○畑
委員 それが非常におそいのです。この前私が質問したのが八月何日かですよ。それで、しかも代理人の拒否がいけないのだということでの裁判所への提訴がなされて、ずいぶんあとになって、いまになってそういうことでは非常に困る。たいしたことはないのだ、これはすぐにでもできるのだから、早く規定の改正をおたくのほうでは認可をしなければならない。日自振のほうは大体持ってくるのがおそい。また、私が質問するということを聞いたものだから、それで急いでやったに違いない。それであなたのほうはきのうあたり出したらしい。そんなことではいけない。ひとつあなたのほうでもそういう
法律違反の規定は早く除かなければならない。こういうようにしなければ、当事者に対して非常に不利益になる。こういうことをひとつ十分に
考えてもらいたいと思います。
それから、いろいろ審議会の審議書等もようやく出したそうでありますが、これは、当然審議書なんというものは処分の告知と同時に本人に見せるべきだ。ようやくにして出したそうだが、その点が非常に具体性が欠けておる。そういう点を、それだけの論拠があるならば、堂々ともっとはっきり具体的に述べるべきだ、かように思う。大体この事件というのは思わせぶりのことを日自振が言って、じわじわといやがらせをして、そうしてそうやっておれば自然とやめるだろう、そういうところに追い込んでいくという非常にきたない官僚的なやり方がもとになっておると思う。しかも日自振の言っておることによると、ほとんど根拠がない。暴力団との
関係があったとか、ほとんどうわさにすぎない。それを私が二、三、これがいかにいいかげんかということを立証してあげるからよく聞いておいてください。それでひとつあなたのほうでも、当局のほうでも日自振に厳重に——ほんとうはここへ呼び出してやりたいのだけれども、てんつけ呼び出してはというような
理事の話もありましたから、
手続としてあなたのほうに言った。この次あるいは呼び出すようになるかもしらぬが、ひとつよく聞いてあれしてもらいたいと思う。
それというのは、
一つの問題としては、いまごろになって日自振が興信所を使って、鳥山厳也という選手は一体どんな男か、暴力団と
関係があったかどうか、こういうことをあっちこっちで聞いておるのです。日自振に頼まれたとは言いませんけれども、鳥山厳也選手はいまあるところへ就職を
申し出ておる、それで、ついては身元
調査をしたい、こういうような名目で来ておる。しかもその
調査項目の中に、明らかに暴力団と
関係があるかどうかということが非常に重点になっている。これは日自振以外にだれも
調査する人はありませんよ。日自振がやったに違いない。その
調査に来た人も大体わかっています。どういう人が来たかということもわかっております。それで、これは高倉という選手のところにも来ております。この人は選手会の会長かなんかをやっておる。それから武笠商店というところにも来ておる。これは九月になってからで、九月二十五日、二十二日、二十二日、原田公子、野澤功、こういう四人のところに人事興信所の山本敏幸という人が行っている。あれは
相当信用があるところですね。山本敏幸という人、こっちに名刺があります。そういう名刺を持って訪ねてきておる。こういうことからすると、いまになってもっと早く
調査をして——こういうことをやって悪いとは私は申しませんよ。だからこれは早くやるべきだ。いまになってこうやるのはおかしいじゃないか。何も根拠がないのに処分しておいて、それで裁判になったら不服申し立てがあったからというので、それでいまごろになってこんなインチキな手を使って——インチキでもないかもしれないけれども、名誉に関することをやっておる。こういうことはもう日自振がやっている以外に
考えられないと思うのです。ひとつよく日自振に反省を促すよう、当局はよく肝に銘じて伝えてもらいたい。事実はみんなこっちにありますから。これは非常に大きな問題だと思う。人権問題ですよ。早くのうちに調べるなら悪いとは言いませんよ。いま問題になって、訴訟になってばたばたして、それで何とかかんとかやるのは私はけしからぬと思う。こういう態度は官僚的だと思う。
それから、その次にもう
一つ大きな事実を申し上げます。それというのは、実は無実の罪を何として晴らそうかということで、鳥山君や赤岡君は給料はちっとももらえず、それでほかのところにも就職しないで、そうしてずっといままで無実の罪を晴らすためにやっておるのです。そうしているうちに鳥山選手のところに松本政子という女の人が訪ねてきたことがある。どうもそれと何か
関係があるのかと思って鳥山選手に会ってみたところが、鳥山選手だと思っていたのが、ほんとうに自分の
関係のある鳥山だと思って会ってみたら、何ぞ知らぬ、全然人違いだということがわかった。それでそれが何かに
関係がある、こういうふうでいろいろの手を使ってさがしておった。ところがある日、読売新聞に出ておったのですね。京都で競輪選手の名をかたって何名かが共謀して、そうして八百長をやるからということで、善良な人をだましたということでつかまって、約三千万ぐらいもうすでにわかったということがある。全部では一億円ぐらいに達するであろう、こういう新聞記事が載っておるのです。これを実はこの鳥山選手なとが一これは写しですが、「八百長仕組むと詐欺、四百万円投資の主婦も」、この「投資の主婦も」というのがおそらく松本政子に違いない。そうして実はこれを見てヒントを得て——これは京都の府警でつかまえたから、府警三課、これに代理人の弁護士の方が電話して照会した。この新聞の中にはその鳥山を偽わったというのが書いてない、ほかの人の選手のことを書いてある。名前を偽った。だけれども、これにヒントを得て電話をかけた。そうして鳥山という名を偽ったのがいるかと言った。そうしたら、この三人の人物の中にはいないけれども、そのほかにもう一組ある、それは鳥山だと偽って八百長を仕組もうとして金を
云々したというのがいるということがわかった。さらに続いて現地に弁護士が行きまして、府警の岸田警部とも会いました。それから尾本常夫巡査部長、担当した人とも会いました。その結果の
調査書が私のところに届いておりますけれども、この点はきのうも、私、警察庁のほうに連絡いたしておきましたから、調べておいてくれただろうと思います。あとでこのとおりかどうかということを返事してもらいますが、それによりますと、ちょうどそれが裏書きされておるわけです。そのうちのものを読みますと、「右被疑者のうち、木下、吉永昭憲、吉永総明及び鵜川芳雄の四名が共謀のうえ、昭和四〇年三月一〇日大阪市住吉」
云々の池内という者から「「八百長をやるから」といって金七五萬円を詐取した際、鵜川芳雄が「自分は鳥山厳也選手だ」と称して登場している。」こう当局の人は言っております。「また、右被疑者のうち、吉永昭憲、鵜川芳雄及び野津博久の三名が共謀のうえ昭和四一年六月四日京都市」のあるところの呉服商の宮崎さんという人から「金三〇萬円を詐取した際、鵜川芳雄が「自分は鳥山厳也選手だ」と称して登場し、他の者が「今休んでいる男だが」とこれを
紹介している。」なるほど勾留されてしまっているのだから、休んでおるのです。
さらにいま言った、実際に
調査に行きましたところで、係の尾本さんという巡査部長が語ったところによりますと、「鳥山厳也選手の名を使っていた被疑者鵜川芳雄に女性が関与していないかとのお尋ねですが、一人被害者がおります。その女性の名前は松本政子、年令は三九才、」
云々ということになっておりまして、その人はいま行方不明だそうです。非常にどうしようもなくて、子供も食えない。コッペパンに水をくっつけて食べておる状況で、警察でも非常に同情して、何とか松本政子という人が出てこないかと思っているそうですが、出てこない。その松本政子さんという人が鳥山選手を訪ねてきて、鳥山違いだということでびっくりした、こういうことがいま事件の真相です。
それから同時に、一緒になりすました男、共謀した男にも警察の好意で会わせてもらいました。その一人の松原英次という者が語ったところによりますと、「私は、偽の鳥山厳也選手らと組んで詐欺を働いていた「コーチ屋」です。」コーチ屋というのがあるそうです。例の登録されていないもぐりの予想屋、これをコーチ屋というのだそうです。それでいろいろ語っておりますが、その最後のほうに、「「黒い噂」は、暴力団の錦政会の山川という人が種を蒔いたものだと思います。山川という人は自転車競技法違反容疑で追われて今逃げていると思います。」
云々、こういうふうになっておる。これがちょうど同じ錦政会の山川と
関係があったのだということで、また訴訟上の日自振側の
一つの主張になっておる。こういうことで、暴力団とのつながり
云々といううわさを日自振が信用して、それで鳥山けしからんということになったのではないか、かように思われる。
さらに弁護士は起訴状まで調べてきました。その被告は五、六人いますが、共同被告で鵜川芳雄が登場してきております。その起訴状によりますと、「被告人吉永昭憲、同鵜川芳雄、同野津博久の三名は共謀の上、昭和四一年六月四日ころ京都市」
云々において、「宮崎秀雄に対し真実被告人鵜川芳雄が鳥山厳と称する競輪選手でなく、又被告人野津博久が野村博と称する八百長競輪の買収を依頼する客でもなく、更に競輪選手を買収して八百長競輪を行う意思がないのにこれあるように装い」
云々、こういうふうな起訴状までが
調査済みであります。こういうことからいたしまして、先ほど申し上げましたようなことがうわさをもとにしてやられたのではないか、かように疑われるところであります。その点できのう
調査を頼んでおいたのですが、警察庁のほう
調査はできましたか。あまり時間がありませんから、これに符合するかどうか、それだけ答えてもらえばよろしい。