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1967-10-13 第56回国会 参議院 内閣委員会 閉会後第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年十月十三日(金曜日)    午前十一時五十五分開会     —————————————    委員異動  九月五日     辞任         補欠選任      鶴園 哲夫君     中村 英男君  九月七日     辞任         補欠選任      内藤誉三郎君     松平 勇雄君  九月十八日   委員小沢久太郎君は逝去された。  十月十三日     辞任         補欠選任      稲葉 誠一君     鈴木  力君      中村 英男君     鶴園 哲夫君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         豊田 雅孝君     理 事                 山本茂一郎君     委 員                 森 八三一君                 伊藤 顕道君                 鈴木  力君                 鶴園 哲夫君                 山崎  昇君                 鬼木 勝利君                 多田 省吾君                 中沢伊登子君    国務大臣        大 蔵 大 臣  水田三喜男君        文 部 大 臣  剱木 亨弘君        労 働 大 臣  早川  崇君        自 治 大 臣  藤枝 泉介君        国 務 大 臣  塚原 俊郎君        国 務 大 臣  木村 俊夫君        国 務 大 臣  宮澤 喜一君    事務局側        常任委員会専門        員        伊藤  清君    説明員        人事院総裁    佐藤 達夫君        自治省行政局公        務員部長     鎌田 要人君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事辞任及び補欠互選の件 ○国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調  査(公務員給与に関する件)     —————————————
  2. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  九月五日、鶴園啓夫君辞任され、その補欠として中村英男君が、同月七日、内藤誉三郎君が辞任され、その補欠として松平勇雄君がそれぞれ選任されました。  本日、中村英男君及び稲葉誠一君が辞任され、その補欠として鶴園啓夫君及び鈴木力君がそれぞれ選任されました。     —————————————
  3. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 理事辞任及び補欠互選についておはかりいたします。  八田一朗君から、都合により理事辞任したい旨の申し出がございます。これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 御異議ないと認めます。よって辞任は許可することに決定いたしました。なお、直ちに補欠互選を行ないたいと存じます。互選方法は、便宜委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事山本茂一郎君を指名いたします。     —————————————
  6. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査のうち、公務員給与に関する件を議題といたします。  本件につきましては、関係当局からの御出席は、塚原総理府総務長官宮澤企画庁長官佐藤人事院総裁剱木文部大臣早川労働大臣、以上の方々でございます。また水田大蔵大臣等は少しおくれて御出席になる予定であります。  それでは御質疑のある方は順次御発言願います。
  7. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 私は去る九月四日の当委員会で、そのとき給与担当大臣である総務長官都合でお見えにならなかった事情もあって、官房長官、そうして人事院総裁中心に若干の質問をしたわけであります。しかしながら、いろいろの経過から見て、まだ具体的に何らのまとまったお答えは全然なかったわけで、それからもう約四十日も経過しておるわけですから、六人委員会、その他関係大臣完全実施の線に向かって——これは完全実施と言っても、これはきわめて当然な要求であるわけですが、この完全実施の線に向かってどのように努力されたのか、また、その約四十日間の経緯についてあわせてお答えいただきたい。ただきわめて短時間でありまするので、ひとつ簡明にお答えいただきたいと思います。
  8. 塚原俊郎

    国務大臣塚原俊郎君) 八月十五日に勧告が出されましてから関係閣僚会議は、いわゆる六人委員会と申されるものは三回、日をはっきり覚えておりませんが、三回ないし四回開かれたと考えております。その間、関係閣僚の中で外国に出張された方もありました。また都市手当の問題がございましたので、文部大臣がその会合に参加いたしました。大蔵当局から財政上の見通しというものがまだ出ておりませんので、実施時期についての検討は行なわれておりません。今日まで中心として行なわれたのは都市手当の問題であります。
  9. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 従来から政府は口を開けば、必ず申し合わせたように、人事院勧告は尊重するということを言い続けてきたわけです。にもかかわらず、昭和三十五年から三十八年度までは御承知のように十月一日実施、三十九年度から昨年までは九月一日実施と、それぞれ一方的に容赦なく実施の時期を切り捨てておるわけです。この切り捨てられた分を計算すると、どなたが計算してもわかるわけですが、大体三十二カ月という長い間の切り捨て期間となるわけです。これは公務員一人当たりで約十四万、公務員全体としては三千億の損失になる、こういうことは明確であるわけです。こういうふうに勧告改善率内容低下を来たすわけですから、勧告率そのものが無意味になるわけです。  今回の勧告は、われわれから見るときわめて不満なものであるということは明らかにしておるわけですが、そういうことを抜きにして考えても全く意味がないわけです。勧告内容は尊重する、しかし財源がないから実施の時期等については云々で、以前は十月から、最近は九月というふうになっておるわけです。にもかかわらず、各大臣質問すると、人事院勧告は尊重する、いわゆる改善率は低下してしまっても、勧告内容を尊重することになるのかどうか。これは結局政府はごまかしを言うておるということに尽きると思うのです。その点、一体どうなっておるのか、給与担当大臣としての総務長官のお考えを聞きたい。
  10. 塚原俊郎

    国務大臣塚原俊郎君) 春ごろのこの内閣委員会でもたいぶその問題についての御質疑があったと私は記憶いたしております。人事院のあり方から考えて、人事院勧告を尊重しなければならないことは、これは言うをまちません。しかし今日まで、いま伊藤委員が御指摘になりましたようないろいろの御批判があることも私はよく承知いたしております。したがって、この人事院勧告の時期、あるいは当初予算給与費を計上すべきであるというような案についてもいろいろな論議もありましたし、またわれわれとしても、従来の御批判から脱却するための措置というものをこの際考えなければならぬというので、六人委員会給与関係閣僚会議中心として、よい方法がないものかということを相談いたしてまいったのであります。ところが、結論に至らないままに四月中旬、つまり人事院調査の時期に入って、やはり四月調査、そして八月勧告という従来のことになってしまったのです。  これはまことに私は残念でたまりません。しかし、今日はその八月十五日に出された人事院勧告をどうするかということをきめることが一番大事な問題であろうと考えておりまするので、この勧告を尊重して、勧告に従った処置をすべくいま努力いたしておるわけであります。
  11. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 先ほども御指摘申し上げたように、政府は口を開けば、勧告内容は尊重する、こういうことを言い続けてきておりますが、勧告内容は尊重するけれども実施の時期については、財源が苦しいから、財源がないからということで値切ってきたことは、先ほど申し上げたとおりです。ところが、これは私が言いたいことは、決して財源関係があるのではなくして、政府にいわゆる完全実施しようとする誠意がないということはもう明確だと思うのです。  その一つの例として、昭和三十七年、特に三十八年には相当のいわゆる税の増収があったわけです。特に三十八年、池田内閣のときですが、相当余裕があったわけです。にもかかわらず、その年ですらも財源が苦しいからということで、実施の時期を十月に強行してしまったわけです。したがって完全実施しないところの理由というものは、決して財源ではないわけです。完全実施しようとする誠意の問題です。誠意がなかった、こういう問題だと思うのですが、特にこの財源問題については大蔵大臣責任があるわけなんですが、水田大蔵大臣については、ひとっことしは、過去をとやかく言いたくないわけです。いままではいままでとして、政府は明らかに不誠意であったことは、もう言うまでもないわけですから、ことしこそひとつ完全実施していただきたい。従来大蔵大臣財源がないということを言い張ってきて、実施の時期が値切られてきておる経緯もあるので、今回はひとつ大蔵大臣も、その過去の経緯にとらわれないで、ことしこそはひとつ完全実施に踏み切ってもらいたい。それには繰り返し申し上げるように、大蔵大臣がうんと言わぬというと、これはなかなか完全実施できないわけですから、そういう立場にある大蔵大臣のお考えをこの際お伺いしておきたい。
  12. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) 人事院勧告完全実施する方法ということになりますと、いまのような勧告のしかたでは私はなかなか完全実施というものはむずかしい、ほかにくふうをこらせば完全実施方法はあるのではないかということで、いま政府部内でも、これは人事院も一緒に加わり、今後のやり方についていろいろいま研究しておるところでございます。  しかし、現在のようなやり方人事院勧告を私どもが受けるとしますと、これは何といっても財源問題でございます。期の途中で、年度の途中でこれこれの金を出せということでございますから、これは財源がなければできないことということで、はっきりいまの形の人事院勧告に対する応じ方というものは、もう明らかに財源問題ということでございまして、これは過去においても変わりございません。ですから昭和三十五年以前は極度にいわゆる自然増というものがなかったときでございますので、人事院勧告は何回出されても、翌年の四月から実施ということでございましたが、三十五年以後相当いわゆる自然増というものが見込まれましたので、五年、六年、ちょうど私が担当した時期でございましたが、私は四月じゃなくて、十月にさかのぼるということを、初めて財源関係からあのとき踏み切ったという経験を持っておりますが、今回の場合もしたがってこの勧告をどう実施するかということは、依然として私は財源問題だというふうに考えておるのです。ですからいま、何とか今年度のこの財源を早く見込みたいと、非常に苦心しておるところでございますが、何としても現在までの税収の見込みでは非常に少なくて、他の補正要因がたくさんいまあるときに、それらの補正要求を満たして今年度補正予算が組めるか組めないかということを心配しておるくらい、非常にいま見通しが悪いところへ追い詰められていますので、私は非常にいま苦心しておるところでございます。何とか今月末までには九月決算の実態の動向を握れれば、政府方針がきまるのではないか、いまこれを把握することに努力しておるところでございます。
  13. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 関連。いまの伊藤委員質問に対しまして大蔵大臣答弁があったのですが、財源問題だというお話ですね。ともかく私はそれは解せないですよ。どうも私は今度のこの勧告が出てから六人委員会の動きというものは非常に解せないものがある。実施時期が問題であるということは本年の問題だけじゃないのです。三十五年以来の問題で、去年だって大きな問題なんです。それを何かその実施時期の問題について非常にあいまいな態度をとっておられる。都市手当のごときに何かえらく熱中したような形で、実施時期の問題についてもあなたは何かあいまいな形になっている。いま大蔵大臣財源の問題だとおっしゃる。私はそうじゃないと思うのです。これはこの委員会でたびたびこういう論議を行なっているんですがあらためてきょうもう一ぺんやりたいと思う。  たとえば生産者米価はついこの間きめた。当然大きな補正を組むだろうという想定に立って生産者米価はきめておるでしょう。去年もきめた。本年もきめた。何ゆえ公務員賃金だけが財源財源だという言い方をなさるんです。私は公務員賃金財源だけから見てはならない。これは労使関係ですよ。その点を政府は忘れている。使用者と被使用者との労使関係という観点からはっきりこれは見ていかなければいけないと思う。大蔵大臣財源財源だというような言い方一本でおられることは、われわれは理解できないですよ。ILO八十七号条約が批准できている。従来は国家公務員の組合は、政府労使関係ということばは使わなかった。避けてきた。職員団体とかいうようなことばを使ってきたんですが、しかし八十七号条約が批准されてから労働者側使用者側労使関係という考え方をはっきり出してきている。ですから、この問題を財源という問題でわれわれは理解できない。確かに財源の問題が重要であることは否定しませんよ。しかしそれだけでこの問題を見てもらっては困る。労使関係という立場から考えてもらわなければ困るという点を私はここで強調しておきたいと思うのです。労働大臣どうですか。おかしいですよ、こういう考え方は。労使関係という線を一本この中に入れなさい。その点について伺いたい。
  14. 早川崇

    国務大臣早川崇君) お説のように労使関係の問題でもありますし、同時に国会と政府への勧告ということになっております。その理由は、その財源は国民の税金でございます。そういう関係で多少三公社現業あるいは民間と違うわけでございます。しかし基本的には労使関係、そういう意味でわれわれとしては、財源を担当している大蔵大臣に従来も非常に御苦心していただきまして、財源の捻出で、できるだけ尊重する方向に近づけるようにお願いしておるのでざざいまして、今回におきましてもそれに変わりはございません。
  15. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 どうも労働大臣も私は少しばかりそういう考え方についての認識が足りないと思う。総理府総務長官にもこの点伺いたいと思うのですが、これは労使関係という考え方を一本どうしても入れてもらわないと困ると思うのです。これは人事院勧告を出したいということも、もう御承知のように、争議権なり団体交渉権のかわりに人事院というものができて、それが勧告している。それを三十五年以来実施したことがない。そういう状態が三十五年から今日まで続いている。その点について財源の点だけからあまりにもこの問題を見過ぎる。私はいつもそう思っている。財源の問題といっても、さっきの生産者米価の問題と同じです。生産者米価をきめるときに、財源がどうだというようなことで生産者米価はきまるかということです。千数百億なり二千億というものは一般会計から食管特別会計への繰り入れというものを想定してちゃんと生産者米価をきめる。公務員賃金だけについて、九月の決算がどうだこうだということだけにとらわれるということは、私は理解できない。これを国家公務員地方公務員、三百万の公務員労使関係正常化という問題、あるいは公務の遂行の問題、使用者と被使用者との間のこれは倫理の問題として、きわめて私は重要な問題だと思うのです。そういうものを財源一本やりで片づけるような言い方については、私としては了解できない。総理府総務長官に見解をお聞きしたい。
  16. 塚原俊郎

    国務大臣塚原俊郎君) 私は、いまおっしゃった労使関係ということを十分考慮に入れて、給与担当大臣として、この問題に取り組んでおるつもりでございます。ことに三公社現業の話が出ましたけれども、三公社現業独立採算制企業体であり、一般公務員とはその給与財源の調達並びに給与決定方式を異にしている結果、両者は必ずしも同一の段階論議せられないことは、これはおわかりいただけると思うのです。この春におけるところの三公社現業の場合には、当事者能力が云々されながらも、調停段階でうまくいったと申しまするか、非常によい結果が出たということを知っておりまするだけに、公務員と三公社現業というものを考えまして、私はいま鶴園委員がおっしゃるように、労使関係ということを十分頭に入れて、そして人事院勧告を尊重していきたい、そういう線でいま私は進んでおるわけであります。
  17. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 いまの総務長官答弁に関連して労働大臣にも、もう一ぺん伺っておきたい。  どうもいま総理府総務長官答弁の中にもありましたように、本年の三公社現業仲裁ですね。五月三十一日に出た。仲裁が出ると同時に兼子公労委委員長談話を発表いたしましたね。例年にない談話なんです。談話うしろのところに、今度のこの調停の意義を非常に高く評価しておる。つまりいままで当事者能力がない、当事者能力がない、こう言われてきた。ところが五月の二十四日に出た調停というものが、同じものが仲裁で出たのですね。つまり調停段階で六・五%プラス三百円という当事者能力をりっぱに持った形になってきたわけですね。それが結局、国鉄はじめ三公社現業理事者側当事者能力を持ったというだけではなくて、労使関係として私は政府は把握したのだろうと思うのです。一そう労使関係として把握し、財政当局もそれなりの態勢をとったから、ああいう調停段階における当事者能力というものが発揮できたと思うのです。ところが、一たび国家公務員段階になりますと、これが往々にしてくずれてしまうのですね。何か財源をしぼってしまう。労使関係でなくなってしまう。ことばでは、いま総理府総務長官の話のように、何しろ労使関係で取り上げているようなお話なんですが、私はその考え方が、労働大臣にしろ、あるいは六人委員会のメンバーの方々にしろ、はっきりしていないんじゃないかという気がしてならないのですが、どうですか。宮澤経済企画庁長官のごときはひどいものです。ちっとは気のきいたことを育っているなあと思ったら、きのうの新聞で見ますると、公務員賃金消費者物価限度にとどめるべきだ、公務員賃金消費者物価限度にとどめるべきだというような言い方でしょう。何を労働問題として問題を考えておられるかどうか。経済企画庁長官はどういうふうな考えなのかわからないのですが、わからぬよりも、むしろそういう考え方が非常に少ないのじゃないかと思うのですよ。労働大臣どうですか。これは六人委員会はだいぶ啓蒙しなければなりませんね。労働大臣だめですよ、こういうことでは。
  18. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) いまあなたがおっしゃられたように、この人事院勧告についての、いわゆる人事院制度といいますか、これはやはり尊重しなければならないと私ども考えております。したがって、それを尊重して完全に実施するというためには、私はいろいろいま言いましたようにやり方があるだろう。たとえば、年度の初めにおいてこういう予算を組んでおけとか何とかという勧告で組むというようなことも、むずかしいことですが、一つ方法で何かそういうようなことで実施しろというのでしたら、これはあながち財源の問題ということだけではないかもしれません。ところが、いまのような勧告で、予算のきまっちゃったあとで、期の途中でこういうふうにしろという勧告が出たとしますというと、これについてどうするかという問題は、財源の問題になるということを私は言ったのでございまして、財源の問題にしない方法もありはせぬかということを私どもはもっと研究すべきだと言っておることでして、少なくとも、いまのような形での勧告では財源の問題になってしまうということを、私は申したわけでございます。
  19. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 いまのような勧告の形では財源にたよらざるを得ない、財源問題になってしまう。こういうことをいま初めてこの場で気づいたわけじゃないでしょう。もうずいぶん前から、何年も前からこの問題については完全実施方向政府検討するということになっておったわけです。何年たっても結局同じことを繰り返すだけだ。何ら策のない方策が決定せられてきたわけです。財源財源と言われますけれども、三公社現業の場合でも、相当財源には苦しみながらも、大蔵大臣決裁によっていわゆる建設事業繰り延べまでやっている。予算の移用、流用もやっておる。そういう苦しい中で三公社現業はこれを三十二年、しかも四月から完全実施しておる。アルコール専売のごときは、三十年からもう完全実施しておるわけです。こういう事実があるわけですね。同じ国家公務員です。当然公平の原則からいっても、これはきわめて不当であるということが言えるわけであります。  そこで、これはもう財源でないことは明確なんです。先ほど総務長官は、いわゆる公企体一般官庁とは性格が違う、そういうようなことを言われたわけですけれども、このような、これは言いのがれにすぎないわけです。この時点で、先ほども申し上げたように、昨年まで三十二カ月分のいわゆるカットされた分が累積しておる。こういう情勢の中で、公企体一般職の問題については性格が違うということだけでは済まされないわけです。先ほども指摘したように、公社現業についても相当財源に苦しみながらやっておるわけです。財源余裕があるからやっておるわけじゃない。しかも、建設事業繰り延べ大蔵大臣決裁がないとできないわけですね。大蔵大臣、あなたがこれを認めておるわけです。そういうことを公社現業に対してはやりながら、なぜ同じ国家公務員である一般職に対してそういう措置がとれないのか。結局三公社現業についても最初から——三十二年以後完全実施になりましたけれども、それ以前はやはり一般職と同じように完全実施されていなかったわけです。仲裁裁定は無視されてきた。ところが力関係でいろいろ要求されて、政府は、公社現業にはまずひとつ完全実施しようという方針がきまったから、方針がきまったから、財源都合できたからじゃない。方針がきまったから三十二年以後、しかも四月にさかのぼって完全実施しておる。ところが一般職についてはその後、もう四十二年、十年間もそのままほうっておられるわけです。これは公平の原則からいってもきわめて不当であるわけです。こういうことを考えてきたとき、先ほど大蔵大臣は、ひとつ完全実施するための方策検討したいと言うわけですが、それは検討はけっこうです。しかし、今年ただいま、今年の場合は検討じゃ間に合わない。しかもこの問題はことし初めて起きた問題じゃない。数年前から当然やらなければならぬ問題、これがまだまとまっていないということは、政府の怠慢です。怠慢でなければいわゆる微力のいたすところです。責任をとらなければいかぬわけです。怠慢か微力であったか、いずれかに帰するわけです。  しかし、いまはそういう論議をするのじゃないです。ことしひとつ完全実施してもらいたい。そうして完全実施するためのいい方策、幾らでもあるわけです。やろうとすれば。やろうとする誠意がない。そこでいつも完全実施がけられておる。こういうのが現状です。この点から考えて、ひとつ大蔵大臣としても、ことしこそ踏み切ってもらいたいと思う。来年以後のことは、またその間に期間があるわけですから、ことしひとつ完全実施に踏み切るべきもう最後の段階だと思うのです。もうこの時点では論議許されぬわけです。しかも政府は繰り返し人事院勧告は尊重すると言われておるのだから、実施の時期をカットすれば内容が低下してしまうわけですね。改善率が低下する。低下さして、それをなおかつ尊重するということになるのかどうか、そういうことはあり得ないわけです。ごまかしです。ひとつぜひことしこそ完全実施の腹をきめていただきたい。大蔵大臣この点どうですか。なおこの点に関連して、総務長官給与担当大臣として、ことしこそひとつ何とか完全実施に踏み切れるよう最大限の努力をしてしかるべきだと思うのです。なお六人委員会の名大臣も当然にその責任があろうと思うのです。  先般、ついでだから申し上げますが、この公務員の皆さんが、当然な要求である完全実施人事院は五月にさかのぼって——この五月も問題があるわけです。実は四月でなければいかぬ、いまはそういう論議はたな上げにしておいて、五月に実施ということを勧告しておるわけです。そこで公務員の皆さんが、五月でも四月でもだめだ、二月、一月にさかのぼって実施しろ、一月、二月にさかのぼって実施しなければ休暇戦術をとる、授業カットをやる、こういうことであるならば、これは政府は厳罰をもって臨むということも考えられるわけです。しかしながら、人事院性格からいって、これを尊重しなければならぬのは、憲法の精神から明確なんです。にもかかわらず、政府はその義務を果たしていない。その義務を果たしていない政府立場で、公務員がいわゆる、たとえば休暇戦術をとったからといってこれを厳罰に付する資格はない。当然そういう資格はないわけです。まず完全実施して、なおかつ公務員の諸君が、その完全、実施をそれでもまだ不十分だ、二月、一月にさかのぼれ、一月、二月にさかのぼらなければストを決行する、こういうことであるならば、そのとき初めて厳罰をもって臨むべきであって、まず義務を果たさなければいかぬ。公務員要求はもう当然至極のことを要求しておるわけです。人事院勧告をそのとおり完全実施をしなさい、そういうことを要求しておるのでしょう。要求するほうが無理か、カットするほうが当然なのか、これはおのずから自明の事実だ。こういうことを考えてきたとき、もう理屈を言っている段階じゃないのです。誠意の問題だ。財源ではない、断じて財源ではない。  以上言うとおり、ことしこそ完全実施に踏み切る絶対の契機と思うから、ひとつぜひ完全実施に踏み切ってもらいたい。そのことに対して大蔵大臣総務長官、そして十月二十六日の問題もありますから剱木文部大臣からも、それに対する所信を伺っておきたい。
  20. 剱木亨弘

    国務大臣(剱木亨弘君) 私は六人委員会にみずから進んで入らしてもらいまして七人委員会なわけでございますが、全国約七十万の教育者のために人事院勧告を尊重するべく最善の努力をいたしておるつもりでございます。その方向に向かいまして、今後とも最後の決定をするまで努力をしてまいる覚悟でございます。
  21. 伊藤顕道

  22. 塚原俊郎

    国務大臣塚原俊郎君) 人事院勧告につきましては、勧告制度の趣旨にかんがみて、従来も申しておりまするように、これを尊重する立場をとっておりまするので、勧告どおり実施すべく努力をいたしております。
  23. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) 私のほうは、先ほど申しましたように、要するに早く財源見通したいと、いませっかく骨を折っておる最中でございます。御承知のように、いまの収納ぐあいから見ますというと、二千億円前後の自然増収は確実である。これにプラスされるアルファは、もう九月決算による法人税、この法人税がどれだけ増収を見込めるかということによってこの財源見通しが確実になるのでございますので、この九月決算の結果を早く見通したいというふうに、これから全力をあげてやろうと思っておりますが、かりに三千億円の自然増があったとしましても、地方に交付税として約一千億円近いものが交付されるということになりますと、残るのが二千億円ということになりますと、もう御承知のように、食管と公債の減額だけですでに二千億円になる。ほかの災害をはじめとするいろんな必要補正ができないということになりますので、私としては、どうしても四千億円前後の自然増を見込まないというと今年度これを補正予算として全体を組んで国会に提出するということは非常にむずかしくなるということで、非常に苦慮しておるのが実情でございまして、この財源のいかんによっていろいろ政府方針がきまっていくだろうというふうに考えますので、できるだけ早くこの財源見通しをつけたいと考えております。
  24. 山崎昇

    ○山崎昇君 関連して。何か経済企画庁長官労働大臣がもう時間だから退席されるというので、関連質問でありますが、二、三の大臣質問したいと思います。第一は、大蔵大臣に私は具体的に聞きます。それは、年度の中途だという問題は、先ほど伊藤委員から言われましたように、ことし始まったことではないのです。私の資料で間違いがなければ、この人事院から勧告が出されたのは、昭和二十三年十一月九日が第一回目で、ことしは二十回目になっている。ただ、途中で二回ほど報告だけということがありますから、実際の勧告は十八回出ている。いわば戦後人事院制度ができて二十年間あなた方怠慢をやっているわけです。二十年間こういう議論をやっている。ですから、大蔵大臣の言う年度途中でこういうものが出るのはどうも納得ができかねるという言い方は、これは引っ込めてもらいたい。あなた方が怠慢でこういう制度になっている。当時この公務員法が出るときには、労働者は反対をした。この公務員法は、しかし、政府はこれが一番いいと言ってあなた方がつくった法律じゃないですか、これは。その後も絶えず労働組合から、この法律のこういうところが矛盾があるじゃないか、おかしいじゃないかということをいくら指摘をしても、あなた方は変えられなかった。そして、二十年間放置しておいて、同じことを毎年繰り返している。ですから、この年度途中の勧告にとやかく言う政府言い方については、引っ込めてもらいたい、撤回をしてもらいたい、それは政府の怠慢だから。その点について、まず大蔵大臣に申し上げておきたいと思う。  第二に、これは補正予算財源の問題とはもちろん関連がありますが、ある程度切り離して考えていい問題ではないかと思う。なぜかといえば、あなた方が人事院勧告完全実施をしない理由財源という一言だけで片づけておるけれども、その年その年によって内容が違うのではないかと私は思う。簡単に言えば、三十七、八年ごろは、日本の経済が底が浅い、資本の蓄積をはからなければどうにもならぬからがまんをしなさいと言ったのが、あなた方財源という問題で言った。四十年の場合には、これは未曽有の不景気によって文字どおり財源がない、赤字国債を発行しなければならぬからがまんをしなさい。四十一年の場合には、不況の克服に財源を充てなければならないから、そしてさらに多額の国債を発行しなければならぬからがまんしなさい。ことしは何か。同じ財源でも、財政の硬直性ということを言っている。ですから、私は、大蔵大臣はただ財源という一言で言っているけれども、その年その年によって中身が違うのではないか。そのたんびに公務員だけが犠牲をしいられる、そのたんびに公務員の権利だけは制限をされる、こういうことに私はなっていると思うのですが、その点について大蔵大臣の見解を聞きたい。  さらに、私は去年の社会労働委員会で、具体的に私のほうから数字をあげて聞いた。第一に、あなた方が発表している数字は、大げさに出ていく数字ばかり発表する。しかし、公務員給与を受け取るときには、天引きで所得税を取られますから、実際これだけは金がかからない。  さらに、去年の例で言えば、人件費の節約ということをあなた方考える。私もいま計算をしておる。これは私どもしろうとでありますから、正確には計算できないにしても、行政管理庁の長官の言うには、いま七、八千から一万人の職員の欠員があるという。いわばこの欠員の人件費をあなた方使えば、私から言えば、いまあなた方が言っている予算だけでもすでに七月や八月からは実施ができる。五兆円になんなんとする予算の中で、あと二百億か三百億大蔵大臣公務員のために出せないということにはならない。私から言えば、財源は苦しいにしてもある。財源はあるけれども公務員に支給する給与費はないのだということが正確ではないのか。ですから、先ほど伊藤委員から、これはほんとうの意味財源の問題じゃなくて政府の態度の問題だ、誠実性の問題だということを言っているのはその点だと私は思うのですが、私のほうからは具体的に申し上げたので、その点についての御答弁を願いたいと思うのです。  さらに私は総務長官にお尋ねをしたいのですが、昨年の委員会人事院総裁は私の質問に対して、「この人事院勧告というのは、これは公労協の職員に対する仲裁裁定と同じものだと思います」という御答弁をいたしております。「確かに態様は違います、適用している法律も違う、しかし法の精神においては同じだ」という御答弁を私どもにした。もしも精神において同じだというならば、すぐ法律的な義務はあなた方拘束されないとしても、政府は道義的にこの人事院勧告完全実施する私は義務があると思うのだが、その点についての総務長官の見解を聞きたいのです。  その次に、私は宮澤長官にお聞きをしたいのです。  これも私の記憶に間違いがなければ、ここ十年ほどの日本経済をずっと私ども見ておりますというとたとえば鳩山さんが内閣総理大臣のときには、うそでもほんとうでも経済自立五カ年計画というのがあった。また岸さんが総理大臣のときには、新長期経済計画というものがあった。池田さんが総理大臣のときには、国民所得倍増計画なんというのもあった。計画をつくるときには、ずいぶんはなばなしく新聞報道もやるし、何かすばらしくなるような発表もする。しかし、これはいつの間にか、二、三年すると立ち消えになっちゃう。そうして佐藤さんになりましてからは、中期経済計画というのは一応発表されたが、これはしかしどこかへ行ってしまった。ところが、歴代内閣で佐藤内閣だけが経済計画がない。今日まで一つもない。何かいま経済同友会とかどこか知りませんが、新しい計画をつくるということで、ばら色の夢みたいなことばかり言っているようでありますけれども、実際には経済計画がないのですね。したがって、私は、いま佐藤内閣がとっておる経済政策というのは、これはその場その場、いわば行き当たりばったり、こういう経済で、なぜか力の強いところに全部金がいってしまう。いわばこれは予算のぶんどりをやっているんじゃないだろうか、こういう気がしてしようがないのです。  経済企画庁長官にお伺いしたいのは、一体佐藤内閣はいつ総体的な経済計画をつくるのか、その中で、こういう公務員給与でありますとか、いわば経常的に使われるようなこういうものについてどういうお考えをとるのか、この機会に私は聞いておきたいのです。さらに私は、いま佐藤総理が外遊されており、盛んにあっちこっちへ行って、一千万ドルどうだとか、あるいは何がどうとか、飛行機で金をばらまいているようなことを言っておる。外国に対してはきわめて笑顔をつくって寛大であるけれども、自分の足元にいる公務員に対しては法律できまっていることさえあなた方は守らない。こういうことが私はいまの財政の硬直性ということになっているのじゃないかと思う。そういう意味で、経済の計画を扱う宮澤さんに、一体佐藤内閣はどういう経済計画をいつごろつくるのか、この機会にひとつお尋ねをしておきたいと思います。  最後に、私は文部大臣にお尋ねをしたいのです。それは、私も自治体の出身でありますが、後ほど自治大臣が来られれば自治大臣にもお伺いをしたいと思う。いま自治体では、知事の部局もそうでありますし、またあなたの管轄であります校長先生や教頭先生には管理職手当というものが出ているが、これは国家公務員にはないのです。国家公務員にはない。地方公務員だけがある。その理由もはっきりしない。その基準もまたまちまちである。こういうことがいまやられておるわけです。そして、実際に働いた超過勤務手当を下さいと言えば、教員組合に対してはノーだと言う。何にも理由もなければ、それほど支給しなければならぬというものでもない。管理職手当については、たしか四十六府県全部でき上がっている。そしてこれが地方ではトラブルが起きておる。そういうことについて一体文部大臣はどう考えるのか。これはもちろん給与担当であります総務長官にも関係をしてくると思うんですが、私はどうもふしぎでならない。一番切実な、そして働いた対象としての賃金や超勤手当については、あなた方そっぽを向く。不確定な要素で、いわば交際費的な管理職手当については、むしろ奨励をする。こういうやり方について、あなた方どう思うのか。あまり機会がありませんから、この機会に聞いておきたいんです。これが地方の財政についても、人件費という範疇の中でかなりの問題になっておる。まだまだほんとうは聞きたいんですが、大臣の時間がないそうでありますから、はしおって二、三の点をお聞きした次第です。明確にひとつ答弁を願いたい。
  25. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) 先ほど財源はあるのだが政府には誠意がないから実施しないのだというようなお話がございましたが、私のほうは、まあ財政硬直化とか、そういうような理由からこの人事院勧告をどうこうしようという考えはほんとうにございません。問題は、先ほど申しましたように、補正予算財源の問題になっておりますので、これを見通すことがまず先である、それによって政府方針をきめるよりほかにないというふうに私は考えております。そこで、この財源の問題は結局これはあとになってはっきりわかることでございますので、ここで特に財源を隠してどうこうというようなことを言っても、これは先に行ってはっきりする問題でございますので、なるたけそういうことにならぬように、この程度の財源を見込めるという自信のあるものを私はここに見通したいというふうに考えていまやっておるところでございますので、財源はあるのだがどうこうというふうなことではいまのところ全くございません。
  26. 塚原俊郎

    国務大臣塚原俊郎君) 三公社現業との関係が私に対する質問であると思いますが、独立採算制企業体である三公社現業一般公務員とは、給与財源の調達並びに決定方式を異にしている結果、同じようには論ぜられないということを前提として申し上げたのであって、私はしかし、この当事者能力を云々されながらも五月にああいうふうな結果になったということを考えながら、給与担当大臣として公務員給与考えなければならないということを先ほどから口にしているわけであります。いま道義的ということばがございましたけれども、そのことばどおりになるかどうかは知りませんが、先ほど私が申し上げましたように、そういうことが目の前にありましただけに、方式を異にしておりましても考えなければならぬという気持ちであります。
  27. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) 過去のいろいろな経済計画にただいまの政府として対応いたしますのは、経済社会発展計画であります。今回は、ただ経済成長ばかりでなく、国民の生活環境、社会投資といったような面からも問題をとらえまして、経済社会発展計画という名をつけております。このたびは、電子計算機等の利用が相当広く可能になりましたので、データにつきましても、また検討の角度につきましても、従来よりはかなり進んだものができたと考えます。これは本年度を起点にいたしまして昭和四十六年度を一応の終点とする五カ年間の計画でありますが、実質成長率をほぼ平均して八%と考え、その中において民間の給与の上昇も公務員給与の引き上げも可能である、またいわゆる発展途上国に対する援助でありますが一%を目標にしてそれに向かって進めていく、そういったようないろいろな要素が可能であるような計画として組まれております。
  28. 剱木亨弘

    国務大臣(剱木亨弘君) 校長、教頭に対しまする管理職手当、これは国家公務員にはないというお話でございますが、実は地方教育公務員国家公務員に準じて給与が定められることになっておりまして、国立の場合におきましては名称は違いますけれども特別調整額として管理職手当に相当するものがございまして、それに準じて地方教育公務員に管理職手当が支給されておるわけでございます。これは国家公務員に準じてやっておりますので、その点につきましては私どもとしましては何も問題はないと考えております。
  29. 山崎昇

    ○山崎昇君 肝心なことはほとんどはずして答弁されておるので、実際私のほうで不満の気持ちのほうが先なんですが、第一に総務長官、いま一生懸命努力をされておるというのですが、確かにそれはそうでしょう。しかし総務長官、農林省だけを例にとっても、林野庁の職員とその他の職員では違うのですね。それで現業という名前だけでやられておる。ところが、たとえばこれは地方自治体のほうへいくとそういう制度になっておらない、知事部局の中に全部林務関係も入っておる。そうすると、国家公務員の林野だけは四月からになっておる。そうしてその他の職員は九月なら九月からになっている。地方自治体へいくというと、現業も何も一緒くたで全部九月になってしまう、こういうことになっているわけです。ただこれは、会計が一般会計か特別会計かという会計の処理のし方が違うだけであって、何も公務員そのものに差があるわけじゃないのだ、差別がある問題ではないのです。ですから、いま長官の言うように、確かに国鉄あるいは電通、郵政等とは多少私は性格の違いがあるとしても、国家公務員の中ですらそういう問題が起きておるという事実から見ると、当然法のたてまえからいっても仲裁裁定と同様に実施すべきものだと私は思うのです。そういう法的な見解についてあなたに聞いたのです。もう少し明確に御答弁願いたい。  それから、いま文部大臣から、国家公務員の場合には何とやら調整手当と、こういうのですね。ところが、これはほんとうは自治大臣が来ないとぐあいが悪いのですが、それならば地方自治体の部長や課長に出ておる管理職手当は何かというと、国家公務員には何もない。準ずるべきもの何もない。それから地方公務員に出ておるあるいは学校の校長に出ておる管理職手当と中央の場合と違います。基準も違う。そういうことをあなた方は平気でやっておって、一般公務員のものだけは出さない。特にこの管理職手当の内容たるや、一口で言えばこれは交際費じゃないですか。何のこれは理由がありますか。そして不確定要素がある。そして片一方、一般職員は、働いた代償として超過勤務手当をもらいたい、働いたからくれというのです。そういうものについては、あなた方はノーと言うのでしょう。そういうものの考え方について、私どもはどうも納得できないからお聞きをしたわけです。この点についても、もう少し明確にしてもらいたい。  それから、経済企画庁長官は、確かに発展計画というものは出ておる。ところが、過去の例で言うと、出るときは勇ましい宣伝をされて出てくるけれども、いつの間にかそれがなくなってしまう。計画の終わりまで実行されたためしがない。すべて終わってしまう。ですから、今度の発展計画についても、私どもはどうもそういう感がしてならないし、またその中でも、数字をずいぶん電子計算機ではじいたそうでありますが、これは私はかなり動いてくるのじゃないかという、こういう気もしてくるわけです。しかし、これはいずれ別の機会に、きょうは本旨でありませんからやりませんが、ただ私はどうも、いま総理があちこち歩いて、たとえばインドネシアと一千万ドルどうとかこうとか言って歩いておるのですが、あれは大蔵大臣予算化されておるのですか。これからあなたのほうで予算化をするのでしょう。補正予算でやるか、来年度でやるか知りませんが、総理大臣があちこち外国で言って歩いたやつは、あれ全部これから予算組むわけでしょう。組んでおるわけじゃないのでしょう。ただ、私の言うのは、そういうことのために公務員だけが犠牲にされるのはどういうわけだ。法律できちっと勧告をされて、そういう裏づけがあるものについては、あなた方は一切犠牲にする、値切る。これは財源の問題もさることながら、政府の姿勢の問題じゃないかというふうに私ども思うわけなんですが、もう一ぺん大蔵大臣聞いておきたいのです。さらにあなたは、私の質問に対して答弁をしていないのだが、年度途中でこういうことをやられるというのは困るというけれども、これはことし始まったわけじゃないのです。先ほど申し上げたように、昭和二十三年から始まって二十年間こういう問題をやっておるわけです。ですから、いまさら年度途中で云々ということば政府がこの問題を否定しようとする考え方がどうしても納得できないので、この点についてもあなた方の見解を聞いておきたい。
  30. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) 結局、年度途中からの勧告でございますので、政府が資金上、予算の規定上できないことが非常に多かったということで、そのために何か改善策はないかと、これはもう毎年研究されましたが、いい案がなかったというために、ずっと同じような勧告が今日まで続いておるということでございまして、こういう形で続く限り、政府予算上、資金上完全に可能だというときは私はなかなかこないのじゃないか。したがって、このやり方についてここらで来年ごろからでもひとつこれは考えなければならぬ問題だというふうに私は思っております。
  31. 剱木亨弘

    国務大臣(剱木亨弘君) 一般地方公務員とは違いまして、教育公務員については特に法律上国家公務員に準ずるというふうになっておりまして、国立の小学校、中学校等におきまして教頭、校長等におきまして特別調整額という名称で管理職手当に相当するものが出ておるわけでございます。この点は一般地方公務員と異なっておるのは当然でございます。なお、このことと超過勤務の問題とは別問題と思いますが、超過勤務の問題につきましては、四十二年度予算におきましてこれの処理につきまして解決をいたしてまいるつもりでございます。
  32. 塚原俊郎

    国務大臣塚原俊郎君) 先ほど私が前提として申し上げた財源の調達の方法なり給与決定方式、こういうことがあったにもかかわらず、しばしば山崎委員は道義的とおっしゃったが、私は道義的ということばは使いませんが、同じような気持ちで対処しなければならないという強い気持ちを持っておりまするので、そういうことを念頭に置いてやっておる、こういうふうに申したのであります。
  33. 鬼木勝利

    ○鬼木勝利君 関連。労働大臣が非常に急いでおられますので、簡潔にひとつお答えを願いたい。一点だけお尋ねしますが、問題は、あなたが六人委員会においてどの程度まで強くこの点を強調されたかということをひとつお聞きしたい。なお、あなたの今日の時点におけるお考えを承りたいんですが、人事院勧告は団交権の代償として認められておるがと、これはもう申すまでもない。そこで公務員にとって唯一の私は待遇改善の道であると、これはもう言を待たないところです。ところが政府はそれを実施しないと、こういった場合に、公務員に対する労働基本権の制約もその道義的な根拠を私は自然に失わざるを得ないと思うのですが、その点はあなたどう考えておられるか。六人委員会であなたはどのようにこの点に対して強調されたか。統治権者としての政府使用者としての政府が私は区別されていないのじゃないかと思う。政府みずからが公務員に対して使用者としての責任を果たさないと、これは私は問題にならない。統治権者の立場から順法を求めるということは非常に困難だと私は思う。それをあなたたちは、使用者側としての責任を果たさないで、そして公務員にのみ順法をしいるということは、もってのほかだと私は思う。労働大臣はその点どのように考えておられるのか、六人委員会でこの問題が出なかったかどうか、その点を私はあなたにお尋ねをしたい。大事な問題でございますから、はっきりひとつここでお答えを願いたい。
  34. 早川崇

    国務大臣早川崇君) 三公社現業の場合には、従来の慣例をやめまして、当事者間で話がついて仲裁裁定ということになりました。仲裁裁定は三公社現業を拘束するわけであります。しかも、三公社現業財源のやりくりがつきましたので、それを受諾したわけです。財源がなければ、国会なり政府に拒否をして持ち込むわけでありまするが、今回は仲裁裁定の拘束に服しましたのであのような解決を見たわけであります。一般公務員につきましては、団交権 ストライキ権がございません。ですから、給与の決定につきましては、第一次的な代償措置は国会できめると、したがって人事院政府と国会への勧告でございます。諸外国ではこれだけで公務員給与はきまっておるのでありますが、日本の場合にはさらに人事院という機関を設けまして、したがって諸外国よりも厚い一つの代償的措置がとられたわけでございます。そういう観点から申しまして、労働大臣といたしましては、この人事院勧告というものを団交権がない公務員にこれを完全実施するということが最も望ましいことで、そういう立場で閣内で労政全般の立場から強く希望をし、また要求をいたしておる次第でございます。財源の問題というむずかしい問題がございますけれども、私といたしましては、この趣旨を尊重していくという立場で従来とも六人委員会で強く要望いたしておる次第でございます。
  35. 鈴木力

    鈴木力君 関連。大蔵大臣にお伺いいたしますが、たいへん御多忙だそうですから、簡単にまずわずかの点だけを伺います。いろいろお伺いしたいのですが、時間がないそうですから、一、二の点だけを伺います。  先ほどから伊藤委員、山崎委員等の質問に対するお答えをいただいて、私は大蔵大臣給与制度についての考え方がどうも納得できない。それは人事院勧告ということが公務員給与を決定する制度の中でどういう役割りを果たしているかということを一体大蔵大臣は御理解なさっているかどうかということ、これが一つです。つまり、先ほど以来大臣の御答弁を伺いますと、たとえばこういう御答弁があった。これはことばじりをつかむわけではありません、かつて大臣が前に大臣の席にあらわれたときに、公務員給与は四月から実施だ、それを財源があったから十月に繰り上げたのだ、こういう言い方をされていますね。大臣はそのときの、四月実施であったとき、このときの勧告と、最初に十月実施にしたときの勧告とどう違っているかを理解された上でそういう発言をされたのかどうか。この点をはっきりとまずお伺いをいたしたい。  その次に、これはあとで官房長官等にも伺わなければならぬのですが、まず大蔵大臣の御意見を承っておきたい。財源論というのはこれは毎年繰り返されている。だが私は基本的に大蔵省が財源を出す場合の姿勢を伺いたい。何を基準にして財源ということを考えていられるのか。いままでの質疑それからまた御答弁等の中から、私は給与決定という制度の上に立って、何を基準にして一体大蔵大臣考えられておるのか。何かいままでの御答弁を伺っておる印象では、余る金があったら公務員にくれてやろうという態度がどうも見えていけない。もしそういうことであったら、人事院勧告なんというものは無意味なんですね。それなら、もう一切人事院制度なんというものは廃止してしまって、政府公務員が直接話し合って賃金をきめればいい。そのときに、金があるのかないのか、これだけしかないからがまんしてくれ、あるいは、もう少し出せるじゃないかということできめたらいい。いまの給与の決定の制度で、先ほど以来労働大臣も何べんかお答えになったように、公務員の団交権やその他の労働基本権を取り上げたその代償として人事院をつくり、人事院勧告の権利を与えた。これは給与法にもちゃんと書いておる。それなのに、たとえば勧告の中身が違っても、中身が違ったのに対する答えが、十月でも繰り上げたなどと大蔵大臣が答えるところを見ると、人事院制度というものを全然頭の中に描いていないように聞こえてならない。だから、いま金があるかないかさがしているのです、余った金があったらやろうと思います、こんなことでは、これは公務員の問題は解決つかないわけです。そういう点についての大蔵大臣の基本的な考え方、これを伺いたいと思います。
  36. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) 私の考え方と全く反対なお考えかと思います、私は、人事院勧告というものがどういうものであるかということを非常に真剣に考えますゆえに、この勧告実施されるようなやり方がほしい。たとえばいままで研究されたずいぶんいろいろなやり方はございますが、四月に一定の予定をとった予算を盛っておいたらどうだということを政府部内で研究されましたが、給与は法律事項であって、法律と予算が合わない予算の出し方というのは財政法上問題があるとか、いろいろ問題がございまして、これでいこうといういい案がいままでなかった。したがって、この人事院勧告実施する方法について十分くふうがこらされていないということでございますが、いまのようなやり方でございますと、期の途中でこれこれの予算を支出しないかという勧告になるわけでございますので、問題が必然的に補正予算財源問題にされてしまう。何とかこれを財源問題に、補正予算財源問題にされないでうまくやっていく方法はないかということを、むしろ私たちはそちらを重要に考えておるわけでございまして、不幸にしてそれが考えられていませんので、従来と同じような勧告が出てくる。したがって、従来と同じように常にそれに対処する財源がどういうふうに求められるかという、年じゅう財源問題としてこれが扱われているということは、私は、人事院のあり方から見てこれはいい傾向ではないというふうにむしろ考えていることでございまして、人事院勧告はつまらぬものだから金が余ったらやってやろうという考えじゃない。全くこれは逆な、そうでないやり方をしたいということを考えているのでございます。
  37. 鈴木力

    鈴木力君 たいへん御多忙だというので、簡明にお答えいただきたいのですけれども、そういうお答えをいただきますと、申しわけないが、もうしばらくおつき合いをしてもらわなければいけませんよ。私が聞いているのは、いまの人事院の制度では実施できるとかできないとかいう、その問題は飛んでお伺いしているわけです。ただし、しかし、いまの問題で私は非常に重要な問題は、大蔵大臣は、政府の閣僚として、人事院のいまやられておる勧告のこのあり方は、最初から政府実施できないという前提で人事院勧告を見ておったのか、その点の解釈をはっきりと聞きたい。
  38. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) 実施できないと最初から見ておったわけではございません。財源があれば実施できる問題でありますし、また昭和三十五年以前のようにほんとうに財源のなかったときには勧告実施しなかった。それ以後においても完全実施をしていないというのも、結局はずっといままではこれが期の途中からの勧告というために財源問題として処理されておったということであろうというふうに考えております。
  39. 鈴木力

    鈴木力君 これはちょっと総裁に伺いたいのですが、昭和三十五年には財源がなかったから勧告をしなかった、大蔵大臣がこういま答えられておりますが、人事院財源を勘案して勧告をする立場をとっておるのか、主体的に政府あるいは公務員労働者——公務員職員ですね、それらの者の意見とか事情はともかくとして、最も具体的に客観的な公務員給与がどうこうということを勧告をしておるのか、その点を明らかにしていただきたい。特にいま大蔵大臣のおっしゃった、三十五年には財源がなかったから勧告をしなかった、これは重要なことですから、事実をはっきりしていただきたい。
  40. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) 私、そう申しません。財源がなかったから人事院勧告しなかったというのじゃなくて、人事院勧告は常に出ておったが、財源問題で政府完全実施をしなかったということを申したのであります。
  41. 鈴木力

    鈴木力君 それならわかりました。  そこで、財源問題で完全実施をしなかったというのは、完全実施をしたことがなかったということなんでしょう、いままでに。特に三十五年を取り上げる必要がないわけです。それが、財源がなかったということで終わっているのです。それを大蔵大臣は、この制度では実施しにくいから、財源だけで完全実施できなかったと言って逃げようとしておるということです。これは私は政府の閣僚として、責任者としてはきわめて無責任言い方だと思うんです。つまり、勧告というのは、先ほど以来他の閣僚の皆さんからおっしゃったように、これは道義的にということばを使おうと使うまいと、少なくとも完全に実施すべきものだ、これが前提になっておったわけです。これが前提になっておって、少なくとも大蔵大臣完全実施できるような財源を見つけてくるのが大蔵大臣の任務でなければならないはずです。そうなんでしょう。ところが、今日までのやり方やいまの御答弁を伺うと、そういう人事院勧告制度というものに対する御理解が、反対だと言われればそれでけっこうなんですが、どうもないように見受けるのは、いまどれだけあるか見通しをつけておる、そしてまた、先ほど塚原総務長官からも御答弁があったように、まだ大蔵省のほうから財源見通しが出てこないので、実施期日はどうするかという議論をしていないということも出ている。そうすれば、もう勧告なんというのはほんとうに意味がなくなるのですね。そうでなしに、こうすべきまず前提としては、政府完全実施しなければならないという前提をきちっと立てておく、そうして大蔵大臣のほうがそれに見合う財源を持ってくる、これが今日の制度のあり方だと思うんです。その点についてのはっきりした考え方、はっきりした大蔵省の姿勢をここで言っていただきたい、こういうことです。
  42. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) 私は、昨年人事院と相談しましたが、とにかく八月に勧告が出て、さかのぼれという勧告ですが、なかなか期の途中で財源関係でさかのぼれないのがいままでの実際でした。で、そこに半年なら半年の常に一般公務員はズレを持っておるんですから、一ぺん八月の勧告が出て、それをそのとおりわれわれは実施しますが、来年に行って、一月なら一月にもう一ぺん勧告してくれぬかと、期の途中でもう一ぺん勧告して、四月からこれだけ予算をとるかどうかという勧告があると、一ぺんズレているのをもとへ戻せるから、いつか年二回の勧告ができないものだろうかという相談もしたことがございますが、なかなか実際問題としてむずかしいとか、いまいろんなことを政府部内でも考えておりますし、また人事院にも考えていただいて、何とかこれがいわゆる完全実施というものができる方法をひとつここでくふうしたいというふうに考えておるくらいでございまして、人事院勧告を無視するという考えは全然ございません。
  43. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 大蔵大臣急いでおられるようですから……。
  44. 鈴木力

    鈴木力君 私の聞いてないことを答えるから時間がかかるのです。おそくなるのは大臣のせいだと思って許してください。  私は、いまの制度でやりにくいとかやりやすいとか、いまそんな議論を、大臣が忙しいそうだから、するつもりはない。そういうことをやってきたが、今日の制度で、つまり従来のやり方人事院勧告をするという制度が厳然としてあるわけです。そして、すでに八月の十五日に勧告をされているわけです。そのときに、本来ならば、あっちから予算、こっちから予算という議論じゃなしに、勧告をされた時点に立って完全実施しなければならないというのが立場じゃないのか、そのたびに財源を見つけようとするのが大蔵省の立場じゃないか、そういうことを聞いている。その立場をはっきり言ってもらいたい、こういうことです。
  45. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) 立場はそうですが、これはなかなか財源問題で縛られるというのが過去全部のあり方でございますので、そういう勧告のしかた自身も変えるかどうかくふうをこらすほうが道が早いんじゃないかということを考えておるということです。
  46. 鈴木力

    鈴木力君 それは将来の問題だから、大臣とゆっくり時間をかけて議論しようと私は言うのじゃない。いま忙しいから、八月十五日に勧告をされたものをいま財源検討していると大臣おっしゃるから、財源検討するのはあなたのほうですから検討しているのはあたりまえ、大臣の任務ですからね。そのときに完全実施をするように財源を見つけるような努力をするのが大臣立場ですから、そういう努力をしますと言ってもらえば、私はそれでいいんですよ。あとお帰り願える。ところが、あるかないか、その辺にどれだけ余っているかを調べてみますというのじゃ私は承知できない。どちらなんですかと聞いている。
  47. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) いまそんな程度の私ども財源の研究をやっているわけじゃございません。実は他の補正要因がたくさんだまっているとき、一応補正予算を組んで国会に提出しなければならない責任者でございますので、いかにしてこの財源を捻出するかということは、私どもとしての真剣な問題でございますので、この財源の把握にいまつとめているということでございます。いいかげんに財源をどういうというふうなことは考えておりません。
  48. 山崎昇

    ○山崎昇君 官房長官は時間がないというのですから一点だけ……。
  49. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 大蔵大臣、いいですか。
  50. 山崎昇

    ○山崎昇君 大蔵大臣が忙しい忙しいと言うものですから、私どもは協力的になっているのですが、時間はいいですか、秘書官が来て盛んに私に……。  ちょっと官房長官にひとつ、きのうの新聞に実は十六日に何かあなたのほうで結論を出すと報道されているが、一体内閣として、この問題の閣議の決定か、あるいは閣僚会議の決定か知りませんけれども、一応政府としてこの態度をきめるのは、めどをいつごろにするのか、その一点だけ。
  51. 木村俊夫

    国務大臣(木村俊夫君) いま大蔵大臣が申し上げましたとおりに、財源見通し、ある確実度を持った財源見通しを持ちたい、そういう方向で、大蔵省当局には、この財源見通しを早く出してもらいたいということを要求しております。大蔵大臣見通しでは、大体中ごろに大体の見通しが出るということを受けまして、十六日ごろに、給与担当閣僚会議をやろうということを申し上げているわけであります。したがいまして、この十六日に政府公務員給与に関する結論を出すという意味じゃございません。
  52. 山崎昇

    ○山崎昇君 そうすると官房長官ね、十六日は閣議でないですね。それから加えて言いますと、私どもも心配しているのですが、二十六日には組合側のいろいろな行動がある。それで政府と組合とでトラブルが起きたのでは、思うようになりません。そこで私ども何か新聞記者を通じて聞きますと、十六日ごろに閣僚会議で一応の方向が出て、おそくとも二十四日の閣議できめる、こういうふうに聞いているのですが、一体そこらのめどになっているのかどうか。それから、総理大臣は何といっても二十二日にならなければ帰ってこないですね。そこで、いつアメリカに行かれるのかはっきり知りませんが、いずれにしても、アメリカに行くまでにはきめなければならぬ、そうのんびりもできないと、こう思うのですが、新聞の伝える二十四日ごろに官房長官としてきまる見通しなのかどうか聞いているわけです。
  53. 木村俊夫

    国務大臣(木村俊夫君) 事柄の性質上なるべく早くきめたい、これは政府の一貫している態度でございます。ただ、いま申し上げましたような財源の問題が出て作業がおくれております。しかしながら、いまお話がありましたように、二十四日ごろまでにはぜひ政府の態度を決定したい、こういうめどを立てております。
  54. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 自治大臣お見えになりましたが、これまた時間的にはたいへん時間が要るので、一、二の問題にしぼってお伺いしたいと思います。  まずお伺いしたいのは、地方公務員とか、あるいは地方公営企業の職員の給与の改定についても、これは当然公務員公平の原則に基づいて国家公務員に準じて政府財源措置をとるのが理の当然だと考えられるわけです。そこでお伺いするわけですが、まずお伺いしたいのは、財源確保のために自治大臣としては今日までどのような努力をされてきたのか。また、この問題について自治大臣としてのお考えをこの際はっきりお伺いしたいと思います。
  55. 藤枝泉介

    国務大臣(藤枝泉介君) 地方公務員につきましては、御承知のように、国家公務員についての給与基準の引き上げがあった場合はこれに準ずることになっております。したがいまして、国家公務員について人事院勧告をいかに取り扱うかという政府方針が決定すれば、それに伴いまして地方財政の状況を勘案しながらも、しかしそれが、準じて処置できるような財源を確保いたしますことは当然だと考えております。ただおことばの中に地方公営企業の職員の問題がございましたが、これはもう伊藤さんには釈迦に説法なんでございますが、要するに公営企業職員の給与につきましては、同一または類似の国家公務員地方公務員あるいは民間の企業の職員、こういうものの給与水準並びにその企業の経営状況等が決定の要因になるわけでございまして、国家公務員において、たとえば今回七・九%の引き上げがあったからといって、直ちに企業職員も七・九%引き上げるという原則でないことは御承知のとおりでございまして、しかし、一般の地方公務員につきましては、ただいま申しましたように、財源的な処置は十分いたすつもりでございます。
  56. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 地方公務員についてのお答えは私了解できるわけですが、公営企業の職員についてはもちろん法的にはそのように何ら制約はないわけです。だがしかし、公務員公平の原則ということはやはりどこまでもその精神はとってもってこれを取り入れなければならないということは、そういうことは当然だと思うのです。したがって、地方公務員についてはもちろんですが、公営企業職員についても、働く意欲を喪失させないためにも、いわゆる公平を守るのがどこまでもこれがほんとうの政治性だと思うのです。そういう観点に立って、公営企業についても十分ひとつ最大限の努力をするようこの際強く要望しておきたいと思うのです。  なお、これは申し上げるまでもないことですが、地方財政は年々ますます逼迫してきておる。したがって、いわゆる地方財政は深刻な危機状態に直面しておるということが言えると思うのです。だから、深刻な事態になっておるから完全実施できないということでは、財源措置ができないということでは相ならぬと思うのです。そこで非常に危機に直面しておるこの際ですから、尋常一様の対策ではどうにもならぬ。このことについては十分な対策があってしかるべきだと思うのです。  なお、地方公務員給与改善のためのいわゆる新規財政需要額はどの程度になるのか。もちろん、ことしこそ完全実施するでありましょうから、そこで五月実施の場合だけをお伺いしておけばいい、あとはお伺いしてもむだになりますから。
  57. 藤枝泉介

    国務大臣(藤枝泉介君) 五月実施にいたしまして、特定財源を除いて一般財源が一千億です。それから、この地方財政非常に困窮をしておるので、これをやる場合にいろいろ困難を感ずるであろう。確かに御指摘のとおりでございます。しかしながら、国家公務員について政府方針が決定いたしましたならばこれに準じて地方公務員のベースの引き上げも行なわれるわけでございますから、その所要財源についてはもちろん地方財政の現況等もにらみ合わせなければいけませんけれども、やはり国家において責任を持たなければならないということは当然だと考えております。
  58. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 そこで、時間がございませんから、最後に一点だけ強く要望を兼ねてお伺いしておきたいと思うわけです。  そこで、自治大臣としてのやるべきことは、この給与改定について人事院勧告完全実施するために要するいわゆる地方財源ですね、これをいかにして確保するか、この一点に帰すると思うのです、要約すれば。そこで、いま申し上げたように、一方、地方財政はきわめて窮迫しておるのだからやむを得ないということではなくて、窮迫しておればおるほど、ことほどさように、さらに一段と地方財源確保のために特段の尽力があってしかるべきだと思うのです。そこで、このことについては万遺憾ないと思いますが、ひとつあくまでも国家公務員に準じてこれが完全実施できるようひとつ格別なお骨折りをいただきたいということを強く要望申し上げ、それに対する大臣の決意のほどを伺って私の質問を終わっておきたいと思います。
  59. 藤枝泉介

    国務大臣(藤枝泉介君) 先刻御承知のことを申し上げるようでございますが、地方税の伸びは、御承知のように、法人関係のものはその年の景気に左右され、まあ、経済が上昇すれば法人関係の住民税あるいは事業税というものは伸びますけれども一、他は大体前年課税でございますので、そうそう地方税の伸びというものは考えられないと思います。もちろん、大府県等においてはある程度の伸びは考えられる。それからもう一つは、まだ大蔵省の財源見通しがつきませんので、検討はできませんけれども、まあ国税三税が伸びれば、それの三二%というものは地方交付税に行くわけであります。それらを勘案しながら、国家公務員についての方針が決定いたしますならば、地方財政についても十分考慮をいたしまして万遺憾なきを期したいと考えております。
  60. 山崎昇

    ○山崎昇君 自治大臣に二、三点ひとつお聞きします。  一つは、自治体で支給されておる管理職手当というものについて、その性格、それからあなたのほうで、こういうのは国家公務員に準ずると言いながら、国家公務員にはない制度を地方公務員にだけやっておるのですが、その基準的なものをどういう指導をしたのかまずお聞きをしたいと思います。
  61. 藤枝泉介

    国務大臣(藤枝泉介君) 御承知のように、管理職手当というものは、地方自治法に、条例によって出し得る手当の中に入っておりますことは、これは申し上げるまでもないわけでございます。管理職手当というものは、管理または監督の地位にある職員に対しまして、その占める職務の特殊性というものに基づいて支給される制度であることは、これまた申し上げるまでもないわけでございまして、国家公務員につきましては、御承知のように、通称管理職手当とは言っておりますが、俸給の特別調整額がついているわけでございます。これに対する人事院規則でどういうものになるかということは御承知のとおりでございますので、その国家公務員の特別調整額の支給範囲及び支給率と均衡を保ったような制度にすべきであるという指導をいたしておるわけでございます。
  62. 山崎昇

    ○山崎昇君 特殊性といま大臣から言われたのですがね、その中身はどんなものですか、具体的にひとつ。
  63. 鎌田要人

    説明員(鎌田要人君) 特殊性ということで端的に浮かび上がってまいりますのは、勤務時間の特殊性であろうと思うわけでございます。管理監督の地位にある者でございますというと、通常の勤務時間というものを越えまして、勤務を、ある意味におきまして無定量の勤務体制というものがやはり前提とせられるわけでございましょうし、そういう者に対して一々超過勤務手当を払う、こういうことではございませんで、管理職——国家公務員の場合でございますというと一般職給与法の規定に基づきまして特別調整額というものを出しておる。これを地方公務員におきましては、管理職手当ということで、地方自治法第二百四条に規定いたしておるということでございます。
  64. 山崎昇

    ○山崎昇君 いまの説明を聞くと、特殊性というのは勤務時間だけですか。それじゃ管理職全体があらかじめもう勤務時間内に仕事を終えないのだと、そういうことをあなた方は第一に考えなきゃこういうことできないですね、勤務時間ということだけであれば。それから実際の実態からいくと、何割かの人は確かに忙しい人もいるかもしれぬけれども、大半はそんなに忙しくないですよ。勤務時間できちんきちんと帰るものについて、毎月こういうものが支給される、それでも特殊性ですか。実態と、あなた方の頭の中で考えておるのと、だいぶ違うのではないですか。ほかに特殊性かありますか。あったらまずお聞かせください。
  65. 鎌田要人

    説明員(鎌田要人君) 非常にわかりやすい端的な例で申し上げましたので、そういう御質問になったんだろうと思う次第でございます。この点はおわびしなければならないと思うわけでございますが、要するに、管理なり監督なりの地位にある職員の勤務の態様は、御案内のとおり、行政事務の執行の適正な運営を確保する、こういうことからいたしまして、あるいはまた、監督の立場にあるというものでございますというと、職員の任用でございますとか、あるいは昇進でございますとか、そういった面についての仕事に携わるわけでございましょうし、そういうものにつきましては、いま端的な問題といたしまして勤務時間ということで申し上げたわけでございますが、いわゆる一般の職員と違った職務と責任の度合いというものがあるということは、これはやはり客観的に言えるのではないだろうかというふうに思う次第でございます。そういった立場の人たちに対して、特別調整額というものか国家公務員において出されておりまして、それを地方公務員においても管理職手当という形で受け継いでおるということを申し上げたわけでございます。
  66. 山崎昇

    ○山崎昇君 何か説明を聞けば聞くほどわからなくなる。適正な仕事をしなければならぬ、部下の任用、昇進も考えなければならぬ、そんなこと、あたりまえじゃないですか。仕事の内容じゃないですか。そのために、公務員給与法の体系は等級別に割られて、責任と任務の重さに従って給与がきめられておるんですよ。その上に、さらにこういう特殊性がありますか。ないじゃないですか、何にも。一番あなたの主張しておるのは、何と言おうとも、何かあらかじめ勤務時間を越える、係長あるいは課長になれば、もう初めから勤務時間内では仕事ができないのだ、その勤務時間を越えるのだ、それははかることがむずかしいから、あらかじめ一定の金額をやるのだという説明しかできないじゃないですか、特殊性と言ったって。それ以外に明確にこの特殊性を説明できるような内容があれば、だから説明してくださいと言うのですが、何もないじゃないですか。管理者のこれは職務内容であって、そのために、一等級なり二等級なり、高い俸給というものを支給されておるのではないですか。そうでなくて、安い俸給を出しておって特殊な任務を与えておるなら別です。しかし、そういうのは、どうしても仕事の遂行上特殊な必要があるというならば、それは特勤手当という制度もある、そうでしょう。職務遂行上必要ならば特殊勤務手当という制度もある。なぜ、こういうものにだけ、管理職手当、あるいは国家公務員で言っている特別調整額というのですか、こういうものが必要なんですか。私にはどうしてもわからないのですが、もっと別な内容があればひとつ聞かしてください。
  67. 鎌田要人

    説明員(鎌田要人君) 答弁の繰り返しになるようで恐縮でございますが、管理監督の立場、地位にある職の内容というものは、やはり一般の職員に要求せられる職務の内容なりあるいは責任の度合いとは、これははっきり違うというふうに私ども考えるわけでございます。そういうものであるならば、特勤手当あるいは本俸で考えればいいじゃないか、これは私は十分理屈があると思うわけでございます。ただ、特殊勤務手当というものは、現在つけております実態を見ておりますというと、職務の困難あるいは危険、不快、いろいろなものがございますけれども、いわばそのときそのときにそういう仕事に従事するというものに対してつけられるという性格のものが多いのではないか。その職に当然伴って職務の内容なり責任の度合いなりというものが加重されるというものとは違うのではないか。それから本俸の中に当然これを織り込むべきではないか、職務給に徹する以上、私はそれは当然であると思うわけでございます。この点につきましては、国家公務員につきまして特別調整額というものをつけられましたときにも何か、両論があったように伺っておる次第でございます。その間の経過はつまびらかにいたしませんが、それはやはり本俸で考えるというのも一つの行き方ではないかというふうに考えます。
  68. 山崎昇

    ○山崎昇君 いや、私はあらためて本俸で考えろなんて言っているのではないのです。本俸が、そういうことが土台できめられているんじゃないですかと言うのです。当然その職務にふさわしいとあなた方が言っていまの給与を払っておるのではないですか。ですから、あなたが先ほど来言っている特殊性という特殊性の内容が私にはわからない。いろいろあなたが言われるけれども、特殊性ということを要約すれば、勤務時間しかないじゃないですか、勤務時間しか。そうすると、あなたの説明からこれを言うと、二つに分けられる。一つは、あらかじめ所定の勤務時間内で仕事をやれということにはならない。何か何時間も超勤をしなければならぬというような仕組みになっているような説明になっている。二つは、現実にそういう人もおるかもしれぬけれども、大半のものはそうでないものもおる。そうすると、勤務時間は、所定の勤務時間でどんどんお帰りになる方についても、特殊性と称してこういう手当が支払われることについてはおかしいじゃないですか、給与政策上。そういうことについて、あなたは何も明快に答弁がないじゃないですか。ですから私は、この管理職手当だとか、これはもっと給与政策のときには、人事院とも私は論議をしなければならぬと思っていますが、いま地方公務員給与問題に関連をして財源の問題か一番議論になるから、こういうあまりだれも望んでおらないようなものが中央からどんどん各府県につくられ、そうして地方で摩擦が起きる。ところが、一般の職員の超過勤務手当については、六%の予算の範囲内で押えられて満足に払わない。もっと極端な表現を使えば、働いた者に対する正当な報酬は押えられて、働かなくても管理職という名前がくっつけば、一定額の給与が保障される、こういう給与政策のあり方がおかしいんではないですか、こうなってくるわけです、結論は。しかし、いま私はそこまでは言いませんが、この管理職手当についてはどうも私どもわからない、納得できない。そしていわんや、私から言えば、これはもう交際費的なものになっておる、実際は。いろいろ聞いてみると、たとえば課長になれば、結婚式のときの何かお祝いにしても高くやらなければならぬとか、何か会合があれば金一封を出さなければならぬとか、そういう支出が多いからこういうものをつけたんじゃないかということを、もらっている本人たちもそう言う、大体は。ですから私は、この管理職手当なんというしろものは、ていのいい交際費ではないだろうか。これは極論ですけれども、そうすら考えさせられるわけです。そういうものがきわめて多額に出されておる。最近は八十七号条約が批准されて以来、管理職が全部組合からはずされた。そのたびに、管理職が一人ふえるたびに、こういうふうになってきて、上級者は何にも働かなくても、と言ったら語弊がありますが、超勤しなくても、実質的には毎月一定額の給与が保障されておる、こういう状態にあるんではないだろうかと私は思うんです。そういう意味で自治省は、この管理職手当についてはもう一ぺんひとつ考え画してもらいたい、検討し直してもらいたい、こう私はまず思うわけです。  その次に、これはここですぐ決着のつく問題ではありませんから、最後は、私の意見として申し上げておきますが、その次に、私はこの間新聞を見て、きわめてショックな事件が二つあった。それは、熊本県と神奈川県で、現職の地方公務員が生活保護の適用者になっておる。私は、これは考えてみなければならぬ問題点だと思うんですね。これは、いま新聞に報道されたのは熊本県と神奈川県でありますが、私の出身の北海道でも、特に現場の職員にはこういうすれすれの者がたくさんいる。平均をすれば、公務員賃金は四万何ぼという人事院勧告になるけれども、実際に個人に当てはめたら、きわめて劣悪な条件で働かされている公務員というのはたいへん多い。  そこで、勧告内容についても、いろいろお伺いしなければなりませんが、端的に言って、行政職の(一)表というものがあるがために、こういう存在が依然として起きておる。この点についてあなた方はどう考えられるか。将来、行政職(二)表なんというのはやめて、そして、こういう生活保護ぎりぎりの職員というものをもっと私は改善をしなければならぬのではないかと思うんですがたまたま新聞報道されましたから、それに関連をして大臣の見解を聞いておきたい。  さらに私は、生活保護法の基準が最近上がった。十月一日から米価が上がったので、約六百四十四円上がっているのですね。米の値段の分だけ上がっておる。しかし、生活保護の諸君というのは、特に所得税その他無税なんですね。ですから、四人家族で、大東京であれば二万四千円もらうわけでありますから、そっくり二万四千円もらう。さらに、病気をすれば医療保障もある。ところが、公務員の場合には、これは給与をもらった分は所得税も取れらますし、その他の社会保険も取られる。いわば八割しかもらえない。実際に使えるのは八割前後。それで扶養家族があったら、実際的には、生活保護法の適用職員よりもっとひどい生活実態に現業職員はあるのではないかと、私はこう思うんですが、それらについて自治省のほうで調べられておれば、実態について説明願いたいし、もしもないとするならば、将来そういうものをどうあなた方は対処するのか、この機会にお聞かせを願いたい。  さらに、先ほど伊藤委員のほうから財源の問題の話が出まして、これはまた大臣からも答弁がありましたから、あまり多くは申し上げませんが、いずれにしても、公営企業の職員といえども地方公務員であります。ただ、適用される法律が、一般公務員法と公営企業法との関係だけであって、働いている者からいえば、法律がどっち向いていようが、どういう適用をされていようが、あるいは一般会計であろうが特別会計であろうが、そういうことについては関係がない。ですから、働いている者からいえば、当然自分の働いたものに対する代償としての賃金はもらう、こうなると思うんです。そういう意味で、私ども働く者からいえば、この企業会計職員の財源等の問題についても、当然使用者としてこれは措置をしなければならぬ問題ではないかと、こう思うんですが、再び大臣の見解を聞きたい、こう思うんです。
  69. 藤枝泉介

    国務大臣(藤枝泉介君) 第一に、職員で生活保護を受けておる者があるという新聞報道につきましては、具体的に調べまして、いろいろもし必要であれば具体的な例を申し上げますが、非常に何といいますか、相当高齢——高齢と言っちゃ悪いですけれども、年が多くなってから採用された、しかも、行(二)の職員であるというようなことと、それと、家族構成が非常に複雑であるということが原因のようでございますが、いずれにいたしましても、公務員がそのようなことになるような状態そのものにつきましては、十分検討しなければならぬと思っております。  それから行(二)の制度をはずしたらどうだという御意見でございます。まあ地方公務員国家公務員に準ずるということでございますので、国家公務員に行(二)という制度がございます以上、これを地方公務員について、はずすというわけにはいかないのではないか。また、職務の内容等につきまして、ああいう二つの、行(一)、行(二)の区別のあるということは、現在におきましては、まあいいんではないかと思うのでございますが、しかし、御提案でもございますし、今後、人事院等とも御相談を申し上げてまいりたいと考えております。  それから企業体職員についてのお話がありましたが、真正面から申し上げれば、先ほど伊藤委員にお答えしたようなことでございます。しかし、全国六千もある企業体でございますから、いろいろ特殊な事情もございますので、その企業体の状態によって、いろいろ十分個々の問題については対処してまいりたいと考えております。
  70. 山崎昇

    ○山崎昇君 何か二時ごろ終えるということでございますから、人事院総裁にちょっと一、二点聞きたい。ほんとうはまだまだ聞きたいのですが、時間がないのでやられませんが……。  そこで、先ほど来私ども委員側と政府側のやりとりをずっと総裁はお聞きになっていると思うが、あなたが人事院総裁になられたのが三十九年二月ですね、そうすると、大体まる三年ちょっとおられるわけですが、その間に三回人事院勧告が出されて、それがことごとく守られないわけですね。そこで私は、人事院の権威の問題からしても、ことしは人事院総裁としてこの人事院勧告実施期日を完全に守らせるという自信があるのかないのか。それから政府の言っているあの理由は、人事院として理解されるような理由であるのかないのか、見解を聞きたい。さらに、もし人事院の権威が守られないということになれば、一般の公務員からは、人事院という存在は何なんだという不信の声がさらに高まる。政府のほうは、あなたのほうの勧告を守らないということで、政府みずからもまた、人事院というものを、ある意味では軽視する。そうすると、人事院の存在は今後は一体どうなっていくのかという心配があると私は思う。そういう意味で、ことしはよほど人事院総裁は決意してやってもらわなければならないと思うのですが、もしも、ことしもまた人事院の権威が守られなかった場合に、あなたはどうしますか。これは少し先ばしった意見になりますが、質問になりますが、むしろ私は、公務員共闘の笹川と一緒になって、政府に対して、あなたがみずからすわり込みをやってでも、この人事院勧告実施させるという決意があってもいいじゃないかと思うが、その決意があるかどうか、まずお聞きしておきたいと思う。  それから中身についても、ずいぶんいろいろ質問したいのですが、もう時間がありませんから、もう一点にとどめたいと思うのは、寒冷地手当について一体いつごろ人事院の見解が出されるのかということが一つと、それから、たいへん地元からいろいろ陳情が来ているわけですが、その中身を、定率部門の増額と、それから定額部門の増額並びに最近運搬賃等の問題がきわめて切実な問題になってきているし、とりわけ、辺地ですね、離島でありますとか、ああいうところの輸送費というのはたいへんな状態にあるわけですが、そういうものをぜひ勘案せよとか、あるいはまた、八月三十一日の在勤者に支給されるのですが、九月一日以降の新規採用者だとか、勤務がえの者には渡らない。しかし実際は、半年以上にわたって北海道に勤務するということになって、これはたいへんなことになるのです。昨年も、具体的な点でいえば、林野庁で問題があったですね。大阪から転務になったんですが、一円も渡らない。しかし、ストーブを買わなければならないということで、やや十万円近い支出があるということになると、これはたいへんなことになると思うのですが、そういう意味で、九月一日以降の新規の採用者あるいは勤務がえされた者、そういう者についても、ある程度のやはり措置をしなければならないんじゃないかと思うのですが、そういうものの内容を含めて私は政府は当然考えると思うのですが、大体いつごろこれらについての人事院の見解が出されて、そうして年内にそういう措置が間に合うかどうか、そういう見通しの問題について総裁の考えをお聞きしたい。
  71. 佐藤達夫

    説明員佐藤達夫君) 前段の問題については、あらゆる機会に、あらゆる委員会において同様のおことばをいただいているわけでございます。そのつど、まともにお答えはしておりますけれども、と申しますことは、私としては、実にさびしいといいますか、悲しいといいますか、そういう御質問だと思うのです。私の心情からいいまして、決意はどうかと言われて、あるいは、大いに努力をすべきではないかと言われて、それでは努力をしましょう、決意を固めましょうというような、そういう心境では実は私はないわけなんでございます。その点は十分お察しいただいて、もちろん、人事院立場には、あるいは権限に限界はございますが、これは私どもの一存でどうきまるべきものではありません。したがって、政府にも十分お願いをし、ことに最近声を大にしておりますのは、国会にどうぞよろしくとおすがりしていくほかは結論的にはございませんけれども、私の真意はそういうところにあるということだけは十分お際しいただきたいと思います。  それから後段の点は、これはもうかねがね御要望を承っております寒冷地手当一般の問題についても、目下慎重に検討を続けておるところでございますが、さらに十分御趣旨を体して検討したいと思います。
  72. 山崎昇

    ○山崎昇君 めどはいつごろですか。
  73. 佐藤達夫

    説明員佐藤達夫君) めどはまだちょっといま申し上げるだけの段階にまいっておりません。なかなか、御承知のように、あるいは御推察のように、いろいろな問題がございますし、いつという段階には……。
  74. 山崎昇

    ○山崎昇君 おおよそ……。
  75. 佐藤達夫

    説明員佐藤達夫君) おおよそも……。
  76. 鬼木勝利

    ○鬼木勝利君 自治大臣にちょっとお尋ねいたしますが、いままで自治省の基本方針としては、地方公務員国家公務員に準ずる、このように指導してこられたと思いますが、例年非常に地方公務員のベースアップということに対して、財政が非常に逼迫しておる、これはまあ皆さん御承知のとおりでございますが、それで、四十三年度から民間の学識経験者等を集めて、給与関係の研究会、給与問題研究会ですか、そういうようなものを自治省でおつくりになるとかいうことを聞きましたが、そういうお考えございますか、その点、自治大臣
  77. 藤枝泉介

    国務大臣(藤枝泉介君) 前段のこの国家公務員のベースアップがあった場合、それに地方公務員も準ずる、したがいまして、それに対しての財政措置というものは国としても十分考えていく所在でございますことは、先ほど来お答えしたとおりでございます。ただ、給与全体と申しますか、地方公務員給与のあり方、あるいは企業職員等も含めまして、そういうものについて、今後もちろん国家公務員に準ずるわけではございますが、なお検討すべき幾多の問題があるのではないかというような意味で、ただいまお話のありましたような、ほんとうの研究会、いわゆる審議会とかそういうものではございません、研究をするというような体制をつくったらどうであろうかということは現在考えておる次第でございます。
  78. 鬼木勝利

    ○鬼木勝利君 そうしますと、従来までは国家公務員と同じものを地方公務員にも適用する、つまり俸給表をですね、なお、初任給の引き上げなども国家公務員並みに行なう、こういつた地方公務員に対する待遇が国家公務員に準ずるという基本的な基本線といいますか、根本の基本線は変わらない、財政処置等について研究会をやるのだ、しかも、審議会とかというようなものでなくして、いわゆる研究会である国家公務員に準ずるという基本方針は変えない、かように解釈してようございますか。
  79. 藤枝泉介

    国務大臣(藤枝泉介君) 国家公務員に準ずるという基本方針を変えるつもりはございません。ただ、地方公共団体の職員としてのいろいろな特殊性を持ったものもございます。そういうものを国家公務員に準ずるといいましても、どういう準じ方をするか、そういうような問題もございます。そういうことで、ただいまも申し上げましたように、ほんとうの研究会という意味において、これらの問題を検討してみたいという考え方を持っておるわけでございます。
  80. 鬼木勝利

    ○鬼木勝利君 国家公務員に準ずる、こういうことで、たとい地方財政が膨張しようとも、その財政処置は政府のほうで考える、さしあたり、ことしも五月にさかのぼれば一千億、あるいは、これは仮定でございますけれども、九月とすれば六百数十億というふうに聞いておりますが、そういう処置に対しては自信がある、地方財政の圧迫はしないのだ、自治大臣責任を持ってその処置をやるのだ、かように解釈してよろしゅうございますね。
  81. 藤枝泉介

    国務大臣(藤枝泉介君) さようでございまして、要するに、国家公務員についての方針が決定いたしますならば、それに準じて地方公務員を処置する場合の財源については、もちろん地方税の伸びもございますし、あるいは、まだ大蔵省が財源措置についての見通しを立てておりませんが、国税三税がふえれば、それだけ地方交付税がふえるわけでございます。そういう点を勘案いたしまして、地方が地方職員の給与改定に非常に困難を感ずるというようなことのないようにしてまいりたいと考えております。
  82. 鬼木勝利

    ○鬼木勝利君 自治大臣が二時までというお話でございますので、要点をお尋ねしたいと思います。  それは、都市手当という問題については、私はいろいろ意見を持っているのでございますが、これを地方公務員にも支給する、そういう点においてどのように措置をすべきかということに対して、自治省は岐路に立っているというようなお話を承りましたが、そういうことの考え方を持っておられるのですか。
  83. 藤枝泉介

    国務大臣(藤枝泉介君) 今回の勧告都市手当は、法律に基づいて人事院がなすべき勧告をされたわけでございます。したがって、これを尊重しなければならぬわけでございますが、私どものように、地域全般に人員は配置しなければならない、教員であるとか、警察官でありますとか、そういうものが、はたして、ああいう形の都市手当というものがついた場合に、人事異動等に支障がないだろうかというような問題が一つあるわけでございます。したがいまして、政府部内の給与担当閣僚協議会におきましても、いろいろ議論があるところではございますが、しかしながら、勧告されたのでございまして、これは尊重していかなければならない。その場合に、ことに警察官、学校の教員等は国家公務員給与にほんとうに準じなければなりませんので、それらが一体、教員の異動、警察官の異動等にどう響くだろうかというようなことをいろいろ検討をいたしているわけでございます。したがいまして、まだ結論を得られませんけれども国家公務員においてこれが採用された場合に、地方公務員についてどのような処置をすれば、ただいま申し上げたような心配がなくなるかというようなことを目下研究をいたしておる次第でございます。
  84. 鬼木勝利

    ○鬼木勝利君 それでは、ただいま大臣の御答弁のとおり、都市手当ということに対しては、新設に対しては、これは大いに議論があるところで、これは冒頭に私が申し上げたとおり、私も意見は持っておりますが、それが採用されるということになれば、当然国家公務員に準ずるという基本線に沿って、答申の内容は十分私は尊重していただきたい。まだ決定もしないうちに、だいぶ自治省で右顧左べんしておられるというお話を聞きましたので、その点、ちょっとお尋ねしたわけでございますから、これはまだ決定しないことでございますから、その点ちょっと大臣の御見解をお尋ねしたわけです。どうぞ、ひとつその点はよろしく。じゃ、ちょうど二時でございますから……。
  85. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) よろしいですか。——  それでは、本件につきましては、この程度といたしまして、本日はこれをもって散会いたします。   午後二時散会