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1967-12-01 第56回国会 参議院 運輸委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年十二月一日(金曜日)    午後一時十八分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         天坊 裕彦君     理 事         岡本  悟君                 谷口 慶吉君                 木村美智男君                 小酒井義男君     委 員         金丸 冨夫君                 木村 睦男君                 前田佳都男君                 大倉 精一君                 吉田忠三郎君                 田代富士男君    国務大臣        運 輸 大 臣  中曽根康弘君    事務局側        常任委員会専門        員        吉田善次郎君    説明員        法務省刑事局長  川井 英良君        運輸政務次官   金子 岩三君        運輸省自動車局        長        原山 亮三君        運輸省鉄道監督        局長       増川 遼三君        日本国有鉄道副        総裁       磯崎  叡君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠互選の件 ○派遣委員報告運輸事情等に関する調査  (自動車行政等に関する件)  (日本国有鉄道の運営に関する件)     —————————————
  2. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。  理事補欠互選についておはかりいたします。  岡本悟君が一時委員を辞任されたため理事一名欠員となっておりますので、その補欠互選を行ないたいと存じます。  互選は、投票の方法によらないでその指名を委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 御異議ないものと認めます。それでは、理事岡本悟君を指名いたします。     —————————————
  4. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 運輸大臣並びに政務次官から発言を求められておりますので、これを順次許します。中曽根運輸大臣
  5. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) 今回運輸大臣を拝命いたしました中曽根康弘でございます。先輩各位の教導によりまして運輸行政の刷新と強化のために努力してまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手
  6. 天坊裕彦

  7. 金子岩三

    説明員金子岩三君) 運輸政務次官を拝命いたしました金子岩三でございます。全く運輸行政にはしろうとでございます。諸先生方の御協力と御鞭撻を得まして、大臣を補佐することができましたならばこの上もないしあわせと存じます。どうかひとつ御鞭撻のほどを切にお願いいたします。  簡単ですがごあいさつといたします。(拍手)     —————————————
  8. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 次に、運輸事情等に関する調査を議題とし、派遣委員報告を聴取いたします。  まず第一班、北海道班の御報告を願います。木村美智男君。
  9. 木村美智男

    木村美智男君 北海道班派遣報告をいたします。  派遣された委員は、金丸委員吉田委員と私の三人であります。  派遣期間は、九月十八日から二十三日までの六日間で、小樽札幌千歳室蘭函館吉岡を回り、現地における運輸省地方機関から管内事情を聴取するとともに、港湾施設及び空港施設実情国鉄の第三次長期計画進捗状況青函トンネル調査坑の掘さく状況等視察調査してまいりましたので、その状況及び関係者からの要望事項について、そのおもなものを御報告申し上げます。  まず、海運関係について申し上げます。  第一に、旅客航路及び離島航路事業についてみますと、離島航路を含む旅客定期航路は、三十三航路、二十六事業者であります。このうち、昨年度において、離島航路整備法により、国庫補助航路に指定されているものは、七航路事業者でありますが、人口密度の稀薄による利用の制約、沿岸漁業の不振に伴う荷動き、旅客の減少、人件費値上がり等のため、総額で三千五百七十一万円余の申請欠損を出しております。このうち、国庫補助金の交付を受けたものは、四事業者航路で、補助額は、一千四百五十四万円余であり、道が交付した補助額は、千九十六万円余で、これを加算しても、申請欠損額を補てんし得ない実情であるので、一そうの助成措置が必要であるとの説明がありました。  第二に、船員関係につきましては、当地方におきましても、海上労働力不足傾向は、年々深刻化の度を加えつつありまして、汽船及び漁船関係を通じ、若年船員確保が緊要な問題となっておるとのことでございました。  なお、小樽海員学校より、船員の資質の向上をはかるため、現在の本科を二年制の高等科へ切りかえることをすみやかに実現されるよう、要望がございました。  次に、港湾施設整備について申し上げます。  最近における日本経済伸長とともに、北海道経済も活発になり、港湾貨物取り扱い量も累増し、昨年においては、四千六百三十一万トンとなり、前年に比し、約一二・八%増となっております。  現在の港湾整備五カ年計画によりますと、総額約三百七十八億円の事業規模になっており、本年度は、その第三年次として事業費約八十三億円をもって、港湾施設整備を進めることになっておりますが、本年度末における進捗率は五四・二%に達する見込みであるとのことでございます。  ここで、私達が視察してまいりました室蘭港及び小樽港の港湾施設整備状況について申し上げます。  室蘭港は、その貨物取り扱い数量は、昨年において、二千二十五万トンに達し、全道のほぼ半分を占め、その比重は、まことに大きいものでありますが、さらに、近年における入港船舶の激増、船舶大型化により、現在の泊地では不十分であるため、現在の防波堤のほかに埠頭用地及び工業用地を造成すべく、昭和三十九年度より、外北防波堤の築設工事に着工し、昭和四十七年度までに完成する予定であるとのことでございました。  また、小樽港におきましては、本年度より、第四号埠頭建設に着工しておりますが、一九六七年二月の冬期オリンピック大会開催の際、協賛国船舶が多数停泊する予定になっておりますので、これを早期完成されたいこと、また、外材輸入増加により、大量の原木を受け入れるには、現在の小樽港の能力では扱い切れない状況であるため、石狩湾新港建設をはかられたい、との陳情がございました。  次に、海上保安業務について、申し上げます。  北海道及びその周辺地域における海難発生件数は、数年来四百隻を前後しておりますが、昨年は四百三十二隻、全国比一六%でありました。このうち、漁船海難発生件数が約九〇%を占めており、これは、全国漁船海難の約三五%に当たります。  また、ソ連による日本漁船拿捕は、依然としてそのあとを断たず、昭和三十八年貝殻島のコンブ漁民間協定により、コンブ漁船拿捕が同年以降なくなりましたが、なお、昨年においては、三十四隻二百九十四人が拿捕されているのであります。  このため、第一管区海上保安本部においては、漁船乗り組み員及び漁業関係者に対し、指導、取り締りを強化する一方、特別哨戒につとめ、鋭意事故の防止をはかっているとのことでございました。  また、従来のロラン局に加え、さらに精度の高い電波航路援助施設としてのデッカ局建設し、本年七月から運用を開始しましたが、関係者から大きな期待が寄せられているとのことでありまし片も  これに関連して、現在の老朽化した巡視船艇と速力の速い新鋭巡視船艇との代替室蘭函館海上保安部への化学消防艇配属函館航空基地配属中型ヘリコプターとの性能のすぐれた大型ヘリコプターとの代替千歳航空基地へのビーチクラフト機配属について、要望がございました。  次に、室蘭海上保安部におきましては、特に最近における石油化学工業の急速な進展に伴って、臨港地区石油関係施設が増設され、原油、LPG等危険物取り扱い量増加傾向を示しておりますので、昭和四十年五月にヘイムバード号火災事件発生していることにかんがみ、消火、排水等救難体制をとるとともに、関係者に対する指導につとめているとの説明がございました。  次に、道内空港整備について申し上げます。  まず、千歳空港につきましては、千歳市より、先に決定をみた政府の方針に従い、当市に国際空港設置し、これに必要な諸施設整備をしていただきたい旨の陳情がございました。  千歳飛行場周辺地は、不毛の地であり、地目は、すべて山林、原野で人家が一軒もなく、入手がきわめて容易であること、夏、冬にかけて常時南、北の風より吹かず、横風用滑走路は不要であること、積雪量がきわめて少ないこと、冬期オリンピックまでに、モスクワ−千歳−ハバロフスク間の航空路線開設等を考えると、千歳は、わが国における国際空港の位置づけとしては最適のものであるというのが地元の意見でございました。  次に、函館航空保安事務所からは、第一に、空港内及びその周辺における航空機事故に対する消防救難活動のための増員について、第二に、ロータリー除雪車グレーダー等除雪体制整備について、第三に、夏季における滑走路の損傷を防止するための誘導路設置について、第四に、管制塔内の冷房装置の取りつけについて陳情がございました。  次に、陸運関係について申し上げます。  まず、地方鉄道について申し上げます。  道内には、十四の地方鉄道がありますが、このうち、石炭輸送中心とする鉄道が十社を占めております。したがって、その経営は、沿線の石炭鉱業の好、不況に大きく左右され、現に炭鉱の閉山に伴い、営業廃止を余儀なくされている会社も出てきている状況でございます。  また、残りの旅客輸送を主とする業者も、自動車輸送に押され、その経営は年々苦しくなっております。  したがって、今後とも存続を必要とする鉄道については、さらに積極的な助成策を講ずる必要があるとの説明がございました。  次に、自動車輸送について申し上げます。  まず、乗り合いバス事業についてみますと、主要観光地等幹線バス経営は、おおむね良好でありますが、それ以外の郊外線は、一般に不採算となっております。今後は、これらの不採算路線の徹底的な合理化をはかるとともに、離島辺地を運行する者に対して、一そうの助成措置を講ずる必要があるとの説明がございました。  なお、札幌陸運事務所小樽出張所早期設置自動車検査官常駐方について、小樽市から陳情がございました。  次に、国鉄関係について申し上げます。  国鉄北海道支社の第三次長期計画は、総額二千百八十八億円を投資する計画でありますが、この中で、函館千歳室蘭の三幹線電化複線化につきましては、第二期北海道総合開発計画進展にとり、きわめて重要な地位を占めるのみならず、東北本線全線電化複線化完成の暁においては、本州北海道間の輸送量は、一段と増加すると思われますので、地元関係者としては、その早期実現を強く要望しておるとのことであります。  ちなみに、第三次長期計画におきましては、長万部、小樽間を除き、これら三幹線を全線複線化することになっており、また函館本線小樽、旭川間を四十四年度までに、千歳線全線及び室蘭本線室蘭、岩見沢間を四十六年度までに電化することになっております。  これらの工事進捗状況を申し上げますと、今年度には、室蘭本線小樽、礼文間が複線開業しますので、本年度末における複線化割合は、六三・八%になり、また電化計画については、来年十月の小樽、滝川間の電化開業目標工事を進めているとのことでございました。  なお、この計画の遂行に要する利用債については、地元関係者としては、全道あげてこれを引き受ける熱意を示しているとの話もございました。  また、青函船舶鉄道管理局説明によりますと、貨物輸送力増強をはかるため、石炭たきの非能率船である十勝丸日高丸早期新鋭連絡船と取りかえたいとのことでございました。  次に、日本鉄道建設公団の施行しております新線建設及び青函トンネル調査工事について申し上げます。  まず、千歳追分間を結ぶ追分線建設状況視察してまいりましたが、この線は、御承知のごとく、紅葉山線と狩勝線とあわせて、札樽地区釧路地区とを短時間で結ぶ連絡線として、その果たす役割りはきわめて大きいのでございますが、工事は、来年度開業目標に、順調に進んでいるとのことでした。  次に、同公団直轄工事として実施中の青函トンネル調査坑の掘さく状況視察するため、北海道側吉岡へ行ってまいりましたので、その状況を申し上げます。  青函トンネンは、青森県三厩村と北海道福島町との間、海底二十二キロメートルを含む総延長三十六・四キロメートルを結ぼうとするもので、昭和五十年ごろを完成目標に、現在調査工事を進めております。  この調査工事は、海底地質断層状態を調べるために行なうもので、本州側は千三百三十五メートル、北海道側は千二百十メートルの調査斜坑を掘さくし、その斜坑底から、海峡の中央部に向かって、本州側では約三千メートル、北海道側では約五千四百メートルの調査水平坑を掘さくしようとするもので、昭和四十三年度までに完了する計画であります。  北海道側は、現在、三交代の昼夜無休作業体制を整える一方、昨年六月、スイスから輸入したウオルマイヤー式トンネル進機を使用して、斜坑底より水平坑の掘さくに移り、七十メートルくらい掘進しているとのことでありました。  本州側は、北海道側より地層状態が悪いので、相当の難工事が予想されており、現在、八百メートルくらいの斜坑を掘さく中とのことでございました。  このように、工事はいよく本格化してきておりますが、海底地質断層状態は、地震探査海底ボーリング等により、一応の推測がなされてはおるものの、まだまだ未知の状態にひとしいとのことであります。この調査工事が、坑内への海水の流入等障害もなく無事に完遂し、所期の目的が達成されるよう、強く望まれる次第でございます。  以上述べましたほかに、札幌管区気象台より、第一に、通信施設について、現在の音響単信回線をテレタイプ回線に改善し、また、所要の気象官署に超短波無線電話装置を設備すること、第二に、宗谷、留萌支庁管内の残部及び後志、渡島檜山支庁管内の全部に農業気象業務整備すること、また、函館海洋気象台より、渡島檜山支庁管内雨量観測網整備することについて、それそれ要望がございました。  以上簡単でありますが、報告を終わります。  なお、現地で受領いたしました各資料は、調査室に保管させてありますので、念のため申し添えておきます。
  10. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 次に第二班、四国班報告を願います。
  11. 小酒井義男

    小酒井義男君 ただいまから四国班について御報告申し上げます。  派遣委員は、天坊委員長岡本委員平島委員と私の四人で、去る九月二十五日から二十九日までの五日間にわたり、香川県、高知県、愛媛県の運輸事情視察してまいりました。  現地における調査並びに視察個所は、三県所在の運輸省地方機関高松松山高知の三空港高松高知松山坂出の四港湾国鉄四国支社国鉄バス高知松山線土讃線等であります。また、三県知事よりは、県内運輸事情全般にわたる説明が行なわれ、それぞれ県内運輸関係事項についての要望が述べられました。なお、運輸関係業界より要望事項を聴取してまいりました。以下順次各事項別に御報告申し上げたいと存じますが、それぞれの機関からはきわめて詳細な資料が提出されており、その資料調査室に保管させてありますので、現地実情の概要と要望事項中心に御報告申し上げます。  まず最初に空港関係について申し上げます。  高松高知松山の三空港はいずれも第二種空港でありまして、空港整備五カ年計画においては、第二種空港は原則として滑走路を二千メートル級または千五百メートル級に延長することとし、空港別にその計画が進められているのでありますが、三空港についてはそれぞれ特殊事情があり、計画実施にあたっては幾つかの問題点があるようであります。高松空港においては、現在千二百メートルの滑走路延長するための計画が進められているのでありますが、滑走路延長上にある神社の森が障害物件となっており、この神社の移転が必要であるといわれていますが、現在のところその見通しがつかず、滑走路延長計画は相当おくれる状況になっております。四国の玄関としての高松空港拡張整備については、県当局をはじめ地元でも一強い要望のあるところでありますが、そのためにはこの問題の解決が必要で、関係者の一層の努力が望まれる次第であります。  高知空港は、現在千五百メートルの滑走路を二千メートルに延長するため、用地確保と、保安施設整備計画が進められておりますが、立地条件等はかなり良好で来年度から工事に着工する見通しになっております。  松山空港は、滑走路千二百メートルを二千メートルに延長するため、昭和四十一年度に引き続き用地買収、埋め立て、エプロンの新設等工事が進められておりますが、用地買収、埋め立てに伴う補償関係についてはかなりの問題が残されております。しかしながら五カ年計画期間中には完成するよう最善の努力をしたいとのことでありました。  次に、港湾関係について申し上げます。  視察いたしました、高松坂出高知松山の四港はいずれも重要港湾でありまして、四国経済活動上重要な地位を占めている港であります。これらの港湾は、現行港湾整備五カ年計画に基づき整備が進められており、その工事はおおむね順調に進んでおります。しかしながら最近の経済発展に対応するためには、整備計画規模を拡大し、より一そうの港湾機能の増大をはかる必要があるとのことでありました。現在運輸省においては、昭和四十三年度を初年度とする第三次五カ年計画検討されつつありますが、これらの四港湾につきましてもこの計画の一環としての港湾整備計画が策定されております。その工事費総額は四港湾合計で百四十億円に達しており、港湾管理者である県当局からこれが実現についての強い要望がなされました。なお坂出港視察に際しましては、番の州の新造成地建設中の川崎重工の造船所視察してまいりました。本造船所は、能力三十万重量トンの超大型ドック中心に目下鋭意新鋭工場建設中でありますが、すでに一番船の建造が始められており、今後の発展が大いに期待されるものと思われました。  次に、国鉄関係について申し上げます。  昭和四十一年度四国支社管内営業成績は、旅客においては、他の輸送機関の急激な伸長の影響を受け、乗車人員旅客収入とも年度目標をかなり下回り、九三%の成績となったため、貨物において九九%というおおむね良好な成績を得たにもかかわらず、総収入においては年度目標に対し、九四・五%の成績にとどまったとのことでありました。また管内複線区間は全営業キロのわずか、二・一%にすぎず、既存の主要線区単線容量の限度を上回っている等の隘路があるが、支社としてはこれが打開策を講ずるとともに、踏切道改良工事促進高性能宇高連絡船建造無煙化対策推進等施策を行なっているとのことでありました。  次に、土讃線防災対策について申し上げます。  本件の調査に際しましては、列車の最前部に乗車し、その実態をつぶさに調査してまいりました。土讃線は、多度津で分岐し、四国山脈を横断、高知を経て、窪川に至る百九十九キロの長大路線で、山脈地帯は、トンネル、曲線、勾配が多く、その上に地層が安定せず、加えて気象条件が悪いため、しばしば自然災害による被害をこうむっている線であります。国鉄としては、昭和三十七年に土讃線防災対策委員会設置し、二年間の調査検討の結果その対策が出されました。その線に沿って、現在大歩危−土佐岩原間、大杉−大王間のルート変更工事と、十六カ所の防護工事が進められております。これらの工事費は本年度以降なお二十八億円を要するとのことでありました。四国における土讃線の使命はきわめて重要であり、高知県はじめ関係地元民からは、土讃線防災工事早期完成が強く要望されております。  次に、運輸省地方機関管内事情説明のうちおもなる点について申し上げます。  四国海運局説明によれば、貨物輸送については、内航海運対策実施により船舶近代化が進められる一方、船舶解撤共同係船等により、業界体質改善の第一歩が踏み出され、また旅客輸送は、主要都市を結ぶ連絡航路や、観光的性格航路が近年のフェリーブームと相まって着実な伸びを示している。半面全航路の約六〇%を占める離島航路は非情に経営が苦しく、一そう航路助成行政指導が必要である。なお、木造船業の育成、船員需給対策港湾運送事業近代化等については、今後十分検討を加える必要があるとのことでありました。  高松陸運局からは、自動車台数増加に伴う定員不足は地の管内と同様であるが極めて深刻である。加えてダンプ規制法実施に伴い、新たな仕事量増加を来たしており、このための増員はぜひ確保してほしいとのことでありました。なお当面の問題として、バス運賃値上げ申請が提出されているが、現在のバス事業実態から見て、値上げを認めることはやむを得ないのではなかろうかとのことでありました。  次に、第六管区海上保安部より、四国地方中心とした海上保安の現状について説明がありましたが、特に備讃瀬戸海域においては、年々船舶交通量増加し、最近は、船舶大型化と急激なフェリー増加により複雑な交通網を形成している。また、地形的には最狭部はわずか三・六海里で、潮流が激しく、濃霧の発生もあり、海難が非常に多く、海上保安体制の確立に苦慮しているとのことでありました。今後は、拠点整備のための組織強化船艇増強航路標識整備等施策を積極的に進めていきたいとのことでありました。  次に、第三港湾建設局よりは、今回視察いたしました空港港湾整備状況についての説明があり、特に当地方の産業の動脈である瀬戸内海航路整備については、第三次五カ年計画で、水深十九メートルとし、十万重量トン大型船の航行を対象として、事業費百二十二億円をもって整備を進めていきたいとのことでありました。  気象台関係として、レーダー観測網整備老朽庁舎改築等についての要望がありました。また、日本鉄道建設公団大阪支社より、四国循環鉄道建設状況及び将来の見通し等についての説明が行なわれました。  次に、香川高知愛媛の三県知事からの要望事項について申し上げます。  今回の視察に際しましては、各県知事よりきわめて熱心な御案内、説明がありました。三県共通の当面の重要課題は、本州四国連絡架橋の問題でありまして、地元では強い関心が持たれており、各県ともそれぞれのルート優位性を強調され、その実現を強く要望されたのであります。  本問題に関しては、建設省と鉄道建設公団から委託を受けた日本土木学会から、A、B、C、D、Eの五つのルートについての調査結果が報告されております。ルート選定にあたっては、技術上の問題、建設費、工期及び経済効果等を含め、総合的に検討を重ねた上で最も条件のよい地点に決定されることが望まれる次第であります。  以下各県の要望事項を申し上げます。  まず香川県からは、瀬戸大橋、児島−坂出ルート早期実現備讃瀬戸航路整備促進重要港湾及び高松空港整備促進高徳線立体化、予讃線の複線化等についての要望がなされました。  次に高知県からは、長期計画に基づく、港湾及び高知空港整備促進四国循環鉄道早期完成併用橋としての明石−鳴門ルート架設促進土讃線抜本的防災対策輸送力増強対策促進等についての要望がなされました。  また愛媛県からは、尾道−今治間の道路橋の建設促進、窪江、内山、宿毛線の建設促進松山空港、来島海峡航路等の整備促進、三崎−九州間のフェリー早期実現等についての要望がありました。  次に、四国地方における運輸関係業界代表からの要望事項について申し上げます。  香川県内航海運組合代表からは、百トン程度の近代化された公団共有船が建造できることとし、その解撤比率は一対一の条件で低利の資金を融資してほしいとの強い要望がありました。  次に、四国鉄道協会代表より旅客運賃の是正、公共負担の全額補償等についての要望のほか、現在鉄道建設公団による阿佐線の建設に伴い土佐電鉄安芸線の買収問題が起こっているが、民営鉄道の買収については、その評価並びに従業員の引き継ぎ等に関し、一定の基準を制定してほしいとのことでありました。またこの点に関連して、土佐電鉄労働組合代表からは、中、小私鉄経営危機の現状では、関係従業員約二百五十人は他の職場への転換は不可能であり、安芸線の全面的買収とともに、全員国鉄へ移籍できるよう特段の配慮をしてほしい等の要望がありました。  また香川県バス協会代表よりは、人件費中心とする経費増と需要減少により各バス会社はほとんど赤字経営になっており、この際バス運賃の改定を早急に実現してほしいとの要望がなされました。  次に、四国トラック協会代表より、路線運賃適用について、容積換算方式と最低運賃の改正をしてほしい。また、四国地方は白トラの勢力が強く輸送秩序を著しく混乱におとしいれているので、この取り締まりのため、各県陸運事務所に白トラ取り締まり専門官の設置と、警察当局の取り締まり強化をはかってほしいとの要望がありました。  以上で御報告を終わります。
  12. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 以上で派遣委員報告を終わりました。     —————————————
  13. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 自動車行政等に関する件について質疑を行ないます。  御質疑のある方は、順次御発言を願います。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  14. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 速記をつけて。
  15. 木村美智男

    木村美智男君 大臣せっかくお見えですから、自動車行政に対する質問もこれはぜひ大臣におってもらいたいのですけれども、おられぬということですから、とりあえず、自動車行政ということよりも運輸行政全体について大臣にまず伺っておきたいと思います。  きょうは大臣たいへん簡単にごあいさつをされて、行政の刷新と強化のためにという、まあ文句は簡単ですが、中身はいろいろのことが含まれると思うのですけれども、きのうの朝日新聞を見ると、大臣はだいお気持ちよくたいへん抱負を述べておられる。そこら辺から考えて、少し私この際基本的な大臣のこの運輸行政に対する考え方を伺いたいと思うのです。それは、大臣はきのう——あまりいやらしく感じないでもらいたいのですが、二十一世紀を展望をして、今回大臣になったのだということから、保守の中にあっても革新的な理想主義、あるいは現実的な理想主義というか、とにかくそうした立場で政治の中に自分から飛び込んで動かしてみたい、こういうりっぱな気宇を示しておられるので、私はだいぶこういう考え方については共感を覚える点があるわけなんですが、そこで、大臣がせっかくそういう気持ちを持たれたということではあっても、もしこれが世間であまり運輸行政というものに信用がないとするならば、これはなかなか大臣の気持ちのようなことであっても実行があがらぬじゃないかということが心配されるのでひとつ大臣に聞きたいのです。それは運輸行政に対していま世間の目というものはきわめて冷たいということを大臣はどういうふうに考えておられるか。つまり、大阪の冷房タクシーの問題、これはきわめて長い間争われた問題であるから特にこれは世の中で周知の事実になっている。その直前では新潟で免許問題にからんで実は汚職事件が起こった。最近四、五日前、東京の陸運局でこれまた貨物自動車免許にからむ汚職事件が起こっている。こういったような状態を見ると、どうも陸運局と業者というものが、ある程度仕事の関係からのつながりということはあるにしても、ちょっと出てくる現象というのはきわめて政治不信につながり、あるいは大臣が先ほど言われているような方向とは全く逆の面が出てきているんじゃないか。私はあまりいやらしいことを言うことは好きじゃないんで、名前は全部省略をさしてもらいますが、たとえば、朝日新聞が関西に三日間連続して六段抜きで相当の紙面を費して、「このくされ縁」というのを(上)、(中)、(下)にわたって三日間にわたって報道した。第一は「監査すら“丸がかえ”」、「当然か、陸運局の接待」というんです。「宴会ばやり」という見出しになっている。これを見ると、とにかくこまかいことは抜きにしますが、あらゆる業者の会合の中に陸運局の幹部がずらりと席を並べているということがこの中に載っかっている。こまかいことは省略しますよ。それから二番目のやつになりますと、「せん別の常識」ということになって、「五十万円にも当然の顔」、「売店には一〇〇円の住所録」、こういうものが載っている。中を読んでみると、やはりその陸運行政との関係がこういうものであるのかともっともらしく国民の気持ちの中へ溶け込むような記事の書き方になっている。これはほんとうに紹介するのにもちょっと気がとがめるようなものです。さらに第三はどうなっているかというと、「親類づきあい」、「暗躍する天下り組」、「業者本位の行政生む」、こうなんです。しかも天下りの一覧表がずっと載っている。これはもう天下の朝日新聞ですから、その辺の業界の一部新聞やローカル新聞じゃない。こういう点を大臣見られて、いま大臣が言われたようなことからいって、まず私は運輸行政に携わっていく立場にある者が姿勢を正すことなくして、あるいは大臣がそういうことを言われたその筋を何らかの形で世間に示すことなくして、どんなにりっぱなことを言われてもこれはなかなか、いわゆる政界のこの行政の刷新、あなたの言われる刷新とか、あるいは強化ということにはならぬじゃないか。そういう意味で、きょうは大臣からほんとうは運輸行政に対する抱負といったようなものを実は伺いたかったわけですが、なかったのでその点をぜひ大臣から聞かしてほしい。
  16. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) お答えいたします。  木村委員御指摘のように、相次いで不祥事件が報道されましたことは、まことに遺憾に存じます。こういう不祥事件の絶滅を期して私も真剣に努力してみたいと思います。  まず、運輸行政の基本的な政策でございますが、私は何といっても運輸という仕事は国民に対するサービスが一番大事である。まあ終戦以来考えてみますと、一番親切になったのはおまわりさんと汽車の車掌さんだといわれますが、そういう点では戦争前と比べて国鉄の従業員の諸君等も非常によく注意してくれておると思うのでありますが、しかし、何と申しましても国民の皆さまをお客さまであるという考えに立って行政はまず第一に行なわれなければならない、そういう基本に立ちましてサービス官庁としての責務を徹底させるようにまず努力してまいりたいと思います。  それから第二は、経済官庁としての役目が非常に強く出てこなければならないと思っております。何といいましても日本経済成長の大動脈をあづかるのは運輸系統でございます。したがって、鉄道にせよ、港湾にせよ、海運にせよ、ここにネックがありますというと日本経済の成長は重大な支障を来たすわけであります。ややもすると工場の生産の合理性とか生産の拡張という点はよく目をひいて改善が行なわれておるのでありますが、輸送とか流通という面はややもすれば等閑に付されておる向きがあるように思います。日本がこれ以上の高度成長を遂げていくための一番の基本線は運輸にある、必ずそういう段階が出てくる、このように考えますので、流通の体系を整備する、そして将来の拡大に備えるという意味におきましても海、陸、空にわたりまして努力してまいりたいと思います。そのことは日本の物価政策にも非常に大きな影響を及ぼすと思っております。経済の成長、国民生活の安定のためには物価の安定ということが重大な基本でありまして、日本の現在の体質を考えてみますと、流通体系の整備という点に非常に大きな重点を入れなければならないと思うからであります。  それから、最後に考えますことは、いま御指摘になりましたように綱紀粛正、清潔なる運輸行政ということでございまして、この点につきましては、私着任しましてからしさいに点検をいたしまして、いまいろいろ指示をいたしておる最中でございます。私考えますのに、一番業者やその他と関係があったのは通産省とか運輸省であったと思いますが、通産省は貿易の自由化等によって権限を離して許可、認可が少なくなりました。運輸省は生命の安全に関することが多いので、許可認可をまだ握っているわけであります。そういう点からして、業者との接触や誘惑のチャンスも多いように思います。一方、業者関係はわりあいに非近代的な非合理的な性格をまだかなり残存しているように思います。そういう底辺に接触する部分が昔のような考え方だけで終始すると、そういう誘惑に陥るという危険性も多いわけであります。したがいまして、一面においてはその底辺にある業者関係の近代化、あるいは精神的覚せいという面についてこれから大いに努力してまいるとともに、その接触面に当たる公務員につきましても、その人間の資格、性格等もよく考え、責任感の旺盛な清潔な人間を当てるようにしていきたいと思います。とりあえずは、いろいろこまかい具体的な点にまで指示いたしました私の指示事項を出しまして、これはせんべつとか宴会とかゴルフとかマージャンとか、こまかいことのようでありますが、具体的に指示しているつもりであります。そして関係各部局長地方局長等も集めまして、それを徹底させ、また、そういう接触部面につきましては、相当思い切った配置転換をやる予定で、いまその準備を進めております。やはり長年同じところに停滞いたしますと、それがきたりボウフラがわくわけでありますので、思い切ってこの際配置転換をして、清新な空気を入れかえよう、そういうふうに考えている次第でございます。以上でございます。
  17. 木村美智男

    木村美智男君 できるだけ調査をして、そうしてこまかい指示を与えるということで綱紀を粛正したい、こういうお話ですから、趣旨はそれで了解をしたいと思うのですが、ただ、従来ともすれば綱紀粛正というようなことばによってどこを一体目あてに締めつけているかというと、必ず何というか、木にたとえていうならば、枝葉にだけいつでもしわが寄ったような形で綱紀粛正がされて、実際には相当幹部クラスが問題になっておっても、それはあいまいに済まされる、こういう経過というものがずっと多い。そういう点から考えると、どうも私はこの辺でかりに刑事事件にならない事案があっても、やはり道義的な責任というものは明確にする必要があるのじゃないか。この点について大臣はどういうふうに考えておられるか。要するに、これからこうしろということが、常にこういう問題があったときの措置なんであって、やられたことについて、あるいはできてしまったことについて常にほおかぶりをされている。たとえば三十万円のせんべつ金といったような問題についても、これは全く常識的なことで問題のないことだということになれば、私はこれは決して今日の常識という問題からいけば、いわゆるそれは常識で了解をされ得る分野の問題ではないと思う。そこら辺の問題については、全然ないがしろにされて、そうして全くまあ魚でいってみたら、鯨とかマグロとかいうものは見のがされて、フナだとかざこみたいなのがいつでもやり玉に上がるという関係で最終的に処理される。ここに実は問題があるので、私はやはり社会的な疑惑というものを掃して、ほんとうに運輸行政というものを清新なものに、大臣がいうようなものにしようというならば、これは当然いままで出てきた問題についても何らかの形で道義的な責任というものをきちっとやはり行政の面ではっきりさせる必要があるのじゃないか、この点についてどう考えますか。
  18. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) 綱紀を粛正するという基本的なお考えにつきましては全く同感でございます。特に幹部が十分責任をもって、また、自覚を強めて行なわなければならぬということも基本であるだろうと思います。しかし、具体的な問題につきましては、ケース・バイ・ケースによりましてこれを処理していきたいと思いますが、御精神はよくのみ込んで実行するつもりであります。
  19. 木村美智男

    木村美智男君 趣旨は了解をしていただいて、具体的なケースについては、ここで私どもがどうこう申し上げる筋のものではないと思います。そういうことで、大臣としては十分道義的な責任についても措置をするという立場に立ってこれからやってもらえるということで、この問題は私は終わらしていただいて、次に移りたいと思います。
  20. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  21. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 速記を始めて。
  22. 大倉精一

    ○大倉精一君 関連して、要領よく端的にお伺いします。  いま大臣の御発言の中に、運輸省はサービス官庁であるという御発言がありました。それから綱紀粛正といいまするか、そういう問題にもお触れになりましたが、きょう、実は交通対策特別委員会でも問題になりましたが、いま、運輸省で一番大事な決定的な要素は要員が足らぬということです。要員が足りない。この要員が足りないという問題を解決をしなければ、いわゆるサービス官庁としての実をあげることはできないのですよ。これは非常に大きな私は政治力が要ると思うのです。いま、昭和二十五年から比べまするというと、自動車の台数は二十五倍になっております。それから業者も一八倍になり、十五倍になっておる。なっておるが、人員においては陸運局関係は百何十名減になっておる。したがって、たとえば許認可事項に関しましても、書類が出てくる、出てきましてもそれは現場へ行って実態調査する能力が全然ないわけです。そこにいわゆる官僚独善のいろんなきたないものが出てくるということで、きょうは時間がありませんから一点だけ、交通対策特別委員会ではこういうことをお尋ねする時間がありませんでしたので、この機会に御答弁をお願いするのですけれども、当面の大きな問題、あるいはいろんな問題はおくとして、業務量が飛躍的にふえた陸運局関係の業務量に見合うところの要員を、この際中曽根運輸大臣は手始めに確保してほしい、こういうことを要望するのですけれども、これに対するひとつ御答弁をお願いいたしたい。
  23. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) 政府といたしましては、なるたけ国民の税金負担を安くするために、行政機構を簡素化するという方針で各省とも上局削減という御指示が総理大臣からも出ておる状態なのでありまして、その精神に沿って私たちもやりたいと思っております。しかし、仕事、仕事によりましては非常に緊急焦眉の問題もあります。たとえばダンプカーの規制のような問題につきましては、立ち入り検査をするなり、あるいは路上監査をやるなりして、随時そういう行政を強化していくことも必要でありまして、そういう部面についてはまた増員を要するところもあると思います。そういう重大な緊急焦眉を要するような問題につきましては、できるだけ増員につとめまして遺憾なきを期したいと思っております。
  24. 木村美智男

    木村美智男君 大臣のいる間に、あとの質問の皆さんの時間をつくらないといけませんから、具体的な問題に入っていきたいと思います。大臣もよくひとつ聞いておいていただきたい。  自動車局長に聞きたいわけですが、十月の二十四日付で、あなたのほうは通達の五五八号、「ハイヤータクシー事業のサービス改善に関する当面の対策について」、こういう通牒を出しました。それで、当委員会としても、この種の通達に関連をして、私たちは、人命尊重という一つは立場、それから事故防止、安全運行という立場からこの委員会が特に自動車行政の中で重点的に取り上げてきた問題でありますから、基本的に目ざす方向というものについて、これは是認をする立場はとっておるわけでありますが、これの通達の実施について、これから相当の問題点があるということについて、ある程度この改善というか、修正をしてもらわなければ、これは問題の解決にならぬということに結論的に言えるので、ひとつ自動車局長にお伺いしたいわけですが、第一番に、この通達はこれは中を見ると日雇いの全面禁止ということに大体なっておるようであるけれども、これはどういうことからそういうことになってきたかということと、それだけで運輸省が期待しているようなサービス改善になるのかどうかということについて、まず局長からお伺いをしたい。
  25. 原山亮三

    説明員(原山亮三君) このたび、十月の二十四日の自動車局長名通達でございますが、この問題につきましては、ハイヤータクシーのサービス改善という問題につきまして、この前の通常国会でもしばしば御指摘を受けましたし、新聞機関におきましてもこういう点の批判が非常に強いというふうな実情でございましたので、全面的にこのハイヤータクシーのサービス改善というものを検討いたしまして、当面ハイヤータクシー事業として改善すべき措置を通達したわけでございます。したがいまして、いま御指摘の日雇い運転手の問題だけを取り上げたわけでございませんで、日雇い運転手は運輸規則改正のほんの一部でございまして、ハイヤータクシーのサービス改善の項目としましては、国会でもしばしば御論議のありました個人タクシーの育成の問題なり、あるいはまた処分がなまぬるいじゃないかというふうな御指摘によりまして、そういう処分の強化の問題というふうな問題を含めまして、運輸規則の改正を要するものにつきましては、運輸規則の改正をした、その運輸規則の改正の中に日雇い運転手の禁止の項目が入っておるということでございます。日雇い運転手禁止の問題につきましては、先生御承知のとおり、従来からも運輸規則の中には、原則としては日雇いは禁止する、こういうことになっておったのでございまして、それでは抜け穴があるので、これを全面的に禁止しよう、こういうふうな考えでございます。
  26. 木村美智男

    木村美智男君 だから、今度の通達を出して、運輸規則を改正したということの、日雇いの全面禁止になった根拠は一体何なのかと聞いているんです。
  27. 原山亮三

    説明員(原山亮三君) 従来からも運輸規則で、日雇いにつきましては、原則的に一定の所有画数に対しては一定の常用運転手を確保しなければならぬ、こういうことになっておりました。その常用の運転手については、それは日雇いではないんでございまして、ところが運転手が病気で休むというふうな場合に、臨時的に日雇いが入るというようなことがございまして、それがずるずると広がっていくというふうな実情でございましたので、そういうふうなことでは旅客に対しましてサービスの面で日雇いでは十分にいかない。それから安全の確保の面から申しましても、日雇いというものの給与の支払い等の関係からどうしてもかせぎまくるということで、事故防止の観点から非常に問題があるというふうな二つの面から、日雇いというものを禁止すべきである、こういう考えでございます。
  28. 木村美智男

    木村美智男君 局長、何か抽象的でわからぬのだが、もう少し私のほうから申し上げますと、あなたのほうは最近乗車拒否の問題というのが世の中からたいへんむずかしく騒がれるようになった、そこで乗車拒否に対する世論の批判にこたえて、この通達にちゃんと書いてあるんだからね、そうしてこの日雇いの問題を扱ったんじゃないですか、そこのところをはっきりさしてください。
  29. 原山亮三

    説明員(原山亮三君) この通達を出しましたのは、御指摘のとおり、乗車拒否等ハイヤータクシーのサービスについて批判が絶えない。したがいまして、その問題につきまして当面措置すべき事項として日雇い禁止も上項目として入れておりますけれども、日雇い禁止だけでもって乗車拒否を絶滅しようとは考えておらないわけでございまして、それぞれいろいろな方策の一環として日雇い運転手の禁止を考えたわけでございます。
  30. 木村美智男

    木村美智男君 何か局長はとらわれて答えているようだけれども、ぼくが申し上げているのは、特にこの通達を見て、それから運輸規則の改正を読んでみて、個人タクシーの積極的育成なんということについては、これは特別問題のあるようなことは、これは何もないですよ。言ってみれば、つけ足しなんです、これは。この通達の中心は日雇い運転手の全面禁止ということをやるのが中心であって、たとえば従来われわれが言ってきたように、なぜ日雇い運転手が出てきているのか、あるいはこれをなくすためには、どうすればいいかというようなこと、交通事故をなくすにはどうすればいいかというようなことで議論をしてきたことは、たとえば運転者の勤務体制をどうするか、賃金の今日のノルマ体制をどうするのか、こういう問題が重点で、いままで何回となくこの委員会でも取り上げてきたことです、そういう問題についてはね。たとえば、あなたが言うように、いろいろのことを取り上げたといっているが、ちっとも取り上げたようになってない。たとえばだよ、運転手の勤務体制なり給与体系については、ここに三行だけだ、たった。「労働省関係機関指導の下にその改善か促進されるよう、常時密接な連絡と協力を行なうこととする。」、こんなものは通達の意味をなさぬじゃないですか。具体的なものは何もうたってない。ところが、具体的なものについてうたってあるのは、少なくともこの日雇いの問題について四項目わざわざ具体的にうたって、そうしてこれこれでは雇ってはならない、こういう通達になっているのがこの通達の中心じゃないですか。いろいろのことを指示したといっているけれども、この通達というものの中心は何かといったら、日雇いの全面禁止ということなんだから、ざっくばらんにあなたはやっぱりそれはそうですということを言うべきなんであって、いろいろのことをやってますというが、いろいろのことはつけ足しですよ、これは。だれが読んでみてもね。だから、そういう面から考えて、ほかのものがあるならあったでいいですよ、しかし、私は少なくともこの通達のねらいとするところは全面禁止だ。もしそれがそうでないというんなら、そんならこんなものは出す必要ないのであって、従来からいわれているように、あなた方のはもう常に一片の通達行政といわれているように、通達の出しっぱなし、通達の連発、これでもって運輸行政なれりとして今日までやってきているところに、いつまでたっても事故がなくなっていかないし、乗車拒否の問題も解決しない。これを出したらそれなら乗車拒否解決するのかといったら、局長、もうすでに予防線張って言っているように、これによって乗車拒否は解決しません、こう言っているじゃないですか。そんなら解決もしないような通達を出して何になりますか。あなた、もう少し正直に答えぬかね。
  31. 原山亮三

    説明員(原山亮三君) 私どもは、このたびのサービス改善のために当面措置すべき対策としていろんな項目を指示したわけでございまして、恐縮でございますが、個人タクシーの育成の問題をはじめとしまして、日雇い運転手の禁止の問題なり、あるいは新しく人を雇い入れた場合におきましては少なくとも五日間の教育期間を経なければ運転をさしてはいけない、あるいはまた乗務距離の最高限度を押えている地域につきましては、タコグラフの設置を義務づける問題あるいはまた処分の強化の問題こういうふうに各項目あがっているわけでございまして、たびたび申し上げて恐縮でございますが、日雇い運転手だけのためにこの通達を出したわけではございません。なお、先ほど先生の御指摘の、勤務形態及び給与体系の問題でございますが、この点につきましては労働省のほうで二月九日、いわゆる二九通達というものを出しておりまして、この線に沿ってわれわれのほうとしましても労働省と協力して、この線の改善というふうな方向へ進んでおるわけでございまして、この通達でもって三行か四行で済ましておるとおっしゃいますけれども、そういう給与体系なり勤務体制の問題につきましては、労働省のそういう二九通達の詳しい内容に即してわれわれのほうとしては協力してまいりたい、こういうふうな考えでございます。
  32. 木村美智男

    木村美智男君 通達問題の押し問答をしていてもしょうがないから、それは私も、日雇いの全面禁止だけでない、いろいろ全体としてこの通達が事故の防止なり、あるいは乗車拒否等のサービスを改善をしていくということを目ざしているということは原則的に認めると、こう言っている。しかし、その中で日雇いの問題だけが相当重点に扱われているが、賃金や労働条件、勤務状態のことについてはたった三行しか触れないで片手落ちじゃないかということを一つは言っている。  もう一つの問題は、その日雇いという関係についても、運輸省が今日この通達を出して扱った扱い方にはいろいろ問題があるのじゃないかと、それはなぜかというと、ほんとうの意味でいう日雇いというものがこれによってふえるとも減らないというそういう結果になりはしないかということを言っているわけですよ。そこのところは、たとえば今日の事故というものの原因は、局長はそれはきれいな言い方できょうは答えられているけれども、やっぱり今日の乗車拒否問題の最大の、あるいは交通事故の最大の原因は日雇い運転手にあるのだということがやっぱり腹の中にあるわけだ。その日雇い運転手というものをどういうふうにながめているのかと、たとえばそれはやみ手配師が集めてくる、これも日雇い運転手、門前、かけ込みもこれは日雇い運転手だ、あるいは職安法の四十五条によって労働者供給事業を法律的に許可されている者もどれも日雇いだという見解に立っているのじゃないですか。そうしたら、少なくともそうだとすれば、くそもみそも一緒にした十ぱ一からげの扱いにしているのじゃないかということを言っているのですよ。そこのところについて局長がどういう考え方で日雇いという問題と乗車拒否という問題を扱ったか、サービス改善という問題をね。そこのところを具体的にひとつ答えてもらいたい。
  33. 原山亮三

    説明員(原山亮三君) 私どもはタクシーの運転手が安定した労働雇用関係にあるということがひいてはサービスがよくなるということになろうと、こういうふうに考えておるわけでございまして、したがいまして、日雇いというような不安定な状態におきましては、ある会社におきまして経営者が責任をもってその運転手を教育して、そうして良質のサービスを提供する教育等もできないというふうなことになると思います。また、日雇いのような場合におきましては、賃金の支払い形態等におきましてオール歩合というふうな形が多うございますので、そういうふうになりますとかせぎまくると、しかも労働時間を無視してかせぎまくるというふうなことになります。それがひいては事故の原因につながるというふうなことを心配いたします。したがいまして、先ほど御指摘のような新産別とか云々の組合の諸君がタクシー会社に雇われる場合において、日雇いでなくて安定した雇用契約を結べば、そういう人たちは組合に依然として入っておっても、タクシーの運転手として雇用されるのでございますので、決してそういう組合、新産別等の組合をわれわれはぶっつぶすとか、そういうような考えは毛頭持っておりません。安定した雇用関係のもとに良質のサービス、事故のないサービスができることを期待してこういうふうな措置を考えたわけでございます。
  34. 木村美智男

    木村美智男君 どうもその局長の答えは私の聞いていることとかみ合わないのだ。あなた聞いてもおらぬことを一生懸命新産別がどうのこうのと答えているが、そういう先入観をもって、予防線を張って物事を答えているから真髄に触れないからちっとも議論がかみ合わない。もう少し、もっと何というか、率直に、質問されたことに対してこう答えてもらいたいと思うのだが、たとえばその賃金の支払いについても、オール歩合になってどうなると、それから不安定な雇用関係にあるからサービスもうまくいかぬし、それから雇用者、経営者のほうも教育もできないと、それはね、私も、たとえばかけ込みであるとか、あるいはやみ手配によって雇われている、そういう日雇いについては全くそのとおりだと言っているのですよ。ところが局長は、そのことについていみじくも触れた新運転の関係であるとか、あるいは全自運とか、言われるような、職業安定法四十五条によって労働大臣の認可を受けて許可を受けて許可をされている労働組合の組織している関係のこの労働者供給事業というやつは、あなたが言うような賃金の支払いがオール歩合でやっているというような状態じゃないですよ。だからあんたは実態を何も知らぬでこういう通達を出しているのじゃないかということをぼくは言いたくなるのです。なぜかというと、そうした組合は経営者との間にちゃんと労働協約を締結をして、たとえば本俸については固定給として一日二千四百円。一日というのはタクシーだから二日になる。一日にすれば千二百円。千二百円という本俸をきちっときめて、その上にたとえば歩合というものがのっかっている。この限りで言うならば、いま都内何百社あるかしれぬけれども、大手にしても中小にしても、きちっとした安定した賃金を支払ってこれだけの供給をやっている、そういう雇用関係にある状態というのではないのだよ、そういう意味で言えば。だからあんたが言うような、もし職安法の四十五条の関係も、賃金の支払いもオール歩合方式で、かけ込みや門前雇用と同じなんだということの実態にあるならば、局長の言うとおりでぼくはよろしいと言っているわけだ。安定した雇用ということは、これは労働者側としても基本的な要求でなければならぬし、もしそのことを間違えて理解をしているなら、その教育もやらなければいかぬとぼくらは思っていますよ。だからその点についてはあなた方と別にいま私が言っていることとは意見の食い違いはない。違いがあるのは何かと言ったら、いま言ったように、つまり雇用の不安定な、賃金はノルマ制によって雇われているやみの運転手なり、あるいは門前、かけ込みなり、あるいはその辺でもぐりで手配している、そういうもので業者のほうに供給される、逆にいえば不良運転手というのか、そういったようなものについては、これはこの通達で取り締まってよろしいと言っているわけです。ところがその職安法四十五条の関係についても、同じ日雇い運転手だということで取り締まろうとしているならば、これはいまの旅客サービスの面からこういうふうな事態がよけい出てきている、つまり乗車拒否がたくさん出てきているとか、事故の統計をとってみたら、その事故はこの四十五条関係の連中によけい事故が起こっているのだ、こういう根拠が明確に出てくれば、これは局長が言っている言い分がなるほどそうだということをわれわれ認めざるを得ないわけです。したがって、局長がそこのところをもう少し区分をしてほしい、ぼくは認めているのだから。やみの運転手あるいは門前、かけ込み、これはこの通達で処置してよろしいと言っているわけだ。だから、四十五条関係についてあなたがおっしゃるように、不安定な雇用関係にあって、そのために事故を起こしている件数がこういうふうに出てきているのだ、賃金はオール歩合なんだからということは、そうでないと言っている。証拠も出しますよ、労働協約も。そういう状態にあるものがどうして同じに扱わなければならぬのか。だからどうしても同じに扱わなければならぬなら、乗車拒否についてもこういうふうに出てきて、あるいは事故件数もこういうふうに多く出てきている、だからやみの運転手と同じなんだ、こういうふうに言われれば、これはだれも納得できる。そこのところをどういうふうに考えるか。
  35. 原山亮三

    説明員(原山亮三君) 確かに門前雇用の場合と新産別等の場合とは若干雇用形態が違うということは存じております。しかし、門前雇用と比較してそういう組合の場合が少しよくても、やはり日雇いであるということについては変わりございません。したがいまして、そういうふうな新産別等の組合に入っております運転手は現在すでに労働協約を結んでおりますけれども、そういう労働協約を改正いたしまして、そうして新しい運輸規則に適合した労働協約を結ぶというふうになってくれれば、いまの組合員のそのままでもって新しい安定した雇用の形に移っていくということでございますので、われわれとしましてはそういうふうな組合の諸君に対しましては、新しい運輸規則に基づいて安定した雇用の形態にいくように指導してまいりたい、こういう考えでございます。
  36. 木村美智男

    木村美智男君 局長、私が聞いておるのは雇用関係を正す正さぬというような話を聞いておるんじゃないんですよ。そんなものは自動車局がやるべき仕事じゃないでしょう。むしろ労働省がそういう雇用関係をどうするかというような問題を考えるべきことで、あなたのほうが運輸行政として労働問題を主になって考えるなんということは、これは大臣にも聞きたいんだけれども、そういう自動車局長だからたいした陸運行政をやっているんだということになるんですよ。ぼくが聞いているのはそうじゃないでしょうが。門前雇用であるとか、かけ込みであるとかいうのは雇用関係が一日きりで夕方になって金をもらって、あしたはどこで働くかわからぬということで雇用関係が不安定だ、そういうものがたまたま水揚げをあげるために神風のように突っ走るから交通事故が瀕発する、だからこの通達で規制してよろしいと言っている。賃金についても同様にこれは五割以上の歩合給でやっている関係からそういう事態が起こってきている、したがって、金にならぬと思えば乗車拒否もやる、だからそういうものは取り締まってもいいと言っているわけです。ところがぼくが聞いているのはそうでない、職業安定法四十五条に基づいてただ一つ労務提供を許されている、そういう労働者がちゃんと労働協約を相手方と安定した雇用の中に結んでいる。しかも実際には賃金その他についても歩合給じゃなくて現実にやられているのでございます。現存している幾つかの企業、タクシー企業よりもよりりっぱな賃金体系を持っているんだ、そういうことがどうして単なる日雇いというだけでもってこのことを除外しななければならぬかという根拠を聞きたいと言っている。だから私はせっかくあなたにヒントを与えているじゃないの。交通事故が多過ぎる、この四十五条の関係は調査によっても乗車拒否が多過ぎる、だからこれは雇用関係がある程度きちっとしているし、賃金もノルマ給ではないけれども、これは日雇いと同じ扱いをするんだ、こういうなら話はわかると言っている。ところがそのことについては何も答えずに、雇用関係を正すためにとか何とか労働省が答えることをあなた答えているじゃないの。
  37. 原山亮三

    説明員(原山亮三君) お話の、労働大臣の認可を受けて労働者の供給事業を行なう組合の問題でございますが、今度運輸規則の改正後におきましても、その当該組合が労務供給をあっせんする、こういうことは依然としてできるわけでございます。ただ、あっせんの供給事業の場合におきまして労働協約の内容を変えてほしい、こういうことになろうかと考えておるのでございます。それ以上いろいろと労働関係の問題についてわれわれのほうが突っ込むことについては確かに問題でございますので、その点については労働省のほうに十分運輸規則の改正については事前に連絡をいたしておるような次第でございます。
  38. 木村美智男

    木村美智男君 そんな無責任な通達の出し方ありますか。それは労働省と話がちゃんとそういうふうについているんですか。それから、同時にそういうやり方を依然としてできるんだから、そういう内容を変えてくれという話をちゃんと土台になる準備を全部済ましてそうして、この通達が出ているならこれは文句を言う筋はない。そこら辺のことを全部やったのですか。
  39. 原山亮三

    説明員(原山亮三君) この通達は十月のたしか二十四日だったと思いますけれども、そういうふうな準備行為を考えまして施行期日を来年の一月というふうにいたしたような次第でございます。
  40. 木村美智男

    木村美智男君 そうすると、そういう準備を考えて一月一日というふうにしたというのだが、その準備が依然としてぼくの見る限り進んでいない。つまり労働省のほうに対しても協約の内容を変えていくといったようなことについて意見の一致を見て、それで労働組合にそういう方向をちゃんと指導するとか、関係の労働組合とは話し合いをしてきちっと話をつけるとか、こういう関係が一月一日にできなかったときには、その部分については多少でも実施の経過措置として何かやるという考え方あるんですか。
  41. 原山亮三

    説明員(原山亮三君) 関係のこういう組合の方々がお見えになった場合におきましては、われわれのほうの考えを十分御説明いたしますし、決してこの組合の供給事業のあっせんを禁示するのではない、したがって、労働協約の改定によって依然としてそういう供給事業のあっせんができるんだという説明は十分いたしておりますし、施行期日が一月一日ですので、そういう準備について十分間に合うようにされる必要があるというふうにこまかくお話を申し上げている次第でございます。
  42. 木村美智男

    木村美智男君 局長ね、労働協約の改定によってといっても、労働協約は局長がだれかと話して変えるわけじゃないでしょう。労働協約というのは雇われる者と雇う者との間できめるものでしょう。局長、そういうことについて労働協約を改定をしてとあなた言っているが、自分で変えることのできる運輸規則の改正みたいなものならそれはあなたの答弁でいいけれども、それはどういうことですか。
  43. 原山亮三

    説明員(原山亮三君) それは御指摘のとおり労使間においてやることでございます。
  44. 木村美智男

    木村美智男君 だから局長ね、無責任だと言うのですよ。労使間でやるべきものを、労働協約を変えればいいのだということで一片の通達を出していってしまうということは、それはやっぱり問題があるじゃないかと言っているんです。だから実際に通達が出てもさっぱり実行されないという結果に、実効があがらないという結果になってくる。そこのところを私は問題だと言っているのです。そこで、先ほどのあなたの答弁はちっとも質問に答えてくれぬけれども、だからこの通達で場合によったらよろしいとぼくも言おうとしているんだが、あなたは日雇いというものの中には、さっきも言ったように、これは大臣もよく聞いておいてもらいたいんだが、とにかくやみで雇ってくる者、あるいはその企業の門前へ行って、きょう何とか使ってくれというかけ込みというのがあるんですよ。これをわれわれはやみと考えて今日まで委員会の中で、これが事故の原因になり、あるいは乗車拒否をしている、最も悪い者だからこれを何とかせよと言ってやってきたのです。ところが今度のこの通達の中では、職業安定法の四十五条によって許可をされておるただ一つの供給事業として許されておる労働者までもやっぱり日雇いだという範疇に含めてこの通達で処理しようとしているから、私は無理があるのじゃないかと、こう言っているのです。ところがその点について、かりにかけ込みや門前雇用と同じような状態がこの関係でも出てきているなら、たとえば事故発生率が非常に多いとか、乗車拒否のこれが非常に率が多いとかいうことが具体的に調査資料その他で出てきておるならば、そういう処理を政流釣にやられるのもやむを得ないだろう、こう言っているわけです。ところがそのことについては何の答えもなしに、それは労働協約を変えればいいのだと、労働協約というのは雇う者と雇われる者がやることであって、運輸省がどうだこうだという筋合いのものではないのです。そういうことでは答弁にならぬじゃないですか。だからそこのところを私はどっちか明確にしてくれ、事故発生率が多くて、そうして乗車拒否の件数も多いからこういう措置をとったと言うのか、それともこれはやっぱりちょっとそういうふうにして含めてやっていくのには無理があるのじゃないかということなのか、そこのところが多少わかってくればあとどう措置をするかということが出てくるのだけれども、局長は依然としてやったことについては間違っていようが、あるいは実態に合わなかろうが何もかもあとは労働協約を直せばいいとか、そういう組合をどうこうする気はないとか、そういう抽象論で逃げようたってそれは無理なんです。そこのところをやっぱりどっちになるのかはっきりさせてもらわないとこれは承知できないのです。
  45. 原山亮三

    説明員(原山亮三君) 労働大臣の許可を受けて労働者の供給事業をやっている、こういう組合についてこれが運輸規則の改正がありましてもそういう供給事業のあっせんを依然として継続できることについてはやはり問題ないと思っておりますが、われわれのねらっておりますのは、そういう人たちの雇用契約のやはり期間が長いということがひいては雇用の安定に伴ってサービスの改善になり、事故防止につながる、こういうふうな考えでございまして、現在そういうふうな組合に入っている人たちがよりよき労働条件のもとにおいて働き得るということにもなろうかと、こういうふうに考えております。
  46. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  47. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 速記を始めて。
  48. 田代富士男

    田代富士男君 きょうの運輸委員会にこのたび大臣になられました新大臣を迎えまして、最初に、就任されたことに対しておことばを申し上げたいと思います。おめでとうございます。おめでたいということばは今後りっぱに仕事をしていただいてこそ初めておめでたいんじゃないかと思います。そのようにひとつ今後もがんばっていただきたいと思います。  私も従来から中曽根大臣の演説はお聞きしたことはあります。このような人がいまのこのよごれ切った政界を浄化していくような人ではないかと非常に期待もしておりましたが、くしくもこのような委員会で一緒になることができまして私も今後を期待する次第でございます。  新聞によりますと、このような運輸委員会というものは現在いろいろな冷房料金をはじめ、いろいろな問題が起きてきております。こういう委員会に際しましてどのような決意でやっていらっしゃいますかという記者団の質問に対しまして、佐藤総理も運輸問題を重視されまして、あえてこういう難問題であるから反主流派の私を起用されたと思います。そういうようなことを申していらっしゃることを新聞で読みました。  そこで私は、大阪のいま問題になっておりますLPガスの問題についてお尋ねしたいと思います。LPガスの問題よりも以前に、御承知のとおりに去る七月から冷房料金の問題が世間の注目を集めました。当委員会におきまして私は大阪府民の代表としてそれを撤廃すべきであると叫んでまいりました。幸いにも八月半ばにおきまして撤廃という結果を見ましたが、その冷房料金の問題にまつわりまして、いろいろ政治献金に端を発しまして今日のLPガス事件と発展してまいったのでございます。そこでこの問題につきまして、私は七月の十八日、忘れることもできませんが、当委員会に、このような冷房料金の根本問題というものはあくまで政治資金の底に根本根がある、このように私は決意をしまして、当委員会において慎重審議をしていただくべく私は申し上げました。時間切れという委員長からの一言によりまして、そのあとにそれを審議してもらう機会を得ませんでした。はたせるかな、その後このような大きな社会問題として発展してまいりました。前大臣でありました大橋運輸大臣もその十八日の委員会においてどのように申されたか、ここに議事録がありますが、「天下の行政が政治献金によって左右されるがごときことは、これは私の断じて承服できないところであります。そういうことは、申すまでもなく当然のことでありまして、」と、このようにして政治献金によってそのようなものが左右されてはならないということを前大臣もここではっきり申されましたが、はっきり申された後今日まで七月から八月、九月、十月、十一月と四カ月でございますが、いまこのような世間の者が疑惑を抱かなくちゃならない事態が起きてきております。それに対しまして新大臣としても新しい抱負をもって臨んでいらっしゃると思いますが、冷房料金に端を発した今回のLPガス問題につきまして新大臣としてどのように取り組んでいただけるか、国民の代表として私は新大臣にお聞きしたいと思います。
  49. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) 冷房料金、LPガス問題等に関する田代委員のお考えは全く正しいと思います。私はその趣旨に沿って行政をやっていくつもりであります。特にこのような利害関係にからんで政治資金が流れるというようなことは、これは大それたことでありまして、そういうことは断じてないと思いますが、私の在任中はそういうことは絶対起こらないようになお戒めてまいるつもりであります。
  50. 田代富士男

    田代富士男君 いま在任中は絶対に私はないというおことばでございますが、これは大いに期待するところでございますが、いままではいかがでございましたか。
  51. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) ただいま申し上げましたように、そういうことはないと私は信じております。
  52. 田代富士男

    田代富士男君 いま新大臣が、ないということでございますが、ひとつ、一つ一つの事例をあげて御検討を願いたいと思います。  まず、このLPガスの問題につきまして、三十九年からこの法案が審議されてきていることは御承知のとおりだと思います。現在、大阪にはいま二万五千八百台ほどのタクシーが走っておりますが、このうちの九五%がLPガスを使っております。LPガスがこのように発展してきたということはどうしてか、経費の面から安上がりである。タクシー一台で一日水揚げが一万円とすると、ガソリン車の場合は約二千円ほど燃料費に食われているけれども、LPガスであるならば千二百円くらいで済むと、まあそういうところからこの問題も検討されると思いますが、大蔵省は三十九年の夏ごろからガソリン車からLPガス車への切りかえ増大に伴いまして、ガソリン税の税収減を重視して、LPガスに最初キロ当たり二十六円五十銭を課税する方針をきめられたことは御承知のとおりだと思います。ところが、これが業界のいろいろな工作が成功したと申しましょうか、その法案が全く難航をきわめまして、次々に修正され、そうしていつの間にやら業者に不当に利益が与えられるものと変貌してまいりました。四十年二月国会に提出された政府原案は自民党内でもまれたあげく、大蔵省の方針は大きく後退いたしまして、キロ当たり十七円五十銭、そうして実施時期も四十一年一月となってしまったわけなんです。この間にも、このような業界のさまざまな働きが続きました。その結果、さきの政府原案も同年二月の第四十八回通常国会で継続審議、さらに同年八月の第四十九臨時国会では継続審議となり、同年十二月の第五十臨時国会でも審議未了として廃案となったのであります。その後、四十年十二月の第五十一回通常国会で同原案が再提出されたが、まあ自民党の働きかけにより、自民、社会、民社の三党共同提案の形で修正案が出されて可決された。ところが、この修正案というものは四十一年十二月まではキロ当たり五円、四十二年十二月までは十円、四十三年以降から十七円五十銭と段階的に課税されると、大幅な後退を余儀なくされてしまったわけなんです。こればかりではありません。さらに四十二年の六月には、自民党の税制調査会からの申し入れによる課税延期の改正案が第五十五国会に提出されて成立しまして、キロ当たり十七円五十銭の税率が四十四年末まで据え置かれることになったと、そのような経過のもとに今日までまいっております。  三十九年から、いま私は概略だけ話しました。委員長から時間ということが制限されておりますから。言うなればこの間のいきさつについては二時間、三時間あっても言い足りないのですが、概略申し上げましたけれども、どういう経過でまずここまできたかという、その経過を、それを簡単に御説明願いたいと思います。
  53. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) こまかい経過はよく私は存じませんが、おそらく構造の改善費等の減価償却等も考えまして、ある程度の年次を入れてやらないと無理が起こるという、そういうような考慮もあって漸次延期されていったのじゃないかと私は想像いたします。  こまかい、具体的なことは自動車局長からお答えさせます。
  54. 原山亮三

    説明員(原山亮三君) LPGの関係の法案の経過につきましては、われわれ運輸省のほうといたしましては、全然その審議の関係にタッチいたしておりませんので、詳細についてはわれわれとしてはわかりません。
  55. 田代富士男

    田代富士男君 まあ知らないと言ってしまえばそれまでですけれども、一応タクシーに関係のあることぐらいは勉強しておいてくださいよ。知らないとおっしゃるのを追及するわけにいきませんから一、二例をあげますと、タクシー業者がLPGの、いま申されました税法引き延ばしをやってきた理由というのはなぜか。これはいま申しましたタクシー燃料費は、LPGにするなら、原案のガス税が十七円五十銭、ガソリンよりも二割、現行の場合でありましたならば七割方安い。そうしますと、一日の一台の燃料費からみまして八百円ほど安いわけなんです。いまこれは申したとおりだと思います。そうしますと、その八百円ほど安いのを計算しますと、たとえばこれは大阪の相互タクシーでございますが、千五百台ほど車を持っているということを聞いております。まあ台数は幾分違いがあるかも一わかりませんが、千五百台持っていると仮定するならば、一日で、千五百台の車から得られるところの利益というものは、支出がそれだけ出ないのですから、百二十万円浮いてくるわけなんです。そうすると、百二十万円一日で浮いたのが、一カ月三十日と三十一日ありますが、三十日と見た場合に、三千六百万円が一カ月に浮いてまいります。それを今度年間に計算をいたしますと、三千六百万円掛けるの十二で計算いたしますと、四億三千二百万円もこれはもうかることになります。これだけのもうけ、税金に対して、まあもうけていながら税金はかけられないということは、政策的に不自然じゃないかと思うのです。そういうところから業者がやっきとなりまして——だから、そういう疑惑が持たれるのは当然じゃないかと思います。これだけの、いままでガソリンを使っていたときよりも浮いてくるわけなんです。だから、ここで少しぐらいの金を出してもこれが一年たち、二年たち、五年たって、このように無税という立場であるならば、どれだけの利益があがるかわからない、こういうことからも、大企業優先の政策と言われてもしかたがないんじゃないかと思いますが、こういうこれだけの金額があがりながら無税でよろしいという立場は、いかなる理由でしょうか。これも所管が違うからということはあるかわかりませんが、一応政府を代表いたしましてお願いしたいと思います。
  56. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) それは税制上の問題でございまして、直接運輸行政にタッチしない、大体三党協定か何かでやった問題であるように拝聴しております。私、しかし部外者としていろいろ想像してみまするに、やはり構造改善をして新しく施設を加えれば、それに対する加える間の休業の期間であるとか、あるいは新しい施設費に対する減価償却であるとか、さまざまな問題も多少あるのではないかと思います。そういういろいろな点を考慮し、またガソリンをある程度節約してLPガスを普及するという考えも多少あるかもしれません、そういういろいろな考慮によってこのような措置がなされたのではないかと考えます。
  57. 田代富士男

    田代富士男君 構造改善ということですが、新大臣に対して申しわけないが、私は冷房料金のときも言いましたが、冷房料金の原価計算をいたしますと、そのような負担になりません。このLPガスの設備をするに対しましても、さほどの負担にはなりません。これはもうこれ以上は申し上げませんけれども、こういうところに疑惑を持たれる点もあるということを今後御検討を願いたいと思います。あえてこの点は申し上げません。  次に、この問題がこれだけの波乱をやりながら、現在捜査段階でありますけれども、私は捜査当局内部にも問題がありはしないかと思うのです。というのは、冷房料金から一貫してこの事件は続いている事件です。冷房料金当時は、私も府警本部でいろいろな資料を集めもしましたし、府警本部も積極的に動きました。冷房料金に関しましては、汚職の事実がないというところまで結論を出しておりながら、現段階では全然協力をしていないわけです。ほとんど動いておりません。あれだけ冷房料金のときは動いておりました。現在は動いてない。こういうところに冷房料金時代に行ったときの空気と現在のそのような空気というものは極端に違うし、これは私捜査当局内部に何か問題があるのじゃなかろうか、そのような感じがしてなりませんけれども、これに対しまして当局のお方も見えていらっしゃいますから、その点はいかがでございましょうか。
  58. 川井英良

    説明員(川井英良君) 冷房料金をめぐって問題がそれを契機として発生したものであるようにも聞いておりますけれども、今日まだこの捜査は完結していないわけでございまして、それらの問題も含めて、やがて一切が明らかにされる時期が来るのではなかろうか、かように考えております。
  59. 田代富士男

    田代富士男君 それはいまおっしゃるとおりじゃないかと思いますが、一つの問題をあげますと、多島大阪タクシー協会会長あるいは多田さん等が地検に対しまして刑事責任はないということをはっきり言っているのは、一般紙あるいはテレビ・ラジオ等でも報道されておりますが、七月の下旬ころには府警の捜査二課に対しまして、政治献金のことについても相談をしているわけなんです。府警自体としてもそういうところから捜査できない事情に追い込まれているんじゃなかろうか、こういう一つの動きもあるわけなんです。そういう点も、いま申しましたとおりに捜査段階だからそういうことはどうということは私は言えません、こういう府警自身が動いてないという裏づけの一つとしてこういうことが起きているという、それをわれわれは知った以上は、これは許しがたいという気持ちにならざるを得ないんじゃないかと思うわけなんです。また、去る十月の三日、前検事総長でありました馬場検事総長が来阪した際、この問題は知らなかった、総理に言われて初めて知ったという、記者会見したときそういう話をしております。その記者会見の内容から、検事総長自身総理から何らかの圧力をかけられているんじゃなかろうかと、そういう点の疑問が持たれてしかたがないわけなのです。捜査にしても四カ月もかかり、手間どっている。その点に対してはどういうお考えでしょう。
  60. 川井英良

    説明員(川井英良君) 最初の府警の問題は、もちろん警察の問題でございまして、私どものほうは検察庁の所管でございますので、事件は同じような系統の事件だろうと思いまするけれども、大阪の地検では、まだ大阪の府警から、その冷房料金をめぐっての捜査については、もちろん事件の送致は受けておりませんし、詳しい報告にも接していないと思います。と申しますのは、冷房料金の問題につきましては、地検を通しまして法務当局のほうへまだ全然報告がまいっていないわけでございます。ただ情報として私若干のことを聞いているにすぎませんので、冷房料金の問題をめぐっての捜査の問題につきましては、警察当局がおそらくこれを担当してやっておるのではなかろうか、かように考えております。  それから、陸運汚職と俗に言われております大阪陸運局の職員とタクシー業者との間に汚職があったのではなかろうかというふうな疑いを持たれて、そうして捜査が始まりましたのは、これは警察と関係なしに大阪地方検察庁が独自の立場で捜査をいたしておりますので、この関係につきましては、若干の報告を受けております。で、そのあとのほうの問題につきまして、八月の中ごろに捜査に着手をして、四カ月を経た今日において何ら捜査が進展しないではないかというふうな御趣旨のお尋ねでございましたけれども、この種の事件は、でき得べくんばなるべく早期に事件捜査を終了いたしまして、その完結を見るということがもちろん理想でございますけれども、報告を受けたところによりますというと、なかなか広範で、複雑であって、かなりむずかしい法律問題も介在しているようでございまして、この程度の日時がかかるのは、残念なことではありますけれども、ある程度はやむを得ないことかとも私ども考えております。御承知のとおり、去る二十四日に強制捜査に踏み切りまして、数名の贈賄者側を逮捕して取り調べ中というふうな段階になってまいりましたので、この関係の捜査もやがて完結に向かって近づいていくのではなかろうかと、かような段階でございます。
  61. 田代富士男

    田代富士男君 いまのお話のように、関係者をいま留置して取り調べ中であると、参考人を呼んでいることは、まあその形式が事件の収拾の形式に移っているんじゃないかということと私たちも見ているわけなんですが、捜査が進んでも、御承知のとおりに十二月の四日から国会が開会となります。国会議員も逮捕することができずに、証拠隠滅のおそれも出てまいります。これ自身は、いまもうそれを大阪地検自身も承知していながら、わざとこのようなことをやっているんじゃなかろうかというような疑問も大阪の町じゅうには流れているわけなんです。そういう疑問が持たれているわけなんです。どうしてこんなにゆうちょうにしているか。特に冷房料金に対しての憤りというものは大阪の市民の中にはどうすることもできないものがあります。まして今回の汚職事件ということについて検察当局はどうしているのか、そのような憤りが起きております。こうしたことから今回の事件が起訴猶予になりはしないか、そういうような見方もされておりますし、絶対不起訴ではないか、逃げられるのじゃないかといったようなことがいまうわさされておりますけれども、事件の捜査の段階であるからそこまでの返事はできませんという御答弁になるかしれませんけれども、こういう見方を国民の大衆は見ております。これに対しまして、検察当局としてどのような態度で臨まれるのか、またいま、新大臣であります中曽根大臣は、国民と直結するような行政をやっていかなくちゃならない。私はまさしくそのとおりだと。国民の声は天の声ということもありますし、こういうことから、この問題に対しましては、全般的には運輸関係の問題でありますし、責任を払ってもらわなくちゃならないと思います。こういう点に対してはえりを正して臨んでもらいたいと思うわけなんです。まず最初に、検察当局のお考えはいかがでございましょう。
  62. 川井英良

    説明員(川井英良君) まことにごもっともな仰せだと私も思います。この事件につきましては、大阪地方検察庁におきまして、鋭意全力をあげて真相の解明に努力中でございますので、私どもその公正妥当かつ厳正な処置を見守っていきたい、かように存じております。
  63. 田代富士男

    田代富士男君 いま公正、厳正に見守っていきたいと。ただ見守るだけでなくて、そういうことを徹底的に、正しいものは正しいと大衆の前に、国民の前にはっきりしてもらいたいと思います。見守っていくと、何もせずに見守るじゃなく、それは徹低的にやっていただきたいと思います。いまここで申し上げるのもどうかと思いますが、当局者に対してそのような一念を伝えていただきたいと思います。また、いま大臣は、政治資金と今回の法案との関係はないという第一番目の御答弁でございましたが、すでにこの問題に対しましては新聞でも全部この問題が取り上げられております。LPGのこの問題と政治資金との関係がどのように組み合わされているか、まあここにも資料があります、また自治省の資料もありますが、これで追っていきますと、関係がないと言われれば関係がないかわかりませんが、関係があると見ていけば関係がある線が出ているわけです。これはお互いの相違じゃないかと思いますが、事実を申し上げますと、四十年の二月の十一日に、LPG税法案が提出されております。そうして三月十八日から三月二十五日まで、参議院の大蔵委員会で審議されております。で、四月の十六日、衆議院の大蔵委員会で審議され、そうして六月一日に縦続審議となっております。この間に政治資金がどのように行なわれたか。四十年の五月二十一日に、全乗連から二十日会へ二十万円。政治資金が五月二十五日、同じく全乗連から岡本悟後援会へ百万円。それから六月二日、田中蔵相が辞任しております。そうして幹事長に就任しております。その六月二日の直後、六月の十日に、大阪タクシー協会、大旅協あるいは京都タクシー、兵庫タクシー、これ共同いたしまして自民党へ一億円、社会党へ六百万円、民社党へ四百万円。同じく六月の二十二日、全乗連より社会党へ五百万円。六月二十六日、全乗連より自民党へ一千万円。六月二十八日、大タク協会から近代化研究会へ百五十万円。このように六月度の動きがなされまして、七月の二十一日、衆議院大蔵委員会へ報告書が提出されております。そうして七月には、大タク協会より民社党へ二百五十五万円。七月三十一日、同じく大蔵委員会で法案審議です。で、八月の四R、多田氏——大阪の多田さんてす。御承知の多田さんから二十日会へ五十万円。十二日十三日、LPG法案審議未了、廃案となる。その直後の十二月十八日に、多田氏より二十日会へ五十万円。そして十二月二十日、五十一国会へ修正案として再提出されました。その直後に、十二月三十日、全乗連より松山会へ五十万円。十二月二十九日、法案が成立しまして、十二月三十日、法案成立直後に松山会へ五十万円。そうして、その後の政治献金は四十一年三月二十五日、大タク協会から二十日会へ百万円。七月の八日に日本交通から新生政経研究会へ五十万円。七月十三日、全乗連より二十日会に三十万円。八月十六日、日交の沢社長より二十日会に百万円。九月十三日、多田氏より二十日会へ五十万円。四十二年一月七日から二月二日まで、これは大タク協会より衆議院選候補十人に対して九百三十六万円。そうして五十五国会が四十二年三月二日に行なわれまして、大蔵省からLPG税軽減税率が出されまして、四十三年三月まで延長ということになりまして、この直前の二月四日、大タク協会より新生政経研究会に一千万円。そうして延長直後の三月五日、大タク協会多田氏、これは越山会に五十万円。ざっといま申し上げました、これ以外にまだ省略している分がございますが、法案審議と、そうして政治資金との関係——関係がないと見れば関係がありませんが、このように審議され、延長され、そうして税率が下げられてきた、こういうところから見るならば私は考えざるを得ないじゃないかと思います。  このように、大阪のタクシー料金問題に端を発しまして、そうして現在の陸運汚職、これに関連したLPGの課税にからむ贈収賄の被疑事件は、まさに特定の政治家に対する政治資金によって法案までが左右されるという最も被疑の面が浮きぼりにされたものじゃないかと思うわけです。タクシー業界でLPGに対する課税を実施させないために費やした政治献金というものは、新聞にもテレビ、ラジオでも報道されておりますように一億五千万円、そのように言われております。それによって得たところの利潤というものは、百億円を下らないだろうとも言われております。しかも、この政治資金というものは、自民党はじめ社会党、民社党に対する党から、あるいはいろいろな個人に対しても行なわれておりますが、全くこういうことは、タクシー業界が国会ごと買収しようとしたものと言われても、これは、国民の声があります。そういう声は当然じゃないかと思います。まさに政治道義的には暗黒政治と言わなくてはならないかと思います。私も国民の代表の一人として、まして大阪に住んでおります大阪府民の一人として、この政治献金が善意のものであったならばよろしいです。これが善意の政治献金とだれが判断する人があるでしょうか。明らかに議員の職務権限たる法案の審議権、採決権を業界に有利に利用することを目的とされたもの以外にないと考えられてもしかたがないと思います。こういう点から、いま関係がないと申されましたけれども、その面から言うならば、関係がないと思います。しかし、一面から、国民の声を代表とした国民の立場から見るならば、関係があると言われてもしかたがないと思いますが、こういう面に対しまして当局としてはいかがお考えであるかお願いしたいと思います。運輸大臣にお願いします。
  64. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) 御説のとおり政治家は国民の代表でありますから、その身体は常に潔白でなければならぬと思います。しかし、ただいまのおあげになったいろいろな資料についての判断は、司法当局の判断にまかしたいと私は思います。
  65. 田代富士男

    田代富士男君 司法当局の判断、そう言われればそれまででございますが、道義的な上からも私は申し上げたいと思います。ここに私は政治資金規正法に基づいて収支報告がなされますと、そのような収賄性が全く滅殺されるというようなことになってくるわけなんですが、そのよい例、かさきの世間を騒がせましたところのいろいろ共和製糖問題等も、結局はそのような政治資金規正法、その盲点によりまして、ざる法によりまして、犯罪として成立されない。こういうところに政治資金規正法は悪法という以外に私はないんじゃないかと思います。冷房料金の問題もここに問題がありました、か、今回のLPGの問題におきましても、そのとおりじゃないかと思うのです。これは自分の管轄が違うからそちらにまかしたい、それもそのとおりじゃないかと思いますが、私はいやしくも政府はそれだけの責任において、各省各省違っても大臣という立場であるならば、各省の代表として君臨すべきじゃなかろうかと思うのです。また日本の先導ともいうべき政府自民党です。先導という立場で、その点をはっきりとしていただきたいわけなんですが、そういう点から考えていきますと、政治資金として届け出するならはこれは違法にならぬという、それはならぬかわかりません、しかし、もしも——これを私は申し上げたいと思いますが、今回の冷房料金あるいはLPGの問題は、運輸関係の問題です。そこに政治献金にあらざる献金がなされていたとするならば、大臣としてどのように指導監督なされるのでしょうか。その点をお聞かせ願いたいと思うのです。
  66. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) 仮定の問題にお答えすることはたいへん困難であると思います。すべてそういう問題は司法当局の判断に待つべき問題であると思います。
  67. 田代富士男

    田代富士男君 まあそれはそうですけれども、運輸関係で起きた問題です。それに対して指導監督をしていかなければならないんじゃないかと思うのです。そのために大ぜいの人が迷惑を受けております。また仮定の問題ではお答えできないとおっしゃいますならば、ひとつ例をあげますと、今回の事件に対しましては、大阪タクシー協会の多田さんが中心となりまして、家宅捜索を受けました。このときに、多島さんが克明に書いておりました多島日記というものがあります。この日記の中は、約三年半にわたりまして大阪タクシー協会幹部と政界、官界有力者との交渉がすっかり記録された日記になっております。多島さんのうちの六畳の間にあったということを聞いておりますが、スクラップブックを利用しまして、昭和三十九年初めから旅行記、随想、身辺雑記、交遊関係などを克明に記録しているそうです。絵はがき、カラー写真、パンフレットなども随所にはさみ、そしてそれをちゃんとレイアウトされてありますが、この多島日記は全部で三十数冊になっておりますけれども、タクシー協会の会長として今回のLPガス税反対運動あるいは増車対策あるいは運賃値上げ問題等をめぐりまして、タクシー業界幹部と、あるいは運輸省高級官僚、陸運関係議員たちと会合や宴会、宴席でいろいろ話し合った日時、場所、そういうものがすっかりと書き込まれておる多島日記というものがありますけれども、これに対しまして検察当局としてもこの日記を重大視しております。特に前上原陸運局長、それから多田自動車部長あるいは宮本旅客課長等が運賃改定問題等の申請のことで話し合った、そういう場所等も詳しく載っております。  そういうようなことからしまして、現在は検察当局によって取り調べ中の段階であるということが言われておりますけれども、これだけのことが大阪市民、大阪府民にはもう全部が知れ渡り、借りを感じております、冷房料金で苦しんだ連中が。これに対しても、仮定ではありません、このような事態が起きている。それを自分は所管が違うからというわけにはまいらないし、そういう本のに指導監督していくのが私は大臣の立場じゃないかと思うわけです。そういう点に対して、仮定では答えられないとおっしゃるならば、事実の面を申し上げましたから、この点に対してはいかがでございましょうか。
  68. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) 公務員が公務員の憎を逸脱してもしそのようなことをやっておりましたならば、はなはだ遺憾でありまして、その点は大いに粛正しなければならぬと思います。私、そういう考えにも立ちまして、着任以来鋭意詳細に調べておりまして、先ほど申し上げましたような処置もいまとりつつあるところであります。御趣旨を体しまして、さらに勇断をふるって実行してまいりたいと思います。
  69. 田代富士男

    田代富士男君 いまの大臣の勇断をもってやっていただくということ、大いに私は期待をしていきたいと思います。信じる者を裏切るなということばがありますから、ひとつよろしくお願いいたします。特に国定忠次出身地の中曽根新大臣でありますから、あわせてその信義のほどをお願いしたいと思います。それで、いまの一言で、あと申し上げたいと思いましたが、あとの問題は同じ問題かありますが、もういまの一言を私は信じて、あとのそれに関するいろいろな不詳事件の問題は、時間もありませんから、次回、また予算委員会あるいは当委員会等もありますから次回に回わしたいと思います。  私がもう一つ申し上げたいことは、そのように運輸関係の業者と運輸当局がなれ合いである、そういう政治献金あるいは裏の政治献金がなされているかどうかということにつきましては、検察当局においていま調査の段階ですが、全部がそのような疑いを持っております。そのなれ合いの一つとして言われることは、大阪陸運局関係で車体検査証の偽造事件が昭和三十九年か四十年ごろにあったと思います。国会でもこの問題が取り上げられたと思いますが、その後はっきりしておりませんけれども、その後の問題はどうなっているでしょうか、大阪の検査証の偽造事件の問題をお願いいたします。
  70. 原山亮三

    説明員(原山亮三君) ただいま御指摘の車体検査証の偽造問題につきましては、私どものほう詳細に存じません。
  71. 田代富士男

    田代富士男君 では、それを詳細に存じないとおっしゃるならば、調べてください。そういうことがあります。それと同時に、大阪の相互タクシーあるいは国際興業タクシー等の大手のタクシー会社は、自分の会社内に整備工場を持っております。その整備工場内で車検をやっておりますけれども、そのときには陸運局の関係者が立ち会いをしなくちゃならないことになっています。ほんとうは、森之宮のあそこの検査場に全部車を持っていくのがほんとうです。これは原山局長さんもご存じのとおりです。ところが、その会社内でやる場合には、陸運局が立ち会いしなくちゃならない、しかし、運転手の話によりますと——運転手は言っています、立ち会いなくして、検査をしないで、陸運局に報告するだけで検査証が発行されていると、これは運転手仲間でのもっぱらのうわさになっております。こういうところからも、私は陸運当局と業者とのなれ合いという面がありますから、こういうところから、政治資金は関係ないということを言われますけれども、私は大いにあるのではないかという一面を申し上げておきます。これもひとつ、いま聞いてもあれですから、調査をして、次回の委員会でまたこの問題は大きく取り上げていきたいと思いますから、それを要望しておきます。  次に、時間もありませんからもう一つお伺いしますが、東京陸運局の事務所は現在どこにありましようか、これをお答えいただきたいと思います。
  72. 原山亮三

    説明員(原山亮三君) 鮫洲にございます。
  73. 田代富士男

    田代富士男君 正式住所。
  74. 原山亮三

    説明員(原山亮三君) 正式住所は後刻調べてから御報告したいと思います。
  75. 田代富士男

    田代富士男君 いま調べてもらいたいですね。そのくらいのことがわからなくてどうします。
  76. 原山亮三

    説明員(原山亮三君) あとで調べまして御報告いたします。
  77. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  78. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 速記をつけて。
  79. 田代富士男

    田代富士男君 最初から時間を違えたとなるとあれですし、初めてのことでありますから時間を守ります。ただし次回にそれだけの時間をいただくことを約束していただきたいと思います。よろしいでしょうか。
  80. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) わかりました。  速記をとめて。   〔速記中止〕
  81. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 速記をつけて。
  82. 木村美智男

    木村美智男君 じゃ、自動車局長ね、さっきの続きになりますけれども、日雇いの中に、とにかくかけ込み、門前使用と、それからさっき言った四十五条関係と二種類あると、その二種類についてまあ同じようなのか違うのかということ、今度の通達の中でその考え方はどういうふうに扱っておるかということ、そこを聞かしてください。
  83. 原山亮三

    説明員(原山亮三君) 確かに御指摘のとおり、門前雇用と、そういう労働大臣の認可を受けて労働者の供給をやる、そういうものとは確かに差がございます。差がございますけれども、新しい運輸規則でもって期待いたしますのは、雇用をもう少し安定いたしたい、現在あるものよりもっと雇用を安定化したい、こういう考えでございますので、現在あるものよりもう少し労働協約が改まって安定化のほうに向いてもらいたい、こういうふうな考えでございます。門前雇用のほうは問題外でございます。
  84. 木村美智男

    木村美智男君 そのすると、局長が言うように、もっと安定化したいということであれば、これはどちらかというと行政指導的な立場を適当とするのじゃないかというふうに考えるわけです。だから、せっかく出した運輸規則であり、あるいは省令改正ということだから、それについては当然門前雇用なりやみ手配師による運転手をかき集めるということについては全面禁止するということが生きてくるわけだから、問題は職安法四十五条の関係については、これは経過の措置として何かの形でひとつ考慮をするとか検討をするとか、そういうことが考えられないだろうかということ。で、どうしても一考えられないとなれば、それはさっき言ったように、事故発生率であるとか、あるいは乗車拒否の回数であるとか、こういう明確な資料が出ないと、問題がないならいいけれども、問題があるのでこれを認めるということができなくなる。で、もっと深く突っ込んで議論をせなければならぬということになってくるので、そこの辺はどういうふうに処理をするつもりかと、大体一月一日というともう一カ月ないわけなんで、したがって、私はどうしてもそれは不十分だと思うから、そこの部分だけ何か経過措置のような形で行政指導的な形をしばらくとるようなことが考えられぬかどうかということについてちょっと伺いたい。
  85. 原山亮三

    説明員(原山亮三君) そういうふうな組合に対しまして極力われわれ今後話し合いを通じまして平穏裏に運輸規則が実施できるようにいたしたい念願でございますけれども、いままでこれは全交運を初めとしまして、そういうふうな就職あっせんの組合に対しましてもこまかく話し合いを続けてまいったのでございまして、今後も実施期日までの間におきまして十分その辺の事情を御指摘の点についてもよく考えまして話し合いを続けて何らかの措置を講じてまいりいたい、かように考えております。
  86. 木村美智男

    木村美智男君 その話し合いを続けるのはそれは非常にけっこうなことなんで、それはいいですよ。だが、問題は省令として運輸省範囲の権限の中でやっていることだから、したがって、一方、話し合いを続けると同時に、ほんとうに運輸省が期待をしているような旅客サービスが向上をし、事故が激減をするという実効をあげるために、もう少し経過措置として別途何らかのことをひとつ検討するという考えがないか。そうなれば、なるようにわれわれのほうとしてもそれに対する協力をしていきたいと思うのだけれども、ただ、その話し合いをしていくということだけでは一月一日から四十五条関係も含めて全面的に適用をするということになってしまうので、そうではなくて、原則的には長期雇用安定あるいは事故防止ということであるけれども、したがって、それは認めるから、その四十五条関係の労働者に対する適用という問題については、経過措置として別途何らかのものを考える意思があるかどうかということで、そこのところがこの問題の実は解決になっていくような気がするから、そこでひとつ聞いているわけです。
  87. 原山亮三

    説明員(原山亮三君) 確かにおおせのとおり、今回の運輸規則の改正は雇用の安定化、それに伴うサービスの改善、事故防止でございますから、御指摘の組合の問題につきまして一般の門前雇用と同じ時期に同じ条件でもって移行するかどうかについてはいろいろと問題があろうかと思いまするので、今後話し合いを続けて、もしも一月一日に実施するということが、究極の目的であります事故防止なりサービスの改善の関係でプラスにならない、若干何らかの経過措置をとる必要があるという結論に達しますればそういう措置を考えてまいりたいと思います。ただし、そういう必要もないという場合においては予定どおり一月一日から実施させてもらいたい、かように考えております。
  88. 木村美智男

    木村美智男君 だいぶ話としては私のほうでも理解できるような気がするのですが、実は局長、もう少し私が言っていることの趣旨をよく知ってもらいたいこともあって二、三申し上げるのですけれども、一般に労働者供給事業というのは禁止をされているわけですよね。しかし、この職安法の四十五条関係に限って認められたといういきさつの問題が一つある。   〔委員長退席、理事谷口慶吉君着席〕 それは特にやみ、あるいは門前、かけ込みということが数年来問題になってきておって、これをなくすために実は四十五条に基づく自運労であるとか新運転とかいう組合が組織をされたいきさつがある。これは労働省のほうも、たとえば大阪の東安定所なんかはすっかり手をあげてしまって、どうにもならない。したがって、これを新運転に組織をするということを条件にして、そうして実は四十五条関係のもあとして認定をしてきたという、こういういきさつが一つあるということ、それから、これは旅客関係のみならず、トラック関係にも西項目のうち四項を除いては適用をされていくわけですよね。その結果どういうことが出てくるかというと、窓口がまるっきり——これの関係が組織的に行なわれる、窓口関係が閉鎖されることによって、実は局長どういうふうに理解をされていたかしらぬが、郵便の逓送なんかについても年末は八十台から百台くらいのこれを扱っているということがあるわけです。それから、最近東京の清掃事業であるごみ集めをやっているバキュームカーですか、あれに対してこれは一日百人からの人員を供給しているんです。それから、もっとかみしもを着たところになれば、たとえばインドとか、マレーシアとか、韓国とか、この大使館に対してもやっぱり運転手の供給をやっておる。それから大蔵省であるとか住宅公団であるとか、官庁関係、こういったような関係についても私は相当考えてみなければならない部面があるような気がするので、そこら辺のこともひとつ考えていくと同時に、まあ大体いま同じ供給事業の中でも八割方は大体長期的な雇用でいっているわけですから、問題になるのはあとの二割だ。その二割をどうしてなくすかということができなければ、これは逆にやみの運転手をふやすことになるという結果になっていくので、その二割のうちどれだけ今度の労働協約改定といったようなことを通して吸収できるか。まあ大体の目算でいけば一割五分くらいは残るだろうと、こう推定しておられるわけです。それをやっぱり多少の時間をかけてなくしていくということを考えていかなければならぬ。それから、現在解雇を受けて裁判係争中のものがある。こういうものについても行き場所がないから、結局とどのつまりは門前、かけ込みになるか、あるいはやみ手配師のもとに走るか、そういうことにならざるを得ないということになってくると、結論としては、通達を出した趣旨というものはいいことであるけれども、実際はそれはやみの運転手をふやすという結果になりかねない。そうなれば事故は減るどころじゃない、乗車拒否はますますふえるという関係が出てくるということが考えられるので、せっかく出す通達なんだから実効のあがるようなことを考えるべきじゃないかという、この立場で先ほどのようなことを申し上げたわけです。だから局長が言われているように、まあそういう事情もあり、また局長としても考えている事情もあるだろうから、ひとつ十分話し合いをして、その結果多少無理だというなら、それは省令の中身なんですから、局長の判断で延ばすことも可能なんだということで、十分言われている趣旨がわかったから、きょうは、じゃ、検討してみましょうということで——あなたのほうも答えられたとおりでやっていけるというのなら、この問題はきょうはこの辺にしたいと思うんです。  で、ただもう一つ要望があるのは、実はこの通達を出したときは、さっきも触れたのですが、私この間徹夜でもろていまのタクシーの実態調査をやってみたわけです。で、結局するところ何が問題かということになれば、通達でいっているようなこともそうであるが、もう一つ今日のやっぱりタクシー事業における給与体系というものを、これをとにかく何らかの形で行政指導をし、ある程度の強制力をもって正していかなければ、私は事故防止もできないし、乗車拒否もなくならないという結論を実は深めたので、この点はどうしてもこれは自動車行政として今後取り組んでもらわなければならぬ。で、大体、全部資料にのっかっているやっと実態調査をやったものが一致してきているのですが、きょうは時間の関係があるから一々述べませんけれども、とにかく今日の基本給といったようなもの——ほんとうの意味での基本給というのは六千円から八千円です。大体月給六万から七万という袋を手にするわけですけれども、ところが、その本俸たるや幾らかといったら、六千から八千というところに実は今日の問題がある。あとは全部ノルマ給。その基準賃金というやつは六千なり八千を含めて二万五、六千になっておる。ところが二万五、六千になっているやつは、一日休めば十三徹夜だから十三分の一カットということで減らされる。それと、諸手当が十ぐらいある。この手当はやっぱり一勤務欠ごとにそれぞれ引かれていくので、たいへん少なくて、一日休むと、つまり二十六日働かなくて二十四日だとか二十五日だとかいうふうに、一日働かなかったら、引かれるものの最少でも三千円は引かれる。多いところは、一日休んでも六千円ダウンする、こうなっている。そうすると、どうしても十三徹夜をやっていけないで、一日か二日休んだ者は、ほかの日に水揚げをよけいかせいでそれを埋めなければだめだということになるから、どうしても三百六十キロは守れないということになるし、それから二時帰庫といっても、とにかく水揚げをやらなければどうにもならないという関係がはっきり結論的に出てきているので、この点はあとで十分事務的な話し合いとして自動車局長との間でしたいと思うのですが、ここのところをきちっとやらない限り何ぼ厳罰主義で押していっても、さっき言ったやみ運転手がふえる状態は、この賃金体系をこのままにして置く限りだめである。月収の総額を上げる、上げないの問題は、この問題は労使関係になるわけですが、ところが、いまもらっている五万にしろ、六万にしろこの月給袋を分析する限り、このことをとにかく改善する何らかの行政指導対策がとられない限り、私はこれは絶対に事故防止はできないし、乗車拒否はなくならない、こう断言しても間違いではないと思う。ここのところが問題なのでこの点を、実はこの通達の問題を最終的に結着をつける際には、ぜひこの点を、さっき少しばかり乱暴な言い方をしましたけれども、実はここのところは大事な問題であるので、ぜひその点をつけ加えて、そうして局長がせっかくそういうふうにおっしゃられるのだから、ここで特別扱いすると断言できないけれども、問題は性質が少し違う。違うから違うなりに十分ひとつ検討して、場合によっては延ばすことを考える。この辺のことで局長が了解できるならば、私はこの問題についてはこれでピリオドを打ちたいと思うがいかがですか。   〔理事谷口慶吉君退席、委員長着席〕
  89. 原山亮三

    説明員(原山亮三君) この点一月一日から実施するかという問題につきましては、先ほど御指摘の、労働大臣の許可を受けた労働者供給事業をやっている組合に対しましてはその事情を、今後約一カ月間ございますので、十分話し合いをしまして、特別な経過措置を講ずる必要があるという場合におきましては、そういう面を考慮して考えてまいりたい、こういうように思います。
  90. 木村美智男

    木村美智男君 時間がないようですから、局長もう一つ、この間、年末年始の輸送力増強対策ということで東京陸運局が各社一両の増車ということを大体発表したのです。このことについてなんですが、私はやはりいままでのいきさつなり、それから経過からいうと、その企業タクシーをふやすということよりもむしろ個人タクシーの処理というものを先にやらなければいけないんじゃないかということを考えているのですが、急にああいうことが出されたので、どうも世の中の要望とも少し違う。ここのところは、これはどういうことなんだろうか、で、あれには期限つきになっております、たしか。しかし、その期限というのを年末年始の輸送力増強ならば、それは一月の二十日とか一月一ぱいとかいうならば、話はわかるけれども、来年の十月二十日までこれは期限をつけて認可するのだということになると、どう考えてもこれは脱法的な合法的な理解のしかた、増車だというふうにしか見られないので、年末年始の輸送力増強に名をかりた企業タクシーの増車だというふうにしか、これはならぬじゃないかということにも考えられるので、そこら辺について、局長としては、どういうふうにタッチをしておって、この点はどう考えられているのか、それで特に運転者不足状態に今日あるわけですからね。そういう面からいけば、ぼくはむしろ条件が整って、そして車庫まで用意して、しびれを切らして待っている個人タクシーが、まだ四千件近く残っているわけです。そっちの審査をやはり進めて、ここに年末段階で大体百九十八社だというから、百九十八両ぐらいなら、やはり個人タクシーのほうを認可すべきがどうも筋道のような気がする。こういうように思うので、その点はひとつどういう考えであるか、それから方針として、そういうやり方を検討し直す気持ちはないかどうか、ここら辺をひとつ聞かしてください。
  91. 原山亮三

    説明員(原山亮三君) 東京の地域におきますタクシーの増車の問題につきましては、この前の国会でも御報告いたしましたように、個人タクシーの未処理件数を極力処理するということで、計画としましては、本年度末、来年の三月末までの間に三千件を処理します。こういうお約束をしてあるのでございますが、その点につきましては、東京陸運局の人員を極力合理的に配置しまして、努力を重ねてまいったわけでございます。毎月その処理を進めてまいりました。現在までに、近く処理される分を入れますと、千五百八十五件の処理が行なわれる予定でございます。したがいまして、三月末までの予定の三千件の半分以上が、この現在までの間において処理されたというふうなことになりますので、その点につきましては、個人タクシーのほうの処理をやめて、法人のタクシーのほうに回したというふうなことでは全然ございません。個人タクシーのほうは予定どおり進める、ただ最近の東京地域におきますタクシーの実車率が非常に上がっております。したがいまして、そのような上がっておる実車率に対しまして、やはり車の不足ということが考えられますので、それに対して一部増車をする。ただ御指摘のように運転手が不足しておりますので、そう大量の増車ということは、かえってまたサービスの悪化というふうな面を来たしますので、各社一両というふうな程度でやった。しかも、その認可する際には期限をつけまして、悪質な事故なり乗車拒否なり、そういうふうなものをやったものについては、その認可を取り消す、こういうふうな条件が入っておるわけでございますので、その程度の増車ならよいであろうというふうに東京陸運局長に指示した次第であります。
  92. 木村美智男

    木村美智男君 局長、ぼくが言っているのは、実車率大体六三%ぐらいですよね、いま。ところが、一方に休車率一二%から一三%ぐらいあるのですよ、休車は。だから私はそういう休車率が一三%もあるやつへふやすのじゃなくて、もう人間もちゃんといるし、車庫も備えて認可のおりるのを待っている連中が、さっき言ったようにわんさといるわけだから、これを許可をすれば、その対策としても、それから実際の実効の面からいっても、趣旨がそこへ落ちつくのじゃないか、まずこの際まあそれは許可するのに大義名分がないから、事故を起こさぬものだとか、乗車拒否の件数がないものだとかいうようなことがつけ足しになっておるけれども、これはまあつけ足しとしては一これは筋道としては、個人タクシーのほうをやはりふやすという筋に立つのが、まあ世の中から見てほめられる運輸行政になるのじゃないかといって、こっちは一生懸命運輸行政を助けているつもりで言っているのだけれども、おこられていると思っては困るのだよ。そういう意味で申し上げているので、そういうことを十分ひとつ判断をして、東京陸運局長にはひとつ指示をして、遺憾のないようにしてほしい。
  93. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 田代君、さっきの質問の答えだけに……。
  94. 田代富士男

    田代富士男君 五分以内に終わります。すぐ終わります。いま、さっきの住所わかりましたでしょうか。
  95. 原山亮三

    説明員(原山亮三君) 陸運事務所の住所でございますが、品川区東大井一の十二の十七でございます。
  96. 田代富士男

    田代富士男君 東京陸運局ですよ。
  97. 原山亮三

    説明員(原山亮三君) 東京陸運局でございますか、事務所とおっしゃいましたので、新宿区四谷一丁目無番地でございます。
  98. 田代富士男

    田代富士男君 そこで、いま新宿区四谷一丁目のゼロ番地、建物の所有はだれの所有になっているか聞かしていただきたい。それも調べなくちゃわからないですか。時間がありませんから言います。東京自動車協会の所有になっております。ところが、陸運局は幾らでこれを借りているのか、これはちょっと教えていただきたい、これはわかりませんか。
  99. 原山亮三

    説明員(原山亮三君) 本日、そういう関係の資料を持ち合わせておりませんので、後刻。
  100. 田代富士男

    田代富士男君 幾らで借りてあるか、あとでお願いしたいと思います。東京旅客乗用車協会の住所はどこになっているのですか。これも答え要りません。同じく新宿区四谷一丁目ゼロ番地。この乗用車協会は事務所はどこから借りているのか、また家賃は幾らか、これも資料を持ってきていらっしゃらないと思うが、そこで、私は陸運局から旅客乗用車協会または東京自動車協会への人事の異動はないのか、天下り人事はないのか、三十九年から四十二年まで、いま資料を持ってきてないとおっしゃるから、資料、登記簿等を提出してもらうように委員長にお願いしたいと思います。
  101. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 資料をひとつ頼みます。
  102. 田代富士男

    田代富士男君 三十九年から四十二年までお願いしたいと思います。以上で終わります。
  103. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 資料はお願いします。
  104. 原山亮三

    説明員(原山亮三君) 承知しました。
  105. 田代富士男

    田代富士男君 その資料に基づいてまた質問します。きょうは資料がないので質問できません。     —————————————
  106. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 次に、日本国有鉄道の運営に関する件について質疑を行ないます。御質疑のある方は順次御発言を願います。
  107. 前田佳都男

    前田佳都男君 まず、駅の名前の問題について御質問をしたいと思うのですが、駅名、どういう名前を駅につけるかという問題は、経済的、社会的に相当大きい影響があると思いますが、駅名というのは相当重要なものであるというふうに国鉄はお考えかどうか、これはわかり切った質問ですが、ちょっと最初にお伺いしたい。
  108. 磯崎叡

    説明員(磯崎叡君) これは、非常に国鉄といかしましては、もちろんのことでございますが、一般の地方民の方から見ましても、たいへん重要なことだと思います。
  109. 前田佳都男

    前田佳都男君 それでは、新しく駅を設置する場合、その駅の命名の基準といいますか、どういうものを根拠にして駅の名前をつけるかということ、並びに地方住民の意思というものを尊重して、新しい駅名をつけるかどうかということはどうでしょう。
  110. 磯崎叡

    説明員(磯崎叡君) いままでございます駅は、明治初年以来のものが多くていろいろないきさつできまっておりますけれども、最近つくります駅の名称につきましては、大体地元の市町村の原則として議会の議決をなるべくいただいてつけるようにいたしておりまして、場所によりまして、非常に地元の方々の意見の相違できまらないところがございまして、足して二で割るような駅名も実はございますけれども、極力、地元の方々の御意向を尊重し、また逆に駅と申しますのは、その土地の方だけでなしに、よそからそこへ来られる方に便利でなければいかぬという建前で、なるべく難解でない、わかりやすいものということも頭に置いてつけているつもりでございます。
  111. 前田佳都男

    前田佳都男君 新しく駅を設置する場合は、その命名は非常に慎重におやりになるということをいま副総裁から承って非常にけっこうだと思います。または現在ある駅名を変更することが非常に与える影響が大きい、地元の民衆に取りましては非常にショッキングだ。長い間、地元の民衆に親しまれておるその駅名を変更する。また、地元の商店街あたりは、大体〇〇駅前という駅前のことを全部広告にも書いてある。包装紙にしても、何にしても、至るところの宣伝が、もうたとえば、和歌山駅前とか、大阪駅前とか、いつも駅前ということを書いて商売をしておる場合が多いのですね。したがって、その変更は、新しく命名する以上に、非常に慎重にやっていただきたいと思うのですが、その点はどうでございましょうか。
  112. 磯崎叡

    説明員(磯崎叡君) いままでございます駅の名称を改めます場合にも、ただいまのお話のとおり、非常にやはり地域の住民の方々に対する影響も大きいものでございますので、私どもといたしましては、ずいぶんいろいろな御要望がございます。特に、最近、行政区画の統合によりまして、全然そういう地名がなくなってしまったというような場合もございまして、非常に、ケース・バイ・ケースで、さまざまでございますが、いずれにいたしましても、地元の方々の御意見を無視して駅名を改めるということはいたしておりませんし、また、今後ともいたすつもりはございません。
  113. 前田佳都男

    前田佳都男君 それでは、変な念の押し方ですが、国鉄国鉄だけで全部やるということは絶対にないわけですね。
  114. 磯崎叡

    説明員(磯崎叡君) 私のほうから、たとえば非常にわかりにくい駅名とか、非常に古くて全くそういう土地がない。旅行者がそこに行ってみても、何々村へ、何々市へ行きたいのだけれどもその駅がわからぬというような、非常に不便な場合には、地元の方々にどうですか、非常にほかの地域の方々から不便だというお話があるからいかがですかということをたまにこちらから申し上げることもございますが、大部分は地元の方々からの御発意で変えることにいたしております。
  115. 前田佳都男

    前田佳都男君 実は、和歌山に東和歌山という駅とそれから和歌山駅、それから和歌山市駅という駅がございます。その和歌山駅という駅名を廃止しようという、そういう動きがどの程度まで進んでおるか、私は知りません。しかし、そういうニュースが一ぺん伝わりまして、和歌山駅前の商店街並びに住民は非常にショックを受けて、これはたいへんだ、長年にわたるわれわれの商売が上がったりになってしまうというので、近くの住民大会を開いて、実は大騒ぎをしておる。この点について、副総裁のお手元に何かこれに対しての資料といいますか、地方鉄道管理局長から御報告がありましたでしょうか。
  116. 磯崎叡

    説明員(磯崎叡君) 実は、和歌山には非常に駅がたくさんございまして、駅名を変える変えないで、おなくなりになりました前市長のときから、ずいぶん、私自身お話を承っておりますが、いまのお話のとおり、非常に駅のそばの方々の利害関係が複雑のようでございますし、また、逆にいまつくっております東和歌山の駅が大体中心になるとすれば、これを変えるべきだという積極的な御意見もありますし、結局、私どもといたしましては、もうこうなっては、市議会の議決なり何なりをいただくことをお待ちする以外に方法がないというふうに考えております。
  117. 前田佳都男

    前田佳都男君 それでは、ただいまの副総裁の御説明では、まだ市議会の議決まではいっていないということですね。
  118. 磯崎叡

    説明員(磯崎叡君) はい。
  119. 前田佳都男

    前田佳都男君 わかりました。  確かに、いまおっしゃるように、多少どの駅を中心にするかというその方針もあるだろうと思うのでありまして、その点は、やっぱり時代の趨勢というものもあるだろうと思います。しかし、また、その駅名を変えることによってその地元が非常にさびれてくる、商売が上がったりになってしまう。地価がどんどん下がっていって、ほんとうに夜なんかは強盗でも出そうなまっ暗になってしまう。実に見るもたえぬような姿が現状なんです。だんだんだんだんそうなっていく。これでは、全部が全部繁栄をするということは、それはまあできないと思う。しかし、非常に問題点があるということで、たびたびいろいろな会合を開いておるのですが、私は、駅名の変更ということは、よほど今後においても、まだ議会の議決を経ていないとすれば、慎重にやっていただきたい。和歌山市民の意見というものを十分に——一、二のボスあたりの意見を聞かないで、市民の意見を十分聞いて慎重にやっていただきたいということを、ひとつ、まず最初にお願いいたします。  次には、この駅名を変えることによって、あるいは和歌山市駅の発着の列車本数を減らすとか、あるいはもう和歌山駅なんて要らないから、これはどうでもいいのだというような、そういうむしろ減らすどころか、駅名変更によって私はむしろ便数をふやしてもらいたい。そうして、また、もし駅名が変わるというふうなことが万が一あった場合には、むしろそれによって災いを転じて福となすといいますか、そういうふうな施策を講じてもらいたい。  それからまた、和歌山駅周辺に相当鉄道用地があるわけでありまして、この用地も、あるいは村元の繁栄のために便宜をはかってもらいたいとか、そういうふうな点も、いまこの駅名の結論が出ていない現在、そういうことを言うのはちと早いと思うのですが、しかし、駅名の決定にあたっては十分慎重にやってもらいたいということと同時に、駅名をどういうふうに変更するかということにも関連して、便数の維持あるいは増加及び鉄道用地等も、十分その地元の繁栄に便宜をはかる、そういうような点を——ただ、いま直ちに副総裁もお答えはできないと思いますけれども、十分考慮していただきたい。その点はいかがでしょう。
  120. 磯崎叡

    説明員(磯崎叡君) 和歌山の駅名の変更につきましては、非常にいろいろいきさつがございますので、私ども非常に慎重にやりたいと思っております。  それから、もし駅名変更になった場合に、どうこうということをまた申し上げますこと自身が問題だとは存じますけれども、私のほうが、たとえば機関庫などの土地が業務上要らなくなるというふうな場合には、公共団体でございますれば、随意契約でお売りすることもできますので、極力個人に対する公開入札でなしに、市町村に対して随意契約でお売りするというふうな方針で進んでおりますので、この場合も、もしそういう事態が起これば、同じような方針で処理したいというふうに考えております。
  121. 前田佳都男

    前田佳都男君 和歌山駅の駅名問題についてはこの程度にいたしまして、ただいまの副総裁の御答弁の趣旨を十分生かしてやっていただきたいということを特にお願いをしておきます。  次に、「これからの国鉄」というこの国鉄のビジョンがあるのです。このビジョン、これはたしか四十一年の九月に日本国有鉄道から出したものですが、このビジョンは現在でも生きておりますですか、どうですか。
  122. 磯崎叡

    説明員(磯崎叡君) そのビジョンは、昨年の九月に、将来の鉄道というのはかくあるべきだという感覚で、みんなで寄り集まって作った作文でございまして、必ずしもオーソライズされたものではございませんが、私どもといたしましては、さらにそれにつけ加えまして、いわゆる全国的な二十一世紀の鉄道としてどういうものがいいのかというような角度からもう一ぺんその先生のお手元にございますものをいま再検討をいたしまして、もう少し違った角度から考えてみたい。そのビジョンはどっちかと申しますと、現在の鉄道中心としたビジョンでございますが、やはりもう少し考え直すべきではないかということで、いま大臣もおかわりになりましたことでございますので、違った角度からさらに検討いたしたいと、こういうふうに考えております。
  123. 前田佳都男

    前田佳都男君 いま副総裁がこのビジョンはさらに再検討してもよいというお考えならば、一そうわれわれは希望を持てる。実はこのビジョンを去る昨年九月新聞に一部発表されたのを見たときに実は怒ったのです。こんなかってな記事があるかと思って、私は非常に憤慨にたえなかった。といいますのは、ぼつぼつ聞いてまいりますけれども、このピジョンは大体単に太平洋メガロポリスと申しまして、太平洋中心主義なんです。そうしてそういう構想に基づいて、日本の人口というものは、太平洋圏に大体集まってくる、そういうアイデアに基づいてつくられたと思うのですが、そういう構想、アイデアのもとにつくられたのでしょうか、どうでしょうか。ちょっとその点を先に……。
  124. 磯崎叡

    説明員(磯崎叡君) そういったやはり経済企画庁の持っておられます日本の将来の姿というものがある意味で私どものビジョンの数字的な中心になっていることは事実でございます。その意味でやはりいわゆる太平洋メガロポリスというものに重点を置いて考え方がまとめられたというふうに考えております。
  125. 前田佳都男

    前田佳都男君 大都市中心、都市相互間の連絡を強化する、これが主眼点のようです。しかし、いわゆるフリーケェント、サービスを都市相互間においてやる、これもたいへんけっこうなんです。しかし、こういう都市相互間、大都市中心のアイデアを強化することによって、ますます都市に人口が集中しまして、メガロポリスはますますひどいメガロポリスになる。それで、結局これからはずれた地域との格差というものが、国鉄のビジョンによってどんどん地域格差がふえていく。これはひどい目に合う。こんなばかなピジョンがあるかということを、私は実は新聞に出たときに感じたのですが、その点はどうですか。
  126. 磯崎叡

    説明員(磯崎叡君) 私どもといたしましても、いまの人口の過密化の問題、あるいは地方における過疎化の問題にわたって、一体国鉄というものは、どういう立場をとるべきかということが一番大事な問題だと思っております。ことに、最近非常に道路計画も大きく、また具体的に、むしろ私どものほうより一歩先んじて具体化されているような実情でございますし、道路と鉄道との問題ということを当然私どもの側でも考えなければならないというふうに考えます。したがいまして、将来の交通問題といたしましては、当然自動車道路と鉄道というもの、しかも、鉄道も十九世紀にできた鉄道ではなくて新しい鉄道というものをどう考えるか。大量交通手段としての鉄道と、それから、わりあいに速いフリーケント・サービスのできる自動車道路との関連をどうするかということなどにつきましては、やはり新しい時代に即応して考え直すべき必要がある、こういうふうに考えております。
  127. 前田佳都男

    前田佳都男君 私どもは、人口の分散、産業の地方分布、あるいは地域格差の是正、そういうような点から考えて、こういうビジョンで背骨ばかりの鉄道をよくするということを考えないで、肋骨の鉄道、これをもっと強化するということが一つもうたってない。その点が非常に遺憾に思う。しかも、国民の実質所得がふえてまいりますと、それから消費支出のパーセンテージが上がってくると、旅行したいという要望が非常にふえている。レジャーを求める。そういうことも考えると、レジャー線といいますか、そういう地方の線も非常に大事じゃないか。手前みそになるかもしれませんが、たとえば紀勢線のごときは、白浜は四十五年複線化する。それから先はなるほど隧道も多くてむずかしい。むずかしいけれども、十年たっても二十年たっても、複線の夢さえない。ビジョンというものは、いま夢です。夢さえもない。これは何たることだということを実は考えた。これじゃますます地域格差がひどくなるばかりであるという点を考えたのですが、この点はどうでしょうか。
  128. 磯崎叡

    説明員(磯崎叡君) その点は非常にむずかしい問題でございまして、結局鉄道というものがどこまで公共機関としてのサービスをすべきかということが、本質問題になってくると思います。やはり将来の鉄道は、相当大量に、一度にたとえば五百人とか千人とかの人を運ぶ、しかも相当なスピードで動かなければいけないというようなことから考えますと、現在の私どもで運営いたしております約二万キロの鉄道のうち、いわば鉄道の守備範囲でなくなったものと、あくまでも鉄道の守備と申しますか、鉄道で保持すべきものと、おのずから変わってくるのじゃないかというふうに考えます。  したがいまして、その考え方から申しますと、結局、いわゆる幹線の、日本の全体の動脈をなすようなものは、赤字であろうが黒字であろうが、歯を食いしばって国鉄としては経営しなくちゃいけないということが、まず第一に国鉄の私は使命だというふうに考えておりますので、たまたまいまおっしゃった線路につきましては、これは見方によって、いろいろあると思いますが、やはりこれは、あの日本で一番大きい紀伊半島をぐるっと回る鉄道でございますので、私どもといたしましては、将来とも手放すことのできない、また手放してはならない線だというふうに考えております。
  129. 前田佳都男

    前田佳都男君 実は副総裁は鉄道のほうで守備する範囲と、それじゃないものという御表現をされましたけれども、何といっても輸送の中心鉄道であります。旅行需要というものが、ことに紀伊半島あたりが非常に強いのですね、「すさみ」といい、勝浦といい、新宮といい、古座といい、串本といい、非常に風光のいいところです。私自体が実はこの間三回行こうと思っても切符が買えない、われわれのような運輸委員であって買えないというような状況です。一般の大衆は一等はおろか、二等も一等もどっちも買えない。じゃ四十二号線を自動車で走ったらいいじゃないかというが、そんな金ありません。非常に気の毒なことです。それを考えますと、しかもそれがピジョンでもあれば、まだ夢があっていいと思う。ビジョンさえない。その点はひとつ副総裁、ピジョンを改定するときに考慮していただきたいということを強く要望いたします。  それから次に複線化の場合、複線化の基準というものは、わかり切ったことでありますが、一応どういうことであるかということをちょっと……。
  130. 磯崎叡

    説明員(磯崎叡君) 大体単線区間で列車回数が百本前後のところから複線にしたい、また複線にしないと少し無理があるというのが私どもの考えでございまして、今度の現在やっております計画の中でも、大体上下線あわせて百本から百十本ぐらいのところを一つの限界であると考えまして、複線化をやっておる最中でございます。
  131. 前田佳都男

    前田佳都男君 なるほど複線化にはいろいろ基準があって、そう簡単にいかんということはわかります。けれども、まあ完全複線化するまでに暫定的にやはり輸送力増強措置があるだろうと思います。これは副総裁専門家でありますから、われわれが言うべき問題じゃないと思いますが、あるいは区間複線化であるとか、列車増結であるとか、その点についてどういうふうな点を考えておられますか。
  132. 磯崎叡

    説明員(磯崎叡君) できれば全線複線にするのが、一番輸送力がふえるわけでございますけれども、非常に経費の関係等もございますので、たとえば紀勢線などにつきましては白浜までは全線複線化する、白浜から先は駅間が非常に長くて、そこが輸送力の隘路になっているところがございます。そういうところが数カ所ございます。それらをまず複線化する、区間、区間を複線化する、あるいは単線の途中に列車の行き違いのできる設備をつくる、多少こそくでございますが、そういうことによりまして隘路区間を解消すれば、まあ大体輸送力がふえるというふうなところにつきましては、全線複線化をする前提といたしまして、部分的にやっていくというような方法もとっております。
  133. 前田佳都男

    前田佳都男君 ただいまの副総裁の御答弁非常にけっこうでございまして、とにかく全線複線化に至るまでの措置を、暫定的にもせよ区間複線化であるとか、そういう点をぜひ実行していただきたいということを強く要望いたします。  次に、これは鉄監局長の所管かと思うのでありますが、五新線——五条から新宮に至る線、これは現在五条から阪本まではバスが走っております。これの現在の利用状況どうでしょう。
  134. 増川遼三

    説明員(増川遼三君) 五条−阪本間におきましては奈良交通におきまして十二往復、五条−城戸間これが専用自動車道として国鉄バスが走っておりますが、十五、五往復、五条−新宮間におきましては熊野交通が二往復、奈良交通二往復、国鉄バスが一往復、これだけの運行がなされております。
  135. 前田佳都男

    前田佳都男君 とにかく五条から阪本までというのはわずかの区間なんです。これから先運輸省としてはどういう見通しをもっておられますか、このままほうりっぱなそうという考えか、それとも何とか延ばして、五新線という名前のとおりに新宮まで延ばそうという、そういう熱意があるかどうか、こんなものほうりっぱなしておいてもいいということでありますか。
  136. 増川遼三

    説明員(増川遼三君) 五新線の中の五条−阪本間を現在工事中でございます。これの工事完成見込みといたしましては、昭和五十年ということに現在のところ相なっております。目下、途中のトンネル工事にかかっているのでございますが、そのような線を途中でほうっておくということは非常に不経済なことでありますし、非合理的なことでございます。しかも、こういうひげ線のままで置くということは、鉄道経営ということにも非常に問題があるわけでございます。当然これは阪本まで完成したい。それに引き続きまして新宮まで延長工事実施をするということを考えておるわけでございまして、その暁におきまして、全通いたしますれば、当然鉄道経営も相当有望になるものと考えるわけでございます。
  137. 前田佳都男

    前田佳都男君 いまの鉄監局長の答弁では、非常にまあ熱意がよくわかったわけです。まあ阪本までじゃないと、新宮までやる熱意がありますと、その熱意をひとつぜひ実行に、計画のほうに乗せてもらいたい。実際新宮は紀勢線の完成によりまして、陸の孤島ではなくなりました。しかし、なおかつ東京へ行くよりも大阪から時間がかかる、こんなばかなことはない。五新線が開通することによって二時間半ぐらいで大阪からの連絡ができ、非常に便利になるわけです。現在材木ばかり運ぶんだから、この線は要らない。そういうような安易な考え方を持ってもらっちゃ困るわけでして、鉄道の先駆的使命というか、公共的使命から考えて、ぜひこれはひとつ熱意を持って鉄監局で取り上げてほしい。これを調査線にしてほしいと思うのですが、その点どうなんですか局長
  138. 増川遼三

    説明員(増川遼三君) 私はひげ線というものは極力やめまして、完通をさせるということにおいて、初めてその線自体が生きてくるものと考えておりますので、阪本までの工事状況を見まして、引き続き工事ができるように考えたいと思います。
  139. 前田佳都男

    前田佳都男君 そのひげ線廃止論という、全部ひげは伸ばすべきであるという鉄監局長の意見は私も大賛成でありますし、ぜひそのアイデアを生かしていただきたい。それからもう一つちょっとお伺いしたいのは、北ばかりから着工しないで、南のほうからも、新宮からも、ひげがきらいならば、ほかの端のほうからもひげをはやすような考え方をお考えいただきたいと思うのですが、その点についてはいかがでしょうか。
  140. 増川遼三

    説明員(増川遼三君) 慎重に検討さしていただきます。
  141. 前田佳都男

    前田佳都男君 私は、文字どおりにその慎重にということを、積極的な前向きの意味の慎重というふうに解釈をいたします。それでよろしゅうございますね。
  142. 増川遼三

    説明員(増川遼三君) 工事の技術上の問題もございますので、そういった点もあわせまして判断をさしていただきたいと思います。
  143. 前田佳都男

    前田佳都男君 もう一つだけ、これを審議する鉄道建設審議会はいつ開かれますか。
  144. 増川遼三

    説明員(増川遼三君) 審議会のほうのメンバーが多少まだ変わりますので、そのメンバーの変更の発令があります次第、大臣とも御相談申し上げまして、その開催時期をきめたいと考えております。
  145. 前田佳都男

    前田佳都男君 まあ審議会はできるだけ早く、ひとつ大臣も新任されたことでありますし、早くそのメンバーを構成していただきたい、ややもすれば審議会は諮問機関じゃないですが、ともかくややもすれば行政管庁の隠れみのになるんじゃないですか。審議会が通りませんからこれはどうもいけませんとか、そういうことじゃなくて、むしろ鉄監局長みずから大いに必要性を認めて、審議会に一々それは説得はできないでしょうけれども、そういう熱意を持ってですね、この問題に取り組んでいただきたいということを熱望して、私の質問を終わります。
  146. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 何もぼくがやるからといって、四時間も五時間もやるわけではないのですがね。いま前田先生の御高見を私ども拝聴しておりまして、非常にこの賛成をいたしてまいらなきゃならない一面、今度は政府機関鞭撻をされましてね、これは感銘深くうかがっておったのですが、このビジョンが何か非常に変わるとか何とかというようなことですね。これは私はきょうは時間ありませんから、国鉄のこの基本問題、あるいはその前田先生指摘のビジョンについて、次の委員会でやりますが、これは私の感ずる点ではですよ。政府そのものの運輸交通政策のビジョンがあるのかないのかわからないし、またあったにしても、しょっちゅうネコの目のように変わっておるわけですから、そこらあたりが、私は根本的ないま前田先生が御指摘になった点ではないかという感じ方ですから、ひとつ申し上げておきたいと思うのですね。  それからいまの副総裁のお考えの中で、十分大臣もかわったことであるから、見れば、そのことは正しいと思うのですね。しかし、それがさてできた段階で、今度は開業する場合、これビジョンなるものの検討もしてみたいというんですから、私は冒頭申し上げたように、次の委員会にお伺いしたいと思いますから、あらかじめある程度の御準備を願いたいと思いますが、北海道の開発が進んでまいったと同時に、当初の池田さん時代の高度経済成長政策に伴って第一次計画というものが行なわれ、第二次計画、いま第三次計画ですね。そういうふうに変わってきましたが、さてこの一つの例でございますが、いまの室蘭本線でちょっとした事故がありますれば、たいへんな状態になって、これは国鉄が悪いのではなくして、北海道の産業、経済に与える影響は重大だと私は思うのですね。これは損失をこうむった。ですから、そういう意味での、つまり国鉄のこれは全国的なものが当然あるのですが、北海道としても輸送量増強といいますか、輸送量増加といいますかね、こういう点でもやはり再検討しなければならんものがあるんじゃないかとこう思いますので、次回の委員会で具体的に私は提示をして、国鉄さんのほうの御意見も聞かしていただきたいと思いますから、よろしくお願いいたしたいと思います。  それからもう一つは、いま新線建設のお話が出ましたね。これはもはや新線建設になると、新聞等あるいはその他でもいろいろ書かれておりますけれども、百家争鳴でございますね。私はこれは公共性からはもう自由主義経済競争の原則では、企業性ということを見なければならないでしょうからね。そうすると、この公共性というものと一体この企業性というものと、佐藤総理大臣は、よくあの人は調和ということばが好きらしいんで、よく調和ということばを使いますが、どう調和するかということは、やはり制度の問題じゃないでしょうか。したがって、きょうは前田さんの御高見を拝聴しておりましたが、次回に心当たりをさらに私は聞かしていただいて、幸い四十三年度予算編成の時期にきておりますので、特に前田先生などは与党の重鎮でございまして、力のある先生であるし、ぜひひとつ予算編成を、私どもかなりこの問題についてはですよ、本格的な議論を展開いたしたいと思いますから、ひとつ最大限——つまりいま先生がおっしゃったようなことができるように、国鉄の第三次長期計画完成できるような予算編成になるように、御努力を私はこの機会にお願い申し上げまして終わりたいと思います。  答弁は要りません。
  147. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 他に御発言もなければ、本調査に関する質疑は、本日はこの程度にとどめておきます。  本日はこれにて散会いたします。   午後四時二十九分散会