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1968-05-21 第58回国会 衆議院 沖縄及び北方問題等に関する特別委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年五月二十一日(火曜日)    午前十時四十七分開議  出席委員    委員長 床次 徳二君    理事 上村千一郎君 理事 臼井 莊一君    理事 小渕 恵三君 理事 鯨岡 兵輔君    理事 本名  武君 理事 川崎 寛治君    理事 美濃 政市君       大村 襄治君    古屋  亨君       箕輪  登君    山田 久就君       中谷 鉄也君    西風  勲君       森本  靖君    伊藤惣助丸君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (総理府総務長         官)      田中 龍夫君  出席政府委員         総理府特別地域         連絡局長    山野 幸吉君  委員外出席者         郵政大臣官房電         気通信参事官  斎藤  浄君         郵政省電波監理         局放送部長   左藤  恵君         日本電信電話公         社理事         (施設局長)  北原 安定君         日本電信電話公         社施設局無線課         長       永村 春一君     ————————————— 五月二十一日  委員依田圭五君及び沖本泰幸辞任につき、そ  の補欠として森本靖君及び伊藤惣助丸君が議長  の指名委員に選任された。 同日  委員森本靖辞任につき、その補欠として依田  圭五君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  沖繩島宮古島及び石垣島相互の間における極  超短波回線による電気通信に必要な電気通信設  備の譲与に関する法律案内閣提出第八二号)  (参議院送付)  請 願   一 沖繩祖国復帰促進に関する請願(大村     襄治君紹介)(第六八一号)      ————◇—————
  2. 床次徳二

    床次委員長 これより会議を開きます。  沖繩島宮古島及び石垣島相互の間における極超短波回線による電気通信に必要な電気通信設備譲与に関する法律案を議題とし、審査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。上村君。
  3. 上村千一郎

    上村委員 この沖繩島宮古島及び石垣島相互の間における極超短波回線による電気通信に必要な電気通信設備譲与に関する法律案につきまして、二、三の点に関しましてお尋ねをいたしたいと思うわけでございます。  まず、本法案提案理由を拝見いたしますと、現状におきまして、この三つの島相互間の電信電話等電気通信事情を見ますと、これら地域相互には短波方式等による三ないし四の電話回線一つ電信回線があるのみで、これらの回線は、空中状態により、雑音、混信等の障害が多く、通話品質が非常に劣っておる。また夜間は休止いたしておるというような状態にあります。それかといって、これが改善をはかるために、琉球政府あるいは琉球電信電話公社というようなものが、この電気通信設備を設置するについての財政力経済力からいって不十分である、こういうような点で本法案出した、こういう趣旨に相なっておると思います。きわめて必要な法案であるというふうに存じます。特に、この国の物品の無償譲与に関する現行法は、その態様が制限列挙になっておりますから、どうしてもこういう特別立法をつくっていくという必要性も十分わかるのでございますが、この際沖繩公衆電気通信は、現状はどうなっておるのか。それから琉球政府完成時までの負担というものは一体どのぐらいの金額になるだろう。それから今後改善計画をどういうふうにお立てになっておるのか。こういうような点につきましてお尋ねをいたしておきたい、こう思います。
  4. 田中龍夫

    田中国務大臣 ただいまお尋ね案件につきましては、交渉の経過並びに詳細な計数上の問題もございますので、担当者から御説明させたいと思います。
  5. 山野幸吉

    山野政府委員 私のほうからまず琉球政府負担関係について申し上げたいと思います。  ただいま御指摘になりましたように、この極超短波回線施設工事のために、設備日本政府が全部つくりまして、完成した暁にそれを譲与する。その日本政府援助額は六億七千七百万円、四十二年度が一億二千七百万円、四十三年度が五億四千九百万円でございます。琉球政府側局舎を建てるだけでございまして、したがいまして比較的軽微な費用しかかかりません。経常的な局舎経費でございます。その主体になるほとんどの工事は六億七千七百万円で、日本政府が全部つくって譲与する、こういうことになるわけでございます。  それから第一点の電電公社現状でございますが、実は一九六一年から六五年まで第一次の五カ年計画実施しておりまして、その結果一九六五年度末における電話加入数は、公社の発足当時の四・五倍、二万五千五百十二でございます。電話普及率は人口百人当たり〇・六五%でありましたのが二・七二%に向上したのでございます。それから電話自動化率は三四%から八二%、即時化率は六四%から七七%、こういうぐあいに改善されております。琉球政府といたしましては、通信施設の拡充、設備施設保存の強化、サービスの向上、こういう点につきまして六六年から一九七〇年までをさらに第二次五カ年計画にいたしまして、現在これを実施中でございます。
  6. 上村千一郎

    上村委員 今後の改善計画について……。
  7. 山野幸吉

    山野政府委員 したがいまして、この第二次五カ年計画内容を申し上げたほうが、むしろ今後の改善計画に該当すると思いますが、加入電話を三万六千個をさらに増設し、公衆電話を七百七十五個増設する。それから自動化を促進するために十八局の局舎を建設する。それから市外回線を二万二千キロ増設する。あるいは日本政府の今回譲与しようとする施設等もその計画内容に同時に入っております。これらの計画を達成しますために、五カ年で約六十七億ばかりの投資を予定しておりますが、この実施後は相当沖繩電信電話事情は画期的に改善されるものと承知しております。
  8. 上村千一郎

    上村委員 もう一つ。本法案現時点でお出しになっておられる。この法案というものはいつか出して立法化するということが必要である、こう思いますが、現時点でお出しになっておられるのはどうかという点を一点お尋ねしておきたいのは、実は昭和四十二年度予算におきまして予算化されているし、四十三年度に予算化されている、そうして完成は四十四年の三月ごろだ、こういうことになっている。これは法案提出関係においては、予算編成をするというときに、関連法案とするならば、前の国会出しておく時期であろう。四十二年度にも予算でついている、完成後に譲与するということになると——来年の三月に完成する。要するに途中でこの法案提出されている。もちろん計画中の法案はある程度見通しをつけて提出する。そうすると、四十三年度通常国会出していく。完成といいましても、四十三年の三月だけれども、もしこの次の通常国会に出すということになると、三月までに成立せぬ場合もありはせぬかということで、この国会提出しておられるのだろう、こう思いますが、一応論点にもなりますので、政府側の御見解をお尋ねしておきたい、こう思います。
  9. 山野幸吉

    山野政府委員 この法案提出時期の問題は、ただいま御指摘ございましたように、昨年の国会でもいろいろ御質問があったわけでございます。私どもとしましては、このUHFは四十二年度の予算と四十三年度の予算に計上されまして、その工事が四十四年のいま御指摘になりました三月に完成するという予定設備でございますので、したがって四十三年度の予算が計上されまして、事業の全体計画が確定されまして、そうして従来の工事建設の経緯にかんがみて、大体四十四年三月には間違いなく完成するという時点をとらえましてこの法案提出したほうが最も実際的ではないかというぐあいに考えまして、従来からこれに似た譲与法案はいつも二年目に提案いたしているようなわけでございますので、ひとつ御了承をいただきたいと思う次第であります。
  10. 上村千一郎

    上村委員 次に、結局現地米側としましては、沖縄のかかる施設について運営上免許の問題が起きる、こう思うのです。運営上現地米側との関係は一体どうなっているのか、お尋ねをしておきたい、こう思うのです。
  11. 斎藤浄

    斎藤説明員 電波につきましては沖縄米軍監理下にございまして、規制を受けておりますが、このUHFの波につきましては、周波数の割り当てを認め、二千メガ帯を使えることになっております。
  12. 上村千一郎

    上村委員 そうすると、米側とはもうすでに話し合いがついておるというように承っておいていいですか。
  13. 斎藤浄

    斎藤説明員 よろしゅうございます。そのとおりでございます。
  14. 上村千一郎

    上村委員 ここで一点、この前に委員会でもお聞きしたわけですが、テレビでNHKに対する関係においてあの方式無償貸与方式をとっておる。本法案ではいわゆる財政援助方式をとっておる。まあNHKの場合も今回の場合もよく似た対象にはなるわけです。要するに住民福祉向上、こういうことになると思うのですね。しかるにとられた方式は、一方は無償貸与方式、一方は財政援助方式をとっておる。これは深い理由があるのかどうか、その点についてお尋ねしておきます。
  15. 山野幸吉

    山野政府委員 先般郵政省のほうの法案としまして、NHKから御指摘になりましたようにOHKのほうへ機械を無償貸与するという法案が通過いたしたのでございますが、OHKは全島にわたりまして、有料で公共放送を行なうわけでございます。その場合にはやはりこの公共放送としての経営を考えて運用されるのでございましょうから、したがいまして、無償貸与ということでいくのが筋じゃないだろうか。NHKは御案内のようにOHKと非常に技術的にも関係が深いわけでございますし、また将来施政権返還になりましたら、NHKの支局なり何なりになる性格のものでございます。したがいまして、自今はそういう援助無償貸与方式が妥当だろう。ところが、今回のUHFの場合には、先島の戸数から申しましてもごくわずかな戸数電話の便宜を増進していくために七億に近い施設が必要でございますので、これはとうてい琉球政府なり電電公社の力ではやっていけない。したがって、これは日本政府でつくって、それを無償供与にしたほうが適当であろうというぐあいに考えたわけでございます。
  16. 上村千一郎

    上村委員 そうすると、今回の場合は無償贈与の形式をとったということは、結局日本財政負担というものは大きいということですね。それだけ沖縄島民福祉向上ということを重点に置いておる、こう見ていい。その際に、これをそれだけの熱意を持ってやる以上は、しんから沖縄島民方々に喜んでもらわなくちゃならぬと思うのであります。その際に、米軍などが先島に、たとえばいまの宮古島なりあるいは石垣島、それから沖縄本島なりに、その際に、まさか米軍のほうが使って悪いということにもならぬだろうと思うのですね、それだけの料金さえ払えば。けれども、一方が使い過ぎちゃって、地域住民が、できたけれどもとんと自分らの利用度が少ないということがもしあるとすれば、無償贈与方式をとって相当財政負担日本負担している以上真に沖縄島民に喜んでもらえ、現実福祉の増進になっていかないとまずいだろうと思いますが、その辺の御考慮をされておるのかどうか、ひとつ伺っておきます。
  17. 山野幸吉

    山野政府委員 私の承知しています限りにおきましては、米軍米軍としての通信施設を持っておりますし、したがいまして、このUHF回線を特に米軍が優先して使うというようなことは私は聞いておりませんけれども、またそういうようなことはないだろうと思います。まあ一般の私人と同じような立場で普通の料金を払ってお使いになるということは、これは当然だろうと思うのですけれども、特に優先してそういう一般的な民間の使用を阻害するような事態は私は起こらない、かように考えております。
  18. 上村千一郎

    上村委員 その点はちゃんと御配慮をされておられるだろうと思いますし、私もそう信じてはおりますが、次にこの琉球電電に対しまして昭和三十六年にマイクロウエーブの施設無償贈与しておる。今回はUHF施設無償譲与ということに相なっております。この間の、何か前と後といろいろな点について違っておる点、そういう点はございましょうかどうか、お尋ねしておきたいと思います。
  19. 山野幸吉

    山野政府委員 マイクロ回線設備譲与につきましては、昭和三十六年に法律第四十五号でございますが、これによりまして御指摘設備譲与いたしたわけでございます。今回のUHFはこのマイクロ回線とは直接関係のない施設でございまして、もっぱら本島と先島の極超短波方式による電話回線の増設の施設でございまして、この譲与との間には直接的な関係はございません。
  20. 上村千一郎

    上村委員 私この程度でおいておきますが、長官もお見えでございますので、長官のお考えも承っておきたいと思います。  沖縄問題につきましてはいろいろと政府当局がお骨折りになられて、そして返還をするというような点につきましてはおおよそのめどがついてきているだろうと思うのであります。そうなってまいりますと、結局本土沖縄との一体化、要するに経済状態福祉状態、その他多くの問題につきましてきわめて恵まれておりません沖縄島民に対しまして、これは何としましても急速にひとつ本土一体化をはかり、格差のないようにしていく必要があろうかと思うわけでございます。特に私もこの先島その他へも参っておりまするが、電話あるいは電信、こういう施設につきまして非常におくれておるし、また先島その他の島民が要望しておることは確かでございます。そういう意味におきまして島民方々がほんとうに喜ぶように、そして実際上よかったというような成果をあげるように一そうの御努力を賜わりたい、こう思っておるわけでございます。  なお施設は、先ほど局長もお話しの点でございますが、まだ進捗中でございまして、来年の三月に完成をするということでございますので、その計画どおり滞りなくいかれることを希望いたしておきたいと思うとともに、本上との一体化につきましての御決意なり御感想なりを長官から承りまして、私の質問を終わりたいと思うわけでございます。
  21. 田中龍夫

    田中国務大臣 ただいま上村先生からの御質問のとおり、われわれはこういうふうな通信網というものが整備拡充されることが、すみやかな本土復帰のために非常に大きな効果があるということに着目いたしまして、特に推進しておる次第でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
  22. 上村千一郎

    上村委員 以上、私の質問を終わりたいと思います。
  23. 床次徳二

  24. 中谷鉄也

    中谷委員 お尋ねいたします。  昭和四十二年度に一億二千七百四十六万円、昭和四十三年度の予算に五億四千九百八十三万円、合計六億七千七百二十九万円ということで予算措置がされているわけでありますが、お尋ねいたしたいのは、完成予定昭和四十四年の三月見込みであるということであります。先ほど同僚委員のほうから質疑のありましたのは、この法案がすでに予算措置がされているにかかわらず、この時点において提案されたことについての若干の法律的な問題をただされました。この点については重複して質問をすることを避けますが、私がお尋ねをいたしたいのは、四十四年三月完成見込みということに相なっているけれども工事方法努力によって、四十四年三月完成見込み短縮することはどの程度可能か。現実には一体いつ——見込みは四十四年の三月であるけれども、これを一日も早く関係島民は待ち望んでおる工事完成であろうと思うけれども短縮可能性はどうか。四十四年三月にしか完成できないということについては、どこにそういう工事進捗のプログラムがあるのか。これらの点についてお答えをいただきたいと思います。
  25. 田中龍夫

    田中国務大臣 この点は担当官から詳細お答えをいたさせます。
  26. 斎藤浄

    斎藤説明員 この工事は、沖縄本島と先島、——先島も二つありまして、宮古島石垣島無線局を設置する工事でございますが、いままで何もなかったところに初めてつくるわけでございまして、昨年の十月に総理府電電公社工事契約をいたしまして、工事に着手したわけでございますが、工事の段取りといたしましては、土地及び道路、その他局舎等基礎設備工事につきましては沖縄のほうで工事を担当いたしまして、実際の無線局及びアンテナ施設、さらに無線局からもよりの市外局まで電話線を引っぱることの工事につきましては、日本政府援助で入っております。それが、ただいま申しました六億七千七百万円に相当するわけでございます。昨年から基礎工事にかかりまして、ことしの大体五月ごろから実際の工事にかかれるようになりまして、日程その他を提案して、実際無線局設置そのもの工事にかかっておるわけでございます。先ほど御質問になりましたように、なるべく早く開通したほうが住民その他のために望ましいことでございますので、精一ぱい努力をいたしておりますが、一応工期としましては、四十四年三月末までに完成することとしております。
  27. 中谷鉄也

    中谷委員 工期が三月末だということは、これは参議院先議案件でございまして、もうすでに御答弁もいただいているわけなんです。ただ、いま御答弁がありましたとおりに、無線局新設新設局舎工事は、五、六月ごろに完成予定だということでございましたけれども、もう五月も末でございますから、これはいつ完成をいたしますか。そういたしますと、あと残っておるのは電電公社のほうでの工事ということに相なってくるだろうと思うのです。工事短縮見込み、これは予算措置とも関係してくるだろうと思うのですけれども、どの程度可能なのかというふうなお尋ねのいたし方をいたしたい。あと残ってまいりますのは電電公社のほうのお仕事になってくるわけですね。なるべく早くということは、あたりまえのことなんで、技術的に見て、いわゆる本件工事についてある種の努力方法を加えれば、たとえばことしの秋までとかいうようなことは可能なのかどうか、この点はいかがでしょうか。
  28. 斎藤浄

    斎藤説明員 四十四年三月というのは、あそこは災害常襲地帯台風の始終通るところでもございますし、いろいろ考えまして、四十四年三月——当初は四十四年五月ということになっておりましたが、これを努力いたしまして、四十四年三月完成目途工事を進めていくということになっておるわけでございます。いろいろ条件がございますが、なるべく早く開通するように努力したいと思います。
  29. 中谷鉄也

    中谷委員 じゃこういうふうにお尋ねをしておきます。なるべく早くということの目的が達せられた場合の短縮の可能な完成の時期というのは、いつごろに予想されるか。四十四年三月ということで従来答弁されておりました。しかし、なるべく早くということで御努力になる。なるべく早くということの目的が達せられた現実の問題としては、いつごろまでにできる可能性があるのかということでいかがでしょうか。
  30. 斎藤浄

    斎藤説明員 ただいまのところは四十四年三月を目途にしましていたしておりますが、なるべく早く完成いたすように電電公社にさせるようにいたしたいと思います。
  31. 中谷鉄也

    中谷委員 それではおそれ入りますが、電電公社施設局のほうから御答弁をいただきたいと思います。
  32. 永村春一

    永村説明員 四十四年三月施設完成というのは極力線表を縮めた範囲で、これ以上は縮まらないということで線表をつくったものでございます。当初、いまいろいろ御質問いただきましたように、この回線というのは早く完成しなくちゃいけないということで極力縮めた線表でございまして、現在の段階ではこれ以上に縮めるということは、私どものほうではとても考えられないところじゃないかと思っております。
  33. 中谷鉄也

    中谷委員 森本委員がおいでになっていますので、あと一、二点だけお尋ねをいたしたいと思います。電波監理についての問題をこの機会に同僚委員質問とともに私のほうからもお尋ねをいたしておきたいと思います。  沖縄における電波監理についての根拠法令は何になるわけでしょうか、郵政省のほうから伺いたい。
  34. 斎藤浄

    斎藤説明員 沖縄電波監理につきましては、沖縄電波法が一九五五年十一月に制定されておりますが、この上に米軍政府布令第百二十八号というのがございまして、電波免許につきましては米軍政府統轄下にされておるのでございます。
  35. 中谷鉄也

    中谷委員 布令百二十八号及び電波法布令百二十八号が電波法上位法として存在する、こういう御答弁であります。といたしますと、すでに参議院においても論議されました問題でありますが、たとえば通常の場合に、私人として米国軍人軍属がこの設備料金を払って使用するということは予想されるということです。それは通常の場合そういうことは予想しておる。ただ、通常でない場合、たとえば非常事態などといわれるような場合には、七億近くの金を使って設備したところのこの施設が、米軍関係において全面的に使用できるというふうなことはあり得るのか、あるとするならば、その法令根拠は何か、特連局長
  36. 山野幸吉

    山野政府委員 ただいまお答え申しましたように、先島の住民電話の不便を改善するための強い要請で、日本政府が今回多額の施設をつくって譲与するわけでございます。したがいまして、私どもはとの施設米軍が特に特別な立場で利用するということは想定しておりません。ただいま御指摘になりますような非常事態というのがどういう事態なのか、いろいろ定義もむずかしいと思いますが、そのような場合にこの施設がいかに使われるかということにつきましては、遺憾ながら私知識を持っておりませんのでお答えできないのが残念でございますが、しかしいずれにしましても、冒頭に申しましたように、先島住民の熾烈なそういう願望にこたえての日本政府譲与した施設でございますから、そういう先島住民願望に沿って運営されるべきものと考えております。
  37. 中谷鉄也

    中谷委員 布令百二十八号に「琉球政府はこの布令規定する範囲内で、琉球の郵便、電気通信及び気象業務を有効に運営管理し且つその責任を負う。」というふうに相なっており、そのように明定されておるところであります。ただ、そういうふうなことは好ましくないことだと思うけれども高等弁務官電波承認権を持っている。これは布令百二十八号の第一条の四に規定している。ところが、弁務官の持っているところの権限というのは、そういうふうな電波監理、すなわち布令用語で申し上げますならば、「無線局及び無線通信士免許の発給、変更又は更新」についての承認権を持っているだけであって、この施設そのものについて米軍のほう、民政府のほうがある状態を想定して接収をするとか全面的に使用するというふうなことはできないと私は思う。要するに、逆に申し上げますと、この施設米軍の場合は料金を払って使用するという以外に使用方法はないんだ、布令上位にあって電波法が下位にあるといってもそういうものだ。それは決して事実上そういうふうに使用されるということだけではなしに、法構造上もそうなっているんだということは、両三年内に返還めどが立つという状態においては、そういう前向きの解釈があってしかるべきだと思うが、局長いかがですか。
  38. 山野幸吉

    山野政府委員 非常にむずかしい御質問でございまして、この民立法電波法の八十二条によりますと、非常の場合の無線通信というのがございまして、「地震、台風、洪水その他の非常事態の場合には、行政主席が必要な通信無線局に行なわすことができる。」という規定があるわけでございます。こういう意味非常事態であれば、これは琉球政府が独自に、この規定に基づく正当な使用を行なっていくわけでございます。ただいま御指摘になったような非常事態という概念は、もしそれがかりに沖縄住民の安寧、福祉に直結した問題であるならば、そういう場合には、大統領行政命令と、それからこの民立法あるいは行政主席権限との調整の問題として若干問題があるように私は考えます。考えますが、しかし、ただいま御質問になった御趣旨も、私は一応理屈として考え得るのじゃないかというぐあいに考えますが、その点は沖縄の法体系が、行政命令、民立法それから行政主席高等弁務官関係、非常に複雑でございますので、私は専門外のことでもございますし、ちょっとその場合のことは確答はできないわけでございますが、御指摘趣旨は私は一応了解できるわけでございます。
  39. 中谷鉄也

    中谷委員 次に質問をいたしますが、いま指摘されました電波法八十二条は、あくまで主語が行政主席になっている。だから私が想定したような場合に、米軍が接収するだとか民政府がそれを使うというふうなことは法体系の中に出てこないし、局長がおっしゃるように、中谷委員の言っていることは一応の理屈だというふうなことではいけないのじゃないかと私は思う。これは私個人の意見というよりも、問題は、施政権返還を求めるという本土一体化ということは——長官お尋ねいたします。本土一体化ということは、言うてみれば施政権権限範囲を縮小していく、いわゆる現実施政権下においても施政権範囲を縮小していく、施政権の拡大を防止する、法律解釈においてそのような努力を積み重ねていくということでなければいけないというふうに私は考えます。施政権というのは無条件に範囲を持ったものじゃなくて、施政権返還されるまで施政権を縮小していく、そのような努力を積み重ねていくということが本土一体化であろうと私は思うが、長官いかがでしょうか。
  40. 田中龍夫

    田中国務大臣 やはり現実の法体系は法体系として尊重いたさなければならぬと存じまするし、施政権返還はまた施政権返還で当然われわれの念願するところでございますが、その間のことにつきましては、また行政上のいろいろな経過もあることと思います。
  41. 中谷鉄也

    中谷委員 次に非常に素朴な質問をいたします。  結局電波管理が、布令百二十八号によって高等弁務官の承認事項であるから、したがって、電波についての監理権は高等弁務官にあるということに相なるというところの御答弁であります。その電波監理にあたっての基本的な考え方、基本的に電波監理というものについて守らなければならないところの基準、それはいわゆる電波法、これは琉球のいわゆる電波法沖縄電波法ということでなしに、本土電波法琉球法令集に載っておるところの電波法ではなく、本土電波法の中にもそれはすでに明定されているところでありますけれども、きわめて素朴な質問をいたしますが、電波監理にあたっての配慮すべき点は一体何か、これをひとつお答えをいただきたいと思います。
  42. 山野幸吉

    山野政府委員 これも御質問にストレートに答えたことになるのかどうか非常に疑念がございますが、一応電波法目的は、電波の公平かつ能率的な利用を確保することによって公共の福祉を増進することを目的とするとございますから、大体こういう趣旨に従って運営されるべきだと思います。
  43. 中谷鉄也

    中谷委員 法の条文をお尋ねしたわけではないのです。これは郵政省のほうに、電波監理にあたってのいわゆる基準、守られなければならないところのルール、そういうものは一体何ですか、どうしてもこの点だけははずしてはいかぬというものがあると思うけれども、ということを私はまずお尋ねをする。と申しますのは、あともう一点だけの質問ですけれども、いわゆる沖縄に新しい基地公害、テレビが突然火をふくというようなことについて私はあとで最後にお尋ねしたいと思うのですが、電波監理の基準がどこかで混乱しているからこういう問題が起こったじゃないかと思う。まず電波監理の基準は何ですか。  重ねて質問を続けます。沖縄においてはそういう電波監理の基準とか基本的原則は守られていると思われますかどうか、こういうことをひとつ郵政省のほうからお答えいただきたい。
  44. 左藤恵

    左藤説明員 わが国の電波法上は、電波監理の基準とすべき問題は、「電波の公平且つ能率的な利用を確保することによって、公共の福祉を増進することを目的とする。」第一条に掲げられている点だと考えております。
  45. 中谷鉄也

    中谷委員 次のような問題について郵政省はどのようにお考えになるでしょうか。すなわちNHKの第一の出力は百キロワットだそうでございます。ところが、沖縄の国頭村の桃原にあるところのボイス・オブ・アメリカ、これについては出力が千キロワット、こういうふうなもので強力な電波出してきているということが従来からいわれております。特に最近になりまして、その電波について地区民がすわり込みをするような状態が発生した。なぜかと申しますると、まず地元の人は人身事故を心配している。ラジオやテレビが次々と故障をする。ひどいときにはテレビが火をふく、木の枝が歌を歌い出すというような状態で、しかも金属性のものを触った場合に感電をする、そういうふうな状態があらわれてきておる。いわゆる現在譲与されようとしているところの施設の混信と本件とが関係があるかどうかについては疑義があるようでありますけれども、こういう千キロワットというふうなところの出力を持った電波を発している、こういうようなことが、いわゆる電波監理の観点、基本的な原則、基準から見て正しいといえるのだろうかどうか。ましていわんや、その地元の付近の住民がそのような空中電気の影響というふうなことで非常な公害、被害、人身事故さえも心配しなければならないような状態というのは一体どうだろうか。  この点について私がお尋ねいたしたい問題をひとつ整理いたしますけれども、まず本土においてNHKの第一が百キロワットということだけれども、それの十倍の千キロワットというふうな出力を持つところの電波を発するというふうなことが、われわれの常識として考えられるかどうか、まずそれが第一点。  その次に第二点といたしましては、そのような出力を発するところの施設があるというふうなことが、沖縄におけるところの電波監理全体の体系を乱しておることにならないかどうか、これが第二点。  第三点といたしましては、この問題について立法院の多数の意見は、と私は聞いておりますけれども本土のほうからひとつ専門の調査団の派遣を求めようではないかということを言うておるというふうに私は伝え聞いている。一体郵政省としてはこういうふうな問題を放置しておいていいのかどうか。このような問題はこういうところに原因があって、対策はこうだというふうなことを、郵政省が一体直ちに指摘できるのかどうか。もし指摘できないとするならば、この問題については郵政省としても現地調査をさるべきではなかろうかというのが第三点。  第四点としては、直ちに現在この問題について措置せなければならないことは、郵政省の専門技術的な立場からこれに対する除去の方法は一体あるか。千キロワットの指向性を持ったところの電波が発せられておるということでありますけれども、こういうふうな人身事故にも及ぶような被害を防止するための措置、防除措置というのは、一体専門技術的に見てどんなものなのか、これらの点についてひとつお答えいただきたい。
  46. 左藤恵

    左藤説明員 まず第一点の千キロワットの出力が常識で考えられるかというお話でございますが、現在NHKの中波の第二放送は東京で三百キロを出しております。しかし千キロの放送は日本では出しておりません。が、ソ連とか中共とかそういう近隣諸国においては五百キロないし千キロの放送が出ておるというのが現在の実情でございます。  それから、沖縄電波監理上、こういった千キロの放送が体系を乱すのではなかろうかという御質問に対してでございますが、これにつきましては、沖縄の現在置かれております立場の点からいろいろと問題があろうかと思います。千キロというものが全体のバランスを失しやしないかというお話でございますが、現在沖縄出しております千キロの放送につきましては、一応指向性をつけまして、主として中国大陸の方面に向けて出しております。それほど大きな影響を来たしておるというふうには聞いておりません。  それから第三点の問題でございますぶ、新聞の報道にもございましたように、千キロの放送が出ておりますために、桃原部落と申しますか、VOAの送信所から約五百メートルくらいのところにあります部落で、テレビの受像機のアンテナのフィーダーの被覆が焼けたとか、そういうふうな被害につきましては、さっそく琉球の郵政庁の電波監理課にこの事情につきまして照会いたしました。その結果、それほど大きな被害ではなくて、ただアンテナのフィーダーの被覆が焼けて煙が出たという程度のように聞いております。  それから新聞では、なお牛が感電をして転倒したというふうなことが書いてございますが、沖縄琉球政府の話によりますと、そういった状況から見てほかの原因であろう、感電ではないんじゃないかというふうに申しております。  それからこの対策でございますが、その点につきまして琉球の政府からも、一週間以内にフィルター等の取りつけをテレビにして、この防止策をはかることについてVOA当局に対して強く要請をいたしまして、VOA当局もそれを約束いたしまして、現在この部落には五十五台テレビがございますが、これに全戸に対しまして無償で防除対策のフィルターの取りつけを約束いたしております。  それからもう一点お尋ねで、専門家の派遣を要請してまいりました場合に現地調査をやってはどうかということにつきまして、現在沖縄におきましては沖縄放送協会が発足したばかりでございます。そういった点で技術的にたとえばアンテナの建て方とかそういったものに対する指導とかいうものがまだ十分行き届いておりませんので、そういった点につきましてたとえばNHKから援助をするとかいうふうな方向につきましては、要請がありました際には私たちもぜひそういったことにこたえたいと考えております。
  47. 中谷鉄也

    中谷委員 お尋ねをいたします。  まず、これは全く素朴な質問でありますけれども、千キロワットの指向性を持った電波が発せられておるというふうな場合に、テレビが突然ぱちぱちと火花を出して火を吹く。あるいは被覆が燃える。そうして物をさわると感電をする。ぴりぴりする。さらにまた、いわゆる木の枝が歌を歌うというふうなことが技術的に見ましてあり得るということなのかどうか。ものごとのいわゆる見方だろうと思いますけれども、こんなことはたいへんなできごとだと私は思うのです。いわゆる公害問題として見てみた場合に、これは重大なことだと私は思う。たとえば本土において、森本委員などが中心になって質疑をされた電波制限の問題、神奈川県ほか十何カ所の電波制限の問題、本土においては国会の審議の中の一つの焦点にもなっている問題だと私は思う。軍事基地の中心が電波制限をするということについてたいへんな問題になった。そういうようなことが沖縄においては無条件で——電波制限ところじゃなくて、テレビの被覆が燃えるというふうな状態が起こっていることについて、これはもう重大なできごとだと私は思うのです。そこで、こんなことがいわゆる常識で考えられるかどうか。これはひとつ私は関係者の御答弁をいただきたい。われわれの常識を絶する問題だ。そんなことはあたりまえですよ、当然なことですよというふうなお答えなのか。その点をまず一つお聞きしたい。  それから次に、第二点といたしましては、人身事故という問題についてはいろいろな見方があります。少なくとも人体に非常に不快な感じを与えることは、これはもう事実ですね。しかし、それ以上の——この種の状態が継続しておった場合に、牛の例を引かれましたけれども、じゃ、人身事故が絶対にないんだということを、本土のこの委員会で、あなたがおって言えますかどうか。早急に対策を講じなくて、人身事故が起こらないということが言えるのかどうか。これはひとつ私はぜひ専門家としてのあなたの御答弁をいただきたい点です。  そこで問題は、テレビが映るようにするというふうな処置を住民が求めていることは当然でありますけれども、そのことだけではない。人身事故がこういうことで起こらないのかということを強く要望しているわけです。問題は、そういうふうな出力をたくさん出して感電するような状態がある。物をさわればぴりぴりする状態があるけれども、テレビが映るようにしてやろうということでは私は済まないと思う。問題はそういうふうな物にさわったらぴりぴりするというふうな状態が除去されねばならない。それについての対策は一体どうなんですか。民政府あるいは米軍と地元住民が交渉したところによりますと、民政府の説明は、テレビの映り方が悪いのはテレビのいわゆる設備が悪いのだろうというふうなことの答弁があって、先ほど答弁されたように無料で何か物を配ってやろうというようなことだったらしい。そんな恩恵はやはり沖縄島民はそれほど望んでいるのではないと思う。問題は、さらに質問を続けて、では人身事故の問題は生じないのかと米軍に聞いたところ、それに対しては明確な答えができなかったということを、すわり込みという状態の中において問題にしている。この点について一体どうなんですか。少なくとも要請があればということでたしに、直ちに現地に行くべきではなかろうか。行っていただくべきだろうと私は思うけれども、どうなのです。要するに琉球政府のいわゆる現在の電波に関するところの技術水準からいって、この種の問題を的確に把握できるのかどうか。把握できないとすれば当然本土一体化の線に沿うて、本土の政府、日本政府、ことに郵政省がこれらの問題について力をかすのが当然ではなかろうかというふうに私は思うのです。いかがでしょうか。
  48. 左藤恵

    左藤説明員 そういう千キロの電力が出ておる近くにおきます人身事故がないかということにつきましては、非常に危険な問題はたくさんあろうかと思います。ことにしろうとが配線したような場合に、そのシールド対策が十分でなくて感電するとか、そういうような危険性も十分にあろうかと考えております。  そこで、いまのお話のそういう技術的な対策につきまして郵政省から琉球へ行っていろいろなアドバイスをするつもりはないかというお話でございますが、直ちに御趣旨につきまして琉球電波監理当局と連絡をとりまして、私のほうから御趣旨に沿うように努力いたしたいと考えております。
  49. 中谷鉄也

    中谷委員 では、長官がお戻りになりましたら長官に対する質問を一点だけお許しいただきまして、私の質問はこの程度で、この段階で一応中断しておきます。
  50. 床次徳二

  51. 森本靖

    森本委員 ついででありますので、いまの千キロの問題でありますが、これはこの前NHKからOHKに対するときに私が質問をしてあったわけでありますが、この千キロの問題について終戦直後から今日までずっとこの沖縄米軍が千キロ放送をやっておって、急に今日こういう問題が起きたということについては何か原因があるのですか。これは放送部長も御承知のとおり、三百キロぐらいの日本NHKの放送でも、アンテナの近くへ行ってコイルを巻いて、そして電球をつければ電球はつくわけですね。三百キロでもその程度になるわけですから、おそらく千キロということになりますと、かなりの問題であります。しかし、終戦直後からずっと今日までやってきておって、そこで急にこの問題がいま持ち上がってきたということについて、何かその辺に変化があったのかどうか。それを私は非常に疑問に思うわけでありますが、その辺どうですか。
  52. 左藤恵

    左藤説明員 沖縄電波監理局と連絡をいたしました結果によりますと、最近に至りましてこの桃原部落というところにはテレビが非常に普及してまいりまして、そのために先ほど申し上げましたようにアンテナからのフィーダーの配線をしろうとがやっておるという事態が出てまいった。その結果配線の被覆が燃えて火が出たというような事態が生じたように聞いておりまして、VOAが最初に始めましてから今日に至りまして別に変わったような点は聞いておりません。
  53. 森本靖

    森本委員 しかし、これは実際に人体に全然影響がないというふうに言い切れるかどうか。これは技術屋に聞かなければわからぬが、電電公社施設局長、来ておられますか。
  54. 北原安定

    ○北原説明員 ただいまの問題、私も専門でございませんし、どれだけ人体に影響があるものか、必ずしもさだかにしておりませんので……。
  55. 左藤恵

    左藤説明員 私の聞いております範囲では、その近くの、たとえば五百メートル以内のところで金属に触れました場合には、感電するというふうに聞いております。
  56. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、雷が落ちたと同じような結果になるわけですがね。しかし、私が非常に不審に思うのは、今日まで二十年間全然そういうことがなくて、急にこういう問題が非常に騒がしくなったということについて非常に疑問に思うわけです。いままでずっと千キロでかりにやっておったとするならば、あるいは金属性のものを持っていって電気がつくとか、これはおかしいとかいうようなことが今日までなければならぬわけですね。それが全然ない。ところが急に持ち上がったというのは、テレビをつけたからテレビが燃えたということで問題が大きくなった。牛の感電については、確かにこれは千キロ放送で牛が感電するとは私も常識では考えられぬと思いますが、しかしそうかといって、これは電波がいま御承知のとおり、ずっとミリメートル以下になってくるとガンの治療対策にも使えるわけでありますから、そうなってくると、この千キロ放送の放射が必ずしも人体に完全に影響がないものとは言い切れないじゃないか、こう思うのですが、斎藤参事官は技術屋だからわからぬかね。
  57. 斎藤浄

    斎藤説明員 高周波利用設備等がありますが、実際にどれだけこれが人体に影響するかということは、私は存じません。
  58. 森本靖

    森本委員 これはいずれにしても、先ほど中谷委員が言ったように、一応私は調査をする必要があると思います。なぜかというと、いままで二十何年やっておったものが全然問題にならなかった。ところが急にこの問題が持ち上がってきたという点については、何かテレビ以外に原因があるんじゃないかというふうに考えるわけであって、あなた方も出張に行けば損をしないわけなんだから、とにかく日本電波監理局、それから電電公社の技術の粋を集めた者が一度行ってみることも私は必要じゃないか、こういうふうに思うのですが、行ってみる気はないかね。なければ私が行ってもいいのだが……。
  59. 左藤恵

    左藤説明員 琉球政府ともよく連絡をとりまして御趣旨に沿うように努力いたしたいと考えております。
  60. 森本靖

    森本委員 それから今回のこの本論に入りますが、これについて散乱波を使ったというのは、これはどういう意味で散乱波を使ったわけですか。
  61. 北原安定

    ○北原説明員 お答えいたします。  沖縄本島と宮古の間の距離が約二百八十五キロございます。これだけの長距離になりますと、見通しがききません。したがいまして、どこかで回折してくる電波を利用する方法しかないわけですが、不幸にしてこの間には島が全然ございませんので、島を利用するというというような散乱方法もとれない。したがいまして、対流圏反射を利用する電波しか考えられない。したがってその方法を採用したわけでございます。
  62. 森本靖

    森本委員 そうすると、これは技術的にいわゆるマイクロの場合は、施設を整えれば、ほかでも受信できることは可能になるわけですか。
  63. 北原安定

    ○北原説明員 もちろんアンテナに指向性をつけてやるのでございますが、これだけの長距離になってきますと、受電側の電波が非常に微弱になってまいります。したがって、宮古の受信設備にいたしましてもそう単純なものではありませんので、どこでアンテナを張っても受けられるというような簡単なものにはならないと思います。そのくらいの微弱なものになってしまうと思います。
  64. 森本靖

    森本委員 微弱にはなるけれども、しかし理論的には、これはほかのところでも受けようと思えば受けられるということは言えるのじゃないですか。
  65. 北原安定

    ○北原説明員 御指摘のとおり、それだけの設備をすれば受信は可能になるわけでございます。
  66. 森本靖

    森本委員 この那覇市の横にある久米島というのは、これはいまどういう通信設備があるのですか。
  67. 北原安定

    ○北原説明員 手元に琉球電電の資料がございませんのでわかりませんが、おそらく短波の回線がある程度ではなかろうかと思います。
  68. 森本靖

    森本委員 この久米島には住民がどの程度おりますか。
  69. 山野幸吉

    山野政府委員 約一万三千人でございます。
  70. 森本靖

    森本委員 そうすると、との那覇と久米島との間はどういう通信になっておりますか。もう一度聞きますが、わからぬじゃ済まぬですよ、一万三千人もおるところ。
  71. 北原安定

    ○北原説明員 短波の無線回線になっておるようでございます。
  72. 森本靖

    森本委員 短波の無線回線で周波数はどの程度で何回線ですか。
  73. 北原安定

    ○北原説明員 常識から申し上げまして三メガないし五メガくらいのもの、回線数にして二、三回線、この程度しか考えられないと思います。
  74. 森本靖

    森本委員 そんな当てずっぽうの答弁国会では許されぬことであって、三メガサイクルから五メガサイクルの間なんと言ったって、私がここで聞いたのは、先ほど中谷君が聞いたように、いわゆる電波の使い方というものについては、現在は琉球民政府にはないわけです。結局あくまでも米国がこの電波監理権というものを最終的には現在握っておるわけであります。だから将来日本にこれが返ってきた場合に、日本電波に合うような形に構成をしておかなければ、百年に禍根を残す、こういうことを私は言っておるわけであります。そういう点から今回のこの場合でも、三メガサイクルから五メガサイクルの間で三回線ないし五回線だろうということになると、これは参事官どうかね、そんなことでわかるかね、電気通信参事官としては。
  75. 斎藤浄

    斎藤説明員 こういう近い距離でございますと短波も比較的下のほうを使いますので、大体三メガから五メガを使うのが常識でございます。それで通信回線の数はまあ数回線であろうということでございますが、私も詳しいデータはいまのところ手元にございませんけれども
  76. 森本靖

    森本委員 この前のOHKに対する問題をやったときにも、委員長はよく知っておるけれども、いいかげんな答弁が十くらいあった。私は人がいいものだからそのまま先へずっと進んでしまったわけでありますけれども、こういうものを委員会で審議をするときには、政府側としてはあらゆる資料をもって答弁ができるようにしておかなければ、単に今度の那覇から石垣島におけるところのこのマイクロだけではなしに、沖縄諸島におけるところの通信回線というものがいかようになっておるか、どういうふうな需要供給になっておるか、そういう点などについては政府側としてはちゃんとした連絡をもって答弁をしなければならぬと思うわけであります。これは今後のために私は特に忠告をしておきたいと思います。  それで、今回の譲与措置に関するところの経費は総額幾らになっておりますか。
  77. 山野幸吉

    山野政府委員 総額六億七千五百七十八万三千円でございます。
  78. 森本靖

    森本委員 その内訳は大体どういうふうになっておりますか。
  79. 山野幸吉

    山野政府委員 お答えいたします。  無線設備費が四億六百五十四万九千円、それから電力設備が七千四百五十九万四千円、市外機械設備が七千九百六十九万四千円、手動機械設備が五百八十八万六千円、線路設備が五千八百五十一万一千円、その他の経費が五千五十四万九千円、総計六億七千五百七十八万三千円でございます。
  80. 森本靖

    森本委員 特連局長も、その内容を読んだけれども内容がどんなものかわからぬだろうと思うのですが、いま言いました電気通信設備内容ですね、この回線数は今回の場合どの程度になるわけですか。これは公社のほうでけっこうです。
  81. 北原安定

    ○北原説明員 ただいまの四十二年度の契約の中におきましては、二十四回線を那覇、宮古並びに石垣相互に結ぶことにしておりますが、四十三年度の予算によりまして追加が出てまいりまして、三十六回線を相互に接続することにいたしております。
  82. 森本靖

    森本委員 最終的には。
  83. 北原安定

    ○北原説明員 最終的には六十回線を収容できる考え方で設計いたしております。
  84. 森本靖

    森本委員 初めからそういう答弁をするのがほんとうでしょう。最初は二十四回線であって、さらに十二回線をやって、それから最終的には六十回線になります、こういう答弁をするのがほんとうでしょう。人が聞かなかったら答弁をしないというふうなことは大体間違っておる、こう思うわけであります。  それからもう一点、那覇と今度のいわゆる回線にはテレビ網は乗りますか。乗らぬでしょう。
  85. 北原安定

    ○北原説明員 御指摘のとおり、テレビの伝送はほとんど不可能に近いと思います。
  86. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、那覇から宮古島石垣島に海底線でこれと同じものをつくったならば、どの程度要る予定ですか。大体六十回線電話回線を使えるところの海底線を引っぱった場合、どの程度になるか、こういうことを試算をしてみたことがありますか。
  87. 北原安定

    ○北原説明員 電電公社といたしましてはそういうことを検討する機会はないわけでございますが、こういう方面の通信系には十分関心がございますので、平素有線系でいったならばどうなるであろうかというようなことを検討をしたことはございますが、ただいまどのくらいかかったか記憶がさだかでございません。
  88. 森本靖

    森本委員 将来のことを考えた場合、単なる電話回線であった場合に、こういう島から島にいく場合については散乱波によるところのいわゆる超短波で行なうということよりかは、本来ならば、金の点がなければ、海底電線のほうがむしろ望ましいということは常識で言えるのじゃないですか。
  89. 北原安定

    ○北原説明員 御指摘のとおり、回線の品質あるいはある程度多目的な利用等を考えてみますと、海底同軸ケーブルのほうがよりよいと考えております。
  90. 森本靖

    森本委員 それでは、現在の沖縄島、宮古島石垣島における回線というものはどうなっておりますか。
  91. 北原安定

    ○北原説明員 那覇−宮古間に電話回線が四回線電信回線が一回線、それから那覇−石垣間が電話回線が三回線電信回線回線、それから宮古−石垣間が電話回線回線になっておりますが、これらは使用時間帯が必ずしも終日でございませんで、大体朝九時ごろから夕方十九時というふうな時間にやっておるように聞いております。
  92. 森本靖

    森本委員 その周波数帯は幾らですか。
  93. 北原安定

    ○北原説明員 短波であることは申し上げるまでもございませんが、これも周波数はさだかにいたしておりませんで、はなはだすまぬと思います。
  94. 森本靖

    森本委員 運用時間は、大体午前八時から午後七時が電話、それから電信が午前十時から午後十時になっておりますが、これはどういう理由でこうなっておりますか。
  95. 斎藤浄

    斎藤説明員 電話のほうは、短波の伝わり方としましては、たぶんこの辺のところでは比較的五メガくらいのところを使っているだろうと思いますが、昼間はこの五メガあたりのところは減衰が多うございますので、遠くから混信雑音が入ることが比較的少ないので、電話にも使える。ところが夜間になりますと減衰が少なくなるので、遠くからの混信雑音が入る。それで電話のような三KCバンドのバンドを持ったところをとろうとしますと、遠方からの雑音混信がいろいろ入ってきまして良質な回線がとれないということでございます。  電信のほうは、これは周波数バンドが非常に狭くて使えますので、端的に言えば、何KCというポイントの周波数でいいわけでございますので、いいところをさがせば夜間も使えるということでございます。
  96. 森本靖

    森本委員 だから、はっきり言って、根本的な周波数がわからなければわからぬじゃないか。周波数がはっきりわかれば、われわれだってそれをずっと短波を聞いておるわけなんだから、大体どの程度のところが混信が一番多いということがわかるわけであって、大体電話が午前八時から午後七時で切られるというようなのは、電話の効用をなさぬ。電話というものは終日通じなければならぬ。さらに電信においても終日行なわなければならぬ。それが電話は午前八時から午後七時まで、電信は午前十時から午後十時。そのあとは一体何をやっておるか、台風のときに通信をしなければならぬというときに。その場合には他の周波数に切りかえてでもやれるという方法を、民政府その他と交渉して、現在でもやらなければならぬでしょうが。あなた、夜、電信電話がつんぼだという、そんなばかな話はないですよ。どうですか、特連局長、この内容がわかっていますか。電信電話が昼だけで、夜は通じない。電話なんというものは夜こそ必要なんだ。緊急なときに、特に台風地区にある石垣島宮古島、こういうところと那覇との連絡——那覇まではいまマイクロが行っておるわけだから、そういう場合にどういうふうにやっておるかということを聞いているのです。わからぬならわからぬなりに進めていかなければしようがないけれども、私が質問するといつもわからぬ。これはどうなんですか。
  97. 山野幸吉

    山野政府委員 私は技術的なことは全くわかりませんが、現在御指摘のように夜間の通話ができない、それから通話の待ち時間が多い、そういうような事態を解消するために今回のUHF施設をつくって譲与をする、そしてこれを改善をするということにいたしておるわけでございまして、この施設が完備しましたら、さような状態が解消できるのではないか、かように考えます。
  98. 森本靖

    森本委員 あなた、UHFUHFと言うけれどもUHFという意味を知っていますか。なかなかこれはむずかしい、おそらく知らぬだろうと思うが、それはそれとして、それでは聞きますが、戦前のいわゆる逓信省がやっておった時分には、沖縄県のときですが、これはどういう通信をやっておりましたか。
  99. 北原安定

    ○北原説明員 古い記憶をたどりながらでございますが、いわゆるシングルサイドバンドという電話の三チャンネル方式日本と台湾及びそのときに那覇も入るわけでありますが、始めたのが昭和十四、五年だと記憶いたします。したがいまして、戦前をそのころといたしますならば、電話回線が無線でシングルサイドバンドで行なわれておったと思います。それより前ということになりますと、短波による電話の一回線、その他は電信ということが中心でなかったかと思います。
  100. 森本靖

    森本委員 これは昔は簡単な海底線があったのじゃないですか。
  101. 北原安定

    ○北原説明員 長崎−台北間の海底ケーブルはあったと記憶いたしますが、それが那覇に分岐しておったかどうかはさだかに記憶いたしておりません。
  102. 森本靖

    森本委員 わからぬだらけで審議をしなければならぬのはまことに、委員長、残念でありますが、国会も末期でありますので委員長に協力をいたしまして、これ以上この質問は進めませんが、ひとつこういう点については十分に検討しておいてもらいたいと思うわけであります。  さらに大事な点は、こういうふうな援助をこれに行なうことについて、特連局長、これは一体どういう具体的な理由があるわけですか。
  103. 山野幸吉

    山野政府委員 具体的な理由という御指摘でございますが、これは過般、佐藤総理が先島を訪問されました際に、先島住民の代表から先島の電話の非常に不便な点を強調されて、そしてぜひこの改善をはかってもらいたいということに端を発しまして、政府としましては、その後沖縄琉球政府電電公社等とも相談をいたしまして、日本政府援助によって先島十二万住民の要望にこたえていきたい、こういう経緯になっておるわけでございます。
  104. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、本来ならば、これは琉球電電公社が布設するのがほんとうなんですね。そうでしょう。
  105. 山野幸吉

    山野政府委員 たてまえから申しますと、そういうことも考えられます。
  106. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、琉球電電の現在の経営状態はどういう状況ですか。
  107. 山野幸吉

    山野政府委員 琉球電電の業務につきましては、資本金は二百万ドルでございます。施設内容は、電報電話局が八局、国際電報電話局一局、無線電報局三局、市街地回線延長が一万六百八十二キロ、電話加入数が三万六千五百五十、公衆電話数が七百十八個ということになっておりまして、事業収支の概況は一九六七年度におきまして収入が二十七億八千四百万円、支出が二十三億一千九百万円と相なっております。
  108. 森本靖

    森本委員 そうすると結局琉球電電の財政事情というものは、一九六七年度で剰余金はどの程度になってくるわけですね。
  109. 山野幸吉

    山野政府委員 収支の差額は四億六千五百万円でございます。
  110. 森本靖

    森本委員 要するに収支の差額の四億というものは、これは日本円ですね。日本円で四億何ぼが利益金、これが琉球電電の収入だ、こういうことになるわけですか。
  111. 山野幸吉

    山野政府委員 これは単純な収支と御承知いただきたいと思います。
  112. 森本靖

    森本委員 単純な収支とはどういう意味ですか。
  113. 山野幸吉

    山野政府委員 いわゆる企業会計の経理に基づくものではなくて、現金収支の面から見た収支の差額でございます。
  114. 森本靖

    森本委員 現金収支というものは損益勘定ではないのですか。
  115. 山野幸吉

    山野政府委員 損益勘定そのものではなくて、あくまで現金収支そのものでございます。
  116. 森本靖

    森本委員 われわれ、この予算を見た場合、いまのは予算的にいえば損益計算によるところの利益金ということになるでしょう。
  117. 山野幸吉

    山野政府委員 実は電電公社のこの経理には、企業会計として当然でございますが、損益勘定とそれから貸借対照表、それから収支、こうなっていまして、その収支の数字をただいま御説明したわけでございます。
  118. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、いまあなたがおっしゃった一九六七年度のいわゆる投資額というものに幾らになっていますか、琉球電電設備投資です。
  119. 山野幸吉

    山野政府委員 ただいま手元に電電公社予算書を持っておりませんので、数字を御説明するわけにいかないのでございます。
  120. 森本靖

    森本委員 元来、私は沖縄援助するということについては反対ではありません。しかし援助するならするで、琉球電電というものがどういう経営をやっておって、どういうふうに設備投資をやっておって、その設備投資の資本勘定における資本は一体どこから来ておるか、どういう損益勘定になっているか、そういう琉球電電の経営状態を見て、悪いところはこういうような経営に直しなさい、いいところはこれを伸ばしていきなさい、こうやって指導して、なおかつ足らぬからこの六億何ぼというものをやって、この施設をあなたのほうにやりますから、なお一そう業務に励みなさい、こういうふうにやるのが日本政府の親切でしょう。ただ単に総理が行ったから、石垣島回線をつけてくれと言われたから、はい、つけますと、そんなものではない。やはりそういうものは科学的にちゃんと勘定をして、そうしてやっていかなければならぬ。これがほんとうでしょうが。どうですか。
  121. 山野幸吉

    山野政府委員 御指摘のとおりでございますが、ただいまもちょっと御説明申し上げましたが、沖縄電信電話の事情は、本土と比較してもまだきわめて低位にある。そうしてさらに第二次五カ年計画をこれから遂行中であるという事情もございますし、したがいまして、先島の比較的少ない住民に対して、約七億に近い施設を持つことは、これはきわめて困難だろう。いま、収支から見ましても四億八千万円でございますが、第二次五カ年計画等の遂行にも相当多額の投資をしていかなければならぬという事情もありますので、私どもとしましては、との施設譲与したいというぐあいに考えたわけでございます。
  122. 森本靖

    森本委員 特連局長の言われるのはそのとおりでありますが、私が言うのは、もっと科学的に、琉球電電の経営がどうなっておって、これは貸し付け金でもやれるということになるとするならば、ただでやらなくても、この間のこの委員会で通った貸し付け金の方法でやる方法もあるわけでありますね。だからもう少し琉球電電というものの経営の内容、それからその設備投資というものは一体どういうふうにしておるか、その設備投資の資本勘定は一体どうなっておるか、そういう点について具体的にちゃんと説明ができて、これこれ足らないから、これだけわれわれのほうは援助すれば、もうここから先はそう援助しなくてもよろしいということになるのか。これだけ援助をしても、まだまだ設備投資が足らぬので、まだまだ援助しなければならぬのか。いまの答弁ではその点がわからぬわけですね。これはあまり長くなるからやめますけれども、本来ならばそういうふうにしていかなければ、また援助しなければならぬということになる可能性がある。だからそういう点については、科学的にそういうふうにちゃんとやってもらいたい。総理が行ったからすぐつけるということにしたということではなしに、いま私が言ったのはそういう点を言っておるわけであります。そういう点はやはり私の言ったとおりでしょうが。
  123. 山野幸吉

    山野政府委員 ただいま御指摘になりました御意見には全く同感でございます。私どもも一九七〇年に第二次五カ年計画が遂行された以後においては、やはり先生のおっしゃるようなそういう観点から十分検討して、援助方式なりあるいは協力の方式をきめていかなければならぬものと考えております。
  124. 森本靖

    森本委員 具体的な数字がちっとも出てきませんので、これ以上申しましてもなんでありますが、それじゃ、どの程度あなた方知っておるか、ちょっと聞いてみたいと思いますが、いま那覇市に電話加入というものはどの程度ありますか。いま言ったから、一九六七年でいいです。
  125. 山野幸吉

    山野政府委員 電話数は、那覇市、一九六六年度末におきまして二万一千三百六十三台でございます。
  126. 森本靖

    森本委員 人口百人当たり何ぼになりますか。
  127. 山野幸吉

    山野政府委員 千人当たりにしまして一・一一でございます。
  128. 森本靖

    森本委員 私が調べた数字とちょっと違いますが、まあいいとして、大体二万二百五十五、人口百に対して七・五二という数字が出ておりますが、これが私は正確な数字だろうと思います。  ただ、特連局長に特にお願いしておきたいのは、こういう科学的な数字というものをひとつよく的確に把握をしてこれから沖縄問題については取り組んでもらいたいというふうに考えるわけであります。  それから、沖縄日本に復帰した場合に、この琉球電電公社は、当然日本電信電話公社に承継せられるもの、こう解釈をしたいと思いますが、その点どうですか。これは総務長官に聞いておきたいと思います。
  129. 田中龍夫

    田中国務大臣 これは当然日本電電公社の下部機構と相なるわけでございます。
  130. 森本靖

    森本委員 それから今度のこの工事は一体どことどこが契約をしてやっておりますか、特連局長
  131. 山野幸吉

    山野政府委員 総理府電電公社でございます。
  132. 森本靖

    森本委員 そうすると、総理府電電公社が契約をして、それから今度総理府のほうから琉球政府に渡す、こういう形式になるわけですか。
  133. 山野幸吉

    山野政府委員 そのとおりでございます。
  134. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、電電公社はこれを直営工事でやっておりますか。
  135. 北原安定

    ○北原説明員 一般の内地でやっております工事と同じように、請負契約に付してやっております。
  136. 森本靖

    森本委員 そうすると、この場合内地の請負工事料というものとこの請負工事料というものは、やり方は違ってくるわけですか。
  137. 北原安定

    ○北原説明員 物品の沖縄のそれぞれの島への輸送は公社の直営でやっております。したがって、公社が直営でやる部分以外のものが現地で行なわれる。その部分に対しましては、沖縄に行く旅費と、それから向こうの滞在費のアップをして契約をしておるわけでございます。
  138. 森本靖

    森本委員 さっぱりわからないので、これはいずれ決算委員会なり逓信委員会なり——私籍を置いておりますので、あるいは予算委員会でも、どこかで一括してひとつ時間をためてやりたいと思いますが、ここでひとつ総務長官にもう一つ聞いておきたいと思います。  せっかく本土沖縄間においてテレビ回線ができて、いま那覇においては東京のいわゆる放送がなま中継でそのまま見られるということになっておるわけですね。ところがそれは確かにいいことでありますけれども、今回このOHKが新たにできて、それから既存の民間テレビが一社ということになりますと、いまのテレビ回線だけではこれは間に合わなくなるのではないか、こういう気がするわけでありますが、この点については、これはしろうとでもわかるわけでありますが、これはどうお考えでしょうか。要するに、東京から向こうまでいままでは下り一回線しかないわけです。それが今度OHKができて、三つになるわけですね。下りだけでもどうにもならぬということになるわけでありますが、その点についてはどうお考えですか。
  139. 田中龍夫

    田中国務大臣 上り回線のほうは従来地元からの要請がなかったようでございます。そこでそういうふうな場合におきましては、また考えなければならぬと存じますけれども、いまのところはまだ上り回線は問題になっていないのじゃないか、こういうふうなことであります。
  140. 森本靖

    森本委員 だから、いま上り回線の問題を私は言っておるわけではなくて、下り回線だけでも、今度OHKと民放二社ができた場合については、なま中継ということについては、どこか一社が独占することになる。そうでしょう、下り回線一つしかないのだから。クリアリング・ハウスをつくって、ビデオテープをつくって、それを三つに分けるということになれば別ですけれども、なま中継は一社しかできないことになる。これは常識問答ですから、総務長官、だからそういう場合にどうするか、そこをよく聞きたいわけです。下り回線が一回線しかない。結局、この間の法律によって、OHKができる、民送が二社ある、それに対して一回線しかないから、なま中継の場合に一体どこを使うか。
  141. 田中龍夫

    田中国務大臣 これは、向こうはOHKと民放二社ということでございますね。そこでいま一回線増設いたしておりますから、このOHKの那覇の下り回線と、それからもう一本が民放の線に相なると思うのでございますが……(森本委員「まだ相なってないわ」と呼ぶ)いまこれから相なろうと思って、建設中であろうと思いますが、いかがですか。(笑声)
  142. 森本靖

    森本委員 ひとつあとでこれは十分に検討してもらいたいと思います。要するに私が言っておるのは、上り回線の問題についても、将来は、総務長官、十分にこれは考えてもらいたい。これはやはり那覇から直接東京に送ってくるということを日本国民は希望すると思います。那覇としては財政上許さないから希望しませんけれども日本国としては那覇の状況がそのままなまで送られてくることを希望すると思います。だから、やがては上り回線についても考えていかなければならぬ、こういうことになるだろうと思います。それから下り回線についても、いま言ったように一回線しかない。あと一回線できていっても三つあれば問題になる。その辺の調節をどうとるかということについては、これは総務長官のほうと郵政省の間において十分に検討し、現地でもめごとがないように——たとえばここで総務長官OHKだけにしかやらないというような答弁をしたら、向こうの民放は大おこりですよ。だからその点はひとつ慎重に御検討願って、そうして結論を出してもらいたい、こう思うわけであります。  それから最後に、どうもこの沖縄関係でこういう各種法案が非常にてんでんばらばら——と言えば悪いけれども、例をとりますと、三十九年に譲り渡したところの日本琉球のマイクロ設備は政府及び公社が経費を負担してやったわけですね。それから先島のテレビジョン設備については政府だけの負担であった。それから今回のいわゆるOHKに対するものはNHKにやらした。今回の場合はまた政府である。こういうのはひとつ一貫してやるようにしたらどうかと思うのですがね。これはNHK、これは電電公社、これは電電公社と政府が半分ずつ出す、同じような仕事であってもこれは政府が出すというふうに、基本的な沖縄援助のあり方について非常にまちまちである。こういう点については、やはりこの間せっかく通った貸し付けの法律もあるわけでありますから、将来統一をした考え方を持って積極的に沖縄援助については当たってもらいたいということを私は特に要望しておきたいと思うわけでありますが、最後に総務長官の御答弁を願っておきたいと思います。
  143. 田中龍夫

    田中国務大臣 これはやはり現地のほうの状況がだんだんと発達いたしてまいります。当初の先島の当時はやはり政府のほうにあれしなければならなかった。それからいまのOHKの問題は、まだまだ公共放送が軌道に乗らないような状態で、それでNHKとのあれがあった。今度は電電公社が向こうの公社との間のこういうふうな譲与契約をいたしましても十分にやれる。その間に段階的に成長といいますか、お互いの関係がだんだんと軌道に乗りつつあると思う次第でございまして、それはやはり一つの経過過程があったと思います。しかし、今度はただいま御指摘のように、一つのちゃんとした方式のもとにわれわれは統一的にやっていかなければならぬ、かように考えております。
  144. 森本靖

    森本委員 それでは終わります。
  145. 床次徳二

    床次委員長 中谷君。——中谷君に申し上げますが、一点だけ総務長官に御質疑を追加していただきます。
  146. 中谷鉄也

    中谷委員 それでは、私のほうから一点だけ総務長官お尋ねをしておきたいと思います。お尋ねをいたしたいのは次のような点です。  要するに、先ほど長官が御退席になりましたあとで私が主として郵政省関係者に質問をいたしましたのは、VOAのいわゆる電波公害の問題、すなわち、桃原地区においてテレビが燃えてみたり、人身事故の危険性もあるような、そのような状態が最近現出をした。出力千キロワットというふうなところの、主として中国向けと思われる指向性を持ったところの電波が発せられて、それがどのような原因で最近特にそのような顕著な公害問題を惹起したかということについて、少なくとも現在の琉球電電の技術的な水準等を考えるならば、本土郵政省が早急かつ根本的な対策を立てるという観点から、まず調査をしなければならないのではなかろうか、調査をすべきである。ことに先ほどの政府の答弁によりますと、人身被害、人身事故の危険性が可能性として存在をするということなので、この問題についてはまず早急に調査に着手さるべきだと思うが、長官の見解はどうかということがお尋ねいたしたい質問の第一点。  次に、同種の質問でありますけれども、そのような問題は、これは大きな公害問題、電波公害の問題だと私は思う。そういうようなことで、抜本的な解決をはかるということの目的で、少なくとも早急にこれらの問題を諮問委員会の議題に供すべきではなかろうか、供すべきであると私は考えるが、この点についての長官の見解はどうか。  それから、電波監理上の問題としては、電波監理権がいわゆる米軍の側にすべてあるというところにこの種問題の発生の原因の基本的なものがあると私は思う。そうだとするならば、ある新聞の報ずるところによりますと、電波監理権の問題について、施政権返還後について、その監理権の帰趨をめぐっての若干の議論もあるようでありますけれども、少なくとも電波監理権の問題というのは、すみやかに日本政府電波監理権を持つというふうなことは、これはもう当然、あたりまえのことなんです。施政権返還後においてそういうことはあたりまえのことだというふうに私は考えるが、このあたりまえのことをひとつ確認的にお尋ねをいたしたいということが私の質問であります。  同時に、この機会に、先ほど森本委員のほうから、上り回線の問題についてお尋ねがありましたが、沖縄におけるところの電信電話についてのいわゆる具体的な設備計画についてのプログラムが立たなければならぬのではなかろうか。ことに上り回線の問題については、沖縄住民、さらにまた本土のわれわれ、非常に希望しているところなんで、これらの問題については、ひとつ早急にこれらの設備をすべきだ。全体としての今後の計画の中で、少なくとも上り回線の問題については、いつ着手する、そういう見通しをお持ちなのか、長官、ひとつこういう点について御答弁をいただきたい。上り回線については特連局長から御答弁になっていただいてけっこうだけれども、これは方針の問題だから、できれば長官のほうから御答弁をいただきたい。  以上であります。
  147. 田中龍夫

    田中国務大臣 ただいまのVOAの問題につきましてお答えいたしますが、この問題は目下琉球政府で調査中でございまして、その対策を検討中でございますから、日本政府といたしましては、その結果によりまして、球琉政府から要請があれば協力いたしたい、かように存じます。  なお、この問題を日米琉の諮問委員会の議題にするか、または別途琉球政府なり民政府との協議によって解決をするか、十分検討さしていただきたいと存じます。  それから施政権が異なる関係もございますが、電波監理権を直ちに日本側で持つということは、今日の時点では困難である、かように考えます。(「そんなことがあるか」と呼ぶ者あり)いや、施政権のない現時点においてですね。  それからもう一つ、上り回線の問題は琉球政府の意向を聞きまして今後検討いたしたい、かように考えます。
  148. 床次徳二

    床次委員長 これにて質疑は終局いたしました。     —————————————
  149. 床次徳二

    床次委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決いたします。  沖縄島、宮古島及び石垣島相互の間における極超短波回線による電気通信に必要な電気通信設備譲与に関する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  150. 床次徳二

    床次委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  151. 床次徳二

    床次委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————
  152. 床次徳二

    床次委員長 これより請願の審査に入ります。  本会期において、本日までに本委員会に付託されました請願は一件であります。沖縄祖国復帰促進に関する請願を議題といたします。  請願の内容につきましては、すでに文書表で御承知のことと存じますし、また先ほどの理事会で御検討願ったことでもありますので、この際、紹介議員からの説明聴取等は省略し、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  153. 床次徳二

    床次委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  沖縄祖国復帰促進に関する請願は、採択の上内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  154. 床次徳二

    床次委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  ただいま議決いたしました請願に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  155. 床次徳二

    床次委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  156. 床次徳二

    床次委員長 次回の委員会は公報にてお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十三分散会