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1968-02-27 第58回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年二月二十七日(火曜日)     午前十時三十七分開議  出席委員    委員長 芳賀  貢君    理事 池田 清志君 理事 稻葉  修君    理事 渡辺 栄一君 理事 川村 継義君       阿部 喜元君    小沢 太郎君       菅  太郎君    田澤 吉郎君       高橋 英吉君    中川 一郎君       橋口  隆君   三ツ林弥太郎君       水野  清君    村上信二郎君     早稻田柳右エ門君    渡辺  肇君       井上 普方君    金丸 徳重君       工藤 良平君    兒玉 末男君       小松  幹君    平等 文成君       福岡 義登君    村山 喜一君       森  義視君    稲富 稜人君       小沢 貞孝君    小川新一郎君  出席政府委員         総理府総務副長         官       八木 徹雄君         厚生政務次官  谷垣 專一君         厚生省社会局長 今村  譲君         農林省園芸局長 黒河内 修君         水産庁次長   森沢 基吉君         建設政務次官  仮谷 忠男君         建設省河川局長 坂野 重信君  委員外出席者         内閣総理大臣官         房参事官    上田 伯雄君         警察庁警備局調         査課長     勝田 俊男君         防衛庁防衛局第         一課長     今泉 正隆君         科学技術庁研究         調整局総合研究         課長      緒方 雅彦君         大蔵省銀行局特         別金融課長   小宮  保君         国税庁直税部所         得税課長    植松 守雄君         文部省管理局教         育施設部長   中尾 龍彦君         文部省管理局教         育施設部技術参         事官      菅野  誠君         厚生省環境衛生         局水道課長   大橋 文雄君         厚生省社会局施         設課長     飯原 久弥君         農林大臣官房参         事官      太田 康二君         農林省農林経済         局金融課長   松本 作衛君         農林省農地局建         設部災害復旧課         長       松井 芳明君         農林省園芸局園         芸課長     千野 知長君         林野庁指導部長 木村 晴吉君         水産庁漁政部長 岩本 道夫君         水産庁漁政部協         同組合課長   鶴  哲夫君         中小企業庁計画         部長      井土 武久君         気象庁予報部長 今里  能君         気象庁予報部通         信参事官    北岡 龍海君         気象庁観測部長 川瀬 二郎君         建設省河川局防         災課長     坂井 秀正君         建設省道路局企         画課長     豊田 栄一君         建設省住宅局住         宅総務課長   角田 正経君         自治省財政局財         政課長     首藤  堯君         消防庁防災救急         課長      中沖  豊君     ————————————— 二月二十七日  委員内海英男君、熊谷義雄君、塩谷一夫君、栗  林三郎君、斉藤正男君、田邊誠君及び田原春次  君辞任につき、その補欠として菅太郎君、村上  信二郎君、高橋英吉君、兒玉末男君、村山喜一  君、小松幹君及び工藤良平君が議長指名で委  員に選任された。 同日  委員菅太郎君、高橋英吉君及び村上信二郎君辞  任につき、その補欠として内海英男君、塩谷一  夫君及び熊谷義雄君が議長指名委員に選任  された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  委員派遣承認申請に関する件  昭和四十二年七月以降の干ばつ等によるのり養  殖の被害対策  南九州えび地震による災害対策  昭和四十三年二月の異常降雪等による災害対  策  昭和四十三年一月以降の豪雪による災害対策      ————◇—————
  2. 芳賀貢

    芳賀委員長 これより会議を開きます。  災害対策に関する件について調査を進めます。  この際、おはかりいたします。  先ほどの理事会協議いたしました結果、南九州えび地震及び昭和四十三年二月の異常降雪等による被害状況並びに昭和四十三年一月以降の豪雪による被害状況等調査のため、現地委員派遣することに決定いたしたのでありますが、理事会決定どおり委員派遣承認申請を行なうことに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 芳賀貢

    芳賀委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決定いたします。  つきましては、派遣地派遣期間、時日、派遣委員の員数及びその人選並びに議長に対する承認申請手続等に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 芳賀貢

    芳賀委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決定いたしました。  なお、航空機利用の必要があります場合も、委員長においてしかるべく取り計らいたいと存じますので、御了承願います。      ————◇—————
  5. 芳賀貢

    芳賀委員長 本日は、まず昭和四十二年七月以降の干ばつ等によるノリ養殖被害対策について調査を進めてまいりたいと存じます。  ノリ養殖被害対策につきましては、前国会会期末、委員会において議決を行なうとともに、閉会中現地委員派遣して被害状況等調査を行なってまいったのでありまして、調査報告書は前国会委員会議録附録に掲載してありますので、御参照願いたいと存じます。  本問題につきましては、本国会におきましても、委員会が設置されまして以来たびたび理事懇談会を開いて、天災融資法発動等、その対策を推進してまいったところであります。  この際、農林省当局から被害状況並びに対策について概略説明を聴取いたしたいと存じます。森沢水産庁次長
  6. 森沢基吉

    森沢政府委員 西日本におきますノリ白腐れ病中心といたします災害経過並びにその後こちらでとろうとしております措置につきまして、要点を簡単に御報告いたします。  経過につきましては、ただいま委員長からお話しのとおり、昨年十二月二十日の当委員会におきまして、調査の促進並びに対策につきまして御決議がありました。続きまして、福岡佐賀県両県には当委員会から調査団派遣され、さらにほとんど時を同じくいたしまして、水産庁からも現地調査団派遣いたしまして、実情把握並びに原因究明等につとめてまいりました。  これらの調査の結果に基づきまして、水産庁におきまして、都道府県及び現地陣を交えましていろいろ検討いたしました。県から報告されております被害総額約百九十五億円にのぼりますが、その原因につきましては、昨年の異常干ばつ等によります海水の比重が例年より高かったということさらにその後台風によりまして急激な豪雨のために海水状況変化が生じた、さらにノリのちょうど芽の生育する時期に水温が下がるべき時期に平年よりも水温の低下が停滞をしたというような状況であったことが究明をされまして、これらはいずれも現在のノリ養殖技術ではカバーしきれない要素でございますので、関係方面ともいろいろ協議をいたしました結果、農林省といたしまして、天災融資法発動することに関係当局と話が現在ついております。近く関係政令を公布すべく現在準備中でございます。なるべくすみやかに関係政令を公布いたしたいということで取り進めておりますことを御報告申し上げます。  さらに、その内容につきまして簡単に触れますと、いわゆる特別被害地域を指定することのできる地域といたしまして、山口、福岡佐賀、長崎、熊本、大分、鹿児島の七県、これを予定いたしております。融資すべき資金ワクといたしまして二十億円ということに大蔵省当局とも話がついております。被害が非常に激甚でございましたので、いま申し上げました県の中におきまして大部分の地域がいわゆる三分融資の対象になる特別被害地域に該当することになろう。そういうふうにわれわれ考えております。  大体経過並びにその後とろうとしております措置につきましては申し上げたとおりでございますが、この機会になおつけ加えますと、ノリというものにつきましては、陸上の農作物以上に天然現象の影響を非常に受けやすいものでございます。というのは、生産の場が海という非常に変動の多い要素を持つ地域でございますので、こういう災害を繰り返さないように、われわれといたしましては、都道府県水産試験場改良普及員、それと水産研究所並びに大学等と密接に研究体制を再検討しタイアップをいたしまして、将来ノリ生産性の向上ももちろんでございますけれども、こういう海況変化等による災害防止等につきましてさらに万全の体制をとっていくようにいたしたい、そういうように考えております。  以上、簡単でありますが、経過並びに措置概要を申し上げました。
  7. 芳賀貢

    芳賀委員長 本問題に対する質疑は午後に譲ります。     —————————————
  8. 芳賀貢

    芳賀委員長 次に、南九州えび地震による災害対策及び昭和四十三年二月の異常降雪等による災害対策並びに昭和四十三年一月以降の豪雪による災害対策について一括して調査を進めてまいりたいと存じます。  これらの問題につきましても、先般来たびたび理事懇談会におきまして、政府当局より説明を聴取し、その対策について協議を重ねてまいったところでありますが、この際、現時点における被害状況及びその対策概要について、おもな関係政府当局から簡単に説明を聴取することとし、詳細は、委員質疑によってお述べいただくことにいたします。八木総理府総務長官
  9. 八木徹雄

    八木政府委員 ただいま委員長からお話のありましたえびの地震並びに二月中旬に北陸地方を襲いました豪雪、二月十五、十六日の表日本異常豪雪について、簡単に被害状況を御報告を申し上げます。  まず、最初にえびの地震について申し上げます。  今回のえびの地震は、二月二十一日の朝、宮崎県と鹿児島県との県境付近震源として発生したものでありますが、かなり広範囲にわたってゆれたのであります。震源付近では震度五ないし六の強震を感じたところもあります。  この地震によりまして、宮崎県のえびの町を中心被害を生じ、一般被害は、死者三人、負傷者二十人、住家全壊三百五十三棟、半壊四百八十七棟等となっております。  このため、特に災害の大きかった宮崎えびの町、鹿児島吉松町に災害救助法発動し、被災者の収容、たき出し、毛布の急送等実施するとともに、自衛隊給水車による飲料水供給日赤救護班による医療活動等措置を鋭意実施中であります。  このほか、鉄道道路にも若干の被害を生じたのでありますが、鋭意復旧につとめた結果、現在のところすべて開通してります。  政府といたしましては、事態の緊要性にかんがみまして、とりあえず仮谷建設政務次官日高農林政務次官、弘津総理府総務副長官等を現地派遣し、厚生省建設省係官からなる調査班も編成して現地におもむき、そのほかにも関係省の各係官現地に出かけて調査を現在行なっておる最中でありますが、今後ともさらに所要の対策を講じて、対策に遺憾のないよう努力いたしたい所存であります。  次に、豪雪について御報告申し上げます。  二月初旬に東北北陸地方大雪がありまして、最深積雪は、山形県羽前沼沢で五メートル十センチ、奥只見で五メートル五センチとなったのでありますが、このたびの大雪は、山雪型であったこと等、昭和三十八年一月の豪雪と性質を異にしておりまして、一般被害は、死者二十一人、住家の全半壊九棟でありました。  また、鉄道は、相当個所が一時不通となりましたが、本日現在ですべて開通しております。  国道は一時相当不通個所があったのでありますが、本日現在、直轄指定区間について全線交通を確保しております。  なお、その他の国道及び地方道について、相当不通個所があるのでありますが、これが交通を確保すべく、目下強力に除雪作業を続行中であります。  また、二月十五日から十六日にかけて九州北部四国瀬戸内側、南関東及び中部地方大雪がありましたが、これは台湾地方に発生した低気圧が、九州の南方から東北東へ進み、銚子南東へ抜けたために発生したものであります。  この大雪のため、死者、行くえ不明二十人、負傷者三十四人、住家半壊十六棟の被害の発生を見たのであります。  また、鉄道は、一時的にではありましたが、多くの個所不通となったのでありますが、十六日中にはほとんどが復旧し、木次線も二十五日には開通しております。  この他、通信途絶等被害も広範囲に及んだのでありますが、現在はほぼ平常状態に復しております。  農林水産関係被害は現在調査中でありますが、二十六日現在、野菜の約四十四億円をはじめとして、総額約二百九十七億円にのぼっております。  以上、御報告申し上げます。
  10. 芳賀貢

  11. 仮谷忠男

    仮谷政府委員 私は、二十三日から二十四日にかけて現地調査をいたしてまいったのでありますが、概要はただいま総務長官から申し上げたとおりであります。  また、建設関係では七億七千万円程度被害が出ておるのでありまして、なお、これは現地に目下査定官派遣をいたしまして、詳細に調査をいたしております。  なお、直轄関係で緊急に工事を施行する必要のあるものはすでに二千万円近く既定経費を立てかえをいたしまして、実施予定をいたしております。さらに予備費の支出の折衝も大蔵省といたしております。  なお、補助災害等につきましては、これはもちろん査定官派遣いたしておりますが、現地準備ができ次第にこれは緊急査定を行なって、一日も早く復旧をはかってまいりたいというのが現在の状態であります。簡単でございますが……(「それは地震ですか、それとも雪ですか」と呼ぶ者あり)えびの地震ございます。
  12. 芳賀貢

  13. 谷垣專一

    谷垣政府委員 えびの地震に関しましては、厚生省といたしましては、えびの町及び吉松町の両町に災害救助法の適用がございましたのにつれまして、たき出し、また飲料水供給、被服、寝具等日用品の給与あるいは医療班派遣仮設住宅等応急措置を講じておる状況でございます。  飲料水は、自衛隊の援助を受けまして、自衛隊給水隊によりまして実施をいたしておりますし、水道破壊がございますので、これの応急修理を急がしておる状況ございます。  仮設住宅につきましては、二十六日現在えびの町のほうでは三十六戸が完成する予定でございます。二十九日までに八十戸を建設する見込みでございます。吉松町では二十戸の建設をいたす予定で、目下資材の手配をいたしております。  医療班は、宮崎県ではそれぞれ日赤あるいは国立の療養所、県立の日南病院等から医療班派遣いたしております。吉松町のほうには日赤救護班実施をいたしておる状況でございます。なお、地震が長引くというような状況がございますれば、さらにこれらの医療班対策について処置をいたさなければならない、強化をはからなければなりませんので、日赤本社におきまして状況を見守りつつ計画を立てておる、こういう現状でございます。  豪雪に関します厚生省措置といたしましては、新潟県、山形県等からは厚生省関係施設被害報告が来ておりますが、まだその他の県からの被害が届いておらないところがございまして、現在集計中でございます。これらの集計が終わりますれば適切な措置を講じたい、そういう考え方で進めておる次第でございます。
  14. 芳賀貢

  15. 太田康二

    太田説明員 お手元にお配りしてございます資料に基づきまして、えびの地震被害状況並びに二月中旬の暴風雪による被害につきまして、御報告申し上げたいと思います。  えびの地震被害でございますが、そこにお配りしてございますように、宮崎熊本鹿児島の三県に被害が出ておりまして、私のほうで県を通じまして二十六日現在で調査いたしましたものによりますと、農地農業用施設治山施設林地崩壊、林道、共同利用施設入植施設、一部内水面養殖施設被害もございまして、さらに国有林被害を入れますと、総額十二億二千九百万円という被害になっておるのでございます。  農林省といたしましては、私、政務次官のお供をいたしまして、現地えびの町と吉松町にも行ってまいりましたし、さらに九州農政局から災害農地査定官派遣いたしまして、現地災害実情並びに指導に当たらせております。さらに林野庁治山課から担当技官がおもむきまして、これまた同様被害実情把握指導に当たらせておるのでございます。  大体被害県の御希望といたしましては、農林漁業金融上の措置あるいはここにございます農地農業用施設あるいは林地林業施設についての早期復旧ということが強く要望されておりますので、農林省といたしましては、できる限り災害査定をすみやかに行ないまして、復旧早期実施をはかりたい、かように考えております。  それから二月中旬の暴風雪による被害でございますが、そこにお配りしてございます資料によりましてごらんいただきたいのでございますが、三十五都府県に及んでいるのでございまして、特に被害のはなはだしいのは九州四国の各県でございます。  二月二十六日現在の都府県報告によりますと、農作物は、野菜が約四十四億円、果樹はかんきつが主体でございますが約十一億円、これら果樹等樹体被害が約百三十六億円、そのほか花卉、サトウキビ等被害がございまして約二百八億円、施設関係では、今回の豪雪暴風を伴いましたので非常にビニールハウス等がやられておりますが、全壊または一部破壊による被害が約三十億円、それから林野関係被害が約四十九億円と書いてございますが、実は林野被害がたいへん多く県から報告されております。実は被害はさらにこれよりはるかにふえることになっておりますが、現在林野庁が直接現地におもむきまして各県を集めて一応事情を聴取いたしておりまして、二十九日までには正式に県報告による林野被害をまとめることができるかと思いますが、かなりの額に及んでいるのでございまして、この報告では一応全部合わせまして、施設被害も含めまして約二百九十七億円ということになっておりますが、さらに被害額はこれよりも相当ふえるということを御承知おきいただきたいと思うのでございます。  それから私のほうの対策でございますが、現地職員派遣いたしまして調査をいたしたことはもちろんでございますが、さらに技術的対策ということで地方農政局長あて官房長名をもちまして今後の災害に備えて技術対策指導をいたしたのでございます。  それから、今回の雪の被害につきましては、特にこの被害だけを取り出して調査をいたすということにいたしまして、現在統計調査事務所被害調査実施いたしております。この結果が大体三月上旬にまとまるというふうに聞いておりますので、その被害調査の結果をまちまして、天災融資法発動、さらには自作農維持資金特別ワクの設定という金融上の措置を検討いたしたい、かように考えております。  それから温室施設がずいぶんやられておるのでございますが、温室施設につきましては、農林漁業金融公庫資金等ですみやかな復旧をはかってまいるということにいたしております。  それから造林の問題でございますが、これまた一応現在の制度といたしましては、雪起こし等に要する資金等につきましては農林漁業金融公庫からの貸し付けをはかる、あるいは造林地改植につきましての国庫補助制度がございますから、これによって対処することについて検討してまいるということにいたしております。  それから海岸漁港等施設被害もあるわけでございますが、これにつきましては、やはりえびの地震の場合と同様、早急な査定を行ないまして、復旧早期実現を見るということにつとめてまいりたい、かように考えております。  それから、これ以外に、実はいわゆる積雪寒冷地帯の雪の被害もあるわけでございますが、これらにつきましては、現在雪も降っておるというような状況でございまして、随時被害も各県から報告をいただいておりますが、農林省といたしましては、従来ともそうであったわけでございますけれども、融雪時を待って被害調査をし、それによりまして先ほどのこの台湾坊主被害と同様にやはり金融上の措置その他必要な措置を検討してまいりたい、かように考えておるのでございます。
  16. 芳賀貢

  17. 今泉正隆

    今里説明員 昭和四十三年二月の大雪について簡単に御報告申し上げます。  お手元青焼き資料をお配りしてございますが、それをごらんいただきますとわかりますように、この大雪は二月の一日から四日まで、日本海側東北地方北陸地方相当の雪を降らせ、それから二月の十五日、十六日、これは先ほど来御説明がありましたように台湾坊主による大雪でありまして、主として日本列島太平洋側に異常な雪を降らせたわけでございます。次いで二月の二十日前後にやはり、これは日本海側でございますが、北陸から山陰、それから北九州にかけて雪を降らせた。  ことしの雪の特徴は、三十八年のときが里雪でありましたのに対しまして、山のほうに多く降る山雪型でありましたことと、もう一つは冷たい空気がシベリアのほうから日本列島に毎年冬は流入してまいるわけでございますが、それが西のほうに片寄りましたために、例年に見ず山陰それから北九州あるいは所によりましては九州の南部で雪が降っておる、こういう状況でございます。  これらの降雪豪雪に対しまして適宜注意報なりあるいは警報を出しまして、気象庁としての措置を全国的にとったわけでございます。  以上でございます。
  18. 芳賀貢

  19. 川瀬二郎

    川瀬説明員 気象庁観測部長でございます。  今月二十一日のえびの地震に関して概況及び気象庁のとった対策について御報告申し上げます。  お手元青焼きが参っておりますが、概況を簡単に申し上げますと、規模は六・一程度のものであります。日本といたしましては昭和三十九年六月十六日の新潟地震以後のことでございます。  先ほどの総務長官お話しのように、かなり被害を伴いましたが、非常に浅いものでございますので、震源付近だけにかなり被害が出ましたほかは、それほどの被害はございませんでした。余震回数はだんだんと減っておりますので、やや終局に近づいているんじゃないかという見方がされております。  三枚目の気象庁対策を申し上げますと、火山対策で霧島町の湯之野に火山観測点がございます。これはこのたびの震源から大体二十キロほど離れております。ここへ鹿児島地方気象台職員二名を地震後直ちに派遣をいたしまして、三時間ごとに鹿児島地方気象台を経由し、福岡管区気象台を経由して、気象庁地震課に通報し、監視体制強化をはかりました。  また同日、福岡管区気象台から技術部長現地派遣し、業務連絡を密にし、また地震監視業務を適切に行なうようにいたしました。  なお、現地のほうでいろいろと御不安がつのっておるような様子でございますので、気象庁といたしましては、二月二十四日に関谷調査官現地調査派遣いたしまして、東大、京大などの現地観測所協議して、今後の対策の樹立に当たらせることを目的として派遣いたしました。  二十五日には、関谷調査官と東大地震研究所等と現地において協議した結果、一としまして、えびの町にえびの地震総合観測班を結成、ただいまのところ関谷調査官が班長の役をいたしまして、えびの地震に関する東大、京大、気象庁の観測資料を収集する。これは松代地震のときにおきまして、松代の地殻変動連絡会というものをつくりまして非常に効果がありましたものですから、それと同じようなふうにいたしたわけでございます。  それから総合観測班で資料を検討した結果、必要と認めた場合には水上教授や気象庁と総合協議した上で、福岡管区気象台から一元的に地震情報を発表することにいたしました。  なお、本日午前十時に、お手元には時間の関係で問に合いませんでしたけれども、次のような地震情報が福岡管区気象台から協議の末発表されております。これを申し上げますと、えびの総合観測班の観測によりますと、一、いまのところ震源位置の変化はほとんど認められない。これは注釈いたしますと、余震の震源位置ということでございます。第二、地震回数はときどきには増加することもあるが、全体としては減少傾向にある。以上の結果から、地震は次第におさまる傾向にあるが、二十五日の夕刻午後五時四十九分にちょっとした地震がございました。この程度地震は今後も起こるおそれがあり、いままでの地震で地盤、建物が弱くなっているので、引き続き御注意ください、こういった地震情報を発表しているわけなんでございます。  大体こういうことでございます。
  20. 芳賀貢

    芳賀委員長 次に、勝田警察庁調査課長
  21. 勝田俊男

    ○勝田説明員 お手元に配付いたしました資料によりまして、えびの地震並びに豪雪についての被害状況について御説明申し上げます。  えびの地震被害につきましては、宮崎鹿児島熊本の三県下に発生いたしたわけでございますが、昨日の午後六時現在の被害状況をお手元資料に別表として添付してあります。なおその後鹿児島県におきましてさらに調査いたしました結果、お手元にお配りしました資料よりは若干被災の状況がふえておりますので、この席で恐縮でございますが、訂正さしていただきます。  鹿児島全壊が二十二になっておりますが、三十四に訂正していただきます。半壊が六十三が百二十二でございます。一部破損二十九が千五百六でございます。非住家被害三十一が七百六十二でございます。罹災世帯数八十四が百五十六、罹災者数三百九十四が六百六十六でございます。したがいまして、総計も、全壊が三百六十七、半壊が五百五十六、一部破損が三千二百三十九、非住家被害が千四百六十三、罹災世帯数が八百七十四、罹災者数が三千八百九十四になります。なお相当数の被災者住家を離れて避難をしているという状況でございます。死者鹿児島県で三名出ておりますが、この死亡の原因につきましては別に表をつけておりますが、一名は高齢の方でショックでなくなった。あとの二名の方は落石によって車庫がつぶれて圧死したということで、いずれも鹿児島県におきまして発生いたしております。  なお、これにつきまして警察がとりました措置でございますが、宮崎県の警察の現地管轄署の飯野警察署では、直ちに全署員を招集いたしまして、現地のもよりの派出所に約三十名の警察署員を動員いたしまして、被災者の救助に当たらせております。なお県本部から警備部長を長とする三十六名の警備要員並びに機動隊、なお隣接署から百五十名を出動させまして、被災者の救護、被災地域の警戒、犯罪の予防のための必要な警ら等の警備活動を現在行なっております。なお、飯野警察署では、災害警備総合相談所を設けて、被災者への協力、相談、案内等を行なっております。  鹿児島県におきましては、所轄の横川警察署で二十名を現地に出動させ、また本部から機動隊その他百名を現地に応援派遣いたしまして、宮崎県同様警戒に当たっている次第でございます。  なお、警察庁及び管区からそれぞれ係官現地派遣いたしまして、指導に当たらせております。  次に、豪雪による被害の発生状況でございますが、一月下旬から二月上旬にかけての裏日本一帯の豪雪、二月十五日から十六日にかけての九州四国、関東地方、太平洋岸一帯の豪雪とに分けまして、それぞれ被害状況を表としてつけておりますので、ごらんいただきたいと思います。  前者につきましては、死者が二十一名、後者につきましては死者が二十名出ております。いずれも主としてなだれによる死者でございます。今後なだれについての警戒措置その他についての広報措置を十分に行なって、このような死者の発生することがないように、さらに努力をいたしたいと考えております。  以上でございます。
  22. 芳賀貢

    芳賀委員長 これにて説明は終わりました。     —————————————
  23. 芳賀貢

    芳賀委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。池田清志君。
  24. 池田清志

    ○池田(清)委員 私は、えびの地震に集中して質疑をいたしたいと思います。先般発生をいたしましたえびの地震によりまして、とうとい生命を失われた方があり、からだを損傷された方があり、家屋あるいは家畜等の被害をお受けになった方々が多数発生をいたしまして、まことに残念に思います。なくなった方々に対しましては、つつしんで御冥福をお祈りいたしまするとともに、罹災者の方々に対し心からお見舞いを申し上げます。  この地震が発生いたしますると、関係市町村、県はもとより、関係省庁におきましては、それぞれさっそく関係省庁の担当いたしまする対策、施策を樹立いたしまして、着々と実行しておられますることに対しまして、敬意を表するものであります。でありまするが、この際さらに進めていただきたいという気持ちから、二、三の項目についてお尋ねをいたします。  まず第一は、人心を安定せしむるというとこであります。地震がさらに続いております。先ほど気象庁の御発表がありましたけれども、地震は続いておるのです。ですから、罹災民の方々や、そうでない住民の方々も、いつ地震が来るかわからぬということで悩んでおられるのであります。人心不安定でございます。ですから、この地震がだんだんおさまりつつはあると気象庁は情報を流しておられますけれども、さらにこの際一そう人心を安定せしめるために、どういうわけでおさまっていくのかという筋道と、そしてまた地震情報を発表になりましたならば、それが現地にいち早く到達するように、さらに進めていただきたいという点について、まずお尋ねをいたします。
  25. 仮谷忠男

    仮谷政府委員 私が現地調査して直接に感じましたものですから、私から、お答えになるかどうかわかりませんが、お答えいたします。  私は、現地を見まして必要以上に非常に人心が動揺していることを感じました。したがって、余震がずっと続いておりますものですから、いわゆる松代地震のようなことになって、さらに同様の状態が長く続くということは、復旧にも影響すると同時に、その他治安対策の面からいっても憂慮すべき問題だということを切実に感じたわけで、このことは地元の知事さんも非常にそのことを心配されておりまして、さっそく東大の地震研究所長が現地に行って観測され、状況を発表されたことは御承知のとおりでありますが、さらに引き続いてただいま気象庁から報告がありましたように関谷調査官その他を派遣いたしまして、これは当分の間常時そこに常駐いたしまして、観測を行なって、そのつど地震情報を流していく、そうしてその見通しといったような問題、確実なものはあるいはわからないかもしれませんけれども、やはりそのつど情報を流して、そうして民心をできるだけ落ちつけていくように、あまり不安動揺させないような方向で指導していくということが最も大切なことじゃないかということで、現在その対策をとっておるわけであります。  その他のことにつきましては、警察やあるいは自衛隊等も万全の体制を整えておるものですからそうしたものができるだけ地元のいろいろなデマ宣伝を打ち消すように配慮していかなければならぬのじゃないか、かように存じておるわけであります。
  26. 池田清志

    ○池田(清)委員 地震情報の関係で住民にさっそく徹底するようにいたしまして、人心の安定をさらにはかっていただきたいと思います。  次に、罹災者の方々の食糧と水であります。自衛隊が出動いたしまして、握りめしをつくって罹災者にお配りをしておる、配水しておる、こういうわけです。こういうような日常の生活は、罹災者にとりましてはあるいはやむを得ないといえばそれまででございますけれども、罹災している方方の御心中はいかばかりかとお察しするわけです。できるならば早く、そういうことでなくて、普通の御飯、みそ汁、あるいはお湯といったようなものが罹災の場所においてもできるようにひとつしてもらいたい、こう思うのでありますが、これについての措置はどうでございましょうか。
  27. 谷垣專一

    谷垣政府委員 応急措置といたしましては、自衛隊の応援を得て、たき出しを実施いたしております。えびの町ではおよそ三千五百名、鹿児島県のほうの吉松町では二千名を対象にして現在たき出しをいたしておるのでありますが、飲料水の問題につきましては、これも水道等が破壊いたしましたために、応急の措置をとらざるを得ませんので、現在給水隊によります給水車三台あるいは町当局が持っておりますそれぞれの給水車等の活動を促しまして、およそ八台程度えびの町で飲料水の給水をいたしておるのでございます。吉松町におきましても同様でございます。  なお、この水道を早く平常の状態に戻さなければなりませんが、現在復旧作業中でございます。本省のほうといたしましても係官現地派遣いたしまして、これを指導、督励しておる、こういう状況でございます。もちろんこれは、その後におきます国庫補助等の施設はあとになってから考えなければなりません。そういうつもりで現在施設の復旧を急いでおる、こういう状況でございます。
  28. 池田清志

    ○池田(清)委員 罹災者の方々は、半壊全壊した自分の家を残して、家財道具をはじめといたしまして、その他貴重品等を残して収容所に避難をしておられると思います。  そこで、先ほど警察庁の警備の状況等を伺いましたけれども、私がここでお尋ねいたしますのはそのあき家になっておるところの財産をどろぼうする者はいないかということで、それはぜひ守ってもらわなければならない。そういう防犯的な警備の問題についてお尋ねをしておきたい。
  29. 仮谷忠男

    仮谷政府委員 私、所管外ですけれども、現地に行ってつぶさに見てきたものですから申し上げますが、その点は非常に現地も心配をいたしております。昼間はともかくとして、夜間は全部家を捨ててしまう。しかも電気はないということで、この留守のあとにもし不慮の事態が起きたら一体どうするかということを町長も地区の消防団も警察も自衛隊も非常に心配しておりまして、その点は自衛隊や警察あるいは消防団あたりがほとんど不眠で、二交代ぐらいで警戒を固めておるというようなことを詳細に承り、私も現地も見てまいったのでありますが、そういう面ではいまのところ万全の体制をとっておるようであります。今後の問題は十分留意していかなければならぬのは当然かと思っております。
  30. 池田清志

    ○池田(清)委員 なお十分警備を進めていただきたいと思います。  今回のえびの地震は個人災害が非常に多いわけでございます。家屋とか畜舎でありますとか、あるいはまた農地の問題等々いろいろと個人災害が多い。個人災害については、今日のわが制度上は国の見舞い金もない、あるいはまた個人災害者に対します補助もないというわけでありますから、これらの問題はわれわれ国会におきまして慎重に検討しなければならない問題でありますが、現行制度のもとにおきまして、次に数項お尋ねをするわけです。  まず家の問題についてお尋ねをいたします。公営住宅法によります災害公営住宅の割り当てを増してほしい、こういう地元の要求がありますが、これに対しましてどう対処しておられますか。
  31. 仮谷忠男

    仮谷政府委員 災害公営住宅の問題は、被害戸数の三割という一つの基準がございまして、それに基づいて実は進めておるわけであります。しかし、現実の災害の実態というものを十分把握いたしまして、ほんとうに何とか処置をしなければならぬという問題等ができてまいりますと、これはある程度弾力的に問題を考えなければならぬと思っております。ただ、公営住宅ということになりますと、御承知のように、いろいろ所得基準といったものもございますものですから、そういったものと現実にあわせていきますと、案外そういうふうな基準によって大体問題が処理できておるというのが過去の例ではないかと私ども思っておりますが、再考を期していかなければならぬとは思っております。
  32. 池田清志

    ○池田(清)委員 次は、自分の家をつくりたいという方に対しまして、住宅金融公庫の窓口から、災害復旧住宅、こういう関係で融資をしていただくのでありますが、これについてえびの地震の関係で特別に融資してほしい、こういう要望もあるわけでございます。この問題はいかに取り扱っていらっしゃいますか。
  33. 仮谷忠男

    仮谷政府委員 実態をよく調査いたしておりまして、先ほども少し御報告で申しおくれましたが、住宅金融公庫からはすでに現地係官派遣いたしまして、できればこれもずっと一定の期間常駐をいたしまして、金融の相談にも応じたい、こういう措置をとっておるわけであります。  ただ、ワクの問題につきましては、全体のワクそのものはその実情に即するようにわれわれも積極的に処置をしていかなければならぬと思っておりますが、個々の額の問題につきましては、一応御承知のとおりの基準がございますものですから、その基準に従って措置をしてまいりたい、こう思っております。
  34. 池田清志

    ○池田(清)委員 罹災県の宮崎県、鹿児島県、そろっで天災融資法の適用を主張しております、要求をいたしております。これは被害調査中でありまして、今日結論的な事柄はあるいは答えが出ないのじゃないかと思いますけれども、地元といたしましては、天災融資法の適用をしてほしいということでありますが、これに対します政府のお考えをお尋ねしておきます。
  35. 太田康二

    太田説明員 先ほどえびの地震被害状況資料で御説明申し上げましたように、今回の被害農地とか農業用施設とか、施設被害中心でございまして、作物被害はあまりないのではないか。私も実はまだ十分実態を掌握いたしておりません。御承知のとおり、天災融資法農作物被害相当な規模になりましたときに発動いたしておるのでございまして、今後農作物等の被害実情把握いたしました上で検討することになるかと思いますが、いま現在のところでは、どうも天災融資法発動は、農作物被害が非常に少ないというようなことで、困難ではないかというふうに考えております。
  36. 池田清志

    ○池田(清)委員 次に、同じような問題でありますが、自作農維持資金の割り当ての増加、こういう問題です。いかがです。
  37. 太田康二

    太田説明員 自作農維持資金は、従来天災融資法発動いたしましたときに、それと並行いたしまして、自作農維持資金特別ワク災害ワクというものを設定いたしておるのでございます。過去におきます例では、地震等の場合はあまり農作物被害がございませんので、一体どうするか、こういう問題になるわけでございますが、過去におきまして、地震の場合に、天災融資法発動できなくとも、自作農維持資金の追加ワクを設定いたした事例がございます。そこで今回のえびの地震に対しましても、早急に被害実情把握いたしまして、他のいろいろな救済措置もあるわけですが、これらとあわせて検討いたしたい、かように考えております。
  38. 池田清志

    ○池田(清)委員 天災融資法の適用を要求するものでありますが、そこまでいかない場合におきましても、自作農維持資金の割り当ての問題については、ただいま御答弁のとおりの処置をしていただきたいと思います。  今回の地震によりまして、お店、中小企業者、そういう方々が相当被害をお受けになっております。そういう方々の融資の窓口は、国民金融公庫、中小企業金融公庫、商工中金、これがまず定められた三つの政府機関でありますが、これに対しまして、その特別の措置をしてほしい、こういう要望があるのであります。この三行についての処置はいかがでございますか。
  39. 井土武久

    ○井土説明員 国民金融公庫、中小企業金融公庫及び商工組合中央金庫におきましては、えびの地震関係の災害復旧融資につきまして、災害特別融資をすることに決定をいたしまして、すでに現地職員派遣をいたしまして融資の相談を開始をいたしております。
  40. 池田清志

    ○池田(清)委員 ありがとうございます。さらに進めていただきます。  同じような問題でありますが、環境衛生の方々に対しましては、環境衛生金融公庫というのがありますが、これも右三行に準ずるようなかっこうで処置してもらいたい、こう思いますが、これについては厚生省はどうでしょう。
  41. 谷垣專一

    谷垣政府委員 環境衛生金融公庫の問題の対象になります旅館その他の環境衛生の関係の業態があると思います。これらにつきましての被害状況あるいはその方々の要望等を現在まだ調査をしておる段階でございますが、これらの要望が出てまいれば、これは特別の考慮を払って融資すべきように進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
  42. 池田清志

    ○池田(清)委員 これもぜひひとつ特別の措置をお願い申し上げておきます。  農業面の被害が少ないという報告がございましたが、しかし、被害があるのは事実でございます。用水路がやられておりますとか、池が水が出なくなってかれてしまったとか、ビニールハウスがこわれてしまったとか、いろいろな被害が出ていることは事実であります。これに対する措置をしていただいていると思うのでありますが、そのうちでお尋ねをいたしますのは、宮崎鹿児島県に通じます大きな用水路が決壊しておる、士が埋まっておる、こういうわけでありますが、これを改修をしてもらわなければならないと思います。また吉松町には竹中池というのがありますが、地震のために水が出なくなってしまいました。七、八十町歩のかんがい用の水源でありますが、それがかれてしまったのでありますから、これに対します水源のくめんをしてもらわなければならぬ、こういう具体的な問題があるのであります。これについてどう処置していただいているか、お答えを願います。
  43. 太田康二

    太田説明員 先ほども申し上げたのでございますが、農地農業用施設被害は確かにあるのでございまして、ただいま九州農政局から災害査定官派遣いたしまして、現地において災害復旧指導並びに実情調査をいたしております。これが終わりましたら直ちに災害査定官を派遣いたしまして、できる限りすみやかに事業に着工できて植えつけまでに間に合うように復旧をはかるという姿勢で対処してまいりたいと考えております。
  44. 池田清志

    ○池田(清)委員 ぜひひとつそういうふうにお願いします。  鹿児島県も宮崎県もカライモの県で、カライモはもう大体苗床ができてやがて植えつけなければならぬ状態です。これが地震を食うておるわけであります。だからカライモの苗とかあるいはカライモの種イモとか、そういうものに困ってしまったというのであります。これに対します農林省関係の助成の問題について明らかにしてもらいたい。
  45. 太田康二

    太田説明員 従来、種子の対策につきましては肥料、農薬等の補助金がなくなりましたが、雪害等の場合あるいは干ばつ等の場合の種子対策につきましては、国庫助成を講じておるのでございます。ただ、御承知のとおり、どのくらいの額になるかというのが一つの問題でございまして、非常に少額になりますと、御承知のとおり、零細補助金の整理という問題もございまして、なかなか財政当局との折衝もむずかしかろうと思うのでございますが、そういった面の事情も十分積み上げまして検討してまいりたい、かように考えております。
  46. 池田清志

    ○池田(清)委員 租税の減免、これは災害のたびにやっておることです。必ず今回も前例等にならってやってもらいたいということを要求しておきます。  災害を受けたところの地方公共団体は、この災害のために特別の出費をいたしております。お金がかかっております。これを救う道といたしまして特別交付税及び起債の問題があるのでありますが特別交付税はすでに二月に配分されたあとである。このえびの地震についての特別交付税の関係はどう処置してもらえますかということと、市町村あるいは県に対します起債の問題を特別にはかってもらいたい、こういう要望、要求でありますが、これに対しまして自治省はいかがですか。
  47. 首藤堯

    ○首藤説明員 地震によります地方公共団体の負担及びもろもろの出費に関します点についてでございますが、御指摘のように、地方債及び特別交付税をもって十分に適正に対処していきたいと考えております。  まず、起債の関係でございますが、公共事業関係等の被害査定が終わりまして、この事業が実施をされます場合の地方負担、それから公共災害に採択をされません単独災害復旧として地方団体が実施をいたしますものの負担、このようなものに対しては地方債を許可をいたしまして、財源措置をしてまいりたいと思います。それから、その他の各種の応急対策そのほかにかかりました経費につきましては、特別交付税をもって措置をするつもりでございます。  ただ、ただいま御指摘がございましたように、四十二年度の特別交付税はこの二十四日に決定をいたしてしまいましたので、残念ながら今回の地震に問に合わなかったわけでございます。したがいまして、やむを得ませんので、四十三年度の特別交付税で措置をいたしたいと思うわけでございますが、その間かなり期間がございまして、当該団体は、どの程度の特別交付税の交付額になるか財源の見通しがつかないとか、あるいは金繰りに困る、このような事態もあろうかと思います。今後災害査定が進みますにつれまして、特別交付税の交付見込み額等につきましては、県とも十分連絡をとりまして、当該団体にも知悉をさせることによって、財源対策の適実さをはかってまいりたいと思いますし、もし一時に金が要りますような事態がございました場合には、つなぎ資金その他の措置について十分相談に応じたい、このように考えておる次第でございます。
  48. 芳賀貢

  49. 村山喜一

    村山(喜)委員 私は、社会党の代表団の一員といたしまして、現地を見て回ってまいりました。建設省仮谷政務次官並びに農林省太田事官等々もさっそく被害調査に出かけていただきまして、いろいろ激励をしていただきたいことを感謝申し上げたいと思います。  そこで、まず第一にお尋ねいたしたい点は、えびの地震と命名をされました気象庁にお尋ねをいたします。  二月の十一日、新聞の報道するところによりますと、四回の弱い地震の前ぶれがあって、そしてこの二十一日の二回にわたる強震、二十二日の午後七時ごろに至ります三回目の烈震があったということが報道をされております。ところが、先ほど八木長官のお話をお伺いしておりますと、気象庁のいわゆる観測地点における震度の問題についての発表は、えびの町なりあるいは吉松町については、震度五程度あるいは六・一程度ということで、確かにこれは観測施設の発表したものではないような感触の発表がなされたのでございますが、鹿児島気象台がございます。   〔委員長退席、川村委員長代理着席〕 あるいは今度の災害が発生してからえびの町に東大の観測所が設置をされたわけでありますが、今回の地震は、けさも水上教授がテレビで発表しておいでになりましたが、群生地震と一般の地震との中間みたいなものだということを言っておられるわけであります。そこで、一体今回の地震のよってきたるものはどういうようなものであるのかなお、現地においてそういう観測施設が今日まで設置されていなかったと思われるのですが、これについてはどういうふうな状態であったのかを説明願いたいのであります。
  50. 川瀬二郎

    川瀬説明員 お答えいたします。  地震原因につきましては現在のところわかっておりませんので、なぜこういった地震が起こったのかということまではちょっと御返答いたしかねます。  それから観測施設でございますけれども、気象庁の持っております観測施設は全国に相当個所がございます。これは地震の規模——マグニチュードと普通いっておりますが、地震規模三までをとるようなものを目的として目下施設の拡充につとめておるわけでございます。  なお、先ほど申し上げました霧島の観測所、これは霧島火山のほうで、たまたま霧島火山の観測のためにつけてあったものがその場所にあったわけでございます。現在のところ、全国で大体九十近い観測所を予定しているようなわけでございます。  以上でございます。
  51. 村山喜一

    村山(喜)委員 鹿児島県の霧島町の湯之野に観測所があることは承知しております。しかし、えびの町なり吉松町にはないのでしょう。
  52. 川瀬二郎

    川瀬説明員 ございません。
  53. 村山喜一

    村山(喜)委員 ないのに、震度五であるとかあるいはマグニチュードが六・一であるとかいう数字をお出しになったのは、どこでお出しになったのですか。
  54. 川瀬二郎

    川瀬説明員 お答えいたします。  先ほど申しましたように、地震震源地に初めから観測所を設けるということはちょっと不可能でございますが、この震度というものは、われわれは一番近い人吉の測候所の資料の震度五、これを採用しております。震源地にはございませんので、これは推定で大体六程度と考えておるわけであります。  それからもう一つ、震度と地震のマグニチュードとは違うものでございまして、地震のマグニチュードは観測所の最大震幅及び距離によって計算上出し得るものでございます。ただいまのところ、とりあえず一番初めは簡単に報告だけによりまして六・三と発表いたしましたけれども、その後精査をいたしましたところ六・一になっておりますけれども、これから電子計算機にかけまして、全国のものをとりますと、あるいは〇・一程度動くかもしれません。  以上でございます。
  55. 村山喜一

    村山(喜)委員 そこで、現地に入りまして、住民が一番不安を持っているのはまた地震がやってくるのではないかということで、この人心の安定という問題がこのような地震災害の場合には特に重要であろうと思うのであります。特に両町とも最近若い人たちが非常に都会に出てまいりまして、年をとった人たちが多いのであります。出かせぎも多い。こういうような地帯においては、残された人たちが安心をして自分の仕事に取り組む姿勢というものが全然ないという状態にあります。いま仕事が手につかないという状態にあるのが現実の姿であろうと思うのです。そういうようなときに、東大の地震観測所はできましたが、はたしてそういうようなものを大学のような研究機関に依頼をしておく程度でいいのか、この仕事は気象庁がそういうような任務に当たるのが行政官庁として当然の仕事ではなかろうかと私は思うのでありますが、その責任については気象庁としてはどういうふうにお考えになっているのですか。
  56. 川瀬二郎

    川瀬説明員 気象庁といたしましては、地震が発生いたしますと、地震波によって伝播いたましす。ですから高倍率の地震計を適当な個所に配置すれば、それによって震源の位置とか地震の規模とか、そういったものは算定できるわけであります。また今回は東京大学で十五点の観測所をすでに持っております。それから新しくまた十五点の観測所ができ、三十点のものを持っております。気象庁のなすべき業務といたしましては、地震の震度決定並びにそのマグニチュード、そういった各性質を調べることがまず第一の業務でございます。  また先ほどおっしゃられました人心安定とかいうものにつきましては、地震情報その他でもってやっていることになります。現在のところ、気象庁といたしましては、新しくその地に地震計を持参して設置することはいたさないということになっております。
  57. 村山喜一

    村山(喜)委員 地震計を設置しないで、東大の地震観測所に依頼をするわけですか。もうそういうような必要性はない、こういうふうにお考えになるのですか。   〔川村委員長代理退席、委員長着席〕  そこで、われわれが現地に入りまして、二十一日、二回起こりました強震によったあと、まあこれはうわさかどうかわかりませんが、あとはたいしたことはないだろう、こういうような報道がなされたわけであります。そのあと二十二日の夕方の七時になってもっと強い地震がやってきて、それで非常にがく然としたというような報道が伝わっておりますが、これについてはそういうような情報をお出しになったんですか。
  58. 川瀬二郎

    川瀬説明員 正式な情報といたしましては、この地震がやむとかということは申し上げてないと思います。
  59. 村山喜一

    村山(喜)委員 ないですか。それが間違いであればよろしいですが、そういうようなうわさが流れていることは事実です。そこで私は、やはり何といってもあなた方の観測にたよらなければならないのが現地の人たちの非常に深刻な問題だと思うのですよ。中には、私があとで調べてみましたら、鹿児島吉松町では、この二十二日の日になりますと、もうだいじょうぶだというので、役場の職員なんかも一応解散をしまして、それぞれの家に帰っておるんですね。それはなぜかというと、やはりそういうような情報が伝えられたからじゃないか。あなた方は否定をされるけれども、その点については、なぜ解散をしたのかという問題と結び合わせて考えてまいりますと、たしかに私はそういうような問題があったんじゃないかと疑っておるのですが、それはまああとで調べてみていただきたいと思います。
  60. 川瀬二郎

    川瀬説明員 調べます。
  61. 村山喜一

    村山(喜)委員 そこで、八木長官に私はお尋ねいたしますが、ここは大正以来八回にわたりまして地震がございました。近くは昭和三十六年の三月十四日、震度三。それから十六日の朝やはり震度三ということで落石がございました。今回またこのような地震が発生をした。いわゆる地震の多発地帯なんです。したがいまして、災害対策基本法によってこの防災計画というものをつくるようにもなっておりまするし、あるいは県においても防災会議等をつくって、いろいろな対策を講じなければならないことになる。私は、法律の上から見て、そういうような準備があって初めて災害対策基本法の精神が貫き通し得るものだと思うのであります。  ところが、今回の取り組んだ状況を私はずっとつぶさに見てまいりましたが、二十一日、地震が発生をいたしました後、もうすでに宮崎県のえびの町にはその日のうちに自衛隊の都城駐とん隊が派遣をされまして、そして災害救助法発動がもう十九時にはなされておるのです、二十一日の日に。そして二十二日には黒木知事がすぐ現地に朝かけつけてまいりまして、応急仮設住宅建設の指示をやっておる。ところが鹿児島県のほうは残念ながら災害救助法発動がなされましたのは二十三日の十六時です。知事が現地にやってきたのは二十四日ですよ。われわれが、あるいは仮谷政務次官が二十四日に現地を見に行ったときに初めて知事はやってきておるという状態であります。なぜそういうような状態になったのか。この同じ地震でありながら、しかも片一方においては死者まで出しておるわけです。落石のためにいたいけな小学校の子供まで死んでおるのです。そういうような状態の中にありながら、この同じ地震が発生をした中において、災害救助法発動が二日間も違うという状態、この問題は、私は現地に入りまして現地の声を聞きました。住民の人たちから、二十四日の時点においてわれわれは天幕がほしいんだ、天幕がないので農耕用のビニールハウスを畑から引っぱり出して道路の上につくって、そこに居住しております。毛布はどうかと聞いてみたら、毛布はいままでに一世帯一枚しか配給がありません。水はどうか。きのうまで飲む水もありません。わずかにパンが一きれと牛乳が一本、ソーセージが一本の配給がなされただけだと言っておるわけです。片方においてはそういうような状態に放置されておる。私はこれは非常に問題があろうかと思うのですが、そういうような防災計画の立て方というものについては、一体具体的にこういうような地震の多発地帯においてはどのような指導をあなた方はなされてきたのか。これはやはり総理府が調整機能の役割を果たすことになっておるのですから、八木総務長官のほうからお答えを願いたいのであります。
  62. 八木徹雄

    八木政府委員 おっしゃるような状況があったことだと思いますけれども、なぜそういうことになったかということにつきましては、まだ的確なる報告も聞いておりませんし、まことに遺憾なことでございますから、今後そういうようなアンバランスがあることのないような、そういう措置は考えてみなければならぬと思います。しかし、全国各地に地震多発地帯があるから、十分に心得ておかなければならぬことではありましょうけれども、その具体的な措置については、とりあえず地元でやって、それに対する対応策というものを的確に中央のほうでやっていくということになると思いますので、えびの町のほうがそれに対する備えが十分であって、吉松町のほうが十分でなかったということは、これは今後とも注意をいたしまして、われわれのほうももちろんその万全を期するように考えてまいらなければならぬと思いますけれども、今後こういうことの起こらないように対処してまいりたい、こう思います。
  63. 村山喜一

    村山(喜)委員 重ねてあなたに要望も申し上げておきますが、防災計画を各地域ごとに、市町村ごとにつくるようになっていますね。私調べてみましたら、吉松町は水防計画は非常にりっぱなものができておるのです。だけれども、地震に対するそういうような計画というものは確かにないのです。大正以来八回も地震がある地帯なんですよ。吉松町だけでなくて、えびの町もそうなんです。そういうような地帯においてはこういうような緊急事態が今後においても起こり得るのです。それに対して具体的な計画を前もってつくる指導をやるべきじゃないですか。この点は、災害対策基本法が昭和三十六年に生まれて以来もう十年になんなんとする。その問においてそういう具体的な指導なり、助言なり、あるいは実施が今日までできておりますか。できていないとするならば、私は早急にそういうようなものをおつくりになり、あるいは指導されるべきだと思うのです。その点はいかがですか。
  64. 八木徹雄

    八木政府委員 おっしゃるとおり、水防計画と比べますと、地震対策というものが幾らか十分でないということを痛感せざるを得ないと思います。今後ともいわゆる地震発生可能地帯については、水防計画と同じようにやはり地震に対する対策というものについての常住不断の検討がなされる、準備がなされるように指導しなければならぬと思いますので、御意思に沿って徹底をはかるようにいたしたいと思います。
  65. 村山喜一

    村山(喜)委員 これは仮谷政務次官にお尋ねいたします。何といっても一番問題は住の問題であります。現地を見まして、住宅の破損状況を見てまいりますと、最近のはやりの文化住宅、これは仮谷政務次官もごらんになったので一番よくおわかりだと思うのですが、いわゆるかすがいなどを金具でとめたところからぽきっと折れておるのですね。そして地震が上下と横にゆれておりますから、そのためにもう家は中のほうはめちゃくちゃです。特にブロック建ての住宅などというのは、これはもう中に入れてある鉄筋が、ああいうような小さいやつですから、くしゃくしゃになっている。だから、こういうような住宅の建設のやり方というものについても、これから住宅金融公庫の資金ワクやあるいは災害公営住宅などをつくられることになるわけですが、そういうような状態を見まして、これはやはり昔の大きな材木を使ってつくったやつのほうが丈夫にきまってはおりますけれども、地震災害を最小限度に食いとめ得るような、そういう設計指導というものがなされなければならないと私は思ったのですが、その点についてどういうようなお考えであるのか、その点をお聞かせを願いたいのであります。  それから、やはり家に関する問題の中で仮設住宅の問題。これは谷垣政務次官にお尋ねいたしますが、松代の地震の場合には災害救助法発動しませんでした。しかしながら、これに準じた措置をとりまして、いわゆる五分の三の補助方式による予備費からの財源の捻出によって仮設住宅等措置を講じたわけであります。今回は全壊の三割以内が仮設住宅の戸数だというので、先ほどたしか六十戸と二十戸と聞いたのですが、いまの法律の上から見ますと、半壊は修理代として四万円ということであります。これは現地に飛び込んでみると、とてもじゃないけれども、そういうような金では修繕も何もできはしないし、また全壊をしたものを五坪あたりの仮設住宅をつくりまして中に収容しようとしても、とてもむずかしいのではないか。だから何かの方法を特別にこういう地震によって——特にえびのの京町の町通りなどは全滅状態であります。これは手を入れなければ、中に人間は住めませんから、そういうような点を考えますと、もう少し厚生省としても何らか具体的にこの実情に合ったような対策を講じてもらえないだろうかと私は考えるのであります。  そこで、その点については御答弁を願いたのでありますが、それと、時間の関係がありますので、先ほど環衛公庫の問題についてお話がございましたけれども、これも厚生省の管轄ですか、そこで四十二年度二百億円の融資ワクがあったのですが、いま使ったのは百億ですね。四十三年度は三百五十億の資金量を持つのですが、そのうち四十二年度分から繰り入れる分が五十億ですから、なお消化しないで残っているのが五十億円あるはずです。この五十億円を使うということになりますと、ことしの四月一日からは業務方法書の改善ですか、措置がなされて、いわゆる施設の改築資金にもこの資金が使えるということに話し合いがついているようであります。そこで私お尋ねをするのですが、資金がこういうふうに残っている。京町の町通りは、そういうような環衛業者はほとんど全滅状態。とするならば、この際そういうような設備資金にまで充て得るような資金があるのですから、これを活用をしてやるべきじゃないか。金がなければ私申しません。金が残っているのですから、そういうような方法を具体的に講ずるお考えはないのか。この点についてお答えをいただきたいのであります。
  66. 仮谷忠男

    仮谷政府委員 私も現地を見まして、建築関係では確かに同感であります。ずっと現場を見てみまして、比較的新しい建築がおっしゃるとおりに非常にみじめな状態になっている。それを見ますと、耐震建築と申しますか、そういった面で考慮された建築というものは非常に少ないということを感じました。公営住宅というものはあまり評判はよくないのですが、その公営住宅でも全く損傷なしに残っておるという現実と比較をいたしてみましても、いかにいまの建築そのものが検討されなければならぬかということを、実は切実に感じて帰ってまいりました。このことは事務当局とも十分に話し合いをいたしておる問題でありますが、今後は耐震の建築について十分な指導をして対策を立てていかなければならぬのじゃないかということを切実に感じております。全く同感でありまして、御趣旨に沿って善処いたしてまいりたいと思っております。
  67. 谷垣專一

    谷垣政府委員 応急仮設の住宅でございますが、二十六日現在で三十六戸が完成いたしまして、二十九日までに八十戸の建設を見込んでおります。これはえびの町のほうでございますが、吉松町のほうでは二十戸の建設予定資料を手配しているというのが現状でございます。  お尋ねのように、先ほどの三割基準の問題は、もっと広げなければ適当でないじゃないか、こういう御意見が出ておるかと思いますが、これは現地状況をよく調査をいたしまして一と申しますのは、そこの各戸の状況等を考えまして若干の幅は持って考えるべきだろう、私たちはそういう考え方を持ちつつ指導いたしておる状況でございます。単価あるいは補助の問題等につきましていろいろ問題があろうかと思います。これも現地状況をよく見まして、そしてできるだけ御要望に応ずる余地があるかどうか検討さしてもらいたいと考えております。  それから環境衛生金融公庫の融資の問題でございますが、いま村山さんから御指摘のとおりに、来年度からは単に衛生面というだけでなくて、他の施設についても窓口を一本にしてやっていこう、こういう考え方でおるわけでございまして、この環境衛生金融公庫の対象になりますものについては、この際にできるだけ現地の便益をはかるような指導をさしていただきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
  68. 村山喜一

    村山(喜)委員 便益をはかるという意味は、その災害については四月一日から実施予定のものを特別にさかのぼって適用してもらえるというふうに期待しておってよろしゅうございますか。
  69. 谷垣專一

    谷垣政府委員 窓口を一本にいたしますことにつきましては、四月以降でなければならぬと思います。しかし、現在におきましても、国民金融公庫なりその他それぞれのものがございまするけれども、その問にそれぞれの金融機関が意思を合わせてやっていく運営はできるはずだと思います。そういうような手を打って現地の便益をはかっていくような指導をしていきたい、かように考えております。
  70. 村山喜一

    村山(喜)委員 これは金で残っているのです、この環衛公庫は。だから私は申し上げるのですよ。中小企業金融公庫などは、もう貸し付けワクがなくてふうふう言っているのです。ですから、まず環衛公庫のほうからこういうふうな特別の措置をあなたのほうで便宜をはかってもらうならば、これに準じて設備資金でありますとか、ほかの業態の中小企業についても同じような方向で措置してもらうということで、またそれができると思う。そのまず突破口を切り開くといえば語弊がございますが、金が残っているのですから、来年度に繰り越して使う分を差っ引いてもなお三月までに残って使える分が五十億あるのですから、これを大いに使ってもらいたいと私は思うのですよ。それが行政措置で、窓口の統一の問題なんかは話されたのですかな。こういうような緊急事態には緊急事態に合わせて考えていただく、その中で推進をしていただく、そういうような方向でこれはあなたにお願いしたいのですが、どうですか。
  71. 谷垣專一

    谷垣政府委員 これは正式に申しますと業務方法書の改定その他がありませんと実はやれないことになると思います。しかし、問題は金の問題でございますから、たとえば四月以降にこの分は見得るといたしますと、その問のつなぎ融資という問題も実際問題としてやれるわけでございますので、そこらのところは現地状況を見て相談もいたし、指導をしていく余地が十分あると私は思います。
  72. 村山喜一

    村山(喜)委員 もう時間がありませんので、その点で便宜をはからっていただきたい。  そこで、えびの町の京町の町通りを私ずっと歩いてみまして、軒並みに商店街がやられて、中には人間は入れませんから、もちろん店もそのまま締まっております。そういうようなところの状態を見まして、この際やはり商店街の再建設といいますか、これを構造政策の上から考えてみるべき段階にあるのではないかと思うのです。——通産省からは来ておいでになりますか——いま共同化なりあるいは共同店舗、あるいは専門店化という問題が叫ばれております。そのためにそういうような中小企業の特別資金も近代化資金と一緒になりまして国のほうで準備されておることは皆さん御承知のとおりであります。したがいまして、そういうようなときにこそ新しい町を建設して、そしてげたばき住宅でもけっこうですから、あるいは業種別に共同化した施設をつくっていく、こういうようなものをおやりになるべき段階だと私は思いますが、通産省の代表がお見えになっていなければ、現地をごらんになった仮谷政務次官、いかがですか。
  73. 仮谷忠男

    仮谷政府委員 これはどこまでも現地におる人々の気持ちが一致することがまず先決問題ですから、そういうような機運が出てくるということになれば、所管の問題はもちろん別の問題でありますけれども、当然政府は受けて立って積極的に乗り出していい問題だと私は思います。  ついででありますけれども、公営住宅のうちの農民住宅、この問題もいろいろいわれておりますけれども、従来の農民住宅が単にたんぼの中にぽつんとできるというよりも、こういった場合には、やはりある程度一定のところにまとまって、ひとつ公営住宅式のものもむしろ農民自体の御意思であるとすれば、そういったものも考えていく。そうすればいろいろな公共施設等が充実できるという面も出てくるわけでありますけれども、地元の人々がそういうお気持ちなら、そういうことにむしろわれわれは積極的に乗り出していいのではないかという考え方を私は持っております。
  74. 井土武久

    ○井土説明員 商店街につきましては、商店街の近代化及び小売り商の店舗の共同化資金という制度がございます。地元の府県が融資をいたします場合に、中小企業振興事業団が府県に融資をいたす制度でございます。現地実情を十分に府県とも相談をいたしまして、調査をいたしまして、共同化が望ましい方向だと存じますので、現地でまとまりますればそういうような方向で努力をしてまいりたいと思います。
  75. 村山喜一

    村山(喜)委員 これで終わりますが、先ほど太田事官は、天災融資法の適用は困難だ、なぜかならば、施設災害中心で、農作物被害は見られないからということでございました。いま残念なことには、冬場でございますから、たんぼや畑には農作物がないわけであります。したがって、被害額が三割以上ということになりませんので、現在の法制の上からは非常に困難であろうと思うのです。しかし、年間の総収入に対するいわゆる損失額が一割以上、こういう条項もあるのですから、そういうような面で、これは現在の法律体系というものは、台風とかそういうような風水害に対する現在の法律体系であって、地震に対する法律体系じゃないのです。そこに非常に問題がある。もし天災融資法発動をされませんと、これは農林漁業金融公庫のほうから出ますところの暫定措置法二条によるいわゆる畜舎、農舎あたりの建築資金も出ませんし、それから自作農創設維持資金のほうも出ない、あるいはその他いろいろな便宜が受けられないということになります。そういうような資金ワクがもらえるのは天災融資法が前提でありますから、主務大臣指定の災害復旧資金ももちろん受けられないということになったのでは、これは今日苦しい農家がもうどうにもこうにもしようがないというかっこうになる。  そこで、この問題については、委員長のほうにも私は要望申し上げておきますが、いまの法律体系、天災融資法なりあるいは激甚災、この法律体系というものが、台風災害、風水害等を中心に考えられた法律でございますので、地震のような場合にはなかなか当てはまらない。したがいましてそういうような問題がありますので、この点については理事会あたりでよく御相談をいただきまして、これの適用の問題については、できるだけ幅を持った解釈の中でぜひ現地の住民の声にこたえていただきたいということをお願いを申し上げたいと思います。これについて前向きの答弁を太田事官からお伺いしたいと思いますが、いかがですか。
  76. 太田康二

    太田説明員 天災融資法につきましては、御承知のとおり、毎度実は国会でも問題になるわけでございますが、国民経済に重大な影響を及ぼすことがあると認めて政令で指定する天災、こういうことになっておりまして、一応農林省大蔵省との間での、これは内規でございますが、一応農作物でございますと、被害額が原則としては三十億以上というのが原則になっておるわけでございます。今回のえびの地震農作物被害は、先ほど申し上げましたように、まだ実情把握はいたしておりませんが、いま先生のおっしゃいましたように、あまり作物をつくっておる時期でもございませんし、地震による直接被害というのはあまりないのではないかという意味でやや消極的な答弁をいたしたのでございますが、御承知のとおり、金融上の措置といたしましては、先ほど申し上げましたように、自作農維持資金地震の場合には天災融資法との関係を断ち切って発動した事例もあるわけでございますし、それから先生がおっしゃいました主務大臣指定施設災害復旧はまさに天災融資法発動になりませんと公庫の融資が行なわれないわけでございますが、それ以外に主務大臣指定施設資金という資金農林漁業金融公庫の中にはありますし、さらに畜舎、農舎等につきましては、農業近代化資金制度もございまして、実際の運用では十分農家の資金需要に対しまして応じられるというふうに考えております。
  77. 芳賀貢

  78. 兒玉末男

    兒玉委員 私、被災地出身の議員としまして、ちょうどたまたま災害発生時に現地に滞在しておりまして、なまなましい状況に非常に打たれたわけでありますが、今回政府機関が非常な御協力をいただいておることを心から感謝申し上げます。  そこで、ただいままでやはり関係者の議員から御質問がありましたが、どうしても第一点として特に私が申し上げたいのは、先ほど村山議員も指摘されましたが、気象庁関係の対策というのが非常に私は消極的だということをまず指摘したいわけであります。御承知のとおり、二十一日の午前八時五十二分に第一回の強震があったわけですが、これと同時に、この霧島火山帯に設置されている十一台の観測計が全部停止をしてしまった。それから同時に九電の送電がとまったということで、この停電に対して対応するところの自家発電というものが作用しないで、この重大な観測時期に観測の機能が停止した。しかも岡元小学校というところに三観測点の地震計がありますが、これも一ぺんに倒れてしまって、全然その効力を発揮していない。一体この点について気象庁としてはこういうふうな重大な問題が放置されておる。しかも東大の地震観測に委託をしているといった点をどのように判断をし、しかもこの重大な地震に対して今後どういうふうに処置をしようとするのか、この点私は地域住民としても、今後の災害復旧にあたりましても重大な不安感が漂っておるわけですが、この辺の見解についてひとつ御所見を承りたいと思うのです。
  79. 川瀬二郎

    川瀬説明員 お答え申し上げます。  先ほど先生のおっしゃった地震計が機能を失ったということがございますが、気象庁地震計とは思えないので、おそらく東大のものではないかと思います。  なお、気象庁が消極的であるというおしかりをこうむっておりますが、先ほど申し上げましたように、現在ではマグニチュード三までのものをわれわれが観測するという基本的な方針によりまして、観測を目下拡充しておる最中でございます。  なお、それより小さな地震はどうするのだということでございますが、それにつきましては、文部省の測地学審議会の地震予知部会におきまして気象庁の担当する部面と大学の担当する部面とを分けてございまして、気象庁としては先ほど申し上げましたようにそういったマグニチュード三以上のものをとり得るというような体制をつくっている最中でございます。したがいまして、それより小さなもの、たとえば今回東京大学が展開しておるような霧島のほうの火山観測というものにつきましては、それが今回のえびの地震に対しまして即刻別な意味において役に立っているわけでございますけれども、これは非常に小さな地震をつかまえるという方法によってそういう考えでもってやっているわけでございます。  なお、われわれが先ほど申し上げました八十七点の将来地震計の性能のいいものをつけるというような場合には、それによって先ほど申し上げましたマグニチュード三までを全部つかまえることができるという体制をわれわれは考えておるわけでございます。でありますから、先ほど申し上げましたように地震というものは伝播いたしますから、それによって遠隔の地においても把握することができるということでございますので、その点を御了承願いたいと思います。  以上であります。
  80. 兒玉末男

    兒玉委員 再度気象庁にお伺いしたいのでありますが、私実はけさ現地から帰ってまいったわけですけれども、昨日、東大地震研究所の水上所長は、これからまた数カ月続くおそれがあるということを言明されておるわけです。こういう状況にありながら、では一体今回の地震の予知というものが十分地域住民に理解されなかったということは、気象庁の取り組みというものが技術的に不可能なのか。あるいは予算上等の関係において特に活動し始めてすでに六年でございますか、六年前に噴火もしておるわけですけれども、こういうふうな重大な点についてやはり委託観測以外にできないのか、その辺の基本的な理由は大体どこにあるのか、この点技術的に不可能であるのか、あるいは予算的な措置が困難なのか、再度明確にしていただきたいと思います。
  81. 川瀬二郎

    川瀬説明員 先ほど申し上げましたようにわれわれの観測網によって地震活動というものをその程度までつかまえるということはできるわけでございます。ですから特別にえびの町に今回は派遣いたしませんでしたけれども、そういった特別観測網をしくということは考えております。
  82. 兒玉末男

    兒玉委員 最高責任者の長官なり運輸大臣がおいででございませんし、時間の制約もございますので、この点はこの程度にいたします。  次に、特に建設次官もおいででございますのでお伺いしたいのでございますが、これから地元が住宅の復旧をするにも、やはり地震に対する長期の展望というものがなければ、家を建てようにも建てる気になれないわけです。しかも、現地は、御存じのとおり、地盤が、専門的にはわかりませんけれども、地震に弱い地質である。しかも、有名なシラス地帯である。こういう点から考えます場合に、今度は震度六、七というまでもなくて、弱い地震でも、土砂くずれ、地盤の地割れということ等がありますならば、建築物の再建にしましても、そういう地殻的な問題、耐震構造など、総合的な見地から災害復旧をしなければ、特に住宅関係の建築が非常に危険であり、また、むだな国家投資になるという結果を招くおそれがあると思うのです。この辺の災害復旧とのかね合いについて、特に建設関係が一番大きいので、この点についてひとつ次官の見解を承りたいと思います。
  83. 仮谷忠男

    仮谷政府委員 まことにごもっともな御意見です。私も現場を見て痛切に感じておりますが、住宅の復旧を急がなければなりませんし、これにも全力をあげなければならない。それについての金融対策についても万全を期さなければいけませんが、やはりそういうふうな地震の発生可能地域でございますから、都会でいわゆる耐火建築というものが積極的にやられておるように、同じように耐震建築というものが今後十分に検討されなければならぬのじゃないか。ただ、住宅が建ちさえすればいいという考え方ではいけないのじゃないかという感じを持ちます。その意味におきまして、建築研究所からも実は派遣をいたしておりましてそういう面を十分調査もし、さらに研究も、指導もしなければならぬ、かように思って派遣をいたしておるわけでございます。お説のような問題については、住宅建築をする上において十分に私どもも心得て指導し、協力をしていかなければならぬ、かように考えております。
  84. 兒玉末男

    兒玉委員 この点、住宅金融関係等も特にひとつ御配慮をお願いしたいと思っております。  次に、緊急の問題だけを御質問したいと思います。厚生省関係でございますけれども、御承知のとおり、地震発生と同時に井戸水のくみ上げ、それから水道管の破裂など、これはもちろん地下水が多いわけでございますけれども、そういうことで全く給水関係がとだえておる。同時に、自家発電等による水のくみ上げ等も送電が全面的に停止をする。加えまして、いつ地震が来るかしれませんので、火をたくこともできない。ですから、自家において給食関係もできない。また保温もできない。このため、寒さのために一人犠牲者も出たわけでございますけれども、こういう厚生関係につきまして、県としては特に伝染病の発生を懸念しまして、相当量の予防薬等を投与したわけであります。こういうような厚生関係のために、地元なり県としても相当資金を使っておるわけですが、この点に対して、やはり国のほうの特別の補助対策ということが特に重視されるわけでございますが、この補助対策についてどういうふうな御検討をなされておるか、この点をひとつお伺いしたい。
  85. 谷垣專一

    谷垣政府委員 とにかく現地での医療の問題、また御指摘になりましたような伝染病の発生等がないような施策を急速に進めていかなければなりませんので、地元の県におきまして、それぞれの救護班をつくられて、現在えびの町には三班入っていただいておると思います。  医療品でありますとか、日用品でありますとか、さらに必要がございますればこれに対する応援をいたす所存で、日赤の中央のほうにおきましても実は検討をいたさせておる、こういう現状でございます。これらは災害救助法の適用がございますので国庫負担という形になると思います。  それからなお伝染病は現在まだ発生は見ていないと思いますが、もしそういうような状況になりますれば、これは伝染病予防法の適用を受けるわけになりますので、国のほうでかなりのめんどうを見られる、そういう体制になると思います。そういう状況で医療問題につきましてはやっておるわけであります。  水の問題水道が実は破裂いたしまして非常に不自由な状況でございます。兒玉先生の御存じのとおりに、現地における町当局も救水車の発動をし、また自衛隊も救水車の応援をしておるのが現状であります。送水管の破壊いたしておりますものはできるだけ早く復旧工事をいたさねばなりませんので、係官がすぐに現地に行きましてそれらの指導等をやっている、こういう現状でございます。これらの復旧費についての国庫負担等、これは当然に災害復旧工事として考えていかなければならぬ、こういうつもりでおります。
  86. 兒玉末男

    兒玉委員 厚生省関係ですが、先ほど村山議員からも特に強調されましたけれども、ここは宮崎県ただ一つの温泉町でありまして、ほとんど温泉旅館とこれを利用する施設が多いわけであります。ですから、特に環境衛生金融公庫法等の適用は、施設関係あるいは什器類等が地震の横ゆれのために非常に壊滅の状況になりまして、復興についても相当資金が必要でございますし、県としても唯一の温泉町として観光面にも力を入れている地域でございますし、そういうもろもろの客観情勢ということを十分ひとつ御認識をいただきまして、特別の御配慮を強く要望したいと存じます。  次に、あと二点ほどしぼって申し上げますと、一つは農林省関係でございますけれども、確かに農作物被害はそう多額にのぼっておりませんが重要な用水路が地すべりのために相当の区間ものすごい崩壊なり埋もれているわけでございましてこれの取り除きは私は相当資金が必要ではないかと思うわけです。これから近く水稲の準備もしなくてはいけないという重大な段階でございますし、この用水路が開通しませんと、この付近相当の面積の田植えが不可能だというふうな状況でありますし、災害復旧ができなければ他に大きな用水池等の設備等、早急な施設復旧が必要でありますので、特に用水路の関係は早期の査定ということが強く望まれております。この点近く災害対策委員派遣されますし、格別の御配慮を特に要望申し上げたいと思いますが、これについてひとつ御所見を承りたいと思います。
  87. 太田康二

    太田説明員 私も現地えびの町の町長に会いまして、特にいま先生が御指摘になりました農業用施設災害復旧の早期完成ということを言われたのでございます。私が行きましたのは二十三日でございましたが、そのときすでに九州農政局から緒方災害査定官が見えておりまして、現地被害実情調査に当たっておりました。これが帰りましてよく実情把握の上、さらに引き続き災害査定官等も出しまして、いま先生がおっしゃいましたようなことで対処してまいりたい。  御承知のとおり、農地農業用施設につきましては農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律によりまして補助の道もございますので、これによって対処してまいりたい、かように考えております。
  88. 兒玉末男

    兒玉委員 最後に総理府のほうにお伺いいたします。  御承知のとおり、現在までえびの町という限定された地域の、大体総額が四十七億を突破しているわけですが、このように非常に被害が甚大であり、当然この際激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律の適用をぜひお願いしたいと思うのでございますが、これについての御所見をひとつ承りたいと思います。
  89. 八木徹雄

    八木政府委員 おっしゃるとおり局地的災害としては非常な激甚災害であったことは間違いないのでございますけれども、いま災害の実態調査をやっておる過程ですから、いま軽卒にものを言えませんけれども、ただ震源が浅かったということのために範囲が狭小である、そういう意味からいわゆる激甚災害の基準から申しますと、どうも激甚災害の指定が自動的に受けられるというかっこうではないようでございます。しかし、激甚災害としてのひどさということを考えれば、激甚災害地域指定ということは別途に何らかの対策というものは考えなければならぬことだと思いますので、関係各省ともよく相談をいたしまして対処してまいりたい、こう思っております。
  90. 芳賀貢

  91. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 時間がありませんので、簡単に二、三点お伺いしたいと思います。  仮谷政務次官にお尋ねしますが、現在プレハブ住宅を建てておるということであります。六十戸ぐらいと聞いておりますが、どれくらいの人を対象に緊急住宅のプレハブ住宅を建てるように配慮したのでしょうか、その点からお尋ねいたします。
  92. 仮谷忠男

    仮谷政府委員 プレハブ住宅は厚生省関係でやっておる問題ですが、私は、現地に行って承りますと、知事さんや町長さんあたりが、大体その程度のものを応急でやれば一応事足りるといったような、そういう御意見もあったようで、それに基づいて緊急対策を立てられたのじゃないかという感じもいたしております。全壊戸数の大体三割というのが基準にはなっておりますけれども、そういうふうな意味で、六十戸で、できればあと二十戸ぐらいほしいがといったことは町長さんからもお話があっておったようでございます。こちらから押しつけたというよりも、むしろ地元の御要望でそういうふうになったのではないかというふうに現地では聞きました。なお、主管は厚生省でございますから……。
  93. 谷垣專一

    谷垣政府委員 大体えびの町のほうでは、二十六日現在に三十六戸が完成いたしております。二十九日までには八十戸建設いたしたい、こういうのが現在のえびの町の状況でございます。吉松町のほうは二十戸程度の応急仮設住宅、こういう状況でございます。
  94. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 現在、被災された方々は、私、現地を見ておりませんのでわかりませんが、新聞なんかによりますと、テントとか野天で寝たというようなことで、これはその当時の一日だけだと思いますが、そういう状況になっております。非常に現地の気候が雪等で寒いということを聞いておりますが、その点、天幕生活をいまだ現在行なっているのでしょうか。
  95. 谷垣專一

    谷垣政府委員 応急仮設と申しますのは、個人住宅の形になりますが、避難所は、現在えびの町で四十一カ所、三千四百名程度の方々を収容しておるわけでございます。吉松町では七カ所で八百名程度の方々を収容しております。これは小学校でありますとか、そのほかの建物でありますとか、あるいはテントを使っておるものも中にはあろうかと思います。さらにこういうような状況から考えまして、集団避難施設といたしまして、プレハブで建てていくような考え方を現在持っておるのが現状でございます。そのほかに、先ほどの応急仮設の個人住宅と申しますか、そういうものがある、こういうことでございます。
  96. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 それで私は、えびの町のほうだけでも全壊が三百三十三戸ですか、そういうような大きな中で、八十戸ですか、その程度のもので収容がはたして可能かということでお尋ねしたのでありますが、その点は万全なんでございましょうか。
  97. 谷垣專一

    谷垣政府委員 これは応急仮設でございますので、もちろん現地の方々の中に、知人の宅におってむしろ本格的なものをやっていったほうがいいというお考えの方もありましょうし、いろいろあるだろうと思います。また、こちらのほうでそれでは仮設の応急住宅をどの程度つくるのだという問題も、先ほど建設政務次官のほうからお話がありましたように、大体こちらは全壊の三割程度を基準にいたしておりますけれども、これは周囲の状況その他を考えまして、若干の幅は私たちも持って考えていきたいと思っております。しかし、現地の大体の考え方は、八十戸程度とにかくやってみて、あと様子を見たらどうかというのがいまの状況だろうと思うのです。そういう事情がございますので、ちょっとこれは本格的なものとは少し違いますので、むしろ本格的なものを御要望になるような方々も中にはあるだろう、こういうことでございます。
  98. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 ついでにもう一点お尋ねいたしますが、現地では、寒いために流感患者が発生しているということでございます。また、天幕の中に炭火ですか、それをおこして、一酸化炭素中毒患者も相当いるようなことを聞いておりますが、その点の現地の被災住民の健康状態、そういった問題はどうでございましょう。
  99. 谷垣專一

    谷垣政府委員 伝染病等の発生を心配しておりますが、そういうものはまだ報告を聞いておりませんが、御指摘になりましたようなかぜだとか、そういうものが起きてくるのではないかという心配を実はいたしております。現在、医療の問題につきましては、先ほど来申し上げましたように、えびの町のほうでは医療班が三班活躍をしていただいております。まだこれが長引きまして、その他応援の手を広げていかなければいかぬというような状態が起きる場合を予想いたしまして、医療品の問題でありますとか、その他の応援のできるような体制も現在中央の日赤本院のほうでいろいろ計画を練っておるのが現状でございます。何と申しましてもこの天候の状況でございますし、それに不安な状況におられるわけでございますので、医療の問題につきましてはできるだけのことをせなければならぬ、こういう考え方でおるのが現状でございます。
  100. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 環境衛生金融公庫の資金ワクの拡大はどのようにお考えになっておられますか。
  101. 谷垣專一

    谷垣政府委員 資金ワクの拡大と申しますが、まだ現地からの要望その他が出ておりません。そういう御要望がだんだんと固まってくることと思います。ことに、お聞きいたしますと、かなり旅館等の御要望の多い地帯ではないかと思います。そういう御要望に応じまして考えをひとつはっきりさしていって、できるだけの便宜をはかるようにしていきたい、こういうように考えております。
  102. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 あと税金について、市町村民税のほうでは相当考慮するということをいっておりますが、国のほうの税金対策ではどのような減免措置を考えられておるわけですか。
  103. 植松守雄

    ○植松説明員 災害があった場合の税金の減免措置につきましては、税法で規定が整備されております。そこで、その被害程度に応じまして減免措置が自動的に行なわれる体制になっております。また、現在は所得税の確定申告の時期でございますから、国税庁では特にえびの町と吉松町についてとりあえず四月二十二日まで国税に関する一切の手続を延期するという措置を講じてございます。それからまた昨年の所得税の申告でございますが、それは一年以内、災害程度に応じて猶予するということになっております。
  104. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 仮谷政務次官にお願いしますが、災害公営住宅の割り当てはどのようにお考えになっておりますか。
  105. 仮谷忠男

    仮谷政府委員 これは大体一定の基準というものがございまして、応急仮設住宅災害公営住宅、それから公庫の災害融資住宅と、こういうふうに大体それぞれ三〇%ずつの融資あるいは補助等を行なっておる、実はこういう形になっておるわけでございます。したがって、現実に半壊というような災害住宅ができましたら、その全体のワクを収容する資金ワクというものをわれわれは十分用意をしておかなければならぬと思っておりますし、それはできると思っております。
  106. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 現実にはどういうふうになっておりますか、この時点では。
  107. 仮谷忠男

    仮谷政府委員 率直に言いまして、まだ現実にどれだけの——まあ被害戸数は一応出ておりますけれども、資金需要が要るのか、こういったものも現地自体からまだまとまった要望というものは出ておりません。おそらくそこまでにはまだ至っておらぬのじゃないかと思うのでございますから、そういう面ではわれわれのほうから積極的に係官を出し調査をいたしておりますが、現地のほうでは、十分態勢が整って準備ができ次第その要望には十分応ずる、そういう用意を持っておるということだけは申し上げていいのではないか、かように思っております。
  108. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 そうしますと、まだ余震が続いているから、あと災害が増大する可能性がある。そういった現地の要望がもっとふえていく可能性もございますが、そういう点を含んで、要求のあり次第満足のいく点を政府では考えておる、こう解釈してよろしいのですか。
  109. 仮谷忠男

    仮谷政府委員 そういう問題も含めてけっこうです。ただ、民心が動揺しておりまして、その御本人自体が、自分の家が一体どの程度までこわれておって、どの程度手を入れれば住まいができるというか、そこまで自分自体がよう把握していないというような現状じゃないかというふうに私は現地を見てきました。だから、本人が落ちついて帰って、家の中を見て、これでは根本的に建て直さなければならぬ、あるいは修理しなければならぬといったようなことが大体まとまってくるのじゃないかと思います。そういう事態でまとまってくれば、私どものほうではその事態にこたえる用意は十分あるということだけは申し上げておきます。
  110. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 先ほど死者の件が出ておりましたが、これを見ますと、奥さんが避難した先でなくなったというふうに出ておりますが、これは、何か誘導の誤りでそういうふうになったのか、とっさの場合で、そういった危険状態のところへ避難してなくなったのですか。その点どうなんでしょう。
  111. 仮谷忠男

    仮谷政府委員 私はどうもそこらまではっきり聞いておりませんが、現地で向こうの責任者に説明を受けてみますと、地震で飛び出して避難をしたたまたま避難したところが、どうも適当なところでなかったので、石が落っこってきて不幸な事態が起こったそういう言い方で説明を受けております。特別にどなたかが誘導したとかといった問題ではなかったのではないか。とっさに飛び出て避難した場所がたまたま悪かったというようなのが実情ではないかと私は感じました。そういう説明を受けてまいりました。
  112. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 基本的な問題でありますが現在、現時点において、水道、電気、ガス等のそういった日常生活に最低必要な復旧というものは、いつごろ復旧できる状態に見通しが立っておりますか。
  113. 谷垣專一

    谷垣政府委員 どうも私のほうは水道のことしか担当でございませんのであれですが、先ほど来御説明を申し上げておりますように、応急の処置としては町の当局または自衛隊の応援も受けまして、給水車等を配備をいたしておる状態でございます。この水道の送水管の復旧をいたさなければなりませんので、現地係官が参りましていろいろ指導もしておるわけでございますが、いまのところ、こちらのほうに、何日から水道復旧してもとどおりになるという報告をまだ受け取っておりません。しかしこれは極力急がせなければなりません。現在のところはそのような応急措置をいたしております。こういう状況でございます。
  114. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 そうすると、自衛隊がそういった災害復旧に出勤して、いま現地に行っておられるのですが、ただ水とか緊急な物資の輸送のみに自衛隊が使われておるのですか。
  115. 谷垣專一

    谷垣政府委員 現在の自衛隊全体の動きがどうかということは、私ども担当でないのでわかりませんが、私どものほうの関係いたしております、たとえば給水の問題、これはえびの町の場合は、町当局がおよそ五台ほどの給水車を動かし、自衛隊のほうの給水車が三台ほど活動しておる。吉松町におきましても同様のことになっておるのでございます。  そのほか、応急の措置でございますが、たき出し等の問題につきましてもこれは現地の皆さんや近辺の応援の方々にやっていただいておりますが自衛隊のほうの応援も受けておる、こういう現状でございます。水道復旧工事そのものにまだ自衛隊が動いておるという報告は受けておりません。
  116. 今泉正隆

    ○今泉説明員 お答えいたします。  自衛隊は二十一日以降この地域に出動しておりますのは、給水、炊事の支援、それから道路復旧も行なっております。なお給水につきましては、これは私のほうの専門ではございませんけれども現在の予定では三月一日ごろまで給水支援は必要であるということでやっております。
  117. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 そういう給水作業はもちろん大事でありますが、政務次官も御心配になっておるように、伝染病等のことを考えますと、水道とか電気の復旧、そういった最低生活に必要な設備の復旧というものは、自衛隊がそこまで出ているならば機械化の力を利用して、そういった面の早期復旧のほうにお願いはできないのですか、どうですか。
  118. 仮谷忠男

    仮谷政府委員 どうも弁解かもしれませんが、私現場へ行って感じた問題でありますから……。先ほど言ったように、自衛隊は給水、それから給食、夜間の警戒、テントなんかを持ってきて野外の寝泊まりのめんどうを見ておるようでございます。水道復旧は、率直に言って、水道管がどこが破裂して、あるいは水源地がどういうふうになっておるかという問題が十分把握できておらぬようなわけでございまして、一応復旧しておるようでございますけれども、そういった面は、県のほうでも積極的に技術者を派遣しておるし、厚生省のほうから確かに技術者を派遣しておるように聞いておりますが、そういうことで積極的にやられておるようでありますから、その上で労力的に自衛隊が必要であるならば、出動の要請もあるのじゃないかと思います。  そういうことで、これは農地の地すべりの地帯が非常に多くございますので、植えつけ前までに間に合うように、これは早急にのけなければならぬ。これは自衛隊に出ていただいて取りのけをやってもらわなければならぬ、そういう考え方が非常に地元に多かったわけでございますから、そういうような要請があれば自衛隊が出勤することもあるのじゃないかというふうに私は思います。またそうしなければならぬのじゃないか、かように思っております。
  119. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 一週間近くもたっておりますので、その点非常にスロモーなようにちょっと感じられるのですが、私は現地を見ておりませんのでそういう大きな口をきく資格はありませんけれども、その点至急自衛隊にでもお願いしてもらって基本的な人権の問題でございますので、早急に解決していただきたいことをお願いいたします。  それから学校の問題でちょっとお尋ねをいたします。小中学校の倒壊もあると思いますが、これらの復旧について、国庫補助についてはどう考えられるのですか。また学校給食費ですね、これは免除してあげたらどうかと思うのです。この二点はいかがですか。
  120. 谷垣專一

    谷垣政府委員 水道の問題で非常に御心配をかけて恐縮でございますが、現在水源がえびの町の場合、三つほどございまして、それぞれ被害を受けておるわけでございます。その中で第三水源と私たちは称しておりますが、これは数カ所破損しておりましたものを、二十四日に応急の復旧が完成いたしておりまして、現在四百数十戸の戸数には、これによって給水いたしておるわけでございます。その他の水源の問題につきましては、相当な破損個所があったり、一時直りましても、その後の地震でまた破壊をしたというような状況を繰り返しておるのでございますけれども、これの復旧は、御指摘のとおり、衛生上から見まして一番大切でございますので、進めておるのが現状でございます。その点も御了承願いたいと思います。何もやっていないのでは決してないので、非常に急いでやっておりますので、御了承願いたいと思います。
  121. 菅野誠

    ○菅野説明員 学校関係の被害を申し上げますが今回の地震による被害といたしましては、えびの地震関係が、宮崎鹿児島熊本と三県にわたりまして、現在のところでは、三十五校の校数で九千七百二十五万八千円の被害報告が参っております。それで、ただいま御質問の倒壊、全壊の関係でございますが、これは、幸いと申しましょうか、不幸中の幸いでございましょうが、現在のところでは、倒壊いたしましたのは、渡り廊下等の工作物と、それから温室の一部でございまして、授業に直接に関連する部分は比較的軽微でございます。これにつきまして、御存じのように、公立学校の災害復旧によりまする助成の関係は、当然現地査定を受けた上で、公立学校施設災害復旧費国庫負担法の適用によりましてこれの復旧をはかりたいと考えております。
  122. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 それからもう一点、被災民の子供の給食費の免除は考えられないか。
  123. 菅野誠

    ○菅野説明員 所管が施設部でございますのでなにでございますが、生活保護法の適用になった者については、前例によって考えられるはずだと思います。
  124. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 以上で終わります。
  125. 芳賀貢

  126. 工藤良平

    工藤委員 きわめて簡単に警察庁に御質問をいたしたいと思います。  私も二十四日に現場に入ったわけでございますが、特に二百六十八号線をめぐりまして、交通がすでに非常に混雑をいたしておるようでございます。この報告によりますと、宮崎県で延べ千名、それから鹿児島二百六十四名、熊本五十名ということで、おそらく延べ人員だと思いますけれども、警察の動員がなされておるようでございます。この点について、これで万全なのかどうなのか。もちろん交通、さらには盗難予防等に対する警備というのは、住民が疲れてまいりますから、私は非常に重要な問題だと思いますが、これで十分なのかどうかまずお聞きをしたいと思います。
  127. 勝田俊男

    ○勝田説明員 お答えいたします。  宮崎県では、先ほど御報告申し上げましたように、地震災害の発生と同時に所轄署で全員の招集を行ないまして、三十六名でございますが、配置につけております。県本部から警備部長を長といたしまして三十六名、機動隊その他隣接署からは百五十名を配置いたしまして、周辺の交通の整備その他を含めてできるだけの手を尽くしたというふうに考えております。なお手を尽くしても、いろいろな面で不備な点があろうかと思いますけれども、できるだけの手は尽くしたというふうに考えております。
  128. 工藤良平

    工藤委員 復旧の問題につきましても、今後なお断続的に地震があるという状況の中では、住民は復旧すること自身も非常にちゅうちょしておるし、しかし生活しなければならぬということで、非常に交通がふくそうしてきておるわけです、特に二百六十八号線は。したがって、緊急に宮崎県がとった態度については敬意を表したいと思いますが、この際に、鹿児島あるいは熊本という隣接した県からの動員体制というものは、警察庁としてとれないのか。かつてこの前の佐世保の事件のように、大量の警官が一点に集中できるという経緯から見ても、こういう重大な時点においては、ある程度隣県からも動員体制をとって、万全の策を講ずるということが特に治安上大切ではないだろうかと考えるわけであります。その点について御意見があったら、ひとつお考えを承りたいと思います。
  129. 勝田俊男

    ○勝田説明員 被災地側の宮崎県のみならず、鹿児島熊本にも及んでおりますので、それぞれの県で、鹿児島では百名の応援を現地派遣いたしております。交通はやや広域的な処理も必要になってくるということでございますが、そのために特に他府県から応援して事態を処理しなければならないというような状況ではないのではなかろうか。それぞれの県でそれぞれの県の警察官を動員して処理すれば何とか処理ができるのではなかろうか。現在われわれが聞いておりますのは、宮崎なり鹿児島で避難された方が相当多い、そのために非常に不安を感じておるということで、盗難の予防とか、そういった問題がかなりありますので、重点パトロールその他盗難防止に努力しておるわけでありますが、住民の方から見られれば、あるいはもう少しやってもらいたいという希望が出るかと思いますけれども、でき得る限りの手を警察としては尽くしておる、それ以外の県からさらに応援を持ってくるという事態ではないのではないかと判断いたしております。
  130. 工藤良平

    工藤委員 この資料によりますと、警察庁並びに九州管区警察局のほうからも派遣をされておるようでありますが、すでに二十五日でありますから、私どもが現地に入りましたのが二十四日で、そのあと入っておるということで、やはりここらあたりは——しかも地震が起こりましたのが二十一日の午前八時五十一分でありますから、夜中ではないのですね。したがって、緊急にこれらの措置をとるために九州管区警察局から直ちに行って、そこら辺はやはり総体的な総合的な指導をやるということが必要ではなかったのではなかろうかと思いますので、この点についてはひとつ十分今後配慮して措置をとっていただきたい、こういうふうに思います。
  131. 勝田俊男

    ○勝田説明員 今後十分努力いたします。
  132. 芳賀貢

    芳賀委員長 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後は本会議散会後再開し、質疑を続行することとし、暫時休憩いたします。    午後零時五十八分休憩      ————◇—————    午後二時十五分開議
  133. 芳賀貢

    芳賀委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。稲富稜人君
  134. 稲富稜人

    ○稲富委員 今回の有明海並びに西日本を襲いました干害のためのノリ白腐れ病被害に対しまして天災融資法を適用されるということになったということは、非常な皆さん方の御努力の結果であるということに対して厚くこの機会に感謝をいたしたいと思うのでございます。  ただ、この機会に一言申し上げたいと思いますことは、天災融資法を適用しますると、どうしても国のやられることが融資の面に主体を置かれる。こういうことで、実際上の応急対策としての助成措置というものがほとんどやられないというのか最近の状況でございます。われわれとしては、非常に困った被害に対してはやはり助成措置をやらなくてはいけないということも一応考えなくてはいけないと思うのでございますが、そういう面から申し上げまして、今回のノリ被害に対しましても、再生産のための網であるとかあるいは種ノリといいますか、こういうものを確保するための経費、こういうことに対する助成措置というものも当然考えてしかるべきじゃないかと思うのでございますが、こういう問題に対する助成措置はいかに考えておられるか、この機会に伺いたいと思うのでございます。
  135. 森沢基吉

    森沢政府委員 いまの稲富先生の御質問は、融資だけでなくて、いろいろノリの再生産確保のための助成が必要ではないか、こういう御趣旨の御質問でございますが、私たちは、ノリ生産性の向上とか増産とかあるいは新しい漁場の開発そういう面につきましては、その方面の研究とさらに構造改善事業、あるいは漁場造成事業等を通じまして極力従来からもやっておりますけれども、今後も前向きにやりたいというふうに考えております。災害にあたりましての、そういう先生の御質問にありますような個々の助成というのは実は三分の融資というものが非常に低金利の融資でございますので、むしろ助成にかわり得るものというふうに解釈しておりますので、災害対策としてではなく、将来の前向きの問題について、従来の沿岸漁業振興の総合対策の中で見ていきたいというのが私たちの考え方でございます。
  136. 稲富稜人

    ○稲富委員 この問題はもちろん今回だけの問題ではなくして、従来天災融資法が適用されて政府がそういう措置をとっていらっしゃるので、これは基本的な問題に対してはいろいろ意見があると思うのであります。私たちはやはり助成措置をやるべきではないかという考えを持っておりますが一応従来の慣行等のように、やはり前向きの助成をやるけれども、応急対策としての助成措置はやらないで低利の融資をやるんだ、こういうような考えのようでございます。であるとするならば、この助成にかわる融資対策というものをやはりやらなくてはいけない、これに対してはもちろん舎利が安くなくてはいけないし、長期でなくてはいけないという問題が起こってまいります。  それで、今回天災融資法の適用を受けることによりまして、それでは具体的にノリの場合の経営資金に対する貸し付け対象、こういう問題をどの程度にお考えになっておるか。たとえば今日やはりノリ生産するために、漁船じゃないけれども船等もあります。こういうものもやはり融資対象として考えられるかどうか、こういうような具体的な問題についての考え方をこの機会に承りたいと思います。
  137. 森沢基吉

    森沢政府委員 融資の対象に対する御質問でございますが、従来からやっておりますのはノリ養殖に必要な資金ということでございまして、主体としてはノリのひび網、それからノリのひびを立てますのに使います支柱、それから種苗代、それからまあ人工採苗等をやりますときの経費、それからいろいろ肥料をやってノリの生育をはかりますが、そういう肥料代、労賃、あるいは共済の掛け金、それからさらに船のお話が出ましたけれども、これは共同作業を前提として作業船を買うという場合には従来融資の対象として認めております。大体対象は以上のようなものでございます。
  138. 稲富稜人

    ○稲富委員 共同作業としての場合の船などは考えておるというお話でございますが、たとえば、ある漁業者が本年度には当然ノリ生産があるものだとして船を一つ用意しよう、こういう計画をしておった。ところが実際被害をこうむったがためにやはり船をつくることができない、こういうような事実の問題にぶつかったならば、やはりこの被害のためにこれをなすことができないという実情であるならば、こういう問題も当然融資の対象として考えるべきじゃないか、こう思うわけでございますが、この点いかがでございますか。
  139. 森沢基吉

    森沢政府委員 御趣旨はよくわかりますが、実は従来ノリ関係で御承知のとおり三十八年、四十年、今回、天災融資法発動いたすことになっておりますが、いま御指摘の共同作業船以外のいわゆるノリ舟、ベカ舟でございますが、それにつきましては、融資の対象として取り上げた先例がございませんので、もう少しこれは研究させていただきたいというふうに考えます。
  140. 稲富稜人

    ○稲富委員 これは、いま申しましたように従来融資の対象となっていないとしても、やはり被害をこうむったためにその建造ができないという「こういう事実上の問題があるとするならば、当然やはり融資の対象として考えるべきじゃないか。どうしても融資の対象としてできないとするなら別個に何か国家資金でこれに対する融資のあっせんをするとか、こういうようにやることが災害対策としての」つの方法ではないか、こう思うのでございます。非常に具体的な問題でございますけれども、こういう問題に対していかに考えられるか、この点ひとつ十分考慮していただきたい、こう思うわけであります。
  141. 森沢基吉

    森沢政府委員 検討いたします。
  142. 稲富稜人

    ○稲富委員 それからいま一つお尋ねしたいのは肥料なんかの問題に対してはあっせんの労をとっておるとおっしゃっておるのでありますが、最近聞くところによりますと、私もこれは専門家でございませんのでわかりませんが、ノリ生産に必要な肥料に、硝酸アンモニアじゃないかと思うのでありますが、硝安というのがあるのであります。これが非常に繁殖にいいというのです。ところがこの硝安といもうのが何か火薬の原料になるかどうかでほとんど出回らないというような状態で困っている。私、専門家じゃないから、私は硫安じゃないかということで聞きましたが、そうじゃない、これ硝安だと言っております。こういうものに対しまして、やはり業者のほうでそれをほしい。ところがこれがどうも戦地におけるいろんな火薬の材料として行っているので手に入らない。こういうものに対しては、この機会にやはり政府としても何かあっせんをするというような方途を考えるという方法はないのであるか。この点に対してどうですか。
  143. 森沢基吉

    森沢政府委員 ノリ養殖に肥料を使うということはかなりわが国でも普及をいたししまいりましたが、硝安というのはおそらく硝酸アンモニウムだと思いますが、硝安をノリに使っているという例は、実は私たちはまだ聞いておりません。普通使いますのは、農業と同じでございますが、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム並びに尿素こういうものが、ノリの成長促進及びノリの色沢を非常に良好ならしめるという効果がございますので、かなり最近普及をしてまいりました。ただ農業関係でも——私、専門外でございますが、硝安を成長促進に使うという例もあるやに聞いておりますので、もしそういうものが必要であるということになれば、硝安についてはよく存じませんけれども、硫安とか尿素とか、そういうものをノリ関係の全国海苔貝類漁業協同組合連合会であっせん購買事業もやっておりますから、政府といたしまして、漁業者の方々から御要望があればそういうあっせんの労をとることにやぶさかではございません。
  144. 稲富稜人

    ○稲富委員 それから、今回のノリ被害というものがはたしていかなる理由によって被害をこうむったかということに対しては、十分検討された問題でございます。きょう午前中の説明を聞きますと、今回の白腐れ病原因というものは大体把握されたようでございます。ただ、今後こういう問題に対しては水産試験場等を督励して将来に処していこうというような考えのようでございます。  私がこの機会にひとつ承りたいと思うのは、今日有明海のノリ生産量並びに生産額、この量と額を承ると同時に、これが全国の生産量の何%を占めておるか、五〇%程度を占めておると思いますが、この資料がありましたら承りたいと思います。
  145. 森沢基吉

    森沢政府委員 全国のノリ生産量は金額にして約四百五億円でございます。有明海についてはかなり大きな比重だと思いますが、ちょっと数字の手持ちがございませんので、至急に調べましてお答えを申し上げます。間違うといけませんので……。
  146. 稲富稜人

    ○稲富委員 私たちの聞くところによりますと、有明海の生産量というものは、全国のほとんど五〇%近い、半数くらいの生産量である、こういうふうにわれわれは聞いておるわけであります。ここで私特にお願いしたいと思うことは、これほど生産量を持っておるこのノリに対しまして、従来水産試験場を利用していろいろな試験研究をやられておる状態、今度発生いたしました白腐れ病に対しましても、各県の水産試験場がこの原因究明に非常に苦労して研究をしたというような事実もあるのでございます。それで、私はそういう点から、やはり総合的な研究をするため、今度は干ばつによってこういう問題が生じておりますけれども、なおまた当然将来起こってくるものは、たとえば筑後川のごときは、筑後川の総合開発の問題等があります。こういう問題が起こりますと、あるいはこれは工業用水に持っていかれる。この水が海にどれほど流れてくるかという問題も起こってくる。こういうように、干ばつのみならず、今後こういうような公害等によって生ずる被害等も出てくるだろうと思いますので、この機会に政府としての試験場といいますか、ノリの研究所といいますか、そういうものを一つ設置する必要がある、かように私たちは考えておるわけなんです。その点から、ただいま申しましたように、全国の半数に近い生産量を持っておるこの地方に、国として何の研究所も持たないということは、私は考えなくちゃいけない問題じゃないかと思いますので、これに対しする政府の考え方を承りたいと思うのです。
  147. 森沢基吉

    森沢政府委員 この前の委員会でも同じような御質問がありまして、お答えを申し上げましたが確かに有明海におけるノリ生産の比重というものは、数字は後ほど正確にお答え申し上げますが瀬戸内海、それから伊勢湾等と比肩をいたしますし、非常に比重が大きゅうございます。それで、国の研究を設置して前向きに研究をやるべきではないか、こういう御意見でございますが、実はけさほどもちょっと報告のときに申し上げましたけれども、ノリは、環境要因に即応して非常に変動の大きい植物でございまして、同じ白腐れ病でございましても、東京湾の場合、伊勢湾の場合、有明海の場合、非常にその形態が違いまして、まことに蔓迅速に延する場合もあり、非常に緩慢な場合もある。地域的な差が非常に大きい特性を持っております。したがいまして、私たちは、有明海は非常に重要でございますけれども、そこに水産研究所をつくることも将来の方向としては確かに一つの案かとも思われますが、とりあえず現在の八海区の水産研究所で、増殖部門をもちまして、全国的にノリ生産性の向上と病害対策に取り組む体制を立てております。  具体的に申し上げますと、九州各県につきましては、広島にございます南西海区水産研究所、それから東京にございます東海区水産研究所、そういうものの研究陳と、それから各都道府県のほうが実は研究者の数が非常に多うございますが、県の水産試験場というものを現在よりももう少し強力にリンクをいたしまして、各地各様の非常にこまかい環境要件の変化に応じた研究をまずやることのほうが先決であるというふうに実は考えておるわけでございます。したがいまして、水産庁といたしましては、現段階におきましては、そういう水研と水試、それからけさ申し上げましたように、普及員というものの研究体制をさらに再検討して、強固に立て直すという方向をまず考えたいと思いまして、実は先般来各府県の水産試験場担当者等も集めまして時々協議をしておるところでございます。
  148. 稲富稜人

    ○稲富委員 私は、ノリに対する研究というのは非常におくれていると思う。たとえば今回の白腐れ病のごときも、われわれは白腐れ病という一つの特定の病気があるのかと思ったところが、特定の病気じゃない、赤腐れ病に対する目腐れ病という名称をつけているのだというような、われわれが聞くと、その目腐れ病と称するものにいろいろ種類があるという。こういう点から見ても、いかにノリに対する研究といいますか、しかも病源のそういうような原因調査等がおくれておるかという明らかな証左じゃないかと私は思う。そういう点から私たちは、どうしてもそこにはそこの特有の地形があり、特有の水質があり、こういう中にやはり特有のノリというものが育つのだから、その地方、その地方の専門的な一つの研究所というものがなければいけなのじゃないかと思う。しかもこれが生産量が少ないならともかくも、相当に多い生産量を持っておるものとするならば、国としてもこれを指導する上から申しましても、当然これは研究すべきじゃないかという考えをわれわれは持っております。これに対しましては、当然国としての研究所の設置ということに将来進んでもらいたい。これが今日間に合わないとするならば、今日各県が水産試験場を持っておりますので、ここに委嘱し、十分国からでもこれに対する助成をする、こういう方法をとってノリに対する特別の研究をやらせる、委嘱する、こういうことも一つの方法として考えられると私は思う。ただ地方財政の困難の中にやらせるということでなくその地方財政の中から各県が研究所を持っておるならば、それに対する国としての助成をやる、これに総合的な一つの結論を出すということに指導しなければいけない。金は出さないで、ただまとめだけ国のほうがまとめていこうということに対しては無理があるのじゃないかと思うので、研究所をつくることが必要であるけれども、これができないとするならば、それまでに各県の水産試験場に対して国が特段の研究費とかそういう助成をして、その地方特有の研究を進めるということが必要じゃないかと思う。これに対してどういう考え方を持っておられるか、承りたい。
  149. 森沢基吉

    森沢政府委員 研究についての御意見でございますが、現在私たちがやっておりますところとしては、確かに御指摘のように体制づくりも大切でございますから、やはり研究に必要な経費を十分見てやるということが必要であろう。それで国の研究所におきましては、普通の研究費のほかに、農林水産技術会議のほうの特別研究資というものでノリの病害対策かなり長期にわたりまして進めていきたいということで、実は昨年も行ないましたけれども、今後もこういう体制は続けていきたい。  それから都道府県の試験場に対しましては、これは助成でございますけれども、都道府県のほうの指定研究というものにつきましてメニュー方式をとりまして、都道府県が希望する研究項目につきまして国が助成を行なうという制度がございます。したがいまして、特に今度災害の起こりました県等に対しましては、できるだけ県と協議しまして、ノリ中心としたテーマでそういう研究を指定研究の中へ入れていく、こういうことを考えてみたいと思います。  大学につきましては、やはりこまかいことで恐縮でございますが、応用研究費という別な費用がございまして、いろいろノリの基本的な生理、生態、病理、そういうものにつきまして大学の諸先生にお願いして研究を従来からも行なっております。こういう点も、先ほど申し上げましたように研究体制の一環として前向きに考えていきたいというふうに考えております。
  150. 稲富稜人

    ○稲富委員 私が研究体制を確立しろということは、そういう研究を確立すると同時に、これが一つの指導体制を持つことになるのじゃないかと私は思う。今回のあの被害状況等を見ましても、私たちにはしろうとでわかりませんけれども、あまりに密植をしたのじゃないかというような声も聞くのです。はたしてこういうものに対して十分なる指導体制ができておるかどうかということも考えられる。どうしても巖密な指導体制、強力なる指導体制を進めていくという上においては、国としても十分自信のある研究をして、その研究の基礎的なものをつかえまて、その後において指導するということが必要であるように思う。そういう意味からいっても、私たちこの研究機関の必要性を特に考えるわけであります。こういうことによっては、はたして現在のこの状態指導体制というものがいいのであるか。ノリの増産に対する指導、あるいは今回の問題は一般に懸念されておるような密植というようなものがその被害をますます大きくしたのじゃないかというような問題、こういう問題に対していかなる考え方を持っておられるか、この点をこの機会に承りたいと思います。
  151. 森沢基吉

    森沢政府委員 今回の目腐れ病の原因につきましては、けさほど私から御報告申し上げましたように、おもに海水の比重、水温変化の動向等が例年と非常に違いまして、いわゆる人事管理ではいかんともなしがたい天然、海象の関係からの原因であるというふうに、研究陣とも議論の上、意見が一致して、天災法の発動に踏み切ったわけでございます。  いま密植のお話がございましたけれども、一般論としてノリの密植というのはあり得ると思いますが、今回の災害につきましては、密植には直接結びつかない、こういうふうに考えます。ただ、ノリ生産性の向上を従来から行なってまいりましたので、今後は、一般論といたしましては、これはノリに限らず、真珠でも同じでございますけれども、稻富先生の御指摘のように国の研究機関等で、生産性をどこまで発揮できるかというぎりぎりの限界というものも十分きわめまして、今後のノリ養殖、さらに漁業権を免許いたします場合の漁場計画、そういうことにつきましては、県の資料等も十分突き合わせながら、いわゆる一般論としての密植防止、そういうものを防ぐことによってノリ生産性をさらに向上させるということ、さらに最近技術が進歩いたしまして、ノリ養殖かなり沖合いの海へ広げる可能性が出てまいりました。いわばノリ養殖の新漁場開発と申しますか、いろいろさくを立てまして、ノリをつくるというよりも、べた流しといいまして、海面に網を流しましてやる養殖かなり実現化してまいりました。こうすれば海水汚濁等からもある程度守れるということもありますので、全般的な密植防止と新しい漁場の開発、さらに先ほどおっしゃいましたいわゆる肥料等を使うことによる生産性の向上というものもあわせて考えてまいりたいというふうに感じております。
  152. 稲富稜人

    ○稲富委員 将来の生産を向上するために一番憂慮されるものは、従来ノリというものが非常に陸から近いところにあるだけに、公害のおそれがあると私は思う。これに対する対策というものをこの機会に一ぺん十分検討しなくちゃいけないのじゃないか。今回のこの白腐れ病は、公害じゃないなくて、ほんとうに天災であったということははっきりされておりますけれども、これを機会に、将来公害のための被害というものが来るだろうということも予期しながら、われわれは将来を考えなければならぬ。ここに今後の国としての指導性が非常に必要じゃないかということをわれわれは考えるわけなんです。そういう点からも、今後の指導力を十分発揮するための検討をしていただきたいということを特に私はこの際水産庁にお願いをして、そういう腹がまえでいっていただきたいと思うわけであります。  さらに、最後にお尋ねしたいと思いますことは漁業共済の問題でございます。漁業共済ができましてまだ非常に日が浅いので、非常に加入はされておるようですけれども、金額が少ないようです。これに対する将来の指導体制、またこれに対する漁民の信頼感、こういうものに対してどういうような状態であり、どういうような考えを持っておられるか、この機会に承っておけば参考になると思うのであります。
  153. 森沢基吉

    森沢政府委員 御指摘のように、特にノリ養殖の面から漁業共済の加入状況を見ますと、必ずしも満足すべきものでございません。ただ、今度の被害県につきましては、県によってかなり加入の多い県あるいは加入の悪い県、いろいろございますが、総体的には加入率が非常に悪うございます。それで過般制度の改正も行ないましたので、今後ノリ養殖に限らず、養殖あるいは一般の漁業も同じでございますが、こういうものにつきまして、現在、加入の促進を水産庁と関係の連合会と相はかりまして、大いに展開中でございます。将来こういう災害を繰り返してはなりませんから、それに備えて十分こういう保険を利用するという方向に指導いたしたいというふうに考えております。
  154. 稲富稜人

    ○稲富委員 最後に、大蔵省からは見えておりますか。——今回の被害のために非常に収穫が少なくなっておりますので、これに対する各租税の減免とかあるいは納税の猶予とか、こういうのは当然考えていただかなくちゃいけないと思うのですが、これに対して国税庁としてどういう考えを持っておるか、この点を伺っておきたい。
  155. 植松守雄

    ○植松説明員 ノリの問題につきましては、特に九州ノリの課税について特殊な問題であったわけでございます。それは御案内のように、所得税は、本来の原則は、暦年つまり一から十二月までの所得について課税するわけでございます。ところがノリは、これは毎年十月から翌年の四月までの間に採取されるという特殊事情がございます。そこでもしこれを暦年で切りますと、所得を計算する上の技術的な理由からなかなかやっかいな問題が起こってまいります。そこで、この九州ノリの課税につきましては、これはずっと前からノリ年度と称しまして、毎年、暦年が本来の原則であるにもかかわらず、前年の十月から翌年の四月までの問のノリ年度をベースとして課税する。つまり具体的に四十二年分について申し上げますと、四十一年十月から四十二年四月までの問に採取されたノリについて、それを四十二年分の所得として扱うというきわめて異例な便法がとられてきておったわけでございます。  で、ノリが通常の作柄でございましたら、そういう方法でやられましても別に問題はございません。ところがことしのように、特に異例な不作になるということになりますと、昨年のいわば平年の作柄であったときの納税が、ことしこの不況の時期にその税を納めなければならないという問題が起きるわけです。そこで、かねて、いま申しましたような取り扱い自体が税法上は異例なことでございますし、この機会にできるだけ暦年課税に直したい。と申しますのは、具体的に申しますと去年の十月から十二月までの間のあの不作のときの状況を取り入れまして、去年の一月から四月まで、それから去年の十月から十二月までという計算をいたしますと、そこで黒赤相殺されるわけでございますね。そこで本来いままでのやり方を踏襲いたしますと、ノリ年度課税になるのでございますが、特にそれは今回のような特殊な事情を考慮いたしまして、この機会に暦年課税に切りかえたらどうだろう、こういうふうな漁民の非常に強い要望がございます。われわれのほうもいつか切りかえなければいけないということで考えておったのでございますが、何ぶん長らくの踏襲でございまして、その切りかえがむずかしかったのございますが、ことしはできるだけそういう方向に持っていきたい。ただし、実際の問題としまして、被害の発生がことしに入ってからという状況もあるようでございます。そこで全部一律にはまいらないようでございますが、いままでのようなことでやりますと、ことしは無理のないところでおさまっていくのではなかろうかというように考えております。  それから、もちろん所得税は、経費はそのまま必要経費として見られるわけでございますから、赤字が出れば、もちろん税は納める必要はなくなるわけでございますから、自動的にそれは所得計算の上でその被害状況は反映されるということになります。  それから、その税をもちろん納税しなければならない方もいらっしゃると思いますが、その場合には災害によって徴収猶予、納税の猶予という制度がございます。それを活用してまいりたい、こういうふうに考えております。
  156. 稲富稜人

    ○稲富委員 この問題は大体聞いてわかりました。これは当然先へ延長してもらわぬと、従来の税を納めるというのは非常に困難でございますので、そういうことを国税庁も考えておられるならばけっこうでございますから、そういうようにやっていただきたいと思います。  では私の質問はこれで終わります。
  157. 川村継義

    ○川村委員 関連してですが、稻富委員からお話がありましたから、私、とやかく申し上げてお尋ねしなくてもいいと思いますけれども、一言、稻富委員の質問の中の一つについて、これはやはりぜひ御検討いただきたいと思うのです。  それは、いま水産庁の次長さんからいろいろお話がありましたので、研究所の設置問題についてお考えはよくわかります。ところが、私は先般各県のノリの研究所あるいは水産試験場等々の今日の機構、それから各県における予算の資料をいただいたので、それを見てみました。気づいたことはこのノリの研究等にしましても、ノリ生産するというような増産面では非常に配慮されているようなあとが見える。ところが病気を予防するとかそういう研究面はどこの県でも非常に手薄のように思うのです。それが一つ。それからいま一つは、各県のこの水産研究所等の予算がまことに貧弱だ、こういうことが痛感をされます。  そこで、私のは要望になると思いますが、せっかくのお話で、研究所等を国でつくる必要はないというような前提に立ってこれからの研究体制強化していこうというお話でございました。しかし、今日、私が申し上げるまでもなく、あの付近の沿岸漁業の漁民をささえているものはノリです。今日は魚介類等で生計を維持しろといっても、これはもう無理です。特に最近はそういう魚介類等も全く生産が落ちてしまっておる。このノリは、たとえば九州の有明なら有明の沿岸漁民をささえている唯一の収入源ですね。となると、ノリはやはり日本の漁民の立場から十分尊重してもらわねばならぬということ。何も韓国ノリを持ってくればいいじゃないか、そういうことは許されないということ。それからいま一つは、今日は御承知のとおり、日本人のノリの消費量が非常に伸びておりますから、ノリは重要な生活物資となっておること等々を考えますと、このノリというものを、水産庁政府においても、もっともっと高く評価してもらうということが必要ではないか。そういう点から考えてみますと、せっかくの次長さんのお話だったけれども、いままでのような、あるいは少してこ入れしたような研究では、今度のような思いがけない白腐れ病等が発生した場合には、手の施すすべがないのではないか。これに対応するところの研究というものがぜひ必要になってくる、私はこう思うのです。それからいま一つ申させていただきますと、今度の白腐れ病について、十分先ほどの理由はちょうだいいたしました。しかし私は、せっかくのお話でございまして、今度は検討をされましてそういう原因を一応あげていただきましたけれども、まだその原因には疑問が残るわけです。もうこれはこのとおりだという確信というものは、ひょっとすると皆さん方にもあるいは疑問が残っておるのじゃないか。私にもやはり疑問が残る。と申し上げますのは、干ばつによる海水の比重が高まった場合に、一体別の影響はなかったか。たとえば陸上から流れ込むいろいろの汚水関係あるいは工場廃液というようなものがなかったかという問題点もやはり疑問として残ってまいります。あの白腐れ病が起こったときに、漁民は自分なりに手当てをしてみたのです。しかし全然ものにならない。ということは、ただ海水の比重が高まったとかあるいは非常に気温の変化があったとかいうことだけではなかなか解決つかない原因がもっとどこかにひそんでおるのではないかという疑問が、しろうとながら残ります。これは学者の問でも、何かいろいろ指摘されておるようであります。あるいは有明の海の老化現象という意味で指摘をされておる面もございます。そういうようなことを考えると、ノリを含めて沿岸漁業の——浅海漁業とでもいいますか、こういうところが非常に大きな危機に立っておるような気がいたしますから、研究は進めていただきますけれども、ひとつこれは水産庁あるいは政府側で、九州を一つにしたというか、西日本を一体にしたというか、何とかもう少し権威のある強力な研究機関をつくってもらいたい。ということは、国立のノリ研究所でもいいです。そういうものをつくってこれに対応してもらうような処置が大事ではないか、こう思われてなりません。  そこで、私はそういう意見を申し上げてさっきせっかく稻富委員からお話がありましたように要望するわけです。ひとつ簡単でいいですから、御見解を聞かせていただきたいと思います。
  158. 森沢基吉

    森沢政府委員 いまお話のございましたとおりわが国の養殖生産の中で、ノリの比重というものは非常に高うございます。先ほどノリが約四百五億円と金額で申し上げましたが、浅海増養殖全部で約九百八十億くらいでございますから、非常に比重が高うございます。特に御指摘の有明海はノリに依存しておった漁家というものが非常に多うございまして、いわゆる漁業生産の本命であるということも御指摘のとおりでございます。したがいまして、従来は、有明海もそうでございましたけれども、おもにノリ生産技術の向上ということで、人工採苗というものが技術的に確立をされまして、有明海のノリなども、人工採苗の技術によって非常に上昇したという歴史がございますが、やや生産面の技術に重点を置き過ぎて、病害対策というものについては研究が不十分であったということは、私認めなければならないと思います。したがいまして、今回の要因には直接関係ないというふうに私は判断いたしますが、都市排水あるいは工場排水等が漁場にいろいろな影響を与えている環境下において、今後ノリ生産におきましていろいろなマイナスの要因があらわれよう、これが白腐れ病となり赤腐れ病となり、いろいろな病害が起こる原因をつくるということは十分考えられます。そういう意味におきましては、従来の生産技術向上一点ばりの研究でなくて、病害の発生予察あるいは病害対策というものを漁民に十分指導できる研究体制は確かに必要であろうというように考えております。ただ、いまの水産研究所体制から見まして、率直に申し上げまして、人員の制限等もございまして、直ちに別個の研究所をつくるという段階にはないというのがわれわれの考え方でございます。むしろ独立の研究所をつくると同じような効果のあるものを、従来の水産研究所の蓄積を十分使い、横の連絡を強化し、経費を増加してやっていきたいというのが私たちの考え方でございますが、御指摘のありました問題点につきましては、今後の国の水産研究体制の一環としては十分研究してまいりたい、そういうふうに考えております。
  159. 川村継義

    ○川村委員 時間がありませんから、終わります。
  160. 芳賀貢

  161. 菅太郎

    ○菅委員 最初に、気象庁に対しまして御質問いたします。  本日この委員会に提出をされました気象庁の「大雪について」という昭和四十三年二月二十七日の御報告の中に、2として、二月十五日から十六日にかけての大雪についての御報告がございます。その中の初めを省略いたしますが、こういうふうにしるされておる。「二月十四日、台湾の北方に発生した低気圧が急速に発達しながら九州の南方洋上に達し、十五日九時には、その雨域が九州——東海地方に拡がると、一部では雪となって九時現在、」これは十五日九時でしょう。「九時現在北九州、山口県などでは十——三十センチメートルの積雪となった。その後、低気圧が中心示度九百八十ミリバールの強さを保ちつつ、東北東へ毎時五十五キロメートルの速度で進んだため、九州北部四国・瀬戸内側、中部および関東地方大雪をもたらした。」これが概括的な御報告であります。  そこでお尋ねをいたしたいのでございますが、実は今回の西日本の雪害というものは、常識を絶して非常に異常な大きな災害をもたらしております。まず第一にお尋ねしたいのは、表日本大雪の警報が発せられることはごく珍しいことだと思うのでございますが、特に四国において大雪の警報が発せられた前例がどういうふうにございますか。私の仄聞するところによりますと、私の郷里愛媛県で申しますと、松山の気象台では、創設以来いまだかつて今回のごとき大雪の警報が発せられた前例はないというのでございますが、その点はいかがでございましょう。
  162. 今泉正隆

    今里説明員 お答え申し上げます。  私が記憶しております限りでは、四国地方大雪の警報が出たことはございません。なお、詳しいデータは持っておりませんので、あるいはずっと古く出ておるかどうか、それはわかりませんけれども、少なくとも戦後は、私の記憶にはございません。  以上でございます。
  163. 菅太郎

    ○菅委員 しろうとでございますから常識論をいたしますが、専門的知識でいろいろと教えていただきたいと思うのであります。  私の仄聞するところによりますと、明治二十六年ですか、松山気象台創設以来、大雪警報というものは出たことがないそうでございます。今回はそれが出ました。その結果といたしまして、実際に起こりました雪害は、いまの北九州から瀬戸内海沿岸の四国地帯にかけてが特にひどいのでございますけれども、それが周囲に及んでおりますが、愛媛県で申しますと、中予及び東予が非常に大きい被害をこうむっております。大体山の地帯で五十ないし六十センチメートル、平野部でも四国では珍しい十、二十、三十センチメートルというような雪でございました。しかし、今回の雪害の特色は、この降った雪の量よりも、むしろ雪の質、雪の降るときの条件というものが非常に特殊なものがあったように思うのでございます。私どもしろうとの観察によると、今度の雪は非常に水分の多い綿雪で、それが降ってまいって、ビニールハウスにとまる、杉の葉にとまる、ミカンの葉にとまりして、付着する。付着性が強くて、次の降ってくる雪の粒が次々についてくる。だんだんそれが大きくふくれ上がって非常に大きな玉になっても、地にはほとんど落ちない。それが、しかも雪の降るその時間には、あたたかくてやや解けぎみである。解けてかたまり、大きなかたまりになった。しかも、相当降った段階から非常に冷えてまいりまして、それが凍った。しかも、ふしぎなことに、その寒さはその後変わらないので解けない。さらに、その後また隔日に、一日隔たりくらいに雪が降ってきて、それがだんだんくっついてきた、こういうふうな状況でありまして、大きな雪のかたまりが、そういう林木の上に、果樹の上に、ビニールハウスの上にかたまっちゃって、その大きな圧力で非常な災害をもたらした、こう考えられるのであります。しかも、おりあしく風速はまず十メートルから二十メートルくらいな強い風が吹いた。瞬間風速は三十メートルに達しておるところもあるということで、まあ強風でございましょう。それでゆさぶられるということで、非常に災害が大きくなったように思うのでございます。まことにこれは珍しい例だと思うのでございます。つまり、常識を絶した災害が出た理由がそこにあるのではないかと思うのであります。そんなことで、全国的に豪雪地帯などの例を見てみますと、何メートルと積もったところというのはたくさん例がございましょうが、しかし、それに比べればなるほど積雪量そのものは少ないかもしれませんけれども、そういう特殊事情が重なり合って、非常なる損害をもたらしたということを認識しなければならぬと思うのでございます。それに、このかたまった大きな雪の圧力を受けますものは、林木にしますれば、南国のすくすくとすなおに育った杉である。やわらかい、風雪に耐える、そういう力のない杉である、あるいはヒノキである、こういうことでございます。それに、ビニールハウスは構造上そういう重いものには耐えない。また、かんきつ類の茎葉の状態にしましても、東北地方のリンゴや、あるいは桜桃のように、そういう雪に耐えられるようなかっこうはしていない。これだけの重荷をしょって、強風でゆられれば、折れる、裂ける、倒れる、当然のことでございます。そういうところに今回の雪害の特色があるように、しろうと考えでは思えます。また、私どもの郷里を見た目から、そういうふうに思えるのでございますが、気象庁の専門家の専門的御観察、大局的御観察を承りたいと思うのです。今回の特質を明らかにしていただきたいと思うのでございます。
  164. 今泉正隆

    今里説明員 十五日から十六日にかけましての大雪は、最初十三日に台湾付近上空に渦ができまして、それが異常に発達いたしました。その発達の過程においては、赤道の方面から上空にきわめて湿潤高温の空気が流れ込んできた。この流入のしかたも、もうめったにないような、そういう状態だった。そのために、いわゆる台湾坊主という、台湾付近にできました低気圧が急速に発達いたしまして、中心示度は九百八十ミリバール、それから風速は三十メートルというような暴風をもたらしました。その範囲は、低気圧とは申しましても大体台風くらいな大きさで、径が千キロにも及ぶ、こういうような大きな低気圧になってまいりました。それで、大体四国方面は気候の温暖なところでございまして、温度がそれほど低温のところではございません。そのために、降りました雪が南のほうの水蒸気を多分に含んで、非常に湿潤であったということは事実だろうと思います。大体北陸地方でもあまりかわいた雪ではないのでございますけれども、今回の四国方面におきましてはなおさらその傾向が強かったことと推察されます。今度の雪は、四国方面では、先生がおっしゃいましたように、山地の一番雪の深かったところで大体五十センチメートルくらい、これは四国といたしましては、もちろん毎年雪は降るのでありますけれども、例年にない、警報がいままで出たことのないようなところに降った雪でございます。非常に大雪だったということは事実でございます。  以上でございます。
  165. 菅太郎

    ○菅委員 いまの御説明にもありましたように、四国では初めての大雪警報を出され、そしていま申されたような特色のある雪の降り方をいたしまして、この重みと強風とで、いま申しましたような林木、それから果樹、特にミカン、それからビニールハウス等の施設園芸、こういうものに常識を絶した損害を及ぼしたのは事実でございます。その降る雪の量とかなんとかいうことを絶した損害で、まさに激甚の災害だと思うのでございます。ことにこういう悪い条件が重なりましたところ、北九州あるいは瀬戸内海沿岸の四国の地帯、そういうところは悪条件が重なっておりますので惨たんたる被害でございます。ここに写真もございますので、御希望がございましたらあとでごらんいただきますが、たとえば、林木などの例を見ますと、高い五百メートル以上のところは、固い雪が降っておりますから、あまり被害はない。いまの軟雪がもつれ合って降ってかたまって重圧を加えたのは、五百メートル以下の里山に近いところが多いのでございます。しかもあの強風に吹かれておりますから、吹きだまりの沢地や谷に集まってくる。林業から申しますと、一番杉やヒノキが成長しておるところに向かって集中してまいった、こういうことであります。そこで、そういう沢地の林相を見てみますと、今度通ったあとというものは惨たんたるものでございまして、まる坊主に近いような倒伏、折損の状況でございまして、おおむね半ばぐらいは木がほとんど倒れ、折れ、裂けておるというような状況でございます。しかも終夜そういう林業地帯で、ぱんぱんといって木が裂ける、折れる、倒れる音を聞いて、自分の年来の家の財産である林がどんどんつぶれていく状況が身にしみたというような状況でございまして、まことに惨烈そのものでございます。したがいまして、今回の対策につきましては、何よりもまず激甚地帯としての指定をやっていただくことが根本だと思うのでございます。全国知事会議の陳情書の勢頭を見ましても、このことが書いてございます。「今次災害を激甚災害に指定し、激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律の適用ができるよう特段の措置を講ぜられたい」、これがイの一番の要望でございます。この根本的態度をひとつ御確認を願いたいと思うのでございます。  ただ、これはいまどこへ質問というわけではありません。もうちょっと広い全体の態度でございますから、あえて質問をしませんが、当然これは激甚指定を受けるべき性格のものと私は思います。あとの被害額をごらんくださいましても、これは十分に論じていただきたいと思いますが、農林省のお見込みは非常に少ない。こんなに少ないことはございません。続々とあとから出てまいりつつあります。被害額から申しましても、おそらく農林総生産額の何%を占めることになりますか、所定の額をはるかにこえて、当然これは激甚災害の指定をいただくものと信じておりますが、あえて質問いたしません。
  166. 芳賀貢

    芳賀委員長 菅委員に申し上げますが、幸い総理府の総務長官八木君が出席していますから、激甚災の点について答弁が必要であれば……。
  167. 菅太郎

    ○菅委員 それでは、ひとつ八木長官の御答弁をお願いいたします。
  168. 八木徹雄

    八木政府委員 今度の台湾坊主のこの災害につきましては、範囲も非常に広範のようでありますし、内容についても、各県からそれぞれ、いま菅委員から御指摘のような趣の陳情も出ておりますので、最終的にはやはり確実な調査の結果を待たなければ、断定的なことを申し上げることはできぬと思いますけれども、印象的に申し上げれば、激甚災害の対象になる可能性の十分ある災害ではなかろうか、こういうようにいま感じております。いずれ早急に、いま農林省中心調査をいたしておりますので、その結果を待って判断をいたしたい、こう考えております。
  169. 菅太郎

    ○菅委員 了承いたします。  さて、本日農林省からお配りをいただきました災害の金額の、これはまあ一応の中間報告だと思いますが、二百九十七億と、こう相なっております。しかし、これを見てみますと、たとえば林野関係が四十九億何ぼ、約五十億になっておりますが、私の郷土であります愛媛県の調査だけでも、約四十九億の林業上の被害がいまのところございます。しかし、この林業の損害というのは、御承知のよううに、いま奥地へまだ入れぬところがたくさんございます。それで、これら入って、次第に金額が上がってくるのでありまして、現に日に日にウナギ登りにどんどん上がっております。現に私の郷里の積算を見てもそうございますし、おそらく農林省におかれましても林野庁におかれましても、そういう結論が出つつあると思うのでありまして、これは常識的に見て、もちろん中間報告でありますから、このとおりでありますけれども、最後の集計ができますれば、何かお話によりますと、三月十日ごろを目標に、大いに御調査を進めておられるそうでございますが、そのころには、おそらくこの林野関係の損害というものははるかに高いものになりましょう。おそらく総額締めまして五百億を下ることは絶対ないように従来の経験から思うのでございます。その調査についても、すみやかに結論を得ていただきますように、このことにつきまして、ひとつ御当局のお考えを承っておきたいと思います。
  170. 太田康二

    太田説明員 けさほどの説明でも申し上げたのでございますが、林業の関係につきましては、実は各県の報告が、三百億をこえる報告が来ておるのでございます。しかし実は、あまりにわれわれが予想した以上の被害でございますので、林野の関係につきましては、林野庁係官九州派遣いたしまして、まず九州ブロックで各県集まりまして、被害実情の打ち合わせをしておる、それから中、四国ブロックも同様に調整をいたしまして、さらに本日、東京管内で、関東各県の被害実情調査に当たっておるのでございまして、これを待ちまして、一応林業関係の被害につきましては県報告中心被害をまとめることになっております。  それから農作物被害につきましては、いろいろ先ほど申し上げたのでございますが、現在、統計調査事務所を動員いたしまして、農作物被害、樹体損傷まで含めまして調査をいたしております。この集計が大体三月の上旬にできる。これらの被害を合わせまして、財政当局に持ち込んで、所要の措置をそれぞれ講ずる、こううい準備をいたしておるのでございます。
  171. 菅太郎

    ○菅委員 いま農林省の専門家がおっしゃったおことばにもありますように、こううい専門の方がごらんになりましても、林木の損害なんというものが意外にあとからあとから出てくるというのが今回の損害の特色でございます。つまり常識及び専門常識をも逸した特殊条件で、非常な災害がある。しかもその悪条件の重なったところは惨たんたる激甚地であるということをこの際ひとつ御認識をしていただければ、まことに幸いに思う次第であります。  次に、特に強調をしておきたいと思いますことは、今回の、いわば西日本南国暖地帯でありますが、今回の被害は南国農業における、つまり国が重点を置いて推進をしておりますその一番要点に天災が正面打ちを食らわしてきたということであります。杉、ヒノキを中心とするこの被害、模範植林地帯が多くやられておるということ、また果樹は言うまでもなく、ことにミカンは愛媛県を中心として非常に発達をいたしておりますけれども、ともかくも農業の多角経営といい、あるいは現金収入を増加せしめる意味からいっても、農家収入の増収の点からいいましても、これは重点を置かれておるところでございまして、このミカンがひどくやられておる。しかも御承知のごとく、特に園芸局長は愛媛県の農林部長をなさった経験がありますからよく御存じだと思いますけれども、去年の干害でこれまた未曾有の被害を受けております。それが今回引き続いてまた惨たんたる損害を受けるということでございますので、これは農政上ほっておけない問題であります。ビニールハウスの問題につきましても、四国九州方面は、この冬季間における優秀な蔬菜を都会地方供給をして、そうして食卓をにぎわしてくれる。このビニール栽培というものは、この農業の、何と申しますか、今後の農政指導上のやはりこれは重点でありまして、非常に大きな収入源でもございますし、また農閑期の労力の利用にも役立っておりますし、私がくどくど申し上げる必要もございません。高知県の上などを飛んでみると、特にもうほとんど、その何割といいますか、しろうと目には二割、三割の農地がもはやビニールハウスでおおわれておるという盛況でございまして、これが惨たんたるやられ方をする。徳島、愛媛、香川、同じでございます。九州方面もそうだと思うのでございますけれども、このビニールハウスの被害、その中にあり花卉、蔬菜類の被害、こういうものにつきましては、これまた農政の重点がしたたか、たたかれた、こううい意識をしっかり持って、今回の対策は講ぜねばならぬと考えておるのでございます。これはあえて質問という形でいたしませんが、意見として、ひとつぜひお聞き取りをいただきたいと思うのでございます。  さて、これが対策でございますが、今日まで調査の実績も十分整いませんときに、あまり対策のことをお聞きしてもと思うますけれども、重要な点、二、三のことはこの際お聞きをしておきたいと思うのでございます。  以上いろいろ指摘をいたしましたような点から申しまして、今般の災害に対しては天災融資法の早期発動は当然だと思いますが、いかがなものでございましょうか。
  172. 太田康二

    太田説明員 先ほども申し上げましたように、統計調査部の農作物被害の結果、それからいま調整をいたしておりすま県報告によります林産物被害の結果を取りまとめまして、三月上旬にはこれらの取りまとめができますので、それに基づきまして、大蔵省と折衝をいたして発動をいたしたいということで、現在準備をいたしておるところでございます。
  173. 菅太郎

    ○菅委員 いろいろ制度上の金融につきましても、今度は全力をあげて、各種の方策を集中して御対処が願いたいと思うわけでございます。農林漁業金融公庫災害復旧資金あるいは自作農維持資金等、こうういものを十分に活用をしていただきたいと思う次第でございますが、この自作農維持資金につきましては、今回のような事態に対しまして、特別ワクを設定していただくお考えはございませんかどうか。
  174. 太田康二

    太田説明員 御承知のとおり、自作農維持資金は、原則といたしまして、天災融資法発動になりますと、これと関連をいたしまして、自作農維持資金災害特別ワクというのを設定いたしております。したがいまして、今回も天災融資法発動ということになりますれば、当然自作農維持資金災害特別ワクというものも設定いたすということになろうかと存じます。
  175. 菅太郎

    ○菅委員 雪で倒れた立木、倒伏木のいわゆる雪起こしをするための造林資金でございますが、現行では、御承知のように林齢八年生以下のものに限られておるようでございますけれども、今回の雪害を見ますと、多く被害を受けておりますのがむしろ十五年生から三十年生くらいのものに多いのであります。どういう原因か知りませんけれども、むしろその辺に集中をいたしておるのでございまして、その点をよく御調査をいただきまして、ひとつ林齢八年生以下という制限を緩和していただきたい。過去の雪害においてこういうふうな条件緩和の例がとられたことがあるやにも聞くのでありますが、どうでございましょうか。かりに前例がなくても、思い切ってこのことを措置していただいて、しかもできれば低利の資金でこれをお願いすることができればまことにありがたい。あるいはまた搬出路の問題につきましても、一メートルという制限でなくて、三メートルくらいまでのものを許していただくならば非常に助かると思うのでございます。こういう異例の状態はめったにございませんから、ぜひひとつ、思い切ったそういう御措置が願えますかどうか、お伺いをいたしたい。
  176. 木村晴吉

    ○木村説明員 いま御指摘いただいておりますように、過去に実施した事例は四十一年の近畿の雪害でございますが、いまお尋ねのように雪起こしを非常に早くやらなくちゃならぬので、これの資金といたしましては、造林資金の撫育資金を林齢緩和の方向で十分ひとつ検討いたしたいと思っております。  それから搬出路の問題でございますが、改植のために行なう対象地に対しては、これは造林融資で何とか開設できるように今後検討していきたいと思いますし、それからまた、改植をせずにあと地整理のための対象林分につきましては、これは造林資金でなくて、林道資金でもって実施いたすような道をひとつ今後検討していきたいというふうに考えております。御了解いただきたいと思います。
  177. 菅太郎

    ○菅委員 方法はどのような方法でもけっこうでございますが、ひとついまお話しのようなあらゆる手を動員していただきまして、御措置を賜わるようにお願いいたしたいと思うのであります。  従来いろいろな制度金融を受けておりまして、今回またいろいろと御融資を受けねばならぬことが重なると思うのでございますが、こういう点を御勘案を願って、償還延期等の条件緩和の措置を講ずることはできますまいか。
  178. 太田康二

    太田説明員 従来、災害がございますつど、こういう要望が出るわけでございまして、われわれのほうは、関係金融機関に対しまして、災害がございますと、いまお尋ねにございましたような償還延期等の措置をやってもらいたいという依頼の通達を出しております。もちろん金融機関対借り入れ者のケース・バイ・ケースでの判断になるわけでございますが、そういった依頼通達を出しまして、遺憾のないようにいたしたい、かように考えております。
  179. 菅太郎

    ○菅委員 次にお尋ねいたしたいと思いますことは、この種苗対策等についてでございます。果樹改植用の苗木の共同事業につきまして、また花卉、野菜、たばこなどの共同育苗施設の設置につきまして特別の助成措置を講じてもらいたいと思うのでございますが、そういう道はございましょうか。園芸局長にお願いしたい。
  180. 黒河内修

    ○黒河内(修)政府委員 ただいまお尋ねの果樹につきましては、改植用の苗木自体の購入助成ではございませんで、前例によりますと、改植用の苗木の共同育苗事業に対する助成というのが、三十八年の雪害、それから四十二年二月の雪害というようなことで考えられておりますので、今回の場合も、被害の結果を見まして、そういうような方向で私どもとしては検討いたしたいと考えております。
  181. 菅太郎

    ○菅委員 もう一つ進めまして、被害を受けました野菜、花卉等の代作がさしあたり必要でございますし、次期作用もあわせまして種子、種苗の確保も必要だと思うのでございますが、そういうものにつきましても、ひとつただいまの問題とあわせまして十分の助成の御措置を願いたいと希望をつけ加えておく次第でございます。  もう一つ、ぜひお願いしたいと思いますことは、果樹の樹勢回復のためのいろいろなことを考えてやらなければなりません。ことにこの地帯は、さきに申しましたように、昨年の干害で非常にいたんでおりまして、今年の生産そのものは、私どもの見るところでは、平均して金額にして五〇%以下でございます。ひどいところは、二、三割のところがございます。しかし、この干害の影響するところは当年度ばかりではございません。あと二、三年は樹勢が弱っておりますから、相当悪い影響を残すだろうと思われております。ことに、現にこれだけの雪でも落果が非常にひどいような現象もございますし、これにもってきて今回の大雪被害でございます。さらに樹勢がいたむことと思うのでございまして、これに対する肥料の問題あるいは病害、虫害等の防除の問題等につきまして、ひとつ特別の助成のことを、前の干害対策に付加して今回はお考え願いたい、こういうふうに思う次第でございますが、いかがでしょう。
  182. 黒河内修

    ○黒河内(修)政府委員 ただいまお尋ねの果樹の樹勢回復に対する肥料なり農薬等の助成につきましては、たしか三十二、三年までは助成したことはございますけれども、いろいろ実効上の問題もございますし、それから天災融資法の経営資金等でそういうめんどうを一応見ておるというたてまえもございますので、最近におきましてはその助成はやっておりません。したがいまして、この点は、せっかくのお話でございますけれども、困難だろうと、ただいまのところ考えております。
  183. 菅太郎

    ○菅委員 いまのお話はわかりますけれども、それでは経営資金等について、この問題を十分考慮していただくようにお願いいたしたいと思います。非常に木はいたんでおります。われわれしろうとが見ましても、そうでございます。専門家に見てもらいますと、なおそういう御意見が強い。ぜひともその方法を講じていただきたいと存ずる次第でございます。  次は、林業関係でございます。御承知のごとく、非常に林業の労力不足、労賃の値上がりの時期でございますし、この雪起こしその他非常によけいな労力を食うのでございますが、この林業の復旧全般について、単価の問題や査定係数の問題につきましては、ぜひひとつ慎重な御考慮を賜わりたい。これは希望として申し上げておく次第でございます。   〔委員長退席、川村委員長代理着席〕  もう一つ、こまかなことで恐縮でございますけれども、倒伏、折損、造林地における折れて落ちた枝、幹等の腐敗いたしましたあとで、これが害虫の巣になりませんように、林内の清掃が非常に必要と思われるのでございます。そういうことをも含めて、ひとつ特別の助成措置を講じていただきたいと思いますが、林野庁御当局のお考えを承りたいと思います。
  184. 木村晴吉

    ○木村説明員 いまお尋ねの件は、病害虫駆除予防のためにあと地整理をする場合の助成というようにお聞きいたしておるわけでございます。現在の制度では、病害虫の駆除法に基づきまして、現在発生しつつある病害虫の駆除の補助につきましては、立木駆除なりあるいは伐採あと地駆除等の補助制度があるのでございますが、今後発生するであろうというためのあと地整理については、現在補助対象としては考えておりません。特に杉の木の造林地に対するあと地整理というものに対しましては、よく現状を勘案いたしまして、県の当事者とも慎重に検討さしていただきたいというふうに考えております。
  185. 菅太郎

    ○菅委員 なお、こまかなことでございますけれども、今日人口が激減しつつあります山村に人口をとどめておきまする、心細いことではありますが大いにたよりにしております仕事としての炭焼き、それからシイタケの栽培等々につきましても、今度は相当被害がございます。愛媛県だけでも七百近い炭のかまどがつぶれております。そんな状況でございますから、ひとつこの炭のかまど及び炭小屋、それからシイタケ・ビニールハウス等等の被害につきましても、きめのこまかい御配慮をいただければまことに幸いと思います。適当な助成措置をお考え願いたいと存ずる次第でありますが、いかがでございましょうか。
  186. 木村晴吉

    ○木村説明員 炭がま等につきましては、今後の援助処置の方向といたしましては、天災融資法発動の暁におきましては、経営資金で対処していきたいというように考えております。シイタケも同じように考えております。
  187. 菅太郎

    ○菅委員 それでは、いまの経営資金の問題について、こういう点を十分考慮に置いていただきたい。さびれていく農村、山村、いま見ますと、アメリカのゴーストビレッジみたいなものがありまして、だんだん人のおらぬところが多くなっております。せめてこういう山村のシイタケ、炭その他の特殊の作物に、どうしたって特別の力を入れて補助しなければならないと思うのでございます。十分御配慮を賜わりたいと存ずる次第であります。  大蔵省の方はお見えでございましょうか。——この前の風倒木についてもそういうことがあったと思うのですけれども、雪害林木を処分しなければなりません。どうせ二束三文的なものが多いと思うのでございますが、所得税の減免をお願いしたいという問題でございます。その希望を持っておりますことをここに表明いたしておきます。  最後に、林野当局にお願いしたいと思うのでありますが、こういうふうに見てまいりますと、やはり林業関係の共済制度の問題をどうしても検討しなければならないと思うわけであります。林業に対する共済制度の現状及び今後の方針についてごく大きな腹がまえを聞かしていただきたいと思う次第でございます。
  188. 木村晴吉

    ○木村説明員 いまお尋ねの件は、木炭なりあるいはシイタケの産業従事者に対する共済制度のお話かと思うのでございますが、現在全国的に、木炭関係では七、八県すでに共済制度に踏み切っている県があるのでございます。しかし、これは実は非常にむずかしい問題でございまして、と申し上げますのは、木炭就労従事者が、三十五、六年から現在に比較いたしましたならば、すでに四分の一程度に減ってくる、今後ますます木材の需要構造の関連で減ってくるわけでございます。これに対しまして三十八年から、当局といたしましては、共済制度の基本調査を四十二年まで、本年で一応五カ年の調査を終わるわけでございます。これが取りまとめを待ちまして基本的に対処いたしたいという考えでございますが、基本的な方向といたしましては、いわゆる危険分散の問題あるいは共済掛け金率、こういう一つの共済技術体系の問題から非常に今後ますます背景がむずかしくなってくる。要すれば、主産地における問題といたしまして、私らは世話させていただかなければならぬ当局者であるだけに、十分に主産地県自体の問題として、当局と一緒になってひとつ今後の基本対策について善処してまいりたいというのがほんとうの腹がまえ、考えでございます。ひとつ御了解いただきたいと思います。
  189. 菅太郎

    ○菅委員 ただいまの林産物の共済制度の問題につきましては、むずかしゅうございましょうが、ひとつ今後真剣に検討を進めていただきますようにお願いをいたしたいと思います。  最後に、つけ加えまして、農村、山村有線放送施設の電線などが今度はだいぶいたみました。ことにあの細い線でございます。さっき申しましたようなでんで、やわらかい雪がつきまして、細い電線にこんなに大きな雪がついちゃっておるわけで、たくさん被害が出ております。これにつきましては特に高率の補助をもって復旧したいと思うのでありますが、これは農林省の御所管でございましたか。お答えができればひとつお願いいたします。
  190. 太田康二

    太田説明員 有線放送施設は、御承知のとおり共同利用施設でありますものにつきましては、被害を受けますと、もちろん採択の基準はございますが、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律で、共同利用施設として助成の対象になっております。これによって助成をするし、その補助裏の点につきましては農林漁業金融公庫の中に有線放送施設に対する金融の道がございますので、これによって対処してまいりたい、かように考えております。
  191. 菅太郎

    ○菅委員 それでは、最後に、自治省からおいででございますか。——災害を受けました地方公共団体は、いろいろと出費がかさむと思うのでございます。これは前例によりまして特別交付税の配分について特別の御配慮をいただけますでございましょうか、お聞きいたしたいと思います。
  192. 首藤堯

    ○首藤説明員 ただいまお説のございましたとおり、特別交付税で対処したいと考えております。
  193. 菅太郎

    ○菅委員 質問を終わりたいと思いますが、さっき壁頭に申し上げましたように、非常に異例な災害で、積雪量に比例して、全国的に見ると、そういう特別の損害をもたらしております。積雪量だけにこだわるようなことなく、実態を見詰めていただきまして、災害をこうむりました国民大衆諸君のために十分御善処を政府としてもしていただきますように、われわれもまたできるだけの御協力をしたいと思いますから、このことをお願いいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
  194. 川村継義

    ○川村委員長代理 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  195. 川村継義

    ○川村委員長代理 速記を始めて。  小沢貞孝君。
  196. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 なるべく委員長に御協力申し上げて短時間でやりたいと思いますが、これは答弁のいかんによって、若干延びるのはひとつ御容赦いただきたいと思います。  私は、昭和三十八年七月十二日、法律第百三十七号、豪雪に際して地方公共団体が行なう公共の施設の除雪事業に要する費用の補助に関する特別措置法、これに関連して主管の各省にお尋ねをし、さらにそれと関連があれば、交付税の積雪に関する算定方法、あるいはまた特別措置法の積雪に関する算定、こういうものについて若干質問をいたしたいと思います。  法律はきわめて簡単で、これ一つしかないわけです。読み上げてみますと、「国は、政令で指定する豪雪に際して地方公共団体が行なう学校その他の公共の施設で政令で定めるものの除雪事業(他の法令に国の負担又は補助に関し別段の定めがあるものを除く。)に要する費用が平年に比し著しく多額である場合において、当該地方公共団体の財政事情等を勘案して特に必要があると認めるときは、当該除雪事業に要する費用について、政令で定めるところにより、予算の範囲内において、その二分の一以内を当該地方公共団体に対して補助することができる。」法律はこれだけのことなんです。   〔川村委員長代理退席、委員長着席〕 これは昭和三十八年に制定されて以来、いまだかつて適用されたことがない、こういうことであります。ことしは豪雪があったから、さぞかし適用されるであろう、こういういい法律があったらどんなにか地方公共団体は恩恵をこうむるだろう、こういう期待を持って、実は私はこの法律をちょっと読ましていただいたわけです。ところが、どうも内容を読んでみると、うまいことはいっているけれども、これは一体法律の態様をなして、実際法益というか、効用があるだろうか、こういう疑問をだんだん持ち始めました。まだ私は研究が足りないので、ひとつお尋ねをいたしますが、所管のほうからお答えをいただきたいと思います。  第一には、これは一体何省が所管をしているか、こういうことからお尋ねをいたします。
  197. 中尾龍彦

    ○中尾説明員 この法律の所管は数省にまたがるわけでありますが、この法律の適用の対象が学校あるいは社会教育施設、その他福祉施設というようなことで、この適用対象の大部分が文部省所管になりますために、私どもがもっぱら御説明役に当たっておるというようなことに実態は相なっております。大蔵省、自治省、建設省その他関係するところはいろいろとございます。しかし、現実面のそういう適用対象の案件の問題から、文部省に一応御説明役をやらしていただくということでございます。
  198. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 私の言うのは、説明役ということでなくて、法律そのものを全体的にまとめるというか、施行するというか、所管するということばに該当する省はないですか。法律を所管するなり、何と言うのですか、つまり、厚生関係の施設に関する部分はそれは厚生省だ、文部省関係に関する部分はそれは文部省だ、何とかの部分に関する限りはそれは自治省だ、こういうややこしい法律であるかどうか。所管ということばが適当かどうか知りませんけれども、これはそういうものはないですか。
  199. 中尾龍彦

    ○中尾説明員 おそらくこの法律を主管する省の御質問だと思いますが、この法律は文部省と厚生省の共管ということになっています。
  200. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 共管という法律はほかにもたくさんありますか。自治省と大蔵省の共管だとか、文部省と厚生省の共管だとか、防衛庁とどっかの共管という、そういう法律がどこかにありますか。これだけが唯一の例外ですか。
  201. 上田伯雄

    ○上田説明員 お答えいたします。  共管という法律は、たとえば建設省の所管の海岸法だとか、それから、正確にはちょっと覚えておりませんが、たとえば海岸法でございますと、建設、運輸、農林、それから地すべり防止法は建設、農林、通産も入っております。こういうように、共管の法律というものはたくさんあるものでございます。
  202. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 その共管の中では、みんなパラレルじゃないだろうが、どっちかが主になるということはありますか。いま厚生省と文部省の共管だというが、どっちか主役になるという法律はありますか。説明役はいま文部省ですという言い方をしたのだが……。
  203. 中尾龍彦

    ○中尾説明員 これは法律的にこうだときまっておるわけではございませんですけれども、量が違っておるからといって、分量が多いからどうとかいうものじゃないはずで、みんなパラレルのはずでございます。ただ、たまたまこの問題にきましては、文部省がたくさんあるものですから、厚生省であろうと文部省であろうと内容は全く同じでございますから、私のほうが右代表してやろうといって……。
  204. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 進んで出てくれた。
  205. 中尾龍彦

    ○中尾説明員 さようでございます。
  206. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 それでは進んで出てくれた文部省にお尋ねいたしますが、この政令は文部省と厚生省とでつくられたわけですが、法律ができたのは昭和三十八年——その前にお尋ねしたいのは、これは先輩議員が議員立法でつくられたのか、政府提案でつくられたのか、その経過を若干説明してくれませんか。
  207. 中尾龍彦

    ○中尾説明員 昭和三十八年に、御承知のように北陸地方豪雪がございました。除雪費用の問題が大きく取り上げられました。何とか地方公共団体の財政の逼迫を除雪の面からも救済すべきである、これは最初は国会議員の先生の間から強くお話が出たわけであります。そしてこれは、文部省、厚生省大蔵省あたりが一緒になりまして、この法案は政府提案ということで成立したものでございます。
  208. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 議員から強い要請があったので、しかたがなしに政府提案になったのではなかろうかというように、あとから私たちは新米だから推察するのですが、政令を読んでみると、一体この法律に適用されるようなぐあいに、はたしてなるかどうかということがどうもよくわかりません。  一体この法律はあっても、これで効果があるんだろうか、こういう疑問を抱くわけです。というのは、三十八年にせっかく出されても、政令ができたのは四十年十二月、したがって、三十八年に法律ができてから今日まで一回も適用なし。この間豪雪で大騒ぎしてから、あわてて雪に対する何かないかと思ってみたら、こういう法律があった。そこで、ちょっと読んでみると、この法律は一体適用されるのかどうか、実益があるかどうかということを疑わざるを得ないようなことなんです。そういう観点に立ちながら私、一つ、二つ質問をしたいと思います。  四十年十二月二十四日に、この法律は、御承知のように、政令によって、政令で定める公共施設について補助の対象となる地方公共団体、こういうようにいろいろあるのだけれども、まず第一に、一番制約する最初の条件は、法律にあるように「政令で指定する豪雪」、こういうようにあるわけです。その政令で指定する豪雪に一体ことしは入るのかどうか。ことしの雪は、端的に言って政令で指定されるか、これはどうでしょうか。
  209. 中尾龍彦

    ○中尾説明員 現在雪も降っておりますし、除雪作業も行なわれておりますので、ことしの豪雪がこの法の適用の対象になるかどうかという点は、今後の雪の降り方あるいはそれに伴う除雪作業というもので判定を待つことになると存じます。
  210. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 この間新潟県からも、あるいは福島だかどこだかからも、豪雪地帯における特別な豪雪だということでいろいろ陳情があったのだが、ああいうような雪の降り方でも、適用されるかどうかまだわからぬというわけです。いまの御答弁は、これからの雪の降り方いかんも加味されたような御答弁なんだが、わからないかということなんです。これは指定基準にはだいぶむずかしいことが書いてあるわけです。二件要件があって、「都道府県内の市町村又はその一部事務組合が行なう「豪雪に際して地方公共団体が行なう公共の施設の除雪事業に要する費用の補助に関する特別措置法施行令」第一条に規定する公共の施設の除雪事業に要する費用の額が、同令第二条第三項の規定により主務大臣が定める平年における除雪事業に要する費用の額のおおむね一・三倍」、まずこの前提条件です。「おおむね一・三倍」、これがどこかの県か何かで適用される可能性はいまにおいてもわかりませんか。先ほどの御答弁では、これからの雪いかんだが、これからは春になって、雪が降らぬじゃないかと思うのですが。
  211. 中尾龍彦

    ○中尾説明員 私ども実はそういう推定をいたしかねておりまして、この委員会のせんだって理事懇談会におきまして、山形県その他新潟県等につきまして具体的に試算をしてみてくれというお話がありまして、目下それぞれの県を通じまして今月末現在をもってそういう試算をやるように調査中でございます。
  212. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 そうすると、いま読み上げた豪雪指定になる前段のほうも、この間の雪においてはわからないかどうかということです。「おおむね一・三倍」、数字だけはそういうことが書いてあるのだけれども、今日においてもこれは適用になるかどうか、まだ全然見込みがつかないでしょうか。  それから、後段にそれをさらに制約する条件があるのです。「かつ、そのこえる額が当該都道府県内の」今度は「全市町村の標準税収入額」——いろいろ書いてあって、「おおむね〇・三%をこえる都道府県が一以上あること。」こういうややこしいものによって豪雪指定ができるようですが、これは今日においてまだ見込みがつきませんか。新潟県のどことかという例をとってやっても、まだ豪雪指定になって補助がもらえるかどうか、それにまず入らないことには、補助がもらえるかどうかというまたむずかしい制約条件があるわけです。せめて豪雪だぞという見通しが立たなければ、またあとの政令で定めるところにいけばまだ二つも三つもむずかしい条件があって、とてもじゃないが、これではごめんこうむるという法律になるのですが、その辺まだ見当がつきませんか。
  213. 中尾龍彦

    ○中尾説明員 現在雪おろしなどを盛んにやっておりまして、この法律はその除雪事業費というものを基本条件に置いてできておりまして、進行中のものも多々あるように聞いております。いまのところちょっと見通しがつきません。しかしこの法律の趣旨が三十八年の北陸地方大雪の際に適用になるというような趣旨でできておりますので、大体あれに近いような状態が出れば、これは発動できると思っております。
  214. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 厚生省も共管でパラレルだから、ちょっと説明してもらいたいが、厚生省もいまの文部省と同じような心境でおられるわけですか。
  215. 今村譲

    ○今村政府委員 お答え申し上げます。  実は厚生省関係は数が少ないものですから文部省におんぶしておるわけなんで申しわけないのですが、この仕組みは実は非常にむずかしい仕組みでございまして、その冬のうちに全部除雪が完了して、銭を計算した上で百分の四とかなんとかということにならなければ出してはならぬし、しかも政令の四条でいきますと、その雪が降った年度内に出さなければならぬ。しかし三月三十一日までまだ雪かきをしておってその計算が出なければ翌年度に出してもやむを得ないというので、その全部を足して最後に締めてみたらその百分の四をこえておったとかいうふうなこと、しかも文部省の社会福祉事業施設とか、何とか施設、何とか施設という列挙したものを全部費用を足してみないとわからぬので、文部省だけでも判断つかないし、厚生省だけでも判断つかない。非常にむずかしいわけです。したがって、文部省に全部各省が持ち寄りまして、本日現在使った金は何ぼ、今後使う見込みはどこか、いわゆる文部省の親元に——どうも逃げるようで申しわけございませんが、そこにどんどん各省担当の使った費用を報告して、足してみたら県の全体の標準収入の何ぼになるというふうな非常にむずかしい仕組みになっておりまして、すぐいまの程度の雪で使ってもまだ——私、実は山形の米沢でございますが、これから三月になってから大雪が降る。ですから、いまの段階でこう言うことはなかなかむずかしい。県のほうにも連絡してありまして、どれくらい使ったか報告を出せと言っておりますけれども、その辺、こういう仕組みが、県全体にまずやらしておいて一番最後に法律の要件に合ったならば国がすぽっと二分の一出す、こういうかっこうになっておるものと了承しております。
  216. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 これは自分のところだけじゃどうもわからないから、そこらじゅうあたりの様子を何か——「当該都道府県内の全市町村の標準税収入額のおおむね〇・三%をこえる都道府県が一以上あること」こうあるし、前段は前段で制約条件があるのですから、まあいま両方から御説明をいただいたのだが、あるいはことしは豪雪指定になるかしらぬという淡い期待を持ってこの法律の適用を受けようという意欲を持とうとしているところの市町村なり県がありますかね。これはもう何の役にも立たない法律だ、あんなものは適用される可能性がないんだ、こういうことで、そのむずかしい計算もしてなければ何もしてないようなことで、要するに私の言わんとするところは、この法律は意味を持っておるかということです。豪雪指定すらないものを、まだあと政令にいくとなかなかむずかしい、豪雪除雪費が平年除雪費の倍であって、また標準税収の百分の四、こういう制約条件があるでしょう。二つの難関をくぐってこの法律の利益を得たいというような期待を持つような県なり市町村がどこか出ていますか。一体この法律は要があるのか、何の意味の法律かということを私、実際聞きたいわけなんですよ。だからそういう淡い期待を持っておるどこか市町村なり都道府県がありますか。どんどん問い合わせが来て、適用になりましょうかといって文部省や厚生省にお尋ねが来たりして、一生懸命やっておるかどうか。
  217. 芳賀貢

    芳賀委員長 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  218. 芳賀貢

    芳賀委員長 速記を始めて。
  219. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 実はそういうことで一体この法律がはたして適用されるかどうかというようなことについて、先般の理事懇談会で、長野県ほか二、三の県及び市町村の実情、適用の状況等についてお尋ねをしている、こういう状況になっていますので、月末ということならきょう、あした、あさってと三日くらいしかないから、もうきょうあたりは大体のことがわかっただろうと思って質問したのですが、どうやらかいもく見当がつかない。私がきょう質問したところによれば、おそらくこの法律は意味のない法律じゃないか、こう思うわけです。それと、これだけ政令をつくったり豪雪指定基準をつくったりして、この法律をつくることを楽しんだようなことをやっても、何の意味もないものならやめてしまったらどうか、こういうように思うわけです。何か適用基準を緩和してもらいたいというような陳情があったから、淡い期待を持っている新潟等もあろうかと思うんだけれども、どうもあやしくなってきたんじゃないか。私は率直にいって、こんな法律はないほうがいいのではないかと思う。生まれたけれども一回も適用しないのであの子は死んじまった。この法律はそういうことになろうと思うので、せっかくの委員長の議事進行の要望もあるから、それじゃ二、三日じゅうに出していただく。この間のモデルケースの市町村七つ八つをひとつ早く出していただいて、実はあとでおはかりがあるかどうか知りませんが、新潟県その他の豪雪地帯も視察に行かなければなりませんし、国会議員は自分たちが意味のないような法律をつくっておいて、何をのうのうと来ておるかと言われたって、われわれがきょう尋ねてもまだわからないような法律では全然話にならぬじゃないか、こういうように考えるわけです。それはいいですね、資料は。それだけ先に聞いておきたい。
  220. 芳賀貢

    芳賀委員長 委員長から申しますが、ただいま小沢委員から発言のあった資料については、二月末現在の、先般理事懇談会で要求した資料をすみやかに作成して提出してもらいたいと思いますがおおよそ何日ごろに出せるか。
  221. 今村譲

    ○今村政府委員 厚生省に関する部分は、お示しになりましたところをきちっと明定して、県のほうへ連絡して調査中でございます。三月一日には出るというふうに考えております。
  222. 芳賀貢

    芳賀委員長 文部省、どうですか。
  223. 中尾龍彦

    ○中尾説明員 文部省関係は三月二日に出したいと思います。
  224. 芳賀貢

    芳賀委員長 小沢委員、よろしいですか。
  225. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 二十九日までに出してもらいたいが、それまでに間に合いませんか。
  226. 芳賀貢

    芳賀委員長 三月二日にそろう。
  227. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 二十九日には問に合いませんか。
  228. 中尾龍彦

    ○中尾説明員 実は、県に対しまして、月末までにその作業をやって、そして文部省のほうへ出してくれといっておりますので、県のほうの作業は月末、それから文部省のほうへ出てまいりますので、二日ほどの御猶予をひとつ願いたいと思います。
  229. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 それでは市町村でも県でも、たとえ一つでもいいです。二十九日まで問に合ったらひとつ出していただく。  それからいま盛んに問題になっておる西日本の雪の降ったことのないようなところが豪雪に見舞われたというけれども、この法律の適用は全然ない、こういうように理解いたしますが、いいですか。平年除雪というような問題がないようなところにおいては、西日本はたいへん豪雪であったようだけれども、この法律は全然適用されない。
  230. 中尾龍彦

    ○中尾説明員 温暖地区で急に珍しい雪が降りまして、これがもし除雪をやったとすれば、ひょっとすると適用対象になるかもしれませんが、いまのところ除雪をやったような形跡が実はございません。
  231. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 除雪をやろうとやるまいと、これは交付税法の第十三条の第四項第四号の寒冷補正にかかる係数の算出の基礎となる除雪費を基準として主務大臣が定めるんだから、除雪とか積雪の交付税法上の問題が入ってないような県については、最初からこの法律の適用外でしょう。私のほうが法律を知っていて、扱うほうが知らないようなんだけれども、これはそうなんでしょう、除雪をしようとしまいと。
  232. 中尾龍彦

    ○中尾説明員 この法の適用は、やはり除雪をしたところのみについて適用いたしますので、除雪をやらないとすれば、適用できないことになっております。
  233. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 それでは、この法律に関しては、そういうように私は非常に重要だと思います。せっかく議員が要請をして政府提案でつくられたこの法律も、私は先輩議員にそう言ってはおかしいと思いますけれども、羊頭を掲げてあの当時こうやって豪雪に対して法律をつくったぞと宣伝効果は一〇〇%あったかもしれないが、この法律というものは何の役にも立たない、どうやらそういう断定を下せそうな法律だと思いますから、私はひとつそのサンプルを出していただいたら十分検討をさせてもらって、そのときまた十分に質問を申し上げたい、かように考えます。  ついでですから、それじゃ各市町村が——今度の西日本もそうです。豪雪等について特別交付税をひとつ多額に配分していただきたい、こういうような要請があるわけです。そこで、これは去年から干害やら関西の災害やらで各市町村とも特別交付税をたくさん出してもらいたい、こういう要請もあり、いまや自治省においては特交の配分作業もそろそろ完了に近いようなタイミングだと思いますので、まず第一には、ことしの特別交付税の総額は幾らであるか、それをお尋ねします。それから災害についてはどれほど割り当てになっているか、こういうことです。
  234. 首藤堯

    ○首藤説明員 本年度の特別交付税の総額は五百六十八億九千二百万でございます。この中で災害関係に配分をいたしました額は百二十三億ほどでございまして、その中で雪害関係に配分をいたしました額が二十億七千二百万でございます。実は本年度の特別交付税はこの二十四日に配分を了しております。
  235. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 これは皮肉なようなことでたいへん申しわけないが、災害に比較的たくさんかどうか特交が割り当てになって、これは市町村が二月か三月にもらってみて、多かった少なかった、いろいろ感ずるだろうが、実はこの二月十幾日ごろ大雪があって、関西のほうはたいへんな大騒ぎをしている。いま聞いてみると、すでに総額は五百六十九億前後でもって、雪に対しは二十億幾ら、これは二十四日にきまったというわけだから、いま一生懸命陳情をしている特別交付税をふやしてもらいたいという西日本あるいは新潟その他の願望というものは、ことしの特交の配分においてはこれは全然いれられる見込みがないのだ、こういうふうに理解していいのですかね、作業が済んでいるのだから。
  236. 首藤堯

    ○首藤説明員 これは午前中も申し上げたのでございますが、二十四日に配分をいたしました結果午前中ございますえびの地震でございますとか、今回の台湾坊主関係の農林、林野関係被害関係は、今回の特別交付税関係に間に合わなかったわけでございます。したがいまして、この分はあらためて、明年度分の措置といたしまして、明年度の特交の際に措置をいたします。その問において資金繰りその他において非常にお困りの面があれば、つなぎ資金その他の措置を講ずることによって財源措置をしたい、かように考えているわけであります。なお、台湾坊主分につきましても、道路関係の除雪費等につきましては、鋭意各県に問い合わせをいたしまして調査をいたしましたので、その限度までの分は今回の特別交付税で措置済みでございます。
  237. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 それでは大いに協力する意味において、私は交付税の算定の方法とか、特交の雪の問題とか、さっき申し上げた法律の問題、こういう一連の問題については実態調査をお願いしてありますので、それが済んでからひとつまたあらためて質問したいと思いますので、きょうはこれでやめておきます。
  238. 芳賀貢

    芳賀委員長 金丸徳重君。
  239. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 午前中から各種災害について詳しい質疑応答が行なわれましたあとで、私がまたダブるような形になってもいかがかと思うのでありますし、その上、私がお尋ねいたそうとする雪に関する今回の災害ではありまするが、先ほどからお話の中にも出てまいりましたように、豪雪ということでもないのでありますが、特殊地帯における雪の災害としては珍しいことでもあります。それから、これからの日本の農業のあり方などもあわせ考えますと、今回のこの例に従って将来の対策を練っておいていただく必要があるのではないか、こう考えましたものですから、その一点にしぼりまして、ごく時間を短くお尋ねを申さしていただきます。  私は山梨県の出身であります。実は先般の十五日でありますか、雪が降りました。この雪は本県にとりまして格別多いというわけではなかった。多少多かったのでありますが、それほどでもない雪がなぜたいへんな災害をもたらしたかといいますと、ちょうどその地帯が、施設に非常な金をかけて、園芸もしくは果樹農業に非常な力を入れておった、こういうことでありまして、今回の災害は、作物自体に及ぼした影響も大きいのでありますが、同時にまた、財産を売り払ってということもおかしいのですが、とにかくたいへんな借金をして大きな施設をした、その施設が雪にやられたということで、特殊な災害を起こしておるわけであります。  あまり時間をかけることもいかがかと思いましたから、見ていただくほうがかえってよくわかるのではないかと思いまして、私が自分で参りましてとってきた写真のうちの一部をいま委員長を通じて回覧願っておるところであります。これは本県に起きました今回の、農家の約六百戸のうちのごく一部であります。しかも、それは蔬菜園芸をいたしておる、ビニール栽培をいたしておるところの一部でありまして、そういう例は県下全体の被害農家約六百戸に及んでおりまして、その災害は、まだ正確な数字は出てまいりませんけれども、一億数千万円に達しておる。=戸当たりに換算いたしますと、多いところは二百万円も受けておる。もっと大きく受けたところもあるようであります。そういう状況であります。  そこで、公共災害につきましては、いままでの天災その他において対策がずいぶんと練られ、この救済法などもそのつど十分に制定せられまして、農家に対して救済策が講ぜられておるのでありまするが、今回のような個人災害、しかも激甚な個人災害に対しましてはいままでそれほどの救済策が講ぜられなかった。しかし、日本におけるこれからの農業が何とかして反収を上げていかなければいけないとか、あるいは労力を節約して進めていかなければならないという意味においては、果樹園芸ばかりでなくて、やはり個人的な施設に相当金をかける農業に進んでいくのではないか。そうなりますと、この施設に対する個人災害に対して相当程度災害対策の方途も講じておきませんと、一ぺんにまいってしまうというような心配があるのであります。こういうことにつきまして、今回の災害にかんがみまして、農林省といたしましては、どのような基本的なお考えを持ち、これからどういうふうに対処なされていかれるお考えであるか、冒頭にひとつお漏らしをいただきたいと思います。
  240. 太田康二

    太田説明員 ただいま先生のお尋ねの個人施設につきましては、実は農地農業用施設等のある程度公共的なものにつきましては、先ほど申し上げましたように、暫定法による補助の制度があるわけでございますが、個人の施設でございますところのただいまお尋ねのビニールハウス等につきましては、実は融資措置があるわけでございます。ビニールハウスのうち、温室のような固定施設的なものにつきましては、農林漁業金融公庫の主務大臣指定施設、あるいは天災融資法発動になりますと主務大臣指定災害施設、さらには農業近代化資金等資金の融通ができることになっておりますし、竹とビニールでやっておるような簡単なトンネル栽培みたいな程度のビニールハウスにつきましては、天災融資法発動になります川と、これで資材等の資金の手当をすることになっておりますので、天災融資法上の融資が受けられる、かようなことで対処いたしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。  それ以外に、これも金融上の措置でございますが、災害等の理由によりまして資金を必要とする農業者で、その自作地等を売り渡すこと等によりましてその農業経営に著しい支障を及ぼすことなしにはその資金の調達ができないという農家の方には、農業経営の維持安定をはかるためのいわゆる自作農維持資金という資金の融通制度の道もあるわけでございます。これは先ほど申し上げましたように、天災融資法発動になりますと、それとにらみ合わせて、被害実情把握して自作農維持資金災害特別ワクの設定、それによりましての貸し付けということが行なわれることになっておるわけでございます。
  241. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 個人災害につきましては、どうもそういう程度の救済策しか講ぜられてないのでありますが、実は先般来の台風もしくは集中豪雨などの場合においては、公共災害について十分な国費がその復旧が行なわれるとともに、個人のたんぽその他についても国費でその復旧策を講ぜられる、あるいは改良復旧の手段が講ぜられる、それによりまして被害農家というものは勇躍次の対策を進めることができたわけでありますが、こうしたような場合、ビニールのトンネル栽培というようなものについては金もそれぽどかかっておりませんけれども、これからの園芸なりあるいは果樹なりにつきましては、そうしたプリミティブなものでなくて、もっと鉄骨でやるとか、かなり金のかかった半永久的な施設を持つようになるのであります。そうしてそれば病虫害防除のための施設などにつきましても十分金がかかっておるのであります。そういうものについて、いままでは、施設とはいっても、竹を渡したトンネル的なものであるから、あるいは油紙でやったという程度のものであるからと言われるのですが、これからはそうではないと思います。現にいま写真でごらんになっておりまするように、大部分が鉄骨を使っておりまして、一棟当たり十万も二十万もかけておるのであります。ごうじたことに対して、いままでと同じような考え方であっては間に合わないのじゃないか。農林省のより新しい農業振興策に対しは何かちぐばぐな、あるいは不十分な感じがいたすのでありますが、こういう点についてはどうでありますか。私は、台風、集中豪雨といったものに対するそういう措置が講ぜられるならば、同じような考え方、——それと全然同じとは言いかねるかもしれませんけれども、考え方としては、ねらいとしては、そういうようなことをねらっておいていただきませんと、これからの農村を引っぱっていただくわけにはまいらぬのではないか、こう思うのであります。どうなんですか。
  242. 太田康二

    太田説明員 災害の場合に個人の受けられました被害に対して、どう対処するかというのは、非常に困難な問題でございまして、当委員会においても、実はしばしば議論になったことでございます。現在、先生の御指摘のように、農地や農業施設等は個人のものでありましても、実は暫定措置によりまして補助の道が講ぜられております。それ以外に、たとえば構造改善事業等でも助成ということも実はいたしておるのでございますが、一般的に災害を受けた場合に、いまお尋ねのようなビニールハウス等につきましては補助するかという点は、実はなかなか困難な問題でございまして、現在のたてまえといたしましては、天災融資法の資金融通なり、先ほど申し上げました農林漁業金融公庫の施設資金の融通というようなことで対処をいたしておるというのが実情でございまして、補助に踏み切るということは、なかなか現在の段階では困難ではないか、かように考えております。
  243. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 私からあらためて申し上げるまでもございませんが、新しい農村を築くために、先般来、政府としては相当の力を入れて呼びかけておる。そしてまた、その呼びかけに従って若い人も、離れようとする農村に踏みとどまってがんばっていてくれておるのであります。今回災害を受けたその地方の人々も、そういうことで、ある者は大学をやめてつとめに出るのを、そういう方針であるならば新しい農業としてやろうじゃないかということで、あるいは構造改善の中に入れてもらいたいとか、あるいは先ほどからお話がありましたような、いろいろな奨励方法に従って金を借りて、そしてがんばっておったのであります。これがいままでと同じような考え方で、災害があっても、これ以上はできないからがまんせいということであるというと、今回災害を受けた人たちは、私は、せんだっても行ってみたのですけれども、もうとほうにくれておる。そしてこの借りた金をどうして返すのだということで、これからつとめに出ていく、そのほうでもって返そうかなと言って、思案にくれているのです。それを見ますると、ほかの人々も勇気がくじけるじゃないかせっかく農林省のほうでいろいろと力を入れて呼びかけてくれても、ついていけないのじゃないか、こう思うのです。  これは先ほどからもお話がありましたように、全国的に九州から四国まで雪に対する災害が、あるいは果樹園芸において、あるいは蔬菜において起きておる、あるいはおそらくそういうところはビニール栽培にまでいっておるか知りません。また私のところのように、たいへん金をかけた鉄骨のビニールハウスというようなものでやっているかどうか知りませんけれども、おそらく将来そういうことになっていくかと思うのですが、そういうものに対する特別な対策というものも、せめて方向づけだけでもしておいてもらいませんと、せっかく農林省が出発したところの新しい農村所得倍増に見合うだけの農村というものが、ここで腰が折れるのじゃないか、こう思うのです。  実は、私は少しくどくなっていけないのですけれども、その写真で見ていただきました田富村、これは田富キュウリといって、あなた方が東京でお食べになるところの最初のキュウリの出場所で名産地、それからその隣にあるところの甲西町、そこの南湖という部落は、南湖トマトといって、東京へ古くから出ておって、品質のいいトマト、その隣の若草というのはピーマン、若草ピーマンという登録なんでありますけれども、そうした名産地なんです。しかもそういう名産地たらしめたのは、農林省の御指示に従って構造改善その他の改善によって勇気づけられて進んでいった。それが今度そういうような雪害にあって、ぴしゃりとやられてしまった。そして村をあげてどうするかということでありますから、こういうことについても、他の集中豪雨、台風の場合におけるような個人災害についても何らかの特別措置が、いまできなくとも、将来に向かって考えるのだということをお示しになる必要があるのじゃないか、私はこう思うのです。いかがですか。
  244. 太田康二

    太田説明員 先生も御承知のことと思いますが天災融資法の経営資金の金利は、実は特別被害地域の特別被害農林漁業者等に対しましては、国と県で利子補給をいたしまして、三分の資金にいたしておるようなわけでございます。現実に天災融資法の残高を調べてみましても、約九割近くが三分資金を借りておるという実情でございまして、実はかなり思い切った融資措置も講じておるのでございます。少々の額の補助金よりは、むしろ三分資金ということのほうが有利であるというようなこともございまして、災害の場合には、まず天災融資法発動で対処する。次に、先ほど申し上げましたように、生計の維持が非常に困難である農地を売らなければ生活ができないというような方には、自作農維持資金というものを、災害の場合には一件当たり五十万まで、これ年五分でございますが、貸し付ける制度もできておるのでございまして、従来はこれによって対処してまいったというのが偽らざる実態であるわけでございます。
  245. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 これらのことにつきましての私の念願するようなお答えは、なかなかないわけでありますが、非常に大事をとれば、そういうお答えになろうかと思います。ただ、私は県のほうへ行って調べてまいったのでありますが、いまお話しになりましたような金融措置につきましても、県の持っておるワクはきわめてわずかのようでありまして、それについては、もう文書で出てきたかどうか知りませんけれども、農林省のほうへお願いするということになっております。どうかその節は、そういうようなお心持ちの中で、特にひとつワクの点などについて考えて、旗は上げたけれども、実際はだめだったというようなことのないようにしていただきたい。  それから激甚地指定ということがいわれております。天災融資法における激甚地とか、あるいは激甚地帯というようなことは、今回のこの雪の災害については、実は言えないように思う。といいますのは、雪自体は農地にとってはよかったのです。ところが、その施設園芸者もしくは施設果樹業者にとっては、たいへんなあだをなした。そこで、これも明暗にあまりにも差がはなはだしい。隣の家ではほうっておいた。それで干ばつ地帯に雪が降ったものだから、これは干天に慈雨だった。ところが、農林省のおすすめに従って非常に金をかけてやったところは、そういうひどい目にあったということで、激甚地もしくは激甚地帯ではない。しかし、激甚農家ではあった。激甚災害を受けた農家ではある。その農家がずっとあるという意味において激甚地指定というものをもう少し進めて、激甚農家というような概念、観念も取り入れていただいて、いまのような措置について特別なる融資ワクなり、あるいは利子の低利化なり、またさらに進んでは、これは大蔵省のほうのことになるかもしれませんけれども、税の減免の措置というようなことも講じてもらわなければいけないのではないか。私は、せっかくこれまで一生懸命——農林省も一生懸命になられた。これは私も認めます。それに従っておった農家が一生懸命であっただけに、ここでがくんと来たというところに何とも言えないつらさといいますか、憂慮の念を持っておったものですから、非常に大事な時間ではありますが、あえてこうした要望を兼ねてのお尋ねを申し上げたのであります。特別なる御考慮を、現段階ではできなくとも、将来に向かっての措置を講じていただくことを重ねてお願いをいたし、それにつきましても現段階における措置の中でできるだけのことは、ワクを増大するなり何なりをしていただく、こういうことをお願いいたします。これについて総理府総務副長官、何かひとつお答えをいただきたい。
  246. 八木徹雄

    八木政府委員 現状においては、いま太田君から指摘したとおりのことしかできないと思いますが、ただ、これからの農業というのが資本農業に変わっていかなければならない、そういう近代化を進め、生産性を上げていくということになりますならば、こういう災害に対する対策というのは別途の観点で考えるという必要性が生まれてくるのではないか、こう思います。たとえば、ビニール栽培についても、施設共済の対象にするとか、あるいは一歩踏み込んで助成の道を講ずるとか、やはり農業の進め方自体の態様の変化に応じての弾力的な操作というものを考える必要があるのではないか。これは先生方のひとつ十分な御配慮をいただきまして、将来の検討課題として検討を加えていく必要があるのではないか、こういうふうに思います。
  247. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 私の質問はこれで終わります。
  248. 芳賀貢

  249. 工藤良平

    工藤委員 ただいままでの質問で、相当詳細に農林省の考え方も伺ったわけでございますが、なるべく重複を避けまして、ごく二、三の問題についてお伺いをいたしたいと思います。  今度の被害の特徴は、先ほどから再三実情についてお話がありましたように、台風のあとに引き続いて非常に雪が降ったということ、これが非常に被害を増大をした特徴だというふうに私は考えるわけであります。したがって、ビニールハウス地帯あるいは山林地帯におきましても予想外の被害があらわれてきている、こういうように考えるわけでありますが、二十六日現在の被害状況をここに報告されておりますが、農林省としては、さらにこの被害というものはどの程度増大してくるのか、大体の見通しでも把握しておれば、お伺いをしたいと思います。
  250. 太田康二

    太田説明員 先ほどもお断わりいたしたのでございますが、林野関係が実はここでは四十九億ということになっておりますが、実は県からの報告では三百億をこえたような数字も手元には出ておるわけでございます。これらにつきましてはよく実情も聞いた上で、先生方にお配りする資料でございますから、できるだけ正確なものをつかみたいということで、先ほど来申し上げたように、ブロック会議をやりまして、二十九日までに林野関係の取りまとめをする、それから作物の被害につきましては、統計調査事務所樹体被害までも含めまして調査をしておる段階でございまして、私からいまどのくらいふえるかということはちょっと申し上げかねるのでございます。
  251. 工藤良平

    工藤委員 今度の雪の最も特徴的な被害の形態といいますか、その点をひとつお伺いしたいと思います。
  252. 太田康二

    太田説明員 私も鹿児島県で幾つかの町村でビニールハウスなり露地栽培ものをやられているのを見ましたけれども、ただいま先生の御指摘のように、非常に初め強い風が吹きまして、これが相当な時間にわたって吹きまくった。しかもそのあとに雪が来たというようなことで、特に被害を見てまいりますと、何と申しましてもビニールハウスが吹き飛んで、そのあとに雪が降って中の作物がやられて、あるいは露地栽培ものが全滅になるというような形でのいわゆるビニールハウスを中心とした野菜作並びに果樹、こういったものの被害が非常に多かった、それと、これはわれわれも初めは承知しなかったのでございますが、山における折損木の問題が非常に大きな被害となってあらわれてきた、これが特徴であろうかと思います。
  253. 工藤良平

    工藤委員 いま御説明のように、被害が今後さらに大きくなるであろうということが予想されますし、さらに昨年の干害に引き続いての被害ということで、おそらくこれは春先を迎えるにしたがって、さらに長期間にわたって被害というものがあらわれてくるのではないだろうかということを一番心配をするわけなんです。そういう点について天災融資法の適用なりあるいは資金の融通制度なりについては、これは早急にやってもらわなければなりませんけれども、緊急に具体的な技術的な問題として、農林省としてどう指導するかということ、この点について若干御説明をお願いをしたいと思います。
  254. 千野知長

    ○千野説明員 まずハウスの野菜でございますが全面倒壊といったようなものは、これはもう処置ない。代作あるいは追いまき、こういうもので処置する。その場合もできるだけ早出しができるような種類、品種を選択するというように持っていかなければならぬ。  それからビニールのフィルムがはげたというような一部損壊のものにつきましては、早急に修理を施しまして、一晩あるいは半日ぐらい冷気に当たりましてもある程度いたみますから、クビその他病害がふえると思います。病害を防除した上で樹勢回復用の肥料等を施して草勢の回復を促進する。こういうことが野菜については技術対策の重点だろうと思います。  それから、なおついでながら果樹について申し上げますと、今回の災害状況は、先ほどからのお話のように、非常に比重の高い雪が降った上に風があわせてやってきたということで、枝裂けあるいは枝が折れたというような被害中心になっております。これも主枝が大きく裂けたようなものは改補植せざるを得ないであろう。しかし一部分の枝折れあるいは枝裂けというようなものでございましたならば、これは復元しまして、なわ等で縛って、あとに癒合組織が乗るように努力する。なお非常に太い枝などでありますと、ボルト締めが要るような場合もあろうかと思います。このような応急措置で、できるだけことしの結果に及ぼす被害を少なくする。  それから一番こわいのは、寒さのために葉が落ちて、いわゆる寒害を受ける場合ですが、こういうものが一部の地域ではあるように聞いております。これにつきましては、剪定時期を少しおくらせまして、枝の枯れ込んだ部分だけを軽く切り取る程度にしまして、できるだけ葉面積を確保して樹勢を挽回する、こういうことでやっていくべきであるということで、過般二月十九日付で、官房長名地方農政局長に連絡して、県を懇切に指導するように通達してございます。
  255. 工藤良平

    工藤委員 私はそのような技術的な緊急な指導というものが非常に必要だと思うわけでありますが、それと同時に、御存じのように九州地帯はなお非常に気温が低下をして、ほとんど毎日のようになお雪が降っているというような状況でありまして、したがって、これから蔬菜園芸を直ちに復旧をするといたしましても、ばく大な資材が必要になってくるわけであります。これは私は干害のときにも申し上げたわけでありますけれども、特にビニール等の値上がりというようなものが当然予測をされると思うのでありますが、これらに対して農林省として何らかの手を打ったかどうか。そういう措置を講ずる必要がありはしないかと思うのでありますが、この点どうでしょうか。
  256. 千野知長

    ○千野説明員 災害が起こりましたので、すぐにビニール協会に問い合わせまして、ビニールの在庫がどの程度あるかということを調べさせたのであります。それによりますと六千万平方米ございます。かなり大幅に被害を見込んでも十分対処できるという見通しが立っておるわけでございます。ただ、それだけ在庫がございましても、地域的に片寄って在庫されておる場合もございます。あるいは、県などによりますと、県内の販売店になくて、隣県あるいはあちこち遠いところから買ってこなければならないという場合もあったように聞いております。絶対量といたしましては、心配ない程度ストックがございます。
  257. 工藤良平

    工藤委員 現在のところでは、ビニールの値上がりというものは事実上起こっておりませんか。
  258. 千野知長

    ○千野説明員 そこまでこまかく調べてはございませんけれども、在庫量からいたしますと、まず値上がりはなかっただろうと推定されます。
  259. 工藤良平

    工藤委員 これは干害のときの教訓なんですけれども、私どもの九州が非常に干害になりまして、関西方面まで車で品物をさがしに来るという事態が発生いたしました。そのためには、少々値段が張っても買って帰らなければならぬという事実があったわけなんで、特にこういうようなビニールハウスの場合には、緊急を要すべきビニールの購入をしなければならぬという事態がありますから、おそらくビニールの値上がりというものが予想されますので、この点については、ひとつ農林省としても十分なる態勢をとっていただきたいということを申し上げておきたいと思うのです。  次に、天災融資法の適用をするにあたりまして、先ほど太田事官のほうから、統計調査部を通じまして緊急に調査を進めておる、こういうことでございますが、従来の例によりますと、干害あるいは先般のノリ調査にいたしましても、県の調査農林省調査というものがずいぶん食い違いを生じて、そのことが、やはり大蔵折衝との問におきまして、非常に時間をかけて難行するという事態があったと私は聞いているわけであります。このような事態を最小限にひとつ食いとめる方途が講じられないのかどうか。なぜそのような大きな食い違いが出るのか。調査の方法なりそういうものについても若干違いはあると思いますけれども、その点ひとつ大まかなところでけっこうですが、お聞きをしたいと思うのです。特に統計調査の方法というものが、県の調査というものをチェックするためにするのか、あるいは現実の被害というものをなるべく正しく調査をするという根本的な姿勢になっておるのか。この二つの方法があると思うのですが、これは農林省に言わせると、両方兼ねているということにもなりましょうけれども、そこら辺のところをひとつ基本的にお聞きしたいと思います。
  260. 太田康二

    太田説明員 先般の白腐れ病ノリ被害に伴います天災融資法発動につきましても、御承知のとおり、水産物と林産物の被害につきましては、県の被害調査しか実はないわけでございまして、私のほうの統計調査部といたしましては、事務所を動員いたしまして、農作物被害についての被害調査をいたしておるわけでございます。したがいまして、先生が御指摘になりましたように、そう申し上げるとなんでございますが、多少県の数字は多目に出てくるというのが従来の例でございまして、最近は、県自体も、天災融資法発動等におきましても、農作物関係では統計調査事務所の数字が使われるということも十分御承知なさっておられますので、連絡を取りつつやっておるように聞いております。統計調査事務所としては、できる限り被害を正確に把握するということをたてまえにいたしまして、大体被害が出ましてから、二週間くらいの問で被害調査いたしまして、それを取りまとめて統計調査部に集めてくる、こういうことでやっておるのでございまして、白腐れ病の場合には、原因の探究から始まりまして、被害の数字そのものが県報告であったということもさらにそれに加わりましたので、多少おくれたのでございますが、今回の場合には、林業と農作物がおもでございますが、林業につきましては、先ほど申し上げましたように、こちらから直接出向きまして、ブロック会議を開いて、各県との調整をして最終的な被害の数字を取りまとめるということで、これが大体二十九日にはでき上がる。それから、統計調査事務所のほうは大体三月上旬までには被害の取りまとめができるということでございますので、これらの結果がまとまりますれば、直ちに大蔵省と折衝に入りまして、天災融資発動の方向に持ってまいりたい、かように現在準備をしておるわけでございます。
  261. 工藤良平

    工藤委員 特に統計調査事務所調査につきましては、いま申し上げましたように、これらの問題については、正確を期すると同時に、やはり緊急を要する事項だとも思いますので、県と連絡をできるだけ十分にとりながら調査を進めていくということが必要だと思いますし、そういう指導をぜひお願いをいたしたい、こういうように思います。  それから、先ほど金丸先生の質問にもありましたが、ビニールハウスの場合、鉄骨を使っている場合には天災融資法の適用にならないということでございますが、先般理事懇談会の際にも私は写真をお見せいたしましたけれども、必ずしも鉄骨を全部使っておるということではなくて、主要な部分だけに鉄骨を使って、これと竹を併用して使っているという施設が非常に多いわけであります。こういう場合には、天災融資法の特別地域に指定をされますと、年利三分ということで六年間ということでありますから、なるべく有利な法律に適用さしてやるというのがほんとうの行き方じゃないだろうか、こういうように考えるわけで、特にビニールハウスの問題については深刻な問題でありますだけに、部分的に組み合わせてつくっているという実態からいたしまして、そういう場合には当然対象として数字に入れるということが至当ではないだろうか、こういうように考えるわけであります。その点についての御見解をお伺いいたしたいと思います。
  262. 太田康二

    太田説明員 被害の実態等から、実は、ビニールハウス一本で現在のところ仕分けされておるわけでございますが、十分実態を把握いたしまして、できる限り先生のお尋ねになったような方向で進めてまいりたいと思っております。
  263. 工藤良平

    工藤委員 それから、被害調査の問題でもう一つお伺いをしたいと思います。これは林野庁のほうになりますか。先ほどどなたからか御質問がありましたシイタケハウスですね。それから竹林ですね。大分県は竹が非常に多いわけでありますが、竹林のこういう問題について、天災融資法の対象となるのかどうか。ならないとするならば、これはこの際特別に対象に入れることができないかどうか、その点をお伺いをしたいと思います。
  264. 木村晴吉

    ○木村説明員 竹林のほうは、天災融資法発動になりましたならば、経営資金で対応していきたいと思っております。
  265. 工藤良平

    工藤委員 それでは、この問題については、できるだけ早く調査を終わらせまして、天災融資法の適用につきましても明らかにしていただいて、農民を安心さしていただきたい、こういうように思うわけであります。  それからもう一つは、私ども現地に参りましていろいろと地域農民の方と御相談もしたわけでありますが、復旧をする場合に非常にばく大な金がかかるわけであります。私どものところでは、大体十アール当たり百二十万くらいの資金が要るということがいわれているわけでありまして、天災融資法に基づく融資も、これはおそらく思うとおりの額は得られないと思いますし、最大限あらゆる関係の資金の利用をさしていただきたいというのが農民の声であります。したがって、その中で、農業改良資金の無利子のワクというのがありますが、これについては特別の配分が配慮されないものかどうか。その点と、もう一つは、近代化資金ワク等につきましても、特別の配慮を払って、早くこれらが復旧できるような措置というものを講ずるべきじゃないだろうか、こういうように考えるわけですが、その点についての御見解をいただきたいと思います。
  266. 太田康二

    太田説明員 農業近代化資金は、先般も申し上げたのでございますが、本年度のワクは九百億であったのでございますが、これが大体消化されましたので、四十三年度予算が成立いたしますれば明年度は一千億にいたしております。したがいまして、その配分は経済局で行なっているのでございますが、十分そういったことを反映してもらうように私から申し上げたいと思います。  それから農業改良資金につきましては、技術導入資金で、いろいろ新しい技術の導入で、先生のおっしゃったような施設に対する導入資金もあるのでございますが、この配分にあたっても、これは農政局で所管をいたしておりますので、私のほうから実情をよくお話ししまして、配分にあたっての配慮を加えてもらうように連絡をいたしたいと思います。
  267. 工藤良平

    工藤委員 これはどこの所管になりますかわかりませんが、私の郷里の大分県でもたいへん山の奥なんですが、一メートル二十センチ以上雪が降ったわけであります。北向きはもちろんまだ予想できないように積雪がそのまま残っているわけでありますが、特に温暖地域のこのような豪雪というものは、今後一体なだれというものがどういうかっこうで起こるのか、私どもには全く経験のないことであります。したがって、これは農産物と直接関係はないかもわかりませんけれども、人命にも関する事項ですし、なだれに対する予防措置というものを当然これは新しい問題として、関西方面、特に九州四国方面につきましては措置する必要があるのではないだろうか、こういうように心配をするわけであります。この点に対してどのようにお考えになっていられるか、ひとつ最後にお聞きをしておきたいと思います。
  268. 太田康二

    太田説明員 融雪時に伴いますただいまお尋ねのような農地とかあるいは農業施設に対する災害を非常に心配をいたしております。これに対して、確かにお尋ねのような県におきましてはいままであまり雪がなかったというようなことで、この対策にいろいろ苦慮されておるだろうと思いますので、私のほうで至急農地局等を中心に検討いたしまして、先ほどの技術指導対策と同様に通達を出しまして、その予防の万全を期したいと思います。
  269. 工藤良平

    工藤委員 時間もございませんので、この程度で終わりたいと思います。
  270. 芳賀貢

  271. 小松幹

    小松委員 農林省はいままでは改良とかあるいは指導とかいうようなかっこうで営農を進めてまいりましたが、やはり農業をほんとうに振興していく場合には、そこに穴が二つある。一つは農産物の市場価格の不安定ということで、せっかく振興しかけた農業というものを中途でやめざるを得なくなるという一つの隘路があったはずであります。もう一つは、これは他の産業にはどこにもない天災というもので産業が行き詰まる。同時に、農民の心理からいえば、いままで営農事業を農林省がすすめる、大鼓をたたくからやった。ところが、市場で行き詰まって逆なことをやる。農林省がすすめるやつは振興しないで、すすめない逆のものを振興しようというような、いわゆるうらはらの気持ちが農民に出ております。同時に天災というものを非常に心配しておる。この二つの隘路に対する農民の心理状態というものを農林省はよほど考えてやらなければ、せっかく振興しても、天災が来るというおそろしさが農業の振興をはばんでおる、農村への定着をはばんでおるということであります。だから、いろいろな形の天災が来る。これにもう少し農林省は敏感に、しかももうちょっと振興以上の、ただ天災があったから補てんをしてやるのだというようなおためごかしの政策でなくして、本式にもう天災が来るものだという農林経営というものを考え、市場操作は当然やらなければならぬという二つの命題をもって農業振興というものをはからない限り、もうこれは行き当たりばったりになってしまう。だから、地方からそれ災害だ。府県からどんどん陳情が来る、災害委員会で代議士が代弁して立ってやって、それなら天災融資法の適用をしてやろうか、それでは私はほんとうに農民がついてくる農業というものは振興できないと思う。  そこで、農林省のほんとうの政策の中に、天災はもう来るのだという前提のもとに配慮してやる。ただ天災融資法の適用をやったからもうそれで事足れり、激甚地災害の指定をしたからそれでもういいじゃないか、先ほどもたびたび出ておる低利三分の金利でやったからそれでもういいのだこういうような言いのがれ一ではない、現状としてはやむを得ぬかもしれぬが、そういうことだけでは私は日本農業というものは振興しないと思う。この点やはりもう少し敏感に、しかも積極的な営農というものを考える、この基本姿勢を持って対処してもらいたいと思う。そうすればおのずから天災融資法の適用、こまごましためんどうまで——先ほど前の委員が言われたように、せっかくビニールハウスの振興で、ここぞというときに天災にかかった。これはもう天災融資法融資でまかなっているから、それでけっこうじゃないかそれで事終われりとしたならば、農民側のほうにはたしてそれをまともに受けて、三分の利子だから、天災融資法の適用を受けたからこの次もビニ−ルハウスをやりましょう、隣の若い青年も、隣は天災融資法を受けてどうにかやったから、おれもやろうというわけにいかない。あぶない、隣の人はああいう失敗をしたから、ビニールハウスもなかなかうっかりかかれぬぞというて、しり込みをするようになると思うのです。この辺は、他の点で通産省が産業指導をする場合とは、おのずから農林省が産業指導をする場合は基本的に違うと思う。この点私は、もっと綿密にめんどうを見ていく、それが農業政策だという腹がまえで、天災を受けたからほんの天災融資法で事足れりというような観念ではいけないと思うのです。この辺の天災に対する基本姿勢というものをお伺いしたい。
  272. 太田康二

    太田説明員 先生の御指摘のように、農業は非常に自然のいろいろな災害を受けやすい産業でございますので、確かに指導の姿勢としてこれを念頭に置いてやっていかなければならないということは当然であろうかと思うのでございます。もちろんそのために農地あるいは林野等の公共事業で防災的な事業もやっておるのでございますが、今回のたとえば台湾坊主のごときは全く異例の事態でございまして、こういったことを予想して常にそれに備えるというようなことも必要ではございますが、突然起こった事態に対しましては、なかなか予測しがたいことでもございますので、やはり事後的な措置ということが中心になっていくと思うのでございます。しかし、われわれといたしましても、最近におきましては気象庁とよく連絡をとりまして、かなり前広に気象条件等も調べまして、そういった災害が起こる際の手を事前に打つというような指導もいたしておるのでございまして、それだけでは十分ではないと思いますが、いま先生のおっしゃったようなことを十分念頭に入れまして今後指導に当たってまいりたい、かように考えております。
  273. 小松幹

    小松委員 改良資金が一千億来年度出るということで救われる面もあると思いますが、やはり助成措置というものも、あなたの先ほどの意見を聞きますと、助成措置という財政的な面からの措置はいまのところ非常に手狭である、やらぬとは言わないけれども、手狭でどうもならぬ、だからもっぱら融資にたよる以外にない、こういう御答弁のようでありましたが、それは融資もようございます。しかし、農業政策というものをただ融資のみに依存するという形ではなくして、先ほどから言うように、積極的に財政的な助成措置というものも配慮していく、こういう積極的な姿勢が私はほしいのであります。どっちかというと、近年までの農業政策というものは助成措置というものを遠慮し、減して、もっぱら金融措置に肩がわりしてきておる。このことのよしあしは別として、農業政策、農業の振興は通産省のような振興状態ではいかないと思うのです。相手が零細であり、しかも数が多いのでございます。そういう意味で融資一点ばりの考え方はとるべきじゃない。特に災害の場合には助成措置も考えなければならぬ。だからこそ県会あるいは知事会あたりから農林省に陳情して、私どものほうにもパンフレットが来ておる。その中の半分は助成措置をうたい込みにしておるわけです。これが金融でまかなって事足りるならば、何も府県がわざわざ陳情書の中に、請願書の中に助成措置というものをうたい文句に持ってこなくてもいいわけです。が、うたい文句の中に助成措置をうたい込んでおるということは、末端においてなおかつ金融だけでは事足りない実情があるということをよく考えていただきたい。そのささいな点、いま言うたビニールハウス等についても助成措置等を十二分にやっていく、こういうような腹がまえでいかなければ、私は大蔵省の予算も取れないと思うのです。農林省自体が最初から投げておって、どうして大蔵省の予算が取れますか。もっと自分の腹の中に、農業の振興というものは通産省と違うんだ、この腹がまえを持って大蔵省にぶち当たって、大蔵省の目をさましていくという考え方に立ってもらいたい。災害をいい時期としてはまことに悪いけれども、災害をしおに、私は災害だけでも助成措置をとってほしいと思う、こういうような考え方を持っておるわけでございますが、この点いかがな御判断でございますか。
  274. 太田康二

    太田説明員 実は、農業の災害が出ましたときの助成の措置といたしまして、かつては肥料あるいは農薬の普及段階におきましては、農薬等の助成もあったのでございますが、その後補助金の執行の問題とからんだり、あるいは天災融資法ができて、資材、資金については金融上の措置を講じたというようなこともございまして、今日におきましてはそういった消費財的なものにつきましての助成というのは行なっていないのが実情でございます。ただ、現在助成の措置といたしましては、先ほど園芸局長も申されたのでございますが、たとえば果樹がやられて、そのために新植なり改植をしなければいけない。そのための共同育苗施設に対する助成というような、いわば種子の対策に対しましては、先般の干ばつの場合におきます委託苗しろの設置の助成とかいうような種子対策につきましての助成はいたしておるのでございます。しかし、ただいま先生のお尋ねの個人施設に対しまして助成をするということは、今日の段階におきましてはなかなか困難であろうというのが偽らざる実情でございまして、実はその種子対策すらこれを今後続けることにつきまして財政当局からもかなり難色が示されておるというような実情でございます。しかし、われわれといたしましては、種子対策等につきましては現在残された唯一の助成対策でございますので、これらによって対処してまいる。まあいろいろ言いますと、大蔵省あたりは、たとえば農業災害補償制度もございまして、これは主要農作物には限定されておりますが、かなりの財政負担もいたしておるのでございまして、それ以外に生産振興対策として、いわゆる前向きの事業に対する助成というのは、かなり大幅に予算も計上いたしておりますし、これらによって対処していくということでございまして、災害につきましては、現在の段階におきましては、やはり先ほど申し上げましたように、農地農業用施設あるいは山林等の施設の復旧につきましては国庫補助の道もあるわけでございますが、個人施設等につきましては、やはり原則としては融資で対処するということにならざるを得ないのではないかというふうに考えております。
  275. 小松幹

    小松委員 災害調査を統計事務所を通じてよくやっておりますが、統計事務所は昔の作報でございまして、米を主体に調査しておりましたが、だんだん農作物一般に広げてまいりました。この調査の限界が私はあると思うのです。たび重なるいろいろな農作物災害があるのに、名前を言えば農業の調査統計事務所ですけれども、これだけを駆使して、その上に立って災害調査の判断をしておるということは、ある程度いいと思いますが、それにしても時期がおくれる、時間がかかる能力の限界がある、そこをほんとうに調査の一番のポイントとするならば、統計調査事務所をもう少し拡大していかなければならない。現状の体制では私は能力の限界があると思う。この点どういう判断をしておるのかということと、もう少し災害調査を早めることはできないのか。府県あたりは府県の県庁などの動員力でわりあいに調査ができておるが、こうういものを集約しての調査のしめくくりはできないのか、この問題でございます。両面から勘案してということになれば、相当時間が、ひまがかかる。ひまがかかっていい問題もあるけれども、私はそういつまでも不安におちいらせることはできないと思う。この二つの点どう判断をしておるのかということと、現時点で天災法、激甚地指定などの集約点はいつごろか。先ほど聞けば三月の中旬過ぎということになっておりますが、このころ大体そういう決着がつくのかどうか、この辺、三点についてお伺いして、終わりたいと思います。
  276. 太田康二

    太田説明員 統計調査部全員農林省で一万四千人ほどいるわけでございますが、現在いろいろな行政需要に応じての調査をいたしております。特に被害調査につきましてはやはり現在の大蔵とのルールが、一応統計調査事務所で調べた数字を基礎にしてものごとを論ずるということにもなっておりますので、もちろん先生の御指摘のようにもっと急がせなければならぬということもございますが、何ぶん作物の被害でございますし、特に今回は樹体の損傷等につきましても非常に技術的にも困難なようでございますので、これらを含めての調査でございまして、いままでも大体まあ災害発生後二週間程度の期間で被害調査を取りまとめるということで御了解を願っておるのでございまして、今回の場合はおきましても、先ほど来御説明申し上げておりますように、林産物等の被害は現在統計調査部の陣容ではできませんので、県調査の数字を用いております。これを農林省と県との問で若干調整をいたしまして被害額集計する。それから農作物につきましては統計調査事務所でやっておるということでございます。  そこで、天災融資法なり激甚法の適用の問題がございますが、三月上旬にはこれらの数字が全部取りまとめになりますので、その数字を見た上で正式に財政当局とも話し合い、さらには総理府等とも連絡をとりまして、天災融資法発動あるいは激甚法の適用という問題に対処してまいる、かように考えておるのでございます。
  277. 芳賀貢

  278. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 総務長官にお願いしますが、こういった災害地方におけるところ物価高、いろいろな生鮮食料品の急騰、こういうものに対して政府はどういう対策を今回おとりになられましたか。
  279. 八木徹雄

    八木政府委員 ただいまのところ、いろいろ復興資材の問題であるとかあるいは生活資材の問題ということについて特別に物価高的現象というものがあらわれるということをまだ言っておりません。幸いに交通が早く回復できたというようなこともございますので、特に災害に伴う異常な物価高ということは現象的にはあらわれてないのではないか。しかし油断のならぬことでございますから、物価の安定ということは生活の安定につながることでございますから、現状を十分把握しながら適宜措置をとって対処していくようにいたしたいものだと思っております。
  280. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 新聞によりますと、生鮮食料品及び便乗値上げが相当あるということが報道されております。この点については厳に警戒して、対策を講じられるようにお願いしておきます。  それからこれは豪雪地帯の問題でお尋ねしますが、新潟県で加治川の決壊が行なわれました八・一五でしたか、あの災害がありましたね。あれは連年災害です。ところが、そこへまた雪の害で、あの地帯の被災地に対しては現在はどういう状態になっておりますか。
  281. 八木徹雄

    八木政府委員 ちょうど建設省の河川局から来ておりませんので、勘でものを言ったのではまことに申しわけございませんから、あとでひとつ……。また雪解けとともに心配な要素のあるところでございますので、これに対する対策につきましてはどのような措置をしておるのか、あとで建設省から報告をさせるようにいたしたいと思います。きょうはひとつ御容赦願いたいと思います。
  282. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 そうしますと、この前被災された方々が現在雪害で特別に悩んでおられるという報告はございませんですか。
  283. 太田康二

    太田説明員 われわれが地方農政局を通じていわゆる積雪地帯の被害調査もやはりいたしておるのございますが、新潟県の調査では、ビニールハウスと果樹樹体被害、それから一部有線放送施設等の被害があるという報告を受けております。したがいまして、これらはいずれも場所としてはいま先生が御指摘のあの地帯ではなく、むしろ高田の辺が非常に豪雪だと聞いておりますので、特にあの地帯で雪のためにいろいろ被害が出ておるというようなことはないのではないかというふうに考えております。
  284. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 これからの心配な点では、なだれの点がございますが、山形新潟、秋田、この豪雪地常におけるなだれ対策については、地方公共団体、県、市町村に対しては国はどのような対策、補助、助成をするのでございましょうか。これに対して要望があると思いますが、特に危険なところに対するなだれ対策について……。
  285. 木村晴吉

    ○木村説明員 なだれそのものの防止、いわゆる危険防止については、治山事業の公共事業で実施いたしておりますなだれ防止林造成あるいは林道のなだれ防止と同じような施設もやっております。実際になだれの被害、いわゆる除雪作業の関係については私のほうで主管いたしておりませんので、悪しからずひとつ御了承願いたいと思います。
  286. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 それではまた後日お伺いいたします。  総務長官にお尋ねいたしますが、要保護者、要するに生活保護者の方々の家庭の雪おろしとかそういった雪害に伴うところの問題が種々発生しておるように聞いておりますが、要保護家庭におけるところの雪おろし等については、県が相当これは助成を行なっているのですか。
  287. 飯原久弥

    ○飯原説明員 小川先生のいまのお話で、生活保護を受けておられる家庭の、家の補強につきましては、これは生活保護費の中で家屋補修費というものがございまして、そういう中で、この生活保護法の実施によりまして手当をしておるわけでございますが、ただいま具体的に数字の点につきましては手持ちにございませんが、ただ、そういう非常に困っておられる家庭につきましては、ただいま申し上げましたような被保護者の場合には生活保護費、それから低所得の方々に対しては、先般の場合に世帯更生資金の貸し付けの適用をいたしております。そういったことで臨んでおるわけでございます。
  288. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 私がお尋ねしているそれは、結局先ほども、学校等の雪おろし等に、豪雪地帯は例年の二倍になった場合にはこういう法律によって守られているのだ、これは個人の場合におきましては自分で自衛していかなければならぬ。特に要保護家庭におきましては、その生活保護費の中に、そういった一日人夫を雇えば千五百円も二千円もするようなこと、これはやらなければ家がつぶれてしまう。ところが母子家庭のように男の働き手がいないような場合、そういう所得のない方方の家庭に対して、生活保護費の中にそういった豪雪の個人の雪おろしや何かの対策費というものが含まれて計上されているものなのか。ことしのように例年にない豪雪のためにそういった特殊の出費が重なった場合には、どういうふうにこれに対して保護を加えていくのか、国及び県、地方団体がそういう方々に対してどういう助成をしてくださるのか、この点について私お尋ねしているわけなんですが、よろしくお願いいたします。
  289. 飯原久弥

    ○飯原説明員 直接の生活保護法関係の所管でございませんので恐縮でございますが、ただ、いま先生のお話にございましたような生活保護費の中には、豪雪地帯において、雪囲い、雪おろし等をしなければ家屋が損壊する場合には、住宅維持費として生活保護費の中に算入をするというふうにいたしておりますので、したがいまして、そういった手当で住宅維持費の範囲内で手当てをいたしておる、こういうわけでございます。
  290. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 小中学校の今回の北陸東北方面の豪雪によっての被害。並びに死者が九人か十人出ておりますが、これは一体どういう性格で死者が発生したのですか。
  291. 八木徹雄

    八木政府委員 ただいま警察庁のほうも文部省のほうもこの席におらぬようでございますから、あとでこれもひとつ報告させるようにいたします。
  292. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 それでは総務長官の責任のもとにおいてひとつお願いいたします。  お米の事前繰り上げ配給のことでちょっとお尋ねしたいのですが、豪雪地帯の新潟山形、秋田等の非農家、要するにお米の配給を受けなければならぬ方々に対しては、今回はどれくらいの準備で配給なさっておったのでしょうか、これをちょっとお知らせ願いたいのですが……。
  293. 太田康二

    太田説明員 私、具体的な数字は存じておらないのでございますが、先生のお尋ねのような新潟県等の豪雪地帯につきましては、越冬用米穀ということで一括繰り上げ配給あるいは通常配給の形で十分地元の方々に不安をかけないような配給制度をとっておりまして、現に新潟県におきましてもそういった措置を講じておりまして、一般繰り上げ配給地区あるいは通常配給地区それぞれに分けまして、相当量の配給をすでにいたしておりまして、地元の方々に米の配給で不安をかけるというようなことはないようにいたしておるのでございます。
  294. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 そうしますと、お金のない家庭、困った家庭というのは、まとめてそのお米を買わなければならぬ、物資を購入しなければならぬ、そういう場合に、金がなくて配給米がとれない場合には、そのお米屋さんが貸してくれるのですか。それとも、それだけの所要物資が来ても、金がないために配給をしてもらえないようになるのですか。この点はどうなんでしょうか。
  295. 太田康二

    太田説明員 先ほどの数量を申し上げますと、一般繰り上げ配給として百四十八トン、それから通常配給分として千三百六十二トン、こういった数量の越冬用の米穀が積雪地帯への越冬用米穀として配給をされておるのでございます。それは具体的には米屋の段階までそれを届けておるのでございまして、これから消費者の手に渡るということでございます。具体的にその要保護世帯の問題については、私ちょっと存じ上げておりませんので、調べまして後ほどお答えをいたしたいと思います。
  296. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 それは要保護者ばかりでなくて、多人数の家庭でございますと、一回の米の配給も、米が高くなると相当の額になっておるわけです。それをまとめて一カ月分ぐらい各家庭でお買いになるわけですね。そうしますと、これは経済に相当な影響が出てくるのじゃないか、また中には配給を辞退しかねない家庭も相当出てくるのじゃないか、こういう点を政府ではつかんでおられますか。
  297. 太田康二

    太田説明員 いま少しく詳しく申し上げますと、一括繰り上げ配給と申しますのは、風雪等の気象条件のため小売り販売業者から各消費者に対する毎月の配給計画が著しく困難となる事態が予想される越冬用米穀の配給対象地域の消費者の方方、これらに対しまして越冬用米穀を一括して事前に配給するということでございます。それから通常配給と申しますのは、卸売り販売業者に対しまして売却する米穀について、その売却場所からの運送が著しく困難となる事態が予想される地域を経由して米穀の販売業務を行なう卸売り販売業者に対し越冬用米穀を一括して事前に売却し、各消費者に対して毎月の配給計画に基く通常の方法により配給する制度でございまして、先ほど申し上げましたように一括繰り上げ配給として百四十八トン、通常配給として千三百六十二トン手配をいたしておる。現にだいぶ古い資料でありますが、二月五日現在、市町村あるいは県から、豪雪による食用の米穀確保について、特に特段の支障があるというようなことはないという事態を確認をいたしております。
  298. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 副長官にお伺いしますが、こういう豪雪地帯の家庭というものは、たとえばお米にしても副食物にしても相当準備をしておかなければ越冬ができない。そのために政府がそれだけのあたたかい思慮をしてくださることはわかりますけれども、非常に経済に及ぼす影響があるのですね。中には困ったといって相当苦情がわれわれのところへ来ておりますが、こういう面については政府としては何らかの貸し金制度とか、そういったあきらかに交通が途絶している、そのために低所得者とか要保護者においては米を先買いをしなければならぬ、その金がいまないのだ、それで困って苦情が相当来ておるようなところは、政府としては、これからそういう問題についてはどういうふうに解決してあげなければならぬと思うのですか。この点についてはどうお考えでしょうか。
  299. 八木徹雄

    八木政府委員 なかなかむずかしい問題だと思うのですけれども、いま農林省側が言ったのは、とにかく豪雪地帯の配給に万全を期する対策だけを申し上げたわけで、そこで御質問のようにそういう御配慮があっても買いに行くことができない、二カ月分買わなければならぬということになった場合にどうしてくれるか、こういう御質問だと思いますが、もちろんおっしゃるとおり、要保護者、生活保護世帯だと思いますので、そのようにかん詰めになってしまうということは、生活扶助料ももらいに行きにくいのではなかろうかと思いますから、そういうところに対しては生活扶助料の繰り上げ、二カ月分を差し上げるとかなんとかということにすべきではないか、こういう御質問であると思います。これは私のほうでしておりますとかどうとかいう返事はいま的確にできませんけれども、おっしゃる趣旨はよくわかりますから、そういう特異な地帯における特異な現象については特別な対策を立てられるように厚生省側にも連絡をいたしていきたい、こう思います。
  300. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 国道の路線の交通確保の対策につきましてお願いしたいのです。  具体的に申し上げますが、国道十三号線の山形県の天童市——北尾花沢までの区間のバイパス設置の件が非常に盛り上がっておりますが、これも建設省がすでにおりませんけれども、これは交通対策というよりも、雪害の交通麻痺を救うためにそういう要求があるのですが、この点は総務長官じゃちょっと困るので、この次に建設省からお願いします。
  301. 八木徹雄

    八木政府委員 どうでしょうか、小川先生、いまの御質問ですが、責任ある省の答弁ができる人がおるときにひとつやってもらうのが望ましいと思いますので、どうぞよろしく。小川(新)委員 最後に一点。これは気象庁にお願いしたいのですが、東北豪雪地帯の雪の今後の見通しはどうなっておりますか。ちょっとお尋ねしておきます。
  302. 今泉正隆

    今里説明員 今後の雪の見通しでございますが、いままでの、たとえば年末の豪雪、それから二月一日、二十日、ああいうようなたくさんな量の豪雪はあまりないのではないか、しかし雪はまだ降る。今後われわれが一番心配になりますのは、日本海に大きな低気圧が入ってきまして、南風が吹きまして、なだれが起こる。それから雪が解けまして融雪洪水、そういうことのほうが雪自体の降り方よりも心配になるのではないかと思います。  なお、なだれに関しては先ほど来御質問がございましたけれども、なだれのおそれがある場合には、全国各気象台からなだれ注意報なり、なだれ警報を出すことになっております。洪水の場合ももちろんそうでございます。以上でございます。
  303. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 それで終わりにしますが、自衛隊の件でひとつお願いしておきたいのですが、現在自衛隊山形新潟、秋田の豪雪地帯へ出動しておりますか、これはいかがでございますか、わかりませんか。
  304. 八木徹雄

    八木政府委員 やはり自衛隊関係の方もおらぬようでございますから、あとでまたお願いいたします。
  305. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 またこの次にお尋ねいたします。
  306. 芳賀貢

    芳賀委員長 橋口隆君。
  307. 橋口隆

    ○橋口委員 今回の二月中旬の暴風雪による被害あるいはえびの地震等につきましては、もうすでに同僚の議員から十分御質問があったことと思います。そこで、私も、非常に恐縮でございますが、最後に、政府当局に対して若干の要望と質問を申し上げたいのでございます。  今回の二月中旬の被害は、現在までに判明しておるところは三十五都府県であり、特に被害のはなはだしいのは、九州四国の各県であることは申すまでもないところでございます。ところで、そのうちで一番災害が激烈であったのは南九州でございまして、この地域はかねてから台風の問題あるいはシラス地帯あるいは地震というような非常に自然の条件に恵まれないところでございますが、今回は特に集中的にそれが見舞ってまいりまして、今後南九州災害対策を講ずる上に非常に考えなければならない点がたくさん出てきたと思うのでございます。  そこで、特に私は、南九州の今回の被害のうち暴風雪による農業問題について農林当局にお聞きしたいと思うのでございます。南九州は、いま申し上げたように、自然条件が非常に悪いので、この地域には政府は特別の財政措置を講じ、特別の立法措置を講じなければならないということを私は多年の間提唱してまいったのでございます。今回、四十三年度の予算で、特別の南九州農業対策費というのがつきまして、同時に、今度の通常国会に南九州の畑作農業に関する特別措置法案を出そう、そういうことに農林省も踏み切っていただいたのでございます。  そこでこの際、この南九州の営農改善資金融通臨時措置法という法案でございますが、こういうような法案に加えて、さらに将来そういう災害をも織り込んだ改正、そういう処置を織り込んだようなことまでお考えになっていただいているかどうか、それをまず第一点にお伺いしたいと思うのでございます。
  308. 太田康二

    太田説明員 南九州の畑作営農振興のために、ただいま先生の御指摘の法律を出しまして、御承知のとおり、貸し付けのワクとしては九億六千万、たしか貸し付け金利は据え置き期間六年で、その間は四分五厘、それから償還期間に入りますと、十九年間五分というような新しい制度を設けたことは言うまでもないのでございます。大体鹿児島では、従来とも防災営農という観点から、たとえば桑を奨励し、お茶を奨励するというようなこともやってきましたし、災害の場合に比較的被害の少ない、たとえば和牛の導入、こういったことが中心になっての畑作振興ということにおそらくなろうかと思いますので、当然災害を考えての営農計画というものが立てられるというふうに理解をいたしております。
  309. 橋口隆

    ○橋口委員 それでは、明年度の予算措置、それから今日のこの立法措置におきましても、特にその点を織り込んで、今後施策を講じていただきたいと思いますが、それについて具体的措置を講じていただけますか。
  310. 太田康二

    太田説明員 おそらく畑作振興をやってまいります場合に、ああいった特殊の地帯でございますので、当然その営農計画の中にはそういったことも織り込んだ計画が立てられる。それによって、その地域の振興をはかってまいるということを主眼とした法律でございますので、当然その配慮は加えられておるというふうに考えます。
  311. 橋口隆

    ○橋口委員 それではどうかひとつ農林当局において、との南九州の畑作農業を北海道の積雪寒冷地帯と同様に、十分これからも対策を講じていただけますように切にお願いを申し上げます。  そこで、今回のこの暴風雪災害対策について少し要望を申し上げておきたいと思います。本日この南九州からたくさんの陳情団が見えました。そうして、ぜひ国会でその実情を皆さんに説明をして、今後の対策をお願いしてくれ、こういうことがございましたので、非常に局地的な問題で恐縮でございますけれども、政府当局の施策の参考にもなるかと思いますので、特にその点をお願いを申し上げたいと思っております。  鹿児島地方におきましては、二月十日から十三日までの異常低温、降霜それから二月十五日には暴風、あるいは二月二十日から二十一日にかけましては降雪等によってたくさんの被害を生じております。そこで現在県市町村、農業団体等が一体となって善後措置に万全を期しておるのでございますが、被害総額は十数億円をこえておりまして、さらに今後統計調査の結果によってはこれがふえる見通しのようでございます。被災農家の経済的打撃も非常に大きいのであります。それで、どうか政府においては全般的な措置を講じてくださるようにお願い申し上げたいと思います。  そこでまずお聞きしたい第一点は、すでにもう同僚の議員から十分お話があったところでございますが、今回の異常低温、降霜、それから暴風降雪等の災害に対して天災融資法を適用していただけるものと思いますけれども、それが適用される時期はいつごろになるか、その見通しをもう一度念のために聞かしていただきたいと思います。
  312. 太田康二

    太田説明員 統計調査部の被害調査の結果が三月の上旬にまとまりますので、その数字をまとめた上で大蔵省当局との折衝に入りますので、三月中旬から下旬にかけまして、天災融資法発動ということの決定を見るかと思います。ただ、引き続き政令を出さないとなりませんので、政令は若干おくれるかと思いますが、とにかく天災融資法発動の決定は、いま申し上げたように、できる限り被害総額の結果を待って、直ちに大蔵省との折衝に入って、三月の中旬から下旬にかけてきめたい、かような心づもりでおります。
  313. 橋口隆

    ○橋口委員 すでに農家では非常にその対策に苦慮しておるわけでございますから、一日も早くこれが実現できるように特に御配慮を願いたいと思います。  さらにこれもすでに質問があったのではないかと思われますけれども、常に問題となっております自作農維持資金特別ワクの設定をしていただけることになりますかどうか。その点をあわせて伺っておきたい。
  314. 太田康二

    太田説明員 もちろん被害実情を十分把握の上に対処しなければならないかと考えますが、従来の例で申し上げますと、天災融資法発動になりましたような災害の場合には、大体それと関連を持ちまして、自作農維持資金災害特別ワクの設定ということをいたしておりますので、今回の場合におきましても、天災融資法発動になりますれば、当然それと並行して、自作農維持資金特別ワクの設定ということも検討してまいらなければならないというふうに考えております。
  315. 橋口隆

    ○橋口委員 次に、暖地農業の典型的なものとして今回非常に被害の大きかったサトウキビの問題について若干お伺いしたいと思います。サトウキビの今回の被害は非常に大きいのでございまして、すでに三〇%ぐらいは原料処理を終わったところでございまして、この分ならば非常な豊作になるだろう、こう見込まれておりました。ところが、二月十二日から十三日、いまだかってない大きな降霜、それから二月の十五日には台湾坊主の襲来もありまして、原料サトウキビは非常に被害をこうむっております。そこで、これを主産業とする種子島、屋久島地方では、農家が非常に絶望的な気分にいまおちいっているのでございまして、これをどういうふうに救ったらいいかということが、現在焦眉の急務になっておるわけでございます。  そこで、この点をちょっと伺っておきたいと思うのでございますが、サトウキビに対するこういういまだかってないような寒冷、あるいは風雪等に耐え得るような技術指導というものは、いまだかつて予想されていなかったろうと思います。南九州の農業を考える上にこれから非常に大きな問題でございますので、そういうような技術的な指導というものについては、今後どういうふうにやっていただけるか、これをひとつ伺いたいと思います。
  316. 千野知長

    ○千野説明員 ただいまお話がございました種子島の陳情を私どももきょう現地の方々から聞いたということでございまして、私どもとしては、これまで実は例がないということでございますので、これが対策につきましては、さっそく三月の上旬に専門家を現地調査派遣をして、それからいろいろ各地元の御要望もございますから、それらにつきましては十分御要望も聞きまして、今後の調査結果等を把握の上、適切な措置をとりたい、かように考えております。
  317. 橋口隆

    ○橋口委員 それでは、いまだかってないこういう自然の災害でございまして、南九州のような常に温暖な気候を予想しているところに急激にこういう自然の災害が来た場合の対策については、農家に対しても技術指導が徹底するように、特に農林省のほうで対策を講じていただきたいと思います。  そこで、今回、とりあえず被害激甚地域において甘蔗苗の購入費を助成してくれというような要望が参っておりますが、これについてはどういうふうに対策を講じていただけますか。
  318. 千野知長

    ○千野説明員 これにつきましても、三月上旬の現地調査の上で検討してみたい、かように存じております。
  319. 橋口隆

    ○橋口委員 その調査の結果、必要があれば助成をするというようなことが、予算上できますか。
  320. 千野知長

    ○千野説明員 その検討の結果、もちろん財政当局とも交渉をいたさなければなりません。ただ、私の感じといたしましては、先ほど豪雪果樹等の例の場合に御説明申し上げましたように、果樹の場合ですと、苗木の共同購入に助成してくれ、果樹が枯れたから改補植用の苗木を買う金を助成しろ、こういう各県のお話があるのですけれども、これにつきましては、先ほど申しましたように、そういう直接の購入費の助成ではございませんで、これまでの前例によりますと、共同で育苗をする、その費用に助成をする、こういうたてまえになっております。ですから、今度のおっしゃる甘蔗苗の購入に対する直接的な共同購入費に対して助成ができるかどうかという点は若干問題なしとしないと存じます。しかし、それにつきましても一応現地調査を十分しまして、被害の実態等を把握いたしまして、大蔵当局とまた話し合うということの努力をいたしたい、かように考えております。
  321. 橋口隆

    ○橋口委員 それでは御調査の上、財政当局と十分なお打ち合わせをしていただきまして、万全の対策を講じていただきますようお願い申し上げます。  そこで、サトウキビの原料価格が最低五千三百五十円を確保するための対策を講じてもらいたい、そうでないと、農家としては、今回はもう非常な財政危機におちいるだろう、そういうふうに要望が参っておりますが、この点につきましてはどういうふうにお考えになりますか。
  322. 太田康二

    太田説明員 私も先般鹿児島県に参りまして、鹿児島県庁で地元の方々からこの陳情を受けたのであります。私は出かける前に、食糧庁の話も聞いていったのでありますが、聞いてみますと、災害によってブリックスが低下しておる、したがって、それによって原価計算をすると、たしかキロ当たり百十何円になる、にもかかわらず、事業団の買い入れの値段が八十何円で、もし農家に五千三百五十円の価格を保証すると企業に赤字が出るということで、何とか事業団から三億何がしの金を出してもらえないか、こういうお話であったわけであります。ただ、実際上、こういったことが出ましたことが初めての問題でもございますし、はたしてどういうふうに措置したらいいかという点につきましては、現在食糧庁のほうで検討中でございます。ただ、ここにございますように、企業の赤字を埋めるために直接事業団で、直に、ストレートで三億何がしの金を出すということは、なかなか実際上は困難ではないかというふうに考えますが、もちろんこれは農家の所得の確保という面におきまして、企業が農家からブリックスの下がったものを最低価格の五千三百五十円で買うということになりますと、確かに企業にしわが寄るという問題もございますので、慎重に検討をした上でお答えを申し上げたいと思います。
  323. 橋口隆

    ○橋口委員 それでは万事調査の結果ということになると思いますけれども、調査の結果がまとまりましたならば、それについて最大限の助成措置を講じていただきますように、特にお願いを申し上げたいと思います。  そこで最後に、ちょうど総務長官も見えておりますのでお伺いしたいと思いますが、こういうような災害はわが国では常に起こりがちで、毎年そのたびに政府では大騒ぎをするわけでございますが、現在の行政機構ではたして十分なものなのであるかどうか、その点についてお伺いをしたいと思います。
  324. 八木徹雄

    八木政府委員 ちょっと御質問の趣旨がよくわかりかねるのですけれども、行政機構というのは、災害対策に対する行政機構ということか、それとも災害を未然に防止をするための基本的施策という意味なのか、ちょっとわからないのですけれども……。
  325. 橋口隆

    ○橋口委員 こういう意味でございます。それは、現在各省が集まって災害対策本部をつくってそこで緊急に相談をするわけでございますが、これで一体災害が起きた場合に十分であるのか、それとも日本のように、いつもそういうような自然の災害地震であるとか暴風雪であるとかあるいは台風というような、毎年来るときまったそういう災害に対して、それを処理する行政上の措置というのは、いまのままの組織、災害対策本部を中心として各省が協議していく、そういういままでの行き方でいいかどうか、その点をお聞きしておるわけでございます。
  326. 八木徹雄

    八木政府委員 臨時行政調査会におきましても、災害省をつくれとか独立省で災害を引き受けろといったような構想は格別出ていないように思います。総理府が災害を担当するということの意味は、各省にまたがる総合調整という役割りを果たすという責任を持っておるわけでございますので、それぞれの省がそれぞれの専門のことについて対策を立てる全体調整というものを総理府でやるということで、迂遠のようなことであっても、必ずしもそれで能率が悪いということではなかろうと思いますし、現在の機構制度そのものもひとつさらに能率的に活用するということにおいて、御心配の向きは解消していくことではないかと思います。なおひとつ対策全体に対する能率化につきましては、各省間においてそれが実現できるように努力を重ねてまいって、心配のないようにいたしたい、こう思っております。
  327. 橋口隆

    ○橋口委員 現在の災害対策本部というのは常時どのくらいの職員で構成されておりますか。職員は全然いないで、事故が起きた場合に臨時的に処置するという機構でございますか。
  328. 上田伯雄

    ○上田説明員 お答えいたします。  総理府のほうで災害関係の連絡役に当たっておるわけでございますが、私のところで常時その連絡の役に当たっておる者は、私を含めまして、私以下という言い方をしますと、八人でございます。そこで臨時の大きい災害が起こったときに特別の組織をつくって対応するためには、各省の連絡会議だとか、被害災害対策本部とかいうようなものをつくりますと、各省の災害担当者をずらっと並べるわけでございますから、これは相当膨大な数字になるわけでございます。平常の平穏なときには、いま言いましたような数字の人間でそれぞれの連絡をとっておるわけでございます。これがまた都道府県や市町村に至りますと、私がいま申しましたように、全く同じじゃございません。都道府県、市町村、それぞれ特徴のあるやり方をもってやっておるわけでございます。そういうような体制で、数字はいろいろ大小さまざまございますが、大体似たような体系で行なっております。
  329. 橋口隆

    ○橋口委員 そうすると、災害が起きた場合に、常に中央、地方を通じて行政措置があまり敏速でない、そして手当てがいつもおくれるという非難が起こっておるわけでございますが、現在のままの組織で事務当局としては十分だとお考えになりますか。
  330. 上田伯雄

    ○上田説明員 事務当局の立場から申しますと、これだけの災害の多い、しかも予防の面からいいましても、災害の応急対策あるいは復旧の面からいいましても、これだけの膨大な仕事を一挙にやろうとしますと、それ専門の省でも要るというようなことになりかねないかと思います。こういうような現在の日本の縦割りの行政は、それはそれなりに長所はあるわけで、非常に専門的に掘り下げた、突っ込んだ行政が行なわれるわけでございますが、これが災害対策という——災害というのは、最初の予防から最後の復旧恒久対策までやらなければいかぬわけでございまして、これは河川一つとりましても、水系の一番上から海の中まで、恒久対策も応急対策も全部やらなければならない。そうしますと、これが農地問題あるいは厚生省の問題とか、警察の問題とか、こういうものを一つにでもすれば、あるいは迅速にいくかもしれませんですけれども、これは日本の行政機構を全部再篇成するということが必要ですし、また災害対策だけのものがそういう膨大になった場合に、その膨大なものが、とたんに数人の人間がやっておるように動くかどうか、これはまた検討の余地があろうかと思います。いまおりますところの人間は、非常に少数ではあると申しましても、むしろ各省の専門的立場を尊重しながら、それらの連絡を密にしていくほうが、かえって無用の混乱を起こしたりせずに、専門的、能率的にいけるゆえんではないか、いろいろ検討の余地はあると言いながらも、現在の機構はそれなりに長所もあるし、相当の能率性を発揮しておるんじゃないかかように考えております。
  331. 芳賀貢

    芳賀委員長 委員長から申しますが、ただいまの橋口委員の質問は、むしろ政府を代表して八木長官から、政府の見解としてどうなんですか。
  332. 八木徹雄

    八木政府委員 行政機構全体の再編成といいますか、改革という問題が政治のスケジュールにのぼってくるように調査会もできておることでございますので、やるべき時期が来ておるのではないかと思いますけれども、現在行管が進めておるのは、まだそこまで速度が進んでおりません。しかし、臨時行政調査会というものの答申もあっておることですし、総理もたびたび行政機構の簡素化、能率化、近代化ということを言っておることでございますので、その場合に、縦割りにやるのか、そういうような横割りにやるのかといったようなやり方自体については、意見のいろいろあるところだと思いますけれども、とにかく長年伝統的に行なってきております行政機構の抜本的改正につながるものでございますので、私がこういうふうになるであろうとか、このようにする予定でございますというようなおこがましいことを言えることでございませんので、御意見のところは官房長官を通じて十分総理にも申達をする、こういうことでお許しをいただきたいと思います。
  333. 橋口隆

    ○橋口委員 それでは最後に重ねてお聞きしたいと思いますが、日本では、将来のいわゆる防衛問題は、非常にばく大な金額を投じ、ばく大な機構をもって防衛措置を講じております。これは日本国家として当然やらなければならない仕事でございますが、いつ来るかもしれない、あるいはわからないという将来のそういう危険に備える防衛問題というのは十分もう論じられながら、自然の災害、わが日本では必ず起こる、毎年起こるということが目に見え切って、しかもそれがわれわれ国民を非常に苦しめている、こういうような重大問題に対して、特別の機構がつくられもしなければ、現在の縦割り機構のままでももっと充実してもいいはずであるのに、これが一向講ぜられないのは、日本の行政機構の重大な欠陥ではないかと思います。災害が起こるたびに、地方からは県市町村当局あるいは議員の人たち、被害者がそれこそむしろ旗を立てて、またばく大な経費を使って上京して、陳情して各省をぐるぐる回っていく。そして政府はすったもんだのあげく、もう被害がいえかけたころになってからやっと手が打たれるというのが日本災害対策ではないかと思います。そこで、この行政機構の問題だけにはとどまらないわけでございますが、さしあたって現状のままでももっとこの行政機構だけは充実していく、そして、ほかの行政機構は今回一省一局の削減という重大措置を講ずるわけでございますが、必要な方向に対しては弾力的にそういうような充実ができるようなことを、私は政府当局が行政改革の際に考えるべき問題ではないかと思います。また現在の事務当局も、先ほどの考えでは、これでもいいんじゃないかというお考えですが、私は決して十分だと、本心からそう考えてはおられないと思います。もう少し充実すれば、もっと政府の動きというのは活発になって、万全の対策が講じられ、また将来の予防措置まである程度は講じられるのではないかと考えるのでございます。そこで、この問題につきましてはどうかひとつ行政機構上の重大な問題点だとお考えになりまして、ひとつ総務長官中心に、この問題を十分御検討を賜わりたいと思います。最後に御所見をもう一回承って、私の質問を終わりたいと思います。
  334. 八木徹雄

    八木政府委員 貴重な御意見として拝聴いたしまして、よく関係者と協議をいたすことにいたしたいと思います。
  335. 芳賀貢

    芳賀委員長 本日はこの程度にとどめ、次回は公報をもってお知らせすることとし、これにて散会いたします。    午後五時五十七分散会