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1967-12-15 第57回国会 衆議院 議院運営委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年十二月十五日(金曜日)    午後一時五分開議  出席委員    委員長 坪川 信三君    理事 塚原 俊郎君 理事 伊能繁次郎君    理事 渡海元三郎君 理事 竹下  登君    理事 田中 六助君 理事 安宅 常彦君    理事 勝澤 芳雄君 理事 池田 禎治君    理事 正木 良明君       小渕 恵三君    坂本三十次君       竹内 黎一君    西岡 武夫君       武藤 嘉文君    山村新治郎君       春日 一幸君  出席政府委員         内閣法制局長官 高辻 正巳君  委員外出席者         議     長 石井光次郎君         副  議  長 小平 久雄君         議     員 林  百郎君         事 務 総 長 知野 虎雄君     ————————————— 十二月十四日  委員中谷鉄也辞任につき、その補欠として高  田富之君が議長指名委員に選任された。 同日  委員高田富之辞任につき、その補欠として中  谷鉄也君が議長指名委員に選任された。 同月十五日  委員永江一夫辞任につき、その補欠として春  日一幸君が議長指名委員に選任された。 同日  委員春日一幸辞任につき、その補欠として麻  生良方君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  国家公務員任命につき同意を求めるの件  本日の本会議議事等に関する件  内閣法制局長官発言に関する件      ————◇—————
  2. 坪川信三

    坪川委員長 これより会議を開きます。  まず、日本銀行政策委員会委員任命につき同意を求めるの件についてでありますが、同委員に、大久保太三郎君を任命するについて、内閣から本院の同意を求めてまいっております。  本件は、これに同意を与えることとし、本日の本会議において議題とするに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 坪川信三

    坪川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。     —————————————
  4. 坪川信三

    坪川委員長 次に、本日、予算委員会審査を終了する予定の昭和四十二年度一般会計補正予算昭和四十二年度特別会計補正予算及び昭和四十二年度政府関係機関補正予算、また、大蔵委員会審査を終了した取引所税法の一部を改正する法律案について、委員長から緊急上程の申し出があります。  右各案件は、本日の本会議緊急上程するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 坪川信三

    坪川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。     —————————————
  6. 坪川信三

    坪川委員長 次に、ただいま緊急上程するに決しました補正予算三件に対し、自由民主党の正示啓次郎君、日本社会党西宮弘君、民主社会党塚本三郎君及び公明党広沢直樹君から討論の通告があります。  討論時間は、おのおの十五分以内とするに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 坪川信三

    坪川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。     —————————————
  8. 坪川信三

    坪川委員長 次に、本日の本会議議事の順序について、事務総長説明を求めます。
  9. 知野虎雄

    知野事務総長 最初に、日本銀行政策委員会委員任命につき同意を求めるの件を議題といたします。日本共産党反対でございまして、起立をもって採決いたします。次に、ただいま緊急上程をすることにきまりました予算三件を一括議題といたしまして、植木予算委員長から委員長報告があります。討論の順番は、まず、日本社会党西宮弘さん、次に、賛成の自由民主党の正示啓次郎さん、三番目は、民主社会党塚本三郎さん、四番目は、公明党広沢直樹さんが行ないます。採決は起立でございまして、日本社会党民主社会党公明党日本共産党反対でございます。次いで、大蔵委員会から上がりました取引所税法の一部を改正する法律案は、大蔵金子理事委員長報告をいたしまして、日本共産党が棄権でございます。  以上でございます。
  10. 坪川信三

    坪川委員長 それでは、本会議は、予算委員会散会後、午後五時ごろをめどに各党に連絡の上、開会することといたします。     —————————————
  11. 坪川信三

    坪川委員長 次に、次回の本会議の件についてでありますが、次回の本会議は、来たる十九日火曜日午後二時から開会することといたします。  また、次回の委員会は、同日午前十一時理事会、午後一時から委員会を開会いたします。  なお、図書館運営小委員会は、来たる十九日午前十時三十分より開会することになっておりますので、御了承願います。     —————————————
  12. 坪川信三

    坪川委員長 この際、高辻内閣法制局長官が出席しております。  池田禎治君から発言を求められております。これを許します。池田禎治君。
  13. 池田禎治

    池田(禎)委員 法制局長官にちょっとお尋ねいたします。  去る十二日の本院予算委員会におきまして、わが党の春日一幸君が総括質問佐藤総理大臣質問を行なった際、その総理大臣答弁を補足し、説明し、あるいはまた、その真意はここにあるというようなことを、あなたが記者会見において述べられておるわけであります。どういう意味でそういうようなことをおっしゃったか、その趣旨なりその御意見なりをひとつお伺いいたしたい、かように思います。
  14. 高辻正巳

    高辻政府委員 高辻でございます。  先般の予算委員会春日先生からも実はその点の御指摘とおしかりがございました。私、たいへん恐縮に存じておりますが、ただいまお尋ねをいただきました機会は、私にとってたいへんしあわせな機会でございます。その状況を申し上げたいと思います。  実は、春日先生から御質疑がありました当日のことでございますが、いつもあります内閣官房長官記者会見というのがございまして、その記者会見いろいろ話が出たようでございます。その際に、春日先生からのお尋ねに対する総理答弁趣旨はどういうことであるかという質問官房長官に対してあったようでございます。私は予算委員会におったのでございますが、秘書官が来られまして、実は制度上の問題になるのでひとつ来て話してくれという要請がございました。私、元来、記者会見なるものに実はあまりなれておりません。前任者の時代から法制局長官記者会見的なものがございましたけれども、私になりましてから、最初のうちはそれを踏襲せざるを得なかったのでございますが、どうも法制局長官記者会見するのはおかしいのじゃないかという気もいたしまして、皆さんの御了解を得て、やめることにいたしておりまして、近ごろはそれで記者人たちには御了解を得ておるわけでございますが、そのときはそういう状況で、実は私、取るものも取りあえず官房長官記者会見のところに参りまして、どういうことですかということでしたら、実はきょうの総理答弁趣旨はどういうことであったかというお尋ねがございました。むろん総理答弁でございますから、皆さんお聞きのとおりのことであって、私も聞いておった一人でございますので、それに付加することもむろんあり得べきことでもありませんし、それからまた、減らしてものを言うこともございません。ただ、質問がございましたので、私はそばにいた者として、聞いたところの印象はこうであるという話をいたしました。その記事が翌日の朝日の朝刊に出まして、私はほんとうにびっくりして、私自身記者会見をしたようなつもりでございませんで、何といいますか、かわりに説明をさせられたようなことでございますので、そういう意図はむろんございません。政治的にどうしようというような意図はむろんございません。しかし、中身は必ずしも正確とは言えないかもしれませんが、記事によりますと、「首相が「一般的なステータスとして話した」といっているのは、沖縄が返還されれば、日本憲法が適用されるとか、制度上あるいは法律上のステータス本土なみとなる、という意味だと思う。その場合、そのステータスの範囲内における政策的処理の問題、たとえば基地をどうするかといった問題は、その時考える、ということだろう」ということを、おまえが聞いた印象としてどうかということでございますから、実は何のよけいな考えもなしに、そのまま正直に申したわけでございます。それが翌日の新聞に出まして、たいへんおしかりを受けたわけでございますが、実はそういう状況でございます。  一応その経過と中身お話し申し上げて、できればお許しをいただきたいと思います。
  15. 池田禎治

    池田(禎)委員 容易ならぬことをいま承りましたね。あなたがこういう発言をしたその日に、官房長官は、議院運営委員会理事会に喚問されて、その前日行なわれた社会党成田知巳君の代表質問に対する総理答弁について官房長官のふえんしたところの、補足したところの言辞に対しまして鋭く追及されて、自今さようなことは国会を通じていたします、さような誓約をして帰っている。その席にまたあなたをお呼びになって、そういう真意を確かめるというようなことは二重にたいへんなことで、本院に対する重大な侮辱だと私は思います。しかも、あなたの言われておることは、ふえんだというが、総理大臣が大体本土並みと言ったことを、それをあなたが補足し、訂正し、あるいはその真意というものを解釈する、そういうことをあなたはできるんですか。
  16. 高辻正巳

    高辻政府委員 私は、総理予算委員会でおっしゃったことを変えるようなことができるはずはございません。これはむろんそんなことができるはずはございません。私が申し上げたのは、いまのような状況で呼ばれまして、そうして、御承知のとおり、新聞記者諸君も聞いておられる人が大部分でございましょうから、何も聞くことはないように私は思いますけれども、総理が言われた趣旨をどうおまえは思うのかということでございますので、実は私思ったとおりに申し上げたつもりでございます。何もそれに付加したつもりもございませんし、それから、その真意を曲げたというような気持ちはさらさらございません。いまでも実はそう思って、いま申し上げたとおりのふうに思っておるのでございますが、どうも先生のいまおっしゃるおしかりが、何か非常に私が政治的に曲げたりなにかしたような仰せでございますが、私は、皆さんがお聞きになったので、お聞きになったとおりにおとりになればいいのでありますけれども、おまえはどう思うかということでございましたので、思ったとおりに実はお話しをして、もしそれが皆さんお聞きになったのを曲解しておるとすれば、私の印象が間違っているということになるだけで、私は別に意図を持ってものを申したつもりは全然ございません。その点は少なくも御了承を願いたいと思います。
  17. 池田禎治

    池田(禎)委員 近来、官吏総理大臣以上の発言をしたり、一国の政府代表するようなことを言ったり、まるで本末転倒もはなはだしいことがひんぴんとして行なわれておる。現に本院では、駐米大使の下田君を喚問せよという動議すら出ておる。あなたがいかにふだんする意思はないと言っても、明確にこういうふうに出ておった場合はどうなるのですか。私は記者会見をやっていけないとは言わない。あなたが総理以上の権限を持つような、あるいはさような印象を与えるような、そういうこと自身が不謹慎至極であります。あなた自身はどういうふうにおとりになっておるか知りませんが、国会は、憲法の示すところによって、国権の最高機関であり、国の唯一の立法機関として国政審議に当たっておる。片々たる一法制局長官ごとき属僚がなまいき千万じゃありませんか。総理大臣意見をふえんするなど、あなた自身不謹慎じゃありませんか。予算委員会で取り上げたというが、予算委員会の取り上げ方も私は少しやわらか過ぎたくらいに思う。あなた方うぬぼれなさんな。この委員会はさようなものじゃございません。また、そういうふえんすることがあるならば、総理大臣をして翌日の予算委員会壁頭において弁明させることが国会に対する礼儀であります。自分真意がよく伝わらなかった、あるいは誤解を生んでおるのではないかという場合には、当該の責任者男頭委員会において訂正するなり補足するなりする言論の自由は許されておるのであります。喜んで野党といえどもこれを聞くわけであります。それを毎日のように代表質問が終わったあと——官房長官の場合なら、まだ、これは閣僚であり、これは緘して語らずというわけにはいかぬでしょうか、君らがそんなことに容喙するなんということは潜越至極で、国会を侮辱するものです。しかも、堂々と記事になっておる。国民はどういうふうに思うでしょう。ははあ、これは総理大臣自分じゃ言いにくかったから法制局長官をして語らせたんじゃないか、あるいは駐米大使をして言わせたんじゃないか、しきりに憶測が行なわれております。休会中ならいざ知らず、国会の論戦がいま総括質問の中において堂々と行なわれて、各党代表を立ててやっておるときに、総理大臣の言をふえんし、補足し、その真意は那辺にある、そんなことをあなた方が言うことは僭越至極であります。どう思いますか。
  18. 高辻正巳

    高辻政府委員 私は、結果として実はああいうことがなかったらほんとうによかったと思います。少なくもいま申し上げたように、官房長官記者会見のところに急に呼ばれまして、どういうことであったかおまえの印象を述べろと言われたために、私は、これはほんとうにすなおに私の印象を述べたつもりでございますけれども、そういうことがなければ私としてはたいへんしあわせだったと確かに思います。少なくも私は積極的に記者会見をして、そうして、総理意思を曲げて、それを一般に新聞紙上に載せて誤解を生ぜしめようというようなつもりは毛頭ないし、また、もし私の印象が間違っていると思えば、聞いた人はたくさんおられるわけでありますから、新聞記者諸君としては、その自分印象を書けばよかったのではないかと思います。少なくも先生が非常におしかりでございますように、私が何か政治的に動いて、先ほどちょっとお触れになりましたが、少なくも総理の意向を体してとか、あるいは官房長官の意を受けてとかいうようなことではなしに、この会見の席にいきなり行って、どうだったろうかと聞かれて、実は自分としてはこう思う、確かに「思う」と記事にも書いてございますが、わずか四、五分でございました。四、五分でまた予算委員会に戻っておったわけでございます。したがって、私としては非常におしかりを受けることが、日ごろ尊敬する春日先生のおことばでございますが、そのときに私の印象としては非常に一方的にしかられたような感じがしたことは事実でございます。しかし、いずれにいたしましても、そういうような状況でございますので、全く他意はございません。元来、記者会見というのは、率直にいって、どうもそういうふうにとられることが多いのじゃないかというふうな懸念も若干あるわけで、必ずしも自分が言ったのがそのまま出るとも限りませんし、注意はしておるつもりでございますが、そういう際でございましたので、それに免じてひとつ御了承願いたいと思います。
  19. 池田禎治

    池田(禎)委員 あなたは、いまの答弁の中で、一方的と言われるが、本委員会があなたに意見を聴取していることも一方的とおとりですか。
  20. 高辻正巳

    高辻政府委員 いや、それはそう申し上げておるのじゃなくて、いきなり十三日の日にああいう新聞記事が出れば、高辻政治的意図か何かあって、そうして記者会見をみずからやって、そこで大いに論じ立てたのじゃないかというふうに思われるのは、私は自然だと思います。したがって、あのままでおしかりを受けるのは、なるほどそういうこともあるかというふうに思いますが、私がやりました実際の動き及び私の気持らから申して、私の主観的な気持ちで、一方的にしかられたような気持ちがするということを、これまた、すなおに申し上げたつもりでございます。春日先生からあのときにああいうふうにたいへんおしかりを受けたそのことは、あらわれた筋からいえばごもっともだったと思います。
  21. 池田禎治

    池田(禎)委員 あなたのいまのことばの中にあることは、一方的だという気分がまだ抜け切れない。私のほうはそう思わない。あなたが、すなおだとか、ありのままだとか言っても、結果としては、こういうことになっておる。あなたが、善意でやったとか、悪意はなかったとかかりに言ったとしても、結果がさような結果でなければ、ただすべきものはただすのが当然の道であります。いわんや一国を代表する総理大臣答弁をふえんするがごときは厳重に慎みなさい。それをやるなら、国会において堂々と総理大臣をしてやらせなさい。あなたが発言を求めたければ、予算委員長発言を求めて堂々とおやりなさい。公式の場を抜けて、そういうわき道から一国の方針に対する訂正というか、補足というか、そういうことき印象を与えることは不届き千万である。あなたがそういう態度を依然としてお変えにならなければ、あなたは本院において、政府政府委員として本院に通行することを許可しておるが、それだって十分検討しなければならない。僣越至極なことであります。そのことを十分反省しなさい。私は、これは当然の権利としてあなたをただしておる。私は、一方的なこととは思っておりません。不謹慎きわまる属僚のやり方である。一党の総裁の、総理大臣の言説をふえんし、補足するがごときは、官房長官ですら厳重に注意を受けて、この場合は本院を通じてお答えいたしますと、はっきりお約束して帰っておる。法制局長官のあなただけがそんな異説を唱えるなんて、真意はここにある、悪意はなかったなんて、そんなことはこっけい千万であると私は思う。そう思いませんか。
  22. 高辻正巳

    高辻政府委員 私のことばが悪かった点はおわびを申し上げます。これまた、私がいまのような状況のもとに置かれてしかられた、その感じを、私の気持ちからいって、そういうふうに感じたと申し上げただけで、そのあらわれたところから、ああいうふうに春日先生がおっしゃったのはごもっともだと思っております。しかし、とにかく、こういうことで私が重ねておしかりを受けるということは、私としては十分に気をつけなければならない点があると思いますので、その点は十分に気をつけてまいりたいと思っております。
  23. 安宅常彦

    安宅委員 非常に重大な発言をここでもしておる。そうすると、いきさつは、官房長官新聞記者会見をされた際に新聞記者から聞かれて、自分がわからないことはあなたにやってもらったほうがいいと判断したのでしょう。それであなたが呼ばれて、そうしてあなたが行って答えた、言うならば、官房長官に頼まれた、そういうことですね、発言動機は。
  24. 高辻正巳

    高辻政府委員 ちょっといまおっしゃったことがよく……。
  25. 安宅常彦

    安宅委員 もう一回言いましょう。簡単に言いますならば、官房長官はその日に、もっと詳しく言えば、議運の理事会に呼ばれて、そういうことはいたしませんと約束をして行ったばかりなんですよ。その官房長官があなたを呼んで、記者会見の際に、自分は繰り返したくないか、わからなかったか、それは知らぬけれども、とにかくあなたを呼んで、あなたがその真意を聞かれて、あなたの感想はどうか、こういうふうに聞かれて、つまり、頼まれたということが、あなたが発言した動機になったということですれ。そういうことか、そういうことでないか、それさえ言ってもらえばいい。責めるのではない。
  26. 高辻正巳

    高辻政府委員 官房長官としては私と御一緒におられたわけですが、いろいろほかの閣僚お話しになっておられたこともありましょうし、また、そのくだりについての印象については、高辻から、制度上の問題でもあるし、聞くほうがよかろうということで、私をお呼びになったのだろうと思います。
  27. 安宅常彦

    安宅委員 法制上はこうなっておるということだったらまだよほどいいのですよ、あなたは法制局長官だから。官房長官のけしからぬという分は、あとでまたゆっくりやります、呼んだのは私どもですから。それは別ですが、法制上こうなっておるというならいいけれども、総理真意はこうだとか、いろんな総理発言の内容をそんたくした発言をしたということが新聞記事に載っておるし、あなたもいま言っておる。こういうことはたいへん悪いことだと思う。あなたが法制上の問題を聞かれたら、それは法制上こうなっておるということで答えるのは何も問題はない。そういうことを言うことがあたりまえだと考えておるから、自分は積極的に発言したのじゃないとか、何か新聞記者にひっかかったとかいうような発言をしておるが、ひっかかったとしても、常日ごろの心がまえの問題なんです。そういうことを言うべきか、言うべからざるかということについて、あなたが法制局長官として、官吏として、国家公務員として、はっきりそういう職分を心得ていないから、総理発言以上のことを言って、平気で、一方的にしかられたような気がいたしますというような無礼なことばが出てくるのです。ようございますか。そういうことは今後あなたは言わないということを、はっきりここで約束してもらわなければなりません。どうですか。
  28. 高辻正巳

    高辻政府委員 実は、その点は、一般的なステータスという問題にからんでの話だったと思います。したがって、そのステータスということから話が出ておるものですから、一種の制度論になりますので、私を呼ばれ、私に対して記者質問されたのだと思います。その点は、そういう関係から私が出されるようになったのだと思いますが、ともかく、こういう御心配をかけるようなことは、少なくも今後私やりたくありませんし、いたさないようにいたします。
  29. 安宅常彦

    安宅委員 あなた、よけいなことを言うな。制度上の問題、それにからんだ問題を含めてあなたは発言しておる。そういうことを今後やるかやらないかを聞いておるのです。御心配をかけるようななんて、何もそんな心配なんかしておらないよ。はっきりしなさい。
  30. 高辻正巳

    高辻政府委員 心配という点は取り消させていただきます。今後そういうことをするかしないか。これは新聞記者からいろいろ聞かれることがございますので、そういうときに話をしないわけにもまいらないと思いますが、こんなことがないようにはいたしたいと思います。
  31. 池田禎治

    池田(禎)委員 あなたがそういうことをおっしゃるなら、あなたの所見の中からひとつ食い違いがあるといけないから読んでみます。「佐藤首相は十二日の衆院予算委員会で、沖縄返還問題について「本土なみということが要望されることは当然だ」と答えたが、高辻法制局長官はこのあと記者会見首相真意説明し、これは「核つき返還」などと違ったいわゆる「本土なみ返還」を意味するものでなく「返還されるときの沖縄の基本的なステータス(地位)は本土なみだ」という当り前のことを指摘したに過ぎないと次のように述べた。」この談話が出ておる。これは首相答弁以上に越えておるじゃありませんか。そして、これを補足しておるじゃありませんか。さっき安宅君も言ったように、法制上についてあなたが意見を述べることは何ら差しつかえない。政治的な発言が多過ぎる。このことを指摘して本員は申し上げておる。あなたが法制局長官として、法制上のことを発言することにはだれも異議はありません。しかし、総理大臣真意を補足したり説明したり、あるいはそれに解釈を加えたり、そういうところがあなたが属僚の分を過ぎておるとわれわれは言わんとしておる。それの真意はどうだとか、何事ですか。しかも、官房長官ですら、そういうことは厳に今後慎みます、補足する場合、訂正する場合、ふえんする場合は、国会を通じましていたしましょうと、本委員会に約束してお帰りになった。あなたには一つもそういう反省の色がない。あたりまえのようなこと、それでよろしいのですか。それでよろしいなら、私はもうあなたを相手にしませんよ。
  32. 高辻正巳

    高辻政府委員 いまお述べになりましたあとで、私は、「首相が「一般的なステータスとして話した」といっているのは、沖縄が返還されれば、日本憲法が適用されるとか、制度上あるいは法律上のステータス本土なみになる、という意味だと思う。その場合、そのステータスの範囲内における政策的処理の問題は、その時考える、ということだろう。」という趣旨が私の申したところでございます。真意がこうだとかなんとかというようなことは、むろん私は申しておりません。しかし、その申したことが私の意図と必ずしも一致しないで、新聞紙上ににぎにぎしく高辻法制局長官記者会見というふうに出てまいりました。これでおしかりを受けた、このことにつきましては、今後そういうことがないように十分反省をいたしたいと思います。
  33. 勝澤芳雄

    勝澤委員 法制局長官内閣法制局の設置法を見てみますと、あなたが積極的に新聞記者会見をして意見を述べたりするという所管事項はないわけですから、いまそういうことをおやりにならずにいる。いまのお話ですと、官房長官に呼ばれて、そこでお話をした。それはあなたが内閣官房長官にお話をするのでしたら、この所掌事務の中で、「法律問題に関し内閣並びに内閣総理大臣及び各省大臣に対し意見を述べること。」ができるということで、法制一般に関することですから、あなたが直接総理大臣や各省大臣に意見を述べることはいいわけです。しかるに、この問題というのは、官房長官に呼ばれ、答弁の内容についてあなたがこういう意味だろうという説明をされた、そのことが、何といいますか、総理答弁以上に出ている、私たちはこう見ますし、また、あなたは軽い意味で、官房長官に聞かれたのに、官房長官自体としてはよくわからなかったのであなたに聞かれたというような言い方だろうと思うのですけれども、しかし、そう思う場合でも、事が制度上の問題になるので私が申し述べた、こう言われているわけです。そこにやはり行き過ぎが私は感じられるわけです。官房長官から、きょうはどうだったんだ、新聞記者に聞かれたがわからないから、君教えてくれ。それであなたが官房長官に話して、官房長官がお話をするならいいでしょう。それは官房長官の責任ですから別の問題として……。あなたのお話を聞いていると、官房長官もいるし、新聞記者もいるところで、あなたが説明されているということ自体が、そこにはみ出した意見、あなたが持っている意見、それは総理と同じか、あるいは総理以上かの議論は別として、私たちが受けた印象は、総理意見の補足をした、こう実は見ざるを得ないわけであります。そういう点で、これは明らかにあなたの行き過ぎだ。これは意見の発表形式である。これは間違いない事実だと思う。そういう点で、法制局長官として、この内閣法制局の設置法の趣旨に従ったやり方でなかったという点で、その点を私は明確にしていただきたい。そのことは当然今後の問題として起きてくる問題ですから、その点についてもう一度御答弁願っておきたい。
  34. 安宅常彦

    安宅委員 それに関連して。  いま勝澤先生が言ったことに重大な関連があるのですが、あなたは言い回しに気をつけて、丁寧なことばで、はみ出していないとか、あるいは総理の心をそんたくして発言したとか言っているけれども、これは法制上の問題で、言うならば、見解の相違だと開き直っているのです、あなたの答弁は。そうなったら、そのときの状況について新聞記者に証言を求めるために、証人として呼んで論議してもいいのですよ。そういうことを言わないで、あなたが悪うございました。——首相答弁に疑義があると聞かれたら、それは人間だから、とちったりする場合があるでしょう。そういう場合には一々国会に、発言が舌足らずであったとかなんとかということで了解を求めて、その日に、あるいはその次の委員会において釈明をする。これは言論の府としてそういう慣例が当然ある。それを、とちったからといって、すぐに官吏がそれを受けて、総理真意はこうだろう、そんなことまで言うのは、あなたは見解の相違だと言わんばかりの開き直った答弁を、ことばは丁寧だがやっている。そういうことは許すべからざる行為だと思う。あなたはどこまでも、そういうことを発言する権利を持っているし、私がやったことは正しいのだという心がまえでいるから、間違ったことを平気で言う。私は何回も前から指摘している。そういうことをいまでも考えて答弁しているから、いま勝澤さんから質問が出た。はっきり答弁しなさいよ。それでなければ私は、見解の相違なら見解の相違のように、どこでどういう発言をしたかまで証言を求めるために、証人として新聞記者皆さんにおいでを願って、あるいはやるかもしれません。そうでもしなければ、これは議会の一つの制度といいますか、運営はうまくできませんよ。どうですか。
  35. 高辻正巳

    高辻政府委員 まことに悪うございました。この点おわび申し上げます。
  36. 池田禎治

    池田(禎)委員 悪うございましたと言うが、何かみんなに詰問されて悪うございましたというような感じではだめですよ。あなたの、法制局長官としてのらちを越えた政治的言動というものが従来もしばしば問題になった、このことを本員は言っておるのであって、あなたが法制上の解釈、法制上の疑義について解明することに何も制肘を加えておりません。しかし、法制局長官としての法制上の解釈、見解、そういうもの以外にらちを越えた言動が多いということが従来からも問題になっておる、そのことをわれわれは言っておる。だから、あなたの職責について忠実であれということです。
  37. 高辻正巳

    高辻政府委員 おっしゃる筋はよくわかります。私、まさにそうあるべきだと思いますので、今後十分に留意してまいりたいと思います。
  38. 池田禎治

    池田(禎)委員 わかりました。
  39. 坪川信三

    坪川委員長 本日は、これにて散会いたします。    午後一時四十分散会