○川村
委員 関連してですが、稻富
委員からお話がありましたから、私、とやかく申し上げてお尋ねしなくてもいいと思いますけれども、一言、稻富
委員の質問の中の一つについて、これはやはりぜひ御検討いただきたいと思うのです。
それは、いま
水産庁の次長さんからいろいろお話がありましたので、研究所の設置問題についてお考えはよくわかります。ところが、私は先般各県の
ノリの研究所あるいは
水産試験場等々の今日の機構、それから各県における予算の
資料をいただいたので、それを見てみました。気づいたことはこの
ノリの研究等にしましても、
ノリを
生産するというような増産面では非常に配慮されているようなあとが見える。ところが病気を予防するとかそういう研究面はどこの県でも非常に手薄のように思うのです。それが一つ。それからいま一つは、各県のこの
水産研究所等の予算がまことに貧弱だ、こういうことが痛感をされます。
そこで、私のは要望になると思いますが、せっかくのお話で、研究所等を国でつくる必要はないというような前提に立ってこれからの
研究体制を
強化していこうというお話でございました。しかし、今日、私が申し上げるまでもなく、あの
付近の沿岸漁業の漁民をささえているものは
ノリです。今日は魚介類等で生計を維持しろといっても、これはもう無理です。特に最近はそういう魚介類等も全く
生産が落ちてしまっておる。この
ノリは、たとえば
九州の有明なら有明の沿岸漁民をささえている唯一の収入源ですね。となると、
ノリはやはり
日本の漁民の立場から十分尊重してもらわねばならぬということ。何も韓国
ノリを持ってくればいいじゃないか、そういうことは許されないということ。それからいま一つは、今日は御承知のとおり、
日本人の
ノリの消費量が非常に伸びておりますから、
ノリは重要な生活物資となっておること等々を考えますと、この
ノリというものを、
水産庁、
政府においても、もっともっと高く評価してもらうということが必要ではないか。そういう点から考えてみますと、せっかくの次長さんのお話だったけれども、いままでのような、あるいは少してこ入れしたような研究では、今度のような思いがけない
白腐れ病等が発生した場合には、手の施すすべがないのではないか。これに対応するところの研究というものがぜひ必要になってくる、私はこう思うのです。それからいま一つ申させていただきますと、今度の
白腐れ病について、十分先ほどの理由はちょうだいいたしました。しかし私は、せっかくのお話でございまして、今度は検討をされましてそういう
原因を一応あげていただきましたけれども、まだその
原因には疑問が残るわけです。もうこれはこのとおりだという確信というものは、ひょっとすると皆さん方にもあるいは疑問が残っておるのじゃないか。私にもやはり疑問が残る。と申し上げますのは、干ばつによる
海水の比重が高まった場合に、一体別の影響はなかったか。たとえば陸上から流れ込むいろいろの汚水関係あるいは工場廃液というようなものがなかったかという問題点もやはり疑問として残ってまいります。あの
白腐れ病が起こったときに、漁民は自分なりに手当てをしてみたのです。しかし全然ものにならない。ということは、ただ
海水の比重が高まったとかあるいは非常に気温の
変化があったとかいうことだけではなかなか解決つかない
原因がもっとどこかにひそんでおるのではないかという疑問が、しろうとながら残ります。これは学者の問でも、何かいろいろ指摘されておるようであります。あるいは有明の海の老化現象という意味で指摘をされておる面もございます。そういうようなことを考えると、
ノリを含めて沿岸漁業の——浅海漁業とでもいいますか、こういうところが非常に大きな危機に立っておるような気がいたしますから、研究は進めていただきますけれども、ひとつこれは
水産庁あるいは
政府側で、
九州を一つにしたというか、西
日本を一体にしたというか、何とかもう少し権威のある強力な研究機関をつくってもらいたい。ということは、国立の
ノリ研究所でもいいです。そういうものをつくってこれに対応してもらうような処置が大事ではないか、こう思われてなりません。
そこで、私はそういう意見を申し上げてさっきせっかく稻富
委員からお話がありましたように要望するわけです。ひとつ簡単でいいですから、御見解を聞かせていただきたいと思います。