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政府委員(
蓑輪健二郎君) 最初の御
指摘の、六兆六千億がどういうところから出てきたかということでございますが、これはいろいろ交通事情に見合います道路の整備、及び
開発のために必要な道路、そういうものを積み上げまして七兆三千億ということで要求をまとめたのでございますが、さらに根本的な長期的な
考えも盛っておる次第でございまして、これは昨年きまりました国土
開発幹線自動車道建設法で七千六百キロの幹線自動車道路の予定路線がきまりました。これを
昭和六十年までに全線を完成させるということ、これが第一点でございます。
もう
一つは、いまの
一般国道、これは二万七千キロございますが、これも、二十年後までには当然全部改良すると同町に、交通が非常に混雑してくるところの再改築を行なうということと、それからまた、県道につきましては、現在十二万キロございますが、十二万キロメーター全部改良を終わる。
さらに、将来の二十年後、昭利六十年に、自動車の保有台数の推定でございますが、現在約八百万台が約三千五百万台くらいになるだろう。そのうち、現在はトラックなり小型トラックが占めている率が多いのでございますが、乗用車が非常に圧倒的に多くなる、三千五百万台のうち約二千五百五十万台くらいは乗用車になるだろうというような長期的な車の保有台数の見込みを立てております。これは、
昭和六十年までの国是の総生産の伸び、そういうものも勘案いたしまして、また、
昭和六十年の
日本の人口の推移、それを
考えまして、二十年後の長期ビジョンというものをつかんでおるわけでございます。
これで、先ほど言いました県道以上を全部改良すると同時に、また、交通が混雑したところの再改築を行なう。さらに、現在、県道以上が十五万キロくらいございますが、将来、三千五百万台の車の保有台数になりますと、車の走る幹線といたしましては、県道以上十五万キロでは非常に少ないのじゃないか。平地については五百メーターおきの街路、山地は五キロくらいの道路というようなことも
考えまして、全国を道路の網でおおいますと、約四十万キロくらいの網が必要になってくるということでございまして、先ほど言いました県道以上十四万キロと、さらに、現在の市町村道のうち二十二万キロが将来交通の幹線になるだろうということで、二十年後の長期ビジョンとしては、車の通ります幹線の道路として四十万キロぐらいを整備したいということでいろいろ積算をしました長期ビジョンがございます。これが、金額にいたしますと、大体五十三兆くらいの金が必要になるというような見方をいたしております。五十三兆を
昭和六十年度までにやりますと、その後の交通の伸び、また自動車の保有台数の伸びというものは、それまでよりかなり鈍化するのではないか。三千五百万台の自動車の台数になりますと、国民三・五人に一台というような普及率になりまして、当然いまのアメリカには及びませんが、西欧、西ドイツ、イギリス、
フランス、イタリア、これがそのくらいになる。その辺が二十年後に予想されます自動車の保有台数とほぼ一致してくるのではないかというような見方で、まず二十年後の長期ビジョン五十三兆を達成するためにそういう目標を掲げまして、そのうちの
昭和四十二年から四十六年までに七兆三千億必要だということで、その七兆三千億の
内訳は、いろいろの道路の工事個所を集計して七兆三千億に積み上げたわけでありますが、そういうような観点から長期ビジョンを立てまして五カ年
計画をきめている次第でございます。
次に、この五カ年
計画はいろいろな
関係で六兆六千億になりましたが、現在まだ作業中でございましてはっきりした数字は言えないのでございますが、いまの私
たちの
考えているあらましを申し上げますと、高速幹線自動車道につきましては、現在、名神高速が百九十キロ供用開始になっておりますが、さらに東名高速が三百四十五キロ、中央道の
東京——富士吉田間九十三キロ、これを供用開始いたします。そのほかに約三千キロくらいな工事に着手したいというふうに
考えているわけでございます。このうち、供用開始されるのが約七百キロぐらいでございまして、いままでの東名、名神、中央を入れまして約千キロぐらいが四十六年ぐらいには供用開始できるのじゃないかというふうに
考えております。そのほかの、首都高速、阪神高速についても、現在の
計画を伸ばすということと、新規路線を着工するということでございまして、
昭和四十七年の三月、この新しい五カ年
計画が終わります時期におきまして、両方で約二千キロ近いものが供用開始されるのではないかというふうに
考えております。
そのほかに、現在の
一般国道でございますが、これの整備率がどれくらいになるかということでございますが、
一般国道は、御承知のように、もと一級国道と二級国道がございますが、もとの一級国道については一〇〇%改良舖装を完成さしたい。また、もとの二級国道につきましては、四十一年度末の整備状況が、改良で五四%でございますが、これを八〇%台に持っていきたい、舗装で五一%のものを九〇%台に持っていきたいというような目標で現在作業しております。
また、地方道につきましても、主要地方道が、四十一年度未改良が五一%を四十六年度末約六四・五%ぐらいに、
一般地方道の改良が四十一年度末二五%を二七・八%ぐらいまで上げていきたい。また、舗装につきましては、主要地方道が現在三二%の舗装率でございますが、これを六五%ぐらいに上げていきたい。また、
一般地方道につきましては、一二%の舗装率を、その倍の二四・五%に持っていきたい。
こういうのが、現在作業しております新しい五カ年
計画の大ざっぱな骨子でございます。