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灘尾国務大臣 私は、現在の日本の行政と申しますか、あるいは
文部省の行政において、文化行政と称せられるものが非常におくれておると思うのであります。したがって、文化行政を今後拡充し、強化していくということが、われわれの今後の
努力すべき分野ではないかと、かように
考えておる次第であります。いま具体的にどのように企画し、どのような規模でやるかというようなことを申し上げるところまで実はまだ至っておらないと思います。文化局を設けましたのも、結局そういう
方向に向かって今後文部行政を進めていくというつもりで特別な局を設けたということでございますので、今後ともにそういう
方向で
努力をするということを申し上げる程度で、きょうのところは実はお許しをいただきたいと思うのであります。的確なこうする、ああするというような具体的な施策をこれから
検討してつくっていかなければならぬのが、残念ながら今日の文部行政じゃないか、かように私は
考えておる次第であります。さよう御了承を願いたいと思うのであります。
なお、文化行政と教育との分離というようなことは、これはあってはならないことだと思うのであります。今回
考えております、いずれ御審議を願うことになるかと思うのでございますが、
文化財保護委員会と文化局の統合ということを
考えましたのも、直接の近い理由といたしましては、佐藤内閣の一局削減ということによって起こったわけでございます。私は、かつて
文部省におったこともございますし、その当時から、現在の行政
委員会的な外局である
文化財保護委員会というものを、もっといわば文部本省の仕事に近づけていかなくちゃならぬのじゃないか、そうして、そのほうが文化行政を進める上から申しましても、都合がよろしいのじゃないかというような
考え方をいたしておったのでございますが、私からいえば、幸い今度の一局削減にあたりまして、前
大臣が、従来の行政
委員会的外局である
文化財保護委員会と文化局を一緒にいたしまして、外局として責任ある長官のもとに行政を進めていくというほうが仕事の拡充、整備をはかっていく上におきましてももっと強力に進むことができる、こういう期待を実は持っておるわけであります。現状におきましては、いまあるものを合わせたということにとどまることになるかもしれませんけれ
ども、いわば文化行政を一元化する、そういう姿勢のもとに今後足を進めてまいりたい、かような
考えをいたしておるわけでございます。教育との分離というふうなことについては、そうあってはならないことであります。極力そのようなことにならぬように注意してまいりたいと思っております。