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1968-03-13 第58回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年三月十三日(水曜日)     午後一時三十四分開議  出席委員    委員長 芳賀  貢君    理事 井原 岸高君 理事 池田 清志君    理事 稻葉  修君 理事 渡辺 栄一君    理事 川村 継義君 理事 永井勝次郎君    理事 神田 大作君       小沢 太郎君    熊谷 義雄君       橋口  隆君   三ツ林弥太郎君       水野  清君  早稻田柳右エ門君       渡辺  肇君    金丸 徳重君       唐橋  東君    福岡 義登君       三宅 正一君    米田 東吾君       小沢 貞孝君    小川新一郎君  出席政府委員         総理府総務副長         官       八木 徹雄君         科学技術庁研究         調整局長    梅澤 邦臣君         農林大臣官房予         算課長    大河原太一郎君         農林省園芸局長 黒河内 修君         気象庁長官   柴田 淑次君         消防庁次長   山本  弘君  委員外出席者         内閣総理大臣官         房参事官    上田 伯雄君         防衛庁防衛局第         一課長     今泉 正隆君         経済企画庁総合         開発局特別地域         開発課長    帯   猛君         科学技術庁研究         調整局総合研究         課長      緒方 雅彦君         大蔵省主計局主         計官      嶋崎  均君         文部省管理局教         育施設部長   菅野  誠君         文部省管理局教         育施設部指導課         長       大串不二雄君         厚生省社会局施         設課長     大和田 潔君         農林大臣官房参         事官      太田 康二君         農林省農林経済         局保険業務課長 松永 正隆君         農林省農政局参         事官      田所  萠君         農林省農地局参         事官      佐々木四郎君         農林園芸局園         芸課長     千野 知長君         林野庁指導部長 木村 晴吉君         林野庁指導部造         林保護課長   大塚 武行君         中小企業庁計画         部金融課長   井川  博君         運輸大臣官房参         事官      内村 信行君         運輸省鉄道監督         局国有鉄道部保         安課長     犬丸 令門君         気象庁総務部主         計課長     南  正彦君         気象庁予報部主         任予報官    加藤 茂数君         建設省河川局次         長       多治見高雄君         建設省河川局防         災課長     坂井 秀正君         建設省道路局企         画課長     豊田 栄一君         建設省住宅局住         宅総務課長   角田 正経君         自治省財政局財         政課長     首藤  堯君         日本国有鉄道施         設局長     松本 文彦君     ————————————— 三月十三日  委員井上泉君、小松幹君、村山喜一君及び岡澤  完治君辞任につき、その補欠として米田東吾  君、三宅正一君、金丸徳重君及び稲富稜人君が  議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和四十三年度災害復旧事業計画等について説  明聴取  昭和四十三年二月の異常降雪等による災害対策  昭和四十三年一月以降の豪雪による災害対策      ————◇—————
  2. 芳賀貢

    芳賀委員長 これより会議を開きます。  災害対策に関する件について調査を進めます。  本日は、まず昭和四十三年一月以降の豪雪による災害対策について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。唐橋東君。
  3. 唐橋東

    唐橋委員 時間がありませんから、端的にお伺いいたしますので、ひとつ答弁のほうも簡潔にお願いしたいと思います。  私のお伺いいたしますのは、豪雪災害対策のうち、特に国鉄会津線運行に関する問題についてでございます。  申し上げるまでもなく、本年度積雪は、福島県内会津地区、特に只見地区においては二月初旬すでに昭和八年の積雪を上回る豪雪となったわけでございまして、二月二日から陸上交通は全面的にストップをし、会津川口只見間はその間運行を停止しておるという状態でございます。その積雪状態等について只見町の資料を見てみますと、二月二十九日で降雪累計が十六メートル四十、それから積雪累計が二月二十五日で三メートル六十というような資料が出ておるのでございます。気象庁としては、このような状態をお認め願えているのかどうかということ、この点討論の基礎になりますので、ひとつお伺いをしておきたいのです。
  4. 柴田淑次

    柴田政府委員 ただいまのお話でございますが、一月以降の豪雪といたしましては、二月の初めに降りました一月二十九日から二月六日までの豪雪と、二月十四日から二十一日までの雪、その両方がございます。二月の初めのほうにおきましては、私どものほうで田子倉気象通報所がございますが、そこの記録は、二月の初めに三メートル四十でございます。これは積雪の深さでございます。それからもう一つ、その奥の奥只見電発観測所がございまして、それは四メートル六十四になっております。それから二月十四日から二十一日までのほうは、これは新積雪で新しく降った雪でございます。田子倉のほうが三メートル四センチ、奥只見のほうが四メートル五センチという記録に私のほうはなっております。
  5. 唐橋東

    唐橋委員 資料等討論等は省略いたしまして、以上のような実情の中でどのような状態になっておるかということを簡単に申し上げますと、バス路線、そういうものはもちろん運行ができません。したがって、たよれますのは国鉄線以外にないわけでございます。したがって、この国鉄線が二月の二十二日まで二十日間全面運休をした、こういうために非常な混乱が生じたわけでございまして、御承知のように、生活上の生鮮食料品あるいは日常生活物資あるいは児童の通学、そういうことが大きな問題になって自衛隊の出動まで見まして、いま申し上げた日時に開通したわけでございますが、それがまたさらにきょうの新聞報道によりますと、せっかく開通した路線が十五日から全面運休をしなければならない、それは只見—会津川口間のなだれの危険のためだ、こういうことで国鉄当局のほうから町当局のほうにそのことの通報があった。したがって、町当局としましては、もうたいへんだということで議会の中でも大きな問題になり、町民が非常に不安動揺して、仙台に行って、この点を少しゆるめていただけないのかということで、こういうような点が現実の問題になっておるわけでございます。  これらに関しましては、あとで二、三点お伺いするわけでございますが、ただここで政府当局のほうにも認識していただきたいことがあるわけです。といいますのは、どうせ会津地帯の雪の降る地帯は、もう昔から降っているんじゃないか、開国以来降っているんだ、ですから、冬季間の生活はいわゆる自然環境に応じたような生活が続けられているんだ。この前の台湾坊主のように、ああいうような降らないところに降った場合と違って、まあ食料品にしたってあるいは作業状態にしたって同じじゃないのか、こういうようにやはり理解されておると思うのでございますが、特にここ数年来の経済事情の変化というものがものすごく変わってきたということ、このことはあらゆる政府当局に認識していただかなければならない問題でございます。極端に言えば、一つのいい例は、木炭製造業者がプロパンを使っておるのです。それから昔のように、交通がとだえるから食料品にしても干ものの魚を買い上げておいて、そしてそれをずっと供給している。昔は、酒類のようなものにしたって、冬季間分は酒屋さんが全部酒小売りのところに配置したものなんです。それが現在ではそういう状態がないというところで、生活事情がもう完全に一変したということ、このことをひとつ認識していただかないと、やはり雪の降る地帯冬季間はそんなに交通がないだろう、生活だってやはり守っていけるだろう、こういう考えがまずあるのではないか。したがって、三日でも四日でも交通がとだえれば、もう燃料から食糧から、そういうものが、一切交通ができるんだというたてまえの上にいまの経済機構が成り立っている。昔の経済機構交通がとだえるんだというたてまえの上になっています。このことはひとつはっきりと御認識いただかなければ、この災害対策とか、あるいは災害と思われない積雪地に対する恒久的な政策というものが生まれてこない、こう考えざるを得ないのでございます。  もう一つ例を申し上げますと、やはり南会津地帯というのは苗しろづくりなどは雪が消えてからつくったものなんです。しかし、いまは、このごろ栽培法の改革によりまして、雪があたりに一メートルもあるのをブルで寄せて苗しろをつくる。そうでなければいまの栽培技術に合ってこない。苗床づくりなどは、やはり昔は自然的条件を待っていたのですが、いまは人為的な方法を加えなければならなくなっている。やはり一つ農業施策上の対策もひとつ御認識いただかなければならないし、特にきょうは建設省関係で認識していただかなければならないのは、雪の降る前と融雪時というものが道路がものすごくやわらかくなるのです。そこをバスあるいは自動車、あらゆる車両が通りますので、道路破損率というものは、他の雪の降らない地域に比べてみると、これはものすごく多くなってきているわけなんです。こういう点についてひとつ認識をしていただきたいのでございます。  それで、建設省関係にお伺いいたしますのは、そういうような融雪時あるいは最初降雪時等に対して、いわゆる舗装道路は別ですが、そうじゃなくて、改良道路に対してやはり特殊な調査なり、それに対する施策というものが十分に組まれていないと思うのです。春先すぐに砂利を持っていって敷く、あるいは降雪前に十分砂利を入れておく、こういうような施策が非常に足りないと思うのですが、この雪の降る地帯に対する道路保全基本方針をひとつはっきりお伺いしておきたい。
  6. 豊田栄一

    豊田説明員 お答えいたします。  ただいまのお話でございますが、道路維持、雪の前後の措置と思いますが、これは御案内のように、道路、特に積寒地帯におきましては、道路事業は、積雪寒冷特別地域における道路交通の確保に関する特別措置法という法律に基づきますいろいろの事業除雪、防雪あるいは凍雪害というようないろいろの事業を行なっております。それで、これは御案内のように、それの対象になります路線を指定いたしまして、その路線についてそういう事業を行なっておるわけでございますが、いま先生指摘の、一般の砂利道のそういう指定路線に入っていないところ、そういうところに対する一般的な手当ては、道路種別管理者が通例の維持の行為の中で行なわなければならないことになっております。したがって、おそらくお話は未改良道路砂利道の場合の、降る前と降ったあと処理、こういう点については維持費の問題として処理されなければいけないとわれわれ考えております。もちろん、これについては私どもの補助の対象ではございません。これは一般的に私ども技術指導という面にはございますけれどもお金の点については、これは府県を通じます自治省のほうでお願いしておる範疇に入るものかと考えます。  以上でございます。
  7. 唐橋東

    唐橋委員 この議論はいたしません。なるほど地方道に対してはそうでございますが、私がいま最初只見地区と申し上げましたが、あの只見のところは国道でございます。改良道でございます、田子倉建設のための。それでさえいまそのような状態だ。こういう点は認識していただかなければならないと思います。  時間がございませんので国鉄関係質問に入るわけでございますが、私たちが非常に疑問に思いますのは、いま申しましたような、冬季間鉄道が唯一の交通路線になるんだ、こういう路線はやはりはっきりとあなたたちの中において把握され、それに対しては特別なる対策が立てられていると思うのですが、どうも私たち地元にいますと、雪が来て何日かたたなければロータリー車が来ない、こういうようなことなんですが、そういういま申しましたような路線というものは、全国にあると思うのです。そういう線をはっきりとつかまれているのですか。非常に幼稚な質問ですが、そこからひとつお聞きしたいのです。
  8. 松本文彦

    松本説明員 お答えいたします。  会津線豪雪並びにその処理その他について御質問があったわけでありますが、この豪雪の状況につきましては、ただいま先生の御指摘のとおりでございまして、こまかい数字は別にいたしまして、私ども手元にあります資料でも、実は現在昨年のほぼ倍の積雪量になっております。したがいまして、二月一日から二十二日まで、まことに申しわけないのですが、積雪のために会津線不通にいたしております。それから三月十五日から以降当分の間不通にする、列車運行を停止するというようにいたしております。この二つの事項は、先生は御案内かと思うのですが、原因が違っております。二月一日から二十二日まで列車運行を停止いたしましたのは、ただいま御指摘のように、異常な降雪がありまして、そのために私どもとしては、国鉄のいまの除雪設備としては一番強力だといわれておりますロータリーあるいはマックレー、いわゆるキマロキというふうな、一番強力な車両を投入いたしまして除雪にあたったわけでございますが、何分にも雪の量が多うございましたのと、もう一つは、たまたま非常に凍結いたしておりまして、相当強力に除雪をやったのでございますが、排雪列車が再三脱線してどうも運行ができないというふうないろいろな事態がございまして、除雪の期間が予想外にかかりました。こういう点については、私どもの体制が若干不備であったというふうなことは反省いたしておりますけれども、まことに申しわけなかったと存じております。  次の点でございますが、三月十五日以降、たかいま先生のお手元新聞に書いてあるそうでございますが、確かに三月十五日から当分の間運行な停止いたします。これはどういうことかと申しますと、これも御案内かと思いますが、この線は非常になだれの多い線でございます。なだれが多いのでとにかく非常に危険だ。もう実は今年に入ってからすでに八回近いなだれがありまして、いままでは私ども保線従業員人力観測によりまして、かろうじて列車の安全、運行の安全というのを保っておるわけでございますが、融雪期になりますと、とてもそういう人間だけあるいはそのほかの設備ではいまのような豪雪に対するなだれ防止は自信がないということでございます。これにつきましては、私ども地元出先と、地元の御利用くださる方々と相当十分な御連絡をいたしまして、そういう処置をいたしておるわけでございます。いずれにいたしましても、三月十五日以降の分はなだれに対するものである。そういう点で、いままで無理に運行しておりましても、前後二回にわたって機関車なだれに遭遇するというふうなこともございますので、どうも安全上は、まことに原始的でほんとうに申しわけないと思いますが、当面このような豪雪に対してはほかにどうも手段が考えられないのだということでございます。  そこで、いま先生の御指摘のように、国鉄も少しぼんやりしておるのじゃないかというふうなおことばがございましたが、私どもとしてはできるだけの努力はいたしておるつもりでございまして、実はあの線は、これも御案内のように奥只見電源開発のために、材料運搬のために引いた線でございます。これをいまのような旅客、貨物営業をいたしますにつきましては、この営業時にすでに六億近くこういう雪害対策お金を投資し、さらに四十一年以降、約二億五千万円に達する豪雪対策計画をつくりまして、現在約その半ばを進行させております。これらにつきましては、その効果といたしまして、昨年はおかげをもってことしの半分ぐらいの雪でありましたので、列車運行停止ということには至りませんでしたが、一昨年、一昨々年、いずれも列車をとめております。これらは、一昨々年は二月の初旬からもうとめておりますし、一昨年は三月の上旬からとめております。それに引きかえますと、本年度はこれだけの豪雪にもかかわらず、一応三月中旬までがんばってきたのだというふうなことで、国鉄対策も着々進行しているということで、御了解願いたいと思います。  なお、先生の御質問の中にありました、私ども決してこういう僻陣地はどうでもいいんだというようなことは、つゆ、いささかも考えているわけではございませんので、相当一生懸命やっておるつもりでございます。あわせて御了承お願いしたいと思います。  以上でございます。
  9. 唐橋東

    唐橋委員 時間がないので結論的な質問に入るのですが、一つ対策が非常に不備だということは、あなたたちロータリー車をよこすときには四メートルも五メートルもなっているのですよ。そうしないとよこさないのです。あるいは毎日一回運行できるのだ、こういうような配置さえできておればあのような状態はない、こういうことを私は指摘したいのです。  それから二番目に、なだれ防止施設の不十分というのは、これは建設路線がいまお述べになったような経過の中で初めから貨物だけだというような線で不十分だ、ずいぶんお金はかげましたとこう申しましても、これはやはり不十分ですよ。これはやはり年次的に設備していただかなければなりません。ですから、これはあとで一緒に御答弁願いたい。なだれ防止施設に対する不完全の解消は年次的な計画をもってされておるのかどうかということですね。  それからもう一つ、そこにも人力観測ということがございますが、御承知のように川口只見間の間にある六つの駅は、全部無人駅なんですよ。ですから観測できるなんというようなことは初めからしないことなんです、あなたたちのほうからいえば。ですから、あの中央にある横田駅がいま地元で鉱山の開発ができましたし、あそこには村の役場もございます、病院もございます、少なくともここを有人駅にしていただきたいという要求は、あなたたち手元には届いていないかもしれないけれども仙台まではもう何年となく来ているのです。それは御承知でしょうか。あれが有人駅になれば、只見まで行ってそれから今度それが戻ってくるまで、あそこが交換駅になれば時間が半分に限定される、私たちしろうとから考えても。そしてまたそれが豪雪地区でも、そこが中継になっていろいろの情報の指導ができる。この線にある六つの駅が全部無人駅だ、その距離が二十七・六キロです。二十七・六キロの間は人っ子一人いない駅だけが六つあるということです。こういう状態は、いかにローカル線、赤字線であっても、国鉄という使命の中で、脱していただきたいものだ、こういうことでございます。中央一つ横田駅に対する有人化と同時に、そこが交換のできる駅になってくれば、あの線の有効さというものは倍加するし、そういう線が実は災害対策基本でないかと思うのでございまして、豪雪施設の問題、無人解消の問題について、ひとつはっきりと御意見をいただきたいと思うのです。
  10. 松本文彦

    松本説明員 ただいまの先生の御質問の冒頭の事柄でございますが、いま私どもまことに重量の非常に大きな大型な除雪車両設備、こういうものにいままですべてたよっておったわけでございますが、実は車が大型になりますと、いろいろこれの運行には制約もあり、あまり身軽には使えないというふうな欠点がございます。そういう点で、より軽量で簡単に動かせるというものを、非常に専門的になりますが、実は今年度から開発いたしておりまして、今年度試用いたしております。これは仙台鉄道局の管内で使っておるのですが、結果が非常に良好であるということで、こういう軽便に用いられるような除雪設備車両というものを今後増備してまいりたい。ということになりますと、ただいまよりも広い範囲で、一組か二組のキマロキでははなはだ不十分ではないかという御指摘については、相当これは有効に今後は働けるんじゃないかということがまず第一点でございます。  それから第二点のなだれ防止施設年次計画につきましては、さいぜんその概略をお話しいたしましたが、昨年以降四カ年をもって二億五千万円くらいの年次計画を持っております。これは大体ことしでほぼ半分が終わります。これが全部終わりますと、大体普通の、昨年程度の雪の場合にはほぼ運転をとめるということはしなくても済むであろう。しかしそれにいたしましても、ことしのような豪雪では多少そういう運転をとめるという気配も考えなきゃいけないのではないかというふうな反省はいたしておりまして、これらに対するこういう計画の手直しというものをこれから考えていきたいと思っております。  それから第三点の有人化ということでございますが、これは災害防備ということから申しますと、実は私ども駅の人間がおりませんでも、線区を防衛する人間がおるわけで、こういう者たちからいろいろな資料、データは参るわけでございますので、災害防備という点では心配はなかろうかと思いまするが、いずれにいたしましても、この有人化という問題は、この災害の問題と離れまして、あの線区輸送力をもっと上げたい、列車密度を上げたいというふうなことにつながることかと思うので、こういう点は私ども輸送量その他検討してこれからきめてまいりたいというふうに現地とは相談をいたしております。本日はちょっと結論を申し上げるまでに至っておりませんので、いずれまたこういう別な機会で御説明申し上げることがあろうかと思いますが、今日の段階ではまだ有人化するというまでの結論には至っておりません。  以上です。
  11. 唐橋東

    唐橋委員 最後に、いまの有人化の問題ですが、結論には達していない、ここで結論に達しましたという御答弁を期待するわけではございませんが、あのいわゆる二十八キロにも及ぶ中間に一駅は今後輸送の増、そういう問題で必要だという必要性はお認め願えますか。そういう私たちやはり地元民の立場で毎日見ている中で、ここへ一つ交換駅や有人化というものが非常に大切なんだというこの素朴な期待、それは何も専門的に検討しなくても必要性のあらわれだと思うのですが、この点だけ最後にお答え願って私の質問を終わります。
  12. 松本文彦

    松本説明員 お説は十分わかりましたので、私どもとして、現在の輸送量その他を一応勘案いたしまして、これも専門的になって恐縮でございまするが、有人化ということと列車回数をふやす、たとえば一本側線をこしらえて列車回数をうんとふやすということと、必ずしも一致いたしませんので、輸送量をふやすことと有人化ということと二つに分けていま勉強しておるところでございます。決して輸送量をふやす必要がないと考えているわけではございません。
  13. 唐橋東

    唐橋委員 見通しはどうなんです。有人化を一応検討中だと言う。三年も四年も検討すれば只見中線ができますから、只見中線建設とあわせると、一応ことしじゅうにはそういう結論が得られる、こういうような御答弁を期待しているのですが、まだまだあまりじょうずな答弁ができない。もう一度だけ……。
  14. 芳賀貢

    芳賀委員長 唐橋委員に申し上げますが、なお運輸省から、官房参事官並びに保安課長が出席しておりますから、必要があれば答弁を求めたらいいと思います。
  15. 松本文彦

    松本説明員 どうも申しわけありません。  なお運輸省から御答弁いたすことといたしまして、いまのお話について、私どもは前々から申し上げますように、輸送力をふやすということは、いますぐとは思っておりませんが、ここ一両年中にはそういう時代になるのだというふうに観念いたしておりますが、それらの資金の獲得その他については、いろいろ地元の御支援なり、御協力なり、そういうことについて、また別途計画を練っていきたいというふうなことを考えております。
  16. 唐橋東

    唐橋委員 時間がありませんので、運輸省から、いままでの議論の経過の中から大体要点をつかまれておると思うのですが、この会津線輸送の確保という観点について、ひとつ端的に、結論的でけっこうでございますから、御答弁願いたいと思います。
  17. 犬丸令門

    ○犬丸説明員 ただいまの会津線におきますところの雪害、及びその対策につきましては、国鉄から説明があったとおりでございますが、防除雪対策の強化という点につきましては、運輸省としてもできるだけの促進をいたしますように努力いたします。  なお、無人駅、有人駅の問題でございますが、それと輸送力の問題につきましても、できるだけ実態を調査した上に、御希望に沿うように努力をいたしたい、このように考えております。
  18. 唐橋東

    唐橋委員 では終わります。
  19. 芳賀貢

  20. 三宅正一

    三宅委員 時間がありませんので、小沢君に先へさしていただきまして、私ちょっと用がありますので、ほんの大綱だけ希望を申し上げたいと存じます。  ことしの大雪害昭和三十八年の雪害よりも雪は里雪があり、山雪があり、場所が移動いたしますから、いろいろ事情は変わりますけれども、大局的に見まして、昭和三十八年の雪より多かった部面が非常に多かったと私は思うのであります。しかし、多年にわたる先輩の努力によりまして、雪害対策が進みまして、ことしの雪におきましては、鉄道について言えば、上越線は一日も不通というものはなかった。それから、国道十七号線も通りまして、私は、その意味においては非常な進展であったと思うのであります。しかも東京でちょっとした雪が降りましたときに、五千本鉄道が間引きをされたり、電車が間引きをされたりということで大混乱におちいりました。それの何千倍の雪害の出るところをともかくあの程度で克服いたしましたということは、私は日本における雪害対策の一大躍進だと思うのであります。新潟県などについて申しますれば、あの大雪に対しまして、最初気象庁の長期予報でもってまず着実に対策を立てましたことが、県の道路の問題にいたしましても、鉄道の問題にいたしましても、人心の安定の上におきましても、たいへんな役割りを果たしたと思っておるのであります。私はその意味におきまして、何といってもそのときに騒いで陳情をするということでなしに、国が先行投資でそういうことについての科学的な、施設だとかいろいろなことについてもっと力を入れなければならぬと思うのであります。現にことしの雪害対策が順調に進みました一つの理由として、気象庁の長期予報が非常に役に立っておりますが、もう少しさらに的確に、それから雪の量だとかいろいろわかりますれば、私は東京などであんな騒ぎをする必要はなかったと思いますし、非常に雪害対策が進展すると思うのでございます。そういう点について、時間もありませんから簡単でけっこうですけれども、まず気象庁から御意見を承りたいと思います。
  21. 柴田淑次

    柴田政府委員 長期予報の精度の向上の問題についての御質問だと思います。現在気象庁では、長期予報をやっておりますけれども先生の御指摘のように、決して十分とは申せないのでございます。なお一そう精度を向上するためには、いろいろな手段がございますので、気象庁といたしましても、どういうことをやればいいかということを一応考えておりまして、現在進めております。特に裏日本の豪雪につきましては、先年来、三年間だと思いましたが、三年間で日本海側の豪雪のための特殊の観測を行ないまして、一応第一次の成果はこの間集計いたしまして、近くそれを発表するつもりでおります。そういうことでまだ発表はしていませんが、先日の豪雪につきましては、そういった特別の調査、研究の結果を生かしてやったので、幸いにうまくいったとわれわれも考えておるのでございます。  なお一般的に申しますと、この長期予報というものは豪雪のみならず、たとえば今夏の気温、暑い夏だとか、寒い夏であるとか、あるいはつゆがいつごろからどうなるかということ、全般的な遠い将来の気象の見通しでございますので、これをなお一そう正確にやりますには、いろいろなことがございまして、その根本になるのは、大気の大循環とわれわれ申しておりますが、というのは、こういうような長期予報は、日本なら日本だけの狭い範囲の気象状況だけの資料ではどうにもなりませんので、全世界の資料を集めて、それを解析、分析してはじめて日本の長期予報ができる、こういうような性格のものでございます。したがいまして、大気の大循環と申しますのは、大気が世界中を回っております、その世界中の大きな大気の動き、それを的確に把握する。そのためには世界中からの資料を収集して分析する必要があるということでございまして、現在気象庁はその方向で仕事をやっております。またそれを電子計算機にかけまして、結果を出すというようなことをやっております。  それからまた、もう一つ重大なことは、超高層といいまして、非常に高いところの大気の状況、これは風船を上げたのでは届きませんで、いわゆるロケットを上げまして、地上から数十キロの高いところの大気の状況を見る。その観測に現在取りかかっております。  それからまた、そういった大きな大気の動きというものは、太陽及び地球の放射と申しますか、太陽からのラジエーション、地球からのラジエーション、そういうものに影響いたしますので、そういうような太陽及び地面の放射の研究もやらなければなりません。また地球は三分の二が海洋でありまして、その海面からの蒸発、あるいは海面が大気の循環に影響する影響も研究しなければならないということで、大気と海洋間の相互関係と申しておりますが、相互関係の観測及びそれの研究、こういった研究をやりまして、あるいは実施をやりまして、将来もっと長期予報の精度の向上をはかりたい、そういうように考えておる次第でございます。
  22. 三宅正一

    三宅委員 いずれ私は、科学技術の特別委員会で、長岡にできました雪害の研究所だとか、鉄道がやっておられます塩沢の研究所だとか、各省、気象庁はもとよりであります。ひとつ総合的に、一体日本の科学技術をほんとうに動員すれば、どれだけ雪害なんというものから日本が免れ得るかというようなことについて、一ぺんゆっくりお伺いしたいと思います。きょうは時間がありませんので急ぎまして、せっかく来てもらって恐縮ですが、私はただいま前の委員からの質問もございましたように、ことしの雪害で鉄道の関係について申しますと、上越線などは一日も休まなかった。それから只見線も新潟鉄道局に関する限りは一日も休まなかった。ところが、長野の鉄道局の飯山線が非常に迷惑をかけた。それから、福島県で会津線が迷惑をかけたことは、私はやはり雪に対する心がまえとか施設とか、人材とかいうものが蓄積されておらぬのじゃないかと思うのです。何といったって新潟県は重たい雪の、軟雪の非常に多いところでありますから、一番進んでおると思うのであります。たとえばりっぱな機械をうんと備えつけただけでなしに、国鉄とすれば新潟県だけで百九十三の除雪組合をつくっておって、その組合員が二万四千二百二十五人、私鉄の関係でも二十組合あって千五百三十六人。そして一月の末以降国鉄が使いましたのは一日七千八百人ずつ組合員を動員してやっておりました。それに非常に大きな機械を入れる。それから転轍機が凍らないような施設をする。それから流雪溝などが使えるところはうんと設備をするということで防いだと思うのであります。しかし、私はそれで満足すべき筋ではない。たとえば上越線にいたしましても、貨物が間引きされてしまった。それから鈍行が間引きされてしまった。それでは問題にならない。近代の雪害というものは何かといえば、この産業時代に汽車や道路交通関係がとまるということが、これはもうほんとうに産業に一番大きな影響を及ぼすのでありまして、道路交通の確保が完全にできまするならば、雪害は私は半分片づいたと思うのであります。その意味においては国鉄でも、運輸省の関係でもよろしゅうございますけれども、協力いたしまして、内閣自体としても協力されまして、私はもう来年あたりからは急行だけが通るということでなしに、ひとつ一般の国民の便宜の点からいきまして、鈍行だってそんなにむちゃくちゃに間引きしない、それから貨車だってちゃんと出す、それが産業その他の育成のために非常に必要であります。それからまた飯山線だとかあるいは福島県の会津線などがそんなことで動かぬというのでなく、私は場合によったらば飯山線などは新潟鉄道局へ移管されたほうがいいと思うのであります。交通の関係から言ったって、何も長野に置く必要はない。そうして雪害対策がおのずから日本とすれば一番必要です。したがいまして、新潟鉄道局がその管理をされたらよろしいと思います。同時にひとついま申しましたように、鈍行だとか貨車だとか、そういうものが間引かれずにいくだけの対策をひとつこの次のときからはどんどんそれだけのことをやる。近代化した日本の交通の動脈におきましてそれが動かないというようなことでなしに、トラックも大事ですが、貨物も大事です。その点についての腹案等について、ありましたならば運輸省と鉄道とでちょっと御返事を願いたい。
  23. 松本文彦

    松本説明員 それでは、国鉄側からひとつお答えさせていただきます。  ただいま先生の御指摘のとおり、全く私どももそう思っております。要するに、私どもといたしましても、列車を間引くということによりまして相当な減収を来たしております。そういう点ではとにかく何とかして雪害を減らしてまいりたいということをかねていろいろ考えておりまして、第二次五カ年計画というのが三十六年から始まったわけでございますが、このときには除雪設備として約百億の金を投資してまいっております。さらに四十年からの第三次長期計画におきましては、二百七十億に及びます除雪施設なり、機械なり、車輌なり、そういった整備ということを現在進めつつある段階でございます。これらが完成をした暁におきましては、ことしのような豪雪は別でございますが、大体平年の雪でありましたならば、列車の規制などはいたさずに済むという前提で、現在の投資、設備の増強を進めてまいっております。  あともう一点は、さいぜんもお答えいたしましたが、いろいろな設備の技術的進歩ということがここ一両年非常に開発が進んでまいっておりまして、どんどん新鋭の車両、機械、そういうものができつつありますので、まあもうしばらくごしんぼうをお願いいたしまして、今度の第三次長期計画が遂行された暁には、先生の御指摘のような雪に強い鉄道ということになり得ると私ども確信を持っておりますので、よろしく御了承願います。
  24. 犬丸令門

    ○犬丸説明員 運輸省といたしましても、ただいま国鉄から説明がございましたとおり、三十六年以降現在に至りますまで、雪害対策に対して非常に努力をいたしておるわけでございます。さらに三次長期計画につきましても雪害対策予算は大体二四%程度の推進状況にございますが、より一そう推進されますように努力してまいりたいと考えております。
  25. 三宅正一

    三宅委員 鉄道の次は道路の問題でありますが、積雪寒冷特別地域における道路交通の確保に関する特別措置法という法律は、われわれが議員立法でつくった法律であります。これは確かにほんとうに役に立って動いておりまして、現実、国道十七号などは今度は一日もとまらなかったのであります。しかしこれも、見ておりますともうその段階ではないと思うのであります。少なくとも県道にいたしましても、それから市町村道にしましても——国道のない市が新潟に三つございます。それから市町村になりますとほんとうに交通が途絶して、たとえば山古志なんというのはヘリコプターでもって食糧、物資の配給をするというような状態でございますけれども、私は近代科学の恥だと思うのであります。ともかくその意味におきまして、時間がありませんからほんとうに簡単に希望をいたしますけれども、直轄区域の指定につきましても、もっとふやさなければいけない、これが一つ。  第二点は、県道につきましては県が全額負担をしてやっておるのであります。したがいまして雪なんというものは年によってたいへん事情も違いますからして、地方交付税で見るなり予備費で見るなり、ともかく除雪の費用というものについて、ひとつ国が責任を持ちまして、そうしてともかくどんなに雪が降ったって、もう主要な道はとまらない。県道だけでなしに、町村道にいたしましても、その村の中心とか部落の中心までは必ず行けるということをほんとうにやらなければならない。それについて、これも時間があれば聞きまするけれども、たとえばブルドーザーでもって排除する方法もあるし、圧雪でやる場合もあるし、流雪溝もしくは融雪パイプでやる場合もあるが、ここまできますともう建設省としては、道路除雪については一体どうやるのが一番道路を痛めないし近隣にも迷惑をかけないでいくかという点についての御腹案もできておると思うのでありますが、建設省はこれらの点についての研究施設としてはどういうものを持っておられるか。そうして私がいま申しましたように、もうこの次は市町村道に対しましてもひとつ除雪について市町村だけに負担させるということでなしに、しかも雪害地における町村というものは大体過疎地帯で、第一、消防が成り立たない。人がおらない。だから新潟県の東頸城では年寄りのおばあさんが、みなが出かせぎに出て、一人留守しておってさみしくてしょうがなくて自殺したというような例まで出ておるのでありまして、そういう意味において、ともかく町村までの交通を確保するという線を国策としてひとつきめなければいかぬと思うのであります。そうしてその財政負担は国がほんとうに見てやる。災害ですからして、災害基本法の中にちゃんと豪雪というものは入っておるのでありますから、見てやらなければいかぬと思うのでありますが、その点についてひとつ施設省の御意見を伺います。
  26. 豊田栄一

    豊田説明員 お答えいたします。第一点は雪寒関係の事業量のことでございますが、御案内のように、雪寒法の法律、道路交通確保に関する特別措置法ができましてから、これは三十一年でございますが、それ以来逐次事業の量の拡大を私どもはかっております。御案内のように、あの法律の以下の政令でもって基準がございます。それに従って指定路線を定めまして、その指定路線について、ただいま申し上げました除雪あるいは防雪事業あるいは凍雪害防止というような事業を行なっておりますが、その事業の経過は三十七年以来逐次拡大の方向で現在やっております。  なお、私ども道路整備五カ年計画、これは第四次でございますが、昨年券に閣議了解をいただきました第五次の総ワクがきまっておりますが、現在それの中身を詰めまして、その中で雪寒事業に対する五カ年計画の改定を行なうところで、現在準備中でございます。いま事務折衝をやっておる段階でございますので、いずれそれが明らかになると思っております。もちろんその中でも、先生が御指摘事業の量につきましては、拡大の方向をとっております。これは私ども、てまえみそになりますけれども、ほかの事業の伸び率から見ますと、雪寒事業については、非常に大きい数字というように心がけて、また内容も充実いたしたいと思っております。  それから第二点は、雪に対する研究の問題でございますが、御案内のように、やはり機械除雪あるいは圧雪、そういうことでなくて、初期の段階に、たとえば流雪溝なり、あるいは消雪パイプというようなものをやった地域については、これは設計条件がいろいろございますけれども、やはりあと維持状態が非常に楽になっております。そういう点では、全天候道路と申しますか、オール・ウエザー道路を目ざすためには、やはりそういう意味での施設に置きかえて、次第に手を省くような方向に持っていかなければならないものと私ども考えております。これは部内研究あるいは土木研究所なんかを通じまして、そういう点での勉強を私どもいたしておるところでございます。  それから第三点の、市町村道に対する問題でございますが、これは御案内のように、市町村道は、確かにいま現在は先生の御指摘のように、国道、県道、それから市町村道、こういう順になっておりますが、この点につきましては、現在市町村の一番困っているのは、やはり除雪の機械の問題でございます。現在はその機械の量を拡大することにまだ重点を置かざるを得ない。またそれがまだ普及いたしておらない市町村もございますので、そういう点での、まず平均的な力をつけたいということで、除雪機械の数量をふやすようにいま努力しております。  以上、簡単でありますが、お答えいたします。
  27. 三宅正一

    三宅委員 市町村道について機械の普及をやっておられるそうです、たいへんけっこうでありますが、主要地方道という観念を、少なくとも市町村の中心点まで、これはともかく市町村があって、その役場、学校、その中心点まで、そしてよそへ右、左につながるところまでは、主要地方道という感覚でもって、少なくともそれだけのものは、非常な負担をかけずにやってやるということが必要だ。建設省のほうの補助になるか、あるいは地方交付税でもって特別に配慮するかは別問題として、きょうは自治省も来ておられますので、そういう点を、ひとつ本気に考えていただきたいと思うのであります。  同時に、これも時間がありませんので残念でありますが、三十八年の豪雪のときに、ろうばいいたしまして、ある鉄道でもって、火炎放射器でもって駅の雪を減らそうと思ったが何にもならなかった。やはり雪に対します一番の最大の敵は水でありまして、その意味においては、水の利用などについて、もっとほんとうに考えなくてはいけない。これをやりますれば、きれいに片がついていくのであります。その点で二、三申し上げますが、大きな川の堤防をひとつ道路として使え。そうすると堤防の川の側は家はできやしないし、ブルドーザーで飛ばしてしまえば何でもない。技術的に一体堤防の保持と道路としての利用というものは、両立しないものかどうかということを、三十八年の雪害のときに建設省の道路それから河川、両方の局長にも来てもらい、技官にも来てもらって聞きますと、かえっていいというのであります。ところが、なわ張りの関係かどうか知りませんけれども、なかなかそれをやらない。私はやかましくそれを提唱したのだけれどもやらない。ことしの雪害でもって、参議院の佐藤さんに来てもらいましたときに、私は長岡から見附を通りまして栃尾に入りました。見附の町は町幅が狭い。それ一本でやっております。したがって屋根の雪をおろす。だからしてもう一車線しかいかない。ちょっと大きいのがくると、お客さんが来たのに三時間もとめられて、時間が狂ってしまうという状態であります。それだからこれは建設省の仕事かどうか、これも住宅の関係になるだろうと思うのですが、やはり道路の流雪溝だけでなしに、屋根の雪を水でもってとかして落とす。それをスコップや何かでいろいろ下に落とすから、じゃまになってしまう。それをまたトラックで持っていって捨てるなどということは、およそたいへんなことでありまして、やはり水の活用を本気にやらなければならない。いま新潟県の長岡市の流雪溝だけでも、新潟−長岡の距離六十キロくらいのものができておりますが、もう地下水が足らぬ、地盤沈下が起こるという一面が起きてきております。だから、そういうことをほんとうに指導いたしますためには、あなたのほうの役か総理府の役か、科学技術庁の役か知らぬけれども、国としてともかく総合的に水を利用して、町の屋根の雪はそれでとかして落とす。それから電気を使ってもよろしい。それからまたそういう狭いところについては、あすこは刈谷田川の堤防の改修をやっております。あれをバイパスにしてくれさえすれば、栃尾と見附との関係、及び栃尾は、——この間輸出の織物が約束の日に神戸から船積みできない、キャンセルになるというので、おそろしい大騒ぎをいたしまして、自衛隊に頼んだりして除雪をいたしまして、ようやく間に合ったのでありますが、いま中小企業が続々と倒れかかっておりますときに、ああいうところなどにバイパスをつくれば、道路建設と堤防建設と一緒にやって、国費は倹約できる、技術的にも悪くないのを、官庁のなわ張りの不親切のためにやっておらぬという事実に対して、私はほんとうに政治の貧困ではないかと思うのであります。小さい個々の事例については申し上げませんけれども、もっと水を利用することについて、場所によっては流雪溝も必要だし、私は国道十七号ができるときに、高野君が道路局長で、そのときにどうしても流雪溝をつけなさいと言った。つけますと私に約束してつけた。つけたけれども、一定量の流量と一定の落差がなければ、雪の量との関係におきまして、かえって溢水したりしてだめになってしまいます。だからして本格的に一体どれだけの雪にはだいじょうぶかということで、流雪溝については、あすこなどは、三国峠の一番高いところにポンプアップして、ずっと水を流しますれば、ほんとうに完全にやれると私は思うのであります。そういう点についての技術的の研究がまだ足らぬのではないかと思いますので、その点をひとつ希望をしておきます。  同時に、今度道路建設新五カ年計画でどの程度一体ふやす予定になっておるか。私どもの聞いている話では、まだ内部の話かもしらぬけれども、一般道路が一・六一倍になって、雪寒道路が一・七一倍になるということを聞いておりますけれども、少なくともその程度にやらなければ、裏日本の雪害対策というものは進みやしないと思いますので、私どもお願いをしておきたいと存じます。  話がたくさんありますけれども、次は文部省関係の公共建物の除雪費の補助の問題について伺いたいと存じます。これはきょう、ここで御意見を承っても、おそらく片がつかぬと思いますので、委員長にお願いをしておきますけれども、今度の雪害対策で、これだけはひとつどうしても片をつけたいと思います。ともかく道路の関係で雪寒道路法ができております。それから御承知のとおり公共の学校などの除雪の補助に対する法律ができておりますけれども、これは何といいますか、政令が実際上何にもならぬような政令になっておって、いまの政令のままだと、新潟県について調べますと百二十村があるうち、四つしか該当しない。これだけの雪害で該当しないというばかな話があるものではない。ここに稻葉君がおられますが、ひとつ、この問題だけは政府側と議員側と寄りまして、この国会中に政令の改正だとか、具体的にひとつ役に立つような解決を一つでもつけておかなければいけないと思いますので、委員長にそれをお願いすると同時に、御答弁をちょっと伺っておきます。
  28. 菅野誠

    ○菅野説明員 お答え申し上げます。  文部省といたしましても、実は、ただいまお話がございました豪雪に際して地方公共団体が行なう公共の施設除雪事業に要する費用の補助に関する特別措置法というのが昭和三十八年に法律第百三十七号として成立しました当時のいきさつからいたしまして、その当時、この法律並びに政令をつくりました私どもの気持ちといたしましては、三十八年の雪害が「豪雪」の対象になるという気持ちでつくったのでございますが、どういうかげんか、おっしゃるとおり、ことしの災害は三十八年よりも非常に部分的に多かったというような関係がありますので、当然この適用になるであろうというふうに考えて、いろいろ資料もとってみたのでございますが、ただいま御指摘のように、数字をつくるわけにはまいりませんので、その報告をそのまま機械的にこれに適用をいたしてみますと、いま御指摘のような状況になりまして、はなはだ残念と申しましょうか、おかしな点もありはしないかと思うところがあるのでございますが、現在の法律、政令がさようなことになっておりますので、事務当局といたしましては、ただいまはそれで作業は一応試算しておるという状況でございます。御趣旨につきましてはさらに研究さしていただきたいと思います。
  29. 三宅正一

    三宅委員 時間がございませんので、はなはだ残念ですが、この点は、委員長、ひとつこの委員会でもって片づけるように御配慮をお願いいたします。  それからもう一点、農村の対策について申し上げますが、雪寒法の延長はもう与野党ともにのみ込んでおりますので、延長はいたします。そうして、調査費も予算でついておるわけでございますけれども、雪寒法もいままでの経験からしてやはりもう一歩進んだところへいかなければいけない。特に過疎対策というようなことについてほんとうに考えていかなければならない。先ほどもお話ししましたように、おばあさんが一人おりまして、みんな出かせぎに行ってしまって、雪の中で孤立いたしまして自殺したなんという例がある。そうして、葬式が成り立たない、若い者がおりませんから。この間私は村の葬式に行ってびっくりしました。かついでいく者がおらぬので、ほんとうに女がかついだりするという状態があったりいたします。それからまた、学校だって、この間東京の新聞にも書いてありましたけれども、生徒が二人しかおらぬ学校があるというような状態。住宅だって、集団的にまとめてしまうような、そのかわり、必要があったらそこまで道路はちゃんと確保するとか、それから電話の関係なども必ず入れるようにするとか、もうちょっとほんとうに考えなければ問題にならぬ。それだけ人が減ってきておりますれば、牛乳などについては、酪農の余地だって非常にあるが、牛乳を捨ててしまうことになる。これはパイプでもって持っていけるようなことについてもほんとうに考えなければならぬ。それから、雪上車などの配置だってまだ足らない。こういう点について本格的に考えてやらなければならぬと思うわけですが、これについて、農林省の方がおいでになりましたら、ちょっと……。
  30. 太田康二

    ○太田説明員 先生の御指摘の、牛乳の出荷調整のための施設の問題でございますが、この点につきましては、各県にございます指定生産団体に対しましてクーラーステーション並びにタンクローリー等の助成をいたしておるわけでございまして、いま御指摘のように、雪寒地帯におきまして、おっしゃったような事情も十分考慮して、その配分にあたりまして十分考慮してまいりたいと思っております。  それから、輸送施設としてのパイプラインの問題でございますが、たしか昭和四十年かと思いましたが、私どものほうの新技術実験事業ということで、長野県で実施した事例がございます。これによりますと、かなり成績もいいということになったのでございますが、若干衛生上の問題が残されているということで、目下検討いたしております。何らかの形で将来これを取り上げて実行に移したいということで、検討いたしておる段階でございます。
  31. 芳賀貢

    芳賀委員長 三宅委員委員長から申し上げますが、ただいま御発言のありました豪雪地帯の公共施設除雪に関する件につきましては、実は先般来当委員会におきましても、これを重視して調査を進めておるわけですから、御指摘のとおり、鋭意結論を急ぎたいと思います。
  32. 三宅正一

    三宅委員 どうぞお願いいたします。
  33. 芳賀貢

  34. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 いま三宅先生質問をいたしましたので、ちょうどそのほうの公共施設除雪の補助の特例からやらしていただきます。この間資料を出していただきましたので、厚生省と文部省から若干の御説明をしていただきたいと思うわけです。
  35. 菅野誠

    ○菅野説明員 説明さしていただきます。  二月末現在をもちまして除雪費の調べをいたしました。特定の市町村、県を拾いまして、この政令、法律との関係を、この横の表でございますが、「市町村名」と書いてありますのは、山形県の尾花沢市、福島県の金山町、新潟県の高田市、津川町、入広瀬村、長野県の小谷村、これを一例にとりまして調べたわけでございます。それからその上の行は、市町村でなくて、山形県全体を参考にとってきたわけでございます。そこに山形県と書けばなおよかったのでございますが、市町村名でございますので、空欄になっておりますのは、この欄は山形県という意味でございます。したがいまして、対象は県立学校をとっておるということになります。福島県、新潟県も同様でございまして、この空欄の欄は県立学校を県全体で参考のためにとってみた、こういうことでございます。  それから、今冬の除雪費をA欄に、平年除雪費をB欄にとりまして、それで倍率をとってみますと、平年除雪費と今冬の除雪費1ただこの場合、平年除雪費と申しますのは、例の交付税の基準になっておりますのでとってみたのでございます。比較いたしますと、交付税の基準になっておる除雪費に対しまして、今冬の除雪費が、山形県の場合には〇・一四、〇・一六というような数字になっております。福島県の場合は〇・三、〇・一五、新潟県の場合は県立学校については〇・六、それから高田市が一・一六、津川町が二・三四、入広瀬村が二・一七、これは相当の倍率になっております。長野県については、県立全体としては八%、それから小谷村が一・一六という形になっております。  それから標準税収のほうの比率が関連いたしますので、これは自治省のほうとも連絡いたしまして、標準税収をこの欄にとりまして、平年除雪費の標準税収との超過額をその次にとってみます。そうすると、AマイナスBになりますから、今冬の除雪費と平年除雪費、つまり平衡交付税の基準になっております平年除雪費がむしろ逆に多いというのが三角、交付税のほうで多く見ているというのが三角になっておるというような傾向が出てまいります。新潟県の三つが、これは超過という形になっており、長野県の小谷村が超過という形になっております。これは報告をそのまま比較いたしますとこのようになる。  それから例の四%という数字がございますので、その四%をとってみますと、Cの四%、標準税収の四%ということになるわけでございますが、その四%という数字をここにとってみますと、このようになるわけでございます。したがいまして、前の欄の三角のところは問題にならなくて、C、三角でないところの新潟県の三つが今冬は対象として考えられるわけなんです。そこの〇・〇四のほうと、それからA欄の今冬の除雪費とを比べてみますと四%のほうが多い。したがって、今冬の除雪費が四%以下だということになりますので、その右の欄が空欄になっていますが、全部ゼロになってしまう。このような数字が出てきたので、正直に御報告いたす次第でございます。
  36. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 先ほど三宅先生の発言もあり、いま委員長も研究をしてというお話ですから、これからやればいいのですが、とにかくこの倍率でふるい落とされ、その次のD欄でふるい落とされ、Cかける〇・〇四でふるい落とされ、三つのふるいにかかってこの法律は有名無実になるということがはっきりわかったわけです。私は政令は政府がつくられたと思うが、立法の趣旨から逸脱するようなことをやられた責任だ。もう時間がないから直接そこへ入っていきますが、一体どういうことでこういうことにしたのですか。昭和三十八年当時のことは私は知りませんけれども、三十八年のときに豪雪があって、公共施設の雪の排除について予算がかかるからそれを補助しよう、こういうことで立法をした、一条しかない法律です。それを政府の役人によってそれが有名無実になるようにさせられてしまったという現実がここに明確に出ているわけです。これは一体だれがどういう責任をとればいいのですか。
  37. 菅野誠

    ○菅野説明員 責任をとらされるというとどうもいろいろいきさつがございますので……。まあ正直にお答え申し上げますが、三十八年の豪雪がございまして、あの当時の雪害除雪費が対象になるようにということでいろいろ試算はしたわけでございます。ことしの場合には何かそれで試算をしてみたのでございますが、その当時の補助の対象となる地方公共団体の条件として、二倍をこえかつ四%を、という数字をつくりましたのは、三十八年の豪雪の実態を調査いたしまして関係各省で検討いたして、その調整の結果がこのような数字になっておるわけなんですが、その当時といたしましては、三十八年災害のときには大体平年除雪費を十万円以上をこえている市町村の数で約三〇%、金額にしては六三%が大体補助になるであろうというような試算があったものですから、このようにいたした経緯があると思うのでございますが、ことし計算いたしますと、当然なるであろうと思っておったのですが、このような結果になってどうもちょっと……。正直に御報告を申し上げることでございます。
  38. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 政令をつくった役人に辞職をしていただかなければどうも済まぬところなんですが、総理府総務副長官、これは政令をすぐ直させてちゃんと実効のあるように、国会の意思に沿うようなぐあいにしていただけますか。
  39. 八木徹雄

    ○八木政府委員 前回のこの委員会で小沢先生からその旨の御発言がございましたので、私もそれは捨て置けないことではないかと思いましたので、各省の連中と相談をいたしまして、実際に眠れる法律ではしようがないが、これは効力を発生する場合があるのかどうか、それでなければ法律の意味をなさぬではないかということで相談をいたしたのでありますが、三十八年のあのような豪雪があればこの法律はその実効をあげることができる、こう言うのでございます。確かに歯どめがたくさんあるので、どうも愛情に欠けるところがあるのではないかというその御意見はわからぬではないのでありますけれども、ただしかし、われわれが今度はよけいたくさん雪が降ったなという程度ですぐに発動するようにはなっていないようでありますけれども、しかし三十八年の豪雪のようなものが、あっては困りますけれども、あった場合には発動できるということでありますから、法律そのものは有名無実ということには必ずしもならない。ただ、いまの政令の状況で、実情に照らしてよろしいかどうかという判断はまた別だと思います。しかし、あの立法措置をするときにも、いろいろのことをしんしゃくして、この程度のことはということでやったことであろうと思いますので、検討することにやぶさかではございませんけれども、直ちにこれは無効の法律であるから修正をしろということにはなかなかならぬのではなかろうか、こう思います。
  40. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 私は法律のことを言っているのじゃない。政令なんです。政令のたしか第二条です。ここでみなひっかかってしまう。この政令の第二条を削除しさえすれば、これは曲がりなりにも国会できめた法律の趣旨に沿える、こう思うのです。それにしても費用は幾らでもないわけです。だから、せっかくこの法律があるのだから、この政令の第二条の豪雪除雪費が平年除雪費の二倍でなければいけないというそこのところと、いま一つは、最後に残されたこの高田市と津川町と入広瀬村の三つが入るかと思ったら最後に入れなくなったのは、〇・〇四、これで振り落とされてしまったわけです。だから、この二つさえなければ、曲がりなりにもこの法律の趣旨は生かされて、ことしの補助の対象になったのではないか、こう思うわけです。だから、いま副長官は法律云々と言っていますが、法律でなくて政令です。せっかくの法律の趣旨が生かされるためには、この第二条さえ削除すればできる、こういうわけです。だから、政府でやっていただけばいいわけです。三十八年にはたぶん該当しただろうがことしはだめだというのでは、新潟とか福島の方が大ぜいいますから、おこられちゃうですよ、副長官。あのときはよかったが、ことしはだめだなんということではおこられちゃうと思うのです。これは実情を知らぬのじゃないかと思う。もう一ぺん政令の修正について−……。
  41. 八木徹雄

    ○八木政府委員 法律と政令と一体になって措置したことでございますから、政令だけ簡単に直せといっても、すぐ承知しましたとはなかなか言えないことでございます。いま私は法律と言いましたが、政令も含めてのことを申し上げたわけでございます。  そこで、あの政令で救済される可能性は全然ないのかといえば、私の表現のしかたがお怒りをこうむったかもわかりませんけれども、三十八年のときにあれを引き伸ばしてやれば、私が聞いたところでは、二十数カ町村は当然それの対象になるということである、これは事務当局が言うことでございますが、だからあの法律、政令というものは永久に無効なものではない、こういうことでございます。  そこで、おっしゃったように、ただ二倍をはずせ、〇・〇四をはずせというのは、はずせば非常にかかるということになると思うのでございますけれども、しかし、豪雪ということに対しての除雪ということでございますから、豪雪とはそれでは何ぞやということが問題であります。豪雪の定義というものは、二倍であり、〇・〇四であるということだと思うのでございますけれども、それが不十分であるから修正をしろということでなかろうかと思いますが、そのことについては検討はいたします。いたしますが、直ちにこの場において、それでは二倍はひとつまけます、〇・〇四もまけますと言うて済ませることではないと思いますので、なお慎重にひとつ検討させていただきたいと思います。
  42. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 これは委員会でもあとで討議をしていただく、それから副長官も検討をする、こういうことなので、あとで検討をすることにしていただけばいいと思います。とにかくこの法律が適用されるようにしなければいけないと思います。  そこで、いまちょうど副長官が言った豪雪とは何ぞや——私は実はきょうはそれを聞きに来たわけです。災害の中に豪雪ということばがあるわけです。一体どういう雪が降ったら災害基本法第二条にいうところの災害に適用されるか、この問題をひとつ総理府から聞きたくて実は来たのです。ちょうどいま副長官がそういう発言をされたので、そっちへひとつ質問をしたいと思います。  平年よりどういうふうに降ったら災害なのか。ことしのは災害にちっともならぬということで、だんだんあと自治省にも聞いていきますけれども、何が一体災害になるのか。基本法にはちゃんと豪雪とうたわれているわけです。ところが、現実には災害では一つもない、こういうかっこうだと思いますから、この第二条でいう豪雪はどういうときに災害になるかをお尋ねいたしたいと思う。
  43. 八木徹雄

    ○八木政府委員 これは事務当局のほうに言わせたほうがいいと思いますから、事務当局から説明させます。
  44. 上田伯雄

    ○上田説明員 お答えいたします。  災害対策基本法に、おっしゃるような豪雪によって被害があった場合には、これを雪害である、災害であるというように規定されておるわけでございますが、雪が降った場合、これは雨が降る場合などと同じでございますが、どこからが災害であるかというのは、明確な基準のようなものをつくっても、率直に言いまして、そういうものの基準のようなものが政府に現にあるわけでもございませんし、また分界点というのが非常にむずかしいので、行政の実務といたしましては、ここからここまでがというようなことにはなっておらぬわけでございます。ただ災害と申しましても、学術の研究、たとえば気象庁のやっております気象の学問的な研究でありますとか、あるいは災害の予防でありますとか、災害の応急対策でありますとか、災害ということばを使いましても、いろんな場合があるわけでございます。たとえば先ほど来建設省のほうで積雪寒冷道路除雪の補助の話が出ておるのでございますが、これなども一つ道路に関します道路維持工事の一環のようなものでございますし、またいまの文部省のほうで申しております雪かきのお話も、これは学校がつぶれてはいかぬというような観点からの災害予防というようなものに入るわけでございます。その辺の分界点はどこにあるか、どれが予防でどれが応急対策であるかというような分界点の問題につきましては、これははっきりせぬ部面が非常に多いわけでございますが、行政の実態としてはそういうように扱っております。
  45. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 とにかくいまの答弁はようわからないことを言っておるわけです。何だかんだ、よそのほうの建設省の何か雪寒道路のことまでお答えいただいて、それは雪寒道路のことで、災害とは関係なくやらなければいけないことだ。よそのことは言わなくてもいいので、ただおたくで関係をしておるこの法律第二条にいうところの災害、こう定義をしておるその豪雪とは何ぞや。これは一メートル降ったら災害です。それじゃいけません。バスが通れなくなったら災害です、どこに基準があるか、こう聞いておるのです。その基準だけ言っていただけばいいから、よその話に発展させないようにしていただきたい。
  46. 上田伯雄

    ○上田説明員 先ほど申し上げましたように、その基準ははっきりしておるものではございませんですが、道路や公共の施設等に対して実施しております除雪等に対しては、一般の維持工事でございますが、これが雪が降りまして家が倒れますとか、あるいは交通機関が全く途絶して多数の人の食糧が全くなくなるとかというようなことで非常に急を要するというようなもの、これは災害ということばのうちの応急対策とでもいうようなほうに属することばでございますが、そういうような状態災害という、こういうように考えております。ただその場合に、そういうような状態にならぬようにするのは、これは災害予防でありますが、やはり災害ということばは使われるわけであります。一メートルがどう、三メートルがどうという基準はないわけでございます。
  47. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 食糧がなくなる、急を要する、こういう場合の豪雪災害というということはどこに書いてありますか。政令なり何なり、どこか。
  48. 上田伯雄

    ○上田説明員 災害対策基本法には書いておりません。ただ、この法律だけで言っているわけではございませんので、たとえば厚生省で、よその法律でございますが、災害救助法の指定基準などを見ますと、そういうような——これは政令でございますか、基準でございますか、そういうような場合には災害救助を行なうというようになっておるわけでございまして、この法律そのものにそう書いてあるわけじゃございませんが、災害救助法のほうでそういう扱いがなされておる、こういうことでございます。
  49. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 副長官、これもさっきの公共施設除雪の特例と同じことで、第二条に豪雪と入れてもらったはいいけれども、これもどうも羊頭を掲げて狗肉を売るのたぐいであって、豪雪は平年積雪のどのくらいのときから豪雪というとか、いまはからずも事務当局のほうから言われたように、食糧の輸送ができないとか、主要幹線道路交通ができなくなったとか、何かめどがあって、豪雪というめどをつけない限りは、ここの第二条にうたわれているところの豪雪というのは、災害基本法でいう災害あるいはそれを救済するための災害復旧、こういうものにならないんだ、そういうように私はこの間新潟なり何なりを視察して歩いて感じを受けたわけです。これは副長官どうでしょうね、羊頭を掲げて狗肉を売るようなもので、この文字を削るとか、ここに入れてあるならばめどをつけるとか、どっちかしなければならないのではないか、こういうように私は感ずるわけです。
  50. 八木徹雄

    ○八木政府委員 御承知のとおり、非常に明快でないところがあるわけでございますから、それらも何によってそれではこれが豪雪であるか、災害であるかということの基準の必要性があると思うのでございますけれども昭和四十年十二月二十四日のこれは閣議了解事項でございますが、その閣議了解事項によって、まあこの程度のものが豪雪だというものがあります。それが一つの判断のもとになるんではなかろうかと思うのでございますけれども、しかしこれはあくまでも閣議了解事項でありますから、法律、政令の事項とは違う、そういうことを御承知の上でお聞き取りをいただきたいと思うわけでございます。この豪雪の指定基準というものの起こったもとは、先ほど菅野君のほうから話がありました昭和三十八年の政令をつくるときにもとになった、それをもとにしてつくった基準であるわけでございます。それによりますと、これは読んだだけではちょっとわかりにくうございますから、そのこと自体はひとつ政府委員のほうから説明させます。
  51. 上田伯雄

    ○上田説明員 先ほど副長官から話がありましたのは、いま問題になっております文部省の関係の学校等の雪おろしの法律につきまして、豪雪の指定という条項がありますので、その豪雪とはこういうものが指定されるんだということで、閣議了解として指定基準をつくったものでございます。これが先ほど来先生が言っておられる一・三倍であるとか〇・三%をこえるとかという例の基準でございます。この法律の運用上、この法律の適用される豪雪ということについての基準は、ここに書かれておるいま申し上げたとおりでございます。
  52. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 私の言っているのはそういうことじゃないわけです。いま副長官のあとを継いで事務当局が言われたこの豪雪の基準というものは、これは普遍的な問題じゃないわけです。その役にも立たない。さっきの法律、豪雪に際して地方公共団体が行なう公共の施設除雪事業に要する費用の補助に関する特別措置法でいうところの豪雪とはこういうものだ、こういうことであって、いまは豪雪災害として何とかしなければならないといって新潟県でも福島県でもその他で騒いでいる、いわゆる災害として認めよ、こういう基準には当てはまる。これは閣議了解事項ではないわけです。だから、これに類するものが法律としてうたわれているのだから、基本法の第二条にあるのだから、こういうものは何かと、こういうことを言っているわけです。基本法第二条にいう道路交通ができなくなったとか、いろいろ災害が出てくると思います。何も学校施設や厚生施設だけではないわけですから、それは何かということを一言で言ってもらいたくて言っているわけです。ないならないでいいですよ。
  53. 八木徹雄

    ○八木政府委員 先ほど来、非常に苦しい答弁を政府委員もしておるように、正直申し上げまして適確な基準ができておりません。
  54. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 豪雪とは何かという基準がないならば、ここの法律にうたわれたってこの豪雪災害にはならぬ、こう理解できるが、それでいいですか、基準がなければ、これだけ雪が降っても、これは災害として認めるか認められないか。基準がないのだから、基準がないならばこの基準法第二条において「この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。」こういうことで、「一災害暴風、豪雨、豪雪、供水、」こうなっております。この豪雪というものは、ここに掲げてあっても、これは災害として認められないんだ、こういうふうに理解できるわけです。どうでしょう。
  55. 八木徹雄

    ○八木政府委員 豪雪自体——豪雪という表現から自動的に災害だというふうに通俗にわれわれは考えるわけでありますけれども豪雪自体は、それは直ちに災害に結びつかない。豪雪によって家屋が倒壊するとか、あるいは交通が途絶するとか、あるいは公共の施設というものが損壊するとかということになって初めて豪雪だ。そういうことになりますと、たとえばことしの台湾坊主のように、表日本に降った積雪量というもの、それは裏日本に降っておる積雪量というものと比べると、数等、量的には積雪量が少なくても、ふだんそういう備えのないところは家屋構造でもそういうことになりますし、あるいは道路のことでもそういうことになるから、量的にすぐに把握することではなくて、やはりその地域地域の特殊性というものがあって、何メートル以上が豪雪だとか、何メートル以下はそうではないというふうにきめかねるのではなかろうか。だから、平年度の二倍だとか、〇・四%だとかということを抽象的に言っておる、こういうことではなかろうかと思います。
  56. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 私も雪がたんと降ったから直ちに災害だ、こういうことを言っているわけではない。だから、どのくらいからが災害かという基準がないということは、幾ら降ったってめどがないんだから災害にはならないんだ、こう私は言っているのです。めどがないから、ある地方にいけば一メートル降っても災害になるかもしれません。降ったこともないような九州の南に行って降ったらば災害になるかもしれぬ。新潟県あたりはうちの構造がしっかりしているし、いつも二メートルも降ってもこれは災害にはならない。豪雪だけが災害でないと言えると思います。だからどこかにめどがなければ、幾ら降るといってもめどがないんだから、それは災害にならぬ、こうなると思います。それでめどがないからこれは災害には入っていないんだ、こういうふうに私はきめつけるわけです。きめつけることが違うというなら、どうでしょう、あと答弁を求めるとしまして、自治省にお尋ねしますが、災害のときに交付税を何とかする、災害に対して交付税がどうなっておるかということに関連して、雪が降ったときに交付税なり何なりを災害並みに見たことがかつてありますか。
  57. 首藤堯

    ○首藤説明員 雪が降りました場合の特別交付税等に扱います場合の措置でございますが……
  58. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 違う。災害の場合には交付税がどうだとかなんとかあるでしょう。普通の交付税ではなくて、災害のときにどうしますということがあるが、雪が降ったときにいまだかつて災害並みに交付税を出したことがありますか、こういうことを聞いている。要するに豪雪災害の中に入っているか。自治省の、よそから証明してもらったほうがいいんだ。
  59. 首藤堯

    ○首藤説明員 ただいまそれを申し上げておるところでございます。  雪が降りましたことによって被害が起こりました場合におきましては、当該被害額、つまり公共施設の損害額、こういうものが起こりました場合には、その被害額に応じまして災害として特別交付税の配分等を行なっております。雪が降りましただけのものにつきましては、その除雪費が通常必要な経費より多いか少ないか、このような判断で財源措置を行なっているわけであります。
  60. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 副長官、そういうわけです。自治省のほうでは、雪が降って家がつぶれたとか、何か公共施設がつぶれたとか、そういうものがないとこれは災害と見ない、こういうわけです。自治省は基準がないからかってにそういうふうに見ている。文部省はいま副長官が読み上げた昭和四十年十二月二十四日の閣議了解事項という長い決定に従って、文部省は文部省だ、これはまたこの法律を適用する災害——豪雪災害と見ているかどうかよくわからないが、そういうめどをつくってあるわけです。そうすると、あと農林省あり建設省ありということだけれども、このめどがないからこの法律というものは生かされないんだ、私はそれを冒頭から言っているわけです。どうでしょう。
  61. 八木徹雄

    ○八木政府委員 さっきから申し上げておりますように、雪そのものが災害ではない。だから被害によって災害にするというその被害がどの程度あったら災害かということは、それは災害対策として絶えずやっておることでございますから、おっしゃるとおり、豪雪そのものが災害になる可能性をかなり含んでおるということはいえますけれども豪雪自体がイコール災害だということはいえないのではないかと思います。
  62. 芳賀貢

    芳賀委員長 八木副長官に委員長から申し上げますが、小沢委員質問は、災害対策基本法にいわれておる用語としての豪雪の定義を聞いておるのではなくて、第二条にうたわれておる災害を生ぜしめた、豪雪が原因となった場合の豪雪とはどういう豪雪かということを聞いておるのです。その点について政府の説明というものは全く不明確ですけれども、この点を明快にしておいてもらいたい。
  63. 八木徹雄

    ○八木政府委員 先ほど来申し上げておることを繰り返す以外にないわけでありますけれども、たとえば水害の場合でも、豪雪の場合でも同様だと思うのですが、雨量が何ぼあればいわゆる水害だとはいえない、あるいは雪が何ぼ降れば災害だとはいえない。同じように雪の量自体によってこの基準をきめるのではなくて、降った雪によって起こる災害、これはもう小沢先生もお認めいただいておりますようにあるわけでございますが、その豪雪によって起こった被害というものの実態に応じてそれぞれの法律がそれに対する救済措置というものをやっておる、こういうことを言う以外に言いようがないのではないかと思います。
  64. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 どうもだんだんわからない答弁になっていってしまったんだが、要するに雪が降っても被害が起こらなければ豪雪とはいえないわけです、逆に言えば。
  65. 八木徹雄

    ○八木政府委員 雪がたくさん降ることは豪雪であることは間違いない。しかし豪雪災害ではないということを言っているのです。
  66. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 豪雪災害だとここに書いてあるから豪雪災害だ。そうすると雪が幾ら降っても、降って交通が幾日途絶しようと、そういうことは災害じゃないというわけですね。
  67. 上田伯雄

    ○上田説明員 ここに定義が書いてございますように、「豪雪」「により生ずる被害をいう。」と書いてあるわけでございます、二条の一号。
  68. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 これは上田参事官さんの言っている「政令で定める原因により生ずる被害をいう。」というその政令を見てみると、これは原爆や何かだったよ。第二条の「政令で定める原因」は、「第一条、災害対策基本法第二条第一号の政令で定める原因は、放射性物質の大量の放出、多数の者の遭難を伴う船舶の沈没その他の大規模な事故とする。」そういうように書いてあるのだから、何しろ豪雪からのものは、「原因により生ずる被害」と、こういうようにつながらないと思う。政令で定めた原爆とか何かのやつが災害というようにつながるのじゃないですか。
  69. 上田伯雄

    ○上田説明員 いまの御指摘の点でございますが、これは「豪雪」、ずっとおりていきまして、「により生ずる被害をいう。」と読むのでございます。その原子力云々というのは、豪雪とか洪水というものに相並ぶものでございます。
  70. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 法律は弱くていけないな。うまいことを考えてきちゃったな。  そうすると、結論的にいえば、被害が出なければ豪雪災害ではないということですね。それならそれで最初から明確にいえばわかったものを、さんざんやって……。
  71. 上田伯雄

    ○上田説明員 どうも歯切れが悪くて申しわけございませんが、おっしゃるとおりでございます。
  72. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 そうすると、先ほどこの文部省でいう閣議決定のこれは、災害として扱っているわけではないですね。読み上げたでしょう。「豪雪に際して地方公共団体が行なう公共の施設除雪事業に要する費用の補助に関する特別措置法豪雪指定基準について」これは災害としての指定じゃないわけですね。さっきあなたがそういうように言われるもんだで、それじゃほかのほうにどういう指定があるか、こう聞いているわけだ。そうしたら変わっていってしまって、被害が起こらなければいけない、こう言っている。この閣議決定事項はそうじゃないでしょう。副長官をして読ませた、副長官からすら言わせた、これはこの災害基準と関係ないでしょう。文部省のこういう基準があるとか云々こういうように言うものだから、豪雪についての災害の基準はあるかと、こう聞いている。これは取り消してもらわなければいけないですよ。
  73. 上田伯雄

    ○上田説明員 ここに書いてありますのは、除雪事業が行なわれなければならぬわけでございます。ただ降っただけじゃなくて、除雪事業の費用を目途としてこの指定はできておるわけでございます。そういう意味で、除雪事業があるということは、先ほど申しましたように、一つ災害予防的な見地から、下にあるものがつぶれるといけないということを考えておるわけでございまして、災害予防というような、何といいますか、事態が発生しておる、その限りにおいては災害によるところの一種の被害である、豪雪による被害であると考えられると思うのでございます。
  74. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 そうなってくると、いよいよ私はまたもとへ戻ってわからなくなっちゃう。道路にうんと雪が降っちゃって、どうしても半年も通れないということになればそれは災害だ、こういう基準をつくってやらなければいけない。道路はちょっとも痛みやしないんですよ。さっき災害一つの基準だということで文部省のいう豪雪に際して地方公共団体が行なう公共の施設除雪事業に要する費用の補助に関する特別措置法を読み上げるものだから、今度私が、そうなってくると、道路に三メートルも雪が降ってしまえば通れないでしょうが、そうすると、道路に何メートル降ったやつはまた災害と認めて排除の法律をつくらなければいけないと、こういうようになっていくわけですよ。どうです。
  75. 上田伯雄

    ○上田説明員 ちょっと思い違いをしておりまして、この基準は豪雪の指定基準でございます。したがって、この法律でいうところの「豪雪」というのはこういうような要件に該当するものを「豪雪」というんだ、こういうことでございます。
  76. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 それだから災害とは関係ないわけだ、予防にはなるけれども
  77. 上田伯雄

    ○上田説明員 そういうことでございます。
  78. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 そこで副長官にお尋ねしますが、せっかくこの法律に災害としてうたわれているわけです。この間も新潟、福島等を回ってみると、たとえば交付税とか特交の算出にもこれは災害として入っていないんだ。自治省あたりが官僚的にみんな災害ではないときめちゃうんですね。だから、特交の計算についても交付税の計算についても、そういう問題についてはノータッチだ、こういうことになっている。だからせっかく基本法に災害としてうたわれているならば、たとえば予防的な措置かどうかは知りませんが、ここの文教施設や厚生施設の基準があるんだから、それと同じように基準をつくって道路にどのくらい雪が降って何週間道が通れなくなった、バスが通れなくなった、そういうような何らかのめどをつけておいて、そういうものを災害基本法でいう「豪雪」、こういうようにしていかないと、これは全く有名無実のものになってしまうのではないか、こういうように考えるわけです。どうでしょう。何らかの基準をつくらなければ意味がないんだ、こういうように考えるわけです。
  79. 八木徹雄

    ○八木政府委員 先ほど来申し上げておりますように、いまこの除雪のためにとっておる基礎というものが、現在では基準になると思うのであります。その基準が現実に照らして十分でない、こういう御意見から、これをひとつ修正しろということだと思うのでございますけれども、先ほど来申し上げましたように、あの基準をつくるときには基準をつくるだけの背景があって、十分な審議がなされ、討議がなされた上であれができておると思うのでございます。だから、あれは絶対だめだというふうに私がいまここで言うわけにはまいりませんけれども、御意見のほどもわかりますから、あの基準で十分でないという強い小沢さんの御要請というものを踏まえて検討させてみます。
  80. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 先ほどの法律についてはそれでけっこうです。ひとつ政令を検討してもらうとか願いたい。ここに基準があるからそれでいく。これは学校の施設の屋根の上に雪がたまったやつを、のかさなければつぶれてしまうから、のかそう、そのときの基準をつくってあるわけです。それと同様に、道路の上に雪が降っちまって、一カ月も二カ月も交通が途絶してしまうという状況もまたここでいうような災害と同じようになるのではなかろうか。孤立してしまって、死んでも葬式も出せない、こういうことになった、雪が三メートル、四メートル降ってしまって、全然交通が途絶してしまった、こういう異常な豪雪があったら、そういうものを災害豪雪として指定しない限りは意味がないんだ、こういうことを言っているんです。私の言っていることはわかるでしょうが。副長官の言うのは、学校施設のことは、さっき、われわれも再検討しますと言う、それで前進しましょう。だからここの災害基本法でいうところのめど、こういうものにめどをどこかでつけない限りは、これはどうも有名無実だ、こういうふうに考える、めどをどうかしてつけなければならない、こう言っているわけです。
  81. 豊田栄一

    豊田説明員 お答えいたします。  災害というただいまのあれでございますが、私どもの雪寒地域に対する道路で行なっております事業除雪については、指定路線の中で指定された道路についてやっておるわけでございます。それ以外の道路についてはいま私どもの法律の対象外でございます。
  82. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 私は副長官のほうに尋ねていたのですが、建設省のほうでそういう答弁をしていただいたけれども建設省のほうは災害でやれ、そう言っているわけじゃない。指定路線をたくさんやって雪を除いてもらいたい、こう思うわけです。しかし、市町村道なんかには雪が降っておって交通途絶して、災害基本法でいう災害と同じ状態になっているんじゃないか、そういう場合に、この基本法においては何も救済策がないんだ、こういうように言っているわけです。おたくのほうは災害じゃないですから直接関係はないと思う。こちらへ言っているわけです。
  83. 八木徹雄

    ○八木政府委員 それは災害基本法の中でそれぞれの災害の基準というものをきめることができるかどうかということにかかってくると思うのです。現実は災害基本法とは別に災害基本法を基礎にしてそれぞれその別の法律によって対策措置というものがなされるようになっているわけでございます。だから、現実にはそれでは何ら措置ができていないかというと、できておると思うのであります。それだけに、この際基本法の中にその基準というものをきめることが、現実に照らして可能であるかどうかということにかかってくると思うのでございます。しかし、そのことは、道路道路、学校は学校、あるいは厚生省関係は厚生省関係という、それぞれのところでやっておることで、実効をあげておるという。そういう意味合いから、その必要性をいまここに基本法の中に入れるかどうかということは、簡単には答えられないのではないか。現実にはやはり基本法ではなくて、それぞれの法律によって措置するということのほうがより現実的ではなかろうか、こういうように考えます。
  84. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 要するに、基準を設けることはいやなわけだね。つくりたくないわけだ。たとえば自衛隊に出動を求める。大雪が降ってしまって、村が孤立してしまって、自衛隊に出動を求めるというようなときも、いわゆる災害基本法上の災害であったほうがやりいいかもしれません。あるいはまた市町村道なんかは、建設省が言うように、雪寒道路のあれでもって、除雪費なんか全然来ません。今度は自治省に行けば自治省で、これは災害でないから、幾ら雪が降って、幾ら市町村が金をかけたって、特交もこなければ平衡交付金でも見ない。こういうことで、豪雪の場合に積極的な救済策がないわけです。そこでせっかく災害にあるんだから、ある程度雪が降ったならばバスが通れない、自動車が通れないという期間が長く続くことは一つ災害ではなかろうか。こういう基準を設ければ救済する道が開かれるので、基準をつくってはどうか、こういうことを言っている。そうでなければ、この法律はどう考えても有名無実になってしまう。
  85. 八木徹雄

    ○八木政府委員 基本法というものの性格というものが、そこまで基本法の中にうたうことが適当であるかどうかということがあると思うのであります。たとえば暴風雨とか豪雨、豪雪降雪、高潮、地震、難波をそれぞれ基本法の中にその基準というものを設けるということが、それが基本法としてのスタイルの上ではたして適当であるかどうかということを考えてみなければならぬのではないか。その意味で、それぞれの分野について、この基本法とは別に対策が立てられるようなことがいままでもとられておるわけでありますが、それによって現実の事態ができていくのではないか、こう思うわけでございます。
  86. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 時間もないから、いまのようなことさえできれば、豪雪によって災害は起こらぬです。そうなんですよ。建設省のほうで道路の、市町村道まで予算をつくってみんな排除してくれる。文部省のほうじゃ、どんどん屋根の雪を取ってくれるとか、そういうようなことさえやれば災害にはならない。だからここでちっともうたう必要はないわけです。ところが現実には何も行なわれていないとして問題になってきた。だが、その問題は、ひとつ基準等については研究をしていただく、こういうことで進ませていただきたいと思います。  そこでだんだん時間がなくなりましたので、私はいわゆる豪雪というものについて、ひとつ各省から一言ずつでもいいから定義をしていただきたい。文部省、厚生省のはわかります。さっきの言う法律のはわかった。それでは建設省で言うところの積雪寒冷特別地域における道路交通の確保に関する特別措置法とか、いわゆる農林省の雪寒法あるいは寒冷地畑作振興法、いま文部省の言う、厚生省の言う豪雪、こういうものを一言ずつ言っていただきたいと思います。急いで言っていただきたい。
  87. 豊田栄一

    豊田説明員 お答えいたします。  建設省のただいまの緊急措置法の背景になっております雪寒地域、この指定に関しての基準がございます。それは全国の雪の観測所でございますね、これが全国で、いま正確な数字は覚えていませんが、たしか九十三個所かと記憶しておりますが、これの過去の積雪量の最大深、こういうものを参考にいたしまして、たしかそれの累年平均を基準にして、私どものほうでは警戒体制とか、あるいは救済体制に入るような措置をとっております。いま先生の御指摘豪雪そのものというような定義は、私どものほうにはございません。  以上であります。
  88. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 その次、豪雪地帯対策特別措置法というのが経済企画庁にあるが……。
  89. 帯猛

    ○帯説明員 豪雪地帯対策特別措置法による豪雪地帯の指定ということがありますが、そこに言う豪雪地帯といいますのは、累年平均積雪積算値が五千センチメートル日以上の地域ということになっておりまして、豪雪そのものではなくて、豪雪地帯の定義をやっております。
  90. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 特に農林省。
  91. 太田康二

    ○太田説明員 御承知のとおり、私のほうで天災融資法の中に、天災として豪雪が当然入るわけでございます。天災融資法は、これは先生は御承知だろうと思いますが、要するに農作物に被害があって、それが国民経済に与える影響が重大であると認めて政令で指定するもので、現在財政当局との間では、一応その基準といたしまして、農作物被害が三十億出た場合に天災融資法を発動する。もちろん高潮とか突風とかひょう害のように、広がりはなくても、地域的に、場所的に限定されていましても、被害の程度の深度の深いものにつきましては、十億円でも発動するということに取りきめておるわけでございまして、いま申し上げたような基準で法律の運用をいたしておるということでございます。
  92. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 そういうわけで、これは災害とは関係ありませんけれども災害防止するための、あるいはそういう地帯の救済をするためのいろいろな法律で、それぞれその積雪豪雪という基準がみんな違っているわけです。そういうこととも関連がありますけれども、せっかく基本法に豪雪というのがあるのだから、このめどというものはどうしたらいいか、こういうようなことをぜひひとつ研究をしていただきたい。そうでなければ、ここでうたっても、どうも意味がないように考えます。僻地の中で人が隔離されてしまって、自衛隊のヘリコプターでも頼もうといったって、災害という立場から頼むのとそうでないものと違うだろうし、市町村道であろうと、一カ月も途絶してしまうのを何らかの方法を講じなければならない、こういうことになれば、災害という立場でやるのとそうでないのとではだいぶ違う。こういうように考えますから、災害基本法における豪雪、こういうものについてのめどというものをどうしたらいいだろうか、こういう研究をひとつ続けていただくことをお願いして次に進みたいと思います。  自治省にお尋ねします。たしかこの前の委員会かと思いましたけれども、ことしの新潟とか福島で起こった豪雪に対して、特交では二月末交付することになっておるので、これは来年のときに特交で考えましょう、こういう御答弁をいただいたように考えています。これは何とか議長が答えて、議事録にあると思いますが、特交はその年度限りではなくて、一月十五日現在か何かで申請させて、一月十五日までの分だ、こう言っていました。それで二月末でもってやってしまうから、ことしの雪の分は計算に入ってないから来年度の特交で見ます、こう言っておったと思います。それじゃどういうふうにしておるか。ことしの特交はもう交付しちゃったでしょう。雪はその計算のときにはまだなかった、こういうことだと思います。
  93. 首藤堯

    ○首藤説明員 ことしの特交は、御指摘のように二月の末日に交付をいたしました。二月末日に交付をいたしました時期では、その時期までに豪雪がございましたので、四十二年度除雪関係の経費といたしまして、二十億七千万の特別交付税を配分交付をいたしました。ただいま御指摘の点の四十二年度の分はそのような状況で交付をいたしましたので、時期的な問題といたしましては、大体二月の半ばころまででございます。二月十五日ごろまでの状況が基準になる、そういうことでございます。したがいまして、それ以降の降雪等によりまして除雪費がたくさん要ることになりますれば、四十三年度の特別交付税の場合に考慮いたしたい、こう考えております。
  94. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 だから二月中旬か二月二十日ごろで締め切ってしまった。——何か補足がありますか。
  95. 首藤堯

    ○首藤説明員 除雪費につきましては、いま申し上げましたように、二月の中旬、半ばころまでの状況、これは二月の特交に間に合いましたので、各県から状況を聴取をいたしまして、除雪費については見てございます。ただ、その雪によりまして、先ほど申し上げましたように災害が起こります場合、これは被害額がまだわかりませんので、四十三年度に当然なるのでございます。雪による災害が起こった場合、融雪災害とか、家屋の倒壊とか、そういうものが起こりました分につきましては、四十三年度に持ち越しになるわけです。除雪につきましては、二月中旬の状況で配分をしてございます。
  96. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 そうすると二月中何なら二月中旬までの除雪費等は、これは特交で見て、ことしのうちに処置した。わかりました。そうすると、二月末の雪については、これは来年度で見るということですか。
  97. 首藤堯

    ○首藤説明員 そのとおりでございます。
  98. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 そうすると、昭和四十二年度のを四十三年の交付税で見る制度は、道が開かれておるわけですね、この法律だか省令だか何か知らないけれども。この前のときは明確にそういう答弁をされたから、ちょっとひっかかったが、いいわけですね。四十二年度の二月か三月ころの特交を配付しなければならないような特別な事情が生じたこいつを、四十三年度、来年度の特交の計算の中にはそういうものは過年度にさかのぼって計算ができるように、省令だか法律だか何かで道ができるようになっていますね。
  99. 首藤堯

    ○首藤説明員 省令におきましては、「除雪に要する経費が多額であること。」こういう規定でございます。したがいまして、大体の災害に関します扱いは、特別交付税を配分します時期において判明をしますと申しますか、私ども調査をし得ます限度の時点を一応締め切り時点にいたしまして処置をいたしております。したがいまして、その後ありました経費につきましても、特別交付税は一般的な一般財源の不足に対する補てんでございますから、要素の中に入れて考え得るもの、このように考え、処置をいたしております。
  100. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 もっと端的に、二月二十八日に降った雪で、うんと除雪費がかかった。交付税は、特交はそのときもう交付してしまった。そいつは四十三年度の計算の中に入れていただけるようになるか。法律的になるかならないか。イエスかノーか、ひとつ聞かしてもらえばいいのです。
  101. 首藤堯

    ○首藤説明員 四十三年度に入ります。
  102. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 それはどうやったらできますか。四十三年度の特別交付税の何か省令を出すときに、過年度除雪も入れますといって書かなければできませんね。こういうことを質問するのは、去年の自治省令においては、地方団体に対して交付すべき昭和四十一年度分の特別交付税の額の算定に関する省令、これは除雪とか、融雪とかはうたっていないのです。年々歳々、そういう文句はうたわれていないのです。ところが、きょう自治省からもらってきた四十二年度分の特別交付税の額の算定に関する省令、こういうのの中には除雪に要する経費が多額である、こういうことで、四十二年度については除雪について見ます、こうなっているんだけれども、今度は四十三年度については除雪で見るか見ないか、ということは、四十三年度の特別交付税の省令が出るときになってみなければわからないんだ。しかもそれを過年度にさかのぼっても見るんだということをうたわなければ補償ができない、こういうふうに私は理解できるのですが、私の理解に間違いがありますか、ないか。
  103. 首藤堯

    ○首藤説明員 除雪に要ります経費は、御案内のように、平年度分相当分は普通交付税で算定をいたしておるわけでございます。したがいまして、特別交付税で配分をいたしますときには、当該府県等におきまして普通交付税で算定した除雪費よりもうんと経費がかかった、こういう事態が特別交付税の算定の基礎になるわけでございます。四十二年度は雪がありまして除雪費がかなり多額にかかりまして、四十二年度に算定をいたしました普通交付税の除雪経費よりよけいかかった。このように判断をいたしましたので、二月十五日現在でございますか、その時点における除雪費の支出状況を勘案いたしまして省令に記載をし、かつ配分をいたしたわけでございます。したがいまして、明年度も二月末日あるいは三月中に雪が降って非常に経費が要れば、これは特別交付税の要素になるわけでございますから、その所要の額が普通交付税の交付額に比べてそれほどべらぼうに多額ではない、こういうふうな場合には、おっしゃるようなことになる可能性があるわけでございます。
  104. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 私の言っていることを理解していない。ことしの交付税のことですよ。それは二月初めまでの計算をしてやりました、確かに言っているじゃないかと思います。ところが雪が二月二十九日か三月一日に降った。ことしですよ。それを来年の交付税へ回しますとこの前の委員会で言われたし、いま言われたので、おそくとも来年の交付税のときには、省令をそうつくってもらわない限りはできないのじゃないか。私はそう言っている。たとえば新潟に行ってみれば、ことしの三月の初めに降った雪は、一メートル当たり三千円も高田市なんか除雪費がかかりましたと言っているわけです。それを見る費用が何もないわけです。それだったら、来年見ますというならば間違いなく見る費用が含まれておるかと聞いておるのです。それがわからないのです。だから来年度昭和四十三年度の特別交付税のこの省令を出す際に、除雪も特別交付税として出しますということを一項目書いてもらって、四十二年度の末、三月一日ごろ降ったやつ、四十二年度の過年度除雪までそれに含めますというふうに書いてもらわない限り、国会で幾ら出すと言っても出る道が開かれていないじゃないか。私はこういうことを言っているわけです。だから、私の言うように、昭和四十三年度の省令を出すときには、また除雪という項目を入れてくれるか。そうしてしかもそれは四十二年度分の三月一日ごろ降ったものまで入れると書いてくれるか、こう言っておるわけです。
  105. 首藤堯

    ○首藤説明員 除雪の項目は特別交付税の交付の要素になるわけでございます。たぶんこれは省令におきましても除雪に要する経費という項目は設定されることになろうと思います。いま申し上げましたことは、たまたまごく特殊の例でございますけれども、三月ごろに降りました雪によって一定の額が要った。ところが四十三年度中は雪が降らずに一文も要らなかったということに相なりますと、四十三年度の基準財政需要額に算入いたしました平常ベースの除雪費が余りが出てくることになるわけでございますから、その場合には特別交付税の交付は必要がない、こういうことに相なると思います。
  106. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 四十三年度の分は四十三年度の分で、そっちで決算をいたしましょう。私の言っておるのは、ブランクになっているところがあるんです。ことしですよ。四十二年三月一日から三月三十一日までの間に豪雪があった。高田市あたりは二月末に事実あったのだから。これに対しては、ことしはすでに配ってしまって、ことしの中には入りません、来年入ると国会でたびたび言っているわけです。この前の委員会でもそう聞きました。きょうも再三言われたと思います。だから、来年入れるからには、省令のところに四十二年三月一日ごろの多額にかかった除雪費も特交の中に入れます、こう書いてもらわない限りは、来年に保証されないと言っているのです。これは事務的なことなんですよ。ところがどうもそうでない。来年度、四十三年の四月一日から四十四年の三月三十一日までの間に雪でも降らなければ、来年の省令には除雪に関する費用を特交の中に書いてもらえないのです。書いてもらえなかったら、ましてや過年度のものなんかもらえないことになる。そうすると国会でうそを言っていることになるのです。こういう例で、ちょっと言い過ぎちゃってよくわからないかもしれないが、一つの例を言えば三月一日、高田ではものすごく雪が降って、一メートル三千円もかかっているのです。それは特交の対象になりません。高田市から来れば、そんなものは災害対象に入っていない、おまえたち何を言うかと言って、しかり飛ばされて帰されちゃった。国会では、私、この前に聞いたときも、先ほどの御答弁にもありますように、来年度の特交で処置いたします、こういうように、この前の災害対策特別委員会で、何課長か知りませんが、御答弁をいただいた記憶がある。ところがよく調べてみますと、来年処置いたしますという道はどういうようにして開かれますか。私が納得するように説明してみていただきたいわけです。三月一日に降った豪雪ですよ。
  107. 首藤堯

    ○首藤説明員 先ほど御答弁申し上げたとおりでございまして、処置をいたします。四十一年度豪雪につきましても、四十一年度の二、三月に降りました雪につきましては、これは新潟にいたしましても、御指摘のように需要が起こったわけでございます。したがいまして、四十二年度の特別交付税の配分をいたします際に、四十二年度で計算いたしました特別交付税の額に、当該額を増額してございます。
  108. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 過年度のも入れてあるわけですね。
  109. 首藤堯

    ○首藤説明員 入れてあります。
  110. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 特交の積雪除雪の計算のしかたを教えてください。
  111. 首藤堯

    ○首藤説明員 除雪費の計算につきましては、ただいま申し上げましたように、基礎にいたしております基準は、普通交付税で除雪関係の経費を算定をいたしておるのでございますが、それに比べて経費がよけいに要るということでございますので、普通交付税の算入額を一定の割合で割り増しをする、こういうことで県下の総額を算定する方式をとっております。
  112. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 普通交付税の中で、除雪はどういうように見ていますか。
  113. 首藤堯

    ○首藤説明員 普通交付税の関係では、御案内のように、寒冷補正という補正係数があるわけでありますが、この中に、寒冷度と積雪度と、二つに分けられた補正があるのは御案内のとおりであります。その積雪度によりますものが、昭和四十二年度でございますと、補正の結果、県で四十二億、市町村で五十三億、これは道路だけではございません、建物そのほかも含みますが、合計約九十五億円が積雪度によります補正として需要額であらわれております。
  114. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 積雪度に応じて補正をする場合に、公共の建物か何かの上の雪しか想定していないわけでしょう。私の頭にあるのは、一つのことばかりで申しわけないが、市町村道であれだけ一メートル三千円もの金をかけてやったのについて、交付の方式がわからないものだから、来年もらえるかどうかわからないという心配があったが、どうやらいいというから、私は来年官報が出るまで待ってみます。だからそれは過年度の分までちゃんと計算の中に入っていますかと聞いているけれども、あいまいなんです。しかも一般寒冷補正の中には道路の分の除雪なんか入っていない。公共の建物の上の雪を取り除くようなものしか、その経費の中に入っていないわけです。積雪があまりにも見られていないものだから言っているのです。
  115. 首藤堯

    ○首藤説明員 道路に関します積雪除雪の関係も見てございます。総額といたしましては、四十二年度では、これは道路の面積というものを数値にいたして積算するものでございますが、県道におきましては十億二千三百万、市町村道では十二億九千二百万、これだけのものが見てございます。
  116. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 それは積雪を基準にして道路を見てありますか。
  117. 首藤堯

    ○首藤説明員 そのとおりです。
  118. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 それでは、計算の方法について、まだ私、納得のいかない点がありますので、時間がありませんから、あとで機会を見てさらに質問したいと思います。  私ばかりあまり時間をとってもいけないので、きょうはこれで質問をやめたいと思いますが、冒頭からひとつおさらいすると、副長官も聞いておいていただきたいが、第一には、学校とか公共施設除雪に関する特別措置法、これが有名無実な法律なので政令の改定について御検討をしていただく、こういうことになりましたので、研究をしてもらう。  第二は、災害基本法の豪雪のめどがないので、せっかく基本法にうたわれたけれども、現在は生かされていないから、この適用する基準について研究をしてみてもらう。これは被害があったかないかで、なかなかむずかしい問題だと思うから研究していただく。  もう一つは、特交について、みな特交で逃げているようなんだけれども、来年の特交の交付のときに、昭和四十二年の三月一日前後にたくさんかかったものについては見られる道がないようで、まだ私、どうも納得できませんから、これは後ほどひとつ機会を見てさらに質問をしたい。こういうことでもって私の質問を終わらしていただきます。  たいへん長い間ありがとうございました。     —————————————
  119. 芳賀貢

    芳賀委員長 質疑の途中でありますが、この際、昭和四十三年度における災害関係予算の概要及び同年度災害復旧事業計画につきまして、政府当局から説明を聴取いたします。八木総理府総務副長官。
  120. 八木徹雄

    ○八木政府委員 昭和四十三年度における防災関係の予算の概要について簡単に御説明を申し上げます。詳しい内容につきましては、お手元に配付しております資料によりまして御承知いただきたいと思いますが、また同時に関係各省が参っておりますので、引き続いて詳細の点は御報告願いたいと思います。  防災に関しまして必要な一般的行政指導等は、関係省庁が常に行なうものでありますが、特に災害が発生した場合には、実情に応じまして、迅速かつ適切な対策を講ずることにいたしておりまして、このために必要な経費は、既定予算の流用あるいは予備費の支出等適宜な処置を講じたいと考えておる次第でございます。  以下予算の大要について申し上げます。  まず科学技術の研究についてでありますが、防災科学技術の研究は、引き続き関係省庁研究機関の強化、充実をはかるとともに、地震、地すべり、冷害、産業災害等の防止のための研究及び各種構造物の安全性等に関する研究を推進することとしまして、総額二十二億三千万円の予算措置を講じております。  次に、災害予防につきましては、災害予防に関する教育訓練を、関係各省庁が引き続き実施することとし、防災施設及び設備につきましても、気象の観測、通信、運輸、防火、水防等について整備充実をはかるとともに、災害防止するための指導につとめることといたしまして、総額五百四十七億三千七百万円の予算を計上しております。  さらに国土保全につきましては、国土保全が防災の基本であることにかんがみ、東京、大阪等の重要地帯、台風常襲地帯、砂防・地すべり地域、主要海岸、地域開発等で急速に発展する地域等における災害の防除に重点を置き、治山治水、海岸保全、農地防災等各種事業の推進と事業内容の充実をはかることとし、総額二千五十五億八千万円を用意しております。  災害が発生した場合におきましては、迅速かつ適切な救助活動が実施されるよう、関係機関との協力体制を確立し、災害の実情に応じた必要な応急対策を講ずることといたしておりまして、総額三億四千万円の予算を計上しておりますが、このほか必要に応じまして、既定予算の流用、予備費の支出等適宜の措置を講じてまいりたいと考えております。  最後に、災害復旧でございますが、昭和四十年から昭和四十二年までに発生した災害のうち、激甚なものについては、激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律に基づいて、特別の財政援助または助成を行なうとともに、昭和四十年災害の復旧事業はこれを完了させ、昭和四十一年災害及び四十二年災害は、直轄事業については、北海道の一部の事業を除いてほぼ完了させ、補助事業についても工事の進捗をはかってまいりたいと考えております。なお災害融資等必要な金融措置も講じ、復旧資金等の円滑化をはかり、災害復旧の推進に努力してまいりたいと考えておりまして、総額一千八百五十七億三百万円を計上しております。  以上、昭和四十三年度における防災予算の概要について御説明申し上げたのでありますが、もとより災害の予防に重点を置きまして、その総合的対策を講ずるとともに、災害が発生した場合にも、迅速かつ適切な応急対策をとりつつ、災害の復旧に万全を期してまいりたい所存でございます。
  121. 芳賀貢

    芳賀委員長 次に、大河原農林省予算課長
  122. 大河原太一郎

    ○大河原政府委員 農林関係の四十三年度におきます防災関係の予算を御説明申し上げます。  お手元資料に基づきまして申し上げますと、一ページの中ごろにありますように、千二百九十五億一千八百万円、これは前年が千四十八億五千万円でありますので、二三・五%の増となっております。  以下、内容を申し上げます。  二ページをあけていただきますと、科学技術の研究といたしまして一億五百万円、これは水稲、果樹その他の冷害、凍霜害の防止研究あるいは耐冷性品種の育成等に関する経費五千二百五十万円、その他土壌の侵食防止、地すべり防止等農業用施設の保全に関する経費三千三百万円、治山技術の確立に関する経費及び森林の気象災害その他の防止に関する経費千三百万円等を合わせまして一億五百万円でございます。  次に、三ページをあけていただきまして、災害予防関係でございますが、これにつきましては、漁船に関します機関検査技術員の設置とか、あるいは事故防止の講習会とか、あるいは小型漁船の安全基準の設定のための調査費等四千五百万円、森林国営保険におきます巡視員、望楼、携帯無線機等の経費二千万円、あるいは、食管特別会計におきまして二百二十五万食分を災害対策用に例年備蓄しておりますが、この関係の経費、あるいは災害応急対策用のソバ等雑穀種子の予備貯蔵の経費。なお、経費として計上してございませんが、国有林野特別会計におきましても、応急の仮設用住宅復旧用材として五万立米を備蓄してございます。  次に、五ページをあけていただきまして、国土保全関係の経費でございます。  まず、治山事業でございまして、一般会計分百九十二億九千八百万円、国有林七十七億二千二百万円、合わせまして二百七十億二千万円の治山事業。これは現行治山計画を前提として計上しておりますが、最近における災害の多発、国土開発の伸展等を考慮いたしまして、現在治山五カ年計画の改定を準備中でございまして、今国会におきまして治山治水緊急措置法の改正を提案する予定でございます。  次に、森林法に基づきます保安林整備管理事業一億九千万円、海岸法に基づきます農地及び漁港の海岸保全事業四十億三千四百万円、防災ダム、老朽ため池、その他農地防災事業につきまして九十三億三千二百万円、それから、地すべり防止法に基づきます農地及び林地に関します対策事業といたしまして二十七億九千百万円、農地、林地及び漁港の災害関連事業といたしまして九億四千六百万円をそれぞれ計上いたしまして、事業の効率的、重点的な施行につとめることといたしております。  最後に、六ページをあけていただきますと、農林省関係の災害復旧関係の経費が載っております。合計八百五十億一千九百万円でございますが、まず大宗をなします一般会計計上の農地、農業用施設、海岸保全施設、治山施設、林道、漁港等に関します災害復旧事業費といたしまして二百九十四億二千百万円を計上しております。この計上によりまして、四十年災は一〇〇%、四十一年災は八八%、四十二年災は七二%の復旧進度を確保できることになります。なお、そのほか残事業量の二分の一程度につきましては、別途国庫債務負担行為を今回の予算に計上しておるわけでございます。  次に、融資関係でございますが、これにつきましては、天災融資法に基づきます災害融資といたしまして利子補給金及び損失補償金として十八億百万円、それから特殊な話でございますが、開拓者資金融通特別会計の災害対策用資金として一億円、さらに農林漁業金融公庫におきまして、農地等の施設災害として六十億円、自作農維持資金として百二十三億円、合わせて百八十三億円の経費を予定しております。  最後に各種保険関係の経費でございますが、農業災害補償関係の経費といたしまして四百三十二億四千七百万円、林野につきましては、森林国営保険といたしまして十八億千八百万円、それから漁業につきましては、漁業災害補償制度の関係の経費といたしまして七億五千五百万円、漁船損害補償関係の経費といたしまして七十八億六千百万円を計上しております。  以上でございます。
  123. 芳賀貢

  124. 多治見高雄

    ○多治見説明員 建設省関係昭和四十三年度防災関係予算の概要を御説明申し上げます。  お手元に配付申し上げております資料の三ページでございますが、最初に科学技術関係の経費でございます。建設省といたしましては、防災関係の科学技術関係予算といたしまして、ここにございます八千二百万円、それによりまして研究いたします技術は、建設省に付属いたしております土木研究所、建築研究所及び国土地理院におきましてそれぞれ防災関係の科学技術を研究しているわけでございますが、その経費といたしまして、来年度土木研究所に四千万円、建築研究所に二千五百万円、国土地理院に一千七百万円、合計八千二百万円の予算を計上しております。  次に、災害予防の関係でございますが、資料の五ページにございますが、建設省の災害予防関係予算としましては、百二十五億八千三百万円でございまして、これによりまして、主として道路関係の除雪、防雪、凍雪害防止あるいは除雪機械の整備、道路の崩壊防止等の工事を行なう経費が主体でございますが、この経費といたしまして百二十一億二百万円、そのほか河川関係の水防用無線あるいは水防倉庫の整備等災害予防の経費といたしまして九千一百万円、それから住宅局関係といたしまして防災街区の整備を行なうための予算といたしまして三億九千万円、合計百二十五億八千三百万円の災害予防関係の予算を計上してございます。  次に、国土保全関係の予算でございます。資料の六ページにございますが、建設省関係といたしましては千五百三十六億六千五百万円、この内訳は河川の改修事業といたしまして八百三十億四千七百万円、これによりまして重要な河川の改修及び災害の頻発する河川の改修事業を行なうことにしております。そのほかダム事業といたしましては二百六十二億六千五百万円、これによりまして各地の防災関係のダムをつくることにいたしております。また砂防事業といたしましては二百九十八億六千万円を計上しておりまして、これによりまして重要水系の上流の砂防事業、さらに地すべり、急傾斜地等に対する対策を講ずることにいたしております。以上が国土保全関係の予算千五百三十六億六千五百万円の内訳でございます。  次に、災害復旧でございますが、資料の七ページにございます。建設省関係といたしましては五百二十八億四百万円でございますが、その内訳といたしましては、それぞれ河川、海岸、砂防、道路、都市、住宅等の災害復旧事業を実施するわけでございまして、内訳を申し上げますと、直轄の災害復旧事業といたしまして四十八億六千四百万円、地方公共団体が行ないます災害復旧事業に対します補助といたしまして四百七十八億一千一百万円、都市関係の施設の復旧事業といたしまして八千六百万円、災害公営住宅の建設に要する費用といたしまして四千三百万円という内訳になっております。  このほか、そこにございますように、建設省に計上してございませんが、住宅金融公庫に災害復興住宅の融資といたしまして十億円を計上いたしまして、災害の際の応急復興住宅の建設に融資をするということにいたしております。  以上でございます。
  125. 芳賀貢

    芳賀委員長 内村運輸省官房参事官
  126. 内村信行

    ○内村説明員 運輸省関係の御説明を申し上げます。  お手元資料の二ページから始まりますが、まず科学技術の研究関係でございます。これにつきましては、運輸省といたしまして四千万円を計上しております。そのおもなものは、たとえば係船施設等港湾構造物、こういうものの強度を測定いたします。あるいは現地実験であるとかあるいは模型実験をやるとか、そういうふうなことによりまして、その耐震設計方法の確立をするための研究を行ないます。それからまた、港湾とか海岸保全施設、こういったものの合理的な建設をいたしますために、沿岸の波浪の特性、これは発生原因であるとかあるいは立地条件とか、そういったものから特性を明らかにする、そういうものを研究いたします。これがおもな内容でございます。  その次に、海上保安庁におきましては千四百万を計上いたしております。これは、地震予知の基礎資料を得るために、地震多発地帯における地磁気でありますとかあるいは重力でありますとか、そういった面の精密測定をいたすものであります。それからさらに、海難防止のために、洋上波浪の実態の測定をするために、そういったものの計器の開発に関する研究を行ないます。これが内容でございます。  それから次に、気象庁におきましては、気象とか地象、水象、こういったものの観測技術を高度化するための研究を行ないますとともに、たとえばレーダーによる気象観測でありますとか、そういったような研究を行ないまして、台風であるとか集中豪雨、地震、そういったものに備えまして、そういうような気象の解明をはかる、あるいは予知の精度を高めるための研究をいたしたいと思っております。  次に、災害予防でございますけれども、四ページへまいりまして、八億八千九百万、これを運輸省で計画しております。これはたとえばタンクローリーのようなものでございますが、そういった危険物を運送する事業者に対しまして監査を行なうとか、運行管理者の勉強会をやるとかということでこういった災害防止したい、こういうことでございます。  次に、豪雪地帯における地方鉄道、軌道の雪害防止のために防除雪施設設備の整備をいたすものであります。それから、航空事故災害、こういったものを予防いたしますため、航空路管制施設及び航空保安施設というものを整備いたします。それから、空港における消火体制であるとかあるいは除雪体制の強化、こういったことがおもな内容でございます。  次に、海上保安庁といたしましては三十四億二百万を計上いたしております。この内容は、航路標識の整備とか巡視船艇であるとか、そういった海上保安関係の体制の整備をはかることがおもな内容でございます。その中で、特に今度目新らしいことといたしまして、いわゆるタンカー火災等に備えまして化学消防船の建造、これが入っておりますことが特に目につくところと存じます。  次に、気象庁におきましては四十一億六千九百万円を計上いたしておりますが、これは予報精度の向上をはかるための諸般の措置をとる、あるいは台風、雪害、地震、そういった災害防止のための観測施設を整備するということが内容でございまして、そのためにいろいろな通信施設とか気象ロケット観測業務、あるいはレーダー、そういったものの観測網の整備をしてまいる。さらに航空気象業務あるいは農業気象業務の整備強化をはかりまして、こういった災害防止したいということであります。  なお、ついでに日本国有鉄道について申し上げますと、百九億九千三百万円を計上いたしております。この内容は、橋梁等の改良であるとか、降雪多量地域における防除雪設備の整備、あるいは主要幹線における水害、地すべり等の防止対策、あるいは老朽隧道の改修等がそのおもな内容となっております。  次に、国土保全のほうにまいりまして、これは五ページになりますが、六十一億七千万円を計上いたしております。そのおもな内容は高潮対策等のために海岸保全事業を行なう。あるいは新潟の地盤沈下対策事業でありますとか、あるいは海岸保全施設というものの計画的な策定、あるいは建設技術の合理化に資するために海岸保全施設につきましての機能効果を調査するとともに、また、港湾設備につきましては災害復旧事業と関連いたしまして、さらに改良増強の工事を行なうということがそのおもな内容でございます。  次に、最後の七ページにまいりまして、災害復旧の分でございますけれども、これは港湾施設災害復旧事業といたしまして、直轄工事あるいは補助事業を含めまして十五億百万円を計上しております。  以上でございますが、運輸省といたしましては、海上保安庁、気象庁を含めまして百六十三億三千百万円、国鉄は百九億九千三百万円、こういうことになっております。  以上であります。
  127. 芳賀貢

    芳賀委員長 菅野文部省教育施設部長
  128. 菅野誠

    ○菅野説明員 文部省関係の予算を概略御説明申し上げます。  第一ページにありますように、文部省関係では八億七千七百万円、それから文化財保護委員会関係で九億一千百万円の予算を計上してございます。  内容といたしましては、二ページの科学技術の研究関係におきましては六億二千九百万円、その内容といたしましては地震予知研究計画の推進のための観測所等の新設及び施設設備の整備、地すべり、雪害、流氷等に関する観測所の新設及び施設設備の整備、科学技術研究費補助金の交付がその内容となっております。  次に、災害予防関係につきましては、三ページの下段のほうでございますが、文部省関係で一億一千八百万円、内容といたしましては、学校の防災の指導、国立学校施設の防火施設の整備、それから文化財保護委員会におきまして九億一千百万円、これは指定文化財の防火施設設備等の整備を計上しております。  最後に、災害復旧に関しましては、六ページの後段のほうでありますが、一億三千万円、国立学校及び公立学校施設災害復旧事業、私立学校振興会の災害融資でございまして、融資額は六千万円、左の欄にカッコして書いてありますのが融資額でございます。  以上でございます。
  129. 芳賀貢

    芳賀委員長 大和田厚生省施設課長
  130. 大和田潔

    ○大和田説明員 厚生省関係の概要を御説明申し上げます。  まず第一ページにございますように、厚生省関係では災害予防関係が三百万、災害応急関係が一億三千万円でございます。この内訳につきましては、まず三ページでございます。災害予防関係、この三百万円につきましては、日赤法三十三条の規定によって日赤が災害予防のための機械、施設を整備いたします際に補助金を出す規定がございますが、この補助金でございます。内容は、救急車それから医きゅう、これは大きな救急箱でございます。それから、ろ水器の整備でございます。  次に、六ページでありますが、災害応急対策といたしまして一億三千万計上されております。これは災害復旧費補助金でございまして、災害救助法が適用されました際に都道府県が支弁をいたしましたものに対しまして補助をいたします。これは収入見込み額に対しまするところの支弁した費用の額によりまして百分の五十から百分の九十まで補てんいたすことになるわけでございますが、そのための費用であります。  以上であります。
  131. 芳賀貢

  132. 梅澤邦臣

    ○梅澤政府委員 科学技術庁関係について御説明申し上げます。  二ページの九億円という欄がございます。この研究は去年に引き続きまして、局庁費を通じまして、特別研究調整費によりまして継続でいきますものが九千万円、それから緊急用でありますものに約八千万円用意しております。それから防災科学技術センターの整備がそこにありまして、その関係として四億四千九百万円がその費用となっております。なお原子力関係の安全対策、それから放射線の障害、これにつきましては去年に引き続きまして約二億八千万円の予算を組んでおります。  それから災害予防につきましては、去年に続きまして、放射能の一般環境の調査、それから原子力施設の安全調査並びに放射能の監視、それからなお防災に関しまする地盤沈下、それから河川の変遷機構、こういうものについて一般方策を出します調査をなお進めていきたい、これが六百万円でございます。  以上が科学技術庁関係でございます。
  133. 芳賀貢

  134. 山本弘

    ○山本(弘)政府委員 消防庁関係の防災関係予算の概要を御説明申し上げます。  資料の一ページの一番下の消防庁関係でございますが、科学技術関係には四千九百万円、災害予防関係には十四億七千八百万円、計十五億二千七百万円となっております。  科学技術関係につきましては三ページの中ほどでございますが、四千九百万円でございまして、主として消防研究所において研究をしておるものでございます。そのおもな点について申し上げますと、現在の熱の火災の感知以外に煙あるいは光を利用する感知方式の開発あるいはあわ消火剤等の消火効果の研究あるいは火災消火活動におけるところの火源を探知するための機械の開発、またコンビナート地帯あるいは大震火災に備えまして航空機による消火法の研究あるいは最近の種々なる化学薬品の開発の結果、これは薬品の爆発燃焼試験等を行ないます。あるいは高層建築物、地下街等の火災の実態にかんがみまして、消火活動におけるところの排煙方策の研究をやっておる次第でございます。  次に、災害予防でございますが、資料の五ページの中ほどにございます。消防庁十四億七千八百万円としてありますが、おもなものについて申し上げますと、まず一般国民あるいは消防職団員に対する教養と申しますか、そういった教育訓練に関する事項が三千八百万円でございます。その次、二といたしまして、市町村の設備いたしますところの消防施設、消防ポンプ自動車あるいは消防電話あるいは消防水利あるいは化学消防車その他はしごつきポンプ自動車等、あるいは消防艇、ヘリコプター等の一連の化学消防施設に対する補助金でございます。その他市町村消防を指導するための基本的な事項に対する基準の研究とかあるいは市町村の火災危険度を診断いたすための都市等級化に要する費用等を計上してございます。  はなはだ簡単でございますが、消防庁関係を終わります。
  135. 芳賀貢

    芳賀委員長 以上で説明は終わりました。
  136. 芳賀貢

    芳賀委員長 質疑を続行いたします。米田東吾君。
  137. 米田東吾

    米田委員 総理府の代表がお帰りになりました。したがいまして、災害関係全般の基本的な問題につきまして質問ができないわけであります。そこで私は冒頭に委員長理事の皆さんに御要請を申し上げたいと思いますが、先ほどの小沢委員質問で明らかになりましたように、特に災害対策の面での豪雪対策、この豪雪に対する政治的、法律的対策というものが全く不十分であります。はっきり言えば、政治的にもこの問題は非常に軽視をされていると私は思う。そうであるから法律的にその災害の基準なりあるいはいろいろな手当てというものがあいまいであり、不十分である。ですから、豪雪地帯の住民から見ますと、まるで踏んだりけったりだと私は思う。こういう状態で、災害基本法の中にどんな「豪雪」という字句がありましょうとも、私は豪雪地帯の国民大衆というものは今後も被害の中に結局泣き寝入りするだけではないかと思うわけでありまして、これにつきましては幸いに先ほどの御質問で、法律の不備の点や各省にまたがって統一を要する問題等についてやや明らかになった点もありますので、早急に私はそういう点について体制を整えていただきますように、これは委員長それから各理事の皆さんにもお願いをしたいと思います。  特に私が指摘をしたいのは、豪雪災害としての基準のとり方が各省みなまちまちである。一番はっきりしておるのが、しいて言えば文部省の、さっきから問題になっておりました豪雪に際して地方公共団体が行なう公共の施設除雪事業に要する費用の補助に関する特別措置法、これに基づく政令、それから閣議了解、ここらあたりで、やや妥当を欠きますけれども、たとえば被害地の除雪費においては平年の除雪費の倍だ、あるいは閣議了解では一・三倍だ、そういうふうにある程度の数字的な基準は出ていますが、その他はほとんど数字的にも法律的にもあいまいである。これはぜひ法制の面で各省統一をしてもらう必要もあろうかと思いますし、ことに基準については、私はきわめて実情を知っておらないと思いますので、十分研究をしていただきまして、豪雪による災害地の皆さんがこれ以上、豪雪の名において苦しまないようにひとつ御配慮をいただきたいと思うわけであります。  それから政治的な感覚が不十分だということは、豪雪地帯というものを知らないからである。今度の二月豪雪あるいは三十八年の豪雪においてもそうでありましたが、日本の政治を動かしておられる政治家の皆さんはほとんど豪雪地帯を知らないし、来ないわけです。そして雪が消えるころになって来てみて、これはたいへんだ、こういうことで、もちろん豪雪に対する認識もありませんし、ましてや政治的にこれを解決する、補うという感覚はほとんど持ち合わせておられないじゃないかという見方を私はしているわけでありますから、今後そういう点につきましても特別委員会でひとつ十分取り上げていただきまして、もっと政治的な面でもこの豪雪対策に万全を期することができるように、これも委員長からひとつ御配慮を願いたいと思うわけであります。それを冒頭に御要請を申し上げておきます。  防衛庁関係の方が急いでおられるようでありますから、防衛庁に関しまして若干御質問申し上げます。  豪雪災害等に際しまして、自衛隊が災害救助あるいはそれに類する名目で出動されあるいは行動を起こされて、いろいろ災害救助の活動をされることになっていると思うのであります。私は自衛隊法の詳しいことはわかりませんけれども、どういう基準があって現在までどういう行動や出動をされておるか、雪の面についてひとつ御説明をいただきたいと思います。
  138. 今泉正隆

    ○今泉説明員 お答えいたします。  自衛隊法ではこういった場合に、いわゆる災害派遣として自衛隊の部隊を出動させるわけでありますが、災害派遣は自衛隊法八十三条の規定によりまして、人命または財産の保護のために救援活動をするというのが法律の規定でございます。この規定を厳格に狭く解しますと、たとえば雪害については、雪害のために家が倒壊しておる、それを復旧する、あるいは雪害のために急病人が病院へ行けない、それをたとえばヘリコプターで運搬をするというようなことが典型的な災害派遣になります。ただ、災害派遣の規定は一面また民生協力的な意味をも含んでおります。そこで、雪害につきまして、それが直接人命あるいは財産の保護ということになじまない場合におきましても、たとえば除雪をする、あるいは除雪できないような場合には戦車や雪上車、重い車両を使いまして、いわゆる地固めをするというようなことも自衛隊法第八十三条の目的精神からして許される行為であると存じまして、そういった活動をいたしております。今回の新潟県におきます雪害につきまして、自衛隊は高田にあります第二連隊、第一〇七施設大隊、それから新発田にあります第三〇連隊を待機させて災害派遣の準備をいたしましたが、現実に出動いたしましたのは二月六日から十三日までの間、これは高田の第二連隊でありますが、雪上車十三両を使いまして、高田−松代の間の地固めを行ないました。そのほか、昨年十月に配備いたしました新潟救難隊の救難ヘリコプターを使いまして、二月十五日に重病人の空輸を一回行ないました。また二月二十七日に、山古志村が孤立しておりまして、山古志村へ長岡から食糧ニトンの輸送を行ないました。そのほか部隊周辺の除雪その他は、これは災害派遣ということでなくて、当然のこととして行なっております。  以上でございます。
  139. 米田東吾

    米田委員 自衛隊法第八十三条、よくわかりましたが、いまあとから説明がありました民生協力、こういう面というのは現地指揮官なり師団長なりが判断する裁量の中に入っておるのでありますか。なお、この法律によりましては、このような方法がとられておっても、実際は規定によって知事の要請とか、そういう手続き的なものは当然用意されておると思います。この民生協力というような面は、現地指揮官、連隊長や師団長にこの判断なり裁量というものはまかされておるのかどうか、お尋ねいたします。
  140. 今泉正隆

    ○今泉説明員 原則といたしましては、知事の要請——もっとも知事の要請と申しましても、現実的にはこういう雪害あるいは災害が起きますと、それぞれの連隊から災害担当の幹部を県庁、あるいは新潟県の場合でありますと高田の支所に派遣いたしまして、その県の災害対策本部の事務室の中で勤務をいたすわけでございます。そういうことで、やはり自衛隊の部隊を出しますのは、民生協力とはいいながら、実力部隊を出すことでありますから、ある面また慎重にしなくてはいけないことでありますので、一応原則としては知事の要請——その知事の要請の中には、知事さん自身民生協力的な面からの要請もなさっておるわけでございます。ただ、緊急やむを得ない場合に、知事というより知事部局との連絡ができなくて、これは当然あとから、後日要請をいただけるようなものについて、要請を待たずに出ることもございます。私が先ほど申し上げました例の高田−松代の間の地固めは、そういう要請を待つことなくて自衛隊出動をいたした例でございます。
  141. 米田東吾

    米田委員 私が承知しておるところでは、最高指揮官、これはおそらく師団長だと思います。そういうところでは、この法律の八十三条のたてまえというものを非常にかたくなに理解をされまして、なかなか応ずるという体制がないように聞いております。なるほどお説のように、私たちは出先の県の災害対策本部、あるいは特に豪雪のひどいところにはまたその災害対策本部の支所なり出張所なり現地指令部というものができるわけであります。そういうところにはやはり自衛隊のほうから係官が来ておると思いますけれども、その事務折衝の段階でなかなかスムーズにいかぬ。知事が正式に要請をする、その段階はもう事務折衝を終わって、了解がついてからであります。ところがこちらのほうは自衛隊の力を借りたい、自衛隊のほうはなかなかこの規定があるものでありますからうんと言わない。そこで一番苦労するのは折衝段階における現場の責任者、こういうふうに聞いておるわけであります。そこである程度見通しがついても、師団長のところで拒否されてしまう、そういうことを聞いておるわけでありますので、私は特にこの民生協力という面について、もっと自衛隊のほうとしても、特にこの災害等の段階においては大胆に措置されるということが必要じゃないかと思いまして御質問しているわけでありますが、そこらあたりの点はいかがでございましょう。
  142. 今泉正隆

    ○今泉説明員 お答えいたします。  確かに先生のおっしゃるとおり、特に雪害の場合に、かつて雪害で、さっき申しましたように、家が倒れるとか急病人がある場合の災害派遣は別として、いわゆる民生協力的な面について法律をかたくなに解しまして、こういった場合にはそもそも自衛隊の部隊は出動すべきでないのではないかという疑問を持った幹部もありまして、そのため昭和三十八年の一月の豪雪の際に、そういった考え方が幹部間にもありましたので、さっき申しましたように、この規定は民生協力的な面も含んでおるのだということを特に通達いたしまして、その後幹部にも認識させておるつもりであります。しかしなお先生のおっしゃるとおり、そういったことがすみずみまで行き渡っていないとすれば、今後なおそういった趣旨の徹底に私たちは努力してまいりたいと思います。  なお、出動させるかどうかの認定といいますか、裁断、これは先生のおっしゃったとおり師団長が行なう場合もありますが、こういった民生協力的な面も考えまして、現在では駐とん地部隊長、今回の、ここでいえばそれぞれの連隊長の段階で出動の可否を判断できるようにいたしております。
  143. 米田東吾

    米田委員 もう少し具体的にお聞きいたしますが、たとえばいま御説明のありましたように、高田には第二連隊と一〇七施設大隊がある。これはおそらく高田市というものはこの連隊の営住地に指定されていると思います。したがって、営住地内の出動というものは現地指揮官の判断によって自由だろうと私は思います。自由といってはちょっとことばは妥当を欠くと思いますが、豪雪なんかの場合では、営住地内においても、営住地内ということの理由によって積極的な雪害に対する協力というものはないように聞いております。たとえば自衛隊の構内は自衛隊みずから除雪をするが、構外に一歩出ればその道路が私道であったり県道であったりする。自分の構内はきれいに除雪して整理しておくけれども、それが私道だ、県道だということによって、司令官はあそこには道をつけさせない、あけさせない、こういう事例もあるようであります。この営住地の首長やあるいは住民というものは、絶えずいろいろな面で協力させられておるわけでありますから、こういうときくらいは自衛隊としては進んで除雪の任に着くことが必要じゃないかと私は思うのであります。そういうふうにむしろ、法律をどういうふうに解釈しているのかわかりませんけれども、そういう現象が出ておる。これなんかも私はやはり問題だと思う。  もう一点は、こういう災害地には、いつ人命、財産保護のための出動要請が出てくるかわからぬわけです。したがって、そのとき、出動要請あるいは出動命令が来たとき、道路があいておりませんから自衛隊が出られませんということは私は言えないと思う。そうだとすれば、除雪についての国の道や県の道や市の道、それぞれ分担がある、そこで一生懸命取り組んでおるとしても、それがなされないからといって、自衛隊に非常緊急の人命、財産等の保護のための出動命令が来たときに出ていかぬということは、私はできないと思いますから、当然そういう面からいっても、みずからの任務を遂行する立場からいって、少なくともその営住地内あるいはその周辺くらいは、自衛隊の任務として、出動準備という範疇に入るかどうかはとにかくとして、私は道をあけるということは当然とってしかるべきじゃないかと思うのであります。この解釈は間違っておるかどうか、ひとつ御答弁をいただきたいと思います。
  144. 今泉正隆

    ○今泉説明員 お答えいたします。  まず、各部隊、特に連隊が、先生のおっしゃる営住地域でございますが、現在警備区域と称しておりますが、警備区域を持っておることは事実でございまして、その間では、師団長が、特にたとえばある地で非常に災害が片寄ってありました場合に、他の部隊から増援を必要とするような場合に、若干そのために出動の制限を行なうという場合を除いては、連隊長の裁量で出動できる区域、これが警備区域でございます。  それからその部隊の構内、これはもとより災害派遣という範疇に入りませんで、当然自分の家の掃除という部類でございますが、自衛隊法の八十三条から申しましても、そういう庁舎の中、営舎の中だけでなくして、営舎の近傍に災害が発生した場合には、これはもう知事の要請とか、そういうことでなくして、自主的に防災あるいは災害排除の活動をすることができる、またしなければならぬようになっておりまして、その際、営舎の近傍が県道であるか市道であるかということは、一切関係のないことであります。その点は構内だけではなくて、一たん出動命令が下命されることに備えてやっておるというふうに私は理解しておりますが、なお先生のそういった事例がわずかでもございますれば問題でございますので、その点は十分調査をして注意してまいりたいと思います。法律的には、庁舎の近傍の災害は、知事の要請を待たずに独自の活動としてできるということであります。
  145. 米田東吾

    米田委員 私が申し上げたのは、この間衆議院の災害対策特別委員会が現地視察をされましたときに、現地の責任者と県議会の代表から具体的にそういう指摘があったわけであります。ですからこれはひとつ、あなたのほうも調査をして、そういうことがないように指導していただきたいと思います。  それから、自衛隊が本来の出動のために道路をあけるということは、いまの御答弁では当然のことだ、そういうことでございますから、それはそれなりに私も了承いたしますけれども、そこらあたりの判断はしかし実際問題としては私は非常にむずかしいところじゃないかと思う。高田なら高田、新発田なら新発田、そういうところではどこまで自分たちがみずからのこの出動に要する準備行為として道をあけるか、なかなかこれは現地としてはめんどうな問題だと思いますから、できればそういう点についても、警備地ですか、営住地ですか、そういうところについては自衛隊が積極的にやはりその市町村と協力して道をあけるということについて徹底した指導がもっとなされていいんじゃないかと私は思います。そういうことが当然であるとすれば、そういう措置もしていただきたい、こう思っておるわけであります。  それから、これはあと質問に関連がありますのでついでに聞いておくのでありますけれども、鉄道除雪なんかには自衛隊は要請があれば出ていくことになりますか、なりませんか。
  146. 今泉正隆

    ○今泉説明員 お答えいたします。  先ほど申しましたように、そういう民生協力的な面を持っておりますから、この除雪は、鉄道でありましても要請があれば行なっております。ただ、鉄道の場合には、もちろん知事も全然関与されないわけではありませんけれども、たとえば国鉄自体も除雪の能力を持っておられます。国鉄から要請がありますような場合は、国鉄だけでできないような場合に要請がございます。現に今回の雪害でも、これは新潟県ではございませんけれども、静岡県の御殿場でかなり長距離の除雪国鉄と一緒になって行ないました例がございます。
  147. 米田東吾

    米田委員 これも質問すると長くなりますが、これは国鉄の場合でも府県の防災会議等における計画でも同じだと思いますけれども、自衛隊に頼むのは大体最終段階、国鉄除雪の場合は、まず国鉄除雪をする。そこでできないときは沿線の方々から協力を求めるとか消防団から協力を求めるとか、そういうふうにしてやる。それでなおかつ不十分の場合は自衛隊の協力ということになるのだろうと私は思うのであります。私が申し上げたいのは、これはあなたがすぐ帰るというものだから私聞くのでありますけれども、そういう手続を形式的に踏まぬでも、もう大体その豪雪の雪の量、あるいはその鉄道が持っている緊急度、いろいろそういう点を考えまして、とにかくいっときも早くあけなければならぬ、そういうようなときには、まず国鉄がやる、それから除雪人夫だ、消防だ、自衛隊だなんて言ってないで、もう一体となって除雪行動につくというようなことがあってもいいではないかと、私は豪雪地帯におりますだけに思うのであります。そういうときには、要請があれば、私はいままでも出たことは知っておりますけれども、やはりもっと弾力的に、ある意味では積極的にこういうときこそ自衛隊が出て、そうして民生安定の協力をするということが必要だと私は思いますので、積極的に担当していいんじゃないかと思うのでありますけれども、その点はどうでございましょうかと、こういうことでございます。
  148. 今泉正隆

    ○今泉説明員 お答えいたします。  趣旨としては先生のおっしゃるとおりでございまして、こういう特殊な地域については知事の要請というようなことでなくてやってまいるべきものだと思います。もちろんその際、国鉄あるいはそれぞれの鉄道との連絡ということは必要だと思いますが、先ほど静岡県だけの例をあげましたが、新潟に近い福島県の会津只見線についても数日除雪いたしました。島根県でも若干やりましたが、今後とも御趣旨を体して努力してまいりたいと思います。
  149. 米田東吾

    米田委員 ひとつ今後ともよろしくお願いいたします。  それからもう一つ自衛隊に聞きますが、さっきの答弁にありましたように、救援隊のヘリコプターの活動の問題であります。いまおっしゃいましたように、新潟に一カ所、あれは救難大隊というのか救難隊というのかがありますね。これが、新潟の豪雪の関係からいきますと、だいぶ距離があって、山間部、特に新潟、群馬、あるいは長野、福島、山形という、そういう県と県の境の山間部のほうに豪雪が集中するわけであります。そういうところには、いざというときに新潟の基地からはなかなか間に合わない。そこで現地のほうでは、せめてこの豪雪の期間、これは期間というのは一カ月とか二カ月というんじゃないのです。一週間なりあるいは五日なり、そういう期間くらいは直ちに要請に応ぜられるだけの体制をつくるために、ここには高田市あるいは新発田−新発田は大体新潟と全く同じでありますからいいですが、高田くらいに出てきて、そうして待機をするということができないのかどうか、こういうことを現地のほうでは非常に期待をして、そういう疑問を持っているわけであります。こういうことは行政措置としてあなたのほうでできないかどうか、お伺いいたします。
  150. 今泉正隆

    ○今泉説明員 お答えいたします。  行政措置としては十分可能でございます。ただ物理的と申しますか、実際問題として、ヘリコプターを本来の基地から離れたところに長く置きますと、そのヘリコプターの整備そのものに多大の経費及び人を要するわけでございまして、そういったことから、平時においては、基地は一応整備能力を持った基地に置いておくのが例でございますが、おっしゃられるように、雪害とかその他災害の場合に、一時、ヘリコプターですからそれほどの広い区域を要しません。学校の庭でも着陸可能でありますから、そういったところへ前進待機させることは可能でございますので、これは新潟県に限ったことではございませんけれども、そういったこともすでに一部実施し、また検討いたしております。たとえば、先ほど私が例としてあげました新潟の場合の山古志村への食糧輸送でございますが、これはなかなか天候が悪くてヘリコプターが飛べませんでしたが、わずかの天気のいい間をぬって飛ぶために、新潟の基地から長岡まで前進待機をしておりまして、それで二月の二十七日の日に、天候の回復を待って、山古志村まで食糧を輸送したというような例もございまして、先生の御趣旨を体して、今後とも努力いたしたいと思います。
  151. 米田東吾

    米田委員 では、自衛隊についてはけっこうでございます。  次に、農業災害について。農林省からおいででございますか。——もう時間もありませんが、質問をしたいのであります。  豪雪地帯は、新潟においても福島においても同じだと思いますが、新潟県の資料によりますと、本日ただいまの時点でまだ二メートルから三メートルの積雪が残っておるわけであります。特に新潟なんかは、新潟市とかそういう海岸地帯は大体ゼロになっておりますけれども豪雪山間部は、ほとんどまだ二メートル以上の積雪を見ているわけでございます。私、心配するのは、これから融雪期に入りますけれども、山間部の単作地帯における苗しろづくりが非常に心配なんです。新潟県の米作主要地域の蒲原平野なり平場地帯というものは、それでも雪はありますけれども、いまのところ季節に入っておりますからそう心配しておりませんが、山間部のほうの山地を持っている山のたんぼ、そういうところでは、まだほとんど見通しが立たない。しかも苗しろづくりは田植えの時期とにらみ合わせて作業に入らなければならない。そういう地方は苗しろづくりと言ったほうがいいんですか、圃場の整備と言ったほうがいいんですか、そういう関係については、これは緊急に特別な措置が必要じゃないかと思うのでありますけれども、それらを中心にして、今日の融雪期に入っておる現段階における豪雪地帯の農業災害に対するあなたのほうのいまの取り組み状況、あるいは指導状況、これは現場のそれぞれの機関もあるようでありますが、いまどんなふうに取り組んでおられるのか、指導されておられるのか、御説明をいただきたいと思います。
  152. 太田康二

    ○太田説明員 実は豪雪地帯につきましては、先般も御説明申し上げたわけでございますが、先生のおっしゃいましたように、非常に雪が多いというようなことでございまして、農作物の被害等も実はまだ的確にこれを把握するすべもないわけでございます。天災融資法等につきましては、従来融雪を待ちまして被害調査をいたしまして、天災融資法の発動をいたしたというようなことでございます。  そこで、いま先生のお尋ねの降雪のために苗しろの準備に非常に支障を来たすというようなところが出てくることが考えられるわけでございます。これらにつきましては、最近の例を申し上げますと、昭和四十年度でございますが、共同苗しろの設置あるいは委託苗しろ、要するに他の市町村に保温苗しろの設置を委託しまして、稲苗の確保を行なう事業、こういったことを指導いたしましてやらせた例がございまして、これに対しての助成をした例があるわけございます。そこで、今回もそういったことが考えられますので、十分実情を調査いたしまして、先ほど申し上げたような前例もあることでございますから、これらも勘案いたしまして検討してまいりたい、かように現在の段階において考えております。
  153. 米田東吾

    米田委員 これは実情調査をして取り組まれるという御答弁でございますから、それでいいですけれども、私は役所の仕事として、たとえばあなたのほうでしたら出先の農政局あるいはその段階で県の農林部なり、そういうところとも十分協議をしなければならない。いろいろ屋上屋といいますか、そういう機関があるものでありますから、あなたのほうでは間に合わせるように指導されると言いましても、もう三月もやがて半ばに入る。そういう手続をとることだけで機会を失してしまうというようなことがありはせぬかという懸念をしているわけであります。それで、それらについては、たとえば出先の農政局あるいはその他県なら県、そういうところにある程度の認定なりあるいは助成の権限等を含めて委譲して、適切に処置できるというような体制が必要だと思うのですが、そういうことも含めてだいじょうぶだというふうに理解してよろしゅうございますか。
  154. 太田康二

    ○太田説明員 先生のお尋ねの新潟等の地方におきましては、従来でもそういったことを実際に、現実に稲苗の確保のためにおやりになっておるわけでございます。そこで補助事業でございますから、もちろん一定の基準がございまして、その基準に該当しないような非常にわずかな事例しかないというような場合には、これを補助の対象に取り上げるということは困難かと思いますが、一定の基準に達するような事態になりますれば、これを私のほうで取りまとめまして、財政当局との折衝に入りたい、かように考えております。
  155. 米田東吾

    米田委員 それじゃ苗しろはそういうことでひとつ間に合わせていただくように御配慮いただきたいと思います。それ以外の水田本田、そういうものに対する融雪対策、これ本皆さんのほうでは融雪剤の散布だとかあるいは散土の奨励だとか、いろいろ研究なり指導なりはさせておられるという御答弁があるだろうと思いますが、そういう関係につきましてもあなたのほうでは準備をされておるのか、対策を持っておられるのか、あわせてお聞きをしておきたいと思います。
  156. 太田康二

    ○太田説明員 水田、畑を通じまして融雪の促進のためにカーボン剤を散布するとか、あるいは土を取ってきて散布するとか、いろいろな方法があるわけでございます。これらにつきましては、実はこれを助成の対象にするという例はいままでもないわけでございます。結局桑の場合でございますれば産業の技術指導員がおりますし、一般の農産物でございますと農業改良普及員等がございますから、これらの手を通じてそういった指導の万全を期してまいりたい、かように考えております。
  157. 米田東吾

    米田委員 実際問題として、それぞれの耕作者はあなたのほうの指導によってそれを行なうには、それだけの出費がかかるわけであります。金を必要とするわけでありますが、今日の農村の事情は私から申し上げるまでもなくおわかりだと思うのであります。したがいまして、豪雪というこの自然災害によって、とにかく農業の再生産のために消雪のいろいろな方途を講じなければならない。それに多額の資金を必要とする。したがって、そういう事情について、いままでは助成の対象にはなっておらないということでありますけれども豪雪地帯の農民は、切実な願いとして、何とか助成の対象にしていただけないか、そういう希望を持っておるわけであります。そのことはおそらくあなたのほうに、県なりあるいは市町村なりあるいは農業団体、そういうものからそれぞれ陳情なり要請として上がってきておると思うのでありますが、この面についてこの際助成の対象にする、一歩を進めて対策を講ずるという姿勢はございませんか。
  158. 太田康二

    ○太田説明員 実は、かつては肥料、農薬等に対しまして、被害を受けた場合に、樹勢回復用の肥料あるいは農薬等の助成もいたしたことがあるわけでございますが、これらにつきましては、消耗品的な性格のものでもありますし、その実効を確認することが非常に困難であるということで、そういった個人補助的な補助は現在のところはいたしていないのが実情でございます。ただし、先ほども申し上げましたように、豪雪等によりまして、農作物等の被害がございまして、これが相当の額に達すれば、先ほども申し上げましたように、天災融資法の発動がございまして、これにより金融上の経営資金の融通という道はあるのでございます。
  159. 米田東吾

    米田委員 そうしますと、いまのところ、その障害になっているのは、個人助成という形になるので、そういう制度はとっておらないからできない、こういう御答弁ですね。それを打開することを私は求めるわけですが、これは大臣がいないとちょっとあれだと思いますから、そういう御答弁があったことを一応了承しておきたいと思います。いずれにいたしましても、天災融資法等につきましては、先ほどの御答弁ですと、やはりこれも基準がある、そういうことでございますが、新潟県の場合、この農業災害はどれだけの被害額にのぼるか、これからがおそらくたいへんだと私は思いますし、そういう調査はいまやっていると思いますし、これから出てくると思いますけれども、いずれにしても三十億というような、そういう数字の基準にこだわらないで、この際この豪雪地帯の農民の方々が救われるような措置をぜひとっていただきますように、これは要望として申し上げておきたいと思います。  それから運輸省関係につきまして若干の御質問をいたしますが、先ほどの、たしか三宅先生の御質問でございましたか——気象庁長官はおられますか。
  160. 芳賀貢

    芳賀委員長 主任予報官がおります。
  161. 米田東吾

    米田委員 それでは、気象庁はだれかおるわけですね。  先ほどの三宅先生の御質問に対する御答弁によりますと、今回の災害では、日本海沿岸、特に豪雪地帯については特別な気象測量上の措置を何か講じて、一つの成果をあげたというようなお話が、中身は答弁されておりませんけれども、ありました。豪雪対策の特別の調査をしている、こういうことでございます。この中身はどういうことかということと、それからあなたのほうの専門で、特に豪雪地帯における豪雪観測の体制というものが完全であるとお考えであるかどうか、この点ひとつ専門家の立場をお聞きをしておきたい。
  162. 加藤茂数

    ○加藤説明員 御説明いたしますと、降雪の問題は三つございまして、積雪資料を集める問題と、それから豪雪の予報をする研究開発の問題、それからもう一つは情報伝達の問題と、三つあると思います。  それでまず資料の収集でございますが、気象庁の部内からも、もちろん入っておりますが、それだけでは十分でございませんで、ほかの省庁の観測、あるいは電力関係あるいは国鉄関係資料もいただいておりますし、今後ももっといただくように交渉中でございます。  その次はレーダーでございますが、日本海側のレーダーとしましては、現在、松江、福井、新潟及び札幌の四カ所がございます。残念ながらいま東北地方の日本海側にはございませんが、これは今度秋田に、予算を請求中でございますけれども、レーダーを設置することを考えておりまして、しかもその映像は山形でも見られるように考慮中でございます。それから気象庁としましては、必要に応じまして日本海に観測船を置きまして観測して、雪の予報に役立てることを考えております。さらに最近では、御存じの気象衛星エッサ六号というのが飛んでおりまして、宇宙から写真をとって放送しております。その放送を現在は研究所で受けているだけでございますけれども、今年度の予算でこれが現業化することになりました。そうしますと雪の道が、筋ですか、それが近寄ってくるのがよくわかりまして、豪雪の予報に非常に役立つかと思います。  それから二番目には開発の問題でございますが、これも御存じのとおり、豪雨及び豪雪の機構の研究を、基礎的なことは気象研究所を中心として行なっておりまして、この成果は新聞やラジオ、テレビなどでも報道されておりまして、先生もあるいは御存じかと思います。そのほかには、これは予報部で行なっているのでございますが、北陸地方を三十数カ所に分けまして、地域ごとにどれだけの雪が降るかという研究を行なっております。これは電子計算機を使って客観的に行なう方法でございまして、きょう現在の気温とか気圧とか湿度とか、専門的にはたくさんございますが、そういうバロメーターを三百個ほど使いまして、それとあす降る雪の量とどういう関係があるかということ、関係の度合いを相関係数と申しますが、電子計算機に計算させまして、そのうちから三十四個大きいのをとって、式をこしらえるわけであります。そしてその式をまた使って電子計算機でもって三十数地区の狭い地域の雪の予報を出させております。これは現在開発中でございますが、ある程度見込みができまして、ことしから使い始めておりますが、この研究をもっと進めてまいりますと、精度のいいものもできますし、あるいは北陸地方だけでなくて、東北地方、北海道、山陰地方のも出るようになるかと思います。そういうことを現在気象庁ではやっているわけでございます。  最後の、情報の伝達の整備でございますが、これは一斉電話を使うとか、VHFを使うとかして、もっと的確に、早く山間のほうへも知らせるように、気象庁では考えている次第でございます。
  163. 米田東吾

    米田委員 一番問題なのは、私は雪の予報だと思うのです。この雪の予報というものが豪雪地帯の方々から見るときわめて不十分だ、そういうことを実感として持っておられると私は思うのであります。それで、いまの御説明だと相当万全を期しておられるように思いますけれども、これはどういうことか私はよくわかりませんけれども、たとえば、さっきの防衛庁の方の御答弁にもありましたが、山古志村へ救援物資をヘリコプターで運ぶ、それから吉川町に急病人が出て、それを自衛隊のヘリコプターで迎えに行ってもらう。ところが、そのヘリコプターが飛ぶその程度の高さの気象がつかめない。これは気象庁の関係に入るかどうか、私わかりませんけれども、それはうんと高いところの観測は、あるいはレーダーなりいろいろなものでできておるのかしれませんけれども、積雲ですか、雪の雲がずっとあるその程度、何メートルぐらいの高さになるか私はわかりませんが、そういうところの状況というものはほとんどつかめない。したがって、ヘリコプターは飛んでいくけれども、目的地に行かないうちに引き返さざるを得ない、そういうことをずいぶんやりまして、ほんの瞬間的な気象を見て飛んでいった、こういうことなんですね。それが気象関係の予報やあるいは測定で、どういう方法か私わかりませんけれども、そういうものを的確に測定できる、あるいは予報できるような、そういう機械なり制度なり方法なりというものはないのかどうか、これは現在でもそういう機能は持っているけれども、なかなかやれないというのか、そういう施設がまだないというのか、そこらあたりはどういうものでありましょうか、御答弁をいただきたいと思います。
  164. 加藤茂数

    ○加藤説明員 先ほど申し上げましたように、きめのこまかい予報を現在開発中でございまして、レーダーの使い方にしろ、エッサ六号の宇宙からの写真の使い方にしろ、きめのこまかい予報というものはまだ開発中でございまして、十分満足していただける予報を出せておりません。出せないとは申せないと思うのですけれども、出せておりません。  それから雪の問題で非常にむずかしいのは、雪が上空でできましても——雨ですとそのまますっと落ちますから、雲のできたところの下を豪雨の降る地域ということに指定することができるのでございますけれども、雪の場合ですと落ちてくるまでに風で流されてしまいまして、しかも地形でもってうんとたまるところと、たまりそうなところだけれども、実際には風で払われてしまうところなんかがありまして、雪の予報というものは非常にむずかしいわけでございます。そういうことでもって十分な予報が出せないというような現状でございます。
  165. 米田東吾

    米田委員 豪雪地帯としての気象観測の任務を持っておる新潟地方気象台でございますか、これにはぜひひとつもう少し十分な機能整備等をやっていただきまして、豪雪時における予報なり、あるいは気象条件の観察、予知というようなものがもっと十分できて、災害対策においても円滑に進むように、それから事前に豪雪対策が住民によってなされるような、そういう措置というものをひとつ講じていただきますようにお願いしたいと思います。これは新潟に限りません。どこでやっていただいてもいいわけでありますけれども、幸い新潟の気象台があるわけでございますから、これをちゃんと充実して試験的な気象庁としてのそういう役割りも果たさせていただいて、強化をしていただきたいと思います。  時間がおそくなりましたからきょうはやめますが、ついでに、運輸省の方がおいでになっておられますので、これだけお聞きして終わりたいと思うのです。さっき私ちょっと防衛庁のほうにもお伺いしたのでありますけれども、鉄道の除雪についての対策であります。この間新潟の国鉄支社の資料をいただきましたが、ことしの冬、二月二十九日までの資料でございますけれども、新潟の支社管内では除雪に要する人夫——人夫ということばは変ですが、除雪作業員、民間の協力者、これが二十二万六千二百十二名、こういう動員をしているわけであります。国鉄職員は四万七千百七名、一般が二十二万六千二百十二名、こういう人数を使って除雪作業をして列車を通しておられるわけでございます。非常に御苦労なことだと思うのでございますが、新潟県の資料によりますと、このうち大体八〇%弱が農村婦人です。この前私運輸委員会で今回のこの豪雪に伴って除雪作業員の方が犠牲になられましたので、そのことについてはお聞きいたしましたから、それには触れませんけれども、いかにロータリー車を増強しようと、除雪の機械化をやろうと、私はやはり人による作業というものは、これは国鉄列車を通すという面からいきまして、なくならないと思うのです。ですから、これはどうしても確保をしておかなければならない。ところがいま農村の人員の分布状態というものは変わっておりまして、男はほとんどおらない。勢い、家におるのは婦人だけです。おかあさんだけです。したがいまして、二十二万六千二百十二名といえども、約八〇%弱は女の力を借りなければならない。そうなってまいりますと、女性を使うということの一つの問題もありましょうけれども、鉄道の線路に基づいての作業、絶えず列車の被害ということも考えなければならない。加えて婦人の体力なりいろいろな面で制約条件もあろう。それやこれや考えますと、婦人にたよっておるこの除雪ということについては、何とか国鉄当局も考えなければならないという時代に来ているのではなかろうかという気がするわけであります。それから一般的な政治の課題としても、こういうふうに農村の婦人にたよる除雪対策、それからもう一つは、これも雇用の関係やそれから作業に基づく安全衛生等の関係についても十分な措置が当局ではなされておらないように私は見ているわけであります。まだ資料をいただきませんからわかりませんが、いずれにいたしましても、これは一つの政治問題と申しましょうか、社会問題と申しましょうか、重視しなければならない豪雪地帯におけるこれは特殊な問題じゃなかろうかと実は思うわけであります。  新潟県の防災計画等を見ますと、国鉄当局の要請に応じて各保線区ごとに除雪組合をつくる、そうして農村の方々に協力をしてもらう、今後もこの協力体制というものを継続、強化されるように私は承知しておりますけれども、そういうことであるからといって、国鉄当局がそれに甘んじておるわけにはいかないと私は思うし、それからわれわれ政治に携わっておる者として放置しておくわけにも私はいかないと思う。この解決等につきまして、国鉄当局として考えてもらわなければならない問題点があるのじゃなかろうか、こう思うのでございますけれども、責任者の方がおられましたら、この点についてお考え等をお聞かせいただきたいと思います。
  166. 犬丸令門

    ○犬丸説明員 国鉄施設局長がおりますので、施設局長から先にお話しいただいたほうがよろしいと思いますが……。
  167. 松本文彦

    松本説明員 ただいま先生指摘の点につきましては私ども全く同感でございまして、かねてから一体これらに対してどういう対策を立てていくべきであるか、御指摘のようにいま婦人労務者がほんとうに多くなっております。これは一般の農村の実態としてやむを得ないことであります。これに対してどうするかということは、抜本的な施策は現在まだ、まことに申しわけございませんが、確立したわけでございませんが、私どもの考えといたしましては、何とかしていまやっております人力除雪というのをできるだけ機械化しなければいけない。それからいまやっている作業の内容を分析いたしますと、まだ相当量が機械化される余地が残っているということで一面機械化を進める。それから他面残りました労務者の、作業員の指導育成ということを進めていって、先生もおっしゃいましたが、いろいろな設備その他で私どももっと労働環境の改善をはかっていかなければならぬ部面も確かにございます。そういうこととあわせてまいりたいというのがいまの私どもの考えでございまして、やはり基本的にはできるだけ機械化して、人力にたよる部門を減らしていくということが、まず最大の策であろうというふうに考えておるわけでございます。
  168. 犬丸令門

    ○犬丸説明員 今年の豪雪によって国鉄が全体として動員いたしました除雪要員は約百三十万名になんなんとしておるわけでございますが、そのうち百万名近くが、ただいま先生から御指摘のございましたような臨時の作業員でございます。国鉄が三十六年以来、防除雪対策について努力いたしてまいりまして、設備の充実、機械の合理化、技術開発といった点について努力をしてまいったのでございますけれども、今後ともその面について推進をしてまいるとともに、どうしても残りますところの臨時作業員等につきましては、十分安全対策について教育訓練を行なった上で作業に当たるように指導してまいりたい、このように考えております。また雇用の問題につきましても、ただいま国鉄直用で実施いたしておりますが、除雪組合等を利用してそういったような雇用もなされておりますので、そういったような機関を通じても安全管理の問題についての能率化をはかっていくように努力してまいりたい、このように考えております。
  169. 米田東吾

    米田委員 自治省の方がおられましたらあわせて御答弁いただければ幸いでありますが、いま御説明がありましたように、新潟支社だけで二十二万六千、これはさらに雪害地域、東北から北海道あるいは山陰と合わせまして、さっき御答弁のありましたように、とにかく膨大な数字になっていると思うのであります。私は、これにつきましては、もちろんこれは思いつきと言いましょうか、決して固執すべき意見だとは思いませんけれども、消防の関係、これは消防庁ですけれども、あるいは消防隊ですか、そういうものとの関係で、もう少しこれは改善の方法があるのではないだろうかということが一つと、それからいずれにしても農村から求めるというのはもう婦人以外にないわけでありますから、思い切ってそういうものをやめて、そうして他に求めるという立場から、消防との関係、それから自衛隊との関係、こういうものをこの際考えたらどうか、こういうふうに思っておるわけであります。ただ法律的に災害救助法の適用が出ないと消防になかなか頼めないとか、あるいは自衛隊に頼むにしても、さっきの答弁がありましたように、なかなかストレートに自衛隊に協力を求めるというようなことができない、いろいろな制約があるようでありますけれども、そうかといって列車を通す、人命を運ぶ、あるいは産業経済に一瞬のゆるみなく貢献をしていかなければならないという国鉄の使命は、これはやはり生かしていかなければならぬと私は思うのです。そうだとすれば、そこらあたりに解決点を見出す以外にないんじゃないかと実は思うわけであります。そういうことで、これは大いに検討していただく課題にしていただいてけっこうでありますけれども、そういうところまで突っ込んだお考え等がございませんか。これは国鉄当局、あるいは運輸省、自治省等の関係の方から御答弁いただければありがたいと思います。
  170. 山本弘

    ○山本(弘)政府委員 豪雪等の場合の国鉄の雪の排除に対する消防団の出動の問題でございますが、御承知のように、消防はあらゆる災害の被害を軽減するために出動するものでございまして、災害救助法の発動があるとかないとかいうことは全然関係ございません。現にやはり国鉄自体において路線を確保するために除雪措置を講ぜられるわけでございますが、やはり地域の秩序を回復するために応急活動として消防団へ要請がある場合がございます。そういう場合におきましては、消防もこれに協力することは当然であり、また出動いたしておるのでございます。ただ、御承知のように、豪雪地帯におきましては、ちょうど冬の期間中出かせぎ等の事情もありまして、消防団員の確保その他につきまして一般的に非常に困難である場合もあろうかと思うのでございますが、それはまたその問題とは別にいたしまして、消防はその責任においてこういった場合において積極的に出動すべきものである、かように考えておるのでございます。
  171. 米田東吾

    米田委員 国鉄と運輸省の積極的な態度はいかがですか。
  172. 松本文彦

    松本説明員 お答えいたします。  さいぜん私の答弁があるいはちょっと不足だったかと思いますが、いま先生の御指摘の自衛隊あるいは消防の関係でございますが、これにつきましては私ども実は決して等閑にしておるわけではございませんので、毎年降雪期の前になりますと、中央中央、地方は地方、それに関係の自衛隊の方々に国鉄側の除雪体制、能力、こういったものをしさいに御説明までいたしまして、この程度のことになったらわれわれこういたします、こういうことになったらこういうことをお願いいたしますからというような具体的な打ち合わせを、まず事前に十分に中央地方を通じてやっております。  そこで、国鉄の手に余ったという場合になりますと、関係の方面に出動方をお願いいたすような手はずになっておりますが、私どものいままでの基本的考えは、これはいま先生の御指摘のように、今後改めるべきであるかどうか、これは一応検討いたしますが、いままでの私どもの立場といたしましては、自分の力でできるだけ線路等も開通せしめるように力を尽くすということをたてまえといたしまして、それ以上に豪雪が来たというふうな場合にお願いをいたすというのが基本的な立場でございますので、そういった意味であるいはごらんになられて、どうもあれだけではなまぬるいという御指摘があろうかと思いますが、基本的にはそういうことを考えております。もちろん今後農村の労働力が枯渇してまいりました場合にさてどうするかということは、これからもう一度私ども反省してみたいというふうに考えております。
  173. 米田東吾

    米田委員 いいです。終わりますがね。どうもこの答弁のまま終わるのも困るのですけれども、終わります。ただ私、最後にもっと積極的に国鉄当局としては除雪対策を、私はむしろはっきり言えば、沿線の利用者の方という、ことばは美しいけれども、そういう方々の犠牲の上にあぐらをかいて、そうして現在も女しか出ていけない、有線だとか何だとかそういうもので呼び出される、それから除雪組合も実際は農家の実行組合、それに部落の責任者、そういうようなものがみんなその役目にありまして、隣のうちの手前出ていかなければ悪いというような状態で、八百円や千円の金がほしくて出ているんじゃない、そういうふうにして農家の主婦が協力をしているというのが実情だと思いますから、そういうものにいつまでも乗っかって、除雪対策をこの現状のような方向でやっていくということは問題があるだろう。国鉄が第  一にやると言いますけれども国鉄職員は限られておるわけです。ですからこれも一つ災害であります。私はやはり災害だと思う。そういうときには消防なりあるいは自衛隊なりそういう国家の施設というものを当然使う。そういうことを国鉄は主張し要求し、またそういうことによって鉄道を守るという態度があってもいいんじゃないか、こういうふうに思いまして、実はいろいろ御質問したわけであります。どうもちゃんとしたお答えがないようで不満でありますけれども、そういう方向でひとつ今後検討していただくようにお願いしたいと思います。  これで終わります。
  174. 芳賀貢

  175. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 非常に熱心な討議が行なわれまして、雪も解けたように思いますけれども、私はさらに二、三点聞いておきたいと思います。  ただいまもお話がございましたように、国鉄に、災害に際して消防団が出ますね。それで、災害によって消防団の方がなくなられた場合には、国鉄はどのように損害の補償をするのですか。
  176. 松本文彦

    松本説明員 ちょっと私の所管を離れておりますので、後刻調べてお答えいたしたいと思います。
  177. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 これは大事な問題だと思うのですが、国鉄が、ただいまもお話があったように除雪あるいは雪害対策に対して消防団の出動を願った場合の人的損害に対しての国鉄の補償、これは大事な問題だと思いますので、お答えがいただけないとなんですが、過去にそういう例はなかったですか。
  178. 松本文彦

    松本説明員 私は実は承知していません。
  179. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 交通災害においてもいま百五十万までにはなっておるわけですが、私聞いたところによりますと、これは非常に低額らしいですね。これは何も雪ばかりじゃないのです。消防団が出動したときにけがをしたりなくなられたりする場合に見舞い金程度、これではあまりにも気の毒でありますので、この点、国鉄路線の確保のために民間のそういった消防団を招集した場合、もしも最悪の事態になって人的損害を受けた場合の被害に対して、どのようにするかということはあとでお答えをはっきりしていただきたいと思います。  それから、これは経済企画庁にお尋ねいたしますけれども豪雪雪害関係に関して総合窓口を設けていかないとだめじゃないかということをいままでの質問の中で感じておるのですが、所管課を一本にまとめて、そういった豪雪雪害に関する窓口を設ける考えがあるかどうか、この点ひとつ伺いたい。
  180. 帯猛

    ○帯説明員 現在企画庁の総合開発局の中の特別地域開発課で一応豪雪地帯対策特別措置法に基づく窓口を一括してやっておるわけでございます。
  181. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 こういった災害に、国鉄だ、やあ農林省だ、やあ中小企業だと、いろいろな問題が出てまいりますが、それに対して、雪害に対しては一本にまとめられないのですかと聞いておるのです。
  182. 帯猛

    ○帯説明員 現在企画庁のほうでやっておりますのは豪雪地帯対策特別措置法に基づく措置でございまして、先生のおっしゃっている広範なものについては、あるいは災害対策基本法の関係にやはりなろうかと思うわけですが、現在のところはそういう状態にはなっておりません。
  183. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 これを一歩進めて、企画庁に、削減ではなくて、逆にそういった窓口を増設するという前向きの姿勢を示し得るかどうか。大体雪害対策の問題は、私、地震と同様に、おくれておるように感じるのですね。この対策に対しては、もう一歩前進的な、前向きな姿勢で、一局削減だ、一局削減だと、ばかの一つ覚えみたいに減らすことばかり考えないで、必要であればどんどん要求して増設してもかまわぬのじゃないかという考えを持っております。その点に対する御見解をお願いしたい。
  184. 帯猛

    ○帯説明員 どうも私でお答えできる問題ではないと思います。実際には、災害対策基本法では一括して総理府の中央防災会議のほうで扱っておりまして、緊急災害時の問題については一括されておることになっておるわけでございます。そういう起きた災害に対してどう対応するかということと、くどくなりますが、現在の私どもの所管しているいわゆる豪雪地帯対策特別措置法によりまする劣っている産業の基盤となる点を改善するとか、防雪についての恒久対策を講ずるとかいう点を一括して所管しているのと少し違いますので、ちょっとそこまでは返事ができかねると思うわけでございます。
  185. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 これは大臣か総理大臣にでもお尋ねする問題でありますので、さらに拡大してお尋ねしたいと思います。  豪雪がもたらす後遺症といいますか、あとの被害といたしまして、なだれが心配されておりますが、なだれ対策に対して具体的な問題としてはなだれ防止の造林をしたり、いろいろと対策があると思いますが、特に学童の通学に対してなだれ危険個所というものが相当ある場合、それに対してはどのような危険防止というものをいま豪雪地帯の府県に対して国は指示しておりますか。
  186. 菅野誠

    ○菅野説明員 御趣旨まことにごもっともではございますが、なかなかこの対策としては困難の点もあります。現に御存じかもしれませんが、実は四十三年二月二日に十日町でなだれの事故が起ったこともございます。このときには幸いにしまして集団登校下校をしておりましたので、一部の学童につきましては御案内のようになだれの中に巻き込まれたという状況が発生したのでございますが、たまたま集団で登下校しておったということや、また道路の雪踏みをしておった者が目撃いたしまして、一名が救助に向かい、一名はさらに部落に通報したというような、適切と申しましょうか、その当時としては非常に幸いな状況にあったと思います。それで三名がすっぽり埋没したのでございましたが、他は何とか頭や手を出して流されまして、とまるとともに掘り出しあって、一カ所に集合して、お互いにその持ちもの、人数を確認したというようなことがございます。このようにいたしまして、実はその集団登下校というようなものも学校、教育委員会を通じて指導しておりまして、できるだけこのような災害、特に人身事故がないように指導しております。  なお、この道路は一般の道路でございまして、道路の安全対策まで文部省が所管するわけにどうもまいらないのでございますが、このような通学等の間に事故の起こらないように、教育委員会、学校等を通じて、特に集団登下校等を奨励いたしまして、指導いたしておるところでございます。
  187. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 教育関係でもう二、三点お尋ねいたしますが、僻地児童ですね。特に陸の孤島と化してしまうようなところの児童に対して、教育施設は国でめんどうを見てやることができませんか。
  188. 菅野誠

    ○菅野説明員 まことにごもっともでございまして、そのような面から実は僻地の学校の統合等を奨励しておる部分がございます。この面につきましては、御案内のように、公立文教施設費のほうで、僻地で統合したようなときに、寄宿舎をつくりまして、その寄宿舎に冬期間滞在して学校に通うというようなことも指導いたしまして、冬季間安全に学童を守る場合には、その冬季寄宿舎について補助金を出しまして、これを守りたい、かように考えております。ただ、これは御案内のように設置者から申請がございませんと、ここにつくれということを文部省で言うわけにまいりませんので、それぞれの設置者である市町村が、僻地の学校を統合し、このように僻地寄宿舎をつくりたいというような場合には、以上のような助成の策を講じておるわけでございます。
  189. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 同じくそういったことの小中学校に対しまして、養護教諭を置くという考えに対してはどうでございましょう。
  190. 菅野誠

    ○菅野説明員 養護教員を特にその場合に置くかどうかということは、ちょっと施設の関係の所管でございませんので、直接考えてはおりませんが、やはり僻地その他そういう場合には、養護教諭等の必要があれば、できるだけ設置するように、初中局の所管ではございますが、連絡いたしてみたいと思っております。
  191. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 大事な問題でありますので、養護教諭のいない場合には置いていただきたい。これは重ねて要望いたしておきます。  それから豪雪地帯、これは非常にへんぴなところであり、経済的にも低い。こういうところに優秀な教職員を確保しなければならぬ。特に私はこういった一年の四分の一を雪の中で暮らすような憂うつな地域に対しては、先生もなかなか来たがらないと思うのです。やはり大都市のほうに流れてしまう。そういう場合には、文部省としましては、こういう豪雪地帯のへんぴな、陸の孤島と化すような、そういうところに先生を確保する。容易なことではございませんでしょうけれども、これに対しては積極的な施策が必要だと思いますが、この点についてはどのような措置を講じ、また確保をはかっておられるのか、これについてお尋ねしたいと思います。
  192. 菅野誠

    ○菅野説明員 ただいまの御質問もごもっともでございます。この陸の孤島である雪害僻地ももちろんでございますが、さらに実際の僻地と離島等におきましても、教員の採用がなかなか困難だということもありますので、こういう面につきましては、へき地教育振興法という法律が御案内のようにございまして、その面におきましてできるだけ僻地対策としていまのような問題をプロモートしていきたいというふうに考えまして、特別なへき地教育振興法があるわけでございます。所管が実は初中教育局になっておるわけでございますが、前段の第一の面につきましても、御要望として、御趣旨ごもっともでございますので、そのほうに連絡いたしますとともに、第二の点につきましても、振興法その他で、文部省としてはできるだけ努力しておるはずでございまして、去年からと思いますが、所管でないのであるいは一年ずれておるかもしれませんが、僻地教員の特別昇給の制度なども設けまして、それでできるだけ僻地の教員を優遇したいというふうにも考えておるわけでございます。
  193. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 それはただ僻地ですね。今度豪雪が加わるのです。ただ雪も何もないところの僻地と、ことしのようなほんとうに雪の中に閉じこもってしまうような僻地とはまた違う。そこに豪雪がプラスされる。雪がプラスされる。そういう場合には寒冷地の特別手当というものを先生に何とかして与えてあげなければ、優秀な先生の確保というものはできないじゃないかと私は思うのです。ここに数字を持ってきておりませんが、私どもの調べたところによりますと、相当教職員の確保に悩んでおる。その実態もあがってきております。それに対して、ただ僻地の振興の手当だけでなくて、そこにさらに条件の悪い豪雪、こういう面をプラスしたところの諸手当、これは経済面だけで先生を引っぱっておくという考え方はよくないですけれども、そういった経済面の援助ということもこれは大事と思いますが、雪の面ではどう考えているか。
  194. 菅野誠

    ○菅野説明員 私、施設のほうの担当でございますので、あるいは少し勉強が不足の点があろうかと思いますけれども、まことにごもっともな点でございまして、さらに僻地の指定におきましては、その雪の程度なども僻地の教育指定の一つには入っておるように存じておりますが、なおいまおっしゃる点につきましてはできるだけ原局のほうに話しまして、御趣旨の点を伝えたいと考えております。
  195. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 もう一点です。臨時採用教員に対しては寒冷諸手当と薪炭手当というものはありませんけれども、こういった格差は、これは所管じゃないからまたおわかりにならぬと思うけれども、これも十分考えてもらわぬと困るので、お産か何かで先生が長期に休まれる、その臨時職員を雇われた場合に、そういう雪のへんぴなところに先生が来るかというのですね。この問題で生徒が非常に困っている。これに対しては特別のそういった手当が何もないわけです。これはいまあなたにどうかと言ってもちょっと答弁ができないと思いますが、この点についてひとつよろしくお願いしたいのです。
  196. 菅野誠

    ○菅野説明員 実は私も雪国の出身でございまして、個人的にはまことにけっこうな御意見でございますが、所管でございませんので、原局のほうに趣旨を伝えることにいたしたいと思います。
  197. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 それでは施設についてお尋ねいたしますけれども、木造建ての危険な校舎並びに屋内体育館、こういう問題に対しては豪雪地帯においては鉄筋に改装していくように、文部省としてはそういった何カ年計画というような、長期計画というマスタープランがありますか。
  198. 菅野誠

    ○菅野説明員 できるだけ学校施設を鉄筋あるいは鉄骨化したいといいますのはかねがねの念願でございまして、御案内のように、毎年公立学校施設費の補助金におきましても、五%程度ずつずっと増加してまいっております。できるだけ鉄骨鉄筋を奨励いたしまして、いまのところは、新しくつくるものは大体八〇%ぐらいが鉄骨鉄筋になっておると思うのですが、ただ現存するものの木造の比率が非常に大きいものですから、見かけはやはり木造が非常に多いということになっておりますが、これからつくりますものについては、鉄骨鉄筋の比率をできるだけ増大いたしまして、御趣旨の方向に進めたいと考えております。
  199. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 これは雪でつぶれたり何かして生徒に万が一のことがあったらたいへんなので、いま八〇%というのは、新しく建っていくほうの数字ですね。そうでなくて、全体観から見たところのそういった木造危険施設が東北方面には非常に多いわけです、私も行ってみましたけれでも。これに対して漸時改装するというマスタープランがあるかないかという質問なのです。
  200. 菅野誠

    ○菅野説明員 現在のところのマスタープランといたしましては、実はまだ御趣旨よりは多少遠いかとも思いまするが、木造の建物につきまして耐力度を検定いたしまして、新しくできたての建物を一万点と評価した場合に、その耐力度が四千五百点以下、大体においては半分以下に耐力度が下がった場合、これは危険改築建物の対象としておるわけでございます。現在あります危険校舎の建物につきましては、新しくまたこの耐力度の調査を今年いたそうかとも考えておりますので、その計数がどう出てくるかの問題があるわけでございますが、耐力度が約半分以下に低下したものについては、その調査の結果を待たなければならぬのですけれども、五カ年計画解消するというような計画で進めてみたいと現在考えております。
  201. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 道路のほうでお尋ねします。  先ほどいろいろ問題になって、私も専門的によくわからないのですけれども、雪寒道路法という法律がありますが、この道路法に指定されております国道とか県道が今回の豪雪で——四十三年度以降に新たに市町村で雪寒道路法の法律に準じていろいろ国庫補助ができるような道路の拡大計画というものはいまございますか。
  202. 豊田栄一

    豊田説明員 お答えいたします。  御指摘の雪寒事業は、先生のいま御指摘のように、雪寒の緊急措置法によりまして五カ年の計画の中できめられます。これは昨年閣議了解されました道路五カ年計画、六兆六千億の親ワクがございますが、それの閣議決定を近々いたすつもりでいま作業をやっておりますが、その中で雪寒の五カ年計画、これは四十二年から四十六年までの計画でございまして、この総額とそれに必要な事業の量がきめられます。それに従いましていま御指摘のような指定路線の拡大、それから事業の量の拡大というのがはかられることになるわけでございます。
  203. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 具体的には、数字の上にどのようにあらわれてきますか。
  204. 豊田栄一

    豊田説明員 お答えいたします。  数字は、いま詰めの段階で、いま作業をやっておる段階でございますので、いずれそれができますれば出てくると思いますが、いずれにいたしましても、現在の五カ年計画は、雪寒道路については五百億のワクでございますが、これは三十九年から四十三年までの五カ年でこれを拡大する作業をいまやっておるわけであります。私どもの気持ちとしては、道路全体の平均の伸びワクでございますが、これは四兆一千億が六兆六千億になるわけでございますから、その伸びワクを上回りたいということで現在事務作業をやっておる段階でございます。まだ確定した数字まで申し上げられないのが残念でありますが、そういう段階でございます。
  205. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 これはそういう道路事業としてのものの考え方でよろしいのですか。そのとらまえ方として、去年の道路予算は一般会計からが八千億だったと思います、数字はちょっと違っておるかもしれませんが。ことしは約六千億くらい、あと道路財源はガソリン税とかそういうもので十分だ、これは私のものの見方が違っておれば指摘していただいてけっこうですが、そういった道路の全体のものの考え方から、ことしは一般会計から道路予算が減っていった。しかし雪とかの害でそういった災害を生じやすいような道路が一般市町村道にはまだたくさんあります。そういう国で援助しなければならぬ姿勢からいうと後退しておるわけでありますが、これは私の考え方がちょっと違う考え方をしているかどうかわかりませんが、その点について御説明願いたいのです。
  206. 豊田栄一

    豊田説明員 ただいまの先生お話でございますが、一般的に見ますと、道路事業全体を申しますと、四十二年に対比いたしまして、いま御審議願っております四十三年度予算の伸び率は四%でございます。ところが、その中で私どもが四十三年度計画いたしております雪寒の事業でございますが、これの伸び率は大体九%を見込んでおります。したがって、その伸びの少ない中でも伸び率は非常に高いウエートを持っているという点で、単に伸び率の比較でございますけれども、そういうテンポでもって私どもは持っていきたい。またこれは事業規模やなんかの問題もございますけれども、全部ひっくるめていまの伸び率だけから比較いたしますと、そういう考え方で重点的に扱っておるというふうに御理解願えれば幸いだと思います。
  207. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 時間がありませんから、簡単に聞いていきますが、生活保護を受けているような家庭、母子家庭、そういう家庭は男手がない、金がないで雪おろしができないという声を聞いておりますが、そういう場合には、市町村または県で何らかのめんどうを見てあげるといったような豪雪対策はやったのですか、その点を伺います。
  208. 大和田潔

    ○大和田説明員 これにつきましては、生活保護費の中で見ております。
  209. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 実際に保護費で見ておりますけれども、人手がなくて雪がおろせないという場合の配慮というものが市町村の中で欠けているという声があるのですが、そういう場合に、国としては何らかそういった勧告もしくは金だけではなくて、人的資源においてもそういった応援をしてあげるというようなことを、この豪雪災害が起きている期間中指導してきましたか。
  210. 大和田潔

    ○大和田説明員 国といたしましては、人的な問題につきまして、特に国が応援をするというような制度でございませんので、やはりこれは市町村当局へお願いいたしたい、こういうふうな考え方をしております。
  211. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 これが非常に監督不十分でそういう問題が出てきておりますので、厚生省としても、豪雪地帯生活要保護者の家庭については十分めんどうを見てあげるように、市町村、県に注意、勧告をしていただかなければならぬ、こう希望しておきます。  それで、特に問題になっておりますのは、生活保護世帯の冬季除雪費、冬囲い費用を家屋補修費のワク外として取り扱うよう保護基準の改善を行なうべきだという要望がいま県から出ておりますが、この点についてはどうですか。
  212. 大和田潔

    ○大和田説明員 まだ実は私のほうは見ておりませんが、その要望を拝見いたしまして、検討させていただきたいと思います。
  213. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 そうすると、これは大いに期待してよろしいのでしょうか。
  214. 大和田潔

    ○大和田説明員 検討させていただきたいと思いますので、まだそこまで申し上げられないと思います。
  215. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 それから農業方面で聞きたいのですが、農業気象観測所の整備というか、この雪に対してはどのような充実をことしからやられようとしておりますか。
  216. 南正彦

    ○南説明員 農業気象業務についてお答えいたします。  農業気象業務につきましては、昭和三十四年から展開を始めまして、現在まで展開されておりますところは、東北地方の全県、それから九州は熊本県、鹿児島県、宮崎県の展開が終わりました。中国地方では鳥取県の全部と島根県の一部、それから北海道につきましては全市町に展開することになっております。そういう状況で現在まで三十四年から展開してまいりました。四十三年度では鳥取県、それから北海道におきましては宗谷地方と留萌地方、この二支庁には四十二年度で半分展開しておったわけでございますけれども、四十三年度で残部の地域を全部終わるということで後志支庁と檜山、渡島その三支庁に四十三年度で半分展開いたしておる。そういうことで、いま申し上げましたように、北海道の全地域に展開が終わるということになりました。なおかつ四十三年度におきましては、北陸三県と申しますか、富山、石川、福井の三県に、それぞれの県に半分展開いたしておるということで、経費につきましても昨年度の予算を上回って展開することになっております。
  217. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 以上をもって終わります。
  218. 芳賀貢

    芳賀委員長 次に、昭和四十三年二月の異常降雪等による災害対策について質疑を許します。水野清君。
  219. 水野清

    ○水野委員 私は林野庁と大蔵省の方さえおればいいので、皆さんを足どめしても気の毒ですから、あとの方はお帰りになってけっこうです。  二月中下旬の暴風雪の被害につきまして、農林省の三月四日付の文書がございますが、この中で、私は実は林業災害について少し質問を申し上げたいと思うのであります。  この中に「被災造林地における雪起し等に要する資金については、農林漁業金融公庫からの貸付を図るとともに造林地改稿についての国庫補助等の措置について検討する。」もう一つ天災融資法の発動という問題がありますので、この二点について少し突っ込んで伺いたいと思うのであります。  まず第一に、災害復旧の造林費の補助金の問題でありますが、これは予備費から使用するのかどうかということを伺いたいのであります。
  220. 木村晴吉

    ○木村説明員 お答えいたします。  改植の造林復旧費の問題につきましては、大体新植される時期が秋植えじゃないだろうか、精査の結果を待ちまして財源等について十分検討をいたしたいと思っておりますが、十分努力していきたいと思います。
  221. 水野清

    ○水野委員 そうすると、まだ予備費から出すとも、いわゆる通常経費から出すとも、きまっていないわけですね。
  222. 木村晴吉

    ○木村説明員 はい。
  223. 水野清

    ○水野委員 実はそのことを私は顧慮して先回りをして申し上げたんですが、四十三年度予算に、非常に渋い方針からいって、経常費から今回の雪害対策の造林費を回されるということになりますと、これは事実上は造林計画の障害になると私は思うのであります。治山治水事業対策はいろいろ政府ではなやかに作文をしておられるけれども、これは根本からくずれることじゃないかと私は思うのであります。その点につきまして、これはぜひとも予備費から支出をしてもらいたい。いわゆる通常経費は通常経費として、これまでの計画どおりの造林経費から出してもらいたいということを申し上げておきます。
  224. 木村晴吉

    ○木村説明員 現在のところ、率直に申し上げまして、四十三年度の予算案に見合う遊林事業費は一応県に全部張りつけてしまう考えでありまして、月末、大蔵省とも協議を進める段階にあります。
  225. 水野清

    ○水野委員 何かいまちょっとはっきりしないのですが、そうすると、経常費は各県にもう張りつけてあるから、それには手をつけません、予備費から支出しますということですか。
  226. 木村晴吉

    ○木村説明員 一応張りつけまして、そして必要面積の計上に見合う造林資金の実態をつかんだ上について、その対策について善処をいたしたい考えを持っております。
  227. 水野清

    ○水野委員 何かちょっとわからないのですがね、要するに私はあくまでも——それは何べん聞いてもしようがないのですが、要するに予備費から支出を実行してもらいたいということであります。これはひとつよくお考えを願いたい。私の言っていますのは、この委員会で私昨年の夏の干ばつのときに申し上げたのですが、実はこういうことを林野庁の指導部長に申し上げては逆に恐縮なんですが、干ばつの被害の起こってくる根本原因は、やっぱり造林の問題だ。要するに山がはげ山だということ。集中豪雨の起こってくるのも、九州地方の集中豪雨を私見に行きましたが、行ってみますと、これまたやはり山の木の乱伐なのであります。雨が降ってもかわいても、これは全部造林計画がうまくいってない。このうまくいってない理由は、決して林野庁の責任だけじゃないんで、これは各産業間の格差の問題があるからやむを得ないかもしれません。その上にさらに予備費から支出をしないで、また雪害のほうは経常費の金を回しておけというようなことをされたのでは、これはむしろ災害の原因になりますよ。将来の災害の一番の原因をつくっているのはこのお役所であるということが私は言えると思うのですが、これは申し上げるだけでけっこうです。ひとつよろしく注意をしていただきたいと思うのであります。  それから天災融資法発動による点、これは少しこまかいことでありますが、効果の問題でありますけれども、天災融資法の発動を受けて、被害林業者と特別被害林業者というのがありますが、林業では一般に二十万円を限度としてしかお金を貸し出せない。ところが真珠業者とか家畜飼育関係は五十万円まで貸し出しているわけです。林業経営というのはむしろ、日本の酪農とか畜産関係に比べますと、資本形態としては非常に大きいものであります。どうして二十万円しか貸し出せないのか、この辺について意見を承りたいと思います。
  228. 木村晴吉

    ○木村説明員 いま貸し付け限度額の二十万円については、大体現在の所有資金の運営上支障がないようにと実は考えておりますが、それ以外の一応必要なものにつきましては、経営改善資金の限度額の三十万円、これを拡大する方向で今後検討していきたいというような考えを実は持っておるわけであります。
  229. 水野清

    ○水野委員 私はそういうところにも、どうも林業関係に対する農林者や大蔵省の御理解があまりないように思うのでありまして、とても二十万円やそこらの低利の金を貸し出してもらっても、林業経営においてはあまり役に立たない。九牛の一毛である。おそらく五十万円でもこれは役に立たないと思うのですが、もう少し林業に対する特別な考え方を設定していただきたい。これをお願い申し上げておきます。  それから一般の再造林資金の公庫貸し出しの問題でありますけれども、四十三年度農林漁業金融公庫の災害資金のワクというのは、幾ら予定をしておられるか。
  230. 木村晴吉

    ○木村説明員 いまお尋ねの造林資金関係の災害のための、いわゆる根起こし、枝起こしの融資資金だとかあるいは造林関係の融資資金は、これは四十三年度農林漁業金融公庫の従来の造林資金のあれの運営でやるわけでございます。特に災害のための分としては林業上のものは持ってなくて、全体の農林漁業金融公庫関係として、私ちょっといま数字を忘れましたが、全体の災害関係のワクが六十億かあるように実は承知いたしておるわけです。
  231. 水野清

    ○水野委員 わかりました。これは要するにこの六十億を、これは林業だけでなくて、漁業にも使う。災害ならば何でも使うという考え方でよろしいわけですね。
  232. 嶋崎均

    ○嶋崎説明員 御承知のように天災融資法その他の融資ワクの問題としましては、そのつど政令で適用しておるわけでございますが、公庫の資金ワクにつきましては、それぞれ大きなワクとしまして、農林関係の経営構造改善関係の資金、それから基盤整備の関係の資金、それから一般の施設資金、それから経営維持安定の資金、災害資金、そのほかに、今度卸売り市場の近代化の資金、さらに予備ワクとして六十億、総体で千八百億の融資ワクを持っておるわけでございます。これらのワクにつきましては、御承知のとおり、過年度のそれぞれの実施状況を見まして、過去の実績等を勘案しまして、それぞれワクを設定しておるわけでありますが、それぞれのワク間の過不足につきましては、年度の実効を見まして振りかえをし、運用する。それらの振りかえをして、なお不足がある場合については予備ワクの六十億を使う、こういうやり方で運用をしておるわけでございます。以上でございます。
  233. 水野清

    ○水野委員 そうしますと、農林漁業関係の災害資金は六十億、いまの予備ワクというのは六十億あるわけですね。
  234. 嶋崎均

    ○嶋崎説明員 ほかに……。
  235. 水野清

    ○水野委員 ほかにあるわけですね。合計百二十億はある。これは別に雪害とか林業とかいう固定したものに使うものではないけれども、あると考えていいわけですね。今回の暴風雪の災害だけでも、これは農林省の出した資料ですが、三百十四億、林業だけでもそうです。全体は五百七十四億という数字になっております。政府の財政の非常に窮乏しているときでむずかしいことかもしれませんが、ワクの拡大をはかる必要が私はあるんじゃないかと思うのでございますが。
  236. 嶋崎均

    ○嶋崎説明員 御承知のとおり、被害額の総体というのは、いまの段階、県の林業関係の被害につきましては、県報告があるのみでございます。県報告につきましても、私の承知している限りにおきましては、奥地等の災害につきましては、実際立ち入りの被害調査というものができませんので、およその数字として報告をされておるということを聞いておるわけでございます。それらの被害額が設定さえまして、それから天災融資法の場合には、過去の被害に対応するところの融資ワクというのがそれぞれの経営資金になるわけでございますので、そういう経営資金のワクを、それぞれ災害ごとに政令できめまして、具体的に運用するという形になるわけでございます。したがって、災害の金額そのものが融資のワクにストレートにつながるという問題ではありません。過去の例から見まして、天災融資法の関係の融資ワクが非常に不足するというような場合には、個々の北海道の冷害とか新潟の災害とかいう大きな災害があります。そういうような点については、各ワク間の融通によりまして、大体対処できておるという実情でございますので、ことしの年度当初、林業では三百億の被害があった。したがって、すぐワクの心配をという事態では全くないというぐあいに思っております。
  237. 水野清

    ○水野委員 私も災害の金額の拡大化、即融資ワクの拡大につなげということを申し上げておるのではないのであります。少しこまかくなりますけれども、たとえば造林資金——きょうは林業関係のことを伺います。造林資金の問題につきましても、一般の農業資金との格差ということを、同じ農業の中でも経営の内容が違うわけでありますから、たとえば農業は長くても一年というのが資本の回転の率だと思うのですが、林業の場合はやはり二十年、三十年。ところが、私少し調べてみましたが、ほとんど金利において差をつけていない。金利その他償還期限について、ほとんど優遇措置がないというふうに思うのです。結局は一般の農業資金と同じような金利、償還期限というもので貸し出しをすれば、これは実は災害があっても借り出しの希望者が出てこないわけです。ここのところに、今後、私の申し上げたいのは、実は治水治山対策の根本である林業に対する特別な考え方というものを設定しないと、結論としては、いろいろ補助金を出して、植林、再造林とかいろいろなことをやっておられますけれども、林野庁でも五カ年計画を立ててやっておられますけれども、どうも、実質的には効果があがってこない。国有林なんかは実際植林がされておりますけれども、私有林、民有林においては、全く切りっぱなしであるというのが現状だと思う。これは考えていただかないと、結局また災害というような形で出てきてしまって、嶋崎さんに御迷惑をかけることになるので、むしろ早手回しに、投資の意味で、少しそういうことを考えていただきたいということであります。これは私の話だけで、別に御答弁はいただかなくともけっこうですけれども、もしお考えがあれば、どうでしょうか。
  238. 嶋崎均

    ○嶋崎説明員 御承知のとおり、林業関係につきましては、造林の関係の補助の問題であるとかいうような点では、よその、たとえば農業に対するよりも、個人の経営という面に対する補助でございますから、相当有利に扱っておるという現実もあるわけでございます。それは一つは、御指摘のように林業というものの性格を考えての話だと思いますが、さらにまた公庫等の融資につきましても、通常の利率から比べますと、非常に低い額、特に小造林関係につきましては、三分五厘というような融資をいたすことにしておりますので、よそのものから見て見劣りがするというよりは、どちらかというと、林業については優遇措置が考えられておるというのが私たちの中での常識になっておるかと思っております。
  239. 水野清

    ○水野委員 その問題はそのくらいにして、小造林は確かに三分五厘出ております。償還期限が三十年ですが、これはちょっと無理だと思います。それはまた別の機会に……。  それから今度は雪起こしのさっきの問題がございますので、それに移っていきたいのです。雪起こしの問題で、要するに補助、融資対象について伺いたいのですが、幼木のなわ代、それから起こし機の問題、これは、要するに先ほど質問がありました樹勢回復と同じ問題だと思うのであります。あるいは夏の干ばつのときの例のガソリン代の問題と同じなのでありますが、これはやはり今回はやる意思がないのかどうか。
  240. 木村晴吉

    ○木村説明員 いまのお尋ねの点は、実は三十八年ごろには雪越こしの補助金がございましたが、なわ代と針金あるいはそれの引き起こしの簡単なウインチですね、そういうものを換算しまして、ヘクタール当たり二千百円程度では非常に零細で、それからこれのいわゆる確認とかいう点について非常に支障を来たしましたので、四十年度からは融資に切りかえております。先ほど出ておりました公庫の造林融資の保育資金を開拓しまして三分五厘、今回も一応従来の例にのっとって処置していきたいという考えを持っております。
  241. 水野清

    ○水野委員 そうすると、今度融資の問題でございますが、保育資金の問題で、いままで植栽、要するに植えてから八年という限度で縛ってございます。この八年という限度をはずす意思があるかどうか。
  242. 嶋崎均

    ○嶋崎説明員 御承知のとおり、いま木村指導部長からお話がありましたように、実はなわ代を補助したのは一回なんです。三十八年限り。三十八年のときにいろいろ問題がありまして、この補助金は将来運用上問題があるということで、四十年にやはり雪害の問題が出てきたときにいろいろ議論をしまして、実はいま御質問の八年という数字でございますが、三十八年当時はこれを五年でございました。それを育林に要する期間をもう少し長くしなければいかぬじゃないかということを具体的に検討しまして、一応八年ということに改定をした経緯があるわけでございます。そういう意味合いから、一応はわれわれは当時の議論の経過等を見まして具体的に決定をしまして、八年というのが一応妥当ではないかというぐあいに現在の段階で考えておるわけであります。
  243. 水野清

    ○水野委員 そうすると、八年をはずすということはまだ考えていないということですね。
  244. 嶋崎均

    ○嶋崎説明員 何しろそういう経過がありましたので、また林野庁のほうからその点について、たぶん先生からのお話だろうと思いますが、八年という期間を検討すべきではないかという実は申し入れがあるわけでございます。その過去について、四十年のことでございますので、私が着任するちょっと前でございますが、なぜ八年にきめたんだろうかというようなことをいろいろ内容的に検討してみますと、実はここへ来るまでにちょっと見てきたのでございますが、いろいろ育林の費用というものは、過去の経過で、たとえば一年目、二年目、三年目、四年目、五年目とずっとおりてきますと、結局七年目までに非常に金を投ずるという形になる。八年目には、それはものによりますけれども、除伐というようなことがあり、その次に追肥というようなことがあって、その次からはほとんど投下をしなくても自然的に伸びていくという、そういう状態というものと判断をしまして八年を決定しているようでございます。急に植物学的な面で変わっておるというような事情もないと思いまして、一応私は現在の段階では、八年が妥当なものであるというぐあいに思っておる次第でございます。
  245. 水野清

    ○水野委員 いま確かに八年という、その八年前後というところで造林としては非常に経営の内容は変わってくるわけなんでありますけれども、今回の被害の内容を見ますと、私は八年ではやや不足である。もう少し保育期間を長く見てやる必要がある。だめなものは結局縦に裂けてしまって、雪折れして使えなくなってしまっておりますから、結局残ったものを見てやる必要がある。そういう意味から、私はもう少しこの年限を延ばしてもらいたい。これは要望で、嶋崎さんにお願いをしておきます。  それからもう一つ、これは主として北陸地方の造林にあるわけなんですが、別に今回の台湾坊主の被害だけでなくて、これは積雪地帯の造林というのが、大体雪起こしというのが一つの管理上の通常的な仕事になっている。むしろ私は今回の雪起こしにひっかけて、おそらく北陸地方から相当にこういう数字が出てくるだろうと思います。これに便乗をして補助金をいただこうというのが出てくる、別にそれはいかぬと言っているわけじゃない、大いにそれ出してやってもらいたいのですけれども、結局それは日ごろ雪起こしの問題について非常に行政上欠陥があったんだ、こういう形で出てくる。これについてむしろ雪起こしの保育資金の問題を雪害にひっかけないで、正常の造林補助として取り扱うような道を開いてやってもらいたい、これは指導部長のほうにお願いいたします。
  246. 木村晴吉

    ○木村説明員 いまのお尋ねの件は、これは非常に率直に言いまして、むずかしい問題かと思うんですよ。現状は確かにそういう現象が非常に現在多くなっておりますけれども、突発的に発生する災害のようなものでもないし、といって造林費そのものは、積雪地帯におきましては、ほかの地域と比較しまして、相当大幅な実行単価を見ておりますし、ある場合は階段造林のようなものを見ておるような感じもいたしますが、やはり一番問題なのは表日本に対するああいう生長の早い杉の品種を植えておるような問題もありまして、品種選抜の問題とかあるいは施業上の問題もあわせ検討いたしまして、いろいろ私のほうも検討していきたいと思います。
  247. 水野清

    ○水野委員 時間がだいぶなるんですが、もうちょっと時間をいただいて、災害復旧の再造林の補助について少し今度はこまかく伺いたいんですが、ここに「造林補助金査定要領」というのが、これは林野庁でつくられたのか大蔵省と林野庁の申し合わせなのか知りませんが、そういう文書があるわけです。それを少し調べてみましたのですが、この災害のところで、これを私読んでみます、指導部長は御存じだと思いますが、「災害復旧造林の特例」というので、その一つは、「先枯病による災害跡地の復旧のために行なう再造林の基礎因子は拡大造林と同じとすることができる。」二は「林野庁長官が指定した災害跡地の復旧のために行なう再造林の基礎因子は林野庁長官が別に定める。」と書いてある。この基礎因子という問題で伺いたいのですが、今回の災害の場合、基礎因子というものを数字を幾つにして補助査定をしていかれるかということを伺いたい。
  248. 木村晴吉

    ○木村説明員 今回の場合は、一般の干ばつの場合と同様に、一応災害復旧造林として、点数加算は四十点というように考えております。
  249. 水野清

    ○水野委員 実は私のところへ基礎因子を上げてほしい、災害の場合は百である、それをもっと百二十あるいは百七十に上げてほしいという要望があるわけであります。もしこれが百に固定をするならば、逆に基礎因子をかける。非常にこまかいことで恐縮ですが、経常経費といいますか、これは昭和四十三年度は五万三千六十円ですか、この中に入ってくる。要するに造林をするための地ごしらえ費といいますか、要するに雪折れしたり何かした木を一ぺん切って、そのあとに再造林をするわけなんです。その経費を非常に人夫賃がかかりますからよけい見てくれ、どちらかにしてくれ、さっき言ったように百二十か百七十にするか、もしくは人夫賃がよけいかかることを認めてくれ、どっちかにしてくれなければ、とてもこれは造林の少しばかり補助金をもらってもやっていけないというような話がある。これはどっちでやる意思があるか。
  250. 木村晴吉

    ○木村説明員 この問題は、実は災害造林の場合は四十点加算いたしまして百点、それから拡大造林の場合は原則として百二十点、それから杉の木の造林地のあと再び造林するような再造林の場合六十点。六十点と百二十点というなには、拡大造林の場合は非常に経費もかかる、それから奨励施策的という面があるわけですが、その四十点加算としたという関係は再造林であるけれども災害のための一つ対策として十分顧慮されておるのでございます。ただ先生がいまお尋ねのように、四十点上げるのがいいのか、それから諸掛りを上げるべきじゃないか、どっちか上げるべきじゃないかと言われますけれども、これは率直に申し上げまして、現地で査定して積算したものではなくて、奨励補助金的に全国統一的に、一応マクロ的にこのレベルというようにつくった形の従来の慣習の上に乗って要資金的の制度をバランス上、均衡上積み上げたものでございまして、ある特定のところでは現在の姿から見て相当かかるという御意見はよくわかるのでございますけれども、やはり平均的に見た場合に、災害復旧造林は、私らのほうは従来の四十一年災害等の例もあり、四十点加算して百点の係数でいく。それから再造林のいわゆる現在の地ごしらえ人夫数はそのまま私らのほうでは使っていきたいという考えを持っておるわけでございます。
  251. 水野清

    ○水野委員 先ほど申し上げたように、この要領の中に基礎因子は林野庁長官が別に定めると書いてあるわけですね。そうすると、これは大蔵省と相談なさるのだろうけれども、長官の考え方次第で自由になるのじゃないかと私は思うのです。だから災害地の状況によって、この係数を百にするかあるいは百二十にするかということは、私はわりあいにフレキシブルな問題だと思うのですけれども、実際はどうもそうじゃないようにも見受ける。そう硬直したものであるかどうかということをちょっと伺いたいのです。
  252. 木村晴吉

    ○木村説明員 この点については、やはり従来の均衡上、バランス上から硬直したものであるというふうに、私自身のほうの事務当局では考えておるわけでございます。
  253. 水野清

    ○水野委員 硬直しているわけだな、それじゃしようがない。  実は、私はこの質問をするので、各地から資料を集めたりいろいろな陳情書を調べてみまして、いままで造林、再造林の補助というのは補助金が四〇%と書いてあるわけですが、要するに四十三年度で五万八千九百四十円というこの基本単価の四〇%をかけるものだと思っていた。ところが、ここに行政上の一つの魔術があって、何か基礎因子というような係数があって、それで自由にそれがまた操作できるようになっているということがわかったわけなんで、若干驚いたわけなんです。こういう複雑な計算方法をやられることが、査定係数とか基礎因子とかいろいろなことばが出てきて、私も初めてで非常に困ったのですが、これが魔術師のごとく百になったり六十になったり百七十になったりいろいろなふうになって、ちょっとこれは一般のしろうとではわかりません。私もこれをよく頭に入れるのに半日くらいいろいろなものを読んでみてわかったのでありますけれども、こういうことをやらなければならないのかどうかということをちょっと伺いたいのです。
  254. 木村晴吉

    ○木村説明員 先生の御指摘の点は、ある程度整理はされた時期がございます。先ほど申し上げましたように、補助率は、県費を足しまして四〇%、だから係数が六十点の場合は二四%の補助率になるわけです。これは運営上は、奨励補助金であるという特色のために、地域的に非常に奨励施策的に、あるいは部落有林、入り会い関係等の低地域開発については県知事が二十点加算するとか、あるいは新しく最近、造林停滞の対策として団地造林を打ち出しております。あれも補助率は変えておらぬので低く、結局百二十点の拡大造林に対して五十点加算だから百七十点、これに四割を掛けるものですから六八%ですか、七割近くの補助率になる。私らのほうの行政運営上は、やはり奨励補助金の特例になって、こういう係数式でいかなければ、とても現地の実情というか、要請に応じ切れない。これは私らのほうではケース・バイ・ケース、現地のほんとうの造林施策を進めるための制度として、ぜひ今後とも続けていきたいと考えております。
  255. 水野清

    ○水野委員 その点よくわかりましたので、そういうふうに非常に柔軟性のある制度、見方によっては非常にいい制度をとっておられるのでありますから、災害の際にその基礎因子を十分に振り回して、なるべく百だとかなんとかけちなことを言わないで将来もう少し国家百年の大計をひとつ考えていただいて、適当な施策をやっていただきたいと思うわけであります。  時間もだいぶおそくなっておりますので、私、これで質問をやめさせていただきます。どうもありがとうございました。
  256. 芳賀貢

    芳賀委員長 本日はこの程度にとどめ、次回は来たる三月二十一日午後一時理事会、一時半委員会を開催することとし、これにて散会いたします。     午後六時二十六分散会