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1967-10-11 第56回国会 衆議院 運輸委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年十月十一日(水曜日)    午前十時三十分開議  出席委員    委員長 内藤  隆君    理事 進藤 一馬君 理事 福井  勇君    理事 古川 丈吉君 理事 細田 吉藏君    理事 井岡 大治君 理事 久保 三郎君    理事 野間千代三君 理事 河村  勝君       阿部 喜元君    徳安 實藏君       福家 俊一君    堀川 恭平君       水野  清君    山村新治郎君       板川 正吾君    小川 三男君       神門至馬夫君    内藤 良平君       渡辺 芳男君    松本 忠助君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 大橋 武夫君  委員外出席者         警察庁警備局警         備課長     三井  脩君         行政管理庁行政         監察局監察官  三浦 誠一君         運輸省海運局長 堀  武夫君         運輸省船舶局長 佐藤美津雄君         運輸省港湾局長 宮崎 茂一君         運輸省鉄道監督         局長      増川 遼三君         運輸省自動車局         長       原山 亮三君         運輸省航空局長 澤  雄次君         労働省労政局労         政課長     吉居 恒雄君         専  門  員 小西 真一君     ————————————— 十月十一日  委員井岡大治辞任につき、その補欠として下  平正一君が議長の指名で委員に選任された。 同日  理事井岡大治君同日委員辞任につき、その補欠  として野間千代三君が理事に当選した。     ————————————— 本日の会議に付した案件  理事補欠選任  陸運に関する件(江若鉄道に関する問題)  港湾に関する件(港湾運送事業に関する問題)  航空に関する件(新東京国際空港に関する問  題)      ————◇—————
  2. 内藤隆

    内藤委員長 これより会議を開きます。  陸運に関する件、港湾に関する件及び航空に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。板川正吾君。
  3. 板川正吾

    板川委員 国鉄湖西線建設に関連いたしまして、私鉄江若鉄道買収問題についで、運輸当局及び労働省に若干の質疑をいたしたいと思います。  まず、質疑に入ります前に、前提として確認しておきたいことですが、第一点は、国鉄湖西線予定どおり四十六年度に完成するとすれば、江若鉄道買収を確定する時期は最終的にいつごろであるか、これは大体でけっこうです。四十六年度に開通するためにはいつまでに買収が確定することが望ましいという時期の問題です。  第二点として、そういう買収成立した場合の今後の手順手続でありますが、買収成立をした。そして江若鉄道廃線運輸大臣許可を必要とするわけであります。これは地方鉄道法による許可が必要でありますから、買収成立をする、第二に廃線許可をする、同時に、第三に国鉄湖西線近江今津浜大津間の工事実施計画認可と、こういう段取りになるのではないかと思うが、こういう手続手順の点、この二点についてまず伺っておきます。
  4. 増川遼三

    増川説明員 買収の完了します予定は四十三年度末でございます。それまでにできるだけ円満な解決の方途を講じたいと考えております。  段取りといたしましては、公団江若鉄道との買収契約が円満に成立いたしまして、その直後に廃止許可申請が出されるものと考えております。廃止許可になりまして、現実湖西線の着工という段取りに相なるものと考えております。
  5. 板川正吾

    板川委員 そうすると、私が言いましたように、買収成立をして契約成立する。江若廃線申請があって許可をする。その後、まあ同時でしょうが、湖西線工事実施計画認可をして、鉄道公団工事に着工する、こういう段取りですね。——わかりました。  江若鉄道買収問題については、去る五月十日の本委員会野間君から発言がすでになされております。当時は問題がまだ煮詰まっていないせいか、必ずしも具体的な点が明確ではなかったように、議事録を見ますとうかがえます。  そこで私が伺いたいことは、鉄監局長野間発言に対する答弁で、江若鉄道国鉄買収する問題については、人員の問題にも触れておりますが、円満に解決がされるように十分に指導する、こういう発言をして約束をしておるのであります。指導するという約束をされたのでありますが、その後、指導した結果、どういう状況でありますか。その後の情勢について伺っておきたいと思います。
  6. 増川遼三

    増川説明員 江若鉄道といたしましては、当初、鉄道廃止に伴います一切の損失を補償してもらいたい、こういう申し出をしておったのでございます。これに対しまして、公団といたしましては、湖西線建設に必要な物件の買収という基本的な考え方で交渉に応じてきておるのでございまして、その結果、最近におきましては、土地につきましては両者合意の上で鑑定評価を行なう等の相互にある程度の歩み寄りを見せておるのでございます。その他の条件及び金額につきましては、まだかなりの懸隔がございます。目下さらに両者間におきまして、解決の方向で継続折衝を行なっている次第でございまして、これに対しまして当方といたしましては、公団江若鉄道両者に対しまして円満なる解決をはかるよう指導してまいっておるわけでございます。  なお、江若鉄道の要求しております従業員配置転換等の問題でございますけれども、従業員国鉄への承継ということが一番大きな問題なのでございますが、現在の江若鉄道鉄道部門におきます従業員が三百五十四名と聞いております。このうち自然退職者と社内の配置転換の可能な者を除きました全員につきまして、江若鉄道としては国鉄に引き継いでほしいと申し入れておるわけでございます。この点につきましては、国鉄といたしましても、その事情が許しますならば、従業員を引き継ぐということはまことに望ましいことと感じておるのでございますが、ただ国鉄の最近の財政事情とか要員の需要から見まして、全面的にこれを原則として引き受けるということにつきましては、いろいろと困難な事情があるようでございます。ただ、会社側の申しております数全員というわけにまいらないまでも、若手の者に対する受け入れというようなことにつきましては、国鉄側事情の許す限り好意的な態度で臨んでもらいたい、こういうふうにわれわれのほうからは国鉄へ話をしておるわけでございまして、また当省といたしましては、これらの従業員の再就職につきましては、親会社あるいは系列会社等への配置転換ということはもとより、関係方面にも広くあっせんの依頼をしておるものでございまして、目下鉄道建設公団にでき得るだけの範囲で採用を検討さしております。多少のめどもあるわけでございます。また公団といたしましては、公団関係の他の関係事業者等へのあっせんということも現在考慮しておるところでございまして、この問題につきましては今後さらに十分な検討を加えまして、最終的には円満な解決ということにこぎつけたいと考えておるわけでございます。
  7. 板川正吾

    板川委員 この江若鉄道買収問題については、従業員雇用確保というのが一番の問題だろうと思うのです。国鉄湖西線が敷かれるならば、並行して私鉄国鉄が走ってもしかたがないし、この際江若鉄道買収してほしい、こういう希望江若鉄道も持っておる。国鉄もまた、同じ区間を別線を敷くというならば、江若鉄道買収したほうが、国家経済の見地からいいましてもそのほうがよろしいということで、これを買収しようとしておる。また問題の江若鉄道労働組合も、国鉄買収することに反対しているのじゃない。ですからこれは、この土地を幾らで買うとかどうこうというのは、話し合いでやがてきまる問題であって、それに問題があるのではない。問題はやはり江若鉄道が廃止される、三百五十数名の者が失業する、この雇用をどうするかということが問題なのだ。野間君の発言もそういう点を言っているのだ。だから、増川局長が円満な解決がなされるように指導するという約束をしたのでありますが、いま鉄監局長の話を聞くと、国鉄事情の許す限り引き取るのであって、国鉄が一人も事情が許さないという情勢なら、これは一人も採らぬということになるのじゃないですか。局長、最近国鉄総裁磯崎さんが、一人も江若鉄道従業員は引き継がない、引き取らない、こういう言明をしたというのです。これはお聞きと思いますが、これをどういうふうにお考えですか。
  8. 増川遼三

    増川説明員 国鉄総裁原則的な腹がまえはこうだというようなことは、うわさに私も聞いたことはございますが、私も担当の常務理事とも話をしております。また部長、局長段階でも話をしておるわけでございますが、なかなか表立って、買収にあたりまして人員を全面的に引き取るというふうに表現をするわけにいかないと思います。したがいまして、先ほどおっしゃいましたような磯崎総裁発言となったのではないかというふうに考えるのでございます。現実の問題としましては、現地の管理局なり支社のほうで、自然退職者に対する補充というような際に、こういった江若鉄道退職者というような者が採用試験を受けるという場合におきましては、好意的な配慮というものがなされてしかるべきものと考えるわけでございまして、この点につきましては、実際に具体的に問題を処理してまいりたいと考えております。
  9. 板川正吾

    板川委員 国鉄総裁が一人も引き取らないという、表向き認めるわけにいかないということを是認するような態度ですが、それでは私はこの問題の円満な解決というのは指導できないと思いますよ。これは三百五十四名を——私もずいぶん戦前戦後を通じて会社買収、合同というような仕事をやってまいりましたが、こういう場合に三百五十四名全部が国鉄希望するというわけじゃないのです。希望するのはおそらく数十名にすぎないと思います。従来の経験と全く違う国鉄仕事を、よその土地へ行ってやるということにはなかなか踏み切れないものがあるのです。しかし若い人の中で国鉄に働きたいという希望の者があったら、これは鉄道廃線して、その路線を国鉄で引き継いで、そこに建設してやるのですから、希望者の数十人を国鉄が引き取って、しかるべき時期なり、しかるべき職場で雇用確保してやる——この三百五十四名の雇用問題は、国鉄江若鉄道、この両者責任を負わなければならないわけです。国鉄は全く一人も引き取らない、責任はないのだ、こういう考え方はどうかと思うのですね。いまのお話では、国鉄総裁が一人も採らぬと言ったことを表向きはそう認めるような言い方はおかしいと思う。それでは円満な解決というものは、できないのではないですか。全部首にして、あと職安へ行ってしかるべきところをさがせばいい。これでは、これからこういう問題はいつも問題になりますよ。どうなんですか。
  10. 増川遼三

    増川説明員 国鉄総裁発言をそのまま是認したわけではございません。おそらく表向きはっきり、買収に際して希望者全員引き取るのだという原則を立てるということは、言いにくいことだというふうにお考えになられて、そういう発言をしたのだろうと私は推測するわけでございます。それをわれわれのほうといたしまして、そのまま是認をするという態度ではございません。今後具体的な面にあたりまして、できるだけの引き取りということも実現できるようなふうに、私のほうとしては話を進めてまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
  11. 板川正吾

    板川委員 これは運輸大臣が来たならば私はさらに強調したいと思うのですが、鉄監局長も御承知のように、大都市周辺大手電鉄は別といたしまして、あまたある地方鉄道軌道、この大部分は急速な道路整備自動車の普及、こういうことでおそらくこの五年から十年の間に、ほとんどが廃線か、あるいは国鉄買収されるか、あるいは大きな企業の系列下に入るか、いずれにしましても地方鉄道というのは五年、十年の間にほとんどが江若鉄道と同じような運命をたどる、こういう傾向にあることはあなたも御承知と思うのです。これはかって炭鉱事業エネルギー革命によって急速に変化されて、炭鉱が御承知のような衰退産業になったのと同じように、交通革命によって地方私鉄炭鉱、炭労の二の舞い、こういう状態にきておるのです。好むと好まざるにかかわらず買収をされ、あるいは系列下に入らなければ生きていかれない。経営が継続できない、こういう状態にほとんどの地方私鉄がなるだろう。あるいは廃線してバスに転換する、こういうほかはない。その場合、合併する会社あるいは系列化をしようという会社が、一人も人を引き継がない、全部首だ、こういう態度をとれば、これはそのつど重大な社会問題になってくると思いますね。労働者というのは賃金や待遇の問題については、それは柔軟な態度をとります。会社経営が苦しくなれば、賃金の値上がりが少なくても、まあやむを得ないという気持ちを持つ。しかし廃業する、あるいは系列に加わる、その場合に全部首だということであれば、そのつど大きな社会問題になる。江若鉄道の問題は、来るべき交通革命による地方鉄道の没落の一つテストケースなわけです。これからどんどんこういう問題が起こるのです。その場合に労働者の一番の問題である雇用確保について、一人も採らぬ、そしてそれは職安の問題だと言わんばかりの態度は、まことにけしからぬと思うのであります。これは国鉄当局の思い上がりである。この場合には、江若組合買収されることに反対じゃない。だから三百五十数名の雇用の問題については、国鉄会社の両方が話し合って雇用確保をするというのがあたりまえなんです。これは社会的な当然の責任じゃないですか。それを一人も採らぬというような発言は、まさに傍若無人な思い上がった発言だと私は思うのです。こういう問題は今後しょっちゅう起こります。そのつど一人もとらぬというこのテストケースできまっていくならば、私は私鉄はあらゆる場所で今後社会的な大きな紛争を起こしていくと思う。これは第二の三池になるだろうし、あるいは第二の成田空港という問題になっていきますよ。ですから私はこの江若問題については、労働者雇用という面について監督官庁である運輸省が、国鉄江若鉄道にこの雇用確保についてぜひもっと積極的な指導をすべきだと思うのですが、いかがですか。
  12. 増川遼三

    増川説明員 私もただいまの御趣旨には十分意を注いでおるわけでございますが、買収契約成立するまでには、この従業員の問題については必ず不満を残さないような形になりますことを希望しておるわけでございます。そのように今後われわれも最大努力を払ってまいりたいと考えております。
  13. 板川正吾

    板川委員 労働省に伺います。この問題は参議院でこの間取り上げたそうですか、法律的義務国鉄にあるとまではぼくは言わぬ。しかし労働行政として、雇用確保というのは当然大切な事柄だと私は思うのです。だからこの問題は国鉄にも責任がある。土地買収して廃線をさせるのですから、売ったほうがいいと思って売るのですから、この会社国鉄が全責任を持って労働者雇用の安定をはかるべきだと思うのですが、労働省はどういう見解ですか。
  14. 吉居恒雄

    吉居説明員 従業員雇用問題につきましては、労働省としても最大の関心を払っておるところでございまして、本件の江若鉄道買収問題に伴います雇用問題につきましては、やはり国鉄それから江若当局等関係者努力によりまして一日も早く円満に、従業員不満のないようなかっこうで解決されるということを労働省としては期待しておるわけでございます。
  15. 板川正吾

    板川委員 国鉄総裁が一人も引き取らぬという態度をどういうふうにお考えですか。そういう言明をしておるというのですが……。
  16. 吉居恒雄

    吉居説明員 やはりこれに対して、先生の御趣旨のような線に沿って相当の配慮をしていただくということが、重要な義務じゃないかと思います。
  17. 板川正吾

    板川委員 鉄監局長に伺いますが、最初私が手続で聞きましたように、国鉄江若鉄道会社がもしこの労働者雇用の問題というのをないがしろにして、片方は一人も採らぬ、片方もかまわぬ、こういうことであれば、私はたとえ売買の契約成立をしましても江若鉄道廃線許可をすべきではないと思う。これは地方鉄道法二十七条による申請があっても、廃線許可すべきじゃない。同時にまた、国鉄が一人も採らぬというようなことであれば、湖西線近江今津浜大津間ですか、ここの工事認可をすべきじゃない。そういう立場に立って、円満な解決をするように国鉄江若鉄道会社に呼びかけて指導すべきだと思いますが、いかがですか。
  18. 増川遼三

    増川説明員 江若鉄道といたしましては、買収価格の問題と余剰になります従業員配置転換、転職、こういった問題の二点を一番重要な問題として従来も公団との間で折衝をしております。したがいまして、買収契約成立するという際には、その二点とも円満に解決していなければ契約成立しまいと考えております。したがいまして、そういった人の問題が解決をしないままに契約成立して廃線申請が出るというようなことはあるまいと考えております。また私どもも、そのような立場をもちまして指導をしていく考えでございます。
  19. 板川正吾

    板川委員 わかりました。この問題の円満な解決をしない以上廃線申請はない、またあっても許可をしない、国鉄工事認可もおろすわけにはいかぬ、こういうたてまえに立ってひとつ円満にこの問題が解決をするように指導をしてもらいたい。いままでの情勢は、聞くところによりますと会社もとんちんかんで、鉄道建設公団のほうへ話をして——これは鉄道建設公団でやるべき仕事じゃないです。この問題は当然江若鉄道国鉄が話をし、そうして労働組合の了承のもと、協力のもと解決をするというのが円満なる解決だろうと思うのであります。それを組合側は三百五十四名引き取ってほしい——それは希望者があれば全部引き取ってほしいということであって、こういう場合に全員希望するということは、私の理解からいったってあり得ない。そういう場合ならこの際やめてもいいという人もあるだろうし、若い人で、これから国鉄へ行って勉強して、国鉄の一員として働きたいという人も相当あるでしょう。しかしその数は私にはそれほど多いはずはないという感じがします。ですから会社国鉄が真剣になって組合側と話し合えば、円満な解決ができないはずはないと思うのであります。ぜひ先ほど約束されましたようなたてまえに立って、問題の円満な解決を促進していただきたいと思います。  時間がまいりましたから、あと大臣が来ましたらもう一ぺん確認することにして、質疑を終わります。
  20. 内藤隆

  21. 井岡大治

    井岡委員 先に船舶局お尋ねをいたしますが、関光汽船の持ち船、それから持ち船のトン数、これをひとつお聞かせを願いたい。
  22. 佐藤美津雄

    佐藤説明員 私は、この七月二十五日をもちまして新しく船舶局長になりました佐藤でございます。よろしくお願いいたします。  ただいまの御質問にお答えいたします。  関光汽船株式会社所有船舶は六隻ございまして、名前から申し上げますと、第六関光丸、これが百八十七・九三トンでございます。それから、光昭丸、これが四百五・七三トン、それから第十三北光丸、これが千二百三十五・一五トン、協伸丸、これが百九十九・四八トンでございます。それから第六北光丸、これが四百九十九・四六トン、最後の一隻は第十六光昭丸、これが四百九十九・五九トンでございます。以上でございます。
  23. 井岡大治

    井岡委員 私の調べているのとだいぶ違うのですがね。これはあなたのところの近畿海運局が調べたものです。読んでみましょう。第五千代丸百九十八トン、第十神宝丸百九十四トン、糖油丸百六十トン、三久丸百九十九トン、第三十八関光丸九十二トン、光昭丸四百五トン、第三永福丸三百五十トン、第十三東洋丸四百十トン、第二十四光昭丸三百五十二トン、第六関光丸百八十七トン、第十六光昭丸四百九十九トン、これはいま言われた九・六何ぼというやつです。第十七光昭丸四百九十六トン、第六北光丸四百九十九トン、第十三北光丸千二百三十五トン、第四十一北光丸四百九十九トン、その他第二十三関光丸三十五トン、以上です。あなたの言われておるのとだいぶ違うわけですが、どういうことですか。
  24. 佐藤美津雄

    佐藤説明員 私のほうでは船主別に船の整理をしておりませんので、実は神戸の海運集会所の発行しております名簿をもとにしまして一応調査したところを御返事申し上げたわけでございまして、もし差があるとすれば、まことに申しわけございません。
  25. 井岡大治

    井岡委員 船主別といって、船主関光汽船ですよ。それが何で船主別なんですか。そんなでたらめ言っちゃいけませんよ。関光汽船の持ち船がこれだけなんです。あなた何を言っているのです。
  26. 佐藤美津雄

    佐藤説明員 私の申し上げた船主別と申しましたのは、所有者別調査を私のほうでは実はやっておりませんので、その点でちょっと差ができたんじゃないかと思います。
  27. 井岡大治

    井岡委員 そういうことだから、この問題が起こるのです。いわゆる関光汽船の持ち船のうち四百九十九・何トン、六何ぼというのがあるのです。これが何ぼあると思います、一つ二つ三つ、三つあるのです。これは五百トン以上になると内航運送の取り扱いの免許になるわけです。五百トン以下だと沿岸荷役になっている。全部これは四百九十九・何トン、現実には私は五百トンあると思うのです。それをはんぱなところで押えている。法律の規制のきちきちのところで押えている。原田組が単に自動車陸運だけでなくて沿岸荷役をやらしなさい、こういうことで関光汽船に対して申し入れ、しかもこれを強く要求している、ここに問題がある。それを断わり切れないところに問題があった。これをはっきり断わっておればこういうことにならない。あなたのところは沿岸荷役はやらせません、こう言えばいい。陸運ですから陸運事業法のほうでこれを詰めているわけなんです。だから、あなたのほうはもう少しやはり船の法律考えて、船というものをもっと管理しなければいかぬ、そう思いませんか。
  28. 佐藤美津雄

    佐藤説明員 船舶局におきましては、船のトン数船舶積量測度法という法律に基づきまして船の大きさをそのまま出しておるわけでございます。これは海運のいろいろな法律もとになりますので非常に大事な法律でございますので、われわれはそれに従いまして正確にはかつて登録をしておる、さようになっておるわけでございます。
  29. 井岡大治

    井岡委員 ここでしゃべっておったら時間がなくなりますからやめますが、管理をしておる、こう言うけれども、あなたは六隻だと言うけれども、近畿海運局は、これはあなたのところで調べたのですよ、このとおり。近畿海運局は十三隻といっている。これはほかの法律があるから、大事なことですから私たちは十分正確にやっていると言っても、やってないじゃないですか。これは時間がございませんからなにしますが、港湾局長がお見えになっておりますから局長お尋ねをいたしますが、関光汽船免許をどれとどれとどれをとっておったか、それをひとつ。
  30. 宮崎茂一

    宮崎説明員 お答えいたします前に、私、新米でございますので、ことしの八月四日付で港湾局長を拝命いたしまして、運輸委員会は初めてでございますが、何ぶん委員会皆さん方よろしく御指導をお願いします。  ただいま御質問の点につきましてお答えいたします。関光汽船におきましては、港湾運送事業法免許沿岸荷役だけでございます。
  31. 井岡大治

    井岡委員 持ち船の中に千二百三十五トンという船がありますね。これは沿岸荷役ではできないはずだと思うのですが、どうですか。
  32. 宮崎茂一

    宮崎説明員 御説のとおり、沿岸荷役ではできません。別に船内荷役免許をとらないとできません。したがいまして、この点は港湾運送事業法に違反して無免許でやったということになります。
  33. 井岡大治

    井岡委員 違反をしておるのを——船舶局に聞きますが、千二百三十五トンという船はいつ就航したのですか。
  34. 佐藤美津雄

    佐藤説明員 船舶局のほうでは、起工とか進水とか竣工とか、そういうふうなことでとらえておりまして、これは第十三北光丸でございますが、昭和三十五年の九月二十六日の竣工になっております。なお、その後の就航の状況は、いつから就航したかというようなことはちょっとわかりかねております。
  35. 井岡大治

    井岡委員 海運局長、これは就航はいつですか。
  36. 堀武夫

    ○堀説明員 この千二百三十五トンという自社船は阪神−関門−小樽という航路に就航いたしております。この就航の年月日は、三十八年二月二十日の登録という、これに当たるのだろうと思います。この手元の資料では船名がまだ書いてございませんので、登録月日のところに三十八年二月二十日というのが一つございますが、おそらくこれじゃないかと思います。
  37. 井岡大治

    井岡委員 ずいぶんずさんな話ですね。船舶局のほうは三十五年の六月に登録がされている。そして片方のほうは三十八年二月二十日に登録をしている。千二首トンからの自分の船を三年もほっぽり出しておきますかね。およそこれはでたらめですよ。同時に、三十五年あるいは八年、どちらでもけっこうですが、港湾局は船内荷役免許をそれまでほっぽり出しておる。この事件が起こるまでこれは知らなかった、こういうことなんです。こういうことでは、幾ら法律をつくっても、法律がまともに守られていけないということならば、つくらぬほうがましだと思うんです。どうなんです、これは。
  38. 宮崎茂一

    宮崎説明員 非常にごもっともな質問だと思いますが、実はこの千二百三十五トンにつきましては、船の荷役を全部無免許関光汽船がずっとどこでもやっておった、こういうわけでは実はございませんので、船内荷役をやっているほかのものに、免許のあるものに請け負わせておりまして、免許権を持っていない関光汽船自体がその一部分をやっておった、こういうことで、私どもといたしましても、無免許で荷役をしていたということについては、申しわけない。今後十分取り締まるつもりでございますが、そういう免許のある業者にも下請をさせていたという点でわからなかったということを海運局から聞いております。
  39. 井岡大治

    井岡委員 きょうは時間がございませんから——もう一度、それでは私聞きますけれども、向こうの言う一部分というだけでとどまっておったかどうかということについて、私は疑問を持っております。したがって、三十五年からの日報を全部出してもらいたい。これをお願いしておきます。委員長、いいですね。
  40. 宮崎茂一

    宮崎説明員 一応調査をいたします。それでまた御連絡いたしたいと思います。
  41. 井岡大治

    井岡委員 その後、処置をどうされたか。
  42. 宮崎茂一

    宮崎説明員 免許違反に対する措置でございますか。——これは十月の七日の日に近畿海運局長の名におきまして、沿岸荷役事業、これが免許している事業でございますが、それにつきまして十月八日から十七日までの間の十日間、事業の停止を命じております。
  43. 井岡大治

    井岡委員 沿岸荷役だけですね。もう一度聞きます。
  44. 宮崎茂一

    宮崎説明員 沿岸荷役だけでございます。
  45. 井岡大治

    井岡委員 そうすると、千二百三十五トンという船は、依然として就航しているわけですね。
  46. 宮崎茂一

    宮崎説明員 この千二百三十五トンの船については、就航していると思いますし、正規の荷役業者に荷役のほうはやらしておると思います。
  47. 井岡大治

    井岡委員 私はやらすべきでない、こういうように考える。少なくとも、三十五年の六月に登録をして、海運局長のほうには三十八年二月二十日まで全くこれは無国籍で、だれの何かわからなくて三年間というものは運航している、こういうものを認めるということは私はできない。船舶局長、どう思います。
  48. 佐藤美津雄

    佐藤説明員 船舶局の所掌としましては、一応船の建造許可、それからそれに対する測度、検査、そういうものをやりまして、それが十分に就航航路に適した船であるかどうかということを判定いたしまして就航をさせるということになっております。なお、どういうふうにそれをさせるかということは、実は船舶局の所掌にはありません。
  49. 井岡大治

    井岡委員 ちょっとわからないのですが、適しているかどうかをもう一度検査をする、そうして検査が合格をすれば就航さしてよろしい、こういうのですか。
  50. 佐藤美津雄

    佐藤説明員 先ほど申し上げましたように、船舶局としましては、その船が安全に運航ができるかどうかということを認定しまして、それで私のほうは一応仕事としてはクリアになっているというふうに考えております。
  51. 井岡大治

    井岡委員 そこで海運局長、どうです。
  52. 堀武夫

    ○堀説明員 この内航登録以前、その状況がどうなっておるのかということが問題だと思いますが、私の手元にはその間の事情がわかる資料がございませんので、これはぜひ至急に調査してみたいと思います。
  53. 井岡大治

    井岡委員 これは次の機会にもう一度、港湾局長船舶局長お尋ねすることにします。  そこで自動車局長、これは陸上運送事業法の違反があったはずですね。それはどうしたのですか。
  54. 原山亮三

    ○原山説明員 関光汽船株式会社は貨物自動車運送事業の免許を三十六年六月から持っておりますが、その業務の範囲は、関光汽船株式会社の取り扱います安治川沿岸に発着する貨物、こういうようになっております。それで当該関光汽船が直接やっておるはずでございました。ところが、ことしの監査を九月十八日と十九日にわたりまして実施いたしました結果、この会社が名義貸しをしている疑いが非常に強うございますので、この十月七日に道路運送法第三十六条の名義貸しの違反の疑いでもって聴聞をいたしました。その聴聞の結果、厳重に近く処分をいたすつもりでございます。
  55. 井岡大治

    井岡委員 その名義貸しは原田組に名義貸しをしておったでしょう。ここのところを明らかにしておいてもらいたい。
  56. 原山亮三

    ○原山説明員 聴聞の結果、原田組の人間に名義貸しをしておった疑いが非常に濃厚でございます。これは先ほど申し上げましたように、十分公正に聴聞をいたしまして、そういった疑いが非常に濃厚であるということでございます。
  57. 井岡大治

    井岡委員 まだ処置はとってないわけですね。
  58. 原山亮三

    ○原山説明員 ここ数日中に厳重な処置をとるはずでございます。
  59. 井岡大治

    井岡委員 いずれにいたしましても、三十六年からこれはずっと原田組に渡しておったのです。自分のやっておったのは、しばらくだけです。あとは名義貸し、原田組という暴力団に渡しておったわけです。ですから、原田組は貨物運送だけでなくて、沿岸荷役船内荷役もやらせということを関光汽船に強く要求する。そういうことでは法律違反だからやらしちゃいけないということで、港湾組合が反対をする。それにいやがらせをした、脅迫をした。そうしてあげくの果ては、警察官の前で殺したのです。いままでこういうことをなおざりにしておるところに、こういう問題が起こるわけです。したがって、今後これらの問題について、もっと厳重な処置を講じない限り、港などというところは全くでたらめが続いてくるのではないか、秩序が維持できないのではないか、こう考える。この点について、もう一度お願いをしたい。
  60. 原山亮三

    ○原山説明員 確かに御指摘のとおり、こういうような暴力団については、まことに遺憾でございまして、もっとこういう点を早く発見すべきだったと思いますが、その点まことに申しわけなかったと思います。したがいまして、今回の行為について、道路運送法の名義貸しという三十六条違反事実が相当明らかになってまいりましたので、先ほど申し上げましたように、大阪陸運局長のほうで厳重に処置するように連絡を終わっております。
  61. 井岡大治

    井岡委員 そこで、時間が三十分ということで、三十一分になりましたから、ぼくはこれでやめますが、この問題について多くの疑問がございます。そして私たちとしては、こういうことを野放しに許しておくわけにはまいらない、こう考えるわけであります。ですから、次の委員会の機会にもう一度時間を与えていただきますよう委員長にお願いをして、私の時間がきましたから、これで終わります。
  62. 内藤隆

    内藤委員長 了承いたしました。  小川三男君。
  63. 小川三男

    ○小川(三)委員 航空局長、いま時間が三十分ということになっており時間がないのです。ですから大臣が来るまであなたに伺っておきますが、公団が現地に価格を示していますね。公団から現地へ価格を発表してあるでしょう。あの価格に対して、今度は部落対策協議会、地権者会から新しい価格が要求されているでしょう。あなたのほうに数字ありますね。これについて、たとえば部落対策協議会は、宅地十アールについて三百万、水田二百五十万、畑、山林、原野二百三十万、それから地権者会は宅地三百万、水田二百四十万、畑が二百三十万、山林、原野が二百十万、こういう価格を出してある。この価格について、これはもちろん公団独自で処理できるものではない、大蔵省との関係がある。あなたのほうでこの価格について討議されたなら、その帰結がどうなっておるか、のめるのかのめないのか、それについて伺いたい。
  64. 澤雄次

    ○澤説明員 新空港の用地の取得は、公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱というのが政府にございます。これに基づきまして近傍類地の取引実例を参酌して算定される正常な取引価格をもって買収することになることは、いずれの公共事業における土地取得についても同様でございます。  それで公団では一応の基準を、先生の御指摘のように提示をいたしております。しかし正確なる土地買収価格は、これは土地の鑑定人も入れまして具体的に決定されるべきものでございまして、今回条件派が提示しました価格は、もちろん公団といたしましても、その意味において十分な検討が加えられなければならないとは考えます。しかし具体的な買収価格は地元と公団の間で、特に個々の価格の決定につきましては、個々の土地所有者と公団の間で十分な折衝が行なわれた後、買収価格というものが決定する。このように思っております。
  65. 小川三男

    ○小川(三)委員 いま近傍類地の価格ということがあなたから言われていますが、建設省はあの成田地先の国道五十一号線の工事で、十アール当たり四百九十万という価格で買い取っている。こういうような価格。それから、あなた御承知でしょうが、成田の市役所の下についているあの国道五十一号線は、すでに水田が坪三万円の売買価格でございます。こういう価格が出ている。ですから、この地権者会なり部落協議会というものから、こういうような新たなる価格の要望が公団のほうに提示されてくるわけです。この近傍類地ということになれば、そういうものをもあなたのほうで考えられた上で出してくるのかどうか。
  66. 澤雄次

    ○澤説明員 ただいま御指摘の国道五十一号線の用地買収にあたりまして、四百万ないし三百万という価格が出たというお話でございますが、これは国道五十一号線と県道との交差点に当たります場所でございまして、先生も御承知のように非常に繁華街でございます。しかも買いましたところはごくわずかの量でございます。これは国道に必要なわずかの量でございまして、いわゆる飛行場用地の買収という広範な土地買収の値段とはまた違ってくるかと思います。それから建設省が同じく五十一号線関係で買いましたところは、御指摘のような価格のところもございますが、山林、原野で七十五万から百万、畑でも大体七十五万から百万、宅地でも百二十万前後というほうがむしろ量的には多いわけでございます。近傍類地の価格を決定いたしますにつきましても、これらの点もよく参酌して価格決定を行なうことに相なると思います。
  67. 小川三男

    ○小川(三)委員 運輸大臣に伺いますが、運輸大臣、昨日新東京国際空港公団は現地の外郭測量をやった。新東京国際空港公団法によって行なう飛行場の建設は、一つの事業でなくちゃならないはずです。これはあなた御承知のとおりで、一つの重大な事業です。その事業を行なうのに二千に余る警官を動員して行なわねばならないということ自体、あなたはどう認識されるか。一つの事業を行なうのに機動隊二千を出動させている。武装警官隊ですよ。そういうことによって行なうべき事業というものが、この世の中にあるのかどうか。一体この公団のやったやり方は、あなたあれを承認されますか。
  68. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 昨日公団が外郭測量のためのくい打ちに着手いたしたことは、私も報告を聞いております。なおその際に、警察当局におかれまして必要と認められまして、相当数の警察官を動員されたという事実も承っておるのでございます。私はこのくい打ちがさような状況のもとにおいて行なわれることを極力避け、平穏裏に行なわれるように、ぜひとも現地の諸君と話し合いを進めたい、その上でいたしたい、かように思って極力努力をいたしてまいったのでございますが、不幸にいたしまして今日まで反対派の方々とお目にかかる機会がどうしても得られませんでございました。しかしこれ以上延ばすということは、期限のある仕事のことでございますので、行政上不可能でございますから、できるだけ早い機会にくい打ちを進めるように公団に申したこともあるわけでございます。これらの情勢を勘案されまして、公団と地方の治安当局が十分御相談の上で事業を進めていかれたものと確信をいたしております。
  69. 小川三男

    ○小川(三)委員 これはあなたはそう言っていますが、話し合いというけれども、一体、事業をやるのは空港公団です。公団の前成田総裁以下——いまは今井総裁、あの人たちが、あるいは理事が現地へ来て反対派の諸君と会見するようなどんな努力をしているか、何もやっていないでしょう。われわれが、あなたのところへこの間、案内してもらいたいというから案内した。その前もそうです。そういうふうに、現地の人たちが、反対派の人が抗議であろうと何であろうと、いずれにしても出てきている。けれども、公団の諸君が現地へいままで——現地というのはあの反対派の中心地の現地ですよ、成田の市役所でなく。その現地へ来て話し合いをすべくどんな努力をしているか、何もやっていませんよ。しかもわずか三本のくいを打つのに機動隊を、これは重大な問題なんですよ、いいですか、自衛隊の習志野の高射砲隊に集結している。打ったくいを守るためのどこかの警備会社の警備員と、それから測量を請負った——何か鹿島組だそうですか、測量隊員を擁護して、中へ包んで、そうして部隊編成をして現地へ乗り込んでくる。こんなことは少なくとも事業を行なうべきもののやることではないですよ。あなた、これを承認されますか。
  70. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 この問題につきましては、かねてから地方の治安当局におかれましても十分に注意をされておったものと思いますけれども、法に従いまして適切な措置をとられたものと考えます。
  71. 小川三男

    ○小川(三)委員 きょうは時間があれば今井総裁に出てもらうのだったのですが、時間がないので今井総裁に出てもらうことはやめましたけれども、公団の諸君が来てくいを打つための作業をした場合に、現地の農民がこれを妨害したというような事態があったら、初めて警官隊の出動を要請するのが順序です。数日前から、特に数カ月前から警察当局は演習をやっているのですよ。こんなことで……。(「労働組合も演習をやっているじゃないか」と呼ぶ者あり)労働組合が演習をやるといったって、そんなこと何も関係ない。いやしくも公団は、この事態が起こらない前から、すでに警官の出動を要請して、当日は警官に擁護されて、警官に護衛されて現地に乗り込んでいる。警官を前面に立てて現地に乗り込んでいる。こういうようなことを公団にやらせておくこと自体が、運輸大臣の重大な責任だ。しかも自衛隊の習志野の駐とん地に集結するなんということは、およそ——公団が事業をあそこでやることは、植民地を制圧することじゃないですよ。軍隊のようにあの大部隊二千も——農民がそんなにいますか。わずか八百かそこらの農民に対して、二千もの警官を動員して、しかも最初からあんな戦闘的な態度で現地に乗り込んでくる、そんなばかなことはあり得ないです。しかも、三本のくいを打ったと聞いて、公団の出張所の諸君が凱歌をあげている、万歳を叫んでいる、こんなことがあり得ますか。
  72. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 私どもといたしまして、このくい打ちに関連いたしまして、地方でいささかでも不祥事態が起こるようなことがあっては相ならぬものと考えまして、十分警察当局と打ち合わせの上くい打ちを実施するように注意をいたしたことはございます。警察当局の行動につきましては、これは警察が地方治安維持というたてまえ及び地方住民保護という警察の本来の目的から、警察としての判断に基づいて行動されたものと存じますので、警察の行動について私からかれこれ申し上げることは差し控えたいと存じます。
  73. 小川三男

    ○小川(三)委員 それは、警察の行動についてあなたに言っているのじゃないですよ。公団がそういう事態があって、ある状態であったら要請すべきですよ。すでにずっと前から要請して、部隊編成をして行進してくるなんということはあり得ないですよ。公団のやったこと自体重大なことですよ。しかも、話し合い、話し合いといいながら、何を話し合いしたか、何にもやってない。こういう中で武装警官を動員してくるなんということ自体が、公団のやるべきことではない。公団は事業をやるべき団体なんです。話し合いの努力なんというものを何もやってない。われわれが連れていくだけでしょう。公団の諸君が、いつ会いたいといって現地に一度でも来たか、何もやっていませんよ。そういう前提に立って、最初からまるで敵意を持って乗り込んでくるなどということは、今後の話し合いの道なんというものは絶対ないでしょう。そういう点で、これは運輸大臣が任命したのですから、公団総裁の重大な責任をあなたから追及してもらいたい。
  74. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 警察力の出動について公団が要請するという事実はないのでございます。ただ公団は地方の治安に影警があるかもしれないという配慮もとに、自己の行動を警察に通知をするということだと思うのでありまして、自後の警察の行動は警察としての独自の判断に基づいてやられた事柄でございます。したがって、警察力の出動につきまして私から今井総裁にかれこれ申し上げるべき事柄は何もないと存じております。
  75. 小川三男

    ○小川(三)委員 それは重大なことですよ。きのう成田の署長は、数日前から要請を受けて出動させたのだ、こう答えている。公団が要請しないで警察が独自でやったというなら、これは今度警察の重大な問題ですよ。公団が要請しないという事実はありますか。これは時間をかけてもしかたがないから、あなたから公団に問い合わせて明確に答えてもらいたい。公団が全然要請しないにもかかわらず、警察隊だけが独自であの出動をしたというのなら、それはなお重大な問題ですよ。
  76. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 私の申し上げ方に若干粗漏がございましたが、正確に申し上げますというと、公団といたしましては、くい打ちをするに伴って、その地方の秩序が乱れて、くい打ちの事務が妨げられるというような事態があってはなりませんので、さような事態のないように秩序を維持していただきたいということは、お願いをいたしたわけでございます。そのためにどれだけの警察官をどういう方法で動かすかということは、これは警察が御判断になる事柄だ、こういう意味でございます。
  77. 小川三男

    ○小川(三)委員 これは警察が何名動員してどういう作業をするかは、警察の独自の問題です。少なくとも公団が要請していることは間違いないでしょう。あなたは要請しないのに警察が独自で出動したと答えられた。それは誤りですね。
  78. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 秩序の維持ということについては要請をいたしております。これが正しい表現でございます。
  79. 小川三男

    ○小川(三)委員 きょうは時間がないので、あとでまた質問しますが、この間成田総裁は、二日ですね、辞表を提出されましたね。その前に八月十九日にあなたのところへ、現地の反対同盟の諸君が運輸省へたずねたとき、こういう問題が成田総裁の身辺にはあるんだということをあなたにお伝えしましたね。これは八月十九日です。それ以来一カ月以上も、あの事態をどうして放任しておいたのか。しかも長期信用銀行に向かって、彼は二億の借金を申し込んでいるんですよ。借り入れを申し込んでいるんですよ。しかも、この前六月三十日の運輸委員会で、久保委員から長期信用銀行の問題についてはあなた追及されているんですよ。そしてあなたはこの長期信用銀行の会長と会ったことについては、これは私の軽率であったということを言っているのですよ。これは委員会議事録にはっきり出ています。その長期信用銀行に、今度の成田新国際空港公団公団債発行については決定されているのかどうか。
  80. 澤雄次

    ○澤説明員 ただいま小川先生の御質問趣旨につきましては、大臣から内々に調査をするように、こういうお話がございまして、調査をいたしかけておりましたが、そのうちに総裁がおやめになりましたので、調査はそのままやめた、こういう事情でございます。
  81. 小川三男

    ○小川(三)委員 公団債発行について長銀との間にもう決定しているのか、それをひとつ。
  82. 澤雄次

    ○澤説明員 公団債の委託発行につきましては、公団法の規定に基づきまして、運輸大臣申請して、その認可がありましてから実際に委託をするように相なっております。それで、御承知のように土地買収がまだ進んでおりませんので、公団債発行の段階に至っておりません。それで、そのような手続は正式にはとられておりません。ただ公団理事のほうから内報がございまして、この公団債を発行します場合には、長期信用銀行を主たる銀行、それから日本興業銀行を副たる銀行にしたいということは、公団の中の理事会で決定している、かような報告は受けております。
  83. 小川三男

    ○小川(三)委員 この八月十九日に、成田総裁の問題については運輸大臣に戸村委員長から話された。しかもあなたは、いま大臣から調査云々と言われた、調査中に彼が辞表を出した、こう答えられています。一体八月十九日に耳にしながら、それ以来——大臣が帰ってきてからですよ、調査云々というのは。しかもその当時、成田総裁は記者会見で何と言っているか。調査などとはもってのほかである、こんな問題は一笑に付すべき問題である、こう記者会見で答えています。これが一笑に付すべき問題なのか。一体、長期信用銀行を公団債発行の主たる銀行として内定しておきながら、その銀行に向かって二億の借金を申し込むような総裁が、そういうものを一笑に付すべきなどと言うことは重大なことです。私はここで問題になるのは、そういう総裁を任命した者はだれなのか、任命者の責任を追及しなければならない。しかも彼は一年二カ月間総裁として就任しておりながら、何一つやってないでしょう。そして、辞表を出したあとの記者会見で何と言っているか。あんな飛行場などできやしない、各省は、全く非協力である、あの飛行場はできやしない、こういうことを言っているのです。こういうことを言うような総裁を、一年二カ月にもわたって便々として総裁の位置につけておいた運輸大臣責任をどうするのか、この点を明らかにしてもらいたい。
  84. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 成田総裁はすでに辞職して、更迭いたしております。
  85. 小川三男

    ○小川(三)委員 成田総裁辞任していることはわかっています。ですからそういう者を任命して、しかも大橋さん、あなたに、こういう問題があるのですよと言ったのは、八月十九日ですよ。以来ほうっておくこと自体がないでしょう。任命した者はあなたじゃない、あなたは当事者じゃないですよ。けれどもその後少なくとも監督上の責任はあなたにあるはずだ。いやしくも一年二ヵ月も公団総裁をしていながら——飛行場をつくるための公団総裁です。それが、飛行場などできやしないなどと放言するなんて、そういう者をなぜ便々としてあの位置へつけておいたか、彼が辞表を出すまでどうしてあの位置につけておいたか、その責任運輸大臣として負うべきです。
  86. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 まあやめた方の在職中の問題でございますが、理屈はいろいろ成り立つと思いますが、私といたしましては、一年二カ月在職いたしまして、その間の仕事ぶりはともかくとして、ああいう経過でやめられた方の事柄でございますから、いまこの席でいろいろと取り上げて申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
  87. 小川三男

    ○小川(三)委員 成田総裁辞任云々というのは、やめた人についての問題ですよ。そういうものを、少なくともあなたの耳に入れてからすでに一カ月以上たっておるのです。その間どうして処理しなかったか。彼が辞表を出すまで何で便々としてほうっておいたのか。いいですか、いやしくも国際空港公団が主たる銀行として長銀を指定しておきながら、その長銀に向かって借金を申し込むような者を、なぜ一カ月以上もあなたはほうっておいたのか。しかもやめたあとの言い分など、何です、あの言いぐさは。あんな者は総裁の資格などありませんよ。そういう者を任命して、かつ放任しておいたあなたの責任を追及しているのです。
  88. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 運輸省といたしましては最も大切な仕事をお願いしなければならぬ空港公団のことでございますので、その人事は最もいい人事でなければならぬ、こういうことを考えておるわけでございまして、八月十九日にいろいろ御注意をいただきましたその際、たしか飛行場の問題についてお話があったと存じますが、この点もやはり公団に大いに関係ないとは言い切れません問題でございますので、私どもといたしましてはその事実を十分に調査をした上で適当な措置をとるということを、当時小川先生にも申し上げたようなわけでございます。私といたしましては、直ちにそういう運びをいたしておったのでございます。御承知のとおりその後約二週間余り所用のために国外に出張などいたしておりましたので、私自身もそのことを心配しながら帰ってまいったのでございますが、帰りますと間もなく、辞表の提出ということに相なった次第でございます。
  89. 小川三男

    ○小川(三)委員 警察庁の警備課長見えているそうですね。あなたに伺いますが、きのう三里塚へ警官を出動させましたね。あれはいつ空港公団から要請があったんですか。
  90. 三井脩

    ○三井説明員 空港公団の問題につきましては、測量の問題につきましては、かねてから測量実施あるいは作業の実施の際にトラブルが起こり得るという点について、現地千葉県警察において判断をいたしておりました。したがいまして、実際にいつ作業が行なわれるかという点につきましては、現地公団分室との間において打ち合わせをいたしておりました。したがって今度の要請につきましては、直接その要請はなくても、公団側が作業に出発されるときには問題が起こるということで、警察としては準備を進めておったということでございます。要請の時期につきましては具体的な日時は存じませんが、少なくとも直前にあったというふうに了解しております。
  91. 小川三男

    ○小川(三)委員 直前ですか。要請を受けたのは直前ですか。
  92. 三井脩

    ○三井説明員 少なくとも直前にはということでございます。
  93. 小川三男

    ○小川(三)委員 いいですか。あなた一体直前と言うけれども、防衛庁の習志野の高射砲隊を使って、あそこへ集結して、しかも公団が頼んだどこかの警備会社の警備員まで一緒にして、それから測量隊も一緒にして出動してくるなどということは、警察の職権の中にありますか。何のために彼らを一緒に入れてきたのか。
  94. 三井脩

    ○三井説明員 それは警察といたしましては、当然のことでございますが、不法事案が予測されるという場合にはこれに対処いたすわけでございますから、測量作業の実施につきまして、現地警察において不法事案の起こる可能性大いにありと判断いたしまして、起こらないように、また起こる場合にはこれを防止するというために、準備をいたしたのでございます。
  95. 小川三男

    ○小川(三)委員 もう一つ。あなたそう言うけれども、事態が起こる危険があるという判断はいいですよ、警察の。けれども、最初から何のために一測量会社の職員やそれから一警備会社の社員までも警察隊と一緒にして、同行してくるというのはどういうことです。しかも現実に事態が起こって初めて、要請されたら出動するのがあたりまえでしょう。警官が前面に出てきて、あの農地から道路から一ばいあふれるほど警官が最初に入ってきて、彼らをうしろに置いているでしょう。擁護しているでしょう。そんなことが農民に対するやり方ですか。
  96. 三井脩

    ○三井説明員 警察といたしましては、流血の事件が起こらないように措置をいたしたいというのが最大の念願でございます。今回の事態につきましても、新聞等を見てもわかりますように、反対同盟等におきましては何回も訓練をする、警察部隊や測量班の活動を阻止する訓練も繰り返しやっておるような状況でございます。したがいまして、測量班だけで現地に到着するときには、先ほど申しましたような流血の事態ということも予測されると判断いたしましたために、これを避ける意味におきましてあのような行動をとったということでございます。
  97. 小川三男

    ○小川(三)委員 ちょっと警備課長、そういう新聞の報道によって流血の事態が起こり得るなどという判断なんていうことがありますか。あなたはその判断の基礎を新聞に置いているんですか。いやしくも警備課長が、新聞を基礎にして判断するなどということはあり得ないでしょう。ぼくが聞いているのはそれが一つと、あとは何のためにあの警備会社のガードマンやそれから土建会社の測量班をも警察隊の中へ入れて行ったのか、そのことを言っているんです。一営業会社の社員にすぎないでしょう。そういう者を二千もの警官を動員して、その中へ包んで、そして行くなんていうことがあり得ますか。最初から彼らに危害を加えた者がどこにあったか、習志野の時点で彼らに危害を加える者がだれかあったのか。冗談じゃない。習志野へ集結して、行ったんでしょう。現地じゃないでしょう、習志野は。
  98. 三井脩

    ○三井説明員 第一点の情勢判断につきましては、私が申し上げましたのは新聞等でもわかるようにと申し上げたわけでございます。それによって判断したわけではございません。  第二点につきましては、それが最も不法な事態並びに流血の事態を避けるために適当な方法であると判断したからでございます。
  99. 水野清

    ○水野委員 関連して。ただいまの、昨日の三里塚の測量につきまして私からもちょっと伺いたいのでありますが、私は小川委員のお話とやや違う角度から、また違う感覚を持って受け取ったのであります。私は、御承知のように、昨日測量が行なわれました成田市の駒井野部落の人間でございまして、そこの住民として私は二、三伺いたい。  その昨日の問題に先立ちまして、実は去る五日の日に、地元で測量があるというようなうわさが非常に出ました。そのために地元の実際の農民は、空港敷地にかかっている人たちは一部でありまして、芝山町の騒音地域に該当する農民がそれに加わっておりますが、それよりも非常に多くの外部の人が入ってきて、われわれにとっては非常にえたいの知れない人物が続々と地元に参りまして、五日の日から六日にかけましては、実際には千人以上の外部のいわゆる支援団体と称する者が参りまして、昨日も測量が終わったあとにだいぶ集まってきたのでありますが、これらの人たちが何といいますか気勢を上げて、その後五日以後、測量の行なわれました昨日の朝もそうでありますが、この付近の一般の市民が警察と関係なく交通規制のようなことをやりました。私などが出入りするのに一々夜などは懐中電燈で顔を照らして、どこへ行くか、どこの人間であるかなんていうことを質問したり、あるいは条件派の農民に対して、自動車に鎖を巻きつけて自動車を先にとめておいて、そして行く先、目的などを聞くなんということがしばしば行なわれておりまして、条件派のいわゆる幹部の連中、——逆にいうと反対同盟の連中も、その地元民同士ですと顔を知っておりますので、これはけんかにもならない、まあまあお互いによそうやということで済むのですが、外部のいわゆる支援団体の人が来ますと、これはいわゆる他人の争いになって非常に殺気立ってくる。これについて私はむしろ警察当局のこの取り扱いは非常に手ぬるいというふうに思っているわけでございます。たとえば、反対同盟の人たちが、いままで持っていなかったいわゆるモトローラといいますか、無線の電話機のようなものを持ってきて、県道の入口のところで交通規制をやりまして、だれだれがこの地域内に入っていったというようなことまでやっているわけです。率直に言いますと、私ども住民としては——私は住民として申し上げるのですが、これは警察の人が大ぜい来て、きのうのようなああいう騒ぎを起こさないで測量をやってほしい。測量をやった地点は地主は同意をしているわけです。ところが、反対同盟及びその支援団体の人に要望するのでありますが、この人たちも自分たち——地主及び少数の騒音地域の人たちだけの意思でこの問題を解決してほしい。いわゆるお互いに外部の応援団を連れないできてほしい。そうすれば、私はむしろ平穏に話し合いがつくと思う。よく小川委員から、地元の反対同盟と公団ないしは運輸省当局が話し合いをしないじゃないかというお話がありましたけれども、この人たちも、私は個人的に会ってみますと、話し合いをしてもいいのだ、ところが話し合いをしようとすると、現実にはいろいろな関係から、それを阻止されようとする動きがあります。自分たちも、公式な立場としてはなかなかできない。むしろ集団的に行くと、自分たち以外の関係からいろいろなやじが飛んだりして、つい激高してしまっていろいろなことをやる。この間、何か運輸省に押しかけた人たちが運輸大臣につばをはきかけたというような話を聞いておりますが、やはりそういうことは法秩序を守っていくことではない。最近地元の関係が、反対同盟の人たちが主としてでありますが、外部の人たちが入りまして、地元の警察も比較的この問題に対してはれものにさわるような態度でやっておられる。これは私たち地元に住んでいる住民として非常に困るわけでございます。この一点について警備課長からお考えをお聞かせいただきたい。  それからもう一つ、時間がありませんが、昨日の測量の際に、これは警官隊も入っておりましたし、報道関係の方も入っておりましたけれども、一部の田畑が踏み荒らされたわけであります。これは公団なり運輸省で、たいした額じゃないと思いますが、正確に調査なされて、やはり補償はしてあげてほしい。  以上二点をお尋ねして、私の関連質問を終わります。
  100. 三井脩

    ○三井説明員 成田のあの地区に地元住民でない人たちが入り込んで、法秩序を乱すような行動をしておって、住民に迷惑をかけておるという点でございますが、あそこで行なわれておる事態を見ますと、演習と称して集まる。一定の、たとえば公園等に集まる。それからデモ行進をしてさらに気勢をあげるというような事態と、検問等を置いて、つまり道路に車を二台並べて人を検問するというような、いわゆる刑法でいいますと強要罪または道路交通法違反になるような事態が行なわれたわけでございます。この点につきましては、わりあいに最近まで、デモ等をやる場合でも警察に届け出をして、届け出のコースを行進するということでありましたが、この数日あるいは一週間、十日という段階になりますと、それさえも無視して、たとえば公団にデモ形態で押しかけるという事態になってまいりました。したがいまして警察といたしましては、この点については現場において措置をするとともに、事後において捜査をするという方針で臨んでおるわけでございますす。測量も開始されましたが、これからまた行なわれることであろうと思いますし、また類似の事犯等の多発も憂慮されますので、御指摘の点につきましてはさらに警備を戦術的に、また法律運用上につきましても一そうの研究を加えて、かような事態を絶滅いたしたいという方向で検討を加えてまいりたいと思います。
  101. 澤雄次

    ○澤説明員 水野先生の第二の御質問の補償の点でございますが、これは公団関係者及び秩序維持の任に当たった警察官が付近の畑に損害を与えたものに対しましては、これを補償するように公団のほうに指示いたしております。
  102. 内藤隆

    内藤委員長 久保三郎君。
  103. 久保三郎

    ○久保委員 警備課長あるいは運輸大臣に一言申し上げておくのでありますが、いまの質問なり答弁なりで大体双方の意見というか、そういうものはおわかりのとおりであります。ただここで警察当局に申し上げておきたいのは、警察当局は公団がやる仕事を加勢するという立場ではないと思うのです。そういう立場ではない。ところがまかり間違うと、いまのような答弁を切り離していくと、どうも公団仕事を加勢をするような結論というか、そういう筋道にもなろうかと思うのです。言うまでもありませんが、警察当局は治安の維持あるいは不測の事態を前もって予防する、そういう任務だと思うし、また反対であれ、賛成であれ、問題は生活の問題であります。単なる土地のやりとりでは私はないと思うのです。だから、申し上げるまでもなく、たとえば運輸省があるいは政府がその事業を最終的に何とかしなければならぬという考えも、一応理屈としては通ります。しかしながら、そこで平和な生活を今日まで送っておる農民、その者の所有であるべき土地あるいは農作物、それを含んだところの生活、こういうものを一切がっさい国策の名のもとに、それがほんとうの国策であるかどうかは別として、言うならば国策だという、そういう美名に隠れて、一切の、国民の一人一人の生活を踏みにじるようなことは、断じてこれは許しがたいことであって、しかもきのうの現場は私は見ておりません。少なくとも外から見た場合には、小川委員の言うように公団の職員なりあるいはガードマンを包んで二千人の警察の大部隊ということになりますれば、残念ながら冒頭私が申し上げたように、警察は、言うならば農民を向こう側に回して、公団の事業をやらせるという側だけに回っているようにこれはなるわけであります。いささかなりともそういう態度、行動はこの際は慎しんでもらいたいと私は思うのです。それはどちらをとっても得策ではない、こういうように私は思うので、一言だけ申し上げておきます。  そこで、時間もありませんから、運輸大臣に二つだけ、別な問題でありますがお伺いしたい。  けさの各新聞紙が報道していますように、四十一年の一月に、平均して二割ほど私鉄の運賃値上げをいたしたわけであります。その際の条件というか、一つのねらいとしては、輸送力増強計画を確実にやっていくべきである、そういう条件をつけて、当然ながら輸送力の増強あるいは保安対策、特に保安対策については昨年の十一月、ATSの設備について、大手筋だと思うのでありますが、重要な線区について運輸省はこの設置方を要請したわけであります。  さらに踏切道の改良については、昭和三十六年以来踏切道改良促進法がありまして、それから国のそれぞれの指定に基づいて今日までやってきた。ところが行政管理庁の勧告によりますれば、必ずしもこれは十分でない、こういうふうに新聞は報じているわけです。ついては行政管理庁は、けさの新聞で大要はわかりますが、いかなる観点からこの勧告をいたそうとしているのか、その点を伺いたい。
  104. 三浦誠一

    ○三浦説明員 私、行政管理庁の三浦でございます。  いま御指摘のように、四十一年の一月に運輸省御当局のほうでは、都市周辺の私鉄の混雑緩和のために、私鉄側の要請もございましたが、種々御検討の結果、平均二〇%の運賃値上げがされましたが、その節、やはり混雑緩和の問題は、基本的には都市対策、住宅対策等の問題もございますけれども、私鉄サイドから申しますと、輸送力を増強していくということが肝要である。ただし、その場合、資本費等を勘案いたしまして、私鉄の収支を御検討の結果、平均二〇%の運賃値上げを御認可になったわけでございますが、その公約当時と申しますか、指導の力点とされておりました施設の増強の内容を見ますと、今回の調査では金額ベースで大体八七・四%、こういうふうな遂行になっておりますので、われわれといたしましては、この趣旨からいたしまして、四十二年度から、現在スタートいたしております第三次五カ年計画に先がけて、残工事だけはやはり十分期待にこたえるように実施を督励していただきたい、こういう趣旨で勧告いたしたつもりでございます。
  105. 久保三郎

    ○久保委員 続いて行政監察のほうでありますが、計画どおりできなかったという原因については、これはいろいろあると思うのでありますが、おもだった原因としては何でしょう。
  106. 三浦誠一

    ○三浦説明員 主たる原因は、私どもいろいろ検討いたしまして、やはりこの輸送力増強を私鉄がやります場合に、他の輸送機関との調整問題等がございます。たとえば、都営地下鉄との接続というのも一例でございますし、また御案内のような用地問題も非常にむずかしくなっております。さような点につきまして、さらに一段と運輸御当局のほうの御善処方もお願いしたい、かように思います。
  107. 久保三郎

    ○久保委員 行政管理庁のほうの指摘はまさに、計画どおりでない、だから、これに対して善処しろ、もっともな話であります。本来ならば、運輸当局はそういう監察を待たずして、これはやはり完ぺきを期さなければならぬと思うのですが、ついては、運輸大臣どういうお考えでありましょうか。
  108. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 本日、行政管理庁が民営鉄道行政監察の結果に基づく勧告を行なわれるということは、私承知いたしております。まだその内容は見ておりませんが、新聞等の報道から見まして、大体内容を察知できるのでございますが、これらの事柄は、いずれも運輸省といたしましては、都市交通対策として早急にやらなければならぬと考えておる事柄でございまして、これについて行管から激励、鞭撻をいただくということはまことに恐縮でございますが、この機会に一そう決意を新たにいたしまして、すみやかに完成するよう関係者を督励いたしたいものと考えます。
  109. 久保三郎

    ○久保委員 大臣のお話はそれでいいと思うのですが、ただ問題は、しさいに検討すればいろいろな問題があるだろうと思うのです。単純な問題ばかりじゃないと思うのです。ついては、たとえばATSの設置にしても、どれだけ政府が資金的にもめんどうを見たのかどうかというようなこともあるだろうと思うのです。特に、焦眉の急を要するATSとか、あるいは踏切道改良とか——踏切道改良促進法では、御案内のとおり、資金のあっせんでありまして、言うならば、今日の鉄軌道の事業そのものからいって、利益の中からいわゆる踏切道を改良するというわけにはなかなかまいらぬ面があると思うのです。特に、都市内におけるところの立体交差をせねばならぬような踏切においてはなおさらでありますから、そういうものについて新たな施策を織り込んだ、いわゆる私鉄の設備増強というか、そういう計画を新たに、それぞれの各事業者に立てさせて、運輸省はこれに対して、これが完全に実行できるような方策を練る必要がありはしないか。今日まで特にそれぞれチェックしていることではありましょうけれども、どうも踏切道改良促進法の中にもあるけれども、依然としてたくさん四種の踏切が残っておるというような新聞記事なんです。われわれが知った範囲では、踏切道改良は大体軌道に乗って、あまり問題はないんだというような報告さえ最近はあるわけであります。そうしますと、事実はだいぶ違っているということであります。これらの問題について、具体的にどうやるんだ、これは今後考えてもらわなければならぬことだと思うのですが、この勧告を受けるまでもなく、それぞれの事業計画に対して、運輸省自体は各事業者ごとにチェックしてこの推進をはかる、こういうことがこの際必要だと思うのでございます。単に行政管理庁から勧告があって、ごもっともだということだけでは済まされない問題、特に運賃値上げの条件になっているとするなら、なおさらであります。この点をもう一ぺん運輸大臣からお答えをいただきたい。
  110. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 久保委員のお述べになりましたことにつきましては全く同感でございまして、運輸省といたしましては、これらの計画の推進につきまして、みずからの側でなすべきこともたくさんあるわけでございますから、これらにつきましてはできるだけ実施をしていく、そうして私鉄に計画の推進を容易ならしめるという努力もなければならぬと思うのでございます。  実は、私もけさ新聞を見まして、まことにごもっともだと思いましたが、そればかりでなく、役所へ参りますと、直ちに鉄道監督局長を呼びまして、各社ごとのいろいろな増強計画がどうなっておるか、それらについて促進すべき方途を具体的に検討するように、けさもさっそく命じたような次第でございます。この検討に基づきまして、御趣旨を体して推進をいたしたいと存じます。
  111. 久保三郎

    ○久保委員 これはよけいなことでありますが、前にも申し上げたと思うのでありますが、これは大臣、別に御異論はないと思うのですが、とかく運輸省とか通産省というようなところは、言うならば事業者というか、業界保護というか、そういうところに従来何か力点があって、どうも国民大衆に対するサービス省としての役割が適切にいってないという批判がたまたまあるわけであります。これは当然だと思うのです。もちろん業界を、何というか、足げにしてよろしいなどとは考えておりませんけれども、業界保護が運輸行政の立場じゃなくて、むしろそれらを含んで国民に最良の、最高のいわゆるサービスを提供させ得るように運輸行政というのはあるべきことでありますので、どうかそういう意味でものごとを今後も考えていただきたい。こういうふうに、この点は要望しておきます。  さらにもう一つでありますが、これにも関係ありますが、最近地方鉄道、いわゆる私鉄あるいはバス、そういうものに対する運賃値上げがそれぞれ認可されつつあるようでありますが、あるいは近い将来かと思うのでありますが、国鉄の運賃についてもこれまた問題になってくる、こういうことでありますが、まず第一に、そういう運賃に対する運輸省、政府、そういうものの基本的な方針は、今日ただいまではどうなっているのでしょうか。われわれが聞くところによれば、どうも物価問題というのは、佐藤内閣はなかなか片がつかぬ、言うが、あまり方策がない、あるとするならば、公共料金をいわゆるコントロールするということ以外に方法——方法というか、そういうものが大きな一つの柱だと思うのでありますが、どうも、ぽろぽろといっては語弊があるが、逐次なしくずしと言ったらたいへんことばが悪いかもしれませんけれども、運賃の値上げの認可がやられてくる。これはやはりある一定の基準、そういうものを置いてやるべきだと思うのです。もっとも、先般新聞を読みますと、都市交通の面では基準運賃というようなものが何か出ております。標準運賃というか基準運賃というか、そういう新しいことばが出てくるのでありますが、何を基準にしたり標準にするのかわかりませんが、もしもあるとすれば、それはたいへん合理的な運賃かもしれませんが、いずれにしても合理的というのは、運賃の場合は片面だけで合理的にはまいりません。むしろ、乗る、負担する側の合理性がより強く追求されねばならぬというのが、今日の事態だと私は思うのです。だから、いわゆる運賃の値上げというか、そういうものについて、どうもわれわれは今日運輸省の、大臣のやり方についてやや疑問がある。一定の方針はどういうふうにおありなんですか。いかがでしょう。
  112. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 私鉄、私バス等の運賃の問題でございますが、これらの運賃は、特に通勤者等にとりましては生活費の重要な部分をなしておるものでございまして、物価政策から申しましても慎重に対処すべきものと考えるのでございます。そこで、これらの運賃の値上げの申請につきましては、運輸省といたしましては、まず企業自体の努力、合理化、節約等によりましてできるだけ値上げを避けるということを指導いたし、これがある限界に達し、他の企業等に比較いたしましても、この際企業の存立をはかり、輸送機関の維持をいたしますためにやむを得ないという場合におきましては、その内容を十分検討の上、最小限度の値上げを認めていく、しかもこれが他に波及することのないように十分注意をいたす、こういう心がまえでこの運賃の問題を取り扱っておる次第でございます。
  113. 久保三郎

    ○久保委員 私は運輸大臣のお話を全面的に否定をしようとは考えていません。しかしながら、ここで政府が物価問題を云々するならば——もしも物価問題を云々しないということならばこれはどうかと思うのでありますが、物価問題を論議というか、それを口にするからには、たとえば国鉄を含めた運輸機関の料金というか、そういうものの査定にあたっては、単なる事業者の経営、そういうものだけ、経営の中でいわゆる運賃を含めて考えていくというのじゃなくて、政府の政策というものを多少でもそこへつぎ込んで、しかる後、運賃という問題を次の段階で論議するのならいざ知らず、てっぺんから政府の政策抜きで——政策とは運賃を上げるかどうかだけだというのでは、どうも物価問題を論ずる資格はないのではないか、こういうふうにさえ私は思うのであります。おわかりにくかったと思うのでありますが、もう一ぺん申し上げます。  言うならば、運賃というのは、運賃の結論を出す前に、政府の施策として何を運輸機関にサービスできるか、そのサービスをした上でなおかつその経営がどうにもならぬ、あるいは国民的な要望にこたえられない、よってこれは運賃である、こういう結論にいくのならまだしも、政策抜きでストレートで運賃のそろばんをはじくということは、私どもはどうも納得いたしかねる筋であります。たとえば先ほど申し上げた行管の勧告にしても、運賃値上げと引きかえっこで安全対策その他をやらせる。これは一つの方法でありますから、悪いとは言いません。しかしながらできないという現実から見れば、良心的に見た場合に、これは運賃を上げてもらっても、銭が足りなくてだめなんですと言うかもしれぬ。そういうことであっては困るのであります。だから、まずもって隗より始めよ。政府は、たとえば私鉄の設備増強、輸送力増強計画に対して、単なる資金のあっせんだけじゃなくて、もう一歩進んだ施策があって、なおかつそれでも、そういう増強計画を遂行するには受益者負担という問題が出てくるというならば、これは話はある程度わかるのですが、どうもその一段抜いての話ばかり最近はあるわけです。国鉄の定期運賃の問題もそのようになりそうであります。われわれ自身は心配しております。だから、政府としても具体的にここを受け持ったということを、国民大衆に責任をまず知らしてほしい、こういうふうに思うのですが、どうでしょう。
  114. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 まことにごもっともなことでございまして、私、私鉄、私バスを通じて申し上げました次第でございますが、運輸省といたしましては、特に私鉄につきましては、その輸送力の大きさから考え、また一般市民の利用率等から考えまして、特にその企業の経営の内容については、事業者の自発的努力だけでなく、政府としても十分協力すべきだという考えもとに、地下鉄あるいは地方鉄道等については赤字対策として補助金を支出いたしておることは御承知のとおりでございまして、特に地下鉄は今年度から支出いたしておりますが、明年度におきましてはさらにこれを増額をいたすように考えておるわけでございます。バス等につきましても、特に辺境の地にあるバスにつきましては、離島のバスと同様に補助金を考える時期がきておる、かように思っております。
  115. 久保三郎

    ○久保委員 時間もありませんからきょうは以上の点でやめておきますが、いま大臣のおっしゃった離島の問題でありますが、私も先年離島を幾つか回ってまいりました。運輸行政というのは、なかなかどうも離島までは及ばぬようなかっこうがたいへんあります。たとえばバス一つとっても、もはや戦後二十年でありますが、二十年も昔のようなバスが通っておるというようなところもたくさんありますし、船にしても同様であります。だから、こういうものはひっくるめてやはりお取り上げになることが必要かと思うのであります。よけいなことでありますが、いずれにしても運賃論議はこれからまたせねばならぬと思うのであります。どうか、先ほど申し上げたように、政府の施策が先である、運賃値上げはそのあとであるというふうなお考えで処理されることを希望しておきます。  以上です。
  116. 内藤隆

    内藤委員長 この際、おはかりいたします。  理事井岡大治君が委員辞任されましたので、理事一名が欠員になっております。その補欠選任につきましては、先例によりまして、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  117. 内藤隆

    内藤委員長 御異議なしと認めます。よって、理事野間千代三君を指名いたします。  次会は来たる十一月十日金曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十八分散会