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1967-07-12 第55回国会 参議院 本会議 第24号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年七月十二日(水曜日)    午前十時十二分開議     ━━━━━━━━━━━━━議事日程 第二十五号   昭和四十二年七月十二日    午前十時開議  第一 国務大臣報告に関する件(昭和四十二   年七月豪雨災害について)  第二 防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正   する法律案趣旨説明)  第三 公立高等学校設置適正配置及び教職   員定数標準等に関する法律の一部を改正す   る法律案内閣提出衆議院送付)  第四 簡易生命保険法の一部を改正する法律案   (内閣提出衆議院送付)  第五 住居表示に関する法律の一部を改正する   法律案衆議院提出)  第六 日本専売公社法の一部を改正する法律案   (内閣提出衆議院送付)  第七 旧執達吏規則に基づく恩給の年額の改定   に関する法律案内閣提出衆議院送付)  第八 下級裁判所の設立及び管轄区域に関する   法律の一部を改正する法律案内閣提出、衆   議院送付)  第九 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を   改正する法律案内閣提出衆議院送付)  第一〇 戦没者父母等に対する特別給付金支   給法案内閣提出衆議院送付)  第一一 航空機工業振興法等の一部を改正する   法律案内閣提出衆議院送付)     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  一、請暇の件  一、故議員木暮武太夫君に対する追悼の辞  一、故議員木暮武太夫君に対し弔詞贈呈の件  一、検査官公安審査委員会委員文化財保護   委員会委員中央社会保険医療協議会委員、   運輸審議会委員電波監理審議会委員日本   電信電話公社経営委員会委員及び労働保険審   査会委員の任命に関する件  一、日程第一  一、議員派遣の件  一、日程第二より第一一まで     —————————————
  2. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。      ——————————
  3. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) これより本日の会議を開きます。  この際、おはかりいたします。  西村関一君から海外旅行のため明後十四日から八日間、浅井亨君から病気のため十日間、それぞれ請暇申し出がございました。  いずれも許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。よって、いずれも許可することに決しました。      ——————————
  5. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 議員木暮武太夫君は、一昨十日逝去せられました。まことに痛惜哀悼の至りにたえません。  大和与一君から発言を求められております。この際、発言を許します。大和与一君。    〔大和与一登壇拍手
  6. 大和与一

    大和与一君 私は、同僚議員各位のお許しを得まして、本院を代表いたしまして、去る七月十日午前三時二十五分、心筋梗塞と脳血栓を併発されて七十四歳にして急逝されました、私たちの仲間であり、大先輩であられました故木暮武太夫さんに対し、衷心より哀悼追憶ことばをささげたいと存じます。  まず、略歴を申し上げます。明治二十六年二月、群馬伊香保町に生まれました。大正六年、慶応義塾大学理財科を抜群の成績で御卒業、三井銀行に入社、間もなく感ずるところあって退社され、家業であった木暮旅館経営されました。大正十三年、当時「木暮正一」と名のって衆議院議員選挙に立候補、当選弱冠まさに三十一歳でありました。  政務においては、商工政務次官、大蔵省、厚生省顧問税制調査会会長憲法調査会委員参議院予算委員長運輸大臣等を歴任されました。党務においては、自由党政務調査会長自由民主党党紀委員長総務群馬自由民主党県支部連合会会長等々を歴任されました。財政経済界においては、群馬銀行、関東いすゞ自動車群馬バス群馬信用保証協会国際観光連盟慶応義塾大学等会長、社長、評議員などをしておられました。  私は、木暮さんの一生を、ドラマチックに追憶の糸をたぐって、皆さまとともに、御遺族方々もおいでをいただいておりますので、エピソードを交えてお話を申し上げたいと思うのでございます。  木暮さんは、群馬県の伊香保町でお生まれになりました。伊香保という温泉町は、榛名山の中腹にあり、山頂の榛名湖とともに万葉以来多くの歌人に歌われました。石の階段の多い道の狭い町ですが、明治大正のベストセラーともなった「不如帰」の冒頭は、伊香保ワラビ狩りの場面であります。徳富蘆花は、独特の名文で、伊香保春景色を遺憾なく描写いたしております。  木暮さんは、旧制前橋中学を出て、大正六年、慶応義塾大学理財科を卒業しました。大正六年と申しますと、三菱長崎造船所一万二千人の労働者が、三割賃上げ要求ストライキをして勝利をしたり、風速四十三メートルの豪雨死者七百七十人、行くえ不明三百七十四人も出たり、三越が新設されて、入り口にライオンの像が置かれて人気を呼んだときでありました。木暮さんは三井銀行に入社しましたが、感ずるところあって退社され、父祖伝来家業である木暮旅館経営に専念されました。  大正十三年、衆議院に初出馬されたのでありますが、当時、憲政擁護国民大会が芝公園で開かれるかと思うと、治安維持法反対労働団体大会東京で開かれていました。あるいはメートル法が実施されるし、「正チャンの冒険」と「のんきなとうさん」の漫画が、子供たちだけでなくて、おとなにも人気を呼んでいるときでありました。  木暮さんのおとうさんである先代武太夫さんは、政友会から七回も衆議院議員当選をされた自由民権連動の闘士でありました。その名門の衣鉢を継いだ木暮さんは、大正十三年五月、木暮正一として、当時野党であった政友会から立候補して、弱冠三十一歳にして、みごと金的を射とめたのであります。白乗数十年、戦争の間の紆余曲折はございましたが、郷土の大衆から絶対の信頼を得て、一貫して政治衣として大成をされましたのでございます。  去る昭和三十五年には、国会議員二十五年在職永年勤続者として、本院において院議をもって表彰を受けられたのでございました。  先代武太夫さんは、明治先覚者の一人である、あの有名な福沢諭吉先生の家に住み込んで親しく薫陶を受けておられました。正一こと木暮さんは、たびたび父に伴われて福沢先生顔容に接し、その人格と迫力に魅せられて慶応大学にお入りになったのでありましょう。  初当選のころ、国会図書館の語りぐさがございます。大正十三年のころ、毎日毎日、判を押したように国会図書館にあらわれる実に熱心な青年勉強家がいました。それが、当時の木暮武太夫さんでありました。この青年時代のたゆまない努力が実を結びまして、昭和十五年から十六年のころ、「雇傭利子及び貨幣の一般理論」の著書を世に問いました。そして、ケインズ理論が画期的なものであることを認め、今後の経済政策理論的基礎であることを知りました。そのころ学生たち木暮さんをたずねますと、とうとうとしてケインズ経済学を説き、注目すべき点を強調されておられました。当時、政友会木暮武太夫といえば、議政壇上においては格調の高い演説と、寸鉄人を刺す雄弁家として雷名を天下にとどろかせておられました。  他方、身を持するに暇なる木暮さんは、俗塵を避けて絵に親しまれました。一つの哲学観でもありましょうか、「人生はこの世に生きているだけである。来世とか死後の浄土は考えられないとすれば、長く生きて健康で世の中のために役に立ち、人に迷惑をかけず、趣味を楽しむことが人生の第一である。それには、相手がなくても他人に迷惑をかけず、一人で楽しむとすれば絵を描くことが最高であろう」と申したり、また「天に星のきらめきなく、地に美しくかおり高い花の咲くなきがごとく、人の世に愛情がなければ、索莫砂ごと人生だと思う。一幅の絵に人生の潤いを楽しめるのは、まさに具象画にありと信じて描き続けたい」と申されて、多忙な政治生活の中にあって、国会画人クラブ会長もやっておられました。  少し古い話でございますが、謙虚な人柄をしのぶこんな話もございました。東条内閣のときに、商工大臣の呼び声が高く、本人が希望すれば大臣になられる立場にあったのでございますが、あえて親友の小笠原三九郎さんに大臣の椅子を譲ったのであります。大臣病患者の多い当節、なかなか言うべくして行ないがたい美談として伝えられております。  昭和三十五年十二月、第二次池田内閣のときに運輸大臣になられました。大臣就任の連絡を受けたときにも、いまごろこの年寄りのおれが出る幕でもあるまい、若い人たちにやらせればよいのに、とおっしゃられながら、淡々とした心境でお引き受けになられました。一たび大臣に就任されるや、おもな仕事としては、一、日本開発銀行の海運融資について利子補給の道を開いた。二、港湾整備五カ年計画の総事業費二千五百億円を確保され、これに伴う法制整備を実現させた。三、新潟県の地盤沈下対策実施のため、港湾法の一部を改正して補助率を高めた。四、新幹線を、ただいまは皆さまがありがたいと異口同音に申されておりますが、当時の国鉄五カ年計画に拍車をかけて、世界銀行からの借款を取りつけた、五、アンカレッジ経由北極回り欧州線を実現されるとともに、北米線ニューヨーク以遠乗り入れをはかった。六、観光事業には特に気合いを入れて、観光を国策として、イタリア、ギリシャ、最近のスペインのように、外資の導入に全力を尽くすというような顕著な仕事をされました。  群馬県におきましては、先ほどの略歴においてもちょっと触れましたように、経済実業界に君臨した、と申しますか、豊富な金融財政問題への文字どおり見識と経験を生かされまして、行くとして可ならざるなく、隠然として大御所的存在で、みんなから敬愛されておりました。昭和三十一年には、自由党と民主党の保守合同が行なわれましたが、十人の見るところ、十指の指さすところ、文句なしに、自由民主党群馬支部連合会会長に推されて、自来十年間、民主主義発展と、地方自治の確立と、健全なる政党政治組織化に、心魂を注がれたのでございます。群馬県の政財界を風靡いたしたと申しても過言ではございません。  また、青少年の教育には特に意を用いられまして、群馬新聞少年後援会名誉会長をみずから買って出て、民間で初めて、群馬県内新聞少年代表を東南アジアに派遣をして、新聞少年を激励しました。それが端緒になって、全国各地新聞少年後援会が結成されましたことは御存じのとおりであります。  木暮さんは、孔子の言われた、「まつりごとは正なり」ということばを好まれまして、党人ではあられましたけれども、国民のための政治に徹して、清廉に信念を貫き通されました。  選挙も十回以上もおやりになられたのですが、名門であり財閥であられた木暮さんでしたが、トラックに乗って、夜、宿舎に着くと、奥さんが着物とたびを持って来られます。洗たくされて、きれいなのですけれども、あちこちにつぎが当ててある。それをまた、御本人は何の屈託もなく着がえておられたと、選挙について歩いた人たちが、達人だなあと感心して申しておられます。  私ごとでおそれ入りますが、東京オリンピックがありましたときに、スタンドでちょっと振り向くと、木暮さんはハンチングに軽装という、しょうしゃないでたちで、つえをついて熱心に観戦しておられました。カメラでスナップをとり、天皇さん一家のカラー写真も引き伸ばして差し上げましたところ、これはいいものをいただいた、一生の記念ですと、繰り返しお礼を申された温顔が、いまも目に浮かぶのでございます。  群馬県人であり、同じ選挙区で、しのぎを削ったこともある福田幹事長も、木暮さんをしのんで、「節操に固い人、がんこなほど節に強い人でした。人から何と言われても、案外平気で自分の思うことを断固として実行しました。郷党の先輩として心から敬意を表しておりました。」と申されております。この鉄の意志をお持ちになりながら、どなたにお聞きいたしましても、悪口を言わない人、謙虚な人、円満な、寛容な方だと申しておられます。  中国の偉大な詩人であり思想家である魯迅でしたか、「もともと地上に道はない。人が歩けば道になる。」ということばがありますが、木暮さんの大きな足あとが、歴史の歩みとともに点々として連なっております。  最近、国会議員に対する国民の皆さんからの批判の強いこの大事なときに、清廉潔白居士、大人の風があって、悠揚迫らなかった木暮さんの急逝にあい、巨星静かに落つの感が深いのであります。こいねがわくば、在天の英霊ほうふつとして、この私たち追憶の誠をお受け取りください。  以上をもちまして、故木暮武太夫さんに対しまする追悼ことばを終わらせていただきます。(拍手)      ——————————
  7. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) おはかりいたします。  木暮武太夫君に対し、院議をもって弔詞を贈呈することとし、その弔詞議長に一任せられたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。  議長において起草いたしました弔詞を朗読いたします。    〔総員起立〕  参議院わが国民主政治発展のため力を尽くし特に院議をもつて永年の功労を表彰せられました議員正三位勲一等木暮武太夫君の長逝に対しましてつつしんで哀悼の意を表しうやうやしく弔詞をささげます     ─────────────  弔詞贈呈方は、議長において取り計らいます。      ——————————
  9. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) この際、おはかりいたします。  内閣から、検査官白石正雄君を、公安審査委員会委員大場茂行君、岡村二一君、富田喜作君、平林タイ君を、文化財保護委員会委員久松衞一君を、中央社会保険医療協議会委員高橋正雄君を、運輸審議会委員石塚秀二君を、電波監理審議会委員杉村章三郎君、田中久兵衛君を、日本電信電話公社経営委員会委員芦原義重君、高田元三郎君を、労働保険審査会委員百田正弘君を任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。  いずれも内閣申し出のとおり任命することに同意することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立
  10. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって、いずれも内閣申し出のとおり任命することに同意することに決しました。      ——————————
  11. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 日程第一、国務大臣報告に関する件(昭和四十二年七月豪雨災害について)  塚原国務大臣から発言を求められております。発言を許します。塚原国務大臣。    〔国務大臣塚原俊郎登壇拍手
  12. 塚原俊郎

    国務大臣塚原俊郎君) 初めに、今回の豪雨により、不順にもおなくなりになられました方々に対して、つつしんで哀悼の意を表します。なお、罹災された多くの方々には、政府としてできる限りのことをいたし、    〔議長退席、副議長着席〕 一日も早く立ち直っていただけるように努力いたす所存でございます。  まず、被害状況と、それに対する政府対策について、簡単に御説明いたします。  梅雨前線日本南岸沿いに停滞していたところへ、台風七号くずれの熱帯低気圧の接近に伴い、しめった気流が侵入し、七月八日早朝から、北九州、瀬戸内地方にかけて大雨が降り、この低気圧が東北東に進むにつれて、強い雨域も近畿、中部地方に移動し、西日本各地大雨をもたらしたのであります。七日九時から九日十五時までの総降雨量は、佐世保市三五四ミリ、福江市三〇五ミリ、なお、九日には、三時間の間に佐世保市で一五九ミリ、呉市で一三三ミリ、神戸市で一四六ミリという記録的な降雨となり、長崎県、佐賀県、広島県、兵庫県を中心に西日本各地に大きな被害をもたらしたのであります。  今回の災害特色は、記録的な雨量が短時間に降ったこと、また、都市周辺部において特に人的被害が大きかったことであります。一政府といたしましては、急遽九日に、災害対策基本法に基づき、私を本部長とする「昭和四十二年七月豪雨非常災害対策本部」を設置し、強力なる応急対策を推進いたしております。非常災害対策本部は、直ちに本部会議を開き、政府調査団を現地に派遣することを決定し、昨十一日、上村副本部長団長とする兵庫班渋谷建設政務次官団長とする広島班久保農林政務次官団長とする長崎佐賀班の三班を編成し、被害状況調査いたしてまいりましたが、それらの特色は次のとおりであります。兵庫県では、山くずれ、がけくずれによる住宅被害と、これに伴う人的被害が大きかったことであります。広島県では、山腹崩壊渓流での鉄砲水による住宅被害と、これに伴う人的被害が大きく、また、都市(呉市)周辺の小河川のはんらんによる浸水被害が大きかったことであります。佐賀県、長崎県でもやはり山腹崩壊渓流での鉄砲水による住宅被害と、これに伴う人的被害が大きかったほか、冠水による農地被害が大きかったことであります。  災害発生に際しては、自衛隊消防団警察機関等が一体となって警備及び救助活動に従事しておりますほか、罹災者の救援につきましても、食糧飲料水供給被服寝具、医薬品の供与等災害救助法に基づく災害救助実施に万全を期しておりますが、災害状況が非常に激しいものでございまして、多数の死者、行くえ不明者が、本日七時現在において警察庁が調べたところによりますると、死者三百五名、行くえ不明者六十五名、負傷者四百六十二名を出しましたことは、政府といたしましてもまことに遺憾に思っております。  現在は、被害額など被害の全貌が判明いたしておりませんので、早急にその把握につとめ、応急対策の万全を期し、また、今回の災害特色を教訓として、原因等を十分調査した上、将来の対策を講じてまいりたいと考えております。(拍手
  13. 河野謙三

    ○副議長河野謙三君) ただいまの報告に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。山内一郎君。    〔山内一郎登壇拍手
  14. 山内一郎

    山内一郎君 私は、自由民主党を代表いたしまして、今回、西日本各地発生しました集中豪雨による災害について、総理並びに関係大臣に対し質問をいたしたいと存じます。  まず最初に、質問に入ります前に、私は今次災害犠牲となられました方々に対し、深く哀悼の意を表し、心からその御冥福をお祈りいたしますとともに、被災者皆様方に心からお見舞いを申し上げ、一日も早く災害の痛手から立ち直られますよう念願するものであります。  ただいま総務長官より、今回の災害発生に伴い政府がとられた応急措置につきましては概略の御説明がございました。政府として緊急に措置すべき対策について手抜かりはないものと思いますが、現時点における緊急対策としては、罹災者への食糧飲料水供給被服寝具供与災害に伴い起こり得べき悪疫の防止措置、今後なお、がけくずれ等の危険にさらされている住宅居住者避難対策応急住宅建設等があります。政府はこれらの点を早急に手を打ち、罹災者方々が今日の不安な状態から一日も早く脱却できるよう、あたたかい手を差し伸べ、指導されることが現時点において最も肝要かと考えられます。  そこで、まず総理に対し御質問を申し上げたい点は、今次災害に対する総理の心がまえであります。まず、罹災者に対し力づけていただき、安心をさしていただきたいのでありますが、政府は、着々と応急措置の手を打っておるから一日も早く立ち直ってもらいたい、万事私が引き受けたというお気持ちの御開陳をお願いしたいと思います。  さらに、総理にお願いしたいことは、後ほど関係大臣に御質問申し上げますが、応急措置に引き続いてやらなければならない、すみやかな災害復旧実施、これが第一点。さらに、今次の災害にかんがみて、今後措置をしなければならない災害防止基本対策、これが第二点。これらにつきまして、総理は、熱意を持って今後対処する御決意のほどをお示し願い、国民を安心させていただきたいと思います。  緊急措置に引き続いて実施しなければならない災害復旧につきましては、政府は、すみやかにその対策を立てられると思いますが、この際、大蔵大臣に次の諸点について所信をお伺いしたいと思います。  第一は、予備費緊急支出であります。予備費緊急支出は、これから台風期を迎えますので、河川応急復旧のため、また、農業関係では、本年度の稲作に間に合わせるため、農地農業用施設復旧のため、その他緊急な所要経費が必要であるからであります。  第二は、今次災害の激甚にかんがみ、激甚災害特別財政援助法の適用についてであります。  第三は、農作物の被害について、天災融資法の発動、自作農維持資金融資措置についてであります。  第四は、改良復旧ワク拡大についてであります。  第五は、復旧年限短縮についてであります。  以上の点は、従来の災害についても措置されておりましたが、特に今次の災害にかんがみて、第四の改良復旧ワク拡大、第五の復旧年限短縮については、さらに積極的に改善すべきだと考えられますが、大蔵大臣所信をお伺いします。  続いて、今次の災害にかんがみて、今後新しく措置を必要とする基本対策について、このうち、特に重要な二点、すなわち、急傾斜地崩壊対策事業の強化と、その法制化並びに治山治水事業五カ年計画改定について触れてみたいと思います。  今回の豪雨災害の従来にない顕著な点は、山くずれ、がけくずれにより、住宅が押し流され、あるいは埋没し、犠牲者死者、行くえ不明者を合わせて三百七十名という、予想以上に多かった点であります。しかも、神戸市、呉市、佐世保市のように、背後に山を控え、前面は海に面している、大都市人家密集地帯に多かったことであります。災害の様相は、年とともに変化しており、過去の災害は、大河川の破堤によるものが大部分を占めていましたが、近来は、中小河川、特に、都市河川の破堤、決壊による災害のほか、山くずれ、がけくずれの災害が顕著となってきております。今回の災害は、人口の都市への過度集中によるひずみが招いたとも言えます。山くずれ、がけくずれ災害といいましても、自然の山、自然のがけ崩壊、あるいは造成宅地崩壊等、その態様はさまざまでありますが、いずれにしても、最近の災害におけるがけくずれの多発は、都市計画あり方宅地開発あり方等についての問題を提起していると考えられます。最近の急速な、しかも乱雑な都市開発、さらには地価の高騰による土地の入手難は、次第に宅地崩壊のおそれある山地に、あるいは洪水の危険のある低地帯に追いやり、従来は災害のおそれのあるため建てなかった地域に、危険と知りつつ住宅を建てるという現象が生じており、このような傾向を放置しておけば、今回のような災害あとを絶たないことは明白であります。政府は、かかる事態に対処して、造成する宅地については、宅地造成等規制法住宅地造成事業に関する法律に基づいて、すでに対処され、効果があらわれていますが、さらに本年度より新たに、自然のがけ崩壊による災害を防止するため、急傾斜地崩壊対策事業費として一億円予算を計上されましたことは、まことに的確な措置と言えます。しかし、聞くところによりますと、現在調査中であり、政府部内の意見の調整ができないまま、せっかく新しい予算が組まれたのに、いまだにその執行がおくれているのは、遺憾であります。そこで、大蔵大臣及び建設大臣所信をお伺いしたいのでありますが、急傾斜地崩壊対策事業の本年度事業を早急に着手すること、次に、今次の災害にかんがみ、今後の予算を大幅に増額すべきと考えられますが、この点について大蔵大臣建設大臣所信をお伺いします。  さらに建設大臣にお伺いしますが、木事業地すべり等防止法と同様に法制化し、積極的に災害防止に取り組み、地すべりと同じように危険家屋の移転に対する措置等について規定すべきと考えられますが、この点の所信をお伺いします。  次に、観点を変えて、水害を根絶する基本対策について触れますと、水害の根絶は治山治水聖業の完全実施にあることは言うまでもありません。政府は、昭和四十年度より新たに治山治水事業五カ年計画を樹立し、これに基づき事業を実施し、その効果をあげていますが、今次の災害、また、最近の相次ぐ激甚な災害にかんがみる場合、この五カ年計画の規模がはたして適正なりや、また、この計画をもってはたして政府国民が安心できるような防災対策と言えるかどうか、いささか疑問を感ずるのであります。特に最近の都市及び都市周辺部等の開発の進展には、治山治水事業は完全に立ちおくれであり、先行投資すべきものが逆の立場になっていることは、まことに遺憾であります。このような事態に対処して、治山治水事業の画期的な拡大、要すれば昭和四十一年度より治山治水五カ年計画改定して、災害防除の根本対策を講ずる必要があると考えられます。  そこで、総理並びに建設大臣所信をお聞かせ願いたいのでございますが、ただいま申し上げましたように、昭和四十二年度より治山治水五カ年計画改定して、災害防除の根本対策を講ずる必要があると思われますが、積極的な所信をお伺いしたいと思います。  最後に、気象予報について運輸大臣所信を承りたいと思います。気象予報につきましては、気象庁の絶えざる研究により逐次改善されつつありますが、まだ異常集中豪雨の予測等について的確性を欠いていることは遺憾であります。現在の防災施設の状況では、防災対策が適切に行なわれるかいなかは、気象予報の的確性によるところが大であります。この点を十分認識され、今後気象に関する予算を十分に確保され、一そうの研究を積まれ、国民の信頼を受けるような気象予報ができまするよう要望するものでありますが、この点について運輸大臣所信をお伺いをしまして、私の緊急質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣佐藤榮作君登壇拍手
  15. 佐藤榮作

    国務大臣(佐藤榮作君) 山内君にお答えいたします。  今回の災害にあたりまして、多数の死者、行くえ不明、また被災者を出し、財産等を失わしめたということ、まことに残念に思います。心から被災者の各位に対して御同情を申し上げ、つつしんで冥福を祈るとともに、再起されるよう、この際に政府として考えられるものは積極的に考えてまいるつもりであります。  ところで、私が申し上げるまでもなく、災害から国土と国民の生命財産を守ること、これは政府に課せられた大きな責務だと、かように思っております。そういう意味で、いままでもすでに災害基本法等ができておりまして、それに基づいての防災基本計画というものを立てて、それぞれ長期的な計画と取り組んでおる、これは御承知のとおりであります。しかしながら、今日なおこの種の非常災害が起こる。まことに残念に思っております。恒久的なこれら計画を、さらに内容を充実整備さす、これは当然でございますが、一たん起こりました災害に対しましては、御説のように、時期を失せずこれが対策に万全を期する、これが政府の責務だと、かように考えております。  先ほど塚原君から御報告申し上げましたように、政府におきましては、対策本部を直ちに設け、現地に調査班を差し向け、また、その指導といたしましても、災害救助法の定むるところによりまして、食糧飲料水、さらに衣料等の確保をはかるとか、また避難所を設けるとか、特に疫病の防止については特に意を用いる、かような態度をとっておるのでございます。  また、中小企業対策も、この際、災害に対しての特別な考慮を払わなければならない、かように考えておりますので、税制、金融の面、あわして、中小企業の方々が立ち上がるのに遺憾なきを期しておるような次第であります。  また、災害復旧の工事等におきましても、これは御経験から十分御存じのように、原状復旧を原則といたしましても、さらに将来の災害防除と、こういうような意味から、これに関連工事をも認めるということで、改良計画をも加えるということで、これに対処する考えでございます。  また、最後に、治山治水五カ年計画、さらに海津保全の計画等がございますが、これにつきましても、最近の経済発展の結果から、市来の計画だけではどうも私は不十分ではないかと思います。最近の実情に応じた対策を立てる必要があると思いますので、これら五カ年計画、長期的なものを再検討いたしまして今後の万全を期す、かように考えておるのでございます。(拍手)    〔国務大臣水田三喜男君登壇拍手
  16. 水田三喜男

    国務大臣(水田三喜男君) お答えいたします。  予備費の件についての御質問でございましたが、ただいま各省は、すでに査定官を現地に派遣して調査中でございますので、この調査の結果を待って、直ちに予備費支出の措置をとるつもりでございます。  それから激甚法の適用についてのお尋ねでございましたが、これも御承知のように中央防災会議できめた一つの基準がございますので、この基準に照らして適用を決定することになっております。ただいま主務官庁に、都道府県から実情について刻々報告が集まっている最中でございますので、この全貌が把握でき次第、早急にきめたいと存じます。  その次は、災害復旧についての改良復旧拡大についての御意見でございましたが、災害復旧事業費国庫負担法という法律におきましては、原形復旧が原則とされております。しかし、原形復旧のみでは災害をまた繰り返すと思われる場所は、御承知のような改良復旧を現在やっておるところでございますが、結局、今後改良復旧ということを実情に応じて拡大するのがやはり災害を防止するゆえんであると存じますので、この拡大には私ども十分今後つとめたいと考えております。  それから災害復旧の期間繰り上げについての問題でございましたが、現行法では、緊急を要するものは三年以内、その他の災害は四年間をもって復旧するというたてまえになっておりますが、これを少しずつ繰り上げておりまして、本年度予算で見ますというと、四十年に発生した災害は八八%まで本年度片づける、四十一年度発生した災害は七一%までの復旧をはかるというふうに、法定されておる期間を相当繰り上げた予算をただいま実施しておるというところでございますので、今後財政の許す限り、さらにこの復旧速度の促進をはかってまいりたいと存じます。  急傾斜地の対策についての問題でございますが、本年度全国的に急傾斜の地帯を調査するということをきめまして、調査費を計上しましたと同時に、もう来年まで待たないで、結果がわかり次第予防工事をやっていくというふうに工事予算も本年度は計上した次第でございましたが、間に合わないでいろいろこういう災害を起こしたことは、非常に遺憾だと存じます。今後引き続いてこの対策は強化するつもりでおります。(拍手)    〔国務大臣西村英一君登壇拍手
  17. 西村英一

    国務大臣(西村英一君) いろいろお話がございましたが、まず第一点は、現行の治水五カ年計画のことでございますが、総理大臣も触れられましたように、この五カ年計画につきましては、建設省といたしましても再検討をただいまいたしておる最中でございます。最近のこの事故、災害、あるいは社会の変還等から考えてみまして、どうしても都市中小河川が非常に問題が多いわけでございます。それからまた、急傾斜の対策というようなものも一方考えなければならぬ。それからまた、水需要につきましても、人口の増加をやはり考えなければならぬというようなこと等がありますので、現在の治水五カ年計画の規模では対処できないようにあるのでございます。したがいまして、この点は十分今後検討をいたしたいと、かように考えております。  それから、もう一つは、急傾斜の崩壊によって非常に事故が起こるのでございますが、これは四十年、四十一年の事故も同じようなことでございます。したがいまして、ただいまは、大蔵大臣からもお話がありましたように、新しい項目として急傾斜地崩壊対策事業費というものを計上いたしたのでございます。しかし、一がいに急傾斜と申しましても、非常に全国的に個所が多いのでございます。わが国の地形の現状といたしましては、そういうがけの下に家があるというようなところがたくさんあるわけでございまして、まず第一は現状の把握でございます。したがいまして、私たちはただいまは各都道府県に命じまして精密な調査をいたしておる最中でございます。今回の事故もこういうようなことから起こったものが非常に多いのでございます。この点につきましては、今後これを法制化するかどうかということにつきましても検討をいたしたいと思っております。がけ下におけるところの住宅の移転につきましては、これはがけ下等の住宅につきましては、危険があれば移転を勧告する。さらにその移転のためには住宅金融公庫等の貸し付けもあるのでございまするから、政府といたしましては、つとめて事故が起こらないように留意いたしたいと思う次第でございます。(拍手)    〔国務大臣大橋武夫君登壇拍手
  18. 大橋武夫

    国務大臣(大橋武夫君) 集中豪雨のような局地現象の気象予報は、残念ながら非常に困難でございます。そこで、現在のやり方といたしましては、大雨が降りそうな状態が予測され、被害が予想されたときには、まず注意報を出し、次いで雨の降る様子を見まして、この様子では重大な災害が起こるおそれがあると予想されたときに至りまして警報に切りかえるという方法をとっておるわけでございます。今後災害を防止軽減するためには、各種の予報の精度を高め、効果的な予警報や気象情報を迅速的確に発表し、周知することが必要でありますので、気象庁としても一そう努力するつもりでございますが、特に今次の災害にかんがみまして、集中豪雨の研究、レーダー網の整備強化、雨量観測網の充実等を推進して、今後集中豪雨について、地域的な予報、警報を出せるようにくふういたしたい考えでございます。(拍手)     —————————————
  19. 河野謙三

    ○副議長河野謙三君) 中村順造君。    〔中村順造君登壇拍手
  20. 中村順造

    ○中村順造君 私は、日本社会党を代表いたしまして、昭和四十二年七月豪雨被害に関連をする防災並びに対策一般について、政府に、その対策と今後の防災についての質問をいたすものであります。  質問に先立ちまして、まず今次災害におきまして、あるいは濁流にのまれ、あるいは土砂の下敷きとなって、とうとい生命を失われた三百数十人の被災者方々に深く哀悼の意を表するとともに、被害者の各位に心からなるお見舞いを申し上げる次第であります。  戦後、梅雨前線豪雨による被害で、死者百人をこえる災害発生は、昭和二十八年以来、三十二年、三十六年、三十七年、三十九年、そして今回と、実に六回の多きに達しておるのであります。そのつど人的にも物的にも甚大な損害をこうむっておるのであります。  これらの現状からいたしますと、いたずらにその原因が、予想以上の集中豪雨とか、基準をこえた雨量増加などと言っておられない多くの問題点がありまして、この際、天災であるというより、むしろ人災として、これらの問題点を把握して、その解決に全力をあげなければならないのであります。  特に今回の災害が、市街地におけるがけくずれ、都市における中小河川のはんらんなど、その実態は、政府の無為無策と相まって、まさに人災の感を深くし、激しい憤りさえ感ずるものであります。  政府はこの際、先年、制定をされました災害対策基本法の初心に返り、国土並びに国民の生命、身体及び財産を災害から保護するため、責任の所在を明確にするとともに、防災計画の作成、災害予防、応急対策災害復旧及び防災に関する財政金融措置等、防災行政の全般に関して、この際、総理所信をお尋ねするものであります。  そこで、関係各大臣に具体的に質問をしますが、まず、大橋運輸大臣に対し、今次災害の根本原因である大雨に対する気象通報、特に予報の点について遺憾な点はなかったのか。新聞等の報道によりますと、ある一部の地域の予報おくれを指摘しておりますが、私の調査でも、和歌山県の大雨、洪水警報の発令が十日四時三十五分となっておりますが、この時期におきましては、すでに和歌山地方は二一五ミリの大雨が降ったあとであったことが判明いたしておるのであります。  こうした天気予報、警報など、台風時における災害等を含めまして、気象庁の適切なる措置を確保する見地から、気象庁全体の予算要求に対しまして、昭和四十一年には全体の大体三〇%程度が認められる仕組みになっておるにもかかわらず、この場合は一〇%以下、昭和四十二年におきましても、わずかに一二%増が認められたということでありますが、この点過小であり、今後増額する必要があると思いますが、大臣所信を伺います。  また、交通機関の災害でありますが、復旧に全力を傾注された被災地の関係者には敬意を表します。しかし、こうした異常の状況下にある国民感情として、可能な限り復旧を早め、早急に民意の安定をはかるためには、交通機関の確保については特に万全の措置を必要とすることは申し上げるまでもありません。大臣の御所見とその措置について、いかなる方策をとられたかお尋ねをいたします。  次に、西村建設大臣にお尋ねいたします。  さきにも申しましたように、今次の災害は、佐世保、呉、神戸、また先年の横浜等の災害を含めまして、その実情からいたしまして、防災を忘れた工業重点の国土開発の非難を受けておるのであります。これらの地域は、いずれもわが国にとっては重要な商工業都市で、しかも、地勢上、港に面した急傾斜地帯であります。こうした地帯に豪雨、強風など単純災害のあった際、都市化、人口過密化など、人為的な要素が加わりまして、重大な災害をもたらすのであります。また、このことは、急傾斜地という地勢面のみでなく、人口の集中化した市街都市における中小河川についても同様のことが言えるのでありまして、市街地における宅地造成の急速な実現により、従来比較的問題のなかった中小河川が、たまたま異常降雨などにより、溢水、はんらんの災害発生することも人工災害のそしりを免れないのであります。私の調査したところでは、建設省は昭和四十二年度から急傾斜地崩壊対策費としてわずかに一億円を計上しておりますが、本年は暫定予算という特異な情勢から、いまだに実行されない状況にあり、今日まで、すでに建設省が危険な急傾斜地として調査したものが全国で六千数百カ所あることがわかっております。その対策費がわずかに一億円、さらにその使用についても大蔵省との折衝が難航しておる実情は、あまりにも国民を危険にさらす政治の貧困と言わざるを得ませんが、大臣所信を伺いたいのであります。  さらに、都市における中小河川の改修について質問をいたします。今次災害地における中小河川について申しますならは、五島列島における福江川、長崎県における相ノ浦川、佐世保川、佐々川、佐賀県における有田川水系及び伊万里川、山口県の粟野川、兵庫県、特に神戸市を中心にする宇治川など、その改修に対する建設省としての努力は認めるといたしましても、その予算規模、実施計画等は、治山治水対策を含めて、常に災害規模に追いつかない現状を大臣はいかに認識をされ、また、いかなる具体策をもって対処されようとされるのか、お尋ねをいたします。  また、ますます人口過密化される都市における宅地造成及び住宅建築でありますが、これらの問題がいたずらに不良造成業者や建築業者の利潤追求にまかされたり、あるいは県条例の規制等にまかすことは、防災の見地からは適当でないと考えられますが、大臣の見解をお尋ねいたします。  次に、水田大蔵大臣にお尋ねいたします。先ほど来、私が申し述べております気象庁の関係予算、建設省の河川改修の予算規模、また、将来かなり多額の費用を必要とすると見られる急傾斜地崩壊対策事業に要する予算などに対する措置につきましての御所見を伺うと同時に、今次災害復旧に関する予算措置、特に予想される激甚災害地の指定と、これに関する特別の財政援助等に関する法律の適用による予算措置、あるいは災害救助法天災融資法適用などによる一連の予算確保についての御所見をお尋ねをいたします。  最後に、塚原総務長官にお尋ねをいたします。あなたは政府災害対策本部長でありますが、御承知のように、わが国は災害多発国として、災害対策基本法をはじめ、法律的にはその援護及び復旧についての形態はやや整っております。しかし、私が申し上げたいのは、その運用と実施であります。地すべり、山津波、がけくずれ、はんらんなど、一瞬にして肉親を失い、あるいは貴重な財産を失った国民は、ぼう然自失、そのなすところを知らず、ひたすらにあたたかい政治の救いの手を待つその気持ちには十分御理解を持っておられると思います。人口の過密対策も治山治水対策も、宅地造成、住宅建設も、大災害の前には全く万策尽きた感のある現状から、せめてその災害に対しての被災者対策ぐらいは、政府の責任において、あたたかい、日の当たる政治を期待いたしたいのであります。私の聞くところによりますと、けさの新聞も報道いたしておりますけれども、先ほど御報告のありました、政府調査団が、ある地域においては、日程の都合に藉口いたしまして被災者心理を無視したということは、全く遺憾のきわみであります。具体的には、被災地に対する応急住宅の建設、農業災害に対する緊急措置河川復旧対策、交通機関の復旧、伝染病の予防、物価対策など、当面急を要する万全の対策が必要でありますが、まず、死亡者の弔慰、行くえ不明者の捜索、被災者の救助に全力をあげ、しかも事態はまことに急を要することは申し上げるまでもありませんが、これらの点について、特に対策本部長としての御所信と、具体的にとられた措置についてお尋ねをいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣佐藤榮作君登壇拍手
  21. 佐藤榮作

    国務大臣(佐藤榮作君) 中村君にお答えいたします。  私に対するお尋ねは、政府の基本的方針についてのお尋ねであったと、かようにお聞きいたしたのでありますが、先ほど山内君に対しましてもお答えいたしましたように、災害から国土並びに国民の生命、財産を守るということ、これは政治の基本的姿勢でなければなりません。また、政府も、さような観点に立ちまして、災害対策基本法の定むるところにより、総合的、計画的な災害防止対策を立てておるわけであります。それらの点については、それぞれの大臣から説明するだろうと思いますが、いずれにいたしましても、この計画をただおざなりにするのでなくて、さらに今回の苦い経験をも参考にいたしまして、予算の許す限りその内容の充実整備に今後とも努力するつもりであります。一たん起こりました災害に対しましては、迅速にこれを処理すること、これは当然であります。それも、ただ単に災害というだけでなく、国民の生活を守るという観点に立ちまして、災害から生じた幾多の現象に対してそれぞれ対策を立てなければならないと思います。特に緊急を要しますものは、この際、疫病の流行、その危険防止でありますから、消毒につきましては特に留意をいたさなければならないと思います。幸いにいたしまして、今回は、疫病の流行の危険はただいまのところないようでございます。私は、お尋ねの点もこういうような点に御趣旨があるのだと思いますので、早期復旧もさることながら、ただいまの生活を中心にしての応急対策に万全を期して、さらに実情の調査を待った上でこれに対する対策をそれぞれ時期を失せず打っていきたいと、かように考えております。(拍手)    〔国務大臣大橋武夫君登壇拍手
  22. 大橋武夫

    国務大臣(大橋武夫君) 今次集中豪雨に際しまして、長崎、福江、佐賀、福岡等の注意報、警報の発令手続は、災害発生の前日に注意報を実施して防災の注意を喚起し、その後、降雨状況を監視し、重大な災害を引き起こす雨量の基準に到達すると予想されました地域について、警報に切りかえるということにいたしておりました。  現在の技術及び機構といたしましては、このたびの時間以上に早く警報を発するということは非常に困難であったといわれております。ただし、一つ遺憾でございましたのは、剣山及び和歌山地方気象台の通信施設がいずれも落雷のため全面的に破壊し、関係方面の予報がおくれ、特に白浜地区においては、二時間おくれたという点でございまして、かような非常の際の準備があらかじめ完全でなかったという点は認めざるを得ないと存じます。こうした点は、全国的にあろうと存じますので、この際すみやかに改善をはかる所存でございます。  なお、将来の気象庁予算についてのお尋ねでございますが、来年度予算要求にあたりましては、運輸省としては、重点施策としてぜひ予算獲得に努力をいたしたいと存じます。  また、このたび国鉄主要幹線の途絶を見たことは、まことに遺憾でございます。当局といたしましては、主要なる線路から早く復旧していくように努力をいたしまして、本日八時、不通個所は、九線、四十七区間であります。  また、私鉄では、呉の市電、阪神、阪急等、通勤用に用いられる私鉄線路が現在不通となっており、いずれも復旧の予定は未定となっておりますが、これは通勤対策としても非常に支障がございますので、復旧を督励いたしておる次第でございます。(拍手)    〔国務大臣西村英一君登壇拍手
  23. 西村英一

    国務大臣(西村英一君) 都市中小河川につきましては、従来とも非常に力を入れてまいっておるのでございます。しかしながら、今回の事故にかんがみましても、これは、都市河川は最も重要と考えて、今後とも力をいたす次第でございます。四十二年度におきまして、中小河川といたしまして、九百二十七カ所ぐらい着手をいたしております。その中で、特に改修を急がなければならぬ河川災害河川であるとか、あるいは都市のいわゆる中小河川、その他内水のひどい河川、そういうようなものにつきましては、三百三十カ所ほど着手をいたしておるのでございます。このように重点的に取り扱っておりまするけれども、なお、最近の都市の開発の状況を見まして、なかなか追っついていかない現状でございます。したがいまして、現在の治水五カ年計画におきましても、さらに新しい観点から、今後中小河川を見直していきたいと思っております。ただ、中小河川は、非常に川が小さいわりあいに、その改修が、非常に技術的な困難さと、非常に大きい金がわりあいにかかるのでございます。したがいまして、新しい観点から、一ぺんこの治水事業を見直していきたいというのが私の考え方でございます。  それから急傾斜の問題でございまするが、さいぜんも申しましたように、この問題は、従来のやっぱり事故にかんがみまして、政府としては、等閑視するわけにはいきません。したがいまして、今年度も、大蔵省との折衝におきまして、新しい項目として、急傾斜地崩壊対策事業費というものを計上いたし、いまその緒についたばかりでございます。実際は、さいぜんも申しましたように、非常に全国的には個所が多いのでございまして、それをただいま都道府県に命じまして、厳密な調査をいたしておるのでございます。その調査を待って、実行予算もあるわけでございまするから、これから漸次着手をしたい、かように考えておるのでございます。  それからもう一つは、住宅宅地の問題でございまするが、この点につきましても、やはりこの危険な場所については、宅地住宅の点については規制するような法律もできております。全国で、いま宅地等規制法によりまして、相当な県に対しましても指定区域をつくって、これを指導いたしておるのでございまするが、今回の事故にかんがみまして、さらにこの規制法の指導をうまくやり、また強化をしなければならぬ、かように考え、あくまでも良好な宅地供給したい、かように考えておるものでございます。(拍手)    〔国務大臣水田三喜男君登壇拍手
  24. 水田三喜男

    国務大臣(水田三喜男君) 気象予算についてのお尋ねでございましたが、気象レーダーの整備とか気象通信施設の近代化ということを中心にいたしまして、本年度は気象予算を相当重点的に考えたつもりでございます。要求予算が百八億円でございましたが、九二%の査定で百億円を計上しております。しかし、昨日の閣議でも大橋大臣からお話がございましたが、こういう集中豪雨というような問題に対しましては、普通の予防警報がかりに手落ちなくいったにしましても、災害が避けられない場合がある、したがって、やはり各市町村で雨量計をみな備えておって、こういう問題には、地方的にもこの気象台の警報を待たずに対処するというようなことも必要であろうというお話がございましたが、こういうことについての予算も私は来年度は十分考えたいというふうに考えております。  それから急傾斜の問題は、先ほど建設大臣からお話がございましたが、がけくずれの多い原因はいろいろございまして、その一つは、やはりあまり責任のない宅地造成業者の宅地建設というものが原因ではないかと考えられます。もしそうだとすれば、原因者がはっきりしておりますので、このがけくずれの対策については、この原因者に工事させるということをいたしますし、そうでなくて、原因の不明確なものにつきましては、地方団体がまずこの対策を立てる、地方財政によって無理だというようなものについては、大がかりなものは国が援助するというような形でやらないと、全国何千カ所というものの処理を急速にはできないと思われますので、先ほどから申されておりますように、この調査を全部ここでやる、そうして調査ができ次第、原因別に分けて、そうして国がやるべきもの、地方がやるべきものというような、実施予算もことしは伴わせて、調査費を盛ったというようなぐあいでございますので、今後この対策は相当力を入れて促進するつもりでございます。  それから激甚法の発動についての御質問でございましたが、先ほどお答えしましたように、全貌がわかればすぐに発動したいと思います。それらに対する予算措置の御質問でございましたが、予算措置は、もうこれは十分遺憾なきを期したいと思います。  非常に、あまりほめられることでございませんが、毎年災害があるために、災害に対する対策というものは、実にこれは迅速にいくように各官庁とも、いままで経験によってできておりますので、起こったことに対する措置は、私どもは予算措置その他については、万全を期すつもりでおります。(拍手)    〔国務大臣塚原俊郎登壇拍手
  25. 塚原俊郎

    国務大臣塚原俊郎君) 日本の置かれている立場は、地理的に見ても、また自然的な条件から考えましても、非常に災害の多い国でありますから、それだけに国民と財産、国土を守るということを、われわれは政治の基本姿勢としておるわけであります。特に昭和三十六年以来、災害対策基本法というものができまして以来、これにのっとりまして基本計画の策定、さらに防災体制の確立、防災事業の促進、もちろん、これは科学性を持った仕事であります。また、災害が起きたときにどう対処するかというための処置、そういったものについては、非常な努力を重ねておるわけであります。  今回の梅雨前線の停滞ぎみに、さらに七号くずれがぶつかった。七日の情勢から、九日の朝あたりから、これはあぶないというので、九日は日曜日でございましたけれども、災害基本法に基づく災害非常対策本部を設置いたしまして、十日から連日関係各省庁を集めまして会合を開き、連日対策を練っておるわけであります。この応急措置についても、万全の措置をとっておるのであります。  昨日三班に分かれて現地に調査団も出ておりまして、きょうこの会議の終わり次第、全部を集めまして、さらにその報告に基づいて今後の措置をとるつもりでございます。  どういう措置をしたかという御質問でありますが、御質問の中にもございましたそのとおりのことを、私はやったわけであります。たとえて言うならば、なくなられた力に対しては弔慰の方法をとる、あるいは行くえ不明者を一分一秒も早くこれを探し出すこと、さらに罹災者を立ち上がらせること、それから河川砂防対策を強化すること、あるいは農業をどうする、通信、交通施設の復旧、中村委員その点をおあげになっておりましたが、これは十日の日にその点を強く指示いたして、各省庁ともこれをやっておると考えております。特に今回の場合には、非常に都市災害と申しますか、文明になれた方々被害が大きかったために、電気が消えたり、あるいは水がこないというようなことから、それの強い要望が来ておりますので、防疫、給水対策についても万全の措置をとっておる。幸い一日たって一車線だけが通る道路というものは、全部開通いたしましたので、最後の末端までは、あるいはどうかと思いまするが、私の報告を受けておる範囲では、そういった措置は大体とられておると考えます。なおまた、応急対策に専念いたしておりますが、これを教訓として、今後の問題に取り組む資料も、十分研究しなければならないと考えております。  さらに今後の問題として、あるいは民生を安定させ、あるいは経済を復興させ、大蔵大臣が答弁されましたように、あるいは激甚災害の指定、あるいは天災融資法の発動、今後の問題と思いますが、そういったものにつきましても、政府は万全の措置をとる考えでありますし、今後とも中村委員御指摘のように、災害日本にとってなさねばならぬ問題は、十分検討し、また万全を期したいと考えております。(拍手)     —————————————
  26. 河野謙三

    ○副議長河野謙三君) 原田立君。     〔原田立君登壇拍手
  27. 原田立

    ○原田立君 私は公明党を代表しまして、ただいま総務長官より報告されました集中豪雨状況について、若干の質問をいたしたいと思います。  質問をいたします前に、今回の豪雨により、三百余人の方々が、一瞬にしておなくなりになりましたことは、まことに痛惜にたえず、ここにつつしんで心から哀悼の意を表するものであります。  さて、今回の豪雨は、日本列島の負うところの宿命的な災害であります。毎年台風シーズンともなれば、強烈な雨、風及び大小さまざまな惨状を、大きな鉄のつめによって引き起こしております。三十二年七月の長崎県諫早豪雨や、今回のように死者百人以上もの被害を与えた大災害は、過去十五年間に実に六回も数え上げております。台風豪雨一たび吹けば、五千億円からの被害をもたらすともいわれております。軽々に見のがしてはならない国家的大問題であり、その対策が強く望まれているところであります。  以下、項を追って質問を行ないたいと思います。  まず初めに、総理大臣にお伺いいたしますが、今回の豪雨は天災にあらず人災であるといわれております。すなわち事攻は起こるべくして起きた、未然に防止することは幾らでもできた、それをやらなかったために起きた事故であるということであります。重点的予算の運用によって事故の絶滅をはかるのが為政者の責任であると思いますが、総理大臣として今回の豪雨による事故の責任をどう考えておられるかお伺いしたい。測候所の人数をふやしたらどうか、気象観測等につき人手不足によりなかなか予報の観測がうまくいかない、そういう現状も聞いております。予報の打つ手が、今回の場合、間違いではなかったろうが、おくれていたことは事実であります。こういう災害のときはあらかじめ各省連絡し合って行なうべきであります。そこで、気象観測の基礎データを集めることは緊急要事であります。そのため、新たに高層観測点を実施できる計画及び予算措置を講ずる必要があると思いますが、いかがお考えでしょうか。そのためにも、気象庁による飛行機観測ができるよう、充実すべきであると思いますが、いかがですか。なおまた、地すべり対策事業は事故が発生しなければ手が打てない、いわゆるうしろ向きの法律であります。事前に、常時工事が着手できるよう、法改正すべきだと思いますがいかがですか。  次に、建設大臣にお伺いしますが、昭和四十年度を初年度とする治水五カ年計画も、社会の情勢の推移によっておくれがちになり、今回四十三年度を初年度として第三次の新治水五カ年計画をなされると聞いておりますが、いままでの長期計画はその中途において改定ばかり行なっております。この際、三ヵ年計画ぐらいにしたらばどうか、総額一兆一千億円ともいわれておりますが、単純に計算しても一年間に二千二百億円であります。在来の予算より若干ふえてはおりますが、どういう仕事をどれだけなさるのか、構想をお聞きしたい。  今回の豪雨は、河川のはんらん、山林の宅地造成等が事故の重要原因でありますが、まず、宅地造成等規制法が施行されておりますが、施行前及びあとの工事状況等の危険度はどのくらいありますか。どういう対策を立てられるのですか。法施行前につくられた造成地等につき、国として調査、実地指導をやっておられると思いますが、いかがですか。  住宅工場等の建設に関して自然条件の不良地域、すなわち危険度の高い地域に対する規制措置を考えるべきであると思いますが、いかがでしょうか。  また、今度の中小河川の改修予算ではどのくらい増額するのか、佐藤首相も特別指示をしておりますから、少額のものではないと思いますが、いかがでありましょうか、お伺いいたします。河川の管理権は従来問題になっておりますが、現在県で行なっておりますが、これを市に委譲してほしいという意見がありますが、いかがでございましょう。中小河川の川底のしゅんせつについての基準を設けるようにすべきであると思いますが、いかがですか。  現在の災害復旧工事は、いまもお話がありましたが、原形復旧であります。これでは再び同一災害を起こす危険があるのであります。したがって、改良復旧すべきであると思いますが、資金面において押えられていると聞き及びます。大臣改良復旧の原則をこの際打ち立てるべきであると思いますが、いかがですか。  現在の河川対策は普通五〇ミリぐらいの雨量に対するものと聞きますが、これを一〇〇ミリぐらいまで持ちこたえられるような基本的構想を持つべきであると思いますが、いかがでしょう。計画洪水量を検討し直す意思はないかどうか。  総務長官にお伺いいたしますが、所管違いであるかと思いますが、御答弁いただきたいと思います。  佐賀県唐津市においては、ミカン園の土地造成が非常に数多くございました。ところが、その地域がほとんど集中豪雨により、めちゃめちゃにやられており、そのために、多くの人がなくなっております。全壊とか人命事故が非常に多い。基本的な、対策を打ち立てるべきと思うが、いかがでしょうか。  私は、佐賀県伊万里市、有田町、西有田町、佐世保市の現地を見、激励してまいりましたが、飲料水がない。ほとんどの水源地が、土砂の流入により、普通の透明度の百四、五十倍の不透明になっていて、使用にたえない。だから、それをもろ過して配水しているのでありますが、市民は飲料水としての使用を不安に思っております。自衛隊の給水班によって行なわれているが、それも、はかばかしくない。給水車に至っては、一日一回回ることがあるかどうかというような現状を聞いております。至急対策を講じられたいと思います。  また、佐賀県においては、急激な増水により、電話局がまずつぶれ、使用不能であった。そのため、県全体の情報収集及び連絡の徹底ができず、事故の発生に対しておくれたのは、非常に遺憾であります。このような事故発生のときに、警察の無線連絡網を充実しておけば、災害の的確な掌握ができると思うが、いかかでしょう。  次に、運輸大臣にお聞きしたい。先ほど総理大臣にもお伺いしましたが、気象観測の基礎データづくりの予算措置を大幅にふやし、もって、事故の絶滅をはかる前向きの姿勢を持つべき問題であります。この際、はっきりと今後の方針を御明示いただきたい。新たに高層観測点を二、三カ所増設する計画はないか。はたまた、気象庁で飛行機観測を実施する計画を組んだらばいかがでしょう。また、この数日中に新たな豪雨があると報道されておりますが、その対策は十分立てられておりますかどうか、お伺いいたします。  最後に、大蔵大臣にお伺いいたしまするが、現地はいまや、再起に向かって必死の努力をしております。先立つものは資金であります。災害対策費はいつごろつけて支給するのか。早期に行なうようにという現地の声は非常に大きい問題であります。従来のやり方で時間ばかりかけるのは不得策と思う。所見をお伺いしたい。  災害対策費は従来、慣行として、三、五、二という支出がなされておるように聞いております。地方団体当局では、それを少なくとも五、三、二ぐらいにしてもらいたいという声が非常に大きい。基本的にその姿勢を改めて、この声を聞いてやるべきであると思いますが、いかがでしょうか。  また、地方中小商店は、旧盆を迎えて、商品の買い入れ在庫が非常に多かったのでありますが、一、二時間で一五〇ミリもの増水では、どうにもならなくて、ほとんどの商品は水浸しになり、壊滅的な打撃を受けております。この際、災害融資をすみやかに実施し、金融機関も融資の道を開くべきであると思いますが、いかがでしょうか。  以上、こまごまとした点をお伺いしましたが、総理大臣はじめ各大臣におかれては、災害絶滅と災害復旧のために、丁寧懇切なる御答弁をしていただきたいと存じます。(拍手)    〔国務大臣佐藤榮作君登壇拍手
  28. 佐藤榮作

    国務大臣(佐藤榮作君) 原田君にお答えいたします。  わが国の地理的、また自然的条件はたいへん恵まれてない、災害の起こりやすい国土でございます。したがいまして、原田君もその中で言われておりますように、宿命的に災害を受けるような地域だと、かように私ども考えております。しかしながら、宿命的だからといってあきらめるわけにはいきません。私どもは、災害から国土と国民の生命、財産を守る、これは政治上の基本的姿勢でございます。したがいまして、その立場に立ちまして、あらゆる科学的な力も動員して、可能な範囲におきまして、この災害を防除する、災害の起こらないように防止する、これに気をつけていかなければならないと思います。さような意味で災害対策基本法もできておりますし、また、各種の治山、治水あるいは海岸保全等の長期計画も、実は、ただいま申し上げるような観点から立ち上がった政府政治あり方であります。で、私は、さような意味で、これはただ単に、天災か人災か、かような意味で片づけることには賛成をいたしません。積極的に、原田君が述べられましたように、建設的なその方向において、国民のためにこの災害防止に取り組むべき態度であってほしいと思います。  そこで、具体的な問題として、気象観測をもっと効果的にしろと、こういうお話であります。これは、私どもも気をつけなければならないことであります。ただいまの気象観測の技術といたしましては、具体的に、幾ら幾らの雨がどこそこに降るとか、こういうことは、まだ予報し得ないような状態だと思います。しかしながら、あらゆるデータを可及的すみやかに通報、周知さす、そういうことについては万遺憾なきを期したいと思いますので、これは、御指摘にありましたような点、たとえば気象庁の定員、人員等がやや不足しておるんではないか、こういうような点も、十分今後気をつけてまいりまするし、また、地方における周知の方法において、あるいは協力を求める点に欠くものがあるのではないかというような御注意も、十分注意してまいるつもりであります。その具体的な一つの方法として、飛行機による気象観測、こういう御提案がございました。飛行機による気象観測は最も望ましいことであり、いまの時点において考えられる一番正確な気象観測の方法だと言われております。しかし、わが国の航空機、この状態では、これは十分ではないように思います。多分に軍事的な意味もあるようでございますので、私は、日本で私どもの力でこれに直ちに取り組むということは、今日無理だ、これはできないことだ、かように考えております。また、そういう意味では、アメリカの協力を得るという、そういう方向でただいまやっておりますので、この点は御承知のとおりだと思います。  また、地すべり対策について、起きてからの地すべり対策ではだめだ、予防的措置をとれという具体的なお話です。これは、ひとり地すべりばかりではございません。治山、治水、海岸保全計画河川改修、その他すべてが予防的措置、そういう意味の対策であることには間違いございません。ただ、予算的にこれは無限な状態ではありませんので、これは、お話のうちにもありましたように、予算を重点的に使っていく。そうして効果があがるようにいたしたい。かように考えております。(拍手)    〔国務大臣西村英一君登壇拍手
  29. 西村英一

    国務大臣(西村英一君) 第一点は、五ヵ年計画をむしろ三ヵ年に繰り上げてやったらどうだということでございまするが、現在の五ヵ年計画の進捗率は、おおむね五五%でございます。したがいまして、今年で三カ年でございまするから、やや五ヵ年計画は繰り上げてやっておるのでございます。しかし、これを三ヵ年でやってしまうかどうかということにつきましては、最前も申しましたように、いろいろな問題が起こりましたので、新しい観点から五ヵ年計画を再検討してみたい、かように思う次第でございます。  第二点の御質問は、中小河川の管理はただいま都道府県知事になっておるが、これを市町村長にしたらどうかというような御質問であったと思いますが、実は中小河川を市町村長にするということは、河川が各町村にわたっておりますので、なかなか実行が困難であろうと思います。現在のところ、一級河川建設大臣、二級河川は都道府県知事、それから普通河川は市町村長になっておるのでございまするが、むしろ普通河川で重要な河川がありますれば、これはやはりこの二級河川に格上げをするということでいきたいと思うのでございます。  それから河川改修計画をする場合に、いまの降雨量の取り方が少し少ないのじゃないか、一〇〇ミリぐらいの降雨量を取ったらどうだ、こういう御質問のようにありましたが、現在は全国的平均をいたしまして計画をする場合には、おおむね一時間降雨量を六〇ミリに取っておるのでございます。しかし、これは地方によりまして、ところによりまして非常に違いますから、あるところではそれよりもずっと多くの降雨量を見込んで計画をし、あるところは三〇ミリ、四〇ミリで計画をしておるのでございます。しかし、今回の集中豪雨等のこともありますので、この一時間の降雨量の点につきましては、さらに検討をしたいと、かように考えておるものでございます。  それから中小河川に対する予算の問題にも触れられたようでございまするが、さいぜんも申しましたように、中小河川も非常に最近は皆さん方から重要だと言われ、私もそう考えておりまするから、個所にいたしましても九百数十カ所、それも非常に重要な河川といたしましても、さいぜんも申しましたように、改修を促進するというところで三百三十カ所ぐらいはあげてやっておる次第でございます。予算もただいまは中小河川を重点に配賦をいたしておるような次第でございます。  原形復旧改良復旧の問題がございましたが、これはもうもちろん改良復旧しなければならぬところは当然改良復旧をする、改良復旧のみならず関連の仕事もしなければならぬのでございます。  それから最後に、宅地あるいは住宅の問題について一体どうなっておるのだと、こういうお話がございましたが、実は今回の事故につきまして、ただいま調査員を派遣いたしまして調べておる最中でございます。その事故を起こした地域が、宅地造成法の規制区域であったか、規制区域の適用を受けていない区域であったか、また自然のがけくずれであったか、いろいろな事情があるわけでございます。ただいま調査員を派遣をいたして、これを調査しておる最中でございまするから、他日、また調査がわかりましたら、ひとつ皆さん方に御報告する機会もあろうかと思っておるのでございまして、あくまでもわれわれとしては、この今回の事故にかんがみまして、山くずれ、がけくずれというようなところに住宅ができないように、また、できておるところはそれを移転をするように監督をしていきたいと、かように考えておる次第でございます。(拍手)    〔国務大臣塚原俊郎登壇拍手
  30. 塚原俊郎

    国務大臣塚原俊郎君) 災害対策基本法に基づいて防災体制の確立にできるだけの努力をしてまいったのでありまするが、突如としてこういった事態が起きましたことはまことに遺憾であります。しかし、応急対策に全力を尽くすと同町に、これを教訓として今後の問題にも対処していく考えでございます。  それから佐賀県についてのお尋ねでございましたけれども、詳細はただいま佐賀班の方から、私、報告を受けまするので、それを聞いて御趣旨のように対処していきたいと考えております。  なお、十日の日でありましたか、白木委員を委員長とする公明党の災害対策の関係の方三人がお見えくださいまして、いろいろとお話を承りました。そのとき水の問題が、私は強く印象に残っておるのでございます。そのころから、今度の災害によって、もちろん、いつもそうだと思いますが、特に人手と水ということについて、現地からの強い要望がございましたので、あらゆる努力を払って、この要求にこたえるというように指示もいたしたのでありますが、今日では大体行き渡っているのではなかろうかと、私はそのように考えております。  さらに、警察の災害時における機械化の問題でありますが、関係大臣と御相談をいたしまして、こういうものはやるべきであると考えておりまするから、前向きでその方向に進んでいきたいと考えております。(拍手)    〔国務大臣大橋武夫君登壇拍手
  31. 大橋武夫

    国務大臣(大橋武夫君) 気象庁の本庁におきましては、全国につきまして、三十六時間先のいわゆる予想天気図をつくり、これを無線の模写放送により、管区気象台、地方気象台、測候所などに伝達をいたしておるのでございます。このために、高性能電子計算機を活用して、数値予報の改善をはかっていきまする一方、気象資料自動編集中継装置を現在整備中であり、さらに、気象衛星観測資料受画装置の整備等により、予報精度の向上に資する計画を進めております。  管区気象台等の十カ所の予報中枢官署では、中央からの予想天気図をもとにして、自己の担当予報区域に対し、より詳細な地方指示報を作成して、管内の地方気象台等を指導いたしております。さらに、各府県の地方気象台は、これらの資料をもとにして、県内の観測資料をももとにしまして、各府県に対する予報を行なっているのでございます。かくして、雨量が注意報あるいは警報実施の基準に達すると予想されましたときには、注意報を出し、または警報を出して、気象業務法の定めるところによって、所定の機関に通報して、災害の防護に当たらせるという仕組みでございます。  そこで、集中豪雨ごとき、局地的現象に対する対策を完備いたしますためには、この末端の目をできるだけこまかくすること、すなわち、問題はレーダーあるいは雨量観測綱等を、よりこまかい目にしていくということでございますので、そのためには、市町村の補助的活動をも今後お願いするようにいたしてはどうかというような点も考えておるのでございます。このほか、気象庁といたしましては、根本的には、予報施設全体をより整備し、今後その予算に努力してまいるつもりでございます。  次に、高層観測点の整備でございますが、ただいま岩手県三陸町に気象ロケット観測を整備いたしまするために、昭和四十二年度において、土地買収費が予算に計上されましたので、これによって、さしあたり、土地を獲得し、四十三年度以降においては、できるだけ早くこれを完成したいと思っております。したがって、増設の問題については、将来の問題といたしたい考えであります。    〔国務大臣水田三喜男君登壇拍手
  32. 水田三喜男

    国務大臣(水田三喜男君) 災害に対する融資の御質問がございましたが、地方団体がもし、つなぎ融資を必要とする、災害救助復旧に対してつなぎ融資を必要とする場合は、資金運用部がこれを全部引き受けることにいたしまして、管轄財務局にもうすでに指示を完了してございます。  それから、発生災害に対する地方債の必要がある場合には、すでに既定計画を持っておりますが、追加の必要がある場合には、これも資金運用部で全額引き受けるという用意をいたしております。  それから、政府関係金融機関、いわゆる政府の中小三機関、農林公庫、住宅金庫というようなものにつきましては、貸し付けの体制をすでにとっておりまして、一部もう貸し付けの申請を受け付けているというところもございます。この点は、遺憾のないように、関係機関においてこれも指示を完了しておるというところでございますので、この点は御心配をかけなくて済むというふうに考えております。(拍手
  33. 河野謙三

    ○副議長河野謙三君) これにて質疑の通告者の発言は全部終了いたしました。質疑は終了したものと認めます。      ——————————
  34. 河野謙三

    ○副議長河野謙三君) この際、議員派遣の件についておはかりいたします。  昭和四十二年七月豪雨による被災地の慰問及び実情調査のため、広島県・兵庫県に中野文門君、山崎斉君、武内五郎君、山田徹一君、長崎県・佐賀県に内田芳郎君、江藤智君、伊藤顕道君を、それぞれ本日から四日間の日程をもって派遣いたしたいと存じます。これに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  35. 河野謙三

    ○副議長河野謙三君) 御異議ないと認めます。      ——————————
  36. 河野謙三

    ○副議長河野謙三君) 日程第二、防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案趣旨説明)。  本案について、国会法第五十六条の二の規定により、提出者からその趣旨説明を求めます。増田国務大臣。    〔国務大臣増田甲子七君登壇拍手
  37. 増田甲子七

    国務大臣(増田甲子七君) 今回提出いたしました防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。  まず、防衛庁設置法の一部改正について、御説明いたします。  これは、防衛庁本庁の職員を、自衛官四千二百七十八人と自衛官以外の職員五十三人と、合計四千三百三十一人を増加するための改正でございます。  自衛官の増員の内訳は、陸上自衛隊については千五百人で、ヘリコプター部隊、気象関係部隊等の整備充実に充てるものであり、海上自衛隊については千六百二十八人で、艦艇の増加に伴い必要となる人員並びに航空関係の部隊及び後方支援部隊等の充実のため必要な人員であり、航空自衛隊については千百五十人で、航空団の改編、ナイキ部隊の新編及び警戒管制、救難等の部隊の充実のため必要な人員であります。  自衛官以外の職員は、海上自衛隊の後方支援部隊等の充実のためであります。  次に、自衛隊法の一部改正について御説明いたします。  第一に、教育航空集団の長の階級が海将補から海将に昇格いたしましたので、その称呼を司令官に改称するものでございます。  第二に、自衛隊の予備勢力確保のため、予備自衛官を六千人増員して、合計三万人とするものでございます。  第三に、第七航空団の司令部を埼玉県の入間基地から茨城県の百里基地へ移転するものでございます。  以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手
  38. 河野謙三

    ○副議長河野謙三君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。八田一朗君。    〔八田一朗君登壇拍手
  39. 八田一朗

    ○八田一朗君 ただいま趣旨説明のございました防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正いたします法律案に対し、自由民主党を代表して若干の質問をいたします。  最近の国際情勢を見ますと、先般グラスボロで開かれたジョンソン米大統領とコスイギンソ連首相の会談の結果、米ソ間は、話し合いによって問題を処理しようという態度から、全般的には緊張緩和の様子が見られます。しかし、一方において、中共は依然として強硬な対外政策をとり、昨年来の文化革命、紅衛兵問題があるにもかかわらず、東南アジアをはじめ、各地の親中共、中共寄りの共産主義勢力に対し援助を続けているといわれております。今回の水爆実験とも関連して、世界における軍事情勢の焦点は、いまやアジアに移ったと考えられます。  ベトナムにおける紛争については、アメリカ、北ベトナムとも依然として従来の態度を変えていないため、早急な平和的解決は困難であり、長期化の傾向にあるものと思われます。  また、中東におけるアラブ連合とイスラエルとの紛争を見ても、電撃作戦によって寸時にして情勢が一変する戦争が発生しております。全面核戦争の可能性は考えられないといたしましても、実際にはこのような局地的武力紛争が発生しているのが現実の姿であります。  ところで、中共が先般行なった水爆実験を見ますと、従来のアメリカ、ソ連、イギリス、フランスの例に比べて、非常に速い速度で核開発が進んでいることを示すものであり、また、その運搬手段である長距離誘導弾の実験も近いうちに行なわれるのではないかと聞いております。このような中共の核開発の実情は、隣接国のわが国として毛、当然重大な関心を持ってその動向を注目する必要があるのみならず、わが国の防衛問題にも重大な影響があるものと考えるのであります。  中共の核開発の今後の見通しとこれに対するわが国の対策について総理の御意見を伺いたいと存じます。  また、わが国の周辺において、国籍不明の航空機あるいは艦船が、演習その他の目的をもって活発に行動していると聞いておりますが、このような動静については国民の大部分が承知していないと思います。国籍不明の航空機、艦船の行動は、わが国の安全という見地から慎重に警戒する必要があると思います。この機会に、差しつかえのない範囲で、これらの実態について防衛庁長官から率直な説明を承りたいと存じます。  次に、政府はさきに昭和四十二年度から昭和四十六年度までの五カ年間について、国民所得の一・二%に当たる二兆三千四百億円の規模をもって第三次防衛力整備計画を立て、国防に関する長期構想を明らかにしました。その内容を検討しますと、わが国の経済的、社会的発展をはかりつつ必要最小限度の自衛力を終局の目標として、年々若美に防衛力を建設整備せんとするものと見られます。具体的には、周辺海域防衛力の強化を第一とし、防空力の向上につとめ、また自衛隊の各種機動力の充実をはかるものであると思います。近代の防衛力は、長期見通しのもとに高度の科学技術を活用して初めて保持し得るものであります。第二次防衛力整備計画の結果、ようやく防衛体制の確立を見つつあるとき、第三次防衛力整備計画の決定は、まことに時宜を得た施策と考えられます。しかしながら、極東自由主義諸国家がその国力の相当部分を国防に注がざるを符ない実情を見れば、わが国としても国際平和を全うするために、さらに一そうの防衛努力が必要であり、政府の特別の配慮が強く望まれるのであります。国の防衛は、国家と民族の生存に関するきわめて重要な問題であり、政府はもとより、国民のすべてが真剣に取り組まなければならない問題であります。政府においては、さきにも触れたとおり、第三次防衛力整備計画を決定し、本問題に対する積極的な姿勢を明らかにしましたことは当然のことでありますが、それと同時に、国民の防衛問題に対する関心が高まってきているように見受けられることは、まことに喜ばしいことと存じます。この際、政府としては、さらに一そう防衛問題の重要性に関する国民の認識を高め、その協力を得ることが必要であると考えますが、政府はどのような施策を講じておられるか、総理にお尋ねいたします。  次に、自衛官の充足対策についてでありますが、自衛隊を精強な部隊に育成するためには、近代的装備の整備と相まって、これを維持し運用する自衛官の質、量両面における充実を必要とすることはいまでもないことであります。最近、自衛隊員の募集が好調であり、自衛官の補充もかなり向上していると聞いておりますが、しかし、なお一万七千余名の欠員がある実情にかんがみ、さらに充足対策を強化する必要があると存じます。本来、志願制下における自衛官の募集、特にわが国の雇用慣行の中では、きわめて特異な制度をとっている任期制隊員の募集は、社会、経済、労働等の諸情勢の影響を受けるところが多く、しかも今後予想される適齢人口の推移、進学率の動向、企業の若年労働者に対する要請は、必ずしも自衛官の募集が容易でないことを示しております。このような諸情勢の中で、定員を増加し、しかも、いままでの欠員の補充をはかろうとするものでありますが、一体どのような対策を考えておられるのか、防衛庁長官から具体的に説明をしていただきたいと思います。  また、防衛二法案は昭和四十、四十一年と二年間にわたり口の口を見ず、このため、海上自衛隊一千六百八十三名、航空自衛隊千百五十名の増員が見送られております。これら所要の定員が得られない反面、航空機や艦艇は逐年就役しているため、防衛力を十分に発揮することができません。特に南極観測船「ふじ」のごときは、南極観測隊及び越冬隊を二回も南極に運び、国家的事業の大任を果たしながら、いまだにその乗り組み員は、定員の裏づけがないため、他の部隊から人員を割愛しており、部隊運営上支障を来たしていると聞いております。また、茨城県百里にある第七航空団の司令部は、遠く離れた埼玉県入間に置かれている関係で、指揮運用に支障を来たし、ひいては飛行安全に悪影響を及ぼしていると聞いております。また、この法案が未成立のため、昇任を予定されている多数の者が進級できず、しかもそのまま退職しなければならない者が多くあるため、隊員の士気に大きな影響を及ぼしていると聞いております。自衛官は、身命の危険を顧みず、万一の事態に備えて、日夜危険な訓練に精進しているのであります。また、災害に際しては、直ちに出動し、罹災者の救助、罹災地の復旧に当たり、その迅速適切な活動は、国民の深く感謝しているところであります。自衛隊の健全な育成をはかり、その士気を高めることはきわめて重要なことと存ずるのであります。防衛庁長官はいかに対処しようとしておられますか、お伺いいたします。  次に、最近の中東における紛争に関連して、石油資源の確保についてお尋ねいたします。近時、石油はエネルギー資源としてその重要性が著しく高まり、国民経済、国防上不可欠のものとなっております。しかるに、わが国は石油資源に乏しく、年間一億キロリットルも原油を輸入しております。この量は、十年前の輸入量に比べて、実に十倍となっております。今後ますます石油の消費量が増加して、その量はばく大なものとならざるを得ません。現在原油の輸入先は中東地域に偏しており、昭和四十年度の実績では、原油総輸入量の九〇%を中東から輸入していると聞いております。わが国のエネルギー政策遂行の基本的態度として、国民経済上並びに国防上の観点から、原油の輸入を確保するため、たとえば、東南アジア、カナダ、アラスカ等、原油の輸入先の分散をはかるとともに、必要に応じ、輸送、備蓄等の合理化をはかり、将来に備えるべきではないかと存ずるのでありますが、この点、総理はいかがお考えでございますか、お尋ねいたします。  最後に、わが田防衛の基本は、あくまで日米安全保障体制を堅持しつつ、国力、国情に応じた防衛力を整備することにあると考えます。なかんずく、陸上、海上、航空の各自衛隊は、わが国の防衛力の中核をなすもので、その内容の充実強化とともに、自衛隊長の士気を高揚するため、政府におかれても断固としてなお一そうの配慮をお願いしたいと思います。防衛問題は、単に防衛庁、自衛隊のみの問題ではなく、広く国民の支持のもとに整備改善せられるべきものであり、これに真剣に取り組むことが、政府及びわれわれに課せられた重大な使命であることを訴えて、私の質問を終わります。(拍手)     〔国務大臣佐藤榮作君登壇拍手
  40. 佐藤榮作

    国務大臣(佐藤榮作君) 第一点は、中共の核装備についてのお尋ねでございます。御承知のように、三十九年十月、第一回の核爆発の実験をいたしましてから、今回で六回目であります。したがいまして、私は、中共の核開発は着実に進んでおるものだと思います。今後の見通し、これはもちろん、私は見通しが立たないのでございまして、全然わかりません。この核の開発におけるその実績から見、さらに運搬手段等につきましても、いろいろ検討を続けておられるようでありますから、ミサイルの開発につきましても、効果のある成績をあげることだと、私はかように思います。これについては、米国のマクナマラ国防長官がいろいろ見通しを立てておりますが、なかなかその見通しどおりでもないのではないかと、かように思います。いずれにいたしましても、この中共自身が核爆発、核開発をし、核兵器を持ち、その運搬手段を整備する、こういうことはそう遠いことではないだろうと、私は想定を、予想するのであります。また、このミサイル装備の潜水艦なぞも持つという計研のようにも聞いておりますので、いつ、いかなる時期にどういう状態になるという、そういう予想は立ちませんが、今日までの実情から見まして、科学的なこの開発計画、これは着々と進んでおるもの、かように考えなければならないと思います。  次に、第二問としてお尋ねのありましたわが国の石油資源、これを多元的に供給源を確保する、そうして安定供給、そういう方向で努力すべきではないか、このお尋ね、これは私は御意見どおりに考えております。わが国におきましては、中東ばかりでなく、あらゆる方面におきまして、この石油資源の供給源を確保するつもりでおります。これは軍事的な問題から申すのではございません。わが国の経済発展の原動力でございますから、その意味におきまして、このエネルギー源を整備する、こういうことに一そう努力しなければならぬと思います。その意味で、ただいま御審議をいただいております石油開発公団の新しい構想なども、その一翼をになうもの、かように思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  その次の第三問、これが具体的に本問題に、本提案に関係のあるものでありますが、わが国の国防、この安全確保、その方向は一体何かということであります。わが国はちゃんと憲法の規定がありまして、いわゆる国際紛争を武力によって解決しないと、これは積極的に戦争しないという、そういう制約をちゃんと受けております。しかし、わが国の自衛力、自衛権、それをも否定するものでないことは、すべての国民も、また学者も一致しておるところであります。私は、わが国の安全を確保するためにただいまの自衛力を整備すること、いわゆる防衛力整備計画、これは三十二年にきめたものでありますが、それに基づいての自衛力の漸増方針、これは今日も変わらないのであります。この自衛力を漸増することが戦争へつながるとか、あるいはわが国がみずから戦争へ飛び込むとか、一部で申しておりますが、これはたいへん間違ったことであります。私はわが国の安全確保のためにあらゆる努力をするつもりでございます。しかし、核兵器は持たない、持ち込みも許さない、これは国民へのはっきりした約束でございます。そのことにおいてわが国が万一侵略を受ける、攻撃を受ける、こういう際には、みずからの力によりましてこの国土を守る、そのために必要な自衛力でございます。どうか社会党の諸君も、この点だけは誤解のないように御理解をいただきたいと思います。  また、申し上げるまでもなく、この自衛力整備、これはただ単に防衛庁だけでその力が生まれるものではございません。御指摘のごとく、国民全般の理解があって初めて十分この効果を発掘することができるのであります。私は、さような意味におきまして、あらゆる行事や、あらゆる機会を通じまして、国民の理解を得て、ナショナル・コンセンサスがこの方向で形成されることを心から望んでおるような次第でございます。(拍手)    〔国務大臣増田甲子七君登壇拍手
  41. 増田甲子七

    国務大臣(増田甲子七君) 国家の存立維持並びに一億国民の平和と幸福を守るための国防ないし自衛についての八田議員の深き御理解に基づく御質問に対しまして、深く敬意を表するものでございます。そこで、大綱のことにつきましては、自衛隊の最高指揮官である総理大臣から申されましたので、細目につきまして申し上げます。  まず第一に、わが国周辺における外国の航空機並びに船舶の活動状況いかんという御質問でございます。日本周辺における外国の航空機の動きにつきましては、航空法あるいは国際法親等に触れるおそれのある日本海側からの日本への接近は、昭和四十一年度におきましては約二百機でございます。太平洋側から三陸沖を南下して、いわゆる東京急行、これが十数件でございます。自衛隊機による緊急発進は年間おおむね三百五十件でございます。  船舶について申し上げます。船舶は、日本周辺における外国の船舶でございまするが、宗谷海峡、津軽海峡並びに対馬海峡等を通過いたしております船舶は、宗谷海峡において四千八百隻、津軽海峡において四千三百隻、対馬海峡において四千八百隻でございます。これはおおむね外国の船舶が日本近海を測量したり監視する等のために遊よくを現在いたしておりますし、また、演習行動等もやっているようでございます。そこで、われわれは、これらに対しまして、日本を守るという見地からある程度の監視をいたしておりまするが、国籍不明の船舶も、いま申し上げた数のうち、約半分あるということを申し上げておきます。  その次に、人員不足につきましては、これを充足するためにどんな努力をしておるか。隊員の処遇並びに生活改善のことにつきまして、相当の努力を払っております。また、隊員が退職いたしました後に再就職のことにつきまして援護措置を講じておりまするが、一そう強化する必要があると思っております。なお、募集実施計画の体制強化ということも必要である、こう考えておる次第でございます。隊舎の建設、宿舎の増設、営舎内の環境整備、あるいは曹の昇任のワク拡大、帰郷制度の拡充、職業補導等につきましては、予算におきまして皆さんの御賛成を得ておりまするが、その範囲内において大いに努力をしてまいりたい、こう考えておる次第でございます。  それから御指摘の、防衛二法がいままで三年間成立しなかったために各種の不便を来たしていることは、お説のとおりでございまして、いままで南極観測の「ふじ」、これも自衛隊法に基づいて行なっているわけでございまするが、既設の艦艇あるいは部隊の要員を割愛しておりまするから、既設の艦艇、部隊等が不便を生じておることは、御指摘のとおりでございます。これらの不便を今回の防衛二法の改正によりまして解消いたしたいと考えておる次第でございます。それから昇進等は、今回四千三百人お願いをいたしておるわけでございまするが、それが、数といたしましては、たとえば一佐が一人増加いたしたといたします。それから二佐が五名増加いたしたといたします。そういたしますと、一佐に二佐から一名なる。そこで、二佐が五名といたしますというと、二佐へ六名の昇進ができる。こういうような二佐になれるのが六名といったようなことで、実人員におきましては六千九百名の昇進というものが阻害されているような状況でございます。  その他のPRその他につきましては、いま総理大臣の御指摘のとおり、総理大臣の御指示に基づきまして、報道機関、あるいは各種の催し等をいたしましたり、何よりも先にこのシビルコントロールの最高機関である国会において皆さまの御協力を得るために一生懸命努力をいたしているつもりでございます。  右をもって御答弁といたします。(拍手)     —————————————
  42. 河野謙三

    ○副議長河野謙三君) 伊藤顕道君。     〔伊藤顕道君登壇拍手
  43. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案につきまして、総理並びに防衛庁長官に対し若干の質問を行ない、この質疑を通じて、この法律案がいかに不合理であるか、また、自衛隊の実情がいかに憲法を空洞化しているかを国民の前に明らかにせんとするものであります。(拍手)  総理に対する質問の第一点は、この法案は即刻撤回されたほうが日本のためになると確信いたしますが、総理にこの法案を撤回されようとする意思がおありかどうかという点でございます。周知のごとく、この法律案は三年越しのものでありまして、昭和四十年以来、審議未了、廃案という運命を繰り返してまいりました。にもかかわらず、またまた提案してくるということは、ただ単に執念深いということだけではなく、国会軽視のそしりは免れないと思うのであります。  本法案は、自衛官四千二百七十八名、予備自衛官六千人の増員をその主たる内容とするものでありますが、自衛隊は、現在約二万の自衛官の欠員をかかえているのであります。このような欠員をかかえながら、なおかつ、四千名からの増員を要求すること自体、まことに筋が通りません。政府は、一方では欠員を充足することの無理なことは認めて、欠員の分は初めから予算も組んでいないのであります。にもかかわらず、増員を要求してくる、これは一体どういうわけでありましょうか。陸上自衛隊十八万の定員というこの看板をおろしたくないからであろうかと思います。長い間引き続いて十四、五万人しか集まらない。自衛官募集は、いまや限界に来ておるのであります。にもかかわらず、十八万という看板をなお改めないということは、まことに不可解千万というほかございません。この十八万人というのは、自衛隊発足前、池田・ロバートソン会談で、日本がアメリカに請け負ったその数であります。それ以来、この十八万人という目標を後生大事に守っているところを見ますると、日米安保体制という美名のもと、実はアメリカ政府に唯々諾々の措置としか解し得ないのであります。政府は、真に自衛官の増員を必要とすると考えるのであるならば、このような増員の法案は即時撤回して、この法案成立に費やしておる政府の努力を、現在の自衛隊の欠員充足に結集する、このことこそが最も賢明な方策だと考えますので、総理みずから、上野駅頭の自衛官募集の先頭にお立ちになってはいかがでありましよう。  質問の第二点は、総理は、国の安全保障という問題をいかに考え、いかに理解されておるかという点であります。国民の生活と自由を守り、国家の安全を確保するということは、政治の要諦であり、これが世界平和維持の前提条件であることは、私がいまさらここで申し上げる必要もございません。問題は、この先、すなわち、いかにして国家の安全を確保するか、その方策いかんということであります。現在世界の政治家、いや、世界のすべての人々は、軍備によって安全を守り得るなどと考えておりません。その証拠に、もっぱら軍事的な意味に重点の置かれた「国を守る」「国防」、こういう用語が好んで用いられたのは、一時代前のことであって、現在においては、「国防」ということばよりは、「安全保障」という用語が使われるのが、世界の通例であります。これは単に用語上の問題として片づけることのできない、重大な必然性を含んでおるのであります。兵器体系の革命的進歩によって、戦争の性格、戦争の様相が一変してまいりました。原水爆、大陸間弾道弾、超音速ジェット機などの現出、いまや宇宙兵器すら夢ではありません。ソ連の核ロケット攻撃に対してアメリカですら自国を守ることはできないという状態であります。世界の核貯蔵量は高性能爆薬三百億トンに相当すると言われ、それは地球上に住む人間一人当たり高性能爆薬約十トンにひとしいのであります。過日お隣の中共が、今度は水爆実験に成功し、世界第四番目の水爆保有国になったとの報道は御承知のとおりであります。  このような時代においては、戦前のような国防といった純軍事的な狭い考え方が通用しないことは当然であります。そこにおいて安全保障という外交を中心とした政治経済、思想まで含めた広い視野に立つ考え方が必要となってくるのであります。  しかるに、わが国においては、防衛計画の作成過程を例にとってみても、いまだ軍事偏重の考え方が歴然としておるのであります。過去二十年間日本国民が平和に経済の復興に専念できたのは、核兵器の発達によってお互いにオーバーキルの状態となり、そこに恐怖の均衡状態が生まれ出て維持されてきた、このことが第一点、われわれ日本国民が憲法前文において崇高な平和主義の決意を宣明したこと、このことが第二点、この二つの理由によるものといわなければなりません。  すなわち、戦争抑止力は日米安保条約ではなくて、日本の平和憲法であり、この平和憲法を守っていこうとする日本国民のかたい意思の力であります。(拍手)  総理に対する質問の第三点は、日米安保体制についてであります。政府は一九七〇年の安保条約改定期を前にして、すでに長期固定化の意向を明確にしておられる。そうして一方では、最近、自主防衛ということも言っておられますけれども、安保条約で日本の自衛力増強が事実上義務づけられている以上、自主防衛ということはあり得ないのであります。国民的共感を得るための一種のまやかしにすぎません。最近における幾つかの事例報道は、日米安保体制に対する国民の不安をますます高めております。南ベトナムでの日本人LST船員の負傷事件、日本の学会への米陸軍極東開発局からの広範な委託研究、建設省国土地理院の軍用地図作製問題、過日外相公邸で秘密裏に開かれた日米両国の軍事専門会議、さらには佐藤総理の韓国訪問の際行なわれた日米韓台四ヵ国首脳会談等々の報道は、国民をして安保条約の危険性を身近に感ぜしめるに十分でありました。  安保条約の実施という形でベトナム戦争の片棒をかつぐ羽目に立ち至っている日本の姿を見まするとき、日米安保体制が戦争の抑止力であるどころか、かえって日本を戦争に巻き込む張本人だと断定せざるを得ないのであります。このような観点から、一九七〇年の安保改定期には、あらためて国民に安保条約の是非善悪を問うて、その上で決着をつけるべきだと思いますが、総理の御所信をお伺いしておきたいのであります。  総理に対する質問の第四点は、防衛力整備計画についてであります。政府は、防衛計画策定について、明確な防衛構想を持っているのかどうか、まことにあいまいであります。少なくとも、国民には知らされておりません。国民は、自衛隊は一たん有事の場合、どれほどの抵抗能力があるのか、はたして役に立つのかと、素朴な疑問を抱いておるわけです。すでに二兆五千億という巨額な血税を投げ出した国民といたしましては、苦々しいきわみであります。政府は、防衛力整備の理由として、日本経済力、ひいては国際的責任の向上と防衛費の対国民所得の低さをあげるだけで、それ以上の具体的必要性を、国民に何ら示しておりません。いまや防衛力整備計画は、名は防衛計画であっても、真に一朝事ある場合の想定の上に立った防衛計画ではなく、形だけのものであり、防衛産業、防衛生産のための防衛計画であり、対米向けの防衛計画であると、ここに断定せざるを得ないのであります。そこに二万人、三万人もの恒久的欠員をかかえたままの自衛隊が現出してくるのであります。これが平和憲法を持つ、また、その憲法を守っていこうとの決意に燃えている日本国内での自衛隊の姿であります。現在、自衛隊国民に結びつけているものは、わずかに災害救援に出動した際の自衛隊のみであります。自衛隊の最高指揮権を持つ総理は、このような自衛隊の現状について、いかに対処されていこうとするのか、御所見を承っておきたいのであります。  最後に、防衛庁長官に自衛隊のシビリアンコントロールということについて、お伺いしておきたいと思います。  私たち日本社会党は、自衛隊は憲法違反の存在であるとして政府を追及し、自衛隊の解消のため、今日まで努力してまいりました。しかしながら、現に自衛隊は二十八万をこす武装集団として存在することは、否定できない事実であります。その意味でも、民主主義日本において、自衛隊のシビリアンコントロール、すなわち政治優位の原則は、いささかも侵されてはなりませんが、運用の面においては、例の三矢事件の例を引くまでもなく、はなはだ遺憾な点が多いのであります。私がここに指摘したいのは、次の三点であります。  第一点は、防衛庁には、秘密主義が横行しているということであります。三矢計画において、あるいはフライングドラゴン作戦計画なるメモにおいてしかり、ということができます。国会の資料要求に対しても、軍事上の理由ということで秘匿し、自衛隊の実情を、国会の場を通じて国民に知らせることを、みずから拒否しておるのであります。この点については、大いに反省すべきであります。  第二点は、内局の人事についてであります。防衛庁の内局という存在は、自衛隊のシビリアンコントロール補強のための機関として、わが国独特のものと聞いておりますが、いま問題にしたいのは、内局の人事であります。内局の防衛局は警察庁から、経理局は大蔵省からというように、二、三年間の出向輪番人事が行なわれておるのが現在の実態であります。このような形で、それぞれ軍事専門家としての幕僚監部に対して指示を与え、防衛庁長官を十分補佐し得るかどうか。四ヵ月でおやめになった上林山長官の例をあげるまでもなく、まことに疑わしい限りであります。このように見てまいりますと、私たちは国会の場で油断なく政治優位の原則を守り抜かねばならないと、ここに心を新たにするものであります。  以上の点につきまして防衛庁長官の御所信を承って、私の質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣佐藤榮作君登壇拍手
  44. 佐藤榮作

    国務大臣(佐藤榮作君) 伊藤君にお答えいたします。  まず最初に、本法案を撤回する意思ありやいなやということでございますが、撤回する意思は持っておりません。そこで、ただいまいろいろその理由としてあげられましたように、三年ごしの法案だ、ぜひとも成立さしたいという、その熱意から今回も重ねて出したのでございます。これはただ単に執念ではございません。また、メンツでもございません。ぜひとも社会党の皆さん方の御協力を得たい、こういうふうなことで提案しておるのであります。  また、自衛官の募集の先頭に総理自身立ったらどうか、たいへん激励をされたと私は考えます。この点では厚くお礼を申し上げます。  次に、わが国の防衛力の問題でございますが、自衛力の問題、これはお説にありますように、政治経済、外交全部が一体となりまして、そうして初めて総合的に効果を生ずるものだと私も考えております。そういう意味で、先ほども八田君にお答えいたしましたように、国民の支持、国民の理解がなければ国防というようなことは効果があがらないものだ、かように私も考えております。そういう意味で、ナショナル・コンセンサス、これをつくることに、これが最も大事だ、かような意味で、政府も真剣に取り組むつもりでございます。  次に、いろいろ安全保障の問題についてのお話がございました。御意見、必ずしも私は全部賛成でもございませんが、とにかく平和憲法のもとにおけるわが国の安全を確保する、そのために必要な自御方、これがただいま申し上げます点でございまして、申すまでもなく、平和憲法といっても、わが国の自衛権を否定すると、そういうものではない。通説はこの自衛権を認めております。そういう点で私どもは必要な自衛力、これを持つのでございます。しかし、みずからが戦争をする。したがって、他国に対して攻撃的な脅威を与えるような兵器は一切持たないということも約束いたしております。これはいわゆる平和憲法のその精神、それに基づいてのわが国の態度であり、また、実際の現実の防衛力の整備の問題でもあります。  ところで、わが国は、先ほど八田君にお答えいたしましたように、核兵器は持たない、この開発もしない、持ち込みもしない、こういうことを約束いたしております。そういう点から、核兵器を持つ国がだんだんできて、一部では、さようなもとにおいては、わが国の安全確保は困難ではないか、こういうような心配をする向きもございます。(「頭が悪いんじゃないか」と呼ぶ者あり)しかし、私は、この点については、頭が悪いのではなくて、この点については、日米安全保障条約によりまして、このわが国の安全を確保する、その基調を守るつもりでございます。今日まで日米安全保障条約をつくれば日本が戦争に巻き込まれる、とんでもない方向へ行くとかいう御心配がありましたが、わが国が、国民が安心して、安全で繁栄への道をたどっておるのも、これはただいまの日米安全保障条約のおかげだと、かように私は確信するのであります。その意味におきまして、一九七〇年以後におきましても、この日米安全保障条約は堅持するつもりでございます。  そこで、ただいま、その形をどういうような形にするのかというお尋ねでございますが、一九七〇年までには、まだしばらく時間がございますので、よく検討してみたい、よく考えてみたい、かように思っております。問題は、私に課せられたその責任、わが国の安全を確保する、これはわが国の総理大臣として一番大事な使命でございますので、その点に立ちまして、よく考えていくつもりでございます。  また、防衛力整備計画については、先ほどもお答えいたしたのでありますが、昭和三十二年に、わが国の国防の基本方針、これを定めており、その方針に基づきまして、国力、国情に応じて自衛力、防衛力を漸増する、こういう方針をとっております。そういう意味で、過去におきましても、第一次防あるいは第二次防、まあ今回は第三次防衛計画、これを実施しようとして、皆さま方におはかりをしておるのであります。基本的な態度には、何らの変わりはございません。問題は、私ども政府がどういうようなくふうをして、どういうような働きをして、わが国の安全を確保するか、その一事にあるのであります。平和憲法の命ずるところ、また、国民とともに誓い合ったその立場におきまして、平和に徹し、この国を守る、こういうことで、ただいまの防衛計画、これを整備していくつもりでございます。  その他は、防衛庁長官からお答えいたします。(拍手)     〔国務大臣増田甲子七君登壇拍手
  45. 増田甲子七

    国務大臣(増田甲子七君) 伊藤議員にお答えいたします。  私に御質問の点は、シビリアンコントロールの点でございます。そこで、シビリアンコントロールにつきましては、すなわち、政治優先、普通シビリアンコントロールと言っておりますが、正確には、シビルコントロールだそうでございます。そこで、政治優先ということにつきましては、いつも、あらゆる機会におきまして、私は、国会が防衛出動なり治安出動につきましては、最高のコントロールをしていらっしゃるのである、また、自衛隊自身は、せびろを着ていらっしゃる内閣総理大臣が最高の指揮監督者でございまして、その下に立つ、皆さまと同様にせびろを着ておるこの防衛庁長官が、制服を指揮監督することである、いかなる場合においても、制服自身が主導的に働くということはないのでございます。この点につきましては、厳重に、いつも国会において答弁すると同時に、部下にも訓辞をいたしておる次第でございまするし、私は、コントロールの実をあげてまいっておるつもりでございます。  それから伊藤議員が、内局の人事がしばしばかわったり、あるいは通産省から来たり、大蔵省から来たりして、おかしくないかという御質問は、一応ごもっともだと思います。しかしながら、この装備のことにつきましては、やっぱり通産省関係の方が兵器産業等には詳しいわけでございまして、そこで、通産省の権威を持ってきまして、相当の年数——腰かけではいけませんから、相当の年数いていただく。前から通暁していらっしゃるのでございます、通産省にいらっしゃるときから。それから経理の方面につきましては、大蔵省の方が経理のことは詳しいわけでございまして、常々、防衛計画のことにつきましての予算化等につきましても、大蔵省では非常に熱心に勉強していらっしゃいますから、従来とも、そういう人事の交流をいたしまして、そうして内局が制服のほうを——制服をコントロールするのは総理大臣であり、防衛庁長官という文民でございます。その文比が制服をコントロールする場合に、内局の文民がわれわれに助力する、こういうしかけを整備充実さしてまいりたい、こう考えておる次第でございます。  以上をもって御答弁といたします。(拍手
  46. 河野謙三

    ○副議長河野謙三君) これにて質疑の通告者の発言は全部終了いたしました。質疑は終了したものと認めます。      ——————————
  47. 河野謙三

    ○副議長河野謙三君) 日程第三、公立高等学校設置適正配置及び教職員定数標準等に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。文教委員長大谷藤之助君。    〔大谷藤之助君登壇拍手
  48. 大谷藤之助

    ○大谷藤之助君 ただいま議題となりました法律案について、文教委員会における審査の経過及び結果について御報告いたします。  本法律案は、高等学校生徒の急増期を終わった今日、将来の生徒数の推移と高校進学率とを勘案検討し、教育水準の一そうの高揚を期して、年次計画により、公立高等学校の学級編制の標準を改善するとともに、教職員定数の標準の充実をはかり、同時に、特殊教育諸学校の高等部にかかる学級編制及び教職員定数についても、新たに法律上の整備を行なおうとするものであります。  委員会におきましては、中央教育審議会の委員の任命及び学校教育の拡充整備に関する諮問の内容、大学入試と能研テストの関係、後期中等教育の拡充についての中教審の答申と学科の多様化の問題、高等学校設置基準と学級編制の標準との関係、定時制教育及び特殊教育の諸学校における教職員の充実等について、各委員よりきわめて熱心な質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録により御承知願います。  質疑を終わり、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して秋山委員より、高等学校の学級編制の標準が設置基準の本則四十人に達していないこと、教頭及び生徒指導教員等の定数配置は管理体制を強化するものであること、特殊教育諸学校の高等部の教職員定数は不十分であること、等の理由により反対。自由民主党を代表して、楠委員より、現時点において最も適切な改正であり、高校教育の進展に資するものであるとして賛成意見が述べられました。  次いで採決の結果、本法律案は多数をもって可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告いたします。(拍手
  49. 河野謙三

    ○副議長河野謙三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立
  50. 河野謙三

    ○副議長河野謙三君) 過半数と認めます。よって、本案は可決せられました。      ——————————
  51. 河野謙三

    ○副議長河野謙三君) 日程第四、簡易生命保険法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。逓信委員長森中守義君。    〔森中守義君登壇拍手
  52. 森中守義

    ○森中守義君 ただいま議題となりました案件は、簡易生命保険の保険金額の最高制限額を百五十万円に、最低制限額を十万円に、それぞれ引き上げることを骨子としているものであります。  なお、この最高制限額は、簡易保険の全種類について百万円を百五十万円に引き上げようとするものでありますが、特別養老保険以外は、その実施を来年四月一日よりとしております。  逓信委員会におきましては、国営保険と民営保険との位置づけ、簡易保険資金の運用等について質疑を行ない、慎重審議をいたしましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  質疑を終え、討論に入りましたところ、別に発言もなく、直ちに採決の結果、全会一致をもって衆議院送付案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  53. 河野謙三

    ○副議長河野謙三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立
  54. 河野謙三

    ○副議長河野謙三君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決せられました。      ——————————
  55. 河野謙三

    ○副議長河野謙三君) 日程第五、住居表示に関する法律の一部を改正する法律案衆議院提出)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。地方行政委員長仲原善一君。    〔仲原善一君登壇拍手
  56. 仲原善一

    ○仲原善一君 ただいま議題となりました「住居表示に関する法律の一部を改正する法律案」は、住居表示実施状況にかんがみ、街区方式によって町または字の名称を新たに定めるときは、できるだけ従来の名称によることとするとともに、関係区域内の住民の意思を反映させるため特別の手続を新たに設けるなどを、おもな内容とするものでございます。  委員会におきましては、衆議院議員岡崎英城君から提案理由の説明を聞き、慎重に審査いたしました。質疑を終局し、採決の結果、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  57. 河野謙三

    ○副議長河野謙三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立
  58. 河野謙三

    ○副議長河野謙三君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決せられました。      ——————————
  59. 河野謙三

    ○副議長河野謙三君) 日程第六、日本専売公社法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。   まず、委員長の報告を求めます。大蔵委員長竹恒夫君。     〔竹中垣夫君登壇拍手
  60. 竹中恒夫

    ○竹中恒夫君 ただいま議題となりました「日本専売公社法の一部を改正する法律案」につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。  本案は、公社におけるたばこ事業の業務量の拡大に伴い、たなおろし資産が増加し、この増加分に対する資金手当てが窮屈となっている実情にかんがみ、その円滑化をはかるため、納付金額の算出について、たなおろし資産の増加額を限度として利益金の一部を留保できるようにするとともに、政府以外からも借り入れをすることができることとする改正措置を講ずるほか、監事が監査の結果に基づき必要があると認めるときは、総裁または大蔵大臣に意見を提出することができることとする等、監事の権限に関する規定を整備しようとするものであります。  委員会における審議の詳細につきましては会議録によって御承知を願いたいと存じます。  質疑を終了し、採決の結果、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  61. 河野謙三

    ○副議長河野謙三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。   本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立
  62. 河野謙三

    ○副議長河野謙三君) 過半数と認めます。よって、本案は可決せられました。      ——————————
  63. 河野謙三

    ○副議長河野謙三君) 日程第七、旧執達吏規則に基づく恩給の年額の改定に関する法律案。  日程第八、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案。   (いずれも内閣提出衆議院送付)  以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  64. 河野謙三

    ○副議長河野謙三君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長の報告を求めます。法務委員会理事山田徹一君。    〔山田徹一君登壇拍手
  65. 山田徹一

    ○山田徹一君 ただいま議題となりました二法案について、法務委員会における審議の経過と結果を報告いたします。  「旧執達吏規則に基づく恩給の年額の改定に関する法律案」は、旧執達吏規則に基づいて、執行吏の退職者に支給する恩給の額を、今回の一般公務員恩給の増額と同率に、六十五歳以上七十歳未満の者については二〇%、七十歳以上の者については二八.五%、それぞれ増加しようとするものであります。  また、「下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案」は、市町村の廃置分合等に伴い、古原、布施、平の各簡易裁判所の名称を、それぞれ富士簡易裁判所、東大阪簡易裁判所、いわき簡易裁判所に改め、尾道、福山、福島富岡、いわきの各簡易裁判所の管轄区域を、新行政区画に一致するよう改めようとするものであります。  委員会における二法案に関する質疑の内容は会議録に譲ります。  討論には二法案とも発言なく、次いで、二法案を逐次採決の結果、いずれも全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  以上報告いたします。(拍手
  66. 河野謙三

    ○副議長河野謙三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立
  67. 河野謙三

    ○副議長河野謙三君) 総員起立と認めます。よって、両案は全会一致をもって可決せられました。      ——————————
  68. 河野謙三

    ○副議長河野謙三君) 日程第九、戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案。  日程第十、戦没者父母等に対する特別給付金支給法案。   (いずれも内閣提出衆議院送付)  以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  69. 河野謙三

    ○副議長河野謙三君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長の報告を求めます。社会労働委員長山本伊三郎君。    〔山本伊三郎君登壇拍手
  70. 山本伊三郎

    ○山本伊三郎君 ただいま議題となりました二法律案につきまして、社会労働委員会における審査の経過及び結果を報告いたします。  「戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案」は、要約して次の三点の改正を内容とするものであります。  まず、戦傷病者に対する援護に関し、障害給付と療養手当の改善を行なうこと。  第二に、戦没者遺族に対する援護に関し、遺族給付と弔慰金について改善を行なうこと。  第三に、戦傷病者の妻に対する援護に関し、特別給付金の支給範囲を拡大することであります。  次に、「戦没者父母等に対する特別給付金支給法案」は、目撃事変及び太平洋戦争により、すべての子、または最後に残された子を失った戦没者父母等に対して、十万円の特別給付金を支給するものであります。  委員会におきましては、戦後処理の基本方針、特に、原爆被爆者及び毒ガス患者に対する援護措置、外地戦没者の遺骨収集等を中心に質疑が行なわれましたが、詳細は会議録で御承知を願います。  昨十一日、質疑を終わり、採決の結果、両法律案はいずれも全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案に対しては、全会一致をもって附帯決議が付されました。内容は、原爆被爆者の援護に関する法的措置の促進等を要望するものであります。  以上報告いたします。(拍手
  71. 河野謙三

    ○副議長河野謙三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立
  72. 河野謙三

    ○副議長河野謙三君) 総員起立と認めます。よって、両案は全会一致をもって可決せられました。      ——————————
  73. 河野謙三

    ○副議長河野謙三君) 日程第十一、航空機工業振興法等の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。商工委員長鹿島俊雄君。    〔鹿島俊雄君登壇拍手
  74. 鹿島俊雄

    ○鹿島俊雄君 ただいま議題となりました「航空機工業振興法等の一部を改正する法律案」について、商工委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。  本法律案は、現在中型輸送機YS11型の量産を行なっております日本航空機製造株式会社の事業を一段と助成するため、同社に対し、YS11型の試作試験段階の終了後も、なお新たな政府出資ができることとし、その限度を四十二億円とするものであります。  委員会におきましては、YS11型の事故原因、エンジン等の国産化、需要と販売体制、次期機種、会社の経理等の諸問題について質疑がありましたが、その詳細は会議録に譲ります。  かくて質疑を終わり、討論の発言もなく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上報告を終わります。
  75. 河野謙三

    ○副議長河野謙三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立
  76. 河野謙三

    ○副議長河野謙三君) 過半数と認めます。よって、本案は可決せられました。  本日はこれにて散会いたします。   午後一時十八分散会