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1968-04-24 第58回国会 衆議院 建設委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年四月二十四日(水曜日)    午後一時四十三分開議  出席委員    委員長 加藤常太郎君    理事 砂原  格君 理事 丹羽喬四郎君    理事 森下 國雄君 理事 渡辺 栄一君    理事 岡本 隆一君 理事 佐野 憲治君    理事 内海  清君       伊藤宗一郎君    池田 清志君      稻村左近四郎君    佐藤 孝行君       正示啓次郎君    田村 良平君       葉梨 信行君    橋口  隆君       廣瀬 正雄君    阿部 昭吾君       井上 普方君    唐橋  東君       島上善五郎君    下平 正一君       渡辺 惣蔵君    北側 義一君  出席国務大臣         建 設 大 臣 保利  茂君         国 務 大 臣         (経済企画庁長         官)      宮澤 喜一君  出席政府委員         行政管理庁行政         管理局長    大国  彰君         経済企画庁水資         源局長     今泉 一郎君         建設大臣官房長 志村 清一君         建設省計画局長 川島  博君         建設省河川局長 坂野 重信君         建設省道路局長 蓑輪健二郎委員外出席者         議     員 内海  清君         警察庁交通局交         通規制課長   玉田 茂芳君         行政管理庁行政         監察局監察審議         官       杉浦  滋君         農林省農地局参         事官      佐々木四郎君         運輸省鉄道監督         局民営鉄道部長 山口 真弘君         参  考  人         (水資源開発公         団総裁)   進藤武左ヱ門君         参  考  人         (水資源開発公         団総務部長)  小久保欽哉君         専  門  員 熊本 政晴君     ————————————— 四月二十二日  委員齋藤邦吉君及び葉梨信行辞任につき、そ  の補欠として木部佳昭君及び大野明君が議長の  指名委員に選任された。 同日  委員大野明辞任につき、その補欠として葉梨  信行君が議長指名委員に選任された。 同月二十三日  委員葉梨信行君及び小川新一郎辞任につき、  その補欠として大野明君及び渡部一郎君が議長  の指名委員に選任された。 同日  委員大野明辞任につき、その補欠として葉梨  信行君が議長指名委員に選任された。 同月二十四日  委員井上普方辞任につき、その補欠として唐  橋東君が議長指名委員に選任された。 同日  委員唐橋東辞任につき、その補欠として井上  普方君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 四月二十三日  都市計画法制定反対等に関する請願(松本善明  君紹介)(第四五三二号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  水資源開発公団法の一部を改正する法律案(内  閣提出第七二号)  土地価格抑制のための基本的施策に関する法  律案内海清君外一名提出衆法第二〇号)  建設行政基本施策に関する件      ————◇—————
  2. 加藤常太郎

    加藤委員長 これより会議を開きます。  土地価格抑制のための基本的施策に関する法律案議題といたします。
  3. 加藤常太郎

    加藤委員長 まず、提出者より提案理由説明を聴取いたします。内海清君。
  4. 内海清

    内海(清)議員 私は、民主社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました土地価格抑制のための基本的施策に関する法律案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。  最近における土地価格高騰はまさに異常であります。昭和三十年三月から昭和四十二年九月までの間に、全国市街地平均地価は九・二九倍、六大都市平均地価は十一・九倍に達し、しかもいまなお急騰を続けているのであります。  このような異常な土地価格高騰は、公共事業の円滑な進捗をはばみ、国民持ち家建設の夢を奪い、産業におけるコスト増をもたらし、さらに一般物価騰貴の一因となるなど、国民生活安定向上国民経済成長発展に重大な支障を及ぼしていることは周知の事実であります。  土地価格高騰のおもな原因は、人口と産業都市集中に伴う膨大な土地需要にあることは言うまでもありませんが、他方、公的機関用地取得価格の不統一等地価評価にかかる混乱土地価格高騰を助長しております。また、地価高騰による極端な私的利益の放置は、社会的不公正を引き起こすとともに土地投機対象化をもたらして土地価格急騰を一そう促進している現状であります。  住宅難交通難公害等、山積する都市過密の弊害の解決は、緊急の課題でありますが、これら都市問題解決を阻害する最大の要因が地価問題にあることが明らかなとき、抜本的地価対策の確立こそ今日の急務の課題であります。  昭和三十九年、衆議院における三党共同地価安定施策の強化に関する決議をはじめとし、各級機関から数多くの地価対策に関する提案が行なわれてきておりますが、現在に至るまで実効ある対策は講じられていないのであります。  過般、審議されました都市計画法案は、都市における総合的な土地利用計画の策定をはかる法案としてその価値を評価しますが、地価対策が同時に実施されぬ限り、同法に基づく合理的な土地利用計画実施は不可能と考えられます。  土地価格高騰抑制してその適正化をはかるため、土地基準価格を設定し、これを公示する制度を設けるとともに、税制上の措置その他土地価格抑制に関する施策基本を確立することが必要不可欠であります。  以上がこの法律案提案理由でありますが、次にこの法律案要旨について御説明申し上げます。  第一に、国及び地方公共団体の所有し、または管理する土地並びにその他公共施設の用に供されている土地以外の土地について、土地基準価格を設定し、これを公示する制度を設けることといたしました。  すなわち、土地基準価格決定手続としては、都道府県知事は、建設大臣土地基準審議会及び関係行政機関の長に協議して決定、告示した土地評価基準に従って、当該都道府県土地評価会基準日現在における土地評価を行なわしめ、この土地評価に基づいて決定しなければならないことといたしております。  また、土地基準価格の告示は、都道府県知事土地基準価格決定後、直ちに、土地基準価格台帳に登録し、土地基準価格台帳関係者の閲覧に供するほか、必要な措置を講じなければならないことといたしております。  このようにして、評価決定された土地基準価格は、当分の間、据え置くものとし、物価の著しい変動等により適正を欠くに至ったと認められる場合に限り、これを変更することができることといたしました。  なお、公共利益となる事業の施行により周辺の土地が増価する場合は、その増価を理由として土地基準価格を変更することができないことといたしております。  第二に、国及び地方公共団体は、国、地方公共団体その他の公的機関土地等取得価格が、土地基準価格によって算定した価格をこえないように必要な措置を講じ、また、土地または土地に関する所有権以外の権利を収用する場合における補償金の額が土地基準価格または基準価格基礎とした価格によって算定されるように関係法律で定めることとし、公共用地取得価格などの統一合理化をはかることといたしております。  第三に、土地等価格高騰抑制することに資するため、国税たる土地高価譲渡税制度を設けることといたしました。  土地高価譲渡税は、土地基準価格または土地基準価格基礎とした価格をこえる対価で土地等を譲渡した者に対し、基準価格をこえる部分の金額課税標準として課すこととし、土地高価譲渡税収入額に相当する金額を宅地の開発に関する費用に充てることといたしております。  第四に、土地の有効な利用を促進し、土地価格高騰抑制することに資するため、市町村税たる余裕地税制度を設けることといたしました。  余裕地税は、人の居住または事業の用に供される建築物敷地として利用することのできる土地利用されていないもの及びこれらの用に供される建築物敷地としてはその土地の面積が過大である場合等には、当該土地に対して課する固定資産税納税義務者に課することといたしております。  第五に、土地評価基準その他土地評価に関する重要事項調査審議するため、建設省土地評価基準審議会を、また、土地の適正な評価を行ない、土地基準価格決定に資するため都道府県土地評価会を置くことといたしました。  第六に、国及び地方公共団体の責務並びに土地所有者事業者その他の関係者協力義務についての規定を設けるほか、建設省設置法について所要の改正を行なうことといたしました。  以上が、この法律案提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決くださるようお願い申し上げます。
  5. 加藤常太郎

    加藤委員長 以上で本案趣旨説明は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ります。      ————◇—————
  6. 加藤常太郎

    加藤委員長 理事会協議により、この際、建設行政基本施策に関する件について調査を進めます。  質疑をされる委員各位に申し上げますが、質疑時間は一人三十分をかたくお守りください。  岡本隆一君。
  7. 岡本隆一

    岡本(隆)委員 昨年の十一月十日の本委員会におきまして、私は、国道二十四号線の、最近とみに激しくなってまいりました交通麻痺状況につきまして、この委員会警察庁並び運輸省からも当局の方に出てきていただきまして、いろいろ意見の交換をやったのであります。その節、当初あまり交通がひんぱんでなかったために問題になっておらなかったような交差点でありますが、しかしながら、その後とみに交通量が増し、都市が著しく発展してきて、そのためにいろいろな支障が出てまいっておるような地域につきましては、それに即応したところの措置をとってもらわなければならない。私が指摘いたしておりますのは、国道二十四号線と京阪電車宇治線との交差しておる交差点の問題でありまして、この地点ゴーストップをつけることができましたら非常に交通事情が緩和される、こういうふうなことで、地元の者も非常にそれを強く要望しておるのであります。御承知のように、ゴーストップがあると一たん停車義務が免れます。ところが、遮断機がおりまして相当な自動車が待機しておる。さらにそのまま横に停留所がございますので、非常に多くの乗降客がございます。したがって、乗降客が乗り降りする間、自動車は二百メートル、三百メートルの長きにわたって列をなして待っておるのでございますが、今度出発するときに、その一台一台が全部一たん停車をしなければならぬ、だから車のはけが非常に悪いのです。だからそこにゴーストップをつけてやって、発車していく車がノンストップでどんどん走って出られるようにすれば、非常にはけがよくなるのです。ところが、その車がはけないうちに反対方向の車がやってくる、また遮断機がおろされる、こういうことになってまいりまして、現地では非常な激しい交通麻痺が起こっておる。ことに最近、この四月、五月になってまいりますと、行楽シーズンになりまして、京都から奈良に行くところの観光バスが非常にたくさんございます。そういうような観光バスがどんどんまたその列の中に加わるものでございますから、最近はもう数百メートルにわたるところの交通麻痺が起こっておる。こういうような非常な交通渋滞を起こしておるのでございます。昨年の委員会におきましては、いろいろ議論をいたしました結果、時の政務次官でありました澁谷政務次官から、とにかく関係当局が寄ってすみやかに結論を出すように努力したい、こういうふうな仲裁が入って、一応おまかせした、こういう形になっておるのであります。ところが、その後半年たちますが、一向にその状況は改善されません。さらにまた地元では交渉は持たれておるようでございます。交渉は持たれておるようでございますが、それが何か行き詰まってしまって、どうにも動きがとれないというふうな状況のようでございますが、その交渉経過、さらにまた、現在どのような話し合いでもって今日まで半年たってもなお、ゴーストップ一つつけるという、われわれから考えてみればきわめて簡単なことがどうしてできないのか、この間の事情をひとつ運輸省警察庁と、さらにまた、建設省としてはどういう努力をお願いいたしましたか、三者からその間の経過をお聞かせ願いたいと思うのであります。
  8. 山口真弘

    山口説明員 お答え申し上げます。  昨年の十一月、先生からこの観月橋に関します踏切に関します御質疑がございまして、その際私が御答弁申し上げたところでございます。問題は、現地事情等を十分に調査をいたし、さらに現地の第一線の各種機関の相互の連絡協議ということによって解決しなければならぬ、このように申し上げたところでございます。そこで、私どもといたしましては、現地陸運局を通しまして、会社等につきましても、御説のような方向調査、並びに解決方向というものを見出すように関係機関とも十分に折衝いたしまして、やるように指示をいたしておるわけでございます。それで、現地におきましては、会社並びに公安委員会等におきましてこの問題の数回の交渉が持たれて、現在もなお持たれておるようでございます。ただ、問題は非常に複雑でございまして、と申しますのは、ただいま先生おっしゃいましたように、交通信号機性格というものは——道路交通法によりまして、自動車踏切に入る前に一たん停車しなければいけない。その一たん停車をしなければならないという趣旨のものは、鉄道性格上、非常に高速運転をするということ、しかも、高速運転する鉄道車両がとまることが非常に困難だ、急停車が非常に困難だというところにその根本の原因があるわけでございますが、そういうような鉄道性格からいきまして、どうしても踏切に入る自動車側におきまして十分に注意をして踏切に入っていただかなければいけない。踏切内の交通自動車滞留というものは、交差点における滞留等と違いまして、即事故につながるという非常に危険な性格を持っておるということで、道路交通法踏切における一たん停止義務というものが規定をされておるわけでございます。しかしながら、そういう一般的な問題でなくして、具体的な各種の各地域における問題につきましては、これを一たん停止義務を解除しても差しつかえないというところにつきましては、地元警察側道路管理者側鉄道側、三者が協議をして一たん停止義務を解除する、そのために交通信号機を設ける、こういうことでございます。  そこで、本件の踏切に関しまして会社並びに公安委員会のほうが何べんも会合を持たれているようでございまして、それによりまして、これに交通信号機をつけることがはたしていいかどうか、はたしてこの渋滞の解消になるかどうか、危険性がないかどうかというような点で検討を非常に持たれたそうでございますが、いま私どもが聞いておりまする限りでは、まだ完全な結論に至っていない、技術上の問題、保安上の問題その他まだ結論に至っていない、このように考えております。
  9. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 ただいま御質問の観月橋地点交通混雑につきましては、いまの京阪と二十四号線との信号による交通処理という問題がとりあえずの問題かと思います。ただそれだけでは将来の交通になかなか対処できないということもございまして、ここを全部立体交差にするという計画をいまつくっております。その計画は、現在の二十四号線、南北に走っております現在の国道の中の観月橋でございますが、さらにこの観月橋の上にもう一つ立体の橋をつくる、それで京阪とも立体交差にし、宇治川沿い道路とも立体交差にするというようなことでいま計画をしておる次第でございます。これにつきましては、四十三年度予算に事業費八百万をつけまして、実地の調査実施計画をつくるということをやりたいと思っております。これがいつできるかという問題でございますが、現在のところ、やはり総工事費八億五千万円くらいかかるのではないかというふうに試算しておりますが、問題は、やはりその二階建ての橋の取りつけのランプのところで現在の二十四号線を広げなければならないということがございまして、その用地買収をしなければならぬようなことになるかと思うのであります。この用地買収も、実はその計画地元の了承が得られれば、四十二年度中にも用地買収交渉を始めたいというふうに考えておる次第でございます。
  10. 玉田茂芳

    玉田説明員 警察庁といたしましても、現地京都府警に先般の本委員会状況を伝えまして、これの促進につきましてつとめておる次第でございます。先ほど運輸省からもお話がございましたように、たびたび連絡を持ちまして具体的に計画を練っておるところでございます。ただ、ただいま道路局長からのお話もございましたように、道路改良によります現地の模様が変わること、それから特に二十四号線と京都市道外環状線改良計画に対応いたしまして、信号機現状のままではできないというようなこと、それから現地交通処理のいろいろな技術的な問題につきまして、特に二十四号線を北行いたします交通京都宇治線のほうに右折する場合の処理につきまして、どういうような信号表示計画をすればいいかというようなことにつきまして検討を加えておるところでございまして、いろいろ一次案をさらに修正いたしまして、二次案をいま検討しておるところでございますが、そういうような問題を詰めまして成案を得たいということで、いま鋭意努力をしておるところでございます。
  11. 岡本隆一

    岡本(隆)委員 いま山口部長からのお答えによりますと、この軌道国道との交差については、軌道高速のものが走るところだから危険が多い、こういうふうなことでございました。しかしながら、この場所に限っては高速のものの走るところではないのです。その道路のま横に停留所があるのです。だから宇治からやってまいりました車は、停留所ですから、国道二十四号線にかかる手前で必ず一たん停車いたしております。そこから乗客を積めば発車するわけです。それから、京都から参りました宇治行の車も、二十四号線を過ぎれば、すぐにそこに停留所があるのでありますから、もう停車の姿勢に入ってうんと速度を落として、停車するという寸前の状態できわめてスピードを落としてこの国道二十四号線にさしかかってくるわけです。だから何どきでもぐっとブレーキを踏めば、一メートルも惰力で走らなくてもすぐとまれる地点になっておるわけです。だから、高速のものが走るから危険だ、こういう論法は全然通用しないのです。にもかかわらず、そういうようなことをたてに電車側信号機をつけることを拒否するということは、どうしても私はふに落ちない。そういう状況でありながらなおかつゴーストップをつけることを拒否し得るような理由がどこにあるのか、それをひとつ御説明願いたいと思うのです。
  12. 加藤常太郎

    加藤委員長 政府委員の方に申し上げますが、時間の制約がありますので、要点を簡潔に時間短く……。
  13. 山口真弘

    山口説明員 お答え申し上げます。  ただいま先生から御指摘がございましたが、私が先ほど申しましたのは、一般的には鉄道道路踏切というものに対する考え方はどうあるべきかということにつきまして、鉄道は原則として高速である、そうしてさらに、鉄道性格上、ブレーキをかけてもすぐにとまれない。当該踏切におきましても、比較的停車場に近いわけでありますが、とにかくそういう点がございます。そこで、そういう一般的な問題を踏まえて、道路交通法考え方というものは、踏切自動車が入る場合には一たん停車しなければならぬ、ただし、具体的な問題といたしましては、その具体的な場所場所におきまして危険性が少ないというような問題等を考えて、現地公安委員会なり鉄道事業者なり道路管理者なりと相談をして、ここはだいじょうぶであるとか、だいじょうぶでないとかいう判断をした上で建設をすべきものである、こういう申し上げ方をしたつもりであります。
  14. 岡本隆一

    岡本(隆)委員 一般論としてならわかります。だから、私はすべての踏切ゴーストップをつけろと言っているのじゃない。非常に混雑して交通麻痺が激しくなってきておる、少なくともわれわれが常識的に考えたら、停車しておるか停車寸前になっておる車がよぎるところの踏切であるから、ゴーストップをつけてもさしたる障害はあるまい。ただ一つ電車ダイヤが幾分狂います。ゴーストップが赤になっておる間待機しなければなりませんから、一分か二分そのゴーストップの赤になっておる時間待機しなければならないだけ電車ダイヤが狂ってくる。これは考えられます。しかし、それくらいのしんぼうは電車側で忍んでもらわなければならないのではないか。ただいまあなたもお聞きになったように、たいへんな交通麻痺だから、八億五千万かけてこれから二、三年計画立体交差工事をやろう、ここまで建設省としても踏み切らざるを得ない、こういうふうな状況になってきておる。しかもこの地点はここ二、三年来どんどん交通事情の悪化していく地点でありまして、私が昨年十一月にあなた方にいろいろお尋ねをいたしました当時と半年後の今日とでは、事情に非常に大きな開きが出てまいっており、交通麻痺が一そう激しくなってきておると思うのです。だから、交渉が長引いておるが、これはあまり待っておれない、何とか早急に解決しなければいかぬ、私もこういうふうに思ったから、重ねて本日お出ましを願ったのでございますけれども、これは、ことしさらに半年延びましたら、もっとひどくなっていくと思います。だから、建設省がいまやろうとしておる工事を三年間待つわけにいかない。だから、その工事ができれば、またその時点で考えればいいのですが、とにかく応急的な措置として、当面ここ二、三年ゴーストップをつけて、電車側にもひとつその信号に従ってもらえないか、こういうことを私は申し上げておるのです。だから運輸省も、ここでこういうふうな議論が出て、およその方向が出れば、電車側があまり無理を言わぬような行政指導をしてもらわぬと困るのですが、重ねて御見解を承りたいと思います。
  15. 山口真弘

    山口説明員 お答えいたします。  ただいまのお話の中で、ダイヤの多少の乱れはがまんしていただかなければいかぬというお話でございましたが、この点は、実は鉄道基本的な性格といたしまして、ダイヤによって運転をいたしておるわけでございまして、ダイヤ乱れというものは事故とのつながりも非常に深いし、さらに、この線におきましても、最大一時間二十本くらいの列車が動いていると思いますが、それが二分なり三分なりおくれるということになりますと、全線大混乱ということに相なるのではないかという点もございまして、必ずしもそういうダイヤの若干の乱れは差しつかえないというわけにもいかないのじゃないかと思います。ただ、私先ほど申しましたのは、具体的な事情を考えまして、そこの一たん停止義務を解除いたしましてもさしたる支障がなくやれるというふうなところは、一たん停止義務を解除するために交通信号機を設置してもいいのじゃないか、このように考えておりますが、ただ、この具体的な踏切に対しましては、先生承知のとおり、国道二十四号線と、さらに府道両方ございまして、それが踏切にかかるというような非常に複雑な地形でございまして、その意味におきまして、踏切の一たん停車というものと交差点における混雑というものが両方がいろいろからんで、むずかしい問題があるようでございます。そういう点で、公安委員会側並びに鉄道側両方がいろいろと調査をしておるようでございますが、つけたほうがいいという結論が必ずしもまだ出ていないというわけでございます。
  16. 岡本隆一

    岡本(隆)委員 ダイヤが大事だ、それでは、ダイヤを守るためには道路の上はどんなに混雑してもいいということになるのですか。その次に、一時間に二十本通っているといまおっしゃいますが、この前のあなたの御答弁では、一日に百二十本通っている、こういうふうな御答弁でございました。この前は一日に百二十本だという御説明でございましたが、きょうは一時間に二十本だという。いまの答弁ですと、一日にかりに二十時間通るとして、二百四十本ですね。そんなに数字がくるくる変わっては困ると思うのです。あなたは現地をあまり知らずにものを言っておられると思うのですが、知らなければ、ちゃんと現地から説明をとって、十分な資料を持って、それで委員会に臨んでもらわぬと困る。私は自分の生まれたところで、住んでいる土地ですから、よく知っています。それで、そういうふうなダイヤ乱れるかどうかくらいのことも、私自身、私なりに判断しております。これは中書島から分かれるところの支線なんです。だから本線と関係ないのです。また本線から直接乗り入れてくるのもあります。ありますが、これは幾らでも調節はつくはずです。中書島で乗りかえて、その次の停留所観月橋。問題の地点なんです。だからダイヤにそんなに大きな影響があるとは私にはどうにも思われません。その次に、運行される数でございますが、大体一時間に四本か、せいぜい五本です。だから、往復合わせますと十本程度です。だからあなたの二十本という運行回数は、倍に水増しされているのです。だから、あなたの、いやダイヤ乱れるから困るというふうなことは、これはもう理屈にならないと思う。  さらにまた、私が申しておるのは、そういうふうな、運行回数は比較的少ないし、ダイヤにも影響は少ない。にもかかわらず、がんとして電車側が拒否しておるのです。公安委員会なんかは、つけよう、ぜひつけさせてもらいたい、つけたい、こう言っているのです。交渉の経緯もある程度聞いております。私はやはりこういう議論をいたしましたら、そのつど地元に帰って、地元からやかましく言ってきておるところの市会議員の諸君やその他に説明しております。その説明をして、だからもうつくような話になるから、君ら協議の場合しっかりやって、早く交通麻痺が解消できるように努力せよ、こう言っているのです。ところが、その話をいたしますと、いやどうにも困るという。一番の理由は、いまあなたがおっしゃるとおりなんですね。ああいう大きな、ずうたいの割りに速度の早いものが入ってくるのだから、何かの間違いで、もしそこのところに通ってくる車にぶつかったら、そのときの事故の責任はだれが負うてくれる、公安委員会が負うてくれるのかというようなことを言って、難題を言うのです。そういうことを言ってがんとして電車側が拒否しておるというのが今日の事情なんです。だから私は言うのです。そんなふうな電車側のわがままは困る。少なくとも建設省では、今日この交通事情の緩和のために八億五千万もかけて三年計画でやろうというふうな計画すら出ておる。それほど今日交通事情の緊迫しておる地点なんです。だから、そういうふうな交通事情の非常にきびしくなってきておる地点については、そういう改良工事ができるまでの暫定措置として、当分の間ひとつゴーストップに従って交通麻痺の緩和に協力してもらえないか、こういうことを私は言っておるのです。また、それくらいな受忍義務は電鉄側にもあると私は思うのです。だから、そういうふうな行政指導を運用省としてやってもらわなければ困る、こういうことを申しておるのです。あなたがそういうことについて軽々しく言えぬというなら、だれなら言えるのです。その人に来てもらわなければしようがない。あなたはやはり民鉄の運営について一応責任を負っておられる方だと思うから、あなたに来ていただいた。もしあなたではとてもそんな返事はできぬとおっしゃるなら、これはこの委員会に運輸大臣でもだれでも来てもらって、そういうふうな事情をよく聞いていただかなければしようがないと思うのです。
  17. 山口真弘

    山口説明員 まず、ただいまの数字の問題でございますが、先般の委員会で私百二十本と申し上げたつもりはございません。私はその際は何本ということを申し上げなかったつもりでございます。警察庁の方から二百十回という申し上げ方をしておると記憶しております。  なお、先ほど申し上げました二十回と申しますのは、これは最大の一時間におきます列車回数でございまして、平均回数ではございません。最大は現在二十回以上でございます。  それからなお、先ほど私が申しましたように、鉄道道路との関係、踏切におきますところの通行問題というのは、原則的には先ほど申しましたところで、ただそれを具体的な問題として、どこをどうしなければならぬということは、現地の実情を十分に考えてやらなければならぬということを申し上げておるのでありまして、この問題につきましても、現地鉄道事業者公安委員会とが相談をいたしております。私どものほうから、この前の御質疑問題等につきましても十分現地に話しまして、そういう方向検討をいたしておるわけでございますが、まだ公安委員会側の御意見等もいろいろありまして、完全な一致を見ておらぬ、こういうことでございます。
  18. 岡本隆一

    岡本(隆)委員 それではあなたのほうでは、そういうふうな道路建設が今日の交通事情混乱についていけない。ついていけないから、それだけの応急措置をどうしてもみんなが協力しなければならぬ。今日では、その電車遮断機がおりている間、一応自動車のほうで待機しておる。電車側も従前の姿とちっとも変わらない、何らそれに対処するところの道を開いておらない。そういうふうな一般的な電車側のあり方というものについて、運輸省としてはどう思っておられるのですか。それは正しいあり方だと思っておられるのですか。やはりそういうふうな事情になってくれば、これはもう電車側も通行者側も——またそれによって非常な迷惑を受けるのは、これは沿道の住民なんですよ。自動車がずっと数百メートルにわたって並んでおる。それがぼつぼつ出て、その向こう側に渡れないのですよ。全然渡れないのですよ。そういうような義務を住民が負わなければならぬ。そういうようなことが正常な政治の運行かということですね。だから、そういうふうな事情になったらそれに従うようにというふうなことは、運輸省としても指示を授けても当然じゃないですか。だから、そういうふうな指示をしなさい、してもらえぬか、こう言っているのに対しまして、いや、現地で相談しているから、現地まかせだ、それじゃ何にもならぬじゃないですか。これだけ委員会でわれわれが事情を詳しく言ってわからぬのでは、もう一ぺん地図を書きましょうか。地図を書いてもう一ぺんこの前のとおりやろうか。この前そういうふうな地図まで書いてわかりやすく説明をしておるにかかわらず、あなたのほうでは何らそういう誠意のある措置をとっておらない。だからこんなことを繰り返して言わなければならぬのです。だから、そういうふうな事情の変化に対応するのに対して、住民や通行するところの自動車はたいへん困っておる、電車側は何らそれに対応するところの措置をとっておらない、そういうようなことはそれでいいのかどうか、それについて運輸省としてはどういう見解を持っておるのか、それに即応する必要はないと考えておられるのか、あるいは即応する必要があると考えておられるのか、あるとするなら、どういう措置をとられるか、もう一ぺん答弁してください。
  19. 山口真弘

    山口説明員 道路交通混雑の緩和をする必要があるということにつきましては、お説のとおりでございます。各地の道路の整備というものが完全にできない場合に、各種措置によりましてこの道路交通混雑の緩和というものに対しましては十分協力をするということは、当然のことでございます。ただ、同時に、これは一方において交通の安全、人命の尊重、事故の防止という点がございます。踏切の問題というのは、事故の防止、人命の尊重という点に非常に関係がございます。最近の鉄道事故というものは全体として非常に下がってきておりまするけれども踏切事故だけは、何とかしてやっておりますが、若干は下がっておりますが、まだまだ下がっておらないわけでございます。そこで、踏切事故の防止、人命の尊重をはかるにはどうしたらよいかということの一つのあらわれが、道路交通法によるところの一たん停止の義務でございます。そうしてとにかく一たん停止義務によりまして事故を防止するというたてまえでございます。ただ、そう言いましても、具体的な問題といたしましては、先ほど申しましたように、この一たん停止義務を解除してそうして道路交通の緩和をするということが適当という場合につきましては、これはそれに従って一たん停止義務を解除していくということが適当じゃないか、このように思うところでございます。  それで、本件の問題につきましても、私ども、先ほど申しましたように、現地陸運局を通じまして会社に対しまして、とにかく、当委員会お話もございましたし、そういう方向でいろいろと検討してもらいたい、交通信号機の設置というようなものも十分に考えて検討してもらいたいという趣旨で、会社公安委員会がいろいろと折衝をいたしておるわけでございます。ところが、先ほど申しましたように、この地点は大きな二つの道路がそこへ参っておりまして、しかも観月橋道路幅員というのが非常に狭いというような非常に特殊な事情にございまして、その場合にいまどんな形で交通信号機をつけるのがよいかということにつきまして、公安委員会の側にもいろいろ考えがございまして、その間の技術的な検討ということをただいまやっておるところでございまして、この点はそういう意味でまだ進んでないということでございます。先生がおっしゃるような道路混雑を軽視するという意味では全くございません。
  20. 加藤常太郎

    加藤委員長 岡本君にちょっと申し上げますが、三十分のお約束の時間が過ぎておりますので、至急お打ち切りを願います。
  21. 岡本隆一

    岡本(隆)委員 山口部長踏切一般論としてあなたはおっしゃっている。しかし、この踏切は特殊な踏切だということを私は申し上げておる。というのは、停留所がま横にあって、そこへ入ってくる車は必ず一たん停車しております、停留所のほうにある片側は。それから反対方向から来る車は、停留所のまん前に、きわめて徐行の状態で差しかかる車だ。だから、ここで起こるところの踏切事故というものは、そんなに高速のものが走るような場合として考える必要はない。ですから、踏切の中に車がある状態にあったとしても、電車がぐっとブレーキを踏めばすぐとまるというような姿勢で差しかかってくる踏切だ。だから、いまおっしゃるような高速のものの走る踏切として考える必要がないということが一つ。  それから、あなたは、ダイヤ鉄道の使命だとおっしゃいます。なるほどそれはわかります。しかし、そういうことは、現地で六十年間生きているんですよ、だから、その路線が一体どのようにダイヤに影響があるかぐらいのことは、二、三分そこに長くとまって、そのために本線にどのような影響があるかぐらいのことは、百も私にはわかっています。そういう上に立って私は、どうしてここに信号機をつけることを電車側が拒否するのか、理解に苦しんでおる。  それから、交渉経過を聞いておりますと、公安委員会は、つけたい、つけさせろということを要求しているのですが、電車側がそれに同意しないのです。だから協議が成り立たないのです。これは自民党と共産党との話し合いのようなかっこうになっているんですよ。そういう点で、公安委員会としては、つけていい、つけるべきだという結論を出しているのです。それに対して電車側がオーケーしない。あなたがそういうふうなあいまいなことでいつまでもおられるならば、またもう一ぺん、今度は現地の公安委員長電車の社長と、関係の人にみんな来てもらって、そうしてここで議論をしてもらうよりしようがないですよ、そんなことをおっしゃるなら。そういうふうなくだらぬ手数をかけなくとも——あなたがもし私が言っていることがおかしいと思われるならば、だれか係の人を現地調査によこしなさいよ。よく説明してあげますよ。運輸省としても、常識じゃないですか。その常識を電車側ががえんじないというようなことでは、しかるべき措置をやはり運輸省としては指導する必要があるのではないか。そのことを私は要求しておきます。
  22. 山口真弘

    山口説明員 現地公安委員会が要求をして鉄道が断わっているという話は聞いておりません。その点は、先ほど申しましたように、具体的なやり方の問題、技術の問題等につきまして会社現地公安委員会がいろいろ相談をしているということでございます。
  23. 加藤常太郎

    加藤委員長 もう時間がきました。
  24. 岡本隆一

    岡本(隆)委員 いまのようなたよりない返事をしているんだったら、もう一ぺんまた運輸省との関係の者にみな委員会に来てもらって話をしますが、その前にとにかくここ二週間私はあなたに猶予をいたします。二週間以内に結論現地で出してください。現地でそれだけの結論が出なければ、委員の諸君には御迷惑だけれども、この委員会でこの問題をそれぞれの人の言い分をちゃんと調査してもう一ぺんやりますから——それではこの程度でやめます。
  25. 加藤常太郎

    加藤委員長 渡辺惣蔵君。  質疑をなさる渡辺さんに申し上げますが、質疑時間は一人三十分をかたくお守りください。
  26. 渡辺惣蔵

    渡辺(惣)委員 まだ発言しないうちから委員長に時間の拘束を受けてたいへん残念ですが、委員会の意向はできるだけ尊重して協力いたしたいと思います。  私は、保利さんが建設大臣になられてから一度機会を得て質問いたしたいと思っておりましたが、委員会審議経過でまだ一度も保利さんに質問をする機会を得なかったわけです。それで、きょうは機会を得ましたので、二、三の質問を申し上げたいと思います。  第一の問題は、これは建設大臣の所管外に属するかもしれませんが、建設大臣が直接関連を持っておりますので、実力者であります大臣でございますから、ひとつ佐藤総理にかわったつもりで答弁を願いたいと思います。  率直に申しますが、私は国会から選任されまして国土総合開発審議会の委員に任命されておるわけです。私だけではないのです。衆議院で九名か委員が出ているわけですが、すでに一年を経過しておりますけれども、まだ所管の審議会の事務局からも官庁からも何らの資料も公式にはもらっておりません。経過連絡もない。あいさつがないというようなことは申しませんが、全くあいさつもない。任命のしっぱなしで、まる一年間全然招集されておらないのです。審議会の問題については、不要な審議会は廃止しろ、何も実体のないものであればすべからくやめたほうがいいという声、世間のごうごうたる非難があるわけです。これは経済企画庁宮澤君に質問するところでありますけれども、呼んでおりませんので、建設大臣も当然その全国総合開発計画実施機関ですから、したがって関連があるのですから、こういう措置は一体妥当なのかどうなのか、ひとつ高度な政治的立場から御答弁をわずらわしたいと思います。
  27. 保利茂

    ○保利国務大臣 きわめて重要な国土開発に関する審議会でございますから、したがって国会の御参加もいただいていると思います。それだけにまた、御審議をわずらわす準備も事務当局においてかなり苦労をしているように聞いております。事務当局で多少承知しておるようでございますから、その状態を説明いたさせます。
  28. 川島博

    ○川島(博)政府委員 所管外のことでございますが、私どもが非公式に連絡を受けておりますところでは、全国総合開発計画を近いうちに改定する必要がございますので、近く——今月末と聞いておりますが、国土総合開発審議会を開催する予定と聞いております。
  29. 渡辺惣蔵

    渡辺(惣)委員 今月末やりたいということは漏れ承っておるのです。建設省としては「国土建設の現況」という資料を毎年発表されていますね。この国土建設基礎になるものは、昭和二十五年五月末に公布された国土総合開発法に基づく実行部面の行為ですね。国土総合開発法に基づきますと、その主要なる仕事は全国開発計画を策定することです。しかし、昭和二十五年に開発法が発足しておりながら、全国開発計画というものができたのは昭和三十七年十月のことですね。それまで実に十二年間の長い間実は全国総合開発計画というものがなしに過ごしてきた。法は完全にじゅうりんされておったわけです。そこで問題は、三十七年にはじめて十二年目に全国総合開発計画というものが策定された。ところが、私ここで問題にするのは、出しおくれの証文ですが、実は都市計画法という法案審議の過程に、都市計画法という新法がこの全国開発計画の上においていかなる位置、条件、関連を持つのかというとこを聞きたかったわけです。もちろん、他の委員の諸君もそれを希望したし、部分的に発言をされておると思います。ところが、十二年目に策定された全国総合開発計画というものは実はパアになっておるのです。十二年目にようやくできたものが、空文化してしまって、実際は今日の段階に全く通用しない状態に来ておるわけです。そこで経済企画庁は、これを策定し直す作業に、まる六年を経過していま入ろうとしておる。しかし、その間にも都市計画法は進行しますし、あるいは都市開発法の審議も進んでくる、全般の問題あるいは首都圏、中部圏、近畿圏その他の問題も出てくる、こういう中で、全然架空の全国開発計画をかけておるということは、全く本末転倒しておるのではないかと考えるのです。そこで、いま全国総合開発計画を策定しておりますものの考え方が、ここでこれから論議しますのに大事な問題になると思うのですが、経済審議会という機関がありますね、その経済審議会の地域部会というのが、昨年の十月に、二十年後における日本の地域社会の想定を中心にして、いわゆる「高密度経済社会への地域課題」という意見書を発表しておりますね。御存じだろうと思います。この「高密度経済社会への地域課題」という経済審議会の地域部会の発想が土台になって、これが基礎になって、そうしていま四月三十日に第一回の会合を持とうといわれる国土総合開発審議会の議題の資料になっておるわけです。この考え方というものは、もう全国の地域開発、地方開発、拠点開発といったようなもろもろの二十年間やってきた国土開発計画というものを全面的に否定するものとして出てきておると私は理解するのです。それはもういまの状態では都市化は必然なことだ。押えられない。だから拠点開発とか地方資源開発とか、そういう地方開発にとらわれないで、集中的に、都市化するなら都市化を肯定し前提としてその開発計画を進める以外にない、こういう考え方でこの「高密度経済社会への地域課題」というパンフレットはそういう方向を示唆し、それを受け継いで国土開発審議会が審議するのではないかという心配があるわけです。そういうことになりますと、御了承のように、昭和二十五年の五月に北海道開発法が発足し、一月置いて国土総合開発法ができ、自今約十年くらいは地域開発ですね、地域資源に重点を置いてきた。しかし、池田内閣の高度経済成長政策が推し進められて以来、急速に方向転換をせざるを得なくなってきて、三十七年十月に策定された全国総合開発計画というものは、要するに、池田内閣の所得倍増政策、高度経済成長政策を裏打ちするために、それを理論づけ、そうして裏づけをするための計画として策定された。ところが、今日の段階では所得倍増政策が一つの行き詰まりにきておる。ということになると、地方開発、拠点開発の方式を変えなければならぬ。そこで今度の国土総合開発計画がつくられつつあるのではないかということになると、従来のいわゆる国土総合開発計画に対する大転換、全くの方向転換を今度の全国開発計画の策定で打ち出されるのではないかという批判もあるし、危惧もあるわけですが、この点について、大臣は、そういう方向をとりつつあるということをお認めになるか、それに対する御意見を伺いたいと思います。
  30. 保利茂

    ○保利国務大臣 渡辺さんの御疑念に対して十分のお答えができるかどうか、私もちょっと心もとなく思うわけでございますが、私は、現行の昭和三十七年に策定されました全国総合開発計画基本は、この狭小な国土でございますから、狭小な国土ができるだけ均衡ある開発、発展を遂げていくようにという願いがこもっていると思うわけでございます。したがって、北海道はじめ各ブロックの開発計画、あるいは新産都市だとか工業整備特別地域でありますとかというように、できるだけ各地域の均衡ある開発、発展というものを願った。しかるに、ひるがえってそのあとを見ますと、そのとおりにいっておらぬじゃないか、いっているところもあり、いっていないところもあるのですが、その目違いがちょっとひど過ぎるんじゃないかということは十分反省されなければならぬと思うのです。  私どもが思いますのは、たとえば新産都市等におきまして生産、出荷等につきましては大体その傾向をたどっておりますけれども、一方において、それじゃ生産、出荷と見合って想定されておった人口がそっちに寄るかというと、人口は寄らないというような点は、強く反省をされなければならぬところだろうと思うのです。それにもかかわらず、大都市と申しますか、東京圏、名古屋圏、阪神圏に対する人口集中度というものは非常に強い。これをこういう姿で見送っておるということはどうも適当じゃないんじゃないか、もう一ぺん均衡ある国土の開発、発展計画というものを見直してみなければいかぬじゃないか、それで、また十年先になってあまり目違いを起こさないように、今度の全国総合開発計画というものは、現行の相当目違いを起こしておる計画のようなことにならぬように、政府のすべてこの施策もあやまたないようにやっていかなければならぬじゃないかという意味において、経済企画庁でただいまその策定をせられて、渡辺さん方御参加の国土総合開発審議会の重要な討議になっていくであろう、したがって私どもも、この秋には新しい総合開発計画が持たれるということで、それに期待をかけておりますが、先般御審議をいただきました都市計画法、あるいは首都圏、中部圏、近畿圏等の整備計画、中位計画、末端計画とともに作業中ではございますけれども、事務当局間において、都市計画法の今後の実施のあり方、あるいは中部圏とか近畿圏とか、中位計画の策定にあたりましては、経済企画庁のほうと内部的に連絡をとりまして、あとで目違いを起こさないようにという配慮は十分進めてまいっているようなことでございます。  それから、どんどん寄れば寄るように、大都市集中はもうやむを得ないということでやっていくのかということについては、そんな考えは毛頭ないわけで、これはるる当委員会でも申し上げておりますように、何とか——相当せきとめにかかってみたところで寄ってきますけれども、しかし、できるだけせきといいますか、分散できるものは分散をしつつ、そして都市都市としての都市環境を整備てしまいろうというようなことでやっているわけでございます。全国総合開発計画が、今度はどうかひとつ、また十年先になってひどいものだったというようなことにならぬようなものを出してもらわなければならぬし、また、出ました以上は、中位計画、末端計画もこれに合わして、そごを来たさないように政府施策を調整してまいるというような考えでおるわけであります。
  31. 渡辺惣蔵

    渡辺(惣)委員 大臣のここにおられる時間が短いようなので、たいへん残念ですが、大臣おられるうちに御答弁をいただきます。  四月十二日付の日本経済新聞によりますと、大臣は十一日、建設業者の団体であります、しかも大手筋の団体であります日建連——日本建設業団体連合会の幹部と会見をして陳情を受けることになっておる、こう報道されておりますが、お会いになりましたか。
  32. 保利茂

    ○保利国務大臣 四月十一日の八時半ごろから一時間ばかりお目にかかりました。
  33. 渡辺惣蔵

    渡辺(惣)委員 同時に、全国建設業協会と、大手と中小以下と、建設事業団体が最近二つに分裂しておるようですが、特にこの日建連はほとんど全国の大手が中心に結合しておるようですが、ここで何項目かの——時間がありませんから、申し入れたと伝えられている内容をこのまま申します。第一に「予算編成時に工事原価のなかに将来の物価上昇を見込むなど、いわゆる積算を適正化する」、第二に「工事期間中の物価上昇による原価高を一方的に業者に負担させないよう契約を改める」、第三に「指名を辞退してもその後の指名に影響を与えないよう指名入札制度の運用方針を改善すること」、こういう三項目にわたって大臣に陳情いたした、こういわれていますが、大臣はこれに対してどうお答えになられたか、承りたいと思います。
  34. 保利茂

    ○保利国務大臣 公共事業工事単価が今日の物価、労銀等をあまりに織り込まなさ過ぎるじゃないか、もう少し織り込んでくれなければ、実際は公共事業のほうでは赤字を出して、民間事業の受注のほうでどうやら埋めておるのだというような話でございましたよ。工事単価のほうはこの年度は幾らか手直しをしておるものですから、まあそうでしょうけれども、しっかり、足らぬところは賃金が五%か何か統計で上がらないと、それのほうの織り込みをしないとかで、ことしはちょうど四・五%くらいのものだからその分が織り込めなかったということで、業界のほうではだいぶ御不満を持っておられたようでございます。これは政府部内の各関係省庁の一つの取り扱いの基準があるものでありますから……。しかしとにかく大きな仕事だから協力はしてくださいよというようなことで、別にどうということを申し上げたわけでもないのです。ただし、日建連でございますが、あの地崎氏が会長をしておる全国建設業協会、その会長である地崎氏も出ておりました。
  35. 渡辺惣蔵

    渡辺(惣)委員 そこで、大臣が会われた日建連は、全国の一級の大手二十社の代表たちといわれますが、東京商工興信所で出しておる資料に基づいて発表されたものによりますと、全国のいわゆる中小企業その他の業界の中で建設業界の倒産率が最高位を示しておるという数字が出ておるわけです。これはごく最近の数字で見ましても、件数が昭和三十六年には九十件しかなかったのだが、四十年になりますと千九十三件、四十一年には千二百四十三件、昭和四十二年度、前年度においては、一月から十二月までに千七百九十九件、ことしになって一月に百六十一件、二月には二百一件、四十年度、四十一年度の倒産率の状況から見ると、四十二年度は二倍の倒産状況を記録してきておるわけですね。この倒産問題は一体どこから起こるのかという点が実は重大な問題で、地方ではたいへんな騒ぎになってきておるわけです。一つは、いまの物価指数、労賃あるいは機械設備、そういう資本投下率と、今日の工事計画を立てたときから発注するとき、着工するときの時間のズレから、著しい経済状態の変遷、物価の上昇に追いついていけないで倒れていくという理由が、一つ前提にあるわけです。  もう一つは、大資本と中小企業の工事の分野が、全国の大手の大会社がどんどん地方に進出をして片っ端から地方の中小企業を倒していっている、そういうことで、経済基盤の弱体な地方の中小建設業界が、独占的な大手のために非常に食い荒らされて倒産に追い込まれていく、したがって、それらは順次、元請から下請へ、下請から下請の下請へと転落を続けていかざるを得ない。この状態がこの数字の示す中身ではないかと考えるのですが、大臣としては、全国の倒産のトップをいっているという中小土建業に対して、これには多数の土建労務者が働いておるので、生活を収奪されてまいりますから、これに対してどういう対策を講じていかれようとしておるのかをお伺いしておきたいと思うわけです。
  36. 保利茂

    ○保利国務大臣 渡辺委員が言われるような原因も私は決して否定いたしません。そういうことももちろん主たる部分にあろうと思います。そこで、わが国の建設業の実態というものが、特に中小といいますか、小建設業の実態というものがなかなかつかみにくいのじゃないか。決して言いわけで申すわけじゃありませんけれども、私もまだ実態がどういうものかということを適切につかんでいないと思うのですが、一番手軽く大きな仕事が始められ、施設もあるいは資金もそうおびただしいものを要せずしてわりあいに手軽くだれでも取りかかれる、そうしてまた扱いが、登録さえすればだれでも建設業といえるようになっておるというところで、これに安易に携わる方が多いのじゃないかということが一つ言われるのでございます。  私も渡辺さんと同じ東京商工興信所の調査をここに持っております。そのとおりでございますが、それだからといって——それがここ数年これだけの非常な倒産件数を出しておる、にもかかわらず、建設業者の登録数というものは非常なふえ方なのでございます。大体八千ぐらい倒れて二万ぐらいふえてくるというような形になって、実際、何々建設会社が倒れて、翌日は同じところにまた看板二つぐらい立つというような実態も一部にあるのじゃないか。その建設業の扱いというものをどう見るべきか。その業自体はいいけれども建設会社に働いておられるたくさんの従業員の方々のことが心配されなければならぬという意味で努力をしたい。したがって、建設業も、ある程度そういう基礎をしっかりして、大小の受注にこたえ得るだけの基礎を持つことが大事じゃないだろうかということ、なぜなら、それは多くの人を使いますから、働かれる従業員の人たちにたいへんな迷惑をかけることになるのじゃないかということで注意を要するところじゃないだろうかと実は考えるわけであります。  そこで私が考えますのは、それにしても、小さい仕事まで大手が手を出して中小企業の受注量を下げてくるじゃないかという点はごもっともだと思う。そこで、建設業の前途に横たわっておりますのは、これだけの海外進出が行なわれておる、したがって、建設業の海外進出に対して国としてもう少し積極的な施策を要するのじゃないか、そして大手の余りある力はできるだけ海外に伸ばしてもらうというような施策を講じつつ、各地場の業界も何さま進んできておりますから、今日の進んだ技術を生かし、受け入れやすいように、協業というか共同といいますか、そういうものを少し秩序立てて、相当の困難な仕事でも大手と張り合って十分やっていけるというかまえを、やはり一面において整えていくということが大事じゃないだろうかというようなことを私考えておるわけであります。
  37. 渡辺惣蔵

    渡辺(惣)委員 大臣の退場時間が迫るので気が気でないで困っておるのですが、大臣、いま大手と中小企業の土建業界の問題に触れられましたが、この中央建設審議会でありますか、業者の請負価格のランクをきめておりますね、これによると、私の手元にありますこれは北海道の例でありますが、中央も、それから北海道開発局以外の他の地方建設局の場合も同断の基準でやっておるのじゃないかと思うのですが、これはA、B、C、D、Eに分けられて、請負価格で入札制限が行なわれておる。A級の土木は六千万円以上——これは建築の場合ははずして土木だけの場合を例にとって申し上げます。B級が六千万未満から三千万、C級は三千万未満から一千万以上、D級は一千万未満から四百万円以上、E級は四百万未満、こういうように北海道開発局の場合は発表されていますが、大体全国同じですか。
  38. 保利茂

    ○保利国務大臣 局長から……。
  39. 川島博

    ○川島(博)政府委員 中央建設審議会が一応等級別の発注標準をきめておりますが、これは全国の標準としてきめておるわけでございまして、A級の一億五千万以上からE級の三百万円未満まで五階級に分かれております。しかし、これは一応準拠すべき基準としてきめておるわけでございまして、国、各省あるいは各公団、各地方公共団体——これも府県、市町村とあるわけでございますが、それぞれこれらに準拠いたしまして、各団体の実情に応じて等級別をきめておるわけであります。
  40. 渡辺惣蔵

    渡辺(惣)委員 そこで、この基準は昭和四十一年に行なわれて、四十二年、四十三年、もう三年にわたってこの基準は訂正をされておらない、こう承っておりますが、そのとおりですか。
  41. 川島博

    ○川島(博)政府委員 この発注標準は、実は四十年の十二月の答申で一億五千万円以上をA級といたしたわけでございますが、それ以前は、三十六年の改定によりましてA級が一億円以上であったわけでございます。これを四十年、すなわち四年後に五〇%上げまして、それぞれ、一億五千万以上、五千万以上というふうにランクをしたわけでございます。当時この四年間の物価の上昇によりまする工事価格の上昇率は約三〇%でございましたが、それを二〇%上回る五〇%の補正をしたわけです。したがいまして、四十一年から適用されましたこの等級別発注標準は、今日においても、その後物価の上昇がございますけれども、十分現在まで使用に耐えてきたと考えております。ただ、最近——といいますか、その後におきましても年間四、五%程度の工事費価格の上昇がございますので、今後やはりある程度この価格に開きができてまいりました場合には、この等級別発注標準の再検討も必要になってくるのではなかろうか、かように考えております。
  42. 渡辺惣蔵

    渡辺(惣)委員 ちょっとその説明はのみ込めないのですが、大体建設省あるいは公共事業その他の工事総量がだんだん膨張してくれば、膨張した仕事だけの率は、いわゆる各ランクの下の層の中小企業にも工事が回るようにしていかなければならないにもかかわらず、予算額はぐんぐん膨張していながら、企業の請負の額を押えられていますと、中小企業はいよいよ萎縮して、わずかの事業量に対してみんなが犠牲的にさされなければならぬという結果が出てくるのではないですか。だから、二年間経過しているのだから、かつて六千万の仕事は今日七千万、八千万、一億円の工事量を持たなければ、中小企業は事業量の上において倒産せざるを得ないという結果になってくるのではないか。  もう一つの問題は、事業単位が大型化していくのではないか。どんどん一つ工事の主体が五千万、一億円、二億円、十億円というように事業総額が大型化していくのに、大型化していく事業が全部大企業に集中されていく、独占にまかしておく、そうして中小企業は三年前の査定に押えられて、中小企業はそういう大型化していく仕事に全然寄せつけない。小型の仕事がだんだん減ってきておる。中以下の仕事が減っていくところにたくさんの事業団体がささるから、犠牲的な入札をせざるを得ない。そこに非常な犠牲と圧迫が加わって倒産率が増大していくという一つの根拠をなすのではないか。この点についてのお考え、また早急にこの請負のランクの是正をする意思があるかないか、承りたいと思います。
  43. 川島博

    ○川島(博)政府委員 御承知のように、等級別発注標準は、工事を規模別に分類いたしまして、各級業者の施工能力に応じてこれを適正に配分するということ、しかも、特に中小企業の受注分野を確保するということを主たるねらいにきめられているものでございまして、四十年の暮れにきまった現在の等級が下位業者に不利ではないかというお尋ねでございますが、実際問題としては、少なくとも現在まではそういうことはございません。たとえば資本金五千万円以上の建設会社の受注状況、これはいわば大手と見ていいと思いますが、これは三十八年度には件数で約二割、それから金額で約五二%でございましたが、その後四年後の四十一年をとってみましても、件数で二一%、金額にして五三%、ほぼ横ばいでございまして、決して年々大手が中小の受注分野を侵蝕していくという事実はございません。また、そういうことのないように受注分野の確立についてはわれわれも行政指導をいたしておるわけでございます。
  44. 渡辺惣蔵

    渡辺(惣)委員 この問題は、さらに時間をあらためてもっと具体的な方針を出していただきたいと思います。  そこで、大臣がおられますうちにひとつ質問を申し上げたいのですが、こういうように中小企業の建設会社等が窮地に追い込まれれば追い込まれるほど、何とかして打開の道を求めようというあがきが強くなってくると思います。そこで、最近見ますと、これらの中小企業のみではなくて、過当競争が激しくなってくればくるほど、その業界のあがきが、官僚との結びつきの中で問題の突破口を開こうとしていく。この傾向に出てきておりますのは、建設省傘下の、いわば公共事業の発注者側であります。建設省の役人が天下り的に大中の——小には行きません。そんなもの相手にしていませんから。おもに大企業、中の上位の建設業の経営体、何々組とか何々会社に重役としてあるいは部長として現職からそっちに横すべりにいく傾向が非常に強まってきているということになりますと、いままで発注者側であった人物ですから、事業計画の内容は知悉しておるし、自分が起案しておるのですから、しかも発注者側でいままで工事の監督を行なっているのですから、今度は土建会社の帳場になって注文とりをしたり、監督者に対する制肘を加えたりする便利が出てくる、こういうことで、最近、私の手元にも各年度別に——役所から横すべりに土建会社の重役にあるいは顧問に、技術部長に、営業部長に、それぞれ地位をかえて今度は注文とりに回る。もともといままで役所にいたのだから、自分の部下ですからね、そこへ行って、おれの顔を立ててくれということを言っていきます。そうなりますと、そういうような高禄で建設省系統の高級幹部を抱ける事業会社は危機突破ができますけれども、しかし、高禄で何十万円という重役級相当額の手当を出せない事業会社は、それでみんなへばってしまう。そうすると、早い者勝ちで、かつての発注者側におって監督者であったそういう人を抱き込める会社のほうが危機突破の可能の道が開けるということから、いろいろな問題が発生してくると思います。ということは、同時に、入札の公正なんということは全然期待できない。全部筒抜けです。全部筒抜けになって、そしてそういう手の打てる業者にだけどんどん仕事が流れていく、あるいは指名入札になるということでありますから、弱小中小企業の経営者や労務者はいよいよ転落の一途をたどらざるを得ない、こう私は考える。そこで、建設省の本省などは、住宅公団とか道路公団とか、あるいは高速道路公団とか、そういういろいろな関係機関がありますから、高級幹部はそういうよりいい条件で公的機関に横すべりができるでしょうが、それ以下の地建、地方開発局、出張所あるいは土木事務所等の所長クラスが、昭和四十年、四十一年ごろから一体どのくらい出ているのか、お調べになっておったら、ひとつここで明らかにしてもらいたいと思います。
  45. 志村清一

    ○志村政府委員 昭和四十年以降三カ年間におきまして、建設会社の重役とか顧問とかいうふうないわば幹部に就職した者の数はどれくらいかというお尋ねかと存じます。そういった民間企業の重役等に就職をしようとしますときは、人事院の承認が要るわけでございます。それから、そういうふうな幹部でなくても、課長以上の経験を持った者が民間会社に参ります場合には、人事院の承認を必要とするわけであります。そういった人事院において承認をいたしました件数を申し上げますと、昭和四十年は十四件ございます。昭和四十一年は十八件でございます。昭和四十二年は九件、合計いたしまして四十一件でございます。
  46. 渡辺惣蔵

    渡辺(惣)委員 もっと多くないですか。私も人事院のその報告書を全部抜き書きしているのです。あなたは、やめる時点のときにいわゆる建設省の職員であったというものだけを有利に出している。しかし、かつては建設省にいて、農林省の開発事務所の部長に行ったり何かしてまたもとへ戻ってきたりして途中で交流して、最後のやめる時期に建設省に籍がなかっただけで、農林省の開発事務所などを往復している職員などがおりましょう。やめる時点では確かに農林省の籍になっているけれども、現実には中身は建設省の職員である、あるいは建設業務が主たる仕事である、こういうのを合わせますと、それはもう年間二十三、四件ずつ続いているのですね。これはリストを調べ直してもいいですよ。
  47. 志村清一

    ○志村政府委員 建設業関係の幹部に出ました者は、建設省以外にも農林その他の省があるようでございますが、先生先ほど御指摘になりました、建設省の者が農林省の幹部になって、それから民間に出るといった事例はございません。したがいまして、建設省から出ました者で人事院において承認をいただきました件数は、先ほど申し上げたとおりのものでございます。
  48. 保利茂

    ○保利国務大臣 渡辺委員の心配される点は、もうよく了解できまするし、気をつけていかなければならぬところだと思っておりますが、一方また角度を変えて考えてみますと、お互いに国政に参加している者として考えなければならぬことは、公務員の処遇の問題なのでございます。特に幹部職員の状態を考えますと、戦前の事情等を考えてみますと、役所をやめる前後が、一番生活費というか、女の子を持っていれば嫁入りどき、男の子を持っていれば大学へやらなければならぬという一番生活に追われるときで、ちょうどそのときに退職しなければならぬ。したがって、私ども承知しております戦前の幹部職員は、まあやめてもそうばたばたせぬでもやってきておったわけですけれども、いまはやはり新たな生活の基礎を持たなければやっていけないような処遇になっておる。これはお互いにこの話とは抜きに考えなければならぬところだと私はかねがね思っておるわけなんです。  そこで、建設省に限らず、当該官庁の職員がその官庁に関係のある職場につかれたときに、公私の別をどうわきまえてまいるか。これは人間のことですから、なかなかそういかぬと思うのですけれども、その辺の節度はどうしてもしっかり守ってもらうということでなければならぬと思うのです。そうかといって、建設省の人がどこか出版屋なんかにいくわけにもいかぬでしょうし、結局なれたところが歓迎もされるでしょうし、就職もしやすいわけでしょうから、その辺はひとつ寛大に見ていただく。ただしかし、その結果が、そういうところが仕事がとりやすくなって、そういう人を入れてないところはあぶれていく、そういうことがひんぴんと起こっては、これは許されないことだ、十分気をつけてまいらなければならぬところだと考えております。
  49. 渡辺惣蔵

    渡辺(惣)委員 建設大臣の部下に対する愛情あふれる発言には私も同感なんです。それはお互いの生活ですから、大事にしてあげなければならない。しかし、たとえばトラック製造会社で土建会社に個々のトラックを売り込むとか、そういう業種については、何も公入札をするわけでないから弊害がない、本人のいわゆる企業能力でやっていけることですから。しかし、公入札の発注者であり監督者であった者が逆な条件でいくということについては、これは非常な弊害が出てくるということだけは間違いないと思うのです。そういうことがなかったら、そこの会社が引き取る道理もないです。一番安易な生活のいき方であるけれども、しかし、そのことによって今日の公入札制度というものが事実上崩壊しているんだ、全部役所と民間のそのかかえた会社とはツーツーになって、万事がオーケーになっていくから、そのことのできない、あるいは措置しなかった事業会社というものはぼんぼんやられていく、こういう点について、私は、人事院の、ざるの水の抜けたような——承認事項であるから、それで合法的でいいのだというようなことと、建設省その他全般ですが、官僚がもっとそういう点を厳密に公明な措置をとる、またとらせることが必要ではあるまいかということを感ずる。  たとえば、私こんなことを申し上げたくないけれども、けさの新聞でも、東京都の住宅公社の汚職事件が朝日新聞の三面のトップを飾っている。道路公団でも電子計算機の汚職が起こってきている。そういう上部機関とか外郭機関の中にこういう問題が起こってくる。そういうところに建設省とつながっている土建業者が登場してきている。大手の最高ですよ。社長は参議院議員でしかも現職の政務次官である。本人が汚職を働いたわけではないですから、本人を糾弾するつもりはないのですけれども、しかし、現職の政務次官であり、前社長、いま取締役会長か何か知りませんが、そういう形が随所につながって出てくる問題があると思いますので、そういう点については、私は、誤解のないように、建設大臣において部下に対する特段の指導等を、あるいはそういうことの規制を厳格にされる措置を希望するわけです。
  50. 保利茂

    ○保利国務大臣 どうもそういう疑いを持たれやすいことだと思います。したがって、それはよほど気をつけなければならぬことだと思います。  ただ、私ども、少し極端な例等があることを否定するものではありませんけれども、私がいろいろ聞いておりますところ、建設省でやっておりますのは、地建がやっているわけです。地建の局長等に一体どういうやり方をしているのだということを聞いてみますと、それは実にきびしいことをやっております。そういう中から、どうでありそうか等いろいろ情報探り等もあるかもしれません。当たる場合もあるし、当たらぬ場合もありましょうが、建設省の直轄でやっております分については、いま御懸念のようなことは、私もいろいろ聞いてみますけれども、起こるようにないと思っております。しかし、このことは、とにかく人間のやることでございますから、あやまちはどうしても起きやすいことでございます。御注意もありますから、さらに私どもも注意して万全を期していくようにいたしたいと思いますから、御理解をいただいておきたいと思います。
  51. 渡辺惣蔵

    渡辺(惣)委員 中小企業をめぐる土建業界——大手の場合も共通の問題であろうと思いますが、労務対策が非常に重大な段階にきているといわれるわけです。ことにいま万博をかかえて大問題になってきている。一部には外人の労働者を移入することも考えられておるというようなことが伝えられたりする。こういう状態の中で、したがって土建業に働く下級労働者の争奪戦が始まっておる。たとえば私どもの北海道などでは、従来秋田とか青森、岩手等の東北関係の出かせぎ労働者を雇い入れて土木事業をやってきた。ところが、万博の準備が進んでまいりますと、次に万博のあとに、一九七二年には札幌で冬のオリンピックが行なわれる。そうすると、従来の、そういう万博とか冬のオリンピックの特設の施設というものをかかえないで、普通の開発建設の度合いの場合でも建設の労務者が非常に不足してきているという状態の中で、そういう国家目的とつながる特定の大工事を抱いておる地帯になりますと、事態が非常にめんどうになってくる。時期は迫るし、賃金は上げなければならない。  私、この間フランスのグルノーブルで行なわれましたオリンピックに、組織委員をしておりますので派遣されて参ったのでありますけれども、事実上、グルノーブルのオリンピックなども基本的にはできたけれども道路あるいは駅その他ができていない。グルノーブルの駅前の地下道などは、会期中昼夜兼行でやっていながら、ついにオリンピックが終わってわれわれが引き揚げるまでに、開通せずに終わった。グルノーブルでは、イタリアとかアルジェリアとか、ポルトガルとか、外人労働者を何万と入れてやっていてそういう状態になったのだ。  今日、万博をかかえ、札幌オリンピックをかかえ、そして建設事業量の増大、国土の再開発の中で、労務対策についてどういう見解をとられているか、承りたいと思います。
  52. 川島博

    ○川島(博)政府委員 万博に伴います建設工事に必要な労働力でございますが、私どもが、関連公共施設も含めまして万博に投下される建設工事に対する労務の需要量を想定したわけでございますが、万博がなかったときに比較いたしましてプラスアルファで必要な労働力は、ピークの本年度四十三年度におきまして約五万人と見込まれておるわけでございます。これを近畿地方管内だけから調達をするということになりますと、管下の労働力の約一三%に当たりますので、これはたいへんな苦労があるわけでございますが、全国から労務者を調達するということで、ただいま万博協会を中心にいろいろ労働省とも連絡をとってあんばいをしておりますけれども、こうなりますと全国に与える影響はせいぜい二、三%であろう。こういう程度でございますれば、全国の建設労働力の需給関係にそう悪影響を与えることはないものと考えております。ただ問題は、会場施設その他非常に高級な技術を必要とする熟練技能労務者の確保につきましては、これは職種によっては若干問題があるものもございますけれども、全般といたしましては、万国博が開催されるために全国の建設労働力の配分に重大な影響を与えることはまず考えられないというふうに私どもは考えております。
  53. 渡辺惣蔵

    渡辺(惣)委員 労働力の不足によって賃金がアップしていくという傾向はどういう状態ですか。四十一年、四十二年、四十三年と、建設労働者の賃金はどういう上昇率を示していますか。
  54. 川島博

    ○川島(博)政府委員 御承知のように、公共工事に従事いたします建設労働者の労務単価につきましては、御案内の五省協定によって毎年きめております。たとえば本年度を例にとりますと、昨年度の基準単価より一一・五%上げております。大体ここ数年は一〇%前後の上昇を見ております。
  55. 渡辺惣蔵

    渡辺(惣)委員 それは中小企業に対する経済的な圧迫にならない程度ですか。
  56. 川島博

    ○川島(博)政府委員 これは公共工事の設計積算に織り込む単価の基準でございますので、十分御要望にこたえたいと思います。
  57. 渡辺惣蔵

    渡辺(惣)委員 河川局長いらしてますか。河川局長おられたら——全国の主要河川における堤外地——河川敷地の中にゴルフ場をつくったり、自動車学校をつくったり、いろいろな営利を目的とした事業に使われておる。相当の固定した施設があり、中には鉄筋コンクリートのビルまでできておるという話があるのですが、その管理の状況がどうなっておるか。再三資料の提出を求めているのですが、係の人々は、そういう調査資料は集まっていないと私に言ってきておるのです。しかし、おかしいと思うのです。地方建設局がそれぞれ処理をしておる。それから本省の承認のもとに行なわれているはずですから、当然これらの実態は河川局で掌握しておられると思う。全国の主要河川の利用状況について、ひとつ具体的な資料を求めたいと思うのですが、ありませんか。
  58. 坂野重信

    ○坂野政府委員 この資料は各地建ごとに整理しておりまして、先生からの御要求にたいへんおくれたと思いますけれども、実はようやくその集計ができましたので、いまちょっと読み上げたいと思います。大体のところ、一級河川だけとりますと、占用の総面積が約二万ヘクタール、そのうち田畑が五三%、それから採草放牧地が約二一%、公園緑地が三・六%、運動場が約一・六%、ゴルフ場が八・五%、その他が一一・二%、そういう状況でございます。実はようやく集計ができましたので、いま御報告申し上げます。
  59. 渡辺惣蔵

    渡辺(惣)委員 この中に、冒頭に申しました鉄筋コンクリート建てのようなものはないのですか。
  60. 坂野重信

    ○坂野政府委員 二万ヘクタールのうちで、一一・二%という中に、自動車の練習場、材料置き場、水防倉庫、そういうものがございますけれども、具体的に鉄筋コンクリートのビルのようなものがどのくらいあるか、ちょっと私の手もとにありません。また御要望がございましたら、後ほどわかる範囲内で資料を御提出したいと思います。
  61. 渡辺惣蔵

    渡辺(惣)委員 大臣が見えましたので、次の機会に質問さしていただきたいと思います。これで打ち切ります。      ————◇—————
  62. 加藤常太郎

    加藤委員長 水資源開発公団法の一部を改正する法律案議題とし、審査を進めます。  本案に対し質疑の通告がありますので、順次これを許します。     —————————————
  63. 加藤常太郎

    加藤委員長 この際、おはかりいたします。  本案審査のため、本日水資源開発公団から総裁進藤武左ヱ門君、総務部長小久保欽哉君に参考人として御出席を願い御意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  64. 加藤常太郎

    加藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、参考人からの御意見聴取は質疑応答の形式でお聞きすることにいたしたいと存じます。さよう御了承願いたいと存じます。     —————————————
  65. 加藤常太郎

    加藤委員長 質疑をされる委員各位に申し上げますが、質疑時間は一人三十分程度にお願いいたします。  佐野憲治君。
  66. 佐野憲治

    ○佐野(憲)委員 行政管理庁の方、少し急いでおられるようだし、また、審議の中でいろいろ参考とし、また次の機会に質疑もしたいので、きょうは質疑応答よりも、資料としてまず冒頭に行政管理庁のほうに要求しておきたいと思います。大体四点ありますから、文書で後ほど委員会提出していただきたいと思います。  その一つは、特殊法人の廃止についてどういう効果をねらっておるのか。  第二の点として、特殊法人の廃止の状況は一体どういう進捗を示しておるか。行政監理委員会が指摘した特殊法人について、個別に政府の見解は一体どうなっておるか。大体百八くらいの特殊法人があると思いますが、そのうち二十幾つかが行政監理委員会からも指摘になっておると思いますが、これに対する政府の見解は一体どうなっておるのか。この点を明らかに——文書がもうすでにできておると思いますので、提出していただきたいと思います。  第三点は、特殊法人の名称、住所、それから職員の数、役職名と役員の氏名、役員の俸給、今年度の事業量並びに役員の前歴が一体どうなっておるか。大体百八の特殊法人で、すでに監察その他やっておられるので、これらに対するところの資料として書類提出を要求しておきます。——行政管理庁においては役員の俸給その他は管轄外かもしれませんが、委員長、その場合におきましては、内閣の官房のほうにひとつ請求しておいていただきたいと思います。  以上、書類をもって委員会提出していただきたいと思います。——行政管理庁の方お忙しいそうですから、帰ってけっこうです。
  67. 杉浦滋

    ○杉浦説明員 ただいまの書類を提出いたすわけでございますが、四点とお述べになりましたが、三点……。
  68. 佐野憲治

    ○佐野(憲)委員 最後に、今後特殊法人を新設するにあたってはどういう方針をもって臨まれるか、これに対するいろいろな見解なり、いろいろな方針、これらも一応できておると思いますので、書類で御提出願いたいと思います。  以上四点です。
  69. 大国彰

    ○大国政府委員 ただいまの四点の資料提出でございますが、役員の俸給、前歴等につきましては、確かに私どもの所管でございませんので、そのほかの点につきましてはできるだけ早くお出しすることにいたします。
  70. 佐野憲治

    ○佐野(憲)委員 ただいま管理局のほうからもお話がありましたように管轄外だそうで、俸給と役職員の前歴ですね、それぞれ内閣官房のほうではわかっておると思いますから、連絡をとって資料提出をお願いしたいと思います。
  71. 加藤常太郎

    加藤委員長 さよういたします。
  72. 佐野憲治

    ○佐野(憲)委員 大臣も忙しいそうですけれども、先般大臣の提案説明をお聞きしまして、また関係資料も御提出願いましていろいろ読んでみましたのですけれども、どうもなじめないような法律の作成にもなっておりますし、もう少しはっきりと見解をお伺いしたいと思いますが、その第一点といたしまして、地域的に限定されている愛知用水公団、しかも農業水利を目的として設立された。解散のときもこれは法律をもって定める、こういうぐあいに限定された地域的な農業水利公団だ。これと、いわゆる水資源開発公団、全国的な水系を指定されて、その中で多目的な総合開発をやる、こういう水資源公団とが合併をする、その必要性は一体どこにあるのか。特に運営上いろいろな問題が将来起こると思いますが、しかし、地域的な、しかも限定された農業水利、そのための公団、そのために世界銀行からも借り入れをしてやっておる、こういう公団と、水資源開発公団と、性格的にも相当違っておると思いますが、これはなぜ合同しなければならなかったか、その理由をお聞きしておきたいと思います。
  73. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 御指摘のように、愛知用水公団は、そのような限定された目的をもって、つまり、そうして仕事をしてきたわけでございますが、御存じのように、いまの段階になりますと、農業水利、これも必要ではありますが、当初考えましたよりはやはりかなりウエートが変わってきておるわけでございます。そうして実はそれよりも、愛知用水公団は豊川水系の開発事業を終わりましたので、そもそも法律そのものが考えておった設立の目的を達したわけでございます。しかし、やはり将来に向かってまだたとえば木曾川総合開発あるいは三重用水等の仕事が今後もあるわけでございますから、そういう経験と地元とのいろいろ親しみを持った公団の人々、それを何もここで散らすということは必要のないことで、むしろ不経済なことでありますから、水の開発という総合的な目的を持った一般全国を対象としたもう一つの公団にその知識なり経験なりを吸収して仕事を続けていくようにしよう、そう考えたわけでございます。
  74. 佐野憲治

    ○佐野(憲)委員 そういたしますと、愛知用水が三十六年に終わった、そこで法律改正をやりまして豊川用水を継承したといたしますと、今度木曾総合利水にいたしましても、すでに農林省は国営事業として計画を立ててやっておるんですよ。かつまた、三重用水にいたしましても、木曾総合——といっても、牧田川ですか、そのほんとの上流にある中村ダム、これらは農林省として国営事業としてすでに着手しておるわけでしょう。国営事業でやっている。農業水利関係としてやっておる。じゃ、それを愛知用水公団に受け継がしても何ら——支障があるわけですか。
  75. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 そういう考え方も可能であったと思います。しかし、御承知のように、行政管理庁で行政簡素化ということも考えておられますし、私どもその必要を大いに認めておりますので、まず類似の仕事をやる二つの公団をなお両方とも存続させるということよりは、目的がたいへんに似ているわけでございますから、片方の当面の仕事が終わったのを機会に統合するほうがこれは国家経済であろう、こう考えたわけでございます。
  76. 佐野憲治

    ○佐野(憲)委員 どうも大臣は、最初に、経験と組織を利用したい——であるとすれば、その経験と組織をやはり活用してやってもいいわけじゃないですか。それは何か支障があるのですか。
  77. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 経験と知識と申し上げたつもりでありました。やはり別々に助成をはかりますよりは、非常に似た種類の仕事でございますから、一緒になってもらって、そうして経験と知識を活用すればいい。片方全然やめてしまって、そこにいる人たちを世の中に散らしてしまうということは、これはむだなことでございますから、その人たちに働いてもらうとして、やはり家は一つの家と申しますか、屋根の下にしたほうが、それだけでも行政簡素化になるであろう、こう思ったわけでございます。
  78. 佐野憲治

    ○佐野(憲)委員 では、木曾総合開発に対する基本計画はできておるのですか。
  79. 今泉一郎

    ○今泉政府委員 基本計画は、御承知のように、木曾川の総合用水事業並びに三重用水事業を含めましてつくっていかなければならないわけでございますが、前からの引き継ぎ事業でもございますから、いろいろと相当具体的なものを持っております。そうして、ただいま建設、農林等の関係各省と検討して進めておる次第でございますが、この具体案につきまして、やはり地元関係の方々よりいろいろな御注文もあるようでございますので、これらの点につきまして十分その御要望に沿うような方向検討してまいりたいと思いまして、この点を鋭意調整中でございます。われわれといたしましては、なるべく早くこの水資源開発基本計画をつくりまして、十月一日以降、両公団の合併後、新しい木曾川の事業を開拓していく上に支障のないようにというふうに、また一般の職員の方々も、十月以降、合併後、張り切ってお仕事を願えるように、かようなつもりで鋭意いま打ち合わせ、検討しております。できるだけ早くこれが円満な形でつくりたい、かように考えております。
  80. 佐野憲治

    ○佐野(憲)委員 木曾川の総合開発基本計画もできていない。しかも現在国営でやっておるのだ。それで、国営でやるために大きな支障がある、だから水資源開発公団が愛知公団を統合してやらなければならない何かの理由があるならともかく、現に国営でやっているのでしょう。  そこで大臣、一体、国営事業水資源開発公団と、いわゆる愛知公団方式豊川用水と、この三つの関係について、何を基準に置いて判断されるのですか。
  81. 今泉一郎

    ○今泉政府委員 全国各地で水資源の開発をやっておるわけでございまして、国営でやります場合と公団でやります場合の振り分けの基準をどこに置くかということは、これはなかなかむずかしい問題だと思いまするが、公団で取り扱いまするのは、水資源開発公団法の目的にも書いてございますように、水系を指定して開発事業をやることになっていますから、広域的な水系、地域につきまして、各種の多角的な総合的な目的を持っているというふうなものを、先行投資の点も考慮に入れて選んでまいるというわけであります。しかして、事業を採択いたしまするについては、先ほど申し上げましたように、基本計画をつくる必要がございますし、その間において建設、農林等関係各省とも十分御相談しましてつくってまいっているわけでございます。大体、いま申し上げたような、そういう基準、割り振りで仕事を進めてまいっておる、こういう現状でございます。
  82. 佐野憲治

    ○佐野(憲)委員 大臣、その点は内閣として一体どう考えておりますか。片方には国営事業として、しかも農業利水は、長い間の慣行と、川を守っている農民との間に深い関係があったのですね。水資源開発公団が生まれました経緯なり、目的なり、あるいはまた運用を見てまいりましても、利水という点に非常に重点を置いておるのです。もちろん、利水あるいはまた治水という面もありますけれども、そういう観点から考えると、農林省の国営事業、それも一つ土地改良としては一貫性を持っておると思います。やはり国営事業あり、県営事業あり、団体営がある、こういう一貫した中で国営事業として採択になってきておる。そういう事業に対して、水資源公団が、まだ基本計画も立ててない、もちろん実施計画もできるはずもありませんね、そういう段階の中で、十月一日から出発するのに、三月早々法案提出しなければならない理由は一体どこにあるのですか。いままで国営事業でやっておるのですよ。それに国の面から見ても重大な障害がある、そういう具体的なものが一体あるのだろうか。逆に、水資源でなくて、愛知用水公団がやるほうが何の障害があるのだろうか。ただ、二つあるから困るというだけであって、何ら障害がないのじゃないのですか。一体障害があるのですか。
  83. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 水系を指定して総合的な基本計画を立てるということが、御指摘のように、前提になっておるわけであります。ただ国営の仕事だけ、利水だけ、農業用水関係だけを考えて、それだけやっていけばいいというわけではないというのが、基本計画の意味であると思いますので、そこで、基本計画を立てるということについて、その必要についてはおそらく佐野委員ももちろん御異存がないことと思います。そのときに十分に従来の農業利水の関係を尊重しなければならないということでございますから、各方面に満足のいくように基本計画を立てなければならない。それでおくれを来たしておるわけでありますが、これはできるだけ早く各方面の御満足のいくようにつくって実施に向かっていきたいと思います。さて、しかし、それを前提にして、それでもなお愛知用水公団がやればやれるではないかとおっしゃられれば、それはそのとおりだと私は思います。その点は、先ほど申し上げましたように、いかにも類似の仕事に二つの公団が併存する必要はないように思いますから、それは行政管理庁の勧告の線に沿うことが適当であろう、こういうふうに判断いたしました。
  84. 佐野憲治

    ○佐野(憲)委員 愛知用水公団でやっても具体的な支障はない。それでは一体水資源開発公団がやってどんなメリットがあるか、これも具体的に示されていない。ただ、行政管理庁の勧告があった、だからそれを受けたのだ、こういうことになってまいりますと、運営面においてもっと摩擦、混乱が起こるのではないか、そういう大きな要素があると思います。いずれあとで農林省その他のほうからも意見を聞きたいと思いますけれども、いま経済企画庁にも考えていただきたいのは、やはり多くの混乱と摩擦が予想される、そういう危険性をはらんでおる、しかも具体的なメリットはない、こういう中でなぜ急がなければならないかという点、そういう点をもう少しはっきりさせていただきたいと思うのです。
  85. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 これが愛知用水公団の、法律で定められた仕事をしておるまだ半ばでございましたら、これはそれを続けてやってもらうのがいいのでございますけれども、一応法律で定められた任務を完了して、元来からいけば解散をするということになりましょうが、それは、せっかくあれだけの経験と知識があるのに、いかにも残念なことでございます。さりとて、新たに法律を変えてそのまま続けさせていくということは、先ほど申し上げましたように、どうせ類似の全国的な公団があるのでございますから、それと一緒にすることのほうが国家経済であろう、こう判断いたしましたので、その点を全然無視して考えますれば、もう一ぺん愛知用水公団の法律を変えて、それで続けてやらせたらいいではないかという御議論も、それは私あり得ることだと思いますが、私どもとしては、やはり二つ公団を置くということは、片方が一応任務を完了いたしましただけに、不経済なことだ、こう思いました。
  86. 佐野憲治

    ○佐野(憲)委員 私は何も結論を言っておるのではなくて、ただ、あなたの説明からではそういうことが出てこない。関係書類、参考資料を見ましても、国の立場に立って、農民の立場に立ってどういうメリットがあるのか、そのことがちっとも明らかにされていない。ただ、合併するのだ、こういうことにしかなっていないでしょう。だから、もう少し本質的な問題をやはり明らかにしていただきたいと思う。  それから、現在の国営事業にいたしましても、農業利水という関係、それに関連する発電なり、あるいはダムなり、いろいろなことをやるということになっておるわけですね。それでけっこうやっていける、そういうことから、認証、採択になっておるわけでしょう。国会においても決議になっておる。そのためにいま予算が確保されておる。それとさほど変わらぬことを皆さんやるわけでしょう。一体農林省が国営事業としてやることがなぜいけないのですか。
  87. 今泉一郎

    ○今泉政府委員 もちろん、仕事の性質によりまして、国営としてやるのがいいのか、公団営としてやりますのがいいのかということになりまして、その辺の採択の振り分けの基準ということにつきましては、先ほど申し上げたようなのが一般的な方針でございますが、同時に、ことに公団の場合におきましては、国営の場合と違いまして、その性質上、借り入れ金制度がございまして、国の資金を相当豊富に借り入れることによりまして事業を相当先行的に大規模なものを効率的に仕上げることができるじゃないか、こういうふうなあたりが一つの特徴じゃあるまいか。逆に申しますれば、水資源公団法ができます際に、そういった国の事業としては国の会計上なかなか不自由な点、これを解消するというのも一つのねらいであった、そういうふうに私どもも聞いておるわけでございます。
  88. 佐野憲治

    ○佐野(憲)委員 では農林省の方からも聞きますけれども、しかし、国営事業としてすでに採択になり、その事業計画ができ、事業予算がついておる、こういう中で、いわゆる五大水系が指定されておるわけですから、最初からなぜ水資源公団が意見を主張しないのですか。しかも木曾川その他の歴史的沿革を見てまいっても、この川を治めるためにいかに農民が苦労してまいったか。しかも利水問題、それらを中心として国営事業、その中から、当面要求する都市の工業用水なり上水道なり、あるいはまた発電なり、こういうことも特別会計においてとれることになっておるでしょう。一体なぜ水資源公団が、片方がやっているのに、途中から——こういうことになってまいりますと、農林省の農政上おかしいじゃないですか。国営事業というのは、農林省の場合、国営事業をやる、あとは県営でやるんだぞ、団体営でやるんだぞと、それぞれの法的な手続を踏んだきているわけでしょう。団体関係の場合におきましては、総会なり、三分の二の決議なり、非常に民主的な手続を踏んで、農民の利益なり利害関係というものを調節しながら、しかも国営事業をやるのだといって、これに対する賛成を得てきておるわけでしょう。そういう形の中で、木曾川における農業利水事業というものは国営として採択になっている。皆さんの場合は全国的な視野に立つところの開発でしょう。特にいろいろな問題が起こってまいりますのは、水資源開発公団が提案されたときの質疑の中でも憂慮されておったこれら官庁の縄張り争いになるのじゃないかというようないろいろなサイドがある、通産省はやはり工業用水に重点を置こうとする、厚生省はやはり上水道だ、それぞれの主務大臣がある、そういう中で、水資源公団そのものが運用面においてほんとうに所期の効果をあげることができるかということが心配される。現に運用面においていろいろな問題が起こっておるでしょう。あなた自身が一番感じておる点だと思います。そういう中にあって、一体どこに不都合があるかという問題と、もう一つは、いま皆さんのほうがとられようとしておる愛知用水公団の場合はやはり御存じのとおり一貫方式を持っておりますね。国営の場合も、あるいは県営、団体関連事業も、一括して管理しております。一括事業を施行しておりますが、皆さんの場合はいままで国営しかやってないでしょう。水資源開発公団はいままで県営、団体営まで手を伸ばしておられますか。
  89. 今泉一郎

    ○今泉政府委員 先生からいろいろと御批判がございましたわけですが、水資源公団が今後あの地方の仕事をやってまいるにつきましては、従来農林省が直営で、よく農民の方々の納得と御支援を得てやるという態度でやってまいったその方針については、水資源公団といえどもちっとも変わるわけじゃないのでございまして、先ほど先生御指摘になったように、十分手続を踏みまして、その上でやってまいることは当然のことだと思います。  同時に、愛知用水公団がやっておりましたいわゆる一貫施行の問題はどうなるかというお尋ねでございますが、この点につきましては、水公団の四十三年度の木曾川並びに三重用水の事業につきましては、国営だけではなくて、県営までこれを採択し、公団の事業として行なう、こういうことになりまして、予算の計上がされております。ただ、先生の御懸念されておるのもここだと思いますが、団体営のものにつきましては、これはたまたま四十三年度の具体的な計画になっておりませんので、つまり大きいほうからだんだんつくっていくためでございまするが、そういうこともございまして、この今後の取り扱いについては十分検討してまいろうということで、これはもう全般の予算編成の際にいろいろ地元の方々からも御要望を伺い、また農林省、愛知公団御当局からもいろいろわれわれ御説明をいただき、また御要求を承ったのでございますが、ただいまの取り扱い上はさようになっておるわけで、これは十分慎重に検討してまいりたい、こう存じておるわけでございます。
  90. 佐野憲治

    ○佐野(憲)委員 大臣、愛知用水公団あるいは水資源開発公団あるいは農林省関係の国営の特別会計、これらを比較して、基準というものは一体どこに置くのか、こういう点はやはり明確にしておかないと、今後とも混乱が起こるのではないか。地域的な愛知用水公団が、全国的な視野の中で指定された、しかも一定の目的を持つ事業を施行する、こういう場合において、業務内容におきましても、資金の調達の上でも、違ってくるでしょう。愛知用水公団の場合は、大臣御存じのとおり、一貫方式と、同時に、資金関係におきましても、世界銀行なりあるいは預金部資金なり、それからまた余剰農産物資金なり、こういうことで全部関連事業を行なってしまう、こういう形であれば、ある程度までは私は農民のいろいろな問題が解決できる要素があると思いますが、それでなくて、水資源開発公団の業務内容といたしましても、資金の面から見てまいりましても、違ってくるでしょう。そこで、いま愛知用水公団が水資源公団に入る、こういう場合におきまして、現にたとえば農民の負担金、これが六十億円あるわけですね。これは四十一年度現在において三十七億円未収になっておる。入っておる金は五億円だ。三十七年から出発しておりまして、十五年間返還だ。これが六十億円のうち、たいへんな未収金を出しておるでしょう。これに対して、こういう問題が一つ起こってくるわけですね。この場合におきましても——これは農林省関係ですから、皆さんにお聞きするのも何ですけれども、こういう問題を承継するわけでしょう。この点どう解決していかれるのです。
  91. 今泉一郎

    ○今泉政府委員 いろいろお尋ねがございましたが、水資源公団がこの事業を行なうにいたしましても、余剰農産物資金とか、あるいは世界銀行の資金というものは、あれはあの当時の特殊な資金、しかも外国との関係ある資金あるいは外国から借りた資金ということでございまして、歴史的なものでございますから、水公団でこれを利用するわけには積極的にまいらないのでございます。しかしながら、国の預金部資金の借り入れを行なう、これによって先行投資を行なうというような点におきましては、これは愛知用水公団と全然変わりないわけでございます。  なお、先生の御指摘になりました三十数億円の問題がある、その債権はどうするのかというふうなお尋ねでございますが、これはおそらく当初より愛知公団が行ないました事業の用水の受益対象面積が減少いたしましたために、これをどうするんだ、こういうふうなお尋ねかと存じますが、これは御承知のように、地元各県並びに農業組合等とも相談いたしまして、受益面積としての残りました分については、当初のお約束に従いまして徴収を確保し励行してまいる、同時に、転用いたしました受益面積の減少に見合う分につきましては、あの地方におきましてちょうど工業用水の需要というものが非常に増加いたしておる問題もございまして、これに転用いたしまして資金を補てんする、こういう考えをもっていま着々具体的な話が固まりつつあります。したがいまして、水資源公団がこのような方針を十分引き継いでいくつもりでございますから、今後水資源公団がこれらのものを引き継いで行なっていくにつきまして特段の支障はない、私どもは、この面につきましては、農林省当局並びに両公団と十分相談してやっていくつもりでございます。
  92. 佐野憲治

    ○佐野(憲)委員 それでは水資源開発公団は責任を持ってこの問題を解決する、そういう確信を持っておるわけですね。  では、ついでに、世界銀行、余剰農産物並びに運用部において一体どれだけの借り入れ金と未償還金を持っておるか、数字的にちょっと示していただきたい。
  93. 今泉一郎

    ○今泉政府委員 たしか、世界銀行からの借款は、日本の円に直しまして元利十七億余りありましたが、現在の残高は十一億六千万円程度だと存じております。それから余剰農産物の点につきましては、正確にはただいまの監督官庁でございます農林省のほうからお答え申し上げます。
  94. 佐々木四郎

    ○佐々木説明員 お答え申し上げます。  愛知用水の資金調達は、国庫補助金、資金運用部資金、余剰農産物の資金、そういうものがおもなものでございますが、そのうち、余剰農産物で借りました総額は百二十二億五千万円でございます。
  95. 佐野憲治

    ○佐野(憲)委員 未償還金は幾らだ。その区別を要求しておるでしょう。いわゆる余剰農産物並びに運用部、それらの資金の借り入れ額と未償還額を聞いておるわけです。
  96. 佐々木四郎

    ○佐々木説明員 余剰農産物の未償還額は、元本と利息を含めまして百三十四億二千百万円でございますが、そのうち元本は九十九億一千二百万円でございます。
  97. 佐野憲治

    ○佐野(憲)委員 運用部資金は。
  98. 佐々木四郎

    ○佐々木説明員 運用部資金の未償還額は、総額、利息含めて三百四十億九千九百万円でございます。そのうち、元本は二百二億三百万円でございます。
  99. 佐野憲治

    ○佐野(憲)委員 これはほとんどみな未償還になっているわけですね。  そこで大臣、これだけのものを持ち、かつまた、農民の六十億円の受益負担金が三十七億円近くも未収になっておる。この問題を承継してやっていかなければならないわけです。そうすれば、農民のほうは、愛知県のほうを見てまいりましても、愛知用水公団と同じ方式でやっていくのだと——愛知用水公団の場合も、これが関連する農業の場合におきましては、こういう方式をとるのだという形で説得してきたわけでしょう。そういうような地元のいきさつによって地域的な公団を水資源公団に吸収したということになるのですけれども、今後こういう問題を解決していくとするなら、農林省がいまやっている国営事業、特に農業利水の総合開発、その中でそれらの事業を受け入れていくということになってまいりますと、農民の不安というものは相当解消されるのじゃないか。愛知用水公団の場合でも、農民のためだといって世界銀行から初めて外資を導入しましたね。そしてまた、ああいう大規模な計画、アメリカからの機械を導入する、これは日本としては最初の試みだったと思います。そういう中で、農産物が幾ら増収になるんだ、将来の農村の展望はこうだという形で農民の協力を求めてきたわけです。ところが、でき上がってしまったら、その中では農業をやれないという条件が出てまいった。工場が進出してくる。いろいろな条件がここに出てきた。そこで農民の負担金だけがたいへんな問題として残ってきておるわけです。次の場合におきましても農民としてはいろいろな不安があった。それを農民のための利水関係その他による国土利用というようなことで、農民の心配なり不安に関して一つの明確な指導方針をもって農林省が国営事業としてやっていくのだという形をとってきたわけですね。それを皆さんのほうで、国営事業よりもおれのほうがいいのだということで——佐々木参事官もおりますけれども、皆さんの考え方としては一体どうなんですか。
  100. 佐々木四郎

    ○佐々木説明員 水資源開発公団で農業関係の仕事をやります場合、事業の責任は、農業関係がございますならば、農林大臣が主務大臣として事業の一切の責任を持ちましてやりますので、国営事業はもちろん農林省直轄の国営でございますから、農林省の責任においていたしますけれども、それと同じ責任体制で工事実施を水資源公団でやっていく、こういう体制でありますので、実際の事業の進め方なり対受益農民等との関係は、国営事業と水資源公団事業とがその体制が変わったために、農民と農林省との関係が変わってくるというようなことはあり得ないと思います。
  101. 佐野憲治

    ○佐野(憲)委員 主務大臣は農林大臣ですけれども水資源開発公団の組織内容は御存じのとおりだと思いますね。しかも水資源開発公団があえてできてまいった。しかも各省の監督主務大臣がおる。その中に、企画庁長官なり総理大臣が調整するというようなときに、工業用水なりあるいはまた上水道なりの都市的な投資として行なわれるというのが——水資源公団がいままでやってきた、あるいはまた、この法律が出てまいった当時の客観情勢の中にそういう背景があったと思います。そんなことなら要らないでしょう。建設省には河川法があって、一括管理していけばいいわけでしょう。あるいはまた、農林省は国営事業を中心としてやっていけば、慣行水利権もありますし、いろいろな形を整理統合していけばそれでいいわけでしょう。あえてこういう水資源開発公団ができてまいった背景を考えるから、農民は不安になってくるわけです。あなたたちは、いままで国営事業としてやってきた。それならなぜ最初からそれを水資源開発公団でやらなかったのですか。
  102. 佐々木四郎

    ○佐々木説明員 木曾川に現在やっております国営事業、これは木曾総合と申しますのと三重用水でございますが、これはすでに着工いたしておりますけれども、実は愛知用水公団がその当時は豊川のほうをやっておりましたし、水資源開発公団方式でやるとすれば、基本計画その他の準備を進めなければなりませんし、そういうことを待ちますならばこの二つの事業の着工がおくれますため、そういう方法を将来とるといたしましても、一日も早く事業を進めまして関係農家、関係住民の利益を発現させていきたいということから、国営でとりあえず手をつけようということで、それぞれ二、三年前に国営で手をつけまして、いまこれから本工事を始めようというその段取りをつけつつある状態であります。
  103. 佐野憲治

    ○佐野(憲)委員 印旛沼のときにもずいぶん問題を起こしましたね。そういう苦い経験は御存じでしょう。今回の場合におきましても、そんな無責任な——とりあえず国営でやるんだ、それで国会は予算を通したのですか。これはとりあえずやらなくちゃならないんだ、将来はわからぬけれども、ともかく予算だけ取るんだという、土地改良における会計というものは、農林省としてはそのときそのつどによってどうでもいいというのですか。国営事業があり、それに対するところの県営あり、団体営あり、この一貫した中で土地改良事業が進められていく、それが農民の利益に還元してくる、それなれば、国家補助なり何なりの道も講じておるのでしょう。私有財産に対して国が補助をする、特別措置がとられておるという土地改良事業、そういう中で食糧の自給なりあるいは農民の農業におけるところの改革なり、いろいろな問題を含めておるから、公共性ありとして、私有財産に対する補助制度をとってきておるわけでしょう。それなのに、あなたたちは、一応計画を立てたけれども、これはどうなるかわからない、あとは水資源開発公団がやってくれればいいんだ、こういう乱暴な計画のもとに国会で予算の承認を得ておるのですか。
  104. 佐々木四郎

    ○佐々木説明員 少し説明が足りませんで恐縮でございますが、国営事業を着工する時点におきましては、この水系の水の開発方式を将来どうやっていくかということがまだ確定されていなかったわけでございます。それをその時点で確定して将来の見通しとしてきめられた方式で進めるということが最もいいわけでございますけれども、少なくともその時点では国営事業で進めることは可能でありまして、その他の方式で進めることは、この時点においてはいろいろ問題がございます。もし国営事業で進めるやり方が将来ともそのままで進むならば、これはそのとおり仕事はできていくわけでございますので、事業の進度をおくらせるようなことはない。それからまた、もしその時点で考えられますいろいろな方式が将来変えられるならば、国営事業で進めておるものをそういう新しい別な方式に変えることも可能であるというふうに判断いたしまして、国営事業で手をつけることがこの場合は最もいいことであるという判断に基づいて手をつけたわけでございます。
  105. 佐野憲治

    ○佐野(憲)委員 農林省としてはおかしいじゃないですか。国営事業で特別会計でやれるわけでしょう。発電もやりますし、多目的もやれるわけでしょう。水利が中心としての国営事業でしょう。これに利水が入ってくるわけでしょう。何だか利水面さえ調整していけばいいようにあなたたちの国営事業というものは全国的に展開されておるわけです。いま水資源開発公団が五大水系でやる、あとまた水系をふやしていく、そういう形でいけば、一体農林省の国営事業というものはなくなってしまうじゃないですか。一体どこに問題があるのですか。いまちょっとお聞きしても、愛知用水公団がいわゆる国営事業を一貫式に承継していく、資金面においても法律上相当保証されている、こういう形でやったほうが一番農民の利益になる。しかしながら、国営事業としてもやっていける、それで何ら支障がないわけでしょう。ところが、水資源開発公団になってまいりますと、いろいろな摩擦なり混乱というものが予想されるでしょう。農林省はちっとも予想していないのですか。水資源開発公団に国営事業をまかせる、それに対する愛知用水公団の承継なり、これからいろいろな問題を農林省の側から考えてみましても、われわれは運用面からだけ考えてみましても、これは相当な摩擦と混乱が起こるんじゃないか、こういう危険性をはらんでおる、こういうことを十分指摘できると思うのです。あなたたちはちっともそういう心配はないのですか。そういうことになってまいりますと、国営事業なんてやめたほうがいいくらいじゃないですか。東海地区におきましては、国営事業なんというものはやらなくてもいいような——たとえば三重用水なんか見ておって、どうですか。牧田川、こんな小さな川でしょう。あそこに中村ダムがあるでしょう。これによって農業利水とかいろいろな問題が考えられる。それを国営でやる。一番適当な方法だ、またやり得る、しかも農民と密着した土地をやっていけるじゃないか、そういうことで説明会を開き、納得をさせて、あるいは場合によれば、愛知用水公団が仕事がなくなるから、これをやるかもしれませんぞ、こういう説明もやっておられるでしょう。それを水資源開発公団——これは性格を見てごらんなさい。農林省のあなたたちが運営面から見てみても相当の問題が起きておるでしょう。あなたのほうはそれは何の心配もないのだ、水資源開発公団でやってもらってもいいのだ。事情の変更があれば、五大水系だけでなく他の水系も指定になる。そこで国営事業をやっておったけれども、それを水資源開発公団でやっていくのだ。しかも、水資源開発公団というのは、御存じのように——農林省の土地改良の場合、国営を原則としておるでしょう。そうではないでしょうか。国営を原則としておるところに、特別会計の国営事業を区別されておるわけでしょう。その点はどうなんですか。
  106. 佐々木四郎

    ○佐々木説明員 農林省でやってまいっております国営事業は、これはもう御説明申し上げるまでもなく、土地改良事業法の規定によってやってきておりますが、それとは別にいわゆる公団事業がございます。これは農業だけでございません。他の目的の利水もあわせてやっていくような仕事が主体になりますが、公団事業に入りますならば、先ほど企画庁のほうからお話がございましたように、先行投資的な色彩が強いということ、そのことのために事業のスピードが早くなるということもあるかと思いますが、国営事業の場合は、かりに多目的利水がありましても、農林省がそれぞれの部門から委託を受けてやっていく。そういうふうに、資金調達の方法も変わっておりまして、事業を進める側からいきますと、公団方式のほうが早くなっている。ただし、こういう種類の仕事というものは、農林省がやっております国営事業のすべて、あるいはその相当部分——こういうふうな方式がいいとは考えておりませんので、いま申し上げましたように、他の利水目的等ともあわせてやっていく。特に規模の大きい広域な利水、それに農業も関係しているような場合には、比較的例外的なものが多いと思いますが、そういうものはやはり公団方式でやっていくほうが全体のためにはいいのではないか、こういうふうに考えているわけです。
  107. 佐野憲治

    ○佐野(憲)委員 先ほども指摘しておるでしょう。国営事業でも多目的ないわゆる利水という点をちゃんと取り入れることになっておるでしょう。しかも、資金調達にしてみたって何ら変わらぬでしょう。ただ、発電なり電力なり、あるいは工業用水なり、こういう要求が非常に強いという、通産省サイドからくる、そういう形が運用部資金なりその他が少しはよけい入っておるという程度のもので、農業そのものから考えてみれば変則的な一つの問題ではないか。やはり国営事業を原則として、運用面から見てそこで不備な点をいかに補っていくか。工業用水だとか、あるいは発電だとか、あるいはまた上水道だとか、こういう点だけに重点が置かれ、資金配分がされておって、利水関係から見ればそうたいしてやり方は変わっていないと思います。しかも国営に限られておる、こうなっておる。皆さんのほうは、国営、県営、団営営、しかも住民参加、しかも地域における農業を一体どうしていくか。そこで、いまの水資源開発公団の場合でも、そういう形の中に進められていく場合に、やはり農家の総会なり三分の二の決議を要するわけですね。そういうことに対しまして、あなたたちのほうは責任を持って対処していく、しかもこれは五大水系のどこにでもそういう方式をこれから適用していくのか。いま木曾水系だけに、愛知用水公団を統合する関係上——皆さんの法律を見ますと、こんな法律というのはちょっと珍しいですね。附則附則でやっていってますね。そういう立法的な措置も考えられぬわけではないと思うのですが……。  そこで、一体、水資源開発公団は今後もやっていくのかどうか。いま愛知用水公団の承継をする、そこで一応公団的な意味における県営までも含めていくという皆さんの考え方が出てきておりますね。今後それを他の水系にもこういう方式をとっていくわけですか、その点は法律上ちっとも明確になっていないでしょう。
  108. 今泉一郎

    ○今泉政府委員 水公団は現在水系を指定して事業をやるというたてまえになっておりまして、現在指定しておりますのは、五大水系を指定し、その水系について事業をやっておりまして、ただいまのところ、具体的に五大水系以外に近々指定するというものはございません。しかしながら、法律上また実際上決してこの五大水系に仕事が限られるものではなかろうと私は思います。と申しますのは、御承知のとおりの水需要でございますから、したがいまして、水資源開発事業の必要性というものは非常に膨大でございますから——そうであるからと申しまして、国の直営事業と衝突し合うとか、国営事業を不当に削減するとか、そういう結果には決して立ち至らないのではないかというふうに私は存じます。  なお、団体営の一貫施行の問題につきましては、御承知のように、水公団の現在の仕事は国営級をもって原則といたしておりますから、したがいまして、愛知用水がやっておりましたあの木曾川につきまして新しく木曾総合用水事業並びに三重用水事業につきまして一貫施行の問題が起きますのは、私どもといたしましては、これはやはり従来からあの地域においてすぐ近傍について一貫施行してまいった、こういう歴史的な事実、現実がございます。そういうことも踏まえまして慎重に考えていきたいというのでございまして、全国的に一般論としてこれを拡大するというようなことは若干問題があるのじゃないか、こういうふうに存じております。
  109. 佐野憲治

    ○佐野(憲)委員 そうしますと、これは中部、名古屋、その付近だけに限られる特殊な方式だ、こういうぐあいにあなたの説明ではなっていきますね。他の五大水系を拡大するとかしないとかいうことはいまの論議の対象ではないのです。五大水系の中でもそういう方式を今後とっていくか。いまの団体営の関係まで愛知用水公団はやってまいりましたね。しかも発電なり、その他たとえば工業用水の場合にしても、一括やってしまう。やってからそれぞれ考えますね。あなたの場合はそうじゃないでしょう。業務にしても、資金調達方法も違ってくるわけですね。そういう愛知用水公団方式というもの、こういうものを、特殊な地域だから特殊にやるのであって、他の五大水系の中ではこれを採用しない、国営級だけにとどまるんだ、こういうことなんですか。
  110. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 御質問をずっと承っておりますと、結局、そもそも水資源公団というものは何のために必要であったかというところにさかのぼるんだと思いますが、それは各省がおのおのの目的でもって仕事をすればそれでもいいようなものの、やはり大きな水系については、総合開発基本計画をつくって、関係者全部がともかく折れ合ってその最大の効果をあげよう、こういう考え方で水資源公団ができて、そして水系を指定して総合開発基本計画を立てる、こういうことになったわけであります。ですから、先ほどお話しの、国営でどうしてやっていけないか——やっていけない理由はむろんないわけでございますけれども、やはり基本計画をつくって——むろん、水については農民が最大関係者でありますけれども、それが全部ではございませんから、やはり最大の効果をあげていくために、基本計画をつくり、水資源公団が仕事をする、こういうことになったのだと思います。ただ、今度の愛知用水公団の場合には、ずっといままで仕事をしてこられましたから、言ってみれば、今度水資源公団に統合されるということになると、お家の風がおのずからおのおの違っておるわけで、言うならば、水資源公団のほうがどうもやり方が辛い、愛知用水公団のほうが温情的であった、こういうことがいろいろな面であるわけでございますから、それで統合するとすれば、何が何でもいままでの水資源公団の流儀をそのまま押しつけてやっていいというものでもない。それはせっかく愛知用水公団が地元と仲よくやってこられたのでありますから、できるだけその家風というものは、その地域に関する限り、やはり尊重したほうがよかろう、こういう判断をいたしたわけでありますから、先ほど申し上げるように、県営のところまでおりていこう、それから三十七億円の未収金についても従来のいきさつなりを尊重していこう、こういうことで、できるだけ切りかえに伴う摩擦なりあるいは不安なりがないように——これは水資源公団のルールから申しましたら、やはり妥協でございます。ですから、ほかの地域にこういうことをするつもりはございませんが、やはり統合のときにはそのくらいの配慮はこれはどうもしなければいけないだろう、こういうのが基本的な考え方でございます。
  111. 佐野憲治

    ○佐野(憲)委員 だから、法律を読んでも、提案説明を聞いてもわからなくなってくるのですね。附則で押えていったら、水資源開発公団の性格が変わってくるのか、業務内容が変わるのか、こう私たちが疑問を持って、これに対する法律をどこを読んでも全く不明瞭になってしまって、附則附則で追っかけていく、こういうことで一応お聞きしておいたのですけれども理事懇談会が開かれるというので、残念ながら次の機会に譲りますが、大臣に一つここでお聞きしておきたいのは、いまのように、国会でいわゆる国営事業として採択になる、しかも全体設計ができ、事業計画ができる、こういう中でやるのに、これはどうでもいいという考え方がすぐ出てくるのと、もう一つは、政府関係機関がありますね、三公社、九つの公庫、二つの銀行。これは同じ公庫であっても、国会に提案され、国会の審議を求められ、かつまた、国会において議決をされておるのに、同じ公庫、公団でありながら、いわゆる九つの公庫にとどまっておる、これはどういうわけかということ、この水資源開発公団というのは、いま言うように、国営でやったものも——印旛沼の場合も国営でやったが、これも水資源に入っていってしまう、あるいは木曾川の場合、三重の場合におきましても、国営としてすでに着手しておる。国会で予算の審議を経ておる。これを変更してしまう。水資源開発公団は政府関係機関ではない。したがって、主務大臣が国会に対して責任を負う。国会のコントロールはないわけでしょう。国会の中で検討はでき得ないわけでしょう。そういう点で、大臣、どう考えられますか。大臣としては私は考えていただきたい。内閣として、政府としても考えていただきたい。政府関係機関である特殊法人と、そうでないものとの区別自体私たちにもよくわからないのです。同じ公団であって、特殊法人として国会で政府関係機関として予算の審議を受ける公団がある。片方におきましては、政府関係機関としての取り扱いを受けない、しかも国会のコントロールがない、主務大臣が責任を負う、こういう形、片方においては、国営事業として国会の審議を受けて、しかも採択になり、議決を受けて、いわゆる計画調査段階から全体設計へと相当時間をかけておると思います。しかるに、水資源公団は、基本計画実施計画ができないという現況にある。国会で決議されたものが、国会に直接責任は負わない。政府関係機関の中の住宅金融公庫、国民金融公庫も、政府関係機関として国会においてわれわれも審議をしておる。ところが、いわゆる愛知用水公団にしろ、水資源開発公団にしろ、直接大臣が国会に対して責任があるだけだ。国会は予算執行について何らコントロールすることができない。そういう中に国営事業が入り込んでいってしまう、こういう問題についてどうお考えになりますか。
  112. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 前段のほうの問題は、これは国営の方針を変更するということではありませんで、御承知のように、先ほども申し上げましたが、基本計画というものができなかった。しかし、こういう事業は早くやったほうがいいということでやったわけでありますから、それを承継するということであって、国会で御承認いただいたことをかってに変更するという性格のものではございません。  それから後段に述べられたことでございますが、公団の予算はやはり経済企画庁を経て国会の御審議をいただいておるわけでございます。住宅公団と違ってと言われましたところが、ちょっと私ども、住宅公団がどういう点で違うのか、住宅建設計画などを御審議いただいておるという意味で違うのかと思いますが、予算そのものはいずれにしても御承認を得ておると思っております。
  113. 佐野憲治

    ○佐野(憲)委員 政府関係機関予算として出しできておるでしょう。これは九つの公庫だけです。内容はそれぞれの法律によって審議するようになっておりますが——予算としてですよ。これには九つの公庫、三つの公社、二つの銀行しか入ってない。他は入ってない。いずれまた内閣でよく検討していただきたい。  それから農林省の皆さんのほうも、質疑内容もはっきりしないわけですけれども、あなた方の立場から、愛知用水公団の業務内容並びに資金調達、それから水資源公団の場合、特別会計の国営の場合、これに対するところの業務並びに資金調達にどういう相違があるか、その基準は農林省として一体どこに置いておるのか、その点をもう少し資料として出していただきたいと思います。愛知用水公団を水資源公団に統合の場合も、国営を水資源公団に吸収の場合も特にメリットがない。国営を水資源公団に持ってくるのに何かメリットがあるならいいけれどもメリットはないという。ないのだが、便宜上何か基準を設けておられるのだろうと思いますから、その基準を資料として次の委員会までに出していただきたいと思います。  そういうことにして、きょうは理事懇談会だそうですから、相当予定時間よりもオーバーして何ですが、一応次の委員会まで保留いたしまして、きょうの質問を終わりたいと思います。
  114. 加藤常太郎

    加藤委員長 本日はこの程度とし、次回は、来たる二十六日午前十時理事会、午前十時二十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十六分散会