○小沢(貞)
委員 そこで、全国の四割を平地湧水栽培でやっておりましたこの地区のことについて、私は、これは若干自然
災害でもあろうと思いますし、あるいは人災も加味されているであろう、こういうようになかなか
結論は得がたいような状態だと思いますが、このことについて、
結論から最初に申し上げるならば、膨大な農林漁業
資金を、何億という金を借りて土地改良をしたのに、いま収穫が皆無になって償還ができないという問題なのです。その問題が一つ。
いま一つは、全国に一つしかないこの平地湧水栽培についてもっと研究をし、
助成をし、何らかの生産復興の方法はないものだろうか、これをひとつぜひ
農林省としても力を入れてやっていただきたい、こういう点が第二点であります。
第三点としては、私はこれは
災害であろう、こういうように見ておるわけです。昨年干害のときに、たしか山林種苗に遮蔽をする、いろいろの
施設を
つけるというようなことで、これも
災害に入れていただいて、
災害として
助成をしてもらったというような例がありますが、私はこれは
災害ではないか、これは
災害として取り扱える種類のものではなかろうかと思いますので、第三点としては、
災害対策上この収穫皆無に近いような状態になったものをひとつ御
検討いただきたい。
以上三点をきょうは、初めて問題を提起するわけですから、申し上げて、
対策をひとつ立てていただきたい、こういうように
考えるわけです。
その第一点についてまず
質問をいたしたいと思いますが、農林漁業
資金を、豊科総合開発土地改良区が七千七百六十万円、矢原土地改良区が二千四百九十四万円、等々力土地改良区が五千九百三十五万円、
合計一億五、六千万円の金をかけて土地改良をした。要するにワサビ畑を造成したわけです。これはたしか
昭和三十六年ごろだと記憶しております。最初のうちはたいへん収穫も上がったような
状況でありましたが、先ほど申し上げたように、特に豊科総合開発土地改良区においては収穫が皆無で草がはえておる、こういう状態になっておるわけです。ところが、借金の返済を迫られておって、いまのところ滞納が二千二百万前後あるのではなかろうか、こう思われます。
だから、これはひとつ率直に要望申し上げますと、どういう手を打ったらこの生産復興ができるかということがよく研究ができるか。私は、このワサビをつくっている人以外にはこのことについてよくわからないのではないか、こう思います。したがって、試験研究その他のことについても何もわかっていないから
対策も立たない。膨大な金を借りてしまった。最初一、二年はよかったが、いまや収穫皆無になって草がはえておる、こういうような
状況ですので、先ほど申し上げたように、生産復興ができるように研究ができるまで、あるいはまた
災害なら
災害として扱って、それを
助成してもらうことができるまで、こういうような間はこの償還期限について御猶予をいただけないだろうか、こういうように
考えるわけです。
実は、その土地改良区の借り入れについては、町当局が町議会等で
論議をして、町が保証人になってまず立てかえて返す、それからだんだん土地改良区の組合員から取ればいいじゃないか、こういうようなことをいってだいぶ無理な取り立てをされておるのではないだろうか、そういうような
状況だと思います。しかし、現実においては、これだけの金をかけて草がはえておるというようなぼう然自失たる
状況を見ては、この町民自身も、町が町議会の議決によって保証はしたものの、一ワサビ業者に対して町の財政をもって立てかえて返還をするということは感情的に許されない。まあ、ワサビをつくっている者が土地を売り、何を売り、全部まる裸になって、しかる後に町が保証するというなら
意味がわかるがというような町民感情があって、町がどうすることもできない、こういうようないわば現実に突き当たっているわけです。これはうわさ
程度だと思いますが、聞くところによれば、そのワサビ畑をみんな地ならしをして宅地造成をして、宅地にして売り払って借金を返せ、こういうようなことまでどうもいわれているやに聞いておりますが、こういうことになれば、国が指導して、あるいは県が指導して、ワサビ畑の造成ということで土地改良
資金を使って、膨大な金をかけてやって、ただ借金を返すためだけにそれをつぶしてしまって宅地造成をやるというようなことは、農林
行政上からもいまは許されないようなことではなかろうか、こういうように
考えますので、まず第一点としては、借金を返す、元利償還を一時停止してもらえないか。そして生産復興についてまた御援助いただいて、そうしてそれからだんだん返済をする、こういう便法は講じられないものだろうか。ちょっとくどかったようですが、現状はそういうことでありますので、ひとつ経済
局長なり何なりから御答弁をいただきたいと思います。まだ実情がわかっておらなければ、きょうは突然の問題ですから研究をしていただければいいと思いますけれども……。