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1968-03-29 第58回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年三月二十九日(金曜日)    午前十時四十九分開議  出席委員    委員長 芳賀  貢君    理事 井原 岸高君 理事 池田 清志君    理事 稻葉  修君 理事 渡辺 栄一君    理事 川村 継義君       阿部 喜元君    藤本 孝雄君      三ツ林弥太郎君    水野  清君       山口 敏夫君  早稻田柳右ェ門君       井上 普方君    金丸 徳重君       工藤 良平君    兒玉 末男君       斉藤 正男君    平等 文成君       稲富 稜人君    折小野良一君       小川新一郎君  出席政府委員         総理府総務副長         官       八木 徹雄君  委員外出席者         内閣総理大臣官         房参事官    上田 伯雄君         警察庁警務局監         察官      斎藤弥之助君         防衛庁防衛局第         一課長     今泉 正隆君         科学技術庁研究         調整局総合研究         課長      緒方 雅彦君         文部省管理局教         育施設部長   管野  誠君         厚生省環境衛生         局環境衛生課長 赤穴  博君         厚生省環境衛生         局水道課長   大橋 文雄君         厚生省社会局施         設課長     大和田 潔君         農林省農林経済         局金融課長補佐 門松 昭夫君         農林省農地局建         設部災害復旧課         長       松井 芳明君         林野庁指導部長 木村 晴吉君         中小企業庁長官         官房総務課長  東  辰三君         気象庁総務部長 坂本 勁介君         気象庁観測部管         理課長     岡 四四亥君         気象庁観測部地         震課長     木村 耕三君         建設省河川局防         災課長     坂井 秀正君         建設省住宅局住         宅建設課長   沢田 光英君         自治省財政局財         政課長     首藤  堯君         消防庁防災救急         課長      中沖  豊君     ――――――――――――― 三月二十九日  委員三宅正一君、米田東吾君及び小沢貞孝君辞  任につき、その補欠として工藤良平君、平等文  成君及び折小野良一君が議長の指名で委員に選  任された。     ――――――――――――― 三月二十一日  えびの地震災害対策に関する陳情書  (第二一二号)  愛媛県の豪雪災害対策に関する陳情書  (第  二一三号)  香川県の豪雪災害対策に関する陳情書  (第二一四号) は本委員会参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  南九州えび地震による災害対策  昭和四十三年二月の異常降雪等による災害対策      ――――◇―――――
  2. 芳賀貢

    芳賀委員長 これより会議を開きます。  災害対策に関する件について調査を進めます。  本日は、まず、南九州えび地震による災害対策について調査を進めてまいりたいと存じます。  まず、去る二十一日及び二十六日に、本委員会政府当局との間で協議懇談いたしました諸問題について、現時点における政府のとった措置ないし経緯等並びに二十五日未明に発生した地震による被害状況等について、関係政府当局から説明を聴取いたしたいと存じます。警察庁斎藤監察官
  3. 斎藤弥之助

    斎藤説明員 今次の宮崎鹿児島両県に対しまするえびの地震被害発生に関しましての警察措置状況を御報告申し上げます。  去る二月二十一日、宮崎県西諸県郡えびの町を震源地といたします第一回の地震発生いたしましたことは御承知のことでございますが、今回、三月二十五日午前零時五十九分ごろ及び同一時二十一分ごろの二回にわたりまして、震度五というふうな地震発生をいたしました。これに対しまして宮崎及び鹿児島県警察のとった措置は次のとおりでございます。  宮崎県におきましては、二月の第一回の地震発生以来継続的な地震状況がございましたので、所轄飯野警察署現地警備本部を設け、警備要員といたしまして警察官三十四名を常駐させ、投光器あるいは拡声機等の必要な装備品を携行いたしまして出動いたしました。  これらの警察活動業務の内容でございますが、住民避難誘導危険地域警戒交通整理あるいは犯罪予防検挙等が主とした任務となりまして、従事いたしておる状況でございます。  また、鹿児島県におきましても、宮崎県警察と同様、二月二十一日の地震発生以来、所轄横川警察署管内吉松警察官派出所警察官を常駐させまして、警備に当たってまいりました。  これらの警察官業務といたしましては、同様に、住民避難その他交通整理犯罪予防といった任務、さらにまた、最も重要でございます住民避難誘導あるいは警戒、その他火災の予防というふうな面に広く災害警備活動を行なってまいった次第でございます。  なお、住民の不安その他等に対しましての十分な広報活動といった点につきましても、車両拡声機その他を利用いたしまして徹底をするように、現地警察官によって努力が行なわれた状況でございます。  今回の地震被害状況につきましては、お手元資料で差し上げてございます二月二十一日の状況と御対照願えればおわかりいただけることと思いますが、前回被害と比較いたしますると、前回のほうが若干被害が大きかったようでございます。  なお、今回三月のこのたびの地震被害発生に対しまして、警察活動の全きを期するため、警察庁におきましても係官現地に出張させ、また、九州管区警察局からも係官現地に参りまして、災害警備活動の上で遺憾のないように現地指揮をさせておる次第でございます。  以上、非常に簡単でございますが、当面の警察措置の概要を御報告申し上げた次第でございます。
  4. 芳賀貢

  5. 今泉正隆

    今泉説明員 お手元に簡単な資料をお配りしておりますので、それに従いまして御報告申し上げます。  まず、鹿児島県の吉松地区でありますが、三月二十五日地震発生の日の朝、知事要請がございまして、九時四十分、陸上自衛隊部隊を派遣いたしました。派遣いたしました部隊鹿児島県国分の第十二連隊、熊本の第八補給隊、第八通信大隊でございます。二十六日には約百人の部隊で救援に当たりました。携行いたしました装備は、車両三十二両、給水運搬車二両、天幕三十八張り、浄水セット三組、毛布類五百、その他通信施設であります。  行ないました作業は、今回も断水がありましたので給水を行ないました。また、羅災された方を天幕に収容する作業を行ないました。そのほか、一時通信が途絶いたしました間、これにかわって通信作業を行ないました。  なお、二十七日になりまして事態がやや好転したかのように思われましたので、県当局調整の上、第八補給隊、第八通信大隊の主力を撤収いたしまして、本日現在では、第十二連隊中心とする人員約四十名、車両十両で支援を継続しております。なお、断水地区におきましても、本日から時間給水が行なわれるという報告を受けております。  次に、宮崎県の真幸地区でありますが、地震当日さっそく都城の第四十三連隊から部隊要請に基づかず派遣いたしましたが、現地で県の副知事調整をいたしました結果、今回は要請をしないということでございまして、帰隊いたしました。なお、災害派遣ではございませんが、万一の場合に備えまして、連絡班は同地区に滞在いたしております。  資料の裏側には、前回えびの地震の、そのつどこの委員会でも御報告申し上げましたが、自衛隊活動状況について簡単に書いてございます。  以上、簡単でございますが、御報告申し上げます。
  6. 芳賀貢

  7. 大和田潔

    大和田説明員 厚生省関係の御報告を申し上げます。  三月二十五日に新たに震度五の地震が起こりました。その際の被害状況につきましてとりあえず申し上げますと、宮崎県のえびの町におきまして、人的な被害が軽傷三、それから住家被害全壊三十九、半壊二百二十一、一部損壊千四百六十七であります。鹿児島県の吉松町におきましては、住家被害が、全壊十二、半壊が百三十四、かようなことになっております。  それに対しまして、私どものとりましたおもなる措置でございますが、災害救助法につきましては、すでに先月の二十一日並びに二十三日に、えびの町及び吉松町につきまして災害救助法の適用を行なっておるわけであります。今回の第二次えびの地震によりまして直ちに救助期間の延長を行なっております。  さらに、この地震によりまして避難をいたします人たちのために早急に避難所を設置し、あるいは既存の施設避難をすべき人を収容いたしまして、避難所として開所しております。  さらにこの避難所につきましては、鹿児島県につきましては、二十五日以前からでございますが、二十一日に二十五棟の緊急避難施設プレハブ住宅によりましてつくるということを決定いたしまして、この建設を急いでおりますが、現在鹿児島県におきましては十一棟完成しております。これは十五坪の避難所でございまして、二十人が収容できるというものでございますが、これが十一棟完成いたしまして、その後もこの完成を急いでおります。完成次第、現在天幕生活をしております人たちをこのプレハブ住宅による緊急避難所に収容いたすというような手はずになっております。  なお、宮崎県につきましては、緊急避難所を、二十六日でありますが、十一棟つくることにつきまして決定いたしまして、現在のところそのうち二棟が完成しております。その二棟につきまして、避難をしておる人たちテント生活をしておる人たちを収容しております。なお、今後ともこの避難所の設置を急がせておるところでございます。  それから次に被服、寝具等につきましては、両県とも毛布、はだ着その他生活必需品につきまして支給を行なっておるところでございます。  次に飲料水でございます。水道でございますが、これはお手元水道施設状況について資料がお配りしてございますが、二十五日の地震によりまして両町とも再度被害を受けたわけでございまして、その結果、一時断水をいたしたわけでございますが、宮崎県のえびの町におきましては、二十五日中に応急復旧が行なわれまして、給水を再開いたしました。  鹿児島県の吉松町におきましては、水源の一部が濁りまして、使用を中止いたしまして、水圧低下によりまして千八百六十六戸のうち百三十四戸が断水をいたしました。これに対しましては、給水車によりまして給水を行なっておるところでございますが、先ほどの防衛庁のお話のように、きょうからいわゆる時間給水が始められたわけでございます。  これら両町に対しますところの水道の本復旧につきましては、三月末までに設計を終えるよう作業を進めておったわけでございますが、今回第二次の地震で再び被害を受けましたので、設計変更の必要によりまして現在さらに検討を加えておりまして、これにつきましては、四月半ばころには設計が完了する、こういう見込みになっております。  次いで社会福祉施設でございますが、社会福祉施設のうち、宮崎県のえびの町にございます町立の真幸保育所、それから鹿児島県の吉松町にございます宗教法人の設置いたしております円乗寺保育園、これが被害を受けたわけでございます。それぞれ、えびの真幸保育所につきましては六万円程度、それから鹿児島県の円乗寺保育園につきましては十二万円程度被害を受けたわけであります。  これは第一次の被害でございまして、第二次の地震におきましては、えびの町の真幸保育所が若干被害が追加されるというような見通しでございますが、まだ正確な額は明確ではございません。これにつきましては、お手元資料をお配りしてあるとおりでございますが、現在おおむね復旧いたしまして、平生どおり開所いたしておるところでございます。  さらにそれ以外に、えびの町の岡元岡元僻地保育所がございまして、これが第一次の地震によりまして使用不能になったわけでございますが、これにつきましては、三月二十七日に日本自転車振興会及び日本小型自動車振興会から補助を受けることが内定されまして、二百四十万という額が内定いたしまして、現在工事手配中でございます。間もなく再開できるものと考えております。  以上でございます。
  8. 芳賀貢

  9. 松井芳明

    松井説明員 今月二十五日の地震によります農地農業用施設被害状況について御報告いたします。  二十九日現在、県からの報告によりますと、農地農業用施設被害は約五千六百三十万円にのぼっておりまして、その内訳は、宮崎県が四千二百五十万円、鹿児島県で千三百八十万円となっておりますが、前回地震被害にさらに増破したものがかなり出ている模様でございます。  農地農業用施設災害復旧につきましては、特に植えつけの関係から早期の復旧が強く望まれておりますので、今回の地震によりまして、さらにその復旧対策あるいはこの指導等のために、二十六日に農政局査定官現地に急行させて、指導に当たらせております。  簡単でございますが、以上でございます。
  10. 芳賀貢

  11. 木村晴吉

    木村(晴)説明員 林野庁関係について御報告いたします。  シラス土壌地帯の山地の崩壊に基づく復旧工事額は現在十一億七千万でございまして、この間の二十五日の新しい地震に伴い増破いたしましたのが一億四千六百万でございます。そのうち緊急性のものにつきましては、四月早々調査資料がまとまり次第、緊急治山事業として工事をいたしたいと思っております。  簡単でございますが……。
  12. 芳賀貢

  13. 坂井秀正

    坂井説明員 三月二十五日の地震による被害は、公共土木施設のほうでは、直轄災害はございませんで、補助災害が八十一カ所で三億二千七百九十二万円の被害でございます。その内訳といたしましては、宮崎県のほうが四十九カ所で二億五千百十五万円、鹿児島県のほうは三十二カ所、七千六百七十七万円となっております。これを地震発生以来のものと合計いたしますと、全部で三百六十四カ所、九億一千万円という被害に達しております。  それから住宅のほうの被害は、これは警察庁の調べでございますが、第二次の地震による分が、全壊が十八戸で半壊が百七十三戸、従来のものと合わせますと、全壊が三百八十六カ所、半壊が八百五十一カ所に達しております。  これに対しまして、建設省といたしましては、直轄災害のほうは、これは前回の分でございますが、すでに予備費を二千百五十万円支出をいたしまして、現地調査は現在実施をいたしまして、三十一日には終了する予定でございます。補助災害のほうは三月の十一日から二十一日までに査定を終了いたしまして、その後第二次の地震がございましたが、被害程度としましては前回の分が増破したのが大部分でございます。したがって、応急的に工事を進めるについての工法上の疑義その他は一応ないと思っております。県と打ち合わせをいたしまして、できるだけ早く査定を実施したいと考えております。  住宅のほうといたしましては、三月の六日に査定を行ないまして、県営四十戸、町営十八戸の災害公営住宅をつくることといたしておりますが、その後の被害がございましたので、この分につきましてこの計画をなお追加することも考えております。住宅金融公庫のほうは、申し込みが、現在までのところ新築のほうの申し込みが六十五件で、補修のほうの申し込みは百十三件ございます。これにつきましては逐次手続の済んだものから融資をいたしております。  簡単でございますが、以上でございます。
  14. 芳賀貢

  15. 東辰三

    東説明員 被災中小企業に対します政府関係金融機関融資状況について御報告申し上げます。この数字は三月二十五日現在でございます。  申し込みを受けておりますのは百七十八件、一億九千百八十万円でございまして、これに対しまして貸し付けをいたしましたのが百四十件、一億九百万円でございます。なお、前回三月十八日現在の数字で申し上げましたものと比較いたしますと、申し込みにつきましては七件増、金額にいたしまして二百万円の増でございますが、貸し付け実績におきましては五十件の増、金額にいたしまして約三千万円増加しておるのでございます。以上でございます。
  16. 芳賀貢

    芳賀委員長 これにて説明を終了いたしました。     —————————————
  17. 芳賀貢

    芳賀委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。池田清志君。
  18. 池田清志

    池田(清)委員 去る二月二十一日、えびの地区に突然激震が起こりましたところ、われわれのこの委員会におきましては、時を移さずして委員会を開催して政府報告を求め、政府を鞭撻してまいり、そしてまた芳賀委員長団長といたしまする現地調査団を派遣いたしまして、現地の皆さんにお見舞いを申し上げまするとともに、御要求等を聴取をいたし、その実現について努力してまいっておるわけであります。その後地震はだんだん減退しつつある、こういうふうに考えておりましたやさきに、去る三月二十五日、第一回の激震にも劣らないような激震が再発をいたしまして、その被害は、先刻各省庁から御報告のあったとおりであります。  これらの地震に対しまする対策といたしましては、各省庁はそれぞれ担当の事柄につきまして政策を進め、実現をはかっていただいておるわけであります。しかしながら、このえびの地区は、御承知のように、霧島火山脈の床の上にあります。そしてまたわが国は地震国でありまするから、どこにいつどういう地震が起こらないとも限りません。えびの地震については減退しつつあるということを念願しながらも、第二回の激震発生したということ等もありまするので、今後われわれといたしましても真剣にこれに取り組む必要があります。現地住民方々に対しましても、安心感を増していただけまするように激励をしていかなければなりません。各省庁はそれぞれの事柄について対策を進めておるとは申しながら、政府といたしまして、各省庁のやっておりますることを調整し、政府の窓口といたしまして国民に訴えるところがないのを遺憾といたします。松代地震につきましてはその問題も実現をいたしまして、各省庁間の統制と申しましょうか、そういう意味合いにおきまして、松代地震対策協議会なるものが政府にできておることは御案内のとおりであります。えびの地震につきましても、そういう機関を設けていただきたいというのが私の主張であります。このことは先日の理事懇談会におきましても、そしてまた今朝の理事会におきましても、全会一致この推進をきめておるわけであります。この問題につきまして政府の所信を明らかにしていただきたいと思います。
  19. 八木徹雄

    八木政府委員 二月のえびの地震以来漸次落ちつきを取り戻しておるのではなかろうかと期待いたしておりましたところ、重ねて三月二十五日にまた一回目同様の激しい地震がありまして、被災者はもちろん、その復旧に当たる町村、府県、いろいろ御苦心をわずらわしておりますことにつきましては、心からお見舞いを申し上げざるを得ないわけでございます。前回のときに、群発地震ではないであろう、余震は少々続いても、これで漸減の方向をたどるであろうということであったわけでありますけれども、二回目が起こったという実態にかんがみまして、まず取り急ぎこの地震総合技術調査というものをやる必要があるということで、実は政府もこの事態重大性にかんがみまして、農林省林業試験場防災部長川口武雄君を団長にいたしまして、主として地質調査建築物調査並びに治山砂防調査というものを重点に、科学技術庁防災科学技術センターあるいは農林省林業試験場、通産省の工業技術院地質調査所、気象庁地震課建設省建築指導課建築研究所土木研究所砂防研究室といったところを中心に、十三名の専門官現地に派遣いたしたところであります。本日から四月四日までの間純技術的専門的調査を行ないまして、さらにこの問題の究明に当たりたいと思っておりますが、いま池田先生の御指摘のありましたように、人心の動揺というものを考えた場合に、これに対する対策として対策協議会のようなものを政府部内の中に置けということはもっともな御意見であるわけでございます。われわれもその方向に従っていま準備をいたしておりますが、この調査班の帰京次第、御意思に沿うような方向に持ってまいりたい、こう考えております。
  20. 渡辺栄一

    渡辺(栄)委員 関連しまして一言お伺いをいたしたいと思います。  気象庁のほうから、このえびの地震松代地震とは性格が違いまして、二月二十一日の第一回の地震当時におきましてもあまり心配はないと承っておったわけでありますが、その後、三月二十五日また二回にわたりまして震度五の地震がございまして、地元におきましても非常に心配しておられるわけであります。この点、気象庁見通しを率直にひとつ承りたいと思います。
  21. 木村耕三

    木村(耕)説明員 現在の、二十五日以後の状態を一応御参考までに申し上げます。  これは霧島町湯之野におります気象庁の五千倍の地震計での数でありますが、日にちは二十四日と申しますと二十四日九時から二十五日の九時までの地震の数であります。二十五日九時以前の地震は二十四日の分に含まれます。二十三日が七十回、二十四日が七百六十四回、二十五日が五百三十六回、二十六日が三百二十六回。二十七日が百八十一回、二十八日の分がまだ入電いたしておりません。といいますように数が非常に減ってきておりまして、この減り方は二十一日の初震のあとの減り方よりもすみやかであります。有感地震も、これも二十七日分しか入っておりませんが、二十七日は震度二が八回、震度一が三十三回、計四十一回というふうに減ってきております。それで、私たち、順調に減りつつあるということは用いておりましたけれども、その表現が少し専門的過ぎて、一般方々には理解されなかったということを反省しております。つまり日一日と減っていくというつもりではございませんで、統計的な傾向としては順調に減っていく、しかしときどき大きいのがあるであろうということは私たち頭の中で考えていたのでありますが、われわれの常識でもってやってしまいましたので、一般方々にたいへん御迷惑をおかけしたようなわけであります。  今後の傾向でありますが、三月一日に発表いたしました情報、これは二十九日の晩十時三十一分から三十四分、三分間にかけて震度二、三の地震が続けて起こりましたので、それに対して情報を出したわけでありますけれども、その中で、なお二月二十五日夕刻の地震マグニチュード程度のものは今後も起こるおそれもあるので、家屋の補強は十分してくださいということを申しております。順調に数は減っておりますが、減り方が非常に少ないとかえってあぶないのであります。いまにして思えば、三月十日を中心に非常に数が減ったということは、今度の前兆であったのかもしれませんが、とにかくある程度の数でもって減っているうらはいいのでありますが、そこに何か異常が起こりますと変な現象になる。でありますから、可能性は少なくなりますが、今後もマグニチュード程度のものは起こるものと考えて、補強のほうを考えていただかなければならぬ。これはほかの災害の場合と違いまして、台風、大雨などはそれが過ぎてしまえばもとに返せばいいのでありますが、建物を補強しておきませんと、震度五であって震度程度被害が出てしまうということがあり得るのが地震災害の特徴でございます。
  22. 渡辺栄一

    渡辺(栄)委員 わかりました。要は、二回目の地震はございましたけれども、特にこれが現在のところは群発のような非常に憂慮すべき事態ではない、こういうふうに私ども解釈しております。しかし二回目の地震等もございまして、地元の民心の安定、また必要な場合におきます万全の対策を立てるために、ただいま総務副長官から、総合対策機関を設ける方針であるというふうに簡明にお話になりましたことは、私ども委員会がかねて要望しておるところでありまして、私どもといたしましてはたいへん時宜に適したことだと思っております。  そこで私、二点につきましてお伺いしたいのでございますが、いまお話しのように、まだ若干ゆれることもあるということでございまして、家屋の補強が必要であろうというような御意見も出ております。したがいまして、今後具体的な対策がいろいろと検討されると思いますが、さしあたりまして、松代でとりましたような、何といいますか、家屋のささえぐい、こういうものはあのときも消防庁を介しまして支給するような形をとったのでございますが、こういうような対策はすみやかにとっていただきたいというふうに考えております。これに対しまして、政府の考え方をお伺いしたいと思います。  もう一点は、松代地震は、大学の研究と省庁、一体となられまして、私どもは非常に成果があがったと思うのでございますが、こういうような点につきましても、今後のことを考えまして、ひとつ十分総合的な成果をあげるようなことを今日におきましてお考え願っておく必要があると思いますけれども、こういうような点につきましてもひとつあわせてお考えを承りたいと思います。
  23. 八木徹雄

    八木政府委員 いま御指摘のございました、松代地震にならって、補強ぐいといいますか、補強資材というものを措置すべきである、こういうまず第一点の質問でございますが、先ほどずっと御説明申し上げましたように、今回専門調査団を派遣いたしましたのも、主としてその建築物に対する対策というものを重視して現地専門官を派遣いたしております。その連中もそういうことを前提にしての調査を十分進めて帰ってくる予定でございますので、その調査団の報告を待ちまして善処してまいりたいと考えております。  それから、いま一つ、地震に対する実態の把握、それに対する予見、そういうことのために、各省、各大学等を含めたいわゆる総合的調査というものの必要性があるのではないか、こういうお話でございます。前々からそういうような御指摘をいただいておりますし、この種のことにつきましては、当然そういうような配慮がなされなければならぬところでありますので、現地におきましてすでにそういう方向で進めておりますけれども、なお一そう注意をいたしまして、的確なる情勢判断ができますように仕向けてまいりたいと考えております。
  24. 芳賀貢

    芳賀委員長 兒玉末男君。
  25. 兒玉末男

    ○兒玉委員 厚生省のほうにお伺いしたいと思います。  先ほどの報告にございましたが、特に三月二十五日の再度の地震によりまして——先般の災害の際に住宅が非常に危険度が増しまして、今回も宮崎県としては緊急避難という立場から、十一棟の施設要請をいたしておるわけでございますけれども、先ほどの御報告ではまだ二棟しか完成してない、これは資材の供給が間に合わなかったのか、あるいは要請に対して厚生省としては応急の手の打ち方がおくれているのか、どういうような状況にあるのか、この点を明らかにしていただきたい。
  26. 大和田潔

    大和田説明員 宮崎県当局といたしまして、応急仮設住宅あるいは避難所の設置につきまして非常な努力を払っておるところでございますが、これにつきましては何ぶん十一棟の決定が二十六日に行なわれたわけでございます。非常に日も浅いものでございまして、二棟が完成しておるにとどまっておるところであります。なおこれにつきましては、先生の御趣旨を体しまして十分県を指導いたしたい、かように思っております。
  27. 兒玉末男

    ○兒玉委員 これからもまた二十五日のような状態が絶対に再現しないという保証はない、先ほど地震課長の説明にあったとおりでありますので、この際若干の余裕資材等を配置して早急に事態に即応できるような準備をする必要があるのじゃないか、この辺はどういうようにお考えになりますか、お聞かせいただきたい。
  28. 大和田潔

    大和田説明員 先ほどお尋ねのような資材の点等につきましても、なお現地に聞き合わせてみたいと思いますが、御趣旨のとおりと思います。資材の準備等につきましても、現在しておらないとすれば、これにつきましては現地に早急に準備をさせる手配をしなければならないものと考えております。
  29. 兒玉末男

    ○兒玉委員 これは福祉施設関係ですけれども、先ほどの厚生省からの資料によりますと、岡元の僻地保育所が現在使えなくなった、これの復旧については、国からの補助制度がないというが、これはどういうことで補助制度がないのか。これはおそらく私立じゃなくて町が指導してつくらしている保育所じゃないかと思うのですけれども、この辺の関連をどういうふうにお考えになっておるのか。しかも自転車振興会とか、あるいは小型自動車振興会等に補助を受けなければできないようでは、あまりにもたよりない話だと思うのですが、その辺の法的な根拠、また今後の対策として、もう少し前向きの姿勢で考慮すべきだと思うのですが、この点についての御見解をお伺いしたいと思います。
  30. 大和田潔

    大和田説明員 ただいま御質問の僻地保育所につきましては、実は法律上正規の施設ではございませんので、したがいまして、法律上の整備費補助の対象にはなりません。したがいまして、予算補助といたしまして運営費を見ておる、さらにただいまのような事態に際しましては自転車振興会等から優遇措置がとられまして、ただいま、先ほど申しましたような補助が出る、こういうようなことで補完をいたしておるというようなことになっておるわけでございます。
  31. 芳賀貢

  32. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 気象庁にお尋ねしたいんですが、これはいつも問題になっておりますけれども、今度の災害でまだこれから起きるとか起きないとかということではなくして、気象庁としては何らか地元住民に対してそういった地震に対する問題に対してPRというか、人心安定のPRという方法は考えておりませんか。
  33. 木村耕三

    木村(耕)説明員 さっきちょっとお話の中に触れたつもりでございますが、地震回数がある一定の減り方よりも減ってきたりする場合にはかえって危険だということを申し上げましたが、そういうようなふうに地震の回数を観測していればある程度お役に立つと思いますし、一般方々にもその回数をお知らせすれば、だんだん減ってきたとかいうようなことがわかって人心安定にかなり資すると思います。そのためにえびの町と吉松町にその回数だけをはかる地震計を現在設置中でありまして、四月一日からそれが動き始めます。  それから、懇談会の席上申し上げたように、震源域が動きますと、これは新しくまた地震がそこで起こることになりますので、ほんとうに松代地震型になってしまう、それが一番おそろしいわけでありますけれども、それを回避するために現在霧島の飯野町で観測しておりますが、もう一点現在増設中でありまして、その設置を終わりまして現在調整中でございます。それらを鹿児島気象台及び宮崎気象台から毎日発表する、あるいは情報を出すという方式で皆さんにお知らせすることにいたしております。
  34. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 最後に総務副長官にお伺いしますが、群発地震と違いまして、えびのとか吉松とかというところで連続して起きている——最初の地震のときに家が倒壊したとかいうような面で制度資金でお金を借りたとか、建てたのがまた今度のようにくずれる、今後もまた起きないという保証はないわけです。そうしますと、連続してこういう地震に見舞われてくる。次から次へとそういった災害が重なってくる。それに対する出費も重なる。そういった対策に対しては制度資金の返済とかまたは税金問題を特別に考慮しなければならぬと思いますが、その点総務副長官、どのようにお考えになっておられますか。
  35. 八木徹雄

    八木政府委員 先ほど申し上げましたように、今回の専門調査官の調査の結果を待ちまして対策協議会を設置することといたしておるわけでございますが、もろもろのケースがあると思いますので、対策協議会で十分に検討を加えまして善処していくようにいたしたいと思っております。     —————————————
  36. 芳賀貢

    芳賀委員長 次に昭和四十三年二月の異常降雪等による災害対策について質疑の申し出がありますのでこれを許します。川村継義君。
  37. 川村継義

    ○川村委員 いわゆる台湾坊主といわれました二月の中旬の四国、九州を中心に相当な農作物の被害を起こしました豪雪について明確に御決定いただいた諸対策について明らかにしていただきたい、こう思いましてお尋ねをいたします。  これまで理事懇談会等で幾つかの施策について問題にし、農林省はじめ関係の各省の対策をお聞きしてまいりましたが、たとえば月末までにこれこれの用意がある、こういうことを検討中だというようなことは十分承知をいたしておりますが、はたして今日までどういう点が決定をされたか、そういう点について明らかにしていただきたいと思うのです。  先ほどお聞きしますと、天災融資法の発動については本日閣議決定がなされたということもお聞きしたのですが、そういう点について明確になった点をこの際ひとつ明らかにしていただきたいと思います。
  38. 八木徹雄

    八木政府委員 いまお尋ねの、いわゆる台湾坊主に対する対策でございますが、かねて御要請のございました天災融資法並びに激甚指定、ともに二十八日、昨日の閣議で決定をいたしました。政令は明三十日に公布施行するという段取りになっております。  そこで天災融資法の関係におきます融資総額でございますが、四十五億円をとりあえず予定をいたしております。  それから特別被害県の指定でございますけれども、農業関係では静岡県、岡山県、広島県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、大分県、鹿児島県の十一県でございます。林業関係につきましては三重県、奈良県、徳島県、愛媛県、福岡県、佐賀県、大分県の七県でございます。漁業関係につきましては、高知県と大分県の二県、全部で十三県がそれぞれ指定をされております。  私、いま、十三県と申し上げたのでございますが、そのうち静岡、岡山の両県は激甚災害になっていないので、天災融資法の適用になりますが、激甚災害適用は十一県でございます。訂正をいたしておきます。  なお御要請の特に強かったいわゆる野菜等の施設栽培、いわゆるビニール栽培でございますが、ビニール栽培につきましては、貸し付け限度額を二十万円の分を四十万円まで引き上げる、激甚災害県につきましてはこれを五十万円までにする、こういうふうに措置をいたすことにいたしております。  それから今次災害の一つの特徴であります例の雪起こしの資金のことでございますけれども、農林漁業金融公庫の造林資金のいわゆる保育対象樹齢、林齢はいままで八年ということにいたしておりましたが、それを緩和いたしまして、原則として林齢十五年までを貸し付け対象とする、ただし特別の事情のあるような場合には利用伐採期までこれを行なう、こういう措置をいたしたのが今回の特徴でございますので、御報告を申し上げておきます。
  39. 川村継義

    ○川村委員 わかりました。  そこでひとついまのにつけ加えてお尋ねをいたしますが、天災融資法の対象にビニールハウス等が加えられ、二十万の融資を四十万にする、激甚地においては五十万にするということでございましたね。その場合に今度は、この前の台湾坊主では果樹等が相当被害をこうむっておるわけでありますが、この果樹等についての貸し付け限度額はどうなっておるでしょう。
  40. 門松昭夫

    ○門松説明員 果樹を主として行なう者あるいは家畜等を主として営む者につきましては、従来どおり五十万円でございます。激甚災適用県は六十万円となっております。
  41. 川村継義

    ○川村委員 果樹については五十万、激甚地の場合には六十万、こういうことでございますね。  そこでいま一つ、いわゆる自作農維持資金のワクの拡大の問題については、いままでの理事懇談会では、天災融資法の発動に見合ってワクを拡大する、こういうお答えをいただいているのですが、これについての何か決定が、線が出ましたでしょうか。
  42. 門松昭夫

    ○門松説明員 自作農維持資金につきましては、天災法が適用になりましたので、それに基づきましてこれから所要額を積算するということになっております。
  43. 川村継義

    ○川村委員 たいへんくどいようでございますけれども、八木副長官のお話の中に林業、森林の場合にいわゆる雪害地の保育資金については三−七齢級まで適用をして、いわゆる一−二齢級の十年未満の適用があったのを今度は十五年にする、こういうお話がありましたが、必要によってはそれを越えて適用もあり得るというお話があったようですけれども、すみませんが、その辺のところをもう一回明確にひとつお願いしたいと思います。
  44. 木村晴吉

    木村(晴)説明員 いまの御質問に対しましては、ちょっと舌足らずの点もありましたので……。従来八年生までが保育資金の適用年齢でこざいましたが、雪起こしの場合に限りまして、原則として十五年まで適用年齢を緩和することに今度いたしました。さらに密植の場合の造林地の雪起こしにつきましては、その実情に応じてさらに若干引き延ばし、緩和もいたす考えでございます。
  45. 川村継義

    ○川村委員 わかりました。きょうは大蔵省からお見えになっていないでしょうね。——それではこれは大蔵省がお見えになっておりませんから、農林省関係にこれはお願いしなければならぬと思いますけれども、今度の果樹等の被害を見てみると、ミカンとかハッサクといわれるくだものですね。こういうものが相当大きく被害を受けているわけなんですが、これらを植えかえるとかなどして、もとどおりに直すにはどうしても五年以上七、八年ぐらいはかかる。ところがこの減収に伴う免税措置というのは、大体現行では三年ぐらいではないかと私思うのですが、これではどうしても果樹を中心にやっておる農家はたいへんこれは苦痛なわけですから、それらの農家に対する免税措置を当然考えてやらなければならぬのではないか、こう思われるわけです。大蔵省が来ておられませんから明らかでありませんけれども、これは農林省関係と大蔵省と一度折衡してみてくれませんか。よろしゅうございますか。おられますか、農林省果樹関係の人。
  46. 木村晴吉

    木村(晴)説明員 ちょうど担当官が委員会で重なっておりまして、先生がいま申されました内容については、関係者によく伝えておきますから、あしからず……。
  47. 川村継義

    ○川村委員 これはもう担当の皆さん方よく御存じだと思いますが、いま果樹を中心にやっておる農家が、いわゆる主産地というような方針に基づいて非常に多くなっておるわけです。今度の被害で相当な打撃を受けておる。その果樹を育てていくには相当な資金も要るし、天災融資法の資金は受けられるわけですけれども、何としても米づくりのように一年一年というわけにいかぬし、どうしても五年以上七、八年要することですから、やはりこの免税措置は何とか考えてやらぬとたいへんだと思うのですよ。どうぞひとつ大蔵省と十分折衝しておいてください。これは要望しておきます。  以上です。      ————◇—————
  48. 芳賀貢

    芳賀委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  すなわち、先般来調査を進めてまいっております南九州えび地震及び昭和四十三年二月の異常降雪等による災害対策に資するため、参考人から意見を聴取する必要があります場合には、参考人の出頭を求めることとし、参考人の人選、日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  49. 芳賀貢

    芳賀委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  本日はこの程度にとどめ、次回は来たる四月三日午後一時理事会、一時半委員会を開会することとし、これにて散会いたします。   午前十一時四十五分散会