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三木国務大臣 この王子の陸軍
病院、これが住民に対していろんな波紋を描いておることはわれわれも承知しております。この問題は、
昭和三十九年の旧行政協定の時代から
アメリカの施設として提供したわけであります。
アメリカの施設としては
向こうがこの
病院をつくるということは、新安保においても引き継がれておりますから可能であります。しかし、われわれの注目をすることは、王子というところが郊外ではないわけですから、非常に関心を
政府としても持たざるを得ない。それで、昨日、二十一日に厚生省の公衆衛生局長と
向こうの医療部隊の司令官とが会談いたしまして、
一つは、
野戦病院ではない、やはり総合的な陸軍
病院、したがって、ベトナムから直接に王子に運ぶものではない、やっぱり
野戦病院とかあるいは中間
病院を経て王子に来るわけで、直接ベトナムから運ぶものではない、ことに
日本の住民の人たちが心配しておった伝染病に対する防疫については、これは地元の厚生省の防疫担当官、地元の保健所長、これと王子陸軍
病院長が防疫対策については協議をする、伝染病に対しては十分な注意を払う、そしていろんな防疫上の諸問題については、今後も引き続いて緊密な連絡をとるというような話し合いができたわけでございます。そして両方が確認して、こういう点では、いわゆる伝染病というものを中心とする防疫の諸問題については細心の注意を払う。
また、もう
一つ騒音という問題、これもやはり、文教地区においてはあまり騒音というものも困るでしょうから、これは今後できるだけの善処を要望したいと思っております。
それから、外出が自由であるという風紀上の諸問題についても、厳重な風紀上の諸問題を起こさない注意を
アメリカにいたす所存であります。
そういうことで、この王子の陸軍
病院というものの開設に伴って、付近の住民に対するいろいろな点で迷惑をかけることを、これをできるだけ最小限度にするために、われわれとしてもできるだけのことをする所存でございます。そして、そういういま心配されておるようなことが
現実の問題として起こらないような努力をいたす覚悟でございます。