○菅川
説明員 お答え申し上げます。
先ほどお話し申し上げましたように、
治療費等に対する保険の限度額は現在五十万円でございまして、それから
後遺症のほうは、三百万円から十一万円までの範囲で支払われておるわけでございます。それで
傷害治療のほうの
治療関係の五十万円につきましては、本年八月死亡の限度額を引き上げます際にも検討がなされたわけでございますが、
傷害による
治療費等の強制保険に対する請求関係の大半が五十万円の限度内でカバーされておるという実情でございましたので、
傷害関係の五十万円の引き上げはいたさなかったような次第でございます。ただ、御
承知のように、死亡関係のほうは、これは
一般的な国民的な要望もございましたし、百五十万円から三百万円に死亡の場合引き上げたわけですが、
後遺症については、その死亡の場合の最高限度の三百万円とこれに匹敵するものとして、第一級として従来百五十万円であったのをやはり三百万円に引き上げたような次第でございます。
それで、先ほどお話ししましたように、
傷害による
治療関係の保険金の五十万円につきましては、実態的なデータからもそういう実情でございますので、ちょっとこれを引き上げるということにはいろいろ問題があろうかと思いますが、
後遺症関係の三百万円から十一万円という範囲内においても、実情に応じた等級表の改定等はすべきであろう、こういうことで、たとえば先ほどいろいろ神経
症状の点で申し上げましたが、現在
後遺症については一級で、先ほど代表例として「半身不随となったもの」が三百万ということでございますが、そのほか第七級には「神経系統の機能に著しい障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの」、これが七級でございまして、百二十五万円になっております。それから、その次が第十二級でございまして、「局部に頑固な神経
症状を残すもの」、これが三十一万円であります。また、表としては一番下の十四級が「局部に神経
症状を残すもの」十一万円。それで、ここら辺の各等級区分を見ますと、七級の百二十五万円から十二級の三十一万円までかなり格差がございますので、この中間は神経系統の機能に障害があって労務が相当に制限されるというような
一つの中間等級を持ったらというような検討も現在いたしております。そういう意味で、この三百万の限度自体を引き上げることについては、今後いろいろ検討が必要であろうかと思いますが、その範囲内においても、実情に合ったような改定については、これを心がけたい。ただ、これはこういう
病気の問題でかなり医学的な、専門的な検討を必要とすることでございますので、労災関係とか、その方面でのいろいろな
専門家による御検討の結果を待って実情に合わせて改定について措置したい、そういうことで考えておる次第でございます。