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1967-12-20 第57回国会 参議院 建設委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年十二月二十日(水曜日)    午前十時五十四分開会     —————————————    委員異動  十二月四日      辞任        補欠選任       熊谷太三郎君    米田 正文君  十二月二十日      辞任        補欠選任       瀬谷 英行君    村田 秀三君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         藤田  進君     理 事                 稲浦 鹿藏君                 大森 久司君                 山内 一郎君                 大河原一次君     委 員                 石井  桂君                 内田 芳郎君                 奥村 悦造君                 栗原 祐幸君                 小山邦太郎君                 中津井 真君                 平泉  渉君                 瀬谷 英行君                 田中  一君                 松永 忠二君                 村田 秀三君                 相澤 重明君    国務大臣        建 設 大 臣  保利  茂君        国 務 大 臣  木村 武雄君    政府委員        北海道開発庁総        務監理官     馬場 豊彦君        建設政務次官   仮谷 忠男君        建設大臣官房長  志村 清一君        建設省計画局長  川島  博君        建設省都市局長  竹内 藤男君        建設省河川局長  坂野 重信君        建設省道路局長  簔輪健二郎君        建設省住宅局長  三橋 信一君        建設省営繕局長  横山 正彦君    事務局側        常任委員会専門        員        中島  博君    説明員        建設省住宅局調        査官       三宅 俊治君    参考人        日本道路公団総        裁        富樫 凱一君        日本道路公団理        事        藤森 謙一君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○建設事業並びに建設計画に関する調査(建設  行政基本施策に関する件) ○参考人出席要求に関する件 ○特別不動産鑑定士及び同鑑定士補試験の特例に  関する請願(第四一一号)(第四一二号)(第四三  六号)(第四三七号)(第四八三号) ○東京外郭環状高速道路建設反対に関する請願  (第四一三号)(第四一四号)(第四一五号)(第四  一六号)(第四一七号)(第四一八号)(第四一九  号)(第四七六号)(第四七七号)(第四七八号)(第  四七九号)(第四八〇号)(第四八一号)(第四八二  号)(第五〇二号)(第五六六号)(第六四六号)(第  六四七号)(第六四八号)(第六四九号)(第六五〇  号)(第六七四号)(第七四五号)(第七四六号)(第  七四七号)(第九二七号)(第九二八号)(第九五四  号) ○研究学園都市への移転機関名をきめた閣議了解  の白紙撤回に関する請願(第五六八号)(第五六  九号)(第五七〇号)(第五七一号)(第五七二号)  (第五七三号)(第五七四号)(第五七五号)(第五  七六号)(第五七七号)(第五七八号)(第五七九  号)(第五八〇号)(第五八一号)(第五八二号)(第  五八三号)(第五八四号)(第五八五号)(第五八六  号)(第五八七号)(第五八八号)(第七四八号)(第  一〇一五号) ○道路整備事業財源等に関する請願(第七四九  号) ○新橋駅西口前整備事業に対し「公共施設整備  に関連する市街地の改造に関する法律」による  補償基準改正等に関する請願(第八七六号) ○埼玉深谷深谷バイパス早期着工に関する  請願(第九二六号)(第一〇一三号)(第一〇一四  号) ○国が行なう公共事業の直轄、直営化等に関する  請願(第一〇八八号) ○継続審査要求に関する件     —————————————   〔理事大河原一次委員長席に着く〕
  2. 大河原一次

    理事大河原一次君) それではただいまから建設委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る四日、熊谷太三郎君が委員辞任され、その補欠として米田正文君が選任されました。     —————————————
  3. 大河原一次

    理事大河原一次君) まず建設行政基本施策に関する件を議題といたします。  保利建設大臣から発言を求められておりますので、この際これを許します。
  4. 保利茂

    国務大臣保利茂君) 私は、このたび不敏をもちまして建設行政の任に当たることになりました。何とぞ各位の御鞭撻をお願い申し上げます。  建設行政使命は、社会資本を充実いたし、国民生活基礎をつちかうとともに、さらに経済発展の基盤を整え、もって豊かな住みよい国土建設いたすことにあると考えます。  それだけに、広く国民各層の要望に対応いたした施策国民各位がすなおに受け入れ得ることができる施策を講じられなければならないと信じます。  また、この使命の達成のためには、きわめて多額の費用を要しますので、事業の公正かつ効率的な施行につきましては、特に留意をいたす所存であります。  まず、住宅は、国民生活基礎であり、健全な社会生活を営み、豊かな人間性を養う上で重要であります。政府は、さきに、昭和四十五年度末までに一世帯一住宅を実現することを目途といたし、住宅建設五カ年計画を策定いたしました。昭和四十三年度は、その中間年度として、五カ年計画が必ず達成されますよう、住宅建設の積極的な推進をはかりたい所存であります。  また、近年におきまする都市への人口、産業の急激な集中に伴い、生活環境の悪化など幾多の社会問題を引き起しております。このため第五十五回国会より引き続き御審議をいただいております都市計画法案及び都市開発法案の成立を心から念願いたし、これを軸といたして、総合的な土地利用計画を確立し、既成市街地の再開発を進め、街路、下水道公園等都市施設整備をより一そう推進いたしたい所存であります。特に下水道につきましては、所管の一元化に伴いまして、建設省の責務は非常に大きくなっておるようでありますから、その整備には特に意を用いる所存であります。  これらの住宅対策都市対策のかなめとなっておりますのが土地対策であります。近年における地価の高騰は、公共投資の効率を低下させ、国民生活の安定と国民経済発展を阻害いたしていることをいなむことはできません。私は、宅地の大量供給をはじめとする総合的な土地対策を強力に推進してまいる所存であります。  次に、治水対策につきましては、最近の河川流域におきまする産業経済発展生活水準向上等社会条件の著しい変化と近年の災害発生実情に対応して、新しい長期的見通しのもとに、治水、利水、砂防事業の格段の進展をはかる必要があると考えております。  最後に、道路整備につきましては、交通需要の増大と交通事故発生実情にかんがみまして、国土開発幹線自動車道一般国道及び地方道整備交通安全施設整備等、一連の施策を推進しなければならないと考えております。  以上いろいろ申し述べましたが、何とぞ国民の期待を体しまして、今後微力を尽くす所存でありますから、この上とも各位の御鞭撻をお願い申し上げる次第であります。(拍手
  5. 大河原一次

    理事大河原一次君) 次に、建設政務次官からのあいさつがありますので、この際これを受けます。
  6. 仮谷忠男

    政府委員仮谷忠男君) このたび、はからずも建設政務次官を拝命いたしました仮谷忠男でございます。まことに不なれではございますが、保利大臣建設行政に対する基本方針にのっとりまして、私なりに精一ぱいの努力を続けてまいりたいと思っております。どうぞ諸先生方の一そうの御指導、御協力を賜わりますようにお願いをいたしまして、ごあいさつを申し上げる次第であります。(拍手
  7. 大河原一次

    理事大河原一次君) ただいまの建設大臣発言に対し、質疑のある方は、順次御発言を願いたいと思います。
  8. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 砂利の問題について若干質問をしたいと思います。  先般、建設委員会といたしまして、砂利の乱掘の問題並びに道路整備問題等視察をいたしました。埼玉県内視察をいたしました。その視察に基づいていろいろと質問をしたいところでありますけれども、きょうは質疑者がかなり多いようでありますので、道路等の問題は他の委員に譲りまして、とりあえず砂利の問題に限定をして、大臣質問をしたいと思います。  まず、問題になっております個所を幾つかあげますと、飯能中藤川、入間川の上流でありますが、中藤川という川がありまして、この川のそばに山——この写真で後ほどごらんになっていただきますが、山があって、この山をくずして山砂利を取ろうとしている計画があるわけです。ところが、この山のすぐ下を川が流れております。幾ら掘ってもどろがくずれるばっかりなんです。だから、一目でもって、もしここに集中豪雨でもあれば、この山がくずれて川を埋める状態になることは、もうはっきりしておるわけです。さらに、この間に至る道路は三メートルそこそこの道路であって、そこをダンプカーが往復するということになると、通行はきわめて危険であると、こういう問題があります。また、この川をどろによって汚染をされると、飯能市の上水道になっておるこの川の水をよごすことになるわけであります。これらの問題があるために、地元の市議会では満場一致で反対の決議をしておる。こういうことなんでありますけれども、県のほうでは一年ほどこの許可をほっておいたのが、最近になって急に採取許可をした。こんなことがありまして、県と市との見解が対立をすると、こういう問題が発生をいたしております。すでにこの山砂利の問題は、問題になる以前から、もうあらゆる法律違反をしている。河川法であるとか、あるいは砂防法であるとか農地法であるとか、これらのいろいろな法律違反をするという事実があったわけです。ところが、それをあえて無視をして仕事を強行しているという一つ事例があります。これがまあ一つであります。これは、先般建設委員会でも現地を視察をしてもらいました。  それからもう一つ、これもきょうは写真を持ってまいりましたけれども、飯能市の、これは山砂利とはちょっと違いますけれども、国分産業という会社がやはりため池をつくって農地法違反、あるいは河川法違反、こういったような法律違反をすることをやっておる。極端な例は、他人の土地を無断で使用をして、そしてダンプカーを走らしており、こういう池をこしらえて、ここで砂利を洗う、こういうようなことなんでありますけれども、そのためにこの近所の井戸が枯渇をしてしまう、こういう問題が発生をしております。さらに、道路の問題は、先ほどの中藤川の場合と同じなんであります。  それからもう一つ陸砂利といいますか、畑を掘ってここに大きな穴をあけて、その穴をあけたまま、そのままにしていってしまう、こういう例があるわけであります。これは江南村というところに事例があります。その場所は、やはり建設委員会視察をいたしましたけれども、百メートル四方ぐらいの深さ十五メートルから二十メートルぐらいのとんでもない大穴を掘ってしまった。写真を持って来られなかったので残念でありますけれども、ともかくそういう大穴を掘って、そこに村道があったにもかかわらず村道もぶったぎられるようなことになり、底のほうに水がたまっている、こういう状態になっております。最初、土壌改良という名目で、二メートルぐらいの土壌改良という話だったのですが、いざ着手するとなると、こういう大穴を掘ってしまって、土壌改良どころじゃない。結局これらの例は、ほんの一例にすぎません、そのほかにもやはりこういう例がある。山砂利の問題にしてもあるいは陸砂利の問題にしても、埼玉県の県内には幾つかそういう例がある。そういう仕事を行なっているたとえば国分産業であるとか、あるいは江南村の場合大砂土興業であるとか、中藤川の場合は大宮生コンであるとか、これらの会社がやっていることが、いろいろな公害をもたらしております。明確な公害を一々例をあげるときりがございませんけれども、道路の問題にいたしましても、河川の汚濁の問題にいたしましても、井戸水の枯渇にいたしましても、周辺住民に対して大きな迷惑と恐怖を与えておるわけであります。それにもかかわらず、事業者は平気な顔をして、もう法律を何とも思わない、こういう坊若無人な態度があるわけであります。こんなことが放任をされているということは許せないと思う。だからどうしても、もっときびしく取り締まるという必要があると思う。立法上の問題と行政指導の問題とありますけれども、どっちが先かということよりも、現実の問題を考えたならば、一刻も早くこの問題に対してきびしい対処の方針を打ち立てる必要があるのじゃないか。これは建設行政責任者として、十分その点は大臣に考えてもらわなければならないと思うのでありますが、これは写真等をお見せいたしますので、その点についてまずお答え願いたいと思います。
  9. 保利茂

    国務大臣保利茂君) いつごろおいでになったのですか。
  10. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 十三口に建設委員会として建設委員長はじめ自民党の奥村先生、社会党の大河原理事と、公明党の鈴木議員等視察をして参りました。
  11. 保利茂

    国務大臣保利茂君) お話しのように砂利砂採取が、私ども地方地元事情等から見ましても、何さまこれだけの膨大な建設事業を営んでおりますから、基礎資材としての砂利、砂を、どう公共というか、住民利益をそこなわないようにして確保していくかということは、建設行政の中の非常に重要なやはり問題だと心待ております。お話しのように、河川局長もおりますが、河川砂利につきましては、私も地方的に一、二心得ておりまするが、かなりきびしい徹底した指導並びに取り締まりが行なわれておるのでございまして、河川砂利のほうにつきましては、非常に改善されているのじゃないかと思っておりますけれども、なおこの点につきましては、十分注意をしてまいる所存であります。お話し陸砂利山砂利のほうは、御案内のように、砂利採取法主管省通歴省でございますか、地方の通産局になっておるのでございまして、その点、はなはだお話しのような事態を適切、敏速に是正してまいりまするためには、やはりどうも法の整備が必要じゃないだろうか。届け出して仕事施業——どういうことをどのくらい、どういう砂利、砂をとるかという施業実施案等について全く取り締まり当局が関与しないという形で、とりほうだいの、荒らしほうだいというような形で進められていることは、これはどうもいまの実情から、特に東京とか、阪神とか、大都市周辺地域につきまして、いま瀬谷さんから御指摘中藤川等の問題からしても、そういう実害を起こす度合いが非常に高いだろうと思います。したがって、大都市周辺建設業の、非常に旺盛な地帯の周辺につきましては、格別なやはり目を見張っていかないと、御指摘のようなことになるんじゃないか。ただいお話しのような、百メートル四方、十五メートルというような大穴があけっぱなしにされて、それから起こってくるもろもろの被害というものは、地域住民としては、おそらく耐え忍ぶことができない被害だろう。だからそういう穴を掘ったならば、少なくとも住民の迷惑にならない程度に穴埋めをするとかというようなことのできるようなやはり処置、またそういうことのできないようなものには、どうも施業認可をしないというような、少しきちんとしたことをやらないと、なかなか御心配のような点にこたえることはできないんじゃないか。幸いに建設省河川局のほうは、私もいなかのほうでちょっと行き過ぎておりはせぬかと思われるぐらい手きびしくやられておるところもあるわけでございまして、その辺のところが少しバランスを失っているんじゃないかというように考えております。法もいろいろ両当局、通産、建設事務当局で相談されておるようでございますが、建設省のほうは積極的に法の整備をさしていただきたいというような考え方でおります。
  12. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 それで、たとえば農地占用許可がないにもかかわらず、農地をかってに池にしてしまうとか、あるいは河川敷をかってに使うとか、こういうことを、傍若無人なことをやって、しかも会社人間に対してかけ合うと、逆におどかされるというわけですよ。これは藤田委員長はじめ、十三日に参議院の委員会で行ったときに、江南村の村長が言明したのでありますけれども、委員長のほうから、村道までこわされて、大穴をあけられて、村長さんあんた黙っていたんですかと、こう言ったら、いや文句を言いに行ったら、スコップ持ったやくざ風若い衆が出てきて逆におどかされたというわけですね。おっかないので逃げて帰ってきてしまったというわけなんですね。それから国分産業の話を聞きましても、これは隣の武蔵野鉱業のほうへいろいろ折衝をしてみたところが、とにかく人の土地をかってに使ってダンプを通したり、くずしたり、土地を掘ったり、こういうことをやっているわけですから、文句を言うのは当然だろうと思うのです。文句を言ったら金を幾らか持ってきた。それでもって済まされる問題じゃないので、これはあくまでもやめてもらう。地主としては文句を言うのがあたりまえだろうと思うのです。そうしたら、やはり、うちの若い衆がただじゃ済まないぞ、こういう式でもって暗におどかされるというんですね。聞いてみると、みんなそういうおどしがついて回っているのです。この前、川砂利の問題のときも、やはり禁示地域を掘っておる。それを見に行ったら、逆におどかされちまった、こういう話があったわけです。そうすると、この砂利産業とそういうおどしがついて回るというふうにも考えられるわけですね。つまり、現代版やくざみたいに、無法なことをやっては、逆におどかして、文句を言うとおどかす。そして、県の出先機関等は、まあ新聞によるとあきらめムードであるというようなことが書いてある。あきらめムードでもってお手上げになっているわけですね。こういうことじゃ話にならぬと思うのです。さらに憂うべきことは、県会議員であるとか、県の出先機関汚職ができているわけですけれどもね。   〔理事大河原一次君退席、委員長着席予算委員会で私若干質問いたしましたけれども、時間の関係でゆっくりできませんけれども、その贈収賄の汚職ですね、こういう問題が出ているわけです。県会議員が逮捕されたという事実もございますし、県の砂利採取の所長が逮捕された、こういう事例もあるわけです。こういう市例は、私は氷山の一角じゃないかと思うのですね。おそらく表に出ただけが逮捕されたのであって、その逮捕されない、あるいは表面に出ない類似の問題はうんとあるんじゃないかと思うのです。もっとも村長が逮捕されたという例もあるんですからね。逮捕された事例だけでも相当なものであるにもかかわらず、なおわれわれが耳にすることは、刑法上の問題になりはしないかと思われるようなことすらあるわけです。そうしますと、これはなまぬるい取り締まりではどうにもならぬじゃないかという気がするのです。だから、とりあえず対処する方針としては、砂利なら砂利資源をどうやって確保するかということを考える、それと同町に、こういう野放し砂利採取というものを、やはり規制をして取り締まりをきちんとやる。それから所管官庁にしても、砂利のほうは通産省だ、それから土木行政に関しては原則として建設省だと、こういうことになってくると、いろいろとやりにくい面もあるんじゃないかと思うのです。だから法律そのものも、やはりこの際、砂利なら砂利を採取する問題については、川砂利陸砂利山砂利を問わず、一つ方針でもってこれを禁止規制をすると、こういうようなことをこの際考える必要があるんじゃないか、こう考えるわけです。これは一官庁出先機関、たとえば所管官庁通産省だから、通産省の係官が考えると、こういうものじゃなくて、建設行政責任者としてこれは総合した問題として考えてもらう必要があるんじゃないかと思うのです。しかもこれは急を要すると思われますので、この点についての大臣の御見解を承りたいと思います。
  13. 保利茂

    国務大臣保利茂君) 瀬谷さんのお考えには、基本的には私は同感でございます。したがって所管の問題は役所のことですから、いろいろあると思いますけれども、せめて川砂利採取の一かなり改善されておると思いますが、その程度までは陸か砂利山砂利もやってもらえるように、専管がいかなければ共管でもいいんですから、どっちにしても川のほうはあれだけ手きびしくやっておる。おか、山のほうはだらしがないという状態、そのために地域住民が非常な迷惑を受けておられるというようなことは、私としても耐えられないような気持ちがいたします。したがいまして、これは非常に急を要する——ますます需要は増大するのみでございますし、資源はだんだん困難な条件の中に確保していかなきゃならぬというようになりましょうから、そちらからくる困難性——あばれほうだいにあばれさしておいたら、きりのないことになってくるんじゃないか。お話しのようにひとつすみやかに是正をしていくように考えたいものだと私はそう考えております。
  14. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 それでは、川砂利の問題が、つまり川砂利を掘り尽くしたために山砂利になってきたわけなんですね。あるいは陸砂利になってきたわけなんです。しかし砂利に変わりはないわけなんです。そうするとこの問題、今度川砂利のときは建設委員会で取り上げる。しかし今度は山砂利になると通産省だから商工委員会だ。こんなことになると、今度われわれが取り上げる際にも、やりにくくてしようがない。だからこれは建設委員会なら建設委員会でもって取り上げるようにしていかないと、今度はあれは山砂利だから通産省だ、商工委員会だということになるとたいへん忙しくなっちまう。そしてもちろん委員会建設委員会であっても、そこに通産省が出てくればいいといえばそれまでなんでありますけれども、やはりこういう問題はできれば、もとは砂利という資源なんだから、砂利資源をどうするかということをまず考える。その採掘についての取り締まり規制はじゃあどうするかというふうに、順次方針をきめていってもらうと同時に、行政指導の面でも児がお手上げであるということであると、地域住民はどこに訴えていいかわからなくなっちまう。だから、地域住民人たちの意向というものが無視をされないように、少なくとも県に対しても行政指導をしなければいかぬのではないかと思うんです。それは建設省なら建設省としてやはり実情を調べて、そして何カ月も放任をされるということのないようにすみやかに指導する、こういう方針を打ち立ててもらいたいと思うのでありますが、その点はいかがでありましょうか。
  15. 保利茂

    国務大臣保利茂君) お話を伺っておりますと、いかにもどうも県もだらしがないんじゃないかという感じがするのでございますね。どこの県民のための政治をやるか、やっぱり自分の県民利益を守っていかなきゃならない県政でしょうから、それにまあ中央のほうからはっぱをかけるというようなことが、やっぱりこういう問題にも必要であるかなということを感じさせられるわけでございます。私は基本的に所管がどうだというようなことは、あまりこだわりたくないわけなんでありますが、沿革もあることでございましょうし、本来申しますともう瀬谷さんのおっしゃるとおりだと思うのですよ。ただ、おそらく山砂利なんかが、何とか法ですか、ああいったような関連において山の資源を採掘するなら、それは通産省だというようなことで、まあ通産省所管になっているわけだろうと思うのですが、実際から言うとおかしな話だと思う。建設資材の砂利、砂の確保ですから、しかも携わる者は建設業者であるということであれば、どうもそれはそこら辺まとめたほうがいいようにも思いますけれども、沿革もあることでございましょうし、そういうことで摩擦を起こさんで、できるだけまあひとつ御要望、御意見の線に沿うて、私のほうでは及ぶ限りひとつ努力をいたしてまいりたいと考えます。
  16. 田中一

    ○田中一君 ちょっと関連。どうも保利さん、あなたよそのことを言っているような気分で答弁をしていますが、その姿勢はよくないですよ。いまはたまたま県が管理をする河川の問題を言っているのです。一級河川は直轄河川建設省自身がやっているのです。建設省が当然管理すべき河川です。その事例はたくさんあるのです。大体一級河川の巡視員が何人いるか、おわかりになっておらぬでしょう。そうした盗掘その他乱掘を巡視する巡視員かいるはずなんです。河川の巡視員という者が定員で何人お持ちですか。また一体、今日の政府が直接に管理する河川、このうち河川の最終埋蔵量というものはどのくらいあるか。同時にまた、一つの水系にしても、その水系でどうしてもここは砂利を除去しなければならぬという、砂利、砂を除去しなければならぬという個所もあるわけです。これはとってはならぬという個所もあるわけです。砂利の価格というものは運賃みたいなものです。非常に安い使用料、採掘料でもって採掘をしているわけです。したがって、そういうものの基礎的な調査もしないで、今度伝えられているように、万博等の急ピッチの公共事業を行なう場合にどうなるか。前大臣は八月一日から建築資材労務調査室という機関をあなたの庁内に設けている。一体それは何をしているか。これは時間があればあとで伺いますけれども、実際に公共事業というものを行なう場合に、あなたが所管する一級河川にどのくらいの埋蔵量があって、そしてどういう形でそれを採取させているかということの実態をおわかりにならなくちゃ、いまのような答弁いけません。ただただ地方公共団体、知事が管理する河川のことにだけ局限しておりますけれども、あなた自身が直接に管理しなければならぬ河川がたくさんあるのです。これらは一体建設の骨材の採取というものをどういう基本的な態度をもって考えているか。採取しなければ、除去しなければならぬという個所もある。これは河川局長から答弁願ってもいいのですが、これをどうするか。これはむろん価格の問題になる。建設費の問題にも関連いたしますが、道路もない困難な個所から採取することはありません。したがってその基本的な河川維持、河川維持のための除去する砂、砂利、石、それからとってはならない個所、これはまあ簡単ですよ。採取禁止という一つの断を下せば相模川にしてもとれない。しかし除去しなければならぬ土砂のあるところもあるのです。その点はひとつどうなっておるか。
  17. 保利茂

    国務大臣保利茂君) おしかりを受けましたけれども、さっきのお話も、私は畑の中を深く堀って道までつぶしてしまっているというようなお話でありましたから、そういう感じを持ったわけでございます。決してその河川のほうをどうだこうだというようなことで、他を責めるというような、責任を転嫁するというような気持ちはさらさらございませんから、その点はひとつお許しをいただきたいと思います。  河川は何と申しましても、やはり水の脅威から地域住民を守るというところが第一義だと私は思っております。お話しのように私どもも、私の地元におきましても一級河川がありますけれども、そこに膨大な採取が行なわれて、水位が低下する。飲料水も付近の飲料水が出てこないというような悲惨な実情も見て心配してきておりましたから、したがってそういう感じは是正されなければならぬがという気持ちで見ておりますと、近年、四十一年の五月でございますか、次官通達が出ましてかららしいのでございますが、一級河川といいますか、直轄河川といいますか、そのほうの管理取り締まりはかなりきびしくなって、ほう、そこまでやるのかというような感じをいたしてきておりますが、それに引きかえて、先ほど御指摘になりました瀬谷さんの事例を伺いますと、少しこれはどうもどこの責任だ、どこの河だということでなしに、それぞれひっかかりのあるものは責任をもって是正をしていかなきゃいかぬじゃないかというなうな感じもいたします。また砂利資源の問題につきましては、これは田中さん専門家でございますし、私はそういうことをつまびらかにまだいたしておりませんから、局長から御説明を申し上げるようにいたしますけれども、真意はそういうところにあったということを、ひとつおくみ取りいただきたいと思います。
  18. 坂野重信

    政府委員(坂野重信君) 大臣の答弁を補足いたしたいと思います。  河川の中に幾ら今後採取可能量があるかというのが第一点でございます。私どもの調査では、現在のところ四十一年度以降六億トンばかりの河川の中に採取の可能量があるということを見込んでおります。私どもといたしましてはいろんな、先ほど大臣もおっしゃいましたように、全国の河川につきまして河川砂利基本対策要綱というものを策定して、その一環として各河川ごとに採取についての基本計画あるいは規制計画というものを策定いたしました。あるいは河川等の採取許可基準というようなことを通達しておりまして、それによって各河川河川管理の適正を期し、一体どこの地方ではどのくらいの、あるいはどういう深さまで掘ってよろしいかということを、河川ごとに定めてまいりまして、それによりまして砂利業者の指導もやっていきまして、管理の適正をはかっているわけでございます。  河川の巡視員でございますが、これははっきりした河川の巡視員という定員はございませんが、実態は各出張所で三名ないし四名程度は、最小限度河川の巡視をやっておりますので、大体全国的に二千名程度はまあどうにか河川の巡視に当たっているという次第でございます。
  19. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 それでは時間の関係もございますので、かいつまんで申し上げたいと思うんでありますけれども、いままで私が申し上げた問題、これは業者がやはり一番いけないのは、話を聞いてみますと、罰金を取られても、十万やそこら罰金を取られても、罰金払ってやりたいことをやったほうが得だと、こういう事態になっておる。それでは、取り締まりの法規が幾らあったって、これは何にもならぬと思うんですね。そういうことを、地方新聞等によると、業者が言明しておるということが、ちゃんと載っかっているんです。  それから、これと多少問題が違いますけれども、陳情の中にありましたから、このこともひとつ申し上げておきたいんですけれども、芦屋地区でもって風致地区に無許可でアパートをつくっている。そして松をどんどん伐採している。こういう問題がやはり陳情の中に載ってきております。これは住宅業者なんでありますけれども。それで風致地区でありますから、海岸の松やなんかを片っ端からこわしてしまったのでは、風致地区が風致地区でなくなってしまうわけです。で、あの近辺の海津の景勝地帯をこわすということは、だれが考えてもこれまたかなり問題だろうと思うんでありますけれども、砂利業者の問題にしても、あるいはこういう建築業者の問題にしても、いずれもおそらく違反をしてやっても、そろばんをはじいてみれば結局罰金払ったとしてもやることをやったほうが得だと、こういう計算になっておるだろうと思うんですよ。そうなりますと、これらの取り締まり法規というものをやはり再検討して、少なくとも罰金を払ったんじゃ元が合わないようにしなければ取り締まりができないんじゃないか。もちろん、法律だけが取り締まりのきめ手であるとは思いませんけれども、現在抜け穴だらけになっておったり、あるいはまた、罰金を払えば掘っていいんだろうと、こういう思想が蔓延をすると、ますます国土が荒らされることになると思うんです。これらの問題もあわせて、すみやかに検討した上で対処する方針を打ち出していただきたいと思うのでありますが、大臣見解を最後に承りまして私の質問を終わりたいと思います。
  20. 保利茂

    国務大臣保利茂君) 御意見のような事例が、もう彼此ひんぱんにあるようでございまして、全く同じような憂いをいたすものであります。これはやはりそれぞれの業種に携わっておられる方が、一方においては社会的責任というものをやっぱり強く感じていただくようにならなければ、われわれのこいねがうような事態にはならないと思いますけれども、しかしながら、法の不備等もかなりあるように考えられます。建設業法等におきましてもそういうこともあるように伺っておりますし、特にいまお話しのようなこの宅地造成等におきまして無計画というか、かなり危険な状態で行なわれているのが、むざむざ放置されているというような事例もないわけではないようでございますし、それらをあわせまして十分ひとつ検討さしていただきまして、われわれの考えをまとめまして改善に踏み切っていきたいという考えでございますから、この上ともお願い申し上げます。
  21. 藤田進

    委員長藤田進君) この際、私からも大臣に所信をお伺いしておきたいし、要望申し上げておきたいのですが、いま御質疑がございましたように、埼玉県下においては具体的な事例がまあ出ております。それからその他の地域にも出ている。要するに問題は法の不備ということも御指摘のとおりありますから、これは早急に、ひとつできれば通常国会あたりでも目途にしていただくことが必要じゃないかと思う。それから採石等においては特に飯能——埼玉県、ここに持ってきておりますがね、手で割れるようなものがこれがもう平気で商品化されているように思います。これは担当官も、建設省も一緒に現地に参りましたから、よく知っていると思います。それから江南山砂利にしましてもですね、一々は指摘しませんが、これはやはり法の不備は補うとして、その間、早急に政治の信頼を高め、かつ地域住民の安心した生活を守るためにも、早急に行政指導の面でも十分でき得ると私は思うので、建設大臣、特段のひとつ御調査と同時に、これが対処をお願いしたいと思うんです。多く申し上げませんが。
  22. 保利茂

    国務大臣保利茂君) ただいまの御意見につきましては、可能な限りひとつそのお考えに沿うように努力してみたいと考えます。
  23. 藤田進

    委員長藤田進君) お願いします。
  24. 松永忠二

    ○松永忠二君 いま大臣が述べられましたごあいさつの中にですね、最後に道路整備についてということが出ております。この道路整備の新しい五カ年計画の最初の年になるように思います、大臣に対してですよ。そこで住宅のところには、五カ年計画が必ず達成されるように積極的な推進をはかる所存だ、こういうふうに明らかに申されておるわけです。道路五カ年計画についても、長い間の懸案でようやく新しい計画ができたところなので、ここには文字表現はしてないけれども、五カ年計画について積極的な推進をはかる所存だと私たちは思うんですが、この点は大臣の御決意をまずお伺いしたい。
  25. 保利茂

    国務大臣保利茂君) 何か住宅のほうは五カ年計画どおりにやるんだと、道路のほうは少しぼけておりゃせぬかということであろうかと思います。そういう気持ちは全然ございません。だんだん道路計画も、今年度を初年度として五カ無計画を策定していただきまして、まあ六兆六千億という巨大な計画を立てられております。これはひとつ道路財源等非常に困難な面もあるように予想せられますけれども、もちろん六兆六千億の五カ年計画というものは、どうでもこうでも達成していかなければならない。この最小限のぎりぎりの道路事情等の面から、また交通事情等の面から、交通事故等の面から、まあ最喫緊と申し上げても間違いのない国民的な課題であると思いますから、そのほうを幾らかでも手を抜くという考えは全然ございませんので、私のうたい方がもし誤っておれば、その点は訂正するのにやぶさかではない。御了承願います。
  26. 松永忠二

    ○松永忠二君 あとでもう少しこまかいお話、聞きますが、治水の問題です。ここには「新しい長期的見通しのもとに、治水、利水、砂防事業の格段の進展を図る所存であります。」と、こう言われているわけです。実はことしの七月に災害がありましたときに、参議院の本会議で佐藤総理がいろいろ質問に答えてこういうことを言っているわけです。「最近の経済発展の結果から、在来の計画だけではどうも私は不十分ではないかと思います。最近の実情に応じた対策を立てる必要があると思いますので、これら五カ年計画、長期的なものを再検討いたしまして今後の万全を期す、かように考えておるのでございます。」こう答弁をされている。西村建設大臣は、「現在の治水五カ年計画の規模では対処できないようであります。」とこういうように明確に言われているわけなんです。  そこで、この「新しい長期的見通しのもとに、」と、こういうふうにお話が出ているのでありますけれども、この件についてはやはりすでに世論も高まっております。二兆一千億ですか、新しいつまり治水五カ年計画を何とかして軌道に乗せたい。これについてはもう相当な長い間の集約として出てきた問題で、たまたまいわゆる財源の硬直化等の問題から、これまた非常に何か危惧を感ずるという点がないわけではない。しかし、現実に建設大臣が、これでは治水計画に対処できない。事実、いろいろ都市河川あるいは小規模河川の問題あるいは後ほどいろいろ申し上げますけれども、そういうような問題で、どうしてもやはり新しい角度で対処をしていかなければ、災害は相続いて非常な結果を呼ぶ、災害を起こすであろうということは、もう明らかになっているので、この問題については、大臣はどういう御決意でこれに対処をされようとされているのか。現にまたこういう点については、ある程度進行もせられているような状況にわれわれ見ているのでありますが、これは大目のほうからこれのひとつ御決意なり解決の方法等についてお話をいただきたいと思います。
  27. 保利茂

    国務大臣保利茂君) 治水問題につきましては、この夏の災害が発生いたしましたときに、総理大臣もそういう意見を漏らされたのじゃないかということを、私もうすうす承知をいたしておるわけであります。そういうことだれしも懸念にたえないことでございますし、したがってまあ関係閣僚といたしましては、現行の五カ年計画の足取りでは、とうてい治水目的を早く達するということはできないと、そこで最近の、まあ災害の発生事情もいろいろ、気象関係もあり、あるいは山地荒廃等の事情もあり、そういう発生事情に特にかんがみまして、どういうところに一番大きな惨害をもたらせられておるかという実情をもにらみ合わせまして、中小河川あるいは砂防、そういうものを含めまして一ぺん現行計画を見直してみなければいかぬのじゃないかということで、各方面——建設省はもちろんのことてございますが、各方面の御心配をわずらわしまして、内々には来年度からひとつ新しい、来年度を初年度として新五カ年計画というものを策定して、それをひとつ来年度予算からスタートをさしていただきたいという準備をいたし、今朝来もまた大ぜいの、これはもうはなはだ恐縮ですけれども、与党の方々にたくさんお集まりいただきまして、御心配をいただいておるようなわけでございます。何も建設省のためにこれはやらなければならぬということじゃなしに、やはりほんとうに日本の国力を充実し、国民の生活の基盤をやっていきます上には、どうも一兆一千億じゃまどろっこしいと、とてもそういうことは言っちゃおれぬのじゃないかという十分の理由がありますから、私も御鞭撻いただいている趣意もよくわかりますから、できるだけ努力をいたして、何とか明年度から新五カ年計画に取りかからしてもらいたいものだと念願をいたしておるような次第でございます。
  28. 松永忠二

    ○松永忠二君 まあ相当はっきりしたお話で、ぜひともそういう態度でこの問題については軌道に乗せてもらいたいと思います。乗せる必要があるという具体的な問題は、また後ほど話ししますが、そういう点でひとつ、いま出てきた問題ではありませんし、経済効果から考えてみても、毎年同じようなことをやってきている段階でありますから、特にひとつ御答弁を願いたい。  そこでなおお聞きをするのでありますが、この前、道路整備緊急措置法の一部改正という法律が通りましたときに、これについて、通過をすれば閣議決定をして、それで重要な路線については完成、着手の時期を明らかにするということを建設大臣が答弁をされているわけです。このことについては、何かお話を聞きますと、まだ閣議で明確なところまでいってないのだ、あるいは本年度これはできないで、来年にいくのじゃないかというような話も聞いているのでありますが、この具体的なことについて、新しい道路五カ年計画の閣議との関係は、どこまで話が進んでいられるのか。それからもう一つ、あわせて一体来年度の予算の伸びというものは何%くらいに考えて、一体来年の道路整備仕事を五カ年計画でやっていうことされているのか、この点を一つ。最初の問題は、大臣からお聞かせをいただくし、あとの点は、道路局長でもけっこうですからお答えをいただきたい。
  29. 保利茂

    国務大臣保利茂君) 実は私も数日前までもう六兆六千億、五カ年計画というものは、そういう手順を当然踏んでできておるものだと思っておったわけでございますが、伺ってみますと、閣議了解を得ているという段階らしいのでございますから、これはひとつ最終的な閣議決定で基礎づけをしておかなければいかぬのじゃないかというように思っておりますので、できるだけすみやかにひとつそういう手続をとりたいものだと願っておるわけでございます。
  30. 蓑輪健二郎

    政府委員簔輪健二郎君) ただい大臣から御説明がございましたように、現在の六兆六千億の第五次五カ年計画につきましては、ことしの三月に総ワクの閣議了解がございまして、その後いろいろ六兆六千億の内訳につきまして、具体的な数字をはじいておる次第でございます。できるだけ早い機会に、これを閣議の決定に持っていきたいと思います。閣議の決定になれば、閣議決定には、整備の目標ということがうたわれております。そういうものをはっきりしなければいけないことになっておりますので、その後、いまの大きなものについての、どういうような計画で五カ年計画に組まれるかは、はっきりできるというふうに考えておる次第であります。
  31. 松永忠二

    ○松永忠二君 お答え一つ漏れていますが、大臣いまのようなことは少し問題があるのじゃないですかね。道路整備五カ年計画を、とにかく整備法を一部改正をして国会を通しておいて、そうしてそれを実施をするために早く決定をするのがしかるべきである。閣議了解をされたって、その後法律ができて、法律ができれば直ちにそれを実施するために閣議決定をするというのは、これは当然のことだと思うのですよ。これがこんなにおくれているということは、やはり私は少し怠慢だ。これは決定をきちっとして、そうしてその決定に基づいて、いわゆる重要な路線について明確に完成の時期、着手の時期等具体化していくということがなければできぬと思うのですね。だから、閣議決定がされないというようなことは、これはおかしいと思うのですよ、私は怠慢だと思う。これはいつまでにおやりになるのですか。あなたもうすでに閣議は始終行なわれていることであるので、そんなことを言っておらぬで、いつやるのか、これをひとつはっきりお答えをいただきます。
  32. 保利茂

    国務大臣保利茂君) 仰せのとおりだと思います。しかし、私個人ができるわけじゃございませんから、ひとつ係——道路局に勉強していただきまして、すみやかにそれができまするように勉強していただきたいと思っております。
  33. 松永忠二

    ○松永忠二君 そういうことになると、たとえば来年度の予算の伸びは、大体平常この程度の伸びだと。道路予算については、この計画に基づいてやはり二十何%ですか、相当なつまり道路予算については伸びを示されなければならぬと、私はこういうふうに思うのです。こういう点については、大臣はやはり、計画を決定して、計画決定に基づいていわゆる一般的な予算の伸びよりもはるかにいわゆる計画された伸びに予算を持っていかなければいけない、こういうような線で今後折衝し決定をしていくと理解してよろしゅうございますか。
  34. 保利茂

    国務大臣保利茂君) おことばをお返しするわけじゃございませんけれども、予算の問題になりますというと、建設行政の面からのみ見るわけにもいかぬだろうと思うのであります。今年度せっかくの予算を御審議いただいたにかかわりませず、三千億という膨大な公共事業費の繰り延べが行なわれなければならないというように、この経済全般、財政全般からの影響というものを全然考え抜いて、五カ年計画が策定されたら、それでもうびた一文動かぬのだと、私どもとしてはその心がまえでいかなければならぬと思いますけれども、全体の国政を進めていく上におきましては、多少の弾力性を持っておらなければならぬのじゃないだろうか。しかし、五カ年計画は年度の間の多少の伸縮はやむを得ないだろうと思うのです。しかし、五カ年間の計画は、五カ年で目標しているところのものは、五カ年のうちには何とか達成していくようにしなければいかぬ、そういう考え方を私は持っておるわけであります。決して財政硬直化というその声におびえておるわけじゃございませんけれども、そういう多少考えは、国政全体にあずかるお互いとしてやはり考えていかなければならぬのじゃないか。   〔委員長退席、理事大河原一次君着席〕 しかし、お説のとおりに、できるだけ、道路事業というものの課題、要請というものは非常に迫っておりますから、これは何といっても後退をしないようにしなければならぬという考えは、強く抱いておる点は御了承をいただきたいと思います。
  35. 松永忠二

    ○松永忠二君 まあ幾分の弾力性というものはあるとしても、いわゆる一般の五カ年計画を決定したので、それに基づいて予算の伸びをはかるように努力をしてもらわなければいかぬと思うのです。  そこで、この道路五カ年計画の中には、一兆一千億の地方単独事業費というものが、計上というか、計画されているわけです。これについて、その財源措置については、地方のつまり道路整備の財源措置については、これまた前の建設大臣は、閣議決定をした段階で地方の充実をはかるための財源的な措置を明確にいたしますということを、やはり委員会ではっきり答弁をされているわけです。また事実、単に決定をしても、それを行なうための財源措置というものがなされなければ、結果的にはこれは実行することは容易でないと思うのです。これについては、もう大臣御承知のように、国費の特定財源というものの占めている割合が八五%で、地方費については約四八%を占めておるけれども、六大市を除く市町村道整備については特定財源がない。そこでいまいろいろ話が出ているように、この問題についてやるために、たとえば国のほうについては道路に関係した物品税、あるいは地方については自動車税とかあるいは峰自動車税などの考え方をもって、何とかこれの財源を得ていきたいということを言われているわけです。この、地方道整備の問題について、すでに地方制度調査会の答申等も、道路目的税の一部を、国から地方団体に譲与すべきだということで、昨年自治省との間にいろいろ交渉が行なわれて、約百三十三億のいわゆる財源措置を要求したけれども、結果的には、地方交付税の中で、臨時地方交付税の中で二十五億を計上した。これは来年度の予算の際に問題にあらためてするときに考えるし、また建設省自身も、この問題についてはやはりそういう措置を考えていかなければ、地方における道路整備の五カ年計画を完全実施することができないということで、すでにいろいろなことが新聞にも出ておるし、また問題も出ておるわけであります。こういう問題について、大臣はこの際、新しい予算を、明年度予算を作成しようという現段階において、どういうお考えを持っておられるのか。またそういう点については、どこまでの一体進行を見ているのか。こういう点についてひとつお答えをいただきたいと思うのです。
  36. 保利茂

    国務大臣保利茂君) 松永委員の御心配の点は、よくわかっておりまして、特に地方道路財源というものが非常に窮屈になっておるようでございます。建設省と自治省でいませっかく相談を進めておるところでございまして、まだ私はそれの結果を報告を受けておりませんが、両省間で協議を進めておる段階でございます。
  37. 松永忠二

    ○松永忠二君 あなたは、自動車税という問題がすでに一部いろいろ話も出ているのですが、この問題については、単に自治省との関係ではないようにぼくは思うのですね。自治省とどうこうという話ではなくて、建設省自身は、市町村道整備というものは財源的には自治省であるとしても、これを完全に実施するための建設省としての考え方もやっぱりあると思う。またこれについては、自動車税等を考えていこうというような点なんかも、すでにいろいろいわれている。この財源を求める点について、どういうふうにお考えになっておられるのですか。
  38. 保利茂

    国務大臣保利茂君) ちょっと局長から。
  39. 蓑輪健二郎

    政府委員簔輪健二郎君) 御存じのように、昨年地方の財源の問題につきまして、地方制度調査会から答申が出ております。非常に今後市町村道事業が相当多くなると、地方道路の財源というのは、いままでの単に交付税、そういうものだけでなかなかまかない切れなくなってくるということから、ああいう勧告が出たん、だろうと思います。で、実はこの第五次の六兆六千の五カ年計画を策定する際にも、そういう地方の単独事業がどのぐらいできるかは、大体いろいろ検討したんでございますが、第四次の五カ年計画で言いますと、八千億が五カ年の単独事業計画になっておりましてこれに対しまして非常にその進捗状況から言いますと、第四次の五カ年計画地方単独事業の八千億が四十一年までの三カ年で約四千八百九十一億、約六一%ぐらいの進渉を見ております。これは非常に地方が苦しい財源の中で、必要に迫まられて地方の単独事業をふやしたという結果だと思います。今後やはり先ほど言いましたように、地方の市町村に対する事業が非常に増大してくるということもございまして、これに対しては、できれば財源の措置をやるべきじゃないかということで、いろいろわれわれのほうでも検討いたしましたのでございますが、現在自動車税という形で計画に入っております。これは目的税でございませんので、そのまますぐ道路整備に回せるというような規定はないんでございますが、そのほかにさらに地方の財源をふやすためには、現在自治省では自動車の取得税、これは現在京都府とか徳島県あたりで一部実施されておりますが、これを法定の税にいたしまして、自動車の購入の際の価格に約三%の取得税というような税金をかけますと、一年に三百億ぐらいになるというような計算をしておるわけでございます。われわれもこの自動車の取得税につきましては、いろいろいわゆる、まあ増税になるような性質のものでございますので、慎重に検討しておりますが、私の個人の考えで、やはりこういう形で地方道路に対する財源が得られることは、非常に好ましいことだというように考えておりますので、そういう点で自治省とよくいま連絡をしておる状況でございます。
  40. 松永忠二

    ○松永忠二君 それで建設大臣、いま局長の言われたことが、あなたの御意見だというふうに解釈してよろしゅうございますか。
  41. 保利茂

    国務大臣保利茂君) けっこうだと思います。
  42. 松永忠二

    ○松永忠二君 そこでひとつ地方的なことをお伺いするわけですが、あなたのところへ、すでに静岡県の議会あるいは知事等の、県議会の決議を持って東名高速道路の吉原−静岡間の道路について無料で開放してもらいたい。これは単に静岡県議会が議決をして意見書として出しただけじゃなくて、それに関係している市町村でも、あるいはまた一般の民間の団体でもこういうふうな決議をして、何とかひとつこの際東名高速道路が吉原—静岡間に明年度開通をしていくということで、この点についてやはり無料開放をしてほしいということを強く要望をされているわけです。これについて、陳情をあなたはもうお受けになったようなことを聞いているのですが、いま、特に吉原−静岡の間の交通事故とか交通渋滞というものについては、前にも警察庁等から来てもらって、係官から説明をいただいた。これはもう大臣もあるいは承知をされているかもしれませんが、一号国道というものは、静岡県が延長の三分の一を占めているわけです。それからまた交通事故の件数は、静岡県内の交通事故の中の吉原−静岡間が四三%を占めているわけです。それからまたこの区間の民家へ自動車が突入をしたというような件数も、一号の静岡県内に九十二件ある中で、ここに四十二件がある。死者については一号の静岡県内の国道で二百五十八名死者があるわけですが、その中の五〇%、百八名をその区間が占めておる。しかも、交通事故は現在、県の交通部等において先ほど全国で三万ですか、一万三千名ですか、の死者についてのことが発表されておりましたけれども、この区間は昨年よりも交通事故が倍になってきている。それからまた、したがって、警察官などの動員も昨年よりも倍になってきておる。交通渋滞についても、交通渋滞の延べ時間の五一%がやはり、この吉原と静岡間にあるというこういう状況である。しかも、では一体、吉原−静岡の間のバイパスはいつできるのだろうか、いつできるのだということになってくると、これはまた非常な将来……この前の道路局長の答弁において、四十六年までにその供用開始をしていくというお話があったのですが、これも後ほど伺いますが、はっきりできるのはいつですか。こういうような状態にあるので、そこで何とかしてひとつ短区間である東名高速道路のこの区間をバイパスというようなことに活用してもらうように、ぜひひとつこの点を解決をしてもらいたい。前の建設大臣は、無料というようなことを含めて検討いたしましようということでお話もあった。いよいよ供用開始は、私の聞いているところでは、明年五月ころに開始をしようとされて、先ごろ、前の建設大臣もこれを一通り通られたわけですが、この点についてよく御事情がわかっているとは思うのですけれども、特にそういう状況にある中で、こうした県議会等も決議をし、また知事、県議会関係者も出、あるいはこれを地元の市町村議会もすでに議決をし、単にそういうことではなしに、民間でも何とかひとつこの問題を解決してもらって、この交通事故を防いで、そうしてこの問題もひとつぜひとも国としての措置をしてほしいという強い要望が出ているのですが、大臣、この問題についてどういうふうにお考えになっておるのか、また今後どういうふうな方向で解決をしていこうとお考えになっているのか、お答えをいただきたいと思います。
  43. 保利茂

    国務大臣保利茂君) お話しのように、何か静岡県会の方々はじめ多くの方とお目にかかりまして、つぶさにただいお話しのような吉原−静岡間の交通事情等を伺いました。また強い暫定無料措置をとれないかという御陳情を受けました。だんだん相談をしてみておりますけれども、どうも有料道路として供用しておる分について、そういう措置をいままで——これは法律のいたすところでもございましょうが、いたした事例はございませんようで、ただ、厚木−用賀、ほかの地区とはだいぶ交通事情も違うと考えられますので、何か無料ということはちょっと考えられないのじゃないかと思いますけれども、何らか地元の強い御要望に対してこたえる方途なしやということで、検討を願ってみているわけでございます。結論はいましばらく待たしていただきたい、そういう方向でいまやっておるわけでございます。
  44. 大河原一次

    理事大河原一次君) 速記とめて。   〔速記中止〕
  45. 大河原一次

    理事大河原一次君) 速記を起こして。
  46. 田中一

    ○田中一君 ことしもいよいよ雪の季節になったので、まず最初に、道路の問題で除雪の問題を少し聞いておきたいと思います。  除雪の費用というものは、予算の計上は前年度の実績というか、そういうものから後年度の推定をしながら、積み上げておるものなのか、あるいはただ大づかみでもって、今年度は幾ら、どこに幾ら幾らと、こういうぐあいにきめているのか、どういうふうにきめているのか、予算の計上のしかたは。
  47. 蓑輪健二郎

    政府委員簔輪健二郎君) 除雪の費用につきましては、これは御承知のように、非常に雪が多いときと、少ないときとかなり費用が違います。そういうことで、われわれのほうは一応計算をいたしまして、平均の積雪量に対しまして、それを機械除雪するような積算をいたしまして、それで配賦しておるわけでございます。いままでの例を言いますと、雪の少ないときは余ってまいることもあります。また部分的に豪雪になりますと、最初の配った予算で足りないというところも出てきますので、それについては、全体の除雪の費用を県に配分する前に、ある程度保留をとっておきまして、豪雪のところには、その保留から出していくという形で円満にやっていきたいと思っております。ただ、それでも足りなくなった場合は予備費をもらいまして、除雪費用をふやすというような方法を考えておる次第でございます。
  48. 田中一

    ○田中一君 道路の除雪整備のために、対象の道路に対して、一種、二種、三種というランクをつけているのはどういうわけですか。
  49. 蓑輪健二郎

    政府委員簔輪健二郎君) これは、やはり除雪につきましては、これは早く、一日でも早く、一時間でも早く除雪することが一番いいと思います。やはり全体の予算の制限もございまして、早く除雪しなきゃならぬ線と、多少、二、三日たってもという線を区別して、一種、二種、三種という形にした次第でございます。
  50. 田中一

    ○田中一君 道路というものは、開通して初めてその目的を達するんですよ。まだおそらく全国的に見た場合には、冬季はこの道路は埋没するんだという前提で考えられておった道路が、いままででもあります。これは私の郷里の青森県なんかそうなんです。冬季は途絶するんだという前提でもって考えられている。しかし、今日の道路は、相当国道も、地方道整備されている現在ですね、三日、四日おくれていいというような道路はないはずなんです。夏期と同じ状態で通行できなければならないわけなんですから、これは北海道の総務監理官、北海道にはそういう事例が相当あるんでしょう。
  51. 馬場豊彦

    政府委員(馬場豊彦君) あります。
  52. 田中一

    ○田中一君 それはどういうところか知らぬが、しかし、そういう道路があるということになると、これはもう過去のものであって、早期に通行ができるということにする以外にはないんじゃないかと思うんですが、その点まだ一種二種、三種なんといったランクをつけていこうという考え方に変わりはないんですか、道路行政を担当している道路局、建設省として。北海道開発庁は、御承知のように実施官庁ですからね。どういう考えを持っていますか。
  53. 蓑輪健二郎

    政府委員簔輪健二郎君) 御説のとおり、道路というものは、どんな道路でも早くあけること、か必要だと思います。実はいままで一種、二種、三種というランクをつけておりましたのは、いろいろ除雪機械の問題、費用の問題もございまして、まず特に力を入れてやるところという形で一種、二種、三種という区別をいたしましたがこれは私、やはり将来のことを考えますと、過渡的な一つの現象だと思います。やはり将来はそういうことじゃなくて、どんな道路でも雪が降ったらすぐ交通のできるようにするのがたてまえだというふうに思っております。
  54. 田中一

    ○田中一君 この問題あとで大臣来たら、木村開発庁長官とそれから建設大臣来たら、いまのことをよく話をして——当然これはそういうランクつけをして、もっとおくれてもいいんだというような道路があっちゃならないので、ひとつ一本化して、一種、二種、三種のこういう順位はやめて、全部こういうランクはとってしまう、直ちに通行できるようにするんだという前提で答弁するようなお話をしてください。総務監理官いいね、木村長官に。それから道路局長は、大臣にそういう答弁をするように、いいですか。これは君らが言えばすぐわかる。  そこでね、これはなぜそういうことを言うかというと、何も北海道開発庁のために、建設省のためにどうこう言うんじゃないんですよ。地元の、しいて言うならば、地域格差というものはどうしても解消しなければならぬ、地域格差というものをなくすのだといういまの全国的な日本の国民感情であり、政治の姿勢でなくちゃならぬと思う。そういう意味において、地元の要望というものは非常に強い、どこでも。たとえば一昨昨年あたりの新潟等の豪雪のような場合は、車を出すにも、出さぬにもどうにもならぬという場合には、これは自衛隊でああしてなるべく早くやろうといって努力しているんです。けれども前提として即時通行ができなくてもいいんだ、それよりももっとおくれてもいいんだなんというきめ方をしているなんということは、これは話にならぬわけなんですね。これはひとついま申し上げたように、両大臣から、そういうランクはやめます、直ちに通過するように努力いたします、こういう答弁させるんですよ、いいですか。  それから、なぜ一種、二種、三種というようなランクをつけるかということになると、これは今日では除雪機械が老朽化していることがあると思うのです。一体、一台の除雪車の耐用年限をどのくらいに見ていますか。ちょっとそれを答弁してもらいたい。
  55. 蓑輪健二郎

    政府委員簔輪健二郎君) ちょっと手元に資料がございませんので、さっそく取り寄せてお答えいたします。
  56. 田中一

    ○田中一君 これは資料の問題じゃないですよ。君自身が道路屋でもって何十年という間そうした仕事をやっていながら、現在建設省が保有しておるところの除雪機械の耐用年限ぐらいわからなくちゃ、予算を計上するなんということは間違いですよ。こわれたらやるというのですか。全部、除雪を行なっているところの各県にしても、急場に間に合わせるために一生懸命ですよ、車の整備ということに。しかし肝心のそのもの自体が老朽化して、まだ日本の地方的な雪質に適合しないような機械なんかも買っているわけなんですね。これはやっぱり相当考えなければならぬと思う。これはむだづかいです。だから、まあ、資料も調べて報告してください。耐用年限はどの車種は幾ら、どの車種は幾ら……。現在使っているところの各府県でも買っていましょうし、積雪というのは、主として東北並びに北海道です。北海道の場合は内地と違って寒さが強いですよ。こういう場合には車種は変えなければならぬのです。ただ機械さえ買えばいいんだ——建設機械は相当開発されておるけれども、そこまでのきめこまかい選択をしなければ完全に、前段に言ったように、即日通行開始なんということにならなくなってくるわけなんです。
  57. 蓑輪健二郎

    政府委員簔輪健二郎君) ただいま御質問の耐用年数と車種の問題でございますが、これは私も一般に建設機械については大体一万時間ぐらいの稼働はできるというふうに考えておりますが、この中で除雪に使うものがどのくらいの耐用年数になるか、もう少し車種について調べたいと思います。常識的に言えば、やはり一万時間の耐用年数のうち、一年に二千時間ぐらい稼働すれば四、五年は持つということになろうかと思います。ただ、いま先生のおっしゃいました車種の問題でございますが、確かに現在の除雪に使っておる機械の大部分は、グレーダーとかブルドーザーとかというようなものを主体としたものでございますが、やはり将来もう少し除雪をスムースにといいますか、早くやるためには、そういうもの以外に、雪を吹き飛ばすような機械、こういうものも必要になってくると思います。実はこれもある程度いまの直轄関係に入れておりますが、やはり除雪の問題は雪質とも非常に問題になろうかと思います。雪質に合わないような機械は、ほんとうに除雪の役に立たないということにもなりかねませんので、その辺はよく研究いたしまして、できるだけ除雪の方法も進歩さしていかなければならないというふうに考えております。
  58. 田中一

    ○田中一君 しかし、一体いまさらながら、機種の選択がいままで誤ったということを言っているのですね、その地方地方における機種の選択が誤ったということをはっきり言っていることになるのであって、そうは言いたくないだろうが。しかし、いまさらながらそういうことを言ったんじゃ困ると思うんだな。昨年一体どのくらいの機械を幾ら買っているか。地方公共団体の場合には、これはいろいろあるでしょうけれども、少なくとも政府自身が直轄管理をしている道路、北海道の道路、これらに対する機種はどういう車種を使っているのか。
  59. 蓑輪健二郎

    政府委員簔輪健二郎君) ただいまの北海道、内地でどういう機械を何台買っているかについて、実はここに——あとから調べまして御報告いたしたいと思います。  実は非常に除雪の方法が間違っているのじゃないかということでございますが、なかなかこの除雪につきまして、いままでわれわれも相当現場におるときは研究したことでございますが、日本の雪に合うような国産の除雪機械というものは、まだまだ十分開発されていないのではないか。一部できてはおりますけれども、やはりそういうものがもっと開発されてくることが、まず必要じゃないかと思います。それで、外国からいろいろ買っておる例もございますが、なかなかそれがうまくいく場合もありますし、必ずしも雪の質と適合して、当初の期待どおりの成果をあげていないような話も聞きます。また、県においてもそういう外国の機械を買って非常に能率をあげておるような話も聞きますので、実はこの除雪機械につきましては、先ほど言いましたように、やはり今後われわれとしても大いに研究して進歩をはかっていかなければならない面が相当あるというふうに思っております。
  60. 田中一

    ○田中一君 業者に開発させるなんていうこと、できないですよ。実際に仕事をしてその困難を感じている人たちから出なきゃならなんのです、くふうというものはね。それは標準型ですよ、業者のつくるのは。だからそうした開発はあなたのほうにも、北海道にもあるし、政府にも試験所なりあるんだから、そういうところでも十分やらなきゃだめですよ。注文を出す。そんな他人ごとのようなことを言っちゃいけません。あなたのほうで開発をしなければならないんです。  それからもう一つ除雪の問題では、歩道の除雪ができないのですよ。これは歩道分は一般会計でもって支弁しなきゃならなくなっていますね。——村長官、突然だけれどもあなたのほうの所管のことだから、除雪の問題なんですよ、除雪の問題。そこでたとえば国道に……。
  61. 木村武雄

    国務大臣(木村武雄君) ちょっと待ってください。就任あいさつを……。     —————————————
  62. 大河原一次

    理事大河原一次君) 木村長官。
  63. 木村武雄

    国務大臣(木村武雄君) 私、今度北海道開発庁長官と行政管理庁長官を仰せつかりました木村でございます。行政のことは非常にしろうとでありますから、どうか今後ともよろしくお引き回しのほどお願い申し上げます。     —————————————
  64. 田中一

    ○田中一君 道路局長に続けます。国道に併置された歩道、この歩道の除雪というものは、これは事業費としての除雪費の中から除雪ができないのだというような不合理さがあるのですが、それはほんとうですか。
  65. 蓑輪健二郎

    政府委員簔輪健二郎君) 歩道に積もりました除雪につきましては、これはやはり歩道から車道に出せば、当然やらなければいかぬと思います。また、歩道自身の除雪も、これはいまの除雪費の中に含まれるものというふうに考えております。
  66. 田中一

    ○田中一君 総務監理官、いま道路局長が答弁している国道に併置している歩道ですね、この除雪の予算措置はどういう形で計上していますか。
  67. 馬場豊彦

    政府委員(馬場豊彦君) 国から直接の金はございません。市町村でもって道補助等を受けて費用を捻出しております。
  68. 田中一

    ○田中一君 道路局長、どういうことになりますか。事業費として除雪費の中から歩道の除雪はできません、という答弁をしているんです。それは別途一般会計の中でもって、その地方地方でもって補助金をもらってやっているんだ、こういうわけなんです。答弁、違いますね。
  69. 蓑輪健二郎

    政府委員簔輪健二郎君) いまの除雪費の中で歩道の除雪をやっては悪いということにはならない、こういうことでございます。これはやはり、そういうことになりますと、やはり除雪費がまだ、実際かかるもの以上にかかっているんだという結果になるかと思います。
  70. 田中一

    ○田中一君 いいですか、ぼくが質問して、それに答弁するんですよ。そういうあなたの解釈が正しいとして、それではこういうことですか、国道に併置している歩道、この除雪は、国道の除雪をする費用で歩道もともに除雪をしてよろしいんだ、こういうことでいいんですか。
  71. 蓑輪健二郎

    政府委員簔輪健二郎君) 歩道にあります除雪は、国道の車道を行ないます除雪費の中でやってけっこうだと思います。ただ一般に、歩道の除雪の中に、周辺の建物から雪をおろしてきまして、歩道にいっぱい積み上げるということがございますので、あるいはそういう点については、地元の多少な負担を取ることもあり得るのではないかというふうに考えております。
  72. 田中一

    ○田中一君 総務監理官、いまの道路局長の答弁、わかりましたか。ちょっと復唱してください。
  73. 馬場豊彦

    政府委員(馬場豊彦君) 歩道の除雪は非常に困っておりますので、道路局長の答弁のとおり、歩道の部分まで車道の費用でやるようにいたします。
  74. 田中一

    ○田中一君 予算措置はどうしますか、予算措置は。それは会計検査院なんか、文句言わないね、道路局長。
  75. 蓑輪健二郎

    政府委員簔輪健二郎君) これは言わないと思います。
  76. 田中一

    ○田中一君 そこで、除雪車ステーション——方々にあります除雪車のステーション、北海道方面に。このステーションは積雪時にどういう環境に置くことが一番好ましいんですか。ということは、いいですか、たとえばステーションには常時、運転手が何名か仮泊しておる。そうして車庫の中は、容易に始動ができるように、動力が動くように暖房なら暖房をやって、あたためておくとか何とかいう条件がなくては、真の目的が達せられないと思います。そういうことを指導してやっておりますか、道路局長。
  77. 蓑輪健二郎

    政府委員簔輪健二郎君) これは直轄の場合について言いますと、やはり除雪機械の置き場、これはステーションかと思います。さらにそれから山の中に出ますと、なかなかステーションから出てすぐ帰れないということも考えられますので、その要所要所にそういう運転手の仮泊——仮眠をするところ、そういうものをつくってやっておることと思います。
  78. 田中一

    ○田中一君 そうすると、その格納庫には常時暖房施設をするとか、あるいはストーブをいつもたいておくとかということが好ましいわけですね。
  79. 蓑輪健二郎

    政府委員簔輪健二郎君) これはもう積雪地でございますから、非常に寒さも寒いところでございます。やはりそういう暖房その他をやって、すぐ出られるようにしておくということは必要かと思います。
  80. 田中一

    ○田中一君 総務監理官、これどうですか、あなたのほうでやっていないですね。
  81. 馬場豊彦

    政府委員(馬場豊彦君) あらかじめ準備をすることはやっております。
  82. 田中一

    ○田中一君 全部やっておりますか。その費用はとういう形で計上していますか。——それじゃ長官に伺います。いまわれわれが——われわれと言ってはなんですが、一問一答をやっているのは、雪か降っている最中に——除雪車を格納しているステーションがあるわけです。ところがこれに対して、いっでも始動するように、いつでも動力がかかるように部屋をあたためておくということをしなければならぬ、またそれが好ましいといま道路局長も言っている。北海道の現状は、あながちそうではない。長官としては将来どうするというような……ひとつ答弁してください。
  83. 木村武雄

    国務大臣(木村武雄君) 私も雪国に生まれた者でして、そのことは田中委員の御質問を待つまでもなく、しみじみと体験しておる問題であります。冬季間、楽に自動車が通れるような万般の設備をしておきたい、こういうふうに今日まで考えておりましたが、幸い北海道長官になった今日、建設大臣とも相談いたしまして、雪国地方——あに北海道だけでなく、全部そういうことを考えていきたい、そう存じております。
  84. 田中一

    ○田中一君 非常にいい答弁です。  次に、この仮泊所ですね、ステーションに付随する仮泊所、運転手の泊まっているところ、これは人が寝るのだから住宅でしょうね。あるいは格納庫に寝るのか……住宅じゃないですかな、これは。仮眠というから。また仮眠する人たちにめしの支度もしなければならぬ、こういう炊事婦なら炊事婦が泊まっている。こういうものは住宅という定義でいいでしょうね。これは住宅局長いないかな。
  85. 三宅俊治

    説明員(三宅俊治君) 常時そこに定着して宿泊した場合には、住宅として扱っておるのが通例でございます。
  86. 田中一

    ○田中一君 木村長官、いまから十年ぐらい前に、北海道防寒住宅建設等促進法という法律をつくった。北海道では必ずブロック以上の建築でなければならないという法律です。木造建築は許しませんという法律なんです。ところがこれは民間にも全部共通したものとして促進しているわけでありますが、北海道開発局のこうした仮眠所、住宅は木造なんです。常々考えるのですが、土地収用法の問題にしたって、こうした特別法にしたって、それを背反するのは政府公共団体が多いのですよ。そうしてまた、このたいへんなキロ数の道路を維持管理をするのに、砂利道にしても、あるいは舗装道路にしても、大体において北海道の場合には、国道は全部直轄して維持管理しているわけです。詰め所という名を使って、詰め所という名称で重要なる地域々々に一軒あるいは二軒ぽつっぽつっと、こう詰め所を置いて、そこにやはり国家公務員であるところの道路工手が仮泊という名において住んでいるのですね。これは奥さんも子供もいますからね。仮泊という名を借りた住宅であるわけなんですよ。これは道路営繕費でこの予算を組んでおりまして、これはですから国有財産です。ところが零下二十度、三十度、場所によっては四十度からになります。これはもう二十年も三十年も前の家、そうしてすき間風が一ぱい入る。寝られたもんじゃない。しかしながら、これは詰め所だからお前、寝るのが間違いだというならこれはいざ知らず、寝るのが間違いならば、たとえば道路の維持管理のためには、遠くからその状況をだれかが知らせてくれて、飛んで行ってそれでやるということにならざるを得ない。だから要所々々にそういう詰め所という名の建築物を置いて、そこに住まいながら、自分の持ち分持ち分の維持管理をやっているというのが現状なわけなんです。これは当然であります。しかしこれは住宅という名でない道路営繕費から出ている国有財産なんです。それは住宅に住んじゃいけないぞといったところが、住まなきゃ、やっぱり完全な維持管理はできないわけです。これも全部住宅でないからかまわぬといって、ちゃちな木造建築をやっているのです。零下二十度、三十度、四十度という地区におきましてはこれはいけないと思う。そうして、ちょっともう少し聞いてください。今度は仮住宅だと規定すると、住宅ならば道路工手さんから家賃をよこせと、こうくるわけですね。家賃をよこせ、公務員住宅は全部そうですからね。道路営繕費によるところの詰め所、道路工手の詰め所という名前になっているから、住んでいても家賃は取られないわけです。しかしこれが住宅であるとすると、そうすると公務員住宅はみな家賃を取っている。安い家賃でも取っている。これまた問題が起こる。そうして、だからといって親子何人が住んでおるというような場所です。これはもうそれこそすき間風どころじゃないですよ。表をトタンでおおうて中をベニア板で張っている。空洞です。部屋の中が零下二十度になる。そういうものを詰め所という名において住まわせておる現状というもの、これは北海道開発庁長官として非常に問題が多いと思うのですが、これらの問題を、いま言うとおり住宅という名にすりかえるとなると、これは積寒住宅建設促進法でもってこれはブロックならブロックの建築をしなければならなくなってくる。しかしそうじゃない、詰め所だということにおいて、そういうものをつくっておる。これは長官はおそらくもうこれは直ちに北海道に飛行機で行ってつぶさに所管の区域をごらんになりましたか。
  87. 木村武雄

    国務大臣(木村武雄君) まだです。
  88. 田中一

    ○田中一君 それはいけない。雪の降っているときが一番いいですから、予算の編成が終わりましたら、自然休会もありますから、ぜひひとつ、米沢にいらっしゃると同時に、北海道に飛んでみてください。こういうものはどうしてもブロック建築にしてほしいのです。これは人道問題です。そうしてそこに命令で仮泊しているところの道路工手に対しては、家賃を取るなんということはしないようにしていただきたい。それはひとつ大臣から答弁してください。
  89. 木村武雄

    国務大臣(木村武雄君) 田中委員から非常にいいお話をお聞きいたしました。ありがとうございます。私は政府みずからがそういう法律をつくっておって法律違反をやるなんということは間違いだと私は思っております。即座に改めまするが、住宅であるとかないとかという議論は私はしたくない。人間が現在住んでいる、しかも零下何十度で公衆のために働いておる人は、当然あたたかく迎えてやるべきだと思っておりまするから、理屈は抜きにいたしましてそういうものは即座に改めるようにしたいと、こう思っております。どうもありがとうございました。どうかそういう話は、いろいろな点から教えてくださるようにお願い申し上げます。
  90. 田中一

    ○田中一君 承知しました。  道路の問題まだあるのですが、きょうはこの程度にしまして、河川の問題ですけれども、先ほども建設省河川の巡視員というのは何人いるかと言うと、河川局長は、いま建設省は大体一工事事務所に三、四名程度、二千名くらいはいるだろう、こういう答弁をしておりますが、これは私は間違いだと思います。この問題はあとであなたにもう一ぺん伺いますけれども、北海道ではゼロなんです。北海道は、現在、七本、約千十八キロの河川があるわけです。このほかに指定河川も同じように北海道が管理をしているわけです。そこでここに巡視員という名の公務員がいなくてはならないのですが、一人もおらないのです。そうして北海道の一級河川は、たえとば河川敷の中に水田をつくったり、畑をつくったり、建物をつくったりということがたくさんあるわけなんです。けれどもこれを、摘発というか、それをとどめることもできないという現状で、河川局長、一体こういう実態というものを北海道開発庁は怠っておるのですが、この点はどう考えますか。
  91. 坂野重信

    政府委員(坂野重信君) 私まだ実は着任いたしまして日が浅いので、こまかい点は、なるべく早い機会に現地に参りましてつかみたいと思っておりますが、そういう事態があるとすれば、できるだけひとつ早い機会に姿勢を正すようにいたしたい。河川全般につきましてはできるだけ、河川台帳の整備等もまだ不備でございまして、仰せのとおりまだ河川の実態というものは、全国的に十分把握されていない面もあると思います。こういう点につきまして、できるだけひとつ今後そういった面をはっきりしていきたいと思っております。
  92. 田中一

    ○田中一君 そうして砂利とか石とかの採取は自由です、北海道は。野放しです。ことに流量検査とか水質検査なんかの技術屋がおらないわけです。北海道には。そういうものを置かなければならないとかいうような対策は立っておらないのです。これは、木村さん、今度はあなたが長官になったら、二年か三年続けてやってください。これはもういつも六カ月もやらぬ大臣がいる、いままで、北海道というところは。そうして何でも内地並みのそうした流量とか水質とかいうものの検査をする機関すらないのですね。こういうことでは、北海道の治水対策にならぬわけです。そういう点はどうお考えになりますか。
  93. 木村武雄

    国務大臣(木村武雄君) ここにその北海道開発局から書いてもらいました答弁の作文があるのです。私は読みませんが、読んだってつまらないと思います。現地に立ちましてこれは真剣に取り組ませてもらいたいと思っております。私はやっぱり政治というものは生きていなければならない。国会の質疑応答だけでそれで終わったというものじゃないと思っておりますから、ほんとうに北海道の現地に立って、そしてこういう問題と取り組んで、そしてすべて解決していきたい、こう考えております。どうかそういう点で、先ほども申し上げましたが、お気づきの点だけは、どしどしとおっしゃってくださるように、まだ長官になりましてからいままで北海道に行っておりませんが、来月の九日に参りますから、見られる場所は見て、現地に立って、そしてこの問題に取り組ましてもらいたいと思っております。そして取り組んだ後、悪い点がありましたならば、ふまじめな点がありましたならば、どしどしとおしかりくださるようにお願いを申し上げておきます。
  94. 田中一

    ○田中一君 河川局長、全国的な河川台帳の整備の状況を報告してください。いまできないでしょうから、整備の状況を報告してください。そうして必ずその図面でもいいんです、書類でもいいですから、センターがどこのどこだ、中心の、センターだけきめて報告してほしいと思います。いかがですか。台帳ですよ。
  95. 坂野重信

    政府委員(坂野重信君) できるだけ現在整備できておる範国内で報告いたします。
  96. 田中一

    ○田中一君 何県ができておる、どこができておる、どこができていないというパーセンテージも入れて、ひとつわれわれが、河川法ができてからもう何年になるか、三年になるが、そんな調子じゃとてもしようがない。ひとつお願いします。  そこで最後に長官に伺いたいんですが、長官は御就任以来、非常に総理が渡米の際に言い渡していったところの一省一局削減の問題それから公務員五%の減員の問題、これを強く御推進なさっていらっしゃる。それでこの問題は行政職だけの問題か。年々伸びているところの公共事業——この公共事業事業費でもって調弁している定員でありますが、現業官庁の職員も同じように五%の減というものを行なおうとするのか。この基本的な態度をひとつ先に伺いたいんです。これは定員法は、今日では各省で設置法でもって定員を変えておりますから、これは法律じゃございませんから、あまりうるさいことはありませんけれども、行政職の行政部門の職員の五%の減員を主張なさっているのか、あるいは現業部門の職員もあわせて減員しようとするのか、その点をひとつ態度を明らかにしてほしいのです。
  97. 木村武雄

    国務大臣(木村武雄君) 行政職と現業職全体を含めて五%、こう考えておりますけれども、現業職のほうは若干でこぼこが多かろう、こう私は考えております。
  98. 田中一

    ○田中一君 そうすると事業が休止した、あるいは事業がもうなくなったという場合には、それが配置転換する、首切りはしませんから配置転換する。しかしながら事業が伸びた、御承知のように公共事業は伸びているんです。今度は幾らあなたのほうで締めようと思ったって、なかなか国民感情というものは、そんな公共事業を押えろと言ったところが、なかなか押え切れるものじゃありませんよ。そうなると、現業部門の事業の伸びに合わせて定員の増減はありますと、こう解釈をしていいですか。
  99. 木村武雄

    国務大臣(木村武雄君) そういうことも考えられまするが、原則としてすべて配置転換でやっていきたいと、こう考えておりまするが、そういうこともあり得ます。
  100. 田中一

    ○田中一君 どうもそこのところがちょっと、なかなかつらいでしょうけれども、仕事が伸びているのです。仕事が伸びているのに、なおそこから五%減員するのだという大胆なことは、おっしゃらないと思うのです。仕事が伸びていながらそれを減らすのだということ、たとえば行政部門でいろいろなあなたがやられているように、一省一局を減らせば、局長が一人要らなくなりますから減員になるわけです。それははっきりしていると思うのです。また仕事の性質によっては、統合してそれを減員に充てるということも考えられる。しかし事業自体が伸びて、現場の仕事が伸びているにかかわらずそれも五%減らすのだという考え方に立つならば、非常に危険だと思うのです。その点は、いまの答弁じゃぼくは満足しません、どうしようというのか。   〔理事大河原一次君退席、委員長着席
  101. 木村武雄

    国務大臣(木村武雄君) 仕事に支障を来たさせないように、十二分に考えていきたいと思っております。
  102. 田中一

    ○田中一君 仕事がふえているのに減員するということは、どういうことになるのです。
  103. 木村武雄

    国務大臣(木村武雄君) 仕事がふえておりましても、実態から見て減員でやり得るものはやってもらいたいと考えております。それからやり得ない場合には、その現場に立ってこの問題は考えたいと、こう存じております。
  104. 田中一

    ○田中一君 そうすると、私が最初に申し上げたように、仕事の量に応じて増減はあるのだ、こういう理解でいいですか、それでいいですか。
  105. 木村武雄

    国務大臣(木村武雄君) 合理的にやります。
  106. 田中一

    ○田中一君 人間の肉体を使ってやる仕事は、二人分、三人分ということはなかなかむずかしいわけですね。こういう場合は、当然、一キロ離れた道路道路工手さんが一人でもって二つ持つということができない場合は、これは二人要るのだということですね。ふえた場合はふやすようにするのだ、そういう理解でいいですね。
  107. 木村武雄

    国務大臣(木村武雄君) その点、なかなかむずかしいのですよ。
  108. 田中一

    ○田中一君 はっきりおっしゃい。
  109. 木村武雄

    国務大臣(木村武雄君) 一人分の力を、一人分はたして発揮しておるかどうかということも、その場に立って考えなければなりませんから、非常にその点は仕事に支障を来たさないように合理的にその場で考えたいとこう存じております。
  110. 田中一

    ○田中一君 合理的ということは、増減があるのだという理解でいいですね。
  111. 木村武雄

    国務大臣(木村武雄君) 増減もあり得るし、あり得ない場合もあり得る。
  112. 田中一

    ○田中一君 現業部門の仕事がふえているにかかわらず、それはむろんなるほど直轄している仕事は請け負いに回すとか、そういうことはあり得ます。しかしながら、どうしても仕事の量がふえて、たとえばいま申し上げたような河川の巡視員なんというのはゼロなんです。こういうものはふやさなければならぬじゃないか、あるいは水質検査員、流量の検査員なんというものは、そういう技術家が必要ではないか。全然ないのですから、こういうものはふやす。しかしながら、もし冗員があれば冗員はむろんこれは当然でございます。税金でまかなっているのだから当然でございます。しかし、仕事の全体の量がふえた場合は、これは減るという可能性よりも、ふえるという可能性のほうが強いのじゃないかと思うのです。その場合には長官としては——両長官ですよ、行管長官と両長官ですよ、やはり勇気を持って増員するということはあり得るということの理解でいいのでしょうね、もう一ぺん伺います。
  113. 木村武雄

    国務大臣(木村武雄君) 増減することはあり得ます。
  114. 田中一

    ○田中一君 ありますね。
  115. 木村武雄

    国務大臣(木村武雄君) 増減することはあり得ます。
  116. 田中一

    ○田中一君 そこで、かつていまから七、八年前の話でありますが、十年、二十年という長い間内務省時代からつとめておったところの職員を全員定員化したことがあるんです、定員法上の職員にしたことが。そこで、現在北海道ではまだ非常勤職員という名で常時雇用している者が五千五百八十一名もいるわけなんです。そのうち十二カ月使っている、ずっと続いて雇用している。そのかわり、一年雇用ですね、そして次にまた同一の人を使っているという人たちがいるわけなんです。これは国家行政組織法によると、大体の精神としては、恒常的に必要な職に当たっている者は定員職員とするという原則があるわけです。これはもう十年も十五年も使われているわけなんです。またその恒常的というのは、五年が恒常的なのか、あるいは十年がいいのか、あるいは三年でもいいのかということになると、これはいろいろな解釈があるでしょうし、また職種によってもいろいろ違うと思う。先ほど除雪の問題で言ったように、常時使われているのは四百六十七名もいるわけです。それから事務処理のために必要だというような者は三百名以上もいる。たとえば一つの例を申しますと、機械ですね、除雪の機械というものあるいはこれに付随する機械等を入れても、定員法から見た場合には、一台の車を操作する職員がおらないんですよ、車一台あれば一人はまあいなくちゃ動きませんわね。除雪車なんかはもっとたくさんほしいぐらいな時期があるわけです。そして常時一年以上反復して使用しているにかかわらず、まだ定員法の職員になっておらん者がおるわけです。これひとつ大臣、十分に詳細お調べになって、やはり国家行政組織法に基づいて、これらの人を現に使っているわけなんですから、これを定員化して国家に奉仕するという、公務員の精神的なささえとなってやっていただきたいと思うんです。その点をひとつどういう解釈なすっているか、伺いたいと思います。
  117. 木村武雄

    国務大臣(木村武雄君) 私、行政管理庁長官になってこの問題に出くわして、実はびっくりしたんですよ。それで、これをどういうように扱わねばならないかということと取り組んでみたいと思いまして、関係労働組合の人にも来てもらいまして、お話を聞きながら現地を見るようにしております。四十二年度はこの問題には手はつけませんけれども、私は四十三年度はこの問題とほんとうに取り組んでみたい。そしてこのままにしておくべきものではないと、こういうように自分は考えておるものですから、これを将来どういうように扱うかということに対しては、真剣に取り組んでみたいと、こう思っておりまするが、四十三年度にこれを行政職に繰り込むというようなことはやりませんけれども、この問題は私、四十三年度に真剣に取り組んでみたい、こう思っております。それですから、どうか一年間取り組みまして、私が私なりの角度でこの問題を考えさしてもらう時間だけ与えてくださるようお願い申し上げておきます。北海道だけでなく、全国で見ますと約三万人ぐらいいるのです、そして、実情から見まして、お気の毒だというお話はたくさんあります。それですから、このままで放置すべき問題じゃない、こう考えておりますが、何せ私は、まあ、取り組むために時間をお与えくださいますようにお願い申し上げます。
  118. 田中一

    ○田中一君 非常によい姿勢の答弁を伺って、ほんとうに安心しました。どうかひとつ、国家公務員——事実非常勤職員でも国家公務員に間違いないのですから、身分の安定と、さらに国家奉仕の気持ちを起こさせるように、ひとつ善政をしいていただきたいと思います。これで質問を終わります。     —————————————
  119. 藤田進

    委員長藤田進君) この際、委員異動について報告いたします。  本日、瀬谷英行君が委員辞任され、その補欠として村田秀三君が選任されました。     —————————————
  120. 藤田進

    委員長藤田進君) この際、おはかりいたします。  本件調査のため日本道路公団の役職員を参考人として出席を求めることとし、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  121. 藤田進

    委員長藤田進君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  122. 松永忠二

    ○松永忠二君 道路公団の総裁にお伺いをしますが、いまの話の出ました東名高速道路の料金問題に関連して、名神高速道路のトラック料金を若干引き下げた。そういう結果として、その他何か措置されたようですけれども、効果というようなものは、どんなふうな状況であったかお尋ねいたします。
  123. 富樫凱一

    参考人(富樫凱一君) 名神高速道路のトラック料金を昨年若干下げまして、従来キロ当たり十一円五十銭であったものを九円五十銭に下げました。その後、そのためにどういう効果が交通の上にあらわれたか調べておりましたが、これはなかなかむずかしいことでございます。一方に自然的な交通量の増加もありますので、料金を下げたためにどのくらい交通量がふえたか計算がむずかしいのでございますが、われわれの大体の推測では、このために交通量がふえたという見方をいたしております。従来に比べて大体一割から二割の程度ふえたのじゃないか、こう考えております。
  124. 松永忠二

    ○松永忠二君 高速道路関係の新聞等を見ますと、大体二〇%から三〇%の増加を見たのじゃないか、こういうように書かれているわけです。いまお話のあったのは、ややそれより低いようですけれども、外部ではそういうようなことを言っているわけなのです。同時にまた、何か料金の払い方について、国鉄バスとか、日本急行バス路線についてのトラック業者について、月末払いの定期割引制というようなものを実施した、これを含めてその他の同時に措置されたものは、どういうものがあるか。
  125. 富樫凱一

    参考人(富樫凱一君) 交通の、まあ利用の多い部分に対しましては、従来から後払い制度というものを設けておりまして、一々料金をもらいませんで、月間に通った回数だけあとでこちらから請求して払っていただく、こういう制度は従来からとっておったのであります。この分につきましては、大体二割程度料金を引いております。トラック料金の引き下げに伴って新たに講じた措置というものは、別にございません。
  126. 松永忠二

    ○松永忠二君 料金を引き下げたのは、特に名神高速道路のトラックについて予想を下回ったというようなことが一つの理由だと思うんですが、予想を下回ったということについては、一体どういう条件がそこにあるというふうに考えておられるか。
  127. 富樫凱一

    参考人(富樫凱一君) 高速道路のみならず、一般の有料道路に関しまして自動車の通行料金をきめるということは、第一に、そこにどのぐらいの交通が見込まれるかということが基本になるわけでございまして、その交通量の見方は、付近の道路の情勢、並びに一般に自動車の交通の増加の趨勢等を勘案して、各車種別に計算いたすわけでございますが、これは予測でございますので、ぴったりいくこともございますけれども、多かったり少なかったりすることが多いわけでございます。名神の場合でも、交通量がトラックに関しては予想を下回ったという結果になったわけでございますが、それらを勘案いたしまして、料金を下げたらもう少しトラックの交通が増すのではないかということから、料金を引き下げたわけでございます。名神の高速道路に関係のある他の道路、これらの道路との関連も考えましていろいろ計算いたしました結果、料金を下げたわけでありますが、この場合には大体予想に近い結果を見たというふうに考えておるわけでございます。
  128. 松永忠二

    ○松永忠二君 高速道路の利用のしかたといいますか、こういうことについて、料金体系というものを不変なものというようなふうに考えないで、特に有料道路については、三十年使用してあと地方やあるいは国へ払い下げをしてしまうということなんです。まあ、ある意味では、三十カ年使ってそれで投資をしたものを還元をするという措置がなされたあとに、ある程度それを地方に払い下げるというか、地方に所有させるということがあるわけです。この問題についてはもっと料金を下げるというふうな、そしてまた高速道路を有効に使うという意味から、一体、ただ三十年たって払い下げてしまうというのがいいのかどうか。あるいはもっと別の措置を考えれば、初めから高速道路自身の料金というふうなものについて、もっと弾力性を持って考えていける素地が出てくるのではないか。そういう関連で話がいろいろ出てくる。たとえば、きょうのお話は別のものでありますけれども、東北の高速道路については、無料にしたらどうかという議論もあるということは聞いているわけなんですけれども、高速道路というものをすべて有料にして、そしてその投資をしたものが返ってくれば、あと下げるという考えのほかに、こうした料金制度の問題とからめて、高速道路の処置の問題について、やはりいまのやり方で非常にいいというふうに考えておられるのか、もっと方法を考えていかなきゃいけないものだというふうに考えられておるのか、この辺の公団というか、総裁の考え方はどんなふうですか。
  129. 富樫凱一

    参考人(富樫凱一君) お話しのように、高速道路が今後だんだん延びてまいりますと、料金の問題について相当検討しなければならぬ問題がたくさんあるわけであります。建設省ではいま大臣から道路審議会に諮問されまして、高速道路並びに一般有料道路も含めまして、料金体制はいかにあるべきかということが諮問されておるわけであります。東名高速道路が全通いたすまでには、結論が得られることと思っておりますが、私どもといたしましては、その結論に従いまして今後の料金体制を考えていきたいと思っております。
  130. 松永忠二

    ○松永忠二君 いま実施をしている高速道路なりあるいは有料道路の料金というような問題について、どんな問題点があり矛盾があるか、そういうふうな点はどういうふうに考えておられるのですか。
  131. 富樫凱一

    参考人(富樫凱一君) 有料道路は、御承知のように建設費その他の経費を、自動車の通行料金で払っていく、一定の期間内に払っていくという立て方でございます。  そこで、いろいろ高速道路なり有料道路建設してまいりますと、道路ごとに一々条件が違うわけでございます。有料道路の場合は各個所ごとでございますから、これは比較的処置しやすいわけでございますが、高速道路のように全国的に網が張られまして連続するというような場合には、これはかなり問題になってくるわけでございます。高速道路の中で建設費の高いものもありますれば、また高い割りに交通量が少ないというものも出てくるわけでございます。これらの料金体制をどうするか、これはたいへんな問題でございますが、先ほど申し上げましたように、ただい建設省でお取り上げいただいて、御審議いただいておる段階でございます。
  132. 松永忠二

    ○松永忠二君 道路局長に一つ。高速道路とバイパスの問題ですがね。バイパスも必要だ、高速道路も必要だ、そういうことで両方整備をするということが並行的にできれば、非常にけっこうだと私たちは思うんですよ。しかし、これは並行整備が行なわれない場合においては、たとえば高速道路について、あるいはもっと低いコストでインターチェンジをつくっていくとか、数も多くするとか、こういうことによって高速道路そのものをバイパス的な効果もおさめさせていくという、こういう整備のしかたというものは、現状の財源の中では考えていってもいい問題じゃないか。高速道路は高速道路、バイパスはバイパスというふうなことを考えるのでなくて、両方の機能というものを一つのもので持たせる中で順次整備をしていくという、こういう考え方もあると思うのですが、こういう考え方について、いやそんなことは要らないのであって、高速道路は高速道路、バイパスはバイパスなんだ、こういうふうにして並行して進めていくだけの自信とかそういうものがあるのか、それともこういうことについて、機能をやはり何か併用するような形をも考えていかなければできない段階もあるというふうに考えておるのか、この辺は一体道路局長はどういうふうに考えますか。
  133. 蓑輪健二郎

    政府委員簔輪健二郎君) 高速道路の問題につきましては、やはり日本の全国の幹線になるものが、自動車交通の幹線というものが、高速道路一つの網かと思います。しかしこれだけではやはり地区の交通の需要を全部満足させるものではございません。やはり高速道路とそれにつながる国道及び県道、市町村道一つの総合的な網があって、初めてその地区の交通需要に対応できるものだと思います。そういう意味でやはり高速道路は高速道路としての使命がございます。またバイパスはバイパスとして違った使命がございますので、両方とにかく必要かというふうに考えております。そういう意味で、東海道につきましても、東名高速道路のほかに、さらに地区間の交通の需要のためにバイパスが必要になってくるということで、両方やっておる次第でございます。しかし、いまの後段の御質問のように、高速道路とバイパスというものは、やはり全然別の種類のものだというようにはっきり分けられるものではないと思います。やはり高速道路の中のインターからインターまでについては、やはり短い距離であっても、これをバイパスと同じような形で車が利用するということもあり得ると思います。そういう意味でやはりいまの高速道路及びバイパスの問題につきましては、その地区の交通の状態が今後どうなるか、こういうことによって高速道路をつくり、それによって著しく現状の交通が緩和されるような場合は、バイパスがとりあえずは必要ないかと思いますが、東海道の場合のように、高速道路をやっても、これは相当遠距離の車が走るであろうし、また地区間の近距離の交通に対応するためのバイパスも必要になってくるというようなこともございますので、現在両方実施しておるような状況でございます。場所によりましては、あるいは高速道路をやれば、いまのバイパスは多少あとにしても交通の困難を避けられるという場所もあるかと思いますが、東海道についてはやはり両方が必要だということでやっておるような次第でございます。
  134. 松永忠二

    ○松永忠二君 大臣にひとつお伺いするんですが、地方の要望にこたえるために、たとえばインターにしても、インターを数多くつくっていく、そういう形の中で高速道路をバイパス的な機能を果たしながらやっていくということもあると思うんです。それから、いまお話しのように、高速道路とバイパスというものは、全然切り離して独自にそれぞれ整備をしていけばいいというような筋合いだけのものではないということを、局長も言っているわけです。まあわれわれから言うと、高速道路にしてもバイパスにしても、あるいは一般の国道にしても、結果的には道路資本を投資をして、それを最も有効に経済的に活用していくということだと思うんです。そのために高速道路、有料道路ができたり、一般国道ができたり、バイパスができたりなんかしていると思う。こういうふうな意味から言うと、少し前から問題になっている東名高速道路の吉原−静岡という距離は、非常に短距離である。十分な高速道路としての効果をあげるということは、まあ完成の暁にはそれはそういうことができるとしても、非常に短い距離の開通をされ、しかもそれがいま言うような非常にバイパス整備のおくれている現状から考えてみて、最も経済的に道路投資を活用するという意味でも、私はやはりこの際、東名高速道路のこの短距離のこのものについては、無料の開放をしていくということが、最も妥当な道路投資を生かす道だというふうに考えている。有料道路といえども、私は国民の経済的な投資として、道路投資を有効に使うという以外にはないと思う。いま一番有効に使う道は何なのかと言えば、私はいまバイパスの最も不備な時期であり、また完成の時期も非常におくれてくるという現段階に、これだけの障害を来たしているこの有料道路を、単に高速道路として使うということのほうが、むしろ道路投資としてのいわゆる経済的な最も最大な経済効果をあげる道ではないと思う、国として考えるならば。そういうこともあり、国としてこの際この問題について、やはりみんなが確かにあそこへああいう投資をしたことが非常に効果があるというふうに判断されるような措置をしていくことが必要だと思うのです。そういうこともあって、いろいろ関連した質問をしているわけでありますが、そういう点について、高速道路だからだめだという考え方はないと私たちは思うのです。そういう意味で、まあ大臣になおこうした問題と関連をして、最大な国民経済的な投資として道路投資を活用すると、こういう基本的な立場に立ってこの有料道路の無料化という、完成の時期まで短期間の間そういう措置を考えることも効果のあることだというふうに考えているけれども、こういう考え方は、やはりなんですか、独断的な地方的なセクト的なものの考え方か。やはりそういう考え方も検討に値するし、十分ひとつそういう基本線に立ってこの問題の解決をはかろうとされるのか。この点をひとつ大臣の答弁を伺いたいと思うのです。
  135. 保利茂

    国務大臣保利茂君) 先ほど来、御熱心にいまの吉原−静岡間の道路事情等についてつぶさにお話もありました。私どもの考え方も申し上げておったわけでございますけれども、やはりこの道路投資を行なっているということは、経済活動を促進して国力のいや増す充実をはかっていくというところに帰することだと思うのでございます。それぞれその道路需要の要請というものは非常に強い。したがって、いろいろなこのくふうを今日まで積み重ねていただいて、あるいは有料道路というような方式をも、それはそれのかなりの違った原資を用いて投資を行なわれてきている。一般道路と有料道路というものは、投資の原資から違う。しかし帰するところは、目的は同じことであるということは、もうお説のとおりだと思うわけであります。よく御趣旨はわかりますけれども、有料道路として投資をし、そして一部開通を供用に供しようというときに、今日までの事例としては、どうも無料でやったこともないし、また無料で開放するということは、どうも困難があり過ぎるのではないか。まあお話しのように、バイパスの代用でしばらくいけということに帰するわけでございましょうけれども、どうも無料にしてこれをバイパスの代用に供するということは、これはもうよく御案内のように、不可能なことであろうと思います。私もその不可能をあえてやってくれということは言い切れませんけれども、ただ、だんだんあの地区の事情は、るる御説明のように、よく事情はわかりますから、あの地区の開通の場合には、特段ひとつ考えるくふうは立たないかということを、もう少し検討させてもらいたいと、こう思います。
  136. 松永忠二

    ○松永忠二君 それでは、いま基本的に道路投資を最も経済的に生かすということのためにいろんな道路があるのだと、したがって高速道路として機能を十分発揮できない段階においては、バイパス的な機能を果たさせることが、経済効果を最も生むゆえんだということをわれわれ言っておるわけです。ただ大臣としては従来無料にしたことはないし、また有料で投資をしたところがどうだろうかというような、こういう懸念もあるのですね。しかし、これはまた新しい最も新規の仕事だけに、ここでその一つをやることによって、有料道路そのものの考え方だって、何しろ投資をしたものは返してもらわなければ困るのだ、それだけの料金はプールとして取らなければ困るのだ、それで取ってしまってから地方へ下げるのだという考え方をやっているわけだし、地方へそのまま下げるというのも、それだけの投資をしてあるのだから地元、いわゆる受益という意味で吸い上げる手だってほかに考えようがあるのじゃないか。また、そういう有料道路の考え方で、これからできる幹線高速道路をやっていけるという自信が、僻遠の地等で必要じゃないかということを考えて見ると、その一つの突破口として最も経済的効果をあげる形における道路投資に徹して、機能を発揮するまで別の機能をさせるということも、大きな立場からいって私は一つの展開だと思うのですよ。そういうふうな意味で、基本的な立場はやや同じくすることであるので、この線に基づいて最大の努力、従来になかったことも、ひとつ大臣の手で行なえるように、ぜひ格段な努力をお願いをしたいと思うのです。  最後にもう一つだけ、河川の問題について、先ほど治水計画をひとつ改めていきたい、それが新しいいわゆる水害に対処する道だということを大臣自身もおっしゃっていたし、将来もそういう考えで計画を改めていこうということ。そこで、もしこのままに計画を実行していくということになると、まあ当然被害が出ると考えられるような、予想できる被害がまた起こるのじゃないかという考え方がそこにあるわけです。人によると、戦後の新しい災害の地盤沈下であるとか、宅地造成だとか、ダム被害であるとか都市河川対策というものは、ある程度わかっていたのだ。わかっていたのだが、それに対する措置が十分なされないために、結果的にはその被害が起こったのであって、ほとんど戦後の新しい災害というものは予見できたんだけれども、それに手を打つということができなかったために、こういう結果になったというふうにもいわれているわけです。したがって、私たちはこういう措置が完全に行なわれないときには今後、つまり被害について、予想できる被害というか、そういう被害もあり得るのじゃないかというようなことを考えるわけなんですが、この点は河川局長は……、いや、いまの治水計画だっていいんだ、新しい、いわゆる新規に対応するものとしての措置が現在では不備なのか、そういう点について河川局長見解をひとつちょっとお伺いをしておきたい。
  137. 坂野重信

    政府委員(坂野重信君) 現行の一兆一千億の五カ年計画でございますが、これは実は五カ年計画を立てる前提といたしまして、昭和三十八年度に全国の各河川の水系ごとに全体的な計画を立てたわけでございます。そのときの作業は、国の直轄の地方建設事業、あるいは県のほうに作業のいろいろな考え方を流しまして、その結果、日本全国で九兆六千億の全体計画があれば、どうにか治水の完ぺきを期せられるであろうということで、その当時としては非常な膨大な数字でございましたその九兆六千億のうちの第一期といいますか、このうちの特に根幹的な重要なものからひとつ経済効果、あるいは地域の重要度というようなものを勘案いたしまして、そのうちの第一期として一兆一千億というものを取り上げたわけでございます。その当時の作業の段階を申し上げますと、実は一兆五千四百ということで、いろいろ建設省当局としては最初の原案が出たわけでございますけれども、財政のいろいろな事情で一兆一千億ということに最終的に落ちつきまして、閣議決定を見たわけでございます。その一兆一千億という現行の五カ年計画に沿いまして、もちろん先ほど申し上げましたように、一兆一千億全部やったからといって、完全に被害がなくなるというわけではございませんので、その当時の想定では、九兆六千億を実施すれば完全に水害もほとんどなくなる。それからいろいろな水不足も何とか対処できるということでおったわけでございます。そういうことで、一兆一千億というものはその当時の考え方でございまして、できるだけその一兆一千億の範囲内で現行の五カ年を一応三カ年経過したわけでございまして、その後先ほど大臣もおっしゃいましたように、いろいろ災害の状態というものが変貌してまいったわけでございます。特に気象学的にもいろいろ問題がございますけれども、雨の降り方が非常に最近は、台風によるものもございますけれども、どちらかというと、そういった不連続線の停滞による非常に局地的な、非常に狭い範囲に予想もできないような場所に、ぽつぽつと非常に瞬間雨量の大きなものが一度にどっと降ってくる。そういうようなことで、こういった気象的な条件もかなりこのごろは変化してきているということが推定されるわけでございます。それと非常に都市周辺、あるいは宅地化の推進というようなことで、人口の都市集中というような問題がございまして、そういった都市周辺が非常に開発されてきた。あるいは農村におきましては、農業構造改善事業というものが、農林省の施策によるものが非常に最近進んでまいりまして、そういうことでかんがい排水の事業が進んでまいります。そういうことによりまして、同じ雨が降っても、非常に水の出方が早くなってきた。もちろん非常に量が多くなってきた。そういうようなことと同時に、また流域が進んだために、同じ水が出てもその被害が大きくなったというような新しい事態が出てまいりました。それに、片や先ほど申し上げましたようなことで、気象的な関係で非常に時間的な雨量が多いために、鉄砲水といいますか、そういう土石流を伴ったものすごい洪水が一挙に出るというような、災害の実態が変貌してきているわけでございます。昭和三十八年度当時に策定いたしまして、すでに四年を経過して、五年目になっているわけでございます。そこで、そういった新しい事態に対処して、また、全体計画を練り直したわけでございます。その結果、昭和六十年度までに二十三兆が必要であろうという積算に相なったわけでございます。まことに膨大な数字でございます。六十年度ごろまでにその二十三兆ができ上がった暁においては、大体において全国的にほとんど水害の被害はなくなる。また水不足も解消できるという段階でございますが、なかなか二十三兆一挙にやるというわけにまいりませんので、これも現行の五カ年と同じように、その第一期の五カ年計画といたしまして、二兆四千億というものを組んだわけでございます。一応今後十カ年として八兆ぐらいやっていこう、そのうちのさらに前期の計画として二兆四千億ということで、これだけやっていきますと、完全に被害がないというわけではございませんが、大体全国の主要な河川あるいは根幹となるような地域、重要な河川については、まあ大体何といいますか、こういうおもなものについては被害が解消できるということで、まあ片や水資源の問題もございますので、そういった干ばつ等に対しても、相当これで水の補給の問題についても解決できるというわけで組んだわけでございます。そういう次第でございますので、二兆四千億というのは最小限度根幹的な事業をするための予算でございます。これをやったら完全に全国どこにも災害がなくなるというわけではございませんが、主要な部分はこれで相当な経済効果があがってくるという次第でございます。
  138. 松永忠二

    ○松永忠二君 最後に大臣一つ聞きますが、新規なものに対応する対策として、たとえば中部なんかでも流量改定しなければできない、それに応じていままでの改修の規模を拡大しなければできない川というのがたくさんあるわけです。木曾川なんかそうですね。あるいは流域の開発に即応する治水事業の再検討、下流を戦前規模で改修したが、すでに上流のほうで開発が進められて、戦前の下流の改修ではもう間に合わないというようなところも出ておるわけです。天龍川、安倍川なんかにもそういうところがあります。また内水対策を積極的にやってもらわなければ、結果的に治水の効果をあげないというのか——私の県なんかでは狩野川なんかもそうです、あるいはまた四十年以降の災害によって新規の事業を生じて、これをやっていかなければ治水、そういう面について不安だというのは天龍川の中流などにもある。みんな具体的にあるわけなんですね。それはもうお話しのように、経済的な進展に伴って出てきて、当然具体的に指摘をされるところであって、たとえば私のところで狩野川の台風があったときに、熊坂部落というのはほとんど全滅してしまった。ところが県の水防計画が三年間にわたってこれは危険な場所だということを指摘していたのに、住民も役場も何もそういうことについての認識もなければ対策もなかった。いまこれだけ具体的に一つ一つ河川についてここはこう、ここはこうというふうに出てきておることであるし、具体的にそれを投資することによっての経済的な効果も計上されていることであるしするので、私は、この問題は何か今度は新しい計画を認めないぞ、こういう機械的なものの考え方ではいかぬと思うんですよ。ちょうど行政改革が必要だからといって、各省一局ずつ減らすというような、そういう考え方がこういうものにも適用されたら、これはたいへんだと私たちは思う。現にこのままにしておけば、今度は災害がまた出てくるということが明らかになってきているものについて対処をしていかなければできないということは、これは当然な責任だと思うので、こういう認識もすでに建設大臣はお持ちなので先ほどの決意を表明されておると思うんですが、この点については、そういう単なる新しい計画をまたつくって、それでますます財政が硬直をしていくような、そんな形にはさせぬ、そういうような大蔵当局の考え方なんかには、全面的にひとつ対決してもらって、この新しい発足を見るように、最大の努力を要望するわけです。大臣の決意を聞いて、この質問を終わりたいと思います。
  139. 保利茂

    国務大臣保利茂君) 治水事業に対する深い御理解に対しまして、私は心から敬意を表します。全く仰せのとおりでございまして、戦後国の国土再建がはかられて、本格的な国土建設に取りかかりましてまだ日も浅いわけでございますけれども、それでも今日まで事業がはかどってまいっておりますことは、これはもう各方面の深い御理解のいたすところで、私としてはまことに感謝にたえないところであります。実際の事情は、私どもも地方の末端に出かけますからしばしば見ますし、また災害に直面して現地に出かけてまいりましても、国ないし地方公共団体、どこでもとにかく治水、利水のために投資をし、金をかけてきたところは、それだけの効果があがっておる。その効果たるや経済的にはたいへんな、ばく大な効果をもたらしているんじゃないか。それはお話しのように、しかし現状はどの水系もいまだ十分に完全なものになっていないということは、まことに遺憾なことなんであります。したがって、治水事業の促進ということは、国力の増進という上からいきましても、ゆるがせにできない、そういう観点から私も努力をいたしてまいりたい、かように考えておる次第であります。
  140. 村田秀三

    村田秀三君 私は前回の委員会に引き続きまして、東北縦貫道路の問題を質問いたしたいと思います。  特に去る十二月七日に当委員会の名において現地視察を実施していただいておるわけでございますので、私も地元の一人として地元参加の形で同行させていただいたわけであります。その実査に基づいた一つの見方、考え方、同行の委員の皆さんと打ち合わせをいたしまして意思統一をしたわけではございませんけれども、しかし、私は私なりの考え、ないしは同行の道々いろいろと他の委員の方の意見をお聞かせをいただきまして、それらのことも加えまして質問をいたしたいと思います。  まず、初めに、公団の総裁にお伺いをいたしますが、公団と県との間に締結をされました用地取得事務の委託に関する協定、この協定の締結経過、具体的に申し上げますと、これは公団のほうから、その協定をすることについて県に持ち込んだのか、ないしは県のほうで協定をしていただきたいということで、公団のほうに持ち込んだのか、そのことについてお伺いをいたしたいと思います。
  141. 富樫凱一

    参考人(富樫凱一君) 用地取得につきまして、県と委託契約をいたしておりますが、これは公団でお願いいたしまして、県に委託していただいたわけでございます。全般的に建設省の御指導で新規高速道路につきましては、関係のある県にすべて委託いたしておるわけでございます。
  142. 村田秀三

    村田秀三君 公団のほうでその協定を委託することについて、県に話を持ち出したということでありますが、建設省指導もあるということであれば、建設省の考え方も後ほどお伺いをいたしたいと思いますけれども、まあ私が聞いている限りでは、とにかく道路建設の促進ということで、早期建設の陳情運動というものが相当になされた。その話の中で、それではひとつ用地取得の事務を地元で担当していただけないかという話になって、そして公団のほうから協定締結の申し入れを受けてそれを受諾した、こういう形になっているということを聞いております。したがいまして、いま総裁に御答弁いただきました公団のほうから申し入れたことはそのとおりだと思いますけれども、私がお聞きいたしたいことは、前回の委員会で、とにかくこの協定をするということは初めてでございますという答弁もございました。してみますと、私が聞く限りにおきましては、この道路公団の事業も相当膨大になって、用地取得の事務はなかなか手が回らない。したがって、関係する県に用地取得の事務を委託するという言い方は聞いておりますけれども、しかしながら、私ども常識的に考えてみますと、この用地取得が一番やはり困難な問題ではないかと思われるわけです。したがって、用地取得の困難な事務を、いわゆる促進運動にかけて、それを奇貨としてといいますか、いわゆるその県に押しかぶせたという経過ではなかろうかと疑ってもみるわけでありますが、その点についてはいかがでございますか。
  143. 富樫凱一

    参考人(富樫凱一君) 新しい高速道路千十キロの施行命令を昨年受けました。用地取得が一番大きな問題になったわけでございます。公団としてそれだけの用地職員を準備する期間もございませんし、かたがた県には用地に関する熟練者が多いようでございます。そこで、県のほうで委託していただけるならお願いしょうということでお話をしたわけでございますが、大半の県には快くお引き受けいただいたのでございます。もうすでに関係県は全国で十九県になりますが、ほとんど委託契約を終わっております。
  144. 村田秀三

    村田秀三君 ただいまの答弁だけでは、私も了解できないわけですが、要は、用地取得の事務が一番道路建設の中で困難であるから、困難なものを、いわゆる促進運動をよいことにして、それを県に押しかぶせたのではないか、こういう質問をしているわけでありますから、いやそんなことはありませんということであれば、それでよろしゅうございます。
  145. 富樫凱一

    参考人(富樫凱一君) 快くお引き受けいただいたということを申し上げたわけでございまするので、こちらから押しつけたということはございません。
  146. 村田秀三

    村田秀三君 私は私なりに、現地のこれはある責任者の一人から聞いてきた話でありますが、とにかく確かに用地事務を県が担当することは困難である。あるけれども、しかし建設促進を希望する限りは、いわゆる公団の言うことに対しても、協力的態度を示さざるを得なかった、これは非公式な発言ではありますけれども、そういうことばも聞いておるわけであります。このあたりが私は、これからいろいろと論議をする過程の中で一番重要になってくるのではないかと思いますが、少なくとも表面的には、確かに現段階では協力的態度なることだけは間違いないと思いますが、しかし、その心の中には終始、いまもってやはりそういうものを持っておられるということを承知して、今後の運営に当たる必要があるのではないか、こう申し上げておきたいと思います。  二番目の問題でありますが、話は具体的になるわけでありますが、その協定、私も見せていただきまして承知をいたしております。そこで、この実際の作業の手順でありますが、いま福島県で問題になっておりますのは、立ち入り測量の問題であります。したがいまして、それに関連するわけですが、測量はこれは公団の仕事である、立ち入りしてもよろしいかどうかの地権者の了承は、これが県側が協定に基づいて行なうんであると、こう明確に区分をされておるということを聞いておりますが、そのように理解をしてよろしゅうございますか。
  147. 富樫凱一

    参考人(富樫凱一君) これは各県みな一様ではございませんが、福島県につきましては、そのようにいたしたわけでございます。
  148. 村田秀三

    村田秀三君 そこで現地を私ども見せていただきました。たまさか測量隊が地権者側と接触をいたしております時期に、私どもは参ったわけでありますけれども、この地権者側は、いわゆる測量を県がやるのか公団がやるのかよく承知をしておらないという傾向もあるわけであります。そうしてまた県側に聞きますというと、まあそういう協定はあるけれども、これはやはり協力をいたさないわけにはいきませんから、一緒にやっておりますというような答弁なんかも出てきております。それでまた前回の委員会におきましては、いわゆる県側のほうが早く測量を進めてもらいたいという意見を申してきているものだからというような答弁もなされておるわけでありますが、この協定をもとにして私が考えまするには、いわゆる現地に地権者と話し合いをする、測量をすぐにするというようなこん然一体の行動がなされておるけれども、公団としてはいわゆる立ち入り測量をしてもよろしいような態勢をとるのは県側の責任である。何ほど県から測量を早くしてもらいたいと言っても、いわゆるトラブルを起こさせたくない、強制にわたるような行動をとりたくないという公団の気持ちであるとするならば、県側が早く条件整備するのが先決ではないか、こういうき然たる態度をとれないのか、どうか。つまり現地に起きておりますところのいわゆる公団と県とのこん然一体な測量せんがための行動になった、さように私も考えてきたわけでありますが、その辺の考え方についてひとつお伺いしたいと思います。
  149. 富樫凱一

    説明員(富樫凱一君) 協定には、先ほど申しましたような協定をいたしておるわけでございますが、これはあくまで公団の事業でございます。ただ公団としては、それだけの時間がありませんので、県にお願いいたしておるわけでございます。県と公団とが協定をいたしました以上、一身同体で事に当たろうということで、公団も協定にはいろいろ分けておりますが、全体についてこん然一体、協力してやる態勢をとっているわけでございます。
  150. 村田秀三

    村田秀三君 一身同体でやるという、何かしら現地のそれぞれの担当者の気持ちとしては私はわかりますが、しかしながら事協定の中にも明文がございますし、それぞれ責任区分を明らかにしておるわけでありますね。あくまでも公団が測量をするためには、強制にわたる測量はいたしたくないし、しかもまた現地におけるトラブルを起こしたくないというお気持ちであるならば、一身同体で地権者をいじめるというようなことではなくて、少なくとも立ち入り測量をしてもよろしいという地権者の了解を得る点の作業の促進を、むしろ公団はき然としてこれは県に話をするのが、私は筋ではないかと思います。と同時に、また、その際、私はいわゆるこの協定の全文について承知をしておらなかったのでありますが、これだけの区分があるとするならば、県がみずからの責任を放棄してとは、私は言いませんけれども、完全なる態勢が整わないにもかかわらず、公団に早く測量してくれというのも、またこれはどうかと実は考えるわけでありますから、その辺のいわゆる責任の所在を明らかにして、そうしてこれからの業務を進めていただきたい、かように思いますが、いかがお考えでありますか。
  151. 富樫凱一

    参考人(富樫凱一君) 公団といたしましては、これも期間の限られた仕事でありますし、できるだけ早く実施いたしたい考えでございます。そういう意味からいろいろ県とも折衝いたしておるわけでございますが、できるだけ早くこれの測量を実施して用地買収の事務に取りかかりたい、こういう考えから、県のほうにもそういうお願いをして、一緒に作業をしておるわけでございます。画然と区別して、県が立ち入り測量できるような状態にしてもらいたい、そうなったら公団が入ろう、こういうわけにもいかぬかと思います。やはり一緒になってやらなければなりませんし、また大かたの地権者の方々が御賛成であるならば、少数の反対者がおりましても、これは測量というものを強力に実施しなければならぬ、こう考えておるわけでございまして、県とその間に意思の疎通を欠く、あるいはそごがあるというふうには考えておりません。
  152. 村田秀三

    村田秀三君 私は、あくまでもその責任の所在を明らかにして、そうして業務区分を守ってほしいということは、作業を進めるにおいて必要だから私は申し上げておると、私自身は思っております。というのは、これは例としてはあまりにも大き過ぎるかもしれませんけれども、まあ今日の日本にはありませんけれども、経済外交の背景には、これは武力が必要なんだなどというようなものの言い方がされるわけでありますが、ひとつ、公団が現地に行って測量の態勢をとっておることは、地権者の側から見れば、これはいまにもやられるのではないかという不安を持っておるということですよ。そうした背景と状況の中で、はたして地権者がすなおな気持ちで、これは県の折衝を受けることができるかどうかということを、ひとつ考えてほしいと思うのですよ。これは心理の問題ですよ。私はこん然一体で早くしなければならぬという気持ちはわかるけれども、そこを無理して話がついたら直ちにやりましょうというような、そういう進め方が無理があると、逆にいわゆるこれを促進どころか遅滞させている大きな原因になっているということを、現地の情勢をつぶさに見て感じているから、私は業務区分は明確にしなさいということを言っおるわけですよ。——うなずいたようでありますから、そのように理解したことを私は承知をいたしますが、さらにいま大方の地権者が賛成をすれば、というようなお話がございました。この間の委員会では八九%賛成をしておりますということでありますから、私それを聞いてみました。どのようにして調査したのかと、いろいろとその地権者の側に聞きもいたしましたけれども、むしろその衝に当たっている方に聞きましたところが、これは別に判こをとったわけでも何でもありません。たとえば地権者の方が説明会に全部出てきた。一人が二人発言して反対の意思を述べたようだけれども、他の方々は何も言わないと、何も言わないということは、これは消極的賛成であると、この消極的賛成、あるいはまあ個別に聞き取り調査をしたということであります。この聞き取り調査の中でいま福島県議会では思想調査を行なったのではないかというようなことで、大きな問題になっているようでありますけれども、その問題は私はきょうは触れません。触れませんが、これは農民というのは純朴ですよね。特に東北なんかはこれは純朴ですよ、看板に掲げているわけですから。そうして直接来られて、ひとつお願いしますよと言われたときに、びたっと答えられる人は、これは少ないですよ、実は腹の中では反対をしておっても。みんながよければよいというような言い方を、話のテクニックの中でさせられたとすれば、これまた賛成というとり方をしておるとすれば、八九%どころか一〇〇%近い私は賛成者が出てくると思うのです。そういうまさに現実にそぐわないような調査の中から、いわゆる八九%である、九〇%をこえるならば、これは強硬にやってもよろしいのだなどというような判断をされたのでは、これは大きな迷惑じゃないかと私は思うのですよ。その辺をひとつ御理解をいただきたいのです。答弁は要りません。先ほどうなずいたことだけは私承知をしておきます。  二番目の問題でございますが、この協定の第五条の2、いわゆる「損失補償金額」云々という問題でありますが、まあ言ってみれば、一応の基準はあろうかと思いますが、基準でものごとが解決されるとは考えておらないと思います。県が直接地権者と話し合いをするわけでありますが、まあ一々公団と最終的には協議をして同意を得なければ、これは用地の買収というものはきまらないのだということに理解されるわけでありますが、これは実際の運用をやってみないとよくわかりませんが、しかし、ある程度の、これだけの用地取得事務を県に委託するとするならば、補償、買収の価格等についても、現地の実情に合わせるような幅を持たせることが、やはりその事務をスムーズに行なわせるもとではないかと思いますが、その点はいかがでしょうか。
  153. 富樫凱一

    参考人(富樫凱一君) 協定には、公団と県との間で基準を公団が示して、その基準によって県が買収するということになっておりますが、これはあくまで公団の責任でございまして、買収価格等につきましては、公団に協議を願って、その合意の上実施することにいたしております。
  154. 村田秀三

    村田秀三君 この要綱なるものを私見ておるわけでありません。また基準も見ておるわけでありませんから、この条文だけで私が即断をしておるかもしれませんが、とにかく、県が用地取得の事務をとるわけですね。まあ売ってほしいという交渉をするわけですよ。そのときに売ってくれという方が値段をきめる権利を持っていないとすれば、相手は信用しませんよ、これは大体。これはまあ土地ブローカーのやり方と同じになるでしょうがね、結果的には。私はこれは答弁要りませんが、そういう実情も考慮しながら——いわゆる東北は取りわけ後進地帯といわれております。この路線決定等にも農地が非常に安いということが、いろいろと影響をしていると私は思っておりますけれども、いずれにいたしましても後進地帯であって、値段が安い。値段が安いということを前提として、たたけばたたけるなどというような考え方に立って、いわゆるこの作業を進めてもらいたくないということを申し添えておきたいと思います。  次は、私これは意見に近いことを申し上げるわけでありますが、この協定が大げさに言えば、地方行政を破壊していると思っております。今回の調査に参りまして、地権者からいろいろなことを聞いて、なおさらそのことを痛感しておるわけでありますが、もちろん、この協定の運用よろしければ、むしろ好ましき行政であったということになるかもしれませんが、まあそのよいような見方は私も聞いてきました。県がなぜこの協定を締結したかという県側の答弁は、公団の皆さんが知らない土地に来ると、これはトラブルが生じやすい。また関連する事業もいずれ県が計画をなくしてはならないのであるから、むしろ県がタッチしたほうがスムーズにいく。地権者のある人もそれを認めております。地権者からも聞いてみました。公団の人と折衝するよりも、確かに県の人と折衝したほうが私はやりやすい、こういう言い方をした地権者もおりました。しかし、現実に起きている混乱を見た場合には、前回も私申し上げましたが、とにかく地図の上に線を引いてきまったのだから売ってくれよ、だめだと言っても、あとに土地収用法が控えているのだ——あとは何もない、これではおこるのはあたりまえじゃないかというような路線そのものよりも、そのしかたを非常に憤慨して、いわゆる反対をしておるというような地権者も中にはおりました。そうしますとこの協定の運用というものは、まことに困った状態になって運用されておると言わざるを得ない。そして結果的にはどうかというと、これはもう地権者は、県は何もやってくれないという怨嗟の声に変わっている、県政に対する不信感ができておる、大げさな言い方をするかもしれません。そしてまた、私とともに同行いたしました諸先生の中でも これでは一体弱い地権者の味方をだれがするのかということをはっきり言っている委員の方もおりました。これは以内の方ではありません。そう考えていきますと、いわゆる協定を結んだ、しかし、その運用のいかんによっては、地方自治を実際は破壊をしているという現実を考えるならば、その運用についてもあやまちのないように運営をすべく、これは省も指導し、もちろん公団もさような配慮をすべきであろうと、私は痛感をしてきたわけでありますが、その点に対するお考えはどうでございますか。これは公団と建設大臣にお伺いしたいところでありますが、大臣新任でありますから、前回の委員会の経過はご存じありません。かわりまして、道路局長から答弁いただいてもけっこうであります。
  155. 富樫凱一

    参考人(富樫凱一君) ただいま先生の申されたこと、この協定の運営のよろしきを得なければかえって害があるということでございますが、これはまさにそのとおりでございます。先般の委員会でも申し上げたわけでございますが、地図の上に線を引っぱって、それを買収するのだという考え方を持っておられるとすれば、こちらの説明が足らないのでありますから、これは十分注意をいたしまして、説明するようにいたしますというお答えをいたしたわけでございます。その考えは変わっておりませんし、この協定の運営には、十分慎重に注意してやるつもりでございます。
  156. 蓑輪健二郎

    政府委員簔輪健二郎君) ただいま公団の総裁の申しましたとおり私も単に調査をいたしまして、これでルートがきまったのだからということでは、なかなか地権者の納得が得られないかと思います。われわれも再三言っておりますように、このルートの決定までには、非常に長い時間をかけてやってきた次第でございます。その間にいろいろ比較線をとりまして、いまのルートになりますまでには、いろいろ県の知事さんの意見も聞き、地元の町長さんの意見も聞き、いろいろその意見がいれられる範囲内にはできるだけこれをいれて、最終のルートをきめたのが、現在の発表したルートでございまして、もう初めから、だれの言うことも聞かずに、ただ地権側に公団がぽんと出して、これでもうあとおれがきめたんだから土地を売れというようなことでは、やはり地権者の了解はなかなか得られないと思います。やはり私いま言いましたように、その過程はいろいろ知事さんの要望もあり、その他の方の要望もあって、それを考えて最終的にきめた、そういう過程について、この線が一番いいというような結論を得ました過程について、地元の地権者の側ともっとよく話し合っていけば、理解が得られるのではないかというふうに考えております。
  157. 村田秀三

    村田秀三君 問題を移しますが、もちろんそれと関連をするわけでありますけれども、よく話し合ってといいますが、話し合う材料がないのですよ、これは。この前の委員会でも私触れましたが、営農計画というのは、十一月十日に県が出したのですね。具体的なものがあるのだと言いましたが、その具体的なものを教えてもらいたいという私要望をいたしましたが、まだ届いておりません、その内容が。これは協定が先行して、用地取得事務だけ先へ行っているわけですから、この前も申し上げたとおりですね。そして話をする材料がないのですから、説得されようがないのですよ、これは。そこにやはり作業の手順に、私が問題があったと前回指摘しましたのは、そのことだと思うのです。何もないのです。したがいまして、それと関連をいたしまして、この前も、私施行令の第五条に、これに問題があるんじゃないかというようなことを言いましたが、私意見を申し上げまして、御意見を聞きたいと思いますが、何もないからいわゆる売っていいか悪いかの判断がつかないわけですね。おれのうちはつぶれるんだけれども、これを新しくどこそこに土地を見つけて建ててくれるんだろうか。それじゃ全額出してくれるんだろうか、あるいは半額出してくれるんだろうか、そんなことは全然わかりません。かえ地の心配をしますと言ってみても、これはいまさら会津のほうにかえ地もらったってしかたがないのですから、地元の人は、付近一帯見回わせば、耕地になるかどうかという判断はつく。かえ地を心配しますよと言っても、これはありっこないのだということを、これは地権者は判断をいたします。具体的なものがないのですから。だからこれは、まあ公共のためだからひとつ協力しようかというような気持ちがあっても、はて待てよ、もっと話が具体的にならなければ、うかつには返事できない、こういう気持ちになるのは当然だと思いますか、そう思うでしょう。——うなずいておられたから私はそうだと思いますけれども、(笑声)これはきわめて常識的なことですよね。それをもって私あとで言質とったなんて言いませんから……。  そういう話はともかくといたしまして、結局施行令の五条を見ると、国が責任を持つような言い方をされているわけです。しかし結果的には、用地完了の事務が終わって、用地を提供するという契約が終了して六カ月以内に、いわゆる関連する知事を通じて国に進達をしなさい。その内容はかくかくしかじかということで、いわゆる内容はりっぱなことが書いてあるわけです。「職業の紹介、指導又は訓練に関すること。」「宅地、開発して農地とすることが適当な土地その他の土地の取得に関すること。」「住宅、店舗その他の建築物の取得に関すること。」そのほかに項目がございますけれども、これをひとつやらなければならないときまったときには、建設省や関連する各省庁は、可能な限り予算を出してあげなさいということを書いてあるわけですね。道路建設で迷惑をこうむったものを助けてやろうというのは、ここだけですよ。国の問題といたしましては、せめてこれは確かに提供したものに対して措置はするけれども、土地を提供するものは、その前にしようかしまいか考えるわけですね。させたいと思うならば、しょうと思う人、したくないと思う人でも、いわゆる土地を提供するというふうに思わせなければならないわけでしょう。その場合安心を与えなければならないですね。これは当然その作業が、いわゆる仮定の話であってもいいから明らかにして、かくかくしかじかの措置は、当然国の責任なり県の責任でするのですよということを前面に出して、そうしてやらなければならないのじゃないか、こう思います。したがって、この施行令の第五条というのは、これをどう修正するかという点については非常にむずかしい問題であろうと思いますけれども、少なくともこれは建設省なりの行政措置の中で、それくらいの配慮があって私は当然ではなかろうかと思います。お考えはどうでございましょうか。これは建設大臣にお伺いしたいと思います。
  158. 蓑輪健二郎

    政府委員簔輪健二郎君) 国土開発幹線自動車道建設法の施行令の第五条に生活の再建、または環境整備のための措置ということがございます。で、実はいま先生もおっしゃいましたように、やはりわれわれのほうが長くかかって調査したルートでございますが、いざこれは地権者にとってみると、まあこの話を聞いたのは最近でしかないわけでありますけれども、土地を取られたあとどうするかという危惧はだれでも持つと思います。実けそういう点について、じゃ第五条にありますような生活再建の方法として、じゃ家をどうしてくれるんだと、たんぼもなくなったあとの営農の問題をどうしてくれるのかと、そういうものについて、これはやはり県も入って十分話をしてもらうことが必要ではないかと思います。そういう意味で用地の買収、先ほどからお話がありましたように、県に委託するということについて非常に疑問があろうかと思いますが、実はやはり普通の道路と違いまして、かなり広い面積をとる幹線自動車道でございますから、これはやはりそういう農地の問題、かえ地の問題、生活再建のいろいろなこまかい問題になりますと、やはり県が入っていただいたほうが、非常にそういう点が手が打ちやすいということもございまして、私のほうでは全国的な幹線自動車道の用地については、関係の県に用地の買収をお願いしておる次第でございます。実はやはりこの第五条に掲げておりますようなこういう問題が、地権者の一人々々とよく話をして、それなら将来のためにわれわれがこうしようという納得を得られる形に持っていくのが、一番最善ではないかというふうに考えております。
  159. 村田秀三

    村田秀三君 その最善の姿をこれはやるとかやらないとかというようなことは、ことばではいろいろ言いますが、いま何の規範もないと思うのですよ。あればひとつお伺いしたいと思いますが、建設省令であるとか建設省通達であるとか、そういうものがないわけですね。だから現場の実情に合わせてうまくやれよということは言えるかもしれないけれども、やらなくてもよろしい、やってもよろしいというかっこうになっておるわけでありますけれども、責任がないわけです、公団の側には、あるいは県の側にも。したがいまして、そうではなくていわゆるこの道路建設法、計画法だというようなことは聞いておりますけれども、施行令にそこまで親切に書いてあるわけですから、それは確かに措置をするのは、売ってくれた者に対して措置をすることはさまっておりますよ。しかし売ってもらわなくちゃならないということは、売る人があるからこれは売ってもらうわけですから、だとすれば売りたいという気にならせなければいけない。その気を起こさせるためには、不安を除去して将来の生活が保障されるようにしてやらなければならない。その措置を具体的に出して、そうしてやはり道路建設を並行的に——これは道路ばかりではないと思いますが、そういう何かいわゆる建設省としての措置、つまり規範をおつくりになるようなことを、ひとつお考えいただけないかという問題です。まあ、検討してみますでもけっこうでございます。
  160. 蓑輪健二郎

    政府委員簔輪健二郎君) その点につきましては、現在いろいろいままでの道路の用地の買収でいろいろとられた措置もございます。また、それ以外の新しい問題になりますれば、やはりそういうものを保障できるかできないかということになりますれば、これは私のほうが率先して関係の方とも打ち合わせて、できるだけ地元の地権者の皆さんが生活に不安を感じないようなことを検討していかなければならないというふうに考えております。
  161. 村田秀三

    村田秀三君 その問題は突然出しました問題ですから、局長一存でそのものずばりお答えできないと思いますので、これをいずれかの機会にまたひとつやってみたいと思います。  もう一点ですが、いまの問題と関連をいたしまして、県の負担が非常にこれは増大するのではないかと思います。この前の局長の御答弁によりまして、関連する公共物件の国道であればこれは建設省、県道であれば県、そうして、それぞれ改修工事をするようなかっこうの中で予算措置がとられていますということ、それは私も了解しました。それ以外のいわゆる道路に関連する農用地の土地改良であるとかという問題、地元からもいろいろと希望が出されているやに私も聞いてきました。それを全部県負担でやろうというお話なんですね。そうしますと超過負担、これは非常に地方財政を圧迫するということで、毎年のようにこれは地方自治体からいわゆる超過負担の解消ということで、意見が出されてきておると思います。県負担でもってすべての農用地をやろうとするならば、これは膨大な金がかかる。しかもそこに県費を集中するために、それ以外の地域のいわゆる開発なり、農地の改良というものができがたくなるという実情も出てくると私は思うのですね。そうしますと、それを放置していていいのかどうかということなんですね。道路建設に県が協力するということは、これまたしごく当然であります。しかし、その協力の度合いというものは、県民を犠牲にしてやってよろしいということにはならないと思うのですね。したがって、いわゆるそれに関連する事業、県の計画が明らかになった段階において、いわゆる国として、建設省ならば建設省、農林省ならば農林省が完全とは言い得えないまでも、相当の補助をしてやるというふうな、そういうお考えがあるかないか、これは一つ大臣のほうから聞きたいと思います。
  162. 保利茂

    国務大臣保利茂君) 道路、この縦貫の大事業でございますが、やはりその地域地域、本土縦貫によって益するところは、これはまあ関連の地域全体の利益のために、また開発のために行なわれるわけでありますから、したがって、これだけすべて何か全部犠牲を払っていくという考えは、私はとらない。やはり将来の開発発展というその県民の福祉を向上していくための大きな基幹的な貢献をする、したがって、まあ地元の御協力をいただかなければできるわけのものではないと思う。だんだんお話を伺っておりますが、ごもっともでございますけれども、同時にまた地元——私はけさ冒頭にも申し上げましたように、建設業の基本としては、基本的な考えとして、国民の側がやはりすなおに受け入れていただくような気持ちでないというと、なかなかこの大事業ははかどらないのじゃないか。じゃ、はかどらないで国益というか、国力の充実をはかっていかれるかというと、それができない。国力の充実、地域住民の福祉をあげていくためには、みんなが総がかりでやっていかなければならぬじゃないかという気持ちで、その中で国として考えなければならないことについては、これはもう十分の手を尽くしていかなければならぬ。ただいまだんだん御指摘のようなことにつきましても、国としてできるだけのことはしなければならないと思いますし、またそういうことのためには検討もいたしてみますけれども、同時に、ひとつ地元の積極的な、こうやることによって、この地域がよくなってくるのだという積極的なやはり意欲と協力をいただかなければ、私はこの大きな仕事の達成ということが容易でないというように感ずるわけでございまして、その辺はもう申し上げるまでもございません。だんだん御心配いただいておりますが、どうかそういうふうな点で、国としては、またいろいろ建設省だけでなしに、それに関連することも多いようでございますから、十分検討さしていただいて、なすべきことはこれはもう率先してやらなければならない、こういうふうに考えております。
  163. 村田秀三

    村田秀三君 大臣の御答弁の中で、検討するということばもありますから、そのことばの端々にも私は意見がありますが、この際は差し控えまして、ただ一点申し上げてみたいことは、国民がすなおに協力をする態勢をつくる、これはまことに大事なことであろうと私も思います。そのためには、これはすべて押しつけではいけないのでありまして、そうではなくて、地元の意見というものもよく参酌しながら、了解ができる素材というものを常に投げかけてやらなければ、これはすなおな国民というのは、またその協力も得られないと私は思います。さような立場におきまして、本問題に限らず、すべての問題について対処をしていただきたいことを申し添えまして、大臣予算委員会のほうにおいでだそうでございますからどうもありがとうございました。  次に問題を移しますが、これは道路局長に、まあ質問というよりもまあむしろお礼みたいなかっこうになるわけでありますが、去る十五日でありますか、まあ地権者代表の方が対案なるものをお届けいしまして、前回の経緯もありますので、たいへん私は感謝を申し上げるわけでありますが、私考えるのに、その対案の検討をお願いはしたものの、検討のしかたといいますか、ひとつ希望を申し上げておきたいと思います。きょうは二十日でございますから六日目ですか、日曜をはさんで四、五日のところでこの検討ができたなどとは、建設省はよもや言うまいとは思いますが、少なくともまあ私どもが、建設省が検討をして理解してくれと言われるものの中で、この点はどうしても突っ込んでいきますよというような問題、そのことが明らかにならないと理解できないのじゃないかという問題が私はあると思います。  これは二点私はしぼって申し上げます。その他いろいろあると思いますが、二点申し上げてみたいと思いますが、これは図上計算では説明したって、これはだれも了解しないだろうということですね。少なくともやはりどのような形でなされようとも、実査をしたということが、地権者の目に見えるというような条件の中でなければ、これは了解ができないのではないかということが一点。  二点目の問題といたしましては、これはやはり地価です。東北の後進性と関係してくるわけでありますけれども、いままでいろいろと現行路線を確定する経緯について伺いましたが、さまざまあります理由の中で重要だと思われるもの二つ申し上げますならば、いわゆる高速性の問題、スピードの問題ですね。それともう一つは、道路建設そのものの経済性が言われていたと思います。だから、道路建設の経済性をかりに語るとするならば、いわゆるまあ事業費の中で用地費は幾ら見ているかというこの前の質問に対して、やはり一割じゃないかというようなことも言われておりましたけれども、その一割、額が幾らになるのか私は存じませんけれども、用地買収費並びに補償費が幾らになっているかということを明らかにされない限りは、いわゆるどこへどう路線をつけかえましょうとも、検討の素材としては当然あるべきであって、それがない限りは、おそらく了解できないものであるだろうということを申し上げて、この二点についてはひとつ誠意をもって検討くださるということでもございますので、ひとつこのように御措置を願いたいということを申し上げたいと思います。これは私の希望、お願いでございまいます。  最後に私は申し上げて終わりたいと思うのですが、おしかりにならないでひとつ問いていただきたいと思います。まあ私自身のことでありまして、こういう席上申し上げるのはいかがと思いますが、いま反対していても、これは落成式にはみんな小旗を持って迎えてくれると、こういう話をちらっと聞いたことがあるわけですね。だから苦労してその建設の衝に当たる当事者の方々の気持ちというのは、まあ私らでもそうです、何か一つ自分で快哉を叫べるような何かのことを完了した際には、まあちょっとそこらで一ぱい引っかけていこうかというような感じになるわけでありますから、いわゆる落成式に出るという、その気持ちというのもは、自分の仕事がここに成就したということで、しかもみんなが喜んでくれるということですね。全くいわゆる建設の衝に当った技術者であるとか、その他の方々のこれは生きがいを感じる一事でもあろうと私は思います。がしかし、一面考えてみますと、なにいま反対していたって、どうせあとでは喜ぶのだというような気持ちかあるとすれば、この道路はおれらがお前らにつくってやるのだ、こういうようないわゆる態度も、その中からは見えるのじゃないかということを私は心配しておるのです。したがいまして、別にこの問題に対して御答弁はいただきませんけれども、少なくとも道路をつくるということは、法律に基づいてその目的が明らかになっておるわけであるし、しかも、これは国民全体の利益のために建設するのだというそういうやはりつまり精神をお忘れにならないようにして、この作業を円滑にしたならば進めることができるかということを御配慮をいただきたいことを、最後にお願い申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
  164. 蓑輪健二郎

    政府委員簔輪健二郎君) ただいま御要望の点二点ございまして、これにつきましては、お答えいたします。  先週地権者から別のルートを提示を受けまして、それについて私もちょっとそのとき問題点は話しましたが、よくまた調査するということにした次第でございます。実はさっそく道路公団にも命じまして、この調査、いわゆる概査でございますが、をやらしております。また道路局の高速国道課長をさっそく現地に派遣いたしまして、提案になりましたルートを踏査さしたわけでございます。非常にこれはまだ工費そ他については、いろいろまだ精査をしなければ、正確な点がわからないかと思いますが、一つの問題は、やはりこの提案されましたルートは、これは郡山の大槻から本宮の矢沢、大玉の坂下、二本松の岳温泉を通りまして福島の土湯温泉の東側に出るようなルートでございます。この中で、やはりその当時もちょっと申し上げましたけれども、一番問題になるのは、やはり矢沢から岳温泉を越えて福島の盆地に入るところかと思います。これにつきましては、いろいろ図上でやってみますと、岳温泉が大体標高七百メーターくらいのところでございまして、これが福島の盆地になりますと、標高百メーターぐらいまで下がるわけでございます。この間がなかなか高速道路としての勾配がとりにくいということでございます。また土湯街道で一応道路を取りつけることにつきましては、岳温泉から土湯街道までが約四キロございまして、標高差が三百五十メーターございます。こういうところでは、とても普通の道路では九%以上の勾配にもなるし、またこれをトンネルで抜くということになると、十キロから十一キロくらいのトンネルになるおそれもございまして、非常にそういう点か問題かと思います。また利用度効果から見ますと、二本松及び福島の西のインターチェンジにつきましては、これは非常に地形が急峻で、ほとんどインターチェンジがつくれなくなる。こうなりますと、利用の交通量はほとんど半減してくるというようなこともございまして、なお、この点につきましては、よく現地で公団その他から地権者のほうには説明させたいと思います。現在のところ非常にせっかくの御提案の線を踏査いたしてみると、ちょっとこれでは高速道路にはたりかねるというような感じでございます。  次に、高速道路建設のための経済性に伴いまして、その建設費の中で補償費、用地費が幾ら占めておるかということでございますが、これにつきましては、やはり用地の単価その他については、われわれが一応の基準で全体の工事費を積算しておるのでございますが、これはやはり地元との折衝もあることだし、なかなかこれで用地費もうちのほうがきめたから、これ以上は絶対出せないというようなことでもないと思います。この建設費の中には、そのほかに予備費というものも計上しておりますので、なかなかそういう意味で建設喪の中の補償費が幾らか、そのほかの工事費が幾らかということは、一応うちの積算としてはございますが、こういう積算で地元に押しつける考えはもちろんございません。この点につきましては、よく地元とも用地の単価はどのくらいが妥当かということにつきましては、十分地元との話し合いによって、よくわれわれのほうが積算をさらにふやし得るものは、十分検討していきたいというふうに考えておる次第でございます。
  165. 藤田進

    委員長藤田進君) この際私からも要望しておきますが、間々一たん線形をきめると、これを変更することに非常にやぶさかで、いろいろの意見が出ても、これに対しては否定する。たとえば路線変更とか——それにきゅうきゅうとしているという感が非常に強いです。私が今度福島地域を幸いにして見る機会を得たわけですが、私は根本的に言って間違っていると思うんです。その第一は、この国土開発幹線道路というものは、一体その立法なり発想なりというものが何であったかということが忘れられてしまっている。なぜならばこれは四号線のバイパス、四号線と全く近いところを並行しているんですね。ほとんどそう。しかるにいまのここ数年見ても、ぼくは一号線なり二号線あるいは四号線でも、宇都宮から東京ですね、こういうものに比べた場合には、はたして四号線のバイパス的幹線道路というものをいま着工しなきゃならない事態になっているか。これは四号線のバイパスの——いまのいわれる高速道なるものは、これは東北自体をどうするのか、つまりいずれ東北は後進地域というか、要するに人口がどうしてみたところで西に、東京はじめ西に吸収されていって、漸次東北はさびれいくんだ、したがってこれ以上の交通量というものは、ある程度あるけれども、しかし都市の新しい開発とかそういう問題ではないんだ、既成都市に対する交通量を消化すればいいんだというまず第一観念があると思う。それと同時に、将来の交通量がそれほど累増しないという考え方から、工費をもう徹底的に、これをキロ当たりの建設費を下げていかなきゃならぬ。だから四号線のバイパス的にしないと、その取りつけ道路との関係ということ、それから若干の西に路線を変更すれば、これは工費が若干かかる。そういうことよりも、いまの四号線に並行してつけておかないと、償却自身もむずかしいだろう、将来、先行きそれほど東北は開発されないといういわば経済情勢等からきている。中国縦貫道路は一体どうなんです。この考え方を持ってくれば、第二山陽道というか、これを持ってこなけりゃこれは理屈合いませんよ。中国山脈の途中でキロ当たり十一億ではどうだろうかというようなところへ、島根県、鳥取県、岡山県、広島県の大体南寄りのまん中ぐらい持っていこう、これで整備計画その他も発表したでしょう。開発ということを将来考えての幹線道路という立法の精神をそのまま具現するとすれば、これはもう少し考え方を変えなきゃならぬ。いやそうではないんだ、いずれそれほどの発展はないんだから東北は。バイパス的なもので特別に工費をかけないということであれば、それほどこれ急ぐ必要ないです。四号線の交通量というものは、他の路線に比べてそんなに急ぐ状態じゃないです、いま。やはり東北のそういう後進性というものを開発していく、人口の流動、移動というものをできるだけ東北に食いとめていこうという将来性とビジョンを持てばこそ、幹線開発道路というものが必要であった。平面線形を見ますと全く蛇行しているでしょう。ちょっとした小高い山があればすぐ迂回してしまっているでしょう、見てごらんなさい。しかるに一帯の地域というものは、おおむね粘土質で岩盤らしきものはないんですから、もっとすかっとしたものを縦貫道路だからつくればいいのに、バイパス道路の観念が相当入っているです。こういうことを私は基本的に考え直していかなければ、幹線開発道路としては全く後世に問題を残すような気がする。私はそういう意味で、地域人たちは、地権者もさることながら心ある者は、それでいいかどうかについて検討をし、意見を持つ者は当然だろうと思うのです。そういう意味で出身国会議員の皆さんにも賛否があるということは承っておりますが、とにかくほかがやれば乗りおくれてはならぬ、この際やはり幹線道路をつけなければならぬというような、そういうさもしい根性じゃなくて、東北の開発を考えるべきだと思うので、たまたまいま問題も起きている路線変更等も、真剣に基本的に考え直す必要があると思うのです。それは償却についてしからば日本道路公団が、国鉄も同様ですが、独立採算制的な料金なりなんなりでなくても、その辺はまた根本的に考え直せばいいです、料金について。路線別でなくて、総括的な原価についてこれを償却するとか、これが政治だと思うので、真剣にひとつ検討して、説得力のある現在の既定計画の路線がいいのだというものがありませんと、地権者といえど了解がむずかしいと私は思うのです。そういう印象を受けてきた。北のほうはろくろく検討もしないでいまのバイパス的な四号線に並行したものを開発する。これはおそらくこの国会でも全国各地からの代表意見を求めておるわけです。与野党を問わず、ああいう道路ならバイパスでおやりなさい、それしかない、それらを緊措急置として一号線なり二号線なりこれの改修を急ぐ以外にない。日本の虚業、輸送、経済の今日、ただ東北に予算を持っていけばいいのだ、そういうことは日本の政治にならない。やるならば東北開発に役立つ、そんなに単価とか金のことばかり言わないで、すかっとしたものをやらなければならないと思いますので、口先だけでなしに真剣に検討してもらう必要があります。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  166. 藤田進

    委員長藤田進君) 速記をつけて。  他に御発言もなければ、本件に関する質疑は、この程度にとどめます。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  167. 藤田進

    委員長藤田進君) 速記をつけて。  請願第四一一号特別不動藤鑑定士及び同鑑定士補試験の特例に関する請願外六十一件を一括して議題といたします。専門員より説明を聴取いたします。
  168. 中島博

    ○専門員(中島博君) 特別不動産鑑定士及び同鑑定士補試験の特例に関する請願、、五件ございます。次は、東京外郭環状高速道路建設反対に関する請願、二十八件ございます。次は、研究学園都市への移転機関名をきめた閣議了解白紙撤回に関する請願。次に、道路整備事業財源等に関する請願。五番目といたしまして、新橋駅西口前整備事業に対し「公共施設整備に関連する市街地の改造に関する法律」による補償基準改正等に関する請願。六番目といたしまして、埼玉深谷深谷バイパス早期着工に関する請願。最後の七番目に、国が行なう公共事業の直轄、直営化等に関する請願。  以上でございます。件数は多うございますが、内容的には七件でございます。
  169. 藤田進

    委員長藤田進君) それではおはかりいたします。  以上七件でございますが、お手元の資料による一、道路整備事業財源等に関する請願(一件)、二番目の、埼玉深谷深谷バイパス早期着工に関する請願(三件)、三番目の、東京外郭環状高速道路建設反対に関する請願(二十八件)  以上、大きく分けて三つございますが、これらを議院の会議に付するを要するものにして、内閣に送付するを要するものと決定することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  170. 藤田進

    委員長藤田進君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  次に、お手元の資料の四ですね、新橋駅西口前整備事業に対し「公共施設整備に関連する市街地の改造に関する法律」による補償基準改正等に関する請願(一件)、続いて五番目の、特別不動産鑑定士及び同鑑定士補試験の特例に関する請願(五件)、六番目の、研究学園都市への移転機関名をきめた閣議了解白紙撤回に関する請願(二十三件)、七器用の、国が行なう公共事業の直轄、直営化等に関する請願(一件)、これらを保留とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  171. 藤田進

    委員長藤田進君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  172. 藤田進

    委員長藤田進君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  173. 藤田進

    委員長藤田進君) 継続審査要求についておはかりいたします。  都市開発法案につきましては、閉会中もなお審査を継続することとし、本院規則第五十三条により、本案の継続審査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  174. 藤田進

    委員長藤田進君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  175. 藤田進

    委員長藤田進君) 御異議ないと認めさよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。午後三時二分散会      —————・—————