運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1968-04-02 第58回国会 衆議院 沖縄及び北方問題等に関する特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年四月二日(火曜日)    午前十時四十二分開議  出席委員    委員長 床次 徳二君    理事 上村千一郎君 理事 小渕 恵三君    理事 鯨岡 兵輔君 理事 本名  武君    理事 川崎 寛治君 理事 美濃 政市君       上林山榮吉君    北澤 直吉君       箕輪  登君    猪俣 浩三君       中谷 鉄也君    森本  靖君       玉置 一徳君    斎藤  実君  出席政府委員         総理府特別地域         連絡局長    山野 幸吉君         郵政政務次官  高橋清一郎君         郵政省電波監理         局長      石川 忠夫君  委員外出席者         郵政省電波監理         局放送部長   左藤  恵君         参  考  人         (日本放送協会         技師長)    三熊 文雄君         参  考  人         (日本放送協会         理事)     川上 行蔵君     ――――――――――――― 三月二十八日  委員伊東隆治辞任につき、その補欠として竹  下登君が議長指名委員に選任された。 四月二日  委員中谷鉄也君及び吉田泰造辞任につき、そ  の補欠として森本靖君及び玉置一徳君が議長の  指名委員に選任された。 同日  委員森本靖辞任につき、その補欠として中谷  鉄也君が議長の指命で委員に選任された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  沖繩におけるテレビジョン放送に必要な設備の  日本放送協会による設置及び無償付けに関す  る法律案内閣提出第七七号)      ――――◇―――――
  2. 床次徳二

    床次委員長 これより会議を開きます。  この際、御報告を申し上げます。  本委員会委員として、沖繩問題等に深い関心を寄せられ、御活躍をいただいておりました伊東隆治君が、去る三月二十八日、東大付属病院において逝去せられました。  ここにつつしんで哀悼の意を表し、心から御冥福をお祈り申し上げます。      ――――◇―――――
  3. 床次徳二

    床次委員長 これより沖繩におけるテレビジョン放送に必要な設備日本放送協会による設置及び無償付けに関する法律案を議題とし、審査を進めます。  この際おはかりいたします。  本案審査のため、本日、日本放送協会から参考人として川上行蔵君及び三熊文雄君の出席を求め、意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 床次徳二

    床次委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、参考人からの御意見質疑応答の形式でお聞きすることにいたしたいと存じますので、さよう御了承を願います。     ―――――――――――――
  5. 床次徳二

    床次委員長 質疑の通告がありますので、これを許します。森本靖君。
  6. 森本靖

    森本委員 この法案も、聞くところによりますと、大体大詰めのようでありますので、この具体的な内容についてこまかくきょうは質問をしてみたいと思いますので、そのおつもりで政府側並び参考人のほうも御答弁を願いたいと思うわけでございます。  まず最初にお聞きしたいと思いますことは、この法律に基づいて設置する内容について、ひとつ詳細に説明NHK側からお願いしたい、こう思うわけであります。
  7. 三熊文雄

    三熊参考人 内容について御説明いたします。  NHKは受け持ちがありまして、OHK自体が持ちます放送所の家及び鉄塔を除きまして、その中身でありますものをNHKが受け持つ予定になっています。  申し上げますと、送信機設備、これが三キロワットの送信機でありまして、価格が四千九百万円。それから録画送像及び調整設備、この中にはVTRが一台、それから静止画像送像装置が二台、それからフィルムの送像装置一式テレビの主調整装置一式、合わせまして一億一千六十万円ということになっています。それからスタジオ設備、この中が、イメージオルシコンカメラ、モノクロなんですが、これが二台、映像、音声、照明設備等一式、これが四千四百八十万円。それから取材関係等現像編集設備、この中は写真電送装置一式現像機一台、プリンター一台、編集設備一式、合わせまして一千六百七十万円。それから電源設備工事費等、この中身が、受配電装置一式自家発電装置一式工事費等合わせまして一億二千八百九十万円、合計三億五千万円であります。
  8. 森本靖

    森本委員 具体的にNHKで現在消耗品とみなしておるようなものについては、この中にどの程度ありますか。
  9. 三熊文雄

    三熊参考人 この中身につきましては、建設費のものばかりでありまして、御承知のとおりNHKにおきましても、工事費も全部建設費でまかなっています。
  10. 森本靖

    森本委員 ビデオテープの、いわゆる録画ですか、こういうものも全部これは設備になっておるわけですか。
  11. 三熊文雄

    三熊参考人 VTR一台、これは設備でございます。
  12. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、このカメラも全部設備に在るわけですか。
  13. 三熊文雄

    三熊参考人 そうであります。
  14. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、この中には消耗品的なものはほとんどない、こういうことになるわけですか。
  15. 三熊文雄

    三熊参考人 そうであります。
  16. 森本靖

    森本委員 この中で現在のところ減価償却で一番短いものは何がありますか。
  17. 三熊文雄

    三熊参考人 この中で先ほどお話ししましたイメージオルシコンカメラとか静止画像装置、この程度のものが一番短いと思います。
  18. 森本靖

    森本委員 それはどの程度ですか。
  19. 三熊文雄

    三熊参考人 はっきりしたあれは覚えていないのですが、大体三年ないし五年以下と思います。
  20. 森本靖

    森本委員 これはいま答弁がありましたように、かりに設備費であるといたしましても、三年ないし五年ということになりますと、ほとんど半分以上は消耗品的な感じを受けるわけでありますが、現実消耗品ではない、設備費であるということは、一応現在のNHKはそうやっておるということでありますけれども、三年ないし五年ということになりますと、一応これは現実には消耗品的なものになるわけです。その点やはり私は、今回こういうふうに無償貸し付けを行なうということでありまするならば、少なくともこういう半分は消耗品的なものについては――建物その他については向こうがやって、そして内部設備日本側がやる、こういうことになっておるわけでありますが、私はこれは逆にしたほうがかえっていいのではないかというふうに考えるわけであります。たとえば、送信機設備とか、あるいはスタジオ設備というふうなものについてはこちら側がやって、無償貸し付けをいたしましても、これは残るわけでありますが、かりに沖繩がいつ、何年ごろ日本に正式に返ってくるかどうか知りませんけれども現実に三年ないし五年というものであるとするならば、これはもうほとんど消耗品的なものであって、残らないということになるわけであって、いわばこの貸し付けがあちゃこちゃといったらおかしいですが、さかさまになっておりはせぬかというふうな気がしてならぬのであります。政府当局はその点どういうふうにお考えですか。
  21. 石川忠夫

    石川政府委員 お説のような御意見もあろうかと思いますが、いままでの経過から考えますと、琉球政府におきましても、またOHKからの要望も、内部設備について援助してくれと、こういうことでございますので、そういった向こうの自主的な要望の線に沿ったというわけでございます。
  22. 森本靖

    森本委員 それはOHK要望もよくわかるわけであります。大体こういう機械類その他が少ないからそういうものを援助してくれ、こういうことだろうと思いますが、しかし向こうにも金がないことはないわけでありますから、その金でこういう機材を買って、あるいはこちら側からこの建物その他については援助するというふうにしたほうが、あとあとちゃんとしたものが残るということになるわけであります。そういう点について、政府当局としてはただ向こう側の言い分をそのまま聞いたということになって、こちら側からそういうことについては意見も言わなかったかどうか。私の考えでは、こういう内部消耗品的なものこそOHKのほうが設備をし、将来このOHKが、かりに沖繩日本返還をされて吸収をされるというときには、やはりそういう消耗品的なものでなしに、ちゃんとした設備というものが残っておったほうがいいということになって、この援助のしかたが――確かに向こうはこういう機械類がほしい。しかしこれは金で買えないことはないわけであります。同じように金を出すわけでありますから、同じように金を出すとするならば、こちらは恒久的な設備のほうに金を出して、そうして向こう消耗品的なものを買うのが筋ではないか、こういうふうに私は考えておるわけでありますが、その辺どうですか。
  23. 石川忠夫

    石川政府委員 これは先ほど申し上げましたように、沖繩側の自主的な意向をいれて、こういうかっこうになったわけでございますが、なぜそれでは中の設備NHK設置してもらって、そして貸し付けてもらいたいということを依頼したかということを憶測してみますと、やはり内部設備について技術的な問題で、何と申しますか、メーカーとの交渉その他そういった面について建物とは違ってNHKに具体的に完成に至るまでいろいろめんどうを見てもらわなければならない、こういうことで内部設備についてNHK援助要請した、こういうふうに憶測をしておるわけであります。
  24. 森本靖

    森本委員 それじゃ、NHK内部設備については将来もずっといろいろめんどうを見ていくと、こういうことですか。
  25. 川上行蔵

    川上参考人 NHK側が、いま先生からお話しがありましたように、土地とか建物とか、そちらをしたらどうかという御意見もわれわれのほうでは内部的には検討いたしました。ただ現地の事情を聞きますと、向こうのほうの法制のたてまえ、そのほかから、土地建物NHKが持つとか、あるいはNHKが金を出すということが法制的に問題があるというようなことを聞きまして、その理由も多少わかりましたことと、それからいま電波監理局長か申されましたような技術的な進歩あるいは今後の指導とかそういう面もございまして、両面を勘案いたしまして機械施設という面の援助に踏み切ったわけでございます。  なお、それでは三年後、五年後にすぐ次の分までまたNHKが負担するかという点につきましては、必ずしもわれわれのほうはそう考えておりません。OHKが今後受信料制度の上に立ってまいりまして、その受信料制度でできるだけ自主的な、あるいは自立的な立場で今後経営をしていくという点に向こう企業努力を求めておりまして、そういう点におきまして、必ずしも三年後、五年後あるいは機械償却が終わった際に、すぐこちらの援助が引き続いて実施されるというふうには考えておりませんので、一応向こう受信料徴収制度がスタートする、その踏み切りにこちらが協力してきた、このように考えております。
  26. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、あとあとこのめんどうを見ていくということはないわけですね。
  27. 川上行蔵

    川上参考人 一応今回の場合におきましては、そのようなたてまえで考えております。
  28. 森本靖

    森本委員 そのようなたてまえとは、どういうことですか。
  29. 川上行蔵

    川上参考人 今回の援助は、受信料制度をスタートして、それでOHKが自立の姿勢をつくる、その援助である、このように考えます。
  30. 森本靖

    森本委員 そうすると、この三億五千万円見るところの問題については、あとあと、もうNHKとしては見ていくということではない、こういうことですか。
  31. 川上行蔵

    川上参考人 一応その前提考えております。
  32. 森本靖

    森本委員 それでは、先ほどの電波監理局長答弁とちょっと違うのじゃないですか。あなたの場合は先々もこういう機材その他については見ていかなければならないから、こういうふうな答弁だったでしょう。
  33. 石川忠夫

    石川政府委員 そういうこともあって、内部設備について要望したと思いますが、今回の援助はただいま川上参考人から説明があったとおり、四十三年度において沖繩テレビジョン局内部施設ということで限定しておりまして、将来先々までこのめんどうを見るというふうに現在のところ考えておるわけではございません。
  34. 森本靖

    森本委員 この沖繩放送協会受信料を取るということになるのは、一体いつからですか。これは総理府に聞きたい。
  35. 山野幸吉

    山野政府委員 ただいまのところ、明年の一月一日に予定しておると聞いております。
  36. 森本靖

    森本委員 その料金幾らですか。
  37. 山野幸吉

    山野政府委員 まだ確定的な数字は私どもは聞いておりません。一説には八十セントともいわれておりますが、いろいろ検討中であるように聞いております。
  38. 森本靖

    森本委員 この沖繩放送協会に関する法律が施行されるのはいつからですか。
  39. 山野幸吉

    山野政府委員 昨年の十月に施行されております。
  40. 森本靖

    森本委員 十月に施行されて料金がはっきり確定しないというのは、どういう意味ですか。
  41. 山野幸吉

    山野政府委員 これは、料金を決定しますのが、この放送を開始する直前にまできめればいいのでございまして、法律は施行になりましたけれども、まだ現在のところ確定はしていないわけでございます。
  42. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、来年の一月一日から施行するというわけでありますが、このOHK料金法律の中ではどういうふうになっておりますか。
  43. 山野幸吉

    山野政府委員 これは、受信料につきましては、立法の放送法十九条にございますが、これを簡単でございますから読みます。「協会放送受信することのできる受信設備設置した者は協会受信料を支払わなければならない。ただし放送受信を目的としない受信設備設置した者については、この限りでない。」二項です。「受信料の支払の時期及び方法、受信料の減免の基準その他前項受信料徴収に関し必要な事項は、協会がその受信料規程で定める。協会前項受信料規程を設定しようとするときは、あらかじめ行政主席認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも同様とする。協会前項の規定による受信料規程の設定または変更の認可を受けたときは、規則で定めるところにより、これを公表しなければならない。」これだけが定められております。
  44. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、将来沖繩返還をされた場合に、このOHKというのは大体NHK吸収をされるというふうに考えておるわけですか。
  45. 山野幸吉

    山野政府委員 実は沖繩本土へ復帰しました場合の向こう放送体制をどうするかということについては、まだ具体的な考え方は双方で固まっていないと考えております。したがいまして現在民放が三社ございます。それからOHK、その関係をどうするかということは、その時点におきましてあらためて検討してNHKとの関係を確立していかなければならぬ、かように考えております。
  46. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、前の先島地区にVTRテレビ局を設置した場合については、これは国が金を出したわけでありますけれども、今度の場合はNHKがこれを出すというのはどういう意味があるのですか。
  47. 山野幸吉

    山野政府委員 先島地区の放送設備につきましては、これは先生御案内のとおりでございますが、全く先島ではテレビが見られない。何とか先島にもテレビ施設をつくってもらいたいという要請佐藤総理の訪沖の際に強く訴えられました。それが機縁になりまして、それでは何とか受信できる施設をつくろうじゃないかということでつくったのでございますが、その当時、その過程におきまして、沖繩側もやはり公共放送をつくって、そしてそれで受け入れていこうという考え方になったわけでございます。全く琉球政府自体にもそういう公共放送資金準備もございませんし、またほとんど経営上も、先島地区の放送は非常に採算上もなかなか成り立っていかないような地区でございますので、したがいまして、そういう琉球政府要請にこたえまして、公共放送施設をつくるという向こうの決意に応じまして、これを援助として日本政府が譲与するということにいたしたのでございます。今回のOHKに対するNHKからの譲与の問題につきましては、先ほど申しましたように、いま琉球政府が予定しておりますように、来年の一月一日から受信料徴収して、ひとつ公共放送として全琉的な放送網を基礎にして出発しようということでございますから、これはその料金収入を中心とする経営の中で採算ベースに乗っけていくべきものと考えられるのでありまして、したがいまして、NHKからの無償貸与という考え方が適当ではないか、かように考えております。
  48. 森本靖

    森本委員 どうも筋道がはっきり通らないように思うわけであります。先島地区については国の援助でやって、これもやはり公共放送OHKがやる。今回のいわゆる那覇におけるところのOHKの問題については、これはNHKがやるということであるとするならば、将来の沖繩返還後における沖繩放送体制というものをいかに持っていくか。そして将来OHKNHK合流をするという構想のもとであるとするならば、あるいは三億五千万円という金が生きてくるというふうに考えるわけであります。しかし、その構想が、いまの御答弁では、全然白紙であるということであるとするならば、これはNHK無償貸し付けを行なわしめるということは筋が通らぬのではないか、そうであるとするならば、日本政府が当然これは設置をして、そうして貸し付けをするというのが普通のやり方ではないのですか。もし先島地区を国が援助し、それから今度の場合NHK援助するということであるとするならば、その辺に筋道を立てた行政理論というものが私はなければならぬと思う。いまの答弁では筋道の立った答弁にはならぬと思うのであります。  そこで、ほんとうにこれは、私は何も向こう貸し付けをすることが悪いということではありません。ただこれが、国が出すなり、NHKが出すということについては、筋を通した出し方をしておかなければならぬ。NHKが出すとするならば、将来いわゆる沖繩日本返還をしてきた場合には、当然このOHKNHK吸収合併される、こういう前提のもとにNHKの中から三億五千万円出すということであるとするならば、これは許されると思います。しかしながら、そういう前提条件がなくて、日本ラジオテレビ――いまラジオはなくなりましたけれどもテレビ受信料の中からこの中に与えるということになるとするならば、そこにちゃんとした筋が通っていなければおかしいというふうに考えるわけであります。その辺どうお考えですか。
  49. 山野幸吉

    山野政府委員 私の申し上げているのがはっきりしないという御指摘でございますが、実は現在沖繩にあります民放各社のことも考えながら、しかも現実に私どものほうに施政権のない現段階において発言しているもんですから、あまりはっきりと申し上げられない部分があるのでございますが、私どももこのOHKができますときに、でき得れば民放各社も再編成して、そうしてすっきりした公共放送としてのOHKをつくっていただくことを強く期待していたわけでございますが、いろいろ沖繩内部事情もありまして、さしあたり民放の現在の体制はそのままでいく、そうしてそのほかにOHKをつくっていく、公共放送をつくっていくということにきめられたのであります。本土返還されました場合に、いま先生から御指摘のございましたように、私どもOHKNHKにやはり一元化されるということを期待はいたしているわけでございます。
  50. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、政府はやはり将来このOHKNHK吸収されるということを期待しながらこの三億五千万円というものについてはNHK要請をした、こういうふうに解釈をしてよろしゅうございますか。
  51. 山野幸吉

    山野政府委員 私どものほうとしましては、いま御指摘になりましたように、OHKNHKに一元化されるということを期待いたしているわけでございます。
  52. 森本靖

    森本委員 そういうことであるとするならば、この場合に一応の筋道が通ってくるわけでございます。そうでなければ、いま日本の国民の、特に税金でなしに、受信料というものの中からこのOHK無償貸与するということの金を出すということは、筋道が通らぬわけであります。しかしながら、将来沖繩日本返還をされた場合に、このOHKについては当然日本公共放送であるNHK合流合併をするということを日本政府期待をしている、その前提のもとにこの三億五千万円を出す、こういうととであるとするならば、一応筋道が立ってくるわけでありますが、そのように解釈をしてよろしゅうございますか。これは出席政府委員の中で一番偉い人はだれですか。
  53. 高橋清一郎

    高橋(清)政府委員 そのとおりでございます。
  54. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、このいわゆる今回のOHKに対する無償貸し付けについては、将来そういう前提のもとに貸し付けを行なうということで一応はっきりしてまいったわけであります。そこでOHKが来年の一月一日から放送を開始するということになりますけれども現実にいま沖繩における放送体制はこれ以外にどういうことになっておりますか。これは郵政省のほうでけっこうです。
  55. 石川忠夫

    石川政府委員 ラジオから申し上げますが、ラジオ放送におきます民間放送の局が沖繩本島におきまして三局ございます。琉球放送が二局とラジオ沖繩が一局でございます。それから琉球放送中継局が宮古に一局ございます。そのほかに米国の非営利団体でございます極東放送というのが三局ございます。それから米軍用放送局、FENというものでございますが、中波帯で一局、短波帯で一局、それから超短波帯で一局、これが沖繩本島設置せられております。  次にテレビジョンでございますが、御承知のとおり、沖繩放送協会の局が先島地区に五局ございます。それから民間放送の局といたしましては、沖繩本島琉球放送沖繩テレビ、この二局、それから久米島に琉球放送中継局が一局割り当てられております。それからもう一つ米軍用放送局沖繩本島に一局設けられております。それで、テレビにつきましてはいずれもVHF帯でございます。
  56. 森本靖

    森本委員 この民放三社というのはラジオだけやっておるのが一社、それからテレビラジオが一社、それからテレビが一社と、こういうことですか。
  57. 石川忠夫

    石川政府委員 そのとおりでございます。
  58. 森本靖

    森本委員 アメリカ放送は幾つありますか。ラジオテレビともう一度……。
  59. 石川忠夫

    石川政府委員 極東放送というのが一つ、それから米軍放送局で先ほど申し上げましたように中波帯短波帯それから超短波帯でそれぞれ一局ずつございます。テレビとしては、米軍用放送局沖繩本島に一局あるわけでございます。
  60. 森本靖

    森本委員 このアメリカ極東放送というのはラジオですか。
  61. 石川忠夫

    石川政府委員 ラジオでございます。
  62. 森本靖

    森本委員 一応この周波数をちょっと明らかにしてくれませんか。
  63. 石川忠夫

    石川政府委員 千二十KC、それから千二百五十KC、それから千三百六十KCでございます。
  64. 森本靖

    森本委員 それは極東放送の場合ですか。
  65. 石川忠夫

    石川政府委員 そうでございます。
  66. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、極東放送の千二十KCというのは出力幾らですか。
  67. 石川忠夫

    石川政府委員 一キロでございます。
  68. 森本靖

    森本委員 米軍放送ラジオテレビとFMとの周波数、それから出力を言ってくれませんか。
  69. 石川忠夫

    石川政府委員 中波は、六百五十KC、五キロワットでございます。それから超短波帯では九十五メガサイクルでございます。それからテレビの場合はアメリカの八チャンネルで五キロワットでございます。
  70. 森本靖

    森本委員 これ以外に、千キロ放送中波放送があるのじゃないですか。
  71. 石川忠夫

    石川政府委員 VOAがございます。千百七十八KCでございます。
  72. 森本靖

    森本委員 それは出力幾らですか。
  73. 石川忠夫

    石川政府委員 千キロワットでございます。
  74. 森本靖

    森本委員 このアメリカの千百七十八KCの千キロワットというのは、これは何国語でやっておりますか。
  75. 左藤恵

    左藤説明員 中国語及び朝鮮語によって、毎日二十時から一時まで放送をいたしております。
  76. 森本靖

    森本委員 中国語朝鮮語だけですか。
  77. 左藤恵

    左藤説明員 中波放送の千キロワットの分は、中国語朝鮮語だけでございます。
  78. 森本靖

    森本委員 それじゃ沖繩からアメリカ軍がやっております短波放送幾らですか、周波数出力は。
  79. 左藤恵

    左藤説明員 短波の周波数は全部で十二ございます。三千九百三十五、六千十、六千七十五、七千百六十五、七千二百三十五、七千二百五十五、一万一千七百十五、一万一千九百二十、一万一千九百六十五、一万五千二百十、一万五千三百九十五、一万七千七百二十五の周波数を使いまして、空中線電力は三十五キロないし百キロワットでございます。
  80. 森本靖

    森本委員 その点では放送中身のいわゆる語は何語ですか。
  81. 左藤恵

    左藤説明員 近隣諸国向けに三言語ぐらいでやっておるのじゃないかというふうに聞いておりますが、資料はございません。
  82. 森本靖

    森本委員 三言語というのはどの程度ですか。
  83. 左藤恵

    左藤説明員 中国語朝鮮語とロシア語じゃないかと思いますが、はっきりしたことはわかりません。
  84. 森本靖

    森本委員 この点はひとつよく御調査願っておきたいと思いますが、それから中国語朝鮮語の千キロワットの中波放送ですが、これはベトナム語ではやっておりませんか。
  85. 左藤恵

    左藤説明員 聞いておりません。
  86. 森本靖

    森本委員 あなたの調査したのはいつですか。
  87. 左藤恵

    左藤説明員 昨年の秋でございます。
  88. 森本靖

    森本委員 この千百七十八KC中波放送でございますが、普通これは夜間ですと、どの程度まで行きますか。千キロで北から南へずっと行動半径を広げてみますと……。
  89. 左藤恵

    左藤説明員 本州の北部まで来るのじゃないかと考えております。したがいまして、現在この周波数帯に近いところで、北海道では日本中波放送周波数を免許いたしておりません。したがって、混信もございませんので、本州の北部まで到達するのではないかと考えます。南のほうは、フィリピンの見当まで行っておるのじゃないかと考えております。
  90. 森本靖

    森本委員 これは大陸は大体どの程度まで入りますか。
  91. 左藤恵

    左藤説明員 朝鮮半島から中国大陸の海岸に近い平野部分もかなり行くのじゃないかと考えております。
  92. 森本靖

    森本委員 これはずっと南のほうまで行くのじゃないですか。中国の広東からまだずっと南のほうまで夜間はほとんど……。これは技術的なことだから、三熊君でもいいわ。
  93. 三熊文雄

    三熊参考人 千キロのは中国大陸に指向性をつけていますから、御承知のとおり技術的には広東近くまで行くと思います。
  94. 森本靖

    森本委員 このいわゆる中波の千キロ放送というのは、大体極東のどこどこにありますか、日本以外に。日本には千キロの中波放送というのはないのですか。中共、ソ連あるいはその他をずっと含めてみて、いわゆる中波放送の千キロというようなものは超大電力でありますが、こういうようなものがほかにどこどこにあるか、もしわかっておったらひとつ御説明願いたい、こう思うわけであります。
  95. 石川忠夫

    石川政府委員 いまはっきりした資料を持ち合わせておりませんが、上海に千キロ以上の局があるだろうという推定は行なわれております。そのほかソ連にあるのではないかというふうにいわれておりますが、はっきり何キロかということは確認しておるわけではございません。
  96. 森本靖

    森本委員 はっきり確認してないといったって、放送を聞いておったらわかると思うのですが、どうですか。
  97. 石川忠夫

    石川政府委員 推定しているだけでございますので、はっきり千キロワット以上かどうかということはわかりませんが、こちらへ来ている電力の強さから見て、上海あるいはソ連で千キロ以上のものを出しているのではないか、こういうふうに推定しておるわけでございます。
  98. 森本靖

    森本委員 ソ連というのはどこですか。
  99. 石川忠夫

    石川政府委員 いまちょっと場所ははっきりいたしておりません。
  100. 森本靖

    森本委員 日本で一番大きな中波出力NHK幾らですか。
  101. 石川忠夫

    石川政府委員 三百キロでございます。
  102. 森本靖

    森本委員 いわゆるこの千キロワットの放送というのは、おそらくアジア地域でございましたならば、中波でありましても、ほとんど聞けるということが言えると思います。特に沖繩極東放送と、それから上海、ソ連、この三つの放送は、日本の国民でも、十分現在の中波ラジオでも入ってくるわけでありますが、これ以外に、北鮮には一番出力の大きいので中波でどの程度がありますか。
  103. 石川忠夫

    石川政府委員 たしか平壌にあったと思いますが、後ほどよく調べてお答えいたします。
  104. 森本靖

    森本委員 平壌のは大体三百キロないし五百キロ程度では互いかというふうに私は想像するわけでありますが、こう考えて、ずっと日本を取り巻くいわゆる中波の宣伝――短波は別でございます。短波はかなりNHKから出ておりますから別でありますけれども中波のいわゆる一番よく聞かれるラジオ周波数帯においては、日本からはほとんど出ていない。にもかかわらず、アメリカ軍の極東放送沖繩から行なわれている、さらに中共からは上海で行なわれておる、ソ連から千キロが行なわれておる、それに平壌放送が大体三百キロないし五百キロだろうと思いますが、それが放送されている。かりに日本の内地から千キロによるところの中波放送を出したとするならば、少なくとも、これは指向性にもよりますけれども、フィリピン以北までずっと届くと思います。これが日本の場合には全部短波放送で行なわれておる。その関係か、向こうでは聞く率が非常に少ない。私は何も日本のいまの佐藤内閣が日本の状況を宣伝せよということを主張するわけではありませんけれども、ただしかし、日本のいまのNHKのニュースあたりは、私は比較的公平なニュースを流しておると思います。そういう点から言うとするならば、少なくとも極東地域のいわゆる共産圏であれ、中立圏であれ、あるいはアメリカ圏内に入っておる国々であれ、そういう国々の国民に日本の国の実態というものを知らすということは一番必要ではないかというふうに私は考えるわけであります。ところが、日本を中心として、いま私が申し上げましたように、それぞれアメリカなりあるいはソ連なり中共なりはこれだけの膨大な費用、経費をかけ、さらにまた膨大な設備を擁してやっておるにもかかわらず、日本では全然このいわゆる中波周波数帯における大電力の放送が行なわれていないということについては、私はやはり日本としても考えるべき点があるのではないかというふうに、この極東における中波ラジオ周波数帯を見ておりました場合に考えるわけでありますが その点について政府当局としてはどのように考えておるのか、ひとつ政府の御意見を聞いておきたいと思います。
  105. 高橋清一郎

    高橋(清)政府委員 お説は今後の研究題目といたしまして十分検討するだけの価値あるものと判断いたしておるような次第でございます。また沖繩をめぐる周波数の問題等につきましても、今後のことでもございますし、現況やむを得ざる事情でここまで来たというように御勘案願いまして、まあお話がございましたような沖繩復帰の場合におきます云々のことがありましたが、そのときはそのときにおきまする行政指導の次元において善処をとるというふうに考えております。
  106. 森本靖

    森本委員 これは沖繩の問題についてはその復帰した次元において考えるというように言われましても、なかなかこの周波数というものはそう軽軽にすっと簡単に変えられるものじゃないわけでありまして、沖繩返還というもののめどを一体いつにつけておるかということにも関連をしてくるわけでありますけれども、一応せっかく日本からこういうふうに無償貸し付けによる三億五千万円もの、国民の受信料の中から向こう援助することになるとするならば、沖繩日本返還をされたあとにおいては、一体沖繩放送体制、それから周波数の使用状況、そういうようなものを日本の国内とどのようにマッチをさせていくかということは、OHKが来年の一月一日に発足をするとするならば、そのときにもうすでに考えていかなければならぬ。特にこれはチャンネルの合わせ方等についても日本の内地と沖繩との一体化を深めていくという点からいきましても、この周波数のいわゆる使用計画については、いまから日本政府沖繩政府と協議をしながら考えていかなければならぬ。そうしてできるだけ、アメリカが使用するところの周波数については内地と同じようにやはりある程度の制限を徐々に加えていかなければならぬ、こういうように私は考えるわけであります。その点、日本政府としては、沖繩に関するいわゆる放送体系、ことに周波数の使い方、こういう問題についてどのように考えておるのか。これは事務当局でけっこうでありますので、お答えを願いたいと思います。
  107. 石川忠夫

    石川政府委員 まことにお説ごもっともなことでございまして、今後沖繩日本へ復帰した場合のことを考えますれば、日本の受像機をそのままで聞ける、見られる、こういうふうにしなければならぬ、こういうことで、いま問題になっております沖繩本島テレビジョン局の周波数日本における第二チャンネルと同じチャンネルを使ってもらうように折衝をし、大体そういうことになろうかと存じます。まあここで問題になるのは、米軍のFMの九十五・一メガというのが実は動いてもらわないと、第二チャンネルが使えない、こういう問題があるわけでございます。このFMの周波数を少しずらしてもらう。そうしてOHKテレビ日本と同じ第二チャンネルを使う、こういうふうに持っていきたい、かように考えておりますし、協力を期待しているわけでございます。
  108. 森本靖

    森本委員 当面はそれはその程度でいいと思いますが、将来やはり日本のチャンネルに合わしていくということを考えていかなければならぬと思います。  そこで、沖繩における周波数の使用計画というものは、現在どこがきめておりますか。
  109. 石川忠夫

    石川政府委員 米国民政府でございます。
  110. 森本靖

    森本委員 その米国民政府は、世界の周波数の配分表に従った、分配地域における波の使用方法を行なっているわけでございますか。
  111. 石川忠夫

    石川政府委員 そのとおりでございます。
  112. 森本靖

    森本委員 その場合、この沖繩の問題については、周波数の分配表におけるジュネーブ協定によるところの問題としては、これが日本に与えられた周波数帯の中でやっておるのか、あるいは極東地域に与えられた周波数帯としてやっておるのか、それはどうですか。
  113. 石川忠夫

    石川政府委員 極東地域に与えられたものでやっております。
  114. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、極東地域に与えられた周波数帯でやっておるとすると、日本周波数帯とある程度衝突をしてくる場面も出てくるというふうに解釈をしてもいいのですか。
  115. 石川忠夫

    石川政府委員 そのとおりでございます。
  116. 森本靖

    森本委員 そうすると、これは向こうのいわゆるアメリカ軍民政府といいますか、そのほうがアメリカのFOCとは全然連絡なしにこういう周波数の分配というものを考えておりますか。
  117. 石川忠夫

    石川政府委員 連絡の上、やっておると思います。
  118. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、これは当然今後極東地域の中における、いわゆる日本が使用するところの周波数の分配計画の中で考えていかなければ、ここ一、二年の間に沖繩返還されるということになってきた場合に、急遽変えなければならぬと言いましても、これは問題になろうと思うのです。  それから、きょうはありませんけれども、次に出てまいりますところの、いわゆる散乱波の使用方法その他の問題についても関連をしてくるわけでありますけれども、こういう点についてはやはり何としても、もう日本で現在行なっておるところの周波数使用計画そのものに沖繩もずっと入ってくるというかっこうをいまから考えていかなければ、返還後急速にこれを変えると申しましても、なかなか困難な事情になってくるわけであります。そういう点、今後のマイクロウエーブについても、あるいは散乱波の使用等についても、当然考えていかなければならぬというように私は考えるわけでありますが、そういう点、政府アメリカ側とある程度話をしたことがありますか。
  119. 石川忠夫

    石川政府委員 いままでのところ、話をしておりません。
  120. 森本靖

    森本委員 これは日本人同士が何ぼ話をしても始まらぬ話であって、やはり将来の問題を考えた場合に、こういう技術的な問題が一番むずかしいわけですね。行政的な問題は、これはまあ政治的な問題として解決をつけることが可能でありますけれども、こういう技術的な問題については、一たび一つ機械設置して、放送なりあるいは中継を始めるということになった場合に、それを一挙に変えていくということについてはなかなか困難である。将来のことを考えながら、やはり沖繩における周波数の分配計画等についても、日本政府アメリカ政府と積極的に接触を保ちながら、こういうふうな行動その他についても考えていかなければ、私は、いまの琉球の政府の実情からいたすとするならば、そういうところの能力はあまりないのじゃないかというふうに考えるわけです。そういう点では日本政府が大いにバックアップをして、日本返還をされてきたときに一体どうするかということを、やっぱりいまから考えながらやっていかなければならぬ。それがためには、やはり日本一つの主導的な立場をとって、アメリカ側とも話し合いをしていくということをやっていかなければ、日本人の、総理府郵政省と何ぼ話をしてもこれはらちがあかない問題であるわけでありまして、もう少しアメリカ側との周波数の問題についても接触していく必要があるのじゃないかというふうに考えるわけであります。これは政務次官からお答えを願っておきたいと思います。
  121. 高橋清一郎

    高橋(清)政府委員 お説ごもっともでありますし、お示しのありましたように、単なる行政面だけでなくして、特にむずかしい技術面を控えておりますし、もろもろの条件を今後満たしていかなければならぬ事態の進展もございますので、十分郵政省といたしまして、あるいは総理府、場合によりましてはNHK等を加えまして、アメリカとの接触を保ちながら、御期待に沿いながら善処すべきものだと考えております。
  122. 森本靖

    森本委員 これは政務次官でありますので、それ以上のお答えはなかなかむずかしいと思いますが、本来これは大臣と総務長官が出てきて、お答え願えれば私はさらに突っ込んだ質問をしたいと思いますけれども、まあ総理府はだれもおりませんし、郵政省政務次官でありますので、この程度にしておきますが、しかしこの点については、いまからやはり考えていかなければならぬということだけは、ひとつ総理府郵政省も念頭に置いておいてもらいたい。さらにNHK当局等においても、この問題については考えていかなければならぬというふうに考えるわけであります。  それからもう一回もとに戻りますけれども、先ほどのいわゆる中波の千キロ放送の問題でありますが、NHKとしては、こういう点については考えたことはございませんか。いわゆる中波放送における――いまのNHKとしては、外国向けの放送といえば、全部短波放送になっておるわけでありますが、中波における極東アジア地域に対する放送というものを考えたことはないかどうか。
  123. 三熊文雄

    三熊参考人 ただいまのお話なんですが、NHKはたてまえ上、短波をもって海外放送をするというたてまえで、中波は国内に対してやるというたてまえをとっていますので、国内自体の混信の除去、その他によって長大電力を使うということは考えていますが、外国向けに長大電力を使うというところまで考えておりません。
  124. 森本靖

    森本委員 まあしかし現在の周波数事情からいたしますならば、だんだん中波がFMにかわっていくという一つの態勢になりつつあるわけでありますが、ここでアメリカ、ソ連、中共三つが三つともそろいもそろって、千キロの中波放送をやっておる。現実に千キロの日本放送をやれば、場合によっては、中国でも台湾でも、あるいは南方地域においても、日本語を解する方もたくさんおろうと思います、あるいはその現地のことばにおいて行なうということも可能であります。これは、極東地域における放送については、短波も有効ではございますけれども、一番有効な使い方は、やはり中波の大電力千キロ放送ということが私は効果があろうと思う。効果があるからこそアメリカとソ連と中共はやっておるわけであります。これはやはり間違ったニュースとか報道を行なってもらうことは、私は全くごめんをこうむりたいと思いますけれども日本が、あくまでも公平な立場に立った日本の国内の実情というものを諸外国、特にアジアの近隣諸地域に知ってもらうということは、私は必要だと思います。そういうような必要な観点から、中波放送についての大電力ということについても、国内でなしに、アジアの極東地域に対する放送ということを日本考えていっていいのじゃないかというふうに考えるわけであります。特にこの点は、今後の放送体系における研究課題として、ぜひひとつ政府並びにNHK当局としても念頭に置いておいてもらいたい、こう思うわけでありますが、どうですか。
  125. 石川忠夫

    石川政府委員 非常に大きな問題でございまして、いままでのところは、ただいまNHKからお答えをしたとおり、中波大電力による海外放送ということは考えておらなかったわけでございますが、今後の研究課題として慎重に検討してまいりたい、かように思っておる次第であります。
  126. 森本靖

    森本委員 これは将来ラジオ放送が、日本の国内においてもだんだんFMに移行されていくという傾向にあるわけでありますので、その点についてはひとつ十分に検討しながら考えていってもらいたい。いまわれわれが夜間にラジオを聞きましても、一番入ってくるのは、沖繩極東放送と、それからソ連と中共の中波放送がいつでも飛び込んでくるわけであります。これはもう完全にわれわれとしては、日本の内地の放送よりももっと音質がいいというふうな状況で聞けるわけであります。しかもこれがスマートな日本語でやってくるわけでありますので、われわれとしては非常におもしろいわけであります。おもしろいということになりますと、やはり聞く率が多くなってくるわけであります。戦前と違って、日本の国民がアメリカのこともソ連のことも中共のことも聞くということは、それだけ戦前のような暗い方向でなくして、全世界のそれぞれの情報というものを分析をするためには、これは非常にいい情報源でありますけれども、そういう中にあって、日本だけが沈黙を守っておるという必要は私はないというふうに考えておるわけであります。その点ひとつ十分に今後検討願いたいと思います。  そこで、この際、この沖繩問題にからんで、今回返ってまいりますところの小笠原についてちょっと聞いておきたいと思いますが、小笠原について、テレビラジオについてはどういうふうにお考えになっておりますか。ラジオはむろん、これは先ほど来論議をいたしておりまするように、中波が当然小笠原には届くわけであります。おそらく現在の中波が届きまするから、ラジオは一応解消するといたしましても、将来のテレビとそれからFM放送については――これは小笠原が復帰するのはいつですか、正式には。
  127. 山野幸吉

    山野政府委員 ただいま協定を日米間で交渉中でございまして、協定が国会で批准されましてから若干の期間をおいて後のことと思いますが、まだいまの時点では、はっきり何月何日とは申し上げられませんが、そう遠いことではございません。
  128. 森本靖

    森本委員 そこで、いまのような総理府の御答弁でありますが、そういたしますと、小笠原についても、当然小笠原と内地との間における通信、こういうものも考えていかなければならぬと思いますし、当然郵政省としても考えておると思います。電電公社についても当然考えておると思いまするけれども、この小笠原地域におけるところのテレビ、――特にこのテレビについては、おそらくマイクロを使って中継をするということは不可能に近いと思います。近いが、これはまあビデオテープを持っていって、先島地区のように送りっぱなしという形であるとするならばできると思います。それから現地の事情を若干ニュースで流すくらいはできるのではないかというふうに考えるわけであります。小笠原が返還された場合に当然措置を考えなければならぬと思いますが、この点について郵政省としてはどう考えておりますか。
  129. 石川忠夫

    石川政府委員 ただいまお話のありましたとおり、あそこまでマイクロを飛ばしてやるということは技術的に困難でございますので、今後テレビをやるとすれば、どうしても先島方式、要するにVTRを飛行機で持っていってそこで映す、こういうことにならざるを得ないかと存じますが、今後の調査によりまして、だんだんこれから復帰後日本人が多くなると思いますが、その状況等を勘案いたしまして、今後建設をするように取り運んでいきたい、かように存じております。
  130. 森本靖

    森本委員 NHKにおきましても、これは一番先にやっていかなければならぬと思いますが、NHKにおいてはどういうふうにお考えになっておりますか。
  131. 三熊文雄

    三熊参考人 NHKも、ただいま電監局長からお話しのとおりなんで、復帰しますと、何とかしてテレビの先島方式的なものを考えていきたい。ただ現在におきましては、御承知のとおり、父島、母島のところが約一千キロで、それから硫黄島までが約二百キロ近くあるものですから、技術的に一カ所で済むものか、それとも二カ所に置かなければならぬものか、そういう点で、技術的なポイントで検討はしています。何かの機会に現地調査ということも考えておるわけですが、お説のとおり、できるだけ早い機会にそういうことも十分考慮していきたい、こう考えております。
  132. 森本靖

    森本委員 この小笠原については、NHKとしてはニュース取材には何回も行っているのでしょう。
  133. 三熊文雄

    三熊参考人 ニュース取材には行っております。したがって、その現地の様子は聞きました。たとえてみますと、ニュース取材の方から聞いたわけですが、ラジオの様子は、現在東京と静岡、この両方の地区のラジオが、昼も夜も十分聞けるそうです。そういうようなニュース取材のポイントでは調査しておるのですが、純技術的なポイントでも調査したい、こう考えております。
  134. 森本靖

    森本委員 これは私はNHKに特に要望しておきたいと思いますが、この小笠原については何回もニュース取材に行っておりますから、そういうときにやはり技術屋も一緒について行って、一わたり見てくるということもやっていいのではないか。たとえば、ニュース取材の取材記者ではそういう点の技術的な検討はなかなか困難であります。しかしながら、ニュース取材に行くときに、  一緒に技術屋がついて行けば、かなり見れるわけでありますから、NHKは何もお役所ではないわけでありますから、そういう点はもっと融通をきかしてやったほうがいいというふうに、私はあの小笠原の取材を見ながら考えたわけであります。そういう点は、お役所式でないところのNHKのやり方によさがあるわけでありますので、この点については十分――私はこれは単に小笠原の問題だけでなしに、今後もいろいろの問題に関係してくると思いますので、そういうふうに考え方を持っていってもらいたい、こう思うわけであります。特にこの小笠原については、早急にNHKとしても技術調査というものに手をつけていただきたい、こう思うわけでありますが、どうですか。
  135. 三熊文雄

    三熊参考人 そのとおりやりたいと思っております。
  136. 森本靖

    森本委員 それから、もとの沖繩の問題に返りますが、OHKは、いま問題になっておりますのはテレビでありますけれどもテレビ以外に今度はラジオ放送ということになっておるはずであります。このラジオについては、テレビのように貸与してくれとか、あるいは貸し付けてくれとか、そういうような要望はなかったのですか。
  137. 石川忠夫

    石川政府委員 いままでのところございません。
  138. 森本靖

    森本委員 今度のOHKラジオ中波だけですか。
  139. 石川忠夫

    石川政府委員 これは非公式な見解でございますが、FMを先にやりたいということを言っているようでございます。
  140. 森本靖

    森本委員 しかし、来年の一月一日から放送するということになるとするならば、すでにもうFMか中波か、大体どの程度周波数かということはOHKにおいてもわかっておるでしょう。
  141. 石川忠夫

    石川政府委員 当面問題になっておるのはテレビだけでございまして、ラジオについてはまだ先のようであります。
  142. 森本靖

    森本委員 これはテレビを先にしたというのはどういう意味ですか。OHKは――普通の放送会社からするならば、逆ではないかというふうに考えるのですが……。
  143. 石川忠夫

    石川政府委員 憶測の域を出ないわけでございますが、やはり受信料収入を得るためにはテレビをやる必要があるということで、そういった判断でテレビを先にやったのではなかろうか、かように憶測いたしております。
  144. 森本靖

    森本委員 テレビを先にやったら受信料をとれるということでありますけれどもラジオの場合は、たとえば中波放送を出そうとするならば、これは、施設その他についてはテレビよりも簡単にいくわけであります。むしろFM放送考えているという話でありますが、現在琉球でFM放送をやっておりますか。
  145. 石川忠夫

    石川政府委員 米軍が九十五・一メガサイクルでやっております。
  146. 森本靖

    森本委員 この民放ラジオ社というのは中波でしょう。
  147. 石川忠夫

    石川政府委員 そのとおりでございます。
  148. 森本靖

    森本委員 そうすると、沖繩の人々は琉球のラジオ放送よりも米軍のFM放送の――米軍のFM放送内容は娯楽が主になっておりますか。
  149. 石川忠夫

    石川政府委員 残念ながら、中身についてよく承知いたしておりません。
  150. 森本靖

    森本委員 これは総理府でわかりませんか。
  151. 山野幸吉

    山野政府委員 承知しておりません。
  152. 森本靖

    森本委員 あなた方、実にたよりないとぼくは思うのだ。これは日本NHKが三億五千万円もの金を向こう貸し付けてやる、ありがとうございます、向こうはこう言っておるのでございますが、そうなってくると、少なくとも沖繩放送状況、周波数の使用状況、受信機の普及状況、そういうものをちゃんと全部調査した上において金を貸すのがほんとうですよ。これは皆さん自分の金じゃないものだから、大きな気持ちになって――政府も自分の金じゃない、NHKNHKの金じゃない、国民の、受信料の金だから、人の金だから、よろしい三億五千万円、内容はと聞いてみると、あまりその内容については詳しくないということでは、これはやはり私は国民に不信を買うもとであると思います。やはり国民から負託をせられております受信料向こう貸し付けをするのでありますから、そういう点については私は詳しくひとつ調べてもらいたいと思うわけであります。NHKのほうは詳しいかもわかりませんが、これはどうですか、向こう民放ラジオの状況は。
  153. 三熊文雄

    三熊参考人 ラジオの聴取状況だろうと思うのですが、現在ラジオ自体は沖繩で十九万程度聴取者があると思います。
  154. 森本靖

    森本委員 それは中波の聴取者でしょう。
  155. 三熊文雄

    三熊参考人 そうでございます。
  156. 森本靖

    森本委員 私が聞いておるのは、FMの受信機が沖繩県民にどの程度普及しておるかということです。
  157. 三熊文雄

    三熊参考人 FMについてはわかりませんです。
  158. 森本靖

    森本委員 これは郵政省もわかりませんか。
  159. 石川忠夫

    石川政府委員 わかって寄りません。
  160. 森本靖

    森本委員 人のことだと思って、わかっておりませんということを自慢にするほどのことではないと思います。私はこういう点はやはりよく調べておかなければならぬと思います。特に、OHKがFM放送を先にやろうという考え方は、私はこれは内地であるとするならばある程度うなずけますけれども沖繩のようなところであるとするならば、FMよりかは中波のほうがいいのではないか。にもかかわらず、ラジオについてはFMを先にやろうということであるとするならば、少なくとも沖繩の県民のいわゆる受信機というものは、FMを聞ける受信機を持って、そして沖繩放送よりも米軍のFM放送のほうがおもしろいから聞いておる、こう解釈するほかしようがないのです。あれだけ島が一ぱいあるような沖繩において、ラジオ放送を始めようと考えるならば、少なくとも技術的に言って中波を先にやるのが常識じゃ互いですか。
  161. 石川忠夫

    石川政府委員 これも非公式な見解でございますので、それだけの理由というわけではないと思いますが、いままで私どもが係官から聞いているところでは、テレビの鉄塔を使ってやれば安上がりにできるという面から、FMのほうを先にしたいということのようであります。
  162. 森本靖

    森本委員 しかしその受信機が普及しておらなければ、何ぼやったって無益ですね。現在しかし、日本の、いわゆる沖繩県で放送しているラジオについてはFMが全然ないわけでしょう。
  163. 石川忠夫

    石川政府委員 そのとおりでございます。
  164. 森本靖

    森本委員 新しくFMをOHKが始めようということでありますから、それであるとするならば、日本はやはりもうちょっと助言をしてやったほうがいいと私は思いますね。OHK公共放送としてラジオを始めようとするならば、FMよりも先に中波をおやりなさい、特に沖繩のようなところについては、電力を増強すれば中波ラジオについてはそんなに中継所を設けなくてもできる。ところが、FM放送になってくると、先島まで届きませんよ。全部中継所を持っていかなければ、これはとうてい、OHKラジオ放送沖繩県民全部が聞けるようにはならぬ。そういう考え方からいくとするならば、ラジオ放送OHKが始めようとするならば、これはまず、イロハのイの中波から始めていくのが妥当ではないか。単にテレビの鉄塔が使えるから便利ですということでは、これはOHKOHK自体のことだけしか考えてない。沖繩県民のことを考えるとするならば、ラジオは最初はFMにすべきではない。中波からやはり段階を追って始めていくべきである、私はこういうように考えるのですが、そういう点は日本政府向こう琉球政府とあるいはNHKOHKとの間に話し合いは行なわれておりませんか。
  165. 石川忠夫

    石川政府委員 いまのところ、ラジオについては具体的な話し合いという向こうからの要望もございませんし、具体的に話し合いということをしたことはございません。いままでの接触した印象では、ラジオはまだ先の話である、こういうふうに私ども受け取っておるわけでございます。
  166. 森本靖

    森本委員 これは沖繩では世の中がさかさまになっておるわけです、この放送関係について。その他もそれはさかさまになっております。大体日本の領土を潜在主権なんというふうに、握っておるからすべてが間違ってくるわけでありますが、この放送体系も、本来これはどこの国でも、ラジオが始まって次にテレビが始まってくる。ラジオ中波、それからさらにテレビ、それからFM放送、こういう形にいこうとしている。ところがここでは、のっけからFMのラジオをやろうとしている。ところがFMのラジオをやったところで、この先島ですか、それから宮古島ですか、この辺までは聞こえませんよ、技術的に。全部に聞こえるためには、中波ラジオをやったほうが一番手っとり早いでしょうが、技術的にどうですか。
  167. 石川忠夫

    石川政府委員 御説のとおりであります。中波でも、現在の琉球放送は宮古に中継局を設けているというような状況でございます。
  168. 森本靖

    森本委員 そういうことであるとするならば、あなた方これをまだ外国と思っておるかね。もう一、二年の間に日本に返ってくるということであるとするならば、向こうから申し出がないからといっても、せっかくテレビについてはこれこれの金を出してくれ、よろしいといって金を出すわけでありますから、それならラジオはどういうふうにするのだということを、おせっかいやきでも出ていって、具体的に意見を言ったらどうですか。
  169. 石川忠夫

    石川政府委員 今後の沖繩における放送体制につきまして、さらに沖繩側と密接に接触してまいりたいと思います。
  170. 森本靖

    森本委員 これは大体皆さんもお聞きでわかりますように、どうも沖繩に対して口では非常に親切ごかしに言っておるけれども、ほんとうに骨の髄まで親切にしみたところの指導、援助というものをやる考えであるとするならば、もっと奥深くいろいろの問題について――放送だけをとってみても、私がここで質問をしたら、ほとんど、これは推定です、これはある人から聞いた、それはわかりません、そういうふうな状況の中において、実際に沖繩が一、二年のうちに返ってくるということを佐藤総理が何ぼ大みえを切ったところで、こまかい問題を一つ一つ聞いていくと、いつ返ってくるかわからぬというふうな態度で対処しておるというのがいまの日本政府の実態ではないですか。私はやはりもう少し親切に日本政府というものは、やがて沖繩県民として帰ってくるのだ、そうなった場合には日本内地と同じような放送体系に持っていくべきである、そういう考え方からこれは折衝し、それを琉球政府が意のままにならぬとするならば、アメリカとも十分折衝する、こういう積極的な態度に出ていかなければならぬ、こういうように考えるわけでありますけれども、ただいまの御答弁では、たとえばラジオ一つをとってみても、これはだれが考えても、いまラジオを ○HKが――もとからやっておるとするなら別ですよ。これからOHKラジオ放送を始めるというときに、何もこれだけ島が多いところで、好んで、中波をさておいて、FMを先にやらなければならぬということは、これは、三軒長屋において二畳以上の置きものをぽんと据えてながめておるのと一緒ですよ。そんなことは許されぬような状況でしょうが。もしかりにラジオをやるとするならば、中波OHKが始めたとするならば、沖繩全島に大体いくんでしょう。FMで始めるとするならば沖繩本土だけしかいかぬでしょう。そのくらいのいわゆる技術的なことがわかっておりながら、テレビの中継所があって、その上から波を出したら簡単だからということだけの理由によって、最初に始めるラジオがFMであるということについては、私はどうしても理解がいかぬのであります。何としても、OHKが最初にラジオを始めるとするならば、これは中波で始めて、それから中波が大体行き渡って、受信機も大体行き渡ったというふうな段階においてFMのラジオもやっていく、こういうことになるのが普通じゃないですか。
  171. 石川忠夫

    石川政府委員 いままでの各国で行なわれている順序はおっしゃるとおりでございます。まあこれは今後私どもも、おっしゃるように、沖繩側に対していろいろ意見を申していかなければならぬことはおっしゃるとおりだと思いますが、いままで私どもが聞いているところでは、一つ周波数事情もあり、あるいは先ほどちょっと申し上げましたが、鉄塔を使えるというようなこともあって、FMを先にしたら――これも決定的な意見ではもちろんございません。今後沖繩においてもいずれを先にするか、ラジオ放送をやるかということをこれから検討していかなければならない段階でございまして、まあありていに申し上げますと、さかさまかもしれませんけれども、いまのところはラジオについてははっきり考えてはおらない、こういうのが実情でございます。
  172. 森本靖

    森本委員 まあはっきり考えておらぬであるとするならば、OHKがいま考えておるやり方というものを、せめてそれなら中波とFMと同時にやるとするならばまだ話はわかる。しかしFMだけやって、それで中波はやらぬということであるとするならば、これはちょっと私はさかさまではないかというふうに考えるわけでありまして、そういう点については、これは郵政省なりNHKなり、あるいは総理府のほうから琉球政府と話をする場合に、私は十分に注意をしてやっていいことではないかというふうに考えるわけであります。そこで、総理府に聞きますが、向こう受信料というものはラジオテレビと両方入っておりますか。
  173. 山野幸吉

    山野政府委員 私どもの聞いていますのは、テレビに対する受信料を聞いておりまして、ラジオにつきましてはまだ考えてないように聞いております。
  174. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、今年度の四月一日、きのうから日本でも施行せらるると同じような受信料体系になっておるわけですか。
  175. 山野幸吉

    山野政府委員 先ほどお答えしましたように、受信料徴収を来年の一月一日に置いておりますので、まだその具体的な内容については決定してないというのが実情でございます。
  176. 森本靖

    森本委員 受信料を一月一日からということでありますけれども、大体先ほど話がありました八十セントでしたか、八十セントというのは白黒テレビですか。
  177. 石川忠夫

    石川政府委員 白黒テレビでございます。
  178. 森本靖

    森本委員 向こうではそれでは白黒テレビ専一の料金ですか。
  179. 石川忠夫

    石川政府委員 現在これからやろうとしているのは白黒テレビだけでございますので、それに対する受信料、こういうふうに考えざるを得ないとわれわれは考えております。
  180. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、この八十セントというのは大体日本の三百十五円に近いと思います。まあこれに歩調を合わせていこうということであろうと思いますが、将来カラーが普及するということになるとするならば、この受信料が、四百六十五円のカラーというものがまた出てくるのではないかというふうに考えるわけでありますが、そういう点も考えながらこの八十セントというものはきめておるわけでしょうか。
  181. 石川忠夫

    石川政府委員 七月からの会計年度の予算をきめる際に受信料がきまるわけでございまして、現在のところははっきりきまったわけではございません。
  182. 森本靖

    森本委員 非常に私はいろいろまだ質問をしたいと思いますけれども、どうもはっきりした答弁があまりありませんので、最後にひとつ私はこういう点について、まだこの次にもう一つマイクロの法律が出てまいりますので、そのときにまたあらためて質問をしたいというふうに考えておりますので、その際には周波数の問題その他について、いまよりももうちょっと明確に、これは想像の域ですが、これは聞いたところによりますとというふうな答弁でなしに、やはりぴちっと確かめた答弁を次にはぜひお願いしたいということを強く私は要望しておきたいと思います。  それから単に三億五千万円程度出すということだけで、金を出すということだけでなしに、技術面、運営面、それからその他あらゆる面についてもひとつ十分に助言と援助日本側は与えることをやっていかなければならぬ。そういう点について何かしら遠慮をしがちである。特にいまのラジオの問題等については遠慮しがちな点が多分にあるのではないか。そういう点もう少し日本が金を出して、また将来、一年もすれば一緒になるわけでありますから、そういう点で積極的に出ていって助言と指導をすべきである。それからさらにこの周波数の計画その他については、もういまから日本の内地と沖繩とが歩調を合わせていくようなことを考えていかなければならぬ。この点については琉球政府と交渉したところで始まりませんので、場合によっては、日本政府と最終的にはアメリカ政府との間における話し合いということもやっていかなければならぬと思いますし、そういう点について、あらゆる万全の手配を行なって、そうしてこの法律がスムーズに生きていくようにひとつ十分に配慮を願っておきたい。いまの質疑応答で見ると、少し足りないものがだれが聞いておっても私はあろうと思います。そういう点については、もう少しひとつふんどしを締め直して取り組んでいってもらいたいというふうに強く私は要望するものであります。これに対する見解を、本来ならば郵政大臣と総務長官に明確にお答えを願って質問を終わりたいというふうに考えておりましたが、おりませんので、政務次官、特連局長のほうからはっきりとしたお答えを願っておきたい、こう思うわけであります。
  183. 高橋清一郎

    高橋(清)政府委員 三億五千万の補助で、あと知らぬというようなことでは、いわゆる仏つくって魂を入れないということになりますことは、これは火を見るより明らかであります。もちろん当初からそうしたやりっ放しでもってあとは知らぬというような態度で出ましたことは全然ございません。せっかくの親切気を出しました以上は、至れり尽くせりの心がまえで微に入り細をうがつ心配をすることは、これは当然なことであります。またいろいろ示唆に富むお話を幾つも承ったのでありますが、やはりこの問題につきましては、こういうスタートをとった以上は、こういう事態になるだろうというふうなことで先々予見すべきものは予見いたしまして、それの準備態勢、受け入れ態勢と申しますか、そういう面につきましても熱意を持つ、これは当然とるべき態度だと思うわけでありまして、きょうの場面でありますが、あるいは事務当局にとりましても大いに示唆に富む勉強の場が、非常に今後示唆に富む面を受けて、それが今後勉強の大きな示唆を受けた、資料を受けた、題材を掲げられたというようなふうに感じとった面も多数ございます。むしろいい勉強の場になったと感謝しておるような次第でございます。どうもありがとうございました。
  184. 山野幸吉

    山野政府委員 総理府といたしましても、沖繩の住民が本土の住民と同じように、放送体制においても同じような便益を受けられるような方向で十分努力してまいりたいと考えます。  なお御指摘の諸点につきましては、政府としましても十分慎重に配慮いたしまして対処していきたいと考えます。
  185. 床次徳二

    床次委員長 斎藤実君。
  186. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 ただいまの質疑で、いろんな面が明らかになりましたが、私は重複を避けまして、簡単に御質問をしたいと思います。  最初に、今回の沖繩放送協会に対して施設無償NHK貸し付ける、こういう法案でありますが、その理由をひとつ最初にお伺いしたいと思います。というのは、この提案理由の説明ではちょっとわかりかねますので、答弁をお願いします。
  187. 石川忠夫

    石川政府委員 この沖繩に対する施設援助NHKがするわけでございますが、NHKはもちろんその存立の基礎を受信者の拠出いたします受信料に依存しているわけでございます。したがいまして、沖繩に対する援助もこの受信料の中から三億五千万円出す、こういうことになるわけでございます。したがいまして、理屈から申せば、お話しのように、これを無償で貸与するのはおかしいではないか、こういうことが考えられまして、対価を徴収するのが適当であろうかとも考えられるわけでございますが、現実に、先ほど来お話がございますとおり、OHKにおきましては来年の一月一日から受信料徴収する、こういう計画になっておりますし、将来は別といたしまして、現在のところ、その財政的基礎、財政状況から考えまして、この対価を取るということは無理ではなかろうか、こういうことで無償で貸与する、こういう考え方になっております。
  188. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 この提案理由の説明の中に、これは郵政大臣が説明されたと思いますが、最後のほうです。「沖繩におけるテレビジョン放送の普及をはかり、もって沖繩の文化の向上、さらには本土沖繩の一体化の促進に寄与しようという意向を有しております。」こういうふうになっております。特連局長も見えておりますから、私はひとつお尋ねしますが、「さらには本土沖繩の一体化の促進に寄与」する、こういうふうにうたっておりますが、「一体化」とは具体的にどういうことでしょうか。
  189. 山野幸吉

    山野政府委員 非常にむずかしい御質問でございますが、御承知のように、沖繩はわが国の領土の一部でありながらアメリカ施政権下に置かれておる。したがって、その施政権日本返還されるまでの間、日本国民としての福祉を享受――あらゆる面で日本国民と同様な、本土国民と同様な福祉を享受させようというところから、たとえば社会福祉におきましても教育におきましても民生福祉一般につきましても、本土沖繩との格差を解消しまして、あらゆる面から本土と水準を同じくして、同じ民生福祉を享受できるようにしていこう、そういうことを通じて日本民族としての連帯感、同一であるという連帯感を高めていこうというようなことを含めました総合的な施策の方針を称して一体化施策と私どもは申し上げているわけでございます。
  190. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 いま特連局長から、施政権返還ができるまで、福祉、民生の面で本土と同じようにレベルアップするのだというお話がありましたが、重ねてお尋ねします。この「一体化」という中には、経済あるいは産業、文化といろいろ入っているわけですか。
  191. 山野幸吉

    山野政府委員 御指摘のとおりでございます。
  192. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 沖繩に対していままで、昭和三十九年には電気通信施設をつくるために政府日本電電公社が琉球電電公社に対して譲与をしておる。それから昨年は宮古、八重山群島にも、これは政府が七億数千万円を琉球政府に譲与している。あるいは今後とも金を貸すこともあるでしょうし、今回のようにNHK設備無償貸し付けるといういろいろな面が今日まで行なわれましたし、これからもそういう場面があるだろう、こういうふうに考えるわけです。それで沖繩に対する経済援助のことにつきまして若干質問をしながら本題に入りたいと思います。  一九六二年、ケネディ大統領の声明以来、御承知のように日米協議委員会設置されて今日まで沖繩に対する財政援助が行なわれてまいりました。政府沖繩に対するこの経済援助の基本方針といいますか、私はあとから具体的に指摘をいたしたいと思うのですが、その経済援助の基本方針は、政府としてはどういうふうな方向といいますか、態度をきめられているのか、まず最初にお尋ねをしたいと思います。
  193. 山野幸吉

    山野政府委員 先ほど申し上げましたように、やはり本土に返ってくるまでの間、沖繩住民の民生福祉を日本本土の住民と同様にしていく、そういう面から見たあらゆる格差、たとえば教育、社会福祉、産業、文化その他を含めました各般の格差を解消していくという方向に向かって、この対沖繩援助費が策定されております。したがいまして、これは部門別に申し上げますと非常にこまかくなりますので差し控えますが、たとえば教育の水準につきましては内地本土との格差が非常に大きい。小、中、高等学校を含めまして格差が大きいので、最近教室の増築等に非常に画期的な援助の増額を行なっております。あるいは生活保護の取り扱い方が日本本土ときわめて格差があるという面から、生活保護費の援助を行なっている。あるいはまた教育の面で本土では教員の半額国庫負担が行なわれておるが、沖繩にはそれがなかったので、同じように二分の一の援助を与える。あるいは産業面におきましては、今年度の予算にございますように、安謝新港の建設とか、あるいは天然ガスの掘さくとか、その他産業関連施設の整備の経費も相当額組んでおりまして、援助の基本方針としましては、非常にばく然とはしていますが、沖繩の民生福祉、経済等を本土並みの、本土相当県に近づけていくための努力がその基幹になっているわけでございます。
  194. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 いまこまかいお話しがございましたが、私はそういう基本的な考えだけを伺いたい、こういうわけです。  沖繩経済援助の問題については、施政権返還ということを予想して今日までいろいろな論議が行われてまいりました。しかし、全体として施政権返還そのものの見通しが明らかでない。両三年に返ってくるといういろいろな意見もありますが、当面どうするのだ、それから長期的にはどうするのだ、沖繩施政権返還というものを踏まえて、私は大体二つの取り組み方があるのではないか。つまり復帰の際に起こるさまざまな技術的な問題を、一本化の過程でどう処理するかという当面の問題財政援助、これが一点、それから沖繩経済の発展の方向をどこに求めればいいのかという長期展望とが当然考えられる。ですから、現在は施政権返還されておりませんし、いろいろアメリカ琉球政府との関係もありますし、問題がたくさんあると思いますが、この二つがうまく結びつくような全体にわたっての経済計画が政府になくてはならぬ、こういうふうに私は考えるのです。ですから運輸省なりあるいは農林省なり、各省にわたって貸し付けてみたり譲与をしてみたり、あるいは無償貸与というかっこうでずいぶん行なわれていますが、非常に一貫性がないというふうに私は考えるわけです。そういう点でもっと基本的なことは大臣等に対してまた質問したいと思いますが、特連局長として、政府としていま当面の問題、長期的な展望ということに対して政府はどう考えているのか、それをひとつお尋ねしたいと思います。
  195. 山野幸吉

    山野政府委員 私ども沖繩援助費を中心に当面の対策として考えておりますのは、琉球政府は国家の事務と都道府県の事務と、場合によると、本土でいえば市町村の事務をあわせ持った機関でございます。したがいまして、本土復帰した場合に、いわゆる沖繩県というものが本土の相当県にできるだけ近づいた状態をつくり上げたい。それにはやはり琉球政府の機能を国家事務と都道府県、市町村の事務とにそれぞれ明文化して、明らかにして、そしてその沖繩県に相当する機能に対して具体的な施策をとっていく必要があるんじゃないのか、こういうことをまず私どもは当面考えておるのでございます。もちろんその場合には国家事務に対する経費はどういうぐあいにし、あるいは市町村の事務は市町村におろす、いろいろ配分がございますが、要は沖繩県という存在をクローズアップさせていかなければいかぬじゃないか、その県の機能に対してできるだけ援助を集中的にやっていくという考え方一つあるわけでございます。それから長期的な問題といたしましては、現在沖繩に置かれました諮問委員会に、民政府琉球政府で委託しました経済長期計画の調査が三月一日に報告されています。諮問委員会では、経済計画について、三代表がそれぞれ真剣に検討することになっています。それから去る三月二十七、八日に行なわれました沖繩経済振興懇談会という沖繩本土との財界の代表者の会議におきましても、具体的に沖繩の将来の経済をどうするかという問題が議論されまして、近く日本の経済調査団も沖繩へ行くようになっています。これらの動向を見ながら私どもも今年度沖繩の経済の将来のビジョンと申しますか、計画につきまして、日本政府としても、独自の立場で経済計画の策定に努力してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
  196. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 いま局長から日本政府としても独自な考え方で計画を立てていくというふうに答弁がありましたけれども、これは計画を立てる担当部局はどこでございますか。
  197. 山野幸吉

    山野政府委員 日本政府としましてそういう計画を考えます場合には、総理府が中心になって策定するようになると思います。
  198. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 わかりました。  いろいろ政府答弁、あるいは本会議、予算委員会等でも論議された中に、その沖繩経済の将来について日本政府の確固たる処方せんというものがないのではないか。私は、琉球政府あるいはアメリカ政府とも、こちらがイニシアチブをとっていろいろ進言もし、方向も示して、経済の一体化、本土との格差是正という具体的な問題はもう少し取り上げてもらいたい。私は総合的な沖繩の経済発展の長期構想を科学的に分析調査する専門機関をつくるべきじゃないか、こういうふうに考えるのですが、局長としてはちょっと答弁が困難ではないかと思うのですが、ひとつこれは私の要望でございますので申し上げておきます。  あと若干テレビの問題に入ります。  沖繩放送法によりますと、第十一条に規定されておりますが、あまねく沖繩全域にテレビ放送を行なうということになっておりますが、今回NHKからの設備貸し付けOHKが受けることによって全島の島民がテレビを見られるのかどうか、いろいろ異論があると思うのですが、島民にしてみれば非常に期待をしているわけですから、この点について御答弁をお願いしたい。
  199. 石川忠夫

    石川政府委員 沖繩本島のほとんどをカバーいたします。
  200. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 久米島あるいは那覇市の西北、那覇市の東南、こういう地点はどうですか。
  201. 石川忠夫

    石川政府委員 これから三局ばかり中継局を置くように考えております。したがいまして、久米島も十分には見えない、こういうことでございます。
  202. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 その時期は。
  203. 左藤恵

    左藤説明員 明年一月一日の実施前、沖繩本島全島に波を出しますまでに、中継局の建設も計画いたしております。
  204. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 久米島とかあるいは那覇の西北、那覇の東南、こういう三カ所は来年の一月までには中継局をつくって、そうして受信できるようになる、こういうわけですか。
  205. 石川忠夫

    石川政府委員 いま来年の一月と申しましたけれども、少しおくれるようでございます。できるだけ早い機会に三つの中継局をつくりまして、沖繩本島それからお話しの久米島全域においてテレビが見れるようにしたい、こういうことでございます。
  206. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 少しおくれるようです、という答弁がありますけれども、少しおくれるといっても、時期的にはどうですか、見通しとしては。
  207. 石川忠夫

    石川政府委員 目標といたしましては来年一月に同時にということで考えておったようでありますが、実際問題としていままでの経過から見まして少しおくれるようである、こういうことでございます。
  208. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 せっかくNHK援助するわけですから、ひとつ早く全島民が受信できるように努力してもらいたい。  次に、御承知のように、沖繩本島には米軍基地が相当あるわけですが、この米軍基地の面積はどのくらいか、ちょっとお尋ねします。
  209. 山野幸吉

    山野政府委員 いまこまかい数字は、正確な数字は資料を持っておりませんが、全島の約一三%でございます。
  210. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 先ほどもお話がありましたように、沖繩は現在アメリカの電波監理下にあって、相当きびしい規制を受けているのではないかとも思うわけです。この問題については本土においても、横浜の上瀬谷等で非常に強い規制を受けておるわけです。住民の中には、テレビはもちろん、冷蔵庫あるいは螢光灯をつけてはいかぬという使用禁止の制約を受けているわけですから、したがって、私は沖繩島民がアメリカの電波の監理の規制を受ける心配があるのではないか、せっかくテレビを見れるようになっても、アメリカの電波規制のためにテレビが見れないという事態が起きないか心配するわけですが、この点、どうでしょう。
  211. 石川忠夫

    石川政府委員 これは沖繩事情につきまして、つまびらかにいたしておりませんので、はっきりしたことはお答えできませんが、基地におきまして発着するジェット機のために、テレビが見えにくくなる、こういったことは、現実に基地の滑走路の近くの住民においては起こり得る、かように考えております。
  212. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 いま私は軍用機の発着による騒音のことを言っているんじゃないのです。ですから、先ほど申し上げましたように、日本でも米軍の通信基地があって、その周辺の住民が、自動車が何時間に何台とか、そういうふうにテレビだとか、あるいは工場だとか、モーターだとかいうものがそばにあっては、その妨害になるから、撤去しろという非常にきびしい規制があるわけですから、当然沖繩でも、そういう飛行機だけじゃなく、通信基地もあるでしょうし、いろいろあると思う。そのときに、その周辺の住民がテレビを見れないところが起きやしないか、このことを私は質問している。
  213. 石川忠夫

    石川政府委員 いままでのところ、全然聞いておりません。
  214. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 本土においては、軍用機の発着あるいは騒音のために非常に視聴が困難だという場合は、減免措置があるように聞いていますが、どうでしょう。
  215. 石川忠夫

    石川政府委員 日本における基地周辺で、一定の地域、一定の条件の地域の住民に対する受信料の免除あるいは減免が行なわれております。
  216. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 そうしますと、沖繩本島においては、当然日本よりも、先ほど局長から答弁がありましたように、沖繩本島の面積の一三%は軍事基地である。そこに軍用機の発着やその他の騒音が起きてくるのは当然なんですね。そのときに、基地周辺の受信者が見れないという場合には、その沖繩放送協会は、減免の措置をどうするか、とるのかとらないのか、その点、どうですか。
  217. 石川忠夫

    石川政府委員 受信料は、先ほど来お話が出ておりますとおり、来年の一月一日からということでございますが、この沖繩における放送法の第十九条の第二項によりまして、減免の基準その他は協会受信料規程で定める、こういうことになっておりまして、それを定める際にどういうふうにするかきまる、こういうことでございます。
  218. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 そうしますと、減免措置ができるようになるという解釈ですか。
  219. 石川忠夫

    石川政府委員 これは琉球政府の判断あるいは ○HKの判断によるものでございますが、日本と一体――同様なことになるのではなかろうか、これはやはり、幾度もおしかりを受けますが、憶測でございますので、はっきりわかりませんが、そういうことも考慮されるであろう、かように想像されます。
  220. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 これは非常に重要な問題なんですね。今度の提案理由の説明の中にもありますように、沖繩島民の「文化の向上」云々とありますし、日本においてもそういうふうに減免措置ができている。当然沖繩は全島が軍事基地の中にあるといっても過言でないわけです。その中でOHKNHKは密接な関係があるわけです。そして返還後においては、先ほど答弁があったように、吸収されるという期待をしているのだという答弁もありましたし、やはり政府としても、その点を踏まえて、これは当然予想されることである。なるほどそれは琉球政府との関係もあるでしょうけれども、当然日本人である以上は、政府としては、その点は考慮すべきだというふうにはっきりと態度を――あいまいな答弁ではなくて、政府考えというものをひとつ明らかにしていただきたいと思うのです。
  221. 石川忠夫

    石川政府委員 日本放送法沖繩に施行されるようになれば、これははっきりそういうことになるわけでありますが、現在やはりその前段階でございますので、ここで沖繩放送法に基づく措置について、私どもはそういうことが想像をされるというほかに御答弁のしようがないわけであります。
  222. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 何も私はOHKにぜひそれを減免しろと言えということを言っているわけではないのですよ。政務次官もいらっしゃいますけれども、この点どうですか。
  223. 高橋清一郎

    高橋(清)政府委員 十分な研究題材であろうと思っております。
  224. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 どうもその答弁がはっきりしないと……。
  225. 高橋清一郎

    高橋(清)政府委員 要は琉球政府もあることでございますし、いまここで、えてかってに推測だけのことでは、これは相ならぬことでございます。十分総理府とも――いまここでの言動もございましたが、十分琉球政府と横の連絡をとりながら、あとう限り御期待に沿うように善処しようということでございます。御了承をいただきたいと思います。
  226. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 どうも納得できない答弁ですけれども、ひとつあすあさって、政府の態度というか、基本的な考え方を――これは重大な問題なんですよ。かりにわれわれがそういう環境にあった場合には、これは非常に納得できないという感じもするのです。ですから、木曜日までにひとつ見解を固めておいていただきたいというふうにお願いします。
  227. 高橋清一郎

    高橋(清)政府委員 木曜日、四日でありますが、明後日まで御期待に沿うように結論が出るところまで熱意を示したいと存じます。
  228. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 了解しました。  それでいまのOHK受信料の問題が先ほど議題になりまして、いろいろ論議がかわされました。それで八十セントくらいになるのではないかという答弁がいまございましたけれども、この八十セント取るという根拠ですね。これはどういう根拠ですか、この点知っていらっしゃれば、ひとつお答え願いたいと思います。
  229. 石川忠夫

    石川政府委員 金額の根拠は承知いたしておりません。
  230. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 わからなければけっこうです。  それから、無償NHK放送設備を、三億五千万円ですね、OHK貸し付けたあとの設備の管理、運営といいますか、この点については、どういうふうにお考えですか。
  231. 川上行蔵

    川上参考人 NHKOHK両者間に使用貸借契約というものを結びまして、善良な管理者のもとにそれを保管していく、責任を持って維持、管理する、こういう契約を結びたい、こういうように考えております。
  232. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 契約上の手続をするわけですね。  それで、台風その他の災害によって設備が破損された場合に、その設備の復旧だとか、そういった点はNHKがやるのか、あるいはOHKがそのまま責任を持ってやるのか、その点はどうですか。
  233. 川上行蔵

    川上参考人 設置するまではNHKが責任を持って設置いたしますが、設置しまして、いま申しました契約ができた以上は、あと一切の運用、管理、そのほかの責任をOHKに渡たす、このように考えております。
  234. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 以上、簡単に御質問いたしましたが、ひとつ万遺憾のないように、沖繩テレビ受信に対しては十分なる配慮と対策を講じてもらうよう特段のお願いをして、質問を終わります。
  235. 床次徳二

    床次委員長 他に質疑がなければ、本案に対する質疑はこれにて終局いたしました。  次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十二分散会