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1968-05-17 第58回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年五月十七日(金曜日)    午前十時四十分開議  出席委員   委員長 芳賀  貢君    理事 稻葉  修君 理事 渡辺 栄一君    理事 川村 継義君       阿部 喜元君    小澤 太郎君       田澤 吉郎君    竹内 黎一君       中川 一郎君    福永 一臣君      三ツ林弥太郎君    水野  清君       山口 敏夫君  早稻田柳右ェ門君       渡辺  肇君    金丸 徳重君       兒玉 末男君    斉藤 正男君       島本 虎三君    田邊  誠君       田原 春次君    平等 文成君       福岡 義登君    玉置 一徳君       鈴切 康雄君  出席政府委員         農林政務次官  安倍晋太郎君         農林省農地局長 和田 正明君         運輸省港湾局長 宮崎 茂一君         消防庁次長   山本  弘君  委員外出席者         内閣総理大臣官         房参事官    上田 伯雄君         警察庁警備局警         備課長     三井  脩君         防衛庁防衛局第         一課長     今泉 正隆君         科学技術庁研究         調整局総合研究         課長      原野 律郎君         文部省管理局教         育施設部長   菅野  誠君         厚生省環境衛生         局水道課長   大橋 文雄君         厚生省社会局施         設課長     大和田 潔君         農林大臣官房参         事官      太田 康二君         農林省農林経済         局保険業務課長 松永 正隆君         林野庁指導部治         山課長     松岡  明君         水産庁漁港部長 瀬尾 五一君         運輸省航空局監         理部監督課長  住田 正二君         海上保安庁警備         救難部長    長野 義男君         気象庁観測部長 斎藤 錬一君         郵政大臣官房秘         書課長     太原 幹夫君         建設省河川局河         川総務課長   粟屋 敏信君         建設省道路局企         画課長     豊田 栄一君         建設省住宅局住         宅総務課長   白川 英留君         自治省財政局地         方債課長    山本 成美君         日本国有鉄道施         設局長     松本 文彦君         日本電信電話公         社施設局無線課         長       永村 春一君         日本電信電話公         社保全局保全課         長       池本 晴雄君     ――――――――――――― 五月十六日  委員正木良明辞任につき、その補欠として鈴  切康雄君が議長指名委員に選任された。 同月十七日  委員武藤嘉文君、工藤良平君、森義視君、小澤  貞孝君及び鈴切康雄辞任につき、その補欠と  して竹内黎一君、田邊誠君、島本虎三君、玉置  一徳君及び小川新一郎君が議長指名委員に  選任された。 同日  委員玉置一徳辞任につき、その補欠として小  澤貞孝君が議長指名委員に選任された。     ――――――――――――― 四月三十日  豪雪災害対策拡充強化に関する請願湊徹郎  君紹介)(第四九七五号) 五月十四日  鹿児島県栗野町の地震による災害復旧に関する  請願池田清志紹介)(第五四一六号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 四月二十五日  徳島県の豪雪災害対策に関する陳情書  (第二八二  号)  大分県の豪雪災害対策に関する陳情書  (第  二八三号)  長崎県の豪雪災害対策に関する陳情書  (第二八四号)  豪雪災害対策に関する陳情書  (第二八五号) 五月十四日  豪雪災害対策に関する陳情書  (第三六四号)  日向灘地震被害復旧促進に関する陳情書  (第四二三号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  委員派遣承認申請に関する件  昭和四十三年十勝沖地震による災害対策  昭和四十三年一月以降の豪雪による災害対策      ――――◇―――――
  2. 芳賀貢

    芳賀委員長 これより会議を開きます。  災害対策に関する件について調査を進めます。  本日は、昭和四十三年十勝沖地震による災害対策について調査を進めます。  この際、おはかりいたします。  先ほどの理事会で協議いたしました結果、昭和四十三年十勝沖地震による被害状況調査のため、現地委員派遣することに決定いたしたのでありますが、理事会決定どおり委員派遣承認申請を行なうことに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 芳賀貢

    芳賀委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決定いたしました。  つきましては、派遣地派遣期間、期日、派遣委員の員数及びその人選並びに議長に対する承認申請手続等に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 芳賀貢

    芳賀委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  なお、航空機利用の必要があります場合も、委員長においてしかるべく取り計らいたいと存じますので、御了承願います。     —————————————
  5. 芳賀貢

    芳賀委員長 まず、地震による被害概要等につきまして、関係政府当局から説明を聴取いたしたいと存じます。  安倍非常災害対策本部長
  6. 安倍晋太郎

    安倍政府委員 初めに、今回の地震により、不幸にもおなくなりになりました方々に対して、つつしんで哀悼の意を表するとともに、罹災された方々には、政府としてできる限りのことをいたし、一日も早く立ち直っていただけるよう努力いたす所存であります。  まず、地震概況について報告いたします。  十六日午前九時四十九分ごろ、北海道襟裳岬南東方約百五十キロメートルの海底を震源として、規模七・八の大規模地震が起こりました。この地震により、苫小牧震度六、浦河広尾函館青森八戸盛岡では震度五でありました。この地震発生に際し、北海道東北地方及び関東地方太平洋沿岸に対して津波警報を発表いたしたのでありますが、最高の津波岩手宮古の約二・五メートルで、その後は次第に減少したのでありますが、十九時三十九分ごろ、再び余震が発生し、その規模は七・五、浦河広尾震度五でありました。この地震により、午前の地震と同地域に津波警報を発表し、警戒に当たったのであります。  この地震による被害は、北海道青森県を中心に、岩手県、宮城県、秋田県に及び、現在までに判明いたしました一般被害は、警察庁調査によりますと、死者三十八名、行くえ不明九名、負傷二百二十五名、住家全壊百七十八棟、同半壊七百八十八棟、同全焼十三棟、同半焼十一棟、床上浸水九百十一棟、罹災世帯二千八十二、罹災者九千三百十八名などとなっております。  次に、施設被害でありますが、まず電信電話被害を受け、盛岡以遠市外通話並びにTV放送が不能となりました。  国道につきましては、北海道では国道三十六号線ほか十一路線東北地方では国道四号線ほか九路線被害を受けました。  文教施設につきましては、二百三十二校が被害を受けました。  鉄道については、二十一線区八十一区間不通区間を生じたのであります。  航空関係についても、一時運行を中止したほか、船舶被害もかなり生じたのであります。  政府としてはこの災害を重視し、直ちに災害対策基本法に基づく一九六八年十勝沖地震非常災害対策本部総理府に設置し、本部長には田中総理府総務長官が就任し、副本部長八木総理府総務長官川野北海道開発谷垣厚生安倍農林金子運輸仮谷建設の各政務次官を充て、応急対策を強力に推進することにいたしました。また被災地のお見舞い並びに現地調査のため、政府調査団を本十七日に派遣いたしました。  まず北海道班には、北海道開発政務次官川野三暁を団長とし、東北班には総理府総務長官八木徹雄団長とし、団員にはそれぞれ関係省庁担当官を充てております。  次に、現在までにとっております措置を簡単に御報告いたします。  まず、自衛隊派遣については北海道青森県で給水活動救出活動輸送活動実施中であります。  通信対策については鋭意復旧中であります。  災害救助法の適用につきましては、八戸市に適用し、救助活動実施中であります。  交通対策につきましても、国道については一部の個所を除いて復旧いたしております。国鉄は、現在五線区、四十一区間不通区間を除いて運行しております。航空関係もほぼ平常どおり運航しております。また米穀、カンパン等応急食糧についても万全の措置をとることといたしております。  以上、現在までに判明いたしております被害状況措置について報告いたしましたが、被害状況を的確に把握し、その対策について遺憾のないよう努力いたす所存であります。
  7. 芳賀貢

  8. 斎藤錬一

    斎藤説明員 御説明申し上げます。  一九六八年十勝沖地震につきましては、ただいまも説明がございましたけれども、この地震の起きました地帯は、かつて昭和二十七年の三月四日に地震の起きた付近とほぼ近いところにございまして、同系統の地震と考えられます。  それで、地震規模は、先ほども説明のありましたとおり、本震のほうは十六日の午前九時四十九分でございまして、一番震度の大きかったのが北海道苫小牧その他の各地で、震度五の地震がございました。その余震がその後十九時三十九分に起こりまして、その規模本震よりも小さく規模が七・五でございまして、北海道震度五でございまして、本震のほうよりも余震はずっと小さくなっております。  それから津波状況でございますが、津波状況は、ここにございますように、一番大きかったところが岩手県の宮古で二・五メートルでございます。その後の十九時三十九分の余震による津波状況でございますが、これは第一波の津波状況とまじり合いまして、余震による津波状況は、明確に第一波を把握することができませんでした。しかし全体の状況から考えまして、第二波の余震による津波は、ずっとその規模が弱かったというふうに判断しております。  それから、現在までの、午前九時までの状況でございますが、人体に感じました地震の回数は、第一回の本震を入れまして八十二回になっております。  以上が地震状況でございます。
  9. 芳賀貢

  10. 三井脩

    三井説明員 まず人的被害でございますが、この点につきましては、先ほど総括的な御説明がございました。総数三十八名の死亡者が出ております。  まず、最も激しかった苫小牧市におきまして一名。次は青森県でございますが、八戸市で十一名、五戸町で十名、三戸町で六名、十和田市で四名、青森市で三名、以上が青森県でございます。岩手県は、久慈市で一名、紫波町で一名、宮城県の気仙沼市で一名、計三十八名でございます。  そのほかに九名の行方明がございますが、これは青森八戸市でございます。  住家被害のおもなものといたしましては、青森県で七十一棟の全壊がございます。これは八戸市が六十五棟、青森市が六棟でございます。  半壊青森県で四百四十六棟、この内訳は、八戸市で四百四十三棟、青森市で三棟。  それから全焼八戸市で三棟ございます。  死亡者の三十八名の原因別を見てまいりますと、最も多いのが土砂くずれによる死亡者が十三名、次いでがけくずれによる死亡者十名、家屋倒壊による死亡者五名、落下物が当たって死亡した人二名、その他八名という状態になっております。  以上でございます。
  11. 芳賀貢

  12. 山本弘

    山本(弘)政府委員 一九六八年十勝沖地震被害状況でございますが、先ほど総括的な御説明があり、警察庁から説明がございましたので省略させていただきますが、それに伴いますところの各県の災害対策体制でございますが、北海道青森岩手におきましては、直ちに災害対策本部を設置いたしております。なお、市町村におきましても、青森県下におきましては十市町村岩手県下におきましては十八市町村市町村災害対策本部を設けております。なお、北海道におきましては、道の災害対策本部のほかに、日高、胆振、渡島の三支庁ごと地方対策本部を設けて、災害対策応急活動に当たっておる次第でございます。  当庁の措置といたしましては、昨日、電話回線障害等によりましてなかなか災害状況の把握は困難でございましたが、昨日までの状況では、北海道状況が非常にわからないということで、直ちに防災救急課課長補佐化海道派遣いたしまして、本日の北海道政府調査団に合流をする予定でございます。なお防災救急課長政府調査団東北班に加わって、本日出発いたしたような次第でございます。  各地状況、特に火災発生状況でございますが、北海道地震発生とともに、函館苫小牧室蘭日高で計十一件の火災が発生いたしておりますが、消火活動が早かったために、大事に至らず消しとめております。火災による被害は、全焼二、部分焼四となっております。  青森青森市五件、八戸市六件、十和田市三件、三沢市三件、七戸一件及び野辺地一件、計十九件の火災が発生いたしております。火災による被害は、全焼十四棟。内訳は、青森が二、八戸が六、十和田二、三沢三、七戸一、計十四棟。半焼が八棟、部分焼が四棟というふうになっております。その原因につきましては、ほとんどがこの二、三日来の寒さによりまして、石油ストーブを再び用い出したというような関係で、石油ストーブからの発火が大部分であるというふうに思われます。  なお、室蘭その他のいわゆる化学工業地帯における危険物タンク施設等につきましては、若干の傾斜、亀裂等被害はございましたが、新潟地震のような、倒壊、流出による火災というものは発生いたしておりません。  以上でございます。
  13. 芳賀貢

  14. 今泉正隆

    今泉説明員 お手元に簡単な資料を提出しておりますが、自衛隊災害派遣状況を御報告いたします。  まず断水地区に対する給水作業でありますが、北海道では、中富良野町、長沼町、室蘭市、門別町、青森県で、青森市、八戸市に対して、昨日来給水作業を行なっておりまして、出動しております車両は約八十両、約三百トンの給水実施いたしました。  輸送作業といたしましては、昨日、国会議員、在京中の青森県知事一行、報道関係者国鉄等被害復旧関係者七十九名を、二回にわたって北海道及び三沢に往復をいたしました。なお、本日及び明日にかけまして、政府調査団二班を、海上自衛隊輸送機輸送することになっております。  そのほかの作業といたしましては、八戸市及び五戸町で生き埋め者救出をいたしました。十五名の救出、七名の遺体収容を行ないました。  そのほか、八戸三沢間の途絶中の応急通信の支援をいたしました。  なお、青森市及び三沢市で水道管復旧その他、災害応急処理を若干いたしました。  簡単でございますが、以上御報告申し上げます。
  15. 芳賀貢

  16. 松本文彦

    松本説明員 お手元資料を配付いたしておりますので、これにつきまして、国鉄側の今回の地震によります被害を簡単に御報告いたします。  被害を受けましたのは、おもに東北の北部並びに北海道でございまして、北海道地区におきまして、九線区三十七の区間不通個所が出ております。これはいずれも大体昨日中にほぼ開通いたしまして、現在日高線の一部、二区間ほど不通区間が残っております。なお東北地区でございますが、これは十三線区で六十五区間不通個所がございます。これは復次復旧してまいっておりますが、なお現在四線区三十九の区間不通となっております。  これからの復旧見通しでありますが、日高線につきましては、大体きょうじゅうにほぼ開通の見込みでございます。東北本線につきましては、盛岡−三戸間がけさ開通いたしまして、続いて青森野辺地間も間もなく開通いたしました。この三戸と尻内の間は非常に被害が大きゅうございまして、現在までの状況では、開通までに約二週間を必要とするということでございます。  なお、青函連絡船関係でございますが、これはいずれも岸壁並びに乗船待ち合い室上屋等が非常な被害を受けております。建物関係につきましては、現在仮設の工事を進めておりまするし、岸壁関係につきましても、函館方の第二岸壁を除きましては、おおむね本日中に回復できるという見通しでございます。  以上の被害状況のもとに、現在の列車運転状況について御報告いたしますると、昨日、約四百八十本ほど、東北北海道方面運休列車を出しておりますが、本日からは、北海道はさいぜん御報告のように、相当おくれはございますが、大体予定どおり運行はできるという見通しでございます。東北線につきましては、旅客列車は、特急三本並びに急行二本を、北上線花輪線経由奥羽線を通って運転いたしております。青函航路につきましては、ただいま二十四運航のうちの十運航を行なっておりますが、間もなく本日の夕刻あたりから、これを二十運航にいたしたい。したがいまして、青函の航送力につきましては問題はございません。  なお、全体の貨物でございますが、東北線不通でございますので、奥羽線経由となります関係で、平生の貨物輸送力のおそらく三分の一ないし二分の一程度になるものという見通しでございます。  以上でございます。
  17. 芳賀貢

  18. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 港湾関係のただいままでに判明いたしました被害額につきまして、御報告いたします。資料はお手元にございません。  実は、港湾関係は、御承知のように、水中部分が非常に多いという関係から、精細な調査がまだなされておりませんが、港湾管理者からの報告では、現在のところ判明したものだけで、約十三億円でございます。一番大きなのは八戸の防波堤でございまして、これが約十億程度でございます。それから函館港が二億、青森が五千万円、釜石、大湊、川内、そういったところで公共土木被害がある模様でございます。しかしながら今後調査の結果、水中工事部分相当被害が拡大するものと見込まれます。なお苫小牧におきましては、上屋三棟が被害を受けた模様でございます。  いままでに判明いたしました被害は、以上でございます。
  19. 芳賀貢

  20. 長野義男

    長野説明員 海上保安庁のとりました措置並びに船舶被害について御報告いたします。  津波警報を受けますとともに、海上保安庁出先機関におきましては、航行中、停泊中の船舶に対して警報の速報をはかりますと同時に、被害の防止、局限あるいは救援体制を確立いたしました。  次に船舶被害状況でございますが、乗り組み員の被害といたしまして、八戸港におきまして転覆船による行くえ不明者二名が出ております。船舶被害といたしまして、総計六十一隻の被害がございました。その内訳について申し上げますと、北海道におきましては、漁船沈没転覆等による被害十五隻、その他伝馬船、作業船等被害四隻、合計十九隻の被害がございました。東北地区におきましては、汽船の被害、乗り上げその他三隻、これは主として八戸港に生じた被害でございます。漁船沈没、乗り上げ等三十四隻、その他の船舶五隻、合計東北地方船舶被害四十二隻、北海道東北合わせまして、船舶被害六十一隻、このような数字になっております。  以上をもって報告を終わります。
  21. 芳賀貢

  22. 太原幹夫

    ○太原説明員 郵政省関係について申し述べます。  資料を御配付してございますが、局舎につきましては、倒壊、流失、焼失等被害報告はございません。  郵便輸送でございますが、国鉄線不通のために、一部鉄道郵便線路途絶いたしておりますが、迂回運送あるいは自動車による運送によりまして、極力輸送力の確保につとめておるわけでございます。なお、被災地北海道青森秋田岩手県あての小包は、とりあえず遅延承認、おくれてもよいという承認のものに限りまして、引き受けることにいたしております。他の地区につきましては、通常の取り扱いを行なっております。  三番目に、援護対策でございますが、貯金保険につきまして次のような非常取り扱いを行なうことといたしました。  貯金につきましては、貯金通帳及び印章がなくても、本人であるということが認められた場合には、一万円までを支払うことにいたしております。なおこの場合には、被災証明書保証書等を添付することになっております。貯金通帳があって、印章がないという場合には、拇印で全額、また他局預入のものについては十万円までを支払うことにいたしております。  保険関係でございますが、保険金非常即時払いといたしまして、死亡者の場合、関係書類が不備でございましても、可能な範囲内で保険金即時払いを行なっております。それから保険金貸し付けでございますが、貸し付け金額三万円の限度内で、非常即時払いをいたしております。  資料に記入いたしておりませんが、三番目といたしまして、八戸三沢十和田市に災害救助法が適用されましたので、この地区におきます被災者世帯当たりにつきまして、はがき五枚、ミニレター一枚を交付することにいたしております。  四番目に、非常無線通信でございますが、郵政省海上保安庁気象庁青森県庁北海道庁、北海道警察本部等官庁無線局のほかに、民間の無線局数局が、非常無線通信災害情報の収集あるいは連絡に使いまして、緊急対策を講じておるわけでございます。  郵政関係は以上でございます。
  23. 芳賀貢

  24. 池本晴雄

    池本説明員 では、電電公社から、電気通信関係被害並びに措置状況について簡単に御報告申し上げます。  お手元に一枚の資料が差し上げてございますけれども、これは昨晩の十時現在の現況をまとめましたものでございます。けさいろいろまた新しい情報を集めておりますので、これよりも少々改善されております。大きく変わったところを申し上げますと、東北管内市外回線が一三%の回復となっておりますけれども、六〇%の回復になっております。それから途絶局で、東北管内十局中二局回復となっておりますけれども、これがすでに六局回復しております。総体的に見まして、おおむね八〇%程度回復であるということがいえるかと思います。  それから、被害復旧の経過を簡単にかいつまんで申し上げますと、先ほど概況で御説明ございましたように、北海道へ渡りますかなめでございますところの甲地無線中継局が非常に大きい被害を受けましたので、北海道向けが一時ほとんど全断いたしたわけでございますけれども、回線迂回とか予備電源応急修理等によりまして、一時間半ないし二時間程度で、大体三分の一ないし四分の一程度回線復旧したわけでございます。その後逐次回復いたしまして、先ほど申し上げましたように、現状では障害の八〇%以上を回復しております。それから、北海道管内通信につきましては、被害がきわめて部分的でございまして、通信にはほとんどさしたる被害がなかったというふうに判断されております。  もう一点、電報疎通につきましては、最初全断したときに、すぐ新潟回り回線を確保いたしまして、緊急の電報に限りまして疎通をはかったわけでございます。その後回線復旧につれまして、一般電報疎通に努力をいたしまして、遅延承知で受け付けました見舞い電報等を除きまして、夜半にはおおむね疎通を完了いたしました。  大体以上でございます。
  25. 芳賀貢

    芳賀委員長 次に、建設省粟屋河川局河川総務課長
  26. 粟屋敏信

    ○粟屋説明員 お手元にお配りいたしております資料によりまして、建設省関係被害状況及び措置状況について御説明申し上げます。  被害状況でございますが、まず北海道につきましては、道路は国道三十六号線等六国道、それから道道につきましては、厚真−苫小牧線外五路線に路面の亀裂、沈下等の被害を生じておりまして、各所に交通不能の場所を生じております。  河川でございますが、汐流川、網走川、石狩川につきまして堤防亀裂を生じております。なお、新しい情報によりますと、十勝川及び十勝川の支川の利別川につきましても、同様な状態が発生いたしております。  青森県につきましては、国道国道四号線等五路線、県道は陸奥−八戸線外七路線につきまして、路面陥没、亀裂、沈下等が発生いたしております。  河川は、馬淵川、岩木川につきまして、堤防亀裂、堤防破損、護岸崩落等を生じております。  海岸は、百石海岸、これは八戸の北のほうにある海岸でございますが、これにつきまして、海岸堤防の亀裂が生じております。なお新しい情報によりますと、青森海岸におきましても、被害が生じているようでございます。  岩手県は、国道四号線等四本の国道、それから県道の福岡−田古線につきまして、路面の亀裂、陥没等を生じております。  秋田県は、国道七号線、国道百三号線について、路肩沈下、土砂くずれ等を生じております。  次に住宅の被害でございますが、これは昨夜の八時ごろのもので、若干古うございますが、先ほど安倍政務次官から詳しく御説明ございました数字が最新の情報でございます。すなわち全壊百七十八、半壊七百八十八、全焼十三、半焼十一、一部破損一千九十二、床上浸水九百十一。  それからその対策でございますが、総理府の非常対策本部の設置に対応いたしまして、昨日建設省といたしましては、一九六八年十勝沖地震建設省非常災害対策本部を設置いたしまして、昨日対策の樹立及び推進をはかることといたしました。  公共土木施設につきましては、関係担当官現地派遣いたしまして、また現に査定のため現地に入っております査定官をこの任務に従事させるとともに、被害発生状況調査及び復旧工法の指導に当たらせることにしました。  直轄河川につきましては、応急的に既定経費を立てかえまして、応急復旧工事実施する所存でございます。  直轄道路につきましても、交通不能個所につきましては、既定経費により、一車線以上の交通を確保することにしております。なお、この道路につきましては、できるだけ今明日中に復旧工事を完了するように努力をいたしたいと考えております。  それから、補助災害につきましては、地方公共団体におきまして応急工事実施していただくと同時に、本省におきましても、準備完了を待って緊急査定を実施いたしたいと考えております。  住宅につきましては、建築学会に対しまして、家屋の構造補強、復旧現地指導を依頼いたしました。  また金融措置につきましては、住宅金融公庫に対し、現地指導班を派遣するよう指示をいたした次第でございます。  以上、御報告申し上げます。
  27. 芳賀貢

    芳賀委員長 次に、農林省和田農地局長。
  28. 和田正明

    ○和田(正)政府委員 ただいままでわかりました農地、農業用施設の被害の御報告を申し上げます。資料は間に合いませんでしたので、御配付してございません。  まず、東北各県でございますが、けさ九時半現在で、各県からまいりました報告によりますと、青森県は、農地の被害は二カ所で百五十万円、水路ポンプ等五十七カ所六億四千四百十万円、岩手県は、農地七カ所二百万円、水路等施設が十八カ所八百万円で、そのほかに海岸施設が一カ所ございます。宮城県は、施設被害が中心でございまして、二十二カ所九百万円、山形県は、施設被害が四カ所五百万円で、東北合計で約七億ほどの被害報告になっております。  それから北海道でございますが、けさ十時現在の道庁の報告によりますと、主として水路の破損が概算で二億五千万円、支庁別に申し上げますと、胆振支庁管内で七千五百万円、日高支庁管内で千二百五十万円、空知支庁管内で四千六百万円、上川支庁管内で五千万円、十勝支庁管内で二千六百五十万円、石狩支庁管内で四千万円という報告になっております。  なお、昨日正午前に災害復旧課長北海道派遣いたしまして、災害状況の把握につとめておりますが、今日出発いたします政府調査団に現地で参加をさせまして、被害状況の把握につとめたいと思っております。  なお、ちょうど田植え時期でございますので、水対策等の万全を期しますように早急に実情を把握いたしまして、応急工事等で、田植え水等に支障を来たしませんように措置いたしたいと思っております。
  29. 芳賀貢

    芳賀委員長 続いて、太田参事官
  30. 太田康二

    ○太田説明員 水産関係被害状況につきまして、昨日の夜の九時現在の被害を御報告申し上げたいと存じます。  まず漁港関係でございますが、北海道では様似漁港外二漁港、青森では大畑漁港外二漁港、岩手では田老漁港外三漁港、宮城では雄勝漁港外一漁港に、それぞれ沈下あるいは前傾等の被害があるわけでございまして、金額につきましては、まだ詳細に承知をいたしていないのでございます。  それから、その他の水産関係被害でございますが、北海道におきましては、無動力漁船十隻が大破、中破、小破、動力漁船十二隻が同様被害を受けております。それからカキの養殖施設が二十台、加工施設が一カ所。青森県においては、漁船沈没八戸市において多数ある見込みでございます。岩手県においては漁船沈没が十五隻、ノリ場への乗り上げが十二隻、その他養殖施設、定置網にかなりの被害がある見込みでございます。それから宮城県においては、養殖カキ、ワカメの流失、沿岸の漁船に多少の被害がある見込みでございます。  以上のほか、各道県において目下調査不能のところが多く、十分情報を得られていないのでございますが、今後時間がたつに従って、被害はふえるのではないかというふうに考えております。  これ以外に、林野庁の施設関係、それから農林畜産物関係被害というものは、まだ十分把握をしておらないのが実情でございます。農林省として当面とらなければならぬ措置は、何と申しましても、被災地に対する応急食糧対策でございますが、罹災者等の方々に対する応急配給については、関係道県知事及び食糧事務所長に対して、昨日、万全を期するように指示をいたしたのでございまして、各道県とも、米穀については相当量の手持ち在庫がありますし、また販売業者の段階においても、一週間分程度の手持ちがありますので、応急配給には何らの支障がないというように考えております。また乾パンにつきましても、道県からの要請がありますれば、これに応じ得るような体制をとっておるのでございます。  なお、一番心配になりますのは、需給の不均衡に伴う生鮮食料品の値上がりの問題でございますが、今回の被災地が特に他地域からの供給に依存している地域でございまして、そのうち野菜等については、その依存度が非常に高いということでございますので、運輸、国鉄当局にもお願いをいたしまして輸送を確保する、そして供給の安定をはかってまいりたい、かように考えている次第でございます。
  31. 芳賀貢

    芳賀委員長 次に、文部省菅野教育施設部長
  32. 菅野誠

    ○菅野説明員 文教施設関係被害を簡単に御報告申し上げます。  まず文教施設関係人的被害といたしましては、青森県の三戸郡の名川町剣吉中学校で、避難中の生徒十一名が土砂くずれのために生き埋めになった事件がございましたが、そのうち四名が死亡いたしております。  施設関係被害といたしましては、国公私立合わせて、ただいま午前十時現在の資料が間に合いませんでお手元にないので恐縮でありますが、二億二千九百七十四万五千円になっております。そのうち、公立学校施設が二億九百六十三万九千円。  そのおもなものは、北海道といたしましては苫小牧東高校、富川高校、広尾小学校が校舎半壊模様で、その他詳細調査中でございます。青森県におきまして、三沢商業高校の鉄筋約六百平方メートルが倒壊いたし、八戸東高校の半壊、旭ケ丘小学校等の被害がございます。岩手県におきましては、浄法寺小学校が全壊した模様でございます。その他宮城秋田で若干の被害がございまして、ただいま申し上げましたように、二億の公立学校の被害になっております。  国立学校におきましては、北海道大学、北海道教育大学、帯広畜産大学、室蘭工業大学、岩手大学、苫小牧高専等におきまして、これはいずれも半壊に至らない若干の壁被害等でございます。約二千十万六千円の被害になっております。  このほか社会教育施設が調査中でございます。  私立学校といたしましては、函館大学が、新聞等で御案内のように、一階が陥没といいましょうか、四階建てが三階建てのような状況になったというような被害を生じておるのでありますが、この詳細は調査中でございます。  なお、文化財等も調査中で、さらに交通や通信網の回復を待ちましてさらに増大するものと思われます。  以上でございます。
  33. 芳賀貢

    芳賀委員長 これにて説明は終わりました。     —————————————
  34. 芳賀貢

    芳賀委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田澤吉郎君。
  35. 田澤吉郎

    ○田澤委員 一九六八年十勝沖地震状況に関しましては、安倍副本部長をはじめ、各省庁から御説明があったわけであります。申し上げるまでもありませんが、この地震は三十九年六月十六日の新潟地震よりははるかに規模が大きく、大正十二年九月一日の関東大震災と匹敵するような災害であったために、先ほど報告がありましたように、死者三十八名中青森が三十四名という非常に大きい被害、それからけが人が二百二十八人、行くえ不明が九人、こわれた家が千三百棟、あるいは床上浸水が九百十一、そのほかに国鉄あるいは電信電話の施設、道路あるいは港湾、河川等が非常に大きく破壊されたわけでございます。しかし、政府では対策本部はつくって、八木、川野両政務次官団長として現地におもむいたものの、災害の現況についてはまだ把握されておりません。これをできるだけ早く把握いたしまして、そして各省がばらばらな行動じゃなく、一まとめになってこれに当たってもらわなければならない。私はそういう意味において、安倍副本部長に、さらにこの地震に対する決意のほどをお伺いいたしたいのであります。
  36. 安倍晋太郎

    安倍政府委員 ただいまの御質問のように、今回の地震は相当大規模なものでございまして、政府におきましても、御説明申し上げましたように対策本部を設けまして、直ちにそれぞれ現地調査団を派遣いたしまして、目下被害状況の把握につとめておるわけでございます。これからの災害対策といたしまして、もちろんお話しのように、各省が一本になりまして、緊密な連絡のもとに、早急な手を確実に打っていかなければならないという所存でございます。
  37. 田澤吉郎

    ○田澤委員 何ぶん、どうかひとつよろしくお願いを申し上げます。  次に、地震が一応きのうありましたけれども、きのうの晩はまた余震が非常に激しかった。数回にわたって震度四ないし五の余震があったと聞いておりまして、八戸等の住民はほとんど寝ることができなかったということを新聞が報道しております。テレビも報道しているわけでございますが、けさの朝日新聞の記事によりますと、今後この性質の地震というものは、一カ月にわたって、M六、震度にして三−四の余震が続くであろう、ということを書いているわけでございますが、もしもこういうことに相なったとするならば、給水関係が非常に条件が悪いということがただいまの報告にありましたし、あるいはまた物資の面で非常に困っている地域もあるだろうと思うのであります。さらにはまた、農地局長からお話がありましたように、田植えの時期に入っておる時期でもございますので、これら湛水時の地域に対しては給水の万全を期する、あるいはまた物資の不足しているところに対しては物資を十分与えてやる、田植えのいろいろな措置に関しても、これまた労力の配置等をして、余震に脅えている住民に対して物質的な面でできるだけの援助を与えてやるということが、私は十分必要なことではないかと思われますので、この余震に対してはひとつ十分にまた対策を考えてほしいと思うのでありますが、この関係方々から御答弁を願いたいと思うのであります。
  38. 斎藤錬一

    斎藤説明員 今後の余震状況についての判断を申し上げたいと思います。大体、十勝沖の地震の発生場所、あるいは性質によっていろいろ違いますが、現在の地震の起きている場所の性質としましては、大体十日間あるいは二週間ぐらい余震が続く可能性があろうと思います。しかしその震度はだんだんに弱ってくると思いますが、しかしながら心配になりますのは、もし雨が降りますと、わずかな震度三ぐらいな地震でも、あるいはがけくずれ、そういうような事故が起こらないとも限りませんので、余震が弱くなったといって、どういうような事故が今後発生しないとも限らない、そういうように考えております。
  39. 和田正明

    ○和田(正)政府委員 先ほども申し上げましたように、ちょうど田植えの時期でございますし、現在までの各県の被害報告では、農地よりは水路やポンプ等の被害のほうが多いようでございます。  そこで、恒久的な災害復旧はもとより当然でございますが、応急的な措置を講じまして、水の確保には万全を期さなければならないと思っておりますので、早急に現状を把握いたしまして、応急対策がすみやかに手が打てるように努力をいたしたいと思います。
  40. 田澤吉郎

    ○田澤委員 次に、今回のような地震に対して事前に予知ができなかったのか。それから、地震予知について今後どういうような措置を考えようとしているのかということでございますが、きのうの毎日新聞の夕刊でございますが、「なぜ地震予知できないのか、ほしい海底観測器、財政硬直で削られた配備」、こう書いてあるわけでございます。「「なぜ予知ができなかったのか」——大地震のたびに出されるこの言葉が今度も繰り返された。しかし「もし海底に観測器があったら、何らかの前兆はキャッチできただろう」と萩原東大地震研究所の教授が語って」いるということであります。「昭和四十年発足した地震予知研究第一次五カ年計画のリーダーだが、財政硬直化のあおりで観測網の充実計画がバッサリけずられ」たのである。そして「第一次五カ年計画は陸地の地震に重点を置いており、今度のような海底地震には間に合わなかったが、萩原教授は「このような地震の赤信号地域はほとんど日本中にあり、この計画は、できるだけ早く完成させる必要がある」と政府の積極的な協力を要望している。」ということが書いてあるわけでございますが、どうしてこういうようなことがわかっておりながらやれないのであるか、私はこれは非常に重大な問題だと思うのであります。もしもこれが東京で——今回の地震は震源が襟裳岬の東南百二十キロ、深さ四十キロの地点であって、内陸でなかったということだけでも災害が非常に少なかったと言っていいと思うのでありますが、もしもこれが東京、大阪で起こったとするならば、たいへんな問題であろうと思うのであります。今後私たちはこのためにも、地震を予知するという対策に対しては、根本的に、地震の国として知られている日本であるだけに、考えていかなければならないと思うのであります。しかもけさの読売新聞の社説にこういうことを書いてあります。「警視庁の大震災対策委員会は昨年の八月三十一日、東京の地下街に店を出す商店百七十五軒にアンケートを試みた結果」、「それによると「懐中電灯の用意がある」五四・三%「ロウソクの用意がある」四一・一%という用意のなさ」でございます。しかも地震対策というものを八二%が何も考えていない。「だから、回答者の四五%は「逃げられない」と回答」しているというのであります。こういうような状態のときに、地震が予知できなかったとするならば、一体どうなるでありましょうか。私たちは、この心配はもう地震があるつどに口をすっぱくして言っているのであるけれども、依然として予算の硬直化などというようなことでこのことができなかったならば、たいへんな問題だと思いますので、安倍副本部長並びに各省庁の明快な御答弁をお願い申し上げたいのであります。
  41. 安倍晋太郎

    安倍政府委員 ただいまの御心配は、もちろん当然なことであると思います。これまでの地震発生の際にも常に問題になってきたところでございまして、今回の地震につきましても、ただいまお取り上げになっていらっしゃるような状態で、十分予知できなかったという実情でございまして、これはただ気象庁だけの問題ではなくて、おっしゃるように、政府全体の問題として積極的に取り上げて、地震予知に対する総合的な対策というものを一日も早く確立していかなければならないと思うわけであります。  なお気象庁としての、科学的といいますか、技術的な予知に対する問題については、関係者から答弁させていただきます。
  42. 斎藤錬一

    斎藤説明員 先ほど仰せのとおりでございまして、地震の予知は、地震の起こる場所、起こる時刻とか、その規模、それを予告するのがきわめて大きい問題でございますが、現在のところ、地震の予知は、技術的に不可能な段階にございます。それで、その地震予知に対しましては、学術会議から測地学審議会のほうに勧告がございまして、測地学審議会でそれを建議しまして、それに基づいて、地震予知の研究を、各省庁と各大学歩調を合わせて現在実施している状況でございます。で、先ほど陸上の地震予知の問題と海底の地震予知の問題もございましたが、まず第一回の五カ年計画におきましては、とりあえず陸上の地震予知の研究を進めるということになっておりまして、その後に海底地震の予知に進みたい、こういうように、各省庁とも相つとめておる状況でございます。
  43. 田澤吉郎

    ○田澤委員 地震の予知に関しては、ひとつ安倍副本部長のおっしゃるとおり、十分な措置を考えていただきますようにお願い申し上げる次第であります。  次に、国鉄電電公社関係でございますが、まず国鉄各地で寸断されたわけでありますが、ことにただいま国鉄からの報告によりますと、青森県の三戸と尻内の間の復旧が二週間以上もかかるということでございます。かつて水害のあったときに、浅虫の隧道を復旧するのに一カ月以上もかかって、東北本線というのは全く不用の線になったことがあるわけでございますが、まさかこれも、二週間といってももっとかかって、あの地帯の住民に大きなマイナスを来たすのじゃなかろうと思いますが、もっと急いでやれないものか、お答えを願いたい。また国鉄は、どうもこういう災害が起きますと、多くのお客さんに対して、こういう線はこうなっている——案内というものに対して非常に不明確である。そのために、私のところへも、公然関係ない人が、青森に帰るのだけれどもどうですかというので、私のところに電話をかけてきて、田澤さん、何とか、鉄道はどうなっているか、こういうわけでございます。国鉄に聞きなさいと言いましたら、国鉄は全然不親切で、わかりませんということでございますが、こういう際にこそ、国鉄はあらゆるお客さんにわかるように、災害はこうなって、東北線はこうなっている、十勝線はこうなっているということを明快に教えてやることが一番必要であると思いますが、そういう点に対して、ひとつ国鉄はどういうお考えであるか、お知らせを願いたい。
  44. 松本文彦

    松本説明員 お答えいたします。  ただいま御指摘が二点ございました。第一点が、東北線の三戸−野辺地の間が二週間くらいかかる予定であると、さいぜん御報告申し上げましたが、もうちょっと何とかならぬかという御指摘であります。これにつきましては、御承知かと思いますけれども、あの区間が、国鉄の線路の中でも非常に地盤の悪いところという点では全国でも数カ所の中に入っておりまして、その結果、私どもの予想以上の被害を受けている。それで、昨日さっそく建設局長を団長といたします専門家の調査団を至急派遣いたしまして、現在、現地で詳細の調査を行なっております。これによりまして正確な判断を下すわけでございますが、実は現地との折衝におきましては、現地側は、十四日では若干まだむずかしいというふうなことがあるのでございますが、これらにつきましては、東北の各県並びに関東周辺から人員、機材の相当量の応援を出すというふうなことで、何とか二週間以内くらいにはできそうであるというふうなめどが、実は本日の朝ついたということでございます。なおこれを詰めるという点につきましては、今後とも努力してまいりたいと思います。  それから第二点の、お客さんへの報道のしかたをもう少し考えろというおことばは、これはもう私ども部内的にも、こういうたびに、そういうことのないようにということで、実はその辺、部内的にも、職員指導上一番問題にしているところでございまして、今回の件について、若干言いわけがましくなるのでございますが、盛岡管理局管内の電話線が相当被害を受けたものでございますので、昨日の状態では、実はいかなる程度にどう汽車が走るかというのは、あまり明確でなかったというふうな事情がございましたので、あるいは御迷惑をかけたかと思いまするが、この辺について、私ども今後とも十分留意してまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
  45. 田澤吉郎

    ○田澤委員 次に、電電公社でございますが、電信電話回線が長期間の不通を見たわけでありますが、これも読売新聞の社説を読むとこう書いてあります。「電電公社の東京−札幌間のマイクロ回線のうち仙台−甲地間が不通になり、電信も本土と北海道間の連絡が断たれたことがそれである。このため、北海道東北の一部の被害状況や動静が全く不明になった。高度の文明社会で情報途絶するほど、おそろしいことはない。マイクロ回線が切れた場合に代わりうる副次的な通信手段を確保しておく必要さが痛感されたのであった。非常事態にあたって情報伝達の手段が閉ざされた場合の恐慌状態は関東大地震の際、乱れとんだ流言を見るまでもない。東京のような大都市で、万一に備える正確な情報伝達の手段が用意されているであろうか。」ということが書いてあるわけでありますが、全く私はそのとおりだと思うのであります。しかも東京大手町の気象庁地震課でいろいろ針が動いておるにもかかわらず、これを報道することができないというような状況にもあるわけでございますので、こういう非常の事態に対しては、副次的な一つの回線というものを備えておく必要があると思うのでありますが、これに対して電電公社はどう考えておるのか、ひとつお答えを願いたいと思うのであります。
  46. 池本晴雄

    池本説明員 電電公社の保全課長でございます。私ども、仰せのとおり、十分確保策について準備をしているつもりでございますけれども、先ほど概況で申し上げましたように、今回は仙台を通りまして、盛岡から甲地方面に対しましては、マイクロが二ルート、テレビを合わせますと三ルート、それから同軸ルートを合わせまして四ルートばかりのものがございますけれども、ただいまのところ、こちらの本土から北海道に渡りますルートは、目下のところ甲地を通る一ルートしかございません。そういう意味で、通信途絶の一番大きな要素としては、電源の問題があるわけでございますが、今回も震災によりましてまず商用電源が切れたということ、私どもはそれに対して、常々予備エンジンを備えておるのでありますが、その予備エンジンが、私どもいまだかつて経験したことがないのでございますけれども、エンジンがかなり陥没するとか、そういうことで、五台あるものが全部陥没した。さらに、主要都市では、それに備えまして移動電源というものを備えておるのでございますけれども、これも直ちに発動いたしましたけれども、道路決壊で開通するのに時間がかかったというふうな、私どもとしては、弁明になるかもわかりませんが、ある程度不可抗力的な要素があったんじゃないかというふうに考える次第でございます。しかしながらこれで十分ではございませんで、本土から北海道に渡る全然別のルートを準備するのが当然なわけでございまして、実はそういう計画がございまして、目下裏日本回りで北海道へ渡るルートというものも建設工事をやっております最中で、本年中くらいには完成する見込みだということでございます。いろいろ万全の対策をいたしておるつもりでございますけれども、今回の地震はほんとうに未曽有の経験でございまして、その点まだ考え足らぬ点があったかとも思いますが、今後十分配慮していきたい、かように考えております。
  47. 田澤吉郎

    ○田澤委員 それでは、先ほど申し上げましたマイクロ回線が切れた場合の副次的な通信手段というものが考えられるかどうか、これに対する答えを……。
  48. 池本晴雄

    池本説明員 ちょっと設計上の問題もあるかと思いますので、設計を担当しております永村無線課長から……。
  49. 永村春一

    ○永村説明員 補足説明さしていただきます。  先ほど説明がございましたように、本回線が切れました場合に、これを救済する方法といたしまして、予備システムというのを持っております。これは本システムが障害になりました場合に、これに自動的に切りかわるという方法でやっておるわけなんでございます。今回の地震の場合のように、一局所が全面的に災害を受けたという場合には、予備システムというのが役に立たないような状態になってくるわけなんでございます。それを救済する方法といたしまして、その土地を通らない全然別のルートというのを計画しておるわけなんでございます。この別のルートによりまして、どこが災害を受けましても、どこかを通してやっていくというものを心がけております。  それから、御質問の趣旨といたしまして、では現在におきましてどこかやられた場合に、早急に何らかの形で通信する手段はなかったのかということかと存じます。これにつきましては、海底ケーブルで現在八チャンネル通話路ができておりまして、それをすぐ使用いたしまして、最小限の確保をいたしております。それから短波によりまして、新潟と札幌の間で非常通信回線を作製いたしまして、情報の収集につとめております。  以上でございます。
  50. 田澤吉郎

    ○田澤委員 どうかひとつマイクロ回線に関しましては十分な措置を考えていただきたい、こう思います。  次に文教関係でございますが、今回の被害——先ほど文部省の報告をちょっと私聞かなかったのですが、新聞によりますと、公立学校の被害が二百二十三校あった。そのほか函館大学が——私立学校ですが、一校あったわけでございますが、非常に被害が大きい。そこで、公立学校に対する、老朽校舎に対する対策が一体万全であるかどうか。しかも新しく学校をつくるとしたならば、耐震的な構造というものに対して十分な配慮をされているのかどうかということが大きい問題だと思うのでございますので、これもひとつ文部省でお答え願いたい。  また一方、公共の建築物も相当にこわれている。これに対しても、やはり耐震的な構造というものが行なわれているのかどうか、こういう点に対してお答えを願いたいわけでございます。
  51. 菅野誠

    ○菅野説明員 ただいまお話がありました公立学校の災害復旧等に対する、特に改良復旧の問題であろうと考えますが、もちろん危険校舎改築におきましても、できるだけこういう老朽校舎の解消に努力をいたしまして、鉄筋改築の要望も非常に強いので、現在のところ九五%が鉄筋で改築を認めるというところまでまいっております。  なお、ただいまの災害復旧の場合にも、原則といたしましては原形復旧でございますので、木造で倒れた場合木造ということにもなるわけでありますが、これは法律上も改良復旧を認めていただいておりますので、木造の建物が倒壊した場合にもあるいは半壊した場合にも、全壊半壊の場合には、木造の建物の被害でありましても、これを鉄筋あるいは鉄骨で改築するということは認めております。この点につきまして、実情に即して、なお私ども御意見に沿うて努力いたしたい、さように考えております。
  52. 白川英留

    ○白川説明員 お答えいたします。  一般的な建築物に対する耐震対策といたしましては、御承知のように、現在建築基準法という法律がございまして、この基準法どおり建物を建てますと、現在程度、今回程度地震に対しましては、一般的には十分耐震が確保される、こういうふうに考えられます。  今回の地震による函館大学の校舎の損壊につきましては、詳細な報告がございませんので、はっきりしたことは申し上げられませんが、さしあたり建設省から市街地建築課長現地派遣いたしまして、その原因調査することにいたしております。調査結果を待って、今後対策を立ててまいりたい、こういうふうに考えております。
  53. 田澤吉郎

    ○田澤委員 次に、自治省にお伺いいたしたいのですが、今回の災害によりまして、被害地の地方公共団体は多額の災害対策費を支出していかなければならないと思うのでありますが、それと反対に、また税の減免等によりまして、財政収入等の減少が予想されるわけでございますが、これらに対する対策というものをどういうようにしていこうとしていますか、お答えを願いたい。  さらにもう一つは、消防庁の方にお伺いいたしたいのですが、地震の場合の火災、防災、消防活動というものは非常にむずかしいと思うわけでございます。ことに、先ほど御報告にありましたように、十九件の火災があった。しかも寒いので、石油ストーブからおもに火災が起きているというわけでございますが、こういう地震のときにおける消防活動、災害活動というものは、特に消防庁としては教育していかなければ、私はなかなか消防組織というのは動いていかないと思うのでありますが、ふだん、こういうことに対しての指導あるいは助言等をなさっておりますかどうかを、お答え願いたいわけであります。
  54. 山本成美

    山本説明員 自治省関係についてまずお答え申し上げます。  ただいまの御質問、まあ地震の場合も風水害の場合も同じ結果になるわけでありますが、こういう事態が起きましたときに地方団体で行ないます事業の中に、国の補助を受けてやります補助事業、あるいは単独でやりますようなもの、いろいろございます。いずれにいたしましても、災害が起きましたとっさの対策といたしまして、まず一時資金の借り入れをやらせるとか、これは政府資金でやるように大蔵との間で話を進めてまいるわけでございますので、まずそのあっせんをいたします。それから、災害規模にもよるのでありますが、地方交付税の次期交付日を繰り上げまして、さしあたって必要な資金をまず与えるという手段を講じます。それから最終的には、地方債、それから特別交付税の交付によって最終的には結末をつけるというかっこうにいたしております。  いろいろございますけれども、私どもとしては、まず市町村、府県に対しまして、現実急迫した事態に対処するための財源については、財源を理由にして狐疑逡巡するというような事態があってはなりませんので、そういうことのないように、十分指導しておる次第でございます。
  55. 山本弘

    山本(弘)政府委員 地震の場合における火災対策でございますが、地震といえば火事、地震被害よりもむしろ火事の被害が人口稠密地においては多い。関東大震災の例を見ましても明らかなのでございます。今回の場合は、不幸中の幸いと申しますか、ちょうど時間が九時四十九分で、いわゆる炊飯時を過ぎておったという関係で、一般的な炊飯等の火器の使用はなかったのでございますが、特に今回青森県の場合は、若干寒気がぶり返してまいりまして、石油ストーブをたいておったという例が多くございまして、それが原因で、全部とは申しませんが、十九件のうち大部分が、石油ストーブの転倒あるいは消し忘れによる火災原因というふうに現在のところ把握をいたしておるわけでございます。冒頭申しましたように、地震災害の場合の火災というものは当然考えねばなりませんので、私たちが市町村の消防計画を立てる場合におきましては、地震による火災というものを念頭に置いて計画を立てるように指導いたしておるわけでございます。先生御指摘のように、普通の場合と違いまして、地震の場合は、一般不安動揺の中で、家が倒れる、あるいは避難民が外へ飛び出す、そういう中でございますので、消火活動その他も確かに不便でございます。困難を生じます。そういう意味で、基本的には防災計画その他の中にも、地震に伴う火災というものを頭に入れて計画を立て、そうしてそれが効果的なる消火活動を行なうというふうに指導をいたしておる次第でございます。
  56. 田澤吉郎

    ○田澤委員 最後に、安倍副本部長にお尋ねいたしますが、今年度の予算は、補正予算を組まないという、総合予算主義に相なっているわけでございますが、予備費はたしか千二百億円と承知しておりますが、そのほかいろいろ、これが給与等の関係にもある程度引かれると思いますので、今回の災害地震で、この被害状況が非常に大きいと思われますので、どうしてもこの予備費では不足を来たすのじゃなかろうかと思うわけでございます。そういうおりに、やはりあくまでも総合予算主義をとって、補正を組まないつもりなのかどうか、私たちは、どうしてもこれは補正予算を組んで、そうしてこれに対策を講じてもらわなければならないと思うのでございますが、その点に対するお考えを承りたいと思います。  さらに激甚災の指定でございますが、これをいつおやりになるのか、私たちにとってはできるだけ早くこれを指定していただきたいと思いますので、この点もひとつお願いを申し上げます。  さらに、減税の措置とか、あるいは金融面での特別な取り扱い等に関しても、十分な対策をひとつ考えていただきまして、罹災で悩んでおる方々、あるいはまた、むすこさんあるいは御兄弟が死亡なさった御家族の方々に対して、こういう措置によってせめてもの慰めを与えてやるのが政府の当然のことであろうと考えますので、そういう点に対する考え方を承りまして、私の質問を終わりたいと思うのであります。
  57. 安倍晋太郎

    安倍政府委員 今回の地震につきましては、目下調査団等を派遣いたしまして、鋭意被災状況の把握につとめておるわけでございまして、それに対する総合政策はもちろん積極的に進めていくわけですが、その間の予算措置等につきましては、目下予備費をもってこれに充てていく考えでございまして、状況が全面的に把握できませんと、その全額等につきましても明らかにできないわけでございますが、目下のところは、予備費をもって十分にこれに充て得ると考えておるわけでございます。  なお激甚災の発動につきましても、これまた被災の実情を的確に把握してこれを決定しなければなりませんので、これについても状況を把握し、すみやかに検討に入る決意であります。さらにまた、その他ただいま御質問にありましたように、各省庁に関係しております、いろいろと金融措置とかあるいは減税あるいは財政措置等につきましても、迅速、的確に、これらの対策を具体的に施行いたしまして、被災地方々に対して万全の措置を講じていく考えでございます。
  58. 田澤吉郎

    ○田澤委員 終わります。
  59. 芳賀貢

  60. 島本虎三

    島本委員 ただいま田澤委員からも詳細な質問があったわけでございます。若干は、考え方の点で、また深さの点で、同じ問題に触れると思います。しかしおおよそ違います。的確にお答え、お知らせ願いたいと思います。  今回の一九六八年五月十六日午前、十勝沖地震、これはマグニチュード七・八、大正十二年九月一日の関東大震災に匹敵する規模だ、それほどの激震であった、こういわれております。被害地域も広いのであります。昭和三十九年六月十六日の新潟大地震、これに比べましても比較にならないほど広いのであります。そういうような一つの特殊性があることであります。いますわっておられます芳賀委員長被災地出身でございますから、おそらくは気が気ではなかろう、こう思っておるわけでございます。今回の対策には、もちろん緊急なものとこれから調査して当たらなければならないものと、また将来にわたるもの、こういうようなものは当然ある。この前提の上で私は聞きたいのですけれども、医療と食糧、いわゆる救済物資の対策、この問題だけは緊急を要するわけでございます。こういうような場合には、被災地域も広いというこの実情からして、海陸空と申しますか、一体になってこの対策に当たらなければならないのではないか、こういうふうに思われます。この問題等につきましては、まさに考え方として政府の行政に対する天の試練であるというよりも警告である、こういうふうに思って十分その対策に当たらなければならないはずのものであります。そういう考えの上に立ちまして、医療、食糧、救済物資、この方面に対しまして、あの新潟のころと比べて、足の確保難から、特定の地域には到着しないというようなおそれがないかどうか。それからまた、医療関係はこれまたすぐに対策を講じなければ、これから暑さに向かうわけでございまして、この点は手抜かりがあってはならないと思います。食糧その他の関係においてもそのとおりでございますけれども、この点万全の準備ができておりますか。お考えございますかどうか。
  61. 安倍晋太郎

    安倍政府委員 今回の災害につきましてまず緊急的にやらなければならない措置につきましては、ただいまも各省庁から御説明がありましたが、対策本部といたしましては、いまお話のありましたように、医療物資あるいは食糧等につきましては万全な措置をとって、そうして罹災者方々に安心をしていただかなければならない、そういうためには法的な措置として災害救助法を適用しなければならないとも思うわけでありますし、すでに発動しているのでありますが、その他道路、鉄道の緊急な復旧、あるいは自衛隊等におきましても積極的にただいま説明のありましたような活動をさせなければなりませんし、また食糧につきましては農林省からも御説明いたしましたように、これを完全に確保いたすことは当然でありまして、これについては緊急的な措置を講じつつあるわけでございます。
  62. 大和田潔

    ○大和田説明員 医療につきましては、現在日本赤十字社の救護班が北海道並びに青森県におきまして、それぞれ北海道におきましては二十班、青森県におきましては七班が待機中でございます。そのうちそれぞれ一個班が活動を行なっております。また災害救助法が適用されました市におきましては、これは災害救助法によるところの医療の給付というものもございます。これにつきましては万全を期すように現在指導中でございます。
  63. 島本虎三

    島本委員 それと同時に、私は安心しながらこの問題を聞くのですけれども、三十九年六月十六日の新潟地震の際には、足の確保が不十分であった。地域は広くなかったはずなのに、足の確保がまことに不的確であった。こういうようなことからして、特定の地域にしか救助物資が到達しないというような事態があったわけです。今度の場合は広い。広いけれども、先ほどの運輸省関係国鉄関係報告によりますと、わりあいにこの足が確保されているようであります。そういうような点から、こういうような医療、食糧関係の救援物資の配送に事欠かないのかどうか、これを聞きたかったのです。その準備はわかりました。日赤を通じましてのこういうような一つの準備をしているという点はわかりました。足の確保の点は万全でございましょうか。運輸省か国鉄か……。
  64. 松本文彦

    松本説明員 私どもといたしましては、関係各省庁の御指示をいろいろ承りつつ、災害救助物資の輸送を最優先に扱うという取りきめをいたしております。(島本委員「行けない場所はないか」と呼ぶ)行けない場所は、さいぜん御報告申し上げましたように東北線の一部に不通区間がございます。これらにつきましては、私どもは一般輸送も兼ねまして道路関係と密接な連絡をとりつつ、道路輸送も考慮して運びたいというふうなことで現在進めているところでございます。
  65. 島本虎三

    島本委員 大体足の確保ができつつある、こういうようなことで、こういう悲惨な被害地の状態を思うにつけ、わりあいに措置の早くできるということに対して私は心の安らぎを覚えるわけです。しかし、それだからといって安心してはなりませんので、今後は十分にその万全を期してもらいたいということを心からお願いしておきたいと思います。  いままで報告がありましたいろいろな点について、順次私も具体的に質問を展開してまいりたいと思います。  地震の予知研究のことでございますが、先ほど田澤委員からもこの問題については強く要請を含めまして、質問を展開されました。私はこれに同感であります。これは、現在の状態のもとに五カ年計画で要求したようでありますけれども、これが金の点か何かの点で、水中の面は削られて、地上の面だけになった、こういうような報告があったようでございます。これは、今後、地震の予知並びに研究、予報の実用化、このことは今後、都市におきましても、すぐ目の前に三十六階があり、これから浜松町のほうに三十八階の貿易関係のビルができる、こういうような情勢にあればあるだけに、この予知研究、予報の実用化、こういうようなことは緊急の問題になっているのです。これに対して、なぜ五カ年計画の金が削られたのか、こういうふうなことに対して私は残念に思うのです。幾ら予算して、どういうわけで削られたのか、これに対して政府のはっきりした見解を承っておきたいと思うのです。
  66. 安倍晋太郎

    安倍政府委員 地震の予知につきましては、ただいまもおっしゃいますように、日本は地震国でもありますし、将来の不安を解消するために科学の衆知を集めて十分なる研究措置を講じていかなければならないと思いますし、ただいまの御質問にありますような点につきましても、政府としても十分配慮しなければならないと考えておるわけであります。対策本部におきましても、これらの具体的な今後の措置については、気象庁とも十分相談をいたしまして、対策を早急に立ててみたいと考えます。
  67. 島本虎三

    島本委員 対策を立てるのはわかった。そういう決意はわかりましたが、対策を立てるといいましても、これは科学技術庁関係を大いに督励してもいいのです。こういうようなために科学技庁術だってあるんじゃありませんか。これを気象台だけにまかせて、局地的なものにしてはいけない。全部の学術をここに注入して、こういうふうな予知の、または研究の予報の実用化のためにも、これはやって悪くはないのですから、これはことばそのとおりに具体的にやってほしいのです。平和に徹すると言ったって、さっぱり平和に徹しないのがいまの総理なんだ。しかし、やるやると言ったって、何ぼ予算を請求したのか。五カ年計画はどういうものか、こういうようなことさえ説明できないのが現状でしょう。私は、神が試練するために、天がこういうような機会を与え、皆さんをいまテストしておるのだと思うのです。そういうふうに思って、対策だけは完全に立てなければなりません。これは警告です。この警告をほんとうに天の試練だと思って、完全に行政的に処置しなさい。しないといけません。私は、これ以上これをやったって——計画はおそらくないんでございましょう。あるんですか。どうですか。これは関係当局の方でけっこうです。
  68. 斎藤錬一

    斎藤説明員 お答え申し上げます。  地震の予知に関しましては、その大綱が測地学審議会でもって建議されまして、各年度の計画が日本学術会議でもって立案されております。そして、それに関します研究は各省庁にもまたがり、非常に広範なものになっております。それには大学も入っております。その中で私のほうの気象庁として担当しておりますのは地磁気の観測と沿岸の潮位観測、それから日本付近で発生する規模三以上の地震の常時観測ということになっております。それで、気象庁に関しましては、この計画の達成率は大体九九・三%くらいとなっております。これは、各省庁とも今後緊密な連絡を保ちながら予知計画を進めたいと気象庁としては考えております。
  69. 島本虎三

    島本委員 これは、気象庁としては直接それに当たりますから、九九・三%までも研究されている。それはわかる。これは気象庁だけが自分の責任だと思っても、国の制度全体がそこへ気を注がなければ、注意を集中しなければ完成しない。したがって、こういうような場所ですから、安倍副本部長も来ておりますから、科学技術庁も大学も、英知を結集して——深海魚が変なところでつれて、これも予知に関係があるのではないかというようなことで研究されている人も中にはいると聞いているのです。けさあたりの新聞にもそれは載っているでしょう。何千メートルも下にいなければならない深海魚が水面に浮かび上がってきて、つれるような状態になった、これも予知に関係なかろうかということに科学者も目をつけたということも出ているのです。そこまでいったならば、これは気象庁だけにまかせないで、あなた方はもう少し積極的に、あらゆる学術的な英知を結集して予算づけのためにがんばってください。この点はもう一回はっきりした決意を承っておきたいです。
  70. 安倍晋太郎

    安倍政府委員 地震予知についての技術的な開発等につきましては、ただいま気象庁からお話ししたのでありますが、これに対する財政的な裏づけにつきましてただいままで不十分な点があることも認めざるを得ないのでありまして、対策本部といたしましても、政府の立場で、この地震予知についての財政的な配慮を行なうように今後取り上げていきたいと考えております。
  71. 島本虎三

    島本委員 次に、郵政省関係についてお伺いします。  今回の十勝沖の大地震についての、郵政省としてのいろいろな援護対策を発表されました。いち早くこういうような対策を発表されたということについては、その時点で私は敬意を表します。しかし、この貯金関係の(1)の「貯金通帳および印章がなくても、正当本人であることが確められたならば、一万円までを支払う。」ということですが、本人が行って、一万円ですか。しかもこれは被災証明書と保証書までつけるのです。郵便貯金というものは、こういうふうなときのためにおそらく貯金しているのじゃありませんか。そういうような不知の災害に対して、もしものことがあっては困るから零細な金を貯金しているのではありませんか。その被災者に対してたった一万円、少しみみっちくはありませんか。どうせやるならば、はっきりした被災証明書と保証書までつけるのですから、十万円——と言ったら少し大きいかもしれませんけれども、せめて必要な額は支払えないか。おしなべて、ただ一万円というのはどういうわけですか。もう少し考えられぬですか。このために貯金しているのですよ。  それからまた、貯金通帳がある場合だったら文句はないはずですが、「印章がなくても、ぼ印で全額」これはいいでしょう。しかし、「他局預入のものは十万円まで支払う。」他局に預けているものであった場合には、はっきりわかっているのですから、十万円という制限はもう少し考えてやってもいいと思うのです。貯金者はこのために貯金しているのでしょう。この額をもっと引き上げるということは考えられませんか。
  72. 太原幹夫

    ○太原説明員 後段の、他局扱いでなしに、貯金通帳のある場合で、印章のない場合というものは、前回までは五万円でありましたものを十万円にいたしたものでございます。それで、自局の場合には全額ということにいたしたわけでございます。  それから、貯金通帳印章も、何もない場合というのは、この保証書といいますのは、他人の保証でございます。したがいまして、友人その他の保証という形で、その場で一万円を払うということにいたしておりますので、それが非常に多額になるということはいかがかということで一万円にしたわけでございます。
  73. 島本虎三

    島本委員 そういう手続上のこと、安全性、これはわかります。せめて、五万円を十万円にするまで考えられるのですから、そのためにある貯金なんですから、この点はもう少し見てやれないかというのです。どうですか、もう少し、これは印章がなくても正当本人であることが確かめられるならば一万円まで支払う、これを、せめてその本人の言う額の半分とかまたは八割までとか、こういうようなことをしてやりなさいよ。そのための貯金でしょう。あなただけでできないですか。安倍副本部長、こういうような問題に対しては、あなたから郵政大臣のほうへはっきり言ってやらぬと、事務当局ではできないかもしれませんが、これはどうですか。
  74. 太原幹夫

    ○太原説明員 いま保証書と申しましたが、本人が貯金者であるということがわかっていた場合に、貯金残額がよしんば千円であろうと二千円であろうと、一万円までは払うということでございます。したがって、貯金残額が一万円であるから一万円払うということでなしに、極端な話を申しますと、五百円の場合でも、被災証明書と友人その他の保証書があった場合には一万円払うということでございます。
  75. 島本虎三

    島本委員 十万円あったら幾らになるのですか。
  76. 太原幹夫

    ○太原説明員 十万円あるかどうかというのは、貯金通帳がない場合、当該郵便局におきましてはその残額が幾らであるかということはわかっておりませんので、本人が申し立てまして、おれはいついつ幾ら貯金をしたということの善意をとりまして、一万円までを払うということにいたしておるわけでございます。
  77. 島本虎三

    島本委員 残額二千円のものであっても、一万円まで払うんですね。十万円貯金してあるので、いま十万円ほしいといっても、一万円しか払えないのでしょう、貯金通帳及び印章がない場合、正当本人であることが確かめられたときでも。そういうような場合には、自分が貯金をしたんだから、五十万円あるんだから、いま四十万ほしいんだというならば、それは四十万やれぬのですか。やれるのでしょう。できないですか。
  78. 太原幹夫

    ○太原説明員 当該郵便局におきまして、その場におきましては現在のところは貯金残額はわかりません。ただ、いま機械化を進めておりますので、今後その点は方法を変更していくということは可能かと思いますが、現在のところは、当該郵便局におきまして、だれだれの郵便貯金が残額が幾らであるということがわかりませんので、貯金原簿局でないとわからないということになっております関係上、そうした措置をいたしておるわけでございます。
  79. 島本虎三

    島本委員 くどいけれども、たとえば、五十万円貯金していて、いまそれを四十万円ほしいんだという場合、それでも一万円だったら、あまりひどいということなんですよ。自分は五十万円貯金しておったんだということは、人間の善意によって、そういうところは緊急の場合は信用してもいいんじゃありませんか。できないですか。やはり事務的に、官僚的に一万円ぐらいしかこれは認められないとすると、そのために営々として貯金しておった人に対してはまことに残酷だ、すぐ貯金局に照会するなりして、わかったならばすぐにでも措置してやれるはずですから、緊急の手段ぐらいは何か講じてやるべきですよ。それから、五十万円ある、こう言うならば、少なくともその八割ぐらいまでおろしてやっても負担にならないでしょう、おそらく。そういうような措置は完全に講ずべきだと思います。副本部長、それはあなたから大臣に言ってやらぬといけませんよ。まごまごしてはいけません。
  80. 安倍晋太郎

    安倍政府委員 十分検討したいと思います。
  81. 島本虎三

    島本委員 検討するということは、やるということですな。
  82. 安倍晋太郎

    安倍政府委員 いまの郵政省のいろいろの説明を聞いておりますと、結局、郵便貯金の通帳を紛失した場合のことなんですが、その場合に、郵便局のほうで残額がわからない。結局本人が通告する以外にはわからないわけでありますから、その辺にいろいろの問題があると思いますけれども、緊急の事態ですから、いまの御質問の点については郵政大臣に直ちにお伝えをしておきます。
  83. 島本虎三

    島本委員 それから保険関係の次の(三)いわゆる災害救助法の適用を受けている都市に対しては、郵政省でははがき五枚、ミニレター一枚——これは私の聞き間違いじゃないかと思っているのですが、はがき五枚にミニレター一枚だけ郵政省として無料で配付するということですか。
  84. 太原幹夫

    ○太原説明員 いま言われましたように、一世帯につきまして、はがき五枚、ミニレター一枚でございます。
  85. 島本虎三

    島本委員 これは一世帯についてですけれども、ミニレターは現在売れなくて、郵政省でも廃棄処分にしようか、こういうようなところにいって、困っておるしろものでしょう。これは、こういうような場合に思い切って、あなた、一枚なんていわないで、百枚ぐらいやったらどうなんですか。一枚なんてあんまりみみっちい。まあ百枚はだめであっても、十枚、五十枚という数字は考えられませんか。いま売れなくて山ほど残っておるものを、こういうようなときには配付をすべきですよ。これはどうですか。それくらいやってやりなさいよ。
  86. 太原幹夫

    ○太原説明員 お答えいたします。  ミニレターの分が売れないから、この場合に多くの枚数を無償配付したらどうかということのようでございますが、これはその分だけ郵政省としての負担がございますし、一枚につきまして十五円の負担を負うわけでございますから、これがいま御質問のありましたように、売れないから百枚あるいは五十枚をこの際放出してしまえということは、直ちにはできないのじゃないか、こういうふうに思っております。
  87. 島本虎三

    島本委員 どうも売れないからというのはあまりにも現実的過ぎて、表現が悪かったかもしれません。それは私としても言い直します。これはせっかく災害救助法の適用を受けている場所ですから、一家庭についてはがき五枚、ミニレター一枚でもけっこうですが、この一枚というのはやはり十枚ぐらいにでもしてやって、この際ですから、十分手厚い措置をしてやったほうがよろしい、こういうようなことなんです。これはあなたは事務局で困るでしょうけれども、安倍副本部長、小林郵政大臣は話のよくわかる人ですよ、こういうような話は。だから、あなたから直接話して、郵政省は官僚がかたいのですから、あなたから十分——これは政治的な手を完全に打つべきです。打ってやりなさいよ。十枚ぐらいにしてやりなさい。
  88. 安倍晋太郎

    安倍政府委員 お話しの点については、十分大臣にお伝えいたします。
  89. 島本虎三

    島本委員 では、郵政省関係のほうはこれで一応終わらしてもらいたいと思いますけれども、この貯金関係の「貯金通帳および印章がなくても、正当本人であることが確められたならば、一万円までを支払う。」この問題はやはり異議がありますから、副本部長、そのために金をためているのですから、五十万円と言ったならば、現実に五十万円貯金したことを早く認められる方法を、貯金局にすぐ照会するなりしてやって、適確な措置をしてやってほしいと思うのです。これは郵政当局に聞きましても、いままでの答弁しかできないでしょうから、政治的な手を打つべきです。これは十分配慮してやってください。こういう額が大事です。よろしゅうございますね。
  90. 安倍晋太郎

    安倍政府委員 わかりました。
  91. 島本虎三

    島本委員 急ぎます。  国鉄関係に伺いますけれども、今回の場合、青森並びに函館被害がわりあいに具体的に大きいのです。いま試掘中の青函トンネルの点は、浸水その他全然異常なかったのですか。全部試掘やり直しということになりませんか。あまりにもあの辺が激甚だったわけですから、ちょっとそれが心配なんですが、その報告はないでしょうか。
  92. 松本文彦

    松本説明員 御案内かと思いまするが、青函トンネルにつきましては、鉄道建設公団が現在施工中でございまして、実は私どものほうへまだその関係被害について何ら報告が参っておりませんので、まことに申しわけないのですが、現在のところはわからないわけでございます。しかしながら、もし何かありますれば当然何か報告があるはずだというふうに考えておりますので、いまだに何も話がないということは無事ではないかというふうな、まことに無責任でおそれ入りますが、さっそく取り調べて後刻御返事いたすことにいたしたいと思います。
  93. 芳賀貢

    芳賀委員長 運輸省、わからぬですか。監督課長か港湾局長、運輸省いないですか。
  94. 宮崎茂一

    宮崎(茂)政府委員 私港湾局長でございますが、いまのお話は鉄道監督局の監督下にございますが、担当官がいま来ておりませんので、私ども存じておりません。
  95. 芳賀貢

    芳賀委員長 直ちに連絡しますから、質疑を続けてください。
  96. 島本虎三

    島本委員 質疑を続けます。  これは先ほど田澤委員が質問されたそれに若干関連いたしますけれども、函館大学の一階陥没、校舎全体がゆがんだ、こういうような被災の件です。これはもちろん倒れないはずの鉄筋が倒れてくるというようなことがおかしいのであります。先ほどの文部省からのいろいろな報告を見ておりますが、あの近所に函館工業高専が、同じような建物があるはずです。なぜ函館大学だけこういうような被害を受けて、近所の函館工業高等専門学校のほうが被害が少ないのか。おそらく報告がなかったように思いましたが、これは報告されたでしょうか。私の聞き違いであれば訂正いたしますけれども、もし被害報告がないとすると、同じ近所にあっていながら、これは建築上の構造ということになってしまうのじゃないか、こういうふうに思われます。この点は今後の学校経営のためにも、また学校建築のためにも、こういうような学生を扱う場所に、あまりにも安易な設計、施工、こういうようなものを許可しちゃならない、災害に強い都市づくりをするためにも、十分こういうような点は考慮しなければならないのじゃないか、こう思うのですが、この関係はどうでございますか。
  97. 菅野誠

    ○菅野説明員 ただいまお話がありましたように、この私立大学の近所に国立の函館工業高専があることも存じております。それで函館工専のほうにさっそく電話をいたしまして調べてみたのでございますが、ただいまのところは被害軽微という報告でございまして、金額にあがらない程度ということで、若干壁にひび割れ等があったかもしれませんですが、大きな被害函館工専にはなかったようでございます。しかし、おっしゃるように、非常に近所なのになぜ片方は無被害、片方が大きな被害を受けたかということは、技術的に大いに研究する必要があるというふうに思いますので、この点については文部省といたしましても十分研究してみたいと思いますが、現地に人を派遣しておるのでございますので、その報告等を待ちまして詳細に検討いたしたいと考えおります。
  98. 島本虎三

    島本委員 それを期待いたします。  なお、これは建設省関係にも、こういう建物の場合には、特にこういうような倒れないはずの鉄筋が倒れることがないように十分配慮してもらわなければいけないと思うのです。片方に古い建物があってがんじょうなんです。いま建てたばかりのやつが、一階陥没、二階以上ぐらぐらなんです。こういうようなことはありませんよ。ここにだってやはり多数の学生がいるのですから、こういうようなことは監督上今後十分気をつけてもらいたい、こういうふうに思うわけです。  最後に自治省にお伺いしておきたいと思いますが、今回の死者は、特に土砂くずれで十三名、がけくずれで十名、家屋倒壊で五名、落下物によって二名、その他八名、こういうような報告がなされております。土砂くずれとがけくずれと家屋——家屋の場合は別ですけれども、この場合にはおそらくは予知できるのじゃないかと思うのです。この辺はくずれやすい、この辺はどうだということはわかるのじゃないかと思うわけです。こういうようなことについてふだんから十分その対策を考えておかないと、いつでもこういうようなことが起こってきます。これは建設省並びに自治省あたりでもおそらく自治体を督励して、こういうようなことのないように十分気をつけておいてほしい、そうしなければならないと思います。建設省も直接こういうような問題を手がけるのですから、もう土砂くずれやがけくずれによってこういうようなとうとい人命を二十数名も失うことがないように、今後さらに気をつけてもらいたいと思うのです。対策を聞いておきたいと思います。
  99. 粟屋敏信

    ○粟屋説明員 土砂くずれ、がけくずれ等につきましては、従来集中豪雨等による土砂くずれによって相当な死傷者が出ておったわけでございます。これにつきましては、従来とも十分県知事、市町村長等と連絡をいたしまして、保安体制の確立等に万全を期しておったわけでございますが、地震につきましても、先生御指摘のように、今回相当な死者が出ておりますので、今後十分その点にも配慮して、万全を期したいと考えておる次第でございます。
  100. 山本弘

    山本(弘)政府委員 がけくずれ、地すべり等の災害危険区域に関することでございますが、この点につきましては市町村にそれぞれ地域防災計画をつくることになっております。その地域防災計画の中で、がけくずれ等による危険個所をそれぞれ指定をいたしまして、特別の警戒区域とし、またがけくずれ等が起こった場合における避難計画等を定めておるのでございます。  北海道の場合は、がけくずればかりじゃございませんが、河川のはんらん地域その他いろいろ合わせましておおむね千カ所くらいのところが危険個所として計画に織り込まれておるのでございます。ただ今回の場合地震でございまして、急に起こったということが被害をもたらしたというふうに考えられるのでございますが、なお、単に計画に終わることなく、危険個所については常時気をつけていく、一たん災害が起こった場合に被害を生じないように、さらに計画の実効性を高めていくように指導してまいりたい、かように存じておる次第でございます。
  101. 島本虎三

    島本委員 同僚の質問時間も考慮しなければなりません、本会議の時間も考慮しなければなりませんので、まだまだあるのですけれども、これでやめます。  やめるためには、私は三つの強い要望をしておきたいと思います。今後の復旧工事に対しては、これは稲葉さんが災害対策特別委員長だったころからできた件でございまするけれども、改良復旧の点だけは十分考えて実施してもらいたいことが一つ。それからもう一つは、激甚地指定を急いでもらいたいということが一つ。それから減税、財政措置、この面につきましても十分措置をしてもらいたい、そうして救済の万全を期しておいてもらいたい、このことを心から要望申し上げまして私の質問を終わるわけでございますが、これを最後にひとつ答弁してください。
  102. 安倍晋太郎

    安倍政府委員 ただいまの御要望がありました改良復旧あるいは激甚地指定あるいは財政措置等につきましては、今後被災地状況が判明し次第、十分な検討を加えて配慮をしたいと思います。
  103. 島本虎三

    島本委員 終わります。
  104. 芳賀貢

    芳賀委員長 中川一郎君。
  105. 中川一郎

    ○中川(一)委員 私も二、三追加質問をいたしたいと思います。  今回の地震は、関東大震災に次ぐ強度な地震であったということであります。しかも新聞その他によりますと、太平洋には環地震帯というのですか、地震帯がある。今回の地震は、昭和二十七年に次いで、日本では一番人口の少ない北海道東北地方を襲ったわけでありますが、将来、日本の人口の一番多い東京や大阪方面にも、これに似たような地震が起こる可能性があるかどうか、気象庁、ひとつ見通しを、この機会にお聞かせいただければと思うわけであります。
  106. 斎藤錬一

    斎藤説明員 御指摘のように、日本には、日本の外側と内側を回りまして地震帯がありまして、これが環太平洋地震帯の一部になっております。今回十勝沖に地震がありましたけれども、将来もどこに起きるか、現在のところ、先ほど申しましたように、予知の技術がございませんが、起こる可能性は十分あると思います。
  107. 中川一郎

    ○中川(一)委員 いま気象庁のお話しのように、これに似たような地震が、人口の多い東京や大阪にも起きる可能性があると、はっきり言っておるわけであります。そこで防災基本法でもって防災計画を立てなければいけないということになっておりますが、東京やその他、人口の集中したところに起きた場合に対処できる防災計画ができておるかどうか、この点、総理府にお聞きしたいと思います。
  108. 上田伯雄

    ○上田説明員 先生御指摘の点は、東京、大阪等の、こういうような人口の稠密し、かつ大きい建物その他危険物のたくさんあるようなところについての地震の御心配であろうと思うわけであります。率直に申しまして、たとえば関東大震災のようなぐあいに、東京の土地の下にああいうものが来ますれば、絶対万全であるというような計画が現在立っておるとは申しがたいかと思います。ただこれは、何と申しましても、地震の予知、それからその地震によって起こるところの被害の想定等、経済とか文化とか社会の発展も大きいために、なかなか相互の関係がつかみがたいわけでございます。そこで、これは地域の防災計画をつくらなければならないわけでありますが、たとえば東京都の例で申しますと、風水害等についての計画は相当万全なものができておるわけでございます。そういうものについて、地震対策につきまして専門家を集めまして、東京都は鋭意その被害を想定し、避難のやり方あるいはそれの被害を減少する方法等を現在検討しておるわけでございます。また東京都等、こういうような地域だけにまかせるわけにいきませんので、政府部内においても、寄り寄り担当者同士の話し合いをしておりますし、また、これに一番深い関係、関心を持っております消防庁あたりが、特に今後とも検討するというようなことで、各省の話し合いを進めつつあるわけでございます。そういうことで、各省集まりまして、万全の対策、計画というものが立っていくように努力しておるところでございます。
  109. 中川一郎

    ○中川(一)委員 そうすると、立てつつあるということでいいわけですね。立てつつあるとすれば、いつごろまでにそれが立てられるのか。
  110. 上田伯雄

    ○上田説明員 現在も、もちろんそういう地域の防災計画というものはあるわけでございます。ところが、これを振り返ってみますと、必ずしも十分であると申しがたいというようなところがありますので、これを逐一直していく。したがって、現在全く何もない、お手あげだというようなことではないわけでございまして、逐一直すわけでございます。大々的に全面的にこれが変更されて、新しい事態に対処するに足るようなものになるには、これはかなりの時間がかかろうと思うのでございまして、いまにわかに、いついつというようなことは、まだ申しがたい段階でございます。
  111. 中川一郎

    ○中川(一)委員 この地震を契機として、やはり真剣にこの問題を考えてみるべきではなかろうか。目の前に三十六階のビルが建っております。きのうの地震では、一番上は一つもゆれなかった。柳のようになっておって、耐震性は非常に強いといわれておりますが、これだけの人口をかかえた東京都に、もしああいった地震が起きたならば、新聞によると、四百何十カ所はもう消防車の手も回らぬで、自由に燃え広がるであろうといわれております。人の死に方も、三十八名やそんなものじゃない、おそろしい事態でありますので、今回の地震を契機として、早急にこれを立てていただきたいと要望をいたします。  次に、もう一つ今回の地震で感じましたことは、通信網がとだえたということであります。九時四十九分ですか、地震があって、われわれはNHKにかじりついて情報を知ろうとしたのですが、十二時過ぎ、一時ころになるまで、北海道が火事になっておるのかどうなっておるのか、関東大震災のような地震が起きたというだけで、日本全国の人はおそらく不安にかられたであろうと思うわけです。なるほど、NHKあるいは電話の施設が途絶した、これもいたしかたないと思いますが、警察庁は一体何をしておったかという気がいたすわけであります。日本全国でかりに暴動が起きたとしたら、警察庁はそういった情報をつかまなければいかぬのではないか。昨日のような場合には、警察庁は全国の警察網を利用して、そして、現在のところ大火はない——きのうは、NHKでは、あちらこちらで火事が起きておってたいへんだ、延焼しつつあるというような情報も流れたわけですが、警察庁は、日本全国のそういった治安について情報をとる機構ができておらないのですか。
  112. 三井脩

    三井説明員 ただいまの点につきましては、警察では、御存じだと思いますけれども、自営のマイクロ回線と、電電公社による専用回線と、両方ございます。先ほどお話しがございましたように、甲地の中継所の故障のために、公社線のほうは故障いたしましたけれども、自営マイクロ回線の使用によりまして、仙台−青森間は不通になりましたけれども、秋田経由で通話ができておりました。それからまた、仙台−青森間も午前中には回復いたしまして、そういう意味で、警察的には、大きなところでは状況はつかんでおりました。ただ、北海道の一部と、青森県の中では、十署のうちで、警察署から駐在所に至る間で故障が起こったところがございました。これは有線のところでございまして、これにつきましては、警察のハンディトーキー、パトカーの無線等を使いまして、状況につきましては逐一把握しておりました。したがいまして、駐在所までは連絡が行きますが、駐在所が管内を回って実情を把握するというような点について、道路の損壊その他の点で若干時間がかかたっという点はございますが、大体警察通信及び情報把握の点については、かなり円滑に運用されておったと、私たち考えておる次第でございます。
  113. 中川一郎

    ○中川(一)委員 そうしますと、NHKの情報のとり方がまずかった、警察に聞けばわかるようになっておったわけですか。
  114. 三井脩

    三井説明員 警察庁におきましては、災害対策連絡本部をさっそく設置いたしまして、各新聞記者はその部屋に詰めっきりでございました。したがって、状況については把握いたしておりましたが、ただ、九時四十九分に起こりまして、十時現在であるとか十一時ごろであるとかいうような点については、被害状況はあとから見ましてそのとおりであったわけですけれども、ほかにないかというような点が十分確認できておるかどうかという点について——情報を流しておりましたが、まだ隠れたものが出てこないかという点で心配があったようでございます。しかし情報そのものは全部新聞関係にも流しておった次第でございます。
  115. 中川一郎

    ○中川(一)委員 本会議の予鈴が鳴りましたので、たくさんありますが、最後に、やはり函館大学の問題が私どもは非常に気になるわけです。ああいった鉄筋コンクリートの建物が、しかも大事な学生を預かっておるあの建物が倒れたということについては、これは建築基準法違反の疑いがあるのじゃないかという気がするのですが、この点は建設省どうですか。
  116. 白川英留

    ○白川説明員 今回の函館大学の損壊につきましては、けさほど市街地建築課長現地派遣いたしまして、原因の究明中でございます。したがいまして、その結果を見なければわかりません。
  117. 中川一郎

    ○中川(一)委員 恐縮ですがもう一つ。先ほど農林省から、食糧対策については心配がないということでありましたが、その点、具体的にもう少し安心のできるように御説明をいただきたいと思います。
  118. 太田康二

    ○太田説明員 先ほどもお答え申し上げたわけでございますが、米穀の配給につきましては、各道県とも相当数量の手持ちの在庫が現にあるわけでございまして、たとえば北海道で申し上げますと、政府の所有米は、四月一日現在で十四・九カ月分持っておるというようなことでございます。それから販売業者の段階におきましても、一週間程度の手持ちがあるのでございまして、これも、北海道の場合には七・一日分の手持ちが販売業者の段階にございます。そういった政府手持ちもございますし、販売業者の段階におきましても手持ちがございますので、応急配給には支障はない、こういうことを申し上げておるわけでございます。(中川(一)委員「野菜は」と呼ぶ)野菜につきましては、実は北海道は、ちょうど五月の時期には地場産のものが非常に少のうございまして、大部分が内地からの移入に依存をいたしておるわけでございます。そこでわれわれとしては、先ほども申し上げたわけでございますが、運輸省、国鉄に頼みまして、生鮮食料品の値上がり防止のために、優先的にこの輸送に当たっていただく。現在われわれのほうで、毎日どのくらい車両が要るかというようなこまかい計算をいたしておりまして、これによりまして、国鉄、運輸省と具体的に話し合いをして、この輸送の確保をはかっていただきまして、要するに供給の不足による価格の値上がりを防止したい、かような手をいま講じておるところであります。
  119. 中川一郎

    ○中川(一)委員 終わります。
  120. 芳賀貢

  121. 玉置一徳

    玉置委員 今度の災害につきまして、緊急にいろいろな措置を講じていただくことにつきましては、各委員の皆さんから、御質疑を通じて御要望がございましたので、省略させていただきまして、ただ二点だけお願いをしておきたい。  一点は、災害のいろいろな立法が、いままでの風水害を中心に集大成されております関係上、こういった問題につきましては、地方自治体におきまして、どの程度のことを応急に措置すれば、どのくらいの金がどういうようにしていつごろきまってくるのだということが、おのずからわかるようなぐあいになっておりますが、私は前に災害特別委員会委員をしておりまして、三宅島の災害で参りましたときも、地震による災害は非常に人心に動揺を来たすわりあいに、公共施設そのものに大きな被害がないわけでありまして、様相が非常に違うわけでございます。そういうものに対処してどういうふうにするかということが、いままであまり研究がなされていないように思いますので、今後十分にひとつこの点を御検討いただきたいと思います。これは要望であります。  次に御質疑をいたしますが、一つは一般の災害復旧でございます。査定その他いろいろな関係もございまして、三、二四、四ですか、あるいは幾つになっていますか、いま進捗率がそれぞれきまっておりますけれども、そのとおりにまいらない場合が非常に多いわけであります。したがって、災害復旧の予算に関しては、予算の額は決定されましても、その使用を、若干年度を越えて弾力性を持たす必要があるのではないかということをかねがね主張しておりますが、この点をどういうようにお考えになるか。二番目は、そういう意味では、これは災害基金のようなものをつくって、その基金から、片方の予算がきまりましたものを弾力性を持たして運用するということができるようにするか、どちらかの考え方が要るということを常々主張しておりましたが、この機会をかりまして、もう一度政府の所言をただしておきたい、かように思います。
  122. 粟屋敏信

    ○粟屋説明員 災害復旧事業の早期完成につきましては、建設省はじめ政府全体として、常々意を用いておるのでありますが、先生も御存じのように、災害復旧事業、特に補助につきましては、一応全体として四年という方針で現在進んでおりまして、初年度は三〇%、二年度で七二%、三年度で八八%の完成をめざしておるのでございます。そういうふうに予算額をもちまして復旧の促進をはかりますとともに、毎年債務負担行為を計上いたしまして、実質的には、三年前の災害につきましては九四%が完成するような措置をとっております。そういうふうに諸般の措置を講じまして、早期完成に現在努力をいたしておるところでございます。なお今後も、復旧率の促進につきましては努力をしてまいりたいと考えております。
  123. 玉置一徳

    玉置委員 当然、国としてはそういう方向でいかなければいかぬと思いますけれども、事実問題として、今度のような地震の場合、橋梁が一つ落ちた、その他は案外小さい被害であるという場合に、橋梁をどうしても先にやらざるを得ない。これは三年で半分ずつというわけにはいきませんから、そういった場合にこれをとりますと、ほかの軽微なものはほとんど、補助金をもらうのが三年後になる、こういう状態になるわけです。そのことはやむを得ぬといたしましても、軽微のものはその年にやってしまわなければいかぬことは事実であります。橋梁のいまのような問題がありますから、どうしても弾力性を持たした運用をやらなければいかぬのじゃないかということを、常々主張しておったわけであります。もう一度、そういう意味でお答えいただきたい。
  124. 粟屋敏信

    ○粟屋説明員 私がさっき申し上げましたのは、全体としての議論でございまして、先生御指摘のように、橋梁その他緊急を要するものにつきましては、その全体のワク内におきまして優先順位をつけまして、適宜の措置をいたしておるはずでございます。
  125. 玉置一徳

    玉置委員 そのことは百も承知で質問をしておるわけでございまして、答えにはなりません。ひとつこの機会に、もう一度皆さんでとくと御検討いただきたい、かように思います。ことに北海道東北地震災害でありますので、ほかと違いまして、三年、四年で比率でやるという現状じゃないんじゃないか。せっかく今度は二十二日から、皆さんおいでいただきますので、派遣の皆さんの答えを待ちまして、早急に取り組んで、一日も早く完成を見、人心の安定をはかられるようお願いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
  126. 安倍晋太郎

    安倍政府委員 先ほど島本委員から御質問がありまして保留しておきました、青函トンネルの被害の問題ですが、ただいま入りました情報によりますと、壁の岩盤が若干はがれた程度で、被害はないということでございます。
  127. 芳賀貢

    芳賀委員長 十勝沖地震に対する質疑はこの程度にとどめます。     —————————————
  128. 芳賀貢

    芳賀委員長 昭和四十三年一月以降の豪雪による災害対策について、質疑の申し出がありますので、これを許します。稻葉修君。
  129. 稻葉修

    ○稻葉委員 時間がありませんから端的に……。  昭和三十八年法律第百三十七号、豪雪に際して地方公共団体が行なう公共の施設の除雪事業に要する費用の補助に関する特別措置法という法律があるわけです。ところが、これが全然空文化しております。これは政府当局も、この間の災害対策委員会でお認めになった。空文化しておる。したがって、空文化しないように、次のように法律を直す意思はないかと私は質問しました。すなわち、豪雪のため地方公共団体の行なう除雪事業に要する費用が、国が平年度交付税で見る除雪費をこえる部分については、予算の範囲内において、その二分の一以内を当該公共団体に国が補助するものとする、端的にこうやったらどうか。この次までに返事をすることになっておるのですが、御返事を承りたい。
  130. 菅野誠

    ○菅野説明員 ただいまお話がありました、豪雪に際して地方公共団体が行なう公共の施設の除雪事業に要する費用の補助に関する特別措置法、これに関連する問題を、いろいろ私どもといたしましても検討いたしますため、市町村単位の資料を収集いたしまして、前委員会でまだ全部の資料ができていなかったので、はなはだ残念だということを申し上げたのでございますが、教育委員会等を経由して資料を集めましたために、実は私どもといたしましては、四月十日を締め切りにして行なったのでありますが、全資料が整備できましたのが四月末というような状況でございまして、この点申しわけなく思っております。  なお、この資料と並行いたしまして、予想されましたようないろいろな問題につきまして検討を加えました。今次の雪害が、先ほどお話がありましたように、閣議了解とされております豪雪指定基準に該当することはないということも明らかになり、またこの豪雪基準だけを改正して政令をそのままにした場合どうなるかということも検討したわけでありますが、指定基準だけを改定して豪雪政令を改定しないというふうにいたしますと、前回の報告のときは一つと申し上げたと思うのですが、その後の資料を、追加資料をもとにして検討いたしましたところ、四月末集まりました全市町村の数に対してでございますが、このときわずか三つということもわかりました。しかしながら、今冬の雪が、三十八年の豪雪以来の非常に大きな雪害であったことも、この点に関しまして気象庁の応援も得まして、いろいろ膨大な資料をまた検討いたしました。それに基づきまして、やはりこの規定では実情に即しない点があるということを、私どももできるだけこれをいろいろな角度から検討いたしまして、ただいま法律改正というお話もあったわけでございますが、事務当局といたしましては、事務的な取り扱いといたしましては、今国会でまた法律改正のようなことをいたしますれば、時間的にもたいへん無理であろうというようなこともありまして、先ほどの政令発動の基準と、並びに政令を改正したいということで、この点につきまして、関係各省と現在折衝を行なっております。当初計画した日程よりおくれましたことは申しわけないと思うのでございますが、いましばらく御了承願いたいと思っております。  なお、今後の見通しを申し上げますれば、実は多大の財政負担を伴いますので、予備費支出等の関係もあり、相手のあることでありますので、確約をいたしかねるのでございますが、私個人の気持ちといたしましては、今月中に何とか結論を得たいというふうに努力いたしておりますので、御了承いただきたいと思っております。
  131. 稻葉修

    ○稻葉委員 私は、政令改正をやっても、一向おかしなものにしかならぬというように、失礼ながら考える。そこでこの間、いっそ簡単な法律だから、いま申し上げましたように、こういう法律はすぐできるのですから、もう三行か四行です。この法律自体も十行くらいの法律だから、それを簡単に、さっき読み上げましたようなことにすれば明瞭なんです。政令も要らなければ基準も要らないのです。そういうことをいまお聞きしたのですが、おやりになるような意思がないとすれば、こっちも委員会として考えなければいかぬ。しかしせっかく政令の改正も前向きに検討しておるということですから、なるべく早くどこをどういうふうに——われわれの納得のいくように、これならばこの法律は死文化されないで実効性ある法律に生きてくるなあというふうに思えれば、それでもいいのですから、なるべく早く見当をつけて、当該委員会に提示してもらいたい。それでないと、われわれは法律を改正しますよ。そっちがやらなければこっちがやらなければならぬ。なるべく早く、この次の二十一日には、この北海道東北地方地震災害に関して委員会を開くという理事会の申し合わせになっておるから、その日までに見当をつけてもらいたい。この点は、文部省の施設部長、さらに厚生省の事務当局ではなかなかいかぬ。決しかねている点があるかと思いますが、安倍副本部長は今度の災害の副本部長だから、あなたに聞くわけにはいかぬ。上田君、あなたこのことはずっと前から知っておって——よそを見ていないで、重要なことだから、あなたから返答を伺っておきますか、この際。
  132. 上田伯雄

    ○上田説明員 仰せのような方向で、各省の取り持ちをやりたいと考えております。
  133. 芳賀貢

    芳賀委員長 次回は、来たる二十一日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時八分散会