解決したときには、被害者がいないということになってはたいへんでございますから、その点を心配しつつやっておるわけでございます。したがって一元化の問題につきましては、現実としては一元化はできないかもしれぬが、少なくとも法律の作成につきましては、窓口を一本にしぼってやらなければならないだろう。ただいまのところでは、関係閣僚会議で、政令その他で、窓口は厚生省にするということはきめておりまするものの、それは必ずしも、実質上、厚生大臣が主となって各省にお願いするというかっこうではなくて、五分五分で相談をして、聞かれなければしかたなしに、あきらめて早く法律案をつくるということになっては、いささか問題があるのではないか、このように率直に考えております。
  122. 島本虎三

    ○島本委員 運輸省では、特別臨海地域の開発と利用に関する法律案、これはいつ提案されるようになりますか。いろいろ提案の準備は整いましたか。この経過と結果について御報告願いたいと思います。
  123. 内村信行

    ○内村説明員 お答え申し上げます。  御存じかと思いますけれども、運輸省といたしましては、特定臨海地域につきまして、これを全体としてとらえまして、そうして船舶の交通とか、あるいはそれに関連いたしました立地条件、こういうものを考えて、有効にかつ効率的に臨海部の運営をやってまいりたいというふうなことから、それにあわせて公害というものも含めまして、臨海部におきましては一元化してやっていきたいということから、先ほど御指摘になりました法律案を予定しているわけでございます。ところが、たまたまここに通産省から、工業立地適正化法案というものが出まして、これと一緒にそれをながめてみますと、内容において一緒にしたほうがいいんじゃないかというふうな点が出てまいったわけでございます。必ずしも、われわれといたしましても、ばらばらにいろいろな法律をつくりまして、それによって、いろいろなところでいろいろな条件が出るということは好ましくない、法律としてはなるべく一本化して、民間の方々に御迷惑をかけないようにするというような趣旨から、合体して一つのものをつくろうじゃないかということで、種々御相談して進めてまいっております。ただいま、そういうことで、通産省あるいは建設省と折衝中でございます。
  124. 島本虎三

    ○島本委員 経済企画庁の公共用水域の水質の保全に関する法律の一部を改正する法律案、これはいまどういうようなことになっておりますか。
  125. 今泉一郎

    ○今泉政府委員 先生の御要望によりまして、お手元に公共用水域の水質の保全に関する法律の一部改正案の要旨を差し上げてございますが、ごらんのとおりの数項目を内容とするものを、いま経済企画庁としてはまとめまして、各省と相談しておる、こういう状況でございまするが、そのうち特に各省間において問題になっておりまする点は、第二、第三の点でございます。すなわち、国と地方公共団体が、水質の規制につきましてどういうふうに手を携えていくか、どうやっていくかという点、これが主として各省間で問題になっておるわけでございます。経済企画庁といたしましては、できるだけそういった問題の点を煮詰めまして、早急に解決してまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
  126. 島本虎三

    ○島本委員 この問題が大事なんですよ。というのは、イタイイタイ病でも水俣病でも、またどこか長崎にも発生したかのようにも聞いておりますけれども、こういうようにして、管理を十分にしないと、至るところにこういう問題が発生してくるおそれがあるのです。したがって、こういうのは急がなければならない。厚生大臣が窓口です。これは総理大臣の命令によってでも、出させなければならないはずなんです。ほんとうに、副総理は厚生大臣だから、あなたはまごまごしないで、こういうのは早く出させなければだめだ。あなた、これは笑いごとじゃないから、しっかりしてくださいよ。  それと、今度基本法ができて、関係立法が、いわゆる実施法が、こういうようにしていろいろと、出す出さないで問題になっているのが現状です。しかしながら、これは今後の努力にまちます。私は心から期待しております。  それと同時に、厚生大臣、先般、公害防止事業団法の一部改正法案が出ました。そして先月の三十日に参議院も通り、成立いたしました。これは、私は都市公害にも利用するという立場から、大いに歓迎しております。りっぱでした。しかしながら、この中で、私はやはり十分考えなければならない点が一つあると思います。それは、総理もこの問題では、昭和四十二年の七月十七日に公害基本法が通るときに、「いわゆる環境を整備する、住みいい都会づくり、そういうことにもっと積極的に取り組むべきだと私は思います。まあ、私のかねて言っている社会開発の大きな仕事の一つだ、かように思いますので、まして、ただいま言われますように国際的な行事も行なわれるという、そういう際でありますから、まあ取り組みやすいかと思いますが、そういう意味で一そう検討したいと思います。」というのが、当時の、公害防止事業団法一部改正法案に対する総理の見解だった。これがもう通りました。通る際にも、三月の六日ですが、この実をあげるために、厚生大臣にもこの点は十分質問いたしました。大臣の答弁もこれで明らかです。あそこに約十をこえる官公庁の設備があるから、この官公庁の設備も同じ協力体制でやらなければだめだ。したがってこの点は十分やってくれ。大臣は、「御意見のとおりであると考えております。」と言ったのです。考えているだけではだめだから、「やるのですか。やらないのですか。」、園田厚生大臣は「やります。」と断言しているのです。これは十一の省庁がございますが、どのような方法によって、この協力方についての要請をしたのか、これについて、具体的に伺っておきたいと思うわけです。
  127. 松尾正雄

    松尾政府委員 先般、公害防止事業団法の審議に際しまして、御指摘のような十一ほどの官公庁の名前をあげられました。これがやはり都市公害の観点から、集中暖房の中に加わるような努力をするようにという御要請がございました。そしてただいま大臣のお答えのようなお答えがあったわけでございますが、私どもさっそくその実態がどうなっているか、まずそれを調べたい、こう考えまして、ただいままで、三月三十一日までの状況で、その状況をまず把握をいたしたわけでありす。それによりますと、十一の中で六カ所というものは、すでに加入する意思を決定いたしております。残りの五カ所というものがどういう状態であるか、その実態に応じまして、私どもも、先般のお約束どおりの努力をこれからしたいと考えておるわけでございます。ただいまのところ具体的には検討中でございますけれども、たとえばなお中央の所管の官庁からの返事を待つというようなもの、それからあるいは、鉄道管理局のようなところでは、石炭が、実は非常に安く手に入っておるというようなことで、これを切りかえることがコストが非常に高くなるのじゃないかというような見解のもとで、加入する意思を決定していない。それから郵政局のようなところは、たまたま昨年、四十二年度に石炭を重油に切りかえたばかりであるというような事情もありますというようなこと、あるいは営林局もボイラーを更新したばかりであって、少なくとも四十八年ごろまではこのままでいきたいというような意思、それから関係機関であります農林中央金庫はただいままだ検討中である、こういう状況を把握いたしたわけでございまして、今度はこういうそれぞれの加入しないという理由といいますか、立場というものも明らかにできましたので、それぞれの立場をよく考えながら、今後、個別にいろいろと説得もしてまいりたい、こういうように思っておるわけでございます。
  128. 河上民雄

    ○河上委員長代理 島本委員、恐縮でございますが、厚生大臣はお急ぎなので、岡本委員の関連質問を先にやって、その次に御質問を続けていただきたいと思います。
  129. 岡本富夫

    ○岡本(富)委員 厚生大臣がお急ぎだそうですから、先般ちょっと聞くのをおくれておったのを、一点だけお聞きしたいと思います。  それは、この間、イタイイタイ病中間報告があり、それから厚生省最終結論がもう少ししたら出る。その前に、新聞に出ました報告が出ましたが、それはまだ結論でないから、はっきりしたものを出す、こういうことを言明されておりましたけれども、通産省に横やりを入れられないように、またそういうものには左右されない、はっきりした結論を出しますと、こういうように言明されましたが、大体中間においては、イタイイタイ病原因カドミウムによるのだ、今度のその原因は、主犯としては神岡鉱業所である、こういうように出ておりますが、それならば、いまあの患者が大体公害と認定できるか、これを一点お聞きしたいと思います。
  130. 園田直

    ○園田国務大臣 通産省との関係でございますが、通産省から横やりを入れるようなことはないと思います。このことについてはすでに話がついておりまして、この次の第二研究班というのが、この公害の認定に関する研究をやるのではなくて、今後の予防についての研究をやろうということになっておりまして、ただいまの第一研究班結論で、行政的にこれを受けて、認定するかしないかということになっているわけであります。なおまたその報告書は、中間の先般の報告も、これは事が非常に大きな問題で注目されておるために、報道機関等から要求をされて、研究班がその要旨を発表したものでありまして、さらに数回検討をし、資料を整理をして、綿密な報告が私のところへ参りまするのはおそくとも四月の末か、今月の中旬でございます。それが正式の報告になるわけでありまして、これがきまりましたならば、私は、これを十分検討した上で、だれからも干渉されずに、一番最初の大事な問題であり、先例ともなりますので、公平に裁定を下したい、こう考えております。
  131. 岡本富夫

    ○岡本(富)委員 いまの問題で、通産大臣も、厚生省結論ははっきりとそれは政府見解として認めます、こういうように、私はこの前の委員会ではっきりとってありますけれども、大体いままでの経過、これは厚生大臣お聞きになったと思うのです。したがって、現在の時点において、公害らしいのじゃなくて、これは公害病である、こういうように、あなたの結論が出ないかどうか、この一点だけお聞きしたいと思います。どうでしょう。
  132. 園田直

    ○園田国務大臣 ただいま当委員会で私の感じを申しますことは、後刻、誤解を与えると思います。これはきわめて大事な問題でありますから、やはり研究班を出したからには、その正式な研究報告を綿密に調査した上で、私が裁定すべきであって、中間の新聞等の文字を見て、このようであると申し上げることは、私の裁定が権威を失うおそれがありますから、この点、御了承を願いたいと思います。
  133. 島本虎三

    ○島本委員 いまの厚生省発表でわかりました。私は、もうこういうことがあっては困るから、去年一回、ことしまた三月六日に一回、合計二回、その間で同じ激励は数回やっておるわけであります。しかし、こういうような問題につきましては、具体的な方法面で解決できると思います。たとえば、いま重油にかえたものであるならば、これを年限を切って、それまでの間、徐々に加盟させるようにしていったらいいし、その辺は話し合いだと思います。ただ、これに対して、石炭が安いからちょっと困難性を感ずる、こういうのは、いま初めて聞きまして、がく然としたのでありますが、国鉄だけなぜ石炭が安く入るのですか。どうして、石炭が安いから、国鉄だけ、加盟しなくてもいくというような結果になるのですか。それがまずわからないのが一つ。  もう一つ、やる場合には、高煙突並びに電気集じん機、同時に脱硫装置、こういうような数億円をこえるようなものさえ装置しなければならないし、それをやらなくても、この地域暖房に加盟し、国のほうで低利に融資してやって、これで全部やって、青い空、これをいま四年後のオリンピックにやろうとしておるのです。これに加盟しなくてもコストが安くいくというなら、これもまた明快にしてもらわなければならない。いわゆるこの二点が大事です。私はその点お伺いしておきたいと思います。
  134. 松尾正雄

    松尾政府委員 私どもも、石炭がなぜ安く入るかというところまでは、つまびらかにすることはできません。ただこういう調査をいたしましたのも、先生指摘のように、やはり具体的な計画といたしまして、いろいろと協力してもらわなければならない。そういう意味で、やみくもに話をかけるということでは、実態が解決いたしませんので、どういうところに加入しないという理由があるのか、またいつまでであれば加入できるというふうに見込まれるのか、という判断をするために、いろいろ調べたわけでございます。その点につきましては、あるいは私の懸念いたしております一つの点は、集中暖房というような新しい問題についての理解が不十分であるというような問題、あるいは青い空を取り戻すための理解と申しますか、そういった点について多少まだ御理解が足らない点がある、というような点もベースにあるかと存じますが、いずれにいたしましても、そういう個々の事情を明らかにした上で、先生のおっしゃるように、年次計画なりある時期なり、一挙にできないとは存じますが、そういう努力を個々にしてまいりたい、こう思っております。
  135. 島本虎三

    ○島本委員 運輸省のこれに対する協力の態勢は、大臣はよろしいと言っていたのですが、具体的な面では、よろしくないようですね。いま言ったようなあんばいで、よろしくないようですが、これはどうなのですか。
  136. 金子岩三

    ○金子政府委員 集中暖房の計画がはっきりいたしまして、具体化して、札幌の鉄道管理局に協議があれば、これに応ずるように指導いたします。
  137. 島本虎三

    ○島本委員 これはこれでよろしゅうございます。終わります。ぜひこれは協力してやってほしい。そうでなければ、総理と中曾根運輸大臣と事務当局、この間のパイプが全然通じていないことになるわけです。もしなっていないとするならば、私は決意を持って参りましたが、やるというなら、これでその経過を見ることにして、私はもうやめておきたいと思います。それで、決意の表明はいましてもいいのでありますけれども、通産省並びに建設省の態度が未定でございますから、本日、これ以上の決意を、私は表明しないことにしておきます。それは賢明なる同志諸君の健闘を心から待つからでありますが、今後これができない場合には、私は徹底的にやることをここに宣言しておきたい、こういうように思うわけです。同僚もよくこの点を聞いておいてほしい、こういうように思います。  私は、こういうようにして、一応は長い時間を拝借してやりました。きょうの私のお願いは、まさにこの関係立法、実施法を早くやってほしい、このことであります。考えようによっては皆さんの激励会にきょうはなったわけであります。私はそういうような意味で、皆さんのしりを大いに今後もたたかしてもらいますから、遠慮なしに、どんどん計画中のものは実施するように、心からお願いしてやまない、こういうようなわけでございます。  それと、一番最後になってというと、これはまたなんでございますけれどもイタイイタイ病に対しまして、今後二千万円の予算が通りましたならば、直ちにどういうようにするのか、この対策を聞かせておいてもらいたいと思います。水俣病も含みます。
  138. 松尾正雄

    松尾政府委員 イタイイタイ病につきましては、先ほど来、大臣も申されましたように、正式の報告書を待ちまして、判断を下しました上で、これを公害病と認定をいたしましたならば、二千万円の中から、県、市とよく相談した上で、さらに費用を出してまいりたいと思います。  また水俣病、それから阿賀野川につきましても、ただいままで研究費を出してまいりましたけれども、それにつきましても、同様に措置してまいりたいと思います。
  139. 島本虎三

    ○島本委員 水俣病イタイイタイ病も、公害であるという認定がされてからそれは発動する、こういうことのようです。しかし水俣病であろうとイタイイタイ病であろうと、病気になっているのは事実なのですね。その人たちが生活に困っているのも事実なのですね。そうして、予算はいま参議院を通過すると仮定いたしまして、通過したならば、その病床に呻吟する人たちに対して、決定するまでそれでは黙っておくのか。これは病気で寝ているのは間違いない事実なのですから、それを救うのがいまの対策なのですから、その決定を待ってというのはいけません。これは通過したならば、すぐその措置をすべきじゃなかろうか。それをやるから、県段階においてでも先にやってもらいたい、というのは行政的な話し合いでございましょう。そういうようなことは、私はあえて、どうせいこうせいというわけじゃございませんけれども、しかしそれでさえも、公害病としての認定がない以上、発動ができない。仏をつくっても魂を入れない、画竜点睛を欠くというのはそのことなのです。そういうような態度でいいのかどうか、私は疑問です。次官、それでは困るじゃありませんか。これは通過してしまったら、そういう病人で困っている人があったならば、とりあえず発動してやる、こういうようなことまでも考えておかないと、こういうりっぱな、とは申しませんが、暫定的な制度ができても、それを利用しないままで終わるおそれがあるのです。ここらあたりは政治的解決です。次官、大臣にかわって、ひとつ御答弁を願いたいと思います。
  140. 谷垣專一

    谷垣政府委員 いま問題になっておりますイタイイタイ病に関しましては、研究班の従来からの発表研究の結果等から判断して、これは公害病とみなされるべきものだと、私たちは考えてしかるべきだと思います。したがいまして、これはせっかくのことでございますので、御趣旨のように、できるだけ早い時期にその対象にしていくべきものだ、かように考えております。
  141. 島本虎三

    ○島本委員 これは決してくどいことは申しません。早い時期というのは、予算が通過した時期というふうに解釈して、質問を終わりたいと思うのですがね。もう病人は寝ておるのです。もうはっきり病気だということがわかるのです。早いといっても、まず一年も十年から見れば早いのです。十年も百年から見れば早しとするのですからね。それではしょうがありません、通過した時期というふうに解釈しておきたいと思います。
  142. 谷垣專一

    谷垣政府委員 そのように、私たちも努力をいたします。
  143. 島本虎三

    ○島本委員 終わります。
  144. 河上民雄

    ○河上委員長代理 岡本富夫君。
  145. 岡本富夫

    ○岡本(富)委員 時間がおそくなりましたから、簡単明瞭に答えてもらいたいと思います。質問も簡単にやります。  けさある新聞を見ますと、今度、公害二法案が国会に提出されるということが出ております。先に運輸省の内村さんにお伺いしますけれども、騒音規制法に対しまして、厚生省案は、今度運輸省から横やりが入って非常に後退している、こういうように新聞報道されておる。その一つの面として、厚生省案では、新幹線沿線の騒音の防止対策が含まれておった。しかし今度は運輸省の意見で、それが除外された。その理由を伺いたいと思います。
  146. 内村信行

    ○内村説明員 御説明申し上げます。  先生指摘のように、初めの厚生省原案におきましては、新幹線の騒音対策が、飛行場周辺の騒音対策とともに入っておりました。ちょっとついでに申し上げますと、飛行場のほうは、われわれ従来からございます……(岡本(富)委員「飛行場はいいから、新幹線」と呼ぶ)新幹線のほうは、その内容を簡単に申し上げますと、新幹線の周囲の一定地域、これについて、あるいは建築制限をするとか、あるいは立ちのき請求に応ずるとか、買い取り請求に応ずるとか、こういうようなことがその内容になっておったわけでございます。そこで、考えなくてはなりませんのは、皆さま御存じのように、環境の保全の面と経済発展の調和、この二つをかみ合わせながらやっていかなければならぬというのが、公害基本法の精神であるというふうに考えておるわけであります。そこでまず問題になりますのは、新幹線騒音については、それぞれ特殊性があるわけでございますが、それでは一体どういった程度の騒音というものを規制していかなければ、環境保全上ぐあいが悪いか、これが一つ。さらに、そういったものを目標として措置をやる場合に、一体どれくらいの金が要るのだろう、どういう措置が要るのだろう、これを考えるのが一つ。この二つをかみ合わせまして、それによって、ほんとうに両者の調和のとれた公害対策を立てるということで、私どもは考えております。そこで私どもといたしましては、厚生省さんのほうとも十分御相談いたしまして、新幹線の騒音というものはこういうものである、というふうなデータを示したわけであります。それに対して、いろいろ厚生省さんのほうでも御検討いただいておるわけでありますけれども、その詰めが、一体どのくらいのものをどういうふうに規制したらいいか、というふうなことがまだはっきり出てまいりません。そこで、したがって、法律に書きようがないというのが事実でございまして、したがって、はなはだ残念ながら、今回の法律には間に合わないというふうなことになっておるのが実情でございます。しかし、そうかといって、われわれといたしましても、新幹線騒音というものを放置しておくということは毛頭考えておりませんで、たとえ法律がなくても、騒音の減少等については、いろいろ技術的に、たとえばロングレールを使うとか、あるいは道床についてコンクリートを使うとか、あるいはその他の特定の場所、病院とかその他については防音壁を設置するとか、そういったようなことをいろいろ考える。またさらに機器の開発等についても研究を重ねておるわけであります。したがって、今後さらに環境保全基準というものが明らかにされますれば、それによって必要な措置をとってまいりたい、こういうふうに考えておるのが実情でございます。   〔河上委員長代理退席、橋本(龍)委員長代理着席〕
  147. 岡本富夫

    ○岡本(富)委員 そこで、今度航空機によるところの騒音防止法というものができました。これは何ホンとかいうことで大体調べれば、法律でもできるわけでありますけれども、その点についてはこの次にいたしまして、いま飛行場の周辺において非常な騒音が起こっておる。立ちのき問題、あるいはまた、立ちのき者については、そこまで法律が延びないというような問題で非常に困っておりますが、したがって私の言いたいことは、新幹線ができるまでに、敷設するまでに、やはりそれだけのスペースをとって、そうしてあとで問題が起こらないようにしておくことのほうがこれは得策であり、またあとで立ちのき問題あるいは補償問題——いまの大体運輸省のやり方を見ておりますと、この辺と、ぱっと認定するだけなんです。あとは地元の人たちの意見を聞かない。これは直接運輸省のほうが聞いていない。国鉄がその中に入って、あとでもたもた起こっておる。その一つが西宮の地元住民が結成しておるところの山陽新幹線甲東地区通過対策同盟、これは松本栄太郎さんという人が、これはお百姓さんですが、委員長になって、新幹線の建設について、この高架の両側に五十メートル幅の緩衝地帯を設けてほしい、こういうように国鉄に言っておる。また、これは石田総裁まで陳情が来ているわけであります。この五十メートル幅というのは、よく聞きますと、自分たちが一生懸命に足でかせいで、現在の新幹線の騒音は、一体どれくらいのところまであれば耐えられるかということを、実地に調査した貴重な要求であり、また素朴な要求でありますけれども、これについて、運輸省のほうで、国鉄との間に入って調整をしてあげる、そういう考えがあるかどうか。これは政務次官にお願いしたいと思うのです。
  148. 金子岩三

    ○金子政府委員 私も事情をよく承っておりませんので、後刻よく関係者の意見を聞いて、善処いたしたいと思います。   〔橋本(龍)委員長代理退席、河上委員長代理着席〕
  149. 岡本富夫

    ○岡本(富)委員 それでは、内村さんから。
  150. 内村信行

    ○内村説明員 私も、はなはだ申しわけないことでございますけれども、具体的な事件については聞いておりません。しかし、地元住民のいろいろな動き等もあるわけであります。したがって、基本的には、先ほど申し上げましたように、新幹線に対する騒音対策、この問題につきましては、厚生省当局とも十分御相談の上、環境基準というものを設置いたしまして、そういう措置によってやってまいりたいというのが基本趣旨でございますけれども、それまでにも、いろいろなトラブルが現実にあると存じます。そういう点につきましては、私どもとしても十分に研究し、善処してまいりたい、こういうふうに考えております。
  151. 岡本富夫

    ○岡本(富)委員 まだそういうことは聞いていない、こういうことですけれども、新聞にも堂々と発表されておるし、またこの問題で、相当やかましく言って、陳情にも来ておるはずです。したがって、いま何もまだ聞いてない、こういうのはうなずけない。したがって、私は、きょうはあまりこの問題については強く追及はしませんけれども、この次のときには、はっきりとしてもらいたいと思います。  そこで、要求として、あなたのほうは何もいま調査してないのだから、わかってないのだから、早急にこの山陽新幹線の西宮地区——御承知のように、あの西宮というところは、田園都市で、非常に静かな、阪神間でもすばらしい住宅地区になっておるわけです。そういう田園を、またはそういう住宅地区をこわしてはならない。これはいまのうちにちゃんとやっておけば、あとで問題がないと思うのです。ちゃんとついてから、またそういう家が建ってから、立ちのき問題あるいはまた、双方でいろいろな問題が起こったならば、これはたちまち困るわけです。あなたのほうは、法律でやればいい、法に基づいてやればいい、こういうような話でありますけれども、それは確かに法に基づいてやるのですけれども、いまの間にこれをやっておけば、あとで問題がない。こう私は要求したいと思います。どうですか、その点について、内村さんからはっきりした答弁をもらいたい。
  152. 内村信行

    ○内村説明員 十分調査いたしたいと思います。
  153. 岡本富夫

    ○岡本(富)委員 十分調査をして、中に入って、そして調整をとってあげるかどうか。
  154. 内村信行

    ○内村説明員 十分調査の上、善処いたします。
  155. 岡本富夫

    ○岡本(富)委員 次に、通産省にお聞きしますけれども、今度の二法案の中で、大気汚染防止法、この問題についても、厚生省となかなか話し合いがついていない、こういうことであります。大体調整がついたという話だけれども、いままでどういう面で調整がつかなかったか、あるいはまた、どういう面が調整ついたのか、これについて、わかっておるだけ答えてください。
  156. 松尾正雄

    松尾政府委員 通産省との、大気汚染防止法については、非常に何かむずかしい対立が続いておったやにいわれておりますけれども、私どもとしましては、いろいろな意見はありましても、調整が非常にスムーズに進んでいった例だと思っておるくらいであります。しかしながら、たとえば当初、工業立地規制法というようなもので、新増設の許可制をおとりになるときに、そのあとまで一貫して、その法律で大気汚染というものもコントロールしていこうかというような問題もございましたけれども、しかしこれらは大気汚染のほうで一元化しようじゃないか、さような点は、もう非常に初期の時代に実は解決をしておるようなわけでございまして、特に難点として困るというような問題はあまりなかったという状態でございます。
  157. 岡本富夫

    ○岡本(富)委員 公害基本法ができて、もうちょっとすると一年になる。八カ月くらいになります。そうしますと、いままでこの公害基本法というのは精神訓話、これは基本を示しただけです。実施法がなければ仏つくって魂入れず。だから実施法によって初めて公害対策基本法は生きてくるわけです。そうすると、いままで怠慢であったのは、調整がとれなかったからでなく、厚生省が怠慢であったのですね、環境衛生局長
  158. 松尾正雄

    松尾政府委員 非常におそいという点につきましておしかりをいただくならば、私どもはやはりもっと早くやりたいと努力をしたことだけは事実でございまして、またおしかりがあれば、おそいということについては、決して早いとは申し上げられないと思いますが、しかしいろいろな意見がみな積極的な立場で出されておるわけでございます。そういったものをやはりよく聞いて検討し、お互いに意見を述べ合うという形で、今日まできたというわけでございまして、いわばこういうものを、阻害をするとかあるいは成立させないとか、そういうようなことで難航しておるのではなかったわけでございます。いろいろな条件につきまして、いろいろな考え方もあり、また既存の法律等の問題もあって、そういう点をいろいろ打ち合わせておったという状況でございます。
  159. 岡本富夫

    ○岡本(富)委員 なかなかうまい答弁をしましたけれども、これは、聞くところによると、だいぶ難航したのです。この内情については、こっちもやはり公害対策に力を入れなければならぬから、私どもずいぶんいろいろと聞いております。まあその答弁は、そのままにしておきましょう。  そこで、通産行政のあり方として質問しますけれども、これは私は全部事例をもって、証拠を持ってきて申し上げるのですから。そこで付近の住民の声が非常に高くて、陳情に来ておった。これは兵庫県の尼崎市に久保田鉄工の工場があります。また神戸市に神戸製鋼の工場がある。ここの亜硫酸ガス及びばいじんについて、せんだって矢島さんのほうに資料要求をいたしました。まあおそいものですから、私はこのデータを県に依頼してもらってきた。この県のデータを見ますと、会社で全部つくっているのです。公的なものとはいえないように私は思うのですが、矢島さんどうですか。
  160. 矢島嗣郎

    ○矢島説明員 先生がお持ちの資料と、私どもの局で持っておる資料と、同じかどうかわかりませんが、たぶんそう違いないと思います。御指摘のとおり、この両会社についての詳細なばいじんの排出量につきましては、会社が測定したものでございます。それはばい煙規制法の第十七条でもって、ばい煙の排出者は、厚生省令、通産省令で定めるところによって、濃度を測定し、その結果を記録しておかなければならないというように、法的に義務づけられておりまして、その記録に基づくものだと思います。
  161. 岡本富夫

    ○岡本(富)委員 会社が記録したものを、それをそのままうのみにできない場合はどうなるでしょうか。私は、付近の会社で、その濃度を調査させました。そうしますと、亜硫酸ガスの量が非常に多い。また厚生省のほうで発刊の書物を見ましても、日本で川崎と尼崎は亜硫酸ガスの王者である、こういうように出ておるわけです。亜硫酸ガス濃度が多い。したがって、ただ会社が出したデータをうのみにして、そのままそれを使ってだいじょうぶだという考えは間違いである、私はこう思うのですが、どうでしょうか。
  162. 矢島嗣郎

    ○矢島説明員 冒頭に簡単に答えろと言われましたから、端的に結論を申し上げますと、先生が御心配になっておるのは、着地濃度といいますか、付近の住民のいるところにおける、その土地における濃度が問題だろうと思います。それから、先ほどの、会社が出したというのは、煙突のところから出る濃度で、違う問題でございます。しかしながら問題は、確かに御指摘のように、その煙を出すところではよくても、着地濃度が悪ければ、これは問題でございまして、これは別なことばで言えば、いわば環境基準の問題になるわけでございます。その辺につきましては、今後いろいろな施策を講じていかなければならぬわけですが、さらに、私どものやっていることをずばり申し上げますと、昭和四十二年六月、去年の六月に、尼崎地区について、産業公害事前調査というのをやりました。それはまさに、御心配の着地濃度について総合的に調査いたしまして、風洞実験あるいは理論式によるものというのを全部詳細に検討しておりまして、その結果が近日中に出るわけでありまして、その結果に基づいて、必要な行政指導をやっていきたいと思っております。
  163. 岡本富夫

    ○岡本(富)委員 会社で出したデータを、そのままうのみにしてはいけないと、私は思うのです。これについては非常にむずかしいこともあろうと思いますけれども、事少なくともその企業を取り締まるところの、そしてまた、公害を排除するところの公害部であれば、もう少し積極的にものごとを考えなければならない。なぜかならば、一つの例といたしまして、いま盛んにやかましくいわれておるところのイタイイタイ病、先ほど私申しましたが、これも厚生省調査班が調べたのと、それから神岡の会社では言うことが違う。したがって、私はその一つ事例を見ても——まだこんな事例はたくさんあります。会社の言うのをそのままうのみにするのであれば、ああいう問題でも、公害の問題は何も調査する必要はない。将来起こってくるところのぜんそく禍、あるいはまた亜硫酸ガスによるところの被害を考えたならば、もう少し強力に調査し、また重油を切りかえさせるとか——この県の資料を見ますと、いろいろ要求をして帰っておりますけれども、こういう問題についても、B重油をA重油に切りかえる、将来考慮しますと、会社は言っておるわけです。もう少し強力に企業を取り締まらないと、通産省から取り締まる公害はなくならない、こういうように私は思うのです。それについてどうですか。
  164. 矢島嗣郎

    ○矢島説明員 いまの御質問は、再びもとへ戻りまして、煙突から出す煙自身の排出基準の検査が十分でないのじゃないかというお話でございますが、そのこと自体について申し上げますと、都道府県知事が直接監督しておりまして、ばい煙規制法の二十六条で、都道府県知事に立ち入り検査権があるわけでございます。なお通産省といたしましては、その都道府県知事を、厚生省とともに、中央官庁としてさらに監督しておるわけですが、そういう点、測定に遺憾のないように、測定器具の購入に対する補助金を県に交付したり、あるいは測定方法について、講習会等の技術指導をやっておりまして、その測定あるいは検査に遺憾のないようにしておりますが、それは一般論でございまして、兵庫県の例について見ますと、県からの報告によりますと、昭和四十二年度に約六十回立ち入り検査をしたそうでございます。したがって、その立ち入り検査によりまして、その測定した記録がほんとうであるかどうかということをチェックするということになっておるのでございますが、なお、そのチェックが不十分とあれば、県に対して、さらに立ち入り検査を厳重にやるように指揮いたしたいと思っております。
  165. 岡本富夫

    ○岡本(富)委員 公害を防止する上において、もっともっと厳重にやらないと、公害はなくならないと思うのです。六十回、四十二年に立ち入り検査をして、これは、この間、私が要求して行ってもらったのが今回のレポートですが、それで帰りにまだたくさんある要求を——その中で、B重油をA重油に将来切りかえてもらいたいとか……。何しに行ったかということなんです。これは六十回行って、しかも向こうへ行って、会社側がずっと出してあるチータだけ見て、ああそうですか——これだったらよくならない。この面について、もっとやはり通産省のほうで強力に言わなければ、私は、川崎あるいはこの尼崎、二つの亜硫酸ガスの王者だと厚生省から言われている、それがよくならないと思うのです。今後の決意をひとつ言ってもらいたいと思います。
  166. 矢島嗣郎

    ○矢島説明員 現在の排出基準が正確に守られているかどうかの監督が不十分であるとすれば、さらに一そう立ち入り検査を頻繁にやるように、指導、指揮いたしたいと思いますが、やはり私どもの思いますには、現在の排出基準は、大体守られているわけですが、かりに守られておりましても、尼崎とか川崎とかいうところは、そのこと自体では解決しないので、やはりそれが複合して、どういう影響を付近住民に与えているかということを、総合的に複合結果を調べなければならないので、そういう点についての対策は、やはり先ほど申し上げました総合事前調査、尼崎について昨年六月にやったわけですが、こういうものをやっていくということが基本的な解決策ではないか、かように考えております。その線で今後一段と施策を強化、充実していきたい、かように考えております。
  167. 岡本富夫

    ○岡本(富)委員 その問題は、今後、公害対策基本法の環境基準、こういうもので規制していくしかないかと思いますけれども、もう少し強力に、ひとつ公害対策に取り組んでいただきたいことを要求して、その問題は終わります。  そこで、私、きのうちょっと聞いたのですけれども、大阪の伊丹空港の周辺の人々が、非常にこの騒音問題で困っております。これはすでに何べんも当委員会でも取り上げたわけでありますけれども、最近聞きますと、運輸省の航空局では、航路を指定しよう、そしてまとめていこう、こういうような動きがあると聞いておりますが、航路が指定されて、そこに集中的になってまいりますと、いきおい、そこにたくさんの騒音がくるわけです。したがって、今度は逆の面、補償、すなわち被害者の救済については、どういう面を考えて、この航路の決定をやっておるか、これについて、梶田飛行場部長ですか、ちょっと……。
  168. 梶田久春

    ○梶田説明員 大阪の国際空港は、御指摘のとおり、非常に周囲が市街化いたしておりまして、騒音の被害が非常に顕著でございます。御指摘のようなかっこうで、航空局におきましては、航路の指定をいかにすれば、相対的に騒音による被害を軽減することができるかということで、三月の三十、三十一日、それからこの月の一日の三日間にわたりまして、大阪大学に委嘱をいたしまして、騒音の調査をやっております。これは現在の滑走路を飛び立ちます飛行機が上昇いたしまして、すぐ左旋回をいたしますが、その航行方法を、もう少し山のほうに向かって直進して、その上で左旋回をするような航行の方法をとった場合に、どの程度の騒音の軽減が果たせるかといった調査をいたしております。その上で、相対的に騒音の軽減がはかれるといった場合には、新しい航法の指定をやりたい、かように考えておるわけでございます。  いま先生が御指摘になりました、そういった場合においても、一部の地域においては騒音が非常に集中をして、そのために非常な迷惑を受けるではないか、これに対する補償をどうするかという御質問でございますが、昨年、御審議をいただきまして成立いたしました、航空機騒音防止法に基づきます。いろいろの補償あるいは防音工事といったものは、もちろんやるわけでございますが、その際、騒音の頻度、強度、そういったものを勘案いたしまして、たとえば共同利用施設の設置につきましては、そういったところに重点的に、設置に対する補助を行ないたい、かような方途を考えております。
  169. 岡本富夫

    ○岡本(富)委員 四十三年度の予算は五億三千万、この配分について明確にしてもらいたいと思うのですが、どうでしょうか。
  170. 梶田久春

    ○梶田説明員 四十三年度の騒音関係に関連いたします予算は、いま仰せのとおり五億三千万円でございます。これをどの程度配分いたしますか、現在検討中でございますが、一応の私どもの腹案といたしましては、そのうち約五億円程度を学校の防音工事に充てたい。残り三千万程度を共同利用施設等に充てたい、かように考えております。この数字は、東京の国際空港、それから大阪の国際空港、二カ所の予算でございます。
  171. 岡本富夫

    ○岡本(富)委員 この問題につきましては、せっかく委員会で、私は学校一校につきどのくらいかかるというこまかいチータを出して——非常に予算が少ない。四十二年には三億円だったんですね、それが六億要求して五億三千万、こういうことでは、何年かかるかわからない。いまここでこまかいデータを申し上げている時間がありませんから、あれですが、そこで五カ年くらいの計画を立てて、ビジョンをつくって、そうして一つ一つどこをやる、この次はどこをやるというようにしませんと、陳情団が押しかけ、あるいはまた地元の人たちの不安がいつ除かれるかわからないということで、提案をしてきました。五カ年計画はできたそうでありますけれども、しからば、四十四年、来年度の予算はどれくらいを要求することを考えておるか、これをひとつお答え願いたいと思います。
  172. 梶田久春

    ○梶田説明員 四十三年度の実施計画につきましては、先ほども申し上げましたように、現在、関係の市、あるいは東京におきましては、区当局に対しまして、今月の末までに、各それぞれの公共団体におきます計画の案を出していただくように要請いたしております。その際、四十四年度あるいは四十五年度も含めまして、長期にわたる、それぞれの地方公共団体におけるいろいろの計画を同時に出していただくように、お願いしておるわけでございまして、そのデータをいただきました上で、長期計画的なものも、私ども検討いたしたいと考えております。  なお、昨年の国会において、私どものほうの航空局長からも、一応のめどといった表現でもって、空港整備五カ年計画の中におきますこういった騒音対策経費をどの程度見ておるのか、という御質問に対しては、五カ年計画期間におおむね百億程度の額を見込んでおるというふうなめどの表明がございましたが、私どもは、そういっためどを前提にいたしまして、データを集計いたしました後に、四十四年度予算の要求のデータにいたしたいと考えております。
  173. 岡本富夫

    ○岡本(富)委員 三億から五億三千万になるだけでも、大蔵省から、多過ぎるとずいぶん言われたような話も聞きましたけれども、こんな状態では遅々として進まない。そして飛行機は毎年毎年ふえてくるわけです。この問題も、この前もお聞きしましてよくわかっておりますけれども……。そこでもっともっと予算がないと、この飛行場の騒音というものはどうしようもない。  そこで、一つの提案といたしまして、航空燃料に対して現在は免税になっております。これが一年で二百七十七億、約三億近いところのこの燃料費の税金を、自動車でも取っているのですから、要するに周囲の被害あるいは騒音の防止という面に充てれば、完全に実施できるんじゃないか、皆さんに迷惑かけずに済むんじゃないか、と私は思うのですが、それについての意見を、梶田さんからお聞きしたいと思うのです。
  174. 梶田久春

    ○梶田説明員 御提案のようなことも、こういった騒音対策といいますか、公害対策の財源として、一つの案ではあろうと思いますが、御承知のように、わが国の航空産業というものは、世界のレベルに比べて非常におくれております。いわば後発産業であります。そういった面からいたしまして、自動車と異なり、航空機の使用いたします航空機燃料については、航空産業の振興をはかるという観点からいたしまして、現在まで税金をかけることを免除されておるわけでございます。そういった関係からいたしまして、現在直ちにそういった方策をとれるかどうか、これは航空産業におきますいろいろの問題点等も総合勘案しなければ、なかなか結論が出ないと思いますが、御承知のように、日本の国内の航空会社も、いろいろ経営的に見まして非常に困難な地位にございます。そういった観点からして、いま直ちにこの制度を採用することについては、非常に問題があるのではなかろうか、かように考えております。これも、しかし将来の問題といたしまして、空港整備を含めて、全体の予算の財源をどのようにして調達するかという問題は、真剣に考えなければいけない問題だと思います。せっかく先生の御提案の趣旨もあわせ考えまして、今後早急に検討いたしたい、かように考えております。
  175. 岡本富夫

    ○岡本(富)委員 その問題は、昭和四十四年三月三十一日まで延長ということになっておりますから、次に考えていただきまして、通行税は約二十億くらい取っておるということですが、この航空機の通行税をこの面に充てたら、もっと早く問題が解決するのではないか、こういうふうに思うのですが、どうでしょうか。
  176. 梶田久春

    ○梶田説明員 通行税並びに着陸料を含めまして、そういった財源が、私どものほうの空港整備の財源的なものになっているわけでございまして、通行税だけを公害対策の経費というわけには、なかなかいかないのではなかろうか、かように考えております。
  177. 岡本富夫

    ○岡本(富)委員 このあと運輸省のほうでも考えてもらいたいことは、遮断緑地、公園、こういうものを大きくとっていたしませんと、この付近の住民はどうしようもなくなるわけです。この計画については、今後やっていくかどうか、これについてお答え願います。
  178. 梶田久春

    ○梶田説明員 おっしゃるような措置が、空港周辺に対しては当然必要なわけでございまして、現に大阪空港におきましても、すでに第一回の会合を持ちまして、地元公共団体、それから関係者、私ども集まって、土地利用計画について種々検討をいたしておりますし、今後引き続き、地方レベルでの検討に加えまして、中央レベルでもそういった検討を続けてまいりたい、かように考えております。
  179. 岡本富夫

    ○岡本(富)委員 その問題については、計画を、あとでまた出していただきたいと思います。  そこで、郵政省の石川さん見えておりますか。
  180. 左藤恵

    左藤説明員 私、放送部長ですが、ちょっとほかの用事で……。
  181. 岡本富夫

    ○岡本(富)委員 石川電波監理局長はなぜ来ないのか、これはあとでひとつ知らせてもらいたいと思いますが、あなたは放送部長の左藤さんですね。
  182. 左藤恵

    左藤説明員 はい。
  183. 岡本富夫

    ○岡本(富)委員 この間の参議院の逓信委員会で、郵政大臣は、公明党の田代さんの追及で、大阪周辺のテレビの受信料の減免について確約しておりますけれども、この中では大阪方面だけである。御承知のように、この大阪伊丹空港は兵庫県も入っております。したがって、兵庫県側の宝塚、川西、伊丹、尼崎、こういう方面も一緒にやるかどうか、これをお聞きしたいと思うのですが、どうですか。
  184. 左藤恵

    左藤説明員 飛行場周辺の問題につきまして、かりに基地の周辺と同じような減免をいたしました場合には、現在基地に対しまして、NHKの申請に基づいて、郵政大臣が認可いたしております受信料の免除基準によりますと、ほぼ滑走路を中心として一キロメートルと二キロメートルの長方形の範囲につきまして、テレビ受信料の半額を免除をいたしておるわけでございます。したがいまして、その滑走路を中心として一キロメートルと二キロメートルの長方形の範囲に入るところは、そういったことになろうかと考えております。
  185. 岡本富夫

    ○岡本(富)委員 これはNHKだけが全部悪いのではないわけです。要するに加害者は航空機です。したがって、航空会社のほうからも、飛行機の会社のほうからも出させていい、こういうふうに私は思うのですが、あなたの見解はどうですか。
  186. 左藤恵

    左藤説明員 先生のおっしゃるように、NHKの責任ばかりにおいて措置すべきものではございませんので、ただいまNHKと運輸省の間において、この対策の検討が進められております。NHKから、そういった意味で受信料の減免という形で出てまいった場合には、郵政大臣として、認可するという方向に持っていくことになろうかと考えております。
  187. 岡本富夫

    ○岡本(富)委員 何かわからぬような答えでありますけれども、それはまた次回に、よく政務次官あるいは大臣に聞くことにします。  最後に、運輸政務次官にお聞きしたいのですが、大阪伊丹空港の周辺の騒音については、ほんとうに住民が困っておるわけです。たとえば高芝方面は、移転につきましても、その法律の範囲内に入らない。したがって訴訟を起こそう、こういうようなところまできているわけです。決して住民は、訴訟を起こしたりしていろいろ騒ぐのが好きではありません。一日も早く安静な、またすっきりした自分たちの住居にしたい、こう願っているわけです。それに対する最後の締めくくりとして、あなたから、今後の決意を述べていただきたいと思います。
  188. 金子岩三

    ○金子政府委員 かねて陳情が非常に強く参っておることは、よく承知いたしているのでございます。ただ、陳情の中にたくさん盛られまして、夜間の飛行を禁止してもらいたいとか、いろいろ出ておりますが、こういったことを、できるだけこの付近の方々に迷惑のかからない最善の方法をとりつつあるのでございますが、また、一面東京国際空港と並んで、やはり関西地区の経済の発展の基盤をなす大阪で、この空港が極端に公害のために機能を落とすということはどうであろうかということも考えなければならない、そういったことで、金をかけてできることならば、できるだけひとつ予算の措置をして、住民に少しでも迷惑が軽くなるように、運輸省といたしましては、今後ともひとつ全力をあげて取り組んでいきたいと思います。
  189. 河上民雄

    ○河上委員長代理 本日は、これにて散会いたします。    午後四時五十三分散会