○久保委員 いま
松本君から赤字線というか、国鉄の経営についてお話が出て、
大臣から
答弁があったのですが、いま来年度の予算要求の時期にあたって、国鉄の経営全体と当然進行中の第三次
長期計画の
実施というような問題で、いろいろな方面からいろいろな意見が出ているわけであります。
そこで、私は本日二、三の点で当面
お尋ねをしたいのでありますが、先ほど赤字線の建設、そういうものについて
大臣から御
答弁がありましたが、建設公団が三十九年の三月にできた。その公団ができた直後に、経済の事情、そういう客観的事情が変化したので、一部基本
計画を変更するということで審議会にかけられておる。その当時のわれわれが受け取った受け取り方では、御
承知のように着工線、直ちに着工すべしというものがたしか四線あったと思うのです。鹿島線、小金線、京葉、湖西、こういうようなのが四つあって、そのほかに別口といっては語弊があるが、瀬戸線、落合線というのがいずれもすみやかに着工すべしということであります。そういうことと同時に、基本
計画では六十六線のいわゆる着工というか、これは海底も入れまして、トンネルも入れまして六十六線ということになっているわけです。しかし先ほど申し上げたように、われわれが受け取った印象というかそれは、言うならば四つか五つの線がさしあたり完成を急ぐ、そのための投資をする。それからその他の十一線というか、そういうものは予算規模等を勘案して、着工の時期、方法をきめていくということで、六十六線の着工線全体を公団が当面その基本
計画の中で完成するというのじゃなくて、いま申し上げた十一線を含めて十五線か十六線に
工事を集中する、こういうふうな考え方であったかと思うのであります。
ところが、いま見ております実態は、
大臣も御
承知と思うのでありますが、国有鉄道が敷設法に基づいて自分で建設していた当時と何ら変わりはなくて、六十六線そのものに少しばかりずつの予算がついている。それからもう
一つは、国鉄の意見でもそうだったと思うし、
運輸省の意見でもそうだったが、まあ言うならば、ここの線はもはや鉄道の路盤までできているけれども、これは自動車でやるというので自動車でやっている。ところが、それから先の線区、それはいま建設公団が鉄道としての建設
工事を進めているというのですね。こんなばかげたことがあるというと、ただいまの
大臣の
答弁を疑いたくなるのですね。基本
計画について審議会に諮問をして、公団に指示されているのが
運輸大臣であります。お話とはだいぶかけ離れていると思うのです。だから、ここで統一した見解をきちんと政府部内でも、国鉄や公団を含めてやることが一番いいと私は思う。だから、さっきの御
答弁は、抽象的にはそうだろうと思うのですね。至って常識的な御
答弁であります。ところが、実際は常識的になっていない。だから、いわゆる地方線の、ローカル線の建設、そういうものは、言うまでもなく、鉄道でなくてはその地域なり全体の経済あるいは文化、そういうものを含めての発展ができないというところは、極端な言い分でありますが、これは赤字であろうがなかろうが、鉄道が国民的な立場からは必要なのでありますから、これは当然やる。しかし、今日のような時代になりましては、たとえば道路と並行してつくる必要はなくて、道路で十分やれるし、またそのほうがサービスというか、
輸送力のつけ方も非常に容易である、そういうようなところは押える、こういうことだと思う。先ほど御
答弁いただいたのはそのとおりだと思うのですが、そのとおりやっていない。最近国鉄当局等でも赤字線については、やはり経営改善ということで問題を提起しております。ところが、新線建設についてはいま申し上げたとおりであります。既設線区、いまあるところの赤字線区というものの扱いについても、これまた同じような問題で考えなければならぬと思うのですね。
それからもう
一つは、私どものほうでは内部的に地方交通の
整備振興方策というものを一応内々つくってございます。もちろんまだ未完成なところもありますので、外部発表の段取りにはなりませんけれども、きのうの新聞でありましたが、国鉄の内部にある法制研究会というのですか、そういうところで一応出した意見があるようでありますが、地方は地方なりに鉄道が必要であるか、バスでもっと
輸送力をつけるか、それには資金的にどういう手当てをすべきか、朝晩のラッシュについてはどうなのかというようなこともあわせて、ローカル的な交通のあり方として一定の方針を出して、育成すべきものは金を出す、転換すべきものについても指導していく、私はこういう方法がなければならぬと思うのでありますが、この赤字線と新線建設について先ほどの御
答弁は、私があなたの
答弁を聞いて申し上げたとおりでよろしいか、よろしいとするならばどういう手段をおとりになりますか、ひとつお伺いをしたいと思う。